この年度の出題傾向
2020年度の掲載解説は64問で、このうち画像診断分野の46問を臓器・主題別に集計しました。内訳では胸部・心血管15問、脳・脊髄・頭頸部8問、肝胆膵・脾7問が多く、泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜の構成比は全年度の年別平均より6.5ポイント低い値です。IVRや撮像技術は対象臓器と重複計上せず別群とし、複合題は主題に基づく便宜分類を含みます。
臓器別の比較は画像診断分野内の割合で行い、21年度の年別構成比の平均と比較しています。複合題は主題一つに分類した当サイトの集計で、公式配点ではありません。境界が曖昧な問題は便宜的な分類を含みます。
画像診断以外の内訳:核医学13問、共通5問。
画像診断の臓器・主題別内訳を見る
| 臓器・主題 | 問題数 | 診断分野内の割合 | 年平均との差 |
|---|---|---|---|
| 脳・脊髄・頭頸部 | 8問 | 17.4% | -0.9ポイント |
| 胸部・心血管 | 15問 | 32.6% | +3.1ポイント |
| 肝胆膵・脾 | 7問 | 15.2% | +2.8ポイント |
| 消化管・腹膜 | 3問 | 6.5% | -1.1ポイント |
| 泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜 | 3問 | 6.5% | -6.5ポイント |
| 骨・関節・軟部 | 4問 | 8.7% | -1.3ポイント |
| 乳腺 | 2問 | 4.3% | -0.2ポイント |
| IVR・手技・画像技術・多臓器その他 | 4問 | 8.7% | +4.2ポイント |
放射線科診断専門医・2020年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月19日:全64問を改訂しました。解答例は非公式です。問4・10・55は追加画像等による確認が必要なため、判断の根拠と保留理由を示しています。
解答作成にご協力いただいたDr.sonic先生、さか先生、haru先生、みどり先生、ちんたつ先生、Y先生、エス先生、ろろろ先生に感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
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診断専門医 2020年度 問1
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問1
解答例:b
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
硬膜付着性の軸外腫瘤が代表で、第四脳室内から下方へ伸びる本例の起点とは異なります。
b|最も適合する
第四脳室を占める不均一病変が下方へ細長く伸び、脳室出口を介する進展を支持します。
c|第一候補ではない
高細胞密度と拡散制限などを評価しますが、第四脳室から出口に沿い細長く広がる形では上衣腫を優先します。
d|第一候補ではない
囊胞と強く増強する壁在結節、血流豊富な血管が手掛かりで、本例の脳室内進展形態とは異なります。
e|第一候補ではない
乳頭状構造と強い増強が代表で、細長い脳室外進展を伴う不均一病変では他候補を優先します。
判断のポイント
第4脳室を占める不均一な腫瘍が下方へ細長く進展している。脳室内を起点としてMagendie孔から大槽・上位頸髄側へ伸びる形を、上衣腫の重要な手掛かりとして読む。
鑑別・注意点
水頭症を伴う第4脳室腫瘍というだけでは鑑別できない。髄芽腫の充実性・拡散制限や、脈絡叢乳頭腫の乳頭状構造・強い増強と比較し、形態と起点を重視する。
参考文献
診断専門医 2020年度 問2
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問2
解答例:d
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
通常は増強する結節と周囲の浮腫・空洞などを評価し、後索に沿う対称性長軸病変とは異なります。
b|第一候補ではない
突然発症し前脊髄動脈領域などの障害が代表で、数か月続く後索優位病変には合いにくい候補です。
c|第一候補ではない
偏在する短い髄内病変などが代表で、後索に連続する左右対称性病変では代謝性病態を優先します。
d|最も適合する
後索の連続するT2高信号と横断像の逆V字状分布、緩徐な感覚障害が整合します。B12・銅・曝露歴を確認します。
e|第一候補ではない
主に前角を障害する感染で、後索優位の対称的病変と感覚症状の経過とは異なります。
判断のポイント
頸髄後索に頭尾方向へ連続するT2高信号を認め、横断像では左右対称性の逆V字状分布を示す。数か月の感覚障害と合わせて亜急性連合性脊髄変性症を優先する。
鑑別・注意点
ビタミンB12欠乏を確認するが、後索病変だけで原因を確定しない。銅欠乏や亜酸化窒素曝露も鑑別し、MRIが正常でも本症を除外できない。急性梗塞の時間経過やMSの偏在性病変と区別する。
参考文献
診断専門医 2020年度 問3
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問3
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
糖尿病は本症の必須背景ではなく、糖尿病性の代謝異常を示す画像とも異なります。
b|条件・追加確認が必要
HSV脳炎でも低Naを来し得ますが、特異的な診断根拠ではありません。LGI1関連脳炎などの鑑別も病歴・検査で行います。
c|誤り
抗MOG関連疾患の指標であり、HSV脳炎を特徴付ける抗体ではありません。
d|誤り
遺伝性のミトコンドリア機能異常ではなく、HSVによる感染症として考える所見です。
e|最も適切
成人HSV脳炎では潜伏ウイルスの再活性化が重要です。ただし初感染による発症もあり、全例を再活性化と断定しません。
判断のポイント
左側頭葉内側から島を含む非対称性FLAIR高信号と意識障害から、単純ヘルペス脳炎を考える。成人では潜伏HSVの再活性化が重要な発症機序であり、eを選ぶ。
鑑別・注意点
初感染による発症もあり、全例が再活性化とは限らない。髄液HSV-PCRなどと照合する。低Na血症だけを根拠にLGI1抗体関連脳炎と混同せず、病変分布と臨床経過を合わせる。
診断専門医 2020年度 問4
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問4
解答例:dを第一候補(皮質形態の評価を要する)
選択肢別の解説
a|条件・追加確認が必要
厚い皮質と脳回減少は鑑別ですが、外側皮質と別の帯状灰白質を白質層が隔てるかを多断面で確認します。
b|第一候補ではない
細かな脳回と不整な皮質表面が代表で、広い皮質下の灰白質様帯の第一候補ではありません。
c|第一候補ではない
前脳の分離異常が中心で、左右半球と脳室が分かれた本例の帯状構造とは異なります。
d|最も適合する
皮質下に灰白質に似る広い帯状構造を認め、帯状異所性灰白質を優先します。厚い皮質との境界は全断面で確認します。
e|第一候補ではない
局所皮質肥厚や境界不鮮明、transmantle signなどを評価しますが、本例は広い帯状分布です。
判断のポイント
外側の皮質とは別に、皮質下に灰白質に似た帯状構造が広く分布しており、帯状異所性灰白質を第一に考える。正常皮質との間の白質層を追い、単に皮質が厚い滑脳症と区別する。
鑑別・注意点
異所性灰白質と滑脳症は神経細胞移動異常の連続した分類に含まれるが、同義ではない。提示2断面では帯状構造と厚い皮質の境界に評価限界があるため、全断面・多断面再構成で確認する。旧解説の二つの病名を同一視する説明は採用しない。
診断専門医 2020年度 問5
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問5
解答例:c
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
髄内の虚血信号を来しますが、局所的に前方へ屈曲した脊髄と背側髄液腔の拡大を第一には説明しません。
b|第一候補ではない
硬膜内髄外の占拠性腫瘤を確認する病態で、明瞭な腫瘤を欠く前方偏位とは異なります。
c|最も適合する
胸髄が局所的に前方へ偏位し腹側硬膜に接する像を支持します。背側くも膜囊胞・webを全断面で鑑別します。
d|第一候補ではない
髄内T2異常や腫大が主で、局所の前方屈曲を伴う構造的変化とは異なります。
e|第一候補ではない
髄内・軟膜増強などを評価する病態で、局所的な前方脱出様形態の第一候補ではありません。
判断のポイント
胸髄が局所的に前方へ屈曲・偏位し、背側くも膜下腔が拡大している。横断像でも脊髄が腹側硬膜へ接しており、脊髄ヘルニアを考える。
鑑別・注意点
ここでのヘルニアは椎間板ヘルニアではなく、脊髄が硬膜欠損を通って脱出する病態である。背側くも膜囊胞・webとの鑑別には、連続断面、脊髄腹側の髄液腔、必要に応じて髄液流評価を用いる。
参考文献
診断専門医 2020年度 問6
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問6
解答例:c
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
外傷や整形外科処置に続く急性の微小塞栓分布が手掛かりで、2か月かけて増える病変の経過には劣ります。
b|第一候補ではない
腫瘤・浮腫や増強などを評価しますが、時間を置いて蓄積する梗塞様病変では他候補を優先します。
c|最も適合する
進行する意識障害と複数時期に生じるDWI病変は血管内閉塞を生じるリンパ腫を疑う契機です。LDHや組織診で確認します。
d|第一候補ではない
外傷直後の白質・脳梁・脳幹病変が代表で、外傷が示されず数か月進行する本例とは異なります。
e|条件・追加確認が必要
進行性白質障害として鑑別しますが、免疫背景と病変辺縁の拡散などを確認し、反復梗塞様分布では血管内リンパ腫を優先します。
判断のポイント
初回の小さなDWI高信号に加え、2か月後には両側大脳白質に多発病変が増加している。進行する意識障害と、時間をおいて蓄積する梗塞様病変から血管内リンパ腫を疑う。
鑑別・注意点
DWI高信号だけで通常の塞栓性梗塞と決めない。ADC、造影、全身所見・LDHなどを合わせ、皮膚等の組織診断へつなげる。脂肪塞栓やびまん性軸索損傷では外傷・処置歴と発症時期が重要である。
診断専門医 2020年度 問7
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問7
解答例:b
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
脂肪や石灰化、充実部の混在を探します。本例の液体性病変と舌下間隙への連続性には劣ります。
b|最も適合する
顎下の液体性病変が口腔底・舌下間隙へ続く形が支持します。舌下腺との関係を確認します。
