基礎(1-15)

1.

解答:d

  • a 増殖死と間期死とに分類される。○
  • b アポトーシスとネクローシスとに分類される。○
  • c 増殖死(=分裂死)では巨細胞形成や細胞融合がみられる。○照射後数回の細胞分裂後に死に至るのが増殖死。線維芽細胞での主要な細胞死の形態。巨細胞形態が認められる。通常の線量(1-2Gy程度)で起こる。
  • d 間期死では照射後数回の細胞分裂後に死に至る。×これは増殖死のこと。間期死では、放射線照射が原因で、次のM期に入ることなく、細胞が死ぬ。1回も細胞分裂を経ることなく直ちにおこる細胞死。原形質の融解が認められる。大線量照射が必要。
  • e リンパ球でみられる高感受性間期死はアポトーシスである。○

 

2.

解答:c

  • a 陽子線は低 LET 放射線である。○ 数10MeVの陽子線は、高LET放射線と同じ物理的特定を持ち、陽子線はすべて低LETと思ったら間違いではあるが、過去問を見る限り、低LET放射線として覚えればよい。
  • b 高 LET 放射線では線量率効果は小さい。○ 高LET放射線では、逆線量率効果が起こり、低量線で少しずつ放射線を浴びた方が生物学的影響が大きい。(低LET放射線では逆。)
  • c 生物学的効果比(RBE)は LET に比例する。×-△ 基本的に比例するが、LETが100keV/μm以上ではオーバーキルがおこり、比例しない。過去問を見るとこれが誤りか。
  • d 高 LET 放射線の DNA 損傷は直接作用が主体である。○
  • e 高 LET 放射線では低 LET 放射線より酸素効果が小さい。○ 酸素効果はLETに反比例する。

 

3.

解答:c

  • a α/βの単位は Gy である。○ αによる効果と、βによる効果が等しくなるところが、α/βである。つまり、αD=βD2となるD(放射線量)なので、単位はGy。
  • b 後期反応のα/βは早期反応に比して小さい。○α/βは細胞の増殖性や種類によって決まる。早期に反応する細胞(増殖性が高い)および腫瘍細胞は10Gy程度。後期反応細胞(増殖性が低い)は1〜3Gy。
  • c 1 本の放射線で2本鎖切断が生じる確率は線量の2乗に比例するとした。× 複数の放射線。1本の放射線で2本鎖切断は線量に比例する。
  • d 致死障害は2本鎖切断であり単鎖切断では致死に至らないとしたモデルである。○
  • e 細胞の生残曲線を多標的1ヒットのみで説明するには低線量の部分に無理があるため提唱された。○

 

4.

解答:a

  • a 細胞周期のうち S 期にある細胞は放射線感受性が高い。×。S期後半からG2初期は感受性が低い。
  • b LET とは飛跡上の一定距離当たりで付与するエネルギーのことである。○
  • c 高 LET 放射線は低 LET 放射線に比して DNA の二重鎖切断を起こしやすい。○ 電離作用が強い。
  • d 有酸素状態にある腫瘍細胞と比較して,低酸素状態にある腫瘍細胞は X 線照射に対する感受性が低い。○酸素があるとフリーラジカルを生じ、腫瘍殺傷能力が上昇すると考えればいい。
  • e 同等の生物学的効果を及ぼす線量が X 線 6 Gy,炭素線 2 Gy であれば,炭素線の生物学的効果比(RBE)は 3 である。○
  • ※RBE=6(基準放射線であるX線の吸収線量)/2(当該炭素線の吸収線量)=3

 

5.

解答:d

  • a 高 LET 放射線ではOER は 2~3 程度である。× 低LET線であるX線、γ線で2.5-3.0。OERはLETに反比例するので高LET線はもっと小さい
  • b OER は酸素分圧が高くなればなるほど高くなる。× 50mmHgで相対的な放射性感受性はプラトーに達する。
  • c 放射線照射後に酸素濃度を高めると OER が高くなる。×照射中の酸素濃度が重要。照射後に変化させても酸素効果は認められない。
  • d 照射時の組織の酸素分圧によって効果の大きさが決まる。○
  • e 高 LET 放射線では低 LET 放射線にくらべ酸素効果が大きい。×高LETでは酸素効果はほとんど認められない。なので酸素効果は間接作用の関与が考えられる。

 

 

6.

解答:b
  • a 粒子線と電磁波がある。 ○
  • b 電子線は電磁波である。× 電子線は荷電粒子線。電磁波はX線、γ線、電波、紫外線、赤外線など。
  • c 粒子線は波動性と粒子性を持つ。○
  • d 荷電粒子は直接電離放射線である。○
  • e ガンマ線は可視光線に比べて波長が短い。○ γ線が最も波長が短い。次にX線。さらに紫外線、赤外線と可視光へと続く。スライド20スライド21

7.

解答:c,d

  • a 折り返しアーチファクトは周波数エンコード方向に生じやすい。× 位相エンコード方向。周波数エンコードは短時間で撮る。位相エンコードは時間かかるため、アーチファクトはより生じやすい。
  • b エコープラナー法(EPI)は磁化率アーチファクトの影響を受けにくい。×EPIはDWIで使っている。前頭葉のところとかアーチファクトが出てるのはこれ。
  • c 拍動流に伴うアーチファクトは位相エンコードの方向に観察される。○
  • d 撮像条件を同一とした場合,化学シフトアーチファクトは磁場強度が高いほど大きくなる。○ 磁場の強度(テスラ)に完全に比例する。
  • e グラディエントエコー法は,スピンエコー法と比べて磁化率アーチファクトの影響を受けにくい。×受ける。

 

 

8.

解答:c
  • a タングステンは X 線管球に用いられる。○ X線管球としては,タングステン,モリブデン,ロジウム,銀などを対陰極(陽極)としたものが使われる。
  • b X 線 CT 画像ではスライス厚を薄くすると部分体積効果の影響が減少する。○ 常識。
  • c 超音波は組織間に音響インピーダンスの差が小さいほど強く反射する。× 音響インピーダンスに差が大きい部分ほど反射は強く起こりエコー輝度が高くなる。逆に音響インピーダンスに差のない、または少ない境界においては、反射が起こらないか、もしくは反射は非常に弱い。従ってエコー輝度は無エコーから低エコー輝度になる。
  • d 荷電粒子が結晶に入射したとき閃光を発する物質をシンチレータという。○その通り。γ線の入射エネルギーを蛍光に変換するのがSPECT(NaI)やPET(BGO,LSO,GSO)シンチレータ。他にα線やβ線のエネルギーを蛍光に変換するシンチレータもあるので○ということになる。
  • e 陽電子は陰電子と結合して消滅するとき,2 本の放射線を正反対の方向に放出する。○ その消滅放射線を感知するのがPET。

 

9.

解答:a,e
  • a 回復現象が認められる。○ 同じ線量でも分割して受けた方が、影響は少ない。これは回復現象があるから。なので、ある量を受けると発生するというしきい値がある確定的影響においても、この回復現象を考慮しなければならない。と思われる。
  • b 発症に性差が認められる。× 生殖腺の確定的影響には性差があるが…。
  • c 遺伝子の突然変異が原因である。× 関係ない。
  • d 被曝線量が増加するとリスクが増す。× しきい値を超えないとリスクは増さない。
  • e 精神発達遅滞は確定的影響の 1 つである。○成長と発達の遅延は胎児期被ばくによる確定的影響である。

※回復現象について:

  • 同じ放射線を浴びるにしても、少量の放射線を長時間にわたって受けた場合と、強い放射線を一度に浴びた場合とでは、影響をかなり違う。前者の方がはるかに放射線障害は少なくなる。これは細胞や組織の持つ損傷回復力が放射線による障害の発生を上回って働くため。
  • したがって、年間約2.4mSvという自然放射線よる被ばくで、障害の発生はまずない。

 

 

10.

解答:d
  • a 自然放射線量が高い地域の住民の発がん率は高い。× 自然放射線量が多い地域の住民の発癌率が高いというデータはないばかりか、逆にそういった地域の住民のほうが、発癌率や癌死亡率が低い。
  • b 放射線誘発がんで潜伏期間が最も短い腫瘍は乳癌である。× 白血病。
  • c 白血病の発生は放射線被ばく後 15 年以上経過してから増加する。× 6-7年がピーク。その他の癌は通常10-20年後に起こることが多い。
  • d 放射線による遺伝的影響はこれまでにヒトでは確認されていない。○
  • e 放射線誘発がんは他の原因による発がんと組織学的に識別可能である。× なわけない。

 

 

11.

