この年度の出題傾向
2015年度の掲載解説は80問で、このうち画像診断分野の59問を臓器・主題別に集計しました。内訳では胸部・心血管18問、脳・脊髄・頭頸部11問、泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜9問が多く、肝胆膵・脾の構成比は全年度の年別平均より5.6ポイント低い値です。IVRや撮像技術は対象臓器と重複計上せず別群とし、複合題は主題に基づく便宜分類を含みます。
臓器別の比較は画像診断分野内の割合で行い、21年度の年別構成比の平均と比較しています。複合題は主題一つに分類した当サイトの集計で、公式配点ではありません。境界が曖昧な問題は便宜的な分類を含みます。
画像診断以外の内訳:核医学16問、共通5問。
画像診断の臓器・主題別内訳を見る
| 臓器・主題 | 問題数 | 診断分野内の割合 | 年平均との差 |
|---|---|---|---|
| 脳・脊髄・頭頸部 | 11問 | 18.6% | +0.4ポイント |
| 胸部・心血管 | 18問 | 30.5% | +1.0ポイント |
| 肝胆膵・脾 | 4問 | 6.8% | -5.6ポイント |
| 消化管・腹膜 | 5問 | 8.5% | +0.8ポイント |
| 泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜 | 9問 | 15.3% | +2.2ポイント |
| 骨・関節・軟部 | 7問 | 11.9% | +1.8ポイント |
| 乳腺 | 3問 | 5.1% | +0.5ポイント |
| IVR・手技・画像技術・多臓器その他 | 2問 | 3.4% | -1.1ポイント |
放射線科診断専門医・2015年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月19日:全80問を改訂しました。解答例は非公式です。原本画像と既存コメントを再確認しました。問4・45・55・56・65・66は正答を確定できない理由を記載しています。問78はCT所見を重視して旧解答を再評価しました。
解答作成にご協力いただいた既存記事の執筆者・コメント投稿者の先生方に感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
問題番号から選ぶ
診断専門医 2015年度 問1
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問1
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
金属による強い放射状偽像より、錐体骨の間の帯状低吸収が主体です。
b|誤り
検出器補正異常などによる同心円状の偽像ではありません。
c|誤り
まばらな投影データなどによる放射状の線ではなく、厚い骨の間の線質変化を考えます。
d|誤り
二重輪郭・ずれなど体動の特徴より、骨の間の低吸収帯という位置が手掛かりです。
e|正しい
骨を通過する間に低エネルギー光子が優先的に吸収され、線質が変化して帯状偽像を生みます。
判断のポイント
錐体骨の間に帯状の低吸収域を認める。厚い骨を通過する際に低エネルギー成分が優先して吸収され、平均エネルギーが上昇する線質硬化が原因となる。
鑑別・注意点
脳幹の真の低吸収病変と、骨に関連して生じる帯状アーチファクトを区別する。連続断面や臨床所見を確認し、アーチファクトがあるだけで梗塞等を除外しない。
診断専門医 2015年度 問2
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問2
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
180度再収束を使わないGREで磁場不均一を含むT2*減衰を強調できます。
b|正しい
一励起後に複数の再収束パルスを用い、多数のエコーを取得して撮像を短縮します。
c|正しい
基本的SEでは励起後に再収束パルスを用い、静的磁場不均一による位相分散を補正します。
d|誤り
短T1の脂肪を消すSTIRのTIは、長T1の髄液を消すFLAIRより一般に短く、この関係は逆です。
e|正しい
T2減衰差を強調するため、通常はT1強調より長いTEを用います。TRとの組合せも重要です。
判断のポイント
STIRは短いT1を持つ脂肪を抑制し、FLAIRは長いT1を持つ髄液を抑制する。一般的な条件ではSTIRのTIはFLAIRより短いため、逆の関係を述べるdが誤りである。
鑑別・注意点
理想的な完全回復条件ではnullとなるTIは概ねT1×ln2に相当するが、磁場強度、TR、パルス設計等で変わる。旧表のFLAIR TIを固定値として覚えず、脂肪と髄液のT1差を理解する。
診断専門医 2015年度 問3
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問3
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
組織内を伝わる圧力変動の縦波を利用します。
b|正しい
軸方向分解能はパルス長に関係し、通常は高周波・短パルスほど細かい構造を分離できます。
c|誤り
同一走査線の反射の時間変化を記録するため、プローブを安定させます。移動が特徴という説明は誤りです。
d|正しい
伝搬中の非線形性などで生じる高調波を利用し、通常は基本波より高い周波数成分を画像化します。
e|正しい
角度が90度に近づくほどcos補正が不安定になり、小さな角度誤差が大きな流速誤差になります。
判断のポイント
Mモードは同じ走査線上の反射の時間変化を記録するため、対象に対してプローブを安定させる。「プローブを移動させる」を特徴とするcは誤りである。
鑑別・注意点
軸方向分解能は波長とパルス長に関係する。ドプラ流速は角度補正の影響を受け、ビームと流れが直交に近づくほど小さな角度誤差が大きな流速誤差につながる。
診断専門医 2015年度 問4
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問4
解答例:aは妥当/旧解答a、dの2肢限定は保留
選択肢別の解説
a|正しい
輝度・階調の経時変化を点検し、診断に必要な表示性能を維持します。
b|誤り
非可逆圧縮の許容は部位・目的・画質・運用基準で異なり、圧縮率だけで一律禁止とはしません。
c|正しい
周囲光の反射による明るさは特に暗部で相対影響が大きく、低輝度側のコントラストを下げます。
d|条件・画像に注意
マンモグラフィでは高精細表示が重要ですが、5Mという画素数だけを全装置の普遍的な必須条件とはしません。出題時の運用基準を確認します。
e|誤り
候補マークは視認でき原画像の評価を妨げない設計が必要です。常に淡色にするという一律の規則ではありません。
判断のポイント
定期的な輝度・階調等の管理は必要である。周囲光の反射は特に暗部の見かけの輝度を増やし、低輝度領域のコントラストを低下させるため、cも物理的に妥当と考えられる。
鑑別・注意点
旧説明はa、dだが、cを否定する根拠がない。マンモグラフィの5Mは出題時の推奨・運用基準と対応させ、画素数だけを全装置に対する普遍的要件としない。周囲照明、最大・最小輝度、階調特性、表示画像サイズを合わせて評価する。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2015年度 問5
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問5
解答例:a、b(出題時の想定)
選択肢別の解説
a|正しい
健康に関わる食事要因を研究計画に従って制御するため、介入に該当します。
b|正しい
研究のため検査の実施・方法を割り付けるなら介入です。通常診療の結果を集めるだけの場合とは区別します。
c|誤り
研究とは独立した通常診療の検査を観察するだけなら、研究が行う介入には該当しません。
d|誤り
研究によらず臨床上必要な治療を観察するだけなら、治療の強さだけで介入研究とはしません。
e|誤り
診療上の緊急判断で行われる検査は、観察されているという理由で研究介入に変わりません。
判断のポイント
研究目的で健康に影響する要因を制御する食事指導や、研究のために割り付ける画像診断は介入に該当する。観察研究中に診療上の判断で通常どおり行う検査・治療とは区別する。
鑑別・注意点
介入か侵襲かは別の軸である。画像を収集する行為だけで常に介入とはせず、研究計画が検査の有無や程度を制御するかを確認する。指針改訂で定義や例外は変わり得るため、出題当時の文脈と現在の適用基準を分ける。
診断専門医 2015年度 問6
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問6
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
前脈絡叢動脈などを介する領域とは異なり、提示の外側視床は後大脳動脈の枝を考えます。
b|誤り
橋などの穿通枝領域ではなく、外側視床の梗塞に対応する親動脈を選びます。
c|誤り
内側前頭葉などの支配が中心で、外側視床の責任枝の親動脈ではありません。
d|誤り
基底核・内包などの穿通枝領域と、視床外側の支配を区別します。
e|正しい
後大脳動脈の視床膝状体枝などが外側視床を栄養し、対側の感覚障害を説明します。
判断のポイント
右視床外側に限局性のDWI高信号を認め、左半身の感覚障害に対応する。視床膝状体動脈等の後大脳動脈分枝の領域として考える。
鑑別・注意点
原本は両側傍正中視床の病変ではなく、Percheron動脈閉塞の説明をそのまま当てはめない。視床の部位ごとに前外側・傍正中・下外側・後方の血管支配を分け、DWIとADC、連続断面を対応させる。
診断専門医 2015年度 問7
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問7
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
動脈狭窄と側副路を主体とする病態で、深部静脈還流障害と両視床浮腫を最も説明しません。
b|誤り
左右視床の対称性変化は腫瘍でもありますが、静脈相の異常と合わせてうっ血を優先します。
c|誤り
動脈性梗塞との鑑別に静脈還流を確認します。両視床病変と深部静脈の異常は静脈性病変を支持します。
d|誤り
nidusと早期流出静脈を主体とする像ではなく、通常の深部還流路が描出されないことに注目します。
e|正しい
両視床浮腫と深部静脈・直静脈洞の還流障害が合います。MRVなどでも閉塞範囲を確認します。
判断のポイント
両側視床のFLAIR高信号と、静脈相で深部静脈系から直静脈洞への通常の還流が明瞭でない所見を合わせ、深部脳静脈系を含む静脈血栓症を考える。
鑑別・注意点
動脈領域に一致しない両側視床浮腫では深部静脈還流を確認する。DSAの一時相の非描出のみを決め手にせず、MRV・CTVや血栓自体のMRI信号と合わせる。Wernicke脳症や傍正中視床梗塞とも分布と経過で区別する。
診断専門医 2015年度 問8
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問8
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
浸潤性の実質腫瘤と壊死性増強ではなく、正常静脈が集まる血管構造です。
b|正しい
多数の髄質静脈が一本の太い還流静脈に集まる形態はDVAに対応します。正常脳の還流を担うため安易に閉鎖しません。
c|誤り
硬膜供血と早期静脈還流を示すシャントではなく、造影静脈の集合を考えます。
d|誤り
nidusや動脈性流入構造が目立たず、髄質静脈の放射状集合が主体です。
e|誤り
肺癌既往だけで転移とせず、結節でなく血管として連続する形態を確認します。
判断のポイント
左後頭葉の髄質静脈が放射状に集まり、一本の還流静脈へ連続している。出題でいう静脈性奇形は、現在の発達性静脈異常DVAに対応する。
鑑別・注意点
肺癌のステージングという背景だけで造影構造を転移としない。DVAは正常脳組織の静脈還流を担い、動静脈奇形のnidusとは異なる。隣接する海綿状血管奇形の有無も確認する。
参考文献
診断専門医 2015年度 問9
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問9
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
単純な脳室拡大ではなく、不整な後角と白質量低下があり、白質損傷に伴う拡大を考えます。
b|誤り
急性の上衣下血腫ではなく、慢性期の白質量低下と尖足が主体です。
c|誤り
先天感染なら石灰化・皮質形成異常なども評価します。今回の後方白質量低下ではPVLを優先します。
