放射線治療専門医・2023年
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83問を分野別に整理しました。分野と問題番号を選ぶと解説が表示されます。
独自に作成した非公式の解答例です。問題文・選択肢・問題画像・問題PDFは掲載していません。
全83問に解説と参考文献を掲載しています。問29は選択肢b・eの解釈を追加確認するため、解答確定を保留しています。学会公式正答表との照合は行っていません。
制度・適応は2023年の出題時点を基本に説明し、参考資料の年を明示しています。現在の診療には最新の指針・電子添文を確認してください。原問題で確認した関連問題を10件掲載しています。
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問1 セットアップ誤差とPTV
解答例:c
判断のポイント
PTVマージンは、照射時の位置設定などの幾何学的不確実性を考慮します。CTVで表す微視的進展や、ITVで扱う内的移動とは役割が異なります。
補足・注意点
呼吸運動、体型変化、装置・計画データの誤差は、原因に対応した運動管理・再計画・品質保証で対処します。
参考文献・根拠
問2 IMRTのインタープレイ効果
解答例:e(誤っている記述)
判断のポイント
インタープレイは標的の運動とMLC等の動きの相互作用で生じる線量の不均一です。MLC動作を複雑にすることを低減策とはしません。
補足・注意点
呼吸管理、計画の複雑さの調整、分割による平均化などを検討します。D98%は近似最小線量の評価指標です。
参考文献・根拠
問3 スーパーポジション法の限界
解答例:e(誤っている記述)
判断のポイント
スーパーポジション法は水中のエネルギー付与カーネルを密度に応じて変形して線量を計算します。高原子番号の歯科金属近傍の後方散乱を正確に再現することには限界があります。
補足・注意点
不均質補正が可能ということと、すべての材質境界で正確であることは別です。金属アーチファクトや物質割当ても確認します。
参考文献・根拠
問4 速中性子の減速と遮蔽
解答例:d
判断のポイント
中性子は水素など軽い原子核との弾性散乱で効率よく減速します。選択肢では水分を含むコンクリートが適します。
補足・注意点
鉛など高原子番号材による光子遮蔽と区別します。ホウ素は主に減速後の熱中性子の吸収に用い、二次γ線も含めて遮蔽を設計します。
参考文献・根拠
問5 α壊変の核変換
解答例:c、d
判断のポイント
α粒子は陽子2個・中性子2個からなるヘリウム原子核です。放出後の娘核種は質量数が4、原子番号が2減ります。
補足・注意点
β壊変では質量数は変わりません。粒子の電荷・構成と、核種の変化を対応させます。
参考文献・根拠
問6 直接電離放射線
解答例:b、c
判断のポイント
電子線と炭素線は電荷を持つ粒子で、物質を直接電離します。
補足・注意点
X線・γ線・中性子線は非荷電で、主に生成した二次荷電粒子を介してエネルギーを付与します。
参考文献・根拠
問7 制動X線の連続スペクトル
解答例:b
判断のポイント
電子が原子核近傍の電場で減速すると、失うエネルギーが多様なため制動X線は連続スペクトルになります。
補足・注意点
特性X線は電子殻のエネルギー差に対応する線スペクトルです。消滅放射線などの固有エネルギーと区別します。
参考文献・根拠
問8 DNA修復・損傷応答の遺伝性疾患
解答例:a、d
判断のポイント
ATMの異常は毛細血管拡張性運動失調症、TP53の生殖細胞系列病的変異はLi-Fraumeni症候群に対応します。
補足・注意点
BRCA1/2は遺伝性乳癌卵巣癌、NBN(NBS1)はNijmegen症候群、XPAは色素性乾皮症と対応させます。
参考文献・根拠
問9 アポトーシスの検出法
解答例:b
判断のポイント
MTTアッセイは代謝活性を用いた生細胞量の指標で、単独ではアポトーシスを同定できません。
補足・注意点
核凝縮・断片化の形態、TUNEL、DNAラダーなどはアポトーシス評価に用いますが、各法の特異性と測定時点を考慮します。
参考文献・根拠
問10 高LETと酸素効果比
解答例:d
判断のポイント
LETが高くなると酸素濃度による感受性差が小さくなり、OERは1に近づきます。
補足・注意点
RBEはLETの増加に伴い無限に大きくなるわけではなく、高LET域ではオーバーキルも起こります。高密度の複雑なDNA損傷も特徴です。
