基礎(1-17)

1.

解答:d,e

a × G2-M期で最も高く、S期後半が最も低い。
b ×再酸素化は分割照射を行う生物学的根拠の一つである。
c ×酸素効果比はLETの増加に伴い減少する。すなわち、LETの増加に伴い酸素の影響は小さくなる。
d ○高LET 放射線に比べ低 LET 放射線では線量率の違いにより生物効果は大きく変化する。
e ○一般に、低 LET 放射線に比べ高 LET 放射線では放射線感受性の細胞周期依存性は小さい。

 

2.

解答:c,e

  • 放射線感受性の高い細胞は癌化しても高感受性。高感受性腫瘍はWilms腫瘍、未分化胚腫瘍、悪性リンパ腫など。

 

3.

解答:c

a ×確率的なのでしきい線量はない。
b ×不妊は確定的。つまりしきい値がある。
c ○未分化ほど感受性が高い。
d × 0.5Gy以上の全身被ばくで末梢血中のリンパ球の減少が認められる。
e ×完全に正しいわけではないが一般論としては人体(ヒト)を構成する細胞にも当てはまる。

Bergonie-Tribondeauの法則とは
  • 放射線に対する感受性は臓器によって異なる。
  • 一般的な法則として以下の細胞は放射線感受性が高い。

①細胞分裂が盛んな細胞
②将来行う分裂回数が多い細胞
③形態的・機能的に未分化な細胞

 

4.

解答: c

a ○
b ○
c ×放射線増感作用を持つと報告されている抗癌剤の増感効果は癌細胞特異的ではなく正常細胞も増感する。特異的と呼べるような放射線増感作用を持つ抗癌剤は存在しない。
d ○:分子標的薬剤の一つ EGF 受容体阻害剤は放射線増感作用があるという報告あり。
e ○:抗癌剤による放射線増感作用発現の機序は、①DNA損傷の修復阻害や②放射線高感受性な細胞周期(G2-M 期等)への同調など。

 

5.

解答:b

  • 癌、白血病や遺伝的影響は確率的。

 

6.

解答:a,d

放射線による人体への影響
  • 急性障害=脱毛、不妊、皮膚炎、出血、白血球減少など
  • 晩発障害=白血病、がん、白内障

 

7.

解答:b

  • 生体を対象とする場合には、一般に被ばくした集団の 1~5%の個体に影響が現れる線量を「しきい線量」としている。

 

8.

解答:a,(c)

  • a ×5年で100mSv(ただし1年で50mSvを超えていはいけない。) 重要。数字も覚えておく。
  • b 水晶体の等価線量として 150 mSv ○
  • c 皮膚の等価線量として 300 mSv ×→500mSv
  • d 妊娠期間中の腹部表面で 2 mSv ○
    (胎児を公衆とみなし、公衆の被ばく線量限度1mSv/年を超えないように配慮した結果。1mSvを超えると胎児の異常が増加するわけではない。)
  • e 妊娠可能な女性の場合 3 カ月に 5 mSv ○

関連)放射線の基礎知識

 

9.

解答:e

e × 職業被曝

  • 医療被ばくとは「診断、治療などの医療行為に伴う患者の被ばく」のことを指す。
  • 患者本人の被ばくだけではなく、小児の X線検査に検査室内で立ち会う保護者などの介護者の被ばくも含まれる。

 

10.

解答:c

  • a ×反比例する。
  • b ×射出側よりも入射側の皮膚線量の方が高い。
  • c ○体格が大きな患者に対して同等の画像を取得するためにはより多くの照射線量が必要であり、皮膚線量も高くなる。
  • d ×数時間から1日。
  • e ×6週間以上。
 IVR皮膚の障害がおこるしきい線量と発現までの時間
  • 一過性初期紅斑:2Gy/数時間
  • 一過性脱毛:3Gy/3週間
  • 紅斑:6Gy/10日
  • 乾性落屑:14Gy/4週間
  • 湿性落屑:18Gy/4週間
  • 皮膚壊死:18Gy/10週以上
  • 皮膚潰瘍:20Gy/6週以上

 

11.

解答:a,c

  • a ○放射線はX線、γ線を含む電磁放射線と、粒子放射線に大別される。粒子放射線はβ線、α線、重粒子線などの荷電性粒子線と、中性子の非荷電性粒子線に区分される。
  • b  ×最も容易。紙1枚程度で可能。
  • c ○中性子線と電磁放射線は間接電離性放射線に分類される電離放射線。
  • d ×電磁波の波長は、電波、マイクロ波、可視光線、紫外線、X線、γ線の順で短くなる。
  • e ×粒子性+波動性。
放射線の種類

radi1radi2

 

12.

解答:b→a

  • a ×ラジオ波治療は、ラジオ波電極針を直接腫瘍に穿刺し、腫瘍およびその周囲を凝固壊死させる治療。
  • b ○超音波の伝わる深さは超音波のエネルギーが高いほど深い。
  • c ×180度逆方向。陽電子消滅に伴う2個の消滅放射線(電子の静止エネルギーに相当する 511keV のγ線)は 180°対向して放出される。PET。
  • d ×赤外線
  • e ×MRI は水素原子の原子核、つまり陽子のスピンを画像化したもの。

a:HCCに対するラジオ波療法ではなく、温熱療法による加温に関する出題と考えられaは正解と考えます(参考WEB http://www.minamitohoku.or.jp/cancer/hyper_org.html)。
b:USは高エネルギー(高周波)のプローブは体表観察に用いられます。高周波USは低周波よりも深部に届かないので、腹部USでは3.5-6MHzのコンベックスプローブを用います。減衰を考えるとbは誤りになります。

はるか先生ありがとうございます!!!

