2024年に専門医試験を受けられて合格されたペンネーム

  • ひかげ先生
  • プール問題先生
  • Swing先生

に解答作成を手伝っていただきました。ありがとうございました。

解答ここはこうじゃないかなどございましたら、一番下のコメント欄に記載いただければ幸いです。

1,

正解:b

いずれの選択肢も代謝物質に関わるものですが、クレアチンは病的状態でも濃度が比較的安定しており(internal reference)、高エネルギーリン酸化の程度を反映するわけではないということでしょうか。この出題意図がわかった受験生は果たしているのでしょうか…。

以下、頭部勘ドコロNEOp120より。

NAA:N-acetyl aspartate(2.0ppm)。神経細胞の密度に相関する。腫瘍、炎症、脱髄などさまざまな疾患で低下する。
Cr:creatine(3.0ppm, 3.9ppm)。エネルギーを貯蔵する役割を果たす。細胞内に存在。病的状態でも濃度が比較的安定しており、internal referenceとして用いられる。
Cho:choline containing compounds(3.2ppm)。細胞膜に存在し、細胞膜・細胞の代謝の亢進により高値を示す。腫瘍、炎症、脱髄など、多くの疾患で上昇する。
Lac:lactate(1.3ppm)。糖の嫌気性代謝により生成される,悪性腫瘍のほか,脱髄や壊死でも観察される。J-couplingによってニ峰性のpeak (doublet) を形成する。Short TE MRSでは上向きだが、TE=144msec程度で反転し、288mecで再び上向きとなる。
グリシン:glycine(3.5ppm)。アミノ酸の一種で、myo-inositol(Ins)とほぼ同じ位置にpeakを形成する。Insとは異なりlong TE MRSでも観察できる。 Ins:myo-inositol (3.5ppm)。脳内では神経膠細胞内に存在する。低悪性度神経膠腫や神経膠症 (gliosis) で高値を示す。
Glx:glutamine and glutamate complex(2.1-2.5ppm)。glutamine (Gln) とglutamate (Glu)は2.1-2.5ppmに多数のpeakをもち、1.5T-3Tの臨床用MRIでは区別が困難である。この2つのpeakを合わせてGlxと呼称する。
Lip:lipid (0.9ppm, 1.3ppm)。壊死組織で観察されるほか、悪性リンパ腫で観察される。CSIでは頭蓋骨や皮下に含まれる脂肪の混入が問題となる。

2,

正解:e 類題2022年11番

選択肢中で造影が必要なものはDSCのみです。

DSC法とDCE法の違いが過去問でも問われていました。こちらも抑えておきましょう。

3,

正解:e

成人か小児かの記載がありませんが、成人とすると最も頻度が高いものはコロイド嚢胞です。

第3脳室前半部

第3脳室後半部

  • 松果体腫瘍
  • 上衣腫
  • 松果体部乳頭状腫瘍

小児の第3脳室前半部

小児の第3脳室後半部

参照:https://遠隔画像診断.jp/archives/3474

4,

正解:e

脊髄造影は非イオン性で低浸透圧であるだけでなく、神経毒性の低いもののみが許容されるようです(http://kyodokodo.jp/wp/wp-content/uploads/2018/06/teigen20180516.pdf)。イオン性ヨード造影剤(ウログラフィン)の誤投与が有名ですね。

昔は油性造影剤も使われており、現在でもその遺残や合併症がみられます(https://radiology-history.online/history-neuro2.html)。

Gd造影剤は添付文書上「髄腔内には投与しないこと」となっています。

選択肢の順番も、これらに則っていそうですね。

5,

正解:d,e

a.結節性硬化症は皮質下結節や上衣下結節を認めます。基底核は生理的石灰化部位です。

b.NF1が視神経膠腫

c.NF2が聴神経鞘腫です。 

結節性硬化症、VHL病、多発性硬化症、Sturge Weber病は小児科、脳神経、脊髄領域から頻回に出題されます。特徴的所見をまとめてチェックしておきましょう。

6,

正解:c

視放線の髄鞘化は生後3か月頃までに見られます(生後3-4か月から動くものを追視。4か月検診でも追視を確認されます。)

a:上・下小脳脚であれば生下時、中小脳脚までふくめると生後3か月頃まで髄鞘化にかかります。

b:白質は髄鞘化に伴いT2WIで低信号化します。

d:大脳半球の髄鞘化は一番遅く、生後30か月頃までかかります。

e:T1強調画像の高信号化がT2強調画像の低信号化に先行します。

<髄鞘化について>

髄鞘化および水分含量の変化に伴い、T1強調画像で高信号、T2強調画像で低信号に変化。

T2強調像ではだいたい18~24か月で成人パターン(T1強調像では7か月くらい)

髄鞘形成は尾側から頭側、後側から前側、中枢側から末梢側の方向に進行。

同じ大脳皮質の中でも前頭葉と側頭葉では髄鞘化が遅い

参照:小児画像KEY BOOKS、2023レジデントセミナー小児科資料(埼玉県立小児医療センター 田波 穣先生)

7,

正解:aまたはe

  • a スライス厚を薄くする利点は、部分容積効果の減少による特異度上昇でしょうか。小さな出血の検出感度は上昇するような気もしますが。またこの選択肢はシークエンスが限定されていません。
  • b T2強調像よりT2*強調像の方が、磁化率効果が強調されるため、微小出血の感度が高いです。
  • c T2*強調像よりSWIの方が微小出血の感度は高いです(PMID: 21784348)
  • d 静磁場強度が下がると磁化率効果が強くなるため、微小出血の検出感度は低下すると思われます。
  • e TEを長くすることによりT2*強調効果の増加が想定されます(が、微小出血の検出感度はどうでしょうか)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrt/advpub/0/advpub_2022-1189/_pdf

