この年度の出題傾向
2016年度の掲載解説は80問で、このうち画像診断分野の59問を臓器・主題別に集計しました。内訳では胸部・心血管16問、脳・脊髄・頭頸部11問、肝胆膵・脾9問が多く、肝胆膵・脾の構成比は全年度の年別平均より2.8ポイント高い値です。IVRや撮像技術は対象臓器と重複計上せず別群とし、複合題は主題に基づく便宜分類を含みます。
臓器別の比較は画像診断分野内の割合で行い、21年度の年別構成比の平均と比較しています。複合題は主題一つに分類した当サイトの集計で、公式配点ではありません。境界が曖昧な問題は便宜的な分類を含みます。
画像診断以外の内訳:核医学16問、共通5問。
画像診断の臓器・主題別内訳を見る
| 臓器・主題 | 問題数 | 診断分野内の割合 | 年平均との差 |
|---|---|---|---|
| 脳・脊髄・頭頸部 | 11問 | 18.6% | +0.4ポイント |
| 胸部・心血管 | 16問 | 27.1% | -2.4ポイント |
| 肝胆膵・脾 | 9問 | 15.3% | +2.8ポイント |
| 消化管・腹膜 | 5問 | 8.5% | +0.8ポイント |
| 泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜 | 9問 | 15.3% | +2.2ポイント |
| 骨・関節・軟部 | 5問 | 8.5% | -1.6ポイント |
| 乳腺 | 3問 | 5.1% | +0.5ポイント |
| IVR・手技・画像技術・多臓器その他 | 1問 | 1.7% | -2.8ポイント |
放射線科診断専門医・2016年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月19日:全80問を改訂しました。解答例は非公式です。原本の画像と既存コメントを再確認しました。問7・26・28・45・71・73・80は、選択肢の不整合や画像から確定できない点を明示しています。
解答作成にご協力いただいたO先生、M先生に感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
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診断専門医 2016年度 問1
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問1
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
浅い乳房を細かく観察する標準的な高周波リニア探触子としては低すぎます。深さと空間分解能を合わせて選びます。
b|使用し得る
腹部臓器への深達度と分解能を両立する周波数域です。肥満や深い臓器ではさらに低周波を選ぶ場合があります。
c|使用し得る
腟内から近接する骨盤臓器を高分解能で観察する周波数として使用できます。
d|使用し得る
表在の腱・靱帯や関節周囲を高分解能でみるため、高周波を使います。深部関節では調整します。
e|使用し得る
消化管壁へ近接する超音波内視鏡では高周波が使用できます。深い範囲との比較で周波数を変えます。
判断のポイント
乳腺は比較的浅く、高い空間分解能が求められるため、高周波のリニアプローブを用いる。2.5MHzを乳腺の標準として組み合わせるaは低すぎる。
鑑別・注意点
周波数を上げると分解能は改善する一方、減衰が大きく深達度は低下する。深部臓器や体格に応じ調整し、特定の周波数だけで検査の適否を一律に決めない。
診断専門医 2016年度 問2
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問2
解答例:b
選択肢別の解説
a|低下する方向でない
厚くすると同一面内画素に含まれる体積が増え信号が増えます。一方で部分容積効果が増します。
b|条件付きで正答
FOVや厚さを固定して増やすとボクセルが小さくなり、信号量が減ってSNRが下がります。
c|改善する
独立した加算ならSNRは概ね加算回数の平方根に比例して改善します。撮像時間との交換条件です。
d|通常は改善方向
他条件一定なら縦磁化回復が増え、通常はSNR低下の方向ではありません。コントラストと撮像時間も変わります。
e|通常は改善方向
マトリックスと厚さを固定して広げるとボクセルが大きくなりSNRは改善しますが、面内分解能は低下します。
判断のポイント
FOVやスライス厚等を一定にしてマトリックス数を増すと、一画素・一ボクセルが小さくなり、得られる信号が減ってSNRが低下する。
鑑別・注意点
加算回数を増すとSNRは概ね平方根に比例して改善し、スライスを厚くすると信号量は増える。各パラメータは空間分解能・撮像時間・コントラストとも関係するため、条件を固定した比較であることを明確にする。
診断専門医 2016年度 問3
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問3
解答例:旧a候補だが、条件不明のため確定保留
選択肢別の解説
a|旧正答候補・確定保留
150 kVでの胸部PA撮影は臨床研究にもあり、電圧だけで一律に不適切とはできません。旧aの想定には検出器等の条件確認が必要です。
b|妥当
短時間の曝射は呼吸・心拍による動きのぼけを減らします。必要な線量と管球負荷を満たすことが前提です。
c|妥当
散乱線を検出器へ入る前に減らすため、患者と検出器の間へ置きます。管球前のフィルターとは役割が異なります。
d|妥当
管球側で低エネルギー成分等を除去し、線質と不要な表面線量を調整します。
e|妥当
長い撮影距離は拡大や心陰影の幾何学的歪みを減らし、成人の立位胸部撮影で用いられます。
判断のポイント
成人胸部PA撮影では150 kVpを用いた臨床研究もある。150 kVという値だけを高すぎて不適切と一律に断定する根拠は十分ではない。検出器・体格・線量と画質の最適化条件に依存する。
鑑別・注意点
旧aを出題想定として示す場合も、一般的に150 kVを使用不可と教えない。2005年の48例比較は150 kVpを含み、低電圧の方が等実効線量で画質が良いという結果であって、150が一律禁止という結果ではない。公式解答や想定条件の確認を要する。
診断専門医 2016年度 問4
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問4
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
情報の再利用や適切な連携で業務を効率化する構成が求められます。患者取り違え等を増やさない設計が前提です。
b|正しい
必要な診療情報に確実にアクセスでき、診療の質を高めることが目的の一つです。
c|誤り
救急時の正当な例外アクセスまで禁止すると診療を妨げます。権限・ログ・事後監査を含む例外手順を設けます。
d|正しい
標準規格は異なるシステム間の情報連携を助けます。患者識別や用語・権限の運用も合わせて設計します。
e|正しい
適切な認証、確認、情報共有などに機器を利用し医療安全を支援します。機器を増やすだけで安全が保証される意味ではありません。
判断のポイント
通常のアクセス制限は必要だが、救急診療などの正当な例外を一切許さない運用は診療安全を損なう。必要時の例外アクセスと、その記録・事後監査を設計する。
鑑別・注意点
医療の質・効率・安全と情報保護を両立させる。標準規格は連携を助けるが、使うだけで誤患者結合や権限設定の問題がなくなるわけではない。
診断専門医 2016年度 問5
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問5
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
代行入力が行われる業務を想定し、入力者と最終確認・確定者の責任を明確にします。
b|誤り
緊急時は必要な例外アクセスがあり得ます。通常の制限を無条件に適用せず、記録と監査を伴う手順を定めます。
c|正しい
設備・配線・入退室などの物理的対策も活用します。診療を妨げる無条件の遮断を意味しません。
d|誤り
監査ログは不正閲覧の検出・追跡に役立ち、情報の秘匿性を守る運用にも重要です。
e|正しい
臨床上の必要な利用を確保しつつ、認証・権限・監査で情報保護とのバランスを取ります。
判断のポイント
設備・配線等の物理的安全措置を活用し、医療上の要求への柔軟な対応と情報安全のバランスを取る。代行入力や緊急時運用も想定し、責任と手順を明確にする。
鑑別・注意点
監査記録は不正利用の検出・追跡に役立ち、秘匿性にも関係する。平常時と緊急時を一律に扱うのではなく、認証・権限・承認・事後確認を運用に落とし込む。「最大限」は診療を妨げる無条件の制限という意味には取らない。
診断専門医 2016年度 問6
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問6
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
浸潤性腫瘍でも高信号は出ますが、非対称の内側側頭葉・島皮質主体の変化は脳炎を優先します。
b|比較する
低血糖でも皮質・基底核に異常を来しますが、本例の側頭葉内側優位の非対称性とは分布を比較します。
c|考えにくい
視床内側や中脳水道周囲等が代表です。提示の片側辺縁系・島主体の異常とは異なります。
d|最も考える
内側側頭葉と島に偏る腫脹性FLAIR高信号が合います。髄液PCR等で確認し、疑う場合の治療を遅らせません。
e|比較する
電解質補正歴と対称性基底核病変等を確認します。この片側辺縁系中心の像では第一候補ではありません。
判断のポイント
左側頭葉内側と島皮質に優位なFLAIR高信号・腫脹を認め、選択肢ではヘルペス脳炎が合う。辺縁系と島の非対称病変として読む。
鑑別・注意点
化学療法中というだけで原因を薬剤性に固定しない。DWI、出血、造影、臨床経過と髄液HSV-PCR等で確認する。辺縁系脳炎や発作後変化等も類似し、画像だけでは確定できない。疑う際は適切な抗ウイルス治療を検査結果待ちで遅らせない。
診断専門医 2016年度 問7
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問7
解答例:cを第一候補とするがbとの局在確定は保留
選択肢別の解説
a|考えにくい
通常は脊髄実質の異常が中心です。本例は脊柱管内の占拠性病変が馬尾を圧排しています。
b|局在の鑑別
硬膜下血腫も急な疼痛と圧迫を来します。硬膜の境界が限定像では不明瞭で、硬膜外と確定鑑別できません。
c|第一候補・保留
突然の疼痛と背側からの圧排は硬膜外血腫を支持します。脂肪の消失・硬膜偏位等を全断面で確認します。
d|考えにくい
感染徴候、椎体・椎間板変化と増強等を比較します。突然の発症と無造影像では血腫を優先します。
e|局在の鑑別
髄液腔内の血液の分布や液面・神経根との関係を評価します。背側のまとまった圧迫性病変では硬膜外を優先します。
判断のポイント
突然の痛みと脊柱管背側の占拠性病変による馬尾圧排から急性血腫を考える。背側から圧排する形態は硬膜外血腫に合う。
鑑別・注意点
提示横断像では硬膜との境界が十分明瞭でなく、硬膜下血腫との区別を断定しない。硬膜外脂肪の消失、硬膜の偏位、病変断面の形、全脊柱方向の広がりを確認する。発症3時間だから必ずT1高信号になるとはせず、神経症状と圧迫の緊急評価を優先する。
参考文献
診断専門医 2016年度 問8
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問8
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
対称性に近い広範なDWI異常が単一動脈領域を越え、代謝性障害を支持します。血糖を直ちに確認します。
b|考えにくい
高細胞密度でDWI陽性になりますが、この左右対称の広い灰白質障害を第一には説明しません。
c|比較する
静脈支配域の浮腫や出血、洞・深部静脈の血栓を確認します。分布だけで完全除外せず血糖を優先評価します。
d|比較する
単一動脈領域の病変ではなく、両側の広い分布が代謝性障害を支持します。血管所見とも比較します。
e|比較する
淡蒼球優位等の分布と曝露歴を比較します。本例は基底核・島等に広く、低血糖を優先します。
判断のポイント
両側の基底核・島周囲を含む広範なDWI高信号があり、単一動脈の領域と一致しない。意識障害の背景で低血糖脳症を優先する。
鑑別・注意点
直ちに血糖と治療前後の経過を確認する。DWI高信号はADCで評価し、低酸素、発作後変化等とも比較する。一酸化炭素中毒の淡蒼球優位病変等とは分布を比べるが、一枚のDWIだけで低血糖の実測値や可逆性を確定しない。
参考文献
診断専門医 2016年度 問9
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問9
解答例:b
選択肢別の解説
a|比較する
視床病変は重なりますが、感染徴候・季節・髄液と中脳水道周囲病変を比較します。術後栄養障害ではB1欠乏を優先します。