d|誤り
皮質形成や髄鞘化異常、全身の肝・骨所見を伴う病態で、今回の像を最も説明しません。
e|正しい
後角周囲の白質量低下と不整な脳室輪郭が、痙性下肢症状を伴う慢性白質損傷に合います。
判断のポイント
側脳室三角部から後角周囲の白質量が減少し、脳室が不整に拡大している。周囲のT2信号変化と尖足を合わせ、慢性期の脳室周囲白質軟化症を考える。
鑑別・注意点
単なる水頭症の圧による拡大と、白質減少に伴う拡大を区別する。早産・周産期の病歴、脳梁等を評価するが、提示されていない出生体重や在胎週数を補わない。
参考文献
診断専門医 2015年度 問10
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問10
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
視床下部に連続する非増強性の灰白質様組織が、幼児期の痙攣を説明します。
b|誤り
茎の肥厚・増強や尿崩症などが手掛かりで、今回の灰白質様の非増強病変とは異なります。
c|誤り
鞍内中心の腫瘍より、視床下部に付着する組織が主体です。
d|誤り
嚢胞・石灰化と充実性増強などが代表で、灰白質様の非増強結節とは異なります。
e|誤り
茎肥厚・増強や後葉高信号消失が代表で、今回の結節の形態とは異なります。
判断のポイント
灰白隆起から乳頭体付近に連続する境界明瞭な組織を認め、脳灰白質に近い信号で明らかな増強に乏しい。痙攣の背景から視床下部過誤腫が合う。
鑑別・注意点
笑い発作や思春期早発症が代表的だが、どちらも全例必須ではない。付着部と第三脳室底との関係を確認し、増大・強い造影・尿崩症等を伴う他の鞍上部病変と比較する。
診断専門医 2015年度 問11
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問11
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
単一の動脈域の非対称病変より、橋中心の対称性変化と浸透圧異常背景を重視します。
b|誤り
腫瘤状増強や松果体・鞍上部の分布と異なり、橋中心の対称性病変です。
c|誤り
深部静脈閉塞は両側視床変化が代表で、橋中心の特徴的分布を最も説明しません。
d|条件・画像に注意
橋中心の対称性異常が支持します。低Naの程度と補正を含む時系列が必要で、多飲だけで脱髄や急速補正を断定しません。
e|誤り
脳幹型もありますが、橋中央の分布と水・電解質異常から浸透圧性障害を先に評価します。
判断のポイント
橋中央に対称性のFLAIR高信号があり、多飲による低ナトリウム血症を背景とする浸透圧性髄鞘崩壊症を考える。
鑑別・注意点
多飲そのものが必ず脱髄を起こすわけではない。低ナトリウム血症とその補正を含む浸透圧変化の経過を確認する。問題には補正速度が示されておらず、急速補正が実際に行われたと補わない。急性水中毒による脳浮腫と、遅れて現れる脱髄性病変を区別する。
診断専門医 2015年度 問12
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問12
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
急性虚血より回路障害後の遅発性下オリーブ核T2高信号・膨隆に合います。
b|誤り
照射範囲内の壊死や増強性病変ではなく、左歯状核障害から対側核への遠隔変性を考えます。
c|誤り
通常は腫瘤性・増強性再発を評価します。下オリーブ核に限局する遅発性変化は経路障害に合います。
d|誤り
新たな浸潤性神経膠腫より、既知の歯状核障害と結び付く特定核の変化を優先します。
e|正しい
左歯状核からの経路障害で右下オリーブ核が遅れて変性・肥大する機序に合います。
判断のポイント
左歯状核付近の病変治療から半年後、右延髄腹外側の下オリーブ核にT2高信号と膨隆がある。歯状核―赤核―下オリーブ核回路の障害後に生じる下オリーブ核変性が合う。
鑑別・注意点
左歯状核・上小脳脚の障害は対側の右下オリーブ核変性に対応する。脱神経性変性であり、単純に腫瘍の遠隔再発や延髄への直接照射障害としない。時間とともに高信号、肥大、後の萎縮へ変化し得る。
診断専門医 2015年度 問13
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問13
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
内耳の液漏れによる病態で、小脳・脳幹表面に広く沿う低信号縁を説明しません。
b|誤り
内耳道・小脳橋角部の増強腫瘤ではなく、表面に沿うヘモジデリン信号が主体です。
c|誤り
内耳液腔の信号消失・骨化を評価する病態で、脳表の広い低信号とは異なります。
d|誤り
単一の局所出血跡より広い脳表の沈着を認めます。慢性反復出血の原因を検索します。
e|正しい
脳表・小脳葉に沿う低信号と両側感音難聴が合います。T2*・SWIや脊椎を含む出血源検索を検討します。
判断のポイント
小脳や脳幹の表面に沿う縁取り状T2低信号を認め、両側感音難聴と合わせ脳表ヘモジデリン沈着症を考える。
鑑別・注意点
慢性的な髄液腔内出血に由来する鉄沈着であり、GRE・SWIでより明瞭となる。脳・脊髄全体で出血源や硬膜欠損等を評価する。難聴・失調・錐体路障害は代表的だが、全例で三徴がそろうわけではない。
診断専門医 2015年度 問14
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問14
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
血管性病変ですが、分岐部で内外頸動脈を開く位置関係は頸動脈小体由来を支持します。
b|誤り
頸動脈と静脈の偏位で鑑別します。著明増強と分岐開大では傍神経節腫を優先します。
c|誤り
耳下腺深葉などの唾液腺からの連続性より、頸動脈分岐そのものが腫瘤中心です。
d|誤り
唾液腺や神経沿いの浸潤性腫瘍ではなく、分岐部の強い多血性腫瘤を考えます。
e|正しい
内外頸動脈を押し広げる強く増強する腫瘤が特徴です。多血性病変への安易な生検を避け血管構築を評価します。
判断のポイント
頸動脈分岐部に強く増強する腫瘤があり、内外頸動脈を押し広げる位置関係を認める。頸動脈小体由来の傍神経節腫が合う。
鑑別・注意点
腫瘍の血管性に加え、分岐部を開大するか内外頸動脈を一緒に偏位させるかで発生部位を比較する。多血性腫瘍を安易に穿刺せず、血管との関係、必要な生化学・遺伝学的評価を合わせて方針を決める。
診断専門医 2015年度 問15
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問15
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
脳内の透明中隔後方の腔に関する名称で、上咽頭後壁の病変とは位置が異なります。
b|誤り
下垂体の発生に関係する嚢胞で、上咽頭の正中嚢胞とは異なります。
c|誤り
下咽頭・食道入口部の憩室で、上咽頭後壁の小嚢胞とは異なります。
d|誤り
耳管隆起後方の外側陥凹で、提示の後壁正中病変とは位置が異なります。
e|正しい
上咽頭後壁正中の平滑な液体病変が、発生遺残に由来するTornwaldt嚢胞に合います。
判断のポイント
上咽頭後壁の正中に境界明瞭で均一なT2高信号の小病変があり、Tornwaldt囊胞が合う。正中の位置が発生学的な咽頭囊との関係を示す。
鑑別・注意点
側方のRosenmüller窩や鞍内のRathke囊胞と部位を区別する。多くは偶発所見で、内容が蛋白性ならT1でも高信号となり得る。旧本文に混在した膝石灰化・Zellweger症候群の記載は次問の内容なので分離する。
診断専門医 2015年度 問16
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問16
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
骨幹端の杯状変形やfrayingが代表で、点状軟骨石灰化と神経・肝症状の組合せとは異なります。
b|誤り
骨皮質肥厚と骨膜反応が代表で、軟骨の多発点状石灰化ではありません。
c|正しい
点状石灰化と筋緊張低下、顔貌・肝障害がペルオキシソーム形成異常を支持します。遺伝学的検査などで確認します。
d|誤り
低ALPと骨石灰化不良が代表で、提示の点状石灰化と全身像ではZellwegerを優先します。
e|誤り
骨端の片側性骨軟骨性過成長で、全身の点状石灰化と神経肝障害を説明しません。
判断のポイント
膝等の軟骨内に多発する点状石灰化を認め、筋緊張低下、顔貌異常、肝障害、発作を合わせZellweger症候群を考える。ペルオキシソーム形成異常に関連する。
鑑別・注意点
点状石灰化は単独では特異的でなく、他の点状軟骨異形成症等と臨床像を比較する。極長鎖脂肪酸等の生化学検査と遺伝学的評価で確認する。Caffey病の皮質過形成や低ホスファターゼ症の石灰化不良とは骨所見が異なる。
診断専門医 2015年度 問17
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問17
解答例:a、c(出題の想定)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
成人の孤立性小転子裂離なら病的骨折を強く疑います。画像だけで悪性を確定せず、年齢・外傷歴・MRI等で確認します。
b|条件・画像に注意
皮膚創と骨折部が交通するかを診察で確認します。骨の粉砕の程度だけでは閉鎖性と断定できません。
c|正しい
水平の脂肪血液面は骨髄脂肪が関節内へ出たことを示し、関節内骨折を支持します。
d|誤り
関節面と骨幹部全体の連続が失われる型で、片側の関節面が骨幹へ連続する部分関節内骨折と区別します。
e|誤り
骨折部が癒合して変形が残る状態と、間隙が残った偽関節は異なります。今回後者を疑います。
判断のポイント
①の孤立性小転子裂離は成人では腫瘍性病変を背景にした病的骨折を強く疑う。③の水平線状の脂肪血液面は骨髄脂肪が関節内に流入したことを示し、関節内骨折を支持する。
鑑別・注意点
病的骨折は悪性腫瘍だけでなく、良性骨病変等で弱くなった骨にも起こる。小転子裂離だけで悪性と確定せず年齢・外傷歴・MRI等で調べる。②の開放性は創と骨折の交通を診察で確認する。④では関節面と骨幹部の連続性を評価し、⑤の偽関節を変形治癒と混同しない。
診断専門医 2015年度 問18
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問18
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
軟骨内の線状石灰化が典型で、多数の関節内結節の集簇とは形が異なります。
b|誤り
関節近傍の悪性軟部腫瘤と内部石灰化より、滑膜由来の多数の遊離体を考えます。
c|誤り
通常は筋内で周辺から成熟する骨化を示し、関節内の多数の軟骨結節とは異なります。
d|誤り
骨表面と関連する骨形成性腫瘤で、関節内の多数の小結節主体とは異なります。
e|正しい
関節内の多数の石灰化・骨化小結節と高T2の軟骨成分が支持します。関節内分布を確認します。
判断のポイント
膝関節内に多数の小石灰化結節を認め、MRIではT2高信号の軟骨性組織内に低信号の石灰化・骨化成分が散在する。滑膜性骨軟骨腫症が合う。
鑑別・注意点
関節軟骨の線状石灰化を主とするCPPDや、骨に連続する表在性骨腫瘍と分布を比較する。非石灰化結節は単純写真で見えないことがあり、MRIで病変範囲と関節障害を評価する。
診断専門医 2015年度 問19
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問19
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
外傷歴と損傷部位の浮腫・血腫が代表で、両下腿の特徴的な結節分布とは異なります。
b|誤り
びまん性筋浮腫より、中心低信号と辺縁増強を持つ長軸性結節が主体です。
c|誤り
癌既往だけで転移とはしません。筋内の特徴的な長軸三層構造と横断の星状中心が肉芽腫性病変を支持します。
d|誤り
広い筋障害や壊死と検査値を評価します。今回の特徴的な結節性増強では第一候補ではありません。
e|正しい
中心の線維性低信号と辺縁炎症の増強がthree-stripes・dark-starに対応します。全身病変と組織で確認します。
判断のポイント
下腿筋の長軸に沿う結節が辺縁優位に増強され、横断像でも中心低信号と周囲増強を示す。結節型筋サルコイドーシスのthree-stripes、dark-starに対応する所見である。
鑑別・注意点