 

13.

解答:b

  • a ×X線のエネルギーが高ければ高いほど深部への到達距離は伸びるため、深部治療には 10〜15MV程度の高エネルギーX線が用いられる。
  • b ○
  • c ×比例
  • d ×診断用X線(数 10〜数 100keV)と物質との相互作用は主に光電効果による吸収であり、物質の原子番号が大きくなるにつれて単位質量当たりの吸収は大きくなる。
  • e ×光電効果あるいはコンプトン散乱による吸収は低エネルギーX線の方が大きいため、連続スペクトルを有するX線が物質を通過すると、低エネルギー成分の減弱が起こる。低エネルギー成分とは比較的長波長側のX線を示す。
特性X線
  • 電子殻の1つが空席になった場合、高次の軌道の電子がその空席を埋めてX線を放出する現象。
  • 特性 X 線のエネルギーは管電圧に依存しない。

 

14.

解答:d

  • a 陽電子は電子と衝突しγ崩壊する。×陽電子は物質中の自由電子との反応で電子対消滅を起こし、2 本の対向するγ線(511keV, 電子の静止エネルギー)を放出する。
  • b ×中性子はγ線と同様に非荷電放射線ではあるが、原子核との相互作用の結果間接的に電離を起こす電離放射線である。γ線も間接電離放射線である。
  • c ×治療用X線はコンプトン散乱である。診断用X線が光電効果である。
  • d ○高エネルギー光子は光核反応( (γ,n)反応)により中性子を放出する。
  • e コンプトン効果は原子核の陽子に光子がぶつかり散乱する現象である。×コンプトン効果は、入射光子と原子(軌道電子)との相互作用により起こる散乱である。

 

15.

解答:b、e

  • 荷電粒子に限って現れる現象。

 

16.

解答:c

  • 癌患者の4人に1人が放射線治療を受けている。

 

17.

解答:c,e

  • a × 4(死)Svと覚える。
    ※LD 50/60は60日以内に 50%のヒトが死亡する線量のことで、半致死線量と呼ばれる。LD100(100%死亡する線量)は 7~10Sv 程度。
  • b × 細胞周期にはDNA合成期(S期)と分裂期(M期)及び分裂後 S 期までの間(G1 期)、S 期から M期までの間(G2期)の4つが
  • ある。このうち放射線感受性は G1 期からS期に移る時期とG2/M期で高く、逆にS期の後期では低い。
  • c  ○ エックス線などの光子によるDNA障害の75%は間接作用によって起こる。
  • d × 二本鎖。
  • e ○ 細胞死には分裂を経て死に至る分裂死(増殖死)と、分裂せずに死に至る間期死がある。

※増殖死:放射線照射後1〜3回分裂したところで細胞が死んでしまう現象。
※間期死:放射線照射が原因で、次のM期に入る事なく細胞が死んでしまう現象。

 

治療(18-30)

18.

解答:d

  • a 前立腺癌根治治療 × 70Gy、前立腺±精囊基部をCTVとすることが多い。
  • b 食道癌化学放射線療法 × 60Gy-70Gy/30-35回、6MV以上。
  • c 悪性膠芽腫術後照射 × 60Gy。
  • d ケロイド術後照射 ○15Gy/3回程度が標準で、再発率の高い部位では20Gy、再発率の低い部位では10Gy 程度に変更することがある。
  • e 脳転移全脳照射 × 30Gyが標準的で、長期予後が期待できる場合に37.5~40Gy 照射することもある。

 

19.

解答:a,e

  • IMRTの適応疾患は頭頚部や脊椎、前立腺などに発生した固形悪性腫瘍となる。

 

20.

解答:e

  • 髄芽腫は播種しやすいため、基本的に全症例が放射線治療の適応となり、全脳脊髄照射が標準と考えられる。
  • 膠芽腫は可及的摘除術+化学放射線療法。放射線は拡大局所+局所照射。全脳照射はしない。化学療法としては、テモゾロマイドが注目されている。
  • 胚腫は、放射線感受性が極めて高い。化学療法にもよく反応するが、化学療法単独では高率に再発する。放射線治療は全脳室または全脳照射。播種のある場合は、全脳全脊髄照射を行なう。

 

21.

解答:d

  • a ○ 膠芽腫の治療は、可及的摘除+化学放射線療法(化学療法ではテモゾロマイドが注目。放射線療法では、三次元的照射技術を用いた通常分割照射。拡大局所照射で60Gy)
  • b ○  中枢神経悪性リンパ腫の治療は、メトトレキセート大量療法±放射線療法(線量は報告によりばらつきあり。40Gy前後?)。
  • c ○ 一回照射か分割照射かなどにより、適切な固定法を用いる。
  • d ×ガンマナイフは定位放射線治療装置であるが、半球上に複数のコバルトが配置されたもので、リニアックは用いられていない。
  • e ○

 

22.

解答:a

  • 腫瘍への線量を保ちつつ、リスク臓器の線量低減を図るため、3次元治療計画が原則とされる。様々な分割や線量増加が試みられているが、60Gy/30回/6 週間の治療が現時点では推奨される。

 

23.

解答:c

  • 上咽頭癌の症例の多くを占める WHO 病理組織分類の typeII・III は放射線感受性が高いとされる。
    ※分化度にもよるが、上>中>下咽頭の順に感受性が高い
  • 舌癌は小線源治療を行なうが、高分化な扁平上皮癌が多く、感受性が特に良好というわけではない。
  • a,b,eはいずれも放射線抵抗性。

 

24.

