基礎(1-5)

1,

解答: d

β壊変

beta

  • β-壊変では、中性子過剰の核で中性子が陽子に変わり、原子番号が1つ増える。
  • β+壊変はβ-壊変の逆で、陽子過剰の核で陽子が中性子に変わり、原子番号が1つ減る。

 

2,

解答:b,d

  • 吸収線量の単位はGy、J/kg。J/kg は吸収線量を mks単位系で表示したもの。
  • Sv:等価線量、実効線量。
  • 2010年の認定医の9番の問題とほぼ同じ問題。
線量のまとめ
  • 浴びた放射線(吸収線量(Gy))から放射線の影響を受ける(等価線量(Sv))わけではない。浴びた放射線によってその度合いが異なる。それが放射線荷重係数。つまり、

等価線量(Sv)=Σ(放射線荷重係数)×吸収線量(Gy)

さらに、どの程度影響するかは、臓器によって異なるので、それぞれの組織荷重係数をかけて、全て足したものが、実効線量となる。

実効線量(Sv)=Σ(組織荷重係数)×等価線量(Sv)

※実効線量とは放射線被曝による個人の確率的影響(がん、遺伝的影響)のリスクの程度を表す線量概念である 。(wikipedia)

 

3,

解答: c,e

  • 中性子の遮蔽には、水素あるいは水を多く含んだ物質(水、コンクリート、パラ フィンなど)が用いられる。
放射線の遮断
  • α線:数十mm の空気層,または薄いゴムや紙などで十分に遮蔽される。
  • γ線:鉛など原子番号の大きいものが有効。

4,

解答:b

 

5,

解答:a,c

参考)厚生労働省標準規格

 

整形(6-11)

6,

解答:b

  • 骨幹端に骨透亮像あり。骨皮質の肥厚あり。骨膜反応ははっきりしない。

 

7,

解答:b

  • 外側の腸脛靭帯周囲に異常な高信号域あり。
  • Hoffa syndrome:膝蓋下脂肪体(Hoffa’s fat pad)に対する機械的刺激や炎症による病態の総称。そのうち、外傷による腫脹で、大腿骨と脛骨の間でインピンジメントを示すものをHoffa病という。

 

8,

解答:c

  • 慢性骨髄炎:治癒過程の病変部にも集積するため、骨シンチのみでは診断できない。67Gaシンチあるいは白血球シンチの併用が必須。
  • 骨Paget病では病変部に強い集積増加を認める。CTやレントゲンでは、骨皮質の肥厚や変形を伴う。
骨シンチで集積する代謝性疾患
  • 副甲状腺機能亢進症:頭蓋骨、下顎骨、胸骨、長管骨に集積。
  • 副甲状腺機能低下症:骨軟化症、疲労骨折
  • 骨軟化症:左右対称性の多発性骨折。
  • 骨粗鬆症:多発骨折
  • 骨Paget病:病変部に強く集積。

 

9,

解答:d

  • L3に圧迫骨折あり、背側に凸の形態。内部にT2WIにて高信号を呈する液体貯留あり(CTやレントゲンでは椎体内にガスがあるように見える)
  • 背側に凸の形態からは転移が疑われるが、他の所見は、機械的な圧迫骨折を疑う所見。L3という非典型的な場所だが…。

 

10,

解答:e

母指尺側側副靭帯損傷
  • スキーで上肢に生じる最も有名な外傷(skier’s thumb)。
  • スキーでは、ストックを持ったまま転倒することで受傷する。
  • 慢性期には特異的な症状がなく、物をつまむときに力が入らないといった訴えが多い。
  • 通常は母指基節骨側の靭帯付着部に生じることが多い。
  • 断裂した靭帯に偏位があれば手術適応。

参考)画像診断2008年7月 スキー、スノーボード:滑走動作と転倒のリスク 稲丘努先生ら

 

11, 

解答:e

 

頭頸部(12-21)

12,

解答:a

  • 腫瘍上下端のT2強調像の低信号“cap sign’’ははっきりしないが。
脊髄上衣腫
  • 成人の脊髄髄内腫瘍で最多。
  • 頚髄>胸髄>円錐に多い。
  • 3-4椎体の長さを示すことが多い。
  • 脊髄が腫大し、境界明瞭なT2強調像で高信号を呈し、T1強調像では脊髄と等信号を呈することが多い。
  • 造影ではほぼ全例に造影効果を認める。
  • 腫瘍上下端の脊髄にはヘモジデリン沈着を認め、T2強調像で低信号を示し“cap sign’’とよばれる。(20-60%)
  • 腫瘍の辺縁(peritumoralcyst)、腫瘍内(intratumoralcyst)に嚢胞を認めることが多い。嚢胞・腫瘍内に出血を伴うことがある(嚢胞内に出血→液面形成)。
  • 脊髄空洞症を合併しうる(腫瘍性脊髄空洞症)。

 

13,

解答:b

  • 右視神経の肥厚あり、脊髄に異常信号域あり。

 

14,

解答:a

  • トルコ鞍内で下垂体前葉と後葉の間にT1WIで高信号、T2WIで高信号の内部に低信号の分葉構造を有する。
  • ラトケ嚢胞の半数以上の症例で、内部に増強効果のない嚢胞内結節が認められ、T1強調像で高信号、T2強調像で低信号を示す(嚢胞内にT2強調像低信号の物質を認めるのがかなり特徴的。これを充実成分と間違えないように!!Waxy nodule)。嚢胞内容が濃縮・凝固したものと考えられ、Rathke嚢胞に特徴的な所見である。

 