今回の提示は造影脂肪抑制T1であり、造影による高信号とT2高信号を混同しない。乳癌既往だけで転移と固定せず全身所見を合わせる。病理や感染等の除外が必要な場合があり、画像だけで確定しない。
参考文献
診断専門医 2015年度 問20
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問20
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|誤り
前方の単純な圧潰だけでなく後方要素の離開があり、圧迫単独の損傷とはしません。
b|正しい
後方を含む水平方向の離開は、伸延による引き離しの機序に合います。
c|誤り
回旋・捻転を主因とするずれより、椎体から後方の水平な離開が主体です。
d|正しい
屈曲の支点を中心に後方が引き離される屈曲伸延損傷を考えます。腹部合併損傷も確認します。
e|誤り
平行移動・剪断主体の脱臼より、水平な屈曲伸延骨折の形態が合います。
判断のポイント
椎体から後方要素へ水平方向に及ぶ離開性骨折を認め、屈曲と伸延が組み合わさるChance型損傷を考える。
鑑別・注意点
シートベルト等を支点とした屈曲で後方に伸延力がかかるが、実際の装着状況は病歴で確認する。靱帯損傷、神経障害、腹部臓器損傷を併せて評価する。不安定性はCT一断面だけで過小評価しない。
診断専門医 2015年度 問21
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問21
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
腫瘍性類骨形成を伴うことが多く、今回の大きな軟部成分と類骨基質の乏しさではEwingを優先します。
b|条件・画像に注意
小児の肩甲骨破壊と大きな軟部腫瘤が支持します。感染や他の小円形細胞腫瘍と病理で区別します。
c|誤り
通常は骨形成を含む比較的境界の分かる病変で、侵襲的破壊と大きな軟部腫瘤の第一候補ではありません。
d|誤り
すりガラス基質と骨膨張が代表で、今回の破壊性腫瘤とは異なります。
e|誤り
小児の溶骨性病変を作りますが、広い骨破壊と大きな充実性軟部腫瘤では悪性骨腫瘍を先に考えます。
判断のポイント
右肩甲骨に骨破壊と大きな軟部腫瘤を認める。小児の悪性骨腫瘍として、明らかな骨形成性腫瘍基質に乏しく大きな軟部成分を伴うEwing肉腫を優先する。
鑑別・注意点
年齢のみでは骨肉腫やLangerhans細胞組織球症等と区別できない。MRIで骨髄・軟部進展を評価し、治療計画を考慮した生検で組織・分子学的に確認する。腫瘍の大きさだけで転移の有無を決めない。
参考文献
診断専門医 2015年度 問22
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問22
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
前縦隔腫瘍より、肺葉の容積低下と前方への縮小を考える形態です。
b|誤り
肺炎なら通常は同程度の明瞭な容積減少を伴わず、今回は上葉の縮小・構造偏位を重視します。
c|誤り
左下葉の後方下部の浸潤影より、前方に偏る上葉の濃度上昇が主体です。
d|正しい
ベール状陰影と側面の前方に縮小した葉が合います。原因となる中枢気道病変を追加評価します。
e|誤り
側面で後方へ縮む下葉の典型像ではなく、前方の上葉無気肺に合います。
判断のポイント
左上中肺野にベール状の濃度上昇があり、側面像では前方に向かって縮小した上葉を認める。左上葉無気肺が合う。
鑑別・注意点
左下葉無気肺で典型的な心陰影背側の下方陰影と区別する。肺容量減少、肺門・葉間裂の偏位を重視し、濃度上昇だけで肺炎としない。成人では気管支閉塞の原因をCT等で確認する。
参考文献
診断専門医 2015年度 問23
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問23
解答例:b
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
血行性転移もランダム微小結節を作りますが、不明熱と均一な微小結節では感染を優先します。
b|正しい
胸膜・葉間裂近傍も含む微小結節の広い分布が血行性散布を示唆します。喀痰などの微生物検査で確認します。
c|誤り
すりガラスや気道中心性小結節が代表で、今回の均一な広い微小結節分布とは典型が異なります。
d|誤り
リンパ路性結節なら鑑別ですが、均一なランダム微小結節と発熱では粟粒結核を優先します。
e|誤り
気道散布影は通常小葉中心性で胸膜直下を避け、気管支拡張や副鼻腔炎などと合わせます。
判断のポイント
小さな結節が小葉中心に限定されず、胸膜・葉間裂付近にも分布する。高齢者の不明熱と合わせ、血行性散布による粟粒結核が最も合う。
鑑別・注意点
血行性転移等もrandom分布を示すため、結節の分布だけで菌を確定しない。喀痰・適切な検体の抗酸菌培養・核酸検査、全身所見と合わせる。小葉中心性・リンパ路性分布との違いを整理する。
参考文献
診断専門医 2015年度 問24
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問24
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
空洞内癌なども鑑別ですが、既存空洞内の空気に囲まれる塊は菌球を支持します。
b|誤り
再燃なら新規気道散布などを確認します。既存空洞の内部に独立する塊は二次的菌球を考えます。
c|誤り
空洞を作ることはありますが、結核後空洞内の菌球という構成ではAspergillusを優先します。
d|誤り
通常は結節・浸潤影として現れ、既存大空洞内の菌球の代表ではありません。
e|正しい
結核後空洞に空気で囲まれた菌球を認め、喀血の原因となります。抗体・培養等と合わせます。
判断のポイント
結核後の左上葉空洞内に、空気に囲まれる塊状陰影を認める。既存空洞内の菌球であるアスペルギローマを考える。
鑑別・注意点
空洞壁腫瘍や血管性病変等も鑑別し、体位での可動性、培養・Aspergillus IgG等と臨床経過を合わせる。菌球と急性侵襲性病変を混同しない。喀血の程度に応じ迅速な止血評価が必要となる。
診断専門医 2015年度 問25
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問25
解答例:d
選択肢別の解説
a|候補となる
前縦隔の主要な腫瘤で、提示の前方局在と両立します。CTで組織性状と浸潤を確認します。
b|候補となる
前縦隔リンパ節性腫瘤として鑑別します。単純写真だけで病理は決まりません。
c|候補となる
上行大動脈は前縦隔を走り、拡張で陰影を形成し得るため、造影で血管性を確認します。
d|可能性が最も低い
通常は後縦隔傍脊椎が主座で、今回の前方優位陰影としては相対的に低くなります。
e|候補となる
頸部から上縦隔へ連続する甲状腺腫が候補となり、頸部との連続をCTで確認します。
判断のポイント
正面像で上縦隔の幅が広く、側面像では陰影の主体が前方にある。傍脊椎部を主座とすることの多い神経原性腫瘍は、提示された前方病変の候補として相対的に考えにくい。
鑑別・注意点
神経原性腫瘍が全例後縦隔に限られるとはしない。単純写真で組織型を確定せず、CT・MRIで大血管、胸腺、甲状腺との連続性や脂肪・液体成分等を評価する。
参考文献
診断専門医 2015年度 問26
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問26
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
免疫抑制下で重要な感染ですが、気道散布・空洞などより胸膜下結節と浸潤影が主体です。抗酸菌検査も考慮します。
b|誤り
通常の細菌性肺炎でも浸潤影を作りますが、亜急性の結節集簇と免疫抑制背景では真菌を優先します。
c|条件・画像に注意
免疫抑制下の末梢結節・浸潤影と周囲すりガラスが合います。抗原・培養や組織で確定します。
d|誤り
典型的には広い両側すりガラス影で、今回の局所結節集簇と浸潤影とは主分布が異なります。
e|誤り
日和見感染として鑑別しますが、通常は広いすりガラスと小葉中心性結節等で、今回の局所構成では第一候補ではありません。
判断のポイント
胸膜下のコンソリデーションと近接する複数結節、周囲すりガラス影を認める。生物学的製剤使用中という背景から肺クリプトコッカス症を候補の中で優先する。
鑑別・注意点
同一肺葉に結節があるだけで特異的とはいえない。抗原、培養・病理を含む微生物学的評価で確認し、結核や他の真菌・細菌感染を比較する。免疫抑制の程度に応じ肺外、とくに中枢神経病変も評価する。
診断専門医 2015年度 問27
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問27
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
免疫不全の背景確認に重要です。ただしHIV陽性だけで肺炎の原因を確定しません。
b|誤り
診断に組織が必要な場合はありますが、まず呼吸検体やBAL等を検討し、びまん性肺病変にCT生検を第一としません。
c|誤り
血栓塞栓などの評価に用い、今回疑う感染性すりガラス病変の確定検査ではありません。
d|正しい
Pneumocystis感染で上昇し得る補助指標です。非特異的で、微生物検査や臨床と統合します。
e|誤り
炎症・リンパ系疾患などで上がり、今回疑う感染に特異的な検査ではありません。
判断のポイント
両肺に広範なすりガラス影と囊胞性変化を認め、ニューモシスティス肺炎を考える。免疫不全の背景を調べるHIV検査と、補助診断となるβ-Dグルカン測定が選択肢中で有用である。
鑑別・注意点
HIV陽性は肺炎の病原体を直接確定せず、β-Dグルカンも他の真菌感染等で上昇し得る。誘発喀痰・BAL等の菌体検出やPCRを病態と合わせる。旧称カリニ肺炎より、ヒトではPneumocystis jiroveciiによる肺炎として記載する。
診断専門医 2015年度 問28
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問28
解答例:aを優先(cも鑑別上重要)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
発症直前の防水スプレー・煙・化学物質曝露などを具体的に聴取します。画像だけで曝露があったと補いません。
b|誤り
急性の広いすりガラスの原因同定には直前の曝露・発症状況がより重要です。
c|条件・画像に注意
新規喫煙・再開なら急性好酸球性肺炎を支持し、重要な鑑別情報です。画像のみでaだけを排他的に確定しません。
d|誤り
誤嚥などに関連する場合は確認しますが、提示画像から最も直接的な原因情報として選ぶものではありません。
e|誤り
感染評価で役立つ場合はありますが、急性吸入障害・好酸球性肺炎の評価では直前の曝露歴が優先です。
判断のポイント
健康な若年者の急性呼吸苦と両側すりガラス影では、直前の防水スプレー使用や煙・化学物質への曝露を含む現病歴が重要である。提示画像だけで単一原因を特定することはできない。
鑑別・注意点
急性好酸球性肺炎も候補で、喫煙開始・再開・増量を確認する。隔壁肥厚や胸水の乏しさだけで除外しない。防水スプレー関連肺障害と加熱分解産物によるポリマーヒューム熱は重なることがあるが同義ではなく、製品・換気・加熱状況を確認する。
診断専門医 2015年度 問29
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問29
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
右背側に胸水様の軟部陰影があり、左の薄い胸膜側陰影も水か肥厚かを確認する必要があります。肺野条件だけで両側胸水を肯定も否定も断定しません。
b|誤り
粒状影は気管支血管束・隔壁・胸膜などに沿い、小葉中心だけへ限局する分布ではありません。
c|誤り
線維化による牽引と肺構築の変形が主所見ではなく、気管支周囲間質の結節性肥厚に注目します。
d|誤り
末梢細気管支内物質による分枝状陰影ではなく、血管束や隔壁のリンパ路性肥厚が主体です。
e|正しい
気管支血管束に沿う不整・結節状肥厚が明瞭です。隔壁や葉間裂の変化も合わせて評価します。
判断のポイント
気管支血管束・隔壁の結節状肥厚からリンパ路性間質病変を捉える。右背側に胸水を疑う所見があり、左にも薄い胸膜沿い陰影があるため、aを画像だけで明確に否定しない。
鑑別・注意点
原本肺野条件の少数断面では左の薄い陰影が少量胸水か胸膜肥厚かを確定できない。両側胸水の有無は縦隔条件・連続断面で判断する。設問の代表所見としてeを優先するが、aを明らかな誤りと断定する説明は避ける。
