この年度の出題傾向
2019年度の掲載解説は80問で、このうち画像診断分野の59問を臓器・主題別に集計しました。内訳では胸部・心血管16問、脳・脊髄・頭頸部11問、泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜8問が多く、胸部・心血管の構成比は全年度の年別平均より2.4ポイント低い値です。IVRや撮像技術は対象臓器と重複計上せず別群とし、複合題は主題に基づく便宜分類を含みます。
臓器別の比較は画像診断分野内の割合で行い、21年度の年別構成比の平均と比較しています。複合題は主題一つに分類した当サイトの集計で、公式配点ではありません。境界が曖昧な問題は便宜的な分類を含みます。
画像診断以外の内訳:核医学16問、共通5問。
画像診断の臓器・主題別内訳を見る
| 臓器・主題 | 問題数 | 診断分野内の割合 | 年平均との差 |
|---|---|---|---|
| 脳・脊髄・頭頸部 | 11問 | 18.6% | +0.4ポイント |
| 胸部・心血管 | 16問 | 27.1% | -2.4ポイント |
| 肝胆膵・脾 | 7問 | 11.9% | -0.5ポイント |
| 消化管・腹膜 | 4問 | 6.8% | -0.9ポイント |
| 泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜 | 8問 | 13.6% | +0.5ポイント |
| 骨・関節・軟部 | 7問 | 11.9% | +1.8ポイント |
| 乳腺 | 3問 | 5.1% | +0.5ポイント |
| IVR・手技・画像技術・多臓器その他 | 3問 | 5.1% | +0.6ポイント |
放射線科診断専門医・2019年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月19日:全80問を改訂しました。解答例は非公式です。原本の画像と既存コメントを照合し、全問に参考文献を追加しました。問34・53・77は解答確定を保留し、問61は用語上の曖昧さを併記しています。
解答作成にご協力いただいたひよっこ先生、ぶんた先生、K先生、H先生、M先生(コメント・追記の各寄稿者を含む)に感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
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診断専門医 2019年度 問1
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問1
解答例:a
選択肢別の解説
a|正答
約20分で、約2分の15Oに次いで短い核種です。11Cと長寿命の14Cを区別します。
b|該当しない
約5730年と非常に長く、分単位で減衰するPET核種とは大きく異なります。
c|最短
約2分でこの組合せの最短です。二番目を求める条件には当たりません。
d|該当しない
約78時間で、分単位の15O・11Cより長い半減期です。
e|該当しない
約13時間で、67Gaより短いものの11Cより長い核種です。
判断のポイント
選択肢を短い順に並べると15Oが約2分、11Cが約20分、123Iが約13時間、67Gaが約78時間、14Cが約5730年となる。2番目に短いのは11Cである。
鑑別・注意点
物理学的半減期を、生物学的半減期や体内の実効半減期と混同しない。元素名だけでなく質量数まで含めて核種を区別し、11Cと14Cの大きな差を押さえる。
診断専門医 2019年度 問2
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問2
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
水分子のランダムな変位に伴う信号減衰を利用します。ADC等で拡散の程度を評価します。
b|正しい
他の条件が同じなら、拡散感度傾斜磁場の振幅を強くするとb値は大きくなります。
c|正しい
拡散感度は印加方向に依存します。複数方向の測定を用いてテンソルや方向依存性を評価します。
d|誤り
FA画像は異方性の強さの分布です。方向情報を使って経路を推定するトラクトグラフィーとは区別します。
e|正しい
IVIMは組織内の拡散と微小血管灌流による信号減衰成分をモデルで分けて評価します。
判断のポイント
FAは拡散テンソルの固有値から求める異方性の強さを表すスカラー量であり、FA map自体が線維の連続性を追跡する手法ではない。方向情報を用いて経路を推定するトラクトグラフィーと区別する。
鑑別・注意点
MPGを印加した方向ごとの拡散は観察できる。FAを一方向のMPGだけから得るとする旧説明を修正する。方向を色で付したFA画像もあるが、色に使う主方向情報とFAというスカラー値は別であり、追跡された線も神経の実際の接続を保証しない。
診断専門医 2019年度 問3
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問3
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
同等条件なら高周波ほど波長が短く、細かな構造を区別しやすくなります。一方で深部到達性は下がります。
b|誤り
表在臓器では高周波探触子で優れた組織コントラストを得られます。CTより一律に劣るとはいえません。
c|誤り
ガスは強い反射や多重反射、後方の描出不良を生じます。液体の背側にみる増強とは異なります。
d|正しい
境界の音響インピーダンス差による反射を検出するのがBモードの基本です。
e|誤り
通常のパワードプラはドプラ信号の強さを表示します。速度・方向の色表示とは区別します。
判断のポイント
同等の条件では高周波ほど波長が短くなり空間分解能が高くなる。また、組織境界の音響インピーダンス差による反射がBモード画像を作る基本となる。
鑑別・注意点
高周波は減衰が強く深部到達性が低下する。腸管ガスは強い反射・多重反射や後方の描出不良を起こし、単純な後方エコー増強とは異なる。通常のパワードプラは信号強度を示し、流速・方向を直接色分けするカラードプラと区別する。
診断専門医 2019年度 問4
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問4
解答例:c
選択肢別の解説
a|容量不足
2 TBは一台分です。RAID5では一台分をパリティに使い、残り三台分を利用できます。
b|容量不足
4 TBでは二台分しか数えていません。今回のRAID5の利用可能容量は三台分です。
c|正答
同容量四台では一台分が分散パリティとなり、3×2 TBで6 TBです。
d|冗長分を含む
8 TBは四台の物理的な合計です。パリティ相当の容量を差し引く必要があります。
e|総容量を超える
10 TBは物理容量8 TBを超えます。RAIDによって記憶媒体の実容量が増えるわけではありません。
判断のポイント
同容量ディスクN台のRAID5では、分散パリティにディスク1台分を用いるため、実効容量は(N−1)×1台容量となる。4台×2 TBの構成では(4−1)×2=6 TBである。
鑑別・注意点
3/4という比率は4台構成の場合に限る。パリティを一つの専用ディスクに固定する構成ではない。RAIDの冗長性は誤削除・改ざん等からの復旧を保証しないため、バックアップと同じものとは扱わない。
診断専門医 2019年度 問5
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問5
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|主にアクセス管理
入室制限は不正アクセス防止に重要ですが、記録の作成者・改変履歴を直接確定する対策とは区別します。
b|正しい
変更者・変更時点・変更内容を追跡できる履歴の保存管理は、改ざんの検知と記録の真正性に直結します。
c|正しい
代行入力を責任ある医療従事者が確認し確定することで、入力内容と責任主体を明確にします。
d|主に可用性
冗長化は障害時の継続利用や保存を助けます。記録内容の作成責任や無断改変の防止を単独で保証しません。
e|直接保証しない
入力様式の統一には有用ですが、テンプレートだけで誰が確認・確定したかは保証できません。
判断のポイント
修正履歴を保存・管理し、誰が記録を作成・変更したか追跡可能にすることと、代行入力を責任者が確認・承認することが真正性の確保に直結する。
鑑別・注意点
入室制限も安全管理上重要だが、設問は記録の真正性を直接確保する対策の比較である。冗長化は主に保存・可用性の対策であり、テンプレートを作るだけで記載内容の正しさや確定責任は保証されない。リンクの第5.2版は出題後の補足資料として用いる。
診断専門医 2019年度 問6
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問6
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|考えにくい
空気なら通常は著明な低吸収です。本例は高吸収血腫内の相対的な低吸収であり、空気とは濃度が異なります。
b|考えにくい
脂肪成分なら負のCT値を確認します。急性くも膜下出血内のこの部位を脂肪腫とは優先しません。
c|候補
周囲の凝血より低吸収な動脈瘤内腔が手掛かりになり得ます。血管形態と破裂部はCTA・DSAで確認します。
d|考えにくい
過誤腫は一般に発生部位や安定した腫瘤形態で判断します。急性の血腫内低吸収を第一には説明しません。
e|候補
未凝固の新鮮血は凝血より低吸収になり得ます。単純CTの血腫の不均一性として解釈します。
判断のポイント
左Sylvius裂を中心とする高吸収のくも膜下血腫内に、相対的に低吸収の部分がある。周囲の凝血より低吸収の動脈瘤内腔や、まだ凝固していない新鮮な血液が候補となる。
鑑別・注意点
旧解説の右側という記載を左側へ修正する。提示は単純CTであり、造影剤の充盈欠損と同じ説明にしない。filling defect signは破裂動脈瘤の手掛かりだが、確定・血管形態の評価にはCTAやDSAを行う。
診断専門医 2019年度 問7
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問7
解答例:b
選択肢別の解説
a|考えにくい
多発梗塞もDWI陽性ですが、長管骨骨折後の無数の点状病変と微小出血の組合せは脂肪塞栓を支持します。
b|最も考える
骨折後の意識低下にstarfield様DWI病変とびまん性微小出血があり、臨床背景と整合します。
c|考えにくい
膿瘍なら感染所見や増強性の病変を確認します。この外傷後の分布では第一候補ではありません。
d|鑑別に含む
転落外傷で合併し得ますが、発症時期と病変の広範な点状分布から脂肪塞栓を優先します。脳梁・脳幹も比較します。
e|考えにくい
転移なら造影結節と浮腫等を検討します。骨折後の急な変化と広範な微小病変を第一には説明しません。
判断のポイント
長管骨骨折後の意識障害に、両側大脳の多数の点状DWI高信号とびまん性の微小出血を示すSWI低信号がある。臨床背景と分布を合わせて脳脂肪塞栓症を考える。
鑑別・注意点
転落外傷ではびまん性軸索損傷の合併もあり得る。外傷直後か遅れて発症したか、脳梁・脳幹などの分布を比較する。DWIのstarfield patternや微小出血だけを病理診断と同等には扱わない。
診断専門医 2019年度 問8
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問8
解答例:e
選択肢別の解説
a|考えにくい
くも膜下血は脳溝・脳槽へ広がります。本例は大脳鎌に沿って厚みをもつ高吸収域です。
b|考えにくい
梗塞は通常低吸収や灰白白質境界不明瞭化を来し、鎌沿いの帯状高吸収とは異なります。
c|考えにくい
腫瘍なら限局した占拠性病変や増強を評価します。外傷後の硬膜沿いの像は血腫を優先します。
d|考えにくい
転移の典型的な実質内結節と浮腫ではなく、鎌に沿う出血性の形態です。
e|最も考える
外傷後で鎌に沿う厚い高吸収域があり、半球間裂の急性硬膜下血腫を考えます。
判断のポイント
大脳縦裂後部の鎌に沿う、厚みを持つ高吸収域を認める。外傷後という背景から半球間裂の急性硬膜下血腫を考える。
鑑別・注意点
単に鎌が高吸収に見えるだけなら正常・石灰化も鑑別となる。くも膜下出血の脳溝に沿う分布と、硬膜に沿う血腫の形態を区別し、他部位の外傷性出血も確認する。
診断専門医 2019年度 問9
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問9
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
成人女性の側脳室三角部に、強く均一に増強する境界明瞭な充実腫瘍があり、脳室内髄膜腫が典型候補です。
b|考えにくい
上衣腫も脳室に発生しますが、年齢・三角部という局在と均一な充実性を合わせ髄膜腫を優先します。
c|考えにくい
単純な嚢胞では内容は液体に近く、強く増強する大きな充実組織を説明できません。
d|鑑別に含む
脈絡叢由来腫瘍も強く増強しますが、乳頭状形態や年齢を比較し、本例では髄膜腫を先に考えます。
e|考えにくい
中枢性神経細胞腫は通常Monro孔付近・透明中隔との関係が重要です。本例の三角部局在とは異なります。