解答:e

e アナフィラキシー様反応は用量依存性に発生する。×

非イオン性造影剤の特徴
  • 我が国において、ヨード系X線造影剤を投与された337,647例(イオン性造影剤169,284例、非イオン性造影剤168,363例)を対象とし大規模な多施設共同の副作用調査が行われた。その結果、イオン性造影剤の副作用発生頻度が12.66%(21,428例/169,284例)であるのに対し、非イオン性造影剤では、3.13%(5,276例/168,363例)であった。
  • 副作用症状のうち呼吸困難、急激な血圧低下、心停止、意識消失などの重篤な副作用の発生頻度をみると、イオン性造影剤では0.22%(367例/169,284例)であるのに対し、非イオン性造影剤では0.04%(70例/168,363例)と有意に副作用が少なかった。
  • しかし、イオン性造影剤の副作用は、使用後数分~30分以内に発現する即時型アレルギーが大部分を占めていたのに対して、非イオン性造影剤では、投与後1時間以上、ときに数時間以上も経過して発現する遅発性アレルギーの報告が少なくなく、また即時型の症例の報告もある点に十分留意する必要がある。しかし、遅発型副作用の発生頻度及び発症機序については、まだ明確にはなっていない。
ヨード造影剤が副作用をおこす原因

(1)造影剤の物理的特性、
(2)造影剤の化学毒性、
(3)アナフィラキシ-様反応、
(4)心理的因子

の4つに大別される

 

12.

解答:b

  • a 腎不全 × 原則禁忌
  • b 急性膵炎 ○ 原則禁忌だったが、慎重投与へ変更となった。
  • c 気管支喘息 × 原則禁忌
  • d 多発性骨髄腫 × 原則禁忌
  • e 重篤な甲状腺疾患 × 絶対禁忌

 

13.

解答:d

  • a 通常胆道系から排泄される。× 腎排泄。
  • b 造影剤濃度と信号強度は比例する。× 信号強度と造影剤濃度は比例関係ではないと記載あり。
  • c 副作用の頻度は CT 用造影剤よりも高い。× ガドリニウム造影剤の副作用発現率は 1~2%程度であり、ヨード造影剤に比べ安全性が高いとされてきたが、重度腎障害患者に発現する副作用として腎性全身性線維法(NSF)が報告されて以来その認識は一変し、安全性について世界的に再考されるようになった。
  • d 体内動態はヨード系造影剤と同様である。○ ガドリニウム造影剤(臓器非特異性)はヨード造影剤ほぼ同じ体内動態をとり、腎機能が正常な患者での血中半減期は 1 時間前後であるが、末期腎障害患者では 35 時間程度まで延長する。
  • e 透析を行っていれば腎不全の患者に投与可能である。× 禁忌。

 

14.

解答:d

  • a CT の画像観察では 50 万画素モニタが推奨される。×130万〜500万画素。
  • b カラーモニタはモノクロモニタの代替とはならない。×
  • c 胸部 X 線写真では輝度が 20% 低下すると精度が劣化する。× 最高輝度が67%以下に低下すると胸部写真として使用する上で臨床的に読影結果の精度に影響する。つまり、33%低下が正解。
  • d マンモグラフィの画像観察では 500 万画素モニタが推奨される。○ 500万画素以上必要。
  • e モニタ管理用標準テストパターン(TG-18QC)のグレースケールは 8 階調である。×16段階

 

15.

解答:e
  • a 医用画像のフォーマットと通信プロトコルの規格である。○ CT・MRI・内視鏡・超音波などの医用画像診断装置、医用画像プリンタ、医用画像システム、医療情報システムなどの間でデジタル画像データや関連する診療データを通信したり、保存したりする方法を定めた国際標準規格をDICOMという。
  • b すべての医用画像モダリティはこの規格に準拠している。△超音波などはデジタル対応してきたがDICOM化されたのは最近。
  • c Digital Imaging and Communications in Medicine の略である。○
  • d Modality Working Management(MWM)はその機能の一つである。○
  • e DICOM3.0 は8つのサービスクラスと呼ばれる機能で成り立っている。× もっと沢山サービスクラスはある。サービスを提供する側と、サービスを利用する側の2つがあり、前者をSCP(Service Class Provider)、後者をSCU(Service Class User)という。

 

診断(16-70)

16.

解答:a,c
  • a 骨肉腫 ○ 溶骨性変化を示すもの、骨硬化性変化を示すもの、両者の混合するものに分類され、中でも混合型が多い。
  • b ビタミン D 欠乏症 × 骨軟化症。
  • c 骨Paget 病慢性期 ○ 破骨細胞活性→溶骨性変化→造骨細胞活性が混在→造骨性変化が優位となる順に進行する。
  • d 副甲状腺機能亢進症 × 骨膜下吸収を起こす。
  • e Langerhans 細胞組織球症 × 骨硬化縁や骨膜反応を伴わない骨溶解像。レントゲンにてbeveled edge appearanceと呼ばれる辺縁部と中心部の濃度差。

 

17.

解答:c,e

  • a 先天性脊椎すべりは L1 に最も多い。× 先天的なS1椎と関節突起の形成不全により、L5椎のきわめて高度なすべり症が生じる。
  • b 分離すべりは L4 に最も多い。× L5が80%、L4が10%。10代の男子でスポーツする人に多い。
  • c 分離すべりは神経根症状をきたし易い。○
  • d 変性すべりは L5 に最も多い。× L4
  • e 変性すべりは馬尾症状をきたし易い。○

 

18.

解答:d

  • a 強直性脊椎炎 ○ びらんが小さく切手のふち様。
  • b 乾癬性関節炎 ○ 非対称性。
  • c 腸炎性関節炎 ○ 炎症性腸炎に合併。対称性。
  • d 甲状腺機能亢進症 × 関係ない。
  • e 副甲状腺機能亢進症 ○ 骨吸収により開大する。
仙腸関節の開大
  • 外傷による靭帯損傷により仙腸関節間隙は開大する。靭帯付着部の炎症(enthesopathy),骨びらん,骨吸収などによっても関節間隙の開大をきたす。
  • 外傷に伴う仙腸関節の開大は前・後仙腸靭帯の損傷を示唆する。腎不全に よる2次性副甲状腺機能充進症では,骨吸収により仙腸関節間隙は開大する。
  • Seronegative spondyloarthropathyに多くみられる靭帯・健付着部の炎症 (enthesopathy)では,骨びらんより始まり,反応性・修復性骨硬化,さらに骨癒合へと進行する。これらは仙腸関節炎の存在を意味し,両側性の仙腸関節炎は硬直性脊椎炎の診断には必須項目である。

 

19.

解答:a. ○

 

20.

解答:b

  • a 類骨骨腫 ○
  • b 内軟骨腫 ×
  • c Brodie 膿瘍 ○ 黄色ブドウ球菌による骨髄炎の1型。当然周囲に骨髄浮腫を伴う。
  • d ストレス骨折 ○
  • e 軟骨芽細胞腫 ○
周囲の骨髄や軟部組織に浮腫性変化を伴う良性腫瘍
  • 軟骨芽細胞腫
  • 類骨骨腫
  • 好酸球性肉芽腫
  • 疲労骨折(ストレス骨折)

※MRI所見はしばしば非特異的。周囲に反応性浮腫を認め、悪性腫瘍と紛らわしいことがある。質的診断には臨床所見や単純写真所見を十分に考慮する必要あり。

 

21.

解答:d 軟骨芽細胞腫

○ 子供。これと骨巨細胞腫が骨端。

 

22.

解答:c

  • a 脳膿瘍 × 高信号。
  • b 類上皮腫 × 著明な高信号。
  • c くも膜囊胞 ○ 低信号
  • d 急性期脳梗塞 × 高信号
  • e 脳悪性リンパ腫 × 高信号

 

23.

