2022年に実際に専門医試験を受けられて合格されたペンネーム

  • Haruka先生
  • MiZONO先生
  • ちむ先生
  • なな先生
  • ゆう先生
  • ®Gy先生

の先生方に解答作成を手伝っていただきました。ありがとうございました。

解答ここはこうじゃないかなどございましたら、一番下のコメント欄に記載いただければ幸いです。

1,

正解:c

FCI。2018年18番と類問。骨軟骨損傷と鑑別だが明らかな軟骨欠損なし。

補足: 骨端の骨化遅延による。

2,

正解:a?

腓骨背面の筋内に小嚢胞が集簇したような辺縁平滑・境界明瞭な腫瘤を認めます。T2強調像で一見全体が高信号に見えますが、fluid fluid levelに見える部分がありそうで、臨床経過からもここ最近の出血後?などでしょうか。中心部は石灰化を反映した無信号でしょうか。選択肢はいずれもT2強調像で高信号を示し、出血をともなってもいいものばかりですが、辺縁平滑・境界明瞭で、周囲組織の浮腫性変化が乏しい点からは良性腫瘍を疑いやすい、という意図でしょうか…?ここでa, bのどちらかと考え、粘液腫は典型的には腫瘍周囲の萎縮した筋肉の脂肪変性に伴う腫瘍辺縁の脂肪信号の縁取り(surrounding rim of fat)と周囲浮腫をともなうとされるので、aが最も矛盾しないように思えます。

d:(それ自体が除外根拠になるわけではありませんが)脂肪信号域がなさそうです。

e:一般に石灰化をともなわないとされているようです。

【参考】画像診断 36巻11号 軟部腫瘤の画像診断 −よくみる疾患から稀な疾患まで−

 

3,

正解:a

両側仙腸関節近傍の仙骨翼を縦走するようなT1WI低信号、STIR高信号域を対称性に認める。単純X線写真で異常を認めないことからも、脆弱性骨折をまずは疑う。よってaが正解。

仙骨の脆弱性骨折は、典型的には両側仙腸関節近傍の仙骨翼を縦走するものと仙骨椎体 (通常は S2のレベル)を横走するものが合併して見られ、特徴的なH型の分布を示す(H sign, Honda sign)。(KEYBOOK 骨軟部疾患の画像診断 第2版 P.45より)

 

4,

正解:d?

甲状腺背側に低エコーの結節。後方エコーの増強が目立たず、嚢胞よりは腺腫が考えやすいかと思いましたが嚢胞と割れていました。

 

5,

正解:b

小児の舌腫瘍。T2WI高信号、造影にて比較的均一な造影増強効果を示す腫瘍。病変は舌下腺よりは舌にあるようにみえ、年齢が10才と比較的若いためまず第一に血管腫を疑いました。ただ、舌下腺由来とすると多形腺腫の可能性も否定できないと思いました。神経鞘腫としては信号が均一であり、T2WIと造影での所見が合わないと思いました。がま腫は部位や形状が異なり、扁平上皮癌は年齢や均一であることが違います。

上記よりb>cと考えました。

 

6,

正解:e

咽頭後間隙あるいは椎前間隙の浮腫。

C2前方に石灰化あり、e石灰化頸長筋腱炎。

 

7,

正解:a

両側の蝸牛周囲に脱灰/スリガラス状濃度化を認めます(double ring sign)。蝸牛型耳硬化症の所見です。感音性難聴という点からも合致します。

耳硬化症は活動期と非活動期から成り、活動期は海綿骨増殖が主体で脱灰が生じます。非活動期に硬化が主体となり判別困難なことも少なくないようです。

なお、窓型の耳硬化症は卵円窓の腹側に脱灰が認められ、症状は伝音性難聴です。

 

8,

正解:d

左錐体骨に骨溶解像を伴う不整形軟部腫瘤で、内リンパ嚢腫や傍神経節腫(Glomus腫瘍)を疑う。耳鳴り主訴であることから内リンパ嚢腫が優位か。どちらにしても選択肢の中で合併しやすいのはd(von Hippel-Lindau病)。

c.× 髄膜腫とするとNF2は鑑別に挙がる。骨浸潤を伴う髄膜腫も否定できないがdural tail signを示唆する画像や造影検査などもなく、設問画像のみでは髄膜腫と診断するのは難しいか。。。聴神経腫瘍は内耳道に発生。

 

