この年度の出題傾向
2008年度の掲載100問を分野別に整理すると、画像診断55問(55.0%)、放射線治療15問(15.0%)、核医学15問(15.0%)、共通15問(15.0%)です。放射線治療の割合は、2005〜2025年の年平均より5.2ポイント低い構成です。テーマ例として、骨腫瘍・軟骨芽細胞腫の骨端好発、放射線感受性・胚腫とセミノーマ、負荷心筋検査・ドブタミンの作用機序を扱います。
2005〜2025年度の掲載解説を一問一分野で集計。平均は年度別構成比の単純平均です。公式配点や将来の出題数、正答率に基づく難易度を示すものではありません。
放射線科専門医・2008年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月18日:全100問を改訂しました。解答例は非公式です。問15・66・67・76・82は、資料の時点や選択肢の解釈により正解を一意に確定できない理由を記載しています。問26は出題当時の条件と現行の治療計画を区別しています。
解答作成にご協力いただいたSonic先生に感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
問題番号から選ぶ
放射線科専門医試験 2008年度 問1
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問1
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
体内の相互作用から散乱光子が生じる。
b|正しい
照射体積が増え散乱線が増える。
c|正しい
方向選択により散乱光子を除去する。
d|誤り
フィルムでは散乱線も感光を増やすため黒化度上昇とコントラスト低下を来す。
e|正しい
air gapで散乱光子が受像面から外れる。
判断のポイント
散乱線は画像形成に不要な露光を加え、フィルムではかぶりとコントラスト低下を生じさせる。黒化度が低下するという説明とは区別する。
鑑別・注意点
グリッドやエアギャップは検出器に達する散乱線を減らす方法である。デジタル画像の表示輝度は画像処理で調整されるため、フィルムの黒化度と同じように線量の大小を読まない。
放射線科専門医試験 2008年度 問2
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問2
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|正しい
積算線量を減らす基本策である。
b|正しい
照射体積と散乱線を減らす。
c|誤り
通常線量率を上げ皮膚線量増加につながる。
d|誤り
線源皮膚間距離が短くなり入射線量が増える。
e|正しい
必要出力を下げるため受像器は患者へ近づける。
判断のポイント
透視拡大の多用やX線管を患者に近づける配置は、患者線量を増やす方向に働く。必要な画質を保ちながら照射時間・照射野を抑え、検出器を患者に近づける。
鑑別・注意点
患者の医療被ばくには職業被ばくのような線量限度を当てはめない。検査・治療の正当化と最適化が基本で、時間だけで線量を評価せず撮影条件や収集回数も見る。
放射線科専門医試験 2008年度 問3
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問3
解答例:a、c
選択肢別の解説
a|正しい
診断を受ける患者の意図的被ばくである。
b|誤り
施術者の職業被ばくに区分する。
c|正しい
自発的な介助・慰撫の被ばくは医療被ばくに含める。
d|誤り
職業として扱う廃棄物処理の被ばくである。
e|誤り
職業上の測定作業による被ばくである。
判断のポイント
診療を受ける患者自身の被ばくに加え、業務としてではなく自発的に患者を介助・支援する人の被ばくも医療被ばくに含まれる。診療や測定を仕事として行う人の被ばくは職業被ばくに分ける。
鑑別・注意点
付き添いなら無条件に線量を許容するという意味ではない。介助者にもリスクと防護方法を説明し、役割に応じて被ばくを抑える。
放射線科専門医試験 2008年度 問4
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問4
解答例:a、c
選択肢別の解説
a|正しい
診断計数を保つ範囲で体格別投与量を選ぶ。
b|誤り
適応と最適化で管理し一律回数制限を設けない。
c|正しい
透視中も必要範囲へ絞る。
d|誤り
MRIは電離放射線を使わず同日禁止の根拠でない。
e|誤り
拡大は必要時に限定し多用を低減策としない。
判断のポイント
患者の体格と診断目的に応じて投与放射能や撮像条件を調整し、必要な範囲に照射野を絞る。検査回数を年何回までと一律に決める方法は、必要な診療を判断する基準にならない。
鑑別・注意点
投与量は体重だけで自動的に決めず、年齢、製剤、撮像装置、必要画質と指針を考慮する。MRIは電離放射線を使わず、CTと同日に行うこと自体は放射線防護上の禁止理由ではない。
放射線科専門医試験 2008年度 問5
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問5
解答例:d(代表的なしきい線量の下限として)
選択肢別の解説
a|誤り
形態異常の代表閾値より十分低い。
b|誤り
通常の形態異常閾値の代表ではない。
c|誤り
本比較で用いる代表下限より低い。
d|条件・比較に注意
発生時期・障害により約100〜200mGy等を目安とし、100mGyは代表的下限となる。
e|誤り
組織反応を来し得る線量だが代表下限の回答ではない。
判断のポイント
形態異常についての防護上のしきい線量は約0.1 Gy(100 mGy)として整理され、dが想定される。感受性が高いのは受精後3〜8週の主要器官形成期であり、全妊娠期間の影響を一つの境界線量で説明しない。
鑑別・注意点
形態異常、発育・神経発達への影響、発癌は分けて説明する。100 mGy未満を放射線リスクだけで妊娠中絶の理由にしないという勧告も、あらゆる影響が完全にゼロという意味ではない。
放射線科専門医試験 2008年度 問6
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問6
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|正しい
空気の電離電荷/質量をC/kgで表す。
b|誤り
吸収線量はGyで、Rは照射線量の旧単位である。
c|正しい
放射線加重した線量をSvで表す。
d|誤り
単位質量等あたりなのでBq/gやBq/mol等の分母が必要である。
e|正しい
質量で規格化した面積の単位になる。
判断のポイント
吸収線量のSI単位はGyで、1 Gyは1 J/kgに等しい。比放射能は単位質量当たりの放射能であり、Bq/kgなど質量で割った単位を使う。Rは照射線量の旧単位である。
鑑別・注意点
放射能Bqと吸収線量Gy、等価線量Svは別の量を表す。照射線量はC/kg、質量エネルギー吸収係数は面積を質量で割ったm²/kgで表す。
放射線科専門医試験 2008年度 問7
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問7
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
中性子は二次荷電粒子を介する間接電離である。
b|誤り
光子は二次電子を介して電離を起こす。
c|誤り
αは荷電粒子で直接電離する。
d|正しい
光子から反跳電子にエネルギーが移る間接電離の過程である。
e|正しい
荷電粒子自身の電場で軌道電子を放出させる。
判断のポイント
光子はコンプトン散乱などで電子へエネルギーを渡し、その電子が周囲を電離する。荷電粒子は物質中の電子とのクーロン相互作用により直接電離を起こす。
鑑別・注意点
中性子とX線は非荷電のため間接電離放射線に分類する。α線は荷電粒子である。これは放射線の物理的分類であり、DNA損傷の直接作用・間接作用という生物学的分類と混同しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問8
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問8
解答例:b、c(cは酸素固定説として解釈)
選択肢別の解説
a|誤り
低LETでもDNAへの直接作用はある。
b|正しい
一般に哺乳類細胞はウイルスより低い線量で機能を失う。
c|条件・比較に注意
酸素固定説として損傷を化学的に固定する意味である。全ラジカル寿命が一律延びるとはしない。
d|誤り
低LETでの間接作用に対する防護の寄与が大きい。
e|誤り
固形腫瘍内の低酸素等によりむしろ抵抗性となり得る。
判断のポイント
哺乳類体細胞は一般にウイルスより放射線に弱い。酸素効果はDNA上のラジカルと酸素の反応により損傷が固定され、還元による回復が妨げられる機序で説明される。
鑑別・注意点
酸素が全てのラジカルの寿命を一律に延ばす、とだけ説明すると不正確になる。低LETでも直接作用は存在し、固形腫瘍では低酸素細胞が放射線抵抗性の一因となる。
放射線科専門医試験 2008年度 問9
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問9
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
生殖細胞が行う分裂で、照射による一般細胞の損傷応答ではない。
b|正しい
チェックポイント活性化により細胞周期が停止し得る。
c|正しい
損傷応答として細胞死を起こし得る。
d|正しい
二本鎖切断への修復経路である。
e|正しい
二本鎖切断修復の主要経路である。
判断のポイント
DNA損傷に対して細胞周期チェックポイント、アポトーシス、相同組換えや非相同末端結合による修復が働く。減数分裂は生殖細胞が配偶子を形成する過程で、こうした損傷応答とは異なる。
鑑別・注意点
すべての細胞で同じ応答が起きるわけではなく、細胞周期や修復機構の状態に左右される。修復機構が働くことと、損傷が必ず正確に修復されることは別である。
放射線科専門医試験 2008年度 問10
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問10
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
RBEは一定LETまで増すがoverkillで比例関係は続かない。
b|誤り
LETは単位距離あたりのエネルギー、通常keV/μmである。
c|正しい
高LETでは酸素依存性が小さくなる。
d|誤り
通常は減速して終端へ近づくとLETが高くなる。
e|正しい
SOBPでは一般に遠位側でLETが高くなる。
判断のポイント
高LETでは酸素濃度による感受性差が小さくなる。炭素線の拡大Braggピークでは一般に近位側より遠位側でLETが高くなり、同じ領域内でも線質は一様ではない。
鑑別・注意点
LETの代表的単位はkeV/μmである。RBEはLETとともに無限に増えるのではなく、一定領域を超えると過剰なエネルギー付与により低下するoverkillがある。実際のLET分布はビーム構成や計画によって異なる。
放射線科専門医試験 2008年度 問11
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問11
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
直接・間接作用で塩基を傷害する。
b|条件・比較に注意
架橋の種類・複雑性で修復性は変わり、ほぼ完全という一般化は留保する。
c|正しい
単純な一本鎖切断は通常高効率に修復される。
d|誤り
薬剤・酸化ストレス・複製等でも生じ、放射線に特有でない。
e|正しい
相同組換え等の利用可能性が周期に依存する。
判断のポイント
DNA切断は電離放射線に固有の現象ではない。薬剤や内因性の代謝・複製過程などによっても生じ、損傷に応じた修復経路が働く。
鑑別・注意点
一本鎖切断や架橋が常に完全に修復される、と一般化しない。複雑な損傷や集簇した損傷では修復が難しく、誤修復も起こり得る。二本鎖切断の修復経路には細胞周期による違いがある。
放射線科専門医試験 2008年度 問12
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問12
解答例:a、b(定義式上の比較)
選択肢別の解説
a|正しい
病者内の陽性率という定義で有病率を直接含まない。
b|正しい
非病者内の陰性率という定義である。
c|誤り
感度・特異度に加え集団の有病率で変わる。
d|誤り
陽性者中の病者率は事前確率で変わる。
