この年度の出題傾向
2025年度の掲載解説は100問で、このうち画像診断分野の74問を臓器・主題別に集計しました。内訳では胸部・心血管21問、脳・脊髄・頭頸部15問、泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜9問が多く、IVR・手技・画像技術・多臓器その他の構成比は全年度の年別平均より7.6ポイント高い値です。IVRや撮像技術は対象臓器と重複計上せず別群とし、複合題は主題に基づく便宜分類を含みます。
臓器別の比較は画像診断分野内の割合で行い、21年度の年別構成比の平均と比較しています。複合題は主題一つに分類した当サイトの集計で、公式配点ではありません。境界が曖昧な問題は便宜的な分類を含みます。
画像診断以外の内訳:核医学22問、共通4問。
画像診断の臓器・主題別内訳を見る
| 臓器・主題 | 問題数 | 診断分野内の割合 | 年平均との差 |
|---|---|---|---|
| 脳・脊髄・頭頸部 | 15問 | 20.3% | +2.0ポイント |
| 胸部・心血管 | 21問 | 28.4% | -1.1ポイント |
| 肝胆膵・脾 | 7問 | 9.5% | -3.0ポイント |
| 消化管・腹膜 | 3問 | 4.1% | -3.6ポイント |
| 泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜 | 9問 | 12.2% | -0.9ポイント |
| 骨・関節・軟部 | 6問 | 8.1% | -1.9ポイント |
| 乳腺 | 4問 | 5.4% | +0.8ポイント |
| IVR・手技・画像技術・多臓器その他 | 9問 | 12.2% | +7.6ポイント |
放射線診断専門医・2025年
解答例と、判断の根拠・鑑別のポイントをまとめています。問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月18日:全100問の解説を「判断のポイント」「鑑別・注意点」に整理し、各問に論文・学会指針などの根拠リンクを掲載しました。解答例は非公式です。画像上の推定と病理などで確定すべき事項を区別して記載しています。
解答作成にご協力いただいたman先生、mint先生、たなか先生、大槻太郎先生に感謝申し上げます。解答例へのご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
問題番号から選ぶ
診断専門医 2025年度 問1
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問1 進行性多巣性白質脳症(PML)
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
免疫不全で鑑別しますが、腫瘤性病変より白質に沿う広い非腫瘤性病変と辺縁DWI高信号が優位です。
b|誤り
脳室周囲の卵円形病変や時間的・空間的多発より、免疫不全下の進行性で融合した白質障害が合います。
c|誤り
急性のADEM様病変や視神経炎などの典型的臨床像より、今回の背景と白質分布はPMLを支持します。
d|誤り
視神経・脊髄や第三脳室周囲などの特徴的病変より、皮質下白質に広がる病変が主体です。
e|正しい
皮質下~深部白質のT2高信号、辺縁優位DWI高信号とAIDS下の進行症状が合います。髄液JCV検査等と統合します。
判断のポイント
皮質下から深部白質に広がるT2高信号と、病変の辺縁で目立つDWI高信号が判断の軸です。免疫不全を背景とする進行性の神経症状とも合い、PMLを第一に考えます。
鑑別・注意点
活動性の高い辺縁では拡散制限を示す一方、傷害が進んだ中心部では拡散が亢進し、空洞化することがあります。DWIの信号だけで決めず、ADCと病変の分布を合わせて評価します。腫瘤効果の強い病変ではリンパ腫なども再検討します。
診断専門医 2025年度 問2
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問2 もやもや病
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
単一の動脈瘤状拡張ではなく、頭蓋底と脳表に多数の細い異常血管が目立ちます。
b|正しい
主幹動脈の正常なflow voidの減少と、代償性の異常血管・軟膜増強から考えます。MRAや血管造影で診断します。
c|誤り
拡張した流出静脈と硬膜動静脈シャントを主所見とする像ではありません。
d|誤り
静脈洞内の血栓信号や充盈欠損が中心の病態と異なり、動脈側の狭窄と側副路を考える分布です。
e|誤り
局所のnidusと太い流入・流出血管の集合より、両側性の細い側副路が主体です。
判断のポイント
頭蓋底の主幹動脈の正常なflow voidが不明瞭で、周囲に細い血管の集まりを認めます。内頸動脈終末部の狭窄・閉塞と、その近傍の異常血管網を組み合わせて考える疾患です。
鑑別・注意点
脳表の側副血行路は、造影T1強調像での軟膜増強やFLAIRでのivy signとして捉えられます。実際の診断はMRA・脳血管造影所見と、もやもや症候群を来す背景疾患の有無も含めて行います。
診断専門医 2025年度 問3
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問3 中脳蓋を中心とする神経膠腫
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
中脳蓋の腫大と水道閉塞に伴う上流脳室拡大が合います。画像だけで神経膠腫の組織・分子型までは確定しません。
b|誤り
鞍上部を中心とする腫瘍ではなく、中脳背側の病変が水道閉塞を起こしています。
c|誤り
若年で局所閉塞病変が見られ、典型的な高齢者の正常圧水頭症の画像・臨床像とは異なります。
d|誤り
脳室拡大だけで先天性とせず、今回の原因となる局所病変を評価します。
e|誤り
髄膜炎に伴う水頭症なら感染徴候や髄膜所見も確認します。今回の中脳蓋の局所異常を説明する第一候補ではありません。
判断のポイント
中脳の背側に位置する病変と、中脳水道の通過障害による上流側の脳室拡大が重要です。水頭症そのものを原発性の病態とみなすより、閉塞を起こしている病変を探します。
鑑別・注意点
中脳蓋神経膠腫(tectal glioma)は緩徐に経過することが多い一方、画像だけで組織型や分子分類までは確定できません。閉塞性水頭症の評価と、経時的な腫瘍の増大・増強効果の変化が重要です。
診断専門医 2025年度 問4
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問4 神経皮膚黒色症
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
通常は成人の大脳病変で、乳児の扁桃体優位のT1高信号という分布に合いません。
b|誤り
出血ならT1高信号を示しますが、典型的な混在信号・ヘモジデリン縁の病変よりメラニン沈着の分布を考えます。
c|誤り
側頭葉に生じ得ますが、通常は浮腫や拡散異常を伴う脳炎像を評価します。扁桃体の選択的T1高信号とは異なります。
d|誤り
皮質結節や上衣下結節などの典型病変分布ではありません。
e|正しい
脂肪抑制後も残る扁桃体の強いT1高信号はメラニンのT1短縮を示唆します。皮膚母斑なども確認します。
判断のポイント
扁桃体に一致する脂肪抑制T1強調像の高信号が手掛かりです。メラニンの常磁性作用によるT1短縮を考えます。脂肪抑制後も高信号が残る点も判断に役立ちます。
鑑別・注意点
扁桃体のほか、脳幹・小脳などにも病変を認めることがあります。T2低信号が目立たない例もあり、T1高信号と皮膚の先天性色素性母斑の有無を合わせて評価します。出血もT1高信号を示すため、局在だけでなく腫脹や周囲の変化も確認します。
診断専門医 2025年度 問5
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問5 血管芽腫
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
第四脳室内由来や脳室出口への進展を考える腫瘍です。今回の嚢胞と強く増強する壁在結節の組合せでは優先度が下がります。
b|正しい
成人小脳の嚢胞と著明に増強する結節が典型的です。血流豊富な充実部と嚢胞の関係を評価します。
c|誤り
嚢胞性転移も鑑別ですが、全身病変や多発性を確認します。提示像では血管芽腫型の構成が第一です。
d|誤り
血液の時相が混在する網目状信号やヘモジデリン縁が典型で、このような強い壁在結節の増強とは異なります。
e|誤り
嚢胞と結節を示しますが小児・若年に多く、年齢と結節の著明な増強から血管芽腫を優先します。
判断のポイント
小脳の嚢胞性病変に、強く増強される壁在結節を伴うことが手掛かりです。成人の後頭蓋窩では血管芽腫を考える代表的な組み合わせです。
鑑別・注意点
「嚢胞+壁在結節」は血管芽腫だけに特有ではなく、毛様細胞性星細胞腫や嚢胞性転移などでも見られます。年齢、発生部位、結節の血流、嚢胞壁の増強の有無を合わせて判断します。
診断専門医 2025年度 問6
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問6 頭蓋咽頭腫
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
典型的には非増強性の鞍内嚢胞で、今回の鞍上部の充実性増強腫瘤と合いません。
b|条件・画像に注意
鞍上部中心の分葉状・増強性病変から第一に考えます。成人の乳頭型も候補ですが、MRIのみで病理型を確定しません。
c|誤り
通常は若年者の松果体・鞍上部に多く、下垂体茎などの分布とホルモン・マーカーを評価します。今回の年齢・腫瘤形態では優先度が下がります。
d|誤り
一般に視床下部に連続し灰白質と近い信号を示す非増強病変で、強い不均一増強とは異なります。
e|誤り
鞍内中心で下垂体の拡大を伴うことが多く、今回の鞍上部中心の病変との位置関係を区別します。
判断のポイント
鞍上部を中心とした、増強効果を伴う腫瘤として頭蓋咽頭腫を考えます。成人で充実性成分が目立つ場合には、乳頭型も考慮します。
鑑別・注意点
乳頭型は成人に多く、エナメル上皮型より石灰化が少ない傾向があります。ただしMRIだけで石灰化を十分に評価することはできず、画像だけで組織型を断定しません。エナメル上皮型は成人にも発生します。
診断専門医 2025年度 問7
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問7 ビタミンB12欠乏と亜急性連合性脊髄変性症
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
欠乏は夜盲や上皮障害が代表で、後索・側索の対称性脊髄病変を来す典型原因ではありません。
b|誤り
欠乏ではWernicke脳症や末梢神経障害が代表です。今回の後索優位脊髄像はB12欠乏を優先します。
c|誤り
欠乏は末梢神経などに影響しますが、典型的な亜急性連合性変性症の原因として選びません。
d|正しい
頸髄後索優位の対称性T2高信号と症状から亜急性連合性変性症を考えます。銅欠乏などの類似病態も検査で区別します。
e|誤り
欠乏は出血傾向・骨などの壊血病所見を来し、今回の後索病変の代表原因ではありません。
判断のポイント
頸髄の後索を中心とした左右対称性のT2高信号が手掛かりです。後索・側索の障害を来す亜急性連合性脊髄変性症を考え、ビタミンB12欠乏と結び付けます。
鑑別・注意点
画像所見は常に出現するわけではなく、正常MRIでも否定はできません。血液検査や胃切除・吸収障害などの背景を確認します。銅欠乏などでも似た脊髄所見を来すため、後索病変を見ただけで原因を決めません。
診断専門医 2025年度 問8
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問8 脊髄硬膜動静脈瘻
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
髄液と近い信号の空洞形成が中心ではなく、浮腫と脊髄周囲の異常血管を認めます。
b|誤り
長い髄内病変はあり得ますが、慢性進行と蛇行した髄表血管は静脈うっ滞を支持します。
c|誤り
髄内腫瘤自体による膨張や結節より、円錐を含む広い浮腫と髄周囲血管が手掛かりです。
d|正しい
長期進行性の脊髄症、円錐を含むT2高信号と髄表flow voidが合います。確定と治療計画には脊髄血管造影が重要です。
e|誤り
椎間板による局所の神経根圧迫では、長い髄内浮腫と拡張髄表血管を説明できません。
判断のポイント
脊髄円錐を含む髄内T2高信号と、脊髄周囲の蛇行した血管によるflow voidの組み合わせが重要です。静脈うっ滞性脊髄症を起こす脊髄硬膜動静脈瘻を考えます。
鑑別・注意点
髄内の浮腫が目立つ高さと、瘻孔の高さは一致するとは限りません。造影MRIやMRAは異常血管・シャント部位の推定に役立ち、確定と治療計画には脊髄血管造影が重要です。flow voidが乏しい例もあります。
診断専門医 2025年度 問9
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問9 中耳真珠腫
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
上鼓室の弛緩部から進展する後天性真珠腫は代表的な型です。CTで耳小骨や外側上鼓室壁を評価します。
b|誤り
真珠腫は耳小骨・骨壁の侵食や迷路瘻孔を起こし得ます。
c|誤り
主体は角化上皮とケラチンで、コレステリン肉芽腫とは異なります。
d|誤り
慢性中耳炎などを背景に乳突蜂巣の発育が悪い場合があり、良好な含気を一般的特徴としません。
e|誤り
側頭骨ではEPIの歪みが問題となり、通常はTSE系などnon-EPI DWIが微小真珠腫の検出に適します。
判断のポイント
上鼓室の軟部組織陰影と周囲骨の変化に、強いDWI高信号を組み合わせて真珠腫を考えます。後天性真珠腫では弛緩部型が代表的です。
鑑別・注意点
真珠腫の主体は角化上皮とケラチンの堆積です。病名の似たコレステリン肉芽腫とは分けて覚えます。側頭骨では空気・骨の境界による歪みが問題になるため、通常のsingle-shot EPIより、TSE系を含むnon-EPI DWIが微小病変の検出に適しています。
診断専門医 2025年度 問10
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問10 頸動脈小体腫瘍
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
舌下腺由来で口腔底と関係する嚢胞で、頸動脈分岐部の強い早期増強病変とは異なります。
b|誤り
液体中心で内部増強が乏しい嚢胞の典型像に合いません。
c|誤り
血管の偏位はあり得ますが、著明な多血性と内外頸動脈分岐の開大は頸動脈小体由来を支持します。
d|誤り
静脈内の血栓・壁炎症が主体となる病態で、動脈分岐部の多血性腫瘤とは異なります。
e|正しい
分岐部の腫瘤が内外頸動脈を押し広げ、早期から強く増強することが手掛かりです。
判断のポイント
頸動脈分岐部に位置し、早期から強く増強される多血性腫瘤を認めます。内頸動脈と外頸動脈の間を押し広げる形(lyre sign)が、頸動脈小体由来を示唆します。
鑑別・注意点
頭頸部傍神経節腫の一つです。神経鞘腫などとの鑑別では、多血性に加えて血管の偏位方向を確認します。T2強調像の点状・線状の低信号は、腫瘍内の血流によるflow voidの場合があります。
診断専門医 2025年度 問11
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問11 上顎洞癌の栄養血管
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
上顎洞の悪性上皮性腫瘍では扁平上皮癌が多く、病理で確認します。
b|正しい
局所進展が主な問題で、初診時の遠隔転移は相対的に多くありません。進行例では全身評価が必要です。
