2018年に実際に試験を受けられて合格された、
- 雁木先生
- メガネ先生
- batwoman先生
- なか先生
- O先生
に解答作成を手伝っていただきました。
ご協力いただき誠にありがとうございました。
解答ここはこうじゃないかなどございましたら、一番下のコメント欄に記載いただければ幸いです。
基礎
1,
正解:c, e
- a:衝突前後で,運動エネルギーが保存される。=弾性散乱。
- b:光子が物質に入射し,軌道電子を放出する。=光電効果。
- d:電子が原子核の近くで減速され,電磁波を放出する。=制動放射。
- 光電効果=金属や分子に光を当てると,金属表面や分子から電子が飛び出す現象。
- コンプトン散乱=X線を物体に照射したとき、散乱X線の波長が入射X線の波長より長くなる現象。
- 弾性散乱=原子・陽子・中性子・電子・光子など粒子どうしの衝突において、衝突前後で粒子の数や種類が変わらず、運動エネルギーの和が変化しない散乱。
2,
正解:a,d
補足: d ヘリカルピッチが小さいほど体軸方向の分解能は高まるが被ばくは多くなる
3,
正解 c
a.高磁場で増強する。◯
b. 脂肪からの信号がなければ化学シフトは生じないので、b.は◯
d. 受信バンド幅を広げることで低減できる。◯(ただし、受信バンドを広げるとS/Nは下がる)
e. スピンエコー法では周波数エンコード方向に出現する。◯
なので、消去法で答えはcだと思いました。
4,
正解 d
医用画像保存フォーマットの標準化はDICOM。
- HIS(Hospital Information System:病院情報システム)。診療に関わる記録や業務の支援に関わるものの総称。
- PDI(Portable Data for Imaging:可搬型媒体でのデータ交換規約)。医療機関間でCD-RやDVD-R、USBメモリ*などのポータブルメディア(可搬型媒体)を用いて医療画像や関連情報を交換する時の基本ルール。
- RIS(Radiology Information System:放射線科情報システム)。放射線科部門における情報システム。放射線検査オーダーの予約管理、検査機器への連携、検査情報の管理、他部門システムとの連携など。
- PACS(Picture Archiving and Communication Systems:医療用画像管理システム)。医療画像データをネットワークを通じて受信し、保管・管理するシステム。
- DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)。動画を含む医用画像・検査情報データの規格および、それを通信・印刷・保存・検索するための国際標準規格。
5,
正解,b
- 8ビットグレースケール画像=1画素が256通りの階調をもつモノクロ画像。2の8乗ということだと思います。
頭頚部
6,
正解 ,a
- 右中心前回
7,
正解 c
- 血栓化した動静脈が高吸収を示していると考え、AVMが疑われます。
8,
正解 なし
- 右内耳道から小脳橋角部に突出する造影腫瘤。聴神経腫瘍とすると当てはまる選択肢がない。dural tail signは指摘できないものの、選択肢からは髄膜腫と考えるべきか。髄膜腫と考えるとa,eが正解?不適切問題との噂。
9、
正解 e
中枢性神経細胞腫の典型像
- 若年成人の脳室内腫瘍。側脳室に発生し、透明中隔や脳室壁に付着。境界明瞭・分葉状で、嚢胞石灰化を伴う。しばしばMonro孔を閉塞し水頭症を合併する。
10,
正解 b
- 典型的なラトケ嚢胞
- waxy noduleもあり
11,
正解 d
- 頻出問題。視床内側、中脳水道周囲に両側対称性に異常高信号あり。Wernicke 脳症を疑う所見。治療はビタミンB1の投与。
12,
正解 e
- 右皮質下U-fiberを侵すT1WI低信号、T2WI高信号。非対称性。この選択肢だとPML一択
13,
正解 e
真菌性副鼻腔炎は片側性が多い。中心部高濃度は菌球形成を反映し、しばしば石灰化を伴う。
14,
正解 d
- 中年男性の耳下腺腫瘍として、ワルチン腫瘍が鑑別の最上位。
- 耳下腺内嚢胞性疾患は、非腫瘍性嚢胞(真の嚢胞)と 腫瘍性嚢胞の二つに大別される。
- 非腫瘍性嚢胞(耳下腺病変の1%):唾液腺導管嚢胞とリンパ上皮性嚢胞がほとんど。
- 腫瘍性嚢胞:良性腫瘍ではワルチン腫瘍(耳下腺内嚢胞性疾患の30-68%)。ほかに基底細胞腺腫、や筋上皮腫も嚢胞変性しやすい。多形腺腫の嚢胞変性はまれ。「日耳鼻 113: 441-449,2010 耳下腺内嚢胞性疾患の検討」より
15、
正解 b