e|誤り
陰性者中の非病者率も有病率で変わる。
判断のポイント
感度は病気のある人の中での陽性割合、特異度は病気のない人の中での陰性割合である。有病率を直接使う陽性・陰性適中度や全体の正診率と区別する。
鑑別・注意点
有病率の異なる現実の集団では、重症度や患者構成、紹介経路なども変わり、感度・特異度の実測値が変化することがある。有病率に関係なく常に同じ数値になるという意味ではない。
放射線科専門医試験 2008年度 問13
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問13
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
X線発見より200年早い。
b|誤り
発見より100年早い。
c|誤り
発見より50年早い。
d|正しい
Röntgenが1895年に発見した。
e|誤り
発見より50年後である。
判断のポイント
RöntgenがX線を発見したのは1895年である。その業績に対して1901年の第1回ノーベル物理学賞が授与された。
鑑別・注意点
発見年と受賞年は異なる。発見、装置の設置、臨床での初使用はそれぞれ別の出来事として年表を整理する。
放射線科専門医試験 2008年度 問14
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問14
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
電離等の後に生体分子反応が進む。
b|誤り
物理的励起・電離に続くラジカル反応等である。
c|正しい
最初に極短時間の励起・電離が起こる。
d|誤り
その後に細胞・組織応答として現れる。
e|誤り
症状として現れるより前に物理・化学反応が起きる。
判断のポイント
最初に放射線によるエネルギー付与、電離・励起などの物理的過程が生じる。その後、化学反応、分子・細胞の応答、組織・臓器の影響へとつながる。
鑑別・注意点
細胞や組織に現れる影響の潜伏期間と、最初の物理的相互作用の時間尺度を分けて考える。反応は連続して進むため、各段階の境界が常に明瞭という意味ではない。
参考文献
放射線科専門医試験 2008年度 問15
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問15
解答例:保留(旧解答cは年の整合性を確認できない)
選択肢別の解説
a|条件・比較に注意
法則の発表は通常1906年とされ1933年の組合せは合わない。
b|条件・比較に注意
最初のサイクロトロンは1930年代で1952年ではない。
c|条件・比較に注意
臨床リニアック初治療は1953年等の史料があり1952年固定を要確認とする。
d|条件・比較に注意
分類の原典・版年を確認し1988年を断定しない。
e|条件・比較に注意
重粒子線臨床は1950年代等からあり1995年初とはしない。国内炭素線開始年とも別である。
判断のポイント
旧解答はリニアックの初回癌治療を1952年としていた。しかしAAPMの歴史資料はHammersmith病院の初回患者治療を1953年と記載し、British Institute of Radiologyは1952年を装置の設置年としている。
鑑別・注意点
設置年と初回治療年を混同しない。今回確認した資料から旧解答cを確定正解として維持できず、他の選択肢へ推測で変更もしない。公式解答や出題側の資料による確認が必要である。
放射線科専門医試験 2008年度 問16
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問16
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
胚腫は高感受性腫瘍の代表である。
b|誤り
通常の光子分割には相対抵抗性がある。
c|誤り
通常分割への相対抵抗性と高線量定位の効果を分ける。
d|正しい
精上皮腫は高感受性の代表である。
e|誤り
通常分割に対し相対抵抗性とされる。
判断のポイント
中枢神経胚腫と精巣セミノーマは放射線感受性の高い代表的な腫瘍である。組織型による感受性の違いを問う問題である。
鑑別・注意点
高感受性でも同じ治療を行うわけではない。精巣原発では高位精巣摘除術が基本で、病期に応じて監視療法などを選ぶ。胚腫では播種の有無や薬物療法を踏まえて照射範囲を決める。
放射線科専門医試験 2008年度 問17
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問17
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
約59日である。
b|誤り
約8日である。
c|誤り
約30年である。
d|誤り
約74日である。
e|正しい
約2.7日で最も短い。
判断のポイント
198Auの物理的半減期は約2.7日で、この比較の中で最も短い。131Iは約8日、125Iは約60日、192Irは約74日、137Csは約30年である。
鑑別・注意点
核種固有の物理的半減期と、体内からの排泄を含む実効半減期を区別する。密封小線源の交換や線源強度の計算では物理的減衰を評価する。
放射線科専門医試験 2008年度 問18
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問18
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
正常組織合併症の発生確率を評価する。
b|誤り
腫瘍制御確率を評価し正常組織毒性そのものではない。
c|正しい
分割条件を生物効果へ換算し臓器障害評価にも使う。
d|正しい
歴史的な時間・線量分割の等価評価である。
e|正しい
α/β等を使って分割による毒性差を評価する。
判断のポイント
TCPは腫瘍制御確率を表す。正常組織の有害事象を表すNTCPとは、予測する対象が異なる。BEDやLQモデルは線量分割の生物学的効果を比較する際に用いる。
鑑別・注意点
モデル値は実測された患者個人の運命を確定する数値ではない。組織、評価する有害事象、線量分割、併用療法などの適用条件を確認する。TDFは歴史的な指標として区別する。
放射線科専門医試験 2008年度 問19
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問19
解答例:b、c(機能的構造の代表的分類)
選択肢別の解説
a|誤り
並列性が強く平均線量・体積を重視する。
b|正しい
局所狭窄が下流虚血につながる直列構造である。
c|正しい
一部の強い損傷でも重い機能障害となる。
d|誤り
機能肝体積・平均線量等が重要な並列型である。
e|誤り
機能単位の並列性が重要である。
判断のポイント
脊髄では一部の重要な区間の障害が全体の機能に大きく影響し、直列臓器として扱う。冠動脈も重要部位の狭窄や閉塞が下流の血流を障害するため、この分類では直列構造として整理する。
鑑別・注意点
肺・肝・腎は並列的な機能単位のモデルが有用である。ただし分類だけで線量制約は決まらず、臓器の部分構造、最大線量、平均線量や照射体積を具体的に評価する。心臓全体を一律に直列臓器と呼ぶのとは区別する。
放射線科専門医試験 2008年度 問20
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問20
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
線維化狭窄は通常晩期である。
b|誤り
通常は遅い直腸障害として評価する。
c|正しい
分泌低下・腫脹は照射早期から起こり得る。
d|誤り
通常数週〜数か月の潜伏を伴う。
e|誤り
通常照射後数週の亜急性症状である。
判断のポイント
頭頸部照射では唾液分泌の低下が照射開始後おおむね1週以内から現れ得る。食道狭窄や直腸潰瘍などの遅い障害と、発現時期を比較する。
鑑別・注意点
唾液腺障害は急性期だけでなく長期にも残り得る。傾眠症候群を慢性期の症候とする旧分類は修正する。頭蓋照射後の前向き研究では終了後11〜21日と31〜35日に眠気・倦怠感の周期を認め、発現時期には治療条件や対象による幅がある。
放射線科専門医試験 2008年度 問21
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問21
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
温熱は一般にS期等に強く、M期高感受性という放射線の性質と混同しない。
b|誤り
低酸素は低LET照射へ抵抗性をもたらす。
c|正しい
高LETにより一般にRBEが高い。
d|誤り
S後半は一般に放射線抵抗性である。
e|誤り
亜致死損傷等は修復され得る。
判断のポイント
重粒子線は低LETの光子と比べて高い生物学的効果を示す領域があり、RBEを考慮して線量を評価する。低酸素や細胞周期による感受性の違いも、低LETと同一ではない。
鑑別・注意点
RBEは粒子の種類やLETだけで一つの一定値になるわけではなく、組織、線量や評価項目でも変わる。S期後半は一般に低LET照射に抵抗性で、照射損傷には修復される成分もある。
放射線科専門医試験 2008年度 問22
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問22
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
適格なサイズ・部位の良性神経鞘腫で選択する。
b|正しい
根治化学放射線療法が確立している。
c|正しい
局所制御を高める目的で選択例に用いる。
d|誤り
甲状腺分化癌は通常I-131内用で、I-125永久挿入の代表でない。
e|正しい
頸癌小線源の代表的手法である。
判断のポイント
125Iシードを使う組織内照射は前立腺癌の代表的な小線源治療である。甲状腺癌で行う放射性ヨウ素内用療法とは、核種も投与方法も異なる。
鑑別・注意点
甲状腺癌の放射性ヨウ素治療には131Iを用い、病型・リスクなどで適応を決める。治療法と疾患の組合せは代表的適応の整理であり、すべての病期で同じ治療を選ぶという意味ではない。
放射線科専門医試験 2008年度 問23
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問23
解答例:d(精巣原発の初回治療として)
選択肢別の解説
a|正しい
根治照射が主要治療となる。
b|正しい
組織型に応じ縦隔精上皮腫等で照射を検討する。
c|正しい
限局MALT等は根治照射対象となる。
d|誤り
精巣原発の初回治療は通常高位精巣摘除で、原発精巣への根治照射ではない。
e|正しい
化学療法・TURBTと組み合わせ温存根治を目指し得る。
判断のポイント
精巣腫瘍の原発巣は通常、高位精巣摘除術で診断・治療する。セミノーマに放射線治療の役割があっても、精巣原発巣を根治照射することが標準の初回治療ではない。
鑑別・注意点
縦隔胚細胞腫瘍はセミノーマと非セミノーマで治療が異なるため、胚細胞腫全般を同じ放射線適応として扱わない。胃リンパ腫や膀胱癌も組織型・病期・全身状態に応じて治療を選択する。
放射線科専門医試験 2008年度 問24
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問24
解答例:c、d(緊急評価と治療選択が必要な病態として)
選択肢別の解説
a|誤り
瘻孔を照射で緊急閉鎖する標準ではなく、治療毒性と支持処置を考える。
b|誤り
緊急止血は通常塞栓等が優先される。
c|正しい
神経機能保存のため緊急に手術・照射等を選ぶ。
d|正しい
呼吸・循環障害の程度で緊急治療を行う。ステント・薬物療法等が優先の場合もある。
e|条件・比較に注意
骨安定性を評価し整形外科的固定等を先に検討する。
判断のポイント
腫瘍性脊髄圧迫は神経機能を失うおそれがあり、手術適応を含め迅速に評価する。上大静脈症候群も気道症状、脳浮腫や循環障害などの重症度に応じて緊急に対応する。
鑑別・注意点
どちらも全例で直ちに照射が第一選択になるわけではない。脊椎不安定性や骨折には固定・手術の評価が必要で、上大静脈症候群では組織診断、薬物療法、ステントなどを病態に応じて選ぶ。
放射線科専門医試験 2008年度 問25
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問25
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
完全切除pN1へ一律術後照射は標準でない。
b|誤り
N1病変を含む根治として原発だけの早期定位に置換しない。
c|誤り