15,

解答:d

  • 嚢胞+石灰化を有する腫瘤が、トルコ鞍の上にありか。
石灰化を来しやすい腫瘍
  • 乏突起膠腫 oligodendroglioma
  • 星細胞腫 astrocytoma
  • 上衣腫 ependymoma
  • 神経節膠腫  ganglioglioma
  • 胚細胞性腫瘍 germinoma
  • 頭蓋咽頭腫 craniopharyngioma
  • 髄膜腫 meningioma

 

16,

解答:a

 

 

17,

解答:a

  • 脳幹および小脳、中小脳脚に異常高信号あり。基底核にT2WIで低信号あり。銅沈着を疑う。Wilson病を疑う所見。

 

両側基底核外側がT2WIで線状高信号を示す疾患
  • 多系統萎縮症パーキンソン型(MSA-P)
  • Wilson病
  • CADASIL
  • PRES
  • ハンチントン病
  • 非ヘルペス非傍腫瘍症候群性農園
    など。

 

 

18,

解答:e

  • 左の側頭葉の萎縮が目立つ。

 

 

19,

解答:e

  • 鼓室内に軟部陰影あり。血管造影ではよくわからないけどよく染まっている。
  • 拍動性耳鳴を起こすものはこの中では、内頚動脈走行異常と鼓室グロムス腫瘍。
グロムス腫瘍(glomus tumor)
  • 拍動性耳鳴をきたす疾患として重要。
  • 局在から、Jacobson神経(Ⅸの鼓室枝)に発生する鼓室内グロムス腫瘍(glomustympanicum)、Arnold神経(Ⅹの耳介枝)に発生する頸静脈グロムス腫瘍(glomus jugular)に分類。
  • glomus jugular では頸静脈孔周囲骨の虫食い状破壊性変化を伴うことが多い。
  • 非常に血流豊富な腫瘍であり、MRIでは腫瘍内部や周辺にflow voidを認めることもある。

 

20,

解答:c

  • d、eは違う。
  • bなら単純CTを出すでしょう。咽頭後壁と椎体の間のスペースが広いような。

 

21, 

解答:a

  • すりガラス状の造骨性変化あり。周囲の軟部陰影の肥厚および造影効果あり。頭蓋外に扁平上の造影効果を有する腫瘤あり。髄膜腫+過骨形成。
  • 髄膜腫が接する骨変化は全体で4.5%に見られる。硬膜に沿ってカーペット状に広がる板状髄膜腫ではより骨変化の頻度が高い。造影MRIで硬膜から頭蓋骨内への浸潤を示す炎のような形状の造影効果が特徴的との報告もあり。
McCune-Albright症候群
  • 多骨性の線維性骨異形成症(fibrous dysplasia)
  • 皮膚のカフェオレ斑
  • 思春期早発症
線維性骨異形成
  • 比較的頻度の高い良性の骨疾患。
  • すりガラス状の膨張性骨病変が特徴。
  • 骨皮質の破壊や骨膜反応がない点が悪性骨病変と異なり、辺縁の硬化像がないことが他の良性骨病変とも異なる。
  • 単骨性(70〜80%)>多骨性(20〜30%)。
  • 若年者好発(多くは20歳までに)。
  • 男性<女性。遺伝性はない。
  • 頭蓋冠、頭蓋底、肋骨、四肢のどこでも発生。症状は部位により多彩。脊椎はまれだが多骨性が多い。
  • McCune-Albright症候群の一つの兆候としてみられることもある。

 

胸部(22-32)

22,

解答:d(c?)

  • 気道に浸潤する腫瘍。ただし、石灰化あり、30歳代であることからもしかしてカルチノイドを選ばせようとしている?
気管腫瘍(外部からの圧迫を除く)
  • 扁平上皮性乳頭腫(孤立性乳頭腫、乳頭腫症)
  • 過誤腫(軟骨腫)
  • 良性間葉系腫瘍(線維腫,脂肪腫,血管腫,平滑筋腫)
  • 扁平上皮癌
  • 転移性腫瘍
  • 粘膜下腺組織腫瘍(カルチノイド、腺様嚢胞癌、粘液類表皮癌、さまざまな腺腫)

※悪性では扁平上皮癌(SCC)>>腺様嚢胞癌(ACC)で8割占める。

 

23,

解答:c

  • 境界明瞭な肺結節、内部に脂肪の含有あり。

 

24,

解答:e

気管支原性嚢胞(bronchogenic cyst)
  • 内部液体は粘稠で高タンパク→CT値高い。T1WIで高信号が多い。
  • 気管分岐下、傍気管部(右優位)、奇静脈食道陥凹に好発。

 

25,

解答:a

  • SAH+肺水腫?→神経原性肺水腫。
神経原性肺水腫
  • くも膜下出血、てんかん、頭部外傷、脳出血などで生じる肺水腫。
  • 交感神経が関与。
症例 50歳代女性 SAH+肺水腫

SAHpulmonaryedema

 

26、

解答:a,c

  • 下肺優位、蜂巣肺あり、濃度上昇あり。→間質性肺炎の急性増悪か。
  • β-D-グルカン陰性→カリニ肺炎、真菌ではない。
間質性肺炎の急性増悪の薬物療法
  • ステロイドパルス療法とそれに引き続くステロイド治療がメイン。
  • 加えて免疫抑制薬が併用されることがある。シクロスポリンに加えてタクロリムスの有効性も最近言われている。
  • ただし著効するわけではない。現時点では明確な治療法は確立されていない。

 

 