内部に音響陰影を伴う高エコー→微細石灰化を反映か。乳頭癌か髄様癌か。問題文で可能性が「最も高い」ものを選ぶよう指示されており、頻度も考慮すると乳頭癌か。
超音波検査での微細石灰化は甲状腺癌の所見として、特異度86-95%と高く、感度が26-59%である。甲状腺癌の9割を超える乳頭癌の他、濾胞癌や髄様癌、転移性甲状腺癌にも認められる。(ただし、微細石灰化はacoustic shadowを伴わないほどに小さい(臨床画像 Vol.26,No.9,2010 P982(22))と記載があるが。)
超音波での微細石灰化はCTでの点状高信号に相当するが、微細石灰化のほとんどはCTで検出されなかったとの報告もあり感度には差がある(臨床画像 Vol.26,No.9,2010 P982(22)))という点も重要。
微細石灰化のうち砂粒小体(psammoma body、同心円状に石灰化が進み小さな結節となったもの)は乳頭癌に特徴的で、乳頭癌石灰化の1/4を占める。
- 悪性リンパ腫:甲状腺内に広汎ではあるが限局した低エコー像。輪郭は整。慢性甲状腺炎との鑑別を要する。慢性甲状腺炎との違いは限局しているかどうか。
- 甲状腺乳頭癌:輪郭不整な低エコー像。内部エコーは不均一で微細な石灰化が音響陰影を伴う高エコーとして描出される。
- 甲状腺濾胞癌:甲状腺実質のエコーと同様のエコー輝度、辺縁にhaloを伴う結節。内部エコーは不均一なこともある。濾胞腺腫との鑑別は切除病理で被膜浸潤or脈管浸潤の有無で診断。
- 甲状腺髄様癌:石灰化や嚢胞変性を伴うことがあり、典型的な所見はない。輪郭不整な充実性低エコー像を示し、細胞診で診断される。
- 甲状腺濾胞腺腫:甲状腺実質のエコーレベルに近いエコー像で周囲を低エコーで覆われた充実性結節として描出される。「甲状腺超音波診断 平野浩一 – 杏林医学会雑誌, 2017 」より
整形外科
16,
正解 a
- a,ビスホスホネート薬による非定型大腿骨骨折の比較的典型画像。部位(大腿骨骨幹部)、骨折部の骨皮質肥厚など。
- c,Paget病を疑う硬化像などなし。
- d,骨軟化症が60才まで発症しないことはないだろう。なので☓。
- e,骨量低下を疑う所見はなく、骨粗鬆症も否定的。骨粗鬆症で折れる場所でもないと考えるので☓。
関連:ビスホスホネート長期服用例に発生した 非定形大腿骨骨幹部骨折の検討
17,
正解 d
リトルリーガーズ肩:10代前半の頻回の投球動作による外傷。
- 脂肪抑制T2WIで骨端線~近位骨幹端の高信号。
- MRIは診断そのものには不要だが、骨端線離開の程度や浮腫の広がりなど重症度評価に用いられる。(本問では明らかな離開なし)
- focal periphyseal edema=傍骨端線部限局性骨髄浮腫:思春期の膝部において成長板を挟んで骨幹端と骨端に見られる骨髄浮腫。成長期の膝痛として発見されることが多い。
18,
正解 d→e
離断性骨軟骨炎。
- 本問の症例では関節軟骨が剥離しているので手術をしないと変形性関節症になってしまう。関節鏡で剥離した軟骨片を探すと思われる。
2019/05/20更新
問18の診断名ですが、Femoral condyle irregularity(FCI)ではないでしょうか。解答はeの経過観察ではないかと愚考致します。
外側顆に多く、OCDより背側に好発します。
問題文の画像のT2*で軟骨は保たれているのではないでしょうか。
離断性軟骨炎(OCD:osteochonditis dissecans)
- 関節軟骨が軟骨下骨を伴って脱落する疾患。
- 膝関節では外顆と比べて内顆で圧倒的に多く、1:5。
Femoral condyle irregularity(FCI)
- normal variantであり、FCIのほか、normal developmental irregularity of the lateral femoral condyleなどと呼ばれる。
- mineralizationの不均一性を見ており、軟骨下骨が不整に見えるもの。
- 外顆に多い。
- 好発年齢は8-13歳。
- 膝痛などの検査で偶然発見され、30%程度に見られるとされる。
- OCDの鑑別点として、顆部後面に存在すること、正常の関節軟骨が覆っていること、輪郭が鋸歯状であること、bone marrow edemaを欠くことなどが挙げられる。
参考:画像診断 Vol.26 No.11 2006 P1424-1426
参考文献には、放射線科医としては当然知っておくべき画像であると考える。と記載がありましたorz
Coyote先生ありがとうございました!!!
