2017年に実際に試験を受けられて合格された、
- ふらふら帝国先生
- KH先生
- K先生
- N先生
に解答作成を手伝っていただきました。
ご協力いただき誠にありがとうございました。
解答ここはこうじゃないかなどございましたら、一番下のコメント欄に記載いただければ幸いです。
基礎
1,
正解 d
2,
正解 b
- b,誤り。gradient echo法は90°より小さなRFパルスを使う。
補足:b 90°より小さいパルス(フリップ角)を使用 c 180°パルスを複数回照射するため撮像時間が早い
3,
正解 a,e
補足:e 過渡平衡:娘核種の放射能量が親核種を追い越して平衡状態となる.半減期が親核種>娘核種だと過渡平衡、親核種≫娘核種だと永続平衡が成立する
4,
正解 a
- a,誤り。匿名化されていない。
5,
正解 b,d
頭頚部
6,
正解 b
7,
正解 d
- 10歳代。右側頭葉から後頭葉の脳軟膜の石灰化、造影MRIで同部位の委縮と脳軟膜の造影増強効果
→Surge-weber症候群 - d、誤り。出生早期は石灰化が認められない事が多く、石灰化は5歳以降に見られることが多い。軟膜の血管腫の同定には造影MRIが必要。
8,
正解 b
- 30歳代女性、右側頭葉の脳出血。nidusと思われるflow voidを認め、動静脈奇形からの出血。
9,
正解 c
- 30代女性、悪性腫瘍化学療法中の意識障害。左前頭葉に脳梗塞疑う拡散低下域、造影MRIで上矢状静脈洞の造影不良あり、静脈洞血栓を疑います。
10,
正解 d
- 生下時に髄膜瘤術後の病歴あり。脳梁形成不全を認め、d chiariⅡ型奇形を疑う。
11,
正解 d
- 50歳代男性の3日前からのふらつき、想起障害。両側尾状核、左前頭葉皮質有意の拡散低下域を認めCreutzfeldt-Jakob病を疑う。
12,
正解 a,b
- 歩行障害、両手しびれの訴えの病歴。亜急性連合性脊髄変性症を疑う後索の(ハの字型の)T2W高信号域。vitaminB12不足ですのでa 大球性貧血 b胃切除後の既往が関連あり。
13,
正解 e
- 胸椎レベルの頭尾側に長いT2WI高信号となる病変で、背側に複数のflow voidあり。e dural arteriovenous fistula疑い。
14,
正解 b,e
- CTで両側涙腺の腫大。画像からはIgG4関連やサルコイドーシス、シェーグレンなどを考えましたが、選択肢からはIgG4関連疾患疑い。b 膵臓 e唾液腺が関連あり。
15,
正解 d
整形外科
16,
正解 a,e
- A 所見:骨幹端の杯状陥凹―くる病 →○
- B 所見:骨幹が太く、短い―大理石骨病 →× 軟骨無形性症
- C 所見:長管骨の弓状変形、骨折あり―軟骨無形性症→× 骨形成不全
- D 所見:大腿骨頸部に骨折疑い―線維性骨異形成 →× 診断は不明
- E 所見:骨膜下骨吸収―副甲状腺機能亢進症 →○
17,
正解 d
- T2*画像で屈筋腱に沿った低信号腫瘤→d 腱鞘巨細胞腫疑い
18,
正解 a,e
19,
正解 d
- Xpで脛骨の限局的な緻密化。d メロレオストーシスを疑う。
20,
正解 e
- 肩甲骨内側に索状の脂肪を伴う軟部影。e 弾性線維腫
21,
正解 e
- MRIで筋肉内に多発する腫瘤。dark star signあり。e 筋サルコイドーシス
胸部
22、
正解 b
- 右上葉は気腫性変化。左肺下葉には気管支拡張や間質性陰影を疑うスリガラス陰影。良くわかりませんでしたが、CPFEと考えてb。
補足:e 肺線維症の拘束性換気障害と肺気腫の閉塞性換気障害が相殺され、肺活量・1秒率は正常またはやや低下するに留まり、COPDの定義を満たす70%未満の症例は少ない
23,
正解 a
- アスペルギルス陽性患者の多発する浸潤影および周囲のhalo signとおもわれるスリガラス陰影。血管侵襲性アスペルギルス症と考えてa 侵襲性肺アスペルギルス症。
24,
正解 e
- 40歳代男性CTで多発空洞→e Langerhans細胞組織球症。
25、
正解 d
- 右下葉に浸潤影、angiogram signあり。右中葉にも気道散布性の陰影。d 浸潤性粘液癌。
26,
正解 d,e