PCIは全脳であり全中枢神経軸ではない。
d|誤り
通常IV期全体への標準治療は全身療法等である。
e|正しい
適格な上溝腫瘍で術前化学放射線から切除を行う。
判断のポイント
切除可能と判断される肺尖部胸壁浸潤癌では、術前化学放射線療法と手術を組み合わせる治療が重要である。切除可能性と病期を十分に評価して実施する。
鑑別・注意点
小細胞肺癌の予防的頭蓋照射は全脳を対象とする方法で、全脳全脊髄照射とは異なる。リンパ節転移陽性例への治療を、リンパ節転移陰性の末梢早期肺癌の定位照射と同じに扱わない。
放射線科専門医試験 2008年度 問26
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問26
解答例:b、d(dは従来の照射条件の想定)
選択肢別の解説
a|誤り
早期限局例に通常は同時化学療法を併用しない。
b|正しい
適格な早期例で粒子線が選択肢となる。
c|誤り
原発定位では通常予防的所属節照射を行わない。
d|条件・比較に注意
当時は小照射野の線量計算・不均質等を考え低めのMVを推奨。現行装置・計算条件も確認する。
e|誤り
適切な定位では通常これより高い局所制御を得る。
判断のポイント
リンパ節転移のない末梢早期肺癌には、手術不能などの条件で定位照射や粒子線による根治治療を検討する。通常、所属リンパ節への予防照射や化学療法の同時併用を一律に行う対象ではない。
鑑別・注意点
旧解答dの6 MV以下という条件は、低密度肺内の線量分布を考慮した従来の考え方である。現在は機種・照射技術と計算精度を含めて計画を評価し、6 MVを超えれば一律に不適切とは断定しない。この固定上限を今回確認した2020年版指針だけで確定することはできない。
放射線科専門医試験 2008年度 問27
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問27
解答例:c(従来の試験上の想定)
選択肢別の解説
a|正しい
喉頭の既照射だけで乳房が同じ高線量範囲とは限らない。
b|正しい
反対側切除歴だけで温存を除外しない。
c|条件・比較に注意
強皮症は重い線維化毒性リスクから従来相対禁忌等とされた。現在も個別に利益・リスクを判断する。
d|正しい
可動性節転移のみで温存療法を一律除外しない。
e|正しい
適切なDCISも温存術と照射の対象となる。
判断のポイント
強皮症では照射後の皮膚・軟部組織の線維化などが問題になり、乳房温存手術と術後照射の組合せを慎重に検討する。単に免疫抑制薬を服用していることだけで判断する問題ではない。
鑑別・注意点
旧説明の放射線治療が行えないので必ず乳房切除という断定は避ける。実際のコホートでは局所線維化を認めた例がある一方で必発ではなく、疾患活動性、臓器障害、照射範囲と本人の希望を含めて個別に判断する。
放射線科専門医試験 2008年度 問28
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問28
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
病型判定と抗HER2薬選択に関係する。
b|誤り
CD20標的薬で通常の乳癌治療薬ではない。
c|正しい
温存手術の中心手技である。
d|正しい
適切な早期例で腋窩評価に使う。
e|正しい
温存術後照射等の主要線種である。
判断のポイント
リツキシマブはCD20を標的とする抗体で、CD20陽性B細胞性リンパ腫などに用いる。早期乳癌の標準的な治療薬として選ぶものではない。
鑑別・注意点
HER2は乳癌の治療選択に関わるバイオマーカーで、CD20とは異なる。乳房手術、センチネルリンパ節評価、放射線治療の適応は病期や手術・薬物療法の方針と合わせて決める。
放射線科専門医試験 2008年度 問29
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問29
解答例:b、e(bは出題当時の位置付け)
選択肢別の解説
a|誤り
切除後の全例積極照射を標準としない。
b|条件・比較に注意
2008年当時の代表的位置づけで、現在の導入薬物療法後の選択とは分ける。
c|誤り
術中照射は通常電子線等を用いる。
d|誤り
遠隔再発は多く全身治療が重要である。
e|正しい
胃・十二指腸等の毒性が線量を制約する。
判断のポイント
局所進行膵癌では化学放射線療法が治療選択肢となり、胃・十二指腸など近接する上部消化管への毒性が線量を制限する。局所制御だけでなく遠隔転移への対策も必要である。
鑑別・注意点
現在の全例に初回から化学放射線療法が唯一の標準という意味ではない。多剤併用化学療法後に進行様式や病状を評価して照射を選ぶ戦略がある。術後照射を切除例全員へ積極的に行うとも、遠隔再発はまれとも説明しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問30
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問30
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|誤り
T2aは片葉の半分以下で、両葉はT2cである。
b|正しい
余命・希望等を踏まえ根治手術が選択肢となる。
c|正しい
適格な低リスクではI-125単独治療を選べる。
d|誤り
通常分割外照射で60Gyは根治標準として低い。
e|誤り
低リスクの予防的節照射は通常不要である。
判断のポイント
提示された病期・Gleasonスコア・PSAは低リスク限局性前立腺癌に相当し、根治的前立腺摘除術や125I小線源単独療法が選択肢となる。T2aは両葉病変を意味しない。
鑑別・注意点
根治治療が選択肢であることと、全例に直ちに治療が必要なことは別である。余命、併存疾患、排尿状態と希望によって監視療法も検討する。低リスク例で骨盤リンパ節予防照射を一律に追加しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問31
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問31
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
通常は骨幹端が多い。
b|誤り
主に骨幹・骨幹端の髄内病変である。
c|正しい
若年者の骨端が代表的発生部位である。
d|誤り
骨幹端等が代表で二次性変化もある。
e|誤り
骨幹端の皮質性病変である。
判断のポイント
軟骨芽細胞腫は若年者の骨端や骨端突起に好発する。年齢、骨端線との関係、硬化縁、周囲の骨髄浮腫を組み合わせて評価する。
鑑別・注意点
骨端の病変すべてが軟骨芽細胞腫ではない。骨成熟後の巨細胞腫や感染なども鑑別し、関節面への進展や二次性の嚢胞性変化を確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2008年度 問32
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問32
解答例:b(代表的関連病変との比較)
選択肢別の解説
a|正しい
腎性骨異栄養症の病態に含まれる。
b|誤り
典型的炎症性仙腸関節炎は長期透析の代表関連病変ではない。
c|正しい
β2ミクログロブリン沈着が関節を侵す。
d|正しい
透析関連アミロイド等が破壊性病変に関与する。
e|正しい
Ca・P代謝異常で二次性亢進を来す。
判断のポイント
長期透析では骨軟化症や二次性副甲状腺機能亢進症に加え、β2ミクログロブリン由来のアミロイド関節症、破壊性脊椎関節症が問題になる。仙腸関節炎はこれらに比べて典型的な関連項目ではない。
鑑別・注意点
透析患者に仙腸関節病変が起こらないという意味ではない。感染や骨吸収などの鑑別が必要で、画像上のびらんを直ちに炎症性仙腸関節炎と同一視しない。透析法や薬剤の変化により合併症の頻度も変わる。
放射線科専門医試験 2008年度 問33
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問33
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
結核は通常化膿性より椎間板が比較的保たれる。
b|誤り
双方でみられ単独の鑑別性は低い。
c|条件・比較に注意
靱帯下の多椎体進展は結核を支持する場合があるが最特異の比較では石灰化膿瘍を優先する。
d|誤り
急速な破壊は化膿性との対比になる。
e|正しい
慢性冷膿瘍の石灰化は結核を強く示唆する。
判断のポイント
傍脊椎膿瘍内の石灰化は結核性脊椎炎を強く示唆する。広がりの大きさ、膿瘍壁の形態、椎間板の保たれ方なども合わせて評価する。
鑑別・注意点
靭帯下進展や椎間板病変は両者で重なり、単独で原因菌を確定できない。画像所見の比較を、培養・病理・分子検査による病原体の確認の代わりにしない。
放射線科専門医試験 2008年度 問34
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問34
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
骨髄の浮腫・出血は脂肪髄より低T1となる。
b|正しい
軟骨下の衝突病変では軟骨損傷を伴い得る。
c|誤り
ACL損傷の典型は大腿外側顆・脛骨外側部で、膝蓋骨衝突とは異なる。
d|正しい
増加した水分を高感度に描出する。
e|正しい
脱臼時に膝蓋骨内側と大腿外側顆が衝突する。
判断のポイント
ACL断裂では大腿骨外側顆と脛骨外側高原後方の衝突に伴う骨挫傷が代表的である。膝蓋骨内側と大腿骨外側顆の骨挫傷は、一過性の膝蓋骨外側脱臼を考える組合せである。
鑑別・注意点
骨挫傷はT1低信号、脂肪抑制T2などで高信号を示す骨髄浮腫として見える。受傷機転は複合することがあるため、挫傷部位だけで靭帯・軟骨損傷の有無を決めつけない。
放射線科専門医試験 2008年度 問35
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問35
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
骨端の石灰化不全で成長板が拡がる。
b|誤り
骨頭壊死・扁平化等が中心で典型的開大の代表ではない。
c|誤り
通常は骨年齢促進・早期閉鎖を来す。
d|正しい
すべりの早期に骨端線の拡大・不整を認める。
e|条件・比較に注意
骨端線を横切る骨折で局所開大もあり得るが、代表的な全体開大とは分ける。
判断のポイント
くる病では成長板の石灰化障害により骨端線が開大し、骨幹端の毛羽立ちや杯状変形を伴う。大腿骨頭すべり症でも早期に骨端線の開大や不整を認める。
鑑別・注意点
骨端線損傷は分類だけでなく転位や撮影方向によって見え方が変わる。生理的な左右差・年齢差と病的開大を分け、すべり症を疑う場合は症状と安定性に配慮して評価する。
放射線科専門医試験 2008年度 問36
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問36
解答例:d(典型像との比較)
選択肢別の解説
a|正しい
骨脆弱性の背景から複数箇所に発生し得る。
b|正しい
骨の脆弱化により骨盤等の不全骨折が生じる。
c|正しい
両仙骨翼と横方向骨折でH型を示すことがある。
d|誤り
通常は明らかな転位が乏しい潜在骨折が多い。
e|正しい
骨吸収・仮骨で悪性病変と紛らわしくなり得る。
判断のポイント
骨盤の脆弱性骨折は明らかな外傷や大きな転位を欠くことがあり、単純写真で見逃されやすい。仙骨のH型分布や他部位の併存骨折を探し、放射線治療歴も確認する。
鑑別・注意点
転位が絶対に起こらないわけではなく、経過中の不安定化や偽関節も評価する。恥骨では骨吸収と修復性変化が腫瘍に似ることがあり、骨折線、分布、軟部腫瘤の有無から鑑別する。
放射線科専門医試験 2008年度 問37
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問37
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
腫瘍内石灰化を伴い得る。
b|正しい
特にエナメル上皮型ではよくみられる。
c|正しい
上衣下結節等が石灰化する。
d|誤り
脱髄斑の石灰化は典型的でない。
e|正しい
陳旧炎症・結核腫等に石灰化を認め得る。
判断のポイント
多発性硬化症の病変内石灰化は典型的な画像所見ではない。髄膜腫、頭蓋咽頭腫、結節性硬化症や陳旧性感染などでは、特徴的な部位や形態の石灰化を認めることがある。
鑑別・注意点
頻度が低いことと絶対に起こらないことは異なる。CTで石灰化の位置と形態を確認し、MRIの磁化率低下を出血か石灰化かだけで即断しない。