参考文献・根拠
問11 加速再増殖と治療期間
解答例:d(誤っている記述)
判断のポイント
治療中の加速再増殖は頭頸部などの扁平上皮癌で重要です。腺癌でより問題となるという一般化は適切ではありません。
補足・注意点
治療休止を避け、必要に応じた期間補償を検討します。開始時期や増殖速度は腫瘍ごとに異なるため、機械的に追加線量を決めません。
参考文献・根拠
問12 低線量の組織反応
解答例:a、c
判断のポイント
急性被ばくのしきい線量は、白内障と造血機能低下では1 Gy未満とする防護上の知見があります。脱毛や永久不妊のしきい値とは区別します。
補足・注意点
しきい線量は照射範囲、期間、評価する障害と発生率によって異なります。個人の発症を保証・否定する境界ではありません。
参考文献・根拠
問13 播種効率を補正した細胞生残率
解答例:c
判断のポイント
非照射群の播種効率は80/100=0.8です。照射群の生残率は40/(1000×0.8)=0.05となります。
補足・注意点
照射群のコロニー数を播種細胞数だけで割ると0.04ですが、これは播種効率の補正前です。
参考文献・根拠
問14 急性放射線症候群の前駆症状
解答例:d
判断のポイント
悪心・嘔吐などの発現までの時間や程度は、急性全身被ばくの線量推定に役立つ情報です。
補足・注意点
前駆期の後に潜伏期を経ることがあります。症状だけで確定せず、被ばく状況、リンパ球推移、染色体分析などを統合します。
参考文献・根拠
問15 SC.24試験の脊椎SBRT
解答例:c
判断のポイント
SC.24試験では、24 Gy/2回のSBRTが20 Gy/5回の通常照射に比べ、3か月時点の疼痛完全奏効を改善しました。
補足・注意点
対象は全身状態や脊椎安定性などの条件を満たした患者です。すべての脊椎転移や単回高線量照射へ結果を一般化しません。
参考文献・根拠
問16 有痛性骨転移と脊椎SBRTの算定
解答例:e
判断のポイント
試験当時、最大径5 cm以下の転移性脊椎腫瘍は体幹部定位放射線治療の保険対象に含まれます。通常の骨転移緩和照射の成績と算定条件を区別します。
補足・注意点
単回8 Gyでも分割照射と同等の除痛効果が期待でき、再照射も選択肢です。実施には神経圧迫、脊椎不安定性、線量制約を評価します。
参考文献・根拠
問17 多数の有症状脳転移
解答例:b
判断のポイント
多数の有症状脳転移では、全脳照射が代表的な局所治療です。本問では乳癌の20病変・有症状の組み合わせを選びます。
補足・注意点
少数病変への定位照射、薬物療法を先行できる無症状例、組織型による方針の違いを分けます。認知機能保護と全身予後も考慮します。
参考文献・根拠
問18 MIBGの構造と治療適応
解答例:b(誤っている記述)
判断のポイント
MIBGはノルアドレナリンの類似物質として腫瘍に取り込まれます。アドレナリンの類似物質とする記述を区別します。
補足・注意点
治療前にMIBG集積を確認します。骨髄抑制、甲状腺への影響、カテコールアミン関連症状を管理します。
参考文献・根拠
問19 国内PRRTの治療核種
解答例:d
判断のポイント
国内で用いるソマトスタチン受容体標的PRRTの代表的製剤は177Lu標識のルテチウムオキソドトレオチドです。
補足・注意点
90Y標識製剤も海外研究等で用いられますが、本問は国内の治療を前提に177Luを選びます。受容体発現と腎・骨髄機能を評価します。
参考文献・根拠
問20 密封線源の物理半減期
解答例:d、e
判断のポイント
192Irの物理半減期は約73.8日、198Auは約2.7日です。60Coは約5.3年、137Csは約30.1年、125Iは約59.4日です。
補足・注意点
線源交換や減衰補正に使う物理半減期と、薬剤の生物学的半減期を混同しません。
参考文献・根拠
問21 特定臨床研究と法的監督
解答例:d
判断のポイント
臨床研究法は特定臨床研究に対する報告徴収・立入検査等の仕組みを設けています。研究計画の管理と法に基づく監督を区別します。
補足・注意点
観察研究や症例集積には選択・交絡バイアスがあり、無作為化比較試験と同じ評価にはなりません。改正後の手続きは最新法令で確認します。
参考文献・根拠
問22 研究参加者の人権
解答例:d
判断のポイント
研究対象者の人権・安全・福祉の保護は、科学的・社会的利益より優先します。
補足・注意点