b|最も考える
両側視床内側・水道周囲異常と消化管術後の背景が合います。三徴がそろうのを待たず非経口B1補充を検討します。
c|重要鑑別
両側視床病変を来し得ます。深部静脈の開存・出血性変化を確認し、画像のみで除外しません。
d|考えにくい
経時的腫大や増強をみます。本例の対称性視床内側・水道周囲という分布と術後背景では第一ではありません。
e|比較する
皮質・線条体のDWIと進行経過が重要です。提示FLAIRの分布と栄養背景からWernickeを優先します。
判断のポイント
両側視床内側と中脳水道周囲のFLAIR高信号を認め、消化管悪性腫瘍術後の栄養障害からビタミンB1欠乏性Wernicke脳症を考える。
鑑別・注意点
飲酒歴がなくても起こる。意識障害・眼球運動異常・失調の三徴がそろうまで待たず、疑えば速やかな非経口B1補充を行う。糖負荷前の補充と栄養・電解質管理を考慮する。両側視床病変のみで静脈血栓症等を除外せず全所見で比較する。
診断専門医 2016年度 問10
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問10
解答例:b
選択肢別の解説
a|考えにくい
脂肪ならT1高信号と脂肪抑制で確認します。脳槽を這う水様信号・DWI高信号とは異なります。
b|最も考える
小脳橋角から脳槽へ広がる液体様病変がDWIでも目立つ点が支持します。ADC・FLAIRも確認します。
c|比較する
通常は髄液と同等でDWIも髄液に近く、本例の強いDWI高信号との違いが手掛かりです。
d|考えにくい
神経走行に沿う増強性充実腫瘤を確認します。本例の脳槽内に沿う嚢胞様分布とは異なります。
e|考えにくい
通常は液体に近い信号で、本例のDWIで強く目立つ類上皮腫様所見とは区別します。
判断のポイント
左小脳橋角部から脳槽に沿う液体様高信号病変があり、DWIでも強い高信号を示す。類上皮腫が合う。
鑑別・注意点
くも膜囊胞は通常髄液に近い拡散を示し、DWI・ADCが区別を助ける。DWI高信号にはT2の寄与もあるためADCと合わせ、全例を単純な強い拡散制限と表現しない。FLAIR、造影、脳神経との関係も確認する。
診断専門医 2016年度 問11
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問11
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|考えられる
髄質静脈が刷毛状に集合するDVAの形が合います。正常還流を担うためnidusと同じ治療標的にしません。
b|考えにくい
AVMなら動脈流入・nidus・早期静脈を評価します。提示の集合静脈はDVAを支持します。
c|考えにくい
洞内の血栓と還流障害を確認します。刷毛状静脈と隣接結節を第一には説明しません。
d|考えられる
隣接する磁化率低信号結節と混合信号が海綿状血管奇形を示唆します。DVAとの合併が知られます。
e|考えにくい
硬膜からの動静脈短絡と皮質静脈逆流を確認します。提示のDVA形態のみで瘻孔とはしません。
判断のポイント
髄質静脈が刷毛状に集合して一本の静脈へ流れる構造と、隣接する磁化率低信号の結節がある。発達性静脈異常と海綿状血管奇形の合併が合う。
鑑別・注意点
旧称の静脈奇形・静脈性血管腫は現在のDVAに対応する。DVAは正常脳の還流を担うため、AVMのnidusと同じ治療標的とは考えない。隣接結節のヘモジデリンや混合信号を確認し、出血源をDVA自体と即断しない。
診断専門医 2016年度 問12
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問12
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
通常は充実性で増強する腫瘤です。洞内の限局した髄液様低吸収とは異なります。
b|比較する
骨欠損や頭蓋外への交通を確認します。洞の位置の丸い低吸収のみでは第一候補ではありません。
c|最も考える
洞内の境界明瞭な丸い髄液様構造が合います。静脈洞の正常変異として血栓と区別します。
d|考えにくい
通常は洞の内腔にある小さな顆粒ではなく、髄液腔内の嚢胞と周囲圧排を評価します。
e|比較する
急性なら高吸収や広い洞異常等を比較します。丸い限局髄液様欠損を一律に血栓としません。
判断のポイント
上矢状静脈洞の位置に境界明瞭な丸い低吸収構造があり、髄液に近い内容のくも膜顆粒が合う。広い範囲を占める血栓とは形と吸収値を比べる。
鑑別・注意点
静脈洞内の欠損を一律に血栓とはしない。必要時はMRI、造影静脈画像で髄液様信号、内部血管、洞の開存を確認する。頭蓋内外の交通や骨欠損がある場合には髄膜瘤等と比較し、単純CTのみで静脈還流を評価したとはしない。
診断専門医 2016年度 問13
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問13
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
鞍結節付近の硬膜に広く接し、強く均一に増強する充実腫瘤が合います。下垂体と発育中心を比較します。
b|考えにくい
視路の腫瘍等もありますが、本例の硬膜に接する形態と増強では髄膜腫を優先します。
c|比較する
嚢胞・石灰化と鞍上の発育を比較します。本例は均一な硬膜付着性充実腫瘤が中心です。
d|比較する
鞍内からの発育、正常下垂体の位置と鞍の拡大を確認します。本例の広い硬膜付着は髄膜腫を支持します。
e|考えにくい
既往・他病変や下垂体茎等を評価します。dural tailだけで完全除外はできませんが第一候補ではありません。
判断のポイント
鞍結節付近の硬膜に広く接する充実性腫瘤が強く比較的均一に増強され、硬膜に沿う増強を伴う。視野障害の背景と合わせ髄膜腫が合う。
鑑別・注意点
下垂体との位置関係と、腫瘤が鞍内から発育したのかを確認する。dural tailは髄膜腫に特異的ではなく、これだけで組織型や悪性度を決めない。視神経・視交叉、内頸動脈等との関係を評価する。
診断専門医 2016年度 問14
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問14
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
傍咽頭脂肪内の浸潤ではなく、咽頭後方・椎前筋前面の結節です。
b|考えにくい
粘膜面の局所腫瘤とは位置が異なり、提示の異常は咽頭後間隙の節として読みます。
c|考えにくい
レベルIIは内頸静脈沿いです。本例は頸動脈の内側・椎前筋前方にあります。
d|位置が一致
咽頭後壁の後ろ、椎前筋前で頸動脈内側の腫大節が外側咽頭後リンパ節に合います。
e|考えにくい
神経孔や神経走行に沿う病変ではありません。提示位置は咽頭後リンパ節です。
判断のポイント
咽頭後壁の後方、椎前筋の前方で頸動脈の内側に位置する腫大結節があり、外側咽頭後リンパ節への転移が合う。Rouvièreリンパ節として知られる部位である。
鑑別・注意点
内頸静脈沿いのレベルIIリンパ節と位置を分けて読む。照射後変化だけとせず、治療前画像・経時変化、形態、必要時PETやMRI等で評価する。T2N0だったことは後のリンパ節再発を否定する根拠にならない。
診断専門医 2016年度 問15
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問15
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
骨軟骨性基質や頭蓋底の中心を確認します。本例の頸静脈孔周囲の高血流腫瘤とは異なります。
b|考えにくい
静脈の充盈異常等を評価します。flow voidを含む増強性腫瘤を単なる血栓とはしません。
c|最も考える
頸静脈孔周囲の強い増強と多数のflow void、耳鳴が傍神経節腫を支持します。
d|比較する
硬膜付着・骨肥厚等を比較します。今回は発育中心と血管性から傍神経節腫を優先します。
e|比較する
頸静脈孔を中心に発生しますが、強い血管性とsalt-and-pepper様の信号から傍神経節腫を優先します。
判断のポイント
右頸静脈孔周囲にT2高信号の腫瘤があり、内部に点状・線状のflow voidを伴い強く増強する。耳鳴の背景と合わせグロームス腫瘍、すなわち傍神経節腫が合う。
鑑別・注意点
salt-and-pepper appearanceは血管流速や出血等による不均一信号を表す。神経鞘腫や髄膜腫とは骨変化、発育中心、血管性を比較する。提示像だけで分泌能、遺伝性、転移リスクまで確定しない。
診断専門医 2016年度 問16
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問16
解答例:e
選択肢別の解説
a|鑑別に含む
浸潤性骨破壊や充実組織を確認します。縮小・変形した洞に伴う膨張性嚢胞では術後性を優先します。
b|比較する
副鼻腔閉塞で膨張性嚢胞を作ります。本例は周囲の術後様骨形態を合わせ術後性上顎嚢胞を考えます。
c|考えにくい
単純な粘膜肥厚だけではない膨張性嚢胞と骨壁変形があります。背景の洞手術歴を確認します。
d|比較する
歯根・埋伏歯や歯槽部との連続を調べます。本例の洞術後様形態とは区別します。
e|最も考える
洞の縮小・骨壁変形と膨張性嚢胞が合います。未提示の手術歴・術式を問診で確かめます。
判断のポイント
上顎洞の縮小・骨壁変形等の術後形態に、右側の膨張性囊胞状病変を認める。遺残・迷入した粘膜等に由来する術後性上顎囊胞を考える。
鑑別・注意点
手術歴と術式・時期を確認する。圧排性の骨菲薄化と、腫瘍の浸潤性骨破壊を区別し、歯との連続性や造影充実部の有無も評価する。画像から既往の手術年を推測して補わない。
診断専門医 2016年度 問17
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問17
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
手の短管骨髄内の分葉状透亮病変と皮質菲薄化が合います。石灰化が目立たない例もあります。
b|考えにくい
通常は骨形成性nidus様構造などを評価します。この短管骨の軟骨性病変では第一ではありません。
c|比較する
炎症所見、皮質破壊や周囲軟部変化を比較します。限局した分葉性髄内病変では内軟骨腫を優先します。
d|考えにくい
指骨の網目状骨溶解等を比較します。本例は孤立した中手骨の膨張性髄内病変が中心です。
e|比較する
髄内すりガラス様基質等を確認します。手の短管骨における分葉性透亮域は内軟骨腫を優先します。
判断のポイント
第5中手骨の髄内に分葉状透亮域と皮質の膨隆・菲薄化があり、内軟骨腫に合う。手の短管骨に好発する軟骨性良性腫瘍である。
鑑別・注意点
病的骨折や皮質破綻を確認し、疼痛を腫瘍性の悪性徴候と即断しない。小病変では明瞭な軟骨性石灰化が乏しいこともある。急速な増大、軟部腫瘤等があれば他の軟骨性腫瘍も評価する。
参考文献
診断専門医 2016年度 問18
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問18
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|重要鑑別
SLE背景と軟骨下低信号帯から壊死を疑います。壊死を囲む滑らかな帯と直上組織の生存性を評価します。
b|考えにくい
感染徴候、滑膜増強や関節液等を評価します。今回は軟骨下低信号帯と頭頸部浮腫が中心です。
c|考えにくい
滑膜内の多発結節・遊離体が代表です。本例の骨頭軟骨下帯を第一には説明しません。
d|重要鑑別
急な痛み、軟骨下の不整低信号帯と広い浮腫が支持します。帯の形を壊死境界と比較します。
e|比較する
一過性骨髄浮腫でも疼痛と浮腫は出ますが、明瞭な軟骨下帯がある場合は骨折・壊死を優先確認します。
判断のポイント
右大腿骨頭荷重部の軟骨下にT1低信号帯があり、STIRで頭頸部の浮腫を伴う。大腿骨頭壊死と軟骨下脆弱性骨折を比較すべき所見である。
鑑別・注意点
壊死を囲む比較的滑らかな帯と、関節面に沿う不整な骨折帯の形、帯の直上の生存性を評価する。SLEは背景となるがステロイド量の提示はなく補わない。一過性骨髄浮腫との関連はあるものの、明瞭な軟骨下帯を伴う場合は骨折・壊死を優先して確認する。
診断専門医 2016年度 問19
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問19
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
脛骨近位内側の鵞足腱に沿う滑液包で、膝窩の半膜様筋と腓腹筋間とは位置が異なります。
b|考えにくい
嚢胞様でも充実組織・増強の有無を評価します。典型滑液包の位置と液体信号はBaker嚢胞を支持します。
c|最も考える
半膜様筋腱と腓腹筋内側頭の間へ延びる液体貯留が典型です。位置が診断の中心です。
d|比較する
半月板辺縁の裂隙と連続を確認します。本例の後内側滑液包の位置とは異なります。