参考文献
放射線科専門医試験 2008年度 問38
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問38
解答例:a、b(代表的所見として)
選択肢別の解説
a|正しい
膿内容が強い拡散制限を示す。
b|正しい
角化物が拡散制限を示す。
c|誤り
髄液同等の自由拡散で高b値信号が低下する。
d|誤り
慢性期はADCが上がり強い真の制限ではない。
e|誤り
血液の時相・成分で変わり強高信号の代表としない。
判断のポイント
脳膿瘍の膿性内容や類表皮嚢胞は拡散強調像で高信号を示す代表例である。類表皮嚢胞では髄液に似た通常画像でも、拡散強調像がくも膜嚢胞との鑑別に役立つ。
鑑別・注意点
DWI高信号だけで拡散制限と断定せずADCとT2の影響を確認する。慢性硬膜下血腫では液状部分は通常低信号だが、新しい出血などに伴う部分的な高信号帯を認めることがある。
放射線科専門医試験 2008年度 問39
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問39
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
高い細胞密度で単純CT高吸収となる。
b|正しい
高細胞性のため高吸収となりやすい。
c|誤り
通常の非造影高吸収の代表でない。
d|誤り
通常等〜低吸収である。
e|誤り
一般には低吸収である。
判断のポイント
胚腫と髄芽腫は高い細胞密度を反映して、単純CTで高吸収を示し得る。石灰化や出血による高吸収とは機序を分けて考える。
鑑別・注意点
高吸収だけで組織型は確定できない。年齢、正中部などの発生部位、拡散、造影、髄液播種の有無を統合する。造影後の濃染を単純CTでの高吸収と混同しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問40
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問40
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
粘液乳頭状上衣腫が終糸・円錐馬尾部の代表腫瘍である。
b|誤り
まれな発生はあるが最多ではない。
c|誤り
神経根から生じる腫瘍との比較で終糸では上衣腫が代表となる。
d|誤り
通常は脊髄実質内が中心である。
e|誤り
馬尾終糸部に生じるが上衣腫ほど多くない。
判断のポイント
終糸や脊髄円錐・馬尾領域では、上衣腫、とくに粘液乳頭状上衣腫が代表的である。発生部位から鑑別を絞り、硬膜内髄外の位置関係を評価する。
鑑別・注意点
神経鞘腫や傍神経節腫なども鑑別に含まれる。粘液乳頭状上衣腫は旧WHO分類のgrade 1から、2021年分類では再発の問題などを踏まえてgrade 2へ変更されている。
参考文献
放射線科専門医試験 2008年度 問41
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問41
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
慢性鉄沈着のT2/T2*短縮が重要となる。
b|誤り
主に慢性出血の低T2信号を作る。
c|正しい
亜急性期に生成しT1短縮により高信号を示す。
d|誤り
超急性血液でT1短縮の代表原因ではない。
e|誤り
急性血液でT2低下等に関係する。
判断のポイント
亜急性期血腫ではメトヘモグロビンがT1短縮をもたらし、T1強調像の高信号に寄与する。細胞内か細胞外かという違いはT2信号にも関係する。
鑑別・注意点
出血の信号は磁場強度、赤血球の状態や撮像法で変わり、一定の日数と信号を全例に機械的に当てはめない。ヘモジデリンなどの磁化率効果はT2*やSWIで評価する。
放射線科専門医試験 2008年度 問42
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問42
解答例:e(他の病的所見との比較)
選択肢別の解説
a|誤り
虚血による組織欠損で生理的加齢そのものではない。
b|誤り
浸透圧性脱髄等の病的所見である。
c|誤り
脱髄疾患等を評価し一律加齢としない。
d|誤り
低酸素・虚血等による皮質障害である。
e|条件・比較に注意
加齢に伴い目立つ場合があるが巨大・非典型・症候性は病的背景を評価する。
判断のポイント
血管周囲腔は正常の解剖構造で、MRIで見える数や径は加齢とともに増える傾向がある。ラクナ梗塞や皮質層状壊死を単なる生理的加齢とすることはできない。
鑑別・注意点
血管周囲腔が目立てば常に生理的で問題ない、とは説明しない。分布や程度は小血管病などとも関連し、他の白質病変、症状、経過と合わせて評価する。
放射線科専門医試験 2008年度 問43
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問43
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
変性性嚢胞等を伴うが豊富な高速血流voidの代表でない。
b|誤り
不整な腫瘤・浸潤等を評価する。
c|誤り
神経周囲進展等が重要で血管voidは代表ではない。
d|正しい
豊富な血管でsalt-and-pepper等を示す。
e|正しい
多血性で多数のflow voidを認める。
判断のポイント
傍神経節腫と若年性血管線維腫は多血性で、腫瘍内の速い血流によるflow voidを認めやすい。造影による濃染や発生部位と合わせて診断する。
鑑別・注意点
flow voidの見え方は血流速度、血管径、撮像法や腫瘍の大きさに左右される。すべての病変で明瞭に見えるわけではなく、flow voidがあれば一つの腫瘍に特異的という意味でもない。
放射線科専門医試験 2008年度 問44
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問44
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
動眼神経は上眼窩裂を通る。
b|正しい
顔面神経が頭蓋外へ出る孔である。
c|正しい
副神経の出口である。
d|誤り
舌下神経は舌下神経管を通る。
e|正しい
上顎神経は正円孔を通る。
判断のポイント
舌下神経は舌下神経管を通り、卵円孔を通る主な脳神経は三叉神経第3枝である。第2枝は正円孔を通る。
鑑別・注意点
脳神経の走行は頭蓋内、骨内、頭蓋外を連続して追う。孔の拡大だけで神経由来腫瘍と断定せず、正常変異、血管や腫瘍の進展も確認する。
放射線科専門医試験 2008年度 問45
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問45
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
両側性が多いが非対称・片側例もある。
b|正しい
女性に多いが男性でも発症する。
c|正しい
脂肪増生が眼球突出に関わる。
d|正しい
下直筋・内直筋等が侵されやすい。
e|誤り
通常は筋腹腫大に比べ腱付着部は保たれる。
判断のポイント
甲状腺眼症では外眼筋の筋腹が紡錘状に腫大し、前方の腱付着部は比較的保たれることが典型である。下直筋や内直筋、眼窩脂肪の増加を評価する。
鑑別・注意点
両側性が多いが左右差や片側性の例もある。腱の温存も絶対条件ではなく、非典型的な所見では筋炎、IgG4関連疾患や腫瘍などを再検討する。甲状腺機能が正常でも否定しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問46
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問46
解答例:d(およその桁の比較)
選択肢別の解説
a|誤り
二次小葉として桁が小さすぎる。
b|誤り
組織の微小構造の大きさである。
c|誤り
二次小葉より一桁程度小さい。
d|正しい
二次小葉は約1〜2.5cmでこの選択肢の桁に合う。
e|誤り
二次小葉として大きすぎる。
判断のポイント
二次小葉は小葉間隔壁で囲まれた多面体の単位で、直径はおよそ1〜2.5 cmである。提示値の中では1 cmが適切な大きさの桁に当たる。
鑑別・注意点
小葉の中心には細気管支と肺動脈枝があり、辺縁には静脈やリンパ管が走る。大きさは一定の1 cmではなく、腺房や小葉中心の構造と取り違えない。
参考文献
放射線科専門医試験 2008年度 問47
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問47
解答例:b(Felson区分での比較)
選択肢別の解説
a|誤り
上縦隔の気管右縁にある。
b|正しい
脊椎傍軟部組織と肺の境界で後縦隔に対応する。
c|誤り
気管後方の肺胸膜接合線でFelson後縦隔とは同義でない。
d|誤り
食道近傍の線で区画定義を別に確認する。
e|誤り
食道・肺の接面で脊椎傍帯ほど後方ではない。
判断のポイント
傍脊椎線は肺と脊椎傍軟部組織の境界を反映し、後縦隔の病変で変形・偏位することがある。線の名称だけでなく、どの構造の接線で生じるかを確認する。
鑑別・注意点
Felsonの側面像による区分と、CTを基礎としたITMIGの縦隔区分は定義が異なる。新旧の区分を混在させて同じ名称の領域を一律に対応させない。
放射線科専門医試験 2008年度 問48
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問48
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
水分で小葉間隔壁が肥厚した線である。
b|正しい
中枢拡大後の急な細小化を表す。
c|正しい
中枢腫瘤と右上葉虚脱の組合せを示す。
d|正しい
胸壁由来病変で一部辺縁が見えにくくなる。
e|誤り
通常は縦隔気腫で中央横隔膜が連続して見える。
判断のポイント
心陰影の下に空気が介在して横隔膜が連続して見えるcontinuous diaphragm signは、縦隔気腫や心嚢気腫で認める。気胸そのものの代表的サインとして対応させない。
鑑別・注意点
縦隔気腫と気胸は併存し得る。サイン名だけで空気のある区画を決めず、胸膜線、心嚢や縦隔への広がりを追う。必要に応じてCTで位置を確認する。
放射線科専門医試験 2008年度 問49
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問49
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
感染・悪性の双方で生じる。
b|誤り
浸潤性腫瘍を疑う方向である。
c|正しい
同心円状の陳旧性石灰化は肉芽腫等の良性を強く示唆する。
d|誤り
微細・偏在等は悪性でもみられる。
e|誤り
200日の増大は肺癌であり得る範囲である。
判断のポイント
層状、中心性、びまん性、典型的なポップコーン状石灰化は良性を示唆する形態である。点状や偏心性の石灰化は悪性にもみられ、石灰化の有無だけでは判定できない。
鑑別・注意点
良性らしい石灰化があっても、結節全体の増大や不審な軟部成分を見落とさない。空洞や体積倍加時間も単独で良悪性を確定する指標ではなく、経時変化と臨床的リスクを統合する。
放射線科専門医試験 2008年度 問50
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問50
解答例:a、e(典型的な分布の比較)
選択肢別の解説
a|正しい
肺底部・胸膜下優位の線維化が代表である。
b|誤り
病型により多様で明瞭な上下差の代表ではない。
c|誤り
通常は全肺に比較的均等な嚢胞分布となる。
d|誤り
びまん性や肺門優位等で、典型上下差の比較ではない。
e|正しい
上中肺野優位で肺底部を比較的温存する。
判断のポイント
石綿肺は下肺野・胸膜直下優位の線維化、成人の肺Langerhans細胞組織球症は上中肺野優位の結節・嚢胞と肋骨横隔膜角の比較的温存が手掛かりとなる。
鑑別・注意点
分布は診断の手掛かりであって絶対条件ではない。ニューモシスチス肺炎も治療歴や病態によって上肺野優位などを示し得るため、他の疾患に頭尾方向の差が一切ないとは説明しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問51
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問51
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
UIPの重要な所見である。