判断のポイント
左側脳室三角部に境界明瞭な充実性腫瘍があり、T2高信号と強い均一な増強を認める。成人女性の三角部腫瘍として髄膜腫を優先する。
鑑別・注意点
脳室内では硬膜付着を示さない髄膜腫もある。脈絡叢乳頭腫などとの鑑別では年齢・乳頭状形態・血管性を、central neurocytomaではMonro孔付近の中隔との関係を比較する。T2高信号だけで髄膜腫と決めない。
参考文献
診断専門医 2019年度 問10
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問10
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
免疫能低下と認知障害に、年齢不相応の萎縮と対称性に近い深部白質変化がありHIV脳症を支持します。感染自体は検査で確認します。
b|考えにくい
多彩な像を取り得ますが、この対称的白質障害を第一には説明しません。血清・髄液検査が鑑別に必要です。
c|考えにくい
通常は内側側頭葉・島皮質などの急性炎症性変化が問題で、本例の萎縮と深部白質優位とは異なります。
d|考えにくい
典型例は多発の占拠性・増強性病変です。このびまん性対称的白質変化では第一ではありません。
e|比較する
免疫不全で重要ですが、非対称性の皮質下白質病変が手掛かりです。本例は対称性と萎縮からHIV脳症を優先します。
判断のポイント
年齢に比して目立つ脳萎縮と、側脳室周囲から深部白質の比較的対称なT2高信号を認める。認知機能低下と免疫能低下を合わせてHIV脳症を優先する。
鑑別・注意点
PMLは非対称性の皮質下白質病変や病変辺縁のDWI異常が手掛かりとなる。進行速度だけでは区別せず、HIV検査、髄液、薬剤・代謝性要因や日和見感染を評価する。画像だけでHIV感染を確定しない。
診断専門医 2019年度 問11
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問11
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
脳回形成の異常が中心です。本例の前脳分離不全と大きな単一腔を主に説明する疾患ではありません。
b|考えにくい
灰白質で縁取られる脳室から脳表への裂隙が特徴です。本例の前脳全体の分離異常とは異なります。
c|最も考える
半球分離の不十分さと単一腔、背側嚢胞を合わせ全前脳胞症を考えます。亜型は全断面で確認します。
d|比較する
脳梁形成不全に半球間嚢胞を伴う例もありますが、半球・視床等の分離を評価して全前脳胞症と区別します。
e|考えにくい
後頭蓋窩と小脳虫部の異常が中心です。本例の巨大腔を後頭蓋窩嚢胞と取り違えません。
判断のポイント
大脳半球の分離が不十分で、単一の大きな脳室腔と背側の囊胞性拡張を伴う。全前脳胞症にdorsal cystを伴った像として考える。
鑑別・注意点
単なる脳梁形成不全と半球間裂囊胞とは、前脳の分離・基底核や視床の融合を含めて比較する。提示二断面だけで分離の程度を全て評価できないため、細かな亜型は全断面を確認して決める。
診断専門医 2019年度 問12
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問12
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
HIV感染歴は示されず、HIV脳症の対称的変化より非対称な皮質下病変が目立ちます。
b|比較する
多巣性病変はありますが、月単位の進行と免疫抑制背景・辺縁の拡散異常からPMLを優先します。
c|比較する
使用薬は不明で、服用していたとは断定できません。薬剤歴と発症時期を確認して鑑別します。
d|最も考える
非対称の後頭頭頂白質病変、DWIでの進展辺縁と緩徐な悪化がPMLに合います。髄液JCウイルス等で裏付けます。
e|比較する
通常は急性・亜急性の血管原性浮腫で、血圧・薬剤等を確認します。この長い進行性経過ではPMLを優先します。
判断のポイント
頭頂後頭葉の皮質下白質に非対称性のT1低信号・T2高信号を認め、DWIでは病変辺縁の信号が目立つ。治療中の皮膚筋炎と月単位の進行を合わせ、進行性多巣性白質脳症(PML)を考える。
鑑別・注意点
免疫抑制薬の種類・用量は提示されていないため、ステロイド使用を確認済みの事実として書かない。髄液JCウイルスPCRなどで診断を裏付け、PRES、薬剤性白質脳症、他の感染症との分布・経過の違いを評価する。
参考文献
診断専門医 2019年度 問13
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問13
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
通常は硬膜に付着する髄外腫瘤です。本例の小さな髄内増強結節と大きな空洞に合いません。
b|考えにくい
急な発症と血管領域の髄内異常が手掛かりで、増強結節を伴う広範な空洞の説明にはなりません。
c|最も考える
強く増強する小結節に比べ広い脊髄空洞を伴う組合せが特徴的です。血管と他病変も確認します。
d|考えにくい
通常は強い充実性増強を示さず、拡散強調像が鑑別に有用です。本例の血管性結節とは異なります。
e|考えにくい
空洞を伴い得ますが、小脳扁桃下垂が中心です。本例の増強結節を単独では説明しません。
判断のポイント
上位頸髄から延髄側の囊胞・脊髄空洞に対して、強く増強する小さな結節を伴う。腫瘍本体に比べ広範な空洞を形成する血管芽腫を考える。
鑑別・注意点
空洞の大きさをそのまま腫瘍の範囲としない。増強する結節と流入・流出血管を確認し、VHL病との関連や他部位病変も臨床情報に応じて評価する。画像のみで遺伝性と決めない。
参考文献
診断専門医 2019年度 問14
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問14
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
脂肪なら脂肪抑制で信号が低下します。増強する眼表面腫瘤を単純な脂肪腫としません。
b|考えにくい
主に涙腺部の腫瘤として評価します。本例の眼表面側の病変とメラニンを示唆する信号とは異なります。
c|最も考える
T1高信号とT2低信号の成分を含む眼表面腫瘤は黒色腫を支持します。結膜等の原発部位は眼科的に確認します。
d|考えにくい
主に小児の眼窩腫瘍として問題になります。年齢とメラニン様信号から黒色腫を優先します。
e|考えにくい
均質な眼窩腫瘤はあり得ますが、T1高信号とT2低信号を含む眼表面腫瘤では優先しません。
判断のポイント
左眼球前方・結膜側に分葉状の増強腫瘤があり、内部にT1高信号、脂肪抑制T2で低信号の部分を認める。メラニンや出血を含む悪性黒色腫を考える。
鑑別・注意点
悪性黒色腫を全て眼球内のぶどう膜原発としない。提示病変は眼表面側にあるため結膜由来を疑うが、正確な原発部位と浸潤は眼科診察・全断面で確認する。無色素性黒色腫では典型信号を示さない。
診断専門医 2019年度 問15
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問15
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
鼻出血、洞の拡張、T2の不均一信号と低信号辺縁から、出血と線維化を含む血瘤腫を考えます。
b|鑑別に含む
骨破壊が強ければ重要ですが、圧排拡張性変化と不均一な血液成分を合わせ血瘤腫を優先します。
c|鑑別に含む
神経周囲進展や充実腫瘤を確認します。提示像の洞拡張と出血・線維化様の混在では第一ではありません。
d|考えにくい
メラニンを示すT1高信号等を確認します。今回のT2像の不均一性だけから優先しません。
e|鑑別に含む
侵襲性なら周囲軟部への進展や免疫背景を評価します。T2低信号だけで真菌と断定できません。
判断のポイント
左上顎洞を拡大する病変に、T2で非常に不均一な信号と辺縁低信号帯、骨壁の圧排性変化を認める。鼻出血と合わせ、出血・線維化・新生血管が混在する血瘤腫を考える。
鑑別・注意点
局所的に骨壁を侵食することがあり、骨変化だけで悪性腫瘍と決めない。提示CTは造影像なので、内部高吸収を石灰化・新鮮出血・造影効果のいずれかに単純化せず、単純CTや造影前後で比較する。
診断専門医 2019年度 問16
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問16
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
小さなnidusと反応性硬化が手掛かりです。本例の液体様腔・広い浮腫と反復発熱から感染を優先します。
b|考えにくい
通常は骨端側の局在と骨成熟を考えます。6歳で硬化縁を伴う踵骨病変の第一候補ではありません。
c|比較する
踵骨にも生じ得ますが、年齢、液体様病変と発熱の経過からBrodie膿瘍を優先します。
d|最も考える
硬化縁を伴う透亮域、T2液体信号と広範な骨髄浮腫があり、反復する発熱・疼痛も支持します。
e|比較する
小児の骨病変として重要ですが、画像だけで確定せず、感染所見・培養等を合わせます。
判断のポイント
踵骨の硬化縁を伴う透亮域と、MRIの液体信号域・周囲の広範な骨髄浮腫を認める。疼痛・発熱を反復する経過と合わせ、骨髄炎に伴うBrodie膿瘍を考える。
鑑別・注意点
類骨骨腫のnidusやLangerhans細胞組織球症も鑑別となる。提示は非造影T2像なので膿瘍壁の増強やpenumbra signを確認済みとはしない。炎症所見・培養、必要な造影評価を合わせる。
診断専門医 2019年度 問17
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問17
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
骨の拡大や皮質・骨梁の広い再構築が手掛かりです。本例の外側皮質局所肥厚からの横骨折とは異なります。
b|考えにくい
偽骨折などを来しますが、外側皮質のbeakingと完成横骨折という経過は非定型骨折を優先します。
c|最も考える
前駆痛、外側皮質肥厚、横骨折と内側の尖った骨片が非定型大腿骨骨折に合います。対側と薬剤歴も確認します。
d|考えにくい
骨溶解性病変に伴う病的骨折を考えますが、提示の局所外側皮質変化とは合いません。
e|考えにくい
転移による骨置換・破壊を確認します。今回の典型的な横骨折形態から第一にはしません。
判断のポイント
初回に大腿骨外側皮質の限局肥厚があり、1年後にその部位を起点とする横骨折と内側の鋭い骨片を認める。前駆的な大腿部痛を含め、非定型大腿骨骨折を考える。
鑑別・注意点
ビスホスホネート等の使用と関連するが、投薬歴がなくても生じ得る。ステロイドやPPIを全て直接原因と断定せず、骨粗鬆症治療歴・外傷機転・反対側の病変を確認する。
診断専門医 2019年度 問18
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問18
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|代表的誘因ではない
糖尿病のみを好酸球性筋膜炎の代表的な発症契機とはしません。糖尿病性筋梗塞などとは病変の主座を比較します。
b|関連疾患として評価
血液疾患等の合併・腫瘍随伴性も報告され、検索は重要です。今回の発症契機二つでは薬剤と運動を優先します。
c|報告される誘因
スタチン曝露後の発症報告があり、薬歴を確認します。服用と発症の因果が全例で確定する意味ではありません。
d|直接の誘因ではない
静脈血栓による浮腫と、対称的な筋膜増強・皮膚硬化・好酸球増多の組合せは区別します。
e|報告される誘因
強い運動に続く発症は知られた関連です。過負荷の時期と症状の始まりを確認します。
判断のポイント
皮膚硬化と好酸球増多に、両側下腿の筋膜に沿うT2高信号・増強があり、好酸球性筋膜炎を考える。発症前の過負荷運動と、スタチンを含む薬剤曝露が誘因として報告されている。
鑑別・注意点
報告された関連と、個々の症例の因果関係を区別する。悪性腫瘍・血液疾患の合併評価も重要だが、設問の発症契機としてはc・eを優先する。筋・皮下組織への異常が絶対にない疾患とは扱わない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2019年度 問19
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問19
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
骨皮質と髄腔が連続する外向性の骨軟骨腫ではなく、筋停止部の限局した皮質変化です。
b|考えにくい
外傷による骨片や急性変化を確認します。停止部に一致する安定した形態なら良性変異を優先します。
c|考えにくい
髄内の軟骨性石灰化や骨髄病変が中心です。本例の皮質主体の位置と異なります。
d|最も考える
三角筋停止部の皮質肥厚・不整で、腫瘤や髄内置換に乏しいpseudotumor deltoideusに合います。
e|考えにくい
髄腔内のすりガラス様病変や骨の膨張が代表です。本例は皮質と停止部との関係が中心です。