解答:e

  • a Leigh 脳症 × 視床,大脳基底核,中脳,橋などに左右対称性の壊死性病変を持つ中枢神経系の変性疾患であり,病因は単一ではない。病因は生体のエネルギー産生に重要なピルビン酸代謝障害。遺伝性灰白質疾患の1つ。
  • b 多発性硬化症 × 髄鞘のミエリン蛋白に対する自己免疫疾患。ほか、ウイルス感染症の関与が考えられている。
  • c Wernicke 脳症 × ビタミンB1(チアミン)不足。
  • d Creutzfeldt-Jakob 病 × 異常プリオンの中枢神経内沈着が原因であり,その発生は散発性のものがほとんどであるが,家族性の発生や,狂牛病からの感染(変異型)も知られている。
  • e 進行性多巣性白質脳症 ○免疫不全患者に症じる進行性・致死性の脱髄疾患である。
PMLの画像所見
  • 局在:多発性、非対称性、皮髄境界・皮質下白質(U-fiberを含む)、脳梁、視床、基底核、内包、外包(脳幹、小脳はまれだが、テント下では中小脳脚にみられうる事が多い)。
  • 病変は皮質下白質から深部白質へ進展し、進行とともに萎縮する。
  • T1WIで低信号、T2WIで高信号。
  • DWIでは、脱髄前の膨化した細胞により拡散が低下する部位と、oligodendrocytesが消失し細胞外腔が拡大、拡散が亢進する部位があるため、信号域の部位と低信号域の部位(T1WIで低信号の部位は、DWIでも低信号)が認められる。
  • 原則として、造影効果やmass effectはない。
  • 免疫再構築により一過性に増悪し、増強効果がみられることもある。

 

 

24.

解答:e:○

脳底動脈先端症候群とは
  • 後大脳動脈近位側3〜4mmより出る穿通枝の塞栓により発症する。
  • 一側PCAから出る穿通枝は中脳、視床背側および視床正中部の両側を養うため、蝶形の梗塞を認める。また後頭葉や側頭葉にも梗塞巣を作る。
  • 一側または両側動眼神経麻痺、Parinaud徴候、下方注視麻痺を来たし、同時に意識障害、無為、記憶障害を伴う。

 

25.

解答:a:○

MRI(特にFLAIR)の特徴、注意点
  • FLAIRであれば急性期のみならず亜急性期例の診断が可能。CTと同等以上とされる。
  • 軽微なSAHもFLAIRであれば明瞭な高信号として描出される。高信号が認めなくても、FLAIRにてくも膜下腔に(黒い)動脈が見える(正常では見えない。くも膜下腔内の濃度が上昇しているため浮き出て見える。)
  • CT同様、FLAIRにてSAHを指摘できても、否定することはできない。
  • FLAIRでくも膜下腔が高信号を呈する病変・病態を知る。

 

26.

解答:a

  • a 上衣腫  ○ 最多。
  • b 星細胞腫 × 2番目に多い。小児はこれが一番。
  • c 神経鞘腫 ×
  • d 血管芽腫 × 3番目。
  • e 神経節膠腫 ×
脊髄上衣腫(ependymoma)
  • 中心管、終室の上衣細胞から発生。
  • 髄内のグリオーマの60%を占め、成人の脊髄髄内腫傷では最も多い。
  • 病理組織学的に、細胞性上衣腫(cellular)と粘液乳頭状上衣腫(myxopapillary)があり、発生部位、発生年齢、画像所見が異なる。
  • 細胞性上衣腫は30~40歳代に好発し、小児には少ない。頚髄に好発し、3~4椎体以内に限局することが多い。頚部痛や背部痛,運 動感覚障害をきたす。
  • 粘液乳頭状上衣腫は脊髄上衣腫の約3割を占め、そのほとんどが脊髄円錐と終糸に起こる。より若年者に多く、出血の頻度が高い。腰仙部痛や下肢脱力、膀胱直腸障害をきたす。
  • 神経線維腫症2型(NF2)を伴っている場合があるので、上衣腫を見たら聴神経腫瘍や髄膜腫にも注意を払う必要あり。

 

27.

解答:a,b

  • a 上衣腫 ○
  • b 髄膜腫 ○
  • c 血管芽腫 × von Hipple Lindau病
  • d 神経膠腫 ×
  • e 上衣下巨細胞星細胞腫 × 結節性硬化症 両側聴神経鞘腫→NF2のこと。つまりNF2に合併するものを選べという問題。
神経線維腫症2型(NF-2,neurofibromatosis with bilateral acoustic schwannomas)
  • 常染色体優性遺伝(22ql2;腫傷抑制遺伝子であるmerlinの異常)であるが,約50%は突然変異にて生じる。
  • 頻度は50,000人に1人ほどである。
  • 両側聴神経鞘腫はほぼ必発で,発症年齢は平均約20歳と単発の聴神経鞘腫と比べ若い。
  • 小児期の症状としては痙攣,顔面神経麻痺などで,難聴は少ない。
  • 成人では難聴を呈する。
  • 皮膚症状は少なくカフェ・オレ斑は約25%で見られる。また,皮膚の神経鞘腫が見られることがある。
  • 約半数で白内障を伴う。

NF2
ME2 (meningioma ependymoma)と覚える。

NF2のMR所見
  • 両側聴神経鞘腫(90~95%)および他の脳神経(主に第3,5,7脳神経)鞘腫(約50%),髄膜腫(約50~60%)が見られる。
  • 個々の腫瘍の所見は単発のものと変わりない。
  • 主な病変が聴神経鞘腫,髄膜腫のため,造影MRIが必要である。
  • 脊髄病変(神経鞘腫、上衣腫、髄膜腫など)の合併にも注意が必要である。

 

28.

解答:d

  • a 眼窩 T4
  • b 副鼻腔 T3
  • c Meckel 洞 T4?
  • d 傍咽頭間隙 ○ T2はここへの伸展のみ。覚える。
  • e Rosenmüller 窩 T1

 

29.

解答:b

まず円錐とは4つの外眼筋がつくる円錐。円錐内には眼窩の血管, 外眼筋を支配する感覚・運動神経, 視神経, 視神経鞘などが含まれる。

  • a 髄膜腫  ○
  • b 類皮腫 ×
  • c 神経膠腫 ○ 視神経原発腫瘍のうち80%を占める。
  • d 悪性黒色腫 ○転移。
  • e 悪性リンパ腫 ○

 

類皮腫 dermoid
  • 胎生期の外胚葉の迷入によって発生する嚢胞性腫瘤であり,真の腫腫ではない。
  • 表皮成分および毛嚢・皮脂腺などの皮膚付属器を含む真皮成分からなっており,文字通り皮膚に類似した腫瘤である。嚢胞壁は角化を示す重層扁平上皮,皮膚付属器,線維結合組織で構成され, 嚢胞の内容物はこれらか排泄される角質や脂肪などが混在する。
  • 発症年齢は小児〜中年と幅広い。
  • 正中近くに発生する傾向があり,頭蓋内ではトルコ鞍近傍や前頭蓋底に好発する。
  • 後頭蓋窩(特に正中の小脳虫部~第四脳室)やその他の脳室内などにも認められる。眼窩(顔面では眼窩上外側の発生が最も多いとされる。つまり円錐内ではない。)や頭蓋骨(特に縫合付近)にも発生する。
  • 後頭部や鼻前頭部の皮膚洞に合併することがあり、その場合は感染のリスクがある。破裂すると,くも膜下腔や脳室内に内容物が広がってchemical meningitisを生じ,頭痛・痙攣・意識障害・血管攣縮・水頭症などを来す。
  • 鞍上部の病変では視野障害なども生じうる。
  • 稀に悪性転化することがあり,その場合の組織型は扇平上皮癌である。

 

30.

解答:a,d

  • a 乳頭癌は最も頻度が高い。○ 85%。
  • b 濾胞癌は最も予後が良い。×それは乳頭癌。次に濾胞癌>髄様癌>悪性リンパ腫>>未分化癌の順。
  • c 未分化癌は若年者に発生する。× 60歳以上。
  • d 悪性リンパ腫は慢性甲状腺炎(橋本病)に発生する。○
  • e 髄様癌は多発性内分泌腫瘍症 1 型に属する。×2型。 MEN1=膵、下垂体、副甲状腺腺腫(すいすい不幸)、 MEN2=髄様、褐色細胞、副甲状腺腺腫(ずいずい不幸)

 

31.

解答:c

  • a 多発空洞小結節×
  • b 進行性塊状線維化 × PML:progressive massive fibrosisは珪肺。
  • c 下肺野末梢網状影 ○
  • d 上肺野多発小粒状影 × 下肺野。上肺野は珪肺。
  • e リンパ節卵殻状石灰化 × 珪肺。

 

32.