9,

正解:d

小児の小脳虫部~第4脳室にかけてみられる腫瘍。水頭症あり。CTで高吸収、DWI高信号(ADCmapはでてないですが)で髄芽腫疑い。約半数で壊死がみられるようです。石灰化は10-20%ほどでみられるそうです。

 

10,

正解:b

割れていました。

私はリング状増強効果の壁が不整で厚いためaにしましたが、リング内の貯留物の拡散低下が著明であるためbという意見が多かったです。

→ring enhancementを伴い、周囲に浮腫を疑う高信号域の広がりを認める病変の鑑別です。内部の造影不良域にDWI高信号/ADC低値を認め、脳膿瘍だと考えます。

 

11,

正解:c

斜台付近の正中発生、T2WI高信号でよく染まる腫瘤→c脊索腫

 

12,

正解:b, d

T2*強調像や磁化率強調像(SWI)で両側大脳に多発する点状低信号域を認めます。交通外傷後、ということで、衝撃に伴うびまん性軸索損傷や、骨折にともなう多発脂肪塞栓症を疑います。

 

13,

正解:e

IgG4 関連疾患で涙腺炎!といいたくなるが、涙腺に腫大は見られない。腫大しているのは眼窩下神経(三叉神経 第2枝)で、眼窩下管を走行する。 IgG4 関連眼疾患には涙腺炎の他、眼窩上・下神経(三叉神経第1・2 枝)/外眼筋/眼窩内組織や眼瞼の病変も報告されているみたいです。

 

14,

正解:b

C2-4 レベルで脊髄の左~背側に高吸収、T2WI高信号構造があり、圧排しています。T2WIで硬膜と思われる低信号域が表面にみられると思いました。

 

15,

正解:c

a:静脈奇形

d:AVM

e:(1) 血管内治療による硬膜動静脈瘻塞栓術、 (2) 開頭による硬膜動静脈瘻根治術、 (3) 定位的放射線、(4) 経過観察のいづれかないしは組み合わせて治療方針を決定する。cognard分類やBorden分類を用いて予後予測や治療方針の決定を行う。Cognard分類やBorden分類で重要な点は皮質静脈への逆流があるかどうかです。

 

16,

正解:b

所見;頭蓋内の髄液腔狭小化、小脳扁桃の下垂、硬膜肥厚もあるか?

 

17,

正解:b

右肺に非区域性のスリガラス状濃度上昇が多発しています。薬剤性肺障害は他疾患の除外で至る診断と思いますが、他の選択肢が考えにくく、病歴からも素直に第一鑑別と思います。eの除外根拠が見つかりませんが…。

 

18,

正解:c

両肺に急激に進行するすりガラス影、consolidationあり、左肺には小葉間隔壁の肥厚もありそう。

 

19,

正解:e

両肺末梢および気管支血管束周囲に分布。細気管支拡張、容積減少を伴い、線維化を考えます。蜂巣肺の所見はなし。

 

20,

正解:d

両側肺にびまん性に境界不明瞭な小葉中心性の粒状影を認めます。過敏性肺臓炎の所見です。

 

21,

正解:d

長期経過で増大するすりガラス吸収値。内部にわずかにsolid-partが出現。

a.cは長期経過なのは合わない。cは充実性結節、eなら多発か?

 

22,

正解:c

多発する石灰化結節とその近傍の気腫性変化、という像を認めます。結節型アミロイドーシスを疑う所見ですが、特に気腫性変化はシェーグレン症候群に合併したアミロイドーシスに生じやすいとされています。

 

23,

正解:d

軟部組織に皮膚結節が多発している。

 

24,

正解:c

前縦隔腫瘤と胸水。既存の構造を破壊せず、隙間に入り込むような形状でリンパ腫を疑いました。縦隔発生のリンパ腫は壊死や嚢胞変性をしばしば伴うとされ、矛盾しないと思いました。

補足:胸腺腫は30歳以上.胸腺悪性リンパ腫は若年者に多発

25,

正解:e

胸腔内結石。正常変異の一つ。

原因としては胸腔内や心膜前脂肪組織の脂肪が血流障害などなんらかの原因で脱落したり,胸腔内に発生した脂肪腫、陳旧性結核病巣などがあがる。

 

26,

正解:c

知りませんでしたが、脊柱管内と連続するのはcだけかなと思いcにしました。

 