解答:a

  • らしい。

 

25.

解答:a

  • a  ○ 三次元治療計画が推奨されるが、二次元治療計画の場合には肺の深さが一つの目安になる。2−2.5cmは許容範囲内である。
  • b ×?
  • c ×同時併用については有効性と安全性のコンセンサスは得られておらず、特に化学療法剤の種類により慎重に判断する必要あり。
  • d × 4−6MV。
  • e  ×標準的な線量は 45~50Gy/一回線量 1.8~2.0Gy/4.5~5.5 週。50Gyと覚える。ブースト照射も含めた場合総線量 60~66Gy が総線量となるが、接線照射としては60Gy が標準にはならない。

 

26.

解答:d

  • 初期治療によって CRあるいはgood PRとなった限局型小細胞肺癌症例にはPCIの実施が推奨されている。25Gy/10分割など。

27.

解答:a,e

体幹部定位照射の適応
  • 腫瘍最大径が 5cm 以内。
  • リンパ節転移・遠隔転移のない T1N0M0 および T2N0M0 原発性肺癌。
  • 手術不能ないし手術拒否症例
  • 常時酸素を必要としない。
  • 活動性の間質性肺炎がない。
  • 非小細胞肺癌において、臨床病期Ⅰ、Ⅱ期には外科治療を行うよう強く勧められるⅠA期(T1N0M0)では手術により60〜75%の5年生存率が期待。

 

28.

解答:a,c

 

29.

解答:d

 

30.

解答:c

 

診断(31-85)

31.

解答: b,c

  • 大腿二頭筋・半様筋・半膜様筋がハムストリングを構成。

 

32.

解答:e

  • 大腿骨小転子に付着するのは、腸腰筋。
裂離骨折の部位と付着する筋
好発部位 付着する筋
坐骨結節 ハムストリング=後大腿筋群(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)
上前腸骨棘 縫工筋、大腿筋膜張筋
下前腸骨棘 大腿直筋
恥骨結合(and恥骨下枝) 内側大腿筋群(長・短内転筋、薄筋)
腸骨稜 腹筋群
小転子 腸腰筋
大転子 中・小臀筋、内閉鎖筋、双子筋、梨状筋

 

33.

解答:e

  • よちよち歩き骨折(Toddler‘s fracture)は脛骨遠位部に生じるらせん骨折。

 

34.

解答:b

  • 骨端は、小児ではこれ。成人では巨細胞腫。

 

35.

解答:a

  • ゾーン現象(=リング状石灰化)は骨化性筋炎にみられる。

     

    36.

    解答:d,e

    • 多血性腫瘍の鑑別診断。脊髄腫瘍で flow voidを伴う腫瘤は血管芽腫、傍神経節腫、SFT、血管外皮腫、上衣腫、腎癌など多血性腫瘍からの転移など。
    • とするとaも解答になりそうだが。頻度からは e>aなのか。

     

    37.

    解答:b,d

    • 眼神経とは三叉神経V1のこと。

     

     

    38.

    解答:a

    • 頭頸部腫瘍における超選択的動注化学療法は腫瘍の栄養動脈に直接大量の抗癌剤を動注する治療法。
    • 経動脈的にシスプラチンを投与して、還って来た静脈にチオ硫酸ナトリウムを入れて中和する。そうすると体循環にシスプラチンがいかないので大量投与できる。

     

    39.

    解答: a,b

     

    40.

    解答:a,e

     

     

    41.

    解答:b

    • 低血圧ではなくて高血圧。

     

     

    42.

    解答:d

    • entral neurocytomaは一側の側脳室前半にできることがほとんど、3%は第3脳室に発生する。

     

    43.

    解答:a,d

    • 対側の小脳歯状核もしくは、同側の橋背側中心被蓋路を選べばよい。

     

    44.

    解答:d

    • MSA-Pの画像は、被殻の外側凸な突出が萎縮して直線状に見える。同部での進行した鉄沈着も目立つ。
    • MSA-Cでは、小脳橋底部や中小脳脚の萎縮、橋横走線維変性を反映した逆T字状もしくは十字状のT2強調像高信号化(“hot cross bun’’sign)や、中小脳脚の高信号化を認める。

     

     

    45.

    解答:a,d

     

    46.

    解答:a,d

     

    47.

    解答:e

    • b:Bleomycin、Cyclophosphamide, Methotrexate etcによる間質性肺炎が知られている。
    • c:放射線肺臓炎から肺線維症に進行するのが一般的。
    • d:細気管支周囲の線維化から始まり、進行例では UIP と類似した像を呈しうる。

     

    48.

    解答:d

    • b:○ 肺胞蛋白症では、胸部レントゲンでは、肺水腫と同様に肺門側優位の浸潤影を呈する。ただし、末梢優位のこともある。頻度しては肺門>末梢のことが多い。CTでは、ほぼ均一なすりガラス影内に小葉間隔壁肥厚や、crazing -paving patternを呈する。
    • d:× 肺動脈の中枢側での拡張と末梢にかけての先細りが特徴的所見とされる。
    • e:○ consolidation, 網状影がびまん性に肺門や下肺野に優位にみられる。

    レントゲンによる陰影の分布

    肺門側優位
    • 肺胞性肺水腫
    • 肺出血
    • PCP
    • 肺胞蛋白症
    胸壁側優位
    • 慢性好酸級性肺炎
    • 特発性器質化肺炎
    胸膜に接する陰影
    • 肺梗塞(肺血栓塞栓症、真菌症)
    下肺野優位
    • 誤嚥性肺炎
    移動性
    • 慢性好酸球性肺炎
    • 特発性器質化肺炎
    • 肺吸虫症

     

    49.