判断のポイント
三角筋停止部に一致する限局した皮質肥厚・不整を認めるが、明瞭な軟部腫瘤や骨髄を置換する病変に乏しい。三角筋粗面の良性変化であるpseudotumor deltoideusを考える。
鑑別・注意点
単純X線の皮質不整を腫瘍や裂離骨折と即断しない。停止部との位置関係、疼痛・外傷、経時変化を合わせ、典型的な良性変異に不要な侵襲的検査を行わない。
診断専門医 2019年度 問20
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問20
解答例:e
選択肢別の解説
a|考えにくい
滑液包の解剖学的位置と液体貯留を確認します。本例は神経走行部の傍関節唇嚢胞です。
b|二次変化と区別
筋の高信号は脱神経でも出ます。大きな嚢胞との位置関係から一次的な筋損傷と決めません。
c|考えにくい
筋内の辺縁骨化などを確認します。提示は水様信号の嚢胞で、骨化性腫瘤ではありません。
d|考えにくい
腋窩神経なら四角腔・小円筋や三角筋との関係を評価します。本例は肩甲上神経側です。
e|最も考える
後上方の傍関節唇嚢胞が肩甲上神経を圧迫し、投球痛と脱神経変化を生じる病態が合います。
判断のポイント
関節窩後上方から肩甲上神経の走行部に液体信号の多房性囊胞があり、周囲筋に浮腫性信号を伴う。傍関節唇囊胞により肩甲上神経が圧迫される病態を考える。
鑑別・注意点
棘下筋の高信号を一次的な筋損傷と決めず、脱神経性変化を検討する。棘上筋と棘下筋のどちらが障害されるか、関節唇損傷との交通、筋電図を合わせて絞扼部位を確認する。
参考文献
診断専門医 2019年度 問21
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問21
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
小さなnidusと周囲硬化が特徴で、この大きな骨表面の強い骨化性腫瘤とは異なります。
b|比較する
軟部組織内で辺縁から成熟する骨化を確認します。本例は遠位大腿骨後面へ広く付着しています。
c|考えにくい
骨髄の浸潤・破壊が重要で、この成熟骨化の強い表面腫瘤とは異なります。
d|最も考える
若年成人の遠位大腿骨後面に付着する強い骨化性腫瘤は典型部位・形態です。髄腔進展も評価します。
e|考えにくい
皮質に沿う流れる蝋状の硬化が代表です。分葉した大きな表面腫瘤とは形態が異なります。
判断のポイント
大腿骨遠位の後面に広く接する、強く骨化した分葉状の骨表面腫瘤を認める。若年成人、部位、骨化が強い腫瘤という組合せから傍骨性骨肉腫を考える。
鑑別・注意点
診断の中心は骨表面に付着する骨形成性腫瘤である。旧解説の著明な骨膜反応・Codman三角を必須の典型所見として扱わない。CT・MRIで髄腔進展や低骨化の脱分化疑い領域を評価する。
診断専門医 2019年度 問22
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問22
解答例:e
選択肢別の解説
a|考えにくい
肺気腫の低吸収域は一般に明瞭な壁が乏しい一方、本例は厚さ不均一の嚢胞と結節が混在します。
b|考えにくい
主に気管支拡張・粘液栓等を評価します。この喫煙背景の不整嚢胞と結節の組合せは異なります。
c|考えにくい
通常は比較的均一な薄壁嚢胞が主体で、男性の本例の不整嚢胞・結節混在では優先しません。
d|考えにくい
肺底・縦隔側の不整嚢胞を確認し腎・皮膚所見を調べます。本例の結節混在はLCHを支持します。
e|最も考える
喫煙関連で、結節・空洞性結節・不整嚢胞が混在する像は肺LCHに合います。全肺分布も確認します。
判断のポイント
喫煙男性の肺に、厚さと形が不均一な囊胞、小結節と空洞性結節が混在している。結節から囊胞へ変化する肺Langerhans細胞組織球症を考える。
鑑別・注意点
LAMの比較的均一な薄壁囊胞や、Birt-Hogg-Dubé症候群の肺底・縦隔側優位の囊胞と比較する。提示断面だけで全肺分布を決めず、CT全体と喫煙歴、必要な病理を合わせる。
診断専門医 2019年度 問23
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問23
解答例:c
選択肢別の解説
a|鑑別に含む
移植後では結核も重要です。培養等で鑑別し、空洞だけで除外も確定もしません。
b|考えにくい
空洞性癌もあり得ますが、発熱と免疫抑制、周辺すりガラスを伴う病変から日和見感染を優先します。
c|最も考える
移植患者の空洞性・壊死性結節と周辺すりガラスが支持します。抗原・呼吸器検体等で確認します。
d|鑑別に含む
気道散布や気管支拡張などを比較します。本例の末梢壊死性病変ではアスペルギルスを優先します。
e|考えにくい
典型的には両側びまん性すりガラスが主体です。本例の局所空洞性病変は第一候補ではありません。
判断のポイント
移植後の患者に、末梢肺の結節・浸潤影と空洞、周囲すりガラス影を認める。日和見感染のうち、アスペルギルス症を第一に考える。
鑑別・注意点
Halo signや空洞は特異的ではなく、他の真菌、ノカルジア、結核、腫瘍でもみられる。免疫抑制の程度、真菌抗原、呼吸器検体・病理などを合わせ、画像だけで侵襲性の病型を確定しない。
診断専門医 2019年度 問24
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問24
解答例:e
選択肢別の解説
a|鑑別に含む
結核も環状陰影等を来し得ますが、気道散布・空洞・検体所見を比較します。末梢優位の浸潤からは好酸球性を優先します。
b|考えにくい
粉じん曝露と上肺優位小結節等を確認します。本例の末梢性浸潤影は典型ではありません。
c|考えにくい
結節・石灰化や隔壁肥厚等を比較します。経過と末梢の空気腔陰影から第一にはしません。
d|考えにくい
気管支壁肥厚や小葉中心結節などを評価します。この数か月の末梢性浸潤の組合せでは優先しません。
e|最も考える
亜急性から慢性の症状に両側末梢優位の浸潤・すりガラスが合います。血液・BAL好酸球と原因検索で確認します。
判断のポイント
末梢優位のすりガラス影・浸潤影が両肺にあり、一部は環状の形を示す。数か月の症状と選択肢を合わせ、慢性好酸球性肺炎を優先する。
鑑別・注意点
Reversed halo signだけでは本症を確定できず、器質化肺炎・真菌症・結核などとも重なる。血液・BALの好酸球増多、薬剤・寄生虫等の原因検索を合わせる。慢性の経過だけを除外診断の根拠にしない。
診断専門医 2019年度 問25
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問25
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
肺梗塞は辺縁肺陰影を来しますが、筋内の辺縁増強性膿瘍を一緒には説明しません。
b|鑑別に含む
免疫不全で感染しますが、肺の壊死性病変と筋膿瘍の組合せでは播種性ノカルジアを優先します。
c|最も考える
免疫抑制下で肺の空洞・壊死性病変と筋膿瘍があり、播種性ノカルジア症が合います。培養と脳病変検索も必要です。
d|考えにくい
主に気道性肺炎の像で、本例の壊死性肺病変と遠隔筋膿瘍は典型ではありません。
e|鑑別に含む
肺外播種も起こり得るため完全には除外できません。菌種の確定には抗原・培養・病理等を用います。
判断のポイント
リンパ腫治療中に、肺の空洞・壊死を含む病変と大腿筋内の辺縁増強性液体貯留がある。肺と肺外膿瘍を合わせ、播種性ノカルジア症を考える。
鑑別・注意点
筋膿瘍があることだけで菌種は確定しない。抗酸性を含む検鏡・培養で確認し、ノカルジアが疑われる場合には中枢神経病変も検索する。肺クリプトコッカス症でも肺外病変を来し得るため、完全に否定した説明にしない。
参考文献
診断専門医 2019年度 問26
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問26
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
淡い小葉中心性結節、すりガラスと濃度不均一性から非線維化性過敏性肺炎を考えます。抗原曝露と呼気像も確認します。
b|考えにくい
血行性転移の比較的明瞭なランダム結節とは異なり、本例は気道中心の淡いびまん性病変です。
c|鑑別に含む
感染性細気管支炎も比較します。濃度差とびまん性分布から過敏性肺炎を優先し、抗原曝露歴を確認します。
d|鑑別に含む
すりガラスは重なりますが、免疫背景や嚢胞、小葉中心性結節の分布を比較し、本例では第一ではありません。
e|考えにくい
通常は慢性気道症状、副鼻腔炎、tree-in-budや気管支拡張などが手掛かりです。
判断のポイント
両肺に淡い小葉中心性結節とすりガラス影、濃度の不均一性を認める。1か月の発熱・乾性咳嗽と合わせ、非線維化性過敏性肺炎を優先する。
鑑別・注意点
吸気像の濃度差だけでair trappingを確定せず、呼気CTを確認する。抗原曝露歴、BALリンパ球、必要な病理を組み合わせ、感染症などの小葉中心性病変と比較する。旧来の急性・亜急性という呼び方と現在の線維化有無の分類を区別する。
診断専門医 2019年度 問27
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問27
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
粉じん曝露歴・結節の分布やリンパ節を評価します。長期透析との関連では石灰沈着を優先します。
b|考えにくい
骨形成を伴う病態で分枝状高吸収等が参考です。代謝異常によるカルシウム沈着と区別します。
c|最も考える
長期透析と淡いすりガラス状小葉中心結節の組合せは転移性肺石灰化に合います。明瞭な石灰濃度がなくても否定しません。
d|鑑別に含む
曝露、線維化や呼気air trappingを確認します。提示の透析背景では石灰化を先に検討します。
e|鑑別に含む
透析だけで感染を除外はしませんが、無症状で両側びまん性の代謝性病変をまず考えます。
判断のポイント
長期透析患者の両肺に淡い小葉中心性のすりガラス状結節を認め、異所性肺石灰化を考える。カルシウム・リン代謝異常による肺への沈着は、必ずしも骨条件で明瞭な石灰化として見えるとは限らない。
鑑別・注意点
骨形成を伴う異所性肺骨化症と区別する。血清Ca・P、PTH、他部位の石灰化を確認し、必要に応じて骨シンチ等も補助となる。透析歴だけで肺感染を除外しない。
参考文献
診断専門医 2019年度 問28
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問28
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|閉塞性合併はあり得る
肺炎にも陰影は生じますが、裂の挙上・容積減少は閉塞性無気肺を示唆します。閉塞性肺炎の合併は別に評価します。
b|候補だが優先しない
リンパ節や気管支病変で閉塞し得ますが、選択肢では気管支内発育腫瘍二つを優先します。X線で病理確定はできません。
c|考えにくい
縦隔腫瘤や気管圧排を確認します。右上葉の中枢閉塞を直接来す気管支腫瘍を優先します。
d|閉塞原因候補
中枢気管支内に生じて閉塞と上葉無気肺を来し得ます。CT・気管支鏡で原因を確認します。
e|閉塞原因候補
気管・中枢気管支の壁から発育して閉塞し得ます。胸部X線だけでカルチノイドと区別する意味ではありません。
判断のポイント
右上葉の容積減少と挙上した葉間裂、肺門側の膨隆を認める。中枢気管支の閉塞を起こす腫瘍として、気管支カルチノイドと腺様囊胞癌を候補とする。
鑑別・注意点
胸部X線だけで二つの病理型を同定する設問ではない。CT・気管支鏡で閉塞部と原因を確認する。症状が3か月あるから肺炎を除外できるわけではなく、閉塞性肺炎の合併も評価する。
診断専門医 2019年度 問29
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問29
解答例:b
選択肢別の解説
a|考えにくい
肺の感染性病変だけでは肝被膜下病変と胸膜病変の連なりを十分説明しません。
b|最も考える
末梢肺病変・胸水と肝被膜下低吸収から寄生虫の移行経路を考えます。食歴、好酸球、抗体等を確認します。
c|鑑別に含む
胸膜炎や肺病変を来し得ますが、肝被膜下の移行性病変が示唆される組合せでは肺吸虫を優先します。
d|考えにくい
結節・空洞や播種はあり得ますが、胸腹部をまたぐこの形態と経路の説明として第一ではありません。
e|鑑別に含む
多発末梢結節・空洞と感染源を確認します。肝被膜下と胸膜を連ねる像は肺吸虫を優先する手掛かりです。
判断のポイント
肺末梢の浸潤影と胸膜病変・左胸水に、肝左葉被膜下の低吸収域を伴う。腹腔から横隔膜・胸腔を経て肺へ移動する寄生虫の経路を考え、肺吸虫症を疑う。
鑑別・注意点
食歴、好酸球増多、抗体・虫卵等を確認する。肝被膜下低吸収域を画像だけで虫道と確定せず、感染・梗塞・腫瘍なども比較する。生の淡水産カニ等に加え、流行地や野生動物肉の摂取歴も問診する。
参考文献
診断専門医 2019年度 問30
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問30
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