27,

正解:c > b

肺動脈本幹部〜右肺動脈に造影欠損を認め、辺縁は鋭角の立ち上がりで腫瘤状にクリッとして見えます。肺動脈肉腫は肺動脈主幹部に発生しやすいとされています。また若干メタ的な見方ですが、血栓であれば血流で肺動脈末梢にも少なからず血栓があると思いますが、その画像の提示がありません(とは言っても、肺動脈肉腫は後期相で造影効果が見られるらしく、その提示もありませんが…)。

結局bかcかははっきりと結論付けられなさそうでしたが、より合致する所見の多いcだと考えました。(解答作成者自身は試験中、「肺動脈本幹部にmassiveな造影欠損見たら一応肉腫も考えようね」「肺動脈血栓症+深部静脈血栓症疑いだと胸部の後期相撮らないことあるでしょ?撮ろうね」っていうメッセージと捉えて自分を納得させてました…)

 

28,

正解:d

左回旋枝は左房室間溝に沿って走行する。最初に心房に行く洞結節枝(SN)を出し、続いて左室前側壁を灌流する鈍縁枝(#12、obtuse marginal branch: OM)を出す。これが#11と#13の境界となる。

他の選択枝に関して

  1. ① RCAの#1または#2
  2. ② LADの#7
  3. ③ LADの第1対角枝(#9)
  4. ⑤ RCAの後下行枝(#4PD)

 

29,

正解:c

心房中隔脂肪性肥大。心房中隔部に脂肪濃度の構造あり。卵円窩は侵されず卵円窩を通過する断面でダンベル様の形態をしめします。特徴的な形状だと思います。

 

30,

正解:e

※この問題は今回の診断専門医試験の唯一の不適切問題となったと伺いました。解答はeの極型Fallot四徴症らしいですが、調べても理由がわかりませんでした。

極型は四徴の内の肺動脈弁狭窄が高度で肺動脈閉鎖に至ったもののようで、Fallot四徴症の中で最重症型とのことです。

肺動脈弁が閉鎖しているため、肺へ向かう血流は、動脈管を通じてしか流れることが出来ないため、動脈管を閉じないようにしないといけない

https://ped-cardiac-surg-shimane-u.jp/disease/about/polar_type_fellows) 

とありますが、このVR像の大動脈から起始した血管は位置的に動脈管ではないように思いました。

Radiology Key(https://radiologykey.com/tetralogy-of-fallot-with-pulmonary-atresia/)

のページには下行大動脈から起始するcollateral arteriesが肺循環に関与しているという記載がありますので、そちらだと説明がつくのかと思いました。

 

31,

正解:b

1次試験頻出。まさか2次で出るとは。

基本的には血管病変。肺野はモザイク状になるものの、air trapではない。

 

32,

正解:a,c

左室に血流支配に合致しない全周性の内膜下優位の造影効果を認めます。右室にも造影効果があるように見えます。また、心筋自体と内腔とのコントラストが乏しくなっています。これらの所見から心アミロイドーシスを疑います。

a:ピロリン酸シンチグラフィで集積します。なお、すべてのアミロイドーシスに集積するわけではなく、ATTR型と呼ばれるアミロイドーシスに集積します。

c:T1 mappingは、組織固有のT1値を文字通りマップ表示して、組織状態の変化を評価する手法です。非造影と造影の2手法があり、非造影ではNative T1という値が得られます。アミロイドーシスや線維化などによってNative T1は上昇し、脂質・鉄沈着・出血などによってNative T1は低下します。

上記2検査はガイドラインにも有用性が記載されています(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2020_Kitaoka.pdf)。

b,dはサルコイドーシスの一般事項です。

eはFabry病の一般事項です(cのT1 mappingはFabry病でも有用とされます)。

 

33,

正解:b

2021-31の類題

右の画像でペースメーカリードが走行する上大静脈が狭小化している。また左の画像で右内胸静脈の拡張・蛇行、奇静脈の拡張が目立つ。これらの所見から、上大静脈閉塞による側副路の発達を疑う。

上大静脈閉塞は肺や上縦隔の腫瘍による圧迫や浸潤によるものが多いが、近年は静脈内に留置されたカテーテルやペースメーカリード、あるいは透析用のバスキュラーアクセスに関連した内膜過形成や血栓形成によるものも増加している。

上大静脈に伴う側副路は、深層のものは奇静脈・半奇静脈、椎骨静脈叢、浅層のものは内胸静脈、外側胸静脈がある。よって適切でないものはb。

(画像診断41(6) P.559-61より)

 

34,

正解:e

多型性区域性の石灰化あり。C-5 

 