    解答:d

    • d:肺梗塞に特徴的所見。

     

    50.

    解答:d,e

     

    51.

    解答:b

    • b:× 下葉に多く、胸膜側を底辺とした台形・楔状の consolidation(梗塞巣)もしばしばみられる。この特殊型として敗血症性塞栓症(septic emboli)があり、多発する壊死性・空洞化結節が特徴的。
    • e:○
    肺Langerhans組織球症の画像所見
    • いびつな形の嚢胞
    • 比較的壁の厚い嚢胞
    • 小葉中心性や気管支中心性に分布する小結節
    • 上肺野優位分布
    • 小葉中心性肺気腫の合併

     

     小葉中心性病変の鑑別
    • びまん性汎細気管支炎(DPB)
    • 二次性結核(気道散布性)
    • NTM(非定型(非結核性)抗酸菌症)
    • マイコプラズマ
    • 気管支肺炎
    • 過敏性肺臓炎
    • 好酸球性肉芽腫症
    • 珪肺/炭坑夫肺
    • 溶接工肺

     

    52.

    解答:e

    • 悪性胸膜中皮腫の初期像として、環状胸膜肥厚・縦隔側胸膜肥厚・胸膜不整像などがある。
    胸部CTにおける胸膜中皮腫と転移性胸膜病変の鑑別
    • 環状(ring-like)胸膜肥厚
    • 1cm厚以上の胸膜肥厚
    • 縦隔側胸膜肥厚

    は中皮腫により多く見られる。

     

    53.

    解答:e

    • S10が95%。左>右。左が60%。なので最も多いのは左S10。

    肺分画症

    肺葉内分画症 肺葉外分画症
    内:外の頻度 3 1
    左右差
    最も多いのはどこか。 左S10
    栄養動脈 大動脈あるいはその分枝 大動脈あるいはその分枝
    還流静脈 肺静脈 奇静脈
    独自の胸膜を持つ? ×
    合併感染 ×
    合併奇形 ×
    いつ発見される? 半数は大人。 新生児発見が多い。

     

    54.

    解答:a

    a halo sign × 侵襲性アスペルギルス症(invasive aspergillosis)の初期に特徴的な CT 所見。

    アレルギー性アスペルギルス症の画像所見
    • 中枢性気管支拡張
    • 粘液栓
    • 気管支壁肥厚
    • 無気肺
    • すりガラス影、浸潤影
    • 小葉中心性陰影

     

    55.

    解答:b,c

    • c:肺炎桿菌=クレブシエラ ○ 肺炎球菌と同様に、大葉性(肺胞性)肺炎の形態をとることが多い。
    肺胞性(大葉性)肺炎
    • 末梢肺胞領域に到達した病原体に対する生体の防御反応から、大量の滲出液が肺胞腔内に産生される。
    • 肺胞→小葉→亜区域→区域→葉とairspace cosolidation(周囲にGGOを伴う)が広がる。
    • 葉全体に広がるまでは、非区域性に進展。
    • 古典的には、肺炎球菌、クレブシエラ、レジオネラ。ただし、抗生物質の進歩により、この型の進展を示す肺炎を見る機会は減ってきた。
    気管支肺炎となりやすい菌
    • 黄色ブドウ球菌
    • 大腸菌
    • 緑膿菌
    • 嫌気性菌
    • インフルエンザ桿菌

     

    56.

    解答:d

    • d 癌性リンパ管症 × 間質性陰影が主体である。腫瘍細胞がリンパ組織の存在する肺間質(広義の間質)にびまん性に浸潤し、気管支・血管束の不規則な肥厚、小葉間隔壁や胸膜の肥厚などの多彩な間質性陰影を示す。

     

    57.

    解答:b

    • b × 神経鞘由来の腫瘍には神経鞘腫と神経線維腫があり、大部分は神経鞘腫である。
    縦隔成熟奇形腫
    • 縦隔胚細胞性腫瘍で最多。
    • 大部分は前縦隔発生。
    • 合併症として肺や気管支内、胸腔内、心嚢腔内への穿破がある。発見したら手術適応。
    • 脂肪および石灰化の検出が重要。
    • Fat-fluid levelの形成は確実な所見だが1割程度にしか見られない。

    58.

    解答:e

    e 下肺野血管陰影の増強 × :肺うっ血により下肺野の肺血管は細くなり、拡張した上肺野の肺血管と対照をなす。

     

    59.

    解答:b,d

    • e × Stanford B 型はエントリーを無視して解離腔のみに注目した分類で。エントリーが下行大動脈にあっても、上行大動脈まで逆行性解離を生じた場合Stanford A型となる。

     

    60.

    解答:a,b

    sabo

     

    61.

    解答:a

    • a ×:被ばく量の多さや造影剤の副作用のリスクの点から検診に適しているとは言い難い。最近は被ばく量かなり抑えられるようですが。検診はだめ。
    • e ○:肥大型心筋症では、遅延造影MRI で線維化巣の遅延造影を認める。他に遅延造影 MRI が有用な疾患として、拡張型心筋症、心サルコイドーシス、心アミロイドーシス、悪性リンパ腫などの腫瘍性疾患、心筋炎などが挙げられる。
    心臓MRIで確立されている検査法

    ①Cine MRIによる心機能解析:造影剤不要

    ②心筋遅延造影MRI

    • 心筋梗塞部位や心筋障害部位の描出。
    • 心筋梗塞では心内膜下から侵される。
    • 心筋viability(FDG-PETも有用。)

     

    62.