解答:c

  • a 空洞性病変―――小児初感染結核 × むしろ二次結核。
  • b リンパ節腫大 ―――再感染結核 × むしろ初感染。
  • c すりガラス状陰影―――細胞性免疫不全 ○
  • d 下肺野末梢分布病変―――再感染結核 × 肺尖部やS6。
  • e tree-in-bud appearance―――血行散布性結核 × 経気道散布。血行性ならランダム分布。
結核の分類と画像所見

二次結核(再感染結核):よく見る結核。

一次結核(初感染結核):

  • 下肺優位
  • リンパ節腫大
  • 胸水

免疫不全患者の結核:非区域性分布を呈する陰影,陰影内部に小空洞の多発する病変が有意に認められる頻度が高かった。

 

 

33.

解答:b

  • a 斑状影 ×
  • b 多発薄壁囊胞 ○〜△ 厚いことが多いが、薄いものもある。と覚えておくしかない。
  • c 下肺野優位線状影 × 上肺野優位。
  • d 肺門周囲の多発粒状影 ×
  • e 肺野末梢のすりガラス状陰影 ×粒状影。
    ※CT 画像上は小葉中心性粒状影と比較的壁の厚い嚢胞が特徴で、上肺野優位の分布を示す。

 

34.

解答:a

a 肺血流再分布 ○ redistribution of pulmorIary blood flow。僧帽弁疾患や左心不全により肺静脈圧が上昇した場合,立位胸部単純像で上肺野の血管陰影の増強(拡張)が見られること。

 

35.

解答:c

  • a 内部の空洞 × 扁平上皮癌をはじめとする悪性でも見られる所見。
  • b 辺縁部点状石灰化 × 悪性もあり得る所見。
  • c 末梢の気道散布陰影 ○ 通常は感染を示唆する所見。
  • d CT 上の良好な造影効果 × 逆。CT値上昇15HU以下のものはほぼ良性。
  • e 3 ヶ月の経過観察で不変 × 3ヶ月だけでは良性とはいえない。

 

くまもん先生より頂いたコメント

放射線科専門医試験(一次)2012の回答についてですが、
問35はeが正解だと思われます。
cについては、「肺癌(腺癌)でも肺内転移巣(散布巣)を伴う場合がある」と2016年のレジデントセミナーの資料スライドに記載がありました。
対してeについては、良悪性を鑑別するために画像を継時的にフォローすることは一般的と思われます。経過観察して不変なら良性とするというのは妥当ではないでしょうか?ただ、3ヵ月だけというのは少し短い気がしますが。
加えてcが正解とする根拠の記載がなかったので、この正解に納得できずコメントさせて頂きました。

→おっしゃるように、cでも悪性の場合はありますが、頻度としてという意味だと思われます。

eについては、肺結節の判定と経過観察 第2版 ©日本CT検診学会にもありますように、3ヶ月で不変だからと言って良性として経過観察を中断して良いわけではありません。

 

36.

解答:b

  • a 右肺門は左肺門より頭側に位置する。× 左が上。

  • b 前接合線は後接合線より尾側に見られる。○
  • c 側面像では下大静脈陰影は認められない。× 認められる。
  • d 右上葉気管支は左上葉気管支より尾側にある。× 頭側にある。

  • e 正面像の心右縁下部を形成するのは右室である。× 右房。上部は上大静脈。

 

37.

解答:c,e

  • a 分画肺は正常の気管支と交通がある。×
  • b 肺葉内分画症は正常肺と別の胸膜を有する。× それは外。
  • c 肺葉内分画症の異常動脈は胸部下行大動脈より分岐する。○ その通り。
  • d 肺葉外分画症の合併奇形は稀である。× 外に合併奇形が多い。
  • e 肺葉外分画症は肺葉内分画症より発生頻度が低い。○

 

 

 

38.

解答:a

  • a SLE ―――肺胞出血 ○
  • b 多発性筋炎 ―――肺動脈血栓塞栓症×
  • c 関節リウマチ ―――肺動静脈奇形× 気道病変、間質性肺炎、RA結節(胸膜直下、小葉間隔壁に沿う結節、石灰化なし。)
  • d 強直性脊椎炎―――肺カルチノイド× 強直性脊椎炎患者のごく一部(おそらく1~2%)に,嚢胞状または空洞様の変化を伴った肺尖部の肺線維症と、隣接した胸膜の肥厚を起こすことがある。
  • e 全身性硬化症 ―――肺過誤腫× 間質性肺炎。

 

39.

解答:b

b:○

e 多発すりガラス状陰影 × mosaic appearanceは生じるが、すりガラス影ではないと思われる。

気管支喘息のCT所見
  • 気管支の拡張や狭窄、
  • 気管支壁肥厚
  • 小葉中心性分岐状陰影
  • 気管支拡張
  • 粘液栓
  • 末梢気道の狭窄に伴い、呼気CTにおいてair trapping→mosaic appearance

 

40.

解答:c

2018/02/14追記

日本肺癌学会編「臨床・病理 肺癌取扱い規約 2017年1月(第8版)」(金原出版) によると

左下葉に6cmの原発巣→T3:充実成分の大きさが5cmを超え7cm以下

右下部気管傍リンパ節・気管分岐下リンパ節転移あり。→N3:対側縦隔、対側肺門、同側あるいは対側の鎖骨の上あたりにあるリンパ節への転移がある

左胸腔内播種→M1a:対側肺内の離れたところに腫瘍がある、胸膜または心膜への転移、悪性胸水がある、悪性心嚢水(しんのうすい)がある

にそれぞれ相当するので、T3N3M1aということになり、正解はないということになります。

 

41.

解答:a

  • a 大動脈損傷は峡部に多い。○ 左鎖骨下動脈分岐部直下の峡部に多い。
  • b 気道損傷は末梢気道に多い。× 中枢に多い。大血管損傷同様に固定された気 管に対し比較的固定の緩やかな肺との間の水平・ 垂直方向の加速度による勢断外力が加わることにより生じる。そのため,鈍的損傷の80%以上が気管分岐部から2cm以内に発生する。
  • c 外傷性肺囊胞は 1~2 週で消退する。× 外傷性肺嚢胞の消失には数週間を要する。外傷後に肺の限局性の透亮域が認められた場合は外傷性肺嚢胞が考えられる。外傷性肺嚢胞では,内部にair-fluidlevelが見られる。
  • d 肺挫傷は 24 時間以後で明らかとなる。× 肺挫傷は受傷直後から6時間以内にX線所見が認められることが多い。 X線で外傷後6時間以内に最初の写真が撮られた症例の70%に所見を認めたと報告されている。24時間まで増強して、48時間以降消退していく。
  • e 横隔膜損傷では,他臓器損傷合併はまれである。× 横隔膜損傷時には腹部臓器損傷を伴うことが多く,右側の損傷では肝損傷が多くを占める。左側では77%に腹腔内臓器損傷を合併するとの報告もある。

 

42.

解答:b

  • a Stanford A 型は,DeBakey II 型に相当する。×
  • b Stanford B 型は,DeBakey III 型に相当する。△ DeBakeyはリエントリーの位置と解離腔の範囲によって分類しており、Stanfordの型と1対1対応しない。詳しくは次のスライド参照。Stanford A=Ⅰ+Ⅱ、 B=Ⅲa+Ⅲbでいっか。
  • c Stanford B 型の予後は A 型より不良である。× 上行におよぶAの方が重症。
  • d 動脈瘤合併が多い。△大動脈解離で大動脈径の増大があるのは 40~50%に過ぎない。これを多いとするかどうかは他の選択肢との関係次第。2010年は瘤の合併が90%以上、を誤り。
  • e 単純 CT で急性期解離腔は低吸収を示す。×高吸収

 

 

43.

解答:b

  • a 冠静脈洞は左房に還流する。 × 右房。冠静脈洞へ還ってくるのは左室からの血流。右室からの血流は小心静脈から右房へ還る。
  • b 右冠動脈は右房室間溝に沿って走行する。○
  • c 左冠動脈回旋枝は前心室間溝に沿って走行する。× 前下行枝。主幹部が前心室間溝を通っていき、前下行枝がそのまま通る。回旋枝は、左房室間溝を通っていく。
  • d 肺動脈弁は 2 枚の半月弁からなる。 × 3枚。
  • e 左心室の肉柱構造は右心室より直交する。?