27,

解答:a

  • 右下葉に浸潤影+周囲にすりガラス影2カ所あり。
  • 腹部単純CTは肝臓が高吸収か。不整脈で治療中。アミオダロンか。
  • アミオダロンはVaughan-Williams分類でIII群に分類される抗不整脈薬。
アミオダロン肺
  • すりガラス陰影と網状変化が下肺優位あるいはびまん性にみられる。
肝のびまん性高信号の鑑別診断
  • 鉄:へモジデローシス、ヘモクロマトーシス
  • 金:金コロイド療法後
  • 銅:Wilson病など
  • ヨード:アミオダロンやリピオドール注入後
  • ガドリニウム:MRl造影剤
  • トリウム:トロトラスト ・糖原病 ・ヒ素、タリウムなど

▶下肺野にすりガラス影および網状影+肝の高吸収→アミオダロン肺を考慮。

 

28,

解答:c

  • 画像だけだと小葉中心性の淡い結節影だが、慢性腎不全がヒント!
異所性肺石灰化症
  • 腎不全、悪性腫瘍、副甲状腺機能亢進症、Vit D過剰症、ミルクアルカリ症候群などの基礎疾患による高カルシウム血症および腎機能障害により、正常組織に石灰が沈着すること。
  • 肺、胃、腎、心、血管壁などに石灰化する。
  • 肺では、大抵石灰沈着は両側対称性。すりガラス影を呈する結節影。
  • 上葉優位、小葉中心性に分布する。
  • 鑑別は、過敏性肺臓炎や、小葉中心性分布を呈する経気道感染症や肺胞出血など。
  • 骨シンチで肺に集積する。

 

29,

解答:a

  • 両側下葉末梢に空洞を有する結節。胸膜直下のspareなし。発熱もあり、敗血症性肺塞栓症を疑う。

 

30,

解答:a

  •  右上葉に浸潤影および小葉中心性の粒状影。粒はしっかりしている。問題文からもTbをまず除外したい。Tbは白血球正常の事が多い。

 

31,

解答:a,b→a,e

  • 左8-9肋骨骨折あり。

M先生より、31ですがa,eでは?

  • MGチューブ留置あり。胃泡が肺と同じスライスに見える→横隔膜破裂か。

ありがとうございます。

 

32,

解答:b

気管支閉鎖症
  • 生後閉鎖した気管支の中枢側の粘液瘤形成と、閉鎖末梢肺野の気腫性変化をきたす先天性異常。
  • 肺結節として検診などでひっかけられる。
  • 過誤腫や硬化性血管腫などの良性充実性腫瘍との鑑別は粘液栓の有無で鑑別できる。
先天性肺葉性肺気腫
  • 肺葉が進行性に過膨張となる原因不明の疾患。
  • 1つの肺葉全体がair-trappingをきたして過膨張になる。
  • 左上葉>右中葉>右上葉の順。
  • 多くは新生児期に呼吸困難として発症。
  • 男女比は3:1で男児に多い。心奇形を合併することあり。
先天性肺気管支奇形(先天性嚢胞性腺腫様奇形)
  • congenital cystic adenomatoid malformation;CCAM
  • 先天性肺葉性肺気腫、気管支性嚢胞、気管支閉鎖症などとともに嚢胞性肺疾患に分類される。
  • 正常肺組織構造が崩れた肺内腫瘤に大小不同の嚢胞形成が見られる。
  • Stockerらの分類が用いられる。嚢胞の大きさにより3型に分類される(1型: 2cm以上の嚢胞が主、II型: 2cm以下の嚢胞が主、III型:充実性)。
  • 出生後に発見されたⅠ型の場合には、レントゲン状、嚢胞や気腫として発見される。
  • 無症状で学童期以降に発見されることもあり。

主な肺の先天性疾患

  • 局所肺奇形
  • 先天性大葉性肺気腫
  • 気管支閉鎖症
  • 気管支原性嚢胞
  • 先天性肺気道奇形
  • 肺分画症
  • 動静脈奇形

肺形成異常

  • 肺欠損・低形成
  • 肺葉欠損・低形成
  • hypogenetic lung sydrome
  • congenital venolobar syndrome
  • horseshoe lung
  • accessory diaphragm

 

心血管(33-37)

33,

解答:d

  • LAD#6に狭窄あり。

 

34,

解答:e

  • 左冠動脈の起始部がえらい前なような…。

 

35,

解答:c

  • 心室中隔の著明な肥厚。正常だと遅延像では造影効果を認めない。 遅延相で中隔の一部に造影効果あり。

 

36,

解答:d

  • 心膜の石灰化あり。
収縮性心膜炎
  • 胸部レントゲンで心膜石灰化あり、心拡大はなし。
  • 奇脈、吸気時に頚静脈怒張が増強。表在静脈怒張、腹水・胸水、浮腫。肝腫大。うっ血性肝硬変、蛋白漏出性胃腸症(から低アルブミン血症、下腿浮腫)
  • 結核によるものが多かったが、最近では特発性やウイルス性のものも多い。

 

37,

解答:c

  • 腹部大動脈周囲を全周性に取り囲む軟部陰影あり。平衡相でゆっくり造影されている。mantle signの疑い。炎症性大動脈瘤を疑う。
炎症性大動脈瘤
  • 感染性大動脈瘤とは異なるので注意。
  • 動脈壁の著明な肥厚と隣接臓器との癒着を特徴とする。
  • 原因は不明だがIgG4とも関連があるとも言われる。
  • 瘤の前方から側方にかけて厚い軟部組織が取り巻いているのが認められ、特徴的(mantle sign)。造影CTで大動脈瘤外膜が均一に造影され、長く造影効果が持続する。
感染性大動脈瘤
  • 周囲に軟部陰影を伴う輪郭不整な囊状大動脈瘤。
  • 偏心性の囊状動脈瘤、瘤周囲に造影される軟部陰影や膿瘍形成、壁内や周囲にガスを認める事もある。
  • 動脈瘤は短期間で急速に増大する。致死的臨床経過を辿る。

