この年度の出題傾向
2012年度の掲載解説は80問で、このうち画像診断分野の59問を臓器・主題別に集計しました。内訳では胸部・心血管17問、脳・脊髄・頭頸部10問、肝胆膵・脾8問が多く、脳・脊髄・頭頸部の構成比は全年度の年別平均より1.3ポイント低い値です。IVRや撮像技術は対象臓器と重複計上せず別群とし、複合題は主題に基づく便宜分類を含みます。
臓器別の比較は画像診断分野内の割合で行い、21年度の年別構成比の平均と比較しています。複合題は主題一つに分類した当サイトの集計で、公式配点ではありません。境界が曖昧な問題は便宜的な分類を含みます。
画像診断以外の内訳:核医学16問、共通5問。
画像診断の臓器・主題別内訳を見る
| 臓器・主題 | 問題数 | 診断分野内の割合 | 年平均との差 |
|---|---|---|---|
| 脳・脊髄・頭頸部 | 10問 | 16.9% | -1.3ポイント |
| 胸部・心血管 | 17問 | 28.8% | -0.7ポイント |
| 肝胆膵・脾 | 8問 | 13.6% | +1.1ポイント |
| 消化管・腹膜 | 5問 | 8.5% | +0.8ポイント |
| 泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜 | 8問 | 13.6% | +0.5ポイント |
| 骨・関節・軟部 | 6問 | 10.2% | +0.1ポイント |
| 乳腺 | 3問 | 5.1% | +0.5ポイント |
| IVR・手技・画像技術・多臓器その他 | 2問 | 3.4% | -1.1ポイント |
放射線科診断専門医・2012年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月19日:全80問を改訂しました。解答例は非公式です。原本画像と既存解説を照合し、全問に出典を付けました。出題当時と現在の診療を区別し、公式正答未確認の保留点は明記しています。
解答作成にご協力いただいた皆さまに感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
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診断専門医 2012年度 問1
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問1
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|誤り
GM管はガス増幅が飽和する領域を使うため、パルス高で入射光子のエネルギーを識別できない。
b|正しい
電離箱は放射線で生じた電荷を集め、広いエネルギー範囲で線量測定に利用できる。感度のエネルギー依存性は補正する。
c|正しい
半導体では電荷対生成に必要なエネルギーが小さく、光子のエネルギーを細かく分けて測定できる。分解能の数値は核種と装置条件を伴って示す。
d|誤り
シンチレータは発光を増幅して検出するため微弱な放射線にも高感度であり、電離箱より一律に低感度とはいえない。
e|誤り
加熱によって捕獲電子が解放された際の蛍光を測る。蓄積した放射線エネルギーを熱量として読む方法ではない。
判断のポイント
電離箱は広いエネルギー範囲の線量測定に使われ、半導体検出器は高いエネルギー分解能を持つ。
鑑別・注意点
GM管ではパルスの大きさから入射エネルギーを分別できない。TLDは加熱により放出される光を測定するもので、熱そのものを測るわけではない。旧説明のGe検出器の分解能約2 eVという値は不適切で、分解能は光子エネルギー・装置条件とともに示す。
参考文献
診断専門医 2012年度 問2
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問2
解答例:d(誤り)
選択肢別の解説
a|正しい
同一再構成条件なら光子数の増加で量子ノイズが減り画質改善に寄与する。ただし線量増加を無制限に正当化するものではない。
b|条件・画像に注意
管電流等を固定して管電圧を下げると透過光子数が減りやすい。電流補償や被写体径、再構成法によってノイズの変化は異なる。
c|正しい
必要な画質に合わせて被写体の吸収に応じ管電流を調整し、不要な照射の低減を図る。
d|誤り
通常の胸部CTと後前正面単純撮影には2倍より大きい線量差がある。比較には同じ線量指標と実際の撮影条件を用いる。
e|正しい
ヘリカル再構成に必要な投影を得るため、設定範囲の両端にも照射される。短い範囲の撮影では相対的な影響が増す。
判断のポイント
胸部CTの線量を胸部後前正面撮影の2倍程度とする記述は不適切である。検査条件に依存するが、通常はそれより大きな差がある。
鑑別・注意点
旧説明は異なる臓器・線量指標の数値を一列に並べており修正する。管電圧低下時のノイズは管電流など他条件に依存する。AECは画質要求に応じ管電流を調整し、ヘリカル撮影では再構成のため範囲両端に余分な照射が生じる。
参考文献
診断専門医 2012年度 問3
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問3
解答例:e(出題当時の想定)
選択肢別の解説
a|誤り
高浸透圧製剤を選んで腎障害を予防する方法ではない。必要な造影能を得る低・等浸透圧製剤を適切な量で使用する。
b|条件・画像に注意
粘度だけで腎障害リスクを決めることはできず、低粘度製剤を選ぶだけでは標準的な予防策にならない。
c|誤り
ステロイドは造影剤関連腎障害を防ぐ薬剤ではない。アレルギー様反応への対策とは区別する。
d|誤り
単独のループ利尿薬で脱水を招けば腎血流が悪化する。腎障害予防として一律に投与しない。
e|正しい
出題当時は腎障害例の等張液による前後補液が推奨された。現在の安定したeGFR 41のみで全員に12時間の補液を行うとはせず、AKI・追加リスクと容量過剰を評価する。
判断のポイント
2012年の指針では腎障害患者の造影剤関連腎障害予防として、等張性生理食塩水による検査前後の補液が推奨され、選択肢ではeを選ぶ。
鑑別・注意点
現在は安定したeGFR 41だけで全員に長時間補液を行うとはしない。AKI、追加リスク、心不全・容量過剰の危険を評価して個別化する。ループ利尿薬やステロイドを腎障害予防として一律に投与しない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2012年度 問4
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問4
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
施設間で画像情報を正しく解釈するため、DICOMの画像形式と患者情報の標準に従う。
b|誤り
患者取り違えを防ぐ媒体の識別表示は必要である。表面への患者名表示を全面的に禁止する説明は適切でなく、個人情報保護と両立させる。
c|誤り
特定の大容量媒体を全施設に強制すると互換性が損なわれる。出題時のPDI運用基準と受取施設の対応を確認する。
d|正しい
動画の再生や対応形式は環境に依存するため、受取側と事前に合意して提供する。
e|誤り
可搬媒体による画像連携にも厚生労働省標準規格がある。規格が存在しないという前提は誤りである。
判断のポイント
DICOM準拠画像を用い、動画など受入環境に左右される情報は相手施設と事前確認して提供する。
鑑別・注意点
PDI等の標準と運用指針に従い、患者照合に必要な媒体表示と個人情報保護を両立させる。Blu-rayを一律の必須媒体とせず、互換性を確保する。2012年当時の媒体規定と現在利用可能な媒体の範囲は分けて扱う。
診断専門医 2012年度 問5
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問5
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
診療情報の送受信には盗聴・改ざん対策を備える安全な通信経路が必要で、VPNはその手段となる。
b|条件・画像に注意
非可逆圧縮は情報を失うため、通信量削減だけを理由に一律採用しない。診断目的と圧縮条件について指針に沿って検討する。
c|条件・画像に注意
研究用匿名化と診療用の患者識別を分ける。遠隔読影で必ず匿名画像のみを使うのではなく、安全に患者照合できる仕組みを整える。
d|誤り
緊急所見は報告書の送信だけでは不十分で、依頼医へ速やかに直接連絡できる体制が必要である。
e|誤り
遠隔でも診断の質を確保する必要があり、モニター、照明、通信、過去画像の閲覧環境を適切に整える。
判断のポイント
画像・報告の送受信にはVPN等を用いた安全な通信が必要である。
鑑別・注意点
匿名化を全ての診療目的の遠隔読影で必須とするわけではなく、正確な患者識別、個人情報保護、契約・アクセス管理を行う。圧縮は診断への影響と指針を考慮し、緊急連絡体制と適切な表示環境も確保する。
診断専門医 2012年度 問6
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問6
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
症候性の低流速静脈奇形では、流出経路等を評価したうえで経皮的硬化療法を選択できる。T2高信号だけで血流型を確定しない。
b|条件・画像に注意
限局性で完全切除が可能なら手術も選択肢になるが、浸潤範囲や神経・腱損傷の危険を考慮し、提示像から一律に第一選択とはしない。
c|誤り
良性血管奇形に放射線を照射することは通常の治療ではなく、成長期の正常組織障害も問題になる。
d|誤り
皮膚表在性の病変に使う方法であり、前腕深部の広がりをもつ静脈奇形全体の治療としては適さない。
e|誤り
低流速静脈奇形には高流量の供給動脈が治療標的として存在するとは限らない。近位動脈の閉塞だけでは病変を処理できない。
判断のポイント
脂肪抑制T2で著明な高信号を示す分葉・管状の軟部病変があり、症状を伴う低流速静脈奇形に対する硬化療法が合う。
鑑別・注意点
高信号だけで血流型を確定せず、超音波・造影動態、流出静脈、神経・腱との関係を評価する。切除・圧迫療法も病変に応じ選択し、すべての静脈奇形で硬化療法が唯一の方法とはしない。
参考文献
診断専門医 2012年度 問7
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問7
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
関節面付近の皮質不整と関節内脂肪血腫は関節内骨折を示唆する。骨折線が不鮮明でもCT等で評価する。
b|正しい
膝蓋上囊の液面は脂肪と血液が分かれた所見として捉え、関節内出血を支持する。
c|条件・画像に注意
骨折に伴う損傷はあり得るが、半月板自体はこの単純写真では評価できず、必要に応じMRIを用いる。
d|条件・画像に注意
靱帯損傷の併存は否定できないが、提示像だけで十字靱帯断裂を示す所見はない。
e|条件・画像に注意
打撲後の腫脹だけで側副靱帯損傷とは判定できない。圧痛部位、動揺性、MRI等で評価する。
判断のポイント
脛骨関節面の骨皮質不整と膝蓋上囊の液面形成から、関節内骨折と関節内出血を考える。
鑑別・注意点
骨髄脂肪が関節内へ流入する関節内脂肪血腫は関節内骨折の重要な手掛かりとなる。単純写真で骨折線が不明瞭でもCT等で確認する。半月板・靱帯損傷は併存し得るが、この写真だけで確定しない。
参考文献
診断専門医 2012年度 問8
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問8
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
骨梗塞では蛇行状の骨硬化縁を示す髄内病変が典型で、末節骨を破壊して指先を腫大させる像とは異なる。
b|誤り
手指に多いが通常は境界明瞭な髄内透亮像で、軟骨石灰化や緩やかな膨隆を示す。高齢者の有痛性破壊病変では別の原因を優先する。
c|正しい
末節骨の強い溶骨性破壊と有痛性腫大から末端骨転移を考える。原発巣の検索と感染等の除外を行う。
d|誤り
若年者の上腕骨・大腿骨近位に多い中心性囊胞で、提示された年齢・部位・破壊性の組合せには合いにくい。
e|誤り
通常は関節周囲の結節と硬化縁・張り出しを伴う骨びらんを示す。末節骨の広範な破壊を主所見とする本例では転移を優先する。
判断のポイント
有痛性の指先腫大と末節骨の破壊性溶骨像から、acrometastasisを考える。
鑑別・注意点
原発巣として肺癌・腎癌等が重要であるが、画像だけで原発臓器を決めない。感染や原発性骨病変も鑑別し、既往、全身検索と必要な組織評価を合わせる。
診断専門医 2012年度 問9
