2019年に実際に試験を受けられて合格された、
- ぶんた先生
- K先生
- H先生
- M先生
に解答作成を手伝っていただきました。
ご協力いただき誠にありがとうございました。
解答ここはこうじゃないかなどございましたら、一番下のコメント欄に記載いただければ幸いです。
基礎
1,
正解 a
- 11C 20分
- 14C 5730 ± 40 years
- 15O 2分
- 67Ga 3日
- 123I 13時間
14Cは知らないけれど、その他の核種は1次試験で頻出ですし、その知識で解けるようになっていますね(と、緊張して解けなかった私が解説します、笑)。
→放射線科専門医試験対策「半減期」ゴロ付きにまとめています。
2,
正解 (c?)d?→d
拡散強調像とは、水分子の拡散運動を画像化したもの。
Motion probing gradient(MPG)という傾斜磁場を加えて撮像する。
MPGを強くすることで拡散強調の程度を決めるb値を高く設定できる。
水分子は、脳においては神経線維の軸索の長軸方向に沿って拡散しやすくその他の方向では拡散しにくい。
このように方向によって拡散のしやすさが異なることを「拡散異方性がある」という。
このため、拡散強調像の作成においては、MPGをx,y,zの3方向にかけ、それらの画像データを合算した画像を作成している。
3方向にかけることにより、十分に拡散が検出できるようにしている。
FAmap
FAmap とは、ある特定の方向にMPGをかけたときにおける「拡散異方性」の強さと向きをmappingしたもの。
様々な方向にかけたMPGのFAmapのデータを集積し、テンソルmodelで解析したのがトラクトグラフィーであり、これが神経線維の方向を概ね反映した画像とされている。
IVIM
IVIM(intravoxel incoherent motion)とは、撮像対象の組織に分布する毛細血管の微小循環による拡散への影響(毛細血管内の水分子はランダムな方向に動く)を指しており、純粋な拡散を観察するためにはIVIMを考慮し、できるだけ排除する、という考えがある。
ただし、逆にIVIMに注目することで「ボクセル内の水分子の拡散と毛細血管内の流れ(灌流)を同時に観察するための手法」としても使える、とのこと。
参考)http://yamarad.umin.ne.jp/ivim/index.html
- 従って、a,b,e○
- c:x、y、z方向に各々MPGをかけたときの拡散の程度は、理論上観察可能と思われるが。。。そもそも、個別に見るものなのでしょうか?
- d:神経線維のつながりを描出したものはトラクトグラフィーだが、そのために使うのがFAmapだとすると「手法」といえる気はしますが。。。
2番の
>c MPG をかけた方向の拡散の程度を観察可能である。
について、
>c:x、y、z方向に各々MPGをかけたときの拡散の程度は、理論上観察可能と思われるが。。。そもそも、個別に見るものなのでしょうか?
とのコメントを載せられていますが、これについては可能です。
実際に、少し古いMRIだとx, y, z方向それぞれのMPGをかけた画像を吐き出す機械もあります。臨床的には各繊維の方向がある程度わかること、アーチファクトかどうかの判定の参考になるなどの有用性があるとは思いますが、効果は限定的だと思います。
http://www.shizuhogi.jp/pdf/2008/mri08-2.pdf
実際シーメンスの資料で18枚目くらいのところに各方向にMPGをかけて撮像した元画像がありますのでご参考にしてください。またdの選択肢についてですが、
>FAmap とは、ある特定の方向にMPGをかけたときにおける「拡散異方性」の強さと向きをmappingしたもの。
とコメントされておりますが、FA mapは異方性拡散の強さ(スカラー)のみを表したMAPでつまり向き(ベクトル)の情報を捨て去ったもので、FA mapからはトラクトグラフィーを作成できません。つまりFA map自体に元画像(というより元データ)がありますので、そちらをテンソルmodelで解析したのがトラクトグラフィーです。
なのでFA mapで神経のつながりを描出することはできませんのでdが誤りで良いかと思います。
ksk310先生ありがとうございます!!!
3,
正解 a,d
- b: 表在臓器のコントラスト分解能はCTに優る
- c: 腸管ガスにより後方エコーは減衰
- e: 血流の速度と方向を色で表示するのはカラードプラ
4,
正解 c
RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks、レイド)と は、複数のHDDをひとつのドライブのように認識・表示させる技術。万が一のHDD故障時にもデータ復旧・アクセスを可能にする安全性の向上や、複数HDDへの分散書き込みによるデータ保存の高速化など、RAIDモード毎に特長があり、用途に合わせて様々なストレージ構築が可能。
特にビジネスシーンなど、高い信頼性を必要とするデータのストレージとして利用されている。
https://www.buffalo.jp/topics/knowledge/detail/raid-about.html
RAID5では、3/4の容量を使用することが可能。1台2TBの4台で構成されているので、3台分、すなわち6TBを使用することが可能。よって、答えはc.6TB
5,
正解 b,c
真正性、見読性、保存性の3つでしたよね。
頭頸部
6,
正解 c,e
右中大脳動脈M1-2分岐部にfilling defect signを認めており、同部位の動脈瘤の破裂を示唆する所見です。
動脈瘤破裂以外では、新鮮血腫も相対的に造影不良域として認められます。
7,
正解 b
長管骨骨折後の意識障害の病歴で、DWIで散在する高信号、SWIでびまん性点状の低信号域の所見は典型的。
8,
正解 e
後部大脳縦裂に沿った高吸収域がみられる。急性硬膜下血腫の所見。
9,
正解 a
左側脳室三角部内の均一なT2WI高信号腫瘤。造影効果も強く均一で、meningiomaです。
10,
正解 a
年齢不相応の強い大脳萎縮、T2WIで側脳室周囲白質に比較的対称性の異常高信号域を認めます。
免疫能低下、認知機能低下という臨床情報からもHIV脳症が最も考えられます。
鑑別はPMLですが、HIV脳症と比べ、白質病変が非対称性である点、より緩徐に進行する点が異なります。
11,
正解 c
左右の半球が連続しており、全球の形態を示す。背側にはdorsal cystが認められ、alobar型の全前脳胞症の所見である。
12,
正解 d
両側頭頂葉皮質下白質(U-fiber含む)にT1WI低信号、T2WI高信号で、辺縁を縁取るようなDWI高信号がみられる。更に皮膚筋炎で治療中→ステロイド使用で免疫低下より、d.進行性多巣性白質脳症が最も考えられる。
13,
正解 c
延髄~頚髄レベルでの強い造影効果を有する結節を伴う嚢胞性病変、hemangioblastoma.