 

乳腺(38-40)

38,

解答:a,e

  • 微細な石灰化の集簇。形は多形性。spiculaまでは行かないか。カテゴリー4か。
  • 線維腺腫ならポップコーン状石灰化などあり。
  • 髄様癌は腫瘤状に見えて、周囲に石灰化を欠く。

 

39,

解答:c,d

  • 後方エコーの増強あり。嚢胞や細胞成分多いもの。硬癌なら減弱する。
  • T2WIで高信号、T1WIでも高信号で、造影で早期以降まで造影効果あり。

     

    40、

    解答:e→b

    • 後方エコーが減弱しているので充実性腫瘍が疑われる。
    • 石灰化が区域性に見られるわけではなく、DCISを選ぶ根拠がない。 !?

    40ですが、bではないでしょうか。
    MG所見は区域性濃度上昇のFADか構築の乱れと考えられ、massとして認識されるのが典型的な充実性腺管癌は考えにくい気がします。
    超音波所見は辺縁不整な低エコー像でDCISを否定するものではないと考えられますがいかがでしょうか。

    NERU先生ありがとうございます!!!

     

    小児(41-43)

    41, 

    解答:a

    • 左梨状窩瘻あり。甲状腺左葉へ連続し、膿瘍形成あり。
    梨状窩瘻
    • 急性化膿性甲状腺炎の原因となる先天奇形。
    • 第3、4鰓裂が関連している。
    • 多くは左にできる。
    • 梨状窩から甲状腺への瘻孔により甲状腺炎を生じ、腫瘤を形成する。
    • 新生児期から成人まで発症。

     

    42,

    解答:e

    • 左肺に腸管のガス像あり。
    先天性横隔膜ヘルニア
    • 横隔膜の欠損部位から腹腔臓器が胸腔内に脱出する奇形がある。
    • 3000-4000人に1人。左9割と左に多い。
    • 肺低形成の原因となる。
    • 出生早期より呼吸障害。
    • 治療は緊急手術。
    • 予後因子として、肺低形成、肺高血圧、大血管奇形、染色体異常。

     

    43,

    解答:e

    • よちよち歩き骨折(Toddler‘s fracture)は脛骨遠位部に生じるらせん骨折。
    よちよち歩き骨折(Toddler‘s fracture)
    • 1-3歳に起こる。
    • 明確な病歴がないのに急に歩行障害をきたす。
    • 脛骨の遠位骨端部に尾側、内側に走る転位のないらせん骨折。
    • 単純レントゲンでは同定できないことも多い。ので見逃されやすい。
    • 脛骨以外では、腓骨、大腿骨、中足骨、踵骨、恥骨、膝蓋骨など。

     

    腹部(44-64)

    44,

    解答:d?→a

    • 卵巣にCTで高吸収な腫瘤あり。T1WI、T2WIで同部位は低信号。多房性嚢胞あり。造影にて軽度造影効果あり?。壁はよく染まっているが内部の造影効果はいまいち。

    CTで比較的均一なhigh、辺縁の石灰化あり。同部分はT2WI-lowとなっている背側の嚢胞に一致していると思います。CTでhigh、T2WI-lowとなる部分はコロイドの貯留した嚢胞部分であり、造影効果が強いのは充実部であり腹側にみられるため矛盾はないように思います。

    Y先生ありがとうございます!!

    卵巣甲状腺腫strumaovarii
    • 奇形腫全体の2.7%と稀。
    • 閉経前の中年女性に好発(平均44歳)
    • ほとんどが良性。
    • ホルモンを産生し、甲状腺機能亢進症を生じる頻度は低い。
    • CTではヨード含有を反映し高吸収を呈する。
    • いわゆるstained glass appearanceを示す。
    • 甲状腺コロイドを反映し、T1WI低〜軽度高信号、T2WI低信号、単純CTで高吸収(ヨードを含有するため)。
    • 単純CTで高吸収を示し、比較的頻度の高い石灰化と合わせ、診断の鍵となることがある。
    T2WIで低信号を呈しうる卵巣腫瘍
    • 線維腫 Fibroma
    • Fibrothecoma
    • Brenner腫瘍(充実部優位、遅延性の淡い増強効果、ホルモン産生や石灰化を呈するものあり)
    • 腺線維腫/嚢胞腺線維腫 (adenofibroma/cystadenofibroma) ・Sclerosing stromal tumor (充実部は不均一、早期濃染)
    • 卵巣甲状腺腫(Struma ovarii)(CTで高吸収、ゲル状内容物には増強効果なし)
    • 転移性腫瘍 Krukenberg tumor(軽度低信号、充実部は不整、壊死を伴う)
    • 内膜症性嚢胞 (T1WI高信号、shading)
    • 境界悪性嚢胞性腫瘍/嚢胞腺癌(厚い隔壁、乳頭状結節、卵巣を超えて進展)
    • 悪性リンパ腫

     