石綿肺は肺実質の線維化です。石灰化胸膜病変の存在だけで実質病変まで診断しません。
b|考えにくい
びまん性・結節状胸膜肥厚や胸水などを評価します。限局石灰化プラーク自体を悪性としません。
c|考えにくい
限局肺腫瘤の像ではありません。石綿曝露の背景で癌リスクは別に評価します。
d|最も考える
胸壁・横隔膜沿いの限局石灰化・肥厚が合います。具体的な職業曝露歴を確認します。
e|考えにくい
胸水が中心の病態で、今回の限局性石灰化胸膜陰影とは異なります。良性胸水は他原因の除外も必要です。
判断のポイント
胸壁や横隔膜面に沿う限局性の石灰化・胸膜肥厚を認め、胸膜プラークを考える。大工の職歴は石綿曝露を検討する背景になる。
鑑別・注意点
プラークは曝露の指標であり、それ自体を石綿肺の肺実質線維化や中皮腫と同じものとして扱わない。胸水や結節状・びまん性胸膜肥厚、肺実質の異常があれば別途評価し、具体的な曝露歴と期間を確認する。
診断専門医 2019年度 問31
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問31
解答例:e
選択肢別の解説
a|考えにくい
通常は充実性軟部腫瘤です。小児の広い脂肪性病変と細い胸腺様組織の混在とは異なります。
b|考えにくい
血管性の増強や血管腔を確認します。病変の大部分を占める脂肪を第一には説明しません。
c|考えにくい
通常は充実性腫瘤・リンパ節として現れ、この大きな脂肪含有病変とは異なります。
d|考えにくい
正常胸腺の形を保つ腫大と、本例の広い脂肪成分を含む腫瘤性病変を区別します。
e|最も考える
胸腺側から胸腔へ広がる脂肪と線状軟部組織の混在が合います。X線では心拡大に似てみえます。
判断のポイント
前縦隔から左胸腔側に広がる大きな病変に、脂肪濃度と細い軟部組織が混在している。胸腺脂肪腫の構成を示唆し、胸部X線の大きな心陰影様拡大を説明する。
鑑別・注意点
単純X線だけで心拡大と決めず、CTで脂肪性病変であることと胸腺側との連続を確認する。脂肪成分の存在だけでは全て良性とは限らず、厚い結節・浸潤など非典型所見があれば他の脂肪性腫瘍も検討する。
参考文献
診断専門医 2019年度 問32
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問32
解答例:c
選択肢別の解説
a|鑑別に含む
水腫でもcrazy pavingを示します。心機能や体液量、胸水等を合わせ、本例の慢性経過では蛋白症を優先します。
b|鑑別に含む
出血でも同様の濃度はあり得ます。貧血・喀血・原疾患と経過を比較します。
c|最も考える
地図状すりガラスに細かな網状影が重なる像と数か月の呼吸困難が合います。BAL等で確認します。
d|鑑別に含む
空気腔性陰影を来しますが、この地図状分布と背景では蛋白症を優先します。画像だけで癌を完全に除外しません。
e|鑑別に含む
すりガラスと隔壁肥厚は重なります。免疫状態や検体を確認し、パターンだけで確定しません。
判断のポイント
CTで地図状のすりガラス影に小葉間隔壁・小葉内網状影が重なり、crazy-paving patternを示す。数か月の労作時呼吸困難と合わせ、肺胞蛋白症を優先する。
鑑別・注意点
肺水腫、出血、感染、腺癌などでも同じパターンが生じ得る。慢性の経過だけで他疾患を除外せず、BAL・病理、抗GM-CSF抗体などで裏付ける。画像だけから自覚症状が軽いと追加推測しない。
参考文献
診断専門医 2019年度 問33
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問33
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
LGEは細胞外間隙拡大を反映し、肉芽腫性変化と線維化を含みます。活動性だけの指標ではありません。
b|正しい
活動性病変では局所浮腫、壁の腫大、収縮低下を伴い得ます。T2像全体の明るさをそのまま炎症範囲としません。
c|正しい
進行すると左室拡張と機能低下を来し、拡張型心筋症と似ることがあります。分布や他検査を統合します。
d|誤り
正常心筋のnull設定困難はびまん性アミロイド沈着で特に重要な所見です。心サルコイドーシスの代表的特徴とは区別します。
e|正しい
非虚血性の中層・心外膜側優位の斑状LGEが手掛かりです。冠動脈領域の心内膜下増強と比較します。
判断のポイント
中隔を含む非冠動脈支配域の遅延造影から心サルコイドーシスを考える。正常心筋のnull point設定が特に困難になる特徴は、広範な間質沈着を伴う心アミロイドーシスとの関連が強く、設問ではdを誤りとして選ぶ。
鑑別・注意点
T2 black-blood像の全体的な明るさだけで左室・右室全体に活動性炎症があるとは判定しない。コイル感度・脂肪抑制・動きの影響、参照組織との相対信号を確認し、局所浮腫、T2 mapping、FDG-PET等と合わせる。LGEだけでは活動性と瘢痕を完全には分けられない。
診断専門医 2019年度 問34
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問34
解答例:dを候補(最低頻度の一つへの確定は保留)
選択肢別の解説
a|比較不十分
限局仮性瘤等との関係を評価します。全大動脈のフラップや偽腔を見ずに最下位とは決められません。
b|比較不十分
隣接肺の腫瘤と大動脈壁の連続性を確認します。提示断面だけでは浸潤の有無を裁定できません。
c|強く警戒
喀血に大動脈の突出と隣接肺病変があり、致死的出血につながる瘻孔を警戒します。空気がなくても否定しません。
d|旧正答候補・保留
典型的な周囲性壁肥厚に乏しく低順位の候補ですが、炎症性胸部瘤も破裂・喀血を起こします。単独確定は保留します。
e|重要鑑別
限局嚢状突出と周囲軟部影は感染でも起こります。発熱、培養、経時変化等を確認します。
判断のポイント
下行大動脈の限局した囊状突出と周囲軟部影があり、喀血との組合せから破裂・仮性瘤や大動脈気管支瘻を重視する。典型的な炎症性瘤の周囲性肥厚に乏しく、旧解答のdを候補とする。
鑑別・注意点
提示像だけでは解離の偽腔、肺癌浸潤、感染、炎症を十分比較できず、最も低い一つを確定する根拠は不足する。大動脈内に空気がなくても瘻孔は否定できない。炎症性胸部瘤の破裂・喀血も実例があるため、「起こらない」と説明しない。
診断専門医 2019年度 問35
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問35
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
心内膜下を含む前壁・中隔から心尖部のLGEが冠動脈領域に合います。LGEだけで急性期とは決められません。
b|考えにくい
典型的な中隔中層などの非虚血性LGEより、提示像は冠動脈支配に沿う心内膜下障害を支持します。
c|考えにくい
びまん性の心内膜下増強やnull異常等を比較します。本例は領域性の虚血性病変を優先します。
d|考えにくい
斑状・中層から心外膜側の非冠動脈性分布が手掛かりです。提示像とは分布を比較します。
e|比較する
心内膜障害を来し得ますが、冠動脈領域への一致と臨床・血液所見を合わせて鑑別します。
判断のポイント
前壁・中隔から心尖部の心内膜下を含む遅延造影があり、LAD領域の虚血性心筋障害を示唆する。非虚血性の斑状・中層優位の増強と比較し、心筋梗塞を考える。
鑑別・注意点
旧解説の急性期という断定を修正する。LGEは急性梗塞と陳旧性瘢痕の両方で生じるため、提示LGEだけで発症時期は決められない。壁厚、浮腫・T2、症状・心電図・心筋逸脱酵素、過去画像を合わせる。
診断専門医 2019年度 問36
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問36
解答例:eを第一候補
選択肢別の解説
a|鑑別が必要
冠動脈評価は必要です。単一領域を越える心尖部側の機能低下と基部収縮から、たこつぼを優先します。
b|考えにくい
局所的壁肥厚や流出路・拡張能等を確認します。収縮期の心尖部拡張という主所見とは異なります。
c|考えにくい
通常は左室の全般的拡張・機能低下が主体で、心基部と心尖部の明瞭な差とは異なります。
d|考えにくい
高血圧に関連する肥大等が中心です。本例の壁運動パターンだけを高血圧性とはしません。
e|第一候補
心基部が収縮し心尖部側が収縮不良というパターンが支持します。淡いLGEだけで否定せず、冠動脈と回復経過を確認します。
判断のポイント
収縮期に心基部は収縮する一方、心尖部側が拡張したままである。単一冠動脈支配域だけでは説明しにくい壁運動分布から、たこつぼ型心筋症を優先する。
鑑別・注意点
たこつぼ型では通常明瞭な梗塞型LGEに乏しいが、淡い遅延造影を示す報告もある。信号の明瞭さだけで梗塞と必ず容易に区別できるとはせず、冠動脈評価、浮腫、経時的な壁運動回復を確認する。
診断専門医 2019年度 問37
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問37
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
血管性の増強・血管腔を評価します。大血管を包む充実組織と低ADCから高細胞密度腫瘍を優先します。
b|考えにくい
小児、結節性・多発心筋内病変、結節性硬化症等が手掛かりで、本例の年齢と分布とは異なります。
c|最も考える
大血管周囲を取り囲む軟部組織と低ADC、発熱が合います。全身分布と病理で確認します。
d|比較する
心膜液、心膜肥厚・収縮性変化等を確認します。本例の大きな充実腫瘤ではリンパ腫を優先します。
e|考えにくい
典型的には弁に付着する小さな可動性病変です。大血管周囲の広い腫瘤とは異なります。
判断のポイント
上行大動脈・肺動脈基部などを取り囲む比較的均一な軟部腫瘤があり、ADC低値を示す。発熱と合わせ、高細胞密度の悪性リンパ腫を優先する。
鑑別・注意点
血管を取り囲んでも形が比較的保たれる所見は手掛かりだが、他の浸潤性病変を完全に除外できない。ADC値だけで組織型や原発性心臓リンパ腫と確定せず、全身の病変分布・病理を確認する。
診断専門医 2019年度 問38
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問38
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|考えにくい
典型的には境界明瞭な楕円形で、本例のspiculaと構築の引き込みを伴う不整腫瘤とは異なります。
b|優先候補
構築の乱れやspiculaを伴う腫瘤を示し得ます。画像だけで乳管癌との確定鑑別はできません。
c|優先候補
不整形高濃度腫瘤と放射状辺縁は典型的な悪性疑い所見で、浸潤性乳管癌を優先します。
d|考えにくい
古典的LCISは画像で直接見つからないことも多く、この明瞭なspicula腫瘤の第一候補ではありません。
e|比較する
DCISにも腫瘤や構築の乱れはあり得ます。ただし本例の典型的適合度は浸潤癌二つを優先します。
判断のポイント
右乳房に周囲構築の引き込みとspiculaを伴う不整形高濃度腫瘤を認める。浸潤性小葉癌と浸潤性乳管癌を優先する。
鑑別・注意点
「非浸潤癌は腫瘤を作らない」とする旧説明を修正する。DCISにも腫瘤・構築の乱れを示す例がある。ここでは所見との典型的な適合度でb・cを選び、画像だけで病理型や浸潤の有無を確定しない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2019年度 問39
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問39
解答例:b
選択肢別の解説
a|提示像では妥当
提示MIPでは背景乳腺に中等度の増強を認めます。最終評価は元画像と造影時相でも確認します。
b|誤り
出題当時は月経後早期を比較的BPEが低い時期として推奨していました。個人差があり、この期間に必ず低いわけではありません。
c|みられる
乳腺実質の外側・辺縁部に目立つパターンが知られます。分布を病変の進展と区別します。
d|妨げ得る
強い背景増強は病変の視認や広がり評価を妨げ得ます。全例で同程度に性能低下するとの断定ではありません。
e|鑑別が必要
片側性・局所性の背景増強は非腫瘤性病変に似るため、元画像、時間変化、他検査で比較します。
判断のポイント
造影後に乳腺実質の背景増強を認める。出題当時、月経開始後5〜12日はホルモン性の背景増強が比較的弱い撮像時期とされており、この時期にBPEが優位になるとするbが誤りとなる。
鑑別・注意点
BPEは個人差・周期差が大きく、一定の日数なら必ず低いとは保証できない。後年には周期を限定しても検診MRIの性能が一貫して改善しない報告もある。非対称・局所的な増強は病変との区別が必要で、MIPのみで最終判断しない。
診断専門医 2019年度 問40
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問40
解答例:c
選択肢別の解説
a|鑑別に含む
葉状腫瘍にも裂隙状・嚢胞性部分がありますが、単一嚢胞内の壁在組織という形では乳頭状病変を優先します。
b|考えにくい
一般的な充実性線維腺腫とは異なり、水様内容を囲む嚢胞と増強する壁在成分が主体です。
c|最も考える