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問9
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
痛風では関節周囲結節や骨びらんを重視する。多数の類似した石灰化軟骨結節を主体とする像とは異なる。
b|誤り
関節裂隙狭小化、骨棘、軟骨下硬化が中心となる。多数の関節内結節をそれだけでは説明しにくい。
c|誤り
線維軟骨・硝子軟骨に沿う線状石灰化を生じやすく、関節内に多数の結節が充満する像とは区別する。
d|正しい
多数の軟骨性結節が関節内に形成され、石灰化・骨化すると粒状や輪状の陰影となる。単純写真とT2像の結節分布が合う。
e|誤り
ヘモジデリンによる低信号や磁化率効果が特徴で、多数の石灰化結節を主所見とする病変ではない。
判断のポイント
股関節周囲の多数の粒状・輪状石灰化と関節液内の結節があり、滑膜性骨軟骨腫症が合う。
鑑別・注意点
石灰化はCTで確認しやすいが、未石灰化の軟骨結節もある。ヘモジデリンを主体とするびまん型腱滑膜巨細胞腫とは信号・石灰化を比較し、全例がMRIで同じ像を示すとはしない。
診断専門医 2012年度 問10
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問10
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
悪性骨形成腫瘍なら破壊性病変、腫瘍性骨形成、軟部腫瘤を評価する。運動時発症と坐骨結節の分離骨片は裂離を支持する。
b|誤り
発熱や炎症所見、骨髄変化等を確認する病態で、筋牽引部の転位骨片を最もよく説明する診断ではない。
c|誤り
若年者の骨端核付着部に生じた分離骨片を、軟骨性悪性腫瘍と解釈する所見に乏しい。
d|正しい
骨端核が未癒合の時期にハムストリングの強い牽引がかかり、坐骨結節の裂離を生じる。発症状況と部位が一致する。
e|誤り
正常骨端核にも分節はあり得るが、運動中の疼痛と明らかな転位を伴う本例では外傷性裂離を優先する。
判断のポイント
右坐骨結節から離れた骨片と運動時発症の臀部痛を認め、ハムストリング起始部の骨端核裂離骨折が合う。
鑑別・注意点
正常な骨端核の分節と、転位・圧痛を伴う骨折を区別する。陳旧例の仮骨は腫瘍に似ることがあり、病歴、左右比較、必要なCT・MRIを合わせる。
参考文献
診断専門医 2012年度 問11
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問11
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
指末節の肥大や軟部組織肥厚、関節変化をみる疾患で、指骨橈側の骨膜下吸収を代表所見とはしない。
b|誤り
骨膜性骨増生等を起こし得るが、皮質表面の骨吸収を主とする本例とは異なる。
c|誤り
高カルシウム血症や軟部石灰化を来し得るが、特徴的な骨膜下吸収を直接示す診断ではない。
d|誤り
骨代謝亢進による骨量減少はあり得るが、限局した骨膜下吸収ならPTH作用を重視する。
e|正しい
PTH過剰による骨吸収が指骨の橈側に現れやすい。原発性・二次性の区別には血液検査と腎機能が必要である。
判断のポイント
指骨の橈側を中心とする骨皮質辺縁の不整・骨膜下骨吸収を認め、副甲状腺機能亢進症が合う。
鑑別・注意点
手の写真だけで原発性と腎疾患に伴う二次性を区別せず、PTH、カルシウム、リン、腎機能を確認する。褐色腫や骨量減少を伴い得るが、これらを骨粗鬆症や骨軟化症と同義にはしない。
診断専門医 2012年度 問12
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問12
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
血腫の信号は時期により変わるが、薄いリング状増強と内部の拡散制限を感染性内容と合わせて説明する方が適切である。
b|正しい
増強する壁の内側で強い拡散制限を示し、膿瘍腔の粘稠な内容を支持する。臨床検査や培養を合わせて評価する。
c|誤り
壊死部は一般に拡散が増加しやすい。壁の不整な充実成分等も比較するが、中心の拡散制限から本例では膿瘍を優先する。
d|誤り
好発部位は松果体・鞍上部等であり、提示の大脳内リング状病変は典型ではない。
e|誤り
リング状増強はあり得るが、壊死部全体の強い拡散制限は膿瘍を優先する所見である。例外があるため病歴や経過も確認する。
判断のポイント
リング状に増強される病変の中心部がDWI高信号、ADC低値を示し、周囲浮腫も伴うため脳膿瘍を優先する。
鑑別・注意点
ADC低下は膿の粘稠度や細胞成分を反映するが、転移等でも例外的にみられる。画像だけで病原体を決めず、感染源、血液・必要な病変検体と臨床所見を合わせる。
診断専門医 2012年度 問13
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問13
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
硬膜との広い接触や硬膜付着部を確認する。提示像では第四脳室外側の脈絡叢系腫瘍を優先するが、画像だけで完全除外はしない。
b|条件・画像に注意
第四脳室から孔を通って進展し得るため鑑別となる。脳室内主座と外側脈絡叢との関係を比較する。
c|条件・画像に注意
脳実質内の浸潤性病変かを確認する。境界明瞭で強く増強される脳室周辺病変なら脈絡叢腫瘍を優先する。
d|条件・画像に注意
高吸収・増強する腫瘍ではあるが、免疫状態、拡散、病変数と主座を合わせる必要があり、本画像のみで完全除外はできない。
e|正しい
成人では第四脳室やLuschka孔周辺に生じ得る。分葉状の輪郭と強い増強、脈絡叢に沿う位置が合う。
判断のポイント
第四脳室外側から小脳橋角槽に位置する分葉状で強く増強される腫瘤があり、脈絡叢乳頭腫を考える。
鑑別・注意点
Luschka孔周辺の脈絡叢との連続を確認する。上衣腫、髄膜腫等も同部位に進展し得るため、原画像で主座、脳室内成分、硬膜・内耳道との関係を評価する。画像のみで病理を確定しない。
参考文献
診断専門医 2012年度 問14
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問14
解答例:a、bを想定(画像だけで原因は確定しない)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
乳児の硬膜下血腫と皮膚のあざは虐待性頭部外傷を検討すべき組合せである。ただし画像所見だけで虐待と断定しない。
b|条件・画像に注意
凝固異常でも硬膜下血腫と皮下出血を生じる。性別や家族歴に加え凝固検査で評価し、画像だけで血友病と確定しない。
c|条件・画像に注意
膿瘍性内容なら拡散制限、増強、感染所見を確認する。本例の出血性所見を優先するが、追加シーケンスなしに感染を絶対除外しない。
d|条件・画像に注意
事故性外傷も出血を生じ得る。受傷の説明、発達段階、全身所見を照合し、画像だけで転落を否定しない。
e|条件・画像に注意
代謝性疾患には多彩な脳病変があるが、硬膜下血腫・あざだけで診断する根拠はない。出血原因の系統的評価を優先する。
判断のポイント
両側の硬膜下血腫と皮膚のあざから、虐待による頭部外傷と出血性疾患の両方を評価する。
鑑別・注意点
血腫やあざがあるだけで虐待と断定しない。受傷・発達・家族歴、全身診察、凝固検査を含め専門家と評価する。事故性転落も画像だけで一律に否定できず、本問の情報だけで出血原因の二者を確定することはできない。
診断専門医 2012年度 問15
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問15
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
結節状に強く増強する髄内腫瘤と関連血管が典型で、長い脊髄浮腫と表面蛇行血管の組合せでは硬膜動静脈瘻を優先する。
b|誤り
髄内の局所的な腫大・充実腫瘤をみる病態で、髄表の広範な異常血管を伴う静脈うっ血の説明には合いにくい。
c|誤り
髄液に近い信号の空洞であり、浮腫性T2高信号と増強する髄表血管は別の所見である。
d|正しい
表面の蛇行した静脈と長い髄内高信号が静脈うっ血性脊髄症を示唆する。シャント部位は血管撮影で同定する。
e|誤り
長い脊髄病変は起こし得るが、髄表の蛇行血管が明瞭なら先に血管性原因を評価する。
判断のポイント
脊髄内の長いT2高信号と背側を中心とする蛇行血管・増強を認め、静脈うっ血性脊髄症を伴う硬膜動静脈瘻が合う。
鑑別・注意点
脊髄浮腫の高さとシャント位置が一致するとは限らない。MRA等で補助し、脊髄血管撮影で流入・流出とシャントを同定する。炎症性髄炎として扱う前に表面異常血管を確認する。
診断専門医 2012年度 問16
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問16
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
皮質・皮質下の多発結節状高信号とてんかん発症が皮質結節を示唆する。脳室壁病変や他臓器所見も診断基準に沿って評価する。
b|誤り
脱髄斑は脳室周囲や脳梁等の分布・経時変化を重視する。本例の皮質主体の結節性病変とは異なる。
c|誤り
血管支配に沿う急性変化や拡散制限を確認する。多発皮質結節を梗塞とする根拠に乏しい。
d|誤り
発熱、急性意識変容、炎症性の分布・腫脹を合わせて判断する。提示の結節状病変には結節性硬化症が合う。
e|誤り
意識清明だけで除外するのではない。急性多相性症状と大きな境界不明瞭白質病変等の組合せを比べ、提示像では皮質結節を優先する。
判断のポイント
皮質・皮質下の多発結節状FLAIR高信号とてんかん発症から結節性硬化症を優先する。
鑑別・注意点
提示は単一のFLAIR断面であり、脳室壁沿いの小結節をこの図で明瞭に確認したと断定しない。上衣下病変は他断面で追加確認し、皮膚・腎・眼・心臓等の所見と診断基準を照合する。意識清明だけでADEMを除外しない。
診断専門医 2012年度 問17
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問17
解答例:b
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
後方の脳底槽優位の出血なら候補となるが、前方縦裂に厚い出血がある本例では前交通動脈領域を先に確認する。
b|正しい
前方の大脳縦裂と脳底槽に広がる出血から責任動脈瘤の候補となる。CTA等で起始と破裂点を確認する。
c|条件・画像に注意
右Sylvius裂への出血はあるが、右側への広がりだけで右中大脳動脈を責任部位とは決められない。
d|条件・画像に注意
左Sylvius裂への進展もあり得るが、左右差のみでは責任瘤を確定できない。
e|条件・画像に注意
鞍上槽や側頭葉内の出血分布も参考になるが、単純CTだけで本部位を確定する所見ではない。
判断のポイント
脳底槽から両側Sylvius裂・前方の大脳縦裂に広がる出血を認め、前交通動脈瘤の破裂を優先する。
鑑別・注意点
血液に囲まれる比較的低吸収の部分は動脈瘤を示すことがあるが、単純CTだけで起始や責任瘤を確定しない。CTAまたは血管撮影で確認する。出血が広範な場合ほど分布による局在推定には限界がある。
診断専門医 2012年度 問18
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問18
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
内側視床と中脳水道周囲等の対称性病変に臨床三症状が合う。疑いが強ければ画像確定を待たずチアミン治療を考える。
b|誤り
脳幹・基底核等にも病変を生じるが、口腔・皮膚・眼などの全身所見を合わせる疾患で、提示の対称性分布ではチアミン欠乏を優先する。
c|誤り
多発する脱髄斑の典型分布と時間的・空間的多発を評価する。左右対称の内側視床・水道周囲病変を代表像とはしない。
d|誤り
両側視床の静脈性浮腫・出血を起こし得るため重要な鑑別だが、水道周囲を含む分布と三症状はWernicke脳症が合う。静脈の開存も確認する。
e|誤り
両側傍正中視床梗塞は急性の意識障害を起こすが、動脈領域に沿う拡散制限と経過を比較する。水道周囲などの対称性病変は欠乏性脳症を支持する。
判断のポイント
内側視床と中脳水道周囲・中脳蓋付近の左右対称性高信号があり、臨床の三症状と合わせWernicke脳症が合う。
鑑別・注意点
チアミン欠乏の背景は飲酒に限らず、摂取不良や吸収障害等を確認する。MRI正常でも否定できず、疑いが強ければ検査確定を待ってチアミン投与を遅らせない。両側視床病変では静脈血栓や動脈梗塞等も比較する。