c|第一候補ではない
耳下腺内外や外耳道付近との関係が代表で、舌下間隙を起点とする進展とは異なります。
d|第一候補ではない
胸鎖乳突筋前縁・頸動脈付近の病変を考えますが、口腔底への連続性ではガマ腫を優先します。
e|第一候補ではない
舌骨に近い正中病変が代表で、片側舌下から顎下へ続く分布とは異なります。
判断のポイント
左顎下部の液体信号病変が口腔底・舌下間隙側へ連続しており、顎下型ガマ腫を考える。囊胞の大きさよりも、舌下腺周囲から顎下間隙へ及ぶ経路が診断の手掛かりになる。
鑑別・注意点
顎舌骨筋の欠損部や後縁を介して進展し得る。tail signが明瞭でない例もあるため、その不在だけでは除外しない。鰓裂囊胞では頸動脈・胸鎖乳突筋との位置、甲状舌管囊胞では舌骨との関係を確認する。
診断専門医 2020年度 問8
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問8
解答例:e
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
通常T1低信号で拡散制限が手掛かりとなり、T1・T2とも高信号の内容とは異なります。
b|第一候補ではない
卵円窓周辺や蝸牛周囲の脱灰が代表で、錐体尖の膨張性病変とは異なります。
c|第一候補ではない
鼓膜や中耳の石灰化・硬化性変化で、錐体尖の液体性・膨張性病変を説明しません。
d|第一候補ではない
頸静脈孔や鼓室の血流豊富な腫瘍が代表で、この部位と高T1内容とは異なります。
e|最も適合する
錐体尖の膨張性骨変化とT1/T2高信号の蛋白・出血性内容が整合します。
判断のポイント
左錐体尖に骨梁を消失させる膨張性病変があり、T1・T2の両方で高信号を示す。部位と信号の組合せからコレステリン肉芽腫を考える。
鑑別・注意点
T1高信号は出血・蛋白性内容などを反映し得る。真珠腫は通常T1低信号で拡散制限が手掛かりとなる。耳硬化症や鼓室硬化症の骨変化とは病変の中心と膨張性が異なる。
診断専門医 2020年度 問9
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問9
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・追加確認が必要
癌既往から鑑別ですが、隣接椎体・椎間板へ連続する病変と傍脊椎変化では感染を優先します。
b|第一候補ではない
椎体圧潰だけでなく隣接椎間板と周囲軟部組織の異常を説明する必要があります。
c|第一候補ではない
多発髄内病変や圧潰は来しますが、椎間板をまたぐ炎症性変化では他候補を優先します。
d|第一候補ではない
骨棘や椎間板変性だけでは進行する麻痺と広い炎症性信号・周囲病変を説明しにくい所見です。
e|最も適合する
隣接椎体と介在椎間板、傍脊椎の変化が支持します。脊髄圧迫と膿瘍を評価し、培養などで確認します。
判断のポイント
隣接椎体と介在椎間板に及ぶ異常、傍脊椎軟部組織の炎症性変化を認め、化膿性脊椎炎を優先する。胃癌手術歴だけで骨転移とせず、椎間板を含む連続した病変を読む。
鑑別・注意点
MRIで硬膜外進展・膿瘍と脊髄圧迫を評価する。神経症状が進行しているため迅速な対応が必要であり、血液培養・炎症所見などで裏付ける。画像だけで菌種は決めない。
参考文献
診断専門医 2020年度 問10
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問10
解答例:a、cを第一候補(解答の確定は保留)
選択肢別の解説
a|支持する
異常信号の中心は舟状骨として読みます。骨の位置を距骨・楔状骨との関節で確認します。
b|条件・追加確認が必要
造影は血流や感染・腫瘍鑑別を助けることがありますが、通常の疲労骨折診断の必須検査ではありません。
c|有用な情報
舟状骨疲労骨折を考える場合、反復荷重と運動負荷歴が診断上重要です。ただし本例で骨折線を確定できていません。
d|支持しない
疲労骨折やKöhler病は通常白血球増加を特徴としません。炎症所見があれば感染などを再評価します。
e|条件・追加確認が必要
Köhler病なら保存治療が基本ですが、舟状骨疲労骨折では手術例もあります。病型未確定の本例で一律には選べません。
判断のポイント
異常信号の中心は舟状骨であり、aは支持される。T1低信号とSTIR高信号を示す病変に対して、年齢と荷重部位から疲労骨折を第一に考え、運動負荷歴を確認するcを候補とする。
鑑別・注意点
旧解説とコメントは疲労骨折とKöhler病で見解が分かれる。提示像のみでは確実な骨折線を追い切れず、Köhler病に特徴的な骨硬化・扁平化の単純X線評価もない。Köhler病なら保存治療が基本でeが候補となる一方、疲労骨折では手術例もある。追加断面・CT・単純X線なしに二つ目の選択を断定しない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2020年度 問11
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問11
解答例:c
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
侵襲的骨破壊や腫瘍骨形成などが代表で、小さな皮質内透亮域と反応性硬化を主体とする像には劣ります。
b|条件・追加確認が必要
皮質内膿瘍も鑑別ですが、小さなnidusと周囲硬化の構造では類骨骨腫を優先し、CT・炎症所見で確認します。
c|最も適合する
小児の持続痛と限局した皮質硬化、その内部の小透亮域がnidusを示唆します。薄切CTで確認します。
d|第一候補ではない
浸潤性骨破壊と層状骨膜反応、軟部腫瘤などを評価する病態で、限局性皮質内病変とは異なります。
e|第一候補ではない
通常より大きな骨形成性病変で、周囲の強い反応性硬化を伴う小さなnidusでは類骨骨腫を優先します。
判断のポイント
大腿骨遠位骨幹部の限局した皮質肥厚・骨硬化と、その内部の小さな透亮域を認める。小児の持続する局所痛と合わせ、nidusを持つ類骨骨腫を考える。
鑑別・注意点
運動後に気付いたことだけで外傷と決めない。nidusが単純X線で不明瞭なら薄切CTで確認し、骨髄炎の膿瘍や、より大きな骨形成性病変である骨芽細胞腫と区別する。
診断専門医 2020年度 問12
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問12
解答例:c
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
侵襲的破壊・腫瘍骨形成を評価しますが、前方皮質に限局する硬化縁付き多房性病変では他候補を優先します。
b|第一候補ではない
小さなnidusと周囲硬化が代表で、前方皮質に沿う多房性の広い病変とは異なります。
c|最も適合する
小児の脛骨前方皮質に膨隆する多房性透亮像と硬化縁が支持します。線維性骨異形成とは別病態です。
d|第一候補ではない
典型は骨幹端の偏心性病変で、本例の脛骨前方骨幹皮質に沿う形態では他候補を優先します。
e|第一候補ではない
片側皮質の流蝋状骨硬化が代表で、この多房性透亮像を主体とする構造とは異なります。
判断のポイント
脛骨骨幹部の前方皮質を中心に、硬化縁を伴う多房性透亮像と皮質膨隆がみられる。年齢・部位・皮質中心の構築から骨線維性異形成(osteofibrous dysplasia)を優先する。
鑑別・注意点
非骨化性線維腫の典型は骨幹端の偏心性病変である。名称の近い線維性骨異形成と混同せず、脛骨前方皮質という分布を押さえる。増大・骨破壊・髄腔進展などがあればadamantinomaを含めて評価する。
参考文献
診断専門医 2020年度 問13
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問13
解答例:c
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
小葉中心性・気道散布性結節や空洞などを評価し、本例の地図状すりガラスと細網状影の組合せには劣ります。
b|第一候補ではない
粉塵曝露に対応する小結節や塊状線維化が手掛かりで、今回の肺胞充填性パターンの第一候補ではありません。
c|最も適合する
地図状すりガラスと細かな網状影によるcrazy-pavingが整合します。BALや抗GM-CSF抗体などで裏付けます。
d|第一候補ではない
基底・胸膜下線維化、牽引性気管支拡張や蜂巣肺が中心で、この斑状肺胞性陰影とは異なります。
e|第一候補ではない
リンパ路性結節や肺門縦隔リンパ節が代表で、今回の主パターンとは異なります。
判断のポイント
地図状・斑状のすりガラス影に細かな網状影が重なっており、crazy-paving patternとして読む。労作時呼吸困難と選択肢を合わせ、肺胞蛋白症を第一に考える。
鑑別・注意点
このパターンは肺胞蛋白症だけに特異的ではなく、感染、肺水腫、出血などでも生じる。気管支肺胞洗浄液や病理、自己免疫性なら抗GM-CSF抗体などで裏付け、画像のみで病型を確定しない。
参考文献
診断専門医 2020年度 問14
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問14
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|支持しない
中心陰影の変化だけで中縦隔原発と固定せず、右上葉の容量変化と肺門部を合わせて評価します。
b|誤り
右上肺野内側の異常陰影と容量変化を評価する必要があり、肺病変なしとはいえません。
c|支持しない
重症筋無力症との関連は胸腺腫などで重要ですが、この写真から胸腺腫と判断する根拠はありません。
d|支持する
右気管傍線が明瞭に追いにくく、周辺の濃度上昇と合わせて評価します。
e|支持する
上部の中心陰影が広く見えます。原因はCTで肺と縦隔の関係を確認し、組織型は断定しません。
判断のポイント
右上肺野内側の濃度上昇と中心陰影上部の拡大、右気管傍線の不明瞭化を認める。中心部病変に伴って右上葉が内側へ縮小する像を考え、d・eを選ぶ。
鑑別・注意点
単に縦隔腫瘤とせず、肺門部の凸状陰影と上葉の容積減少を合わせて評価する。Golden S signは中心部腫瘤を伴う右上葉虚脱の手掛かりだが、胸部X線だけで原因の組織型までは決めない。
診断専門医 2020年度 問15
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問15
解答例:d
選択肢別の解説
a|条件・追加確認が必要
隔壁肥厚・すりガラスは共通しますが、広いリンパ節腫大と粒状病変を含めると他候補を優先します。
b|第一候補ではない
空洞や気道散布性結節などを評価しますが、リンパ系の広い間質性分布では他候補を優先します。
c|条件・追加確認が必要
間質肥厚とリンパ節は重なります。原発癌や分布を調べ、画像のみで除外しません。
d|最も適合する
縦隔リンパ節と気管支血管束・隔壁肥厚、小葉中心性結節の組合せが支持します。病理・全身炎症評価が必要です。
e|第一候補ではない