8,

正解:d 

類題2022年8番,2021年1番

プール問題です。

上眼窩裂を走行するのはⅢ,Ⅳ,V1,

V1 眼神経

V2上顎神経

V3下顎神経

上顎洞癌の進展経路と合わせてチェックしましょう。

舌下神経は舌下神経管を走行します。

9,

正解:c,d

a: 喫煙歴と関係あるのはWarthin腫瘍です。

b: 粘表皮癌は神経周囲進展を来すことは少なく、一般的に腺様嚢胞癌より予後良好です(即戦力が身につく頭頚部の画像診断 p.449 メディカルサイエンスインターナショナル社)

c: 粘表皮癌は耳下腺癌の中で最も多い組織型です。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibi/59/Suppl.1/59_S32/_pdf/-char/en

d: FDG高集積を示すのは多型腺腫です。

e:小児期放射線治療後の二次発癌としては、粘表皮癌が発生することが知られています(即戦力が身につく頭頚部の画像診断 p.270 メディカルサイエンスインターナショナル社)

10,

正解:e

若年性血管線維腫:血管に富んだ稀な良性腫瘍で、若年男性に多い。

発生部位は鼻腔後方、後鼻孔、蝶口蓋孔周囲から翼口蓋窩が多い。翼口蓋窩に進展する場合、上顎洞後側壁を前方に圧排する。

翼状突起や頭蓋底の骨破壊を示す場合もある。

富血管性により著明な造影効果を呈し、MRIでは腫瘍の内部に多数のflow voidとして認められることが多い。

局在や進展形式、著明な造影効果から診断可能となる。

術中出血の軽減目的に術前血管塞栓術が必要であり、術前画像での鑑別が重要となる。

(画像診断Vol.41 No.7 (2021) p688より)

11,

正解:c

類題2023年8番

  1. I期は照射単独
  2. 上咽頭癌の進展形式については、前方が蝶形口蓋孔→翼口蓋窩

→正円孔、側方がMorgani洞から傍咽頭間隙

上方がT3で破裂孔、T4で直接浸潤または神経周囲進展です。

神経周囲進展時は正円、卵円孔を介するのでe.も正解と思われます。

c..HPVと関連が高いのは中咽頭癌

上咽頭癌はEBV

下咽頭癌がPlummer Vinsonがリスク因子です。

12,

正解:d

黄色髄化(脂肪髄)は大腿骨骨幹部から始まります。

赤色髄は成人では体温の高い部位の骨(胸骨・肋骨・椎骨・骨盤など)に残ります。 https://www.pilar-edit.com/packages/pilaredit/pdf/correction/人体の構造と機能問題集32正誤表.pdf

13,

正解:a

腸骨稜、坐骨結節、上・下前腸骨棘は裂離骨折の好発部位です。仙骨翼は不全骨折の典型部位という意味での外れ選択肢でしょうか。

https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/1327

14,

正解:d

c.USは骨病変の検査には向かないため外しました。

15,

正解:c,e

参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8167394/

WHO分類改訂版はさらっと目を通しただけだったので、間違えました。

16,

正解:c

肺区域はブロンコ体操で覚えている人も多いでしょうか。S4・5は右肺では外側・内側、左肺では上下の位置関係です。https://karadazukan.com/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B3%E4%BD%93%E6%93%8D/

17,

正解:a,d 

肺胞性肺炎は病原体が経気道的に呼吸細気管支から肺胞に達し、炎症性浮腫により肺胞腔内に大量の滲出液が産生されるため生じます。気管支区域を超えて非区域性の分布を示し、肺葉全体に広がると大葉性肺炎となります。

主な起因菌は肺炎球菌、肺炎桿菌(クレブシエラ)、レジオネラです。

気管支肺炎は経気道性に吸引された起因菌が終末細気管支や呼吸細気管支の粘膜を障害します。滲出液が少ないため、細気管支周囲に限局した炎症となり、小葉中心性、区域性の分布を呈します。起因菌はインフルエンザ桿菌、黄色ブドウ球菌、モラクセラ・カタラーリス、緑膿菌、マイコプラズマなどです。

b,c,eはいずれも気管支肺炎像が典型的です。

(引用)困った時の胸部画像診断p18~21

18,

正解:e

胸部CTの病変分布は頻出です。例外ももちろんありますが、

経気道性≒小葉中心性

リンパ行性≒小葉辺縁性

血行性≒ランダム

とざっくり分類すると少し理解しやすいかもしれません。

19,

正解:c

  • 過敏性肺炎は上肺野優位~びまん性の境界不明瞭な小葉中心性粒状影が特徴です。air trappingもみられると典型的です。
  • mosaic attenuation: 異なる濃度の肺野がパッチワーク状に混在している状態の総称。透過性低下域、正常の肺野濃度、透過性亢進域のうちどの組み合わせでも可。
  • Mosaic perfusion: 肺血栓塞栓症などにおける、局所の血流低下に起因するmosaic attenuation。
  • Head cheese sign/Three-density pattern: 3つの吸収域のコンビネーション。Fibrotic HPに特徴的で、IPFとの鑑別に有用とされている。
  • Air Trapping:呼気CTのみでの用語(上の2つは吸気CTでの用語)。喫煙者の健常者でも認められ、びまん性にみられる場合に病的。

20,

正解:d

今回は好酸球性肺炎の出題が目立ちました。

慢性好酸球性肺炎はreversd halo signやcrazy paving appearanceなどの所見を呈し、外層優位の分布を示します。

Tree in budは小葉中心性分枝状影のことで、細気管支の炎症を示し、結核、NTM、DPBなどが代表的です。

21,

正解:e

肺非結核性抗酸菌症の特徴

a:肺非結核性抗酸菌症のヒトへの感染経路は非結核性抗酸菌を含むエアロゾルの吸引とされており、ヒトーヒト感染は否定されています(結核との違い)。

b:Mycobacterium avium-intracellulare complex(MAC)症が近年増加傾向です

c:Mycobacterium aviumが最多です。

d:MAC症は中年女性に好発します。

参考文献:困ったときの胸部の画像診断 p.69

22,

正解:a

アスベスト関連疾患としては、石綿肺、良性石綿胸膜炎、びまん性胸膜肥厚、円形無気肺、胸膜プラーク、悪性腫瘍(肺癌、中皮腫)があります。石綿健康被害救済制度の対象となる疾病は、中皮腫、石綿による肺がん、石綿肺及びびまん性胸膜肥厚です。(石綿肺、びまん性胸膜肥厚については、著しい呼吸機能障害を伴うものが救済対象です。)

https://www.erca.go.jp/asbestos/what/higai/shikkan.html

https://www.hyo-med.ac.jp/department/jmrc/ishiwata.html

23,

正解:b,e

レジデントセミナーのレジュメに詳しいですが、びまん性肺疾患で上肺野優位なもののうち、リンパ流が低い事によるクリアランス不良が原因のものには過敏性肺炎、LCH、サルコイドーシスなどが挙げられます。