 

44.

解答:c

  • a 動脈管開存 × 大動脈から肺動脈に流れるので陰影は増強する。
  • b 大動脈縮窄 ×
  • c Fallot 四徴症 ○ PS+VSD+大動脈騎上
  • d 心室中隔欠損 × 左室から右室へ流れるので肺動脈陰影は増強する。
  • e 心房中隔欠損 × 左房から右房→右室へ流れるので肺動脈陰影は増強する。

 

45.

解答:c

  • a 石灰乳石灰化 × 明らかな良性。
  • b 領域性石灰化 ×良性。区域性は悪性。
  • c 分枝状石灰化 ○
  • d 中心透亮性石灰化 × 明らかな良性。
  • e 1 mm 以上の孤立円形石灰化 × 明らかな良性。
明らかな良性石灰化
  • 円形
  • 中心透亮性
  • 石灰乳 (上から見るとTea cup sign、嚢胞内)
  • 線維腺腫(粗大あるいはポップコーン状)
  • 分布では、 びまん性/散在性>領域性>集簇性>線状>区域性
  •       良性                  悪性

 

46.

解答:c,e

  • a 画像診断による葉状腫瘍との鑑別は容易である。× 葉状も良性。
  • b 超音波検査では辺縁不明瞭な腫瘤像を示す。×境界明瞭。
  • c ポップコーン様石灰化がマンモグラムでの典型的所見である。○
  • d MRIでは粘液癌との鑑別は容易である。× ともにT2WI高信号、ダイナミックにて漸増型に造影される(線維腺腫はT2WIで低信号のことも、ダイナミックにて急速にプラトーに達することもある。)
  • e MRIの信号強度には結合織成分の多寡が大きく反映される。○ その通り。 線維腺腫
Fibroadenoma(FA)
  • 上皮と間質の過形成性増殖。
  • 病理:上皮成分の組織形態により分類。 (管内型、管周囲型、類臓器型、乳腺症型の4つ)
  • 20〜30歳代。
  • 自然退縮もあり治療の必要なし。線維腺腫内に乳癌が発生することはまれ。

 

  • 画像所見(典型像):
  • 境界明瞭平滑で扁平な腫瘤。
  • 内部性状は間質成分の性状による。
  • 粘液浮腫状(粘液癌と似ている。)から硝子化

 

47.

解答:b

  • a T1 強調像で高信号を示す。× 低信号。
  • b 造影 MRI は漸増型の造影パターンを示す。○ 通常型の乳管癌や、髄様癌のようにwash outパターンではない。
  • c T2 強調像で筋と同程度の信号を示す。× 高信号。
  • d 辺縁は不明瞭である。× 境界は明瞭で分葉状。
  • e 腋窩リンパ節転移が高頻度に見られる。× リンパ節転移は稀。
粘液癌のMRI所見
  • 境界明瞭、分葉状、T2WIで高信号。
  • ダイナミック:persistent pattern。早期相の造影効果の程度は細胞成分の多寡で変化。
  • 線維腺腫や嚢胞性病変との鑑別に注意(困難なことがしばしばある。)

 

48.

解答:c

  • a wormian bone(間挿骨)× 正常でもみられる正常変異の所見だが、派手な場合は骨形成不全症などを考慮する必要がある。人字縫合と後部矢状縫合に見られることが多い。
  • b 後側弯症 ×
  • c 骨幹端損傷 ○
  • d 椎体圧迫骨折 ×
  • e 成長板軟骨損傷 ×  
被虐待児症候群の古典的な所見
  1. 発生時期の異なる複数の骨折の存在。
  2. 多量の骨膜下骨新生像
  3. 骨幹端を含む骨折(coner fracture)  ただし、これは11%程度のみ。

 

49.

解答:c

  • a クループ ×
  • b 急性喉頭蓋炎 ×
  • c ウィルス性肺炎 ○
  • d シミター症候群 肺静脈が左心房ではなく下大静脈に還流している異常。右肺を縦走する肺静脈がトルコの半月刀(scimitar)に似ることに由来する。
  • e 呼吸窮迫症候群 × サーファクタントの欠乏により肺胞は膨らむことができない。

 

50.

解答:c

  • a 肥厚性幽門狭窄症の幽門筋肥厚は 8 mm 以上である。× 4mm以上。
  • b 十二指腸閉鎖症では膜様閉鎖を呈するものが多い。× 膜様型、索状型、離断型、多発型があり、膜様型と離断型が多い。
    ※膜様閉鎖=腸の内腔が膜のようなもので閉ざされているもの。
  • c 腸重積では超音波検査で target sign を示す。○
  • d Hirschsprung 病の注腸検査では浣腸の前処置が必要である。×直腸指診や浣腸をするとRTZがゆがんで正しく描出されない可能性があるため前処置は行わない。
  • e 腹壁破裂の腸管は囊で覆われている。× 意味不明。⇩2016/7/14追記。
これは恐らく臍帯ヘルニア(ヘルニアのうがある)と腹壁破裂(ヘルニアのうがない)の対比のことを指してるものと思われます。TD.jr先生ありがとうございました。

 

51.

解答:e →c

2018/04/03更新
レジデントセミナー2017の「消化管・腹壁・腹膜」では「消化管X線造影剤」と題するスライドに「硫酸バリウムの合併症に消化管穿孔」と記載があり「蕁麻疹の生じる頻度は極めて低い」とあります。

 

52.

解答:b

  • a 胃に好発する。○ 胃が60〜70%
  • b 転移の中ではリンパ節転移が多い。 × リンパ節転移は稀。播種が多い。
  • c 食道においては平滑筋腫のほうが多い。○
  • d 5 cm を超えるものは絶対的手術適応となる。○ 臨床的には腫瘍径2cm以上は相対的手術適応,5cm以上は積極的(絶対的)手術適応。病理組織所見が術前に得られたならば,≧5/50HPFは相対的手術適応,≧10/50HPFは積極的(絶対的)手術適応。
  • e 転移,再発症例には分子標的治療薬が試みられる。○ イマチニブ。
GISTとは
  • GISTは消化管壁から発生する間葉系腫瘍の約80%を占める一群。
  • Cajal(カハール)介在細胞に見られるチロシンキナーゼ受容体であるKIT(c-kit遺伝子にコードされる受容体チロシンキナーゼ)and/or CD34を発現することを特徴とする。
  • GISTの発症頻度は人口100万人あたり20人/年と推定されている。
  • 男女差はなく、40歳代以降の中高年に好発し、特に50~60歳代が最も多く、小児には非常にまれである。
  • GISTの相対的頻度は全消化管腫瘍の0.2~0.5%程度と考えられる。 消化管全体の間葉系腫瘍のうち、GISTは80%近くを占め、平滑筋腫瘍が10~20%、神経原性腫瘍が5%程度と考えられている。
  • GISTの臓器別発生頻度は胃が60~70%と最多で、小腸20~ 30%、大腸5%、食道5%と続く。
  • 稀には腸間膜や後腹膜から発生することも知られている。
  • 広義のGIST:胃腸管の紡錘形細胞ないし類上皮細胞からなる非上皮性腫瘍。
  • 狭義のGIST:筋原性・神経原性マーカー陰性のもの。
  • 組織学的に紡錘形細胞型(spindle type 77%)、類上皮細胞型(epithelioid type 8%)、混合型(mixed type 15%)に分類される。
  • 潜在的な悪性腫瘍であるが、悪性経過をたどるのは30%。
  • 転移は主に血行性で肝が主、リンパ節転移は稀。播種は起こる

 

53.

解答:e

  • a continuous diaphragm sign × 縦隔気腫
  • b incomplete border sign × 陰影の一部のみ鮮明な辺縁を示すもの。腫瘤が胸壁の軟部組織に連続する部分で消失するサイン。胸壁病変を示唆する所見。
  • c deep sulcus sign × 気胸
  • d angel wings sign × 気縦隔
  • e football sign ○

 

54.

解答:e

  • a 多発性硬化症 上位。
  • b 脊髄星細胞腫 上位。
  • c 脊髄空洞症 上位。
  • d 脊髄梗塞  上位。
  • e 糖尿病 ○ 下位。弛緩性神経因性膀胱

 

55.