科学的根拠や研究の妥当性も必要ですが、それを理由に対象者の権利を犠牲にはできません。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問24:研究対象者の権利
問23 説明と同意の役割
解答例:c
判断のポイント
病名は医学的な診断過程で判断するもので、同意を得ること自体によって決めるものではありません。
補足・注意点
病状・予後・検査や治療の利益と不利益を説明し、本人の理解・価値観・意思を確認して選択します。
参考文献・根拠
問24 医療倫理の四原則
解答例:c
判断のポイント
四原則は善行、無危害、自律尊重、公正です。効率はこの四原則の名称には含まれません。
補足・注意点
医療資源の使い方も重要ですが、効率だけを基準に当事者の権利や公正を軽視しません。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問25:医療倫理の四原則
問25 セカンドオピニオンの目的
解答例:d
判断のポイント
別の医師の専門的見解を得ることで、患者が診断や治療を理解し、自分の意思決定に役立てることが目的です。
補足・注意点
医療過誤の調査や主治医への不信を前提とする制度ではありません。相談結果を主治医と共有して選択を検討します。
参考文献・根拠
問26 乏突起膠腫の分子診断
解答例:a
判断のポイント
WHO2021の乏突起膠腫はIDH変異と1p/19q共欠失を有する腫瘍です。形態所見だけで分類しません。
補足・注意点
Grade 2の照射には一般に50〜54 Gy程度を用います。早期照射による無増悪期間の改善と、化学療法併用による生存利益を区別します。
参考文献・根拠
問27 中枢性神経細胞腫の予後
解答例:c(誤っている記述)
判断のポイント
側脳室内の分葉状腫瘤と神経系マーカー陽性から、中枢性神経細胞腫を考えます。一般的には長期生存が期待され、5年生存率60〜70%という成績は低すぎます。
補足・注意点
AYA世代に多いGrade 2腫瘍です。摘出度、増殖能、残存・再発の状況に応じて術後照射を判断し、全例への照射を意味するものではありません。
参考文献・根拠
問28 髄芽腫の分子群と予後
解答例:a
判断のポイント
WNT活性化群は、髄芽腫の分子群の中でも一般に予後良好です。
補足・注意点
年齢、転移、残存、分子群を組み合わせてリスクを評価します。乳幼児では照射回避・延期を検討しますが、年齢だけによる絶対的な禁止とはしません。
参考文献・根拠
問29 胚腫と摘出度
解答例:保留(b・eの解釈を要確認)
判断のポイント
胚腫では通常、診断に必要な生検を行い、放射線・化学療法で治療します。一方、JASTRO2020は播種例の照射範囲として全脳全脊髄を示しています。
補足・注意点
摘出度と予後の関係を述べるbと、脳室内播種例の照射を述べるeの判定を一つに絞るには、播種の定義や公式解答との照合が必要です。全脳室照射と全脳全脊髄照射を区別して確認します。
参考文献・根拠
問30 PCNSLの照射線量低減
解答例:e
判断のポイント
導入化学療法に奏効した中枢神経原発リンパ腫では、特に高齢者の遅発性神経毒性を考慮して、全脳照射の低減・回避を検討します。
補足・注意点
大量メトトレキサートと全脳照射の同時併用は標準ではありません。治療反応、年齢、移植適応に応じて地固め方法を選びます。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問36:PCNSLの治療順序と毒性
問31 後索障害と感覚性運動失調
解答例:d
判断のポイント
脊髄後索障害では深部感覚が低下し、閉眼で身体動揺が増すRomberg徴候を認めます。
補足・注意点
顔面と体幹・四肢の温痛覚路、交感神経路、反射弓の位置を区別します。馬尾障害は下位運動ニューロン障害として反射低下をきたします。
参考文献・根拠
問32 膠芽腫の術後標準治療
解答例:b、e
判断のポイント
適切な患者ではテモゾロミドを併用する放射線治療と、その後の維持療法が標準です。MGMTプロモーターメチル化は予後・薬剤感受性に関連します。
補足・注意点
通常の60 Gyを超える一律の線量増加や、ベバシズマブの追加による全生存改善は確立していません。年齢と全身状態で治療強度を調整します。
参考文献・根拠
問33 上咽頭癌の翼口蓋窩・正円孔進展
解答例:a、d
判断のポイント