診断専門医 2012年度 問19
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問19
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
脂肪や石灰化、複数の組織成分を伴うことがあり、舌骨付近の単純な囊胞状病変とは異なる。
b|誤り
舌下腺由来で口腔底から顎舌骨筋周辺へ連続する。舌骨に沿う発生経路を示す本例とは位置関係が異なる。
c|誤り
耳下腺・外耳道周囲との関係が特徴であり、前頸部の舌骨近傍は典型的部位ではない。
d|誤り
通常は胸鎖乳突筋前縁、頸動脈間隙外側等の側頸部に生じる。提示の前頸部病変とは異なる。
e|正しい
舌骨近傍から甲状舌管の経路に沿う囊胞として説明できる。正常甲状腺の存在を確認し、感染や壁在結節にも注意する。
判断のポイント
舌骨近傍の前頸部傍正中に境界明瞭な囊胞性病変を認め、甲状舌管囊胞が合う。
鑑別・注意点
舌骨との位置関係と正常甲状腺の存在を確認する。感染時には壁肥厚や内部不均一を示す。鰓裂囊胞の位置は発生経路に沿って比較し、第3鰓裂病変を単純に後頸間隙と一括しない。
参考文献
診断専門医 2012年度 問20
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問20
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
Warthin腫瘍は耳下腺に両側性・多発性に生じ得る。反対側と同側の追加病変も確認する。
b|誤り
神経周囲進展は腺様囊胞癌等で重視する悪性所見で、Warthin腫瘍の通常の性質ではない。
c|誤り
顔面神経自体から生じる腫瘍ではなく、リンパ組織を伴う唾液腺上皮性腫瘍である。
d|正しい
上皮とリンパ組織を背景に囊胞性腔を形成し、MRIで充実部と液体成分が混在し得る。
e|誤り
石灰化が高頻度という特徴はなく、耳下腺病変の診断根拠としては集積、囊胞性変化、分布を重視する。
判断のポイント
左耳下腺腫瘤に過テクネチウム酸の集積を認め、Warthin腫瘍が合う。両側・多発性に発生し、囊胞性変化を伴い得る。
鑑別・注意点
年齢・性別・耳下腺下極というだけで確定しない。オンコサイトーマ等でも集積し、FDG高集積も悪性確定を意味しない。造影は早期増強と洗い出しを示すことがあり、一律に乏しいとはしない。
診断専門医 2012年度 問21
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問21
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
乳頭腫は充実組織と特徴的な内部の縞状構造等を評価する。洞内の著しいT2低信号塊は真菌性内容を優先する。
b|誤り
出血性内容や線維化を含む膨張性病変で不均一信号を示すが、提示の洞内高吸収と著明低信号の組合せでは菌塊が合う。
c|誤り
メラニンによりT1高信号・T2低信号となることはあるが、明らかな充実腫瘤や増強を確認せず低信号のみで診断しない。
d|誤り
術後の洞拡張性囊胞として手術歴と骨変化を確認する。単なる液体貯留より高吸収・低T2内容を示す真菌症を優先する。
e|正しい
菌塊内の金属成分等による高吸収とT2低信号が合う。周辺の高信号粘膜と区別し、浸潤性の判断は進展所見と病理に基づく。
判断のポイント
右上顎洞の高吸収成分とT2著明低信号の内容物があり、真菌性副鼻腔炎が合う。
鑑別・注意点
洞壁の変化だけで浸潤性と確定せず、眼窩・頭蓋内進展、軟部組織浸潤、免疫状態と病理を評価する。低信号の菌塊と高信号の粘膜肥厚を区別する。
参考文献
診断専門医 2012年度 問22
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問22
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
蜂巣肺を伴う完成した線維化が自然に元へ戻るとする説明は不適切である。原因と病型に応じ管理する。
b|誤り
UIP型の線維化は一般に慢性経過である。急性増悪が起こり得ることと、疾患自体が急性発症であることを分ける。
c|誤り
胸膜直下・肺底部優位がUIPの典型分布であり、上肺優位を特徴とはしない。
d|正しい
既存の間質性肺疾患は一部の薬剤による肺障害の危険因子となる。薬剤別の添付文書と患者背景を確認する。
e|誤り
広範なすりガラス影が線維化を上回る場合は別病態や急性増悪を考える。IPFの典型像をそれだけで説明しない。
判断のポイント
胸膜直下の蜂巣肺・網状影から線維化性間質性肺疾患を考える。既存肺線維症は一部の抗癌薬等による肺障害の危険因子となる。
鑑別・注意点
UIP画像パターンと原因不明のIPFは同義ではなく、膠原病・曝露・薬剤等の原因を評価する。自然経過や予後を旧来の単一生存率で固定せず、治療と病型に応じ説明する。
診断専門医 2012年度 問23
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問23
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
気管支壁肥厚と小葉中心性の小結節は気道病変の強い肺炎を示し、若年成人の経過と合わせて優先する。
b|条件・画像に注意
肺胞性の区域性・葉性濃度上昇が典型だが重なりもあり、画像だけで完全に除外はできない。
c|条件・画像に注意
強い肺胞性浸潤と壊死等を比較する。本例の気道中心性病変から第一候補とはしないが菌種は検体で判断する。
d|条件・画像に注意
広い浸潤影・すりガラス影等を生じ得る。画像パターンだけで確定・除外せず全身所見と検査を合わせる。
e|条件・画像に注意
他の非定型肺炎と重なる所見があり、画像だけの鑑別には限界がある。気道中心性の変化から本例ではマイコプラズマを優先する。
判断のポイント
若年成人の発熱・咳嗽に、下葉の気管支壁肥厚と小葉中心性結節があり、マイコプラズマ肺炎を優先する。
鑑別・注意点
CT分布は他の気道感染とも重なり、画像だけで病原体を確定しない。発症時期を考慮した核酸検査等、重症度と臨床所見を合わせる。
診断専門医 2012年度 問24
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問24
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
農業では有機粉塵等の曝露を調べるが、胸膜プラークの代表的な原因を説明する職歴ではない。
b|誤り
炭鉱粉塵では小結節や進行性塊状線維化等が重要で、胸膜の板状石灰化を直接示す所見ではない。
c|誤り
溶接ヒュームによる鉄等の粉塵沈着は肺実質の細粒状影が中心で、胸膜プラークとは分ける。
d|誤り
動物関連抗原による過敏性肺炎等を検討する職歴で、石灰化プラークを第一に説明しない。
e|正しい
造船所では石綿を含む断熱材等への曝露があり得る。胸膜プラークを手掛かりに実際の作業内容を確認する。
判断のポイント
両側胸壁・横隔膜に沿う不整形の石灰化陰影は胸膜プラークを示唆し、選択肢では造船所での石綿曝露歴を確認する。
鑑別・注意点
プラークは石綿曝露の指標であり、肺実質の石綿肺や中皮腫そのものではない。画像だけで職業を確定せず、勤務内容・時期、環境・家庭内曝露も確認する。
診断専門医 2012年度 問25
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問25
解答例:eを優先
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
囊胞・低吸収領域はあるが、石灰化結節を伴う全体像を通常の肺気腫だけでは説明しにくい。
b|誤り
糖尿病は感染等の背景になるが、石灰化結節と囊胞の組合せを特異的に説明するものではない。
c|誤り
腎不全に伴う代謝性石灰化は鑑別だが、上肺優位の淡い小結節等と比較し、提示の局在性結節・囊胞から第一候補とはしない。
d|誤り
通常は両肺にびまん性の細かい石灰化陰影を生じる。大小の結節と囊胞を主体とする本例とは異なる。
e|条件・画像に注意
結節性肺アミロイドーシスなら軽鎖産生に関わる形質細胞・リンパ増殖性病変を調べる。ただし画像のみで全身性形質細胞疾患を確定しない。
判断のポイント
石灰化を伴う複数の肺結節と囊胞から結節性肺アミロイドーシスを考え、免疫グロブリン軽鎖産生に関わる形質細胞性疾患を背景として評価する。
鑑別・注意点
AL型は局所産生でも生じ、画像所見だけで全身性の形質細胞増多・骨髄腫を診断しない。シェーグレン症候群やリンパ増殖性疾患も関連し得る。慢性腎不全の代謝性肺石灰化とは結節・囊胞の形態を比較する。
診断専門医 2012年度 問26
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問26
解答例:bを優先
選択肢別の解説
a|誤り
肺胞内出血はすりガラス影や浸潤影を生じるが、結節状のリンパ路性間質肥厚を主所見とはしない。
b|条件・画像に注意
気管支血管束・小葉間隔壁等に沿う結節状肥厚から候補となる。癌性リンパ管症などとの重なりがあり組織・全身評価を要する。
c|誤り
肺動脈内の血栓や梗塞を確認する病態で、提示のびまん性リンパ路性肥厚だけでは診断根拠にならない。
d|誤り
感染性のすりガラス影や浸潤影はあり得るが、不整な間質肥厚が主体であり臨床・検体との照合が必要である。
e|誤り
比較的対称性の下肺優位すりガラス影・網状影と牽引性変化が典型で、結節状リンパ路性病変を第一とする像とは異なる。
判断のポイント
気管支血管束周囲、小葉間隔壁・胸膜近傍の結節状肥厚を認め、選択肢では悪性リンパ腫を優先する。
鑑別・注意点
リンパ路性分布はリンパ腫特異的ではなく、癌性リンパ管症、サルコイドーシス等とも重なる。リンパ節・他臓器病変、臨床検査と必要な組織診断を合わせ、画像だけで亜型や原発・続発性を決めない。
参考文献
診断専門医 2012年度 問27
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問27
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
可逆性気流制限や発作性症状を評価する。移植後に進行する閉塞性障害では慢性GVHD関連病変を優先する。
b|誤り
肺胞構造の破壊による気腫と細気管支閉塞による低吸収を分ける。移植後経過から本例では後者を考える。
c|正しい
移植後の進行性閉塞性障害に、肺過膨張・モザイク状の低吸収が合う。呼気CTと肺機能、感染除外で評価する。
d|誤り
免疫不全で重要だが、通常は感染に伴うすりガラス影や結節等を確認する。過膨張主体の像だけでは合いにくい。
e|誤り
幼少期の細気管支感染後に片側優位の透過性亢進を示すことが多く、移植後の新しいびまん性病態とは背景が異なる。
判断のポイント
骨髄移植後の進行性呼吸困難と肺過膨張・低吸収領域から、閉塞性細気管支炎症候群を考える。
鑑別・注意点
吸気像だけでair trappingの有無を確定せず、呼気CTと閉塞性換気障害、感染の除外を合わせる。気腫性肺胞破壊とは異なり、慢性GVHDとの関連も評価する。
診断専門医 2012年度 問28
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問28
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
先端は右心房に留まらず右肺動脈に向かう。カテーテル走行全体と波形で位置を確認する。
b|誤り
原本では頸部から縦隔へ入る経路を認め、鎖骨下からの進入とする説明には合わない。
c|正しい
末梢への過挿入や長時間の楔入は血流を妨げ、肺梗塞や肺動脈損傷を起こし得る。
d|誤り
中心静脈圧のみを測るカテーテルではなく、肺動脈圧や楔入圧等を評価する肺動脈カテーテルである。
e|誤り
末梢へさらに押し進めるのは危険である。肺門付近の適切な位置を確認し、必要時以外の楔入を避ける。
判断のポイント
右頸部から右心系を経て右肺動脈へ向かう肺動脈カテーテルであり、過度な末梢留置による肺梗塞等に注意する。
鑑別・注意点
先端が右房にある中心静脈カテーテルとは区別する。さらに進めるのではなく肺門内の適切な位置を確認し、波形・バルーン状態と合わせ管理する。楔入圧の測定部位を左肺動脈に限定しない。
診断専門医 2012年度 問29
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問29
解答例:c、eを想定
選択肢別の解説
a|誤り
肋骨下面の切痕は側副血行路に伴う所見で、提示像の急性肺血管変化とは異なる。
b|誤り
胸膜に接する楔状の梗塞影をいう。提示像では明瞭な楔状陰影を補って読まない。
c|正しい