19,
正解 c
- 正中神経の腫大・信号上昇あり。脱神経によると考える筋肉の信号上昇も認める
20、
正解 c,e
骨芽細胞腫。
- 10~20 歳台に好発。
- 類骨骨腫と病理的には同じ。1cm以下→類骨骨腫、1cm以上→骨芽細胞腫。
- 椎体後方要素に好発。
- 類骨骨腫は自然退縮するが、骨芽細胞腫は自然退縮しない。骨芽細胞腫は腫瘍掻爬・骨移植が標準的治療、10~20%は再発するので完全切除を。
関連:骨芽細胞腫
21,
正解 b
- 内軟骨腫症=Ollier病。長管骨や扁平骨に内軟骨腫が多発する病態。骨軟部画像診断のここが鑑別ポイント(福田国彦)のp.201図6「多発性内軟骨腫」が同じ写真。
胸部
22,
正解 d
- 中心に造影不良域、辺縁に造影効果のみられる多発縦隔リンパ節腫大。選択肢のなかでは結核一択
23,
正解 e
- e以外はいずれもチューブやカテーテルが挿入されている。CVカテーテルは右内頚静脈経由
- a 胃:マーゲンチューブ
- b 気管:気管挿管チューブ
- c 右房:CVカテーテル(CVとしては太めでproximalの部分があるように見えるので、バスキャスかもしれません。by batwoman先生)
- d 大動脈:IABP
がそれぞれ挿入されている。
なお下大静脈から右室先端に留置されているのがtemporary pacingと考えられる。
24,
正解 e
- 問題文と多発薄壁肺嚢胞でLAM→結節性硬化症の診断。合併するのはMMPH
25,
正解 a
26,
正解 a
- 右上縦隔内側に気管を左側に圧排する陰影あり。
- cervicothoracic sign(頸胸部徴候)は、上縦隔の病変が気管を境に前方のもの(前縦隔)か後方のもの(後縦隔)かを推定するのに用いる。鎖骨より下方部分で境界が鮮明で、上方部分が不鮮明であれば陽性とし、気管より前方に位置すると推定される。
- inverted S signは、右上葉の無気肺を来すような腫瘤の辺縁とminor fissure の上方偏位により全体として逆S字の辺縁が形成される。本症例には当てはまらない。
27,
正解 c e?
- 乏血性でFDGが若干集積する腫瘤。除外診断的にc, eか?