e|比較する
水様内容は重なりますが、解剖学的位置からBaker嚢胞を優先します。非典型な充実部は別途評価します。
判断のポイント
膝窩内側の液体信号病変が半膜様筋腱と腓腹筋内側頭の間へ延びており、Baker囊胞に特徴的な位置である。
鑑別・注意点
T1低信号・T2高信号という内容だけでなく、関節と滑液包の位置関係を確認する。小児では成人のような変性半月板病変を必須としない。充実性成分、異常な壁肥厚、非典型位置等があれば別の囊胞・腫瘍を再評価する。
診断専門医 2016年度 問20
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問20
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
神経走行やtarget sign等を評価します。両側筋内の長軸方向の特徴的な線状病変では優先しません。
b|比較する
静脈奇形なら血管腔・静脈石等を確認します。本例の低信号中心と周囲増強は結節型サルコイドーシスを支持します。
c|比較する
沈着による低信号もありますが、three-stripesとdark-starの組合せは筋サルコイドーシスに合います。
d|最も考える
筋長軸の三層様信号と横断の星状低信号中心・周囲増強が特徴です。全身所見と病理等を合わせます。
e|考えにくい
骨病変等を確認します。本例の筋内の対称的・線状の結節パターンを第一には説明しません。
判断のポイント
下腿筋の長軸に沿う病変はSTIR高信号の辺縁と低信号の中心を持ち、横断像でも中心低信号と周囲増強を認める。結節型筋サルコイドーシスに合う。
鑑別・注意点
長軸方向のthree-stripesと横断面のdark-starを対応させる。低信号中心は線維化を反映するが、これだけで病理確定はしない。肺・リンパ節等の全身所見、必要な組織診断と感染性疾患の除外を合わせる。
参考文献
診断専門医 2016年度 問21
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問21
解答例:c
選択肢別の解説
a|比較する
感染性滑膜炎・骨破壊はあり得ますが、腎不全背景と低T2組織・骨嚢胞から沈着性病変を優先します。
b|比較する
滑膜増殖やびらんは重なります。臨床の多関節分布・血液所見と低T2沈着組織を比較します。
c|最も考える
腎不全背景に低T2の増殖性滑膜組織と骨嚢胞・侵食が合います。透析歴やβ2ミクログロブリン関連を確認します。
d|考えにくい
多発の軟骨結節や遊離体が中心です。本例の広い低信号沈着性組織とは異なります。
e|比較する
ヘモジデリンによる強いT2* bloomingが手掛かりです。本例ではそれが乏しくアミロイドを優先しますが完全除外ではありません。
判断のポイント
股関節周囲の増殖性軟部組織がT2低信号を示し、骨内の囊胞状・侵食性変化を伴う。腎不全を背景とするアミロイド関節症を優先する。
鑑別・注意点
長期透析ではβ2ミクログロブリン沈着が問題となるが、透析歴は提示されていないため問診で確認する。T2*での強いbloomingに乏しい点はヘモジデリンを多く含む腱滑膜巨細胞腫との比較に使うが、陰性だけで完全に除外しない。
診断専門医 2016年度 問22
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問22
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
肺を中心とする腫瘤ではなく、胸腺部の形態と化学シフト所見を評価する像です。
b|比較する
充実性腫瘤との比較が必要ですが、逆位相信号低下による微量脂肪は過形成を支持します。
c|最も考える
胸腺の形態を保ち、逆位相で低下する微量脂肪の混在が支持します。信号だけで全腫瘍を除外はしません。
d|比較する
通常は腫瘤性充実組織で、この微量脂肪に由来する信号低下は過形成を支持する所見です。
e|比較する
脂肪を含む奇形腫等はありますが、胸腺内の微量脂肪と形態を合わせ過形成を優先します。
判断のポイント
前縦隔の胸腺領域が逆位相像で信号低下しており、胸腺実質内の微量脂肪を示唆する。形態と年齢を合わせ、胸腺過形成が合う。
鑑別・注意点
正常胸腺にも脂肪が混在し、若年者では信号低下に乏しい正常例・過形成例もある。信号低下の有無だけで全腫瘍を完全に排除せず、形、増大、臨床経過等を合わせる。脂肪抑制像と逆位相像は原理が異なる。
診断専門医 2016年度 問23
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問23
解答例:b
選択肢別の解説
a|考えにくい
肺動脈から肺静脈への交通を示す病態です。本例は大動脈側から異常供血する太い血管が手掛かりです。
b|最も考える
下葉の異常肺に体循環動脈が連続しており支持します。供血起始と静脈還流はCTA等で確認します。
c|考えにくい
異物による閉塞・air trappingや肺炎を評価します。大動脈由来供血の説明にはなりません。
d|比較する
嚢胞性異常肺として重なる例もあり、分画症との混合もあります。まず異常な体動脈供血を同定します。
e|考えにくい
肺動脈本幹・分枝が大動脈に起始する異常と、下葉への異常体動脈供血は区別します。
判断のポイント
左下葉の異常肺領域に、下行大動脈側から連続する太い血管を認める。体循環からの異常動脈供血を伴う肺葉内分画症が合う。
鑑別・注意点
通常の気管支との交通、異常供血動脈の起始、静脈還流をCTA等で確認する。単純肺野像から静脈還流や胸膜被覆まで確定せず、肺動静脈奇形の肺動脈―肺静脈交通と区別する。
診断専門医 2016年度 問24
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問24
解答例:b
選択肢別の解説
a|合併を評価
塊状線維化は癌と似るため増大・過去像も確認します。両側の上肺結節と収束性大陰影から粉じん病変を優先します。
b|最も考える
上肺の多発結節・線維化と融合する大陰影が進行性塊状線維化に合います。シリカ曝露を確認します。
c|考えにくい
リンパ節や充実性肺病変を評価します。この上肺の結節線維化と融合陰影では第一候補ではありません。
d|考えにくい
粘液瘤とその末梢の過膨張が手掛かりです。両側の塊状線維化の像とは異なります。
e|鑑別に含む
上肺線維化と結節は重なります。分布、肺門・縦隔節と曝露歴を合わせて珪肺と比較します。
判断のポイント
両上肺野の結節・線維化と、肺門へ収束する大きな融合性陰影を認める。進行性塊状線維化を伴う珪肺を考える。
鑑別・注意点
職業・作業ごとのシリカ曝露歴と過去画像を確認する。サルコイドーシス、結核、肺癌等の合併・類似所見も比較し、上肺野の大陰影だけで確定しない。喫煙歴と粉じん曝露歴を取り違えない。
診断専門医 2016年度 問25
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問25
解答例:e
選択肢別の解説
a|鑑別に含む
気道散布や空洞等を評価します。本例は中枢気管支拡張と粘液栓を優先する像です。
b|考えにくい
気管支壁肥厚等はありますが、分枝状の粘液栓と中枢優位の拡張ではABPAを優先します。
c|比較する
アレルギー性背景は重なりますが、末梢性浸潤より気管支拡張・栓が中心です。
d|考えにくい
びまん性小葉中心結節・副鼻腔炎等を比較します。中枢気管支の分枝状粘液栓が本例の手掛かりです。
e|最も考える
中枢優位気管支拡張と粘液栓が合います。喘息、総IgEと特異的IgE等を確認し、高吸収粘液は縦隔条件でも評価します。
判断のポイント
中枢側の気管支拡張と分枝状の粘液栓を認め、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症を考える。若年者の気道病変として喘息等の背景を確認する。
鑑別・注意点
肺野条件だけで粘液を高吸収と断定しない。縦隔条件・単純CTで筋より高吸収かを確認する。喘息歴、総IgE、Aspergillus特異的IgE等を診断基準と合わせ、気管支拡張だけで確定しない。
診断専門医 2016年度 問26
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問26
解答例:dは正しいが、2つ目の確定は保留
選択肢別の解説
a|誤り
PAPではKL-6が上昇し得ます。画像パターンだけで実測値を決めず、低下を特徴とはしません。
b|誤り
LDHも上昇することがあり、低下を本症の代表所見とはしません。
c|本症固有ではない
真菌等の合併感染なら上昇を検討しますが、PAP自体のPAS陽性物質とβ-Dグルカンは別です。
d|正しい
肺胞内のサーファクタント由来の蛋白脂質性物質がPAS陽性となる病態が合います。
e|原文のままでは誤り
治療に用いるのはGM-CSF自体の吸入です。原本の抗GM-CSF抗体は病因となる中和抗体で、無断で読み替えられません。
判断のポイント
地図状のすりガラス影に隔壁・小葉内線状影が重なるcrazy-paving patternがあり、肺胞蛋白症を考える。肺胞内にPAS陽性の蛋白脂質性物質が貯留するdは合う。
鑑別・注意点
原本eは「抗GM-CSF抗体吸入療法」と記載されている。研究・臨床で用いられるのはGM-CSF自体の吸入であり、自己免疫性PAPの病因となる中和抗体を吸入する治療ではない。KL-6・LDHは上昇し得て、β-Dグルカン高値はPAP固有の特徴ではない。eを無断で読み替えず、正答2つの条件との不整合を残す。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2016年度 問27
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問27
解答例:e
選択肢別の解説
a|優先しない
腫瘍マーカーのみでこの小葉中心性・分枝状気道病変を診断できません。まず慢性気道感染の背景を確認します。
b|鑑別次第
結核も鑑別ですが、陽性だけで活動性肺結核とはいえません。喀痰検査等と合わせます。
c|鑑別次第
粉じん病変も結節を作りますが、この気道中心性の像では慢性細気管支炎と副鼻腔病変を優先します。
d|鑑別次第
過敏性肺炎なら重要な問診ですが、本例の分枝状病変・気道異常では副鼻腔炎歴を先に確認します。
e|優先する
慢性細気管支炎の像に対し副鼻腔気管支症候群の背景を確認します。副鼻腔炎のみでDPB確定ではありません。
判断のポイント
右中下葉に小葉中心性粒状影・分枝状影と気道病変を認め、慢性細気管支炎を考える。副鼻腔気管支症候群を調べるため副鼻腔炎の既往を確認する。
鑑別・注意点
副鼻腔炎があるだけでびまん性汎細気管支炎が確定するわけではない。抗酸菌症、慢性誤嚥等も分布と臨床背景から比較する。T-SPOTは結核感染の補助検査で、陽性だけで活動性肺結核の診断にはならない。
診断専門医 2016年度 問28
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問28
解答例:cを第一候補とするがeとの確定は保留
選択肢別の解説
a|比較する
異常な体循環動脈供血を確認します。今回の上葉の過膨張と中心性粘液病変は閉鎖症を優先します。
b|考えにくい
通常は炎症性浸潤・胸膜病変等を評価します。局所低吸収・血管減少と無症状の背景では優先しません。
c|第一候補・保留
粘液貯留と末梢過膨張・血管減少が支持します。ただし液面を含む円形病変があり嚢胞との裁定は保留します。
d|比較する
既存空洞内の菌球や炎症性変化を確認します。提示病変を形だけで真菌症としません。
e|重要鑑別
液面を伴う丸い肺内病変は鑑別です。中枢気管支途絶、末梢air trappingや全断面で閉鎖症と比較します。
判断のポイント
左上葉に局所的な低吸収・血管の乏しい領域があり、中心部の粘液貯留を伴う病変から気管支閉鎖症を優先する。粘液瘤は必ずしも棍棒状だけでなく、円形にもなり得る。
鑑別・注意点
原本では液面を伴う丸い病変があり、肺内気管支原性囊胞や先天性病変の併存も鑑別となる。旧本文・コメントのどちらも外形だけで結論を決めず、中枢側気管支の途絶、末梢気道、呼気時air trappingを多断面で確認する。
診断専門医 2016年度 問29
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問29
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
数か月の咳・微熱に上葉の結節とtree-in-budがあり経気道散布を疑います。喀痰の核酸・培養等で確認します。
b|考えにくい
結節を来し得ますが、分枝状小葉中心性の気道散布では感染を優先します。
c|比較する
リンパ路沿いの結節と肺門節等を比較します。本例のtree-in-budは気道散布を支持します。
d|考えにくい
細気管支病変は重なりますが、慢性の上葉結節散布という組合せでは抗酸菌を優先します。
e|比較する
気道病変や粘液栓はあり得ます。画像だけで菌種は決まらず、気道散布の結核を優先して検査します。
判断のポイント