粟粒結核はびまん性の分布、UIPや石綿は下肺野優位です。

24,

正解:d

縦隔脂肪織に浸潤がある場合はT4です。TNM分類は読影所見で間違えると恥ずかしいので、未だに取り扱い規約やUICCで確認しています。だから細かい部分を覚えないのか・・・。

25,

正解:c

拡散強調像は、水分子の動きやすさを反映した画像です。 通常はエコープラナー(EPI)法で撮像されます。 T2の影響を受けた画像となっており、画像コントラストはT2強調像に似ていますが、脳脊髄液は水分子の動きが妨げられず無信号で黒く表示されます。多くの急性期病変でT2強調像と共に高信号となります。著明な高信号は急性期脳梗塞や低酸素脳症などの細胞性浮腫を来す病変、脳膿瘍、脈絡叢嚢胞などの粘稠な液体、出血、悪性リンパ腫などの細胞密度の高い腫瘍性病変などでみられます。

拡散強調像の信号強度にはT2の影響が強く反映されるため、見かけの拡散係数像(ADC map)を作製し、拡散強調像での高信号の解釈に用います。概ねADC値が1.0×10^-3mm2/s前後以下で拡散低下があり、0.7前後以下では拡散低下が強いと判断できると思います。

選択肢では典型的には、心膜嚢胞が最もADC値が高く、膿瘍や悪性リンパ腫でADC値が低くなります。神経鞘腫や成熟嚢胞性奇形腫などは成分によって種々の拡散低下を呈します。

https://archive.okinawa.med.or.jp/old201402/activities/kaiho/kaiho_data/2010/201009/048.html

https://d.fdcnet.ac.jp/col/collink/gazou/textbook/2015poster.pdf

26,

正解:b

ACSリスクの高い冠動脈プラークにはSpotty calcification, napkin ring sign, positive remodeling, 低CT値を示すものなどが挙げられます。

27,

正解:e

a: dark blood poolは血液プールの低信号化を指し、心アミロイドーシスで見られます。

b: 心筋中層の遅延造影は肥大型心筋症等の心筋疾患で見られます。

c: 側壁外膜側の遅延造影は心筋梗塞で見られます。

d: 心外膜側優位の遅延造影はサルコイドーシスや心筋炎で見られます。

e: 〇

参考:https://遠隔画像診断.jp/archives/1161

https://www.innervision.co.jp/ressources/pdf/innervision2013/iv201305_032.pdf

28,

正解:e

高安動脈炎の画像所見は、大動脈とその第一次分枝の両方あるいはどちらかに検出される、多発性またはびまん性の肥厚性病変、狭窄性病変(閉塞を含む)あるいは拡張性病変(瘤を含む)の所見です。大動脈とその一次分枝とは、大動脈(上行、弓行、胸部下行、腹部下行)、大動脈の一次分枝(冠動脈を含む)、肺動脈とされています。

浅側頭動脈は側頭動脈炎で高頻度に侵されます。

https://www.nanbyou.or.jp/entry/290

https://www.nanbyou.or.jp/entry/3929

29,

正解:b

過去問で類題がありました。

30,

正解:e

乳腺エコーで悪性を疑う所見は以下サイトがよくまとまっているので参考にしてください。

https://www.us-kensahou-seminar.net/muse13/ch1/sub1/index.html

31,

正解:c

マンモグラフィではまず、明らかに良性の石灰化パターンを把握することが重要です。

微小円形石灰化、中心透亮性石灰化、ポップコーン状石灰化、large rod-like calcificationsは明らかな良性石灰化です。

微細分枝状石灰化はどのような分布であっても強く悪性が疑われ、カテゴリー5に分類されます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjabcs1992/7/1/7_1_63/_pdf/-char/ja

https://mammography.pro/category1/

32,

正解:c,e

乳房MRIでDCISに見られやすい所見は非腫瘤性濃染(non-mass pattern),粒の集合(clumped enhancement)リング状の集簇(clustered ring enhancement),樹枝状(branching ductal pattern)です。

USのDCISの所見と合わせてチェックしましょう。

  1. rim enhancement
  2. spiculated margin
  3. dark internal septations

33,

正解:d

single bubble sign:肥厚性幽門狭窄症

double bubble sign:十二指腸閉鎖症

triple bubble sign:空腸閉鎖

参考:シングルバブル、ダブルバブル、トリプルバブルサインの違い – とある内科医の雑記帳

34,

正解:b

若木骨折:小児に特有の不全骨折です。骨の一部が折れ曲がりますが、完全には断裂せず、一部の連続性が保たれます。小児の骨の柔軟性と厚い骨膜により発生します。

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/infants_bone_fracture.html
大腿骨頭すべり症:主に小学校高学年から中学生の成長期に発症します。大腿骨頭が骨端線部分で後下方にすべることで起こります。体重増加や成長のアンバランス、過度のスポーツ活動などが原因となることがあります。

https://kcmc.kanagawa-pho.jp/diseases/daitaikotto.html
よちよち歩き骨折:2-3歳頃の幼児に見られる特徴的な脛骨骨折です。歩き始めの不安定な歩行中に、脛骨に捻じれの力が加わることで発生します。多くの場合、明らかな外傷がなく、突然歩けなくなるという症状で気づかれます。単純写真で骨折線が見えにくいことがあるため、診断に注意が必要です。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspr/33/2/33_51/_pdf/-char/ja