- Castleman病はFDG集積は軽度から中等度(SUVの平均値は 4.9)。「日呼外会誌 26 巻 7 号(2012 年 11 月)」より
- a 傍神経節腫の場合、もっと多血性になるのが一般的か。
- b 悪性リンパ腫ならば、FDGの集積をもっと均一に認めるのが一般的か。
28,
正解 e
- AEP。CRPは上昇する。再発は珍しい。
29、
正解 d
- AIDSに合併したニューモシスチス肺炎を考えさせたいのでは(第322回東京レントゲンカンファレンス 症例6と非常に画像が似ているような)。年齢・主訴とも矛盾しない。
- e:α1-アンチトリプシン欠損症では汎小葉性肺気腫を起こすが日本人には極めてまれ。高齢者に好発し、喫煙が主な原因となる。
30,
正解 c
- 頻出問題。左上葉に限局的な気腫性変化及び中心部に腫瘤あり。気管支閉鎖症
31,
正解 b
- ランダムパターンの多発小結節。胸膜上に沢山あるのが気になりますが、選択肢内では一番血行性転移が考えやすいのでは。
32,
正解 e
少なくとも半年前から左上葉に空洞性病変が存在し、ほとんど経時的変化を認めていない。空洞形成を伴う上葉のconsolidation。免疫状態については記載がないが、これらから慢性壊死性肺アスペルギルス症を疑う所見。
心血管
33,
正解 a
- 冠動脈瘤と連続する拡張蛇行した異常血管があり、再構成冠状断では肺動脈とのシャント部に造影剤のジェットが描出されている。冠動脈肺動脈奇形(冠動脈瘻)の所見。
34,
正解 e
- 背面像で右上肺静脈が上大静脈に入っているように見える。
- 正面像で右房・右室の拡大あり。右脚ブロックの原因を疑う。
35,
正解 c,e
- 左室壁に網目状の肉柱形成と深い間隙があり、左室心筋緻密化障害を疑う。左室緻密化障害は拡張型心筋症とオーバーラップする。
- 左室緻密化障害は胎生期の心筋原基の緻密化過程が障害されて起こると考えられている稀な先天性疾患であり、心内膜側の厚い網目状の肉柱構造を示す層(緻密化障害層:NC)と外側の薄い緻密化心筋層(C)の二層構造で特徴づけられる。(これだけは知っておきたい心臓・血管疾患の画像診断P143)
36,
正解 d
- 左鎖骨下動脈起始異常を伴う右側大動脈弓。Kommerell憩室※もあり。正しい選択肢はdになる。
※Kommerell憩室:異常右鎖骨下動脈起始部の嚢状拡張のほか、広義として右側大動脈弓における左鎖骨下動脈起始部も含まれる。 - e:異所性左鎖骨下動脈は気管と食道の背側を走行する。
補足:d 左総頚動脈、右総頚動脈、右鎖骨下動脈、左鎖骨下動脈の順に分岐する
37,
正解 e
- エコーでflowの見られない無エコー域あり。CTでは膝窩動脈に接した嚢胞性病変あり。
- 膝窩動脈外膜嚢腫は外膜に発生した嚢腫により動脈狭窄をきたす非アテローム性動脈閉塞性疾患。
乳腺
38,
正解 b
- a 縦横比>0.7では悪性を疑う(硬い腫瘍は扁平化しにくい)
- c 細胞増殖が多いと後方エコーは増強
- e 乳腺と脂肪織との境界線の連続性が途切れていれば断裂と表現する
39,
正解 a?
- T1WI高信号部が脂肪抑制造影T1WIで低信号化しており、脂肪含有腫瘍と考える。選択肢では過誤腫か。
40,
正解 d
腹部
41,
正解 a b
- 先天性食道閉鎖症の症例。食道閉鎖で経鼻胃管が反転して戻ってきている(coil-up像)、消化管ガスは描出なし。
- Gross分類の頻度はC型(90%)>A型(10%)>E型(数%)、B・D型は稀。また、coil-up像は食道が盲端であることを示唆するので、この二点においてはA型とC型を疑いたいところですが、
- KEY BOOKすぐわかる小児の画像診断p245「単純写真のポイントはC・D型は気管から瘻孔を通して吸気が流入するので消化管ガスは大量になる。」とわざわざ書いてあるのでC型は除外だと思います。
42,
正解 e?
- 左鼠径部〜陰嚢が腫大して透過性が低下しているように見える。
43,
正解 e
- 声門下左側にT2WI高信号でよく染まる構造あり。声門下血管腫。新生児・乳児期に声門下に生じる腫瘤性病変としてはもっとも頻度が高い。声門下の狭窄により上気道閉塞症状をきたす(ときに致死的)。生後6-8週頃に発生し、8-18ヶ月の間は増大を来す。MRIでの信号は一般的な血管腫と同様で、存在範囲や大きさの評価に重要。
参照:『すぐわかる小児の画像診断』p152-153声門下血管腫
44,
正解 a,c
- Vp4のPVTTを伴うHCCに対する治療法。切除不能でRFAの適応もなし。TACEは禁忌。
45,
正解 a
- nBnCの若年男性の偶発肝腫瘤。T2WIで肝実質よりわずかに高信号で、早期濃染あり。肝細胞相ではdefectなし。FNHが疑われるので経過観察。
46,
正解 a,b (e?)