上肺優位の不整囊胞と結節、喫煙歴が手掛かりで、今回のリンパ節・間質分布には劣ります。
判断のポイント
縦隔リンパ節腫大と、両肺の小葉中心性小結節、気管支血管束・小葉間隔壁の肥厚、すりガラス影が組み合わさっている。多中心性Castleman病に伴う肺病変を考える。
鑑別・注意点
画像だけで確定できず、リンパ節病理や炎症・全身所見が必要である。肺水腫や癌性リンパ管症とも重なるため、リンパ節の分布、原発悪性腫瘍、循環動態を合わせ、HHV-8関連と特発性の分類も画像だけでは決めない。
診断専門医 2020年度 問16
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問16
解答例:d
選択肢別の解説
a|条件・追加確認が必要
単独の不整結節は癌も鑑別です。周囲衛星結節の集簇を重視し、必要な組織評価を行います。
b|条件・追加確認が必要
衛星結節を伴う結核も類似像となるため、galaxy signだけで除外せず培養などで確認します。
c|第一候補ではない
多発石灰化結節や囊胞などはあり得ますが、融合する微小結節の形では他候補を優先します。
d|最も適合する
小結節が集簇・融合して大きな結節に見えるgalaxy signが支持します。臨床・他部位・病理と統合します。
e|条件・追加確認が必要
気道散布性結節や気管支拡張を調べます。今回の集簇像だけで感染を完全除外はできません。
判断のポイント
右肺の大きな結節状陰影の周囲に小結節が集簇している。小結節が融合した中心部と周辺の衛星結節からなるsarcoid galaxy signとして読み、サルコイドーシスを優先する。
鑑別・注意点
Galaxy signだけで確定はできず、結核などでも類似像を示し得る。気管支血管束・胸膜・小葉間隔壁に沿う分布、他の肺病変やリンパ節、臨床・病理を合わせる。
診断専門医 2020年度 問17
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問17
解答例:b
選択肢別の解説
a|概ね正しい
肺葉内型は肺葉外型より他奇形の合併が少ない傾向です。合併が全くないという意味ではありません。
b|誤り
肺葉内型は正常肺と胸膜を共有します。固有胸膜を持つのは肺葉外型の特徴です。
c|画像と整合
異常体動脈領域に低吸収・気腫様変化を認めます。気道と血管の全体を確認します。
d|一般的特徴として適切
反復感染が発見契機になり得ますが、本例のような無症状発見例もあります。
e|正しい
下行大動脈から病変へ向かう異常体動脈を認め、静脈還流とともに術前に追跡します。
判断のポイント
下行大動脈から左下葉側の病変へ流入する異常動脈を認め、周囲肺内に存在する肺葉内肺分画症を考える。肺葉内型は正常肺と胸膜を共有するため、固有の胸膜を持つとするbが誤りである。
鑑別・注意点
固有胸膜を持つ肺葉外型と区別する。肺葉内型でも無症状で発見される例がある。治療前には体循環由来の流入動脈と静脈還流を連続して確認し、肺動静脈瘻と混同しない。
診断専門医 2020年度 問18
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問18
解答例:c
選択肢別の解説
a|候補となる
薬剤性障害には器質化肺炎型などがあり、この末梢斑状陰影を来し得ます。服薬歴が必要です。
b|候補となる
ウイルス感染でも末梢すりガラスを来し得ます。画像だけで病原体は決めません。
c|相対的に考えにくい
典型はリンパ路に沿う結節で、今回の末梢斑状すりガラス主体の像には他候補が適合します。絶対除外ではありません。
d|候補となる
末梢・気管支周囲の斑状陰影は整合します。器質化肺炎の原因がないことを確認して特発性とします。
e|候補となる
末梢優位陰影は整合します。好酸球、喘息、経過などの裏付けが必要です。
判断のポイント
両側の末梢・胸膜下優位に斑状すりガラス影を認める。薬剤性肺障害、ウイルス性肺炎、器質化肺炎、慢性好酸球性肺炎で説明し得る分布であり、典型的なリンパ路性小結節を主体とするサルコイドーシスは相対的に考えにくい。
鑑別・注意点
可能性が低いという設問であり、サルコイドーシスを絶対に除外する意味ではない。単一の画像パターンから慢性好酸球性肺炎と確定せず、薬剤歴、経過、好酸球増多、感染評価を組み合わせる。
診断専門医 2020年度 問19
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問19
解答例:e
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
気道散布結節や空洞を探しますが、喘息背景の分枝状高吸収粘液栓では他候補を優先します。
b|第一候補ではない
脂肪・ポップコーン状石灰化を含む円形結節が代表で、気管支に沿う分枝形態とは異なります。
c|第一候補ではない
流入動脈と流出静脈への連続性が必要です。単純CTで高吸収の気管支状構造を造影血管と混同しません。
d|第一候補ではない
末梢浸潤影と好酸球増加が代表で、気管支内の高吸収粘液栓を主所見とする本例には劣ります。
e|最も適合する
喘息背景と気管支に沿う高吸収粘液栓が強い手掛かりです。Aspergillus感作・IgEなどで確認します。
判断のポイント
喘息の背景に、気管支走行に沿う分枝状の高吸収構造があり、高吸収粘液栓を伴うアレルギー性気管支肺アスペルギルス症を考える。孤立性の充実性腫瘤ではなく、粘液で充満した気管支の形を読む。
鑑別・注意点
単純CTで傍脊柱筋より高吸収の粘液は強い手掛かりになる。診断はAspergillus特異的IgE、総IgE、好酸球などと合わせる。造影血管のように見える形でも、単純CTであることと気管支との連続性を確認する。
診断専門医 2020年度 問20
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問20
解答例:確定保留(分布の全薄切像での確認が必要)
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
粉塵曝露、上肺優位結節や塊状線維化などの情報がなく、発熱を伴うびまん性細粒状病変では感染を優先します。
b|確定保留
微小結節を血行散布性と読めるかが鍵です。提示像では分布判定に限界があり、胸膜直下・葉間面まで全薄切像で確認します。
c|条件・追加確認が必要
気道散布性細菌感染も鑑別です。浸潤影や気道との関係、培養・炎症所見を合わせます。
d|条件・追加確認が必要
小葉中心性結節や気管支壁肥厚が主体なら候補になります。微小結節の分布だけで菌種を固定しません。
e|条件・追加確認が必要
小葉中心性粒状影、気管支拡張と慢性副鼻腔炎があれば再評価します。発熱・咳だけでは確定しません。
判断のポイント
両肺に微小結節を認めるが、提示断面だけではランダム分布を明瞭に追い切れない。粟粒結核と細気管支中心性の感染・炎症を鑑別し、全薄切像で胸膜直下・葉間面を含む分布を確認する。bを画像だけで断定しない。
鑑別・注意点
提示2断面では微小結節と小葉構造の関係を全て追い切れないため、全肺薄切像で胸膜直下・葉間面にも分布するかを確認する。小葉中心性・tree-in-budが主体なら気道散布性感染やびまん性汎細気管支炎を再評価し、結核は微生物学的に裏付ける。
参考文献
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2020年度 問21
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問21
解答例:c
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
多血性の境界明瞭な充実結節が代表で、肺胞性すりガラス成分を伴うこの転移形態の第一候補ではありません。
b|第一候補ではない
通常の血行転移性充実結節に比べ、肺胞壁に沿う進展を示す原発腫瘍を考える所見です。
c|最も適合する
膵腺癌の肺転移は肺胞壁を置換してすりガラス・肺胞性陰影を示すことがあります。全例の特徴ではありません。
d|第一候補ではない
扁平上皮癌の転移では充実性結節や空洞などが手掛かりで、今回の肺胞性形態には劣ります。
e|第一候補ではない
微小なびまん性結節などが代表で、このすりガラスを伴う肺胞性結節の第一候補ではありません。
判断のポイント
複数の肺結節が、均一な充実結節ではなくすりガラス成分を伴っている。膵腺癌の肺転移では、腫瘍細胞が肺胞壁に沿って進展して肺胞性・lepidicな画像を示すことがあり、cを選ぶ。
鑑別・注意点
膵癌の肺転移が全てこの形になるわけではない。原発性肺腺癌や炎症性結節も鑑別であり、原発巣・経時変化・必要な病理で確認する。画像単独で肺原発か膵原発かを確定しない。
参考文献
診断専門医 2020年度 問22
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問22
解答例:d
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
肺の容積減少だけでなく、肝臓がくびれを持って頭側へ突出する変化を説明する必要があります。
b|第一候補ではない
外傷後の低酸素血症では検索しますが、提示された肝の形態変化を説明する診断ではありません。
c|条件・追加確認が必要
横隔膜挙上の鑑別ですが、肝にくびれを伴う局所突出があるため、単なる運動麻痺より破裂を優先します。
d|最も適合する
高エネルギー外傷後に肝が頭側へ突出し基部にくびれが生じ、横隔膜損傷からの脱出を支持します。全断面で連続性を確認します。
e|第一候補ではない
小児期感染後などの片側透過性亢進が中心で、外傷後の肝の頭側脱出とは異なります。
判断のポイント
経過中に右肝が頭側へ突出し、その基部にくびれがみられる。高エネルギー外傷後という背景と合わせ、右横隔膜損傷部からの肝ヘルニアを考える。
鑑別・注意点
旧解説の横隔神経麻痺から修正する。単に右横隔膜が高いことだけで麻痺とせず、肝のwaist/collar signと横隔膜連続性を多断面で確認する。引用の症例報告は類似所見の根拠であり、試験症例と同一とは確認していない。
参考文献
診断専門医 2020年度 問23
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問23
解答例:d
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
肥大は共通しますが、広範な全周性心内膜下造影と血液・心筋のコントラストでは浸潤性病態を優先します。
b|第一候補ではない
心室拡大と収縮低下、心室中層線維化などが代表で、今回の広い心内膜下分布とは異なります。
c|第一候補ではない
単一冠動脈支配に沿う心内膜下・貫壁性病変が基本で、この全周性の広い分布とは異なります。
d|最も適合する
壁肥厚と広範な心内膜下を含む造影分布が支持します。AL/ATTRの区別は血液検査・核医学・組織で行います。
e|条件・追加確認が必要