拡張した中枢肺動脈が急に細くなる輪郭を捉える所見で、肺塞栓を示唆する。単純写真のみで確定はしない。
d|誤り
上縦隔と心陰影の組合せが雪だるま状となる先天性静脈還流異常の所見で、本例には合わない。
e|正しい
閉塞先の末梢で血管影が乏しく見える所見である。撮影条件にも影響されるため造影CT等で確認する。
判断のポイント
右肺門動脈の急な細まりと末梢肺野の血管影減少を読み、knuckle signとWestermark signを選ぶ。
鑑別・注意点
単純写真での肺塞栓所見は感度・特異度が十分でなく、血管影の左右差には撮影条件も影響する。Hampton humpは胸膜に接する楔状陰影であり、明瞭でない所見を補わない。臨床確率に応じ造影CT等で確認する。
診断専門医 2012年度 問30
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問30
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
胸膜を越えて移動する寄生虫により胸水・気胸と末梢結節を生じ得る。食歴、好酸球、抗体・虫卵を確認する。
b|誤り
典型的には境界明瞭な囊胞性病変や破裂に伴う内部構造をみる。胸膜移行性の経過は肺吸虫を優先する。
c|誤り
肺末梢の孤立結節として偶発的に見つかることが多く、左右で時期の異なる胸膜炎・胸水の説明には合いにくい。
d|誤り
主に生魚摂取後の胃腸病変であり、肺実質と胸膜にわたる典型的移行性病変ではない。
e|誤り
慢性肝・門脈系病変や肺血管病変等は起こり得るが、胸膜移行路を伴う結節と気胸の第一候補ではない。
判断のポイント
左右で時期の異なる胸痛・胸水に胸膜直下病変と気胸を伴い、肺吸虫症が合う。
鑑別・注意点
生の淡水カニ等の摂取歴、好酸球増多、抗体・虫卵検査を確認する。胸膜から結節へ続く線状影は移行路の手掛かりとなるが、画像のみで寄生虫を確定しない。
参考文献
診断専門医 2012年度 問31
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問31
解答例:b(誤り)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
心膜沿いの肺門前方の神経に対応する腫瘤なら発生母地になり得る。単一断面だけで神経連続性は確定しない。
b|誤り
右反回神経は鎖骨下動脈付近で反回し頸部へ上行する。肺動脈レベルの右胸腔内腫瘤をその経路とするのは不適切である。
c|条件・画像に注意
肺門後方を走るため同領域の腫瘤では候補となる。連続断面で走行を確認する。
d|条件・画像に注意
胸壁沿いの肋間神経に対応する腫瘤なら考えられる。NF1で多発病変を認め得る。
e|条件・画像に注意
傍脊椎領域の腫瘤なら候補である。位置だけで個々の神経起源を確定せず連続画像と合わせる。
判断のポイント
右反回神経は右鎖骨下動脈下を回って頸部を上行するため、右肺動脈背側の胸腔内腫瘤を反回神経由来とするのは合わない。
鑑別・注意点
迷走神経は肺門後方、横隔神経は心膜沿いの肺門前方、交感神経幹は傍脊椎を走る。NF1では多発する神経線維腫を認め得るが、発生神経の確定には連続画像・手術所見等が必要である。
診断専門医 2012年度 問32
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問32
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
小葉中心性粒状影やモザイク状吸収、曝露歴を重視する。提示の広範なcrazy-pavingだけでは第一候補にしない。
b|正しい
肺胞内容物によるすりガラス影と隔壁肥厚が重なる典型的パターンである。BALやGM-CSF自己抗体等で病型も評価する。
c|誤り
UIPでは胸膜直下の網状影・牽引性変化・蜂巣肺が中心で、びまん性crazy-pavingを代表所見とはしない。
d|誤り
リンパ路性結節や肺門縦隔リンパ節などを評価する。提示の広範な肺胞充填パターンでは他候補を優先する。
e|誤り
上中肺優位の結節と不整な囊胞が典型で、提示のすりガラス影と隔壁肥厚の組合せとは異なる。
判断のポイント
両肺のすりガラス影に小葉間隔壁・小葉内線状影が重なるcrazy-pavingを認め、分布と慢性の息切れから肺胞蛋白症を優先する。
鑑別・注意点
このパターンは感染、肺水腫・出血等でもみられ特異的ではない。BAL細胞診・必要な病理、GM-CSF自己抗体等で診断と病型を評価し、画像だけで自己免疫性と確定しない。
診断専門医 2012年度 問33
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問33
解答例:d
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
肺水腫でもすりガラス影を生じるが、心拡大・血管うっ血・胸水等を比較する。高熱と囊胞を含む本例では感染を優先する。
b|条件・画像に注意
急性発熱・低酸素血症では候補になる。末梢血だけで除外せずBALの好酸球等を評価するが、囊胞性変化は他候補を支持する。
c|条件・画像に注意
リンパ節腫大や全身炎症と肺の間質病変を生じ得るが、提示情報だけで多中心性疾患を確定できない。
d|正しい
広いすりガラス影と囊胞性変化から優先する。既往なしでも免疫不全を調べ、病原体検出等で確認する。
e|誤り
喘息等の背景、中心性気管支拡張、粘液栓と真菌感作を評価する病態で、提示像の第一候補とはしない。
判断のポイント
両肺に広がるすりガラス影と一部の囊胞性変化を認め、高熱・呼吸困難の経過からニューモシスチス肺炎を優先する。
鑑別・注意点
既往歴がないことは免疫不全の不存在を保証しないが、HIV感染があると決めつけない。HIVを含む免疫状態、β-D-glucan、喀痰・BALの微生物学的検査を合わせる。好酸球性肺炎や肺水腫も臨床・血液所見と比較する。
参考文献
診断専門医 2012年度 問34
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問34
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
若年女性の炎症症状と大動脈壁の全周性肥厚・遅延増強が大血管炎を支持する。分枝病変と臨床検査を合わせる。
b|誤り
遺伝性結合組織疾患として大動脈基部拡張・解離等が重要で、炎症性壁肥厚を主所見とする説明ではない。
c|誤り
縦隔の浸潤性軟部組織が血管・気道を巻き込む病態で、大動脈壁自体の全周性増強とは区別する。
d|誤り
軟骨性気道壁などを障害する疾患である。大動脈病変の合併はあり得るが提示の背景と壁所見では高安動脈炎を優先する。
e|誤り
壁内血腫は単純CTの高吸収が重要で、造影後に壁内組織が増強する炎症性肥厚と区別する。
判断のポイント
大動脈壁の全周性肥厚と遅延相での壁増強があり、若年女性の発熱・胸痛という背景から高安動脈炎が合う。
鑑別・注意点
血栓閉鎖型解離の高吸収壁内血腫と、造影される炎症性肥厚を比較する。単純CTの高吸収だけで判断せず、分枝・肺動脈病変、炎症所見、臨床基準を合わせ活動性と範囲を評価する。
診断専門医 2012年度 問35
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問35
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
心房中隔付近に付着する左房内腫瘤が典型的である。血栓との鑑別と塞栓・閉塞リスクを心エコー等で評価する。
b|誤り
右心系・心膜浸潤や心囊液等を伴うことが多い。左房中隔に付着する限局性腫瘤では粘液腫を優先する。
c|誤り
右房由来の浸潤性悪性腫瘍が典型で、左房内の付着性腫瘤とは主座が異なる。
d|誤り
大動脈洞と連続する造影血液腔を形成する。左房内の低吸収腫瘤とは構造が異なる。
e|誤り
通常は弁膜に付着する小さな可動性腫瘤で、付着部と大きさが提示病変に合いにくい。
判断のポイント
左房内に突出する低吸収腫瘤が心房中隔付近に連続しており、粘液腫を優先する。
鑑別・注意点
乳頭状線維弾性腫は弁膜に付着する小腫瘤が典型で、付着部の違いを確認する。血栓等とも比較し、心エコー・CMRで可動性、茎、閉塞・塞栓リスクを評価する。心臓横紋筋腫を年齢だけで例外なく小児と断定しない。
参考文献
診断専門医 2012年度 問36
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問36
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
分枝異常の形態をまず捉える。局所拡張があれば追加評価するが、大動脈瘤だけで右側弓と異常分枝を説明できない。
b|誤り
狭窄と前後の拡張、側副血行路を確認する病態で、右側弓の分枝構成とは別の所見である。
c|誤り
両側の弓が気管・食道を囲み再合流する。提示像は右側の弓から異常左鎖骨下動脈が分枝する形態である。
d|誤り
鏡像分岐では最初に左腕頭動脈が出る。左鎖骨下動脈が後方から左へ向かう本例とは異なる。
e|正しい
右側大動脈弓から左鎖骨下動脈が異常起始する。Kommerell憩室と気管・食道との関係を連続像で確認する。
判断のポイント
大動脈弓が右側を走り、後方から左へ向かう左鎖骨下動脈を認め、右側大動脈弓・左鎖骨下動脈起始異常が合う。
鑑別・注意点
Kommerell憩室の有無、食道・気管との関係、動脈管索による血管輪を連続画像で確認する。鏡像分岐や重複大動脈弓と分枝構成を比較し、単に右側弓というだけで症候性としない。
診断専門医 2012年度 問37
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問37
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
冠動脈から心腔・大血管への異常流出路を示す病態で、起始位置の違いをそのまま瘻とはいわない。
b|誤り
全冠動脈が単一の入口から供給されることを確認する必要がある。異常側の洞から別に起始する冠動脈とは区別する。
c|誤り
大動脈洞そのものの瘤状拡張を示す。異常冠動脈の大血管間走行を説明する診断ではない。
d|正しい
右冠動脈が左側から起始し大動脈と肺動脈の間へ走る。入口部・壁内走行や負荷虚血を合わせて危険性を評価する。
e|誤り
冠動脈の一部が心筋内を通る病態で、通常と異なる洞からの起始とは異なる。
判断のポイント
右冠動脈が通常の右冠動脈洞とは異なる左側の位置から起始し、大動脈と肺動脈の間を通る走行が示される。
鑑別・注意点
壁内走行、入口部の狭小・鋭角な分岐、近位部形態を評価する。大血管間走行という一点のみで虚血機序や突然死リスクを確定せず、症状・負荷虚血と合わせ治療を判断する。
診断専門医 2012年度 問38
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問38
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
比較的境界明瞭でも通常は非脂肪性の腫瘤で、脂肪と乳腺様組織が混在する構造とは異なる。
b|誤り
充実性の高濃度腫瘤としてみられ、内部に正常乳房様の脂肪を含む構築を代表所見とはしない。
c|正しい
脂肪と線維乳腺組織を含み薄い被膜様境界で囲まれる像が合う。内部の独立した疑わしい所見がないかも確認する。
d|誤り
大きな分葉状腫瘤になり得るが、正常乳房組織を包み込むような脂肪含有像は過誤腫を支持する。
e|誤り
乳管内や囊胞内の小さな増強結節を評価する病態で、この脂肪混在性腫瘤の代表診断ではない。
判断のポイント
比較的境界明瞭な腫瘤内に脂肪と乳腺様の濃度が混在し、過誤腫が合う。
鑑別・注意点
薄い偽被膜と内部組織を周囲乳腺から区別する。典型的所見が確認できれば良性と評価できるが、画像の不一致、増大、内部の別の疑わしい病変があれば追加評価する。脂肪を含むことだけで全ての乳房病変を良性としない。
診断専門医 2012年度 問39
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問39
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
浸潤癌でも乳管内進展や非腫瘤性増強を伴い得る。画像だけで浸潤の有無を確定せず、代表像としてDCISを優先する。
b|誤り
良性の非腫瘤性増強はあり得るが、区域性・分枝状分布と石灰化を伴う病変は組織診断を要する。
c|誤り
境界明瞭な腫瘤性病変が典型で、乳管に沿う分枝状の非腫瘤性増強とは異なる。
d|条件・画像に注意
構築の乱れや放射状構造が中心となる。良悪性の重なりがあるため、MRIだけで完全除外はしない。
e|正しい