右上葉の末梢結節・浸潤影と小葉中心性の分枝状影があり、数か月続く微熱と咳から肺結核の経気道散布を優先する。
鑑別・注意点
tree-in-budは結核に特異的ではなく、非結核性抗酸菌や他の感染、誤嚥等でも生じる。喀痰塗抹・培養・核酸検査等で確認し、画像だけで菌陽性や感染性を確定しない。疑う段階で適切な感染対策も考慮する。
診断専門医 2016年度 問30
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問30
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
肺結節でも連続する流入・流出血管があればまず血管病変を評価し、安易に生検しません。
b|考えにくい
感染性の結節散布ではなく、結節に連続する血管が主所見です。脳塞栓との関係も考えます。
c|比較する
血管性病変として比較しますが、肺動脈と肺静脈が短絡する構造なら肺AVMとします。
d|最も考える
結節状の血管腔に流入・流出血管が続きます。右左短絡で奇異性塞栓を生じ、脳梗塞の背景になります。
e|考えにくい
一般的な充実性腫瘍より連続する血管の形態を優先して解釈します。
判断のポイント
右下葉の小結節に連続する流入・流出血管を認め、肺動静脈奇形を考える。肺毛細血管を迂回する右左シャントは奇異性塞栓による脳梗塞の原因となる。
鑑別・注意点
薄切CTや必要時CTAで血管の連続を確認し、血管の重なりを結節と誤認しない。肺AVMがある場合はHHTの徴候・家族歴を確認するが、胸部画像だけで遺伝性と確定しない。
診断専門医 2016年度 問31
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問31
解答例:e
選択肢別の解説
a|鑑別に含む
肉芽腫性リンパ節病変は重なります。対称性の肺門腫大と臨床・検体を比較します。
b|考えにくい
前縦隔の腫瘤との位置を側面とCTで確認します。本例は両側肺門腫大を優先する形態です。
c|比較する
拡張した肺動脈そのものか節性腫大かを輪郭で比較します。CTで確認する必要があります。
d|考えにくい
通常は隔壁・気管支血管束の病変等が中心です。本例の対称性肺門腫大とは優先順位が異なります。
e|最も考える
若年成人の比較的対称な両側肺門腫大が合います。CT、全身所見と他の肉芽腫疾患の除外を合わせます。
判断のポイント
正面像で両側肺門が比較的対称性に腫大しており、若年成人のサルコイドーシスを考える。肺動脈そのものの拡大か、リンパ節性かを輪郭と側面像で比較する。
鑑別・注意点
側面の胸骨後濃度だけで胸腺腫と決めない。CTでリンパ節の位置と肺病変を確認し、臨床・病理と他の肉芽腫性疾患の除外を合わせる。若年というだけで胸腺腫を否定する説明も避ける。
診断専門医 2016年度 問32
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問32
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
くも膜下出血直後の両側空気腔陰影は神経原性肺水腫を支持します。心機能と経時変化も確認します。
b|考えにくい
通常はランダムな微小結節が主体です。一時間程度の中枢神経イベント後の浸潤影とは異なります。
c|合併を評価
意識障害では併存し得ます。依存部の分布や臨床経過を比較し、水腫だけで全陰影を確定しません。
d|考えにくい
慢性線維化や気道中心性変化が問題で、本例の急性イベント直後の像とは異なります。
e|考えにくい
肺門節やリンパ路結節等を比較します。急な両側空気腔病変では水腫を優先します。
判断のポイント
くも膜下出血の直後に両肺のすりガラス影・コンソリデーションが出現し、急性の神経原性肺水腫が合う。交感神経活動亢進等に伴う肺循環・透過性変化を考える。
鑑別・注意点
意識障害時の誤嚥や心機能障害も併存し得るため、分布だけで除外しない。発症前画像、心エコー、酸素化、経時的な改善を評価する。中枢神経イベントがあるだけで全肺陰影を神経原性と確定しない。
参考文献
診断専門医 2016年度 問33
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問33
解答例:b
選択肢別の解説
a|考えにくい
中隔内へ入る細い枝ではなく、心臓下面の後室間溝へ続く主な下行枝として追跡します。
b|該当する
右冠動脈から心臓下面・後室間溝へ走る枝に狭窄があると読みます。起始からの連続性が重要です。
c|考えにくい
左前下行枝から中隔内へ入る穿通枝ではありません。尾側から見る表示方向に注意します。
d|考えにくい
左優位なら存在しますが、本例は右冠動脈側から続く枝として読みます。優位性には個人差があります。
e|考えにくい
前室間溝を走る枝ではなく、心臓下面の後下行枝の位置にあります。元の連続像で追跡します。
判断のポイント
尾側から見たpartial MIPで右冠動脈が房室溝から心臓下面へ回り込み、後室間溝を走る枝を認める。狭窄は右冠動脈由来の後下行枝と考える。
鑑別・注意点
再構成で見える一本を心室中隔内の枝と誤認しない。元の連続断面と起始からの追跡でPDAと中隔穿通枝を区別する。冠動脈優位性には個人差があるため、後下行枝が全例右冠動脈由来とはしない。旧本文の解答変更の経緯は、最終的な解剖説明に置き換える。
診断専門医 2016年度 問34
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問34
解答例:b、e
選択肢別の解説
a|誤り
偽腔も造影されており、全体を血栓閉鎖型とは分類しません。血栓の部分と開存部を区別します。
b|正しい
上行大動脈へ解離が及ぶためStanford A型です。遠位進展の有無とは独立した分類です。
c|誤り
II型は上行大動脈に限局します。腹部にも解離がありこの分類には合いません。
d|誤り
急性A型は原則緊急の外科評価が必要です。個別の手術リスク判断と一律の保存第一選択は異なります。
e|提示像では正しい
提示断面では真腔から連続すると読みます。上流から追跡し、起始腔と臓器灌流障害を別々に評価します。
判断のポイント
上行大動脈に解離を認めるためStanford A型で、腹部大動脈にも及びDeBakey II型には合わない。上腸間膜動脈は提示断面で真腔側から連続して起始すると読む。
鑑別・注意点
真腔・偽腔を上流から追跡し、径だけで判断しない。偽腔も造影されており一律の血栓閉鎖型ではない。急性A型は原則として緊急外科評価を要し、保存的治療を一律第一選択とはしない。分枝起始腔と臓器灌流障害の有無は別に評価する。
診断専門医 2016年度 問35
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問35
解答例:e
選択肢別の解説
a|考えにくい
膨隆だけでなく弓から下行の陥凹と前後の拡張をまとめ、縮窄形態を考えます。
b|考えにくい
高齢者の単純な蛇行とは年齢と形態が異なります。若年者の縮窄と側副血行を確認します。
c|鑑別に含む
若年者の大動脈狭窄では鑑別しますが、単純像の3 sign様形態は縮窄症を優先します。
d|考えにくい
解離を単純像だけで否定はしませんが、慢性的な縮窄・側副血行を示唆する形態が中心です。
e|最も考える
3 sign様の大動脈輪郭が支持します。上下肢血圧差、脈拍とCT・MRI等で狭窄を確認します。
判断のポイント
大動脈弓から近位下行大動脈の輪郭に縮窄前後の膨隆と陥凹を認め、3 signを考える。肋骨下縁の変化があれば肋間動脈側副血行に伴うrib notchingを評価する。
鑑別・注意点
若年者の頭痛は上肢側高血圧と関連し得るが、血圧値は提示されておらず補わない。上下肢血圧差、脈拍遅延、心エコー・CT/MRIで狭窄部と側副血行を確認する。
参考文献
診断専門医 2016年度 問36
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問36
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
局所的な肥厚部や中層瘢痕等を評価します。この広い心内膜下LGEの分布は沈着性疾患を支持します。
b|考えにくい
典型的な中隔中層LGEと異なり、全周性に近い心内膜下の異常が目立ちます。
c|考えにくい
壁運動が中心で通常は明瞭な梗塞様LGEに乏しい病態です。本例のびまん性心内膜下LGEでは優先しません。
d|最も考える
単一冠動脈領域を越える広い心内膜下増強が合います。AL/ATTRの判別は免疫学的検査・骨親和性核種等を組み合わせます。
e|比較する
斑状の中層・心外膜側等を比較します。本例のびまん性心内膜下分布はアミロイドを優先します。
判断のポイント
左室の広い範囲で心内膜下に遅延造影があり、単一冠動脈領域を越えて分布する。心アミロイドーシスの浸潤性パターンが最も合う。
鑑別・注意点
LGE像だけでALとATTRを区別しない。T1・ECV、心エコー、血清・尿免疫固定と遊離軽鎖、適切な骨親和性核種のシンチ等を診断手順に沿って用いる。心筋nullingの異常も手掛かりだが提示のない撮像過程を補わない。
診断専門医 2016年度 問37
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問37
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
左房内の境界明瞭な腫瘤が後期も残り不均一に増強します。エコーで茎・可動性と弁口閉塞を評価します。
b|考えにくい
主に小児の心筋内腫瘍です。この成人左房内の病変では第一候補ではありません。
c|考えにくい
通常は右房壁を主座とする浸潤性・出血性病変を評価します。本例の左房内境界明瞭腫瘤とは異なります。
d|比較する
既往や他臓器・心膜病変を確認します。左房内で境界明瞭な病変なら粘液腫を優先します。
e|比較する
右心系や大血管周囲を浸潤する例等が重要です。今回の左房内有茎性を疑う形態とは比較します。
判断のポイント
左房内に境界明瞭な腫瘤があり、後期相でも残存して内部に不均一な造影を伴う。年齢と息切れ・失神の背景も合わせ左房粘液腫が合う。
鑑別・注意点
早期の低吸収だけなら造影剤混和不良や血栓も比較する。心エコーで付着茎、可動性、僧帽弁流入への影響を確認し、CT一断面から卵円窩付着を確定しない。塞栓や弁口閉塞のリスクを評価する。
診断専門医 2016年度 問38
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問38
解答例:e
選択肢別の解説
a|比較する
乳頭・乳輪の湿疹性病変が中心です。血性分泌だけで決めず、偏心性の乳房陰影を評価します。
b|比較する
通常は乳頭直下を中心とする扇状等の構造です。偏心性不整陰影と血性分泌では癌を優先します。
c|比較する
痛み、発赤と液体貯留等を確認します。高齢男性の不整陰影と血性分泌を炎症だけとしません。
d|考えにくい
腫瘤として発生し得ますが、本例の乳頭近傍不整陰影と血性分泌では乳管癌を優先します。
e|最も考える
高齢男性の偏心性不整濃度と血性乳頭分泌は乳管癌を疑う組合せです。超音波と組織検査で確認します。
判断のポイント
左乳頭近傍から偏心性に濃度上昇・不整な陰影があり、70歳代男性の血性乳頭分泌を合わせ浸潤性乳管癌を優先する。
鑑別・注意点
女性化乳房に多い乳頭直下中心の分布と比較する。男性だからカテゴリーを機械的に一段階上げる規則とはしない。マンモグラフィ所見と臨床症状から超音波・必要な組織診断へ進め、原本に明瞭なスピキュラがあると過剰に補わない。
参考文献
診断専門医 2016年度 問39
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問39
解答例:a(当該石灰化の精査を終了し通常検診へ)
選択肢別の解説
a|当該精査を終了
典型的な粗大ポップコーン状石灰化は退縮性線維腺腫に合います。この病変の精査を終え、通常検診へ戻す意味です。
b|短期追跡は通常不要
典型良性所見が臨床と一致するなら、当該病変だけの短期追跡は通常必要ありません。非典型・増大時は別です。
c|通常不要
典型良性の粗大石灰化に対し、通常は細胞採取を行いません。臨床との不一致があれば再評価します。
d|通常不要
微細多形性等の疑わしい石灰化とは異なり、典型良性なら組織生検は通常不要です。
e|通常不要
確実な良性所見に対し外科的切除による診断を通常は選びません。今後の検診不要を意味しません。
判断のポイント
境界明瞭な結節内の粗大な、いわゆるポップコーン状石灰化があり、退縮した線維腺腫の典型的良性所見に合う。この病変に対する生検や短期間の精査継続は通常不要である。
鑑別・注意点
「診療終了」は今後の乳癌検診を不要にする意味ではなく、通常の検診へ戻す解釈とする。全ての線維腺腫を同じ扱いにはせず、非典型石灰化や増大、触診との不一致があれば再評価する。次問の増大する非石灰化腫瘤と区別する。
診断専門医 2016年度 問40
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問40