以上の小児特有の骨折は、子どもの骨の特性(柔軟性、厚い骨膜、成長軟骨の存在など)により発生します。

古典的骨幹端骨折は小児の身体的虐待の所見として特徴的です。

大腿骨頸部骨折は高齢者で典型的と思われます。

35,

正解:a.b

先天性横隔膜ヘルニアはBochdalek孔ヘルニアやMorgagoni孔ヘルニア、Larrey孔ヘルニアなどがあります。このうち、Bochdalek孔ヘルニアは小児期に後発し左側に多く、患側肺の発育不全や腸回転異常を来します。

c.傍胸骨裂孔ヘルニアで右側がMorgani孔ヘルニア、左側がLarry孔ヘルニアです。

d.最多はBochdalek孔ヘルニア

e.後側方裂孔に生じますが、左側が90%を占めます。

(参考)小児慢性特定疾病情報センター 13先天性横隔膜ヘルニア

36,

正解:b

肝内石灰化は腫瘍石灰化と陳旧性感染に伴うものに大別され、多くは陳旧性結核等による肉下種である。肝腫瘤の石灰化の頻度は低いが、有名なものは大腸癌等の粘液性腫瘍による石灰化やfibrolamellar HCCによる石灰化、変性した血管腫や肝腺腫でも見られることがある。

上記を加味すると肝内石灰化の頻度が最も高いのは肉芽腫を形成する肝多包症と考えます。

参考文献:KEY BOOK シリーズ 肝胆膵の画像診断 p.51

37,

正解:b

chemical shift imagingは水と脂肪の共鳴周波数差を利用した画像である。In-phase像とopposed-phase像を撮像し、脂肪含有の有無を判断する。

http://kanamri.umin.ne.jp/45_PDF_fatsat_minami.pdf

同じ画像のピクセル内に水と脂肪が同程度混在した場合に、opposed-phase像で最も信号低下が起こるのが特徴で、皮下脂肪や腹腔内のマクロな脂肪組織はopposed-phaseでの信号低下は起こらない。

肝細胞腺腫は様々な画像所見を呈しうるが、HNF1α 不活化型ではびまん性の脂肪化が特徴の一つである。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/103/1/103_61/_pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjgs/51/6/51_2017.0017/_pdf/-char/ja

偽脂肪腫はマクロな脂肪成分が主体のため、opposed-phaseでの信号低下は起こりにくいと思われますが、全体に軽度信号低下したとする文献はあります。

https://doi.org/10.11477/mf.1427900255

なお、Microscopicな脂肪含有する肝腫瘤の鑑別は、肝細胞癌、肝細胞腺腫、血管筋脂肪腫、転移性肝腫瘍 (腎細胞癌、奇形腫など)、FNHです。

38,

正解:e

a.音響陰影を伴います

b.通常コンベックスプローブを用います。が、小さな病変の拾い上げには高周波プローブを用いるとあるので、適さないとは言えないです。なお、コンベックスは3.5~6Hz,リニアは7.5MHz以上です。(引用)岡庭 USによる胆道の描出と診断のポイント

c.腸管ガスのアーチファクトを受けやすいです。

d.まず疑うべきは胆嚢ポリープです。増大傾向にあれば癌を疑います。

e.RASといえばcomet様エコーが有名ですが、嚢胞様に描出されることもあり、その場合は類円形の無エコー域として描出されます。

39,

正解:b

胆嚢捻転症は高齢の女性に多いです。

先天的要因として浮遊胆嚢があり、後天的要因として亀背、側弯、るい痩、腹部打撲等の物理的要因が加わって発症します。

参考:ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド p.529

40,

正解:b

a 背側胃間膜が大網を形成します。http://journal.jsgs.or.jp/pdf/012120966.pdf

b 大網は4枚の腹膜からなります。https://www.actioforma.net/kokikawa/anatomy/anatomy9.html

c 大網は腹腔内で炎症を起こした場所を包み込み波及を防ぎます。
https://www.hosp.iwate-med.ac.jp/hospital/gancenter/treatment/ovary.html

d 内ヘルニアの一つに大網裂孔ヘルニアがあります。
https://general.tane.or.jp/wp-content/themes/general/assets_2024/images/hospital/journal/08/06.pdf

e その通りです。

41,

正解:c,e

Flank stripeは後腎傍腔の脂肪層を指します。腹水貯留があると傍結腸溝が広がり、flank stripe signを呈します。

後腎傍腔は前方で腹膜前脂肪層と連続するため、正解はc,eとなります。

(引用)臨床画像Vol32  No14,よクウわかる腹膜腔・後腹膜腔の画像診断

42,

正解:d

a: 発泡剤はバリウムの後に内服させます。

b: バリウム飲用後、右回り動作を行います。

c:右側臥位二重造影は**胃底部(穹窿部)**の評価を目的としています。

 d: ○

e:第二斜位は左前と覚えました。

参考:胃と腸 38巻 8号 pp. 1189-1192(2003年07月),medicina 40巻 12号 pp. 312-315(2003年11月)

43,

正解:c

von Hippel-Lindau病は、内臓病変としては褐色細胞腫、腎嚢胞、腎細胞がん、膵嚢胞、膵腫瘍、精巣上体乳頭状嚢胞性腺腫、中枢神経病変としては血管芽腫が診断基準に含まれます。その他、前庭水管の内リンパ嚢腫、網膜血管腫、肝血管腫がみられます。

44,

正解:a

前立腺癌

a.高信号に描出されます。

b.1500s/mm2以上が有用とされます。

c.特にそのような報告は見つけられませんでした。

d.一般的に前立腺癌でADC値は低下しますが、PSAのようなカットオフ値は設定されていません。

e.隣接する直腸ガスの影響を強く受けるので、検査前日に下剤を内服させる施設もある様です。

(参考)多智花他 当院の前立腺癌におけるcomputed DWIの画像特性の評価

45,

正解:a

ガイドラインCQ4より。

http://jsco-cpg.jp/guideline/25.html

46,

正解:a

精巣腫瘍取扱い規約 第4版(2018)に記載があります。領域リンパ節は、傍大静脈LN、大静脈前LN、大動静脈間LN、大動脈前LN、傍大動脈LN、右上腎門部LN、左上腎門部LN、右腸骨LN、左腸骨LN、腸骨間LN、右性腺静脈LN、左性腺静脈LN、大静脈後LN、大動脈後LNです。

47,

正解:d

異所性妊娠で着床が多いのは卵管膨大部です。

48,

正解:b,e

卵黄嚢腫瘍は多血性で、出血を反映したT1強調像高信号がみられます。

硬化性間質性腫瘍もVEGF発現を反映して多血性で早期濃染、flow voidがみられます。

参考:レジデントセミナー2023 婦人科レジュメ、ジェネラリストのための画像診断マニュアル p.669,671

49,

正解:b

卵巣腫瘍の鑑別の論文(PMID: 26671276)では、Brenner腫瘍で石灰化が特徴とされています
(80%ともhttps://trc-rad.jp/case/382/s8/382_8_2.html)。