乳管系に沿う分枝状・区域性の増強が合う。病理で非浸潤性かと病変範囲を確認する。
判断のポイント
乳管に沿い分枝する非腫瘤性増強を認め、非浸潤性乳管癌を優先する。
鑑別・注意点
乳管性・区域性増強は良性病変や異型過形成でもみられ、MRIだけで非浸潤性や病理グレードを確定しない。マンモグラフィの石灰化と分布を対応させ、適切な部位を組織診断する。
参考文献
診断専門医 2012年度 問40
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問40
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
線維性間質の多い癌ではT2低信号や不整な輪郭を重視する。著明なT2高信号から粘液性成分を考える。
b|正しい
豊富な細胞外粘液により非常に高いT2信号を示し得る。実質的な増強があり、単純囊胞とは区別する。
c|誤り
乳管に沿う非腫瘤性増強が典型で、境界比較的明瞭なT2著明高信号腫瘤では別の型を優先する。
d|条件・画像に注意
内部の裂隙や浮腫でT2高信号になり得る。形態と増強の重なりはあるが、本例は粘液癌を優先し組織で確定する。
e|誤り
拡張乳管や囊胞内の増強結節を確認する。腫瘤全体の粘液を示唆する信号とは区別する。
判断のポイント
境界比較的明瞭な腫瘤が脂肪抑制T2で著明高信号を示し、内部・辺縁の不均一な造影を伴うため、粘液成分に富む粘液癌が合う。
鑑別・注意点
T2高信号は単純囊胞、線維腺腫、葉状腫瘍等でもみられる。実質的な増強、形態、他系列・超音波を合わせ、画像だけで純型・混合型や良悪性を確定しない。
参考文献
診断専門医 2012年度 問41
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問41
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
腸閉鎖では閉鎖高位に応じた拡張腸管と遠位ガス欠如を評価する。提示の壁内ガスを第一に説明する診断ではない。
b|正しい
腸管壁内の囊胞状・線状ガスが特徴的である。満期産でも生じるため、出生週数だけで除外しない。
c|誤り
捻転なら腸管配置と血流・十二指腸の走行を確認する。単純像の壁内ガスだけで回転異常を確定しない。
d|誤り
胎児期穿孔後の腹腔内石灰化や仮性囊胞が手掛かりで、壁内の気体とは区別する。
e|誤り
胃・十二指腸の拡張と狭窄先のガス分布を評価する。壁内ガスを主体とする本例の第一候補ではない。
判断のポイント
腹部膨満・嘔吐を伴う新生児で、腸管壁に沿う小囊胞状・線状ガスを認め、壊死性腸炎を考える。
鑑別・注意点
早産児に多いが満期産でも発症する。壁内ガスだけで腸管壊死の範囲を確定せず、腹部所見、血行動態、門脈ガス、遊離ガス、超音波による血流等を合わせる。胎便性腹膜炎の腹腔内石灰化とは区別する。
診断専門医 2012年度 問42
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問42
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
白血病でも椎体圧潰は起こり得るが、一椎体の高度な扁平化ではLCHを優先し、血算・MRI等で鑑別する。
b|誤り
軟骨性の髄内腫瘍で、小児の単一椎体が薄く潰れた像を典型とはしない。
c|誤り
縦走する骨梁や髄内脂肪を重視する。小児の扁平椎の代表疾患とは異なる。
d|誤り
骨表面から連続する骨軟骨性隆起を示す病変で、椎体全体の扁平化とは異なる。
e|正しい
椎間板高を保った扁平椎は典型的な骨病変の一つである。ただし扁平椎自体は非特異的で、生検の必要性も評価する。
判断のポイント
椎間板腔を比較的保ちながら一つの椎体が高度に扁平化しており、LCHによるvertebra planaを優先する。
鑑別・注意点
扁平椎は病理診断そのものではなく、感染やEwing肉腫等でも生じる。MRIで軟部進展・神経圧迫を確認し、他部位病変と必要な生検を含め評価する。骨病変が単発でも全身の病変有無を確認する。
参考文献
診断専門医 2012年度 問43
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問43
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
仰臥位では胸膜腔内ガスが前方・肺底部に集まり、深い肋骨横隔膜角や側面像の前胸壁下ガスとして見える。
b|誤り
仰臥位撮影の拡大効果もあり、提示所見を心拡大とする根拠には乏しい。
c|誤り
縦隔内ガスなら胸腺挙上や縦隔輪郭沿いの透亮像等を評価する。前胸壁下に広がるガスは胸膜腔を優先する。
d|誤り
新生児の胸腺は生理的に大きいことがある。提示の透亮像を胸腺の増大で説明するものではない。
e|誤り
肺胞内充填なら濃度上昇を示す。透過性亢進と前方の気体は気胸に合う。
判断のポイント
正面像の右肋骨横隔膜角の透過性亢進と、水平ビーム側面像の前胸壁下のガスから、気胸が合う。
鑑別・注意点
仰臥位では胸膜腔内の空気が前方・肺底へたまり、肺尖の明瞭な胸膜線が見えないこともある。新生児の正常胸腺を腫大とせず、気縦隔の胸腺挙上・縦隔輪郭の空気とも比較する。
参考文献
診断専門医 2012年度 問44
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問44
解答例:bを優先/2個目は保留
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
胃の皺壁肥厚を来し得るため二つ目の候補には残るが、造影形態だけで慢性炎症と断定できない。
b|正しい
巨大皺壁と浮腫から蛋白漏出性胃症を考える。アルブミン低下と深い粘膜生検を含め評価する。
c|条件・画像に注意
リンパ腫も巨大皺壁や蛋白漏出を起こすため鑑別となる。画像だけで病理を固定しない。
d|条件・画像に注意
好酸球浸潤により胃壁肥厚や蛋白漏出を起こし得る。末梢血と生検、寄生虫・薬剤等の評価を要する。
e|条件・画像に注意
急性炎症でも皺壁腫大はあり得るが、消化器症状を欠く浮腫と巨大皺壁から単純な急性胃炎を第一候補とはしない。
判断のポイント
胃体部の巨大皺壁と下肢浮腫から、蛋白漏出を伴うメネトリエ病を優先する。
鑑別・注意点
胃リンパ腫、慢性肥厚性胃炎、好酸球性胃炎等も皺壁肥厚を呈し、本画像・病歴だけで2個目を確定できない。アルブミン、内視鏡、十分な深さの粘膜生検と感染・他原因の評価を合わせる。皺壁の硬軟だけの二分法で病理を固定しない。
診断専門医 2012年度 問45
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問45
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
隣接腸管・臓器へ造影剤が交通する像は示されていない。狭窄だけを瘻孔と読まない。
b|誤り
腸管長軸に沿う線状の潰瘍所見ではなく、短い範囲で不整に狭窄している。
c|誤り
軸捻転等でなめらかに先細りする像をいう。急峻で不整な肩状移行とは異なる。
d|正しい
病変端で粘膜が張り出し、正常部との境界に肩を作る所見がある。癌を疑うが組織診断と対応させる。
e|正しい
短い区間の内腔が全周性に不整狭窄し、apple-core様形態を示す。
判断のポイント
短い範囲の全周性不整狭窄と、その端で正常粘膜へ急に移る肩状・張り出し所見を認める。
鑑別・注意点
癌を疑うapple-core様狭窄だが、造影形態だけで組織型を確定しない。軸捻転のなめらかな先細りや縦走潰瘍と区別する。炎症・虚血等でも癌様狭窄となり得るため、内視鏡・生検と対応させる。
診断専門医 2012年度 問46
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問46
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
結腸外側の脂肪濃度結節と高吸収の辺縁・周囲炎症から腹膜垂の梗塞性炎症を考える。
b|誤り
癌なら腸管壁の不整肥厚や腫瘤を評価する。炎症の主座が壁外脂肪にある本例とは異なる。
c|誤り
脂肪腫は腸管内・壁内の脂肪性腫瘤で、周囲の強い炎症と薄い高吸収輪は急性腹膜垂炎を支持する。
d|誤り
憩室と腸壁肥厚を中心とする炎症を確認する。独立した脂肪性結節が主所見である点が異なる。
e|誤り
回盲部の壁肥厚、潰瘍、リンパ節等を評価する病態で、小さな炎症性脂肪結節を直接説明しない。
判断のポイント
上行結腸近傍の卵円形脂肪濃度病変に高吸収の辺縁と周囲脂肪織濃度上昇があり、急性腹膜垂炎が合う。
鑑別・注意点
炎症の主座が脂肪組織にある点を、大腸壁・憩室を主座とする病変と比較する。単純な脂肪腫とは周囲炎症が異なる。診断が確実で重症所見がなければ保存的管理となることが多いが、急性腹症の別の原因を除外する。
参考文献
診断専門医 2012年度 問47
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問47
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
直接鼠径ヘルニアは鼠径管後壁側から脱出する。恥骨筋と閉鎖筋の間の脱出とは場所が異なる。
b|誤り
間接鼠径ヘルニアは内鼠径輪から鼠径管を通る。骨盤深部の閉鎖孔を通る本例とは異なる。
c|条件・画像に注意
腸壁の一部のみが嵌頓する形態の名称であり、脱出孔の診断と排他的ではない。提示像だけでこの形態を確定しない。
d|正しい
腸管が閉鎖孔を通り恥骨筋と閉鎖筋の間へ入り込む解剖が合う。閉塞に加え絞扼・血流低下を評価する。
e|誤り
鼠径靱帯より下で大腿静脈近傍へ脱出する。提示の閉鎖孔周辺の位置とは異なる。
判断のポイント
小腸拡張に、右恥骨筋と閉鎖筋の間へ嵌入する腸管があり、閉鎖孔ヘルニアが合う。
鑑別・注意点
脱出門の解剖を確認し、鼠径・大腿ヘルニアと区別する。Richter型は腸管壁の一部が嵌頓する形態で、閉鎖孔ヘルニアと必ずしも排他的ではない。血流低下・絞扼の徴候と全身状態を評価する。
診断専門医 2012年度 問48
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問48
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
腎杯の変形・狭窄や実質破壊等を評価する。乳頭に放射状に造影剤が貯まる像では集合管拡張を優先する。
b|正しい
髄質集合管の拡張に造影剤が貯留し、乳頭部に花房状・放射状の陰影を示す。全乳頭・両側に必発ではない。
c|誤り
結石は合併し得るが、結石だけでは乳頭に向かう多数の線状貯留を説明できない。
d|条件・画像に注意
乳頭周囲の造影剤貯留や乳頭脱落は鑑別となる。糖尿病・鎮痛薬等の背景と形態を比較する。
e|誤り
腎石灰化の原因になり得るが、排泄性造影で示す集合管の形態を直接の診断根拠とはしない。
判断のポイント
排泄性尿路造影で腎乳頭部へ放射状・花房状に広がる造影剤を認め、髄質集合管拡張を伴う海綿腎が合う。
鑑別・注意点
腎石灰化・尿路結石を伴い得る。腎杯そのものの拡張と集合管への造影剤貯留を区別する。病変は片側・一部に限局する場合もあり、旧説明の常に両側の全乳頭に生じるという断定を修正する。
診断専門医 2012年度 問49
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問49
解答例:a(相対的に不適切)
選択肢別の解説
a|誤り
結核でも石灰化はあり得るが、左右対称の髄質石灰化とシェーグレンの背景では遠位尿細管アシドーシス等が優先される。
b|条件・画像に注意
単純CTで石灰化は把握できるが、他病変や尿路合併症の評価目的なら造影が役立つこともある。一律に不要とはしない。
c|正しい
遠位尿細管アシドーシスはシェーグレンに関連し、アルカリ性尿等を介して髄質石灰化や結石を生じ得る。
d|正しい
高カルシウム血症・高カルシウム尿を介する髄質石灰化の原因であり、Ca・PTH等で評価する。
e|正しい
石灰化した髄質は超音波で高エコーを示し得る。音響陰影の有無は石灰化の程度等による。
判断のポイント
両側腎髄質に石灰化を認め、シェーグレン症候群に伴う遠位尿細管アシドーシスを考える。選択肢では腎結核を第一に考えるaが最も合いにくい。
鑑別・注意点
結核の腎石灰化は必ず皮質のみ・片側のみという旧説明は不正確である。酸塩基、カリウム、尿pH、カルシウム・PTHと尿路所見を評価する。造影検査の意義は他の合併症や血尿等の状況により異なり、一律に不要としない。
診断専門医 2012年度 問50
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問50
解答例:b、c(cは出題当時の治療観)
選択肢別の解説
a|誤り