解答例:d
選択肢別の解説
a|比較する
粘液性で境界明瞭・後方増強もあり得ますが、急な分葉状増大と裂隙では葉状腫瘍を優先します。
b|考えにくい
この大きな増大性の線維上皮性病変の第一候補ではありません。乳管内の局在等を比較します。
c|再検討が必要
針生検でも葉状腫瘍との区別に限界があります。増大と内部構造の変化が結果と整合するか再評価します。
d|最も考える
短期間の明らかな増大、分葉状形態と内部裂隙が支持します。増大だけで悪性度までは決めません。
e|比較する
充実性癌も評価しますが、既存組織との重なりと形態から葉状腫瘍を優先し、必要な再採取・切除で確認します。
判断のポイント
7か月で明らかに増大し、分葉状の充実性腫瘤の内部に不均一エコー・裂隙状成分を認める。葉状腫瘍を疑い、既往の線維腺腫という針生検結果を再評価する。
鑑別・注意点
針生検は病変の一部を採るため、線維腺腫と葉状腫瘍の組織が重なる場合は画像・臨床との整合が重要となる。増大だけで悪性葉状腫瘍とは決めず、追加評価や切除標本で分類する。
診断専門医 2016年度 問41
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問41
解答例:b
選択肢別の解説
a|考えにくい
膿瘍の液体腔ではなく、拡張胆管様構造内を門脈枝が通る位置関係が手掛かりです。
b|最も考える
嚢状拡張胆管内の門脈枝がcentral dotを作ります。MRCP等で交通・非閉塞性拡張を確認します。
c|考えにくい
胆道閉鎖に伴う肝門部変化とは異なり、肝内胆管の嚢状拡張と内部門脈枝が目立ちます。
d|考えにくい
充実性腫瘤ではなく、胆管の液体腔内に血管が残る像として評価します。
e|考えにくい
血流の豊富な充実腫瘍ではありません。見えている血流は嚢胞内容そのものではなく門脈枝です。
判断のポイント
肝内の囊胞状構造内を門脈枝が走行し、超音波でも内部血流を確認できる。拡張胆管内のcentral dot signとしてCaroli病が合う。
鑑別・注意点
門脈枝が囊胞性構造内を通る位置関係が重要で、囊胞内容の血流ではない。MRCP等で胆管との交通と非閉塞性拡張を評価し、合併する肝線維症や腎病変を確認する。「ある疾患」の具体名は提示されていないため補わない。
診断専門医 2016年度 問42
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問42
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
上部盲端と下部瘻なしなら通常は腹部ガスに乏しい型です。本例の消化管ガスと合いません。
b|考えにくい
上部瘻のみでは下部消化管への気道由来ガスを説明しにくく、下部瘻を伴う型を優先します。
c|最も考える
上部で管が反転する閉鎖像と腹部ガスから、下部気管食道瘻を伴う型をまず考えます。
d|完全除外はできない
上下両方の瘻はまれですが、単純写真だけで上部瘻まで直接除外したわけではありません。詳細評価で確認します。
e|考えにくい
H型瘻のみなら食道は連続します。上部盲端で管が反転する食道閉鎖とは異なります。
判断のポイント
経鼻管が上部食道の盲端で反転している一方、胃・腸管内にガスがある。食道閉鎖に下部気管食道瘻を伴うGross C型をまず考える。
鑑別・注意点
腹部ガスは下部瘻から空気が入ることを示唆するが、単純写真だけで全瘻孔を直接描出したわけではない。まれな上下両瘻型の除外等には術前の詳細評価が必要となる。ガスのない例も閉塞した下部瘻を伴うことがあり、一所見を絶対的に扱わない。
診断専門医 2016年度 問43
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問43
解答例:d
選択肢別の解説
a|合併に注意
進行性の局所狭窄では合併を評価しますが、今回の広い数珠状狭窄拡張とUC背景はPSCを支持します。
b|考えにくい
合流部の位置や胆管拡張を評価します。多発短区間狭窄という主所見の説明ではありません。
c|考えにくい
非閉塞性拡張の形を確認します。本例は狭窄と拡張の交代が中心でPSCを優先します。
d|最も考える
UCと肝内外胆管の数珠状変化が合います。二次性硬化性胆管炎やIgG4関連等を除外します。
e|考えにくい
現在の名称は原発性胆汁性胆管炎で、小型胆管の疾患です。MRCPの大型胆管の数珠状変化とは異なります。
判断のポイント
肝内外胆管に短い狭窄と拡張が混在する数珠状変化を認め、潰瘍性大腸炎の既往を合わせPSCが合う。
鑑別・注意点
MRCPは胆管全体の評価に有用で、閉塞性病変、術後・虚血性変化、IgG4関連硬化性胆管炎等を除外する。PBCは主に小型胆管の疾患で、このような大きな胆管の数珠状変化とは異なる。局所の進行性狭窄では胆管癌合併も評価する。
診断専門医 2016年度 問44
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問44
解答例:a、d(出題時の想定)
選択肢別の解説
a|有用
関連する性生活・感染症歴、骨盤症状等を丁寧に確認し、Fitz-Hugh-Curtis症候群の背景を調べます。
b|通常不要
肝被膜炎の通常の確認法ではありません。診察と適切な感染検体の検査を優先します。
c|優先しない
IgG4関連病変を疑う場合の検査です。若年者の被膜炎像からは骨盤内感染を優先します。
d|出題上有用・限界あり
クラミジア等の抗体は補助になりますが、過去感染も反映します。活動性感染はNAAT等の適切な検体で確認します。
e|優先しない
胃十二指腸疾患の疑いがあれば必要ですが、肝表面の線状早期増強を来す被膜炎の直接確認法ではありません。
判断のポイント
若年女性の右季肋部痛に早期相で肝表面の線状増強があり、Fitz-Hugh-Curtis症候群を考える。性生活を含む関連病歴と、原因感染を示す検査が診断を助ける。
鑑別・注意点
血清抗体価は過去感染を反映し得るため、それだけで現在の感染を確定しない。現在のクラミジア・淋菌評価は適切な検体の核酸増幅検査等を用いる。肝被膜増強は他の炎症でも起こり、骨盤所見や診察を合わせる。経皮肝生検は一般的な確認手段ではない。
診断専門医 2016年度 問45
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問45
解答例:旧解答a、eだが2つへの限定は保留
選択肢別の解説
a|合併し得る
肺AVMの右左短絡で細菌が肺のフィルターを迂回し、脳膿瘍を起こすことがあります。
b|合併し得る
肝血流異常に関連したFNH様結節等が知られます。肝腫瘤は合併しないと一律にはいえません。
c|合併し得る
肝内の動門脈短絡や結節性再生性過形成に伴う門脈圧亢進で静脈瘤を生じ得ます。選択肢を無条件には否定できません。
d|特定の遺伝型で合併
SMAD4関連の若年性ポリポーシス/HHT重複では起こり得ます。一般的なHHTの必発所見という意味ではありません。
e|典型的所見
指先等の毛細血管拡張はHHTの典型所見です。ただし「合併しうる」を二つだけに限定する根拠は不足します。
判断のポイント
反復性鼻出血と拡張・蛇行した肝動脈、肝内シャントからHHTを考える。毛細血管拡張と、肺AVMの右左シャントに関連する脳膿瘍は重要な関連所見である。
鑑別・注意点
ただし「合併しうる」の範囲では、肝内シャントによる門脈圧亢進・静脈瘤も起こり、FNH等の肝結節も知られる。cやbを一律に否定してa、eだけを断定しない。大腸ポリープもSMAD4関連の重複症候群という別の条件があり、典型所見と特殊な合併を区別する。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2016年度 問46
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問46
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
典型的な充実性の動脈濃染・washoutより、隔壁をもつ液体様病変と周辺増強を優先します。
b|鑑別に含む
胆道疾患の背景で重要ですが、壊死性腫瘍と膿瘍を壁・充実組織、経過や検体で比較します。
c|考えにくい
出血性変化もあり得ますが、胆管空腸吻合後の多房液体様構造では感染を優先します。
d|最も考える
分葉・隔壁をもつ低吸収病変と周囲輪状増強、吻合後の感染リスクが合います。培養等で裏付けます。
e|鑑別に含む
嚢胞性腫瘍なら壁在結節や不整な組織を確認します。提示形態と病歴では膿瘍を優先します。
判断のポイント
肝右葉の低吸収病変は分葉・隔壁を持ち、周囲の輪状増強と灌流変化を伴う。胆管空腸吻合後という感染リスクを合わせ、細菌性肝膿瘍が最も合う。
鑑別・注意点
背景だけで感染を確定せず、発熱、血液検査、培養、DWI等を合わせる。腫瘍の壊死・囊胞性腫瘍との鑑別に、壁の性状、充実結節、経時変化等を評価する。一枚の画像から原因菌や治療反応を決めない。
診断専門医 2016年度 問47
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問47
解答例:b
選択肢別の解説
a|原因になり得る
外傷後の浮腫やリンパ流変化でperiportal haloが生じ得ます。実質損傷・出血も合わせて評価します。
b|相対的に最も低い
貧血では血管内自体が低吸収になることがありますが、門脈周囲の帯状低吸収とは区別します。
c|原因になり得る
肝炎に伴う浮腫で門脈周囲低吸収を示し得ます。非特異的所見で肝炎確定ではありません。
d|原因になり得る
移植後のリンパ流障害等で門脈周囲浮腫を来し得ます。術後時期や他所見を確認します。
e|原因になり得る
リンパ系浸潤やうっ滞で生じ得ます。周囲節や他臓器病変と合わせて評価します。
判断のポイント
肝内門脈枝に沿う帯状低吸収はperiportal haloに合う。外傷、急性肝炎、移植後やリンパ系の病変等が候補となり、単純な貧血は相対的に考えにくい。
鑑別・注意点
門脈周囲の浮腫・リンパうっ滞等を反映する非特異的所見で、特定疾患の確定所見ではない。単純CTで貧血に伴う血管内低吸収がある場合と、血管周囲の低吸収を区別する。
診断専門医 2016年度 問48
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問48
解答例:cを優先するがdとの画像上の重なりがある
選択肢別の解説
a|考えにくい
発生部位やDWI等を評価します。一般的な女性の膵嚢胞性腫瘍としてMCN・SCNを先に比較します。
b|考えにくい
通常は充実性悪性病変や壊死を評価します。薄い壁・隔壁をもつ嚢胞性形態から第一にはしません。
c|第一候補・重なりあり
女性の大きな境界明瞭な嚢胞、壁と隔壁が支持します。卵巣様間質を画像で確定できる意味ではありません。
d|重要鑑別
典型は小嚢胞集簇ですが、大嚢胞型ではMCNと重なります。水様MRCP信号だけでどちらかを確定しません。
e|交通を確認
主膵管・分枝との交通を確認します。交通未確認の大きな単独嚢胞ではMCN等と比較します。
判断のポイント
境界明瞭な大きな囊胞性腫瘤に壁・内側隔壁があり、女性の膵囊胞性腫瘍としてMCNを優先する。典型的な小囊胞集簇や中心瘢痕のSCNとは形態を比較する。
鑑別・注意点
MRCPで水に近い高信号を示すだけでは漿液性・粘液性を区別できない。大囊胞型SCNとの重なりがあり、膵管交通、壁在結節、壁石灰化、必要時EUS等を合わせる。卵巣様間質は画像で直接診断できず、旧解答変更を確定的証明とはしない。
参考文献
診断専門医 2016年度 問49
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問49
解答例:e
選択肢別の解説
a|重要鑑別
出血性仮性嚢胞もT1高信号になります。膵炎・外傷歴と増強する組織や被膜の有無を比較します。
b|考えにくい
通常は充実性低T1病変です。脂肪抑制T1で著明な出血様高信号の腫瘤ではSPNを優先します。
c|比較する
大きな壊死・出血性腫瘍もありますが、女性の被包性腫瘤という背景からSPNを優先します。
d|比較する
出血・嚢胞変化もあり得ます。多血性充実部の有無は造影で確認し、本像だけでNETとはしません。
e|最も考える
女性の膵尾部の被包性・出血性腫瘤が合います。脂肪抑制後のT1高信号を脂肪と誤認しません。
判断のポイント
膵尾部の境界明瞭な腫瘤は脂肪抑制T1でも高信号を示す出血性成分を多く含み、不均一なT2信号を伴う。充実性偽乳頭腫瘍、SPNが合う。
鑑別・注意点
脂肪抑制後の高信号を脂肪と解釈しない。出血性仮性囊胞や他の膵腫瘍も比較し、膵炎歴、被膜、造影される充実部等で評価する。単純系列だけで腫瘍全体の壊死・悪性度まで確定しない。
参考文献
診断専門医 2016年度 問50
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問50
解答例:b、e
選択肢別の解説
a|考えにくい
病変は上部胆管そのものより膵十二指腸溝・副膵管領域として評価します。黄疸だけで上部胆管原発としません。