試験的にはvHL病との合併が頻出ですね。
14,
正解 c
左眼球前に T1WIで高信号域を含む多結節城腫瘤あり。
強い造影増強効果を認めます。
悪性黒色腫を疑う信号パターンです。
悪性黒色種は眼球内ではぶどう膜からの発生が有名ですが、稀に虹彩や結膜からも発生することがあり、この症例は、結膜由来の悪性黒色腫と思われます。
15,
正解 a
脂肪抑制T2強調像で辺縁の低信号帯、内部に不均一な信号が混在するパターンが認められ、内部に慢性的に繰り返す出血が示唆される。左上顎洞骨壁には圧排による骨リモデリングがみられる。単純CTが示されていないため、造影CTの内部の高吸収域の診断的意義が分からないが(石灰化?、造影効果?、造影剤漏出?)、T2強調像での特徴的な内部性状より、血瘤腫と考えられる。
整形外科
16,
正解 d
単純X線写真で左踵骨に辺縁に骨硬化を伴う透亮像あり。選択肢の類骨骨腫やLangerhans細胞組織球症も鑑別にあがる。MRIで踵骨全体にT2WI脂肪抑制で高信号がみられ、さらに骨髄内から骨皮質を貫通して骨外へ進展する病変がみられ、膿瘍形成が疑われる。よって、d.骨髄炎(Brodie膿瘍)。
17,
正解 c
骨幹部の骨皮質の肥厚と一致する骨折線。非定型大腿骨折(atypical femoral fracture; AFF)の所見です。2018-16に続き出題されましたね。
骨折に先行して数週間や数ヶ月前からの違和感あり、外傷歴がないか、あっても軽微で骨折が生じます。骨癒合は遷延しやすいのが特徴。
(臨床画像2017年10月号p1192-3)
補足:ビスホスホネート、ステロイド、PPIなどが原因
18,
正解 b,e →c,e
両側性に筋膜が肥厚し、T2強調像や脂肪抑制T2強調像で高信号、造影MRIで著明に増強されている。筋や周囲皮下組織には明らかな異常所見なし。
好酸球性筋膜炎を示唆する所見です。
好酸球性筋膜炎
- 筋膜に沿って膠原線維の増生とリンパ球・好酸球浸潤を来す疾患。
- 誘発因子は激しい運動や外傷であり、傷害された筋膜での非特異的炎症と組織から流出した抗原に対する自己免疫反応が起きていると推察されている。
- そのほか、Borrelia 感染(ライム病)、マイコプラズマ感染との関連や、スタチン系薬剤、フェニトイン、 ACE阻害薬のramipril、ヘパリンなどが発症との関連が疑われている。
- 四肢遠位(前腕、下腿)に好発し、急激に発症する疼痛・こわばり・腫脹、皮膚の硬化を認め、臨床的には強皮症に似る。
- MRIにて、筋そのものや皮下組織、表皮、真皮には明らかな異常を認めない点が他疾患との鑑別点となる。
参考:好酸球性筋膜炎 診断基準・重症度分類・診療ガイドライン
ぽよ先生ありがとうございました!!
19,
正解 d
三角筋が付着する部位(三角筋粗面)に骨皮質の肥厚を認める。T1強調像ではっきりとした腫瘤形成はなく、病歴上は痛みなどの症状もなさそうであり、三角筋粗面における正常変異としてよいと思われる。
なお、骨シンチグラフィでも三角筋粗面に集積がみられることがある(骨軟部の連想画像診断 p6-7を参照)。
20,
正解 e
2009年20とほぼ同じ画像。傍関節唇嚢胞による神経絞扼症候群
21,
正解 d
Codman三角を伴う、大腿骨遠位骨幹端から背側に膨隆する腫瘤。骨膜反応が著明で、強く悪性を疑う。傍骨性骨肉腫。
胸部
22,
正解 e
毎年たいてい出題される、肺嚢胞性疾患を鑑別する問題。両側肺野にびまん性のいびつな形の嚢胞性病変、粒状影を認め、Langerhans細胞組織球症を疑う所見です。典型的画像。
23,
正解 c
免疫不全患者における肺腫瘤の鑑別。内部に空洞形成と、周囲のhaloを伴っており、選択肢の中では肺アスペルギルス症が最も疑われる。
24,
正解 e
3ヶ月以上という慢性の経過、reversed halo signから、慢性好酸球性肺炎と考えられる。
25,
正解 c
右肺と、左大腿の筋層内にリング状造影効果を伴う腫瘤が多発しています。肺の画像所見と病歴でクリプトコッカス、ノカルジアが残るが、下肢に病変を形成する、となるとノカルジアらしいでしょうか。
参照 CT findings of pulmonary nocardosis (AJR)
26,
正解 a
毎年たいてい出題される、肺のびまん性すりガラス影を来す疾患を鑑別する問題。
びまん性小葉中心性の結節状すりガラス影、粒状影を認め、部分的にspareされる場所もみられる。急性〜亜急性過敏性肺臓炎を疑う所見。
27,
正解 c
頻出である異所性肺石灰化症。
28,
正解 d,e
S sign of Golden (inverted S sign) がみられ、右上葉の無気肺が疑われる。
中枢側の腫瘍性病変が疑われる。3ヶ月の経過から肺炎は否定的。縦隔内甲状腺腫や悪性リンパ腫では気管の閉塞は稀。よって、d.e.