c|正しい
上顎洞上壁が眼窩底に接するため、進行病変は眼窩へ浸潤して複視などを生じます。
d|誤り
代表的な主供血は顎動脈などの外頸動脈系です。眼動脈系も進展次第で関与しますが、常に主供血ではありません。
e|正しい
他の頭頸部扁平上皮癌と比べ初診時節転移は少ない傾向です。進展や病理でリスクは変わります。
判断のポイント
本問は疾患名だけでなく、腫瘍の主な供血路を問う問題です。上顎洞癌では顎動脈を中心とする外頸動脈系からの供血が重要です。眼動脈が常に主栄養血管となるわけではありません。
鑑別・注意点
進展範囲に応じ、顔面動脈・顔面横動脈や眼動脈系からの供血が加わることがあります。特に篩骨洞や眼窩への進展では、眼動脈系の関与を評価します。「眼動脈からの供血はない」と言い換えるのも誤りです。
診断専門医 2025年度 問12
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問12 線維性骨異形成
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
小児の頭蓋顔面骨全体を膨隆させるすりガラス状基質は、通常の転移病変より線維性骨異形成を支持します。
b|誤り
侵襲性骨破壊や腫瘤状の腫瘍性類骨、骨膜反応などを評価する腫瘍で、提示像は良性骨基質置換の形態です。
c|誤り
副鼻腔から骨を破壊する軟部腫瘍より、骨そのものの膨張と内部基質変化が中心です。
d|誤り
腐骨や炎症性変化・臨床経過を伴う病態と比べ、今回の広い均一な基質変化は非炎症性の病変を支持します。
e|正しい
骨膨隆とすりガラス状基質が典型的です。GNAS活性化変異によるモザイク性病変で、通常は遺伝性ではありません。
判断のポイント
骨の膨隆を伴い、内部にすりガラス状の骨基質を認めることが手掛かりです。頭蓋顔面骨の線維性骨異形成を考えます。
鑑別・注意点
成因は単なる「不明」ではなく、受精後に生じるGNAS遺伝子の活性化変異によるモザイク性病変とされています。通常は遺伝性ではありません。正常骨が線維性組織と未熟骨に置き換わるため、骨の拡大・変形を来します。
診断専門医 2025年度 問13
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問13 歯原性角化嚢胞を考える下顎病変
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
失活歯の根尖を中心とする関係を確認する嚢胞で、今回の下顎内の長い進展を単純な根尖病変として説明しにくい像です。
b|誤り
通常は未萌出歯の歯冠を包む関係が重要です。提示断面ではその特徴が明瞭ではありません。
c|誤り
骨内を波状に広がることはありますが、通常は若年で偶発的な非上皮性空洞を考えます。今回の像では歯原性病変を優先します。
d|条件・画像に注意
下顎の長軸に沿う低吸収病変から第一候補です。ただし提示では膨隆もあり、単純CTのみでエナメル上皮腫を確実に除外しません。
e|条件・画像に注意
膨張性の嚢胞・充実性病変を作り、今回も重要な鑑別です。単純CTでは増強成分を評価できず、歯根との関係や病理を確認します。
判断のポイント
下顎骨内を前後方向に進展する嚢胞性病変で、歯原性角化嚢胞を第一候補として挙げます。ただし原本には膨隆もあり、エナメル上皮腫を膨隆の乏しさで除外する従来の理由は訂正します。
鑑別・注意点
エナメル上皮腫では、より強い頬舌方向の膨隆、歯根吸収、増強される充実成分などが手掛かりになります。ただし本問は単純CTの提示であり、造影結節が「ない」とは断定できません。両者の画像は重なり、解答例の不確実性は残ります。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2025年度 問14
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問14 石灰沈着性頸長筋腱炎
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
歯突起周囲の冠状石灰化はcrowned dens syndromeの特徴で、頸長筋腱前方の石灰化とは位置が異なります。
b|誤り
無菌性腱炎に伴う浮腫・液体貯留で、化膿性膿瘍が一般的に形成される病態ではありません。
c|誤り
反応性変化はあっても化膿性節腫大を典型とせず、目立つ場合は感染などを再検討します。
d|誤り
主にハイドロキシアパタイト沈着を考えます。CPPDによる歯突起周囲炎と区別します。
e|正しい
上位椎前の石灰化と浮腫から考える保存的治療です。感染の徴候があれば咽後膿瘍などを除外します。
判断のポイント
上位頸椎前方の頸長筋腱の石灰化と、椎前・咽後部の浮腫を組み合わせて考えます。ハイドロキシアパタイト沈着に伴う無菌性炎症で、局所安静とNSAIDsによる保存的治療が基本です。
鑑別・注意点
歯突起を取り囲む石灰化を示すcrowned dens syndromeとは、石灰化の位置を区別します。咽後膿瘍との鑑別では、輪状増強を伴う膿瘍や化膿性リンパ節などの感染所見を確認します。
診断専門医 2025年度 問15
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問15 骨軟骨腫と悪性転化
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
透析関連アミロイドーシスなどの特徴ではなく、皮質・髄腔が母床骨と連続する骨軟骨腫を考えます。
b|誤り
骨軟骨腫は通常良性です。若年に生じることと悪性腫瘍であることは別です。
c|誤り
夜間痛とNSAIDs反応が代表的な類骨骨腫とは、骨性突出と軟骨帽の像が異なります。
d|正しい
良性骨軟骨腫の軟骨帽から二次性軟骨肉腫が生じる可能性があります。成熟後増大や帽の肥厚を確認します。
e|誤り
良性でも軟骨帽周辺などに増強があり得ます。増強の有無だけで悪性と判定しません。
判断のポイント
母床骨と皮質・髄腔が連続する骨性隆起と、T2強調像で高信号の軟骨帽が手掛かりです。骨軟骨腫は良性ですが、軟骨帽から二次性軟骨肉腫が生じる可能性があります。
鑑別・注意点
骨成熟後の増大、新しい痛み、軟骨帽の肥厚などは悪性転化を疑う材料です。単発病変と遺伝性多発病変ではリスクが異なります。造影されることだけで悪性と判定しません。
診断専門医 2025年度 問16
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問16 類骨骨腫
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
皮質内の小さなnidusと強い周囲骨硬化、若年の夜間痛が合います。薄いCTで中心を確認します。
b|誤り
母床の皮質・髄腔に連続する外向き隆起と軟骨帽を認める病変ではありません。
c|誤り
一般により大きいnidus様病変で脊椎などに多く、今回の小さい皮質内病変と夜間痛では類骨骨腫を優先します。
d|誤り
若年単発の小皮質nidusと反応硬化は、通常の骨転移より良性の類骨骨腫に合います。
e|誤り
髄内のすりガラス状基質と膨張が典型で、小皮質nidusを中心とする病変とは異なります。
判断のポイント
大腿骨皮質内の小さなnidusと、その周囲の強い反応性骨硬化が手掛かりです。夜間痛を伴う臨床経過も類骨骨腫を支持します。
鑑別・注意点
nidusは一般に2cm未満の小病変です。骨芽細胞腫との区別は大きさだけで機械的に決めず、発生部位、疼痛の性質、骨硬化の程度なども考慮します。薄いスライスのCTはnidusの確認に有用です。
診断専門医 2025年度 問17
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問17 静脈奇形(設問の表記では血管腫)
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
神経の走行に沿う境界明瞭な腫瘤とtarget signなどを考える疾患で、今回の広い血管状・脂肪混在構造とは異なります。
b|誤り
浸潤性の粘液性腫瘍もT2高信号ですが、血管腔が集まり組織間へ広がる像は静脈性病変を支持します。
c|誤り
若年の深部大腿に生じますが、単一の粘液性腫瘤より血管状構造と脂肪の混在が目立ちます。
d|誤り
多血性肉腫なら太い流入血管なども評価します。今回の広い静脈腔主体の形態からは第一候補ではありません。
e|正しい
筋内から皮下へ広がる血管状のT2高信号と脂肪混在を認め、静脈奇形を考えます。ISSVAの血管性腫瘍との区別が重要です。
判断のポイント
筋内から皮下に広がるT2高信号の病変と、内部の血液貯留を思わせる構造から静脈奇形を考えます。脂肪成分や血栓・静脈石などが混在すると、信号は不均一になります。
鑑別・注意点
ISSVA分類では、血管性腫瘍と血管奇形を区別します。従来「血管腫」と呼ばれていた病変の一部は静脈奇形であり、すべてを腫瘍性の血管腫と同一視しないことが大切です。
診断専門医 2025年度 問18
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問18 全身性強皮症
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
痛風結節は骨びらんなどを来しますが、Raynaud現象と手指の石灰沈着の組合せは強皮症を優先します。
b|誤り
軟骨石灰化や急性関節炎が代表で、手指の皮下石灰化と末梢循環障害を一括して説明しません。
c|正しい
軟部石灰化にRaynaud現象、指の腫脹が伴うため支持されます。自己抗体・皮膚・臓器所見と統合します。
d|誤り
局所の腱付着部石灰化だけでは、複数指の石灰化とRaynaud現象という全身性所見を説明できません。
e|誤り
静脈石は鑑別ですが、血管性腫瘤より末梢循環障害を伴う結合組織疾患が合います。
判断のポイント
手指の軟部組織石灰化を、Raynaud現象や手指の腫脹と合わせて考えます。画像だけでなく、末梢循環障害と結合組織疾患の組み合わせから全身性強皮症を支持します。
鑑別・注意点
CRESTは、石灰沈着・Raynaud現象・食道運動障害・強指症・毛細血管拡張の頭文字です。ただしこの語だけで病型や臓器障害の程度を決めず、皮膚所見、爪郭毛細血管、自己抗体、肺病変などを総合します。
診断専門医 2025年度 問19
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問19 非骨化性線維腫
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
骨端まで及ぶ成熟骨の病変が典型で、今回は骨幹端偏心性・硬化縁を伴う病変です。
b|誤り
典型は脛骨前方皮質・骨幹部で、今回の後方骨幹端の境界明瞭な病変とは局在が異なります。
c|誤り
多房性・液面形成が特徴で、提示像の線維性T2低信号主体とは異なります。
d|誤り
若年の骨幹端偏心性病変として鑑別しますが、典型的な皮質側硬化縁と線維性信号では非骨化性線維腫を優先します。
e|正しい
骨幹端偏心性の硬化縁を伴う透亮像と線維性T2低信号が合います。良性でも増強を示すため造影だけで悪性としません。
判断のポイント
骨幹端に偏心性に位置する、硬化縁を伴う境界明瞭な透亮像が重要です。T2強調像での低信号も、線維性組織やヘモジデリンを反映して説明できます。
鑑別・注意点
線維性病変でも造影効果を示すことがあります。造影されるから悪性、T2低信号だから骨硬化性病変、と短絡しないようにします。骨端に及ぶ骨巨細胞腫や、液面形成の目立つ動脈瘤様骨嚢腫とは、局在と内部構造を比較します。
診断専門医 2025年度 問20
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問20 膝窩動脈外膜嚢腫
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
拡張した静脈の集合ではなく、動脈内腔の狭窄と動脈壁の液体病変が対応します。
b|誤り
神経由来の充実性腫瘤より、動脈壁に沿う多房性の嚢胞が目立ちます。
c|誤り
典型は半膜様筋腱と腓腹筋内側頭の間の滑液包で、今回は動脈壁自体の嚢胞と狭窄が重要です。
d|誤り
通常は低信号沈着や関節・腱病変などを考え、このような動脈外膜の液体病変を説明しません。
e|正しい
膝窩動脈壁に沿うT2高信号嚢胞が内腔を圧迫するため、歩行時症状と狭窄を説明できます。
判断のポイント
膝窩動脈の狭窄と、その壁に沿う多房性のT2高信号病変を組み合わせます。動脈壁の嚢胞が内腔を外側から圧迫する病態が、症状と画像をつなぎます。
鑑別・注意点
Baker嚢胞は典型的には腓腹筋内側頭と半膜様筋腱の間に位置します。嚢胞が動脈壁そのものに沿うかを確認します。治療は症状と血流障害に応じて検討され、単純な血管形成術は再発の問題があるため一般的な第一選択ではありません。
診断専門医 2025年度 問21
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問21
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
通常は荷重時期の近位脛骨内側の成長障害で、乳児の全身症状と多骨の骨膜・骨幹端変化を説明しません。
b|誤り
骨脆弱性、骨折・変形が主体で、皮疹と炎症性骨変化の組合せは先天感染を支持します。
c|正しい
骨膜反応と骨幹端・骨軟骨病変を、乳児期の皮疹・全身衰弱と合わせて考えます。母体歴・血清検査が必要です。
d|誤り
局所のすりガラス状骨基質と膨張が典型で、今回の全身性炎症と骨膜反応には合いません。
e|誤り
骨幹端の皮質・髄腔に連続した外向き骨性突出が特徴で、今回の像とは異なります。
判断のポイント
先天性梅毒では、乳児期の皮疹や全身症状に加え、長管骨の骨膜炎・骨軟骨炎・骨幹端炎を認めます。骨所見を皮疹と合わせて評価する設問です。
鑑別・注意点
母体の感染・治療歴と児の血清学的検査を合わせて診断します。骨膜炎や骨幹端病変は、長管骨全体を観察して評価します。
診断専門医 2025年度 問22
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問22
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
肺の陰影だけでは鑑別しますが、末梢神経障害を伴う全身性血管炎の背景を説明するには不十分です。
b|誤り
気管支拡張は見られますが、画像上の一所見であり、神経症状を含めた原因疾患としてEGPAを検討します。
c|誤り
急性感染なら検査・経過で評価しますが、末梢神経障害と気道・肺所見の組合せは単純なCOVID-19だけでは説明しにくい状況です。
d|誤り
両側肺門節腫大やリンパ路性結節の典型像より、気道病変と末梢神経症状の組合せを重視します。
e|条件・画像に注意
末梢神経障害と気道・すりガラス病変から第一候補です。ただし喘息、好酸球数、ANCA等が未提示であり、画像だけでは確定しません。
判断のポイント
肺のすりガラス影・気道病変と末梢神経障害を組み合わせ、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)を考えます。肺画像だけでなく全身の血管炎症状が診断の手掛かりです。
鑑別・注意点
喘息歴、好酸球数、ANCA、皮膚・神経所見を確認します。分類基準は研究用の枠組みであり、画像所見だけで確定診断するものではありません。
診断専門医 2025年度 問23
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問23
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|誤り
肺実質や節性炎症より、側面像で前縦隔に位置する境界明瞭な腫瘤を考えます。
b|正しい
前縦隔の腫瘤の主要鑑別です。CTで内部性状・浸潤を評価し、単純写真で病理を確定しません。
c|誤り
通常は傍脊椎・後縦隔で椎間孔との連続を確認する病変で、今回の前方局在と合いません。