- 膵頭部に乏血性腫瘤あり。膵体尾部に主膵管の拡張あり。
- c,dならば多血性腫瘤が一般的。
- 主膵管の拡張があり、IPMNに通常型膵癌が合併している状態?ただし膵頭部に腫瘍があるから主膵管が拡張しているだけという可能性も。
47,
正解 b
- 膵体尾部はソーセージ様に腫大し遷延性に造影効果あり。自己免疫性膵炎疑い。IgG4関連疾患が選択肢の中で起きにくいのは脾臓
48,
正解 c
Groove領域に軟部陰影を認めており、消去法的にもGroove膵炎だと思われます。
49,
正解 b
- 下行結腸腹側に限局性の脂肪織濃度上昇あり。憩室や結腸壁肥厚は見られず、腹膜垂炎を疑う。経過観察。
50,
正解 d
- 小腸閉塞があり、閉塞部に高濃度構造を認める。問題文からも餅による小腸イレウスを考える。
51,
正解 不明(e? b? a?)
SMA解離を疑う症例。解答作成にあたり、かなり議論された症例。いろんなアンギオの先生にも聞いて貰いましたが、不明です。
血管の解剖は以下の通りだと思われますが、違う!というご意見ありましたらよろしくお願いします。
- a 末梢の血管に不整は目立たないが、血流が保たれているか(viabilityがあるか)はこの1枚だけでの評価は不十分と言う意見から、正常に描出されていそう。保たれているといえば保たれている。明らかな間違いとはいえない。という意見まで。○〜△
- b 右結腸動脈自体は不整はないが、主に中結腸動脈からの造影となっている可能性が高く、側副路を介しての描出が「正常」と言えるかは不明。一応根元から見えているが正常というと微妙か? ○〜△
- c SMAの内腔は右結腸動脈分岐部あたりで不整。中枢側がどこまでかの定義は不明だが、合ってはいそう。どこまでを中枢側とするのか微妙だがこれは合ってそう。 ○
- d 中結腸動脈は発達しており、側副路となっていることが疑われる。○
- e 背側膵動脈(SMAから頭側に向かってT字型の形の血管)はSMAの第1枝であることが比較的多いが、1タイミングの正面像1枚だけでは本当に最初から分岐しているかの評価は不能。根元の方で上から出ている様子だが最初に分岐しているかどうかはこの絵で分かるはずがない。「動画を見せろ!!!」○〜△
正解:b(右結腸動脈がないバリエーション)
腎泌尿器・婦人科
52,
正解 e
- 腎皮質がT2*WIで低信号化しており、血管内溶血を疑う。起こさないのはe
補足: 鎌状赤血球→1/3は血管内溶血。毛細血管を通過しにくく閉塞・溶血を起こしやすい c 補体による血管内溶血
53、
正解 e
- 右腎盂に粗大な石灰化があり、さんご状結石を疑う。右腎は腫大し、周囲の脂肪織混濁がある。さんご状結石は黄色肉芽腫性腎盂腎炎のリスク。
54,
正解 a
- 多嚢胞性異形成腎(MCDK)。特発性。自然退縮退縮傾向があるため、対側腎尿路奇形がなければ経過観察される。膀胱尿管逆流症の合併が多く、対側の健腎に尿路感染を繰り返すことがある。
55、
正解 a d or c?
- 腎末梢動脈に多発動脈瘤あり。血管炎(結節性多発動脈炎)を疑う。染まりに若干のむらがあり腎梗塞もありそうだが、早いタイミングの造影像なので正確な評価は困難では? 鑑別に多発感染性動脈瘤も挙げられる??
56,
正解 b d
- 肺はLAM(+気胸)・MMPH、腹部は腎のAMLの破裂による出血か。結節性硬化症を疑う。肝の過誤腫や骨の硬化性結節などが、選択肢内では合併しやすいか
57,
正解 a
- 骨皮質は保たれているように見えます。
58,
正解 b
- 左尿管はそもそも描出されていないため、正解はbか
- 横断像で全周性に輪郭が保たれておらず、左優位に毛羽立ちがある→傍組織浸潤(ⅡB)疑い。
補足:(解答bだがc?)水平断で左尿管膀胱移行部の信号低下あり?