29,
正解 b
右肺下葉縦隔側に棍棒状のconsolidationと周囲のGGOあり、左肺は気胸、肝左葉辺縁LDAあり。 肺吸虫症を考えます。胸膜直下に病変が多く、周囲のすりガラス状濃度上昇を伴う不整形結節があること、胸水や気胸を伴うことなどから疑います。
ヒトへは淡水産カニなどを食べることで小腸から感染し、腹腔内→腹直筋内へ移動し発育、再び腹腔内→横隔膜を貫き(本症例の肝臓のLDAはこの経路が疑われる)→胸腔へ(ここで気胸を起こす)移動するそうです。
最終的に肺実質内で虫嚢を形成し、産卵するそうです(想像するだけで恐ろしい・・・)
2012-30でも出題されています。
参照 東京レントゲンカンファレンス ウエステルマン肺吸虫症
30,
正解 d
石綿関連疾患について問う問題。
胸部レントゲン上、両肺野には目立った異常陰影なく、胸水貯留もみられない。
右横隔面、右第三弓2接した心膜、左中肺レベルなど胸膜に石灰化を認め、胸膜プラークを示す所見です。
31,
正解 e
胸腺脂肪腫
32,
正解 c
crazy-paving patternを呈する。選択肢はいずれもcrazy-paving patternを呈し得る。
慢性の経過と労作時呼吸困難の訴え、所見の割に症状が弱いことからも肺胞蛋白症を最も考える。
心血管
33、
正解 d
補足: d null point=正常心筋の信号値が0になる遅延時間.心アミロイドーシスなどのように心筋全体に淡い造影効果があると設定困難となることあり
34,
正解 d
炎症性大動脈瘤が胸部で発生するのは非常に稀。
35、
正解 a
LAD領域の急性期心筋梗塞の典型例。
36,
正解 e
シネMRIで左室心尖部の壁運動低下と内腔の拡大が見られる。たこつぼ型心筋症では、遅延造影MRIにおいて遅延造影がみられないことが特徴とされてきたが、たこつぼ型心筋症急性期の9〜22%の症例で心筋に淡い遅延造影がみられることが報告されている。
ただし、たこつぼ型心筋症において認められる遅延造影は、心筋梗塞のような明瞭な高信号ではないため、急性心筋梗塞との鑑別は困難ではない。本症例でも遅延造影で心尖部の左室心筋に淡い高信号を呈しており、たこつぼ型心筋症と思われる。
37,
正解 c
上行大動脈や肺動脈基部、SVCを取り巻くように進展する腫瘤影。サイズの割に組織破壊が乏しく、また均一で強い拡散制限を伴っている。Lymphoma.
乳腺
38,
正解 b,c
右上外側領域にspiculaを伴う腫瘤影を認め、悪性腫瘍を疑います。
選択肢の内、腫瘤影としてみられる悪性腫瘍としてはb,c。
非浸潤性癌は理論的には乳管内にとどまっているので、腫瘤を形成しないのでd,eは×。
39,
正解 b
月経開始から第2週目がBPEの程度は最も低く、4−1週が最も高いと報告されている。
従って月経開始5-12日目の間にMRIを撮影するべきとされている。
40,
正解 c
T2WIで高信号、ダイナミック早期相で内部の増強効果はみられず、辺縁の一部が乳頭状に肥厚し増強効果がみられる。
嚢胞内癌が疑われる。
小児
41、
正解 c,d(d,e説もあり)→d,e
5歳、右の頭蓋底を主座とする不整形の腫瘤影。
骨破壊も伴っており、左への進展も疑われる。
造影効果は不均一。
横紋筋肉腫は真っ先に挙がるとして、もう一つをどれにするか悩みますが、平滑筋肉腫で検索したら似たような写真が出てきた印象で、これでしょうか。
問41(小児頭頚部腫瘍)ですが、d横紋筋肉腫 e悪性リンパ腫 ではないでしょうか。
平滑筋肉腫と横紋筋肉腫では発生する患者の年齢層が大きく異なります。平滑筋肉腫は60歳越えが発症中央値のはずです。
すぐわかる小児の画像診断 では頭頚部横紋筋肉腫の項がありますが悪性リンパ腫との鑑別について述べられています。
もちろん小児平滑筋肉腫症例もあると思いますが、eより上位に来るのは厳しいのではと思いました。
びびび先生ありがとうございます!