d|正しい
前縦隔なら胸腺原発神経内分泌腫瘍が候補となります。神経原性の後縦隔腫瘍と混同しません。
e|誤り
通常は両側肺門・縦隔節腫大を考え、孤立した前縦隔腫瘤像の第一候補ではありません。
判断のポイント
側面像で前縦隔に位置する病変として、胸腺腫と胸腺原発の神経内分泌腫瘍が鑑別に入ります。まず病変の発生区画を特定してから組織型を絞ります。
鑑別・注意点
前縦隔の腫瘤には胚細胞腫瘍やリンパ腫も含まれます。単純X線で組織型を確定せず、CTで脂肪・石灰化・内部性状・周囲への進展を評価します。
診断専門医 2025年度 問24
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問24
解答例:aを出題想定(生検の適否は臨床状況による)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
MTX関連LPDを疑う安定例では休薬後の退縮を評価することがあります。ただし生検が絶対不適切なのではなく、増大・臓器障害や不確定病変では早期組織診断が必要です。
b|正しい
休薬と併せた短期画像評価で消退・増大を確認します。放置する意味ではなく症状や悪化に応じ迅速に再評価します。
c|正しい
疑いが強ければ処方医と調整して休薬し、病変退縮と関節疾患の状態を評価します。
d|正しい
EBV関連LPDの評価に役立つ場合があります。ただし陽性・陰性だけで診断を確定または否定しません。
e|正しい
病勢評価の補助として用い得ますが、炎症などでも上昇し、LPD全例で必須の上昇ではありません。
判断のポイント
MTX使用中の関節リウマチ患者に新たな肺病変が生じた場合、MTX関連リンパ増殖性疾患を鑑別します。MTX中止後に病変が退縮する症例があります。安定した疑い例の休薬観察と、持続・増大や臓器障害がある場合の組織診断を分け、生検を絶対禁忌とはしません。
鑑別・注意点
EBV関連所見やsIL-2R上昇は全例に必須ではなく、単独で診断できません。中止後も縮小しない・増大する場合や臓器障害を伴う場合は、組織診断と血液内科での評価が必要です。
診断専門医 2025年度 問25
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問25
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
肺胞上皮の前腫瘍性変化は、この樹枝状の高吸収骨化構造の病理に対応しません。
b|誤り
肺動脈壁の石灰化なら血管走行・壁と一致します。提示像は末梢間質の分岐する骨化を考えます。
c|誤り
肺胞微石症の微小結石はびまん性砂粒状になり、今回の細かい分岐状の骨構造とは異なります。
d|誤り
アミロイド沈着でも石灰化し得ますが、結節・気道壁などの分布と比較し、今回の樹枝状骨化を直接説明する第一候補ではありません。
e|正しい
骨条件でも高吸収が残る肺底部末梢の分岐状構造は樹枝状肺骨形成に合います。間質内の骨形成を考えます。
判断のポイント
肺底部・末梢優位の樹枝状の高吸収構造は、樹枝状肺骨形成を示唆します。単なる石灰化小結節ではなく、細かく分岐する形態を捉えることが要点です。
鑑別・注意点
線維化などの基礎疾患に伴う例と、明らかな原因のない特発性の例があります。肺胞微石症のびまん性微細石灰化とは形態・分布で区別します。
診断専門医 2025年度 問26
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問26
解答例:c
選択肢別の解説
a|候補となる
肺尖・傍縦隔由来であれば肺癌も鑑別になります。肺・縦隔のどちらを中心とするか評価します。
b|候補となる
上縦隔・傍脊椎の神経走行と関連する充実性腫瘤として鑑別します。
c|可能性が最も低い
縦隔胚細胞腫瘍は典型的に前縦隔です。今回の後方寄りの局在と年齢から候補の中で低くなります。
d|候補となる
後縦隔の交感神経系に沿う腫瘍として候補です。石灰化や神経孔・血管との関係も評価します。
e|候補となる
胸膜に接する充実性腫瘤を作るため、この位置関係なら鑑別に残ります。画像だけで組織型は確定しません。
判断のポイント
病変の中心が前縦隔以外にあることから、前縦隔を典型的発生部位とする縦隔精上皮腫の可能性が最も低くなります。神経原性腫瘍などは発生部位と整合します。
鑑別・注意点
最も可能性が低い疾患を選ぶ設問です。「精上皮腫と診断した」という意味ではありません。
診断専門医 2025年度 問27
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問27
解答例:b
選択肢別の解説
a|初回からは通常選ばない
小さい部分充実型では炎症性の一過性陰影もあり、初回から侵襲的確定診断へ直行しません。
b|推奨される
検診での全体径7 mmの部分充実型を想定すると、約3か月で持続・消退を確認する国内指針に対応します。
c|初回として遅い
経過観察の後続時点にはなりますが、初回は短期の持続確認が先です。
d|初回として遅い
初回から1年間空けず、部分充実成分を含む病変の持続と増大を早期に確認します。
e|初回からは通常選ばない
現時点で直ちに手術生検を選ぶより、薄層CTで持続・充実部を評価します。増大などがあれば診断方針を変更します。
判断のポイント
小さな部分充実型結節は炎症でも出現するため、短期の薄層CTで残存・増大を確認します。本設問では3か月後のCTによる再評価を選びます。
鑑別・注意点
結節全体径と充実成分径を分けて計測し、その後の間隔・精査方針は検診ガイドラインに沿って決めます。検診でのアルゴリズムを、既知の悪性腫瘍患者などへ無条件には適用しません。
診断専門医 2025年度 問28
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問28
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
結核では空洞や気道散布、感染背景を評価します。今回の低FDG集積の肺炎様病変では粘液性腫瘍も重要です。
b|誤り
肺炎様でも持続性、細胞密度を反映した低集積、画像内部の構造を考慮します。FDG低集積だけで感染を完全否定はしません。
c|誤り
典型的には充実性で高FDG集積が多く、今回の肺炎様・低集積病変では第一候補ではありません。
d|条件・画像に注意
粘液に富む病変は肺炎様浸潤影を示し、細胞密度が低くFDG集積が乏しい場合があります。確定には病理が必要です。
e|誤り
非粘液性でも低集積例はありますが、今回の形態と集積の組合せでは粘液性を優先します。
判断のポイント
肺炎様の浸潤影と乏しいFDG集積の組み合わせから、浸潤性粘液性腺癌を考えます。粘液の多い病変では細胞密度などの影響でFDG集積が低くなることがあります。
鑑別・注意点
FDG低集積は良性を保証しません。粘液性腺癌でも浸潤成分が多い部分は集積し得るため、CT形態と経時変化を合わせて評価します。
診断専門医 2025年度 問29
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問29
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
上肺野優位結節を来しますが、不整形嚢胞と喫煙背景はLCHを支持します。職業曝露歴も確認します。
b|誤り
気腫は壁が乏しい低吸収域が主体です。結節と壁をもつ不整嚢胞の混在とは異なります。
c|誤り
リンパ路性結節と節腫大が典型で、喫煙者の上肺優位の奇異な嚢胞を第一に説明しません。
d|誤り
通常は女性の均一な薄壁嚢胞がびまん性に分布します。今回の男性喫煙者・不整形嚢胞と異なります。
e|正しい
喫煙歴に上中肺優位の結節と不整形嚢胞が合います。単なる気管支拡張とせず、嚢胞形成と肺底部の相対温存を評価します。
判断のポイント
喫煙歴を背景に、結節と不整形の嚢胞が混在する場合は肺Langerhans細胞組織球症を考えます。上・中肺野優位、肋骨横隔膜角の相対的温存も手掛かりです。
鑑別・注意点
気管支拡張そのものを診断根拠にするのではなく、嚢胞の形と結節との混在を確認します。禁煙が治療の基本です。
診断専門医 2025年度 問30
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問30
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
ランダムなら小葉構造と無関係に結節が分布します。今回は隔壁・気管支血管束などへの偏りを評価します。
b|誤り
小葉全体を均一に占める表現で、リンパ路に沿う粒状影・隔壁肥厚の局在を最もよく表しません。
c|誤り
小葉辺縁という位置の一部だけを表すより、気管支血管束を含むリンパ路性分布が適します。
d|誤り
中心性なら胸膜・葉間面直下を相対的に避けます。今回の周辺・隔壁所見とは異なります。
e|正しい
気管支血管束、小葉間隔壁、胸膜側のリンパ路に沿う分布を示します。癌性リンパ管症などでみられますが病理を画像だけで確定しません。
判断のポイント
小葉間隔壁や気管支血管束、胸膜に沿う小結節はリンパ路に沿った分布です。悪性腫瘍の背景があれば癌性リンパ管症を鑑別します。
鑑別・注意点
perilymphaticは小葉辺縁だけでなく、気管支血管束周囲も含みます。小葉中心性・ランダム分布との違いを、胸膜・葉間裂への接し方から判断します。
診断専門医 2025年度 問31
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問31
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
前接合線は前縦隔上方の左右肺接合部です。今回主に評価する右下縦隔の境界とは位置が違います。
b|誤り
後接合線は上縦隔後方の左右肺接合によるもので、今回の下部傍食道輪郭の評価とは異なります。
c|誤り
右気管傍線は上縦隔で気管右側に沿います。今回の疑わしい下部境界とは異なります。
d|条件・画像に注意
右下縦隔の奇静脈・食道と右肺の境界に異常を疑います。単純写真一枚では原因確定せず、過去画像やCTで偏位・消失を確認します。
e|誤り
大動脈弓と左肺動脈間の左上縦隔の窓で、今回の右傍食道領域とは位置が異なります。
判断のポイント
奇静脈食道線の偏位・膨隆に注目します。この線は右肺と食道を含む縦隔との境界を表し、形の変化は縦隔病変を見つける手掛かりになります。
鑑別・注意点
境界線が見えないことだけで異常とは限りません。正常な位置・走行と比較し、病的な凸状変化や偏位があるかを確認します。
診断専門医 2025年度 問32
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問32
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
流入動脈、瘤状部、流出静脈の連続と造影を確認し、肺動静脈瘻の構築を評価します。
b|正しい
症状・HHTの有無などに応じ脳塞栓、膿瘍や関連脳血管病変の評価を検討します。全例同じ適応とするわけではありません。
c|誤り
血管性病変を疑うため、腫瘤として穿刺すると重篤な出血のおそれがあります。血管構築を先に確認します。
d|正しい
血管の流入・流出を立体的に示し、塞栓治療などの計画に役立ちます。
e|正しい
右左シャントによる酸素化低下を評価します。正常値でも小さい瘻を否定できません。
判断のポイント
流入肺動脈と流出肺静脈に連続する血管性病変は肺動静脈瘻を示唆します。血管性と判定した病変に経皮的生検を行うと重篤な出血の危険があります。
鑑別・注意点
造影CTで血管構築を確認し、右左シャント、低酸素血症、奇異性塞栓・脳膿瘍のリスクを評価します。遺伝性出血性毛細血管拡張症の合併も確認します。
診断専門医 2025年度 問33
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解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
慢性曝露歴と上肺結節・線維化などが代表で、急な呼吸不全と広い淡い小葉中心影の組合せとは異なります。
b|誤り
空洞、気道散布や感染背景も評価しますが、この広い非線維性すりガラス・粒状像では第一候補ではありません。
c|条件・画像に注意
びまん性すりガラス影の鑑別に残ります。免疫抑制の記載がないことだけでは除外せず、背景と微生物検査で区別します。
d|誤り
慢性副鼻腔炎、気道散布影、気管支拡張などの慢性経過が代表で、今回の急な広範実質病変とは合いにくい状況です。
e|条件・画像に注意
小葉中心の淡い粒状影とすりガラスの分布から第一候補です。抗原曝露、呼気CT、BALなどを合わせ、感染との区別を行います。
判断のポイント
びまん性のすりガラス影に、小葉中心性の淡い結節やモザイク状の濃度差が加わる点から、非線維化性過敏性肺臓炎を考えます。小気道病変を伴うことが重要です。
鑑別・注意点
免疫不全の記載がないことだけでニューモシスチス肺炎を除外するのは不適切です。抗原曝露歴、呼気CTでのair trapping、気管支肺胞洗浄などで鑑別を進めます。
診断専門医 2025年度 問34
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問34
解答例:c
選択肢別の解説
a|代表所見ではない
珪肺で高度線維化はあり得ますが、提示の上肺結節と石灰化節から予測する基本所見は胸膜下結節です。
b|代表所見ではない
胸膜病変に伴うcomet-tailを示す無気肺は、珪肺の主要な基本所見ではありません。
c|考えやすい
上肺優位結節と高度に石灰化した肺門・縦隔節から珪肺を考え、リンパ路性の胸膜下小結節を予測します。
d|代表所見ではない
進行線維化に伴い得ますが、今回の疾患の基本的粒状影の分布を最も直接表す選択肢ではありません。
e|代表所見ではない
石綿関連などの胸膜疾患で重要な所見で、珪肺の代表的主体とは異なります。
判断のポイント
上肺野優位の小結節と、肺門・縦隔リンパ節の石灰化から珪肺を考えます。胸膜下・葉間裂沿いの小結節も認められる分布です。
鑑別・注意点
卵殻状石灰化や大陰影がなくても珪肺は否定できません。粉じん曝露の職歴と、他のリンパ路分布疾患を合わせて評価します。
診断専門医 2025年度 問35
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問35
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
高吸収粘液栓からABPAを考え、喘息などの気道過敏・アレルギー背景を確認します。喘息のない症例もあります。
b|誤り
典型は侵襲性真菌感染とは異なり、重い免疫低下を必須背景としません。
c|誤り
結節周囲の出血などを示し、特に侵襲性肺アスペルギルス症で重要です。粘液栓主体のABPAの代表ではありません。
d|誤り
既存空洞内の菌球周囲の空気像などを示す語で、今回の気管支粘液栓とは異なります。
e|誤り
侵襲性病変の壊死・回復過程や菌球でもみられますが、今回の粘液栓型の主特徴ではありません。
判断のポイント
非造影CTで傍脊柱筋より高吸収の粘液栓を認めることは、ABPAを強く示唆する所見です。気管支拡張や粘液栓を肺野条件・縦隔条件の両方で確認します。
鑑別・注意点
halo signやair crescent signは別の病態でも生じ、単独で病型を断定しません。喘息などの背景、Aspergillus特異的IgE、総IgE、好酸球数と統合します。
診断専門医 2025年度 問36
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問36 冠動脈起始異常
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
左冠動脈洞側から右冠動脈が出る異常起始・走行を評価します。起始部と大血管間・壁内経路の確認が重要です。
b|誤り