心室頻拍は共通しますが、通常の斑状非虚血性分布より全周性の浸潤パターンを重視します。
判断のポイント
左室壁肥厚に、冠動脈の単一支配域に限られない広範な心内膜下から壁内の遅延造影を認める。全周性の分布と心筋・血液のコントラストから心アミロイドーシスを優先する。
鑑別・注意点
心サルコイドーシスの斑状非虚血性病変や、梗塞の冠動脈支配域に沿う病変と比較する。MRIだけでAL型とATTR型を分けず、単クローン性蛋白検査、適応に応じた骨親和性トレーサ検査・組織診断を合わせる。
診断専門医 2020年度 問24
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問24
解答例:c
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
咽頭後方から出る食道憩室であり、大動脈の造影内腔と連続する拡張とは異なります。
b|第一候補ではない
限局的な大動脈内腔狭窄が本体で、分枝起始部の憩室状拡張を主所見とする本例とは異なります。
c|最も適合する
異所性鎖骨下動脈起始部の憩室状拡張に整合します。大動脈弓と分枝走行を元画像でも確認します。
d|第一候補ではない
結核空洞に関連した肺動脈仮性動脈瘤で、大動脈弓分枝の異常とは血管系が異なります。
e|第一候補ではない
輪状咽頭筋より下の食道側方憩室で、大動脈内腔に連続する造影血管とは異なります。
判断のポイント
大動脈弓からの分枝異常と、異所性鎖骨下動脈起始部の憩室状拡張を認め、Kommerell憩室と考える。血管内腔と連続する構造を3D像と元画像で追う。
鑑別・注意点
食道壁から生じるZenker・Killian-Jamieson憩室とは区別する。左右の大動脈弓・鎖骨下動脈の走行、気管食道への圧迫、拡張部の径を評価し、咳嗽があることだけで因果関係を断定しない。
診断専門医 2020年度 問25
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問25
解答例:b
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
びまん性の左室拡大・収縮低下が代表で、基部と心尖部で異なる急性局所収縮パターンとは異なります。
b|最も適合する
心基部収縮に対し心尖部が膨らむ収縮像、心尖部浮腫と急性症状が整合します。経時回復と遅延造影も確認します。
c|第一候補ではない
壁肥厚とびまん性造影などを評価する病態で、この急性の局所バルーニングの第一候補ではありません。
d|第一候補ではない
斑状の非虚血性造影や伝導異常などが手掛かりで、今回の収縮形態では他候補を優先します。
e|第一候補ではない
中隔肥厚と動的流出路狭窄などが中心で、心尖部の一過性収縮障害を説明する第一候補ではありません。
判断のポイント
収縮期に心基部は収縮する一方、心尖部の収縮が不良で拡張した形を示す。心尖部T2高信号による浮腫と、冠動脈有意狭窄がない急性症状を合わせ、たこつぼ型心筋症を優先する。
鑑別・注意点
冠動脈に狭窄がないことだけでは確定できず、心筋炎なども鑑別となる。遅延造影と経時的な壁運動・浮腫の回復を確認し、持続する非可逆性の瘢痕と区別する。
診断専門医 2020年度 問26
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問26
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
単純像にはない瘤内増強が後の相に出現しており、漏れなしとはいえません。
b|条件・追加確認が必要
近位・遠位シーリング部からの連続流入が必要です。後方分枝側の遅い描出ではType IIを優先します。
c|最も適合する
後方の分枝側から遅れて瘤内が造影され、分枝逆流型を支持します。多相・全断面で流入口を確認します。
d|条件・追加確認が必要
グラフト接合部離開や破損部からの流入を確認する型で、今回の描出様式ではType IIを優先します。
e|第一候補ではない
グラフト布の透過性に伴うびまん性の漏れで、局所的な分枝側の遅い増強とは異なります。
判断のポイント
単純CTでは見られない瘤内の造影剤が、後の動脈相で後方の分枝側から描出される。腰動脈などの分枝から逆行性に流入するType IIエンドリークを考える。
鑑別・注意点
Type Iはシーリング部、Type IIIはグラフトの接合部離開や破損が原因となる。提示断面だけで流入口を完全同定したとはせず、多相CT・全断面と瘤径の推移で分類と治療の必要性を評価する。
診断専門医 2020年度 問27
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問27
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・追加確認が必要
HER2陽性腫瘍にも不均一・辺縁増強はあり、画像のみで除外できません。確定はHER2検査によります。
b|第一候補ではない
比較的低悪性度のホルモン受容体陽性腫瘍の傾向より、壊死を伴う辺縁増強では他候補を優先します。
c|条件・追加確認が必要
増殖能の高いホルモン陽性癌も壊死を来し得ます。画像だけで判定せず病理検査を確認します。
d|条件・追加確認が必要
ホルモン受容体とHER2の共陽性は画像のみで決められず、辺縁増強だけで完全には除外しません。
e|最も適合する
既知の浸潤癌に中心非増強域と厚い辺縁増強があり、このサブタイプの画像傾向に合います。受容体検査で確定します。
判断のポイント
比較的丸い腫瘤に、中心の非増強域と厚い辺縁増強を認める。既知の浸潤癌という条件の下で、壊死を伴うトリプルネガティブ乳癌の画像傾向に合致する。
鑑別・注意点
形態はサブタイプを推測する手掛かりであり、確定はER・PgR・HER2検査による。提示は単一の造影像なので時間信号曲線は判定できず、持続性増強をこの症例の確認所見として書かない。
診断専門医 2020年度 問28
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問28
解答例:c
選択肢別の解説
a|該当しない
終了時は増大ではなく縮小しており、新病変などの条件がなければ進行とはしません。
b|該当しない
長径が約36.5%縮小し、30%以上というPRの条件を満たすためSDではありません。
c|該当する
長径22.2mmから14.1mmへの縮小率は約36.5%です。他病変増悪・新病変なしの条件でPRです。
d|該当しない
測定可能な増強病変が残存しており、病変消失の条件を満たしません。
e|該当しない
非標的病変だけの判定ではなく、測定された標的病変の長径変化を評価する状況です。
判断のポイント
提示の標的病変の長径は治療前22.2 mmから終了時14.1 mmへ縮小しており、縮小率は(22.2−14.1)/22.2=約36.5%である。ベースラインから30%以上の縮小に該当するためPRと判定する。
鑑別・注意点
RECIST 1.1は各標的病変の長径の和を用い、同じ病変の長径と短径を足さない。旧解説の40.0 cmから13.6 cmという計算・単位を修正する。ここでは他病変の明らかな増悪や新病変がない設問条件として評価する。
参考文献
診断専門医 2020年度 問29
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問29
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も適合する
被膜様境界の内側に脂肪と乳腺組織が混在し、乳房内の小乳房様構築が支持します。
b|第一候補ではない
通常は主に軟部組織濃度の腫瘤で、病変内部の脂肪と乳腺組織の混在構築とは異なります。
c|第一候補ではない
不整高濃度やスピキュラなどを評価しますが、この被膜内の混合脂肪構築では他候補を優先します。
d|第一候補ではない
構築の乱れや非対称性が代表で、薄い境界内の脂肪性構築を第一には説明しません。
e|第一候補ではない
比較的境界明瞭な腫瘤でも通常は軟部組織性で、この脂肪を含む組織構成とは異なります。
判断のポイント
乳房下部の境界明瞭な腫瘤内に脂肪濃度と線維乳腺組織濃度が混在し、薄い被膜様境界を伴う。乳房内に小さな乳房があるような構成から過誤腫を考える。
鑑別・注意点
線維腺腫や葉状腫瘍のような主に軟部組織濃度の腫瘤と区別する。典型像は良性だが、内部に新たな不整高濃度部や疑わしい石灰化があれば、それを別途評価する。
参考文献
診断専門医 2020年度 問30
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問30
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・追加確認が必要
小児膵の充実性腫瘤として病理鑑別しますが、女児の被包性・内部変性を伴う像ではSPNを優先します。
b|第一候補ではない
膵原発は稀であり、今回の境界明瞭な膵尾部腫瘤の第一候補にはしません。
c|第一候補ではない
通常小さく多血性で低血糖症状が契機となり、本例の大きく内部変性を伴う像とは異なります。
d|第一候補ではない
神経内分泌腫瘍の一種として考えますが、強い早期増強や機能症状の情報がなく他候補を優先します。
e|最も適合する
女児の膵尾部に境界明瞭で内部不均一な腫瘤を認め、SPNを支持します。低悪性度悪性腫瘍として扱います。
判断のポイント
膵尾部に境界明瞭な腫瘤があり、内部は不均一で低吸収域を含む。若年女児の被包性・充実囊胞性膵腫瘍として、充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)を考える。
鑑別・注意点
SPNは低悪性度の悪性腫瘍であり、良性腫瘍とは記載しない。小児では膵芽腫なども重要だが選択肢にはなく、年齢だけで決めず、出血・被膜・増強や浸潤を追加評価する。
診断専門医 2020年度 問31
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問31
解答例:e
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
注腸で先進部の充盈欠損や重積構造を確認する病態で、遠位腸管の狭小・口径差とは異なります。
b|第一候補ではない
出生直後の閉塞と狭小結腸などを評価し、今回の遠位大腸の収縮性病変とは異なります。
c|第一候補ではない
通常新生児の上部閉塞とdouble bubbleが代表で、この注腸の病変分布とは異なります。
d|第一候補ではない
消化管に接する重複囊胞・管状構造を評価する病態で、遠位大腸の狭小と口側拡張とは異なります。
e|最も適合する
乳児の腹部膨満と注腸での狭小部・口径差、不整収縮が支持します。直腸生検で確定します。
判断のポイント
乳児の腹部膨満と腸管拡張に、注腸での直腸下部の細い部分、口側との口径差・不整な収縮を合わせ、Hirschsprung病を考える。
鑑別・注意点
注腸は狭小部・移行帯や粘膜不整の評価に役立つが、確定は直腸生検による。提示一枚から無神経節部の長さを正確に決めず、正常に見える注腸所見だけでも除外しない。