その他、漿液性乳頭状腺癌(serous cystadenocarcinoma)は、病理で砂粒小体(psammoma body)がみられることがあり、CT上も高吸収を呈することがあるようです。https://doi.org/10.15105/GZ.0000000246

奇形腫でも石灰化はみられます。

50,

正解:d

月経周期と内膜、筋層の関係についての問題です。

月経期に内膜は菲薄化、筋層はT2WIでややlow、Junctional Zoneは不明瞭化します。

増殖期では内膜はやや肥厚、筋層はややhign。

分泌期に内膜肥厚は最大化、筋層は高信号に描出されます。

51,

正解:e

a: エタノールは経皮的門脈塞栓術、腎腫瘍やAVMに対する塞栓術、PEIT等で使用されます。

b: リピオドールはリンパ管造影で使用されます。

c: 血管塞栓用プラグは動静脈奇形、瘤、動静脈瘻等の異常血管、 出血性病変、肝臓腫瘍等に使用されます。

d: 薬剤溶出性ビーズは子宮筋腫のUAE、髄膜種、多血性腫瘍のTAEで使用されます。

e: 〇

参考:レジデントセミナー2023 IVLレジュメ

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/381005_22600BZX00240000_A_01_04

52,

正解:b

日本IVR学会が出しているCVPに関するガイドラインを見てほしいのでしょうか。https://www.jsir.or.jp/about/guide_line/cvp/

a 鎖骨下静脈、内頚静脈、上腕・前腕静脈からの留置が一般的です。

b CVポートはヒューバー針/フーバー針と呼ばれる専用の針で穿刺します。調べても”注射針”という呼称はみつけられませんでした。

c 製品によっては25 psi以上の圧力がシステム内に加わった場合には破損の可能性があり、フラッシュに容量の小さなシリンジを用いた際には耐圧限度を超えた圧力が加わる危険性が高く、10mL容量以上のシリンジを用いることが望ましいそうです。製品によっては、CT造影時の造影剤高圧注入が可能です。

d ピンチオフは鎖骨下で周囲組織により挟まれることでカテーテルが断裂する事象です。鎖骨下静脈の穿刺で起こります。https://medisuke.jp/oncology/support/catheter-pinch-off

e フィブリンシースやカテーテル内血栓の診断にはポートからの造影が有用であり、壁在血栓や静脈血栓症には超音波検査や静脈造影が有用です。フィブリンシースは、まず中心静脈ポートから注入はできるが吸引できないときに疑い、ポートからの造影で診断します。

53,

正解:aorb

a相対的適応

b相対的適応

c禁忌

d禁忌

e適応外(“症状が薬物治療で制御困難”が治療適応)

(参照)IVRマニュアル第2版p175-177

a,b共に自験例があり、混乱しました。腺筋症の割合が高いと治療効果がイマイチと上司が言っていたのを思い出しました。

54,

正解:a

下行大動脈瘤は、頸部分枝から距離がある場合ステントグラフト治療が、第一選択になります。

参考:2020 年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン

https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/07/JCS2020_Ogino.pdf

https://www.m.chiba-u.ac.jp/dept/cvs-surg/disease/daikekkan/

55,

正解:a, e

参考文献:https://www.jsir.or.jp/docs/kouhoukara/PR_PDF/Q&A/16.pdfhttps://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/hoshasenka/senmon/disease03.html

a ○ アルゴンガスを使用します。

b × 痛みはほとんどありません。RFAでは疼痛を伴います。

c × 多発病変はよい適応です。

d × アイスボールの範囲はCTで低吸収域として認められます。
https://www.okayama-u.ac.jp/user/ivr-c/medical/cancer.html

e ○ 径4cm以下がよい適応です。

56,

正解:d

単光子放出核種は1本のγ線を放出する核種です。

SPECTで用いるものを選べば正解です。

PETで用いるCNOFは除外,Yもβ、γ線放出するから除外しました。

57,

正解:b

a: 18F-FDG:74-370MBq

b: 99mTC-ECD:370-740MBq

c: 99Tc-MAG3:200-600MBq

d: 123I-IMP:111-222MBq

e: 123I-MIBG:74-148MBq

参考:核医学ノート p84-85

https://www.nmp.co.jp/member/inter/pdf/T_FDG.pdf

58,

正解:a, c

参考文献:https://jsnm.org/wp_jsnm/wp-content/themes/theme_jsnm/doc/kaku_bk/1997/003408/03d/0572-0572.pdfhttps://radiological.site/archives/%E7%94%BB%E5%83%8F%E5%B7%A5%E5%AD%A6-%E7%94%BB%E5%83%8F%E5%86%8D%E6%A7%8B%E6%88%90%E6%B3%95.html

Chang法、Transmission CT法:吸収補正

Triple energy window法:散乱補正

OSEM法:再構成法

Patlak plot法:定量法

59,

正解:

Gaシンチは48-72時間後に撮影です。

患者さんが翌日も来ていたのを思い出しました。

60,

正解:b

a: Lewy小体型認知症では後頭葉の血流は相対的に低下します。視覚野が弱くなるので幻視が出現すると理解しています。

b: 〇。脳血流が上昇/低下する病態は頻出問題なので確実に抑えましょう。

c: Alzheimer型認知症では一次感覚運動野の血流は保たれます。頭頂連合野、側頭連合野、後部帯状回、楔前部の血流が低下します。

d: アミロイド蓄積がないからといってLewy小体型認知症は否定はできません。

e: こちらも頻出です。Parkinson病では尾状核頭のドパミントランスポーター分布密度が低下します。

https://www.nmp.co.jp/member/ninchisho/point/03.html

61,

正解:b

抗アミロイド抗体疾患修飾薬が承認(2023年9月25日)され、今年の試験のヤマでしたね。

アミロイドPETガイドライン:https://jsnm.org/archives/655/

62,

正解:d

ソマトスタチンシンチIn1111-pentetreotideは大部分が尿中排泄で、投与量は111Mbqです。

ソマトスタチンは標的細胞のSSTRに結合することで活性を示しますが、SSTRは膵頭部や膵鉤部で多く発現しており、生理的集積が見られます。

(参考)岸田ほか ソマトスタチン受容体シンチグラフィーで集積を来した腎癌膵転移の一例

63,

正解:a

a:〇

b:99mTC-HMDP:骨シンチ

c: 99mTc-MAA:肺血流シンチ

d: 123I-IMP:脳血流シンチ

e: 123I-iomazenil:脳ベンゾジアゼピン受容体シンチグラフィ

64,

正解:c

副腎髄質シンチは交感神経終末細胞の中のクロム親和性細胞へ特異的に取り込まれる123I-MIBG(ノルアドレナリンに類似)を用いて、褐色細胞腫・パラガングリオーマや神経芽腫、甲状腺髄様癌、カルチノイドなどを描出する検査です。131Iもβ線(治療用)に加えγ線を放出するため、イメージング可能です。

a × そもそもα線はイメージングには用いられません。123Iは159keV のγ線を放出します。

b × 脂肪酸代謝を反映するのは123I-BMIPPです。

c ○

d × コレステロール類似物質を投与するのは副腎皮質シンチ(131I-アドステロール)です。

e × 静注後、概ね6時間後および24時間後に撮影します。

65,

正解:b

a腎静態

b腎動態 GFR測定

c脳血流

d蛋白漏出

e腎動態 ERPF

66,

正解:a

a: 〇

b: 99mTc-HSA:心動態シンチ、精巣シンチ

c: 99mTc-MAA:肺血流シンチ

d: 99mTc-MAG3:腎血流シンチ

e: 99mTc-PMT:胆道シンチ

67,

正解:b

a × MAAは粒子が肺毛細血管に物理的にトラップされます。がん微小環境のがん関連線維芽細胞(CAF)のイメージングにFAPI-PETがあります。

b ○ DMSAは尿細管上皮細胞に取り込まれます。

c × MIBIは受動拡散で細胞外液から陽イオンとして心筋細胞内に取り込まれ,負の電荷を帯びたミトコンドリア内に取り込まれます。K(カリウム)と類似した体内挙動を示し、正常心筋で心筋細胞膜のNa+‐K+ポンプを介した能動輸送により心筋細胞内に取り込まれるのはTl(タリウム)です。心筋シンチにおける薬剤毎の特徴ですね。

d × フィチン酸(phytate)は肝・脾のシンチ(網内系への取り込みを利用)や、センチネルリンパ節シンチ(間質液やリンパ液中のカルシウムイオンとキレート化合物をつくり、コロイド化してセンチネルリンパ節に到達し、当該部位に捕捉される)で使われます。アシアロ糖蛋白受容体に結合するのはGSA(肝受容体シンチ)です。

e × PMTは血中から肝細胞に取り込まれたのち胆道系に排泄され、胆道シンチとして利用されます。アミノ酸トランスポーターを介した取り込みを利用した検査として、フルシクロビンPETがあり、アキュミン®が2024年7月から発売となっています。初発の悪性神経膠腫に対する腫瘍摘出範囲決定の補助に用います。

68,

正解:b

脳血流SPECTで血流低下をきたすものはこの中ではparkinsonのみです。

69,

正解:c,d

α線放出核種

223Ra 静注:骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌

β線放出核種

131I 内服:分化型甲状腺癌, バセドウ病

177Lu 静注:神経内分泌腫瘍

90Y 静注:悪性リンパ腫

89Sr 静注:2019年に製造中止 骨転移疼痛緩和

参考:核医学ノート第6版 p.340

70,

正解:a

塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いる内用療法の適正使用マニュアル
https://www.jrias.or.jp/report/pdf/Ra-223manual_v1-2.pdf

a × 静脈内投与後、血中から速やかに消失して骨に分布し、小腸壁を介して腸管内に排出されます。主要排泄経路は糞便中であり、尿中排泄率は極めて低いです。投与後1週間以内で投与量の約63%は便を介して体外へ排出されます。これがわかれば解けた問題ですね。

b ○ 添付文書(https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00066287.pdf)では重大な副作用として骨髄抑制が記載されています。

c ○ 繰り返し出題されています。症候性骨転移を有するCRPCを対象とした海外のプラセボ対照無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験(ALSYMPCA:ALpharadin in SYMptomatic Prostate CAncer 試験)において、主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長効果が確認されており、副次評価項目であるALPの変化率及び増悪までの期間、症候性骨関連事象(SSE)発現までの期間、PSAの変化率及び増悪までの期間なども有意に改善しました。

d ○ ライン確保し、血液の逆流を確認した後に側管から薬液を約1分間かけてゆっくりと注入し、20mLを目途に生理食塩液でフラッシュします。

e ○ 妊孕性への影響 に関して、「放射性医薬品のため、本剤投与中及び投与後6ヵ月間は適切な避妊を行うよう指導すること。また、生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること。」とあります。

71,

正解:a

BEDは異なる線量分割の効果を比較するのに用いられ、BED=D(1+d/α/β)で、α/βが正解です。

72,

正解:c

炭素線は高LET(重度のアル中:重粒子線(炭素イオン線)、α線、中性子線)で与えるエネルギーが大きく、小さなこと(細胞周期、酸素効果、亜致死障害からの回復、潜在的致死障害からの回復)には左右されないと覚えました。

73,

正解:d

声門癌、食道癌、肺癌、前立腺癌はいずれも早期癌が根治的放射線治療の適応になりますね。

胃ではⅠ期MALTリンパ腫が放射線単独治療の適応となります。

74,

正解:c 

2022年90番

悪性腫瘍以外の放射線治療適応疾患ではケロイド、甲状腺眼症、翼状片、血管奇形、脾腫などです。

75,

正解:c,d

密封小線源治療の種類は使用核種と合わせて押さえましょう。

  • 腔内照射:体腔内に線源を挿入

子宮頸癌192Ir(高線量率)

RALS:(Remote After Loading System)

  • 組織内照射:組織内刺入針を刺入

舌癌192Ir(一時刺入)

前立腺癌192Ir, 125I(永久刺入, 低線量率)