    解答:b

    • a × 肋骨ないから低電圧でよい。一般の胸部X線撮影が約120~140kV に対し、マンモグラフィーは25~32kV程度の低圧。
    • c × 石灰化がなくても、腫瘤や構築の乱れの所見を呈する乳癌が検出しにくいとはいえない。
    • d × 専用の装置が必要。
    • e 一方向のみの撮影では通常,内外側方向(MLを撮影する。× 一方向のみの撮影では通常内外斜位方向(MLO)を撮影する。
    マンモグラフィー
    • 管電圧:20-30kVp(胸部X線より低圧撮影)
    • 自動露出制御(AEC)の機能あり。
    • 散乱線除去(被ばく低減)のためにグリッドを使用。
    • 高輝度シャーカステン必要。5M以上のモニタで読影。
    • 基本撮影方向:

    ①MLO(mediolateral oblique:内外斜位方向):1枚で最も広く描出できる。
    他、ML(mediolateral)、CC(craniocaudal)の撮影あり。

    ②主訴が片側でも両側撮影する。
    ③検診では、40代はMLO,CCの2方向。50歳以上はMLOの1方向。
    ④診療では、MLO,CCの2方向→拡大スポット像などを撮影する。

     

    63.

    解答:d,e

    • a スピクラ × 悪性
    • b 皮膚肥厚 × 皮膚肥厚は皮膚所見のひとつで腫瘤や石灰化の随伴所見として取り扱われることが多く、所見として独立したカテゴリー分類を行わないことが多い。すなわち、単独で良悪性は判定できない。
    • c 線状分枝状石灰化 × 悪性
    • d ポップコーン状石灰化 ○ 明らかな良性石灰化の所見で、退縮した線維腺腫にみられる。
    • e tea cup sign ○ 明らかな良性石灰化のうちの石灰乳石灰化の所見で、嚢胞内に析出・沈殿したカルシウムにより三日月状、曲線状を呈する。
    明らかな良性石灰化
    • 線維腺腫:粗大あるいはポップコーン状。石灰化の周囲に境界明瞭な腫瘤を認める事もある。
    • 石灰乳石灰化:嚢胞内に析出・沈殿したカルシウムの石灰化像。

     

    64.

    解答:c

    生後28日以内が新生児。

    • a × 小泉門は3ヶ月までに閉鎖する。参考)大泉門閉鎖には生後 1 年半ないし 2 年かかる。
    • b × 上顎洞は 7 歳頃より発達する。
    • c ○ 骨化中心はおおよそ4 ヶ月で出現する。
    • d × 骨性癒合は3 歳から 14 歳で生じる。
    • e × 骨性癒合は3歳から7 歳で生じる。

     

    65.

    解答:a

     

    66.

    解答:d

    • c ○:S状結腸から直腸が約40~50%を占める。
    • d ×:大腸癌を含め、粘液産生腫瘍の肝転移では石灰化がしばしば見られる。
    転移性肝腫瘍(石灰化を含むもの)
    • 転移巣にしばしば石灰化を認めることがある。
    • 化学療法後に石灰化が顕在化することもある。

     

    67.

    解答:c

    • c ○肝転移、腹膜播種等の頻度は比較的高い。
    • d ×胃が最多。次いで小腸、十二指腸。大腸、食道の頻度は比較的低い。
    • e ×リンパ節転移の頻度は低い。
    GIST
    • 転移は主に血行性で肝が主、リンパ節転移は稀。播種は起こる。
    • GISTの臓器別発生頻度は胃が60~70%と最多で、小腸20~ 30%、大腸5%、食道5%と続く。

     

    68.

    解答:a

    • a ハロー × 転移でよく見られる所見。

     

     

    69.

    解答:c

    • a ×:腺腫内にSPIOを取り込むことが多い。
    • b ×:肝細胞癌に限らず、一般に低分化の方が拡散強調像で高信号を呈する頻度が高い。
    • c  ○:脈管構造、浮腫を反映し、T2 強調像では 75~84%で高信号を呈する。
    • d  ×:Heavily T2強調像では、血管腫は嚢胞よりは低い高信号病変として認められる。嚢胞の水水しさにはさすがに勝てません。
    • e ×:脂肪沈着を伴う病変は、opposed-phase T1強調像で信号が低下する。あたりまえ。

     

    70.

    解答:c,e

    • c 肝細胞腺腫 ○:高頻度に生じる。
    • e 悪性黒色腫肝転移 ○:他に腎細胞癌、肺癌の転移など。出血を伴うというより多血性だと思いますが。多血性=出血を伴いやすいのかな。
    多血性転移性肝腫瘍
    • 多血性を示すものは、腎細胞癌(淡明細胞型)、カルチノイド、膵神経内分泌腫瘍、甲状腺癌、褐色細胞腫、悪性黒色腫、GIST、肉腫など。時に乳癌も。
    • 動脈相で強く造影されることが特徴であり、動脈相を含めて撮像することが必要。門脈相では周囲肝とほぼ等吸収値を示し、検出率が低下する。
    • 古典的肝細胞癌との鑑別が問題となることがある。
    • 胃癌や通常乏血性に分類される結腸癌であっても、多血性転移のパターンを示すことがあり、しばしば診断に苦慮する。

     

    71.