35,

正解:d,e

乳管と連続するMass、内部に石灰化を思わせる点状高信号がみられ、後方エコーは等からややhigh,乳管内乳頭腫や非浸潤性乳管癌が疑われます。

36,

正解:a

T2WIで著名高信号、内部は漸増性の増強効果。

一番らしいのはa粘液癌。

 

37,

正解:a

両肺野の透過性はびまん性に低下し、white-outの状態と考えます。中枢側気道のair bronchogramも認めます。呼吸窮迫症候群のBomsel分類IV型(最重症型)に相当すると考えます。

 

38,

正解:e

10ヶ月男児の肝に多発する嚢胞性腫瘤。境界明瞭、壁は比較的整。

  1. ○ 多房性嚢胞性腫瘍で嚢胞周囲には胆管増生やリンパ管、島状の肝組織や髄外造血巣をみることも多い。襄胞の由来については胆管系由来と考えられている。腫瘤は充実性成分優位なものから嚢胞性成分優位なものまで多彩。正常肝実質との境界は比較的明瞭。選択肢の中では最も可能性が高いと思われる。

a.× 乳幼児で肝内にCT、MRIで不均一な内部性状で造影効果のある充実性腫瘤を認めた場合に疑う。設問画像は嚢胞成分主体で鑑別順位は下がる。

c.× 典型例では辺縁優位に増強される成分あり。

d.× 多房性腫瘤を示す間葉性過誤腫と胎児性肉腫は似ているが、胎児性肉腫は悪性であり、内部に出血がみられたりする。

 

39,

正解:e

肝動脈、門脈の蛇行拡張でOsler病疑い→常染色体優性遺伝。

 

40,

正解:a

横隔膜下の肝表に脂肪濃度、辺縁に石灰化を伴う腫瘤ということで偽脂肪腫の所見です。

 

41,

正解:a.e

まず嚢胞が単純で境界不明瞭、多血結節がやや高吸収な段階でe(非常に見にくい)。

a.cは迷ったが、動脈相で早期濃染結節周囲にシャントありそう?でa。

 

42,

正解:d

肝S4?に嚢胞性腫瘤+乳頭状増殖様の充実成分を認め、尾側部は胆管内と交通しているようにも見えます。総胆管はびまん性に拡張しており、粘液充満状態と考えると、IPNBを疑います。

 

43,

正解:e

2006-47の類題

膵頭部に腫瘤があり、主膵管拡張・胆管拡張を伴っている。腫瘤は嚢胞性だが、壁が厚く充実部を伴っている。 IPMC を疑う所見と考える。

 

44,

正解:c

若年者の膵尾部に、辺縁の石灰化、内部の出血や嚢胞様成分を伴う腫瘤。SPNの疑い。

病変が小さい場合は内部の嚢胞成分が目立たないことがあります。頻度は低いもののリンパ節転移をきたすことがあります。

 

45,

正解:e

腫瘤内がopposed phaseで信号上昇。ヘモジデリン沈着を反映。

 

46,

正解:d

右腎に皮膜を伴う早期濃染結節→腎細胞癌。

その他の所見がよく分からず、膵頭部に早期濃染結節、左の前腎傍腔に結節?

よくわかりませんでしたが腎細胞癌からdにしました。

 

47,

正解:e

両側腎皮質がT1,T2強調像で低信号を示しており、鉄過剰沈着状態と考えます。発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、心臓人工弁置換術後(選択肢c)、頻繁な輸血などが原因となりえます。

もちろん「この疾患」というがPNHとは確定できないのでしょうが…選択肢的にはそうと考えるべきなのでしょう…。

発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド(http://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2020/06v2.pdf)なるものがあり、この12ページの記載からはa,b、3ページの記載からはdは正しいようです。そして12ページには「ヘモグロビン尿に伴う鉄喪失」が起こるとあり、鉄過剰で生じうるヘモジデローシスの所見であるeが誤りと考えます。

 

48,

正解:b 

右腎上極、左腎下極の腎盂の拡張を認める。右腎上極の実質に増強不良あり。

重複腎盂尿管およびその閉塞、右腎盂腎炎と思いました。

a.× 嚢胞じゃない

b.○ 先天的な異常がある

c.× 腫瘍はこの撮影では分からない

d.× 感染があるなら右っぽい

e.× 血流じゃなくて尿路閉塞と思われる

 

49,

正解:c.e

粗大な脂肪を含む病変。皮質腺腫も脂肪を含むものの、塊状の脂肪ではなく考えにくいかと思いました。

 