b|正しい
線維化に伴う牽引性気道拡張がみられる。
c|誤り
線維化所見を超える広いGGOは別疾患・急性増悪等を考える。
d|正しい
胸膜下優位が代表となる。
e|正しい
肺底部優位が代表となる。
判断のポイント
典型的なUIPパターンでは、下肺野・胸膜直下優位の網状影、牽引性気管支拡張や蜂巣肺を評価する。線維化よりすりガラス影が優位な場合は、別の診断や併存病態を考える。
鑑別・注意点
IPFにすりガラス影が一切ないという意味ではない。急性増悪や感染などで広範なすりガラス影が重なることがあり、時間経過、既存の線維化、曝露歴や膠原病の評価と統合する。
放射線科専門医試験 2008年度 問52
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問52
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
適切なCTPAで内腔欠損を直接検出する。
b|正しい
慢性肺低灌流に伴う側副血行が発達する。
c|正しい
適切な画質なら区域枝等を評価する。
d|正しい
低〜中事前確率で高感度D-dimer陰性は除外に有用である。高確率は別に判断する。
e|誤り
単純写真正常でも塞栓症を除外できない。
判断のポイント
肺塞栓は胸部単純写真が正常でも否定できない。造影CTでは肺動脈内の造影欠損を探し、画像検査は臨床的な事前確率と合わせて選ぶ。
鑑別・注意点
Dダイマー陰性による除外も検査法と事前確率に依存し、高確率例を正常値だけで除外しない。慢性血栓塞栓性病変では気管支動脈などの側副血行が発達する場合がある。
参考文献
放射線科専門医試験 2008年度 問53
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問53
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
非特異的な低換気・虚脱である。
b|誤り
非特異的で梗塞実質の直接サインでない。
c|誤り
肺動脈の急な細小化等を表す。
d|正しい
胸膜に底を持つ楔状陰影で肺梗塞を示唆する。
e|誤り
局所の乏血性透過性亢進で、梗塞そのものではない。
判断のポイント
Hampton humpは胸膜に接する楔状ないし丘状の陰影で、肺塞栓に伴う末梢肺梗塞を示唆する。肺動脈の造影欠損と対応を確認する。
鑑別・注意点
感度が高い所見ではなく、みられないことは肺塞栓の除外にならない。Westermark signは末梢血管陰影の減少を示し、梗塞の陰影そのものとは区別する。
放射線科専門医試験 2008年度 問54
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問54
解答例:d、e(代表的画像として)
選択肢別の解説
a|誤り
典型は肺胞性大葉性浸潤影である。
b|誤り
GGOもあり得るが本問の代表的びまん性2疾患とは分ける。
c|誤り
結節・halo・空洞等を重視する。
d|正しい
びまん性GGOが代表である。
e|正しい
免疫不全でGGO・微小結節等を示す。
判断のポイント
ニューモシスチス肺炎とサイトメガロウイルス肺炎は、両側性すりガラス影を示す重要な感染症である。免疫抑制の背景、小結節や浸潤影、分布も比較する。
鑑別・注意点
両者は画像が重なり、すりガラス影だけで区別できない。ほかの感染、薬剤性肺障害や肺水腫なども同様の陰影を示すため、検体検査と臨床経過を統合する。
放射線科専門医試験 2008年度 問55
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問55
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
脂肪は奇形腫等を考える。
b|誤り
歯牙は成熟奇形腫等の所見である。
c|正しい
胸膜沿いの播種・drop metastasisが代表的進展となる。
d|誤り
血行転移より局所浸潤・胸膜播種を重視する。
e|誤り
浸潤性充実部を評価し単純薄壁嚢胞を典型としない。
判断のポイント
浸潤性胸腺腫では胸膜面や心膜面に沿った播種が重要な進展様式となる。前縦隔腫瘤だけでなく、同側胸膜の小結節や腫瘤を探す。
鑑別・注意点
胸膜播種だけに限定されるわけではない。脂肪や歯牙が明瞭な場合は奇形腫などを鑑別し、単に嚢胞状であることだけで胸腺嚢胞と断定しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問56
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問56
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
壁内血腫・真偽腔等を両者で評価する。
b|正しい
冠動脈の動きと起始・走行を評価する。
c|誤り
肺動脈に十分造影がある肺動脈相が基本で単なる遅延相では不十分である。
d|正しい
呼気に残存する低吸収部を確認する。
e|正しい
重力依存の濃度上昇が消えるかで病変と区別する。
判断のポイント
急性肺塞栓のCTでは肺動脈が十分に造影されるタイミングで撮影し、血栓による充盈欠損を評価する。通常の遅延相だけでは適切な肺動脈評価にならない。
鑑別・注意点
呼気CTはair trapping、腹臥位CTは背側の荷重性変化との区別に役立つ。大動脈疾患の単純・造影相や冠動脈奇形の心電図同期など、目的と撮影法を対応させる。
放射線科専門医試験 2008年度 問57
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問57
解答例:d、e(eは旧用語)
選択肢別の解説
a|誤り
粒状・線維性病変が代表となる。
b|誤り
急性や反復性はあるが慢性肺胞性陰影の代表でない。
c|誤り
通常比較的速やかな変化を示す。
d|正しい
慢性GGOとcrazy paving等を示す。
e|正しい
旧病名の肺炎型腺癌等は遷延肺胞性浸潤影となる。
判断のポイント
肺胞蛋白症は肺胞内のサーファクタント蓄積により、すりガラス影やcrazy-pavingなどを示す。旧称の細気管支肺胞上皮癌に含まれていた一部の腺癌も、慢性の肺炎様陰影を呈する。
鑑別・注意点
旧称BACは現在は使用せず、AIS、低侵襲性腺癌、置換型優位腺癌、浸潤性粘液性腺癌などへ区別する。旧用語を単一の現行組織型やすべてのすりガラス結節に置き換えない。
放射線科専門医試験 2008年度 問58
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問58
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
早期から節転移しやすい。
b|誤り
旧野口Aは通常pureGGOが代表である。
c|誤り
旧Cは浸潤成分を含みmixed像等である。
d|誤り
中枢型では気道閉塞等が重要で胸膜陥入の典型対応ではない。
e|正しい
通常充実性の末梢結節・腫瘤となる。
判断のポイント
小細胞肺癌はリンパ節転移を伴いやすく、末梢型扁平上皮癌は充実性結節としてみられる。形態や進展傾向は組織型を考える手掛かりになる。
鑑別・注意点
野口A・Bは旧分類の小型腺癌で、Bには肺胞虚脱巣が含まれる。旧説明のB=part-solid GGO=AISという一対一対応は不正確であり、CTだけで非浸潤性を確定しない。分類の定義と画像所見を分けて整理する。
放射線科専門医試験 2008年度 問59
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問59
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
左→右短絡で肺静脈還流が増し左房・左室が拡大する。
b|誤り
通常右室圧負荷が中心である。
c|誤り
肺血流減少が主体で左房拡大の代表でない。
d|誤り
右房右室の容量負荷が中心である。
e|誤り
通常は右心容量負荷となる。
判断のポイント
動脈管開存で左から右へのシャントがあると、肺血流と肺静脈還流が増え、左房・左室の容量負荷となる。心房中隔欠損では主に右房・右室への容量負荷を考える。
鑑別・注意点
小さなシャントでは明瞭な拡大がないこともあり、肺高血圧やシャント逆転でも所見は変わる。解剖学的診断だけでなく、シャント量と肺血管抵抗を含めて評価する。
放射線科専門医試験 2008年度 問60
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問60
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
遅い偽腔流や臓器灌流等の追加評価に遅延相を用いる。全例固定でなく目的別に選ぶ。
b|条件・比較に注意
脱水是正は重要だが高リスクの予防で飲水だけを静脈補液と同等としない。
c|誤り
高度石灰化のbloomingで内腔を過小評価しMRA等が有利な場合がある。
d|正しい
特定Gd製剤と重度腎機能低下等との関連を考える。
e|正しい
広い範囲の血管を段階的に撮像できる。
判断のポイント
高度石灰化はCTのbloomingなどにより内腔を見えにくくし、狭窄を過大評価する原因となる。石灰化が強いほどCTの狭窄診断が優れる、とはいえない。
鑑別・注意点
造影剤使用時の腎障害予防は腎機能、AKI、脱水や心不全などに応じて判断する。AKIまたはeGFR 30未満では、禁忌がなければ静脈内生理食塩水による予防を検討し、経口水分摂取だけで同じ予防効果が得られるとはしない。造影相も検査目的に合わせ、一律に全相を追加しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問61
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問61
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
適切な事前確率・画質で高い陰性的中率を持つ。
b|正しい
通常ヨード造影で内腔を描く。
c|誤り
装置・方式で変動し一律1/10とはいえない。
d|正しい
通常シネで壁運動・容量を非造影評価できる。
e|正しい
線維化・炎症後損傷の分布評価に役立つ。
判断のポイント
冠動脈CTAとカテーテル冠動脈造影の被ばくを固定比で比較することはできない。CTの機種、心拍、同期方式や撮影条件、カテーテル検査の内容で線量は変わる。
鑑別・注意点
冠動脈CTAは適切な対象で冠動脈疾患の除外に役立つ。心室機能をみるシネMRIは造影せず実施でき、遅延造影は心筋障害の評価に用いるが、心サルコイドーシスに特異的な所見ではない。
放射線科専門医試験 2008年度 問62
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問62
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
肺血流が正常〜減少することが多い。
b|誤り
肺流出路狭窄で肺血管影は減る。
c|誤り
通常は左→右短絡の非チアノーゼ性である。
d|正しい
大血管転位では交通・肺抵抗によるが肺血流増加を示すことがある。
e|誤り
通常は左→右短絡で増血流でも初期はチアノーゼ性でない。
判断のポイント
完全大血管転位ではチアノーゼがあり、肺血流が保たれる、あるいは増える条件では肺血管陰影の増強を認める。Fallot四徴症など肺血流減少を伴う典型像と対比する。
鑑別・注意点
画像は交通路、肺動脈狭窄、出生後の時期などに左右される。すべての完全大血管転位で同じ陰影になるわけではなく、心エコーで心室と大血管の接続を確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2008年度 問63
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問63
解答例:b、e(旧分類の代表的組合せとして)
選択肢別の解説
a|誤り
単純嚢胞は通常無エコーである。
b|条件・比較に注意
粘液背景や境界等に高エコー点を含むことがある。
c|誤り
内部不均一はあり得るが代表的な微細高輝度点との対応ではない。
d|条件・比較に注意
石灰化を含む線維腺腫でも高エコー点はあり、悪性特異的としない。
e|正しい
乳管内石灰化等に対応する高輝度点を認め得る。
判断のポイント
粘液癌や旧分類の乳頭腺管癌で点状高エコーを認めることがある。乳管内成分を伴う癌では石灰化などとの対応が重要となり、マンモグラフィと対比する。
鑑別・注意点