参考文献
診断専門医 2015年度 問30
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問30
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
代謝画像では異常供血動脈の起始・走行を十分確認できません。
b|誤り
通常気道と交通しない分画肺の診断では、内腔観察より体循環供血の確認が中心です。
c|正しい
大動脈などからの異常供血と還流経路を連続して示し、分画症の診断・治療計画に役立ちます。
d|誤り
血管性供血を伴う病変への生検に先立ち、血管構築を確認する必要があります。
e|誤り
局所肺動脈血流低下は示せても、体循環からの栄養血管の直接描出にはCTAが適します。
判断のポイント
左下葉の下行大動脈近くに管状・索状構造を伴う異常肺領域があり、肺分画症を疑う。体循環からの異常供血動脈の起始と走行を調べるCT angiographyが有用である。
鑑別・注意点
気管支閉鎖症の粘液瘤・末梢過膨張も鑑別だが、気管支鏡だけでは体循環供血を評価できない。血管性病変の可能性を確認する前に経皮生検へ進まない。異常肺の位置だけで分画症と確定せず、供血と静脈還流を描出する。
診断専門医 2015年度 問31
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問31
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
通常の円形肺炎が臨床に合い改善するなら、初めからMRIを追加する必要はありません。
b|誤り
膿瘍・先天異常など合併を疑う場合に検討しますが、単純例の改善確認に一律追加しません。
c|誤り
感染でも高集積となり、被ばくも伴うため通常の経過確認に選びません。
d|誤り
CTで細部はみえますが、治療後の単純な陰影消退はより少ない被ばくのX線で確認できます。
e|正しい
小児の円形肺炎を疑う画像で、臨床改善とX線の縮小・消退を確認します。遷延・悪化なら追加検査へ進みます。
判断のポイント
発熱・咳嗽のある5歳児で、左下葉に円形のコンソリデーションを認める。円形肺炎が合い、治療後の陰影変化は胸部X線で確認できる。
鑑別・注意点
円形というだけで腫瘍と決めず、臨床経過と改善を対応させる。典型例で反復CTやPETを先行させない。一方、治療後も持続・増大する場合や非典型経過では先天性病変等を再評価する。
参考文献
診断専門医 2015年度 問32
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問32
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
右が相対的に高濃度でも、左の過膨張による対側圧排を区別します。
b|誤り
右肺内出血を示す浸潤影より、左主気管支の内腔物と左肺の空気捕捉が直接所見です。
c|正しい
気管支内物質が呼気の流出を妨げ、左肺過膨張と縦隔右方偏位を生じます。異物除去の評価を行います。
d|誤り
肺動脈拡大・右心負荷が主体ではなく、一側気道の閉塞が中心です。
e|誤り
先天性過膨張だけでなく気管支内の物質があり、異物によるチェックバルブを優先します。
判断のポイント
左肺の過膨張・透過性亢進と右方への縦隔偏位があり、左主気管支内の充盈物を認める。チェックバルブ機序を伴う左気管支異物が合う。
鑑別・注意点
対側肺の相対的濃度上昇を一次性の右肺炎と誤認しない。誤嚥の目撃がなくても否定できず、呼吸状態を評価して速やかな気道・気管支鏡診療へつなぐ。CTだけで異物の材質を決めない。
参考文献
診断専門医 2015年度 問33
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問33
解答例:b、e
選択肢別の解説
a|誤り
上行大動脈の瘤状拡張より、弓の左右と分枝起始の異常が直接所見です。
b|正しい
大動脈弓が気管の右側に位置し、右弓が確認できます。
c|誤り
左縦隔に沿う体静脈を示す病変ではなく、動脈系の分枝異常です。
d|誤り
肺静脈が体静脈へ流れる構築ではなく、大動脈と鎖骨下動脈の起始を評価しています。
e|正しい
左鎖骨下動脈が遠位側から異所性に起始し、左上肢へ向かう走行が描出されています。
判断のポイント
弓部大動脈が気管の右側を通り、左鎖骨下動脈が通常と異なる遠位側から分岐して左上肢へ向かう。右側大動脈弓に左鎖骨下動脈起始異常を伴う像である。
鑑別・注意点
血管を起始から連続して追い、静脈や肺静脈と取り違えない。食道後方の走行、Kommerell憩室、動脈管索を含む血管輪の可能性を評価するが、提示断面だけで完全な血管輪と確定しない。
診断専門医 2015年度 問34
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問34
解答例:e(出題時の病名)
選択肢別の解説
a|誤り
三尖弁付着の心尖側偏位と右室心房化が特徴で、左室内膜側の肉柱増加とは異なります。
b|誤り
緻密な心筋の肥厚主体で、今回の薄い緻密層と深い肉柱間隙とは構成が異なります。
c|誤り
房室・心室大血管の二重不一致を確認する疾患で、今回の主要形態所見ではありません。
d|誤り
右室の拡張・局所壁運動・線維脂肪性病変を評価する病態で、今回の左室肉柱異常とは異なります。
e|条件・画像に注意
左室の二層構造と深い肉柱間隙が出題当時の病名に合います。現在は過剰肉柱形成の形態として、機能・家族歴等と統合します。
判断のポイント
左室心尖側から外側壁の内膜側に目立つ肉柱と深い間隙があり、薄い緻密層との二層構造を認める。出題では孤立性左室緻密化障害に対応する。
鑑別・注意点
肉柱の目立ちだけで病的心筋症と確定しない。現在は過剰肉柱形成という表現型として、左室機能、拡張、家族歴・遺伝背景や他の心筋症所見と統合する。MRIと心エコーでは計測時相・基準が異なるため比を混同しない。
診断専門医 2015年度 問35
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問35
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
非虚血性の浮腫や遅延増強を評価しますが、今回の主所見は心尖部の著明な肥厚です。
b|誤り
局所的な外方突出と壁の菲薄化より、心尖部内腔の狭小化を伴う肥厚が主体です。
c|誤り
心腔内・壁内の腫瘤を形成する悪性腫瘍ではなく、心筋自体の肥大形態です。
d|誤り
びまん性壁肥厚や特徴的な遅延増強を来しますが、心尖部優位の形態ではHCMを優先します。
e|正しい
心尖部優位の心筋肥厚と内腔の狭小化が合います。線維化や心尖部瘤の有無も評価します。
判断のポイント
心尖部優位の心筋肥厚と心尖側内腔の狭小化を認め、心尖部肥大型心筋症が合う。遅延造影は肥大部の心筋障害・線維化の評価に用いる。
鑑別・注意点
LGEがあるだけで冠動脈狭窄による虚血の合併と確定しない。冠動脈領域に沿う心内膜下・貫壁性パターンか、HCMの不均一な線維化かを比較する。心尖部瘤、機能、不整脈等も評価する。
診断専門医 2015年度 問36
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問36
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
提示では下行大動脈が主病変です。A型とするには上行大動脈への進展確認が必要です。
b|誤り
単純高吸収の壁内成分は早期造影で明瞭に濃染せず、提示相で開存偽腔血流を確認できません。
c|正しい
壁の石灰化が内方へ押され、内膜の位置を示す手掛かりとなります。
d|誤り
提示断面の上行大動脈は、病変下行部と同様の明瞭な拡大を示す主所見ではありません。
e|正しい
単純CTで高い三日月状の壁内成分は血栓化偽腔・壁内血腫に対応します。造影相と合わせます。
判断のポイント
下行大動脈壁に沿う三日月状の高吸収域が単純CTで見え、造影早期相では同部の増強に乏しい。内方へ偏位した内膜石灰化と合わせ、血栓化偽腔・壁内血腫に合う。
鑑別・注意点
出題上は下行大動脈の血栓閉鎖型解離として読む。Stanford分類には上行大動脈を含む全大動脈の確認が必要で、一断面だけで全範囲を証明したとはしない。急性期は疼痛、血圧、破裂・臓器灌流等を迅速に評価する。
診断専門医 2015年度 問37
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問37
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
若年女性の大動脈病変では鑑別ですが、硬膜嚢拡張と解離の組合せは結合組織疾患を支持します。
b|誤り
硬膜拡張も起こり得ますが、大動脈解離との組合せと全身像ではMarfanを優先します。
c|誤り
腎・脳・肺等の過誤腫性病変が代表で、この解離と硬膜嚢拡張の組合せとは異なります。
d|誤り
短肢・脊柱管狭窄などが代表で、腰仙部の硬膜嚢拡張とは異なる構築です。
e|正しい
若年の解離と腰仙部硬膜嚢拡張・椎体後面陥凹が支持します。身体所見とFBN1評価等を合わせます。
判断のポイント
若年者の大動脈解離に、腰仙部の硬膜囊拡張と椎体後面の陥凹を伴う。遺伝性結合組織疾患としてMarfan症候群が最も合う。
鑑別・注意点
高血圧がないだけで遺伝性と決めない。硬膜拡張は特異的ではなく、眼・骨格・大動脈基部、家族歴、必要な遺伝学的評価を診断基準と合わせる。他の遺伝性大動脈疾患も比較する。
診断専門医 2015年度 問38
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問38
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
大きな良性変性性石灰化ではなく、細い分枝状成分の形態が主体です。
b|誤り
分泌性病変の比較的太い平滑な棒状像とは異なり、細く不整な乳管鋳型状です。
c|正しい
細い線状・分枝状石灰化が集まり、悪性乳管病変を疑う形態です。
d|誤り
蛋白性分泌物の濃縮による太い平滑な良性型より、壊死性乳管内病変を考えます。
e|正しい
乳管内の壊死部に沈着して分枝状を呈し得ます。実際の病理は生検で確認します。
判断のポイント
細い線状・分枝状の石灰化が乳管走行に沿って集まり、壊死を伴うDCISを疑う形態である。乳管内壊死に沈着した石灰化として理解する。
鑑別・注意点
典型的良性の粗大石灰化や、分泌性変化の太い桿状石灰化と区別する。形態が強く疑わしくても、DCISの核グレードや浸潤の有無を画像だけで確定せず組織で確認する。
診断専門医 2015年度 問39
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問39
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
明瞭な疑わしい腫瘤があり、異常なしの判定ではありません。
b|誤り
良性と確定できる平滑・脂肪性などの像ではなく、不整な悪性所見が目立ちます。
c|誤り
悪性を強く疑うスピキュラと高濃度腫瘤があり、低い疑いの判定では不足します。
d|誤り
疑いを示す段階よりさらに悪性の蓋然性が高い形態として判定します。
e|正しい
高濃度の不整スピキュラ腫瘤と疑わしい付随陰影があり、悪性を強く疑う区分です。組織診断が必要です。
判断のポイント
右乳房に高濃度で不整形・放射状辺縁の腫瘤があり、石灰化を伴う別の疑わしい陰影も認める。悪性を強く疑うためカテゴリー5が適切である。
鑑別・注意点
カテゴリーは画像上の悪性疑いの程度であり、病理確定を意味しない。病変ごとに超音波等で対応を取り生検を計画する。日本の検診カテゴリーとBI-RADSの運用差を踏まえ、数字だけを診療手順へ機械的に転用しない。
診断専門医 2015年度 問40
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問40
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
硬性の浸潤性腫瘤より、乳管分布の非腫瘤性増強と内部の小輪状構造が主体です。
b|誤り
良性増強もありますが、区域性のclustered-ringは悪性乳管病変を優先する所見です。
c|誤り
浸潤成分の併存はあり得ますが、今回の増強分布では乳管内病変をまず疑います。
d|誤り
非腫瘤性増強を示す場合もありますが、区域性の小リング集簇はDCISを支持します。
e|正しい
区域性に集まる小輪状増強が乳管内悪性病変を疑わせます。非浸潤性かは病理で確認します。
判断のポイント