両側の結節性腫大からまず自律性コルチゾール分泌を評価する。原発性アルドステロン症が多いとする特徴付けは適切でない。
b|正しい
明らかな身体徴候がなくても自律性コルチゾール分泌を示し得る。現在の用語とホルモン検査で評価する。
c|条件・画像に注意
両側摘除が従来行われたが、現在は軽い自律性分泌のみで一律に行わない。分泌程度・併存症と副腎不全の負担を考慮する。
d|誤り
21水酸化酵素欠損による先天性副腎過形成とPBMAHは同一疾患ではない。
e|誤り
コルチゾールの自律性分泌で血中ACTHは通常抑制される。高ACTHを典型像としない。
判断のポイント
両側副腎が大結節状に腫大し、旧称AIMAH、現在のPBMAH等を考える。明らかなCushing徴候がない自律性コルチゾール分泌もあり得る。
鑑別・注意点
従来は両側摘除が行われたが、現在は全例に行うわけではなく、分泌程度・併存症に応じ片側手術等も検討する。画像だけで内分泌機能を確定せず、ACTH・抑制試験等を行う。21水酸化酵素欠損症と同義でなく、ACTH高値を典型としない。
診断専門医 2012年度 問51
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問51
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
化学シフトで明瞭な信号低下があれば脂質に富む腺腫を支持する。大きさ・不整な充実部等の別の悪性徴候も合わせる。
b|誤り
MIBGは主にカテコールアミン系腫瘍等を評価する薬剤で、脂質性腺腫やアルドステロンの局在を調べる標準検査ではない。
c|条件・画像に注意
高血圧と副腎結節だけでは診断できない。アルドステロン・レニンと適切な確認検査が必要である。
d|正しい
opposed-phaseで信号が低下し、水と脂肪の位相差により細胞内脂質が示唆される。肉眼的脂肪の塊とは区別する。
e|条件・画像に注意
原発性アルドステロン症が生化学的に診断され手術を考える場合、AVSが分泌側の評価に役立つ。疾患自体の初期確定検査とは異なる。
判断のポイント
右副腎結節はopposed-phaseで信号低下し、細胞内脂質を含む腺腫が合う。高血圧を伴うためホルモン検査を行い、原発性アルドステロン症なら手術前の分泌側評価にAVSが役立つ。
鑑別・注意点
化学シフト所見だけでアルドステロン産生とは診断できない。AVSは主に左右局在を評価する検査で、原発性アルドステロン症そのものの初期確定検査と同一ではない。適応は治療希望・臨床条件と合わせ判断する。
診断専門医 2012年度 問52
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問52
解答例:b、dを想定/cの扱いは保留
選択肢別の解説
a|誤り
MEN1の代表病変は副甲状腺・下垂体・膵消化管内分泌腫瘍で、褐色細胞腫の代表的関連症候群ではない。
b|正しい
MEN2では褐色細胞腫が関連し、甲状腺髄様癌などの評価と遺伝学的検討が必要になる。
c|条件・画像に注意
MEN IIIをMEN2Bの旧称として使うなら褐色細胞腫に関連するため正しい内容を含む。2個指定との不整合を残し、cを単に誤りとしない。
d|正しい
VHL病は褐色細胞腫を生じ得る遺伝性症候群で、他の関連腫瘍と家族歴も評価する。
e|誤り
遺伝性出血性毛細血管拡張症の代表は血管奇形で、褐色細胞腫の典型的関連症候群ではない。
判断のポイント
右副腎の大きな囊胞変性を伴うT2高信号腫瘤とMIBG集積から褐色細胞腫を考え、MEN2とvon Hippel-Lindau病を関連疾患に挙げる。
鑑別・注意点
メタネフリン等、家族歴・遺伝学的評価を確認する。MEN IIIをMEN2Bの意味で用いるならcも褐色細胞腫に関連し、2個指定との整合に問題がある。公式正答・出題時の用語の扱いは確認できていない。画像だけで分泌性や転移性を確定しない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2012年度 問53
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問53
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
尿道憩室関連癌では腺癌の報告が多い。憩室の存在だけで癌化とせず、壁在結節や病理を評価する。
b|条件・画像に注意
尿路上皮癌も発生し得るが、憩室関連癌では腺癌を優先する。通常の尿路上皮病変と頻度を混同しない。
c|条件・画像に注意
扁平上皮癌も生じ得るが、女性尿道癌全体と憩室関連癌の組織型分布は同一ではない。
d|条件・画像に注意
尿道周囲の充実性腫瘍では考慮するが、憩室由来の代表的悪性腫瘍ではない。
e|条件・画像に注意
尿道周囲にも生じ得るが、尿道憩室に関連する代表的組織型ではない。
判断のポイント
尿道周囲にT2高信号の囊胞性構造があり尿道憩室を考える。憩室関連癌では腺癌の報告が多い。
鑑別・注意点
尿道憩室の存在は悪性化を意味しない。壁在充実部、血尿、増大等があれば造影・内視鏡・病理と合わせ評価する。通常の女性尿道癌全体の組織型分布と、憩室関連癌の分布を混同しない。
診断専門医 2012年度 問54
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問54
解答例:a(相対的に考えにくい)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
潰瘍関連の門脈ガスも報告されるため無関係とはしない。他肢の重症虚血・循環不全に比べると通常の潰瘍単独は相対的に考えにくい。
b|正しい
絞扼で粘膜障害と腸管虚血が進むと腸管由来のガスが門脈へ入ることがある。
c|正しい
ショックによる腸管低灌流・粘膜障害が背景となり得る。循環動態を速やかに評価する。
d|正しい
動脈閉塞による腸管虚血の重要な原因で、血管と腸管の造影を確認する。
e|正しい
主幹動脈の閉塞がなくても高度の低灌流や攣縮で虚血を起こし、門脈ガスを伴い得る。
判断のポイント
肝被膜近くまで達する分枝状ガスから門脈ガスを考え、腸管虚血・絞扼・ショックが重要な背景となる。選択肢では単純な十二指腸潰瘍が相対的に合いにくい。
鑑別・注意点
潰瘍に関連する門脈ガスも報告されており、旧説明の関係がないという断定は改める。門脈ガスだけで全層壊死・手術を決めず、血管・腸管増強、腹膜刺激所見、乳酸と循環動態を合わせる。
参考文献
診断専門医 2012年度 問55
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問55
解答例:a、eを想定
選択肢別の解説
a|正しい
肝膿瘍と腸管感染等の背景評価として、同意のもとHIVを含む免疫状態を確認する。画像でHIV感染が確定した意味ではない。
b|誤り
非特異的に上昇し得るが、肝膿瘍の原因を調べる優先検査ではない。
c|誤り
腫瘍性病変の検討は必要だが、発熱を伴う膿瘍疑いの感染診断をCEAだけで進めない。
d|条件・画像に注意
血算・血小板は重症感染や処置前評価に必要であり、医学的に不要ではない。本問の2肢は原因感染の評価を想定する。
e|正しい
アメーバ等の腸管感染を調べる。ただし肝膿瘍では便が陰性でも否定できず、血清抗体や他の検体評価を合わせる。
判断のポイント
右肝の大きな低吸収病変と発熱から肝膿瘍を考え、アメーバ感染等を含む便検査と、背景評価のHIV検査を選ぶ。
鑑別・注意点
CTだけでアメーバ性と確定せず、化膿性膿瘍も含め血液培養・血算等を行う。アメーバ肝膿瘍は便検査が陰性でも否定できず、血清抗体等が有用。感染歴・曝露と同意の下に評価し、肝膿瘍があるだけでHIV感染とみなさない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2012年度 問56
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問56
解答例:dを相対的に選ぶ
選択肢別の解説
a|正しい
鉄の沈着はT2信号を低下させ、薬剤性高吸収との比較に役立つ。撮像条件も考慮する。
b|正しい
鉄による磁化率効果に鋭敏であり、T2*/R2*等で肝鉄沈着を評価できる。
c|正しい
鉄製剤、輸血、アミオダロン等の履歴は高吸収肝の原因判別に重要である。
d|条件・画像に注意
高吸収を定量化できるが、鉄とヨード含有薬剤等をCT値だけで一意に区別することは困難である。測定自体が無価値という意味ではない。
e|正しい
鉄過剰を調べる手掛かりになるが、炎症等でも上昇する。フェリチンを肝鉄量と同一視しない。
判断のポイント
単純CTで肝実質が高吸収であり、透析・貧血治療に関連する鉄過剰と、不整脈治療薬アミオダロン等を考える。CT値だけでは両者の原因判別が難しい。
鑑別・注意点
CT値の測定自体が無価値という意味ではない。薬剤・輸血・鉄投与歴、フェリチン等と鉄に感度の高いT2*/R2*評価を合わせる。フェリチンは炎症等にも影響され、肝鉄量そのものと同一視しない。
診断専門医 2012年度 問57
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問57
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
本病態で特に重視するのは胆道癌リスクであり、膵癌合併が多いことを代表的特徴とはしない。
b|誤り
腹側膵に限った膵炎は膵胆管合流異常の典型的説明ではない。
c|誤り
十二指腸を取り囲む輪状膵等とは異なり、狭窄を代表的合併症とはしない。
d|正しい
括約筋機構の外での合流により膵液が胆道へ逆流し、胆囊癌等のリスクが高まる。
e|誤り
すべての例に膵頭十二指腸切除を行うわけではない。胆管拡張と癌の有無に応じて術式を検討する。
判断のポイント
胆管・膵管が長い共通管を介して合流し、胆管拡張が目立たない膵胆管合流異常を考える。胆囊癌リスクが重要である。
鑑別・注意点
共通管長だけで診断せず、十二指腸壁・括約筋機構との位置関係を確認する。画像だけで癌を合併しているとしない。拡張の有無や合併所見によって手術内容は異なり、全例を一律の分流術とする旧説明を修正する。
診断専門医 2012年度 問58
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問58
解答例:a(相対的に重要性が低い)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
IgG4関連病変が絶対に生じない臓器ではないが、他肢に比べ代表的な関連病変としての優先度は低い。
b|正しい
IgG4関連硬化性胆管炎は重要な関連病変で、胆管壁肥厚や狭窄を調べる。
c|正しい
腎皮質の多発病変や腎盂周囲病変等を伴い得るため確認する。
d|正しい
後腹膜線維症や尿管周囲病変による閉塞・水腎症がないか評価する。
e|正しい
前立腺にもIgG4関連炎症を伴い得る。関連臓器の評価対象となる。
判断のポイント
膵の腫大と被膜様辺縁・遅延増強から自己免疫性膵炎を考える。胆道、腎・後腹膜尿管周囲、前立腺等は代表的な関連病変で、脾は比較的重要性が低い。
鑑別・注意点
脾病変が絶対に生じないという意味ではない。IgG4関連の1型と、IgG4関連疾患ではない2型を区別し、血清・他臓器・膵管・病理を総合する。癌等を十分評価せず、診断目的だけで安易にステロイドを開始しない。
診断専門医 2012年度 問59
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問59
解答例:b(誤り)
選択肢別の解説
a|正しい
膵管非癒合は無症状で偶然見つかる場合が多い。画像所見だけで処置適応とはしない。
b|誤り
胆汁の流出障害を本態とする病態ではなく、胆管炎を典型的合併症とはしない。
c|正しい
背側膵管の小乳頭からの流出障害が膵炎に関連する場合がある。ただし他の危険因子と症状を含め評価する。
d|正しい
小乳頭付近の背側膵管末端が囊状に拡張する所見を認める。
e|正しい
腹側・背側の膵管系の癒合不全により、主に背側膵が小乳頭へ排液される形態である。
判断のポイント
背側膵管が総胆管と独立して小乳頭へ向かい、末端の囊状拡張を伴う。膵管非癒合とSantoriniceleを考え、胆管炎を典型的関連とするbは合わない。
鑑別・注意点
多くは無症状で、膵炎との関連は閉塞・他のリスク因子を含め評価する。Santoriniceleは非癒合がなくても生じ得る。MRCPだけで臨床的な流出障害の程度を確定しない。
診断専門医 2012年度 問60
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問60
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