点状高エコーを見ただけで全て石灰化と決めず、組織の境界面なども考慮する。粘液癌でも必発ではなく、良性腫瘤にも生じ得るため、所見単独で組織型や良悪性を確定しない。掲載出典は学会抄録であり、査読原著と区別する。
放射線科専門医試験 2008年度 問64
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問64
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|誤り
沈降性の乳石灰化は通常良性である。
b|正しい
乳管内病変の悪性を疑う形態である。
c|正しい
浸潤・牽引等を疑う。瘢痕等も鑑別する。
d|条件・比較に注意
領域分布だけでは悪性と確定せず形態と合わせる。
e|誤り
低濃度は一般に悪性の強い根拠ではない。
判断のポイント
微細線状・分枝状石灰化と乳腺実質の構築の乱れは、悪性を疑う重要な所見である。病変の分布、局所所見、経時変化を合わせて評価する。
鑑別・注意点
石灰乳は典型的には良性所見である。一方、領域性の石灰化という分布だけで良性とは断定せず、個々の石灰化の形態も確認する。構築の乱れも術後変化などの良性原因があり得る。
放射線科専門医試験 2008年度 問65
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問65
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|誤り
典型的直接合併としては軸捻転・Ladd靱帯を重視する。
b|正しい
腸間膜基部が狭く中腸軸捻転を起こす。
c|誤り
内ヘルニア合併例はあるが代表2肢ではない。
d|正しい
異常腹膜索が十二指腸を圧迫する。
e|誤り
回転異常に固有の代表合併ではない。
判断のポイント
腸回転異常では腸間膜根部が狭くなり、中腸軸捻転の危険が高まる。異常な腹膜索であるLadd靱帯は十二指腸を横切り、通過障害の原因となる。
鑑別・注意点
胆汁性嘔吐や腸管虚血が疑われる場合は迅速な評価が必要となる。上腸間膜動静脈の位置関係だけで回転異常を完全に除外せず、十二指腸空腸移行部やwhirlpoolなどを評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2008年度 問66
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問66
解答例:eを支持。aとの一意性は保留
選択肢別の解説
a|条件・比較に注意
肝鎌状靱帯動脈は左・中肝動脈系等に多くaも妥当となり得る。単一解の公式確認が必要である。
b|誤り
腎動脈起始は一般に右側で多いとされる。
c|誤り
通常は下大静脈へ直接注ぐ。
d|誤り
重複腎静脈は右側に多い。
e|正しい
短肝静脈が下大静脈へ直接還流する。
判断のポイント
尾状葉の小さな肝静脈は下大静脈へ直接流入する。肝鎌状靱帯動脈は左肝動脈や中肝動脈から分岐し、25例の血管造影研究では中肝動脈起始が56%、左肝動脈起始が44%だった。
鑑別・注意点
中肝動脈を独立させるか左肝動脈系に含めるかでaの読み方が変わるため、起始分類を明記せず一意に判定しない。旧解説のa、eという複数候補を公式解答として確定したものではない。解剖変異の頻度も対象集団による。
放射線科専門医試験 2008年度 問67
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問67
解答例:保留(aは不適切、cも一般化に疑問)
選択肢別の解説
a|条件・比較に注意
通常は靱帯より尾側の総大腿動脈を穿刺し、直上というaは不適切である。
b|正しい
分岐より末梢では静脈との位置等から瘻等が増える。
c|条件・比較に注意
前壁のみの穿刺を一般に解離高リスクとする根拠は弱く、cも断定を避ける。
d|正しい
圧迫止血しにくい高位穿刺は後腹膜出血を来す。
e|条件・比較に注意
疼痛・反射の抑制等のため併用されるが麻酔管理に応じ判断する。
判断のポイント
総大腿動脈の穿刺は鼠径靱帯より下、分岐部より上で、圧迫止血が可能な位置を選ぶ。靱帯より上の穿刺は後腹膜出血の危険を高める。
鑑別・注意点
旧解答はaのみだったが、前壁穿刺そのものを解離リスクが高い方法とするcも、超音波下前壁穿刺を推奨する手順とは整合しない。穿刺位置・針先・血管壁の状態を区別する必要があり、公式解答なしに単一正解を確定しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問68
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問68
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
多血性転移で高T2信号を示し得る。
b|正しい
病型・出血等で変わるが高T2となり得る。
c|誤り
旧腺腫様過形成は通常等〜低T2で高信号の代表でない。
d|正しい
液体に富む血管腔で強いT2高信号を示す。
e|正しい
一般に軽〜中等度高T2となり得る。
判断のポイント
肝硬変に伴う再生結節や異型結節はT2強調像で等信号から低信号を示すことが多い。血管腫や一部の腫瘍のT2高信号との対比で判断する。
鑑別・注意点
腺腫様過形成は旧用語で、異型結節など現行の分類と定義を確認する。信号は鉄、脂肪、血流や腫瘍化によって変わり、T2信号だけで高異型度結節と早期肝細胞癌を確定的に分けない。
放射線科専門医試験 2008年度 問69
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問69
解答例:c(典型的な関連病態の比較)
選択肢別の解説
a|正しい
門脈周囲出血・浮腫が生じる。
b|正しい
炎症性浮腫等で門脈周囲が低吸収となる。
c|誤り
通常の肝細胞癌の代表所見ではない。
d|正しい
リンパ路浸潤等で門脈周囲変化を示し得る。
e|正しい
炎症・浮腫に伴う門脈周囲変化を来し得る。
判断のポイント
門脈周囲の低吸収帯は、浮腫、血液やリンパ流障害などを反映する。外傷、肝炎、うっ血、肝門部リンパ節・腫瘍によるリンパ還流障害などでみられる。
鑑別・注意点
肝細胞癌そのものの代表的所見ではないが、肝細胞癌患者で絶対に生じないという意味ではない。併存肝障害や門脈周囲への腫瘍進展を含め、全身状態と造影パターンから解釈する。
放射線科専門医試験 2008年度 問70
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問70
解答例:d(典型的FNHとして)
選択肢別の解説
a|正しい
硬変肝の重要な発癌背景である。
b|正しい
硬変に伴う基本結節である。
c|正しい
異形成結節等の前癌病変が生じる。
d|誤り
典型FNHは非硬変肝に多い。硬変肝のFNH様結節は別に考える。
e|正しい
進行硬変に伴う塊状癒合線維化を認める。
判断のポイント
硬変肝では再生結節、異型結節、肝細胞癌や集簇した線維化を考える。典型的なFNHは通常、非硬変肝に生じる病変である。
鑑別・注意点
硬変肝でもFNH様結節は生じ得るため、FNH関連病変は一切発生しないと断定しない。肝細胞相の取り込みや動脈相濃染だけで良性と確定せず、背景肝、washout、増大や他の所見を組み合わせる。
参考文献
放射線科専門医試験 2008年度 問71
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問71
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
減衰が増し深部の信号が落ちる。
b|誤り
脈管壁はむしろ不明瞭になりやすい。
c|正しい
限局性脂肪沈着なら区域性高エコーを示す。
d|正しい
多発性脂肪沈着が腫瘤様に見える場合がある。
e|正しい
胆嚢周囲の脂肪温存が低エコーとして見える。
判断のポイント
肝脂肪化では肝腎コントラスト増強、深部エコー減衰や脈管の不明瞭化が手掛かりとなる。脈管壁が明瞭になるという説明とは反対である。
鑑別・注意点
脂肪化は均一とは限らず、局所的・多発腫瘤様の分布や胆嚢周囲の脂肪温存域を示すことがある。腫瘤効果や血管の偏位を確認し、非典型例では追加画像で評価する。
放射線科専門医試験 2008年度 問72
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問72
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
消化管原発では胃が最多である。
b|条件・比較に注意
高悪性度は高集積だがMALT等の低集積例もある。
c|正しい
壁筋層・神経叢浸潤等で動脈瘤状に拡張し得る。
d|正しい
粘膜下層主体の肥厚としてみられることがある。
e|誤り
Barrett食道は腺癌との関連が代表でリンパ腫ではない。
判断のポイント
Barrett食道が強く関連する代表的悪性腫瘍は腺癌であり、消化管リンパ腫が高頻度に合併するという組合せは適切でない。原発消化管リンパ腫は胃に多く、小腸では動脈瘤様拡張を示すことがある。
鑑別・注意点
リンパ腫なら全てFDG高集積という説明も不正確である。胃MALTリンパ腫などには低集積例があり、組織型によって検査の検出能と適応が異なる。
放射線科専門医試験 2008年度 問73
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問73
解答例:a想定。ただしdも原文では再検討を要する
選択肢別の解説
a|誤り
壁の一部だけ嵌頓し閉塞が乏しく診断が遅れ得る。
b|正しい
狭い門を通るため嵌頓リスクが高い。
c|正しい
下腹壁血管外側の内鼠径輪を通る。
d|条件・比較に注意
大腿ヘルニアで圧迫される代表は大腿静脈で、原文の下腹壁静脈とは異なる。aに加え誤りの可能性を公式照合する。
e|正しい
後壁の内鼠径窩から直接突出する。
判断のポイント
Richter型では腸管壁の一部だけが嵌頓するため、完全な腸閉塞の症状を欠いて診断が遅れることがある。通過が保たれていても、嵌頓部分の虚血や壊死が進み得る。
鑑別・注意点
膨隆や症状が軽いことを安全の根拠にしない。ヘルニア門と腸管壁の連続性、造影効果、周囲液体を確認し、嵌頓・絞扼が疑われるときは外科的評価につなげる。 さらに原本dは「下腹壁静脈」の圧迫と記載する。大腿ヘルニアで特徴的に圧迫されるのは大腿静脈であり、下腹壁静脈へ読み替えて正しいと断定しない。a以外にも誤りがある可能性を公式正答で確認する。
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2008年度 問74
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問74
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
硬い便・排便困難が比較的よくみられる。
b|正しい
高齢・嚥下障害等で起こり得る重要合併症である。
c|誤り
添加剤等への反応はあるが通常頻度は低い。
d|誤り
まれな重大合併症で、便秘・誤嚥ほど多くない。
e|誤り
通常まれである。
判断のポイント
硫酸バリウムによる消化管検査では便秘と誤嚥に注意する。便の排出を確認し、嚥下障害や誤嚥しやすい背景を検査前に評価する。
鑑別・注意点
頻度の比較で選ばれない副作用も起こり得る。排便困難、強い腹痛や呼吸症状などを放置せず評価する。水分・下剤の指示も心腎機能や嚥下状態を考慮し、全員に一律の量を当てはめない。
放射線科専門医試験 2008年度 問75
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問75
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
圧排された腎実質・線維組織から偽被膜が形成される。
b|誤り
浸潤性増殖で明瞭偽被膜は典型でない。
c|誤り
浸潤性で被膜は一般に目立たない。
d|誤り
通常明瞭な被膜を持たず、腎との連続等で評価する。
e|正しい
圧排性増殖で偽被膜を伴い得る。
判断のポイント
腎細胞癌とオンコサイトーマは、圧排された周囲組織などからなる偽被膜を示すことがある。MRIでは腫瘍周囲の低信号縁などを評価する。
鑑別・注意点
偽被膜は良性・悪性を区別する所見ではなく、存在しても浸潤が完全に否定されるわけではない。腫瘍の位置、造影、周囲脂肪や静脈への進展を合わせて評価する。
放射線科専門医試験 2008年度 問76
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問76
解答例:保留(旧解答dを誤りと断定できない)
選択肢別の解説
a|正しい
粥状硬化性狭窄は男性・高齢者に多い。
b|正しい
起始部〜近位部のプラークが典型である。