- 50歳代女性 右肺底部の気管支拡張と小葉中心性粒状影→d 副鼻腔気管支症候群 e びまん性汎細気管支炎
27,
正解 d
- 40歳代男性。右下葉にgalaxy signを伴う陰影→d サルコイドーシス
28,
正解 c
- 上肺野優位の粒状陰影で、60歳代男性。縦隔に卵殻状石灰化ありから、珪肺として、c職業歴
29,
正解
- 50歳代男性全身倦怠感。小葉中心性の不鮮明な分岐状~粒状影。倦怠感との主訴とも合わせて d 多中心性castleman病
30,
正解 e
- 肺胞蛋白症。KL-6、SP-A、SP-D、LDH高値となる
31,
正解 b
- 胸水ドレナージ6時間後に出現した浸潤影。胸膜側はspareされる。再膨張性肺水腫を疑い b 肺水腫
関連)再膨張性肺水腫
32,
正解 e
- 30歳代女性の気胸既往。多発する嚢胞。LAM疑い、結節性硬化症で e 腎血管筋脂肪腫
心血管
33,
正解 a,e
- 左冠動脈起始異常を考えa 突然死の原因 e 左冠動脈主幹部は大動脈と肺動脈の間を走行する
34,
正解 c
- 下壁の血管支配に一致した内膜下優位の遅延造影→c 急性期心筋梗塞
35,
正解 b
- 外傷後の大動脈峡部近傍の仮性動脈瘤→b 大動脈仮性瘤。
36,
正解 b
- 多発する肺AVM(一部は治療後)、頭蓋内にAVMか。→Osler- Weber-Rendu病
- 関係ないもの b 四肢片側肥大
37,
正解 c
乳腺
38,
正解 d
- マンモで比較的境界明瞭な分葉状腫瘤。浸潤性小葉癌は構築の乱れのみが多い。最も考えにくい→d 浸潤性小葉癌
39,
正解 c
40,
正解 b
- 乳腺MRI:T2WIで高信号となる腫瘤で、ダイナミック造影で漸増性の造影効果→b 粘液癌。
腹部
41,
正解 d
- 生後1か月の子供の嘔吐。USで幽門筋の肥厚と思う所見を認めており、d 肥厚性幽門狭窄。
42,
正解 d
- 新生児の多房性嚢胞。嚢胞間に連続性なし。多嚢胞性異形成腎は通常片側性→d 多嚢胞性異形成腎。
43、
正解
- Xpで右大腿骨頭核の骨硬化、圧潰。ペルテス病→a 男児に多い
44、
正解 d
- 造影CT MIPで肝臓内の動脈拡張→d Osler Weber Rendu病
45,
正解 b
- 内部に門脈索を伴うグリソンに沿った低吸収→Caroli病→肝線維症には進行するけど、HCCは特に合併しない。b 肝細胞癌を合併するが正しくない。
46,
正解 d
- 肝臓のダイナミック造影CT及びEOB-MRI S7に2か所の病変あり。右側の病変は肝細胞相で抜けて血管腫 左側はFNH→d 血管腫と限局性結節性過形成
47,
正解 a,e
- 胆嚢壁肥厚→a 胆嚢癌 e 黄色肉芽性胆嚢炎
48,
正解 b
- 30代女性の膵尾部腫瘤 T1WIで高信号 CTで辺縁に石灰化→SPT疑い。消去法でb。
49,
正解 d
- 50代女性膵尾部のcyst in cyst→MCN疑い→d 星芒状石灰化がみられる(これはSCN)が間違い
消化管
50,
正解 c
10代男子の血管造影、オペ所見。良くわからないが、選択肢的にメッケル憩室→c 異所性組織として膵が多いが間違い。胃粘膜。
51,
正解 a
- 上行結腸の短縮、変形あり。
関連)腸結核(治癒像)
52,
正解 e
- 上行結腸周囲の脈管状の石灰化→e 静脈硬化性大腸炎
腎泌尿器・婦人科
53,
正解 b
- CTで脳室周囲の石灰化、腎AMLで結節性硬化症
関連)
54,
正解 b
- 副腎皮質機能低下の病歴。両側副腎の腫大石灰化。副腎結核は副腎機能不全をきたすことが多い。
55,
正解 a
- 左副腎腫瘤及び内部に石灰化。画像からは診断できませんでしたが、選択肢的には褐色細胞腫。考えにくいもの→ a
56,
正解 b,c
- 尿道憩室→b 尿路感染を繰り返す c先天性、後天性いずれもあり得る
57,
正解 a
20代女性 急性の腹痛。血性腹水を疑うT2WIで不均一低信号、造影T1WIで高信号となる腹水。左卵巣出血を疑う所見。嚢胞構造は何か?→a 黄体
しかし、黄体も機能性嚢胞の一部ではないか・・・・
58,
正解 a
- 骨盤内のT2WI低信号腫瘤。腫瘤内左側には変性を疑うT2WI高信号域。造影ではわずかにゆっくり造影される→a 卵巣線維腫
59,
正解 a
- 絨毛性疾患?