50,

正解:c,d

帝王切開後の既往あり、同部位にT2WI高信号主体の結節を認め、帝王切開瘢痕部妊娠の所見です。子宮破裂と大量出血のリスクがあります。

 

51,

正解:e

コスモスパターン。e分葉状内頸腺過形成。

 

52,

正解:d

右卵巣に分葉状腫瘤ないし複数の腫瘤の集簇を認め、様々な信号を示しています。脂肪信号を示す部分のほか、T2強調像で甲状腺組織を考えるような明瞭な低信号を示すものもあります。卵巣甲状腺腫は甲状腺組織が優位な奇形腫の1種です。

 

53,

正解:e

右卵巣成熟嚢胞性奇形腫の捻転と思われる。ケミカルシフトアーチファクトや卵巣周囲の浮腫性変化も見られる。

 

54,

精巣上体に血流増加。肺には高コントラストの小葉中心性結節、小斑状コンソリデーションがあり、結核性精巣上体炎を疑いました。

 

55,

正解:b

過去問で頻出の腹膜垂炎。大網捻転や腹膜垂炎は突然の強い腹痛で謝って憩室穿孔などとされてオペされてしまうことがあるので、臨床的に確実にすることが重要なため頻出と思われます。

 

56,

正解:a.e

bは少し迷いましたが薬剤使用歴もなさそうなのでa.eにしました。

 

57,

正解:d

気胸と心内腔のairを認めます。緊急性が高いのは後者で、動脈ガス血症/空気塞栓症に対する高圧酸素療法が必要と考えます。

補足:d 高濃度酸素投与で空気の吸収を促す   e 右側臥位にすることで大動脈内を空気が通過し脳空気塞栓を予防できる

58,

正解:e 

PTA前の血管造影で静脈側に狭窄が見られ、PTA後には拡張している。その後同部に腫脹と疼痛が出現したことから、血管の破綻・出血があると思われる。バルーン拡張時に生じる血管損傷の場合、すぐに低圧(2〜4atm)でバルーン拡張し、皮膚上から指で血腫の中心部分を圧迫する。出血点を指とバルーンで挟んで1〜5分程度圧迫、血腫の増大がないことを確認する。それでも止血困難で重篤な血管損傷であれば、ステント留置も考慮することになる。静脈が完全に破綻していれば、血流を遮断した状態で外科的に結紮せざるを得ない。

(改訂版 IVR 手技、合併症とその対策P.333、IVRのすべてP.580)

a, c.× 次に施行すべき処置ではない

b.× まだ止血できていない

d.× 高圧バルーン拡張はシャント狭窄に対して行われる

 

59,

正解:b.e

AVS. Aの副腎静脈造影で腫瘤を避けるような形状をしている?

ACTH負荷前後で、副腎静脈、IVCからコルチゾールとアルドステロンを計測します。

 

60,

正解:e 

両側前頭側頭葉優位に集積低下を認め、前頭側頭葉型認知症の所見と考えられます。

 

61,

正解:b

a.bどちらかで割れていたと思います。

1時間後像で側脳室が既に出ている点、24時間後で全体が出ていない点がbらしいようです。

 

62,

正解:a

内頸動脈狭窄などで灌流圧が低下すると、脳血管はその領域の血管を拡張させて血流量を維持しようとします。それでも更に血流量が低下すると、今度は酸素摂取”率”を増やし、全体としての酸素摂取/代謝”量”を維持しようと調節します。

提示された症例は右内頸動脈狭窄と思われ、右大脳全体の血流が低下し(A)、それに応じて同領域の酸素摂取率が上昇し(B)、全体としては健常な左大脳と同程度の代謝量に代償されている(C)ものと考えます。

 

63,

正解:e

I123-BMIPPシンチでは下壁の脂肪酸代謝低下が示唆され、安静時Tl201では下壁の心筋血流は比較的保たれている。血流/代謝ミスマッチあり。

a.× RCA領域の脂肪酸代謝は低下

b.× LCx領域の脂肪酸代謝は正常でバイアビリティあり

c.× 交感神経機能異常はI123-MIBGシンチ

d.× LAD領域の脂肪酸代謝は正常

e.○ 「早朝安静時の胸部絞扼感」「下壁に血流/代謝ミスマッチあり」なのでRCA領域のspasmを疑う

よってeが正解。

 