左心耳内の持続する造影欠損を示す病変が主所見ではありません。早期相の混合不良とも区別します。
c|誤り
肺静脈の連続性・閉塞が中心ではなく、大動脈基部の冠動脈走行に注目します。
d|誤り
上大静脈内の充盈欠損ではなく、冠動脈の起始・経路の異常を認めます。
e|誤り
肺動脈弁の付着性腫瘤を示す所見ではありません。必要時は心エコーで評価します。
判断のポイント
右冠動脈が左冠動脈洞側から起始する走行を認めます。冠動脈起始異常では、起始部だけでなく大血管との位置関係、壁内走行や入口部の狭窄も確認します。
鑑別・注意点
リスクの大小を逆に覚えないことが重要です。一般に、右冠動脈の左冠動脈洞起始よりも、左冠動脈の右冠動脈洞起始の方が突然死との関連が強いとされます。ただし個々のリスクは症状、虚血、走行・入口部の形態などで評価します。
診断専門医 2025年度 問37
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問37
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
拡張した奇静脈が上大静脈へ連続し、下半身の静脈血が奇静脈系へ迂回する構築を考えます。
b|正しい
通常の下大静脈肝部が連続しない所見と奇静脈拡張を合わせ、肝部中断・奇静脈連結を考えます。
c|誤り
大動脈両側に腎下部静脈が並ぶ典型的重複像ではありません。
d|誤り
二つの動脈弓が気管・食道を囲む動脈系の異常とは異なります。
e|誤り
肺静脈の一部が体静脈へ流れる異常で、今回の拡張奇静脈と下大静脈中断を直接示す説明ではありません。
判断のポイント
肝部下大静脈の連続性を欠き、下半身の静脈還流が拡張した奇静脈を経て上大静脈へ流れる奇静脈連結です。拡張血管を縦隔腫瘤と取り違えないことが要点です。
鑑別・注意点
肝静脈の右房への流入や、他の静脈奇形・内臓錯位の合併も確認します。中心静脈手技や手術の前に走行を共有します。
診断専門医 2025年度 問38
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問38
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
主に小児の冠動脈瘤・狭窄などを評価する疾患で、若年女性の大動脈・分枝壁病変とは典型が異なります。
b|正しい
若年女性の大型血管壁病変と潰瘍性大腸炎の背景が支持します。狭窄・壁厚・活動性を全血管で評価します。
c|誤り
大動脈基部拡張・解離は来しますが、炎症性壁病変と潰瘍性大腸炎の関連を最も説明する疾患ではありません。
d|誤り
感染性の局所嚢状瘤や周囲炎症、菌血症を確認する病態で、今回の背景・分布では第一候補ではありません。
e|誤り
通常50歳以上に発症する大型血管炎で、今回の年齢では高安動脈炎を優先します。
判断のポイント
大動脈の病変と若年女性・潰瘍性大腸炎の背景から高安動脈炎を考えます。潰瘍性大腸炎との合併とHLA-B*52:01の関連が報告されています。
鑑別・注意点
上行大動脈の拡張だけでは特異的ではありません。壁肥厚・造影、分枝血管の狭窄、炎症反応などを評価します。
診断専門医 2025年度 問39
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問39
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
拡張・収縮低下だけなら候補ですが、房室ブロックと斑状の中隔炎症・非虚血性増強はサルコイドを支持します。
b|誤り
冠動脈領域に沿う心内膜下~貫壁性の増強が典型で、斑状の非冠動脈性分布と異なります。
c|誤り
過剰な肉柱と非緻密化層の形態を診断する病態で、今回の主要所見ではありません。
d|誤り
びまん性心内膜下・全周性の増強や壁肥厚が典型で、今回の局在する炎症・伝導障害とは異なります。
e|正しい
房室ブロックに中隔主体の斑状遅延増強・T2異常が合います。全身所見やFDGなどと統合します。
判断のポイント
心筋中隔の非虚血性の遅延造影を、伝導障害などの臨床所見と合わせて心臓サルコイドーシスと判断します。冠動脈支配に一致する梗塞の分布とは区別します。
鑑別・注意点
遅延造影は心筋障害・線維化の指標で、炎症活動性そのものを示すとは限りません。FDG-PETや心機能、他臓器所見と統合します。
診断専門医 2025年度 問40
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問40
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
冠動脈病変が代表で、下行大動脈の限局狭窄と広い体壁側副路の原因としては第一候補ではありません。
b|正しい
下行大動脈の狭窄と内胸・肋間などの側副血行路を認め、下半身への血流障害を説明できます。
c|誤り
大動脈基部の拡張や解離を考える病態で、今回の狭窄と側副路主体の構築と異なります。
d|誤り
年齢が合いにくく、活動性の血管壁炎症を示す根拠より限局性縮窄を考える像です。
e|誤り
弁輪・基部拡張を示す病態で、下行大動脈狭窄を直接説明しません。
判断のポイント
大動脈峡部付近の狭窄と、肋間動脈・内胸動脈などの側副血行路が大動脈縮窄症を示唆します。上肢高血圧や上下肢の血圧差も確認します。
鑑別・注意点
肋間動脈の拡張は肋骨下縁の圧痕を生じます。狭窄の長さ・位置と、二尖弁などの合併心疾患も評価します。
診断専門医 2025年度 問41
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問41
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
clumpedは非腫瘤性増強の内部に集簇した塊状増強を示す語です。今回は腫瘤周辺の輪状増強を表します。
b|誤り
非腫瘤性増強内の微細な輪状増強の集合を示します。一つの腫瘤の太い辺縁増強とは区別します。
c|誤り
内部が一様に増強される状態で、中心と辺縁の増強差がある今回とは異なります。
d|正しい
腫瘤周辺部が中心より強く輪状に増強されるパターンです。形・辺縁と内部増強は別に記載します。
e|誤り
増強腫瘤内の低信号隔壁を示す語で、辺縁が強く増強する今回の主パターンではありません。
判断のポイント
腫瘤の周辺部が輪状に強く増強される内部増強パターンをrim enhancementと呼びます。腫瘤の形・辺縁・内部増強を分けて記述します。
鑑別・注意点
輪状増強だけで組織型を確定するものではありません。動態曲線、T2信号、拡散、周辺所見を合わせて評価します。
診断専門医 2025年度 問42
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問42
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
典型的な乳頭直下の女性化乳房なら直ちに穿刺する前に原因を評価します。偏心性硬結など非典型例では生検を検討します。
b|正しい
疼痛と乳頭直下の乳腺増生から女性化乳房を考え、抗アンドロゲン薬など原因薬剤を確認します。
c|誤り
通常、典型的女性化乳房の次の検査として造影MRIを必要としません。
d|誤り
画像だけで無条件の定期観察へ進む前に、薬剤や内分泌・肝腎疾患などの原因を確認します。
e|誤り
乳房腫瘍マーカーで女性化乳房と悪性を確定する検査ではなく、初期対応の中心とはしません。
判断のポイント
乳頭直下を中心に乳腺組織が増生する所見から女性化乳房を考え、原因となる薬剤の処方歴を確認します。画像所見だけを理由に直ちに造影MRIへ進む設問ではありません。
鑑別・注意点
ホルモン療法や抗アンドロゲン薬などのほか、肝・腎疾患や内分泌疾患も確認します。偏心性の硬い腫瘤や乳頭分泌などがあれば男性乳癌の精査が必要です。
診断専門医 2025年度 問43
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問43
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
薄い境界の内側に脂肪と乳腺組織が混在し、脂肪抑制で高信号が落ちる像が合います。
b|誤り
乳腺のびまん性・嚢胞性変化より、脂肪を取り込んだ被膜様境界の腫瘤が主体です。
c|誤り
浸潤による構築の乱れや腫瘤を考える疾患で、脂肪と正常乳腺様組織の整った混在像とは異なります。
d|誤り
不整な充実性腫瘤が典型で、今回の内部脂肪を含む過誤腫様構成を最も説明する診断ではありません。
e|誤り
乳管に沿う非腫瘤性増強・石灰化などが典型で、この脂肪性の被包化腫瘤像とは異なります。
判断のポイント
脂肪と線維腺組織が混在し、薄い被膜で境界される乳房腫瘤は過誤腫に典型的です。マンモグラフィの内部脂肪を確認します。
鑑別・注意点
内部構成は症例により異なります。典型性を欠く結節成分や新たな増大があれば、過誤腫の名称だけで良性と決め付けません。
診断専門医 2025年度 問44
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問44
解答例:a
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
高いT2信号と漸増性の増強から粘液成分を考え、第一候補です。不整形・内部不均一でも画像だけで混合型までは確定しません。
b|誤り
感染・炎症なら皮膚肥厚、浮腫、膿瘍と臨床症状を評価します。今回の粘液性腫瘤の像とは異なります。
c|誤り
大きい分葉状腫瘤と裂隙状構造などを示す場合がありますが、今回の信号と動態では粘液癌を優先します。
d|誤り
浸潤性・低T2成分や非腫瘤性進展が代表で、著明な粘液様T2高信号を第一に説明しません。
e|誤り
非腫瘤性・区域性増強が代表で、今回の粘液に富む腫瘤の特徴とは異なります。
判断のポイント
粘液に富む乳癌ではT2強調像で高信号を示します。不整形と不均一な増強を伴う本例では、粘液癌を第一に考えます。
鑑別・注意点
純型・混合型は病理学的な分類です。MRIで傾向は推定できますが、画像だけで混合型と確定できません。
診断専門医 2025年度 問45
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問45
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
上部食道で胃管が巻くなどの像を確認する疾患で、胃・十二指腸の二つのガス拡張を直接説明しません。
b|誤り
通常は多数の拡張小腸ガスを呈し、近位消化管だけのdouble bubbleとは異なります。
c|正しい
胃と近位十二指腸の拡張、遠位腸管ガスの乏しさが合います。不完全閉塞や中腸軸捻転も臨床で評価します。
d|誤り
遠位結腸の機能的閉塞で、通常はより広い腸管拡張を考えます。
e|誤り
通常は生後数週以降の非胆汁性嘔吐で発症します。出生直後のdouble bubbleとは異なります。
判断のポイント
胃と近位十二指腸の拡張によるdouble bubble signから十二指腸閉鎖を考えます。遠位腸管ガスの有無を確認します。
鑑別・注意点
不完全閉塞や腸回転異常に伴う中腸軸捻転でも近位消化管が拡張します。胆汁性嘔吐では緊急性の高い鑑別を外さないことが重要です。
診断専門医 2025年度 問46
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問46 臍動脈・臍静脈カテーテルの読影
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
新生児のポータブル撮影で回旋は評価しますが、提示像を特定の左前斜位撮影と判断する根拠はありません。
b|誤り
経鼻胃管は左上腹部の胃内に先端があり、十二指腸まで進んだ走行とはしません。
c|誤り
気管内チューブは気管内下方まで達し、浅い位置という判断ではありません。頭位による移動にも注意します。
d|誤り
臍から肝へ向かう静脈側と、骨盤で折り返す動脈側の走行を区別します。示された高位先端をUVCとして数えるのは不適切です。
e|正しい
骨盤へ下降してから頭側へ上がるUACをたどると、先端は胸部下行大動脈にあります。高さだけでなく走行から判別します。
判断のポイント
臍動脈カテーテルは、臍からいったん骨盤側に下降した後、大動脈に沿って頭側へ上行します。この折り返す走行をたどると、静脈カテーテルと区別しやすくなります。
鑑別・注意点
一般的な高位UACの先端目安はT6〜T9です。UVCは下大静脈・右房接合部が適切な位置で、X線の椎体高ではT8〜T9が目安ですが、解剖学的位置を優先して超音波などでも確認します。先端の高さだけで動静脈を取り違えないことが大切です。
診断専門医 2025年度 問47
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問47
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
脳実質の局所炎症より、骨条件・VRでの縫合と頭蓋形態の異常が直接的所見です。
b|誤り
骨折線は縫合の骨性閉鎖と区別します。今回の頭蓋形態と縫合消失を説明する第一候補ではありません。
c|誤り
閉塞性水頭症なら上流脳室の拡大が重要で、縫合の早期癒合そのものを説明しません。
d|正しい
年齢に対して開存すべき縫合が消失し、対応する頭蓋形態異常を示すことが根拠です。
e|誤り
頭蓋の打ち抜き状骨欠損やbeveled edgeなどの溶骨性所見が代表で、縫合癒合とは異なります。
判断のポイント
骨条件と3D像で、本来開存しているべき頭蓋縫合の消失・骨性癒合を評価します。縫合の早期閉鎖と頭蓋形態の変化が頭蓋骨早期癒合症の直接的な根拠です。
鑑別・注意点
縫合の開存を骨条件・3D像で追い、年齢に応じた正常の閉鎖時期と比較します。頭蓋形態と閉鎖した縫合の対応も確認します。
診断専門医 2025年度 問48
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問48 ガレン大静脈領域の血管奇形
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
直静脈洞は後上方の硬膜側へ続く流出経路で、視床後方正中の大きい嚢状構造の主座とは区別します。
b|誤り
脳底静脈は中脳側方を走る左右の静脈で、今回の大きい正中血管構造とは位置が異なります。
c|誤り
内大脳静脈は第三脳室上方を左右一対で走行し、より後方の大きい正中拡張部とは区別します。
d|正しい
いわゆるガレン大静脈瘤の部位です。厳密には胎生期前脳正中静脈の遺残にシャントが流入し、胎児心拡大を来します。
e|誤り
大脳鎌上縁に沿う静脈洞で、深部正中の病変とは位置が異なります。
判断のポイント
視床の後方、正中のガレン大静脈領域に大きな血管性構造を認めます。胎児期の心拡大を伴う場合には、大きな動静脈シャントによる循環負荷も考えます。
鑑別・注意点
いわゆるガレン大静脈瘤(VGAM)は、厳密には正常なガレン大静脈の単純な瘤化ではありません。胎生期の前脳正中静脈が遺残し、動静脈シャントによって拡張する病変です。別の動静脈奇形の流出路として真のガレン大静脈が拡張する病態とは区別します。
診断専門医 2025年度 問49
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問49
解答例:c
選択肢別の解説
a|鑑別に入る
多血性HCCは動脈相で増強するため、背景肝と後続相のwashout等を確認して比較します。
b|鑑別に入る
血液を含む腔の分布・充満により多発性の強い増強を示し得ます。ただし今回の一相のみで紫斑病と確定しません。
c|可能性が最も低い
通常は多発する低吸収・乏血性結節や膿瘍性辺縁増強を考え、多発する強い血液プール様増強病変としては候補中で低くなります。
d|鑑別に入る
早期の結節状増強などを示す血管性病変として鑑別します。後続相で血液プールと同調するか確認します。
e|鑑別に入る
甲状腺癌などの多血性腫瘍は多血性肝転移を来し得ます。原発歴と全身画像も確認します。