    45,

    解答:b

    • 肝辺縁にT1WIにて低信号、T2WIにて高信号、SPIO造影2分では造影効果ないが、10分後には造影効果あり高信号になっている。下記のように、SPIO造影後のT2WIで高信号になることが、kupffer細胞がない事を意味するが、今回はT1WI。
    • 血管腫では、SPIO造影後、T1WIで信号上昇が特徴的。時間をかけてゆっくり染まる血管腫ということか。
    • EOBでは注入する造影剤量がそもそも少ないので、血管腫の染まりが描出されないことがあるので注意。
    SPIO
    • kupffer細胞に取り込まれる。
    • kupffer細胞が豊富に存在する正常肝細胞では信号低下をきたす。
    • kupffer細胞が存在しない中低分化型肝細胞癌や転移性肝腫瘍などでは造影後T2WIにて信号が低下せず、相対的に高信号になり、病変を同定できる。

     

    46,

    解答:d

    • 若い女性で、腹痛で発症して、膵尾部に出血を有する腫瘤といえばこれ。

     

    47,

    解答:e

    • 中年女性に膵体部にみかんを真ん中で切ったような嚢胞性病変といえばMCN。尾部では主膵管の拡張あり。

     

    48,

    解答:a

    • 小腸のaneurysmal dilatation。腫瘤はあるのに比較的やわらかく、腸管に狭窄やイレウスを伴わない。小腸の悪性リンパ腫を強く疑う所見。
    • 腫瘍による自律神経叢の破壊や固有筋層の置換によってこのような形態を呈する。

     

    49,

    解答:b

    • 典型的。

     

    50,

    解答:a

    • 腸間膜内・小腸の外に造影効果を有する境界明瞭な充実性腫瘤あり。矢状断では腸間膜と連続性あり。

     

    51, 

    解答:d

    • 総胆管の著明な拡張あり。膵胆管合流異常。
    膵胆管合流異常
    • 共通管の長さが15mm以上とする基準あり。
    • 若年発症の膵炎では必ず考慮する。
    • 先天性胆道拡張症を認めた場合も必ず考慮。
    • 胆道系悪性腫瘍合併が多い。
    • 胆管拡張症や、胆管結石、膵炎の原因にもなる。
    • 胆管拡張あり→胆管癌
    • 胆管拡張なし→胆嚢癌 の合併が特に多い。

     

    52,

    解答:c

    • 腸重積。高圧浣腸にて治療する。

     

    53,

    解答:a b

    • 壁の石灰化を有する多房性嚢胞性病変。
    • 間葉性過誤腫は小児の稀な良性腫瘍。月齢18-24ヶ月の幼児に多い。線維化を伴った充実部位が優位なものから多房性嚢胞性腫瘤の形態まであり。
    • 胆管内乳頭状腫瘍(IPMB)は、膵のIPMNの胆管version。膵同様に主膵管の拡張を伴ったり、ぶどうの房状の多房性嚢胞性病変の形態を呈する。今回の症例では、ぶどうの房状よりはみかんを切った形態であり、IPNBよりは粘液性嚢胞腫(MCN)の方が疑わしいが、選択肢にはMCNはない。
    肝包虫症(肝エキノコックス症)
    • 単包虫症/多包虫症の幼虫によるヒトへの感染。
    • 明瞭は壁を有する単房性もしくは多房性嚢胞性。
    • 10%に石灰化あり。
    • 単包虫症では曲線状輪状石灰化が見られる。
    肝放線菌症
    • 腹部放線菌症の15%、ほぼ全例がActinomyces israelii
    • 男女比 7:3、平均年齢 44.4歳(4-85)
    • 腹部手術、アルコール多飲、胆道系疾患、口腔内不衛生、免疫抑制状態、糖尿病、IUD、薬物乱用、消化性潰瘍が危険因子。
    • 症状は、発熱、腹痛、体重減少、肝腫大、黄疸。
    • 画像では、CTでは典型的には厚いリング状の造影効果を伴う低吸収。
    • MRIでは典型的にはT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を呈する。
    肝内石灰化をきたす病変
    • 肝包虫症(肝エキノコックス症)
    • 肝内胆管結石
    • 門脈石灰化
    • 肝動脈瘤石灰化
    • 肝膿瘍
    • 肝被膜下血腫
    • 肝結核
    • 肝サルコイドーシス
    • 肝梅毒
    • ブルセラ病
    • 肝放線菌症
    • ヒストプラスモーシス
    • 肝血管腫
    • 単発性・多発性嚢胞
    • トロトラスト肝
    • 原発性肝癌
    • 胆管癌
    • 転移性肝癌(大腸癌、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌など)
    異常石灰化を伴う腹部腫瘤
    • 胆石胆嚢炎
    • 胃癌
    • 黄色肉芽腫性腎盂腎炎
    • 神経芽細胞腫
    • 消化管粘液産生癌
    • 肝包虫症(肝エキノコックス症)
    • 子宮筋腫
    • 卵巣類皮嚢腫
    • 卵巣嚢胞腺腫、嚢胞腺癌
    • 膵漿液性嚢胞腺腫など

     

    54,

    解答:d?

    • ベースに肝障害あり、単純で低吸収、早期濃染され、washoutあり。内部に脂肪を疑う低吸収域あり。
    • HCCでもよさそうだが、進行肝細胞癌と言われると!?
    • 進行肝細胞癌とは多段階発癌の最終形であり、低分化型のものを指すよう。つまり、古典的なHCC。
    • 被膜を持ち、モザイクパターンで、早期濃染されwashoutされる。
    • 高頻度に門脈浸潤し、腫瘍塞栓をきたす。
    • ということを踏まえると、進行肝細胞癌といっていいのか疑問。被膜ぽく見える所もあるけども…。

     

    55,

    解答:a,e

    • 膀胱前壁に膀胱内外へ突出する腫瘤性病変あり。膀胱外浸潤あり。膀胱癌では最多の尿路上皮癌と、場所から尿膜管癌(腺癌)を考える。扁平上皮癌は3番手まで。
     膀胱扁平上皮癌
    • 移行上皮癌に次いで多い。
    • 慢性感染と関連あり。
    • 局所もしくはびまん性肥厚性病変を形成し、移行上皮癌よりも広範に進展、膀胱外浸潤を伴う事が多い。

     

    56, 

    解答:b,e?