- 10代女性の充実成分を含む嚢胞性病変。未熟奇形腫?
補足:a 卵黄嚢腫瘍で高値となる。未熟奇形腫や胎芽性癌でも上昇 c 絨毛癌で特異的に上昇 d 未分化胚細胞腫でしばしば上昇(AFPは正常)
60,
正解 a,e
- 20代女性の特に病変のないMRI。ハーフフーリエ高速SE法と通常の高速SE法の比較
61、
正解 d
- 子宮頸癌。左側は明らかに子宮傍組織に浸潤あり。→消去法的にd
IVR
62,
正解 d
10代男性の手。触診では軟らかい青黒い腫瘤。MRIで多房性のT2WI高信号腫瘤。血流速度の遅い血管奇形(血管腫)と考え→d 放射線治療が適応とならない治療
63,
正解 b,c
外傷で前縦隔に血腫、extravasationあり。内胸動脈からの出血が疑われる。→b ゼラチンスポンジ c ファイバードコイルが塞栓物質
64,
正解 e
- 右下横隔動脈造影でHCCが濃染。
補足:c 右下横隔動脈が最多、胆嚢動脈がこれに次ぐ
核医学
65,
正解 b
- MRIで側脳室拡大 脳血流シンチで円蓋部の集積亢進→b 正常圧水頭症
66,
正解 d
- 脳血流シンチ 後部帯状回に集積低下あり。後頭葉は保たれる→d Alzheimer病
67、
正解 a,e
- 左手のしびれとふるえ。DATで集積低下なし。可能性が高いもの→a 本態性振戦 e薬剤性パーキソニズム
68,
正解 b
- 突然の胸痛でLADにPCI後。血流シンチでは血流再開している。Gated SPECTで前壁・心尖部の運動低下。→b 気絶心筋。
気絶心筋(stunned myocardium)
気絶心筋(stunned myocardium)とは、冠動脈閉塞後に再灌流しても心機能障害(壁運動異常)が持続し、壁運動回復が遷延すること。出典:急性心筋梗塞後の気絶心筋
69,
正解 b
- 40代男性の失神。安静時心筋血流で優位な血流低下なし。心尖部にて集積増加あり。心電図のST低下と陰性T波→b 肥大型心筋症
70、
正解 c
- 心臓への集積はごくわずか。I型CD36欠損症では心臓が無集積→c
- プラナー像で写っている心の軽度の集積は腔内のプーリング
関連)[123]I-BMIPP 心筋無集積と末梢CD36 欠損症との関係
71、
正解 d
- メッケル憩室(異所性胃粘膜)への99mTcパーテクネートの集積→d 胃に生理的集
72,
正解 d
- 唾液腺シンチで15分後に甲状腺に集積あるが、唾液腺に集積なし。→d シェーグレン症候群
73,
正解 b
- 甲状腺中毒症の唾液腺シンチ。左甲状腺に腫瘤あり、唾液腺シンチで同部位に局所の集積→b Plummer病
74、
正解 c
- 99mTc-MIBIで縦隔に局所の集積→c, 異所性副甲状腺の腺腫
75,
正解 e
- 右副腎腺腫あり。131I-アドステロールシンチ。撮像開始タイミングは7日後。
76,
正解 d
- HONDA sign。一見正常像にも見えるが、仙骨背面の横断する集積はやはり異常。→d
77,
正解 e
- 骨肉腫か。筋肉、腎臓への生理的な集積から→e 201TlClシンチ。
- 99mTc-MIBI:骨髄への生理的集積がもっと目立つ。
78,
正解 b
- FDG-PETで筋肉へのびまん性集積。脳への集積低下。→b 糖分摂取(→血糖上昇、インスリン分泌上昇による筋肉への集積亢進。)
79,
正解 c
- FDG-PETで唾液腺に局所的な集積散見。→c 99mTc-パーテクネートでワルチン腫瘍やオンコサイトーマの可能性を検討
80,
正解 e
- e,物理学的半減期はおよそ11日が正解
233Ra(ゾーフィゴ)
- 骨転移を有する 去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の治療薬。
- α線で治療。
- 半減期は11.43日。
29番はCastleman病で何も矛盾はないと思うのですが、濾胞性細気管支炎とどうやって優先順位をつけるのでしょうか?