区域性に広がる非腫瘤性増強の内部に、小さなリング状増強が集簇している。clustered-ring enhancementとしてDCISを最も疑う。
鑑別・注意点
乳管・小葉単位の分布と内部増強パターンを組み合わせる。リング状増強はDCISだけに特異的ではなく、炎症や他の癌とも重なる。MRIだけで非浸潤を確定せず、マンモグラフィ・超音波と病理を対応させる。
診断専門医 2015年度 問41
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問41
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
閉鎖気管支と末梢の肺過膨張が主体で、胎便を含む腸管の胸腔内連続は説明しません。
b|誤り
体循環供血の肺組織を確認する病態です。胸腔内に消化管が上がる構成とは異なります。
c|誤り
肺実質の過膨張を考える病態で、胎便を含む腸管様構造とは異なります。
d|正しい
腹部から続く腸管とT1高信号の胎便が胸腔内にあり、横隔膜を越える消化管を考えます。
e|誤り
肺内嚢胞性病変と異なり、腸管内容と腹部との連続が横隔膜ヘルニアを支持します。
判断のポイント
胸腔内に腹部から連続する腸管様構造があり、T1で胎便を含む腸管に合う高信号部分を認める。先天性横隔膜ヘルニアを優先する。
鑑別・注意点
超音波で囊胞性と記載されたことだけでCPAMに固定しない。胸腹部の臓器連続性、胃・肝の位置、横隔膜を多断面で評価する。胎児肺容積や肝脱出等の重症度指標は提示一断面から数値を補わない。
診断専門医 2015年度 問42
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問42
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
手足の短い骨の骨折は、非偶発性外傷の特異度の高い代表所見として選ぶものではありません。
b|誤り
骨頭壊死より、月齢に不釣り合いな多発骨折と骨幹端損傷を評価します。
c|誤り
肋骨骨折は重要ですが、右側に優位という特徴ではなく、後方など位置と外傷機序が重要です。
d|正しい
骨幹端のcorner/bucket-handle損傷は重要な所見です。病歴、全身評価と代謝性疾患等の鑑別を合わせます。
e|誤り
異なる時期の反復損傷が手掛かりとなり得ます。多発骨折が必ず同じ治癒段階という説明は合いません。
判断のポイント
月齢に不釣り合いな複数部位の骨折と仮骨・変形を認め、非偶発性外傷を疑う。これに関連する典型所見として骨幹端のcorner/bucket-handle骨折を選ぶ。
鑑別・注意点
画像だけで加害者や機序を断定しない。発達段階、説明された受傷歴、骨脆弱性疾患等を評価し、適切な全身骨撮影と専門チームによる保護・診療につなぐ。骨折の新旧を単純写真から特定の日付まで断定しない。
診断専門医 2015年度 問43
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問43
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
脳回の減少・皮質肥厚が主体で、皮質と離れた灰白質帯とは異なります。
b|誤り
細かな脳回が多数ある皮質表面異常で、白質内の連続した灰白質帯とは異なります。
c|誤り
前脳の分離障害を示す像ではなく、左右半球と灰白質の移動異常を評価します。
d|誤り
脳梁の形態・走行異常が主体ではなく、皮質下の異所性灰白質が直接所見です。
e|正しい
本来の皮質と白質層で隔てられた灰白質と同じ信号の帯があり、てんかんを伴うdouble cortexに合います。
判断のポイント
皮質と側脳室の間に灰白質と同じ信号の帯が両側性に走り、その表面側に白質層を介して本来の皮質がある。double cortexとして帯状異所性灰白質が合う。
鑑別・注意点
滑脳症と関連する移動異常のスペクトラムだが、単に滑脳症の最軽症型と一律に定義しない。DCX等の遺伝背景が知られるが、MRIのみで原因遺伝子や遺伝形式を確定しない。
診断専門医 2015年度 問44
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問44
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
適切な適応で肺塞栓の早期予防効果はあります。ただしDVT増加等もあり、抗凝固可能例へ一律に追加しません。
b|誤り
不要になれば回収を検討しますが、血栓・技術的困難・継続リスク等で回収できない場合もあります。必ずとはしません。
c|誤り
通常は腎静脈流入部より尾側です。妊娠・血栓の位置等で腎上部を選ぶ特殊状況と区別します。
d|正しい
急性VTEで活動性出血など抗凝固禁忌なら検討する代表的適応です。抗凝固再開と回収適否も再評価します。
e|誤り
捕捉した下肢・骨盤由来血栓も含まれ、すべてがフィルター上で新生したとはいえません。
判断のポイント
急性静脈血栓塞栓症で抗凝固療法が禁忌の患者は、肺塞栓予防のため下大静脈フィルターを検討する代表的な状況である。
鑑別・注意点
抗凝固療法が有効に行える患者へ一律に追加するものではない。通常は腎静脈流入部より尾側へ留置する。回収可能型は適応がなくなれば利益と回収リスクを比較し回収を検討し、「全例必ず回収」とはしない。捕捉血栓とフィルター周囲の血栓形成の双方があり得る。
診断専門医 2015年度 問45
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問45
解答例:eを出題候補とするがdとの最適選択は保留
選択肢別の解説
a|誤り
鎖骨下本幹を近位だけで閉じると上肢虚血や側副逆流が問題です。損傷位置と血流を考えず選びません。
b|条件・画像に注意
液体塞栓物質の本幹・分枝への流出で虚血を来し得ます。小さい本幹壁損傷へ無条件に選ぶ方法ではありません。
c|条件・画像に注意
仮性瘤の壁が脆く塞栓物質の逸脱もあり、本幹を温存できるか評価が必要です。
d|条件・画像に注意
壁欠損が大きい・感染等では外科再建が必要です。静止像だけでバルーンより不適切と断定しません。
e|条件・画像に注意
局所壁損傷に一時的圧着で止血する候補です。穿孔の大きさ・安定性・側副路・感染を見て外科等と比較します。
判断のポイント
鎖骨下動脈から血管外へ造影剤が突出し、刺創による仮性動脈瘤・血管壁損傷を考える。親血管内からバルーンで一時的に圧着して止血する方法は選択肢となる。
鑑別・注意点
近傍に椎骨動脈分岐があり、遮断による脳・上肢灌流、損傷範囲、循環動態を評価する。引用研究は主に医原性損傷で、箸刺創の若年者にそのまま最善と証明するものではない。外科修復等との比較が必要で、頸部幅だけのコイル適応説明や年齢だけの結論を避ける。
診断専門医 2015年度 問46
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問46
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
通常は末梢実質内の多発小嚢胞で、主門脈周囲に沿う集簇とは典型分布が異なります。
b|正しい
慢性肝疾患で門脈周囲の胆管付属腺が嚢胞状拡張し、胆管と交通しない液体病変として見えます。
c|誤り
管腔に連続する拡張と区別します。門脈沿いの小嚢胞は胆管周囲嚢胞を支持します。
d|誤り
充実性増強や胆道浸潤を評価する悪性腫瘍で、今回の小液体病変の集簇とは異なります。
e|誤り
造影される静脈側副血管の集合であり、T2高信号の非血管性小嚢胞と区別します。
判断のポイント
門脈に沿う小さな液体吸収・T2高信号構造が集簇し、慢性肝疾患の背景がある。胆管周囲腺の拡張に由来する胆管周囲囊胞が合う。
鑑別・注意点
拡張胆管と異なり通常は胆管腔と交通しない。MRCP等で胆管との位置関係と交通を確認し、門脈周囲の浮腫やcavernous transformationの造影される血管と区別する。
診断専門医 2015年度 問47
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問47
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
一部HCCも肝細胞相で取り込みますが、典型的な多血性・取り込み保持と形態ではFNHを優先します。
b|誤り
通常は肝細胞相欠損と線維性遅延増強が代表で、取り込み保持の多血性病変とは異なります。
c|誤り
原則として機能肝細胞を持たず肝細胞相で欠損となるため、今回の取り込み保持とは合いにくい候補です。
d|誤り
血管プールを反映する増強を示しても、肝細胞相の実質取り込みは通常示しません。
e|正しい
動脈相の強い増強と肝細胞相での保持が合います。非典型例は肝細胞性腫瘍との区別を追加評価します。
判断のポイント
肝右葉下縁の腫瘤は動脈優位相で強く増強し、肝細胞相でも取り込みが保たれる。形態と合わせ肝限局性結節性過形成FNHが最も合う。
鑑別・注意点
肝細胞相の高信号だけで全例FNHと決めない。一部HCCや肝細胞腺腫も取り込みを示すため、背景肝、単純系列、造影パターン・形態を統合する。中心瘢痕は常に見えるわけではない。
参考文献
診断専門医 2015年度 問48
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問48
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
無石性でも生じ、通常の結石性胆囊炎と同じ頻度で結石を必須・主要所見とはしません。
b|正しい
糖尿病や血管障害の背景で起こりやすい重症感染です。ガス形成と臨床から早期対応が必要です。
c|誤り
壁石灰化を来す陶器様胆囊などの文脈と、急性のガス形成性胆囊炎を区別します。
d|誤り
主に胆囊壁の動脈性虚血などと感染が関与し、静脈うっ血を代表原因としません。
e|誤り
穿孔・敗血症の危険があり、抗菌薬に加え早期手術やリスクに応じドレナージを検討します。漫然と保存観察しません。
判断のポイント
胆囊の壁・内腔にガスを認め、発熱・右季肋部痛から気腫性胆囊炎を考える。糖尿病や血管障害を背景に発症しやすい。
鑑別・注意点
胆道処置後のガスや消化管瘻等と区別する。壊疽・穿孔・敗血症リスクがあり、抗菌薬に加え手術・ドレナージ等の緊急評価を要する。結石が必須ではなく、単純な保存観察を標準としない。
参考文献
診断専門医 2015年度 問49
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問49
解答例:bを優先(eも除外が必要)
選択肢別の解説
a|誤り
原発胆管狭窄だけでなく上流膵管拡張と膵頭部腫瘤があり、膵原発を優先します。
b|条件・画像に注意
主膵管の急な途絶と上流拡張、胆道閉塞が支持します。EUS組織採取等で炎症性腫瘤と区別します。
c|誤り
膵十二指腸溝の板状炎症や壁内嚢胞が典型で、今回の主膵管閉塞・上流拡張では第一候補ではありません。
d|誤り
比較的大きくても管拡張が乏しいことが多く、今回の急峻な管閉塞では膵癌を優先します。
e|条件・画像に注意
限局性では膵癌に似るため、IgG4・他臓器・組織を確認します。画像だけで否定せず、悪性を除外せずにステロイドを始めません。
判断のポイント
主膵管の上流拡張と膵頭部での急峻な狭窄・途絶を認め、胆道閉塞を伴う膵頭部癌を優先する。膵頭部の増強と周囲変化を多相で比較する。
鑑別・注意点
胆管ステント留置後の壁増強・炎症を病変固有の所見と断定しない。限局性自己免疫性膵炎との区別にはduct-penetrating sign、長い狭窄、遅延増強、他臓器病変、IgG4・組織等を統合する。悪性を十分評価せず診断的ステロイドへ進む説明にはしない。
診断専門医 2015年度 問50
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問50
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
IgA血管炎などの皮膚所見で、反復重積と消化管ポリープの背景とは異なります。
b|誤り
慢性肝疾患等の手掛かりですが、過誤腫性ポリープによる若年重積の代表所見ではありません。
c|誤り
皮膚炎の形態で、消化管ポリープ症との典型的関連ではありません。
d|誤り
グルカゴノーマ関連皮膚病変などを比較する形態で、若年の反復重積・ポリープとは異なります。
e|正しい
若年の多発ポリープによる重積と合わせ、PJSの口唇・粘膜の特徴的色素斑を確認します。
判断のポイント
小腸に腸管と腸間膜が入り込む重積像があり、胃にも複数のポリープを疑う。若年からの反復腹痛を合わせPeutz-Jeghers症候群を考え、口唇・口腔粘膜の色素斑を確認する。
鑑別・注意点