    • 左副腎は普通に認められる。
    • out-of-phaseは画像B。in→outで信号低下は認められない。そのため腺腫は否定的で、転移を疑う所見。
    • 椎体右方部分は前後に高信号をみとめアーチファクトか。

     

    57,

    解答:a

    • 肝前面にfree airあり。S状結腸と思われる腸管に壁内気腫あり。ただし、全身状態は良好。
    腸管壁気腫
    • 腸管壁気腫は嚢状腸管壁気腫(pneumatosis intestinalis cystoides)とよばれ, 一般に無症状で特に臨床的には問題にはならない
    • 治療は対症療法で良好な予後となる。高圧酸素療法を行なうこともある。
    • しかし、広範な不規則な線状の腸管壁気腫は壊死性腸炎,細菌性腸炎,虚血性腸炎,絞扼性イレウスなどによるびまん性の腸粘膜破綻を示す所見で、臨床的にきわめて重要。

     

    58,

    解答:d

    • 子宮体部から頸部までポリープが降りてきているよう。

     

    59,

    解答:c

    • target sign、はいはい腸重積ね、と思ったら、矢状断では、腸管はっきりせず。よく見ると横断像でも腸管ではなく大網か。

     

     

    60,

    解答:c,d

    • T2WIで著明な低信号を呈する卵巣腫瘍。
    T2WIで低信号を呈しうるもの
    • 線維腫 Fibroma
    • Fibrothecoma(線維莢膜細胞腫)
    • Brenner腫瘍(充実部優位、遅延性の淡い増強効果、ホルモン産生や石灰化を呈するものあり)
    • 腺線維腫/嚢胞腺線維腫 (adenofibroma/cystadenofibroma)
    • Sclerosing stromal tumor (充実部は不均一、早期濃染)
    • 卵巣甲状腺腫(Struma ovarii)(CTで高吸収、ゲル状内容物には増強効果なし)
    • 転移性腫瘍 Krukenberg tumor(軽度低信号、充実部は不整、壊死を伴う)
    • 内膜症性嚢胞 (T1WI高信号、shading)
    • 境界悪性嚢胞性腫瘍/嚢胞腺癌(厚い隔壁、乳頭状結節、卵巣を超えて進展) ・悪性リンパ腫

     

    61,

    解答:b?

    • 膵体部に連続し、膵外に突出する低吸収腫瘤影あり。cystは複数ありか。造影にて隔壁に造影効果あり。T2WIでは著明な高信号。T1WIでは一部低信号。
    • eは主膵管との交通はっきりしない。dは男性だし出血や石灰化なし。
    • cyst on cystはcによく見られる所見。(cyst in cystはMCN)中心部の線維性瘢痕は認められない。
    • bでもcでも矛盾しないように思われる。男性で、膵外に突出しているところからbを選ばせようとしているのか、T2WIで著明な高信号からcを選ばせようとしているのかわかりません。cならもう少し染まってもよいか・・?

       

      62,

      解答:c

      • いわゆる鳥肌胃炎。
      鳥肌胃炎
      • 若年女性に多い。
      • 鳥肌は上部消化管内視鏡で使われる用語。
      • 病理組織学的には、粘膜固有層のリンパ濾胞の増生。
      • H.pylori感染あり。
      • 胃癌のリスク群である。特に未分化胃癌。→鳥肌をみたら早期除菌治療が望ましい。

       

      63,

      解答:b→d

      • ステントグラフト留置あり。グラフト外に造影効果を呈するリークあり。

       

      2017年6月16日追記

      ただし、グラフトとの連続はなく、TypeⅡのエンドリーク(大動脈の分枝からの動脈瘤内への逆流をする血流を見ていると考えられる)が疑われます。

      この場合、経過観察もしくは経カテーテル動脈塞栓術となる。

      参考)大動脈ステントグラフト治療の大敵:エンドリーク

      S先生ありがとうございました!!

       

      ステントグラフトの合併症
      • 手技により血管損傷、不十分な固定、グラフトの損傷。
      • 脊髄虚血
      • エンドリーク
      エンドリーク
      • ステントグラフトと大動脈瘤壁の間のスペースに血流が入り込む現象のことで、一般に4型に分けられる。
      • 10%前後の症例で認められる。放置すれば破裂する場合あり。
      • 認められた場合は、血栓形成を促したり、追加のステントグラフトを挿入したり、外科的手術が行なわれる。
      参考)腹部大動脈ステントグラフトの適応
      • 腹部大動脈瘤
      • Aortoiliac型の動脈瘤
      • 腸骨動脈瘤
      • 外傷による腹部大動脈損傷
      • 感染性大動脈瘤

       

      64,

      解答:d

      • 尿膜管洞あり。膿瘍形成を疑う所見あり。

       

      核医学(65-80)

      65,

      解答:d

      • 左の側頭極優位に血流増加あり。発熱あり。

      脳血流が増加

      • 脳梗塞亜急性期(贅沢)
      • 脳塞栓の再開通時
      • 発作中のてんかん(発作後もしばらくは高集積が遅延することがある。)
      • 脳炎