CTで翼口蓋窩の脂肪が腫瘍に置換され、MRIでは正円孔へ連続する進展に注目します。画像上の肉眼的進展をGTVへ反映します。
補足・注意点
翼口蓋窩から正円孔を通るV2の経路と、卵円孔を通るV3の経路を区別します。神経に沿う頭蓋底進展は全断面で確認します。
参考文献・根拠
問34 上咽頭癌の組織型と予後
解答例:d(誤っている記述)
判断のポイント
角化型上咽頭癌は、一般に非角化型より予後不良です。提示像の上咽頭天蓋の病変と病理所見を組み合わせます。
補足・注意点
進行例では導入化学療法を含む集学的治療を検討します。EBV DNAは特にEBV関連例の予後・病勢評価に有用で、組織型による違いにも注意します。
参考文献・根拠
問35 p16陽性中咽頭癌の病期
解答例:a
判断のポイント
喉頭蓋舌面へ進展する原発巣はT3、両側頸部転移は臨床N2に相当し、p16陽性中咽頭癌のcT3N2M0はII期です。
補足・注意点
p16陰性癌と異なる病期群を用います。転移巣の根治線量と唾液腺の線量制約、予防領域の線量を混同しません。
参考文献・根拠
問36 下咽頭癌の甲状軟骨浸潤
解答例:a
判断のポイント
提示MRIでは梨状陥凹の腫瘍が喉頭軟骨へ進展している所見に注目し、T4aと判断します。リンパ節・遠隔転移がない条件からcT4aN0M0です。
補足・注意点
喉頭機能、誤嚥・栄養状態を評価して治療を選びます。頸部予防照射は一般に両側を検討し、胃瘻を全例一律に必須とはしません。
参考文献・根拠
問37 喉頭癌の予防的リンパ節領域
解答例:d(誤っている記述)
判断のポイント
声門癌の頸部予防領域として、レベルVIIを一律に含める記述は適切ではありません。原発部位と上下方向の進展によって領域を選びます。
補足・注意点
声門上癌はリンパ節転移リスクが高く、早期声門癌とは照射範囲が異なります。T4aなどでは手術も重要な選択肢です。
参考文献・根拠
問38 下頸部リンパ節領域の境界
解答例:d(誤っている記述)
判断のポイント
IVaとVの境界は胸鎖乳突筋の後縁側などを基準とします。僧帽筋は後頸三角の後方境界に関わり、この組み合わせは不適切です。
補足・注意点
頸部の輪郭作成では各レベルの頭尾側境界と内外側境界を区別し、国際アトラスと画像を対応させます。
参考文献・根拠
問39 肺SBRTのCTV
解答例:d(誤っている記述)
判断のポイント
早期肺癌のSBRTでは一般にGTVに対しCTVを追加せず、呼吸性移動と位置設定の不確実性をITV・PTVで扱います。
補足・注意点
CTVマージンと運動・セットアップマージンは役割が異なります。中枢型では気管支等の制約から分割数を増やすことがあります。
参考文献・根拠
問40 肺尖部胸壁浸潤癌の集学的治療
解答例:b、e
判断のポイント
肺尖部の胸壁浸潤を伴う腫瘍です。切除可能性を評価し、術前化学放射線療法後の手術、または根治的化学放射線療法を検討します。
補足・注意点
肺尖部胸壁浸潤癌の戦略を、小型末梢肺癌のSBRTと区別します。腕神経叢・椎体・鎖骨下血管への進展も評価します。
参考文献・根拠
問41 高齢III期肺癌のカルボプラチン併用
解答例:c
判断のポイント
JCOG0301では、70歳を超える切除不能III期非小細胞肺癌に、放射線治療と少量連日カルボプラチンを併用する生存利益が示されました。
補足・注意点
全患者・全薬剤への一般化はできません。標準的な根治線量、併用薬の毒性、地固め療法の対象をそれぞれ確認します。
参考文献・根拠
問42 小細胞肺癌の化学療法後GTV
解答例:c
判断のポイント
化学療法先行後の原発巣GTVは、通常、縮小後の肉眼的腫瘍を基に設定します。
補足・注意点
治療前に転移していたリンパ節領域の扱いとは区別します。限局型で用いる加速過分割は1.5 Gyを1日2回、PCIは25 Gy/10回が代表的です。
参考文献・根拠
問43 胸膜中皮腫の組織型と手術
解答例:a
判断のポイント
肉腫型胸膜中皮腫は予後不良で、根治を目指す外科切除は通常推奨されません。
補足・注意点
胸膜肺全摘後の照射では残存肺の制約が非常に厳しくなります。片肺切除後に一般的な両肺の線量制約をそのまま使いません。
参考文献・根拠
問44 手術可能I期肺癌のSBRT成績
解答例:e(誤っている組み合わせ)
判断のポイント
手術可能なI期肺癌のSBRT成績を、5年全生存率40%とするのは低すぎます。全身状態の良い患者群と手術不能群を分けて解釈します。
補足・注意点