嚢胞内に早期増強する充実成分を認め、この選択肢が最も合います。良性乳頭腫との区別には組織が必要です。
d|考えにくい
不整な浸潤や非腫瘤性増強等が代表です。この明瞭な嚢胞内壁在病変を第一には説明しません。
e|鑑別に含む
壊死・嚢胞化する癌もありますが、提示の形態では嚢胞内乳頭状病変を優先します。浸潤の有無はMRIだけで確定しません。
判断のポイント
T2高信号の囊胞性病変に、早期から増強する壁在の充実成分を認める。選択肢では囊胞内癌を優先し、囊胞成分と増強する組織を区別する。
鑑別・注意点
乳頭腫などの良性乳頭状病変とも重なるため、MRIだけで悪性や浸潤を確定しない。設問の囊胞内癌という名称を、病理確認なしに全て被包型乳頭癌へ置き換えることもしない。超音波と組織診断を合わせる。
診断専門医 2019年度 問41
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問41
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|考えにくい
血管腔、流れや特徴的増強を確認します。本例の幼児の大きな浸潤性充実腫瘤では悪性腫瘍を優先します。
b|比較する
神経走行と周囲の偏位を評価します。年齢と大きな充実性腫瘤から悪性腫瘍二つを優先します。
c|考えにくい
画像は重なり得ますが小児頭頸部では比較的まれで、横紋筋肉腫やリンパ腫より優先する根拠が乏しいです。
d|優先候補
幼児の頭頸部に発生する重要な悪性腫瘍です。不均一な大きな充実腫瘤と年齢から優先します。
e|優先候補
小児の頸部充実腫瘤で重要です。DWI、リンパ節分布、病理で横紋筋肉腫等と区別します。
判断のポイント
右咀嚼筋間隙から副咽頭間隙側の大きな充実性腫瘍に不均一な増強を認める。幼児の頭頸部悪性腫瘍として横紋筋肉腫と悪性リンパ腫を優先する。
鑑別・注意点
画像の類似例が見つかるという理由だけで平滑筋肉腫を第二候補にしない。DWI・ADC、壊死、骨・頭蓋内進展、リンパ節分布を合わせ、確定には病理が必要である。横紋筋肉腫とリンパ腫の信号・増強は重なり得る。
診断専門医 2019年度 問42
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問42
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
静脈瘤なら血管内腔の局所拡張と血流を確認します。提示像は門脈前方の高エコー組織です。
b|考えにくい
肝炎による実質や胆嚢の変化より、肝門部のtriangular cord様所見が診断の手掛かりです。
c|最も考える
乳児で門脈前面の帯状・三角形高エコーがあり疑います。胆嚢形態と胆汁うっ滞も評価します。
d|考えにくい
胆管拡張では液体を入れた嚢胞状・管状構造を確認します。高エコー帯とは異なります。
e|考えにくい
シャントでは門脈と体静脈の交通・血流を示します。提示の線維性組織を示唆する像とは異なります。
判断のポイント
肝門部の門脈前面に帯状・三角形の高エコー組織を認め、triangular cord signとして胆道閉鎖症を疑う。胆管の囊胞状拡張を示す病変とは異なる。
鑑別・注意点
門脈右枝前壁の高エコー帯厚を規定した断面で測定する。文献では4 mm超などの基準が使われるが、提示像から数値を実測したとはしない。胆囊形態・胆汁うっ滞を含めて評価し、陰性所見だけで胆道閉鎖症を除外しない。
診断専門医 2019年度 問43
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問43
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
骨頭骨端の虚血性硬化・扁平化・分節化が手掛かりです。本例は骨端線の拡大・位置異常が中心です。
b|比較する
感染所見と骨髄・軟部変化を比較します。骨端線の形態と側面の位置関係からすべり症を優先します。
c|考えにくい
関節液だけでは説明できない骨端線の異常と骨端の位置関係があり、単純性炎症ではありません。
d|最も考える
思春期の股関節痛に骨端線拡大と周囲浮腫があり、側面で後下方偏位を評価します。無理な肢位は避けます。
e|考えにくい
一過性骨髄浮腫なら骨端線すべりを説明しません。年齢と構造異常からすべり症を優先します。
判断のポイント
右骨端線の拡大・不整とMRIの骨端線周囲浮腫、関節液を認める。側面像で骨頭骨端と頸部の位置関係を確認し、大腿骨頭すべり症を考える。
鑑別・注意点
正面像で変位が軽くても骨端線の変化を見逃さない。通常の骨頭骨端の後下方偏位は側面像で捉えやすいが、不安定例に無理な肢位を取らせず、臨床状態に適した撮影法を選ぶ。
診断専門医 2019年度 問44
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問44
解答例:b、c(出題選択肢上)
選択肢別の解説
a|優先しない
IgG4関連病変の検査ですが、若年女性の急性右季肋部痛と肝被膜増強からは骨盤内感染を優先検索します。
b|選択する
頸管等の検体で感染を検索します。排卵評価の意味ではなく、現在はNAAT等を用いる病原体検査が中心です。
c|出題選択肢上で選択
出題上はクラミジア関連検査を選びます。ただし抗体陽性だけで活動性感染を確定できずNAAT等で確認します。
d|優先しない
主に原発性胆汁性胆管炎の評価に使います。本例の被膜炎をまず説明する検査ではありません。
e|優先しない
肝炎鑑別に必要な場合はありますが、画像上は実質肝炎より肝被膜炎が疑われ、感染源の検索を優先します。
判断のポイント
若年女性の右季肋部痛に、動脈相で肝表面の線状増強を認め、Fitz-Hugh-Curtis症候群を考える。子宮頸管検体の病原体検査とクラミジア関連検査を選ぶ。
鑑別・注意点
ここでの頸管粘液検査は排卵・不妊検査ではなく感染の検索を意味する。現在の活動性感染の確認には頸管・腟ぬぐい液や尿のNAATが中心であり、血清抗体陽性だけでは現在の感染を確定できない。肝被膜増強も単独では特異的でない。
診断専門医 2019年度 問45
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問45
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
膿瘍にも辺縁増強がありますが、乳頭状の増強組織と胆管拡張から胆管内腫瘍を優先します。
b|考えにくい
出血内容は通常それ自体が増強しません。明瞭に増強する組織を血腫と取り違えません。
c|考えにくい
娘嚢胞や石灰化、疫学背景等を確認します。胆管内の増強性乳頭状組織が本例の主所見です。
d|最も考える
拡張胆管様の腔に増強する乳頭状部分があり、周囲胆管も拡張しています。交通はMRCP等で確認します。
e|比較する
主に女性に多く通常胆管と交通しません。性別のみで除外せず、交通と卵巣様間質を病理で比較します。
判断のポイント
大きな囊胞状・拡張胆管様の構造に、増強する乳頭状充実部と周囲胆管拡張を認める。男性という背景も合わせ、胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)を優先する。
鑑別・注意点
MCNは一般に卵巣様間質を持ち女性に多く、通常は胆管と交通しない。性別だけでは除外せず、MRCP等で胆管との交通を確認する。充実部が目立っても画像だけで浸潤癌の有無を確定しない。
診断専門医 2019年度 問46
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問46
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
外傷歴と脾様増強を示す腹腔内多発結節から、損傷脾組織の自家移植を考えます。脾摘既往は未提示です。
b|比較する
先天性の脾組織で脾門付近などにみます。本例は外傷歴、多発分布と通常脾の欠如から脾症を優先します。
c|考えにくい
肝組織に似た増強・連続性を確認します。本例の左上腹部多発脾様組織とは異なります。
d|考えにくい
手術歴と遺残物の内部構造・被膜等を評価します。多発の脾と同じ増強結節は脾症を支持します。
e|考えにくい
リンパ節腫大や他臓器の分布を確認します。外傷後の脾様結節を即座に悪性としません。
判断のポイント
通常の脾臓の形がなく、左上腹部や腹腔内に脾に似た増強の多発結節を認める。幼少期の交通外傷と合わせ、脾損傷後の自家移植による脾症を考える。
鑑別・注意点
脾摘術の有無は提示情報にないため、既往として確認せず断定しない。先天性副脾との違いを病歴・分布から評価し、疑わしい場合は脾特異性の高い加熱障害赤血球シンチ等で確認する。
診断専門医 2019年度 問47
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問47
解答例:d
選択肢別の解説
a|比較する
膵炎・外傷歴を確認します。若年女性で被包性の出血性充実混在腫瘤ならSPNを優先します。
b|考えにくい
小嚢胞集簇や中心瘢痕等が代表で、この大きな出血性の被包腫瘤とは異なります。
c|比較する
女性の膵尾部嚢胞性病変として重要ですが、出血と不均一充実成分の組合せではSPNを優先します。
d|最も考える
若年女性、被膜と出血性内容の混在が合います。脂肪抑制T1高信号は脂肪ではなく出血を示唆します。
e|考えにくい
膵管との交通が重要です。若年者の大きな被包性出血性腫瘤では第一候補ではありません。
判断のポイント
若年女性の膵尾部に被包性の不均一な腫瘤があり、脂肪抑制T1でも高信号を示す出血性内容とT2で異なる信号の成分が混在する。充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)を優先する。
鑑別・注意点
単なる囊胞とせず、充実成分・出血・被膜を組み合わせて読む。提示は非造影像なので充実部の増強を確認済みとはしない。SPNは低悪性度の悪性腫瘍であり、良性と断定せず周囲浸潤・転移も評価する。
診断専門医 2019年度 問48
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問48
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
CTの増強が脾と似て、SPIO後T2でも脾と同じ低信号となることが脾組織を支持します。
b|考えにくい
通常は低血流で膵管閉塞等を評価します。本例の脾同様の増強とSPIO取り込みには合いません。
c|考えにくい
充実腫瘍として鑑別しますが、網内系製剤で脾と同じ信号低下する組織を第一には説明しません。
d|比較する
多血性だけなら重要ですが、SPIO取り込みによる脾と同様の低信号は副脾を支持します。
e|考えにくい
主に嚢胞性病変で、今回の脾に類似する充実結節と網内系の性質とは異なります。
判断のポイント
膵尾部の境界明瞭な結節は脾臓と類似して増強し、SPIO造影後T2では脾臓と同様の低信号を示す。網内系組織を持つ膵内副脾を考える。
鑑別・注意点
SPIO前後の比較と脾臓と同じ信号・増強の推移を重視する。多血性というだけでは神経内分泌腫瘍と区別できない。必要に応じて脾特異的シンチも利用し、不必要な膵切除を避ける。
診断専門医 2019年度 問49
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問49
解答例:eを第一候補
選択肢別の解説
a|除外評価が必要
限局性AIPと重なるため評価が必要です。FDG集積だけで癌とも炎症とも確定しません。
b|鑑別に含む
充実性腫瘤を来しますが、膵全体と胆管周囲の変化を合わせ炎症性疾患を優先します。
c|鑑別に含む
多血性結節と肝病変なら重要ですが、膵の腫大・胆道病変を一体として読む必要があります。
d|考えにくい
微小嚢胞集簇などを確認します。本例の炎症性腫大・FDG集積との組合せでは第一ではありません。
e|第一候補
膵の腫大と胆道周囲の異常が合います。IgG4、膵胆管像、他臓器・病理と悪性除外を合わせます。
判断のポイント
膵尾部の腫大・不均一な早期増強とFDG集積、胆管周囲の異常を合わせ、自己免疫性膵炎を優先する。単独の多血性結節と肝転移として解釈する前に、膵全体と胆道を一体として評価する。
鑑別・注意点
旧解説のAIH(自己免疫性肝炎)とAIP(自己免疫性膵炎)の混同を修正する。IgG4関連胆管病変・炎症性偽腫瘍は合併し得るが、肝病変の正体は画像だけで確定しない。血清IgG4、膵管・胆管像、他臓器・病理を合わせ、悪性腫瘍を評価した上で診断する。
診断専門医 2019年度 問50
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問50
解答例:e
選択肢別の解説
a|考えにくい
盲腸との関係が重要です。今回の右上腹部の集簇と上腸間膜血管背側への収束とは位置が異なります。
b|比較する
大網裂孔を通る経路と袋状構造の有無を評価します。本例は右傍十二指腸の位置関係を優先します。
c|比較する
腸間膜の欠損を介する閉塞もありますが、特徴的な集簇の位置と血管の関係から本例では優先しません。
d|考えにくい
門脈後方・下大静脈前方の孔と網嚢への進入を確認します。上腸間膜血管背側への集簇とは区別します。
e|最も考える
右上腹部のまとまった小腸と腸間膜が上腸間膜血管背側付近へ収束し、右傍十二指腸ヘルニアに合います。