      脳血流が減少

      • 脳梗塞(ただし亜急性期以外)
      • 脳出血
      • 左(右)被殻出血時の右(左)小脳
      • 発作間欠時のてんかん

       

      66,

      解答:a

      • 両側後帯状回〜楔前部に集積低下あり。

       

      67,

      解答:b,d

      • 脳槽シンチでGoogle検索する。これと比較すると、上位胸椎の左右の集積はおかしい、あとは、右腎門部レベルで漏出様の集積あり。腎は通常L1-2レベルにあるため、腰椎レベルでの漏出が疑われる。

       

      68,

      解答:a,d

      • 心への集積低下あり。H/M比の低下あり。
      H/M比が低下、洗い出し亢進する疾患
      • 糖尿病
      • 心不全
      • 虚血性心疾患
      • 不整脈疾患
      • びまん性レビー小体病(パーキンソン病、レビー小体型認知症)、
      • 家族性アミロイドーシス、
      • MSA

       

      69,

      解答:b

      cardioTcpyp2

       

       

      70,

      解答:c

      • 右肺のガスはあるけど血流は全くない。換気血流ミスマッチ。下記のように血管性病変を選べばよい。a,c,eと3つも血管性病変あり。今回は右肺は全く血流がないのがポイント?PEでは局所的なのが多いが。
      • レントゲンを見直すと、右肺動脈が見えない。
      • 検索すると、同じような症例がありました。山陽核医学カンファレンスの症例。
      換気血流マッチ・マッチ欠損
      • 換気血流ミスマッチ=血管性病変を選ぶ。
        →高安動脈炎、急性肺血栓塞栓症、慢性肺肺血栓症、脂肪や空気による肺塞栓、肺血管血管奇形など
      • 換気・血流マッチ欠損(matched defect)=どっちも落ちる=気道病変を選ぶ。
        →気管支閉鎖症、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、気管支喘息、閉塞性細気管支炎など

      ※肺気腫や慢性気管支炎など気道系の病気では、病変部位では換気と血流の両方が低下する(換気血流がマッチする)。これは、肺血流が換気によって調節されているから。

       

      71, 

      解答:c→a,e

      • 受容体シンチとはアシアロシンチ 99mTc-GSAのこと。肝予備能の評価が可能である。

      脾臓には集積されないのでaは×。集積はされないがプーリングされた脾腫を見ている可能性あり。

      →慢性肝疾患に合併する脾腫は、脾動脈血流の上昇があります。そのため早期では血流量を反映し、相対的集積増加はしばしば認められます。
      →○正しい、でよろしいと思われます。

      肝機能障害
      →心臓に停滞して、肝に取り込まれない。
      →心での集積↑、肝での集積↓ という機序。

      • 心臓への集積は3分と15分で半分程度にwash outされており、正常か。→3分の時点で心臓に著明な集積を認めており、肝障害がある。これで「予備能は正常である」と、言っていいのか?

      正常では15分での心集積はほぼ見られないはず。
      →×「正常ではない」の意見に賛同します。

      • dはPMT肝胆道シンチで評価するのではないか。bは関係ないと思われる。

      放射線科医先生、み先生ありがとうございました。

       

      72,

      解答:e

      • 30分待っても、60分待っても、120分待っても、腸管の描出がされていない。総胆管は微妙だがやや見えている。
      • 正常では、静注3~5分後に肝、10~20分で胆嚢・総胆管、10~60分後に腸管へ排泄される。大まかに20分で総胆管と覚える。

       

      73,

      解答:d

      99mTcO4-
      • 唾液腺、甲状腺、胃粘膜などに集積。
      • 唾液腺シンチグラフィ-多くの腫瘍は欠損像となるが、Warthin腫瘍は強い集積を示す。(Warthin腫瘍はFDGも良好な集積を示す。)
      • FDG集積を示す唾液腺腫瘍を見たら、99mTcO4-唾液腺シンチを追加して良悪性を判断=Warthin腫瘍を除外する。

       

      74,

      解答:e

      • 顔面骨、胸骨、椎体を中心に集積著明。一方四肢にはあまり集積がない。腎の集積もない。beautiful bone scan。びまん性骨転移でも見られるが、今は高カルシウム血症あり、癌の既往も記載ない。副甲状腺機能亢進症が疑われる。
      骨軟化症
      • 偽骨折の多発が見られる。
      • 全身的な骨集積の亢進が見られることもある。
      副甲状腺機能亢進症
      • 全身骨に集積亢進を認め、転移と異なり四肢骨の集積も強くなる。
      • 特に、頭蓋、顎骨、椎骨に目立つ。
      • 肩部、椎骨、骨盤、長管骨での集積が増加することも、しばしば認められる。
      • ただし、シンチグラフイ上は約8割で正常像を示し、ある程度進行した状態ではじめてシンチグラフィ上の異常が出現する。
      • 進行すると、brown tumorが発生することがあり、シンチグラフィは検出に有用。
      多発性骨髄腫
      • 骨髄腫自体は通常集積欠損を示すが、集積を認めることもある。
      • 病的骨折を伴いやすく、その場合は高集積となる。
      参考)beautiful bone scan(super scan)

      椎体、骨盤、肋骨、大腿骨など体幹骨を中心にびまん性の集積増加を認め、腎臓への 生理的集積は消失する。

       