診断専門医 2020年度 問32
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問32
解答例:b
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
後縦隔神経原性腫瘍ですが乳児では神経芽腫を優先し、石灰化・内部不均一性も合わせます。
b|最も適合する
乳児の傍脊椎後縦隔に石灰化を伴う不均一腫瘤があり、交感神経系腫瘍を支持します。脊柱管進展も確認します。
c|第一候補ではない
神経走行や神経線維腫症の所見が手掛かりで、本例の年齢と石灰化腫瘤では他候補を優先します。
d|第一候補ではない
小児軟部腫瘍の鑑別ですが、傍脊椎交感神経幹の位置と石灰化では神経芽腫を優先します。
e|第一候補ではない
通常はリンパ節群の腫大を評価し、未治療の石灰化を伴う単発傍脊椎腫瘤では他候補を優先します。
判断のポイント
右傍脊椎の後縦隔に不均一な腫瘤があり、内部に石灰化を認める。乳児という年齢と交感神経幹に沿う位置から神経芽腫を優先する。
鑑別・注意点
神経鞘腫など他の神経原性腫瘍も後縦隔に発生するため、部位だけでは決めない。脊柱管内進展と神経圧迫をMRIで確認し、MIBG検査などの全身病期評価と病理を組み合わせる。
参考文献
診断専門医 2020年度 問33
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問33
解答例:b
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
肝脾小結節などを評価しますが、静脈性側副路と流出障害を示唆する不均一増強の第一候補ではありません。
b|最も適合する
不均一増強、形態変化、腹水と肝内静脈性側副路が流出障害を支持します。肝静脈・下大静脈を連続追跡します。
c|条件・追加確認が必要
肝硬変も腹水と形態変化を生じますが、飲酒歴の提示がなく、静脈側副路の形態から流出障害を優先します。
d|第一候補ではない
多発胆管狭窄・拡張や胆管壁変化が手掛かりで、この静脈性灌流パターンとは異なります。
e|第一候補ではない
動脈相の早期門脈描出などを評価する病態で、提示門脈・後期相の流出障害像を第一には説明しません。
判断のポイント
肝の形態変化、斑状の不均一な造影、腹水に、後期相で目立つ肝内静脈性側副路を合わせ、Budd-Chiari症候群を疑う。肝静脈の通常の流出経路が保たれているかを確認する。
鑑別・注意点
肝静脈が一断面で見えないだけでは診断しない。Dopplerや全断面CTで肝静脈・肝部下大静脈の閉塞部と側副血行を追い、一般的な肝硬変に伴う門脈圧亢進と区別する。
診断専門医 2020年度 問34
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問34
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
動脈性供血が主体で門脈性供血に乏しいため、CTAPでは周囲肝に対する造影欠損となり得ます。
b|誤り
FNH自体を肝細胞腺腫と同様の悪性転化リスクを持つ病変として説明しません。
c|誤り
一般に最も多い肝良性腫瘍は血管腫であり、FNHを最多とはしません。
d|誤り
強い拡散制限を特徴とはしません。DWI信号だけで悪性と判断せずADCと他所見を合わせます。
e|正しい
中心から放射状へ広がる動脈構築は特徴です。ただし全例で明瞭に描出されるわけではありません。
判断のポイント
動脈相で強く増強し、肝細胞相でも取り込みを示す腫瘤に中心瘢痕様部を認め、限局性結節性過形成(FNH)を考える。動脈性供血が主体でCTAPでは門脈血流欠損となり、放射状血管のspoke-wheel patternも特徴となる。
鑑別・注意点
FNHを肝細胞腺腫と混同して悪性転化リスクを説明しない。最も多い肝良性腫瘍は血管腫である。瘢痕や肝細胞相高信号は常に揃うわけではなく、複数の典型像を組み合わせる。
参考文献
診断専門医 2020年度 問35
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問35
解答例:c
選択肢別の解説
a|条件・追加確認が必要
辺縁から内部への増強は重なりますが、典型的血管腫の不連続な結節状濃染とは異なるリング状形態です。
b|第一候補ではない
典型例の非辺縁性濃染とwashoutより、線維性間質への遅い増強を示す像です。
c|最も適合する
辺縁優位の早期リング状増強と内部への遅延性増強が支持します。転移等も含め病理・臨床背景で確認します。
d|第一候補ではない
比較的乏血性の充実性病変が代表で、このリング状から遅い内部増強では他候補を優先します。
e|第一候補ではない
均一な強い早期増強と瘢痕などが代表で、今回の辺縁リング状増強とは異なります。
判断のポイント
動脈相では辺縁優位のリング状増強、遅延相では内部への造影の広がりを認め、線維性間質を含む腫瘤形成型肝内胆管癌を考える。
鑑別・注意点
転移や混合型肝癌などでも類似所見を呈し得る。肝炎・肝硬変などの高危険群情報がないため、この症例にLI-RADSカテゴリーをそのまま適用しない。全肝・胆管・原発巣検索や必要な組織診断と合わせる。
診断専門医 2020年度 問36
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問36
解答例:e
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
薬剤性障害は別途あり得ますが、カルシウム塩の胆汁内沈殿による偽胆石の代表薬ではありません。
b|第一候補ではない
抗菌薬開始後というだけでは原因薬を決めません。今回の短期間の胆囊沈着物に特徴的な薬剤は別です。
c|第一候補ではない
この胆囊内偽胆石を典型的に起こす薬剤としては選びません。実際の処方内容を確認します。
d|第一候補ではない
腎毒性などの管理は重要ですが、胆汁内カルシウム塩沈殿による本病態の代表薬ではありません。
e|最も適合する
胆汁中の薬剤がカルシウムと沈殿して結石様物質を作り得ます。投与歴と中止後経過を確認します。
判断のポイント
投薬前にはなかった胆囊内の高エコー沈着物・結石様構造が数週間で出現している。セフトリアキソンの胆汁排泄とカルシウム塩沈殿による偽胆石を考える。
鑑別・注意点
中止後に消失し得るが、腹痛・胆囊炎・胆管炎・膵炎などの合併評価が必要である。画像だけで通常の胆石と成分を識別できるとはせず、薬剤の種類・量、腎機能、経時変化を確認する。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2020年度 問37
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問37
解答例:c
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
通常は膵炎・外傷背景と単房性液体貯留が手掛かりで、微小囊胞が集まる蜂巣構築とは異なります。
b|第一候補ではない
充実性炎症病変と膵管変化を評価しますが、多数の液体信号の小囊胞が主構造です。
c|最も適合する
多数の小囊胞が集簇し中心石灰化を伴う形が支持します。CTで充実性に見えてもMRIで液体性を確認します。
d|第一候補ではない
通常は造影される充実部を評価します。囊胞変性例もありますが、本例の微小囊胞構築では他候補を優先します。
e|第一候補ではない
厚い壁・隔壁、壁在結節などを評価する病態で、微小囊胞蜂巣状構築では漿液性腫瘍を優先します。
判断のポイント
膵尾部の分葉状病変に多数の小囊胞が集簇し、中心石灰化を伴う。MRCPでも蜂巣状の囊胞構造が明瞭で、漿液性囊胞性腫瘍を考える。
鑑別・注意点
造影CTだけでは微小囊胞が充実性に見えることがある。中心石灰化だけに依存せず、MRIで液体信号と隔壁を確認し、主膵管との交通や壁在結節を含めてIPMN・MCNなどと比較する。
参考文献
診断専門医 2020年度 問38
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問38
解答例:eを第一候補
選択肢別の解説
a|条件・追加確認が必要
外傷歴だけでは血腫に確定できません。以前からの病変、石灰化と増強する部分を調べ、出血性腫瘍を考えます。
b|第一候補ではない
微小囊胞の蜂巣構築が典型で、若年女性の被包性・不均一な充実性病変では他候補を優先します。
c|第一候補ではない
早期多血性の充実部が代表で、本例の年齢・変性を伴う腫瘤ではSPNを優先します。
d|第一候補ではない
主に中年女性の体尾部の大囊胞性病変で、若年の石灰化を伴う充実性腫瘤とは傾向が異なります。
e|最も適合する
若年女性の境界明瞭な膵腫瘤に石灰化・内部変性があり、外傷で見つかったSPNを考えます。旧画像と病理で確認します。
判断のポイント
若年女性の膵内に境界明瞭な腫瘤と石灰化、内部の不均一なT2信号を認める。以前にも血腫と説明された病変があり、単なる新鮮外傷性血腫よりも充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)を優先する。
鑑別・注意点
外傷歴は腫瘤の正体を決める根拠にはならない。出血性腫瘍と外傷性血腫の区別には、以前の画像との比較と造影される充実部・被膜の確認が必要である。提示像だけで出血量や病理診断を断定せず、文献症例との同一性も主張しない。
診断専門医 2020年度 問39
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問39
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
偶発的に画像で発見される無症状例もあります。症状がないだけで病変を否定しません。
b|誤り
特徴となる線状・分枝状石灰化は腸間膜静脈系です。動脈硬化性石灰化と区別します。
c|正しい
特に山梔子を含む製剤の長期服用との関連が報告されています。すべての漢方薬を一括して原因にしません。
d|正しい
右側結腸優位の壁肥厚と静脈石灰化が代表です。病変範囲は全結腸で確認します。
e|正しい
粘膜の暗紫色・青銅色調が特徴として報告され、内視鏡所見と静脈病変を対応させます。
判断のポイント
右側結腸壁肥厚と、腸壁から腸間膜へ伸びる線状・分枝状石灰化を認める。静脈硬化性大腸炎に特徴的なのは腸間膜静脈の石灰化であり、動脈とするbが誤りである。
鑑別・注意点
山梔子を含む漢方薬の長期使用との関連が報告されているが、全ての漢方薬を一括して原因としない。粘膜の暗紫色変化、症状の有無と経過、服薬内容を確認し、動脈硬化による虚血性腸炎と区別する。
診断専門医 2020年度 問40
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問40
解答例:d
選択肢別の解説
a|第一選択ではない
急性生魚摂取後の胃症状で、全身の糖代謝検査を補助検査として優先しません。