解答:c,d

  • a スクリーニングとしての使用が推奨されている。×
  • b 生検による出血の影響はほとんど受けない。×
  • c 造影検査は精囊浸潤の評価に有用である。○
  • d T1 強調像は骨転移の評価に有用である。○
  • e 移行域癌の診断はできない。×

 

56.

解答:e

  • a 石灰化は悪性化の指標である。× 指標とはならないが、悪性を疑う所見ではある。
  • b multilocular cystic nephroma は女児に好発する。× 男児と女性。好発年齢は4歳以下または30歳以上という二峰性の分布を示す。発生頻度は4歳以下では約2倍男児に多く(CPDNが多い), 30歳以上では約8倍女‘性に多い(CNが多い)。 4~30歳に発生するものは約5%である。
  • c 遺伝性の多発囊胞腎には腎癌が合併しやすい。× 後天性ほど高くない。
  • d 囊胞性腎癌は通常型腎癌よりも予後不良である。 × 嚢胞性腎癌の細胞の組織学的悪性度 はgrade 1とされ,予後は良好である。
  • e CT で高吸収を示す径 3 cm 以上の囊胞は経過観察とすべきである。○ Bosniak分類のカテゴリーⅡF(フォロー)は3つ以上の薄い隔壁、最小限の造影効果、3cm以上の高吸収嚢胞。

 

57.

解答:c

  • a 浸潤性発育が多い。× 偽被膜を有する
  • b 乏血性のものは5%以下である。×もっとある。
  • c 遠隔転移の臓器は肺が最も多い。○
  • d MRIで脂質を認めるのは5%以下である。× 脂質を含む通常型が70%なので、MRでわかるものは少なくとも5%どころではない。
  • e 質的診断が困難な径2cm以下の腫瘤は,腎細胞癌として手術すべきである。×

 

58.

解答:b,e

  • a 腺腫の CT 値は 20 H.U. 以上である。× 副腎腺腫の1つであり、脂肪を含有するため単純CTでCT値は10HU以下である
  • b 高血圧症の原因の 10% 以上を占める。○ これまで0.1〜1%とされてきたが、最近は5%-10%を占めるとの報告もある。他の選択肢の関係でこれが○か。
  • c 多発性内分泌腫瘍(MEN)と関連が深い。×
  • d わが国では副腎過形成が原因として最も多い。× 片側性の腺腫が多い(74%)。特発性が20%
  • e 診断には副腎静脈血サンプリングが有用である。○

 

59.

解答:d or  e

※急性胆嚢炎の超音波所見
①胆嚢腫大,
②壁肥厚,
③内腔のfine echo(細かいエコ ー)が基本的な所見である。

 

60.

解答:d,e

  • a 胆囊癌の合併 ×〜△?
  • b 胆囊周囲腹水 ×
  • c 肝門部リンパ節腫大 ×
  • d 胆囊壁周囲脂肪増生 ○
  • e Rokitansky-Aschoff 洞拡張 ○

胆のう腺筋腫

胆のう腺筋腫では、CTでは

  • 数珠状の壁肥厚
  • 病変部の漿膜下脂肪増殖
  • 内腔および壁内結石

が特徴的。(腹部CT診断120ステップP134)

ラム先生ありがとうございました!

 

61.

解答:e

  • a 男性に多い。× 10-30歳の若い女性に多い。
  • b 中高年に多い。×
  • c 悪性の頻度が高い。× low malignancy。良性でもない。
  • d 石灰化を伴うことは少ない。× 34%に石灰化あり。
  • e 腫瘍内出血を伴うことが多い。○ 96%に出血あり。
Solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)
  • 若年女性(10~30歳代)に好発。
  • 予後良好な分化方向不明な上皮性膵腫瘍。稀に悪性例。高齢者ほど悪性例が多い。再発例は5%で肝転移が多く、10年以上経過してからの再発の報告もある。low grade malignancyとの認識が必要
  • 高頻度に腫瘍内壊死による嚢胞(出血)変性(96%)
  • 嚢胞壁の石灰化(34%) central、Stippled(斑状)、Eggshellの3パターンあり(輪状・貝殻状・卵殻状)
  • 辺縁部の充実部は造影で漸増性に濃染。
  • MRIは嚢胞内の新旧の出血の評価に有用。

◆T1WI high(出血を反映)~low

◆T2WI 不均一なhighが多い。が、多彩。

 

62.

解答:e

  • a 膵管内乳頭粘液性腫瘍では通常型膵癌の合併が多い。○
  • b 主膵管型膵管内乳頭粘液性腫瘍は手術適応である。○ malignant potential
  • c 粘液性囊胞腫瘍は膵管との交通はないことが多い。○
  • d 漿液性囊胞腫瘍は中心部に石灰化が見られる。○
  • e 粘液性囊胞腫瘍は膵頭部に好発する。×
IPMN  膵管内乳頭粘液性腫瘍 intraductal papillary mucinous neoplasm
  • 粘液産生性上皮の乳頭状増殖からなる膵管内腫瘍。
  • 高齢、男性に多い。
  • 過形成→腺腫→腺癌(adenoma-carcinoma sequence)
  • 粘液貯留→膵管拡張
  • 主膵管型、分枝型、混合型に分けられる。
  • 鑑別:MCT、貯留嚢胞
IPMN主膵管型
  • 57~92%に悪性→原則手術。
  • びまん性あるいは限局性の主膵管拡張。
  • 程度の強い時は分枝膵管拡張や実質委縮あり。
MCTとIPMNの鑑別点
MCT IPMN
女性 男性>女性
年齢 若年~中年 高齢
発生部位 膵体尾部 膵頭部(膵鉤部)
嚢胞の形態 球形~楕円形(ミカン) ぶどうの房状
共通の被膜 あり なし
卵巣間質 あり なし
膵管との交通 ほとんどあり

 

63.

解答:a,c

  • a 常染色体優性多発性囊胞腎 ○
  • b Sturge-Weber 症候群 ×
  • c von Hippel-Lindau 病 ○ 毎年どんどん出題範囲が広くなっているのかこれ。
  • d Recklinghausen 病 ×
  • e 結節性硬化症 × 腎AMLなどが有名。

※先天性嚢胞には孤発性真性嚢胞やvonHippel-Lindau病,polycystic kidney disease, cysticfibrosisに合併する膵嚢胞がある。

64.

解答:b

  • a 子宮筋腫 × 低信号。
  • b 子宮頸部ナボット囊胞 ○ 嚢胞なので高信号。
  • c 卵巣線維腫 × 低信号が特徴。
  • d 卵巣甲状腺腫 × 低信号が特徴。
  • e 卵巣内膜症性囊胞 × shading=低信号が特徴。
T2WIで低信号を呈しうる卵巣腫瘍
  • 線維腫 Fibroma
  • Fibrothecoma
  • Brenner腫瘍(充実部優位、遅延性の淡い増強効果、ホルモン産生や石灰化を呈するものあり)
  • 腺線維腫/嚢胞腺線維腫 (adenofibroma/cystadenofibroma)
  • Sclerosing stromal tumor (充実部は不均一、早期濃染)
  • 卵巣甲状腺腫(Struma ovarii)(CTで高吸収、ゲル状内容物には増強効果なし)
  • 転移性腫瘍 Krukenberg tumor(軽度低信号、充実部は不整、壊死を伴う)
  • 内膜症性嚢胞 (T1WI高信号、shading)
  • 境界悪性嚢胞性腫瘍/嚢胞腺癌(厚い隔壁、乳頭状結節、卵巣を超えて進展)
  • 悪性リンパ腫

 

65.

解答:b

  • a 卵巣成熟奇形腫 × 最多!
  • b 内膜症性囊胞 ○ 癒着強くて、捻転しにくい。
  • c 卵巣線維腫 × 線維腫などの充実性腫瘍は漿膜下筋腫の捻転との鑑別が問題となる。
  • d 正常卵巣 × 小児では付属器の固定が不十分で可動性に富むため正常卵巣も捻転する。
  • e 子宮筋腫 × 漿膜下子宮筋腫は捻転する。

 

66.