    解答:c

    • a ○2次性鉄過剰症の原因。
    • b ○微少血栓形成による梗塞症状と溶血をきたし、腎皮質に沈着。
    • c ×皮質に沈着。
    ヘモクロマトーシス(Hemocromatosis)
    • 最近では、遺伝性疾患の鉄過剰症(超粘膜からの鉄の過剰吸収)をヘモクロマトーシスとし、その他は二次性鉄過剰症とされる。
    • 鉄過剰症は、多臓器(肝、脾、骨髄、膵、腎臓など)に鉄沈着を来す。

     

    72.

    解答:b,c

    • a ×左胃動脈→胃粘膜障害。
    • b ○肋間動脈→Adamkiewicz動脈から脊髄障害、皮膚障害。
    • c ○内胸動脈→Adamkiewicz動脈から脊髄障害、皮膚障害。
    • d ×大網動脈→胃・十二指腸粘膜障害
    • e ×腎被膜動脈→腎障害
    Adamkiewicz artery
    • 脊髄は、典型的には1本の前脊髄動脈と2本の後脊髄動脈によって栄養される。
    • 前者が2/3の領域を支配している。
    • 胸腰部の前脊髄動脈は、肋間または腰動脈から分岐する複数の前根髄質動脈から血流を受けるが、これらのうち最も太いものがAdamkiewicz動脈(別名:大神経根動脈: great anterior radiculomedullary artery)である。
    • 分岐する肋間、腰動脈は個人差が大きいが、Th8~L1の間で左側から起始する頻度が高い。太さは0.8~1.3mm程度であり、前脊髄動脈と合流する際に特徴的な”ヘアピンカーブ”を形成する。

     

    73.

    解答:e→d

    • c:○血中 IgG4 高値(陽性率 90.4%:高 IgG血症だと 70.5%)。ただし、IgG4高値の膵癌症例もあるので要注意。
    • PSCはステロイドでは治らないので、きちんと鑑別する必要がある。当然、類縁疾患ではない

    自己免疫膵炎は、びまん性膵腫大がある場合は、例えばIgG4上昇があるだけで診断がつきます。膵管狭細は必須ではありません。

    この問題は、原発性硬化性胆管炎を、自己免疫膵炎の類縁と見なしているのだと思います。なか先生

    74.

    解答:c

    • a 胆石 ×:胆嚢癌に胆石合併頻度は 50-60%。一方、胆石症に胆のうがんが合併する頻度は 2-3%。なので一応危険因子なのか。ただし、症状がない群では、evidenceがないとサマーセミナーで言ってはったが。
    • b 総胆管囊腫×膵管胆管合流異常との合併にて、胆道癌リスクあり。胆嚢癌では 20-30%。
    • c 胆囊腺筋腫症 ○-△正しく診断され、無症状の場合には積極的な治療は必要無い。画像上胆嚢癌との鑑別がしづらい症例もあり、注意が必要。癌のリスクがあるという報告とそれを否定する報告がある。
    • d 膵管胆管合流異常 ×:胆道癌リスク高く、発見次第手術適応。
    • e 原発性硬化性胆管炎 ×10~15%は胆道癌へ。

     

    75.

    解答:a

    • a ×腫瘍内の隔壁や間質は濃染。「染まる水」と覚える。
    • e ○malignant potentialとしてフォローする。
    非腫瘍性嚢胞の特徴のまとめ
    仮性嚢胞 なんでもあり。常に疑う。
    貯留嚢胞 PKや膵石→分枝膵管の閉塞
    ただし、単房性→pseudocyst、多房性→IPMN,MCN もあり。MPDとの交通はあってもよい。
    先天性嚢胞 MPDとの交通なし、mural noduleなし、類円形
    リンパ上皮嚢胞 嚢胞内面=扁平上皮、T1high

    DWIhigh

    CA19-9↑

    男>女、膵外に突出、境界明瞭、石灰化、壁は厚く不整
    類上皮嚢胞 副脾から発生=尾部!
    類皮嚢胞 20代(若い!)

     

     

    76.

    解答:d

    • d ×:T2強調像では高信号を呈することが多い。
    膵内分泌腫瘍の画像所見まとめ
    • 多血性。
    • 3割で嚢胞変性。
    • だからT2WIで高信号。
    • 非機能性の方が、機能性よりもサイズが大きい。嚢胞変性しやすいという傾向がある。

     

    77.

    解答:c

    • a 副腎癌 ×副腎静脈から下大静脈内への進展がみられる。
    • b 肝細胞癌 ×門脈や肝静脈への進展がみられる。門脈は有名。
    • c 子宮体癌 ○静脈内進展の頻度は低いと思われる。
    • d 腎細胞癌 ×腎静脈や下大静脈への進展がみられる。これも有名。
    • e 悪性膵内分泌腫瘍 ×膵内分泌腫瘍の悪性を示唆する所見として脈管浸潤がある。そうなのか。

     

    78.

    解答:d

    • a 漆喰腎×:腎結核の最終的な像。腎の著明な萎縮と石灰化を来たした状態。石灰化だからT2 強調像にて低信号を呈する。
    • b 乳頭状腎細胞癌  × hypovascularな腫瘍で、T2 強調像にて低信号を呈する。腫瘍間質に存在するヘモジデリン、出血の影響と考えられる。ただし、大きくなると変性などのため、必ずしもT2強調像で低信号とはならない)。
    • c 非定型(出血性)腎囊胞 × 出血を反映しT2強調像では高信号または低信号を呈する。
    • d 通常型(淡明細胞)腎細胞癌 ○多血性だから。T2強調像では軽度高信号を示す。ただし被膜は低信号。
    • e 脂肪の少ない腎血管筋脂肪腫 × 筋成分が主体となりT2強調像にて低信号を呈する。
    脂肪の乏しいAML
    • AMLの5%。
    • 脂肪成分が少なくなると、エコーで実質と等エコー。
    • 単純CTでは実質より高吸収(平滑筋主体なので筋と同じくらいの濃度。)
    • MRIのT2強調像で低信号を呈する。
    • 筋成分のみで占められるので、比較的均一な像を呈し、腎被膜からはbeak signを伴わない突出をする傾向がある。このような血管筋脂肪腫は乳頭状腎癌などと鑑別が困難である。
    • 生検を行い不要な手術を避けるのが望ましい。

     

    79.