判断のポイント
右上腹部に集簇した小腸ループがあり、腸間膜が上腸間膜動静脈の背側付近へ収束する。通常の腹腔内配置から外れたまとまりとして、右傍十二指腸ヘルニアを考える。
鑑別・注意点
左傍十二指腸ヘルニアやWinslow孔ヘルニアとは、ヘルニア囊と胃・膵・上腸間膜血管・下大静脈との関係を比較する。閉塞点だけでなく腸管壁増強、腸間膜浮腫・腹水などの絞扼所見も確認する。
診断専門医 2019年度 問51
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問51
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
腹膜垂は結腸漿膜面の脂肪付属物です。小腸間膜を好発部位とする説明は異なります。
b|誤り
原発性腹膜垂炎は虚血・炎症性病変で、それ自体の悪性転化を通常の性質とはしません。
c|正しい
漿膜側の脂肪組織が病変で、結腸粘膜との交通はありません。憩室との違いです。
d|正しい
壊死した脂肪が陳旧化すると石灰化し、腹腔内遊離体となる場合もあります。
e|誤り
合併症のない原発例は一般に保存的に管理します。全例で強力な抗菌薬を必須とはしません。
判断のポイント
下行結腸に接する脂肪濃度の小病変と周囲炎症を認め、腹膜垂炎を考える。病変は漿膜側の脂肪付属物で粘膜との交通を持たず、陳旧化すると石灰化や腹腔内遊離体になることがある。
鑑別・注意点
憩室炎や腫瘍、広範な感染と区別する。単純性の原発性腹膜垂炎は一般に保存的に管理され、全例で強力な抗菌薬が必要とはしない。結腸壁そのものより周囲脂肪の炎症が目立つ点を読む。
診断専門医 2019年度 問52
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問52
解答例:d
選択肢別の解説
a|比較する
腸管壁浮腫はあり得ますが、皮疹・腎所見等を合わせます。胃主体の急な症状では食歴を確認します。
b|考えにくい
胆嚢壁肥厚・胆石・周囲液体等が中心です。主な異常は胃壁の浮腫性肥厚です。
c|比較する
厚い胃壁を来しますが、急性発症と粘膜下浮腫を合わせアニサキスを優先します。画像だけで完全には除外しません。
d|最も考える
急な心窩部痛と胃粘膜下浮腫が合います。生魚の摂取を問診し、内視鏡で虫体を確認・摘除します。
e|比較する
びまん性肥厚を来しますが、本例の急な経過では優先しません。症状の急性さだけで癌を完全除外はできません。
判断のポイント
胃に粘膜下層を主体とする浮腫性壁肥厚と周囲炎症を認め、突然の心窩部痛と合わせて胃アニサキス症を優先する。
鑑別・注意点
急性発症だけで胃癌やリンパ腫を完全には除外できない。生魚の摂取歴を確認し、上部消化管内視鏡で虫体の確認・摘除を行う。提示のない食歴を既知の事実として加えない。
診断専門医 2019年度 問53
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問53
解答例:a、dを候補(bを除外する根拠は不足)
選択肢別の解説
a|正しい
輸入脚内の圧上昇で膵液流出が障害され、急性膵炎を起こすことがあります。
b|条件付きで適応
急性完全閉塞や虚血・絞扼では緊急手術が必要です。内視鏡・経皮治療の選択例もあり、一律の正誤にはできません。
c|誤り
拡張の主体は十二指腸から近位空腸の輸入脚です。遠位小腸の回腸ではありません。
d|起こり得る
胆汁流出障害で胆道系酵素上昇や胆管炎を伴い得ます。aと合わせ候補ですがbを無条件に除外しません。
e|誤り
主に輸入脚をもつBillroth IIやRoux-en-Yなどで問題になります。Billroth Iは典型的背景ではありません。
判断のポイント
十二指腸から近位空腸に続く輸入脚が液体で著明に拡張している。胆汁・膵液の流出障害により胆道系酵素上昇や膵炎を起こし得るため、a・dを候補とする。
鑑別・注意点
Billroth II法やRoux-en-Y法などの輸入脚を持つ再建で生じる。急性完全閉塞・絞扼・虚血は緊急手術を要し得るため、bを一律に誤りとは説明できない。閉塞原因や全身状態により内視鏡・経皮的減圧等も選択され、提示情報のみで二つへ確定することは保留する。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2019年度 問54
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問54
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
皮膚と脊髄の同一分節性血管奇形が中心で、腎・膵・精巣上体の病変の組合せとは異なります。
b|考えにくい
腎AMLや中枢・皮膚所見が重要です。本例の多血性腎腫瘤と膵・精巣上体の多発嚢胞性病変ではVHLを優先します。
c|最も考える
若年者の腎細胞癌、膵嚢胞、精巣上体嚢胞腺腫という組合せが支持します。家族歴・他臓器も確認します。
d|考えにくい
粘膜皮膚の毛細血管拡張と肺・肝等のAVMが中心で、この嚢胞性病変群とは異なります。
e|考えにくい
腎腫瘍、肺嚢胞・気胸、皮膚所見を確認します。本例の膵・精巣上体病変の組合せではVHLを優先します。
判断のポイント
若年男性の左腎の多血性腫瘤、膵の多発囊胞性病変、両側精巣上体付近の多囊胞性病変を合わせ、von Hippel-Lindau(VHL)病を考える。
鑑別・注意点
腎病変は淡明細胞型腎細胞癌、陰囊病変は精巣上体囊胞腺腫が重要となる。旧解説の精巣囊胞という一括した記述を修正する。病歴・家族歴、網膜・中枢神経・副腎等の検索と遺伝学的評価を組み合わせる。
診断専門医 2019年度 問55
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問55
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|選択する
流入動脈と早期静脈還流から短絡を評価でき、必要なら同時に塞栓治療へ進めます。
b|優先しない
静脈の病変が疑われれば検討しますが、AVMの流入・短絡を評価する初期の選択は動脈造影とDopplerです。
c|優先しない
分腎機能や排泄を調べる検査で、短絡血管の解剖・血流を直接評価する優先検査ではありません。
d|優先しない
尿路の内腔を評価します。血管性病変が疑われる本例ではまず血流・短絡を評価します。
e|選択する
モザイク状の速い血流や低抵抗流入、動脈化静脈波形を調べ、単純嚢胞との区別にも役立ちます。
判断のポイント
腎内の不均一な血管性・囊胞状構造を、血尿と合わせて腎動静脈奇形の可能性として評価する。Dopplerで短絡血流を調べ、動脈造影で流入動脈・早期静脈還流を確認する。
鑑別・注意点
単一の造影CT像では短絡の詳細を完全に評価できない。Dopplerのモザイク血流や低抵抗の流入波形が手掛かりとなり、動脈造影は必要に応じ塞栓治療にもつながる。液体状に見えるから単純囊胞と決めない。
診断専門医 2019年度 問56
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問56
解答例:e
選択肢別の解説
a|鑑別に含む
脂肪と軟部組織を含む後腹膜腫瘍の重要鑑別です。副腎原発か、厚い結節や浸潤がないかを確認します。
b|鑑別に含む
慢性貧血等の背景で脂肪を含む病変を作ることがあります。血液疾患と分布を確認します。
c|形態に合う
副腎部の明らかな脂肪と軟部成分の混在は典型的です。出血等の合併も評価します。
d|鑑別に含む
腎由来なら脂肪を含みます。腎実質のclaw signや栄養血管から原発臓器を見極めます。
e|最も考えにくい
通常は脂肪主体ではなく、後腹膜の充実性神経原性腫瘍です。単純な水濃度の嚢胞と説明するのも不正確です。
判断のポイント
両側副腎部の腫瘤に明らかな脂肪濃度と軟部成分を認める。骨髄脂肪腫など脂肪を含む病変を考え、典型的には脂肪が主体ではない神経節細胞腫が相対的に考えにくい。
鑑別・注意点
神経節細胞腫を常に水濃度の単純囊胞とする旧説明を修正する。腎由来AML、後腹膜脂肪肉腫、脂肪成分を含み得る髄外造血は、原発臓器と血液疾患の背景を合わせて比較する。
診断専門医 2019年度 問57
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問57
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
内膜癌では充実性組織と浸潤等を評価します。無数の小嚢胞と無月経・嘔気から絨毛性疾患を優先します。
b|比較する
妊娠後の残存組織と血流を確認します。妊娠歴・hCGを合わせ、小嚢胞集簇の奇胎と鑑別します。
c|最も考える
子宮内腔を満たす無数の小嚢胞は水腫状絨毛を示唆します。超音波、hCGと病理で確認します。
d|考えにくい
内膜肥厚や小嚢胞はみますが、巨大な小嚢胞集簇と妊娠関連症状では奇胎を優先します。
e|考えにくい
通常は局所的有茎病変です。内腔を拡大する多数の小嚢胞性組織とは異なります。
判断のポイント
子宮内腔を拡大する病変に、無数の小囊胞が集簇している。無月経・嘔気と合わせ、水腫状絨毛を反映する胞状奇胎を考える。
鑑別・注意点
超音波と血清hCGを合わせて評価し、画像だけで全胞状奇胎・部分胞状奇胎の型や筋層浸潤の有無を確定しない。病理確認と治療後のhCG推移の監視が必要となる。
診断専門医 2019年度 問58
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問58
解答例:e
選択肢別の解説
a|考えにくい
一般に線維性T2低信号が主体です。本例は若年者の大きな充実腫瘤に線維血管性隔壁が目立ちます。
b|鑑別に含む
脂肪・石灰化を含む不均一な充実嚢胞性構造等を確認します。本例の隔壁構造では未分化胚細胞腫を優先します。
c|鑑別に含む
充実性腫瘤として重なります。対側・リンパ節・全身分布を比較し病理で確認します。
d|鑑別に含む
ホルモン症状や多嚢胞性・出血性構造等を比較します。本例は隔壁をもつ分葉状充実性が中心です。
e|最も考える
若年者の大きな分葉状充実性腫瘤と造影される低T2隔壁が合います。LDH等も評価します。
判断のポイント
若年女性の大きな分葉状充実性腫瘤に、T2低信号で造影される隔壁と血管を認める。線維血管性隔壁を持つ未分化胚細胞腫を優先する。
鑑別・注意点
未熟奇形腫の脂肪・石灰化を含む不均一構造や、リンパ腫の他部位病変と比較する。LDH等の腫瘍マーカー、対側卵巣、リンパ節・播種を合わせ、病理型は組織で確認する。
診断専門医 2019年度 問59
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問59
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
頸部を主座とする浸潤性腫瘍かを確認します。本例は体部側から連続する有茎病変です。
b|比較する
内膜腫瘍も脱出し得るため茎だけで除外しません。提示のT2低信号主体では筋腫を優先します。
c|最も考える
体部側の茎に続く低T2腫瘤が頸管・腟側へ脱出しており、筋腫分娩を考えます。
d|比較する
有茎内膜病変として鑑別します。大きな低T2主体の筋組織様腫瘤では筋腫を優先します。
e|考えにくい
通常は頸部の多嚢胞性病変が中心です。体部から伸びる低信号充実性腫瘤とは異なります。
判断のポイント
子宮内腔から頸管・腟側へ伸びる有茎性腫瘤があり、T2低信号主体の筋腫に合致する。子宮体部内の茎との連続を確認し、粘膜下筋腫の脱出である筋腫分娩を考える。
鑑別・注意点
茎と脱出腫瘤からなるbroccoli signは他の子宮内腫瘍でも生じる。茎があることだけで良性を保証せず、信号・増強・壊死、臨床所見を合わせる。出血・貧血と腫瘤付着部の評価が重要である。
診断専門医 2019年度 問60
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問60
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
静脈・リンパ還流障害による卵巣広範性浮腫に合います。増強が残っても部分・間欠的捻転を否定しません。
b|誤り
主な病態は非腫瘍性の間質浮腫です。大きな卵巣をそのまま間質性腫瘍と取り違えません。
c|本像からは優先しない
胃癌卵巣転移より、辺縁卵胞を伴う浮腫性腫大を優先します。臨床的疑いがあれば別に原発検索します。
d|誤り
原本では右側付属器に関連する病変として読みます。巨大病変の偏位と原発側は全断面で確認します。
e|正しい
広い間質の浮腫と辺縁へ圧排された卵胞が対応します。充実性腫瘍との鑑別点です。
判断のポイント
右付属器側の腫大卵巣にT2高信号の間質と、辺縁に押しやられた多数の卵胞を認める。静脈・リンパ還流障害に伴う卵巣広範性浮腫を考え、a・eを選ぶ。
鑑別・注意点
部分的・間欠的な捻転が関与し得るが、画像だけで機序を一つに確定しない。動脈血流や一部の増強が残っていても捻転を除外できない。間質浮腫を充実性腫瘍や胃癌の卵巣転移と誤認しない。
参考文献
診断専門医 2019年度 問61
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問61
解答例:eを想定(bの用語には注意)