判断のポイント
最も考えにくい病変を選ぶ設問です。提示された多血性の所見を、真菌性膿瘍に多い低吸収・辺縁増強などと比較してcを選びます。肝紫斑病は鑑別の一つであり、本例を確定診断したような従来の説明を訂正します。
鑑別・注意点
典型的な肝血管腫と同じ造影パターンを必ず示すわけではありません。画像のみで確定せず、薬剤歴・基礎疾患と他の肝腫瘍との鑑別を行います。
診断専門医 2025年度 問50
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問50
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
骨盤内感染が肝周囲へ波及するため、骨盤の炎症所見や原因菌を調べます。
b|誤り
抗ミトコンドリア抗体は原発性胆汁性胆管炎の指標で、この感染性肝周囲炎の代表ではありません。
c|誤り
胆管炎・硬化性胆管炎が主病態ではなく、肝表面の炎症を考えます。
d|誤り
悪性腫瘍の原発巣検索を必要とする播種の設問ではありません。骨盤内感染源を評価します。
e|正しい
腹膜性炎症が主体のため、腹膜に覆われないbare areaには所見が出にくいことが整合します。
判断のポイント
骨盤内感染に伴う肝周囲炎であるFitz-Hugh–Curtis症候群を考えます。右上腹部痛と肝被膜の造影増強が手掛かりです。
鑑別・注意点
被膜の増強は動脈相で明瞭となり、門脈相で目立たなくなることがあります。肝実質の炎症とは区別し、骨盤内の炎症所見も確認します。
診断専門医 2025年度 問51
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問51
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
典型的FNHは良性の過形成性病変で、一般的な前癌病変ではありません。
b|誤り
典型像なら生検不要ですが、非典型例で他腫瘍との区別に必要となる場合まで絶対禁忌とはしません。
c|正しい
血管を含む中心瘢痕がFNHを支持します。動脈相濃染と肝細胞相の取り込みも合わせて判断します。
d|誤り
無症候で典型的なFNHを、径5 cmという条件だけで一律に切除しません。肝細胞腺腫の方針と区別します。
e|誤り
通常は腫瘍マーカー上昇を特徴としません。上昇時は背景疾患や他腫瘍も評価します。
判断のポイント
動脈相で強く増強し、EOB肝細胞相でも造影剤を取り込む病変は、限局性結節性過形成(FNH)に合う所見です。中心瘢痕があれば診断を支持します。
鑑別・注意点
典型的画像所見を満たす無症候性FNHでは、通常は治療を要しません。非典型例や背景肝疾患がある場合は、肝細胞腺腫・肝細胞癌などを再検討します。
診断専門医 2025年度 問52
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問52
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
血管支配に沿う楔状無造影域が代表で、今回は多数の類円形低吸収結節です。
b|誤り
単発で比較的強い増強を示すことが多く、今回の多発する乏血性結節とは典型が異なります。
c|誤り
出血や壊死を伴う不均一な悪性血管性腫瘤が代表で、今回の均等な多発結節からは第一ではありません。
d|条件・画像に注意
造影CTで脾臓に多数の低吸収結節があり、肉芽腫性病変を第一に考えます。胸部などの全身所見や必要に応じ病理と合わせて診断します。
e|誤り
門脈圧亢進に伴う微小なヘモジデリン・線維化結節が典型で、今回の比較的大きい多発低吸収結節とは異なります。
判断のポイント
原本は造影CTであり、脾臓の多発低吸収結節を評価します。肺門・縦隔リンパ節などの全身所見と合わせてサルコイドーシスを考えます。提示されていないMRIのT2信号を根拠としていた説明を訂正します。
鑑別・注意点
多発低吸収結節だけでは特異的ではなく、リンパ腫、感染や血管性病変なども鑑別します。T2信号・磁化率・ADCはMRIを追加した場合の評価であり、このCTのみから推測しません。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2025年度 問53
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問53 急性膵炎の貯留を分類する
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
慢性膵炎背景などの主膵管拡張を評価します。今回の膵炎像と併存し得ます。
b|条件・画像に注意
提示では成熟した壁をもつ均一な液体嚢胞が明瞭でなく、仮性嚢胞という分類は不適切です。ただし慢性膵炎なら以前からの嚢胞が存在し得るため、発症3日という時間だけで否定しません。
c|正しい
膵周囲の炎症・液体が腎周囲や前腎傍腔へ広がる所見を評価します。
d|正しい
発症早期で非液化壊死を含む膵・膵周囲貯留はANCに分類します。内容と被膜の有無を順に確認します。
e|正しい
炎症性変化が肝周囲へ及ぶことがあり、膵周囲だけに範囲を限定して読みません。
判断のポイント
膵・膵周囲の壊死性変化に対して、明瞭な壁で包まれた均一な液体貯留は確認しにくく、仮性嚢胞という表現は適切ではありません。壊死を含むか、壁が形成されているかを順に見ます。
鑑別・注意点
改訂Atlanta分類では、早期の壊死性貯留はANC、成熟した壁を持つ壊死性貯留はWONと呼びます。仮性嚢胞は原則として実質的な壊死成分を含まない被包化された液体貯留で、通常4週以降に形成されます。ただし慢性膵炎の既往がある場合、今回の発症から3日という時間だけでは既存の仮性嚢胞を否定できません。
診断専門医 2025年度 問54
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問54
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
Cajal細胞由来ならGISTを考えますが、今回は粘膜面の不整な狭窄・腫瘤が主体です。
b|誤り
炎症性腸疾患を想定した治療で、今回の局在する不整腫瘍を最初からステロイド治療しません。
c|誤り
回盲部病変を好発する炎症性疾患などとは、今回の直腸不整腫瘤の形態が異なります。
d|正しい
直腸癌を疑い、肛門縁からの距離や括約筋・反転部、局所進展を評価して低位前方切除などを検討します。
e|誤り
NSAIDs関連腸症の潰瘍や膜様狭窄とは異なり、直腸癌をまず評価する形態です。
判断のポイント
直腸の不整な隆起・壁変形から直腸癌を考え、病変の位置に応じて低位前方切除術を検討します。CTコロノグラフィでは病変の全体像と局在を評価します。
鑑別・注意点
肛門縁からの距離、腹膜反転部、括約筋との関係、深達度・周囲臓器浸潤が術式選択に重要です。単一の距離やHouston弁の位置だけで術式を確定しません。
診断専門医 2025年度 問55
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問55
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
出血性内容でも高信号となりますが、動脈相から内側へ充満する結節状増強は単純な出血性嚢胞では説明できません。
b|誤り
細胞性腫瘍として動脈相濃染を示しますが、著明なT2高信号と血液プールに沿う増強を最も説明しません。
c|正しい
非常に高いT2信号、辺縁結節状から充填する造影が合います。EOB後期の見かけの低信号だけで悪性としません。
d|誤り
動脈濃染後の真のwashoutや背景肝を評価する腫瘍で、今回の血管腔充填型の増強とは異なります。
e|誤り
通常は肝細胞相で取り込みを示すため、今回の高T2・血管性増強・肝細胞相欠損では血管腫を優先します。
判断のポイント
非常に高いT2信号と、造影早期の辺縁結節状濃染から内側へ広がる造影効果は肝血管腫を支持します。
鑑別・注意点
EOB肝細胞相で低信号となることだけでは悪性を意味しません。ダイナミック造影の血液プールに沿う増強パターンを確認します。
診断専門医 2025年度 問56
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問56
解答例:c
選択肢別の解説
a|鑑別に入る
腹膜・大網の軟部組織肥厚や腹水を来す主要な原因で、原発と播種を調べます。
b|鑑別に入る
感染性肉芽腫でも腹膜肥厚や腹水を来すため、病歴・細菌学的検査を合わせます。
c|候補中で低い
通常は腸間膜根部の脂肪濃度上昇やfat ring signなどが主体です。今回の大網・腹膜の軟部組織性病変では低くなります。
d|鑑別に入る
腹膜原発腫瘍として大網・腹膜に広く病変を作り、鑑別に含めます。
e|鑑別に入る
女性の腹膜・大網主体の播種様病変では、卵巣原発の有無とともに検討する鑑別です。
判断のポイント
腹膜・大網の軟部組織性肥厚が主体であり、腸間膜脂肪織炎の可能性が最も低いと判断する設問です。
鑑別・注意点
腸間膜脂肪織炎は脂肪織濃度の上昇を中心とし、血管やリンパ節周囲の脂肪温存(fat ring sign)などが手掛かりです。腹膜播種・リンパ腫などとは分布と内部性状で区別します。
診断専門医 2025年度 問57
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問57
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|誤り
拡張型合流異常と胆道癌リスクを疑うため、1年待つだけでなく精査・治療適応を評価します。
b|正しい
胆管壁の腫瘍・狭窄などの合併を、造影CT等で術前に評価します。
c|誤り
感染がない患者に抗菌薬を漫然と予防投与することが、合流異常の根本治療ではありません。
d|正しい
胆管拡張を伴う合流異常なら、癌リスクを踏まえ胆管切除・胆道再建を含む外科治療を専門科で検討します。
e|誤り
閉塞・胆管炎などの必要時の処置で、長い共通管と逆流に対する一般的な根本治療の代わりではありません。
判断のポイント
膵管と胆管が十二指腸壁外で合流し、長い共通管を形成する所見から膵・胆管合流異常を考えます。胆汁と膵液の相互逆流が病態の基本です。
鑑別・注意点
胆管拡張の有無によって手術方針は異なります。胆道癌の合併リスクがあり、胆嚢・胆管の壁肥厚や腫瘤、狭窄も術前に評価します。
診断専門医 2025年度 問58
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問58
解答例:b(原本の薬剤名と解答記号の不一致を訂正)
選択肢別の解説
a|誤り
免疫関連腎炎などはあり得ますが、複雑性腎嚢胞の出現・増大という代表的関連はクリゾチニブです。
b|正しい
肺癌治療中に腎周囲炎症を伴う複雑性嚢胞が新生・増大する既知の薬剤関連病変です。感染や腫瘍を鑑別します。
c|誤り
蛋白尿や血圧などの腎障害に注意する薬剤ですが、今回の複雑性腎嚢胞の代表原因としては選びません。
d|誤り
白金製剤による腎機能障害などに注意しますが、炎症を伴う複雑性腎嚢胞の新生・増大の代表的な薬剤関連はクリゾチニブです。
e|誤り
免疫関連腎障害の評価は必要ですが、今回の嚢胞性病変の典型的薬剤関連はクリゾチニブです。
判断のポイント
クリゾチニブ投与中に出現・増大する複雑性腎嚢胞は、同薬に関連する腎嚢胞性病変を考える手掛かりです。周囲に炎症様変化を伴うこともあります。
鑑別・注意点
画像は膿瘍や腫瘍に類似し得ます。投与前後の画像、発熱・炎症反応などを照合し、薬剤との時間的関係だけで感染を除外しません。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2025年度 問59
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問59
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
通常は線維性T2低信号の充実性病変を考え、今回の出血性嚢胞と壁在結節とは異なります。
b|誤り
乳頭状充実成分を作り鑑別にはなりますが、内膜症を示唆する出血性嚢胞背景では明細胞癌を優先します。
c|条件・画像に注意
T1高信号の出血性内容に、真に造影される壁在結節を伴います。内膜症関連明細胞癌を疑いますが、組織型の確定は病理によります。
d|誤り
充実性・出血性成分を持ち得ますが、内膜症性嚢胞に生じた壁在結節という組合せでは明細胞癌を優先します。
e|誤り
典型的には多数の異なる内容の房をもつ粘液性腫瘤で、今回の出血性嚢胞背景との関係とは異なります。
判断のポイント
出血性内容を含む卵巣嚢胞性病変に、造影される壁在結節を認める点から、明細胞癌を第一に考えます。子宮内膜症性嚢胞に生じる悪性腫瘍を問う設問です。
鑑別・注意点
血液成分は脂肪抑制T1強調像、真の充実組織は造影像で確認します。明細胞癌と類内膜癌などの組織型には画像上の重なりがあり、確定には病理診断が必要です。
診断専門医 2025年度 問60
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問60
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
妊娠中の内膜症性嚢胞では脱落膜化が悪性様結節を作ります。T2・ADCと既往像を合わせ、結節だけで癌とはしません。
b|誤り
多房性粘液の内容と悪性充実部が典型で、出血性嚢胞の妊娠関連変化をまず考える像です。
c|誤り
内膜症背景で重要な鑑別ですが、妊娠週数と胎盤様の高T2・高ADCを示す結節は脱落膜化を支持します。
d|誤り
脂肪なら脂肪抑制で落ちますが、提示の嚢胞内容は抑制後もT1高信号を示し出血性を考えます。
e|条件・画像に注意
妊娠に伴う脱落膜化で壁在結節が生じた内膜症性嚢胞を第一に考えます。ADCだけで悪性を完全除外せず、経時変化も確認します。
判断のポイント
妊娠中の内膜症性嚢胞に生じた、胎盤に似たT2高信号の壁在結節から、脱落膜化した子宮内膜症性嚢胞を考えます。
鑑別・注意点
脱落膜組織はADCが比較的高いことが鑑別に役立ちますが、単独で悪性腫瘍を除外できません。妊娠週数・既往画像・経時変化を合わせて評価します。
診断専門医 2025年度 問61
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問61
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
通常型のHPV関連腺癌より進行例や再発が多く、予後不良の傾向があります。組織型を区別する意義があります。
b|正しい
胃型粘液を産生する頸部腺癌では、水様性の帯下が受診の契機となります。
c|正しい
分葉状頸管腺過形成との関連があり、異型を伴う病変が前駆病変として位置付けられます。
d|正しい
STK11の生殖細胞系列異常を伴う症候群との関連が知られます。ただし大多数が同症候群という意味ではありません。
e|誤り
胃型腺癌はHPV非依存性に分類されます。HPV検査が陰性でも否定できません。
判断のポイント
子宮頸部の多嚢胞性病変と浸潤性充実成分から、胃型腺癌を考えます。胃型腺癌はHPV非依存性の頸部腺癌です。
鑑別・注意点
分葉状頸管腺過形成(LEGH)との関連があり、Peutz–Jeghers症候群でみられることもあります。HPV検査が陰性でも、浸潤性腺癌の可能性を否定できません。
診断専門医 2025年度 問62
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問62
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
多発肺嚢胞に伴う自然気胸は重要な臨床徴候で、まれな合併症として扱いません。
b|正しい
顔面や頸部の線維毛包腫などが診断の手掛かりになります。皮膚所見が目立たない患者もいます。
c|正しい
嫌色素性腎癌、オンコサイトーマ、両者の混合型など、腎腫瘍の組織像は多様です。