口腔癌198Au(永久刺入)

  • モールド:線源を埋め込んだ治療器具を患部装着

口腔癌198Au

76,

正解:c

全部大事やないかいと全受験生が思ったことでしょう。

緩和的放射線治療のそもそもの目的はがんによる苦痛の低減であり、特に患者の全人的苦痛へしっかり配慮しましょうと言いたいのでしょうか。

77,

正解:b 

類題2023年76番、2022年77番

脳腫瘍と照射範囲の問題は頻発です。

a局所

c全脳室

d局所

e全脳

78,

正解:d

膠芽腫の寡分割照射は40Gy/15Fr/3週が推奨されます。

参考:放射線治療計画ガイドライン2020 p.71

79,

正解:b

甲状腺癌では根治的化学放射線療法は行われません。

80,

正解:a

選択肢の中で原発巣のみを照射するのは声門癌のみです。

他はリンパ節領域を含みます。

81,

正解:b

単発坐骨転移に対して全骨盤照射は照射野が広すぎます。

全骨盤照射の適応は子宮頸癌の根治的照射、子宮体癌の術後照射等です。

82,

正解:c

放射線治療計画ガイドライン(2020)を参照しました。

a × 近年の臨床試験データのメタ解析や登録症例のプール解析では、切除不能局所進行癌でも、予防的リンパ節照射(elective nodal irradiation: ENI)を省いて、GTVに限局した照射野(involved field radiation therapy: IFRT)で照射しても治療成績に差は認められず,むしろIFRTの方が予後良好な傾向が示されています。

b × 対側肺門リンパ節転移を除くⅢB、ⅢC期の局所進行癌は根治的放射線治療の適応となります。

c ○?

d × 同時化学放射線療法後に、デュルバルマブによる地固め療法を行う。

e × SBRTは5cm以内でリンパ節転移のない原発性肺癌に適応があります。

83,

正解:c

乳癌術後照射の絶対的禁忌を抑えれば解答できます。

相対禁忌は
背臥位で患肢挙上不能
活動性強皮症やSLE
同一部位への最照射
Li Fraumeni(TP53の生殖細胞系列病的バリアント保持者)
絶対禁忌が妊娠中
ホモ接合性ATM病的バリアントです。

BRCAについては全摘推奨だが、部分切除+照射も選択しても良いとされています。

84,

正解:c

割れていましたが、腫瘍床部に当たっていなければ再発予防目的の術後照射の意味がないと思い、cと考えます。

85,

正解:e

a × 扁平上皮癌が60-80%です。

b × 肛門管の上部にできる癌は比較的女性に多く、肛門縁にできる癌は男性に多いようです。

c × 大部分の症例で肛門温存が可能です。

d × リンパ節領域は内腸骨LN、外腸骨LN、閉鎖LN、直腸周囲LN、仙骨前LN、鼠径LNです。

e ○ 併用化学療法はマイトマイシンC+5-FUが標準です(RTOG 9811: OS: MMC+5FU群>CDDP+5-FU群)。

86,

正解:b

胸部食道癌において、鎖骨上リンパ節転移は遠隔転移と見なされます。

正直全てカバーすることは困難ですが、TMN分類ではステージの境目やM1になるものが良く問われている印象です。

87,

正解:d,e

ガイドライン通りです。

参考:放射線治療計画ガイドライン2020 p.277

88,

正解:c

日産婦2020・FIGO2018において、膣壁浸潤が膣壁上2/3に限局し、子宮傍組織浸潤がみられないものはⅡA期です。その中で、腫瘍最大径が4cm以下はⅡA1期です。

89,

正解:bc

晩期有害事象は主要なものについては耐容線量と合わせて覚えましょう。

a.過去問でも子宮頸癌の有害事象でひっかけ選択肢として出題されていました

b血便などを来します。頻度は1-3%以下です。

c血尿などを来します。頻度は5%以下です。

d記載は見つけられませんでした。

e迷いましたが、IMRTで骨折をきたすほどの線量が照射される可能性は低いと思いました。

90,

正解:b

a: 限局期MALTリンパ腫は低悪性度リンパ腫で放射線治療単独で治癒や長期間寛解が得られます。

b: 〇

c: 低悪性度濾胞性リンパ腫も低悪性度リンパ腫で放射線治療単独で治癒や長期間寛解が得られます。

d: 古典的Hodgkinリンパ腫は基本的にすべてで化学療法が施行されます。

e: 限局期結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫は放射線単独療法が標準的です。

参考:放射線治療計画ガイドライン2020 p.306,312

91,

正解:d

体積1/3の耐容線量TD5/5は

肝(肝不全):50Gy

肺(放射線肺炎):45Gy

小腸(閉塞・穿孔):50Gy

大脳(脳壊死):60Gy

視神経(失明):50Gy

92,

正解:c

レジデントセミナーの放射線生物学のコマでも説明ありました。

アブスコパル効果は放射線治療により照射範囲外の腫瘍にも抗腫瘍効果が見られるものをさし、腫瘍細胞からの抗原放出、樹状細胞への抗原提示と、抗原提示を受けたT細胞による腫瘍殺傷のimmunity cycleが知られています。

(参考)高橋他 基礎的観点から見た腫瘍免疫に対する放射線の役割

93,

正解:a,d

放射線治療の4R

Repair/Recovery(修復/回復)→•亜致死障害の回復は正常細胞>腫瘍細胞で起こるため、分割照射が有効です。

Redistribution/Reassortment(再分布/再集合):照射によるG2/Mチェックポイント活性化 → 放射線高感受性のG2/M期に細胞が蓄積 → この時に次の照射を行うと効果大=抗腫瘍効果が高まる

Reoxygenation(再酸素化):照射により有酸素細胞が死滅 → 低酸素細胞に酸素が届き有酸素細胞化 → 放射線感受性が上昇→抗腫瘍効果が高まる

Repopulation(再増殖): 照射期間が延びると、腫瘍組織に占める放射線抵抗性の癌幹細胞の割合が増え、腫瘍制御には理論上よりも多い線量が必要となる

参考:レジデントセミナー2023 放射線生物学 レジュメ

94,

正解:a

通常の悪性腫瘍では増殖が速く、α/β比が高いですが、前立腺癌をはじめとした一部の腫瘍ではα/β比が小さいことが知られてきました。α/β比が1.5の腫瘍と3の正常組織は、前立腺癌と膀胱の関係に相当し、前立腺癌で寡分割照射が行われることから、正答することができると思います。