42,
正解 c
triangular cord signを認め、先天性胆道閉鎖症を示唆する所見です。
triangular cord sign
肝門部で門脈前方の三角形あるいは帯状高エコー。
縦断像あるいは横断像で評 価し、厚さが 4 mm 以上を陽性と判定する。
43,
正解 d
単純X線写真正面像で右大腿骨頭の成長板の拡大がみられ、脂肪抑制T2強調像では右大腿骨頭の成長板周は囲に淡い高信号とともに関節液貯留もみられる。
大腿骨頭すべり症では通常後内方に向かって生じるため、ラウエンシュタイン法による側面像で大腿骨頭の前後方向の幾何学的変化を捉えやすい。
腹部
44,
正解 b,c
動脈早期相で肝周囲に増強効果がみられ、肝周囲炎が疑われる。
20歳代女性であることからFitz-Hugh-Curtis Syndromeを疑う。検査法としてb,cがある。
45,
正解 e→d
肝右葉~肝門部を主座とする充実+嚢胞性腫瘤。
胆管内乳頭状腫瘍、肝粘液性嚢胞性腫瘍
設問34ですが、内部性状が乳頭状であることと男性であることから私はdのIPNBを疑いました。冠状断像では右葉の肝内胆管の拡張も見られます。
https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s00330-015-3618-2.pdfMCNの9割以上が女性であるので、男性であることはMCNの可能性をかなり下げると思います。
肝S4を中心とした大きな多房性嚢胞性病変という点ではMCNも鑑別の上位に上がりますが、MCNの多房はどちらかというと房の大きさにばらつきがあって、cyst in cyst typeが多く、本症例では
https://www.nature.com/articles/modpathol201171.pdfのfig1でいえばどちらかというとmulticysticに分類される用に思います。
malignant potentialもかなり低いので、本症例のように充実部がかなり目立つ症例も比較的まれなように思います。
ksk310先生ありがとうございます!!!
46,
正解 a
本来脾臓が存在しているべき場所に、多結節状の構造物あり。脾臓と同じ位に造影されている。
交通外傷後であり、脾破裂による脾摘後、脾症と想像される。
脾症(splenosis)
- 外傷や外科手術により脾臓が破裂して、腹腔内に逸脱した脾臓の組織が他の部位へ自己移植することで生じます。
- 小腸の漿膜面や肝臓、大網、腹膜や横隔膜面などで起こることがあります。
- 外傷後5-10年後に発見されることが多いとされます。
47,
正解 d
若年女性における、内部に出血性壊死を伴う膵尾部腫瘤であり、SPNが第1に疑われる。
48、
正解 a
膵尾部に結節状の造影増強効果が認められる。SPIO造影後T2WIでは低信号を呈する。造影増強効果、MRIの信号変化は脾と同様で膵内副脾が疑われる。
- b.通常型膵癌は線維性間質を反映して遷延性の造影パターンを呈するため、造影膵実質相では膵実質と比較して低吸収を呈する。
- c.腺房細胞癌は膵頭部に発生することが多く、境界明瞭で外方に突出する形状が特徴的で、小さい病変では比較的均一な造影増強効果を示すが、正常膵実質と比較すると濃染は弱く、大きい病変では出血や壊死を伴う嚢胞成分を含む。
- d.膵内分泌腫瘍は典型的には膵実質相で濃染が最大になる腫瘍が多いが、膵実質相では等あるいは低吸収を呈し門脈相で濃染してくる腫瘍も少なくない。SPI造影後T2WIでは低信号を呈さない。
- e.Mucinous cystic neoplasmは、膵体尾部に見られる辺縁平滑で、厚い線維性被膜を有する多房状の嚢胞性腫瘤。
49,
正解 e
膵実質の腫大とFDG集積、また肝内胆管の小結節?
AIH+IgG4関連疾患
補足:IgG4関連疾患では同時性あるいは異時性に全身諸臓器の腫大あるいは結節・肥厚性病変を伴う
50、
正解 e
上腸間膜動静脈の右背側にループ状になった小腸が同定される。ループ構造は腹部大動脈と上腸間膜動静脈の間できゅっと収束している。右傍十二指腸ヘルニアを疑う所見です。
51,
正解 c,d
頻出の腹膜垂炎の一般知識を問う問題
52,
正解 d
胃全体に著明な胃壁の浮腫性肥厚を認める。
急激な発症であり、胃アニサキス症が疑われる。全周性の壁肥厚のみであれば、鑑別としてスキルス胃癌や悪性リンパ腫が鑑別として挙がる。
53、
正解 a,d
輸入脚の拡張と液貯留あり、輸入脚症候群を疑う。
BillrothⅡ法やRoux-en-Yなど、輸入脚を有する再建術後にみられる。
胆汁や膵液、腸分泌液の貯留による輸入脚内圧の上昇、径が拡張し、腹痛や腹部膨満などを来す。
泌尿器
54,
正解 c
左腎に濃染する腫瘤あり、淡明腎細胞癌を疑う。右腎に小嚢胞あり。
膵臓に多発性、多房性嚢胞あり。
精巣に嚢胞あり。
Von Hippel-Lindau病を示す所見です。
55,
正解 a,e
腎動静脈奇形疑いの症例に関する検査アプローチ。
補足:e 嚢胞状病変内部にモザイク状の血流信号を認める
56,