選択肢別の解説
a|妥当
成人型顆粒膜細胞腫は閉経前後にも発生し、閉経後出血の原因として重要です。年齢だけでは確定しません。
b|用語に留保
卵巣原発の悪性となり得る性索間質性腫瘍を考えます。狭義の上皮性卵巣癌とは分類が異なり、この表現には留保します。
c|上昇し得る
エストロゲン産生により内膜が刺激されます。ただしすべての症例で必ず高値になるとの保証ではありません。
d|像と整合
内膜と内筋層の層構造が描出されています。内膜肥厚と卵巣腫瘤の関係を評価します。
e|断定は誤り
内膜増殖症・内膜癌を合併し得るため、異型がないと保証できません。一方、全例で異型がある意味でもありません。
判断のポイント
閉経後出血、充実性・囊胞性成分を持つ卵巣腫瘤、厚い子宮内膜から、エストロゲン産生を伴う成人型顆粒膜細胞腫を考える。内膜増殖症・内膜癌を合併し得るため、異型を認めないと断定するeは適切ではない。
鑑別・注意点
ただし全例に内膜異型があるわけではない。bの卵巣癌を狭義の上皮性癌と読めば顆粒膜細胞腫とは分類が異なり、設問の用語に曖昧さが残る。顆粒膜細胞腫は悪性となり得る性索間質性腫瘍であり、エストラジオール等と病理で評価する。
診断専門医 2019年度 問62
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問62
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|単独は慎重
仮性瘤の壁は脆く、瘤内充填単独では再出血等の懸念があります。解剖によっては補助的利用を検討します。
b|選択候補
流入路と流出路を遮断して瘤を隔離します。親動脈閉塞に伴う臓器虚血を評価します。
c|誤り
術後仮性動脈瘤の一般的な血管内止血法ではありません。塞栓やcovered stentを検討します。
d|選択候補
適切な留置範囲があれば親動脈血流を保ちながら瘤を除外できます。感染や分枝閉塞も評価します。
e|通常選択しない
仮性動脈瘤の構造的破綻を確実に閉鎖する方法ではなく、再出血を防ぐ塞栓・被覆ステントを優先します。
判断のポイント
術後の血性ドレーン排液と動脈相で造影される瘤状病変から、術後仮性動脈瘤を考える。流入・流出路を閉塞するisolationと、親動脈血流を保ちながら瘤を除外するcovered stentが候補となる。
鑑別・注意点
提示像だけで責任動脈の分枝名を断定しない。瘤の頸部・流出路、側副血行、臓器虚血リスクで術式を選ぶ。仮性動脈瘤の脆弱な壁では瘤内packing単独は再出血等の懸念があるが、あらゆる症例で不可能という意味ではない。
診断専門医 2019年度 問63
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問63
解答例:a、c
選択肢別の解説
a|適応となる
TIPSで門脈圧を下げ出血を制御できる選択例があります。流出路と肝予備能からBRTO等とも比較します。
b|誤り
体循環への短絡増加で脳症を悪化させ得ます。脳症の治療目的としてTIPSを作るわけではありません。
c|適応となる
選択された難治性腹水例では門脈圧低下が有用です。心機能・肝機能等の適応評価が必要です。
d|標準目的でない
血小板減少のみを目的とする標準手技ではありません。脾機能や基礎疾患、出血リスクを別に評価します。
e|標準目的でない
門脈腫瘍栓自体の治療を標準目的とはしません。特殊な実施報告と一般適応を区別します。
判断のポイント
頸静脈経由で肝静脈側と門脈をつなぐ肝内短絡が作られており、TIPSを示す。門脈圧を下げ、選択された胃静脈瘤出血や難治性腹水の治療に用いられる。
鑑別・注意点
肝性脳症は短絡後に悪化し得る重要な合併症であり、その治療目的とはしない。血小板減少単独や門脈腫瘍栓を標準的な目的としない。胃静脈瘤は流出路や肝予備能によりBRTO等との使い分けが必要となる。
参考文献
診断専門医 2019年度 問64
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問64
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|選択候補
NBCAを短絡構造へ適切に送達して閉塞します。高流量のため非標的塞栓を避ける流量制御が重要です。
b|誤り
高流量の動静脈短絡をもつ病変の一般的な根治手技ではありません。nidusを標的にします。
c|近位閉塞だけでは不適切
近位内腸骨動脈を閉じるだけではnidusが残り再発し得ます。コイルの補助使用まで一律否定する意味ではありません。
d|選択候補
エタノールによる短絡内皮の障害を利用します。皮膚・神経障害や心肺合併症があり専門的管理が必要です。
e|高流量型では優先しない
主に低流量の静脈奇形等で使う硬化法です。本例の高流量AVMの短絡治療としては優先しません。
判断のポイント
殿部に拡張した蛇行血管と多数のflow voidを認め、高流量の動静脈奇形を考える。NBCAと無水エタノールは、病変の短絡構造を標的とする治療で用いられる。
鑑別・注意点
近位の内腸骨動脈をコイルで閉じるだけではnidusが残り、側副血行の発達や再治療経路の喪失につながる。コイル自体を常に不適切とするわけではなく、短絡の型に応じ補助的に用いることがある。エタノールは皮膚・神経障害や心肺合併症を伴い得るため、専門的管理が必要となる。
診断専門医 2019年度 問65
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問65
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
主に心筋脂肪酸代謝の評価に用いる製剤で、この皮質受容体分布とは異なります。
b|考えにくい
脳血流製剤なら皮質に加えて深部灰白質の灌流も反映します。本例の皮質優位・深部相対低集積は受容体分布を支持します。
c|考えにくい
DAT像は線条体の限局集積が中心です。広い皮質への強い集積とは異なります。
d|最も適する
中枢性ベンゾジアゼピン受容体の皮質優位の分布が合います。遅延像は血流像と同じ意味ではありません。
e|考えにくい
交感神経機能や神経内分泌腫瘍等の製剤で、この皮質受容体の分布を示しません。
判断のポイント
大脳皮質への強い集積に対し基底核・視床等の集積が相対的に乏しい分布から、123I-iomazenilを選ぶ。中枢性ベンゾジアゼピン受容体を画像化する薬剤である。
鑑別・注意点
脳血流SPECTと受容体SPECTを区別する。早期像には血流の影響もあるが、遅延像は受容体結合を反映し、てんかん等で皮質の受容体分布を評価する。単に皮質集積が高いことを血流増加と読み替えない。
診断専門医 2019年度 問66
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問66
解答例:d
選択肢別の解説
a|比較する
DAT低下は共通しますが、早期転倒と前頭葉低灌流、保たれるMIBGを合わせ非定型病型を優先します。
b|考えにくい
通常は後部帯状回・楔前部や側頭頭頂低灌流が重要です。運動症状とDAT低下の組合せではPSPを優先します。
c|比較する
DAT低下はあり得ますが、典型的なMIBG低下や臨床認知症状を比較します。本例はPSPを支持します。
d|最も考える
早期の易転倒性・すくみ足に前頭葉低灌流、DAT低下とMIBG保持が合います。単独検査で確定する意味ではありません。
e|比較する
非対称な皮質症状と血流・DAT分布を評価します。本例の臨床と比較的両側性変化ではPSPを優先します。
判断のポイント
早期からの転倒・すくみ足・構音障害に、両側線条体DAT集積低下、前頭葉優位の血流低下、比較的保たれる心筋MIBG集積を合わせ、進行性核上性麻痺を優先する。
鑑別・注意点
DAT集積低下だけではParkinson病と非定型パーキンソニズムを区別できない。心筋MIBGの保持も単独で確定所見とはしない。提示は後期像のみであり、早期像との比較が必要な洗い出し率をここから算出したとする旧説明は修正する。
診断専門医 2019年度 問67
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問67
解答例:e
選択肢別の解説
a|考えにくい
鼻腔への局所漏出を確認する病態です。提示像の主な手掛かりは脊柱周囲分布と早い尿路描出です。
b|考えにくい
脳室逆流や遅延した頭蓋側への移行を時間を追って評価します。三時間像の早期膀胱描出だけでは支持しません。
c|考えにくい
脊髄液の通過障害を調べます。今回の分布と早い体循環・尿路移行では漏出を優先します。
d|考えにくい
髄液の閉塞部と移行を評価します。本例を閉塞性水頭症とする根拠は乏しいです。
e|最も考える
脊柱周囲の分布と早期膀胱描出から疑います。ただし穿刺による漏れでも起こり、臨床・MRIや漏出局在検査で裏付けます。
判断のポイント
脊柱周囲への放射能分布と早い膀胱描出から髄液漏出を考え、選択肢では脳脊髄液減少症が最も合う。
鑑別・注意点
早期膀胱描出だけでは診断できず、腰椎穿刺に伴う医原性漏出でも生じる。髄液鼻漏の鼻腔集積とは区別する。現在の診療では起立性頭痛等の臨床像、造影脳MRI・脊椎MRIを合わせ、必要時にCT/デジタルサブトラクションミエログラフィで漏出を局在する。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2019年度 問68
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問68
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
血流より脂肪酸代謝の低下範囲が広く、ミスマッチがあります。欠損の広がりを比較します。
b|誤り
中隔から心尖部側の変化であり、左回旋枝領域だけの病変という説明とは異なります。
c|誤り
提示は中隔・側壁を対比する水平長軸像です。前壁・下壁をみる垂直長軸とは区別します。
d|期待できる
血流が保たれる一方で代謝・収縮の回復が遅れる気絶心筋が示唆されます。回復は残存狭窄や梗塞量にも依存します。
e|正しい
BMIPPは心筋脂肪酸代謝を評価する製剤です。灌流製剤との集積差を読みます。
判断のポイント
中隔から心尖側で血流に比べ脂肪酸代謝の集積低下が広く、ミスマッチを認める。脂肪酸代謝薬剤は123I-BMIPPで、血流が回復しても代謝・収縮が遅れて回復する気絶心筋を示唆する。
鑑別・注意点
提示断層は水平長軸像であり、左回旋枝領域だけの梗塞とする説明は合わない。残存血流がある心筋では壁運動改善が期待されるが、梗塞量や残存狭窄等に左右され、必ず回復するとは保証しない。
診断専門医 2019年度 問69
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問69
解答例:c、eを優先
選択肢別の解説
a|断定できない
右室の目立つ描出や形態を評価しますが、この静止図だけで圧負荷の存在を確定しません。
b|断定できない
心不全の病因は安静時像と小さなQGS図だけでは確定できません。負荷・冠動脈・心エコー所見等を統合します。
c|像に合う
強い肝胆道・腸管分布は99mTc心筋血流製剤を支持します。Tlの分布と比較します。
d|考えにくい
典型的には心尖部の壁厚・高集積を示しますが、提示像でその特徴は明瞭ではありません。
e|提示QGSでは支持
前壁側で拡張末期と収縮末期の内膜面に動きがあると読めます。定量値や局所重症度は動画と元データで確認します。
判断のポイント
強い肝胆道系集積から99mTc標識心筋血流製剤が合う。QGSでは前壁側で拡張末期と収縮末期の面の間隔が保たれており、前壁の壁運動は保たれていると読む。
鑑別・注意点
平面上の小さな模式図から壁運動低下の程度を定量しない。静止画だけで虚血性心不全の病因や右室圧負荷を確定せず、元の動画、EF、心エコー、冠動脈所見と合わせる。心尖部肥大型心筋症を示す典型的な心尖部高集積も明瞭ではない。
診断専門医 2019年度 問70
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問70
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
小集積はリンパ流の到達する節に一致し、脂肪組織そのものの病変を示す検査ではありません。
b|誤り
強い大集積は局所注入部です。腫瘍への取り込みと読み替えません。
c|正しい
センチネル節の描出はリンパ流を示します。転移の有無は摘出生検の病理で判定します。
d|誤り
提示はガンマカメラ・SPECT/CTによる画像です。術中に局所計数するプローブそのものの撮影像とは異なります。
e|誤り
心筋血流薬のtetrofosminではなく、局所投与するリンパ節マッピング用製剤を使います。
判断のポイント
大きく強い集積は局所注入部で、その頭側の小集積はリンパ流に沿うセンチネルリンパ節に相当する。薬剤がリンパ節へ到達したことは示すが、転移の証明ではない。
鑑別・注意点
転移の有無は摘出生検の病理で判定する。画像はガンマカメラ/SPECT-CTであり、術中ガンマプローブそのものが撮影した画像ではない。用いるのはリンパ節マッピング用薬剤で、心筋血流用99mTc-tetrofosminとは区別する。
診断専門医 2019年度 問71