    解答:c

    • c ×:結節性硬化症に血管筋脂肪腫の合併がみられる。Von Hippelは腎細胞癌
    血管筋脂肪腫
    • 良性充実性腫瘍で最も多い。
    • 脂肪と筋成分、血管で構成される良性腫瘍(過誤腫)で、女性に多い。
    • 腹痛、血尿、腫瘤触知などの症状を呈することがあるが多くは画像で偶然見つかることが多い。
    • ほとんどは単発。
    • 腫瘍周囲の偽被膜は通常認められない。
    • 静脈進展を呈するものもある。無症状で見つかった場合、以前は4cm以上のサイズでは出血のリスクがあり、治療の対象とされていたが、最近では10cm以上の場合という意見もある。
    • 結節性硬化症の50〜80%に認める。この場合は両側や多発が多い。
    • AMLはbeak signを伴わない突出をする傾向があり、腎癌との鑑別が困難な場合あり、その場合腎生検が推奨される。

     

    80.

    解答:e

    • a 副腎癌 ×6cm以上のことが多い。
    • b 褐色細胞腫 ×3cm以上のことが多い。
    • c 骨髄脂肪腫 ×脂肪の濃度を呈する腫瘍。通常は無症状でUSやCTにより偶然に発見されることが多い。
    • d Cushing 症候群腺腫 × 2cm以上のことが多い。
    • e 原発性アルドステロン症腺腫 ○原発性アルドステロン症の腺腫は小さなことが多く、画像検査で同定できないことが多い。そのため、どちらの副腎からアルドステロンが過剰産生されているかを判断するために、副腎静脈サンプリングが重要な検査として用いられる。

     

    81.

    解答:c

    • a 腰動脈 ×左右一対ずつ、大動脈後面より分岐し、腰筋、腹筋などに枝を出す。
    • b 卵巣動脈 ×腎動脈直下で大動脈前面より一対ずつ分枝する。
    • c 下副腎動脈 ○腎動脈より分枝
    • d 下横隔動脈 ×大動脈の腹腔動脈基枝部、直上部より分枝する。
    • e 下腸間膜動脈 ×第二、三腰椎の高さで腹部大動脈から分枝する。
    副腎動脈
    • 上副腎動脈←下横隔動脈から分枝
    • 中副腎動脈←腹部大動脈から分枝
    • 下副腎動脈←腎動脈(被膜動脈)から分枝
    副腎静脈
    • 右はIVCへ。左は左腎静脈へ還流。
    精巣動脈
    • 腹部大動脈(もしくは腎動脈)から分枝。
    精巣静脈
    • 右はIVCへ、左は左腎静脈へ還流。

     

    82.

    解答:e

    • a ○辺縁領域に多く発生し、T2強調画像にて低信号を示すのが典型的。
    • b ○内線(移行域)は不均一信号強度にみえ、前立腺癌の評価は難しい。
    • c ○早期濃染→wash outが典型的。
    • d ○DWIで高信号を示し、ADCで信号低下が典型的。
    • e FDG-PET CT は存在診断に有用である。×最近は診断に有効との報告もある。
    FDG-PETの前立腺癌検出について
    • 膀胱の背側に位置していることもあり、原発腫瘍の評価は難しい。
    • 骨転移の検出能も骨シンチの方が高い。

       

      83.

      解答: b

      卵巣腫瘍捻転
      • 通常は一側性に起こる。右:左=2:1。左側に少ない理由は、S状結腸が靭帯の癒着を防いでいるとされる。
      • 急性腹症(激烈な腹痛)として発症するが、捻転が徐々に起こり、軽度の下腹部痛が寛解と増悪を繰り返して慢性に経過する例も少なくない。
      • 組織型としては、周囲と癒着を生じにくい成熟嚢胞性奇形腫(最多)や機能性嚢胞、嚢胞性卵巣腫瘍に生じやすく、悪性腫瘍は稀。
      • 線維腫などの充実性腫瘍は漿膜下筋腫の捻転との鑑別が問題となる。
      • 5-10cmのものの捻転の頻度が高い。(小さくても大きすぎてもねじれにくい。)
      • 小児では付属器の固定が不十分で可動性に富むため、正常卵巣の捻転が認められることもある。

       

       

      84.

      解答:c

      • 腹水は出血などをきたして濃度上昇をきたすことがあっても、腹水濃度低下はきたさないと考えられる。

       

      85.

      解答:e

      • 大量出血をきたす可能性のある血管損傷による造影剤の露出がより重要と考えられる。e>a>他でやばい。

       

      核医学(86-100)

      86.

      解答:c

      • c ○ エネルギーの高い励起状態にある不安定な原子核が、エネルギーの低い安定した状態に移る際に、その差に相当するエネルギーを持つγ線を放出する。よって原子番号、質量数は変わらない。

       

      87.

      解答:b,d

      • 67Ga γ線。
      • 89Sr ○
      • c 111In γ線。
      • d 131I ○ γ線も出す。
      • e 201Tl γ線。
      内照射療法で覚えるべきは3種類
      • β線核出核種を用いて、標的組織を破壊する治療法。

      甲状腺癌 131I
      有痛性骨転移(除痛療法) 89SrCl2、153mSm
      悪性リンパ腫 90Y-Zevalin131I-Bexxar

      • 褐色細胞腫 131I-MIBG

       

      88.