c|正しい
若年〜中年女性に多い。
d|条件・比較に注意
両側率は集団により変わり約30%もあり得るためdを一律誤りとしない。
e|正しい
典型は中〜遠位部で起始部粥状硬化と対比する。
判断のポイント
旧解説は両側性がまれとしてdを誤りにしていた。しかし腎提供候補2640人のCTA研究ではFMD68例のうち22例、32%が両側性であり、約30%という記述と矛盾しない。
鑑別・注意点
両側病変の頻度は対象と診断方法により異なり、紹介患者の集団と無症候の提供候補を混ぜない。今回の根拠からdを唯一の誤りとして維持できないため、別の選択肢を推測で正解に変更せず保留する。
放射線科専門医試験 2008年度 問77
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問77
解答例:a、b(脂質成分を含み得る病変として)
選択肢別の解説
a|条件・比較に注意
皮質癌も脂質・壊死等を含み、脂肪を認めても悪性を排除しない。
b|正しい
細胞内脂質が多く単純低吸収・逆位相低下の基礎となる。
c|誤り
通常は液体成分で脂肪は代表でない。
d|誤り
通常は細胞内脂質に乏しい。
e|誤り
粘液性・線維性間質が主体で脂肪含有の代表でない。
判断のポイント
副腎皮質腺腫では細胞内脂質の検出が診断に役立ち、皮質癌にも脂質を含む部分がある。脂肪の検出を、そのまま良性の証明にはできない。
鑑別・注意点
腺腫の細胞内脂質と、骨髄脂肪腫などの肉眼的脂肪を区別する。皮質癌では不均一性、壊死、出血や浸潤なども重要で、chemical shiftで一部信号低下があっても疑わしい腫瘤を腺腫と断定しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問78
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問78
解答例:a、d(aは分泌期に厚くなる一般的傾向として)
選択肢別の解説
a|正しい
内膜は分泌期に厚くなり最大時期には個人差がある。
b|誤り
解剖の層構造にはT2強調が優れる。
c|誤り
硝子化は低T2を示すことが多い。
d|正しい
低信号JZの断裂等が筋層浸潤評価に役立つ。
e|誤り
閉経後は萎縮し層構造が不明瞭・低信号化する傾向である。
判断のポイント
子宮内膜は月経後から増殖期を経て厚くなり、分泌期に厚い状態となる。T2強調像で内膜、低信号のjunctional zone、外層筋層を区別し、体癌の筋層浸潤などを評価する。
鑑別・注意点
内膜厚の最大時期を全例で分泌期後期に固定しない。junctional zoneの不明瞭化だけで癌とは診断できず、周期や閉経、腺筋症、一過性収縮を考慮し、DWIや造影所見も統合する。
放射線科専門医試験 2008年度 問79
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問79
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
豊富な血管による早期濃染等が特徴となる。
b|正しい
濃いコロイド等が低T2となり複雑な房状構造を示す。
c|正しい
脂肪抑制・chemical shift等で脂肪を確認する。
d|誤り
内膜症を背景とした血性内容等で高T1となることがあり、低信号に固定しない。
e|正しい
房ごとの粘稠度差でstained glass像となる。
判断のポイント
卵巣明細胞癌は内膜症性嚢胞に関連することがあり、出血性の嚢胞内容はT1高信号を示し得る。嚢胞内が一律にT1低信号になるという説明は適切でない。
鑑別・注意点
高信号の有無だけで悪性を判定しない。壁在結節や充実部の造影、増大、拡散などを評価する。卵巣甲状腺腫も全体が一様にT2低信号ではなく、コロイドや各成分により不均一となる。
放射線科専門医試験 2008年度 問80
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問80
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
通常は慢性腎不全の萎縮腎を背景とし実質肥大が典型でない。
b|正しい
両側に多発性後天性嚢胞を形成する。
c|正しい
透析関連腎癌のリスクが上がる。
d|正しい
嚢胞内出血を伴い血性嚢胞となり得る。
e|正しい
透析期間とともに頻度が増える。
判断のポイント
後天性嚢胞性腎疾患は慢性腎疾患や長期透析に伴って生じ、腎臓は正常大から小さくなることが多い。多発性嚢胞腎のような腎腫大を基本所見とするものではない。
鑑別・注意点
嚢胞内出血や腎腫瘍の合併に注意する。単純な嚢胞の増加と、造影される壁在結節や充実性腫瘤を区別し、出血による高吸収を腫瘍と即断しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問81
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問81
解答例:e(出題当時の想定。剤ごとの添文で再確認)
選択肢別の解説
a|条件・比較に注意
喘息歴は反応リスク評価に含めるが禁忌・慎重投与の位置づけは製剤・時点で異なる。
b|条件・比較に注意
剤・重症度・肝腎排泄を考え一律共通禁忌としない。
c|条件・比較に注意
NSF等のリスクで回避・代替を検討するが現行の剤別判断と分ける。
d|条件・比較に注意
検査利益と急変対応を慎重に検討する。
e|条件・比較に注意
2008想定の非禁忌肢だが、全Gd製剤共通の現行禁忌表として掲載しない。
判断のポイント
てんかんの既往は注意すべき患者背景だが、それだけで全てのガドリニウム造影剤が使用禁忌になるという意味ではない。たとえばガドテル酸の添文は、痙攣既往を特定背景の注意に記載している。
鑑別・注意点
禁忌、警告、原則的な投与回避や慎重な判断を要する背景を混同しない。現在の添文区分は2008年と同一とは限らず、過敏症歴、喘息、腎機能、全身状態を含め、使用する製剤の最新版で判断する。
放射線科専門医試験 2008年度 問82
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問82
解答例:cを支持するが、dとの一意性は保留
選択肢別の解説
a|誤り
MCNのstained glass等との対比でIPMNの代表ではない。
b|誤り
分枝型は頭部・鉤部に多い。
c|条件・比較に注意
一般に主膵管型は分枝型より悪性リスクが高い。
d|条件・比較に注意
造影壁在結節は高リスク所見で、dも妥当となり単一解の公式照合が必要である。
e|誤り
中心瘢痕石灰化は漿液性腫瘍の特徴である。
判断のポイント
主膵管型IPMNは一般に分枝型より高度異型・浸潤癌のリスクが高い。一方、造影される壁在結節も重要なリスク所見であり、dを一律に誤りとして除外できない。
鑑別・注意点
Kyoto 2024指針では造影される5 mm以上の壁在結節または充実部などをhigh-risk stigmataとして扱う。結節様に見える粘液塊とは区別し、造影、大きさ、主膵管径や細胞診を統合する。公式解答を確認できていないため、旧解答cだけを確定解答としない。
放射線科専門医試験 2008年度 問83
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問83
解答例:e(典型的な所見との比較)
選択肢別の解説
a|正しい
進行例で膵実質が萎縮する。
b|正しい
炎症・管破綻により仮性嚢胞を伴い得る。
c|正しい
石灰化・膵石が重要な所見である。
d|正しい
狭窄と上流拡張の不整な膵管を示す。
e|誤り
被膜様辺縁は自己免疫性膵炎の代表所見である。
判断のポイント
膵の被膜様低吸収帯・低信号帯であるcapsule-like rimは自己免疫性膵炎を示唆する所見で、通常のアルコール性慢性膵炎の代表所見ではない。後者では石灰化、主膵管拡張、萎縮や仮性嚢胞などを評価する。
鑑別・注意点
被膜様構造の有無だけで自己免疫性膵炎を確定しない。膵癌との鑑別を含め、造影動態、膵管所見、他臓器病変と必要な検体評価を統合する。
放射線科専門医試験 2008年度 問84
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問84
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
強い反射・減衰で後方陰影を示す。
b|誤り
単純液体の後方は通常エコー増強し、減弱は逆である。
c|正しい
微小嚢胞間の多数界面で高エコーとなり得る。
d|正しい
標的状の同心円エコーを示す場合がある。
e|正しい
腎皮質より肝実質が明るくなる。
判断のポイント
単純肝嚢胞は内部無エコー、薄い壁と後方エコー増強が典型である。音の減衰が周囲組織より小さく、嚢胞より深い部分が明るく見える。
鑑別・注意点
肝嚢胞なら常に単純嚢胞という意味ではない。隔壁、壁肥厚、壁在結節や内部エコーがあれば出血、感染や嚢胞性腫瘍などを再検討する。SCNも小嚢胞と隔壁の組合せにより高低エコーが混在する。
放射線科専門医試験 2008年度 問85
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問85
解答例:b、e(典型的な走行の比較)
選択肢別の解説
a|誤り
通常胆管は門脈の前方に位置する。
b|正しい
胆嚢頸部近傍の肝胆嚢三角を通るのが典型である。
c|条件・比較に注意
左右肝管合流は通常肝門部の肝外に位置する記述もあり、cを誤りと断定するには分岐部の定義・原典が必要である。
d|誤り
門脈・胆管との相対位置を確認し総肝動脈を胆管外側と固定しない。
e|正しい
SMA起始の置換右肝動脈は通常門脈後方等を走行する。
判断のポイント
胆嚢動脈は胆嚢管と総肝管・肝下面の間の領域を走り、置換右肝動脈は上腸間膜動脈から門脈背側を通る走行が代表的である。術前には個々の血管を連続して追う。
鑑別・注意点
Calot三角の原記載では胆嚢動脈が辺を構成し、現在しばしば使うhepatocystic triangleとは定義が異なる。肝管合流部も変異があり、肝内・肝外という表現だけでcを全例に当てはめない。b、eの代表像がすべての変異に一致するわけではない。
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2008年度 問86
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問86
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
脳血流画像で虚血・予備能等を評価する。
b|誤り
肝細胞の受容体へ結合する。
c|誤り
腎皮質像で、GFRはDTPA等を用いる。
d|誤り
脳血流製剤である。
e|誤り
交感神経系の製剤で副甲状腺はMIBI等を使う。
判断のポイント
99mTc-ECDは脳血流SPECTで用いる放射性医薬品である。脳血管障害などでは局所の血流分布を評価し、形態画像と対応させる。
鑑別・注意点
99mTc-GSAは肝細胞のアシアロ糖蛋白受容体を標的とし、Kupffer細胞への取り込みをみる製剤ではない。DMSAによる腎皮質評価、IMPによる脳血流、MIBGによる交感神経系の評価も区別する。
放射線科専門医試験 2008年度 問87
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問87
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
安定ヨードが取り込みを妨げるため事前制限する。
b|正しい
治療取り込みを確保するためヨード制限を行う。
c|誤り
通常は遊離ヨードによる甲状腺取り込みを抑えるブロックを行う。
d|誤り
甲状腺ブロックを行いヨード制限と逆である。
e|誤り
心筋脂肪酸製剤で甲状腺摂取評価のような制限をしない。
判断のポイント
甲状腺の放射性ヨウ素摂取率測定や131I内用療法では、余分なヨウ素が摂取を妨げるため、食事、薬剤や造影剤の使用歴を確認して準備する。
鑑別・注意点
MIBGで行う安定ヨウ素による甲状腺遮断は、ヨウ素制限と目的が異なる。放射性医薬品ごとに前処置を確認し、甲状腺検査の制限を全てのヨウ素標識製剤にそのまま当てはめない。
放射線科専門医試験 2008年度 問88
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問88
解答例:c(通常の臨床用途として)
選択肢別の解説
a|正しい
アミノ酸輸送を利用し脳腫瘍等を描出する。
b|正しい
糖代謝が亢進した腫瘍を描出する。
c|誤り
通常は脳血流製剤で腫瘍集積診断の代表でない。