b|候補
副乳頭付近・十二指腸壁の癌は副膵管領域の病変と重なります。内視鏡と組織で原発を確認します。
c|考えにくい
リンパ腫も膵周囲腫瘤を作りますが、膵液悪性細胞と副膵管の障害から上皮性病変を優先します。
d|比較する
動脈相で見えるだけではNETを示しません。膵以上の濃染や病変局在、細胞診等と合わせ比較します。
e|候補
主膵管が正常でも副膵管領域の膵癌は否定できません。副膵管非描出・細胞診と局在が支持します。
判断のポイント
閉塞性黄疸に主膵管が保たれ副膵管が描出されず、膵液細胞診class Vである。膵十二指腸溝・副膵管領域の病変としてSantorini管領域膵癌と十二指腸癌を比較する。
鑑別・注意点
主膵管が正常でも膵癌を否定しない。正常膵以上の明瞭な多血性を示すとは限らず、単に動脈相で増強されるだけでNETとしない。内視鏡・EUS、十二指腸壁や副乳頭との関係、組織で原発を確認する。肝S4の低吸収を転移か局所脂肪か一断面で決めない。
診断専門医 2016年度 問51
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問51
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|考えにくい
大腰筋沿いの脱出ではありません。骨盤下部の閉鎖管から恥骨筋と外閉鎖筋間へ進んでいます。
b|該当する
脱出腸管の前方に位置する筋です。外閉鎖筋との間にある腸管が閉鎖孔ヘルニアの手掛かりです。
c|考えにくい
縫工筋は大腿前面を走り、この閉鎖管出口の腸管を挟む二筋の組合せではありません。
d|該当する
脱出腸管の後方をなす筋です。恥骨筋との筋間位置を骨性閉鎖孔そのものと混同しません。
e|考えにくい
骨盤内側の筋で、本例の閉鎖管出口で腸管を挟む相手は外閉鎖筋です。
判断のポイント
骨盤下部で腸管が閉鎖管を通り恥骨筋と外閉鎖筋の間へ脱出し、口側小腸の拡張を伴う。閉鎖孔ヘルニアであり、関与する二筋を選ぶ。
鑑別・注意点
閉鎖孔そのものを二筋が作るのではなく、骨性の閉鎖孔・閉鎖膜と、閉鎖管を経由した脱出先の筋間位置を区別する。造影の程度、壁肥厚、腹水等から絞扼・虚血を評価し、腸閉塞を伴う例では迅速な外科評価が必要となる。
参考文献
診断専門医 2016年度 問52
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問52
解答例:e
選択肢別の解説
a|鑑別に含む
良性潰瘍も比較しますが、広い浅い不整病変と粘膜変化を内視鏡・生検で評価します。
b|考えにくい
粘膜下腫瘤の局所隆起・中心潰瘍が代表です。広い表層粘膜病変とは形を比較します。
c|鑑別に含む
表在型癌とも重なるため画像のみで除外できません。生検で病理を確認します。
d|鑑別に含む
潰瘍形成や壁硬化を比較します。本例の比較的平坦な潰瘍底等からリンパ腫を候補とします。
e|最も考える
広い浅い潰瘍と不整粘膜、圧迫像の形態が合います。MALT/DLBCL等の分類は組織で行います。
判断のポイント
胃に広い浅い潰瘍性病変と不整な隆起・粘膜変化を認め、圧迫像の比較的平坦な潰瘍底も合わせ胃悪性リンパ腫が候補となる。
鑑別・注意点
胃癌や良性潰瘍と画像が重なるため、造影所見だけで病理型を確定しない。内視鏡と複数部位の生検で確認し、MALTかDLBCLか等も組織で判断する。胃リンパ腫はすべて同じ深い潰瘍・巨大皺襞を示すわけではない。
診断専門医 2016年度 問53
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問53
解答例:c(深部粘膜下層浸潤を疑う出題)
選択肢別の解説
a|誤り
小型でも陥凹・不整や壁変形があり、良性腺腫として放置する根拠にはなりません。
b|形態に合わない
内視鏡で切除可能な腺腫とは深達度を比較します。本例は小ささより深部浸潤を疑う形態を重視します。
c|出題上の選択
弧状壁変形等から深い粘膜下層浸潤を疑い、出題ではリンパ節郭清を伴う手術を選びます。実測深達度は病理で確認します。
d|深部浸潤疑いで不適切
深い粘膜下層浸潤が疑われる病変は単純なスネア切除を第一としません。病理リスクと患者背景を総合します。
e|深部浸潤疑いで不適切
ESDは一括切除法ですが、深部浸潤による節転移リスクを解決しません。本例は外科適応を評価します。
判断のポイント
小型病変でも陥凹・不整な形態と注腸側面像の弧状変形があり、深い粘膜下層浸潤を疑う。出題では早期大腸癌に対するリンパ節郭清を含む手術を選ぶ。
鑑別・注意点
8mmという大きさだけで腺腫や内視鏡治療適応と決めない。一方、画像で浸潤距離をµm単位に実測したとはしない。内視鏡切除後の追加手術は深達度だけでなく脈管侵襲、分化度、簇出、断端等と患者背景を総合し、1,000µm以上なら全例必須としない。
診断専門医 2016年度 問54
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問54
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
腹膜垂は主に結腸にあり、直腸を典型的好発部位とはしません。
b|正しい
腹膜垂炎は肥満との関連が知られます。周囲炎症を伴う結腸近傍の脂肪性小病変が診断の手掛かりです。
c|誤り
通常は限局痛が中心で、粘膜からの下血を典型的・高頻度の合併とはしません。
d|誤り
単純な原発例は一般に保存的に軽快します。手術を一律の第一選択とはしません。
e|誤り
粘膜が筋層を越えるのは憩室の説明です。腹膜垂は漿膜側の脂肪性付属物です。
判断のポイント
左側結腸に接する小さな脂肪吸収病変に周囲炎症性変化を認め、腹膜垂炎を考える。肥満との関連が知られ、選択肢ではbが合う。
鑑別・注意点
腹膜垂は漿膜側の脂肪性突起で、大腸粘膜が筋層外へ突出する憩室とは異なる。限局性腹痛が主体で、典型例は保存的に軽快し手術を一律第一選択としない。憩室炎等との鑑別と、症状が改善しない場合の再評価が必要となる。
診断専門医 2016年度 問55
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問55
解答例:b
選択肢別の解説
a|比較する
腎AMLやLAMも関連しますが、男性の気胸・肺底内側嚢胞と腎充実腫瘤ではBHDを優先します。
b|最も考える
気胸、肺底・内側嚢胞と腎腫瘤の組合せが合います。FLCN関連の家族・皮膚所見も確認します。
c|比較する
腎癌と多臓器嚢胞等はありますが、特徴的肺嚢胞・気胸の組合せではBHDを優先します。
d|考えにくい
主に多発・両側乳頭状腎癌の素因です。肺嚢胞と気胸を典型的に結びつける症候群ではありません。
e|考えにくい
皮膚・子宮平滑筋腫と腎癌が中心です。本例の肺嚢胞と気胸ではBHDを優先します。
判断のポイント
反復性気胸の背景に肺底部・内側の囊胞と腎の充実性腫瘤を認め、Birt-Hogg-Dubé症候群が合う。FLCN関連の肺・皮膚・腎病変を評価する。
鑑別・注意点
腎腫瘤をCTだけで腎癌あるいはオンコサイトーマと確定しない。嫌色素性・オンコサイト系の混合腫瘍等を含み、組織型には幅がある。皮膚病変、家族歴、遺伝学的評価と継続的な腎腫瘍監視を診断手順に合わせる。
診断専門医 2016年度 問56
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問56
解答例:d
選択肢別の解説
a|鑑別に含む
腹腔内遊離ガスの位置と臓器輪郭を比較します。本例は左腎に沿う局所ガスが手掛かりです。
b|考えにくい
気腫性膀胱炎なら骨盤の膀胱壁等にガスを認めます。本例は上腹部の腎の位置です。
c|考えにくい
通常は右上腹部の胆嚢壁・内腔ガスを評価します。本例の左腎輪郭に沿う分布と異なります。
d|最も考える
腎に一致するガスと発熱・腹痛が支持します。CTで実質・集合系・腎周囲の範囲と閉塞を確認します。
e|比較する
腸管壁に沿う線状・嚢胞状ガスと比較します。本例は尿路由来の腎輪郭に沿う像を優先します。
判断のポイント
左腎の位置に腎輪郭に沿う異常ガス影を認め、腹痛・発熱から気腫性腎盂腎炎を考える。単純写真でもガスの位置と形から尿路由来を疑う。
鑑別・注意点
CTで腎実質内か集合系のみか、腎周囲進展、閉塞を確認し、重症度と治療計画に用いる。糖尿病等のリスクは問診するが提示がないのに補わない。ガスを認めるだけで直ちに腎摘が必須とせず、循環管理・抗菌薬・ドレナージ等を病状で選ぶ。
診断専門医 2016年度 問57
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問57
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
多くの尿路結石は単純CTで評価できます。造影が診断に必須という説明は誤りです。
b|誤り
CTは膀胱壁外や周辺臓器への明らかな進展を評価できます。微細な筋層浸潤の限界と区別します。
c|誤り
壁内の細かな層別深達度の判定はCTに限界があります。内視鏡・病理とMRIの役割を合わせます。
d|正しい
腎盂・尿管の尿路上皮腫瘍を疑う場合、腎実質と尿路を評価するCTUが有用です。
e|正しい
高濃度造影尿中の小欠損は通常軟部条件で埋もれ得ます。高レベル・広幅を含め調整し元画像を比較します。
判断のポイント
腎盂・尿管の尿路上皮腫瘍を疑うときCT urographyが推奨される。濃い造影尿中の微小充盈欠損は通常の軟部条件で埋もれ得るため、高いレベル・広い幅を含む適切なウインドウ調整で観察する。
鑑別・注意点
尿路結石の多くは単純CTで評価できる。CTは膀胱壁外進展や周辺臓器の評価に役立つが、壁内の微細な筋層浸潤の判定には限界があり、内視鏡・病理やMRIと役割を分ける。ウインドウ値を一つに固定せず元画像と多断面を確認する。
診断専門医 2016年度 問58
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問58
解答例:e
選択肢別の解説
a|鑑別に含む
不整な壁内腫瘤は評価が必要ですが、子宮側の線維性低T2組織と出血性成分が内膜症を支持します。
b|比較する
膀胱頂部でも尿膜管の走行・前上方の発育を確認します。子宮との関係と出血所見では内膜症を優先します。
c|考えにくい
充実性病変を来しますが、低T2線維性部分内の出血様高信号を第一には説明しません。
d|比較する
低T2腫瘤として比較しますが、出血性点状成分や子宮側の位置から内膜症を優先します。
e|最も考える
膀胱頂部・子宮側の低T2病変内に脂肪抑制T1でも残る出血性高信号があり支持します。月経関連も確認します。
判断のポイント
膀胱頂部付近の壁・子宮側にT2低信号を主体とする病変があり、脂肪抑制T1で出血性高信号を伴う。若年女性の膀胱子宮内膜症を考える。
鑑別・注意点
造影前からのT1高信号と真の増強を比較し、血液を造影効果と混同しない。月経との関連、手術歴、他部位の内膜症と尿管閉塞を確認する。膀胱癌等の他の腫瘍も非典型例では組織を含め評価する。
診断専門医 2016年度 問59
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問59
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
筋層内の出血性嚢胞と周囲低T2筋層肥厚、月経困難が合います。子宮内腔との関係も確認します。
b|関連するが嚢胞が中心
一般的な限局腺筋症より、出血性の明瞭な筋層内嚢胞という形態を重視します。
c|重要鑑別
赤色変性もT1高信号です。腫瘤全体が筋腫か、肥厚筋層内の嚢胞かを構造から比較します。
d|考えにくい
水腫様変性なら通常は水様T2高信号で、出血性T1高信号を主体とする本例とは異なります。
e|考えにくい
富細胞性は充実性で比較的高T2・強い増強等を評価します。本例の筋層内出血性嚢胞では第一ではありません。
判断のポイント
子宮前壁筋層内にT1高信号の囊胞性成分があり、周囲に低T2信号の筋層肥厚を伴う。月経困難の背景から子宮囊性腺筋症が合う。
鑑別・注意点
子宮腔との関係と、腫瘤全体が筋腫なのか筋層内囊胞なのかを確認する。T1高信号を伴う筋腫赤色変性とも比較し、出血性成分だけで確定しない。若年性囊性腺筋症の年齢条件を40歳代の本例にそのまま当てはめない。
参考文献
診断専門医 2016年度 問60
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問60
解答例:e
選択肢別の解説
a|考えにくい
提示は充実性成分の目立つ腫瘤で、関連を問う成熟嚢胞性奇形腫の脂肪性内容を明瞭には示しません。
b|考えにくい
子宮に関連した充実性腫瘤として読み、卵巣奇形腫との局在と内容を比較します。
c|考えにくい
子宮筋層側の変化が中心です。抗NMDA受容体脳炎との代表的関連は卵巣奇形腫です。
d|考えにくい
大きな液体優位の嚢胞だけでは代表的関連を示しません。脂肪と内部結節のあるEを選びます。
e|該当する
脂肪様内容と内部結節のある卵巣嚢胞性病変は成熟奇形腫を疑います。抗NMDA受容体脳炎との関連があり、脂肪は別系列で裏付けます。