      75,

      解答:e

      • 副腎ではなくて、腎門部レベルでIVCの右側に造影効果を有する腫瘤あり。
      • 123I-MIBG が集積するのは、神経芽腫、カルチノイド、褐色細胞腫、甲状腺髄様癌。
      paraganglioma(傍神経節腫)
      • 褐色細胞腫の多くは副腎髄質に発生するが10~20%は副腎外にも発生し paragangIioma(傍神経節腫)と呼ばれる。
      • 好発部位は副腎周囲が最多。次いで、大動脈分岐部(Zuckerkandl小体)、膀胱、縦隔、心などに発生。
      • CTなどの他の検査法の検出は困難なことが多く、131I-MIBGによる全身検索が特に有用。
      • 家族性の発生、傍神経節腫・胃の平滑筋肉腫・肺の軟骨腫の合併はCarneyの三徴と呼ばれる。
      • 治療法は外科的切除。

       

      76

      解答:e

      • 両側下腿に複数の集積あり。さらに腫瘤を触知する。a、b、d、eにはいずれも集積をする。このうち腫瘤を形成するのはe。肉芽がボコボコできている。
      • bはこんなに両側まだらにこない。下肢だけというのも微妙。
      Gaシンチの主な適応疾患
      • 主な適応疾患はSLIMである。
      • Sarcoidosis(サルコイドーシス), lymphoma(悪性リンパ腫), inflammation(炎症・感染), malignant melanoma(悪性黒色腫)である。
      筋サルコイドーシス
      • サルコイドーシスのうち、5%程度に骨・関節・軟部領域にも病変を認める。
      • 筋サルコイドーシスは、MRIのT1WI/T2WI/STIRにて冠状断像あるいは矢状断像でストライプ状の異常信号(高信号)を呈する。中心に星芒状の瘢痕(dark star)を低信号として認める。

       

      77,

      解答:b→c

      • 全身の筋肉の集積亢進あり。脳への集積は正常。また、口蓋扁桃や唾液腺への集積がはっきりしない。減弱補正をしていない状態が疑われる。
      • d:コントロール不良の糖尿病→高血糖だがインスリンが出にくい。直前にインスリンを打ったり、内服をしたのであればインスリンが高くなるが、そのような記載はない。
      • a:食後ならば、高インスリン状態となり、全身の筋への集積あり
      • c:全身運動の定義が不明。ここまで全身に集積するのか!?
      脳への集積が低下を見たとき
      • インスリン分泌能正常→筋への取り込み上昇→全身の筋への集積あり。
      • インスリン分泌能低下→筋への取り込み低下→全身の筋へは集積されず、脳のみ低下あり。
      • a 食後であれば高血糖となり、筋肉への集積は合致しますが、インスリンの作用によりよりびまん性に左右対称性に筋肉に分布する、心臓への集積が非常に強くなる、脳への集積が低下する、があげられます。教科書やネットなどでみられる食後の画像はもっとびまん性に筋肉に入っているように思います。
      • b 減弱補正前、であれば減弱補正の理論上体表面の集積が亢進するはずです。特に頭蓋骨の集積などは目立ってくることが多く、脳の外の頭蓋骨の部分に輪っかのような集積がある画像が多いです。また肩周りなども体表面の集積が目立つとはいえず、減弱補正前として合致しにくいような気がします。
      • d は慢性的な高血糖という意味と思いますが、それですとやはり脳への集積は低下するべきと思います。
      • cを前向きに押す理由が薄いですが、前腕部など筋肉の集積に若干の左右差があることや、上腕部や大腿部など大きく使う筋肉に集積が多い点、脳集積の低下がないこと、などからcを否定する理由はないように思います。
        (なにかの雑誌でゴルフ後のPET/CTで同じようにやや左右差のある大きな筋肉の集積、拇指球筋の集積の画像を見たことがあります)

      T先生ありがとうございます!!!

       

      78,

      解答:a

      • 左肺尖部にリング状の異常集積あり。
      • 右副腎にも集積あり。肺癌の副腎転移と考えるのが最も妥当。

       

      79,

      解答:a,c?

      • 2012年の問題に比べて骨髄への集積が著明。
      • 脾臓に集積あり。腎はL1-2レベル。
      90YイブリツモマブチウキセタンによるRI標識抗体療法
      • 治療前に、111INインジウムで標識したイブリツモマブチウキセタンを投与→撮影して、適応症例を決定する。
      • まず診断薬剤のインジウム111標識ゼヴァリン(111In ゼヴァリン)を注射
        →48時間後に体内分布をシンチグラフィーにより撮影し体内分布を確認。問題なければ(骨髄などに異常集積あれば、重篤な骨髄抑制などを起こす可能性あり治療はしない)
        →1週間後に、治療目的でイットリウム90標識ゼヴァリン90Y ゼヴァリン)を静注。
        →β線による内部照射による放射線治療を行なう。
      111In-イブリツモマブチウキセタン(ゼヴァリン)による判定-異常な体内分布とは?
      • 著明な骨髄へのびまん性の取り込み(骨シンチのスーパースキャンに似た集積)
      • 肝臓、脾臓、骨髄への局在的な集積(網内系への取り込み)
      • 正常臓器への集積異常
        ①肺>肝へのびまん性集積
        ②後面像で、腎>肝への集積
        ③正常腸管>肝への集積かつ経時的変化がみられないもの

       

      80、

      解答:c

      • 急性腎不全の原因となる横紋筋融解症の診断には、骨シンチが有用。
      • 横紋筋に集積が見られる。
      骨シンチによる変性性石灰化への集積
      • 組織変性部位にCaのoverloadが起こる→Ca沈着部位に集積。
      • 横紋筋融解症、筋挫滅、脳梗塞、心筋梗塞、腫瘍壊死など。