64,

正解:b

Aは肺に集積が目立つ→MIBG? Bは胆嚢らしき集積がある→Tc?として選びました。

 

65,

正解:a

Basedow病はびまん性に集積亢進するため、最も可能性が低い。

 

66,

正解:d

胸骨周囲の集積。所見としては弱いように思いますが、他の選択肢では考えにくいのでdにしました。

 

67,

正解:b

腎の集積が高度低下・不明瞭化しており、体幹部の骨の集積が全体的に目立って見えるsuper bone scanの状態と考えられ、多発骨転移を疑います。

 

68,

正解:d

骨シンチで頭蓋骨左側、左上下肢主体のRI集積。

d.○ 一側性(片側)の病変として選択肢の中で最も可能性が高いのはd多骨性線維性異形成。McCune-Albright症候群(線維性骨異形成、皮膚カフェオレ斑、思春期早発)ではしばしば線維性骨異形成が一側(片側)に起こるとのこと(骨関節画像診断入門第3版、P12-13)。主訴の左大腿部痛は病的骨折?

a.× 多発骨折も否定できないが、集積パターンや形状が非典型的と思われる。

b.× 頭蓋骨、椎体、骨盤、近位長管骨に好発。Paget病としては集積パターンが非典型的。

c, e.× 一側性は非典型的。

 

69,

正解:e

蛋白漏出シンチグラフィではTc-HSA-Dを静注。出血シンチも同様。

リンパ管シンチでもTc-HSA-Dを使用します。

 

70,

正解:b

センチネルリンパ節シンチグラフィ。核種は99m Tc-HSA、スズコロイド、フィチン酸の三種かと思います。病変部近傍に皮下注射をしてセンチネルリンパ節を同定します。この症例は右腋窩リンパ節が描出されています。転移かどうかは生検してはじめて判断でき、リンパ節郭清を省略できるかがわかります。治療効果判定は関係ありません。

 

71,

正解:b

腎静態シンチグラフィ。両腎上極の集積欠損。過去問でも出ていたと思います。

 

72,

正解:a

腹部の腹膜播種を疑う結節状集積の他に、両側傍椎体部や下頚部〜鎖骨周囲に結節状集積が多発しています。褐色脂肪組織への集積を考えます。寒冷刺激によって熱を産生する組織で、若年者ほど目立ちます。

 

73,

正解:a

左胸膜の壁肥厚と縦隔リンパ節の弱い FDG 集積は術後変化と考える。 比較的集積が強い、胸椎椎体右側に沿うような病変が何かという問題で、IgG4 関連疾患(線維性縦隔炎)を疑う。 

b.× サルコイドーシスでこのような限局性胸膜肥厚は典型的とは言い難い。

c.× 肺野条件の提示がなく、肺結核を疑うとは言い難い。また結核性胸膜炎では胸水貯留が典型的。

d, e.× 悪性リンパ腫や肺癌の転移・播種にしては集積が弱い。

 

74,

正解:e

甲状腺は生理的な集積部位ではなく、慢性甲状腺炎でも集積します。左右対称にしかも甲状腺に転移や腫瘍は考えにくいかなというのとリンパ腫なら高度の集積がありそうだと思いました。

 

75,

正解:b,e

脳への集積が低下し、筋肉への集積や心臓への集積が亢進していることより食後であることが示唆されます。食後は腫瘍への集積は低下します。eG-CSF投与後は脊髄への集積が亢進するため2週間程度あけることが必要です。

 

76,

正解:d

適当にcにしました。

調べるとフックの法則は外力と変形が比例するという法則で、そこから物体の弾性係数(MRエラストグラフィであれば肝臓の硬さ)が計算できるらしい。

 

77,

正解:a

体表臓器なので高い周波数で詳細な観察が可能です。3MHzは成人の腹部領域の観察に使用されます。

 

78,

正解:d

a.× ヘモジデリン;超磁性体

b.× ガドリニウム;常磁性体(20℃以下では超磁性体)

c.× メトヘモグロビン;常磁性体

d.○ オキシヘモグロビン;反磁性体

e.× デオキシヘモグロビン;常磁性体

補足:磁性体が強さHの磁場に存在するとき、局所磁場MHと反対方向に形成されるものを反磁性体、同方向に形成されるものを常磁性体という

79,

正解:d

補足:技術的対策→ハードウェア・ソフトウェアでの対策

80,

正解:e

電子保存の三原則は真正性、見読性、保存性でした。

a,bは真正性、c,dは保存性に該当すると考えます。