正解 e
両側副腎に脂肪を含有する腫瘤性病変を認める。
eは、単純CTで水の濃度に近い著明な低吸収を呈する境界明瞭な腫瘤である。他の選択肢は、脂肪を含んでおり、最も考えにくいのは、eと思う。
婦人科
57、
正解 c
子宮内腔を占拠する腫瘤で、内部は小嚢胞の集簇状になっている。
無月経と合わせ、胞状奇胎を疑う。臨床的にはhCGの異常高値から診断されることも多いらしいです。
58,
正解 e
若年女性の巨大な骨盤内充実性腫瘤。
多結節状でT2WIで高信号、T2WIで低信号・造影MRIで造影される隔壁構造を持ち、未分化胚細胞腫を疑う所見です。
59、
正解 c
筋腫分娩の典型例。
60,
正解 a,e
右卵巣の腫大があり、T2WIでは浮腫を反映して卵巣内に広く高信号が認められる。辺縁には卵胞と思われる小嚢胞構造が複数認められる。卵巣広範性浮腫の典型的な画像所見である。造影MRIでは造影増強効果が認められるが、浮腫が強い部位では増強効果は弱い。
卵巣広範性浮腫は慢性的・間欠的な卵巣の不全捻転によるリンパ管や静脈のうっ滞が原因とされ、小児や若年成人に好発し、茎捻転と同じく右卵巣に多い。
- b.腫瘍性病変ではない。
- c.転移性卵巣腫瘍の70%は両側性で、画像的特徴としては多結節性、多房性の境界明瞭な腫瘤で、浸潤・癒着傾向を欠くことが挙げられる。狭義には胃の印環細胞癌からの転移をKrukenberg腫瘍という。
- d.左付属器は骨盤左側に正常に認められる。病変の首座は右付属器である。
61,
正解 e
閉経後としては不相応の子宮筋層・内膜の肥厚と明瞭なzonal anatomyである。骨盤内右側に強く造影される境界明瞭な腫瘤あり。
腹水が貯留している。顆粒膜細胞腫を疑う。子宮内膜癌の合併の可能性が高いことも憶えておく必要がありますね。
IVR
62,
正解 b,d
おそらく背側膵動脈にできた、医原性の仮性瘤に対するIVR。
仮性瘤の近位と遠位側を塞ぐ(isolation)、ステントを挿入することにより仮性瘤への血流を途絶させる。
- パッキングとは、動脈瘤内をコイルで詰めること。真性瘤に対して行う。
- バソプレシン動注療法は、動脈平滑筋や腸管平滑筋に直接作用して収縮させ、止血させる方法。
微量な出血が広範囲に及ぶ出血性胃炎, 出血性腸炎や 出血血管が細い憩室出血などに対して行う。太い血管の破綻(仮性動脈瘤など)には用いるべきでない。
- レーザー治療は動脈出血に対して行わない。下肢静脈瘤などに行う治療。
2020年8月9日追記
isolation+packingではないか?という質問から、いや、packingとは言わないのだという超専門的なやりとりはコメント欄をご覧ください。
N先生、kj先生、O先生ありがとうございます!!
63、
正解 a,c
Transjugular Intrahepatic Portosystemic Shunt: TIPSの適応は、
- 内視鏡的治療でコントロール不良な消化管静脈瘤
- Portal hypertensive gastropathy、
- 門脈圧亢進に起因する難治性腹水、胸水とされる。
なお、日本IVR学会の「技術教育セミナー」の症例と全く同じ画像である(http://www.jsir.or.jp/docs/member/hinto/25_4/25_4_4.pdf)。
64,
正解 c,d →a,d
dのエタノールを使用し、細かい血管を塞栓する。
もう1つの選択肢は、a or c と思われる。AVMであればa,cの判断は困難。AVFと考えてc,dか。
64の軟部組織血管奇形の問題ですが、IVRマニュアル139ページより、経動脈的塞栓物質の種類はNBCA、オニキス、無水エタノール、オルダミン、粒状塞栓物質とあり、これらが問われているのではないかと考えました。一方で、コイルやゼラチンは使用しないとあり、ただしコイルはフローコントロール目的では使用することがあるとあります。この場合、内腸骨動脈の塞栓はフローコントロールとして必要かどうかということとなると思いますが、かなり具体的な判断が必要となり、この一枚の3D画像からはわからないと思いました。よって答えはadかと思いました。いかがでしょうか。
問64(骨盤内巨大血管病変)ですが、a NBCA d エタノール ではないでしょうか。
adが経動脈的塞栓術ですが cが内腸骨動脈塞栓術となっているのがミソと思われます。
本症例はおそらくTypeⅢのAVMと診断できますので、nidusの塞栓(あるいは可及的にnidusに近づいての塞栓)が望まれます。内腸骨動脈本幹のコイル塞栓のみでは①側副路から血流を引き込んでしまい全く血流低下しない(治療効果がない) ②側副路経由の非常に難しい塞栓を強いられるため追加治療困難 を招来していまいます。出題者の意図はcは禁忌に近いというものではないしょうか。
ただしこの辺は下手にNBCAやエタノールで強塞栓すると筋壊死、神経障害(大腿神経、坐骨神経など)、皮膚壊死等を生じかねないので”可及的末梢でコイルメインに塞栓する”のも現実的とは思います。
受験生先生、びびび先生ありがとうございます!