解答:d

  • a Vp4 症例は良い適応である。×.脈管浸潤例に関しては, Vp1,Vp2であれば肝切除やTACEが行われ,Vp3, Vp4であればHAIC(肝動注)が行われる.Vp3,Vp4でかつChild-PughAであればソラフェニブも選択肢のひとつとなる。
    ※VP4とは門脈本幹腫瘍栓のこと。

Vp0:門脈に侵襲(腫瘍栓)を認めない
Vp1:門脈二次分枝より末梢(二次分枝を含まない)に侵襲を認める
Vp2:門脈二次分枝に侵襲を認める
Vp3:門脈一次分枝に侵襲を認める ↑ここまではTACE適応
Vp4:門脈本幹に侵襲を認める     ↓Vp4はTACE禁忌

  • b 乏血性肝細胞癌は良い適応である。× 多血性によい適応。
  • c 下横隔膜動脈から供血されるときは適応ではない。× TACEを繰り返すことにより肝動脈がやせてくる。その結果、肝外側副血行路が再発に寄与する。できるだけ側副路も追いかけよ。
  • d 3cm以下単発の肝細胞癌は治療の第一選択ではない。○ TACEの適応は切除術やRFAなどの根治療法が不能な4個以上あるいは3cmを超えるが主な対象。
  • e 肝障害度C(Child-Pugh 分類 C)の症例は良い適応である。× Bくらいならいけるが。
TAEの適応(大まかな基準)
  • 肝癌により門脈本幹の閉塞がないこと。
  • 黄疸はT.bil 最大5mg/dlまで。通常3mg/dl以下が好ましい。
  • 肝癌の大きさ、個数は問わない。(多数個ある場合はTAEの独壇場)
  • 著明な腫瘍内シャントのみられない例。

※禁忌となるのは、高度黄疸、難治性腹水、門脈本幹閉塞など。


67.

解答:d

  • a イソジン溶液は塗布後 2 分ほどたてば,乾燥しなくても消毒効果がある。 ○イソジン (ポビドンヨード) の殺菌作用は, イソジン水溶液から遊離するヨウ素が持つ酸化作用によるもの。遊離ヨウ素濃度が高いほど殺菌力が高まるため, 皮膚に塗布後, イソジンの殺菌力が最も高くなるまで作用時間をおく必要がある。なので乾燥は関係ない。
  • b イソジン溶液は細菌だけでなく,ウイルスについても効果がある。○
  • c イソジンアレルギーの場合は,アルコールを用いることができる。○
  • d 外から中へ向かって同心円状に消毒する。×内側から外側に同心円状に行うのが消毒の原則。
  • e イソジン溶液は粘膜面に使用して良い。○

 

68.

解答:b

  • a 右腎動脈が 2 本存在する。
  • b 固有肝動脈が左胃動脈から分岐する。○ 0.5%
  • c 副左胃動脈が左肝動脈から分岐する。 7%。
  • d 右肝動脈が上腸間膜動脈から分岐する。 11%
  • e 右下横隔動脈が腹腔動脈起始部から分岐する。9割近くが大動脈(CA直上部)またはCA起始部より分岐。右の10%は腎動脈より分岐する。

 

69.

解答:e

  • a 肝芽腫 ○
  • b 肝肉芽腫 ○
  • c 肝血管腫 ○
  • d 転移性肝腫瘍 ○
  • e 限局性結節性過形成(FNH) ×※脂肪も石灰化も少ない。

 

70.

解答:a,e

  • a ヘモクロマトーシス ○
  • b 急性肝炎
  • c うっ血肝 × 濃度低下。
  • d 脂肪肝 × 低吸収になる。
  • e 糖原病 ○ 単純CTにおいては、グリコーゲンの蓄積により肝実質の吸収値が上昇する一方で、脂肪の沈着により吸収値が低下する場合もある。したがって、肝実質はさまざまな吸収値を呈する。

 

核医学(71-85)

71.

解答:d

  • 11C PET製剤 10分
  • 13N PET製剤 20分
  • 99mTc 6時間
  • 131I 8日 ○
  • 201Tl 74時間

 

72.

解答:b

  • a 18F-FDG PET ―――下剤投与 × 6時間以上の絶食。1時間以上の安息休息。検査前に排尿。
  • b 99mTc-MAG3 腎動態シンチグラフィ――飲 水 ○
  • c 99mTc-ECD 脳血流 SPECT ――ヨードブロック×。ヨード制限は131I。
  • d 201Tl 安静時心筋 SPECT――カフェイン禁止 ×。特になし。カフェイン禁止は、心臓の薬剤負荷シンチ。
  • e  ガリウムシンチグラフィ ――絶 食× 下剤投与で大腸内の糞便を除去。

 

73.

解答:e イメージインテンシファイア × 透視の機械。

 

74.

解答:c,e

  • a 陽電子を検出する。× 消滅γ線
  • b SPECT より感度が低い。×高い。
  • c 同時計数回路を用いる。 ○
  • d 2核種同時収集が可能である。 × dual 心筋シンチ
  • e CT を用いて減弱補正を行うことができる。○

 

75.

解答:d

  • a 99mTc-ECD ――脳酸素代謝率 × 脳血流量
  • b 99mTc-HMPAO ――脳腫瘍悪性度 ×脳血流量
  • c 111In-DTPA ――てんかん焦点 × 脳脊髄液腔病変
  • d 123I-IMP ――内頸動脈内膜剥離術後の過灌流 ○99mTc-ECD では、 見られない事に注意。
  • e 123I-iomazenil――脳血液量× てんかん焦点部位診断薬。

 

76.

解答:c,d

  • a Behçet 病 ×
  • b 高安動脈炎 ×
  • c 気管支閉鎖症 ○
  • d 慢性閉塞性肺疾患 ○
  • e 慢性肺血栓塞栓症 × ミスマッチ。血流が落ちる。

※肺気腫や慢性気管支炎など気道系の病気では、病変部位では換気と血流の両方が低下する(換気血流がマッチする)。これは、肺血流が換気によって調節されているから。

※ミスマッチ→血管病変を選ぶ。 ※マッチ→気道病変を選ぶ。

 

77.

解答:e

  • e パーキンソン病で心集積が低下する。○ PDでH/M比の低下を認める。

 

78.

解答:a,b

  • a 99mTc-DMSA ○腎静態シンチ。子供、VURによる瘢痕とか。Seitai
  • b 99mTc-DTPA ○腎動態シンチ。GFR。DouTai
  • c 99mTc-MAA ×肺血流。マクロなアルブミンが肺の毛細血管でひっかかる。
  • d 99mTc-MIBI ×安静心筋。副甲状腺腫(2011保険適応)。
  • e 99mTc-PMT ×肝胆道系。

 

79.

解答:c,d

  • 99mTc-phytate(フチン酸シンチ) を静注する。×  網内系貪食(kupper細胞)を画像化する。アシアロシンチは99mTc-GSA。
  • b  胆囊機能や胆道の通過性を評価する。× 99mTc-PMTのこと。
  • c  肝予備能低下で心プールの描出が持続する。○
  • d  定量的指標として HH15 や LHL15 が用いられる。 ○
  • e  用いる放射性医薬品は肝の Kupffer 細胞に取り込まれる。× これはフチン酸シンチ。クッパー→クップファー。

肝受容体シンチグラフィ(アシアロシンチ)

  • 肝機能障害 →心臓に停滞して、肝に取り込まれない。 →心での集積↑、肝での集積↓
  • HH15=H15/H3 (H3は3分後に心に集積)15分経っても心への集積が多ければ、肝機能障害あって心に停滞していることを意味する。つまり、この値は低い方が正常。<0.61
  • LHL15=L15/H15+L15 15分経っても心へ停滞多ければ分母が大きくなり、値は小さくなる。なので値は大きいほうがよい。>0.91

肝胆のシンチまとめ

  • 網内系貪食(kupper細胞):フチン酸 99mTc-phytate
  • 肝細胞(受容体):アシアロシンチ 99mTc-GSA
  • 胆道系:99mTc-PMT

 

80.

解答:b 神経鞘腫 ×

MIBG

  • MIBGは、norepinephrineの類似物質。
  • Amine precursor uptake and decarboxylation(APUD)系腫瘍はカテコラミンを産生する性質があるため、MIBGを取り込む。
  • APUD系腫瘍:褐色細胞腫、神経芽腫、甲状腺髄様癌、カルチノイド

 

81.

解答:a 早期胃癌の検出 ○

FDG PETの保険適用
  • 早期胃癌を除く悪性腫瘍
    ※他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない患者に使用する。
  • 治療効果判定への有用性は高いが、適用には明記されていない。

 

82.