b|第一選択ではない
全身造影を一律に追加する理由はなく、急性胃病変への内視鏡と必要な局所評価を優先します。
c|条件・追加確認が必要
胃壁浮腫や腹水の評価に役立つことはありますが、設問が求める病因の補助検査では特異的IgEを優先します。
d|適切な補助検査
アニサキス特異的IgEは補助情報になります。ただし総IgEや陽性だけで現在の急性感染を確定できません。
e|第一選択ではない
リンパ系病態等で使われる非特異的指標で、生魚摂取後の急性胃病変の確認には優先しません。
判断のポイント
生魚摂取後の急な心窩部痛と胃壁の浮腫性肥厚から胃アニサキス症を考え、補助検査としてアニサキス特異的IgEを選ぶ。虫体の確認・摘除につながる上部消化管内視鏡が中心となる。
鑑別・注意点
総IgE上昇だけで診断する意味ではない。特異的IgEも既感染や感作・交差反応の影響があり、陽性のみで現在の急性感染を確定できない。検査結果を待って必要な内視鏡診療を遅らせない。
診断専門医 2020年度 問41
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問41
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
多発皮質病変や腎盂周囲軟部組織などが手掛かりで、この単発境界明瞭な低T2腫瘤の第一候補にはしません。
b|条件・追加確認が必要
出血性内容も高CT値・低T2となり得ます。造影提示がないため完全除外せず、増強する充実部を確認します。
c|重要な候補
乳頭状RCCはT2低信号と乏血性増強を示し得ます。造影などを加えてAML・出血性囊胞と比較します。
d|第一候補ではない
典型例はT2高信号と多血性ですが例外もあります。今回は低T2病変として他候補を優先します。
e|重要な候補
脂肪の少ないAMLは平滑筋成分により単純高吸収・低T2となり得ます。乳頭状RCCとは画像が重なります。
判断のポイント
右腎の境界明瞭な腫瘤は単純CTでやや高吸収、T2強調像では低信号を示す。乳頭状腎細胞癌と脂肪に乏しい血管筋脂肪腫が重要な鑑別となる。
鑑別・注意点
T2低信号だけで二者を識別しない。造影前後の信号・CT値、増強、化学シフトや出血所見を確認する。出血性囊胞も低T2を取り得るため、造影で充実部の有無を評価する必要がある。
診断専門医 2020年度 問42
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問42
解答例:c
選択肢別の解説
a|支持しない
腟壁への明らかな連続性・壁構造破壊を示す所見としては読みません。全断面で確認します。
b|支持しない
頸部外側の間質を越える進展を明確には指摘できず、画像にない子宮傍組織浸潤を追加しません。
c|支持する
頸管側へ進展する腫瘍が低信号間質を置換する像として読みます。単なる腔内突出と区別して多断面評価します。
d|支持しない
体部内腔の主な所見は腫瘍であり、単純な液体貯留の説明を第一にはしません。
e|支持しない
体部筋層の深さを別に評価すべきで、提示像から50%以上の浸潤を明確に断定しません。
判断のポイント
内膜腔の腫瘍が頸管側へ伸び、頸部の本来低信号の間質内に中間信号の腫瘍が及んでいる。T2と造影像を合わせ、頸部間質浸潤を考える。
鑑別・注意点
頸管腔内に腫瘍があるだけでは間質浸潤としない。低信号間質輪の断裂・置換を確認し、斜位短軸像とDWIも合わせる。提示像から明確でない腟壁・子宮傍組織浸潤や深部筋層浸潤を追加して断定しない。
診断専門医 2020年度 問43
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問43
解答例:e
選択肢別の解説
a|画像で追加確認が必要
腹腔内液のT1信号上昇は血液を示唆しますが、提示範囲だけで腹水全体の性状は確定できません。
b|条件・追加確認が必要
出血性の卵巣内容を認めますが、子宮内膜症性囊胞と一過性出血性卵胞は同義ではありません。個々の小病変を経時評価します。
c|正しい
内膜症は炎症・癒着や卵巣機能への影響などにより不妊に関連し得ます。
d|正しい
卵巣子宮内膜症性囊胞は両側性もあり、対側卵巣と他部位の病変を確認します。
e|誤り
血液を含む囊胞内容全体が強く均一に増強するのが通常ではありません。T1高信号と増強を区別します。
判断のポイント
脂肪抑制T1強調像で高信号が残り、T2では相対的に信号が低下する囊胞性病変から、血液成分を含む卵巣子宮内膜症性囊胞を考える。通常は内容全体が均一に強く増強する病変ではなく、eが誤りである。
鑑別・注意点
本症は両側性や不妊を伴い得る。提示は非造影像であり、T1高信号を造影効果と混同しない。造影される壁在結節がある場合は悪性化などを別途評価する。腹水の血性判断もT1信号と他断面で確認する。一過性の出血性卵胞と内膜症性嚢胞は同義ではなく、個々の病変を経時的に評価する。
診断専門医 2020年度 問44
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問44
解答例:c
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
腎盂内の壁性・乳頭状病変を評価する腫瘍で、多領域静脈内の欠損像の第一説明ではありません。
b|第一候補ではない
腎腫瘤とそこから続く腫瘍栓を探しますが、提示像に原因腎腫瘤が示されず単純血栓を優先します。
c|最も適合する
造影血液に囲まれる低吸収の静脈内欠損があり、連続性から血栓を考えます。範囲と原因薬・凝固素因を調べます。
d|条件・追加確認が必要
下大静脈原発腫瘍などは鑑別ですが、増強する充実組織や血管壁との関係が必要です。低吸収欠損だけでは診断しません。
e|第一候補ではない
通常は血管外のリンパ節・軟部組織性病変を評価し、血管腔内の欠損を第一には説明しません。
判断のポイント
門脈系や下大静脈系の血管内に、造影血液に囲まれた低吸収の内腔欠損を認める。血管内を連続して追うことで静脈血栓症を考え、血管外の充実性腫瘍と区別する。
鑑別・注意点
月経困難症の治療薬名は示されていない。エストロゲンを含む配合剤は静脈血栓リスクと関連するが、全ての月経困難症治療薬を同じ危険度としない。服薬内容・血栓性素因、全身の血栓範囲を確認する。
診断専門医 2020年度 問45
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問45
解答例:e
選択肢別の解説
a|第一選択ではない
腎実質を温存できる血管内治療が可能な形態では、直ちに腎全摘を選ぶ理由はありません。
b|適切ではない
高流量の腎動静脈短絡を制御する標準的な治療として選びません。
c|第一選択ではない
高流量の短絡に硬化剤を無制御で入れると静脈側へ流出し得ます。流量と離脱位置を制御する治療を優先します。
d|条件・追加確認が必要
血管形態によって使用例はありますが、腎内分枝の温存・瘻孔位置に制約があり本例の第一候補にはしません。
e|最も適切
高流量短絡を流量制御下に、留置位置を調整できるコイルで閉鎖する方法です。肺側逸脱と正常腎虚血を避けます。
判断のポイント
腎動脈造影で拡張した動脈から静脈へ早期に短絡し、バルーン閉塞により流れが制御されている。高流量の腎動静脈瘻に対し、離脱位置を調節できるデタッチャブル型コイルによる塞栓を選ぶ。
鑑別・注意点
コイルの静脈・肺動脈側への逸脱と、正常腎実質の虚血を避けることが重要となる。流入・流出路の径、瘻孔の形態と流速を評価して流量制御を行い、単に瘤状に見えるという理由で腎動脈瘤と混同しない。
診断専門医 2020年度 問46
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問46
解答例:b
選択肢別の解説
a|第一選択ではない
側副流出路があること自体で手技を中止せず、流出路処理の可否と安全性を評価します。
b|適切
頭側へ向かう下横隔静脈系流出路を処理し、標的静脈瘤への停滞を改善する方針です。連続造影で確認します。
c|適切ではない
全身性カテコラミン投与は側副静脈を選択的に閉じる方法ではありません。
d|根拠に乏しい
造影不良が側副流出によるなら過拡張では解決しません。密着不良か側副路かを区別します。
e|この段階では不適切
標的内に十分停滞せず副流出路が残る状況で硬化剤を注入すると非標的へ流出し得ます。先に流出制御します。
判断のポイント
バルーン閉塞下でも頭側へ向かう下横隔静脈系の側副流出路が描出され、胃静脈瘤への十分な停滞が得られていない。左下横隔静脈を塞栓して流出を制御する。
鑑別・注意点
十分量を圧入しても静脈瘤が満たされなければ、側副路を確認してから硬化剤を用いる。胃に重なる濃淡だけを血管外漏出と断定せず、連続造影とカテーテル位置で評価する。副流出路を残したまま硬化剤を注入しない。
診断専門医 2020年度 問47
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問47
解答例:bを第一候補
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
慢性認知機能低下と側頭頭頂・後部帯状回の血流低下が代表で、急性症状と局所過灌流とは異なります。
b|最も適合する
急性の精神・意識症状と側頭葉優位の過灌流が整合します。MRIと髄液PCRで確認します。
c|第一候補ではない
通常は支配領域の低灌流を評価します。再灌流例など例外はありますが、この側頭葉過灌流の第一候補にはしません。
d|条件・追加確認が必要
発作期にも局所過灌流となり、SPECTだけでは除外できません。投与時の脳波・発作との関係が必要です。
e|第一候補ではない
急速進行認知低下と皮質・線条体拡散異常などが代表で、今回の局所過灌流の第一候補ではありません。
判断のポイント
右側頭葉に目立つ高集積を認め、急性の意識障害・精神症状と合わせてヘルペス脳炎を考える。急性期炎症に伴う側頭葉過灌流は既報にもみられる。
鑑別・注意点
部分てんかんの発作期にも過灌流を示すため、SPECTだけで両者を確定的に分けない。投与時点の発作・脳波、MRI、髄液HSV-PCRを合わせる。来院5日後という撮像時期だけで、発作が続いていないとは断定できない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2020年度 問48
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問48
解答例:e
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
小脳萎縮と慢性の失調が中心で、片側大脳病変に対する対側小脳低血流という左右関係では遠隔効果を優先します。
b|第一候補ではない
後方循環の広い領域に関わる病態で、右大脳病変と左小脳だけの相対的低下では他候補を優先します。
c|条件・追加確認が必要
器質的小脳梗塞はMRIで除外しますが、大脳障害と対側性の低血流はCCDを支持します。
d|条件・追加確認が必要