炎症後仮性囊胞とは異なり、副脾内に上皮性囊胞を伴う病態として考える。
b|誤り
外傷性液体貯留を示唆する病歴・形態ではなく、副脾の増強に一致する充実部を重視する。
c|誤り
良性の副脾関連囊胞を、一般的に癌化しやすい膵囊胞性腫瘍と同一視しない。確定できなければ他腫瘍を評価する。
d|正しい
脾組織の網内系取り込みを利用し、充実部が副脾かを確認できる。利用可能な製剤・検査は施設条件による。
e|誤り
膵管系由来の囊胞ではなく、通常は主膵管との交通を特徴としない。
判断のポイント
膵尾部の囊胞周囲充実部が脾臓に近い相ごとの増強を示し、膵内副脾由来の類表皮囊胞を考える。SPIOで脾組織の取り込みを確認することが役立つ。
鑑別・注意点
囊胞内容そのものと脾組織を分けて読む。CA19-9高値だけで癌とはしない。画像で副脾と確定できなければ他の膵囊胞性腫瘍を含め評価し、SPIO等の利用可否は現在の施設条件に合わせる。
診断専門医 2012年度 問61
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問61
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|誤り
膵炎・仮性囊胞に関連する動脈壁破綻を考える背景であり、全層を保つ真性瘤を第一としない。
b|正しい
膵十二指腸アーケードにはSMA側から逆行性流入があり得るため、止血計画に両方向の血流評価が重要である。
c|正しい
総肝動脈から分岐し十二指腸側へ向かう血管領域の造影囊状病変を認め、胃十二指腸動脈の仮性動脈瘤を考える。
d|条件・画像に注意
頸が狭いという一点で瘤内packingが最適とは限らない。仮性瘤壁の脆弱性、流入・流出と母血管温存の必要性から方法を選ぶ。
e|誤り
膵は複数の動脈系から供給される。責任動脈の塞栓で必ず高率に膵壊死を来すという説明は不適切で、側副路と塞栓範囲を評価する。
判断のポイント
胃十二指腸動脈領域の囊状病変を認め、膵炎・仮性囊胞と下血から仮性動脈瘤を考える。SMA造影で膵十二指腸アーケードからの逆行性流入も確認する。
鑑別・注意点
脆弱な仮性動脈瘤では流入・流出を含む遮断が重要となる。瘤内packingは全く無効、真性瘤は常にpackingという旧説明は過度な一般化で、母血管温存、頸部・側副路と形態に応じ選択する。臓器ごとの治療閾値も一律の径にまとめない。
診断専門医 2012年度 問62
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問62
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
出血性血管病変を単なる液体貯留とみなして穿刺すると大出血を起こし得る。先に血管性病変を評価する。
b|誤り
膵炎に対する薬物治療だけでは破綻動脈の止血を得られない。
c|誤り
大動脈由来の病変ではなく、膵周囲の責任動脈を同定して処理する必要がある。
d|誤り
膵管漏等への処置と、動脈瘤の出血制御は別である。活動性出血を止める第一手段ではない。
e|正しい
造影される仮性動脈瘤と周囲血腫があり、責任血管の血流を遮断する血管内治療を考える。循環動態等によって外科治療も検討する。
判断のポイント
膵周囲の血腫と造影される血管性病変から仮性動脈瘤の出血を考え、動脈塞栓術が適切である。
鑑別・注意点
造影相で血管との連続・漏出を確認し、責任血管を同定する。周囲液体貯留としてドレナージを先行すると出血を悪化させ得る。循環動態・感染、塞栓での虚血リスクに応じ外科治療等とも判断する。
診断専門医 2012年度 問63
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問63
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
突然の疼痛では重要な鑑別で、捻れた茎や腫大・血流等を確認する。提示の血性囊胞と周囲液体からは破裂を優先する。
b|条件・画像に注意
厚い不整壁・炎症所見・拡散等を比較する。血性内容のT1高信号だけを膿と断定しない。
c|条件・画像に注意
出血性黄体も急性疼痛を起こす。周期、囊胞形態、超音波と比べ、脂肪抑制T1高信号を伴う内膜症性囊胞を優先する。
d|誤り
hCG正常という情報は可能性を低くするが、臨床上疑いが残れば時期や検査法を確認する。本画像の第一候補ではない。
e|正しい
血性内容を示す囊胞と周囲液体、急性疼痛から破裂を考える。画像のみで出血量や循環への影響を決めない。
判断のポイント
左付属器に脂肪抑制後もT1高信号を保つ血性囊胞と周囲液体貯留を認め、突然の下腹部痛から内膜症性囊胞破裂を優先する。
鑑別・注意点
T1高信号の腹水や囊胞壁の不整・連続性を確認する。黄体出血等も臨床・周期・超音波と比較し、最終月経やhCG単独で他の原因を完全に除外しない。循環動態と出血量を評価する。
参考文献
診断専門医 2012年度 問64
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問64
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
乳児の巨大な囊胞・脂肪・石灰化混在性腫瘤としては典型でない。神経との連続等を評価する。
b|正しい
複数の組織成分が混在する後腹膜腫瘤から奇形腫が合う。未熟性は脂肪や石灰化だけでは決まらず病理で判断する。
c|誤り
血管性病変なら血流や増強パターンを評価する。脂肪・石灰化・囊胞の混在は奇形腫を支持する。
d|誤り
現在は未分化多形肉腫等に分類される病態で、乳児の複数組織成分を含む腫瘤の第一候補ではない。
e|誤り
多房性囊胞を形成することはあるが、乳児で脂肪・石灰化を含む像は奇形腫を優先する。
判断のポイント
囊胞、脂肪性成分、石灰化と増強軟部組織が混在する大きな後腹膜腫瘤であり、選択肢では未熟奇形腫が合う。
鑑別・注意点
成熟奇形腫も同様の成分を含み、脂肪・石灰化の存在だけで未熟性や悪性を確定できない。発生臓器、周囲血管、年齢補正したAFP等と病理で評価する。
参考文献
診断専門医 2012年度 問65
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問65
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
血管支配領域に一致する局所欠損が典型で、両側連合野の対称的低下とは異なる。
b|誤り
脳室拡大と高位円蓋部・内側面の分布等を構造画像と合わせる。提示の後方連合野低下からはADを優先する。
c|誤り
圧迫性の血流変化はあり得るが、硬膜下腔の病変は構造画像で確認する。典型的な連合野低下を血腫だけで説明しない。
d|正しい
頭頂側頭連合野と後部帯状回・楔前部付近の低下が合う。血流分布は診断を支持するが病理確定ではない。
e|誤り
前頭・前側頭葉の低下が典型であり、提示の後方連合野優位とは分布が異なる。
判断のポイント
両側の頭頂側頭連合野および後部帯状回・楔前部付近の血流低下を認め、Alzheimer病に合う分布である。
鑑別・注意点
血流SPECTは蛋白蓄積を直接測定せず、ADの病理確定検査ではない。構造画像・認知機能、前頭側頭葉や後頭葉の分布と比較する。年齢だけで低下部位を一律に決めない。
診断専門医 2012年度 問66
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問66
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
脳炎の活動部位が高灌流となることがあり、左側頭頭頂部の高集積の鑑別になる。MRI・髄液等と合わせる。
b|条件・画像に注意
血腫部は通常低灌流となるが周囲反応等はさまざまである。出血はCT等で速やかに評価し、SPECTだけで否定しない。
c|条件・画像に注意
シャントによる血流分布や製剤通過の変化があり得るが、提示像だけで血管奇形と確定はできない。
d|正しい
発作中・直後に注射した場合は焦点周囲の高灌流が残り得る。注射時刻と発作経過、脳波を確認する。
e|条件・画像に注意
一過性虚血でも血流は時相で変化し得る。典型的には低灌流を評価し、本画像の高灌流では炎症・発作関連を優先する。
判断のポイント
左側頭・頭頂部を中心とする相対的高灌流を読み、脳炎と発作直後を鑑別する。
鑑別・注意点
高集積側と反対側の低集積を色調だけで取り違えない。発作後の血流は注射時刻により高灌流から低灌流へ変化し、発作後なら必ず高集積とはしない。MRI・脳波・髄液等、病歴と合わせる。
診断専門医 2012年度 問67
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問67
解答例:d
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
腫瘍が血管を閉塞すれば欠損を生じ得るが、換気を保つ区域性血流欠損では塞栓症を優先する。
b|条件・画像に注意
肺内血管拡張と右左シャントが主体で、換気が保たれた大きな局所的血流欠損を典型とはしない。
c|条件・画像に注意
腫瘍性病変で血流変化は起こり得るが、提示の換気血流ミスマッチを直接の転移証明とはしない。
d|正しい
換気像に比べ血流像で大きな欠損を認め、肺血管閉塞が示唆される。急性・慢性や原因はCTと臨床で評価する。
e|条件・画像に注意
血流の重力方向分布変化等はあり得るが、明瞭な区域性ミスマッチを第一に説明する病態ではない。
判断のポイント
換気が保たれる領域に血流欠損があり、肺血栓塞栓症が合う。
鑑別・注意点
欠損が肺区域の形に対応するかを確認する。ミスマッチは他の血管閉塞等でも生じ、血流欠損だけで急性・慢性や重症度を確定しない。CT・臨床確率、換気像と併せ評価する。
診断専門医 2012年度 問68
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問68
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
局所の感染性腫瘤だけでは、MAAが脳や腹部臓器へ移行する右左シャント分布を説明しにくい。
b|誤り
塞栓は通常肺内血流欠損を生じるが、それだけで大循環臓器へ粒子が流れるわけではない。
c|正しい
肺毛細管を通らない右左短絡によりMAA粒子が腎・脾・脳等へ流入する。局在は造影CT等で確認する。
d|誤り
肺門リンパ節や実質病変等を生じるが、MAA肺外分布の典型原因とはしない。
e|誤り
肺血管抵抗増大だけでは大循環への短絡を証明しない。右左シャントがあれば別途機序を確認する。
判断のポイント
肺以外に腎・脾・脳が描出され、MAA粒子の肺毛細管床を迂回する右左シャントを考える。選択肢では肺動静脈瘻が合う。
鑑別・注意点
心内シャントや肝肺症候群等でも肺外分布を示し、全身像だけでシャント位置を確定しない。遊離過テクネチウム酸等の製剤要因も区別し、造影CT・心エコー等と対応させる。
診断専門医 2012年度 問69
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問69
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
心筋血流製剤であり、提示の早期・後期像で心筋交感神経を評価する分布とは目的が異なる。
b|誤り
血液プールを描出する製剤で、心腔内の分布をみる。心筋が乏しく肝・唾液腺を伴う像とは異なる。
c|誤り
脂肪酸代謝を評価する製剤で、通常は心筋の断層像等を評価する。提示の撮像形式と分布ではMIBGを優先する。
d|正しい
早期・後期の前面像と心筋の低集積、肝・唾液腺の分布が合う。低心集積の原因は薬剤や撮像条件も含める。
e|誤り
心筋血流と再分布を評価する。提示の早期・後期の全体分布からはMIBGが適切である。
判断のポイント
早期・後期の前面像で肝や唾液腺が描出される一方、心筋集積が乏しい。心臓交感神経評価の123I-MIBGが合う。
鑑別・注意点
心筋低集積は疾患だけでなく薬剤・撮像条件等にも影響される。心筋血流製剤や脂肪酸代謝製剤と目的を区別し、H/M比・洗い出し率は標準化条件で評価する。
診断専門医 2012年度 問70
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問70
解答例:eを優先
選択肢別の解説
a|誤り
移植腎への集積はあるが排泄が遅く、正常な動態とはいえない。
b|誤り
広範な梗塞では血流・取り込みが著しく低下する。提示の灌流が保たれた実質停滞とは異なる。
c|条件・画像に注意
拒絶でも取り込み・排泄は悪化するため鑑別に残る。移植直後の経過と他検査を合わせて判断する。
d|条件・画像に注意
尿路の拡張部への停滞と実質自体の停滞を区別する。超音波と必要な追加評価なしに閉塞を断定しない。