核医学
65,
正解 d
脳血流シンチグラフィ製剤を選べという問題ですね。
65番のSPECTですが脳血流画像と比較して基底核、視床、脳幹、小脳に集積が少ないことがiomazenilを選ぶ根拠のようです。核医学ノート120、121ページから。
iomazenilは脳受容体シンチグラフィですね。
R先生ありがとうございます!!
66、
正解 d
パーキンソニズムを来す疾患の鑑別。
123I-ioflupaneでは両側線状体への集積低下を認め,123I-MIBGでは、後期相で心臓への集積を認める=washout rateがさほど高くない。
これによりd or eを疑う。
123I-IMPでは、比較的対照的な両側前頭葉への血流低下が疑われる。d 進行性核上性麻痺に合致する。
大脳皮質基底核症候群は前頭頭頂葉優位、左右非対称な大脳萎縮が特徴。
67,
正解 e
脳脊髄液腔シンチグラム3時間像で、両側性腰部RI集積(いわゆるクリスマスツリー所見)および膀胱の早期描出を認める。
これらは脳脊髄液漏出の参考所見にはとどまるが、選択肢の中では脳脊髄液減少症を最も疑う。
68、
正解 d,e
- a.中隔〜心尖にミスマッチあり。
- b.梗塞を疑う集積の欠損なし。
- c.水平長軸像。
- d.気絶心筋。気絶心筋とは冠動脈閉塞後に再灌流に成功しても心機能障害(すなわち壁運動異常)が持続し、壁運動回復が遷延すること。よって、壁運動の改善が期待できる。
- e.脂肪酸代謝には123I-BMIPPを用いる。
よって、d.e.
69,
正解 c,e
胆嚢に強い集積があるので99mTc-MIBIもしくはtetrofosmin.心尖部に明らかな壁肥厚なし。QGSでも明らかな壁運動障害なし。
ここ最近、筆記試験でも必ず1問は「これ何のシンチ」が出題されるので、まとめてみました。口頭試問でも頻出とのウワサ。
→全身のシンチグラフィ、これ何のシンチ?
70,
正解 c
センチネルリンパ節シンチ
- 乳癌では臨床的に明らかな腋窩リンパ節転移が認められている場合は、レベルⅡ(中部腋窩)までのリンパ節郭清が推奨されている。
- センチネルリンパ節シンチグラフィは臨床的にリンパ節転移が明らかではない場合に行われ, センチネルリンパ節転移が陰性であればリンパ節郭清を省略する。
- それに伴い術後合併症や上肢機能障害が減り, QOL(qualityoflife)の改善につながる.。
- センチネルリンパ節転移が陰性の場合,腋窩リンパ節郭渭を省略しても長期予後は変わらないという大規模臨床試験の結果が出ている。
- 術前にリンパ移行性の高い放射性医薬品(99mTc-HSA、99mTc-フチン酸99m、Tcスズコロイド)を原発巣または周辺組織に皮下もしくは皮内投与し、 ガンマカメラでシンチグラムを撮像することでリンパ節の描出を行う.
- 注入部位は腫瘍の占居部位に関わらず乳輪下に投与することが多く、リンパ節に加え、注入部位にも強い集積を認める。
- リンパ系内の貯留時間はコロイド粒子の大きさにより異なり,小さなものほど移行が早い。99mTc-フチン酸は径200~l,000nmとリンパ節描出に適度な大きさであり、汎用されている。
- 手術中にγ線検出用のガンマプローブを用いてセンチネルリンパ節を同定・摘出し、術中迅速病理診断で転移の有無を確認する.
従って、a,b × c ○
胸部前面像での強い集積部位は注入部位と考えられ、その近傍のより小さな集積部位は腋窩のセンチネルリンパ節を疑う。このリンパ節が転移であるかどうかは画像のみではいえないため、c は正しい。
d× 術前に撮像されている画像でありガンマプローブによる画像ではない。
e ×
参照)わかりやすい核医学 P276-279
71,
正解 e
リンパ浮腫に対するリンパ管シンチグラフィ。99mTc-HSADを投与部位1箇所あたり、約40~80MBqを容量が0.1~0.2mL以内となるように調製の上、皮内に投与し、観察部位のシンチグラムを得る(http://www.jsnm.org/archives/4382/より抜粋)。なお、昨年保険適用になった検査のようである。
72,
正解 b
左頚部に強い集積あり。また、涙腺、鼻腔、唾液腺、肝臓、脾臓、胃、腸管、外陰部にも生理的集積がみられる。67Gaシンチの使用が疑われる。リンパ腫か。
73、
正解 c
両側肩甲下部に脂肪成分を含む腫瘤あり、わずかに18F-FDGが集積している。弾性線維腫。
74,
正解 e
治療前と比べ、治療後の画像では脊椎や大腿骨など長管骨への集積が亢進している。
75,
正解 e
核種が99mTc-pertechnetateと提示されている甲状腺シンチグラフィの画像。甲状腺左葉の局所的な集積亢進を認める。機能性結節性甲状腺腫(Plummer病)を疑う所見である。
76,
正解 b.e
- a.顎下に集積はない。
- b.後期相でも集積が残存。副甲状腺機能亢進が疑われる。
- c.リンパ節への集積はない。
- d.後期相の撮影は2-3時間後。
- e.テクネなので不要。
よって、b.e.