95,

正解:e

ウェッジフィルタは線量分布の不均一性改善に使用され、線量分布の傾きに応じて15,30,45,60度のフィルタが用いられます。

(参考)滝口他 一般撮影領域のDRL

96,

正解:e

1MeV前後でのX線と水の相互作用ではCompton散乱が最も起こります。

参考:https://radiological.site/archives/光子と物質の相互作用.html

97,

正解:c

MRIにおいて、SE(スピンエコー)・GRE(グラジエントエコー)法では、位相方向にフローアーチファクト・モーションアーチファクト、周波数方向にchemical shiftアーチファクトが生じます。EPI法では位相方向にchemical shiftアーチファクトが生じます。

横断像では大動脈のアーチファクトはフローアーチファクトが特に問題となります。

98,

正解:d

MRI検査ではMR装置から特定の周波数のラジオ波(RF)が送信されると水素原子核が核磁気共鳴を起こしRFを放出する仕組みです。

(引用)MRI一問一答p24.

99,

正解:c

a:×年齢は当然考慮されます。

b:×自動露出制御機構(AEC)を使用することで被ばく量を減らします。

c:〇できるだけ被ばく量を減らしたいのでこちらが正解になります。

d:×放射性医薬品の投与量を増減してしまうと適正な画像が得られません。

e:×小児への放射性医薬品投与は成人投与量を 基準とするのではなく、患児の体重に基づき直接算出する欧州核医学会の指針に準じると記載があります。

参照:小児核医学検査適正施行のコンセンサスガイドライン2020 ****https://jsnm.org/wp_jsnm/wp-content/uploads/2019/03/小児核医学検査適正施行のコンセンサスガイドライン2020.pdf

100,

正解:c

妊婦の急性腹症において、検査の第一選択は超音波です。

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.15105/GZ.0000001153

101,

正解:C

 放射線領域の関連法規は例年数題、まあまあ細かいところまで聞かれている印象です。

造影剤静脈投与さえ医師が行う病院で勤務していたため、どれも不正解に見えてしまいました。

2021年5月21日に
「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案」が成立しました。
これには診療放射線技師法の改正も含まれており上記法律案の成立により、2021年10月1日より新たな診療放射線技師法が施行されました。

診療放射線技師の新たな業務内容
1. 造影剤を使用した検査やRI検査のために、静脈路を確保する行為、RI検査医薬品の投与が終了した後に抜針及び止血を行う行為
2. RI検査のために、RI検査医薬品を注入するための装置を接続し、当該装置を操作する行為
3. 動脈路に造影剤注入装置を接続する行為(動脈路確保のためのものを除く)、動脈に造影剤

を投与するために当該造影剤注入装置を操作する行為
4. 下部消化管検査(CT コロノグラフィ検査を含む)のため、注入した造影剤及び空気を吸引する行為
5. 上部消化管検査のために挿入した鼻腔カテーテルから造影剤を注入する行為、当該造影剤の投与が終了した後に鼻腔カテーテルを抜去する行為
6. 医師又は歯科医師が診察した患者について、その医師又は歯科医師の指示を受け、病院又は診療所以外の場所に出張して行う超音波検査 

(引用)https://sensitiv.jp/radiological-technologist221020/

102,

正解:e

以下サイトを参考にしてください。

過剰相対リスクは乳癌が一番高いですが、症例数としては胃癌が最多です。

https://www.rerf.or.jp/programs/roadmap/health_effects/late/site/

https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h29kisoshiryo/h29kiso-03-07-02.html

103,

正解:a, b

a ○ 実効線量は通常、単年度で50mSv、5年で100mSvが線量限度です。

b ○ 手指の被ばくが体幹部(胸部、腹部)より多く被ばくする可能性のある場合はリングバッジの装着が推奨されます。https://www.nagase-landauer.co.jp/luminess/ring-badge.html

c × 妊娠可能女性の5mSv/3ヶ月の線量限度は、本人の申し出により除外申請が可能です。妊娠中の線量限度は除外できないのではないでしょうか。

d × 個人線量計は、測定値を直読できるアクティブ形と測定後に読取装置にて指示値を読み取るパッシブ形の2種類に分類されます。直読式のものであれば、一定期間ごと、あるいは作業ごとに、被ばくの程度を自分で確認することができますが、必須ではないと思われます。https://www.jemima.or.jp/tech/6-03-02-06.html

e × 医療法施行規則第30条の18に、「病院又は診療所の管理者は、…放射線診療従事者等が被ばくする線量が第30条の27に定める実効線量限度及び等価線量限度を超えないようにしなければならない。」と記載があります。

104,

正解:b

この問題についてはもはや放射線科領域ですらないなと思いました。 

要配慮個人情報

本人の人種、信条、社会的身分、病歴(身体・知的・精神障害、健康診断/遺伝子検査結果、保健指導、診療・調剤情報など)、前科・前歴、犯罪被害情報のほか、本人に不当・偏見が生じないよう、特に配慮が必要な情報。
被疑者または被告人として逮捕、捜索等、刑事事件に関与した場合(結果として無罪となった場合も含む)や少年の非行(疑いを含む)により保護処分等の少年保護事件手続が行われたものも該当する。
2017年5月30日に全面施行となる「改正個人情報保護法」で規定が新設された。
要配慮個人情報の取得にあたっては、あらかじめ本人の同意が必要となり、オプトアウトによる第三者提供はできない。

(引用)https://www.jipdec.or.jp/library/word/u71kba0000007b2g.html

以下Swing追加分です。

105,

正解:c

a:× HIS=病院情報システム(Hospital Information System)

b:× IHE=*医療連携のための. 情報統合化プロジェクト(*Integrating the Healthcare Enterprise)

c:〇

d:× RIS=放射線科情報システム(Radiology Information System)

e:× PACS=医用画像管理システム (Picture Archiving and Communication Systems)

参考:https://3zweb.co.jp/support/words.html

https://www.ihe-j.org/basics/