判断のポイント
Eの卵巣囊胞性病変は脂肪様内容と内部結節等から成熟囊胞性奇形腫を考える。抗NMDA受容体脳炎との関連が知られ、この病変を選ぶ。
鑑別・注意点
T2一系列だけでは脂肪の確定が難しく、T1・脂肪抑制、CT等で裏付ける。抗NMDA受容体脳炎では腫瘍を伴わない例も多く、全女性の半数以上に奇形腫があると一律には記載しない。年齢・性別・集団で合併率は変わる。
診断専門医 2016年度 問61
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問61
解答例:e
選択肢別の解説
a|比較する
子宮との茎・bridging vessel等を確認します。本例は両側卵巣の充実性病変として評価します。
b|比較する
低T2は重なりますが、動脈相の強い増強、拡散と両側性を合わせ転移を優先します。
c|比較する
原発性上皮性腫瘍も検討しますが、両側充実性病変という像は転移を重要候補にします。
d|考えにくい
典型は脂肪抑制後も高T1の出血性嚢胞です。本例の強く増強する充実組織とは異なります。
e|第一候補
両側充実性、低T2成分と明瞭な増強が支持します。消化管等を検索し病理で確認し、原発を画像だけで決めません。
判断のポイント
両側卵巣に充実性腫瘤があり、T2低信号部分を含みながら動脈優位相で明瞭に増強され、拡散強調像でも高信号を示す。両側性と充実成分を合わせ転移性卵巣腫瘍を第一候補とする。
鑑別・注意点
線維腫もT2低信号となるが、低信号だけでは診断できず増強様式と両側性を評価する。DWI高信号はADCも確認する。消化管等の原発巣検索と病理で確定し、画像だけで原発臓器やKrukenberg腫瘍の組織型まで断定しない。
診断専門医 2016年度 問62
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問62
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
通常は角化内容の層状構造等が参考で、強く増強する充実組織とは異なります。
b|考えにくい
精巣上体を中心とする炎症と症状・血流を評価します。本例は精巣内の充実性腫瘤です。
c|最も考える
比較的均一で低T2の分葉性組織と増強隔壁が合います。超音波、AFP・hCGと病理で確認します。
d|比較する
出血・壊死を伴う不均一な構造が多い傾向です。ただしMRIだけで混合型等を完全除外はしません。
e|比較する
高齢・両側性等を比較します。本例の年齢と形態ではセミノーマを優先します。
判断のポイント
左精巣内に比較的均一な充実性腫瘍があり、T2低信号の分葉状成分と増強される隔壁を認める。年齢と合わせセミノーマが合う。
鑑別・注意点
非セミノーマでは出血・壊死等による不均一性が目立つ傾向があるが、MRIのみでは組織を確定しない。超音波、AFP・hCG等と合わせる。純粋セミノーマでAFP上昇を当然とせず、上昇時は非セミノーマ成分等を考える。
診断専門医 2016年度 問63
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問63
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
血尿・蛋白尿だけで糸球体炎としません。多数の腎内動脈瘤は中型動脈の血管炎を支持します。
b|考えにくい
主に大動脈と主要分枝の壁・狭窄が問題で、腎内多発小動脈瘤の像ではPANを優先します。
c|最も考える
全身炎症とANCA陰性、腎内多発動脈瘤と治療後減少が合います。腎障害は血管虚血等として評価します。
d|比較する
非炎症性動脈障害で瘤・解離を来しますが、全身炎症と治療経過を合わせPANを優先します。
e|比較する
主に小血管・糸球体炎や肺毛細血管炎を来します。ANCA陰性のみでは除外できませんが腎内瘤はPANを支持します。
判断のポイント
治療前の腎内動脈に多数の小動脈瘤を認め、治療後に減少している。全身炎症、腎血管性高血圧とANCA陰性の背景から結節性多発動脈炎を考える。
鑑別・注意点
中型動脈を主に侵し、腎病変は血管炎による虚血・梗塞などで説明する。血尿・蛋白尿があるだけで糸球体腎炎としない。糸球体腎炎や肺毛細血管炎は典型的PANの特徴ではなく、顕微鏡的多発血管炎等との区別が必要となる。
診断専門医 2016年度 問64
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問64
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
脾動脈から脾実質の一部を塞栓する動脈手技です。提示は静脈の流出路をバルーン閉塞しています。
b|考えにくい
肝内の門脈と肝静脈を新たに短絡する手技です。胃静脈瘤の既存短絡を閉塞する本例とは逆の方向です。
c|該当する
流出静脈をバルーン閉塞し、静脈瘤を逆行性に造影・塞栓する像がBRTOに合います。
d|考えにくい
経皮経肝的に門脈から静脈瘤へ向かう順行性手技です。提示の流出静脈からの逆行性経路とは異なります。
e|考えにくい
肝切除前等に門脈枝を塞栓する手技で、胃静脈瘤の流出静脈閉塞像ではありません。
判断のポイント
下方から流出静脈側へ挿入したバルーンカテーテルで流出路を閉塞し、上方の蛇行した静脈瘤群を逆行性に造影している。胃静脈瘤に対するBRTOの像である。
鑑別・注意点
動脈塞栓術、門脈枝塞栓術、肝内に短絡を作るTIPSと、静脈側から既存の流出短絡を閉塞するBRTOを区別する。治療後は門脈圧上昇に伴う食道静脈瘤や腹水の悪化にも注意する。
診断専門医 2016年度 問65
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問65
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
主に辺縁系の病理・認知変化が問題です。この側頭頭頂・後部帯状回の低灌流ではADを優先します。
b|考えにくい
前頭・前側頭優位の変化を比較します。提示統計像の後方優位分布とは異なります。
c|最も考える
側頭頭頂・後部帯状回の低灌流と保たれるDATが支持します。画像だけで認知症の病理確定ではありません。
d|臨床上の鑑別
幻覚は重要ですがDATが保たれ、提示組合せではADを優先します。正常DATのDLBもあるため完全除外はしません。
e|考えにくい
臨床経過と辺縁系優位変化等を比較します。本例の後方血流パターンではADを優先します。
判断のポイント
側頭頭頂葉・後部帯状回付近の血流低下を示す統計画像に対し、線条体DAT集積は両側に保たれている。提示画像の組合せではAlzheimer型認知症を最も考える。
鑑別・注意点
幻視があるという症状だけでLewy小体型認知症と決めない。一方、正常DATでも病理確認DLBが存在し、単独で除外はできない。SBRの正常域は年齢・装置・再構成等で変わるため、数値だけでなく視覚評価・臨床所見を統合する。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2016年度 問66
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問66
解答例:c(選択肢中で可能性が最も低い)
選択肢別の解説
a|残る鑑別
心筋MIBG保持は矛盾しませんが、この検査だけで水頭症とは診断できません。MRIと歩行等を統合します。
b|残る鑑別
通常は心筋交感神経機能が比較的保たれ得ます。脳画像と認知機能の評価が必要です。
c|相対的に最も低い
DLBでは低集積が重要な指標で、保持される本例では相対的に低順位です。ただし保持だけで完全除外はしません。
d|残る鑑別
心筋MIBGが保たれることがあり、保持という点だけでは除外できません。眼球運動・転倒等を確認します。
e|残る鑑別
心筋MIBG保持はあり得ます。左右非対称の皮質・錐体外路症状等を合わせて評価します。
判断のポイント
早期・後期とも心臓へのMIBG集積が保たれており、交感神経終末障害により心集積が低下しやすいLewy小体型認知症は相対的に考えにくい。
鑑別・注意点
正常集積だけでDLBを完全に除外しない。画像にはH/M比が提示されていないため数値を補わず、心疾患、糖尿病、薬剤等の影響も確認する。他の選択肢の疾患をこの検査単独で確定することもできない。
診断専門医 2016年度 問67
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問67
解答例:b
選択肢別の解説
a|考えにくい
DAT低下は運動系のドパミン神経終末障害を示し、一過性健忘の画像指標とはしません。
b|最も対応する
左線条体の低下が強く、主に反対側の右上下肢の動作緩慢に対応します。左右表示とSBRを確認します。
c|考えにくい
左優位症状なら右側障害を予測します。本例は左のSBRが低く、反対の右優位を考えます。
d|考えにくい
この左右差から上下肢のうち両下肢だけが主症状とは読みません。対側優位という対応を重視します。
e|考えにくい
左右の線条体集積差だけから両上肢に限定した動作緩慢を推定する根拠はありません。
判断のポイント
左線条体の後方集積が右より低下し、SBRも左2.01、右3.19と左右差がある。黒質線条体障害と反対側の右上下肢に強い動作緩慢が対応する。
鑑別・注意点
DAT低下はシナプス前ドパミン神経終末障害を示すが、Parkinson病とMSA・PSP等を単独では確実に分けられない。画面の左右ラベルを確認し、画像右側を患者右側と取り違えない。
診断専門医 2016年度 問68
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問68
解答例:a
選択肢別の解説
a|最も考える
下壁の負荷時低集積が安静で改善し、可逆性虚血を支持します。通常の支配では右冠動脈ですが優位性・減弱も確認します。
b|誤り
梗塞なら通常固定欠損が中心です。本例は安静時の回復があり虚血を優先します。
c|誤り
主な可逆性低集積は前壁・中隔でなく下壁です。責任血管は個人の支配も合わせ確認します。
d|誤り
両領域の固定欠損を示す像ではありません。負荷と安静の改善を重視します。
e|誤り
下壁が固定欠損として残るとの解釈は安静像と合いません。可逆性変化を梗塞としません。
判断のポイント
負荷時に下壁の集積が低下し、安静時には回復している。可逆性の心筋虚血を示し、標準的な冠動脈支配では右冠動脈領域に対応する。
鑑別・注意点
固定欠損による梗塞と負荷誘発性虚血を区別する。下壁は横隔膜による減弱や腹部集積の影響を受けるため、元投影像、体位、減弱補正や壁運動も確認する。冠動脈優位性により支配領域は変わり、SPECTだけで責任血管を確定しない。
診断専門医 2016年度 問69
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問69
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
HSA-Dは血液プール製剤で、本例の心筋灌流分布を描く製剤とは異なります。
b|選択する
左脚ブロックでは運動負荷で偽の中隔欠損が出やすく、血管拡張薬負荷を優先します。
c|支持しない
主な中隔低下を下壁の右冠動脈病変とは読みません。伝導障害による偽欠損も検討します。
d|支持しない
主な中隔低下を側壁の左回旋枝高度狭窄へ直接結びつけません。冠動脈疾患併存は別に評価します。
e|誤り
中隔側に相対的な集積低下があります。ただし分布異常があることと狭窄の確定は異なります。
判断のポイント
心電図は左脚ブロックに合う幅広いQRSを示し、血流像では中隔側の集積低下がある。左脚ブロックでは運動負荷で偽の中隔欠損が生じやすく、血管拡張薬による薬物負荷を優先する。
鑑別・注意点
中隔欠損を直ちに冠動脈高度狭窄と断定しない。冠動脈疾患の併存はあり得るため、症状・他検査と合わせる。心プール製剤のHSA-Dと心筋血流製剤も区別する。
診断専門医 2016年度 問70
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問70
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
水負荷は主に尿路等の検査で用いる手順です。この乳児の胆汁排泄を評価する検査の必須前処置とはしません。
b|誤り
GSAは肝細胞受容体製剤です。本例の目的は肝胆道排泄製剤で胆汁の腸管移行をみることです。
c|誤り
肝胆道像の局所集積を消化管出血としません。出血シンチとは製剤・検査目的が異なります。
d|誤り
骨盤の小集積のみで異所性胃粘膜を示すMeckelシンチとは判断しません。肝胆道排泄の経時評価が中心です。
e|必要
四十分まで明らかな腸管排泄がなく遅延像を追加します。非排泄だけで胆道閉鎖確定とはせず専門評価を遅らせません。
判断のポイント
40分まで肝集積が持続し、明瞭な腸管排泄を確認できない。早期像のみで胆道閉鎖と判断せず、遅延像で腸管への胆汁排泄を評価する。
鑑別・注意点