d|正しい
細胞内保持を利用して腫瘍描出に用いることがある。
e|正しい
細胞膜輸送・生存細胞への集積を利用する。
判断のポイント
99mTc-ECDは主に脳血流を評価する製剤で、一般的な腫瘍描出製剤として選ぶものではない。FDG、メチオニン、MIBIや201Tlは、対象と目的に応じて腫瘍評価に用いられてきた。
鑑別・注意点
研究的な集積や二次的な血流変化があり得ることと、通常の腫瘍診断適応は別である。すべての製剤がすべての腫瘍で同じ検出能・保険適用を持つという意味でもない。
放射線科専門医試験 2008年度 問89
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問89
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
異なるエネルギーを分け心筋血流・壊死等を同時評価する。
b|正しい
血流と脂肪酸代謝の異なる核種を収集する。
c|正しい
髄液・胆汁漏れ等の経路を異なる核種で評価し得る。
d|誤り
同じTc-99mなのでエネルギーから二剤を区別できない。
e|正しい
血流と交感神経の核種をエネルギー分離し得る。クロストーク補正等を要する。
判断のポイント
99mTc-MDPと99mTc-MAAはどちらも99mTc標識で、同じエネルギーの光子を放出する。通常のエネルギー窓による2核種同時収集として両者を分離できない。
鑑別・注意点
異なる核種であってもエネルギー窓の重なりや散乱によるクロストークが生じる。単に2種類の薬剤を投与できることと、それぞれの分布を正しく別画像にできることを区別する。
放射線科専門医試験 2008年度 問90
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問90
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
発作時・間欠期の血流差等を利用する。
b|正しい
中枢ベンゾジアゼピン受容体の低下をみる。
c|正しい
間欠期の焦点低代謝を評価する。
d|正しい
脳血流トレーサとして焦点検索に使う。
e|誤り
通常のてんかん焦点検査ではない。
判断のポイント
焦点検索では発作期・発作間欠期の脳血流SPECT、間欠期FDG-PETなどを臨床状況に応じて用いる。99mTc-MIBIは一般的なてんかん焦点検索製剤ではない。
鑑別・注意点
発作と投与の時間関係が画像の意味を大きく変える。MRI、脳波、症状と統合し、核医学画像の異常だけで切除部位や手術適応を決めない。IMZは受容体画像として血流製剤と役割を区別する。
放射線科専門医試験 2008年度 問91
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問91
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
前頭・前側頭低下が代表となる。
b|誤り
頭頂側頭・後部帯状回等の低下が代表である。
c|誤り
血管病変の部位に依存し後頭葉特有の分布ではない。
d|正しい
後頭葉の血流・代謝低下が重要な手掛かりとなる。
e|誤り
非対称の前頭頭頂低下等が代表となる。
判断のポイント
Lewy小体型認知症では後頭葉の血流・代謝低下が診断を支える画像所見となる。Alzheimer病での側頭頭頂連合野や後部帯状回などのパターンと対比する。
鑑別・注意点
後頭葉低下は必発でも病気に特異的でもない。臨床症状、DAT画像、心臓MIBGなどを含めて判断し、血流SPECTとFDG-PETの所見・指標を混同しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問92
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問92
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
通常は集積欠損等でWarthinほど陽性となりにくい。
b|誤り
通常は陽性集積の代表でない。
c|誤り
唾液腺機能性集積の代表ではない。
d|誤り
通常は陽性集積の代表ではない。
e|正しい
唾液腺由来上皮に取り込みがあり排泄遅延・残留を示す。
判断のポイント
Warthin腫瘍は過テクネチウム酸を集積・保持することがあり、唾液分泌刺激後の残存集積も評価に役立つ。耳下腺内の位置と形態画像を対応させる。
鑑別・注意点
すべてのWarthin腫瘍が陽性になるわけではなく、陽性像も絶対的な組織診断ではない。生理的な唾液腺集積や他の集積性腫瘍と区別し、病変サイズや嚢胞成分も考慮する。
放射線科専門医試験 2008年度 問93
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問93
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
アデノシン作用を介する冠拡張を利用する。
b|誤り
主に冠微小血管拡張による負荷である。
c|正しい
β作用で心拍・収縮力・酸素需要を増やす。
d|誤り
内因性アデノシンの作用を増強する。
e|誤り
冠攣縮誘発等の血管反応を利用する。
判断のポイント
ドブタミンは主に心拍数と心収縮力を増やして心筋酸素需要を高める負荷薬である。アデノシンなどによる冠血管拡張負荷とは機序が異なる。
鑑別・注意点
β遮断薬は心拍数・収縮力の反応を弱めるため、併用薬と検査目的の確認が重要である。負荷法は運動能力、不整脈、急性冠症候群や血圧なども評価して選ぶ。
放射線科専門医試験 2008年度 問94
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問94
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|誤り
主な適応は灌流・虚血評価で不整脈手術そのものではない。
b|正しい
虚血の広さ・深さと予後リスクを評価する。
c|正しい
虚血量や生存心筋等を治療選択の参考にする。
d|誤り
MAA等による別の肺血流・短絡検査である。
e|誤り
弁逆流重症度は通常エコー・MRI等を評価する。
判断のポイント
負荷心筋血流検査は虚血の有無、範囲や重症度を評価し、治療選択の情報となる。安静時との比較や心機能などを合わせて解釈する。
鑑別・注意点
虚血があれば全例で直ちに血行再建が必要という意味ではない。安定冠動脈疾患では症状、冠動脈解剖、薬物療法や患者の希望を統合する。ISCHEMIA試験の結果を急性冠症候群など別の集団に広げない。
放射線科専門医試験 2008年度 問95
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問95
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
Kr-81mは約190keV、Xe-133は約81keVで逆である。
b|誤り
座位では下肺野の換気効率が高く一般に洗い出しは速い。
c|誤り
通常は肺胞上皮透過性の評価で気管支粘膜と同一視しない。
d|誤り
同核種なので通常低量の換気を先に行い後の高計数血流で上書きする。
e|正しい
換気が保たれた血流欠損のミスマッチから塞栓を評価できる。
判断のポイント
換気と血流の分布を比較し、区域性の換気血流不一致から肺塞栓を評価する。換気製剤と肺血流用MAAの投与量・収集条件を適切に組み合わせる。
鑑別・注意点
同じ99mTcを用いる通常の同日法では換気を先行し、その後に十分高い計数で血流を収集する。DTPAクリアランスは肺胞上皮の透過性に関わる指標で、気管支粘膜の評価と単純に同一視しない。
放射線科専門医試験 2008年度 問96
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問96
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
尿細管から分泌される製剤でDMSAの皮質結合と区別する。
b|誤り
血流は比較的保たれ排泄障害が目立つことがある。
c|誤り
DTPAはGFRで、有効腎血漿流量はMAG3等を使う。
d|誤り
腎皮質瘢痕にはDMSAを使う。
e|正しい
ACE阻害で狭窄腎の濾過維持機構を外し機能変化を評価する。
判断のポイント
カプトプリルなどのACE阻害薬負荷腎シンチは、腎動脈狭窄が腎機能に与える影響を評価する方法である。形態的な狭窄の存在と、機能的な影響を区別する。
鑑別・注意点
MAG3は主に尿細管分泌で排泄される製剤で、尿細管に単に結合して留まるわけではない。DTPAは糸球体濾過、DMSAは腎皮質評価に使う。ATNは程度と時期により血流・摂取・排泄の所見が変わる。
放射線科専門医試験 2008年度 問97
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問97
解答例:c(典型的な分布として)
選択肢別の解説
a|誤り
多発転移を疑うが良性多発病変も鑑別する。
b|誤り
中心壊死等の転移で生じ得る。
c|正しい
椎体終板に平行な板状集積は圧迫骨折を支持する。
d|誤り
長管骨の転移等でも生じ得る。
e|誤り
骨集積が著しいsuperscanでは腎が見えず、転移も鑑別する。
判断のポイント
椎体の横方向の板状・帯状集積は圧迫骨折を考える手掛かりとなる。分布に加えて単純写真、CTやMRIで骨折線、骨髄や軟部組織を評価する。
鑑別・注意点
帯状集積があれば骨転移を完全に否定できるわけではない。多発集積も転移だけでなく変性・外傷や代謝性疾患で生じ、腎描出低下を伴うsuperscanも原因を鑑別する。
放射線科専門医試験 2008年度 問98
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問98
解答例:e(通常の生理的集積の比較)
選択肢別の解説
a|誤り
通常強い生理集積がある。
b|誤り
通常強い生理集積がある。
c|誤り
生理的リンパ組織集積がある。
d|誤り
唾液腺として生理集積がみられる。
e|正しい
通常は低集積で、びまん性増加なら炎症等、限局なら腫瘍等を評価する。
判断のポイント
正常甲状腺のFDG集積は通常低く、大脳・小脳皮質や口蓋扁桃などの生理的集積と比較する。甲状腺に明らかな集積がある場合は分布を確認する。
鑑別・注意点
びまん性集積は甲状腺炎など、局所集積は結節性病変などで生じ得る。どちらもFDGだけで良悪性や機能を確定せず、超音波・甲状腺機能など必要な評価につなげる。
放射線科専門医試験 2008年度 問99
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問99
解答例:a(2008年当時)
選択肢別の解説
a|正しい
2008年当時の適用範囲では胃癌が未適用想定である。現在の悪性腫瘍適用と時点を分ける。
b|誤り
当時の適用悪性腫瘍に含まれた。
c|誤り
当時の適用悪性腫瘍に含まれた。
d|誤り
当時の適用悪性腫瘍に含まれた。
e|誤り
当時の適用悪性腫瘍に含まれた。
判断のポイント
2008年当時の対象疾患一覧には食道癌、大腸癌、悪性黒色腫、悪性リンパ腫などが含まれ、胃癌は含まれていなかった。早期胃癌だけが対象外という旧説明は範囲が狭すぎる。
鑑別・注意点
2010年に適用が拡大されており、現在の制度や検査適応と混同しない。当時の一覧にあることも、あらゆる目的・状況で保険算定できるという意味ではなく、実施条件の確認が必要である。
放射線科専門医試験 2008年度 問100
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問100
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
Basedow眼症は増悪し得て、喫煙・活動性等から予防や他治療を検討する。
b|正しい
ヨード集積性分化癌で治療効果がある。
c|正しい
退出基準と指導を満たして外来で投与された。
d|正しい
骨髄抑制があり血球数・骨髄予備能を確認する。
e|正しい
適応を選びCD20陽性B細胞リンパ腫を治療する。
判断のポイント
131I治療は甲状腺機能亢進症の治療法だが、甲状腺眼症を改善させる治療ではなく、発症・増悪のリスクとなる場合がある。眼症の活動性と重症度を含めて治療を選ぶ。
鑑別・注意点
選択肢の他の核種にもそれぞれ適応と有害事象があり、核種名だけで治療を決めない。とくに89Srなどの骨標的療法では骨髄機能の評価が必要で、旧年度の製剤の記載は現在の供給状況や施設の実施可否を保証しない。
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