77,
正解 c
T12-L1レベルの椎体左側と、右恥骨を有意と判断しました。
頸椎にも淡い集積があるように見えますが、生理的でも良さそうかと・・・ただ、受験者の解答は割れているようでした。
78,
正解 a
甲状腺乳頭癌術後。放射線性ヨウ素内用療法中。
甲状腺癌に対する1311内用療法に際しては事前に甲状腺が全摘されている必要があり、本来は甲状腺に集積はないはず。
このため、集積
79、
正解 e
出血シンチグラフィとしては血液プール像(肝臓、脾臓、血管)の描出が目立たず、一方で胃粘膜への集積が目立つ点から、99mTc-pertechnetateによる異所性胃粘膜シンチグラフィと考えられる。
膀胱の直上に局所的な集積が経時的に明瞭化しており、メッケル憩室への集積が疑われる。なお、選択肢の中の24時間後像の追加撮像や、740MBqの投与量は出血シンチグラフィ(99mTc-HSAD)に該当する項目である。
補足:c 185-370MBq
80,
正解 a
術前の肝機能評価と考えられる。
よって、a.99mTc-GSA。
補足:a 肝受容体シンチグラフィ(アシアロシンチ) c, d センチネルリンパ節シンチグラフィ
34の解答はbではないかと思いました。
まず、cの解説についてですが、大動脈側の方が圧が高いために瘻孔を通じて喀血を来すと思われ、大動脈内に空気は認めなくても良いように思います。もちろんこのスライスのみで瘻孔の有無はわかりませんが、そもそもa,d,eに関しても気管支との瘻孔がないと喀血は来さないと思いますが、あくまで可能性が低いものを選ばせる問題なので、そこは深くは考えなくていいのかなと思います。
提示画像では下行大動脈周囲の低吸収域と接して圧排性無気肺と思われる部分があります。もしbの可能性があるのであれば下行大動脈周囲の低吸収域の部分が肺癌病変と考えないといけないのではないかと思いますが、その外側に圧排性無気肺があることなどからその可能性は考えにくいように思いました。
また、根拠にはなりませんが、b以外は血管性病変で、bだけ仲間外れのように思いました。
49
cだと思いましたがいかがでしょう
NETの肝転移ではないでしょうか 膵尾部に動脈相から強く染まる腫瘤があります
膵尾部の早期濃染は脾動脈の一部(ないし動脈瘤)が見切れているだけかと思います。平衡相で大動脈と同等に描出されています。
NETとすると膵尾部の造影不良域が一元的には説明ができないかと思いました。
膵尾部は腫大して造影効果が不良で、主膵管拡張もなくAIPとして矛盾しないと思うのですが、肝病変は結節状で上流の胆管拡張を伴っているようにみえます。IgG4病変でこのような肝結節をきたしてもいいのでしょうか。偽腫瘍病変ならアリでしょうか?
画像で確認できる総胆管に壁肥厚があるようですのでやはりIgG4関連疾患で良いのではと思いました。
肝内胆管の病変については教科書などではあまり見ませんが、調べてみるとIgG4関連硬化性胆管炎における胆管周辺の異常軟部組織(炎症性偽腫瘍)については下記論文などに記載があり、特に肝門部付近の胆管周辺に認められやすいとのことです。
Zen, Y., Kawakami, H. & Kim, J.H. IgG4-related sclerosing cholangitis: all we need to know. J Gastroenterol 51, 295–312 (2016). https://doi.org/10.1007/s00535-016-1163-7
(文献内にこの問題と若干似たような症例画像あり、「In some cases, ISC manifests as periductal mass lesions typically involving perihilar ducts, referred to as an IgG4-related inflammatory pseudotumor.」との記述があります)
参考論文あげていただきありがとうございます。読ませていただきます。
77ですが、設問的に「転移を疑う部位数」ではなく「転移の可能性を考慮すべき部位数」と微妙な表現なので、正直解答割れて仕方ないと思います笑
なのでこの設問の聞き方だと、頚椎も考慮はしていいのかなとも思いました。実際にはSPECTとCTで確認するという作業はやはり必要かなと。あと個人的には右肩甲骨の下の方にある集積も若干気になりました。
なお、恥骨の集積ですが、恥骨結合右側の集積のことを言っていますか?膀胱の一部のようにも見えるのですが、どうでしょう?その下方に見られる集積は尿汚染と思います。
34ですが、個人的にはdだと思いました。
喀血があるので、気管支瘻が生じていても良いと思います。らっちょ先生がおっしゃるように、大動脈系のほうが高圧系ですので、大動脈の中にairがなくても不思議ではありません。
bの肺癌は大動脈への浸潤があればそこの脆弱性から破裂したとしても矛盾はしません。圧排性無気肺に関しては血腫の圧排により生じたと考えられます。なのでこの場合は大動脈周囲の低吸収域は肺癌と血腫の混在という解釈です。
dの炎症性大動脈ですが、典型的なマントルサインはありませんし、あっても偏心性の壁肥厚に思います。また胸部に炎症性大動脈瘤はかなり稀です。炎症性大動脈瘤自体も比較的破裂は少ないと思いますので、胸部の炎症性大動脈瘤の破裂というのはかなり考えにくいのではないかともいました。
4のRAIDの説明ですが、少々語弊があります。
結論から言いますと、RAID5でn台のHDDを使用した場合、(3/4ではなく)n-1台分の容量になります。
解説のリンク先にある、パリティーが何をを意味しているかと言いますと・・・
1bit(=0か1のどちらかのデータ1つ分)しか保存できないHDD4台(A~D)があった場合、
A、B、Cには普通にデータを保存しますが、Dには「A~Cの中で、1の数が偶数なら0、奇数なら1」と記録します。このDのデータがパリティーになります。
仮に、A=1,B=0,C=1のデータが入っていた時、1は2つ(偶数)ですのでD=0となります。
Aのディスクが壊れて使えなくなってしまった場合、B=0,C=1,D=0のデータが残りますので、D=0とするためには(B,Cだけでは1の数は奇数なので、Dの示す「1の数は偶数」を満たすためには)、A=1であると推定できます(このようにすればデータを復元できます)。
この理屈はHDDが何台あっても、1台分をパリティに使用することになりますので、「RAID5でn台のHDDを使用した場合は、n-1台分の容量が使用可能」となります。
(実際には、HDD1台丸々がパリティになる訳ではなく、一部分ずつをパリティとして出し合っている(それでもパリティの合計は1台分になります)ため、リンク先のようなややこしい絵になります。何故こうするかと言いますと、巨大なデータでも、分散して複数のHDDに同時に書き込めるので、書き込み速度が上がる、などのメリットがあるためです)
2019 診断専門医問題 34ですが、自分はaが正解かと思いました。
動脈硬化を認め、嚢状動脈瘤を認めますが解離腔は不明瞭に思います。
bは大動脈周囲の無気肺(軟部影)部分に肺癌病変が含まれれば矛盾しないかと思います。
cは原因が何であれ、喀血という症状で来院されているので、可能性は十分あるかと思います。
dとeについては、嚢状の形態からは感染性をより疑いたい所見かと思いますが、動脈相のみで、mantle signの有無の評価は厳しいのではないでしょうか?