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問71
解答例:e
選択肢別の解説
a|時刻は決められない
撮像時刻をこの一枚から24時間後と確定できません。投与時刻とプロトコルが必要です。
b|誤り
左の広い皮下集積はdermal backflowを示唆します。単なる一本のリンパ管拡張とは区別します。
c|誤り
リンパ路への移行を調べる局所投与です。静脈内投与して血液プールをみる検査とは異なります。
d|誤り
リンパシンチの投与量は方法・製剤に従います。370 MBqを一律の標準量とはしません。
e|正しい
国内ではHSA-Dを用いるリンパ路評価があり、この下肢リンパうっ滞像に合います。
判断のポイント
左下肢では細いリンパ管の描出に代わって広い皮下集積を認め、リンパうっ滞に伴うdermal backflowを考える。99mTc-HSA-Dを用いるリンパシンチグラフィが合う。
鑑別・注意点
リンパ路を調べるため指間などに局所投与し、血液プールを調べる静脈内投与とは区別する。広い集積を単純なリンパ管拡張と読まない。提示像のみで撮像時刻を24時間後と確定できず、370 MBqをこの検査の一律の標準量とはしない。
診断専門医 2019年度 問72
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問72
解答例:b
選択肢別の解説
a|考えにくい
FDGなら脳・尿路等の生理分布も確認します。本例の脳の乏しい描出と肝・腸管分布ではGaを優先します。
b|最も適する
肝、鼻咽頭付近や腸管の生理分布と頸部集積が合います。異常集積だけで炎症と腫瘍を確定鑑別しません。
c|考えにくい
甲状腺、唾液腺、胃などの分布を確認します。本例の全身分布ではGaが合います。
d|考えにくい
通常は腎・脾などの強い生理集積が手掛かりで、この肝・腸管主体の像とは比較が必要です。
e|考えにくい
交感神経系、心・肝等の生理分布を確認します。本例の鼻咽頭・腸管分布と頸部所見はGaを支持します。
判断のポイント
頸部の強い病変集積に加え、鼻咽頭付近、肝・腸管等への分布から67Ga-citrateが最も合う。
鑑別・注意点
薬剤同定は異常集積だけでなく正常臓器の分布を合わせて行う。67Gaは炎症にも腫瘍にも集積し、頸部の高集積だけで悪性リンパ腫などの組織型を確定できない。FDG PETの脳・心筋・尿路分布や、ソマトスタチン受容体シンチの腎・脾集積等と比較する。
診断専門医 2019年度 問73
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問73
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
膿瘍なら液体腔と辺縁炎症、症状等を比較します。両側肩甲骨下の線維脂肪性構造では優先しません。
b|考えにくい
FDG陽性でも転移とは限りません。両側対称的な典型部位と内部脂肪から良性弾性線維腫を優先します。
c|最も考える
肩甲骨下と胸壁間の扁平な軟部成分に脂肪が線状に混在し、軽度集積する典型的な像です。
d|考えにくい
脂肪そのものの集積と、筋に近い軟部組織・線状脂肪の混在する腫瘤を区別します。
e|考えにくい
この両側の典型位置・内部構造では第一候補ではありません。破壊・非典型増大があれば追加評価します。
判断のポイント
両側の肩甲骨下方と胸壁の間に、軟部組織と脂肪が混在する扁平な病変があり、軽度のFDG集積を伴う。位置・左右性・内部構造から弾性線維腫が合う。
鑑別・注意点
集積があることだけで転移と判断しない。褐色脂肪は脂肪組織そのものへの集積で、ここでみる筋肉に近い軟部成分と線状脂肪の混在とは異なる。非典型的な増大や破壊的所見がある場合は追加評価する。
診断専門医 2019年度 問74
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問74
解答例:e
選択肢別の解説
a|考えにくい
胃の生理的変動はあり、MIPだけで腫瘍浸潤とは決めません。主な治療後変化はびまん性造血系集積です。
b|所見と区別
脾集積増加だけでは脾機能亢進症を診断できません。骨髄と一緒にG-CSF等への反応を考えます。
c|直ちに断定しない
びまん性骨髄集積は造血亢進でも起こります。血算、投与日、CTと局所残存病変を確認します。
d|考えにくい
心筋には生理的FDG集積の変動があります。治療後の心臓描出を腫瘍と決めません。
e|最も考える
治療前病変の減少に対し骨髄・脾がびまん性に目立ち、造血刺激による反応が合います。薬剤歴と採血を確認します。
判断のポイント
治療前の大きな腹部高集積は著明に減少し、治療後には脊椎・長管骨を含む骨髄と脾臓のびまん性集積が目立つ。G-CSF投与等に伴う造血亢進が最も合う。
鑑別・注意点
骨髄のびまん性集積を直ちにリンパ腫浸潤としない。化学療法後の回復、G-CSFの種類・最終投与日、貧血、血算を確認する。局所的な残存集積やCT所見は別に評価し、びまん性という理由だけで病変を全て除外しない。
診断専門医 2019年度 問75
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問75
解答例:e
選択肢別の解説
a|考えにくい
通常は甲状腺全体がびまん性に高集積します。本例は局所のhot noduleと周囲抑制です。
b|考えにくい
不均一な取り込み等を示しますが、自律性局所高集積と甲状腺中毒症では機能性結節を優先します。
c|考えにくい
破壊性中毒症では通常取り込みが低下します。明瞭な局所高集積とは異なります。
d|考えにくい
副甲状腺の機能検査ではなく、甲状腺の取り込みを評価した像です。
e|最も考える
一部に強い取り込みと周囲実質の抑制があり、自律性機能性結節を考えます。組織型はこの像だけでは確定しません。
判断のポイント
甲状腺の一部に限局した強い集積があり、その他の甲状腺実質の集積は相対的に抑えられている。甲状腺中毒症と合わせ、自律性機能性結節を考える。
鑑別・注意点
Basedow病の典型的なびまん性高集積や、破壊性甲状腺炎の低集積と比較する。局所の機能を示す検査であり、hot noduleだけで組織型や悪性の有無を絶対に確定しない。TSH・遊離甲状腺ホルモン、抗体、超音波と合わせる。
診断専門医 2019年度 問76
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問76
解答例:b、e
選択肢別の解説
a|誤り
顎下の取り込みは唾液腺の生理集積として考えます。異所性病変とするにはSPECT/CT等の局在確認が必要です。
b|疑われる
腎不全・著明なPTH高値と甲状腺床付近の複数の遅延残存集積が支持します。腺腫等との区別は臨床と局在を合わせます。
c|誤り
提示像だけでリンパ節への異常集積とはしません。副甲状腺と甲状腺結節等を超音波・SPECT/CTで照合します。
d|誤り
通常の遅延像は約2時間前後で撮ります。6時間を一律の標準時刻とはしません。
e|正しい
MIBI単独検査はヨウ素の取り込みを測る検査ではなく、原則としてヨード摂取制限は不要です。
判断のポイント
慢性腎不全と著明なPTH高値に加え、甲状腺床付近に複数の遅延残存集積を認め、副甲状腺過形成を考える。MIBI単独検査では放射性ヨウ素検査のようなヨード摂取制限を原則として必要としない。
鑑別・注意点
早期と遅延の比較で評価し、遅延像は一般に約2時間前後で、6時間後を標準としない。MIBIは甲状腺結節にも残存し得るため、超音波・SPECT/CTで局在を確認する。高カルシウム血症を伴う腎不全例では自律性を獲得した病態も検討し、画像だけで病理を断定しない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2019年度 問77
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問77
解答例:cを旧解答候補として提示(個数の確定は保留)
選択肢別の解説
a|支持しない
胸腰椎移行部等に評価対象の局所集積があり、疑い箇所がないとはしません。ただし集積は転移の証明ではありません。
b|確定できない
脊椎の一部だけを数えて骨盤・頸部等を良性と確定する根拠は、この小さな平面像では不足します。
c|旧候補・保留
旧解説は胸腰椎移行部と恥骨付近を数えますが、尿路・汚染との重なりを含め局在を確認できず確定は保留します。
d|確定できない
淡い頸部等の集積を加えるかは解剖学的位置と良性変化の確認が必要で、平面像のみで三つとは確定しません。
e|確定できない
すべての淡い集積を転移候補として加算するのも不適切です。追加方向像やSPECT/CTで原因と箇所を確認します。
判断のポイント
胸腰椎移行部付近の局所高集積と、恥骨付近の集積が旧解説で指摘されている。一方、頸椎等の淡い集積、膀胱・尿汚染との重なりについて読影意見が分かれている。
鑑別・注意点
骨シンチは骨反応を示し、集積の個数がそのまま転移数にはならない。提示された小さな全身像のみで候補部位を良性・悪性に振り分け、正答を確定する根拠は不足する。局所拡大像、追加方向像、SPECT/CT、CT/MRIで骨の解剖学的位置と原因を確認する。
診断専門医 2019年度 問78
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問78
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
両肺野に一致するびまん性高集積があり、ヨード集積性肺転移を考えます。CTとサイログロブリン等で照合します。
b|考えにくい
腸管の生理的排泄と転移を区別します。提示の主要な異常は胸部両肺の分布です。
c|考えにくい
唾液腺の生理集積を転移と取り違えません。局所病変を疑えばSPECT/CT等で確認します。
d|術後でも起こり得る
全摘術後でも残存組織は集積し得ます。ただし両肺全体の強い集積を甲状腺床の残存だけでは説明しません。
e|局在を区別
頸部の限局節集積と肺のびまん性集積を区別します。本例の主要所見は肺転移を支持します。
判断のポイント
両肺野に対応するびまん性の強い集積を認め、ヨード集積性肺転移を考える。唾液腺や腸管への生理的集積と区別する。
鑑別・注意点
甲状腺全摘後にも残存甲状腺組織への集積は生じ得るため、術後なら甲状腺床には絶対に集積しないという旧説明を修正する。肺集積は胸部CT、サイログロブリン、必要に応じSPECT/CT等と照合する。反復治療の判断は治療効果・累積投与量・毒性等を合わせる。
診断専門医 2019年度 問79
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問79
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
胃粘膜の正常取り込みであり、それ自体を胃からの出血としません。異所性胃粘膜の局所集積を探します。
b|誤り
通常は投与直後からの動態で胃と同時に現れる集積を評価します。24時間像を一律に必須とはしません。
c|誤り
若年者では体格等に応じた推奨量を使います。740 MBqを本検査の一律標準量とはしません。
d|誤り
心筋血流検査の負荷薬で、Meckel憩室の異所性胃粘膜検出に使う標準負荷ではありません。
e|最も適する
胃粘膜に取り込まれるpertechnetateで、下腹部の異所性胃粘膜を検出する像が合います。
判断のポイント
胃粘膜が明瞭に描出され、下腹部にも時間とともに明瞭になる小集積を認める。99mTc-pertechnetateで異所性胃粘膜を検出する検査が合い、下血の原因としてMeckel憩室を考える。
鑑別・注意点
胃への正常集積は胃出血の証明ではない。標識赤血球等による消化管出血シンチとの違いを整理する。小児・若年者への投与量は体格と推奨量に応じて決め、740 MBqを一律に用いない。遅延24時間像やジピリダモール負荷を標準手順とはしない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2019年度 問80
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問80
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も適する
肝細胞受容体への取り込みで肝実質が強く描出され、脾が相対的に目立たない分布と術前評価の目的が合います。
b|考えにくい
静注では血液プールの分布が中心です。肝細胞の機能分布を選択的に評価する本像とは異なります。
c|考えにくい
網内系に取り込まれ肝に加え脾等も描出します。肝細胞受容体のGSAとの標的の違いです。
d|考えにくい
肝・脾・骨髄等の網内系分布を示すコロイドで、肝細胞機能を評価するGSAとは異なります。
e|考えにくい
甲状腺、唾液腺、胃等の取り込みと尿路排泄が重要です。本例の肝選択的な強い分布とは異なります。
判断のポイント
術前評価で肝実質を中心に強い集積があり、脾臓が相対的に目立たない分布から99mTc-GSAが合う。肝細胞のアシアロ糖蛋白受容体を介して取り込まれ、機能的肝予備能を評価する。
鑑別・注意点
肝・脾の網内系に分布するコロイド製剤や、血液プール製剤とは標的が異なる。SPECT/CTでは予定残肝の機能分布を評価できるが、この一断面だけで具体的な肝機能値や切除の安全性を算出しない。