      解答:c

      • a ×それはSPECT。
      • b ×それはSPECT。
      • d ×SPECTのシンチレータ。PET用は、LSO、GSO、BGO。
      • e ×それはPET。:SPECT は99mTc(141keV)、123l(主に159keV)などから放出されるγ線(フォトン)を検出する。

       

      89.

      解答:e

      e ×。DMSAは腎静態シンチ。カプトプリルやフロセミドは腎動態シンチに用いる。

      • カプトプリルはアンジオテンシン変換酵素を阻害する。カプトプリル非等よの腎動態シンチと負荷1時間後のシンチを比較して、基準以上の変化があった場合を陽性とする。
      • カプトプリル負荷腎シンチは腎血管性高血圧性の診断と治療効果予測に用いられる。

       

      90.

      解答:すべて

      • 早期胃癌以外全ての悪性腫瘍に適応あるので答えはすべて○。早期胃癌となってたら×。
      PETの適応
      • 平成22年に悪性腫瘍の診断について適応拡大。早期胃癌以外のすべての腫瘍。悪性リンパ腫含む。
      • 心サルコイドーシスにも適応。アンモニアを用いた心筋血流評価にも適応。

       

      91.

      解答:e

      • 前立腺癌の偽陰性率は70~95%と非常に高い。腎泌尿器はPETに弱い(偽陰性が多い。)
      FDG-PETで偽陰性になりやすい癌
      • 肺胞上皮癌
      • 肝細胞癌(高分化型)
      • 胃癌
      • 腎臓癌
      • 膀胱癌
      • 前立腺癌

       

      92.

      解答:b,c

      • a ×ヨード制限が必要なのは123I および 131I を用いた甲状腺シンチ。
      • c ○甲状腺に取り込まれた後に有機化されずに血中に放出される。
      • d ×正常例での甲状腺への摂取率は123I で10~40%,99mTcO4-で0.5~4%である。なので123Iより低い。
      • e ×:唾液腺,口腔内,食道などに生理的集積がみられる。

       

      93.

      解答:a,c

      • b 99mTc-HMDP:骨シンチ。
      • c 99mTc-HMPAO ○ 他、IMPも。
      • d123I-MIBG:心筋交感神経機能イメージングや副腎髄質シンチ。
      • e 123I-BMIPP:心筋脂肪酸代謝シンチ。脂肪からBMIと覚える。

       

      94.

      解答:c,e

      • a Alzheimer 病:後方優位の血流低下を示す。後部帯状回の血流低下に始まり,病状の進行に従い側頭,頭頂,前頭連合野と広がっていく。
      • c ヘルペス脳炎 ○ 急性期では 99mTc-MPAO,123I-IMP で病変部が高集積となり,慢性期では血流は正常に戻る。ただし,脳実質障害をきたすと血流は低下する。
      • d Creutzfelt-Jakob病 × :大脳皮質や基底核の病変部に一致した集積低下がみられ,急速進行性の経過を示す。
      • e 部分てんかん発作期 ○ 発作期には高血流を示し,間歇期には約半数でてんかん焦点の血流低下がみられる。

       

      95.

      解答:e

      • e 右小脳血流低下 × 関係ない。
      remote effect
      • 脳梗塞など脳血管障害例では、局所の血流が低下するが、これに加えて病巣部位と線維連絡のある遠隔部位の脳血流も機能抑制によって低下する(remote effect)ことが知られている。
      • 連絡のある遠隔部位では、まず代謝の低下がおこり、それに伴って血管が機能的に収縮して、血流低下が惹起されると考えられる。
      • 特にテント上の病変によって対側の小脳半球の血流が機能抑制によって一過性に低下する現象をcrossed cerebellar diaschisis (CCD)と呼ぶ。

       

      96.

      解答:a

      • a stripe sign:血流減少を伴った肺における胸膜直下の辺縁部の集積を表している。
      • b fissure sign:は肺血流シンチグラフィにおいて見られる葉間裂に沿った帯状の血流欠損のことである。
      • c knuckle sign:単純 X線において中枢肺動脈拡張が拡張し、急な先細りを示すサインのこと。肺塞栓で見られる。
      • d Westermarksign :単純X線において病変の末梢側血管陰影が消失して透過性が亢進するサインのこと。肺塞栓で見られる。
      • e segmental contour sign:区域間あるいは亜区域間の輪郭を縁取りするような血流欠損のことであり、びまん性肺動脈炎や癌性リンパ管症、多発微小塞栓だけでなくpulmonary venoocculusive diseaseでも見られる。

       

      97.

      解答:a

      • 99mTc-ピロリン酸は急性心筋梗塞における壊死心筋に集積する。予後評価にも有用である。

       

      98.

      解答:b,e

      • 動脈瘤やASOなどの非心臓血管手術の術前リスク評価においては、薬剤負荷心筋血流シンチグラフィは有用。

       

      99.

      解答:e

      • × 移植腎に伴う急性尿細管壊死では、血流や実質への RI uptake が比較的良好にもかかわらず実質からcollecting systemへ排泄されないのが特徴。

       

      100.

      解答:c

      • a ×DMSAは腎静態シンチ。
      • b × 2−3時間後。
      • d × 多発性骨髄腫は溶骨性なので検出能は悪い。
      • e ×造骨性ではシンチ>PET。PETは溶骨性の診断能が高い。