59,
正解 c
60,
正解 d
骨盤内にT2強調像で筋肉よりもやや高信号〜高信号の混在する多結節性の充実性腫瘤あり。内部にはflow voidを疑う低信号域やT2WIでやや低信号な隔壁構造あり。造影で隔壁の染まりあり、未分化胚細胞腫を疑う所見です。
IVR
61,
正解 c d
BAEの像。
- a 肺癌患者にむしろよくやる
- b 再発は比較的経験され、最終的には肺動脈から詰めたりもしうる
- c 気管支動脈の分岐部・走行の確認や他の血管の関与を見るために術前の造影CTは必須
- d Adamkiewicz動脈への塞栓物質の逆流による脊髄梗塞は重大な合併症となる
- e 金属コイルでは近位塞栓となり不十分なため、ゼラチンスポンジや球状塞栓物質、場合によってはNBCAでの塞栓が行われる
62,
正解 b
- 腰動脈と関連するType Ⅱエンドリークあり。
- TypeⅡエンドリークはステントグラフトのattachment siteとのコミュニケーションを持たない分枝からのリークと定義され、腰動脈、下腸間膜動脈がその原因となる。
63,
正解 c?
左鎖骨下静脈経由で左前胸部に留置されたCVポートについての一般的な知識を問う問題。他部位がどこを想定しているかわからず、解答しにくい
- a 気胸は起きやすい
- b 鎖骨下静脈が血栓でつまり、同側の上肢浮腫が起きることは経験される。出にくいかといわれると微妙
- c 上腕・前腕留置ポートに比べると間違いなく出にくいが、内頚静脈経由と比べると微妙
- d 鎖骨の下をくぐるレベルでのピンチオフ(カテーテルの閉鎖や損傷を起こすこと)はむしろ起きやすい
- e 鎖骨下動脈穿刺や気胸のリスクがあり、初学者には難しいルート。しかし、慣れると10-15分程度でほぼ合併症なく留置でき、禁忌も少ないため、熟練者には比較的好まれる
64,
正解 b c(d e?)
これも皆さんアンギオを得意とする上級医の先生にも聞いて貰いましたが、いろいろ意見が分かれた問題です。
要するに腎動脈瘤と腎動静脈瘻を鑑別する問題です。
①腎動脈瘤ではないかという意見
②腎動静脈瘻ではないかという意見
65,
正解 b
左MCA領域に血流低下あり。右側の麻痺あり、同部の脳梗塞を疑う所見です。右小脳半球の血流低下は、remote effect によるものと考えられます。
核医学
66,
正解 e
- 脳血流SPECTで後方優位の血流低下があり、この点からd,eが疑われ、MIBGシンチでは心の集積は保たれている。AD疑い。
67,
正解 c d
頻出問題。両側の線条体の集積低下があり、選択肢ではcかd。
68、
正解 d
- 前壁〜心尖部の集積低下あり。LADが責任血管。
69,
正解 c d
- c〇冠攣縮性狭心症では繰り返すspasmによる虚血がある場合、脂肪酸代謝障害を生じる。その場合、BMIPP-SPECTで重度の虚血域では集積低下がみられる。
- d〇血流ー脂肪酸代謝ミスマッチがみられる。
- e×BMIPPは2核種同時収集できるのが利点。
70,
正解 c
- 67Gaシンチと思われる。集積を認めるのは悪性リンパ腫。
71,
正解 c
- 膵は全体的に腫大しており、18F-FDGの集積増加を認めている。自己免疫膵炎などを疑う所見
- 肝臓は生理的に集積する。尿路にも集積する。
- 大網への集積は認めていない。
72,
正解 b c
- 肝右葉に淡いLDAあり。FDGの集積の程度は周囲肝実質と同程度くらいか。高分化型肝癌や肝血管腫が疑われる。
- 分化型肝癌、一部の腎癌では、グルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)という脱リン酸化酵素を持っているため、集積されない。
▶核医学を専門とする上司のコメント
正常肝と同程度の集積を呈するものはどれ?という事かと。aは無集積、dとeは多くが高集積。よってb(分化度の高いHCC)とcの血管腫でいいのではないでしょうか
73、
正解 a c
- 肝臓および脾臓の腫大、集積あり。
- 胸腺への集積を認めている。
- 腎臓や尿路への集積ははっきりせず、骨髄の異常集積を認めています。
- 骨盤内腫瘤は認めません。骨盤内正中の高度集積は膀胱。
74、
正解 c