d|正しい
腎腫瘍は両側性・多発性となり得るため、片側病変の治療後も両腎を監視します。
e|正しい
FLCNの病的バリアントによる常染色体顕性遺伝が基本です。家族歴の聴取と遺伝学的評価が重要です。
判断のポイント
肺嚢胞・反復性気胸と腎腫瘍の組み合わせから、Birt–Hogg–Dubé症候群を考えます。FLCN関連の常染色体顕性遺伝疾患です。
鑑別・注意点
皮膚の線維毛包腫、家族歴も確認します。腎腫瘍は多発・両側性となることがあり、診断後は継続的な腎のサーベイランスが重要です。
診断専門医 2025年度 問63
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問63
解答例:a
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
典型的には強く増強する甲状腺組織やT2低信号のコロイドを含みます。それらが目立たない本像では相対的に低く考えますが、嚢胞優位例は画像だけで除外できません。
b|条件・画像に注意
妊娠やhCG上昇を背景に両側卵巣が多房性に腫大します。妊娠歴・hCGと両側性の確認が必要で、多房性という点だけでは除外できません。
c|条件・画像に注意
隔壁を伴う大きな多房性嚢胞と、内容物ごとの信号差は粘液性腫瘍で説明できます。良悪性は壁在結節や浸潤所見も評価します。
d|条件・画像に注意
消化管由来の卵巣転移は嚢胞性・多房性となり、粘液性原発腫瘍に似ることがあります。原発巣と両側性を確認します。
e|条件・画像に注意
虫垂の粘液性腫瘍は卵巣病変や腹膜粘液病変を伴い得ます。多房性卵巣腫瘤だけで原発性と決めず虫垂・腹膜も調べます。
判断のポイント
提示された嚢胞性腫瘤の性状から、卵巣甲状腺腫の可能性が最も低いと判断する設問です。
鑑別・注意点
卵巣甲状腺腫ではコロイドを含むT2低信号の嚢胞腔や、強く増強される充実成分が手掛かりです。ただし画像は多様で、T2低信号がないことだけでは完全に否定できません。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2025年度 問64
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問64
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
ぼけは像の不鮮明化という結果の名称です。提示されたスライス間の交互の画質差を生む収集法そのものの説明ではありません。
b|誤り
同心円状の偽像を指し、スライス間で交互に現れる動きによる不鮮明さとは異なります。
c|誤り
局所磁場の乱れによる歪みや信号欠損より、異なる時点で取得したスライス群の動きの差が合います。
d|正しい
隣接スライスを交互の群に分けて収集すると、群ごとに撮影時刻が異なります。一方の収集中の体動で交互に画質差が生じます。
e|誤り
受信コイル感度を使う高速化法です。折り返しや雑音増大は起こり得ますが、今回の交互の体動差の説明は収集順序です。
判断のポイント
インターリーブ法では、隣り合うスライスを続けて収集せず、1枚おきなどの順序で撮像します。隣接断面に撮像時刻の差があるため、その間の腸管運動で形状が不連続になります。
鑑別・注意点
隣接スライスへの励起の干渉を減らす利点と、時間差によるずれを区別します。同じ構造が交互の断面で整合するかを確認すると、実際の病変との鑑別に役立ちます。
診断専門医 2025年度 問65
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問65
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
機能性嚢胞からの出血も鑑別ですが、両側の血液を含む嚢胞と血性腹水、月経との関係は内膜症性嚢胞の破綻に合います。
b|誤り
妊娠反応と付属器病変を確認すべき鑑別ですが、提示された両側の内膜症性嚢胞と血性内容の漏出を最もよく説明しません。
c|誤り
感染なら発熱・炎症反応や厚い造影壁を評価します。血液成分の信号と月経時発症が今回の手掛かりです。
d|誤り
捻転茎、卵巣浮腫、造影不良が手掛かりです。今回の主体は嚢胞内血液と血性腹水の連続性です。
e|正しい
血液を含む卵巣嚢胞とT1高信号の腹水から、嚢胞内容の腹腔内流出を考えます。月経時の急性痛も整合します。
判断のポイント
内膜症性卵巣嚢胞と、脂肪抑制T1強調像で高信号を示す腹水から、嚢胞破裂による血性腹水を考えます。
鑑別・注意点
嚢胞壁の不連続や虚脱、腹膜刺激所見も確認します。黄体出血など他の出血原因は、月経周期だけで除外せず、病変の信号と形態で鑑別します。
診断専門医 2025年度 問66
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問66
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
出血性嚢胞だけでは茎の渦巻き状変化を説明しにくく、まず捻転を評価します。
b|誤り
虫垂との連続性が鑑別点ですが、今回の捻じれた付属器茎を説明する疾患ではありません。
c|誤り
感染性腫瘤より、大きな嚢胞性腫瘤に伴う捻転茎が診断の手掛かりです。
d|誤り
破裂なら壁の破綻や腹水を重視します。提示像では捻転した血管・支持組織の走行を評価します。
e|正しい
嚢胞性腫瘤と渦巻き状の付属器茎、急性痛を組み合わせて診断します。血流が一部残っていても捻転は否定できません。
判断のポイント
腫大した付属器と、血管・卵管を含む茎の渦巻き状構造(whirlpool sign)が付属器捻転を支持します。
鑑別・注意点
卵巣浮腫、出血、造影低下も評価します。血流が一部残存していても捻転は否定できず、臨床的に疑う場合は迅速な婦人科評価が必要です。
診断専門医 2025年度 問67
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問67
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
女性に多い傾向があり、男性優位という一般化は合いません。
b|正しい
糖尿病は代表的な背景因子です。尿路閉塞も確認し、抗菌薬とドレナージなどによる感染制御を行います。
c|誤り
主な原因菌は大腸菌や肺炎桿菌などの通性嫌気性菌です。偏性好気性菌による病態と整理するのは不適切です。
d|誤り
致死率は重症度・基礎疾患・治療法で異なります。現在の治療成績を一律に60%とすることはできません。
e|誤り
初期治療は抗菌薬や経皮的ドレナージを含みますが、制御不能例などでは腎摘出を検討します。手術適応が全くないわけではありません。
判断のポイント
糖尿病患者で腎実質内にガスを認めることから、気腫性腎盂腎炎を考えます。ガスが腎盂内だけにある病態とは区別します。
鑑別・注意点
重症感染として抗菌薬と全身管理を開始し、閉塞解除や経皮的ドレナージを検討します。すべての症例で直ちに腎摘除を行うわけではありません。
診断専門医 2025年度 問68
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問68
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
穿刺経路が胸膜に近ければ起こり得ますが、腎腫瘤生検で最も多い合併症ではありません。
b|誤り
腫瘍細胞の播種は考慮すべきですが、血腫よりはるかにまれです。
c|誤り
動静脈瘻は血管損傷で生じ得ますが、腎腫瘤生検の合併症では腎周囲血腫の方が多く報告されます。
d|正しい
小さな無症候性のものを含む腎周囲血腫が代表的で最も多い合併症です。活動性出血や症状の有無で対応が異なります。
e|誤り
肉眼的血尿は起こり得ますが、画像で確認される腎周囲血腫ほど多くありません。
判断のポイント
腎腫瘍の経皮的生検では、血腫が代表的かつ比較的多い合併症です。肉眼的血尿や治療を要する出血なども起こり得ます。
鑑別・注意点
腫瘍生検とびまん性腎疾患に対する腎生検では、対象・手技・合併症率が異なります。頻度を説明するときは両者のデータを混同しません。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2025年度 問69
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問69
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
慢性血栓塞栓性肺高血圧症だけでフィルターを一律に留置するものではなく、抗凝固と専門的治療を検討します。
b|正しい
急性静脈血栓があり、直後の頭蓋内出血のため抗凝固を行えない状況は留置を考慮する代表です。不要になれば回収を検討します。
c|条件・画像に注意
再発だけで直ちに留置せず、服薬・抗凝固強度・原因を確認して治療を調整します。十分な抗凝固でも再発する場合は個別判断です。
d|条件・画像に注意
癌患者の急性血栓でも抗凝固可能なら通常それが基本です。癌という理由だけでは留置適応になりません。
e|条件・画像に注意
過去の消化管出血と現在の活動性出血は区別します。既往だけで抗凝固が絶対禁忌とは判断できません。
判断のポイント
急性の近位深部静脈血栓症があり、頭蓋内出血のため抗凝固療法ができない状況では、肺塞栓予防のため下大静脈フィルターを検討します。
鑑別・注意点
抗凝固療法を実施できる患者への一律の追加留置は推奨されません。回収可能型では、抗凝固再開の可否と回収時期を含む追跡計画が必要です。
診断専門医 2025年度 問70
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問70
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
慢性炎症に伴う異常新生血管は、出血源の血管造影所見としてよくみられます。
b|誤り
造影時に持続して出血しているとは限らず、明瞭な血管外漏出は比較的少ない所見です。漏出がなくても出血源は否定できません。
c|正しい
慢性炎症による気管支動脈の拡張・蛇行は代表的な異常です。
d|正しい
気管支循環から肺動脈への短絡を認めることがあり、塞栓材料や方法の選択にも関係します。
e|正しい
胸膜癒着などを介した非気管支性体循環の側副血行も出血源となるため検索します。
判断のポイント
喀血に対する血管造影では、気管支動脈の拡張・蛇行や異常濃染などから責任血管を判断します。明らかな造影剤の血管外漏出が見えない症例も多くあります。
鑑別・注意点
出血源には非気管支性の体循環動脈や肺動脈もあります。漏出がないことを理由に出血を否定せず、CTと血管走行を対照します。
診断専門医 2025年度 問71
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問71
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
腫瘍内の造影剤の貯留だけで腹腔内破裂とはしません。腫瘍外への流出や血腹を区別します。
b|誤り
門脈の分枝状の描出とは異なり、腫瘍内に湖状に貯留する所見です。
c|誤り
湖状貯留そのものを一律の終了基準とはしません。残存栄養血流や追加塞栓の必要性を評価します。
d|正しい
薬剤溶出ビーズによる塞栓中の腫瘍内血管変化で生じる、湖状の造影剤貯留に合います。
e|誤り
報告により頻度は異なり、1%以下という一律の極めて低い頻度ではありません。ビーズ径や腫瘍の血流にも左右されます。
判断のポイント
DEB-TACE中に腫瘍内へ造影剤が貯留するvascular lake現象です。腫瘍外への漏出を示す破裂とは、貯留の位置と広がりを区別します。
鑑別・注意点
追加塞栓の必要性は血流・貯留の持続・周囲への進展で判断します。この所見だけで一律に手技終了や腫瘍破裂と決め付けません。
診断専門医 2025年度 問72
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問72
解答例:d(誤っている記述)
選択肢別の解説
a|正しい
金属コイルによる流入・流出路の閉鎖が確認できます。瘤の中だけを詰める方法とは区別します。
b|正しい
瘤の中枢側と末梢側を閉鎖して、逆行性流入も遮断する方法です。
c|正しい
比較的太い血管を閉鎖するプラグが併用されています。使用器材の形態を確認します。
d|誤り
脾動脈本幹を閉鎖しても短胃動脈などの側副血行で脾実質の血流が保たれ得ます。全脾の血流消失とはいえません。
e|正しい
術後造影では瘤内への流入が遮断されています。再開通や残存流入がないかは以後の画像でも確認します。
判断のポイント
脾動脈瘤をisolation法で塞栓しても、短胃動脈などの側副血行路を介して脾実質への血流が残り得ます。主幹動脈の閉塞と臓器全体の血流消失は同じではありません。
鑑別・注意点
動脈瘤への流入・流出遮断と、側副血行による脾実質の造影を分けて評価します。術後は梗塞や膿瘍などの合併症も確認します。
診断専門医 2025年度 問73
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問73
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
グラフト接合部や素材の破綻による型ではなく、分枝からの逆行性流入をみます。
b|誤り
描出される内腸骨・腸腰動脈から腰動脈へ連なる経路に注目します。深腸骨回旋動脈と取り違えません。
c|誤り
内腸骨動脈の本幹だけを閉じても他の側副路から流入し得ます。瘤内の漏出腔や流出入血管を評価します。
d|誤り
末梢の交通路や漏出腔を含む治療では液体塞栓物質やコイルなどを選びます。プラグが常に第一選択ではありません。
e|正しい
瘤径増大がない安定したII型漏れでは、定期画像による経過観察が選択肢です。瘤拡大や持続状況により治療を検討します。
判断のポイント
分枝血管から瘤内へ逆行性に流入するtype IIエンドリークを考えます。腰動脈や下腸間膜動脈などが関与します。
鑑別・注意点
治療の判断では瘤径の拡大が重要です。治療時は流入血管だけでなく瘤内腔と流出路を評価し、側副路による再流入を考慮して塞栓します。
診断専門医 2025年度 問74
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問74
解答例:d
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
病理診断が必要で安全な穿刺経路があれば、CTガイド下の生検を検討できます。全例に必須という意味ではありません。
b|条件・画像に注意
定位放射線治療の位置確認を補助するマーカー留置は、治療計画に応じた選択肢です。
c|条件・画像に注意
局所治療として適応と安全な経路を満たす場合に検討できます。病期・肺機能・他治療との比較が必要です。
d|誤り
気管支動脈塞栓は主として喀血の制御に用います。出血が示されていない肺腫瘤の診断・局所治療の通常の選択肢ではありません。
e|条件・画像に注意
胸腔鏡で同定しにくい小さな末梢病変の切除を補助するマーキングは選択肢です。
判断のポイント
喀血を伴わない充実性肺結節は、気管支動脈塞栓術の対象として最も適切でないと判断します。塞栓術は生命を脅かす喀血や反復する喀血などの制御を目的とします。
鑑別・注意点
肺癌でも出血を伴う場合は塞栓術を検討します。疾患名だけではなく、出血の有無・程度と責任血管で適応を判断します。
診断専門医 2025年度 問75
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問75
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
血流画像だけで頭蓋内出血の有無は判断できません。急な頭痛ではCTなどで出血を評価します。
b|誤り
過灌流が疑われる場合は適切な血圧管理が重要で、無条件の昇圧は悪化につながります。
c|誤り