e|正しい
死体腎移植直後の灌流を保った排泄遅延から虚血再灌流に伴う急性尿細管障害を優先する。シンチ単独の病理確定ではない。
判断のポイント
移植腎への灌流は認めるが、実質に製剤が停滞して排泄が遅い。死体腎移植直後の背景から急性尿細管障害を優先する。
鑑別・注意点
灌流・取り込み・排泄を分けて評価し、実質の停滞と腎盂尿路の停滞を区別する。重症例では急性拒絶や虚血再灌流障害とも重なり、シンチだけで確定しない。超音波血流、尿量・腎機能と必要な生検を合わせる。
診断専門医 2012年度 問71
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問71
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
自律性結節による機能亢進が典型で、小児の機能低下と上方正中の集積には合わない。
b|正しい
通常の頸部位置より上方に限局集積し異所性甲状腺が合う。舌根等の厳密な局在は超音波等と対応させる。
c|誤り
残存甲状腺の不均一な集積等はあり得るが、通常位置に乏しく上方に限局する像は異所性を優先する。
d|誤り
炎症により取り込みが低下する病態で、上方の限局集積を代表像とはしない。
e|誤り
薬剤により機能が抑制されることはあるが、異常な位置の限局性甲状腺組織を説明する診断ではない。
判断のポイント
通常の甲状腺位置より上方の正中に限局性ヨード集積があり、甲状腺機能低下と合わせ異所性甲状腺を考える。
鑑別・注意点
正面全身像だけで舌根等の正確な局在を決めず、頸部超音波等と対応させる。胃・唾液腺・尿路の生理的分布を病変としない。原因検索の画像検査のために必要なホルモン補充を遅らせない。
診断専門医 2012年度 問72
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問72
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
MIBI集積は腫瘍にも起こり得るが、高Ca・低Pと上縦隔の遅延残留集積は副甲状腺病変を優先する。
b|正しい
上縦隔の結節に集積が残り、異所性副甲状腺腺腫を考える。生化学的診断後の局在評価として捉える。
c|条件・画像に注意
高Ca血症ではPTHは本来抑制される。基準範囲内でも不適切に非抑制なら異常であり、単に正常値と予測する記述は適切でない。
d|条件・画像に注意
骨病変は必要に応じ評価するが、副甲状腺局在を確認するため全例に骨シンチが必須というわけではない。
e|誤り
早期・後期の副甲状腺評価はMIBIが合う。PMTは肝胆道系を評価する製剤である。
判断のポイント
早期から後期に残る上縦隔の集積がCTの結節と一致し、異所性副甲状腺腺腫を優先する。
鑑別・注意点
99mTc-MIBIは局在を評価する検査で、機能亢進症の生化学診断そのものではない。高CaでもPTHが不適切に抑制されていなければ異常であり、基準範囲内というだけで正常としない。甲状腺結節や腫瘍等の偽陽性も比較する。
診断専門医 2012年度 問73
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問73
解答例:eを優先
選択肢別の解説
a|誤り
副腎髄質由来腫瘍は皮質コレステロール代謝を評価する製剤の主対象ではない。
b|誤り
通常は機能性皮質組織とは異なるため、片側皮質への集積と対側抑制の典型的説明ではない。
c|条件・画像に注意
ACTH過剰では通常両側皮質の刺激を考える。片側集積・対側抑制は自律性片側病変を支持する。
d|条件・画像に注意
アルドステロン産生腺腫でも皮質集積はあり得る。前処置や分泌検査を確認し、画像だけで完全に区別しない。
e|正しい
片側集積と対側の乏しい描出から自律性コルチゾール分泌を優先する。Cushing症候群の確定には内分泌検査が必要である。
判断のポイント
後面像で左副腎に限局した集積を認め、対側副腎の描出が乏しい。自律性コルチゾール分泌腺腫によるCushing症候群を優先する。
鑑別・注意点
画像だけでコルチゾール過剰や臨床症候群を確定せず、ACTH、抑制試験・分泌検査を確認する。検査前処置や薬剤も分布に影響し、原発性アルドステロン症との鑑別を集積のみで完結させない。
診断専門医 2012年度 問74
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問74
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
原発大腸腫瘍で両肺にびまん性骨親和性集積が出ることを代表的分布とはしない。
b|誤り
胸水に集積する場合もあるが、長期透析・高PTHでの両肺実質様集積から石灰化を優先する。
c|誤り
骨シンチで肺集積は起こり得るが、代謝異常の背景とCT所見を合わせて転移性石灰化を優先する。
d|正しい
Ca・P代謝異常により正常肺組織に石灰化が沈着する病態が合う。腫瘍の肺転移という意味ではない。
e|誤り
通常の骨シンチを放射性ヨードによる肺転移描出と取り違えない。提示の病歴とびまん性分布は代謝性石灰化を支持する。
判断のポイント
両肺にびまん性の骨親和性製剤集積を認め、長期透析とPTH高値を背景に転移性肺石灰化を考える。
鑑別・注意点
転移性とはカルシウム代謝異常による異所性沈着を指し、悪性腫瘍の転移とは異なる。CTでの肺実質・血管石灰化とCa、P、PTHを合わせる。移植後も代謝異常や既存の石灰化が直ちに解消するとは限らない。
診断専門医 2012年度 問75
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問75
解答例:d(誤り)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
縦隔部に腎外集積があり転移が疑われる。炎症等も含め形態・経過と対応させ、MIPのみで全病変を確定しない。
b|条件・画像に注意
胸壁の局所集積は転移候補であり、融合像やCTの骨・軟部病変と対応させる。
c|正しい
心筋の集積は血糖・インスリン・基質利用により変動する生理的分布として説明できる。
d|誤り
CTの左腎原発病変に明らかな強いFDG集積はない。尿路排泄による背景と病変集積を分ける。
e|条件・画像に注意
傍大動脈領域の結節性集積はリンパ節転移を疑う。局在と他の炎症性原因をCT等で評価する。
判断のポイント
造影CTで示される左腎原発腫瘤には明瞭な強いFDG集積がなく、他の転移疑い病変の集積と対比してdを選ぶ。
鑑別・注意点
腎・尿路への生理的排泄は原発巣検出を妨げる。旧説明の腎癌にPETは使えないという断定を修正し、原発診断での限界と、再発・腎外転移評価で役立つ場合を区別する。個々の集積が転移かどうかは形態・経過と合わせる。
診断専門医 2012年度 問76
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問76
解答例:cを優先
選択肢別の解説
a|誤り
典型的な動脈相濃染と洗い出しを示す病変とは異なり、乏血性腫瘤内を血管が通る像を重視する。
b|誤り
遅延性線維性増強等を比較する。FDG高集積だけでは区別できないが、提示の血管貫通像と均一集積からリンパ腫を優先する。
c|正しい
比較的乏血性の大きな腫瘤を血管が貫き、強い均一な代謝活性を示す。組織で確定し他臓器病変を評価する。
d|誤り
辺縁結節状濃染から内部への充填が典型で、強い均一FDG集積を示す乏血性腫瘤には合いにくい。
e|誤り
末梢優位多発結節、被膜陥凹、標的状増強等を比較する。提示の巨大腫瘤はリンパ腫を優先する。
判断のポイント
大きな低吸収肝腫瘤の増強は比較的乏しく、血管が病変内を通過し、強くほぼ均一なFDG集積を伴う。悪性リンパ腫を優先する。
鑑別・注意点
SUVが非常に高いという一点で病理を決めず、胆管癌等とも比較する。全身のリンパ節・脾・骨髄等を評価し、生検で確定する。肝に大きな病変があるだけで原発性肝リンパ腫と診断しない。
診断専門医 2012年度 問77
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問77
解答例:c、dを優先(原因の確定は保留)
選択肢別の解説
a|誤り
減弱補正の欠如は分布の歪みを生じるが、全身筋への代謝性取り込みを直接起こす原因ではない。
b|条件・画像に注意
運動した筋にFDGが取り込まれ、広い運動なら分布が広がることもある。画像のみで運動を除外せず問診する。
c|正しい
食後のインスリン上昇は骨格筋への糖取り込みを増加させ、このような広い筋集積を起こし得る。
d|正しい
直前のインスリンは骨格筋へFDGを移行させ、腫瘍の評価を妨げる。投与量と注射時刻を確認する。
e|誤り
待機時間の長さだけで全身筋の強い取り込みを説明するものではない。食事・運動・インスリン等を確認する。
判断のポイント
全身の骨格筋への広い集積から、食事に伴う内因性インスリン分泌と、直前のインスリン投与を優先する。
鑑別・注意点
運動でも使用筋群に集積する。MIP像の脳集積が保たれていることだけで食後を除外できず、全身筋集積だけで原因を確定しない。血糖、食事・投薬・運動歴、注射から撮像までの条件を確認する。
診断専門医 2012年度 問78
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問78
解答例:d、eを優先
選択肢別の解説
a|誤り
鼻咽頭付近には生理的な集積もあり、この全身像だけで鼻腔炎を発熱源としない。
b|誤り
Gaは生理的腸管排泄を示すため、腹部集積だけで大腸炎とは判定できない。
c|誤り
唾液腺の正常集積を炎症と取り違えない。左右差や局所症状、他画像を合わせる。
d|正しい
右膝を中心とした明瞭な集積があり、診察と関節液等で感染性・非感染性を評価する。
e|正しい
左股関節付近の集積も熱源候補となる。全身像だけで感染性関節炎と確定せず局在と原因を調べる。
判断のポイント
右膝を中心とした強い集積と左股関節付近の集積を認め、関節炎を熱源候補とする。
鑑別・注意点
Ga集積は非特異的で、感染性と無菌性関節炎を単独では区別できない。診察、超音波・MRI、必要な関節液検査と合わせる。鼻咽頭・唾液腺や腸管には正常集積があり、全身像だけで炎症としない。
診断専門医 2012年度 問79
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問79
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
乳房注射部位からの流域節描出を、肺の転移巣と取り違えない。
b|誤り
臓器全体の生理的分布や重なりだけでびまん性肝転移を示す画像ではない。
c|誤り
リンパ流によって集積した節はセンチネル節候補であり、集積だけでは転移の有無を判定できない。
d|正しい
手術時の節同定に合わせ当日または前日に実施する方法がある。投与量と間隔は施設手順に従う。
e|誤り
リンパ流へ移行するコロイド等を用いる。静注後に肺毛細管に捕捉されるMAAを標準の節描出製剤とはしない。
判断のポイント
乳房の注射部位から腋窩・胸骨傍の流域リンパ節へ向かう集積を認め、センチネルリンパ節シンチが合う。手術当日または前日に行う方法がある。
鑑別・注意点
集積はリンパ流と節の位置を示し、転移の有無は病理評価が必要である。原発巣に最も近い節や1個だけとは限らない。製剤・投与量、撮像と手術の間隔は施設手順に従う。
診断専門医 2012年度 問80
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問80
解答例:a(分布評価上)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
提示像の生体内分布では明らかな不適格集積がなく、分布評価上は投与可能と考える。ただし血小板、骨髄浸潤等の他の適格条件も必要である。
b|誤り
提示の48時間像で分布評価が可能な場合、追加像が常に必須ではない。出題当時の製剤手順に沿って判断する。
c|誤り
不適格を示すような強い腎集積は明瞭でなく、腎への著しい取り込みを認めるとする肢は合わない。
d|誤り
骨髄全体への顕著な異常集積は明瞭でない。画像上の分布と骨髄浸潤の臨床評価は別に確認する。
e|誤り
FDG陽性の全病変が同程度に描出される必要はない。正常臓器への異常分布を中心に適格性を評価する。
判断のポイント
肝・脾を中心とする分布に比べ、骨髄・腎・肺などへの不適格な強い集積は明らかでなく、提示画像の生体内分布評価上は90Y投与可能と判断する。
鑑別・注意点
FDGでみえる全病変に同程度の111In集積があることが適格分布の必須条件ではない。血小板数、骨髄浸潤、前治療など他の適格条件も別に確認する。2012年当時の手順と、現在の承認・供給状況を分ける。