小葉中心性分枝状影・嚢胞・すりガラス・主訴の倦怠感、何れも濾胞性細気管支炎でも問題ないように思われるのですが・・・
特に小葉間隔壁の肥厚が合わないのだと思います。
ご回答いただきありがとうございます。
私自身にこのような症例の経験がないもので、もし見当違いのことを聞いていたら申し訳ないのですが、
手持ちの教科書(胸部のCT MEDSi)の濾胞性細気管支炎のCT所見の項には、「小葉中心性分岐粒状影・時に気管支壁肥厚/小嚢胞/エアトラップ・すりガラス・小葉間隔壁の肥厚・気道周囲の浸潤影」と書かれているのですが、この問題の画像は、小葉間隔壁の肥厚が強すぎる(それとも弱すぎる?)ということでしょうか?
診断専門医試験 2017年の59番はyalk sac tumorではないでしょうか?
若年者の卵巣腫瘤で、嚢胞成分と充実部が混在しています。よく染まっており、多血性病変が考えられます。T2WIでflow voidと思われる低信号域が散見され、造影されているようにみえbright dot signがあるように見えます。
ゆえにAFPが高値が予想され、aが正解かと思いました。
T2強調像で高信号を呈し、造影T1強調像(脂肪抑制)で低信号を呈する部分があり、脂肪を含有する腫瘍と考え、未熟奇形腫で良いと思います。
若年、充実+嚢胞成分、多血性、不均一で卵黄嚢腫瘍=AFP上昇で良いと思われます。
「T2強調像で高信号を呈し、造影T1強調像(脂肪抑制)で低信号を呈する部分があり」、とのことですが、脂肪抑制でないT1がないと、T2高信号、脂肪抑制T1で低信号=脂肪ではないと思われますが、いかがでしょう?(仮に脂肪でも「未熟」奇形腫の脂肪っぽくないような気もします。その辺も出題者の意図なのかと思いました。)
調べると急速に増大するようなので、1ヶ月前からという経過も合致しそうです。
返信ありがとうございます。
よく画像確認してみたら脂肪抑制していない造影T1強調像でした(皮下脂肪が高信号)
なのでご指摘の通り卵黄嚢腫瘍だと思います。
53番ですが、難病情報センターを参照すると「子宮筋腫、卵巣嚢腫などもよく認められます。」と記載がありました・・・
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4384
骨硬化は骨島ではなく、過誤腫という引掛けということはあるでしょうか?
https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.15105/GZ.0000003054
“骨島(bone islandまたはenostosis)は,海綿状骨に限局した内骨腫で,限局性の骨硬化像として認められる良性骨腫瘍である.組織学的には成熟した緻密骨であり,過誤腫と考えられている.”
とありましたので、bはいずれにせよ正しい選択肢でよいのかな、と思いました。
子宮筋腫もよくみられる、と記載があるとなると、どれも正しい選択肢になってしまいますね…
ata先生
調査ありがとうございます。骨島も過誤腫なのですね。
そっ閉じですかね・・・