私は大福餅さんと同じ意見で、dだと思います。
解離は偽腔閉鎖型でULPがあると考えると、さほど違和感ないように思われます。
そして、bceは何れも仮性動脈瘤の状態になり易い疾患と思われます。
炎症性大動脈瘤の可能性も勿論否定できないと思いますが、選択肢において最も仮性動脈瘤になる頻度が低いのはdだと考えます。
結論から言うと大動脈解離を疑う所見が弱いと思います。
冠状断では石灰化含めて動脈硬化性変化が大動脈には強く認められており、囊状に突出している部位にも形に沿ってやや厚い低吸収域があり壁在血栓と思われます(無気肺部分とはコントラストがあるように見えます)。
偽腔閉鎖型と指摘していただきましたが、偽腔自体が不明瞭だと思います。
ULPは閉塞した偽腔があってはじめて言える病変だと思います。むしろPAUの方が病態としては近いのではないでしょうか。
嚢状瘤の形態としては真性または仮性瘤の形状であり、解離性大動脈瘤を疑うものではないと考えました。
確かに炎症性動脈瘤自体は胸部で見ることは多くないです。
ruptureして良いかどうかが分からなかったので探しましたが、剖検例ではあるようです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/51/8/51_8_957/_pdf/-char/ja
ただ、やはり頻度は稀だと思います。
そう考えるとdが正解なのでしょうか…
aの選択肢が「解離性」ではなく動脈硬化性大動脈瘤との記載であれば迷わずdを選んでいると思います。
「解離性」大動脈瘤は大動脈解離が原因の大動脈瘤ですのでそこが引っかかります。
わざわざ文献まで出していただきありがとうございます。
偽腔が不明瞭だというのは、確かにその通りだと私も思います。
見た目が解離らしくないというのと、頻度的に炎症性大動脈瘤が胸部で破裂するのは稀というのはどちらも一理あるので、すっきりとした模範解答は出せなさそうですね・・・
個人的には出題者の意図として「血管壁に穴が開く疾患はなにか」を問うてるのではないかと想像(最早画像診断ではないですね)して炎症性大動脈瘤を推しますが、今後何らかの形で解離が正解でしたと判明することがあっても(ないでしょうけど)それはそれで理解のいく問題ではあります。
私は34は大福餅さんと同じ意見です。
aは偽腔閉鎖型・ULPありと考えるとさほど違和感はないかと思います。
bceは何れも仮性動脈瘤の状態になり易い疾患と思われます。
勿論、炎症性大動脈瘤の可能性も全く否定できませんが、選択肢の中で一番仮性動脈瘤を作りにくいのはdだと思います。
53番って相当な悪問に思われるのですが・・・
adがいかにも正しそうなので答えは多分そうなんだと思いますが、治療の基本は緊急手術ですよね?
「直ちに手術が必要である」とかなら、経皮的穿刺による減圧等、他の選択肢もあるので×にできなくもないと思いますが、「適応である」と書いてあるので否定するのが極めて難しいように思われます。
すみません、どなたか教えて頂きたいのですが、69番の問題は、Gated SPECTで前壁・心尖部の運動低下があるという、2017年68番の問題とほぼ同様の画像に見えます。
何か私が見落としているポイントがあるのでしょうか?それともどちらかの答えが間違っているのでしょうか?
44の子宮頚管粘液検査って不妊治療の検査のようなのですが・・・
かといって、他に選べそうな選択肢もないですが。
不適切問題でしょうか?
44の子宮頸管粘液検査は抗原検査、培養検査としてやるそうです。
http://journal.jsgs.or.jp/pdf/034081331.pdf
ご回答ありがとうございます。
安心しました。
35の解説についてです。画像から急性心筋梗塞および陳旧性梗塞が鑑別にあがりますが、病歴から陳旧性梗塞が考えやすいと思います。
61番ですが、顆粒膜細胞腫であれば非上皮性腫瘍なので癌とは言わないのでbが正解?