肝胆道排泄製剤による検査で、GSAによる肝受容体評価とは異なる。骨盤の小集積を直ちに異所性胃粘膜としない。24時間まで腸管排泄がなくても高度肝細胞障害等があり得るため、非排泄のみを胆道閉鎖の確定根拠とせず、専門診療を遅らせない。
診断専門医 2016年度 問71
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問71
解答例:eは妥当/aを含む2肢の確定は保留
選択肢別の解説
a|確定保留
追加集積が節なのか原発・生理集積なのかを小さな平面像だけでは分離できません。SPECT/CT等で局在を照合します。
b|考えにくい
副腎領域の石灰化腫瘤とMIBGに合う集積から神経芽腫を優先します。腎原発かどうかもCTで確認します。
c|誤り
心筋はMIBGが生理的に集積する臓器です。描出だけを心筋炎と読み替えません。
d|誤り
唾液腺、心・肝等の生理分布はMIBGに合います。Gaと断定する根拠にはなりません。
e|有用
原発・転移候補と生理的集積の解剖学的位置を分けるため、断層画像追加が役立ちます。
判断のポイント
右副腎領域の石灰化を伴う腫瘤と集積から神経芽腫を考える。全身像の生理的な唾液腺・肝・心集積等はMIBGに整合し、SPECTまたはSPECT/CTによる原発巣と他の集積の局在確認が有用である。
鑑別・注意点
旧解説はa、eだが、この小さい平面像と一断面CTから追加集積がリンパ節転移か原発巣・生理的集積かを確実に分離できない。集積だけでリンパ節転移を確定せず、断層画像と対応させる。心臓への生理的集積を心筋炎としない。
診断専門医 2016年度 問72
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問72
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えにくい
病期により集積は変化しますが、運動時の脛骨痛と局所強集積は疲労性損傷を優先します。
b|考えにくい
髄内梗塞の分布やMRIを確認します。本例の運動との関連・限局集積では第一候補ではありません。
c|最も考える
右脛骨の限局した強い集積が疼痛部に対応し、X線陰性でも疲労骨折を疑います。MRIで骨折線等を確認します。
d|比較する
脛骨長軸に沿う比較的長い線状集積が代表です。本例の限局した強集積とは形を比較します。
e|比較する
感染でも集積しますが、症状・炎症検査と比較し、運動背景の限局痛では疲労性損傷を優先します。
判断のポイント
右脛骨に限局性の強い集積があり、長軸方向に比較的長く淡く分布するshin splintより疲労骨折を考える。初期には単純写真で骨折が見えないことがある。
鑑別・注意点
成長期の骨端・骨端線の対称性生理的集積と区別する。集積の強さだけで確定せず疼痛部位との一致を確認し、必要に応じMRIで骨髄浮腫・骨折線を評価する。
診断専門医 2016年度 問73
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問73
解答例:cを候補とするがeとの確定は保留
選択肢別の解説
a|考えにくい
多関節の対称的な関節病変等を確認します。股関節集積だけで関節リウマチとはしません。
b|比較する
臼蓋被覆の不足は単純写真等で評価します。全身骨シンチの集積のみで形成不全を確定できません。
c|旧候補・保留
中央低集積と周囲修復性高集積なら支持しますが、この平面像では十分確認できず旧cは保留します。
d|考えにくい
大腿骨の局所病変という位置か関節面かを確認します。両側股関節周囲集積だけでは転移を優先しません。
e|重要鑑別
関節周囲高集積を来し、骨頭壊死と重なります。単純写真の裂隙・骨棘とMRIの壊死境界で裁定します。
判断のポイント
両側股関節に集積亢進を認める。骨頭中央の相対的低集積と周囲の修復性高集積なら骨頭壊死を支持するが、提示された小さい全身前面像だけではその形態を十分確認できない。
鑑別・注意点
旧解説のcかeかという疑問を断定に置き換えない。単純写真で関節裂隙・骨棘・骨頭変形を、MRIで壊死境界を確認する。骨頭壊死は病期により低集積にも高集積にもなり、高集積だけでは変形性関節症と区別できない。
診断専門医 2016年度 問74
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問74
解答例:b
選択肢別の解説
a|比較する
通常は複数の不連続病変等を比較します。本例の左骨盤の輪郭に沿う広い集積と構造変化はPagetを支持します。
b|最も考える
片側骨盤の広い強集積と単純写真の硬化・構造変化、ALP上昇が合います。肝由来ALPとも区別します。
c|比較する
仙骨の特徴的分布や骨折線を確認します。骨盤全体の連続した再構築所見ではPagetを優先します。
d|考えにくい
典型的には溶骨性病変で骨シンチに乏しい例もあります。広い骨硬化と強集積の本例では第一ではありません。
e|比較する
すりガラス様基質・膨張等を比較します。本例は年齢と片側骨盤の硬化性構造変化からPagetを優先します。
判断のポイント
左骨盤に骨の輪郭に沿う広範で強い集積があり、単純写真でも同部の骨硬化と骨構造の変化を認める。ALP上昇を合わせ骨Paget病を考える。
鑑別・注意点
散在性の転移性病変と、連続した骨の範囲に沿うPaget病の分布を比較する。診断には単純写真を対応させ、骨シンチは活動性病変の全身的な広がりの把握に役立つ。ALPは肝由来上昇も区別する。
診断専門医 2016年度 問75
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問75
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
破壊性腫瘍と骨形成等を確認します。本例の小さな強い焦点と周囲反応はnidusを示唆します。
b|考えにくい
びまん性・多発骨髄病変等を評価します。孤立した大腿骨頸部の小焦点では第一ではありません。
c|考えにくい
骨端側の溶骨性病変と骨成熟を評価します。若年の小さな高集積nidus様病変では優先しません。
d|最も考える
強い中心集積と淡い周囲反応のdouble-density様像が合います。薄切CTでnidusを確認します。
e|考えにくい
骨幹部の破壊・骨膜反応や軟部病変等を確認します。本例は小さな局在性病変を優先します。
判断のポイント
右大腿骨頸部付近に強い小集積とその周囲の淡い集積を認め、中心のnidusと周辺反応を反映するdouble-density signを考える。若年者の間欠性股関節痛と合わせ類骨骨腫が合う。
鑑別・注意点
骨シンチは局在に鋭敏だが、薄切CTでnidusを確認する。関節内病変は典型的な骨硬化や夜間痛が目立たない場合もあり、それらがないだけで除外しない。
診断専門医 2016年度 問76
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問76
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
前胸壁の対称的bullhead様集積は特徴的な骨関節炎を支持します。集積が強いだけで転移とはしません。
b|考えにくい
蘇生後肋骨骨折の分布とは異なり、胸骨柄と両側胸鎖部を合わせた特徴的分布です。
c|考えにくい
前胸部外傷でも集積しますが、左右胸鎖部と胸骨柄の対称性を合わせ骨関節炎を優先します。
d|最も考える
胸骨柄・胸鎖部のbullhead signが支持します。皮膚の掌蹠膿疱症、胸壁痛、CTで過骨症を確認します。
e|考えにくい
縦隔軟部腫瘤と骨破壊の連続性が必要です。本例の対称性胸鎖部パターンでは優先しません。
判断のポイント
胸骨柄と両側胸鎖部に牛頭状の集積を認め、掌蹠膿疱症性骨関節炎・胸肋鎖骨過骨症を考える。前胸壁に加え他の骨関節病変を評価する。
鑑別・注意点
bullhead signは特徴的だが、画像だけで皮膚の掌蹠膿疱症の存在まで確認したとはしない。皮膚所見、胸壁痛、CTの骨硬化・過骨症を合わせ、SAPHOスペクトラムとして整理する。
診断専門医 2016年度 問77
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問77
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
傍脊椎集積は椎体骨変化より脂肪へ対応します。CT融合で位置を確認します。
b|正しい
鎖骨上・傍脊椎の対称性集積が脂肪濃度へ一致します。若年者にみる褐色脂肪の生理的集積が合います。
c|誤り
多発腫瘤ではなくCTで脂肪に一致しています。集積の点状外観だけで神経原性腫瘍とはしません。
d|誤り
CT上の節性軟部組織でなく脂肪への集積です。再発リスクと生理的褐色脂肪を区別します。
e|誤り
骨格への集積ではなく鎖骨上・傍脊椎脂肪の分布です。骨の解剖に照合します。
判断のポイント
鎖骨上窩や傍脊椎部に両側性・対称性の集積があり、融合画像では脂肪に一致している。褐色脂肪組織のFDG集積である。
鑑別・注意点
CTで軟部腫瘤やリンパ節ではなく脂肪濃度に対応することが判定の要点となる。若年者や寒冷時に出現しやすく、保温等で軽減を図る。集積の強さだけで転移としない。
診断専門医 2016年度 問78
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問78
解答例:d
選択肢別の解説
a|考えにくい
通常は炎症性変化・症状などを確認します。治療後の胸腺形態保持と均一集積からリバウンドを優先します。
b|経過観察で鑑別
治療歴から再発は評価しますが、胸腺形態・左右性と他病変、増大経過を合わせ反応性増大と比較します。
c|関連するが一般名
リバウンドは反応性過形成に含まれます。今回の治療後という状況をより具体的に表す選択肢を優先します。
d|最も具体的
若年者の化学療法後に胸腺形態を保って反応性に増大・集積する状況が合います。SUVだけで区別しません。
e|考えにくい
正常胸腺にも集積はありますが、治療後の再増大という状況ではリバウンドが最も具体的です。
判断のポイント
化学療法後の若年成人で、前縦隔の胸腺形態を保つ組織に比較的均一な集積を認める。治療後の反応性増大である胸腺リバウンドを考える。
鑑別・注意点
病理学的には反応性胸腺過形成に含まれるが、選択肢では治療後の経過を表すdが最も具体的である。SUVだけで再発と区別せず、治療前後の形態、増大傾向、他部位の再発所見と対応させる。
診断専門医 2016年度 問79
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問79
解答例:b(誤っている記述)
選択肢別の解説
a|示唆される
複数の節性集積が転移を示唆します。炎症性集積との区別はCT・臨床も合わせます。
b|誤った断定
左声帯集積は右反回神経障害への代償性活動でも起こります。集積だけで左喉頭癌合併とはしません。
c|像に合う
提示横断で胸部上部食道に対応する病変を認めます。内視鏡で部位と組織を確認します。
d|生理的にみられる
FDGの腎・尿路排泄は正常にみられます。尿路の高集積をすべて腫瘍と扱いません。
e|頻度上の候補
国内の食道癌で多い組織型として考えますが、FDG像だけで組織型は確定できず生検が必要です。
判断のポイント
右頸部リンパ節病変と左声帯の片側優位集積から、右反回神経障害に伴う左声帯の代償性活動を考える。左声帯に集積があるだけで喉頭癌合併とは判断できない。
鑑別・注意点
嗄声、声帯・喉頭室の形態と喉頭鏡で麻痺および局所腫瘍を確認する。PETだけで声帯麻痺を確定しない。食道原発巣・複数リンパ節の評価と、腎尿路の生理的FDG排泄を区別する。組織型の確定は生検による。
診断専門医 2016年度 問80
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問80
解答例:保留(旧解答b/cも再検討が必要)
選択肢別の解説
a|考えにくい
FDGなら脳・尿路等の分布も確認します。この像の輪状胸部集積だけでFDGを選ぶ根拠はありません。
b|旧候補・保留
炎症・心膜病変で集積し得ますが、骨格の描出も含めMDPと比較が必要です。旧bを確定しません。
c|重要鑑別
骨製剤でも心膜・心嚢液等の軟部集積は起こります。胸部の強集積だけでMDPを除外できません。
d|優先しない
造血骨髄・肝等の分布を評価します。提示の胸部輪状集積のみでこの製剤を優先する根拠は不足します。
e|確定根拠不足
心筋集積はあり得ますが、骨格・肝・腸管等を含む全体と時刻が必要です。心臓が目立つだけでTlとはしません。
判断のポイント
胸部に輪状の強い集積と、肋骨・脊椎・関節付近の集積がある。旧解説はGa、Tl、Gaと変更されたが、心臓部の集積だけでは薬剤を同定できない。骨製剤MDPも心膜・心囊液等へ集積し得る。
鑑別・注意点
肝・腎・消化管・骨格・筋の分布、撮像時刻と使用製剤の記録を合わせる必要がある。小さい図のみではbとcの決着を裏付けられず、サルコイドーシスや悪性心囊液まで確定しない。断定的な正答表示を避け、原検査情報または公式正答の確認を要する。