左右差は左側の増加によっても生じます。この相対画像だけで右側の絶対血流低下とは断定しません。
d|正しい
術前の低灌流や血管反応性低下は、血行再建後の自己調節障害・過灌流のリスクと関連します。
e|誤り
頸動脈ステントや脳血管バイパス後にも起こり得る病態です。内膜剝離術だけの合併症ではありません。
判断のポイント
頸動脈内膜剝離術後に同側脳血流が著しく増加している所見から、過灌流を考えます。慢性虚血で自動調節能が低下した脳では、血行再建後に過灌流症候群を生じ得ます。
鑑別・注意点
頭痛・痙攣・神経症状と血圧を確認し、脳浮腫や頭蓋内出血を警戒します。厳密な血圧管理が基本ですが、脳梗塞や血管閉塞も鑑別します。
診断専門医 2025年度 問76
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問76 Lewy小体型認知症の脳血流SPECT
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
中脳の変化や前頭葉優位の血流低下を重視します。今回の後頭葉優位の所見とは合いにくくなります。
b|正しい
後頭葉の血流低下はレビー小体型認知症を支持します。嗅覚低下などの臨床所見と合わせて判断します。
c|誤り
典型例では後部帯状回・楔前部や頭頂側頭葉が中心です。今回の後頭葉の低下を重視すると別の病型を先に考えます。
d|誤り
左前頭弁蓋部など言語ネットワークの障害が中心で、今回の後頭葉優位の分布とは異なります。
e|誤り
左右非対称の前頭頭頂葉・運動関連領域の異常を重視します。提示分布と臨床から最も合う候補ではありません。
判断のポイント
後頭葉を含む後方領域の血流低下が、Lewy小体型認知症を考える手掛かりです。前頭葉や基底核などとの相対的な集積差も見ながら、後方領域の低灌流を読み取ります。
鑑別・注意点
脳血流SPECTでは後頭葉低灌流、FDG-PETでは後頭葉低代謝が支持的所見です。後部帯状回の相対的温存も参考になります。いずれも単独で診断を確定する所見ではなく、認知機能の変動、幻視、パーキンソニズム、嗅覚低下などの臨床所見と合わせます。
診断専門医 2025年度 問77
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問77
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
本態性振戦でもDATは保たれますが、提示された薬剤使用歴とパーキンソニズムでは薬剤性を先に検討します。
b|誤り
通常は黒質線条体系の変性に伴う線条体集積低下を示します。保たれた像は典型的な進行例を支持しません。
c|誤り
線条体DAT低下を来し得ます。DAT画像だけでパーキンソン病との区別はできませんが、今回の正常分布とは合いにくい所見です。
d|誤り
通常は線条体DAT集積の低下が診断を支持します。正常像なら臨床経過や他の原因も再評価します。
e|正しい
受容体遮断による純粋な薬剤性ではシナプス前DATが保たれます。薬剤歴と左右対称の正常集積が整合します。
判断のポイント
線条体のドパミントランスポーター集積が保たれていることと薬剤歴から、薬剤性パーキンソニズムを考えます。
鑑別・注意点
正常なDAT画像だけで原因薬剤を特定できるわけではありません。変性性パーキンソン症候群との鑑別に用い、症状・服薬歴と統合します。
診断専門医 2025年度 問78
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問78
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
視床などの灰白質には一定の正常集積があり、提示像では皮質のような異常な灰白質・白質コントラストの消失部として選びません。判定は薬剤別の基準に従います。
b|誤り
線条体の集積はアミロイド陽性像で認め得ます。正常白質の集積と混同しません。
c|誤り
皮質集積が増し、隣接白質との境界が不明瞭な領域は陽性所見として評価します。
d|誤り
側頭葉でも皮質・白質コントラストの消失を評価し、単に生理的集積とはしません。
e|誤り
頭頂葉皮質への集積増加がみられ、皮質アミロイド蓄積を示唆します。陽性だけで認知症の病型を確定はしません。
判断のポイント
アミロイドPETでは大脳皮質の灰白質と白質のコントラスト低下や、皮質・線条体への集積を評価します。本問では視床を異常集積部位として選ばないことが要点です。
鑑別・注意点
白質には非特異的な生理的集積があります。使用トレーサーごとの判定基準に沿って読み、アミロイド陽性だけで認知症の原因や重症度を確定しません。
診断専門医 2025年度 問79
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問79
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
複数の冠動脈領域の虚血と一過性内腔拡大は、多枝冠動脈病変を疑う高リスク所見です。
b|正しい
負荷で低下し安静時に改善する下壁集積は、可逆性虚血を示唆します。減弱や位置ずれも確認します。
c|誤り
広範な虚血、一過性内腔拡大、負荷後の機能低下があり、漫然と観察する所見ではありません。症状・冠動脈評価に基づく治療方針の検討が必要です。
d|正しい
負荷後の駆出率が安静時より低いことは、虚血後の一過性収縮機能低下を支持します。
e|正しい
前壁から心尖部にも可逆性の集積低下があり、下壁だけの単一領域の異常として扱いません。
判断のポイント
負荷時に低下した心筋集積が安静時に改善する領域は、可逆性の心筋虚血を示します。冠動脈支配に沿って、広がりと程度を評価します。
鑑別・注意点
多領域の虚血を認めても、画像だけで血行再建を一律に決めません。症状、心機能、冠動脈の解剖学的狭窄、治療背景を合わせて方針を決めます。
診断専門医 2025年度 問80
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問80
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
BMIPPで評価するのは主に脂肪酸代謝です。糖代謝が正常かどうかをこの組合せだけでは判定できません。
b|正しい
側壁を中心に血流より脂肪酸代謝の低下が強い分布から、回旋枝領域の虚血の痕跡を考えます。
c|誤り
前壁・中隔中心の固定性欠損を示す所見ではありません。前下行枝領域の梗塞と決める根拠が不足します。
d|誤り
乖離の主体は側壁にあり、下壁だけに限局するという読み方は合いません。
e|誤り
側壁ではBMIPPの低下が血流低下より強く、両者の関係が逆です。虚血後の代謝回復の遅れを考えます。
判断のポイント
BMIPPは心筋の脂肪酸代謝を反映します。側壁の集積低下を血流像と比較し、左回旋枝領域の代謝障害を評価する設問です。
鑑別・注意点
虚血後は血流が改善しても脂肪酸代謝の低下が残ることがあり、ischemic memoryと呼ばれます。集積低下をそのまま不可逆的梗塞と解釈しません。
診断専門医 2025年度 問81
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問81
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
拡大した左室とびまん性機能低下が典型です。提示像の心尖部優位の相対的高集積・形態には肥大を考えます。
b|正しい
心尖部で心筋量が増加した形態と相対的高集積が、心尖部肥大型の手掛かりです。壁厚は心エコーやMRIで確認します。
c|誤り
急性期の一過性壁運動異常が診断の中心です。提示された心尖部の肥大を示唆する集積形態だけから最も考える候補ではありません。
d|誤り
壁肥厚を来しますが、この心尖部高集積パターンだけで診断しません。骨トレーサーやMRIなど病型に応じた評価が必要です。
e|誤り
局所的な血流欠損や炎症の評価を行う疾患で、今回の心尖部優位の高集積形態を最もよく説明しません。
判断のポイント
心尖部に目立つ心筋血流トレーサー集積と心室形態から、心尖部肥大型心筋症を考えます。心尖部の心筋量増加が相対的な高集積に関与します。
鑑別・注意点
心尖部高集積だけで確定せず、心エコーや心臓MRIで壁厚と内腔形態を確認します。心電図所見や心尖部瘤の有無も評価します。
診断専門医 2025年度 問82
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問82
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
びまん性の心臓領域の骨トレーサー集積はアミロイド沈着を考える所見で、心臓転移という読影ではありません。
b|誤り
肋骨より弱い集積がgrade 1です。提示像は心臓領域への明瞭な強い集積があり、同じ基準ではgrade 1に相当しません。
c|誤り
心臓領域の高集積では対側胸部との比は上昇方向になります。計測領域と撮像時刻を定めて判定します。
d|誤り
骨トレーサーの集積をみる検査で、MIBGによる交感神経評価とは異なります。
e|正しい
SPECTで血液プールや重なった骨の集積と心筋集積を区別します。ATTRの非生検診断には単クローン性蛋白の除外も必要です。
判断のポイント
骨シンチ用トレーサーの心筋への強い集積は、ATTR心アミロイドーシスを支持します。平面像だけでなくSPECTで心筋への集積を確認します。
鑑別・注意点
非生検的にATTRと診断するには、適切な集積所見に加え、血清・尿の免疫固定法と血清遊離軽鎖などで単クローン性蛋白を評価し、ALアミロイドーシスを除外することが必要です。
診断専門医 2025年度 問83
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問83
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
胸部上部食道付近の腫瘤状集積とCTの形態から原発病変を疑います。確定には内視鏡・組織診断が必要です。
b|正しい
右肋骨の局所集積とCT上の病変を対応させると骨転移が疑われます。外傷などの偽陽性も形態で確認します。
c|誤り
麻痺側ではなく非麻痺側の声帯筋が代償的に高集積を示します。高集積側をそのまま麻痺側とすると左右を取り違えます。
d|正しい
縦隔の腫大した集積性リンパ節と気管の狭窄・偏位が対応し、圧排を評価できます。
e|正しい
骨髄の広い範囲に比較的均一な集積があり、反応性造血の亢進が考えられます。血算や治療歴も確認します。
判断のポイント
片側の声帯麻痺があると、非麻痺側の声帯筋が代償的に活動し、FDG集積が強くなることがあります。
鑑別・注意点
高集積側を直ちに喉頭癌と判断しません。CTで声帯・喉頭室の形態を確認し、反回神経の走行上に原因病変がないかを追います。必要に応じ喉頭鏡所見と対照します。
診断専門医 2025年度 問84
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問84
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
CLL/SLLは通常緩徐な経過です。急速な腫大・症状悪化があれば形質転換などを評価します。
b|誤り
通常のCLL/SLLはFDG低集積で、標準的な治療効果判定をFDG集積だけで行う対象ではありません。
c|誤り
低集積性疾患ではPET陰性でも骨髄病変を除外できず、PETを理由に必要な骨髄評価を省略しません。
d|正しい
成熟した小型B細胞のクローン性増殖に属します。末梢血のB細胞数などでCLLとSLLを区別します。
e|正しい
Richter形質転換では局所に強い集積が現れ得ます。高集積病変を生検標的とする際に有用です。
判断のポイント
CLL/SLLは通常FDG集積が低いリンパ系腫瘍です。強い集積を示す病変が新たに出現した場合は、Richter形質転換などを疑います。
鑑別・注意点
CLLとSLLの区別は末梢血の単クローン性B細胞数などに基づき、「SLLでは末梢血に異常細胞が全くない」という意味ではありません。形質転換を疑う場合は高集積部位が生検標的となります。
診断専門医 2025年度 問85
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問85
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
鎮静などに用いる薬剤群で、提示された脂肪組織の熱産生に伴う集積亢進を起こす代表ではありません。
b|誤り
ドパミン系薬剤を原因とする典型的な分布ではありません。傍脊椎・副腎周囲の脂肪への集積に注目します。
c|誤り
オピオイドの作用で説明する集積ではなく、褐色脂肪の交感神経刺激による変化を考えます。
d|正しい
ミラベグロンなどによる褐色脂肪の活性化で、脂肪のCT吸収値を保った領域にFDG集積が現れ得ます。
e|誤り
セロトニン受容体への作用を主因とする典型的所見ではなく、脂肪組織の分布とβ3刺激作用を対応させます。
判断のポイント
β3アドレナリン受容体作動薬のミラベグロンは褐色脂肪組織を活性化し、FDG集積を増加させ得ます。
鑑別・注意点
褐色脂肪の集積は寒冷曝露や交感神経活動にも影響されます。引用した研究で用いられた投与量を、通常診療の推奨用量と読み替えないようにします。
診断専門医 2025年度 問86
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問86
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
筋炎でも筋集積は増えますが、提示された多発性・線状の分布と眼症状は肉芽腫性病変を優先する手掛かりです。
b|誤り
リンパ腫も筋病変を来し得ますが、線状・斑状の多発筋病変という特徴的な分布から最も合う候補ではありません。
c|誤り
涙腺などを侵す疾患ですが、この筋の分布と眼症状を合わせるとサルコイドーシスを先に考えます。
d|正しい
多発する筋の線状集積はtiger man signに相当し、眼病変とともにサルコイドーシスを支持します。必要に応じ組織診断で確認します。
e|誤り
癌の既往だけで筋への多発転移とは決めません。筋の特徴的分布と眼症状を説明できる炎症性疾患を考えます。
判断のポイント
筋に沿う多発性・線状のFDG集積と眼症状の組み合わせから、筋サルコイドーシスを考えます。この筋の集積パターンはtiger man signと呼ばれます。
鑑別・注意点
筋のFDG集積は運動や他の筋炎でも生じます。ぶどう膜炎などの眼病変、胸部所見、必要に応じ組織所見を合わせて診断します。
診断専門医 2025年度 問87
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問87
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
通常はPET断層像で評価し、脳・心筋・尿路などの分布も異なります。今回の平面像の臓器分布とは合いません。
b|誤り
炎症や一部の腫瘍に集積しますが、強い脾・腎集積を伴う受容体シンチグラフィの分布と区別します。
c|正しい
肝・脾・腎などの生理的集積と直腸病変の集積から、ソマトスタチン受容体を標的とする薬剤を考えます。
d|誤り
交感神経系腫瘍のノルアドレナリン取り込み機構を利用します。今回の受容体画像の生理的分布とは異なります。
e|誤り
心筋血流などの評価に用い、生理的集積の分布が今回の脾・腎優位の像と異なります。
判断のポイント
神経内分泌腫瘍に対するソマトスタチン受容体シンチグラフィで、111In-ペンテトレオチドを用いる検査です。受容体発現を画像化します。
鑑別・注意点
脾・肝・腎・下垂体などには正常集積があります。臓器分布と排泄経路を合わせて薬剤を識別し、正常集積と腫瘍集積を区別します。
診断専門医 2025年度 問88
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問88