局所血管閉塞を示す血管画像がなく、右内頸動脈病変と対側小脳の機能的低下をまず考えます。
e|最も適合する
右大脳から皮質橋小脳路を介する活動低下が左小脳血流へ及ぶ、交叉性小脳機能解離に整合します。
判断のポイント
右大脳半球の血流低下に対し、対側の左小脳半球の血流が低下している。右内頸動脈閉塞を背景に、皮質橋小脳路を介した機能低下によるcrossed cerebellar diaschisis(CCD)を考える。
鑑別・注意点
小脳低灌流があるだけで小脳梗塞や後下小脳動脈閉塞と決めない。大脳病変との左右関係を確認し、必要に応じMRIで小脳の器質的病変を除外する。
診断専門医 2020年度 問49
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問49
解答例:b、cを第一候補
選択肢別の解説
a|支持しない
左室内腔は拡大した形として読みます。正確な容量はQGS解析値で確認します。
b|支持する
肝・胆道から腸管への分布が目立ち、99mTc標識心筋血流製剤に整合します。
c|支持するが動画確認
拡張末期と収縮末期の面の移動が乏しい領域を認め、前壁・後壁の運動低下を考えます。同期動画・数値で確認します。
d|支持しない
局所集積像と静止QGSだけで梗塞と責任冠動脈枝番号まで固定しません。冠動脈支配の個人差もあります。
e|断定不可
後壁集積低下を減弱だけと決められません。壁運動異常があれば真の心筋障害を含めて評価します。
判断のポイント
プラナー像で肝・胆道から腸管への集積が目立つことから99mTc標識心筋血流製剤を考える。QGS像では前壁・後壁側の拡張末期と収縮末期の面の移動が乏しく、壁運動低下を示すcを合わせて選ぶ。
鑑別・注意点
旧解答c・eから修正する。後壁の集積低下に壁運動異常もあれば、直ちに吸収アーチファクトとは断定できない。正確な局所運動・駆出率は同期動画と数値を確認し、単一のQGS静止画だけで梗塞血管区域まで決めない。
診断専門医 2020年度 問50
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問50
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
Bは201Tlによる単光子画像を考える分布で、PET用の陽電子核種とは異なります。
b|誤り
Aはガンマカメラの単光子像、CはFDG-PETの像として区別します。通常の装置・検出原理は異なります。
c|誤り
Cは脳・心筋・尿路などを描出するFDG像で、糖代謝情報を含みます。
d|誤り
18Fは約110分で、67Ga約78時間・201Tl約73時間より短い半減期です。
e|正しい
想定する67Ga・201Tl・18Fはいずれもサイクロトロン製造が可能です。核種ごとに製造法を区別します。
判断のポイント
Aは肝・骨髄・腸管などの分布から67Ga、Bは心筋・甲状腺・腎などの分布から201Tl、Cは脳・心筋・尿路に集積する18F-FDGの像と考える。201Tlは単光子検査に用い、三核種はいずれもサイクロトロンで製造可能である。
鑑別・注意点
Cは糖代謝を反映するPETで、通常のガンマカメラによるA・Bの単光子画像と区別する。18Fの半減期約110分は67Ga約78時間・201Tl約73時間より短い。元素名だけで製造法を暗記せず、同位体ごとに扱う。
診断専門医 2020年度 問51
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問51
解答例:c
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
骨内脂肪ならCTの脂肪濃度を確認します。小nidusに強い限局集積が対応する本例では他候補を優先します。
b|条件・追加確認が必要
骨形成反応による集積は共通しますが、線状骨折より小さな透亮性nidusへの強集積を重視します。
c|最も適合する
踵骨の小透亮域に強い局所集積が一致し、nidusと反応性硬化を伴う類骨骨腫を支持します。
d|第一候補ではない
関節近傍の液体性囊胞で、骨形成反応が強いnidus型病変の第一候補ではありません。
e|第一候補ではない
液体性骨内病変として形態を評価しますが、小病変に非常に強い局所集積がある像では他候補を優先します。
判断のポイント
右踵骨の小さな透亮性病変と、その部位に一致する強い局所集積を認め、類骨骨腫を考える。中心の強集積と周囲の反応性集積からなるdouble-density signが手掛かりになる。
鑑別・注意点
骨シンチの集積は骨形成反応を示し、強集積だけで良性・悪性を分けない。CTでnidusを確認することが重要で、疲労骨折の線状病変や感染などと比較する。
診断専門医 2020年度 問52
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問52
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
DMSAは主に遅延像で腎皮質を評価します。提示された早期血流から速い尿中排泄を追う検査とは異なります。
b|誤り
通常は脱水を避けて水分を確保します。絶食を本検査の必須前処置とはしません。
c|正しい
血流相の右上腹部の分布は肝に対応し、その後の腎・膀胱への経時変化と区別します。
d|支持する
両腎から速やかに排泄して膀胱へ移行し、明らかな持続停滞がなく正常型を予想します。曲線で確認します。
e|誤り
後期像は排泄遅延などに応じて追加します。速やかな排泄がある全例に必須とはしません。
判断のポイント
血流相で両腎とともに肝が描出され、その後は両腎から尿路・膀胱への速やかな移行を認める。持続した腎盂停滞は目立たず、正常型レノグラムが予想される。
鑑別・注意点
この動態像を、遅延撮像で腎皮質を評価するDMSA像と混同しない。MAG3などの排泄性トレーサを考えるが、画像だけで製剤を完全確定しない。通常は脱水を避けて水分を確保し、絶食や後期像を全例必須としない。
診断専門医 2020年度 問53
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問53
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
通常は低集積で、この強い腫瘤集積と刺激後残存では他候補を優先します。ただし例外的集積もあります。
b|第一候補ではない
悪性を疑う病変は別途組織評価しますが、pertechnetateの保持を特徴とする典型腫瘍ではありません。
c|重要な候補
pertechnetateを取り込み分泌刺激後も保持する耳下腺腫瘤として代表的です。病理型は画像のみで確定しません。
d|第一候補ではない
画像だけで悪性を除外する検査ではありませんが、高集積・保持性腫瘤の典型的候補ではありません。
e|重要な候補
唾液腺シンチで高集積となり得る腫瘍で、Warthin腫瘍とともに候補です。組織評価で区別します。
判断のポイント
左耳下腺の腫瘤に99mTc-pertechnetateの集積と刺激後の残存を認める。唾液腺腫瘤の高集積像から、Warthin腫瘍とオンコサイトーマを候補とする。
鑑別・注意点
高集積だけで両者の病理型を確定しない。CT・超音波・MRIと細胞診等を合わせる。多形腺腫などにも例外的な集積があり、「集積する腫瘍はこの二つだけ」とは覚えない。
診断専門医 2020年度 問54
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問54
解答例:b
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
局所肺血流欠損は来しますが、脳・腎にMAAが届く体循環分布を通常の塞栓だけでは説明しません。
b|最も適合する
肺と脳・腎への集積は右左シャントを支持します。肺動静脈短絡の部位は造影CT等で確認します。
c|第一候補ではない
遊離pertechnetateなら甲状腺・胃などが問題になります。今回の脳・腎血流分布を標識不良だけで説明しません。
d|条件・追加確認が必要
通常の左→右短絡だけでは全身MAA分布になりません。右→左逆転などなら起こり得ますが本例の第一候補にはしません。
e|第一候補ではない
甲状腺機能だけでMAAの脳・両腎への分布を説明できません。
判断のポイント
99mTc-MAAが肺に加えて脳・両腎などに明瞭に分布している。肺毛細血管を通らず体循環へ到達する右左シャントを示し、低酸素血症と合わせて肺動静脈瘻を考える。
鑑別・注意点
旧解説の標識不良から修正する。遊離pertechnetateなら甲状腺・胃・唾液腺などへの集積が問題となるが、脳と腎の血流分布に沿ったMAA集積をそれだけで説明しない。シャントの部位・形態は造影CT等で確認する。
診断専門医 2020年度 問55
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問55
解答例:eを第一候補(悪性腫瘍との鑑別は保留)
選択肢別の解説
a|条件・追加確認が必要
終板病変にFDGが集積する感染も鑑別ですが、椎間板・周囲炎症を確認し局所終板陥凹の形態を重視します。
b|条件・追加確認が必要
癌既往から転移も除外できません。FDGだけでは確定せず、MRIの骨髄置換と経時変化で判断します。
c|第一候補ではない
骨内良性腫瘍より、終板から椎間板と連続する反応性病変を優先して評価します。
d|第一候補ではない
全身性骨代謝異常の分布より、局所の終板に対応する構造異常が主所見です。
e|第一候補・鑑別保留
終板の陥凹に連続する病変はSchmorl結節を支持し、反応性FDG集積を来し得ます。転移との重なりはMRI等で確認します。
判断のポイント
椎体上終板近傍に透亮域と終板の陥凹・連続性を認め、Schmorl結節に伴う反応性FDG集積を第一に考える。FDG集積だけを理由に肝細胞癌の骨転移と判定しない。
鑑別・注意点
旧解答の悪性腫瘍を確定扱いする説明は採用しない。ただし終板骨折を伴う転移とも重なるため、MRIの椎間板との連続・骨髄置換や経時変化を確認する。高分化型肝細胞癌という情報だけでも転移の有無は決められない。
診断専門医 2020年度 問56
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問56
解答例:b
選択肢別の解説
a|第一候補ではない
通常は間質性変化に対応するCT異常も評価します。集積に比して形態変化が乏しい本例では他候補を優先します。
b|最も適合する
肺のFDG集積に比べCT異常が乏しい場合、微小血管内を増殖するリンパ腫を疑います。LDH・全身所見と組織診が必要です。
c|条件・追加確認が必要
感染でもFDG集積は起こりますが、形態異常の乏しさだけでウイルス感染と固定しません。検体・臨床所見を確認します。
d|第一候補ではない
肺門縦隔節やリンパ路性結節などが代表で、今回の形態変化の乏しい肺集積では他候補を優先します。
e|第一候補ではない
隔壁や気管支血管束の結節状肥厚を評価しますが、集積ほどのCT変化を欠く本例の第一候補ではありません。