過誤腫性ポリープが重積の先進部となる。皮膚所見だけでなく内視鏡・病理、家族歴、STK11評価等を診断手順に合わせる。急性の重積では腸閉塞・虚血の評価を優先し、その後に全身の腫瘍監視を検討する。
診断専門医 2015年度 問51
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問51
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
神経走行に沿う充実性腫瘤と、坐骨孔を通って連続するヘルニア内容を区別します。
b|誤り
付属器の炎症性腫瘤より、骨盤内外をつなぐ孔を通る構造が診断の手掛かりです。
c|正しい
坐骨孔を経て骨盤外へ連続する構造と周囲の圧排が合います。内容臓器と絞扼・尿路障害等を確認します。
d|誤り
線維性病変・出血性嚢胞などより、解剖学的な孔を通る連続が主体です。
e|誤り
拡張した卵巣・骨盤静脈の集簇とは異なる、孔を通る臓器・嚢状構造です。
判断のポイント
右骨盤から坐骨切痕・坐骨孔を通って外側へ連続する構造があり、坐骨孔ヘルニアを考える。骨盤内外の連続性を横断・冠状断で確認する。
鑑別・注意点
ヘルニア内容を連続断面で追い、腸管・尿管・付属器等のどれが関与するかを評価する。低吸収というだけで壊死としない。腸閉塞、壁増強不良、浮腫等を確認し、症候性・嵌頓例では迅速な外科評価が必要となる。
参考文献
診断専門医 2015年度 問52
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問52
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
標的状の軟部腫瘤や腸管内への重積ではなく、著明に拡張した大腸の閉鎖ループです。
b|誤り
腫瘍性狭窄で上流拡張は生じますが、今回の巨大な骨盤起始ループは軸捻転を優先します。
c|正しい
骨盤から上腹部へ伸びる巨大結腸ループと接する壁がcoffee-bean様形態を示します。虚血・穿孔を評価します。
d|誤り
重症大腸炎の背景と非閉塞性拡張を考える病態で、今回の閉鎖ループ形態とは異なります。
e|誤り
主に集簇した小腸ループの閉塞で、今回の巨大結腸ループとは異なります。
判断のポイント
骨盤から上腹部へ向かう著明に拡張した結腸ループと中央の接する壁が、coffee-bean様形態を作っている。S状結腸軸捻転が最も合う。
鑑別・注意点
CTで捻転部・whirl、閉塞範囲、虚血・穿孔を評価する。虚血・穿孔が疑われなければ内視鏡的整復を検討するが、疑われる場合や整復不能では緊急手術評価が必要となる。単純写真だけで腸管生存性を判断しない。
診断専門医 2015年度 問53
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問53
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
主座は右側結腸の静脈硬化・うっ血で、小腸病変の合併を多いとする説明は合いません。
b|条件・画像に注意
石灰化があればCTは検出しやすいものの、まだ石灰化しない最初期まで必ず容易とはしません。
c|正しい
静脈うっ血性虚血による浮腫・暗紫色粘膜や潰瘍を呈し、虚血性大腸炎に類似する所見があります。
d|正しい
閉塞・高度虚血や腹膜刺激などで手術を要する場合があります。全例保存でよい病態ではありません。
e|正しい
腸壁から腸間膜へ向かう静脈の線状・分枝状石灰化が特徴的です。
判断のポイント
右側結腸壁から腸間膜へ放射状に延びる静脈の石灰化を認め、静脈硬化性大腸炎を考える。主病変は大腸、とくに右側で、小腸病変の合併が多いというaは不適切である。
鑑別・注意点
山梔子を含む漢方薬等の長期使用歴を確認するが、提示されていない服薬歴を補わない。CTの石灰化分布、内視鏡の暗紫色粘膜と組織を統合する。進行・閉塞や急性腹症では外科評価も必要となる。
参考文献
診断専門医 2015年度 問54
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問54
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
髄膜腫との典型的関連はNF2関連などで、両腎・膵嚢胞と腎腫瘍のVHL像では血管芽腫を選びます。
b|誤り
小児小脳の高細胞性腫瘍で、VHLの代表的中枢腫瘍ではありません。
c|誤り
浸潤性神経膠腫で、今回疑う遺伝性腫瘍症候群の代表的関連ではありません。
d|正しい
両腎多発腫瘤・嚢胞と膵嚢胞からVHLを考え、中枢の血管芽腫が代表的関連腫瘍です。
e|誤り
脈絡叢の乳頭状腫瘍は、VHLで代表的に探す血管芽腫とは異なります。
判断のポイント
両腎の多発腫瘤・囊胞と膵の多発囊胞性変化からvon Hippel-Lindau病を考える。中枢神経の代表的関連腫瘍は血管芽腫である。
鑑別・注意点
腎病変の全てを同じ組織型と決めず、増強充実部を評価する。中枢神経・網膜、膵内分泌腫瘍、褐色細胞腫等も診療手順に沿って確認し、家族歴と遺伝学的評価を合わせる。
診断専門医 2015年度 問55
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問55
解答例:cを出題候補とするが確定は保留
選択肢別の解説
a|誤り
両肺門節腫大などサルコイドの典型所見より、片側胸膜の慢性病変と胸壁腫瘤を考える像です。
b|誤り
副甲状腺機能亢進の骨・軟部石灰化を主所見とする像ではなく、慢性胸膜病変の腫瘤を評価します。
c|条件・画像に注意
慢性膿胸関連リンパ腫を疑うなら病勢評価の補助になりますが、非特異的で診断確定には組織が必要です。
d|条件・画像に注意
胸膜悪性腫瘍を疑い胸水があれば補助的に用い得ます。画像一枚でリンパ腫と中皮腫を完全に分けることはできません。
e|誤り
古い結核性変化があっても、それだけで尿路結核を示しません。尿所見・尿路画像に応じ選びます。
判断のポイント
右胸膜の慢性変化と外側胸壁に接する腫瘤があり、腹部の粗大石灰化を陳旧性結核の手掛かりと読むなら慢性膿胸関連リンパ腫を考える。リンパ腫評価の可溶性IL-2受容体が想定される。
鑑別・注意点
原本cは「血中sIL-2」と記載されており、sIL-2Rへの読み替えには留保が必要となる。腹部石灰化の臓器はこの写真だけでは確定できず、胸部CTと結核・膿胸歴を確認する。胸膜中皮腫等も鑑別し、sIL-2Rや胸水ヒアルロン酸だけを確定検査とはしない。
参考文献
診断専門医 2015年度 問56
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問56
解答例:保留(旧c/aも候補)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
偽被膜はRCC等でみられますが、このCTの境界だけで組織学的被膜を確定しません。
b|条件・画像に注意
境界明瞭というだけで予後良好とは確定できません。組織型、径、進展・病期を確認します。
c|条件・画像に注意
LAMと関連するのは主にAML・TSC背景です。乳頭状RCCを想定すればこの関連は不適切ですが、病型が未確定なら条件を残します。
d|条件・画像に注意
乳頭状RCCはヘモジデリンを含みT2*低信号を示し得ます。今回はMRI未提示で、実際に低信号を確認したとはしません。
e|条件・画像に注意
一般に約100秒は腎実質相として扱います。血流・腎機能や撮像手順で相の時刻は変わります。
判断のポイント
境界明瞭で比較的均一、早期増強に乏しい腎腫瘤があり、乳頭状腎細胞癌と脂肪に乏しい血管筋脂肪腫を比較する。明瞭な肉眼的脂肪は示されていない。
鑑別・注意点
T2低信号は両者にあり、T2*信号低下の原因も平滑筋・出血等を区別する。CTだけで組織型や予後良好を断定できず、偽被膜・LAM関連の肢も仮定する診断で変わる。MRIや適切な組織診断を要し、正答数から逆算してcと決めない。
診断専門医 2015年度 問57
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問57
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
副腎との連続と脂質による低吸収を評価します。今回は大血管背側の後腹膜腫瘤が主体です。
b|誤り
通常は血流豊富な増強を示します。非典型でも処置前のカテコールアミン評価は重要です。
c|誤り
肉眼的脂肪が決め手ですが、今回の低吸収充実病変に明瞭な脂肪は示されていません。
d|誤り
血管を包む節性病変は鑑別ですが、平滑な低増強腫瘤と局所石灰化では神経節細胞腫を優先します。
e|正しい
後腹膜交感神経系の位置、石灰化と早期増強の乏しさが支持します。遅延相・MRI等と組織で確認します。
判断のポイント
下大静脈背側・大動脈右側に境界明瞭な低吸収腫瘤があり、一部石灰化を含み、提示相では増強に乏しい。神経節細胞腫が合う。
鑑別・注意点
神経節細胞腫は遅延性に増強することがあり、早期増強が弱いだけで囊胞としない。血管との位置関係、副腎由来か、MRI信号を確認し、必要時病理と対応させる。石灰化があるだけで神経芽腫との分化度を確定しない。
参考文献
診断専門医 2015年度 問58
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問58
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
内部の切除腔は作りますが、前立腺実質全体がなくなる手術ではありません。
b|誤り
膀胱粘膜の腫瘍を切除する処置で、前立腺欠如と膀胱底低下を説明しません。
c|正しい
前立腺実質の欠如と膀胱底・吻合部の術後配置が合います。
d|誤り
尿道の切除だけでは、この前立腺全体欠如の形態とは一致しません。
e|誤り
治療後萎縮はあっても通常は前立腺実質が残り、全摘除後の形態とは異なります。
判断のポイント
膀胱底と直腸の間に通常の前立腺実質がなく、膀胱底が低位となる術後形態を認める。前立腺全摘除後に合う。
鑑別・注意点
経尿道的切除では通常外側の前立腺組織が残る点と比較する。尿道全体の欠損や放射線後の縮小と混同しない。術後瘢痕があっても直ちに再発とせず、PSAと必要な追加画像を合わせる。
参考文献
診断専門医 2015年度 問59
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問59
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
妊娠に伴う血流・ホルモン変化は筋腫の出血性梗塞・赤色変性と関連します。
b|誤り
感染性の骨盤病変より、子宮筋腫内の出血と無増強を示す変性像です。
c|誤り
付属器の脂肪性腫瘍ではなく、子宮筋層内の腫瘤が変性しています。
d|誤り
内膜症性嚢胞と異なり、筋層内の腫瘤とその出血性辺縁・造影欠如を重視します。
e|正しい
ホルモン環境の変化との関連が知られ、服薬歴を確認します。画像だけで実際の使用を補いません。
判断のポイント
子宮筋層内の境界明瞭な腫瘤にT1高信号の辺縁とT2低信号の縁取りを認め、内部の造影欠如を伴う。出血性梗塞である赤色変性を考え、妊娠や経口避妊薬服用との関連を確認する。
鑑別・注意点
単なるT1高信号だけでなく、筋層との連続性と増強されない梗塞部を合わせる。造影前後で脂肪抑制条件が異なるため、信号の見かけの差を増強としない。非典型の増大や充実性増強がある場合は他の腫瘍も再評価する。
参考文献
診断専門医 2015年度 問60
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問60
解答例:c
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
タモキシフェンは内膜癌リスクとも関連するため、不正出血では組織評価が必要です。画像上ポリープ優先でも除外しません。
b|誤り
典型は筋層と連続する低T2の充実性腫瘤で、内膜腔の線維性芯を持つポリープ状構造とは異なります。
c|正しい
内膜腔内のポリープ状肥厚と線維性低T2構造が支持します。タモキシフェン背景と合わせ、組織で良悪性を確認します。
d|誤り
筋層由来の大型不均一腫瘤や壊死・出血を評価する病型で、今回の内膜腔主体の構成とは異なります。
e|誤り
比較的均一な腫大・浸潤を来す病態で、今回の内膜ポリープ様構造を最も説明しません。
判断のポイント
子宮内膜腔にポリープ状の肥厚があり、内部の低T2信号の線維性構造と増強を伴う。タモキシフェン使用の背景と合わせ子宮内膜ポリープが合う。
鑑別・注意点
タモキシフェンはポリープだけでなく他の増殖性・悪性内膜病変にも関連する。不正出血があり、画像で良性と決めて放置せず婦人科で内膜組織・子宮鏡等による確認を行う。