解答:c 胆囊 ×

FDG PETの生理的集積
  • ほぼ常時:脳、腎、膀胱、肝臓
  • ばらつきあり:扁桃、唾液腺、声門、心筋、乳腺、消化管、精巣、子宮、卵巣、骨格筋
  • まれに見られる部位:褐色細胞、胸腺(小児、若年者)

※※※

  • 頭頚部の生理的集積:左右対称が多い。
  • 胃の生理的集積:びまん性、もしくは穹隆部〜体部に強いことが多い。幽門のみ目立てばひっかける。
  • 腸管の生理的集積:頻度、部位は一定しない。出る人はいつでも出るという訳ではない。
  • 子宮、卵巣の生理的集積:排卵期-月経期に目立つことが多い。
  • 褐色脂肪の生理的集積:寒冷、やせ型、女性、若年者。縦隔、後腹膜などにも見られる。

 

83.

解答:c

  • a 腫瘍の内部に放射性医薬品を注射する必要がある。× 皮下に注射する。
  • b 転移リンパ節をガンマプローブで検出する手法である。× リンパの流れで最も最初に到達するリンパ節を検出する。転移リンパ節という書き方はややこしいけど×。
  • c 粒子の大きい放射性医薬品の方がリンパ節に停滞しやすい。○ スズコロイドが大きい。大きい方が痛い。
  • d リンパ節転移が高度の方がセンチネルリンパ節の診断精度は高い。× 関係ない。
  • e 2 個以上検出された場合には腫瘍に近い方をセンチネルリンパ節と定義する。× 近いかどうかは関係ない。癌細胞から直接リンパ流を受けるリンパ節のこと。

 

84.

解答:c MRI 造影剤の投与 ○ 関係ない。

 

85.

解答:b,c

  • 60Co ×
  • b 89Sr ○
  • c 90Y ○
  • d 111In
  • e 123I × ではなくて131I

治療(86-100)

86.

解答:a 治療体積(TV)○

照射範囲(TV: target volume)の決めかた
  • GTV(Gross Target Volume):肉眼的なターゲットの領域
  • CTV(Clinical Target Volume):臨床的な領域(肉眼では見えていないところ)
  • ITV(Internal Target Volume):呼吸などの動きを考慮
  • PTV(Planning Target Volume):機械の照射誤差などを加味

 

87.

解答:c

  • a 腺癌 ×低い。
  • b 骨肉腫 ×低い。
  • c Ewing 肉腫 ○骨腫瘍では最も放射線感受性が高い。
  • d 扁平上皮癌 × 中等度
  • e 悪性黒色腫 ×

 

88.

解答:a 食道癌 ◎ d 肛門管癌 ○

 

89.

解答:d,e

  • d 腫瘍性脊髄圧迫による麻痺 ○
  • e 神経芽腫肝転移の急速増大 ○

 

90.

解答:b ベータ線 ○

 

91.

解答:e

  • a 手術+拡大局所照射 ×
  • b 拡大局所照射+全身化学療法 ×
  • c 全脳全脊髄照射+全身化学療法  × まず手術。
  • d 手術+拡大局所照射+全身化学療法 ×
  • e 手術+全脳全脊髄照射+全身化学療法 ○ 髄芽腫に対する一般的な治療は、顕微鏡手術下に腫瘍全摘出あるいは亜全摘出術を行い、術後に、化学療法と全脳全脊髄照射を行うこと。

 

92.

解答:c

  • a 術前照射が標準治療である。× 単独放射線でよい。
  • b 総線量 80 Gy40 回を用いる。× 66-70Gy。
  • c 1 回線量は 2~2.4 Gy を使用する。○
  • d 治療中に 1 週間以上の休止期間をおく。
  • e 抗癌剤との同時併用療法が標準である。× 単独放射線。

 

93.

解答:a

  • a 白内障 ×
  • b 味覚障害 ○
  • c 嚥下障害 ○
  • d 唾液腺障害 ○
  • e 甲状腺機能低下症 ○ 脳腫瘍の放射線治療でも甲状腺にかかると甲状腺機能低下症が起こると記載あり。

94.

解答:c

  • c 肺門部 ○ 腫瘍最大径が 5 ㎝以内で,リンパ節転移や遠隔転移のないT1N0M0およびT2N0M0が好適応である。ただその中でも腫瘍の存在部位が縦隔に近接して,大線量が正常臓器に照射される可能性が高い場合は適応が難しい。

 

95.

解答:e

  • a 局所進行癌では化学療法を順次併用する。× 同時併用
  • b 末梢型 I 期には強度変調放射線治療を行う。×IMRT
  • c Pancoast 腫瘍は根治照射の適応とならない。×
  • d 局所制御された場合は全脳予防照射の適応がある。×それは小細胞癌(CR症例)
  • e 対側肺門リンパ節転移のある IIIb 期は根治照射の適応とならない。○ 対側肺門リンパ節転移があってはダメ。根治照射の適応となるのは、対側肺門リンパ節転移を除くⅢbの局所進行癌。(Ⅲbとはany T N3 M0 , T4N1M0)

 

96.

解答:a,c

  • a 頸部食道癌は強度変調放射線治療の良い適応である。○ 頸部食道癌は強度変調放射線治療が有効。
  • b 根治的化学放射線療法では 66 Gy33 回を超えて照射する。× 60-70Gy/30-35回だけど60Gyと覚える。
  • c 心臓の有害事象は前後対向 2 門照射より 4 門照射で減弱する。○ 心合併症回避目的で多門照射が試みられている。
  • d 化学放射線療法ではシスプラチンとドセタキセルの併用が標準である。× シスプラチン+5FU。
  • e II,III 期に対する化学放射線療法の治療成績は手術療法と同等である。 × II-III期食道癌に対する化学放射線療法は手術+術後化学療法と同等の治療成績が報告されている(Int.J. Radiation Oncology Biol. Phys. 57: 425-433, 2003)。

※I期症例では内視鏡治療、化学放射線療法、外科治療はほぼ同等の治療成績である。

※II-III期症例では手術が優先されるが、非適応例には同時併用化学放射線療法をおこなう。

 

97.

解答:d

  • a 全乳房照射は予後の改善に寄与しない。× 温存術後の放射線治療を省略すると局所再発は3倍増加。死亡リスクが8.6%増加する。
  • b 傍胸骨リンパ節転移が疑われる場合には手術切除が原則である。× 傍胸骨リンパ節の放射線治療は推奨される根拠がないようだが。
  • c 術後病理検査で断端陰性の場合には術後腫瘍床への局所照射のみで良い。× 全乳房照射する(GradeA).
  • d 腋窩リンパ節転移が 4 個以上の場合には同側鎖骨上窩への照射が必要である。○ 腋窩リンパ節の4個以上に転移を認めた患者すべてに鎖骨上窩領域への照射を提案する(エビデンスレベル3、推奨A)。
  • e センチネルリンパ節生検で陽性の場合には腋窩郭清後に腋窩への照射が必要である。 ×照射は必要ではないと思われる。

 

98.

解答:d,e

  • d リツキシマブおよび CHOP 6 コース ○
  • e リツキシマブおよび CHOP 3 コース後に放射線治療 ○

 

99.

解答:c,e

  • a 低リスク群ではホルモン療法を併用する。× 高リスク群に行う。
  • b 術後の PSA 再発に対しては全骨盤照射を行う。×転移がない場合は前立腺床に65-70Gy程度照射する。
  • c 治療に関連した尿失禁の頻度は 5% 以下である。○
  • d 高リスク群は I-125 永久挿入療法の良い適応である。× 良い適応ではない。低リスクに行う。
  • e I-125 永久挿入療法後 1 年以内に死亡した場合には前立腺を摘出する。○ らしい。半減期は60日だけど。

 

100.

解答:a,d

  • a 疼痛改善率は 70~80% 程度である。○ 80〜90%
  • b 疼痛緩和効果が最大となるのは照射直後である。×4週以降。
  • c 放射線抵抗性の腫瘍の骨転移では適応にならない。×
  • d 溶骨性病変の骨再生には治療終了後数ヶ月以上必要である。○2−6ヶ月。
  • e 8 Gy1 回照射は 30 Gy10 回照射と比較して疼痛緩和効果に劣る。 20Gy5回の3通りあるが、効果は同じ。