判断のポイント
肺にFDG集積がある一方、CTではそれに見合う明瞭な肺実質病変に乏しい。呼吸困難と合わせ、肺微小血管内に腫瘍細胞が増殖する血管内大細胞型B細胞リンパ腫を疑う。
鑑別・注意点
CTがほぼ正常ならリンパ腫はない、とは判断しない。炎症性病変や血栓等も鑑別となるため、LDH・血球・全身所見と組織診断を合わせる。FDG集積の程度・分布だけで確定はできない。
診断専門医 2020年度 問57
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問57
解答例:c、d(123I-MIBGを想定。原本に核種の明記なし)
選択肢別の解説
a|誤り
MIBGは静脈投与する検査薬であり、経口の放射性ヨウ素投与とは区別します。
b|誤り
想定する123Iは約13時間です。約6時間の99mTcと混同しません。
c|123Iでは正しい
123Iは電子捕獲で壊変しβ線を放出する131Iとは異なります。原図だけで製剤を一意確認する情報には限界があり投与核種も確認します。
d|正しい
ノルアドレナリン類似体として取り込み機構を介し交感神経末端・クロム親和性細胞へ集積します。
e|誤り
腫瘍検索では通常翌日程度を中心に撮像します。15分と数時間という心臓MIBGの撮像設定とは区別します。
判断のポイント
褐色細胞腫の検索に用いる123I-MIBGはノルアドレナリン類似体で、取り込み機構を介して交感神経末端・クロム親和性細胞へ集積する。123Iは電子捕獲で壊変し、β線を用いる131I製剤とは区別する。
鑑別・注意点
123Iの半減期は約13時間で、静注し、腫瘍検索では通常24時間前後を中心に撮像する。15分・3時間という心臓交感神経検査の時間設定と混同しない。甲状腺ブロックや取り込みに干渉する薬剤にも配慮する。
診断専門医 2020年度 問58
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問58
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・追加確認が必要
皮質機能を持つ癌にも集積し得ますが、像だけで癌と診断しません。形態とホルモン検査を合わせます。
b|第一候補ではない
下腹部の集積を直ちに転移と解釈しません。排泄性・生理的分布と区別し病変位置を確認します。
c|第一候補ではない
通常の転移は副腎皮質トレーサを選択的に産生・保持する機能性腺腫とは異なります。
d|第一候補ではない
下垂体性ACTH過剰では一般に両側皮質が刺激されます。片側優位・対側抑制像では他候補を優先します。
e|最も適合する
左副腎集積と対側抑制は自律性コルチゾール分泌に整合します。ACTH・抑制試験と形態で確認します。
判断のポイント
背面像で左副腎側に集積し、右副腎の描出は抑制されている。左副腎腫瘍からの自律性コルチゾール分泌によりACTHが低下したパターンとして、コルチゾール産生腺腫を考える。
鑑別・注意点
Cushing病は下垂体性ACTH過剰であり、一般に両側副腎皮質が刺激される。シンチだけでホルモン診断・良悪性判定を完結せず、ACTH、コルチゾール、デキサメタゾン抑制試験と形態画像を合わせる。
診断専門医 2020年度 問59
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問59
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|断定しない
抗体製剤の生理的な骨髄分布もあり、画像の骨髄集積だけで病的浸潤と決めません。
b|画像分布上は候補
著しい異常分布は目立ちません。ただし実施には血小板数・骨髄浸潤・全身状態などの別条件が必要です。
c|支持する
左頸部の局所集積はリンパ腫病変を疑います。解剖画像や診察と対応させます。
d|支持しない
肝は抗体製剤の生理的高集積部位であり、濃い描出だけで広範浸潤としません。
e|誤り
出題時のイブリツモマブ治療体系では111In標識抗体で分布確認し、90Y標識抗体で治療します。131I像ではありません。
判断のポイント
CD20陽性リンパ腫に対する111In標識イブリツモマブ チウキセタンの分布確認像と考える。肝などの生理的分布に著しい異常は目立たず、左頸部の局所集積は病変を疑うため、設問上はb・cを選ぶ。
鑑別・注意点
画像で許容される分布でも、実際の90Y内用療法適応は血小板数・骨髄浸潤・全身状態などを別に確認する。肝の生理的高集積を広範浸潤とせず、111Inの診断像と90Yの治療を区別する。ここでは出題当時の検査体系を説明する。
診断専門医 2020年度 問60
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問60
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|該当する
気体内で生じた電離電荷を収集して測定する検出器です。
b|該当する
気体の電離を引き金に高電圧で放電を増幅しパルスを計数します。
c|該当しない
固体半導体の電子・正孔の生成を利用し、気体を有感部とする方式ではありません。
d|該当しない
物質内の捕獲状態に蓄えたエネルギーを熱や光の刺激による発光として読み取ります。
e|該当しない
放射線による発光を検出する方式です。気体電離を用いる電離箱・GMとは検出原理が異なります。
判断のポイント
電離箱とGM検出器はいずれも気体の電離を利用する。電離箱は生成した電荷を集め、GM検出器は高い印加電圧で放電を増幅してパルスを検出する。
鑑別・注意点
半導体は固体内の電子・正孔、シンチレーション検出器は発光、ルミネセンス線量計は蓄積エネルギーの刺激発光を利用する。GM検出器は放射線の計数に適するが、電離箱と同じ線量・エネルギー測定特性を持つとはしない。
診断専門医 2020年度 問61
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問61
解答例:d
選択肢別の解説
a|使用可能な方式
水と脂肪の周波数差を利用する選択的抑制で、STIRの非選択的なT1依存抑制とは異なります。
b|使用可能な方式
水・脂肪信号の位相差から分離するため、造影で短縮したT1を脂肪と同じとして消す原理ではありません。
c|使用可能な方式
周波数選択的な脂肪への反転を用い、造影組織の短いT1を非選択的に抑制するSTIRと区別します。
d|増強評価に不適切
短いT1の成分を抑えるため、造影剤でT1短縮した病変も抑制し、増強を過小評価するおそれがあります。
e|使用可能な方式
水成分を選択的に励起するため、短いT1の造影組織を一律に消すSTIRとは異なります。
判断のポイント
STIRは短いT1を持つ成分の縦磁化がゼロになる時点で信号を抑える方法であり、脂肪の周波数だけを選択しているわけではない。ガドリニウムでT1が短縮した増強組織も抑制され得るため、造影後の増強評価には不適切となる。
鑑別・注意点
造影効果がないように見えてしまう点が問題である。CHESS、Dixon、SPIR、水励起などの周波数・水脂肪分離を利用する方法と区別し、造影前STIRの有用性と混同しない。
診断専門医 2020年度 問62
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問62
解答例:b、e
選択肢別の解説
a|誤り
親の方が短寿命では先に失われるため、娘が親の長い減衰へ追随する過渡平衡の条件ではありません。
b|正しい
親が娘より長寿命で差が有限のとき、十分時間が経つと放射能比が一定の過渡平衡になります。
c|誤り
半減期が等しいことは永続平衡の条件ではありません。親が娘より十分長寿命である必要があります。
d|誤り
親が娘よりはるかに短寿命では永続平衡になりません。大小関係が逆です。
e|正しい
親が十分長寿命なら供給と娘の壊変が釣り合い、十分経過後の娘放射能は親にほぼ追随します。
判断のポイント
親の半減期が娘より長く、その差が有限のときは過渡平衡、親が娘に比べて十分長寿命なら永続平衡となる。十分に時間が経つと親娘の放射能比がほぼ一定となり、娘の放射能は親の減衰に追随する。
鑑別・注意点
親の方が短寿命では、親が先に失われるため同じ平衡にはならない。平衡成立には娘の半減期に対して十分な経過時間も必要で、娘を分離した直後から成立するとは限らない。
診断専門医 2020年度 問63
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問63
解答例:a、c
選択肢別の解説
a|該当する
システムが操作・アクセス履歴を記録する機能は技術的対策です。保存と定期確認の運用も組み合わせます。
b|該当しない
管理体制や手順を規程として定める行為は主に組織的安全管理に整理します。
c|該当する
必要な利用者へ必要な範囲だけ権限を与え、システムでアクセスを制御する技術的対策です。
d|該当しない
職員教育と訓練は主に人的対策です。技術的仕組みと合わせて実施します。
e|該当しない
保護区画と端末の物理的管理を中心とする対策です。システムの権限制御とは分類を区別します。
判断のポイント
利用者のアクセス権限をシステムで設定すること、アクセスをログに記録することは技術的な安全対策に該当する。必要な範囲にアクセスを限定し、誰がいつ何を操作したかを追跡できるようにする。
鑑別・注意点
規程策定や教育訓練は組織的・人的対策、区画や端末の管理は物理的対策として区別する。実際の安全管理では各対策を組み合わせる。リンクの第5.2版は出題後の補足資料であり、2020年時点の版と混同しない。
診断専門医 2020年度 問64
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問64
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
出題時指針は読影用途でより高い輝度を求めます。150cd/m²をすべての診断用標準とはしません。
b|誤り
年1回だけの点検で十分とせず、日常的な確認と定期的品質管理を行います。出題時指針の頻度に従います。
c|誤り
出題時指針は画質を確認した上での圧縮条件を示し、20分の1を一律に許容する記載ではありません。
d|出題時条件では正しい
3.0版の望ましい表示マトリックス1000×1000以上を満たします。ただし全用途で画素数だけで適切と決めません。
e|正しい
電子画像でも診断判断に対する医師の責任はフィルムの場合と同等です。
判断のポイント
出題時の学会ガイドライン3.0版では、液晶モニタの表示マトリックスは1000×1000以上が望ましいため、1600×1000はその条件を満たす。また、電子画像での診断責任はフィルムでの診断と同等である。
鑑別・注意点
旧解答b・eから修正する。輝度劣化は毎日の確認が望ましく、年1回だけでは不十分である。胸部用は最大輝度350 cd/m²以上を推奨し、非可逆圧縮は画質に配慮した1/10までを示している。用途別の条件も必要で、表示画素数のみで全検査に適切とはしない。