- 一見普通だが腎臓の集積がなく、super bone scanの状態。副甲状腺機能亢進も鑑別になるが、既往からはまずは前立腺癌多発骨転移を疑う
75,
正解 c e
- 仙骨にHondaサインがあり、脆弱性骨折。肋骨主体に多発集積を認め、長い形状からは多発骨転移を疑う
▶核医学を専門とする上司のコメント
肋骨集積の中に外傷による数珠状集積だけでなく、肋骨長軸に沿った集積もあり、臨床的には骨転移も疑うやろね。仙骨に確かにhonda signがあり、eも迷うけどね。70代男性、、、。う~ん、骨粗鬆症バリバリの高齢女性、放射線治療後の女性とかが典型的やしなぁ。ただ、aがなぁ。転移を選ぶと選択がおかしくなるね。もうひとつの可能性として、骨髄腫baseの病的多発骨折所見としてcとe。こっちのが選択二個としてはスッキリかな。そんな感じやね。
76、
正解 c
- 骨シンチで心臓に集積があり、アミロイドーシスを疑う。
- 骨シンチで心臓に集積がある場合→心筋梗塞、不安定狭心症、心サルコイドーシス、cardioversion、心筋挫傷、心室瘤、心筋炎、心膜炎、腫瘍、悪性心嚢水などの可能性がある(核医学画像診断ハンドブックP27)
77,
正解 e
腎静態シンチ
- a 左腎上極は尿路感染後の瘢痕を疑う
- b Tc-DMSA
- c 37~185MBq
- e 投与後2-4時間
78、
正解 e
副腎皮質シンチ 131I-アドステロール
- ステロイドホルモンの合成素材として皮質に取り込まれる。
- 肝臓の集積が目立たない。正常では肝臓の集積の方が副腎より強く描出される。
- 背面からの撮影で左の方が強く、両側の副腎が描出されている
- 18.5MBqを30秒以上かけてゆっくり静注。
- エタノールが含まれるのでアルコール過敏症は注意。
- 遊離131Iが甲状腺に集積するのを防止するためヨウ素製剤(ルゴール液など)で甲状腺ブロックを行う。検査3日前から検査終了まで。
- 原発性アルドステロン症の鑑別にはデキサメタゾン抑制副腎皮質シンチグラフィを行う。デキサメタゾンを投与することでACTH分泌が抑制され、健側の集積が低下し、左右差が明瞭化。
79,
正解 e
80,
正解 e
- 223Ra 商品名 ゾーフィゴ。ハイドロキシアパタイト複合体を形成。
- カルシウム類似体として骨代謝の亢進した骨転 移部位に取り込まれるのでハイドロキシアパタイト複合体を形成。
- 高エネルギーのアルファ線により腫瘍細 胞のDNA二重鎖を切断。Srはベータ線。Raの方が効果が出る範囲が小さいので、骨髄抑制はRaの方が少ない。
- (アルファ線の組織内飛程 は100μm(およそ細胞10個分)未満)
- 投与法:ゾーフィゴ55kBq/kgを4週毎に6回静脈内投与+標準的治療
- 生命予後を改善する。Srはしない。
いつも参考にさせていただいています。
ディスカッションしたい解答があり、コメントさせていただきました。
問19ですが、正答はc(手根管症候群)ではなく、d(Guyon管症候群)ではないでしょうか?
画像1枚目を見ると画像左が母指側とわかり、びまん性にT2WI高信号を示す構造は小指球の筋と思われます。
画像2枚目では小指球腹側にT2WI高信号構造がみられ、尺骨神経のように見えます。通常、正中神経は母指球側腹側に位置しているので、正中神経病変による手根管症候群とすれば、もう少し画像の左側に病変がある方が自然かと思いました。
1枚目は画像右側が母指側と思います。
また症状からもギヨン管症候群は考えにくいのではないでしょうか。ギヨン管症候群であれば小指に症状が出るかと思います。
75番、c,eと思います
肋軟骨部の数珠状集積、肋骨や骨盤骨などに多発する不全骨折→骨軟化症を考えました。
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症なんだと思います。
オクトレオスキャンが適応になったのはこの辺でしたっけ。
23番の解説についてですが、CV(バスキャス)の先端は気管分岐部レベルで、SVC内だと思います。
選択肢cが該当するのはtemporary pacing」ではないでしょうか(IVCから右房を経由して右室先端に留置されているため)
31番に関して、分岐状影っぽいのがあるからe!と思ってしまったのですが、普通に血管ですかね。