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
通常みられる心筋集積が乏しく、無条件に正常とはしません。カテコールアミンや薬剤などの影響を検討します。
b|誤り
肝はMIBGの生理的集積臓器です。びまん性の肝集積をそのまま肝転移とは判断しません。
c|正しい
対側副腎の淡い集積は生理的範囲でみられます。腫瘤への強い集積と強度・形態を区別します。
d|誤り
甲状腺の描出は遊離ヨウ素の取り込みやブロックの状態を確認します。描出だけで甲状腺癌とは診断しません。
e|誤り
MIBGは一般に投与翌日などに評価します。投与後数日からの副腎皮質シンチグラフィと混同しません。
判断のポイント
MIBGシンチグラフィで右副腎腫瘤への集積を認め、褐色細胞腫を考えます。対側副腎の淡い集積は生理的集積として説明できます。
鑑別・注意点
甲状腺集積は遊離放射性ヨウ素や甲状腺ブロックの状態にも左右され、単純に正常所見とは扱いません。心筋集積低下にもカテコールアミンや薬剤などが影響します。
診断専門医 2025年度 問89
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問89
解答例:d(誤っている記述)
選択肢別の解説
a|正しい
標識核種の131Iはβ線とγ線を放出します。画像化に使う放射線と被ばくに関与する放射線を区別します。
b|正しい
製剤による一過性反応を避けるため、添付文書に従い緩徐に静注します。
c|正しい
添付文書では4℃以下の保存を定め、取り扱い上はなるべく凍結状態での保存を勧めています。調製・投与時も製剤の指示に従います。
d|誤り
副腎皮質の機能評価に使う製剤です。パーキンソン病の診断補助に用いるMIBGやDAT製剤とは異なります。
e|正しい
131Iの主な撮像用γ線は約364 keVで、この境界値より高いエネルギーです。
判断のポイント
副腎皮質シンチグラフィに用いる薬剤は131I-アドステロールです。パーキンソン病の診断補助に用いる薬剤ではありません。
鑑別・注意点
パーキンソン症候群の評価では、目的に応じて123I-MIBG心筋シンチグラフィや123I-イオフルパンDAT画像を用います。アドステロールの投与・保存条件は添付文書に従います。
診断専門医 2025年度 問90
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問90
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
滑膜炎はSAPHOという名称を構成する病態の一つです。関節症状の有無を確認します。
b|正しい
掌蹠膿疱症などの膿疱性皮膚病変と関連します。骨症状と皮膚症状の時期が一致しないこともあります。
c|正しい
重症の痤瘡も関連する皮膚所見の一つです。すべての症例に必須ではありません。
d|正しい
胸鎖関節周囲などの骨肥厚は代表的な骨病変で、骨シンチの特徴的集積分布と対応します。
e|誤り
主病態は無菌性の骨炎です。細菌による化膿性骨髄炎を同一の構成要素とはしません。感染の除外は必要です。
判断のポイント
胸鎖関節・胸骨柄付近の対称性集積によるbullhead signはSAPHO症候群を示唆します。骨炎・骨肥厚の分布を評価します。
鑑別・注意点
名称は滑膜炎、痤瘡、膿疱症、骨肥厚、骨炎の頭文字に由来します。皮膚症状を欠く症例もあり、すべての患者でbullhead signが出現するわけではありません。
診断専門医 2025年度 問91
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問91
解答例:d
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
肺動脈の狭窄を来し得ますが、提示された換気と血流が同じ領域で低下する像だけでこの血管炎を支持しません。
b|条件・画像に注意
腫瘍の病歴と肺間質の所見を合わせて評価する病態で、今回の対応する換気・血流低下を最もよく説明する候補ではありません。
c|条件・画像に注意
肺動脈性肺高血圧症では肺換気が保たれることが多く、この明瞭な換気障害の分布とは合いにくい所見です。
d|正しい
換気低下と一致して血流も低下しており、肺実質・換気障害に伴う二次性の血流低下を考えます。
e|条件・画像に注意
典型的には換気が保たれた区域性血流欠損を示します。今回は一致した欠損が主体ですが、それだけで血栓を完全に除外するわけではありません。
判断のポイント
換気と血流が同じ領域で低下するmatched defectは、換気障害に伴う二次性の血流低下を支持します。
鑑別・注意点
血栓塞栓症では換気が保たれた血流欠損(mismatch)が典型です。CTの肺実質所見や他領域の欠損も合わせて評価し、一部のmatchだけで血栓塞栓症を完全に除外しません。
診断専門医 2025年度 問92
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問92
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
この受容体シンチグラフィは胆囊への排泄時刻を主に評価する検査ではありません。
b|誤り
胆汁排泄性薬剤による胆道シンチグラフィと異なり、腸管の描出遅延を指標とする像ではありません。
c|誤り
脾臓を主な取り込み臓器とする検査ではありません。心臓の血液プールと肝集積の推移を評価します。
d|正しい
時間が経っても心臓の血液プールが残り、肝受容体への取り込み低下による血中消失遅延が示唆されます。
e|誤り
腎排泄を主に評価する薬剤ではなく、腎の描出時刻から判定する検査ではありません。
判断のポイント
99mTc-GSAは肝細胞表面のアシアロ糖蛋白受容体に結合します。血液プールの残存と肝取り込みの遅延から肝機能低下を評価します。
鑑別・注意点
肝障害では血中消失の遅延によりHH15が上昇し、肝取り込みを示すLHL15は低下します。局所の機能分布は肝切除前の残肝機能評価にも役立ちます。
診断専門医 2025年度 問93
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問93
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
後面像と指定された色を照合すると、右腎は初期取り込みが保たれています。萎縮を示す形態と断定しません。
b|正しい
左腎にトレーサーが残り、赤い曲線で排泄が遅れています。機械的閉塞の程度は利尿・排尿後像なども合わせて判定します。
c|誤り
右腎は排泄が進んでおり、提示検査だけで右尿路の再手術を勧める所見ではありません。
d|誤り
初期の実質取り込みと後期の腎盂残留を区別します。今回の主所見は左側の排泄遅延で、分腎機能低下を直ちに意味しません。
e|誤り
利尿薬による排泄評価とACE阻害薬による腎血管性高血圧評価は異なります。この排泄促進の変化からACE阻害薬とは判断しません。
判断のポイント
左腎盂へのトレーサー残留とレノグラムの排泄遅延に注目する設問です。後面像では画面の左右と患者の左右の対応を確認します。
鑑別・注意点
腎盂の拡張と残留だけで機械的閉塞を確定できません。水分負荷、利尿薬への反応、排尿後像、分腎機能と過去画像を合わせて判断します。
診断専門医 2025年度 問94
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問94
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
腎皮質に保持される薬剤により、皮質の局所欠損を静態像で描出します。感染直後の変化と永久的瘢痕は経過で区別します。
b|誤り
糸球体濾過される動態検査用薬剤で、提示された高コントラストの腎皮質静態像の第一候補ではありません。
c|誤り
血液プールの評価に用い、腎皮質に選択的に保持される薬剤ではありません。
d|誤り
主に尿細管分泌で排泄され、動態像と排泄機能を評価します。皮質静態像を目的とするDMSAと区別します。
e|誤り
骨に集積する薬剤です。尿路排泄で腎は見えても、腎皮質瘢痕を評価する標準薬剤ではありません。
判断のポイント
DMSA腎皮質シンチグラフィで左腎上極の限局性集積低下を評価します。尿路感染歴と皮質の形態変化があれば腎瘢痕を考えます。
鑑別・注意点
急性腎盂腎炎でも集積は低下します。永続的な瘢痕とするには、感染からの経過と再評価で欠損が残存するかを確認します。
診断専門医 2025年度 問95
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問95
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
分化型甲状腺癌の131I治療は通常経口投与です。静注する標的放射性医薬品治療とは区別します。
b|誤り
絶食は吸収と安全性を考えて施設手順に従いますが、一律に12時間前からという標準前処置ではありません。
c|正しい
安定ヨウ素による取り込み競合を減らすため、一般に治療前約1~2週間の摂取制限を行います。
d|条件・画像に注意
残存甲状腺のアブレーションなどではrhTSHを使いますが、遠隔転移に対する治療へそのまま同じ適応を当てはめません。国内承認適応と治療目的を確認します。
e|条件・画像に注意
直前のヨード造影は放射性ヨウ素の取り込みを妨げ得ます。必要な画像評価は行いますが、投与前日のヨード造影を定型前処置とはしません。
判断のポイント
分化型甲状腺癌の131I内用療法では、安定ヨウ素による取り込みの競合を減らすため、治療前にヨウ素摂取を制限します。
鑑別・注意点
ATA 2015ガイドラインでは約1〜2週間の低ヨウ素食を考慮します。ヨウ素含有薬・造影剤の使用歴とTSH刺激の方法も確認し、実際の前処置は治療施設の指示に従います。
診断専門医 2025年度 問96
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問96
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
半導体の増倍率や雑音は温度で変化するため、安定した性能には温度の管理・補正が必要です。
b|誤り
磁場への耐性があり、PET/MRIの光検出器にも利用されます。従来の光電子増倍管との重要な違いです。
c|正しい
高速の光検出によりTOF性能を改善できます。実際の時間分解能は結晶や読み出し系も含めて決まります。
d|誤り
多数の微小なガイガーモード素子を用いて微弱な光を検出できます。単一光子を検出できないという説明は逆です。
e|誤り
消滅放射線を光へ変換するのはシンチレータです。SiPMは発生した光を電気信号として検出します。
判断のポイント
SiPMなどの半導体光検出器を用いるPETでは、高い時間分解能を生かしてTOFの位置推定精度を改善できます。画質改善・収集時間短縮・投与量低減に役立ちます。
鑑別・注意点
性能は検出器だけでなく結晶、装置構成、再構成法にも依存します。すべての半導体PETで同じ性能や低減率が得られるという意味ではありません。
診断専門医 2025年度 問97
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問97
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
X線用の陽性造影剤で、超常磁性酸化鉄によるMRIの信号変化を利用する薬剤ではありません。
b|正しい
酸化鉄微粒子の超常磁性を利用し、網内系への取り込みにより主にT2・T2*信号を低下させます。
c|誤り
マンガンによる常磁性を利用する薬剤で、酸化鉄微粒子の超常磁性とは分類が異なります。
d|誤り
ガドリニウムによる常磁性造影剤です。肝細胞取り込みを持つことと超常磁性は別の性質です。
e|誤り
鉄を含みますが、可溶性の常磁性経口造影剤です。酸化鉄微粒子の超常磁性と混同しません。
判断のポイント
フェルカルボトランは超常磁性酸化鉄(SPIO)製剤です。肝のKupffer細胞などに取り込まれ、T2・T2*信号を低下させます。
鑑別・注意点
ガドリニウムやマンガンを含む常磁性造影剤と、超常磁性のSPIOを区別します。磁性の分類と、実際に用いるシーケンスでの信号変化を対応させて覚えます。
診断専門医 2025年度 問98
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問98
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
光子不足は金属によるストリークを悪化させ得ます。低線量化をそれ自体の低減法とはしません。
b|誤り
厚い再構成で雑音は減らせても、金属によるビームハードニングや光子不足を根本的に補正しません。部分容積も増えます。
c|誤り
高周波を強調する関数では雑音やストリークが目立つことがあり、標準的な金属補正法ではありません。
d|正しい
高エネルギーの仮想単色画像でビームハードニングを軽減できます。金属の種類などで効果が変わります。
e|正しい
金属の影響を受けた投影データなどを補正します。処理に伴う新しい偽像もあるため元画像と比較します。
判断のポイント
Dual-energy CTによる高エネルギーの仮想単色画像と、metal artifact reduction(MAR)処理が金属アーチファクト低減に役立ちます。
鑑別・注意点
金属の種類・大きさや原因によって効果は異なり、残存アーチファクトや処理による新たな偽像もあります。元画像との比較が必要です。
診断専門医 2025年度 問99
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問99
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
不正な変更や破壊を防ぎ、情報の正確さと完全さを保つ性質です。基本3要素に含まれます。
b|正しい
権限のない者への開示を防ぐ性質で、基本3要素に含まれます。
c|誤り
必要時に情報を人が読める状態とする電子保存の要件です。基本3要素の可用性とは用語と枠組みを区別します。
d|誤り
作成者や記録の正当性を確保する電子保存の要件です。基本3要素として挙げるのは機密性・完全性・可用性です。
e|誤り
定めた期間、利用可能な状態で保存する要件です。基本3要素の名称とは異なります。
判断のポイント
情報セキュリティの基本3要素は、機密性(許可された者だけが利用できる)、完全性(情報が正確・完全に保たれる)、可用性(必要時に利用できる)です。
鑑別・注意点
医療情報の電子保存における真正性・見読性・保存性とは別の枠組みです。制度の運用では最新の安全管理ガイドラインも確認します。
診断専門医 2025年度 問100
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問100
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
速やかな報告は必要ですが、まず感染疑い端末をネットワークから隔離して拡大を止めます。電話報告はその直後または並行して行います。
b|誤り
スキャンを始める前に隔離します。接続したままの調査中に共有領域などへ被害が広がるおそれがあります。
c|誤り
別端末で業務を継続する前に隔離と報告を行います。感染疑い端末を接続したまま放置しません。
d|誤り
周囲の状況確認より先に当該端末の通信を止めます。他端末の調査は管理担当者の指示で進めます。
e|正しい
LANケーブルの抜去や無線接続の遮断で拡大を防ぎます。その後直ちに管理担当者へ報告し、独断の初期化・削除は避けます。
判断のポイント
ランサムウェア感染が疑われた端末は、被害拡大を防ぐため、LANケーブルを抜くなどしてネットワークから隔離します。
鑑別・注意点
組織の連絡手順に従って管理担当者へ速やかに報告します。調査に必要な証拠を失わないよう、独断で初期化やファイル削除を行いません。
参考文献