診断専門医 2015年度 問61
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問61
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
内膜腔の分葉状腫瘤と拡散異常、不正出血が支持します。ADC・造影と病理で確認し、筋層深達度を評価します。
b|誤り
他臓器原発と全身情報が必要で、内膜原発を疑う形態では第一候補ではありません。
c|条件・画像に注意
大型ポリープ状悪性腫瘤として鑑別ですが、画像だけで組織型は確定しません。頻度・形態からまず内膜癌を考えます。
d|誤り
びまん性肥厚より分葉状腫瘤と細胞密度を疑う所見があり、悪性の組織評価を優先します。
e|誤り
筋層からの茎と線維性低T2腫瘤を確認します。今回の内膜腔の悪性様病変とは異なります。
判断のポイント
内膜腔を占める分葉状腫瘤がT2で筋層より高信号、DWIでも高信号を示し、不正性器出血の背景から子宮体癌を優先する。
鑑別・注意点
DWI高信号はADCと対応させ、筋層浸潤・頸部浸潤は子宮軸に合わせた多断面や造影を含め評価する。画像のみで組織型・グレードや癌肉腫を確実に判別せず、内膜組織で確認する。
参考文献
診断専門医 2015年度 問62
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問62
解答例:c(選択肢中で最も合う)
選択肢別の解説
a|誤り
脂肪なら脂肪抑制後に信号が下がります。今回は抑制後もT1高信号を保つ血液成分を考えます。
b|誤り
卵巣転移も腫瘤を作りますが、出血性内膜症性嚢胞と造影結節の組合せでは内膜症関連癌を優先します。
c|条件・画像に注意
出血性嚢胞に真の増強壁在結節があり、内膜症関連癌を疑います。選択肢ではこの病型ですが、組織型は病理で確定します。
d|誤り
若年の大きな充実性病変と脂肪・石灰化などが代表で、内膜症性嚢胞の悪性変化を疑う今回の構成とは異なります。
e|誤り
多房性で内容が異なる嚢胞が典型で、血性嚢胞と造影結節という背景では明細胞癌を先に考えます。
判断のポイント
脂肪抑制後もT1高信号の出血性内容を伴う卵巣囊胞性病変に、増強される壁在結節がある。内膜症性囊胞に関連した卵巣癌を疑い、選択肢では明細胞腺癌を選ぶ。
鑑別・注意点
脂肪抑制で消えないT1高信号を脂肪としない。増強結節と造影されない血餅を区別する。内膜症関連癌には類内膜癌等もあり、MRIだけで明細胞型を確定せず病理診断を要する。
参考文献
診断専門医 2015年度 問63
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問63
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
線維性組織により腫瘤全体が低T2であることが多く、今回の充実部と増強隔壁の構成とは異なります。
b|誤り
内分泌症状や脂質を含む間質性腫瘤を考えますが、若年の大きな分葉充実性病変では胚細胞性腫瘍を優先します。
c|誤り
出血や多嚢胞性部分を含むことが多く、今回の線維血管性隔壁で分かれる充実部主体の像とは典型が異なります。
d|正しい
若年の分葉状充実性腫瘤と、強く増強する低T2隔壁が合います。マーカー・病理で確認します。
e|誤り
主に液体を含む多房性嚢胞で、今回の大部分が造影される充実性腫瘤とは異なります。
判断のポイント
大きな分葉状の充実性腫瘤が、低T2信号・強い増強を示す隔壁で区画されている。若年者の未分化胚細胞腫に特徴的な線維血管性隔壁を考える。
鑑別・注意点
線維腫等の全体に低T2信号の腫瘍と、分葉内部と隔壁で信号・増強が異なる構造を比較する。LDH等の腫瘍マーカーと組織で確認し、純粋未分化胚細胞腫をAFP高値で特徴付けない。
診断専門医 2015年度 問64
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問64
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
消化管に接する限局嚢胞が代表で、広い腹膜内の粘液様貯留とscallopingを説明しません。
b|誤り
薄い隔壁を持つ液体病変を作りますが、肝表面の圧痕を伴う腹膜性分布では粘液病変を優先します。
c|誤り
腹水と腹膜肥厚を来しますが、分葉状粘液性貯留と肝表面圧痕は偽粘液腫を支持します。
d|正しい
粘液性貯留による肝表面のscallopingが特徴です。虫垂などの原発部位と腹膜分布を調べます。
e|誤り
多房性嚢胞性腹膜病変ですが、典型的な粘液の分布と肝表面圧痕では偽粘液腫を優先します。
判断のポイント
腹腔内に分葉状の低吸収性貯留を認め、肝表面を圧排するscallopingを伴う。腹膜偽粘液腫が最も合う。
鑑別・注意点
単純な自由腹水とは分布・臓器圧排を比較する。原発は虫垂等を検索し、画像だけで原発臓器や病理グレードを確定しない。引用研究は女性30例であり、男性への解釈では共通するCT所見を参照する。
参考文献
診断専門医 2015年度 問65
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問65
解答例:eを候補とするがdとの確定は保留
選択肢別の解説
a|誤り
腫瘤効果や局所腫瘍性病変を示す像ではなく、連合野の血流分布を評価する検査です。
b|誤り
典型的な脳室拡大と高位円蓋部の狭小化などを示す形態を認める設問ではありません。
c|誤り
前頭・前側頭葉優位の低下より、後方連合野の血流低下が主体です。
d|条件・画像に注意
海馬の保持と後頭葉側の低下があれば候補です。認知変動・幻視・パーキンソニズムやDAT/MIBG等で比較します。
e|条件・画像に注意
頭頂側頭葉の低灌流から候補ですが、海馬萎縮が乏しくDLBも残ります。二画像のみで確定しません。
判断のポイント
頭頂側頭葉を中心に血流低下を認める一方、海馬萎縮は目立たない。旧説明はADへ変更されているが、後頭葉側の血流低下も疑われ、DLBを比較する必要がある。
鑑別・注意点
人物誤認だけで病型を決めない。海馬が保たれることはDLBを支持し得るが特異的ではない。後頭葉・後部帯状回の相対的関係を標準化画像で評価し、認知変動、幻視、RBD、パーキンソニズム、必要なDAT・MIBG等と統合する。
診断専門医 2015年度 問66
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問66
解答例:c、eを臨床的候補とするが2肢の確定は保留
選択肢別の解説
a|誤り
純粋なジストニアでは通常はDATを保ち、明瞭な後部被殻低下を第一に説明しません。
b|誤り
本態性振戦では通常は線条体DATが保たれるため、今回の点状化とは異なります。
c|条件・画像に注意
後部被殻の低下が黒質線条体変性を支持し、振戦という背景と整合します。他変性疾患との鑑別は臨床を要します。
d|条件・画像に注意
線条体変性を伴いDAT低下もあり得ます。MRI正常という理由だけで完全否定せず、舞踏運動・家族歴等を確認します。
e|条件・画像に注意
シナプス前ドパミン系障害で低下を示し得ます。眼球運動・姿勢障害などの臨床を合わせ、DATだけでPDと区別しません。
判断のポイント
後部被殻の集積が乏しく線条体が点状となり、背景集積も目立つ。シナプス前ドパミン神経終末障害を示唆し、振戦の背景ではParkinson病やPSP等を考える。
鑑別・注意点
DAT分布だけでPDとPSPを確実に区別できない。Huntington病でもDAT低下があり得るため、尾状核が保たれるという一所見でdを完全に否定しない。舞踏運動・眼球運動、家族歴・遺伝学的所見等が必要で、旧解答のc,d,eの揺れを断定に置き換えない。
診断専門医 2015年度 問67
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問67
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
相対血流差が小さくても、負荷後の内腔拡大・EF低下があり、虚血なしとは判断しません。
b|誤り
固定性前壁欠損の説明だけでは、広い負荷後拡大と機能低下を十分説明しません。
c|誤り
単一右冠動脈領域の虚血より、広い機能変化とリスク背景から多枝病変を疑います。
d|正しい
負荷後EDV増加とEF低下は、高度虚血による一過性機能障害の高リスク所見です。冠動脈評価と臨床を合わせます。
e|誤り
肥大を示す形態情報ではなく、負荷後の機能低下と容量変化から虚血を評価します。
判断のポイント
相対血流像だけでは高度な局所欠損が目立たなくても、負荷時EDV120mL・EF52%に対して安静時EDV95mL・EF67%で、負荷後拡大と機能低下がある。臨床リスクと合わせ重篤な多枝病変を疑う。
鑑別・注意点
相対灌流が均等なbalanced ischemiaでは血流分布だけで虚血を見逃し得る。ゲートEDV比と灌流像から算出するTID指標は同一ではなく、数値を混用しない。EFの一定幅低下だけを普遍的なstunningの定義とせず、撮像時刻・装置・壁運動等と対応させる。
診断専門医 2015年度 問68
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問68
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
肺高血圧だけでは肺外へのMAA分布を説明しません。肺内・心内短絡を確認します。
b|条件・画像に注意
肝障害、低酸素血症と肺外分布から、肺内血管拡張による右左短絡が有力です。心内短絡は心エコー等で区別します。
c|条件・画像に注意
心内右左短絡でも肺外集積は起こります。MAAだけで肺内短絡と区別できず、造影エコーなどを確認します。
d|誤り
肺区域性血流欠損をみる病態で、脳・腎へのMAA分布は右左短絡の別所見です。
e|条件・画像に注意
通常は左右短絡ですが、右左方向となる病態では肺外分布を来し得ます。高度肝障害背景では肝肺症候群を優先します。
判断のポイント
通常肺毛細血管で捕捉されるMAAが脳や腎にも分布し、右左シャントを示している。高度肝障害と低酸素血症を合わせ肝肺症候群が最も合う。
鑑別・注意点
旧説明の左右シャントは右左へ訂正する。MAA単独では心内・肺内シャントを必ずしも分離できないため、造影心エコー等と合わせる。遊離Tc等の分解産物による肺外集積とも分布を比較する。
診断専門医 2015年度 問69
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問69
解答例:bを出題候補とする
選択肢別の解説
a|誤り
髄様癌の診断はカルシトニン・病理等を要し、この非特異的Tl洗い出しだけで優先しません。
b|条件・画像に注意
早期取り込みが遅延像で減少するため選択肢では良性結節性変化を考えます。ただし洗い出しだけで悪性を除外しません。
c|誤り
Tlの保持は参考になりますが、濾胞性腫瘍の被膜・脈管侵襲は画像のみで判定できません。
d|誤り
急速な浸潤・壊死などの背景に乏しく、提示の洗い出し像から第一に選びません。
e|誤り
比較的強い遷延集積などを来しますが、今回の早期からの大きな洗い出しでは第一候補ではありません。
判断のポイント
Tl早期像の甲状腺内集積が遅延像で大きく低下しており、選択肢では腺腫様甲状腺腫を考える。Tc像の形態と合わせて評価する。
鑑別・注意点
Tlが洗い出されれば必ず良性、保持されれば必ず悪性とはいえない。病理確認研究でも重なりがあり、超音波所見・機能評価・必要な細胞診へつなぐ。全甲状腺の集積を結節の選択的な取り込みと混同しない。
診断専門医 2015年度 問70
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問70
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
合成亢進なら通常はびまん性に取り込みが増します。今回のホルモン高値に反する低集積とは異なります。
b|誤り
異所性なら通常位置とは別の局所集積を確認します。今回の甲状腺機能中毒と低集積を最も説明しません。
c|正しい
低集積の甲状腺中毒症は既存ホルモン漏出による破壊性炎を支持します。ヨウ素曝露・薬剤とホルモン検査を合わせます。
d|誤り
機能性結節なら局所の高集積と周囲抑制を考え、全体に乏しい描出とは異なります。
e|誤り
通常は合成低下・甲状腺機能低下とTSH上昇を評価し、今回の低TSH・高ホルモン像とは合いません。
判断のポイント
甲状腺ホルモン高値・TSH低値にもかかわらず、甲状腺への集積が著しく低い。新たな合成亢進より既存ホルモンの漏出による破壊性甲状腺炎を考え、選択肢では無痛性甲状腺炎が合う。
鑑別・注意点
低集積にはヨード過剰、薬剤、外因性ホルモン等もあり、投薬・造影歴と経過を確認する。単純CTで甲状腺が存在することは異所性甲状腺との比較に有用だが、CT正常だけで炎症を除外しない。
診断専門医 2015年度 問71
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問71
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
唾液腺由来の嚢胞で、正常甲状腺欠如と正中の機能性集積を説明しません。
b|誤り
通常位置の自律性結節による高機能を示す病態で、甲状腺下降経路の異常とは異なります。
c|誤り
この核種で選択的に描出する甲状腺様組織の典型診断ではありません。
d|正しい
通常床に乏しい集積と舌根・舌骨付近正中の機能性組織が合います。甲状腺機能と他の甲状腺組織を確認します。
e|誤り
単純な遺残嚢胞だけでは強い機能性集積を通常示しません。嚢胞内の甲状腺組織の有無と区別します。
判断のポイント
通常の甲状腺床への集積がなく、舌根から舌骨付近の正中にTc-pertechnetate集積を認める。甲状腺下降経路の異所性甲状腺が合う。
鑑別・注意点
唾液腺の対称性生理集積とは位置を分ける。TSH・遊離T4と超音波等で機能・解剖を確認し、唯一の機能性甲状腺である可能性を評価する前に切除を検討しない。浮腫の原因も検査で確認する。
診断専門医 2015年度 問72
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問72
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
PET用の核種で、今回の全身平面シンチの臓器分布・撮像方式と異なります。
b|誤り
PET画像とは異なる全身平面像であり、神経芽腫選択性のある分布を考えます。
c|誤り
一部腫瘍には取り込まれますが、小児神経芽腫評価の代表的標的薬はMIBGです。
d|正しい
小児副腎付近の大きい腫瘍と集積は神経芽腫を考え、交感神経系の取り込み機構を利用するMIBGが合います。
e|誤り
副腎皮質を評価する製剤で、交感神経系の神経芽腫を選択的に描く薬剤ではありません。
判断のポイント
小児の左副腎付近の大きな腫瘤に全身プラナー像で強い集積があり、神経芽腫評価に用いるI-123 MIBGが合う。
鑑別・注意点
MIBGはノルアドレナリン類似体で、交感神経系腫瘍の評価に用いる。全例が集積するわけではなく、陰性例では別の画像法を考慮する。SPECT/CTで病変局在と生理的集積を分ける。
診断専門医 2015年度 問73
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問73
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
全身の代謝性骨変化と異なり、運動に伴う脛骨皮質沿いの線状集積が主体です。
b|誤り
局所骨幹端の線維性骨病変で、両脛骨の長い線状集積を最も説明しません。
c|誤り
骨内の限局・多発病変を作りますが、運動後の皮質に沿う長い集積では骨膜ストレスを優先します。
d|誤り
長管骨の対称皮質集積を作りますが、肺病変・ばち指等の背景なく運動後下腿痛では過労性を優先します。
e|正しい
脛骨の皮質に沿う長い集積と運動後痛が合います。局所的な強い集積・骨折線があれば疲労骨折も評価します。
判断のポイント
両側脛骨に皮質に沿う細長い集積を認め、テニス後の下腿痛と合わせ脛骨過労性骨膜炎、medial tibial stress syndromeが最も合う。
鑑別・注意点
疲労骨折の限局性の強い集積と比較するが、両者は併存し得る。肥厚性骨関節症は他の長管骨や基礎疾患も確認し、皮質集積という一点だけで診断しない。成長期の骨端生理集積とも区別する。
診断専門医 2015年度 問74
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問74
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
胃自体は生理的に取り込むため、今回の右下腹部の固定集積を胃癌として説明しません。
b|誤り
直腸癌のFDG評価とは異なり、胃粘膜を標的とする製剤による検査です。
c|正しい
胃と並行して強くなる固定集積は異所性胃粘膜を示唆します。出血するMeckel憩室が合います。
d|誤り
血液プール製剤ではなく、動脈瘤そのものをこの固定した胃粘膜様集積の原因とはしません。
e|誤り
標識アルブミン等の漏出を追う検査と異なり、胃粘膜の取り込みを利用する像です。
判断のポイント
胃の生理的集積に加えて右下腹部に固定した集積があり、時間とともに明瞭となる。異所性胃粘膜を持つMeckel憩室を考える。
鑑別・注意点
Tc-pertechnetateは胃粘膜に取り込まれ、この検査は出血そのものを標識する赤血球出血シンチとは異なる。尿路集積や腸管移動性集積等と比較し、必要時追加方向像・SPECT/CTで局在を確認する。
診断専門医 2015年度 問75
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問75
解答例:aを優先(排泄局在は追加確認が必要)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
淡い腸管様集積が真の胆汁排泄なら完全閉鎖より肝炎を考えます。ただし尿路・腎との重なりを除く局在確認が必要です。
b|条件・画像に注意
灰白便では重要な鑑別です。二時間像で腸排泄が曖昧なら遅延像や他検査を急ぎ、閉鎖症を除外できたとはしません。
c|誤り
画像だけで合流形態を確認する検査ではなく、出生早期の胆汁排泄障害の原因を精査します。
d|誤り
通常は胆管の嚢胞状・紡錘状拡張を超音波等で確認します。今回の低排泄像だけで選びません。
e|誤り
消化管閉塞なら腹部X線等の構造所見を評価します。灰白便と肝胆道検査の主な鑑別とは異なります。
判断のポイント
2時間像で左腹部に淡い腸管様集積があり、胆汁の腸管排泄があると読めば完全な胆道閉鎖より新生児肝炎が合う。旧解答bからaへの変更はこの点に基づく。
鑑別・注意点
中央の円形集積を腸管と取り違えず、尿路・膀胱、十二指腸等の局在を前後像・時間画像で確認する。小さい静止画のみでは淡い集積の局在に限界がある。腸管排泄が見えない場合も肝細胞障害が原因となり、非排泄のみで胆道閉鎖と確定しない。
参考文献
診断専門医 2015年度 問76
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問76
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
重なりの解消と正確な解剖学的位置の決定には、平面拡大だけでなく断層とCT対応が有用です。
b|誤り
目的は心臓付近の異常集積の局在であり、腹部撮像を優先しません。
c|正しい
心筋・心膜・隣接節のどこかを断層とCTで対応させ、心不全の原因評価につなげます。
d|誤り
腹部の集積局在では、疑われる胸部の原因を十分評価できません。
e|誤り
腸内生理的集積の判別に有用な場合はありますが、今回の心臓付近の評価の代わりにはなりません。
判断のポイント
心臓付近に通常とは異なる集積を疑い、心不全の原因評価として心筋・心膜・近接リンパ節のどこに集積するかを胸部SPECT/CTで確認する。
鑑別・注意点
平面像で重なる心臓と肝・縦隔を分離することが目的で、追加撮像前から心サルコイドーシスと確定しない。Gaの消化管排泄だけに注目して腹部再撮影へ進まず、症状と対応する胸部を評価する。
診断専門医 2015年度 問77
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問77
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
通常は欠損性病変で、Tcを積極的に取り込み刺激後も残る像とは異なります。
b|誤り
多くの唾液腺悪性腫瘍と同様、提示された機能性局所集積が典型の診断ではありません。
c|誤り
この核種の取り込みだけで診断する腫瘍ではなく、刺激後の強い残存はWarthinを優先する所見です。
d|正しい
局所取り込みが強く、酸負荷後も正常腺と違い排泄しにくい所見が支持します。位置と組織を確認します。
e|誤り
通常は機能欠損やGa/FDG等の評価が問題となり、Tc取り込み・排泄の今回の像とは異なります。
判断のポイント
右耳下腺部に強い局所集積があり、酸負荷後も正常腺実質ほど洗い出されない。Tc-pertechnetateを取り込むWarthin腫瘍が合う。
鑑別・注意点
腫瘍内の保持を唾液腺全体の分泌障害と同一視しない。オンコサイトーマ等にも集積があり得るため、超音波・MRI、必要な細胞・組織評価と対応させる。多発・両側性の有無も確認する。
診断専門医 2015年度 問78
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問78
解答例:aを優先(旧bから再評価)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
大きく不均一な副腎皮質性腫瘤で、皮質製剤取り込みがあっても悪性を除外できません。浸潤・遠隔病変とホルモンを評価します。
b|誤り
典型的小型均一な腺腫とは異なり、大きさ・壊死様内部から皮質癌を優先します。
c|誤り
通常は小児の交感神経系腫瘍で、成人の皮質製剤取り込みと大きな副腎腫瘤では第一候補ではありません。
d|誤り
巨大不均一腫瘤もあり得ますが、皮質製剤の分布と合わせ皮質性腫瘍を先に考えます。処置前のカテコールアミン評価は必要です。
e|誤り
副腎外の交感神経系由来病変で、今回の皮質製剤集積を伴う副腎部腫瘤の第一候補ではありません。
判断のポイント
右副腎領域の腫瘤は非常に大きく、不均一な増強・壊死様部分を伴う。典型的な小型均一腺腫とは異なり、副腎皮質癌を優先して評価する。
鑑別・注意点
平面シンチの集積を腫瘍内部と即断せず、正常副腎・肝との位置関係を合わせる。旧説明の「副腎癌では機能が低下し集積しない」は良悪性判定の絶対則として使わない。内分泌検査、全身進展、専門チームの評価と病理で確定し、画像だけで機能性も決めない。
診断専門医 2015年度 問79
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問79
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
発熱などの感染背景や辺縁優位増強を評価します。今回の動脈濃染とwashoutは肝細胞性腫瘍を支持します。
b|誤り
血液プールと同調する持続性・求心性増強が典型で、今回の明瞭なwashoutとは異なります。
c|誤り
直腸癌の既往だけで判断せず、通常の低血流転移とは異なる動脈濃染とFDGの相対低集積を評価します。
d|正しい
強い動脈増強とwashoutが合います。高分化HCCはFDG低集積でもあり得て、背景肝や病理と統合します。
e|誤り
主に小児の嚢胞・間葉性病変で、高齢者の多血性washout腫瘍の第一候補ではありません。
判断のポイント
肝右葉に動脈相の強い増強と後期相のwashoutを示す腫瘤があり、サイズに比してFDG集積が目立たない。直腸癌既往だけで転移とせず、肝細胞癌を優先する。
鑑別・注意点
HCCは分化度等でFDG集積が変わり、陰性でも否定できない。非肝硬変等では典型的造影だけの非侵襲的診断が適用できない場合があり、背景肝、追加MRIや病理を診断手順と合わせる。
診断専門医 2015年度 問80
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問80
解答例:b、d(肺は追加局在確認を要する)
選択肢別の解説
a|誤り
アブレーション後の治療画像で、通常はβ線治療にも用いる131Iです。診断用123Iと区別します。
b|条件・画像に注意
淡い胸部集積があり肺転移を疑う候補です。汚染・食道等と区別しSPECT/CTなどで局在を確認します。
c|誤り
膀胱は尿中に排泄された製剤がたまる正常分布で、描出だけで転移とはしません。
d|正しい
胃粘膜のヨウ素取り込み・胃内分泌による生理的集積として説明できます。
e|誤り
甲状腺床は良性残存甲状腺組織にも取り込み、集積だけで癌遺残を断定できません。
判断のポイント
治療後のI-131全身像で甲状腺床以外の胸部に淡い集積を疑い、肺転移を評価する。上腹部の胃への集積・残留は生理的分布に合う。
鑑別・注意点
強い甲状腺床集積やstar artifactだけで残存癌とはいえず、正常甲状腺遺残でも生じる。膀胱は尿中排泄を反映する。胸部集積は頸部強集積の影響や汚染等と区別し、SPECT/CT・胸部CTとTg等で確認する。