生存率は病期、年齢、併存症、治療年代で変化します。局所制御率と全生存率も同じ指標ではありません。
参考文献・根拠
問45 腕神経叢の線量制約
解答例:e(誤っている組み合わせ)
判断のポイント
通常分割では腕神経叢の最大線量を一般に60〜66 Gy程度以下へ抑えることを目指します。75 Gyを通常の制約とするのは過大です。
補足・注意点
肺・心臓・食道・脊髄の指標は異なります。再照射や分割法の変更時は累積線量と生物学的効果を考慮します。
参考文献・根拠
問46 高齢・微小リンパ節転移例の乳房照射
解答例:a
判断のポイント
乳房部分切除後の全乳房照射に寡分割照射を選択できます。年齢が高いことや微小リンパ節転移だけを理由に寡分割を除外しません。
補足・注意点
照射省略の研究対象は腫瘍径・リンパ節・内分泌療法などが限定されています。高齢という理由だけで省略条件を満たすとはいえません。
参考文献・根拠
問47 ホルモン受容体陽性DCISの内分泌療法
解答例:a
判断のポイント
ホルモン受容体陽性DCISの温存術後では、乳房内イベントの低減を目的に内分泌療法を検討します。
補足・注意点
放射線治療の主な効果は同側乳房内再発の低減です。全生存改善や一律の再発減少率と混同せず、利益と副作用を説明します。
参考文献・根拠
問48 BRCA病的バリアントと治療
解答例:b、e
判断のポイント
BRCA病的バリアント保持者では男性の前立腺癌リスクも高くなります。乳癌に温存手術を選んだ場合、原則として術後乳房照射を組み合わせます。
補足・注意点
BRCA1とBRCA2でリスクは異なります。遺伝情報だけで一律に温存療法を否定せず、対側発症リスクやリスク低減手術についても説明します。
参考文献・根拠
問49 乳癌T分類と胸筋浸潤
解答例:a
判断のポイント
大胸筋など胸筋への浸潤だけではT4の胸壁浸潤には分類しません。解剖学的な胸壁と胸筋を区別します。
補足・注意点
浸潤癌の径、皮膚潰瘍、リンパ節転移の大きさ・個数はT・N分類に用います。病理学的分類と治療前の臨床分類も分けます。
参考文献・根拠
問50 拡大接線照射と内胸リンパ節
解答例:d(誤っている組み合わせ)
判断のポイント
Partially Wide Tangential法は、内胸リンパ節領域などを接線照射へ含めるための方法です。鎖骨上領域を照射する方法との組み合わせは不適切です。
補足・注意点
Field in Fieldは高線量域の抑制、単一アイソセンタは照射野接合の改善などを目的とします。呼吸管理は個別計画で臓器線量を比較します。
参考文献・根拠
問51 高齢分化型甲状腺癌の遠隔転移病期
解答例:a
判断のポイント
55歳以上の分化型甲状腺癌では、遠隔転移を有する場合はIVB期です。提示例の多発肺転移がM1に相当します。
補足・注意点
甲状腺床の集積は良性残存組織でも生じます。遠隔転移治療と残存組織アブレーションでは投与量・前処置・病室の条件が異なります。
参考文献・根拠
問52 食道癌内視鏡切除後の予防的CRT
解答例:b、d
判断のポイント
SM浸潤などで追加治療が必要な断端陰性例では、予防的な化学放射線療法として41.4 Gyを用いる戦略があります。胸部中部食道では小彎を含む領域リンパ節を評価します。
補足・注意点
シスプラチン単剤ではなく5-FU等との併用が代表的です。切除断端陽性や肉眼的残存例とは必要線量が異なります。
参考文献・根拠
問53 N0胆道癌の予防的リンパ節照射
解答例:c(誤っている記述)
判断のポイント
N0胆道癌では、所属リンパ節への予防照射は通常行わず、肉眼的病変を中心に計画する考え方があります。
補足・注意点
胆道癌の部位と進展、呼吸性移動、消化管の近接を考慮します。術後断端陽性例やリンパ節転移例とは照射範囲が異なります。
参考文献・根拠
問54 国内膵癌CRTの併用薬
解答例:b、e
判断のポイント
国内の局所進行切除不能膵癌の化学放射線療法では、ゲムシタビンまたはS-1が代表的な併用薬です。
補足・注意点
海外で用いるカペシタビンのデータと、国内の承認・保険診療の位置付けを区別します。導入化学療法の薬剤をそのまま照射中にも用いるとは限りません。
参考文献・根拠
問55 肝癌の粒子線と胆道障害
解答例:b、c
判断のポイント
肝癌への高線量照射では、胆管狭窄や胆汁うっ滞性の障害などが問題になります。7 cmの単発病変も、切除可能性や肝機能等を評価して陽子線治療を検討できます。
補足・注意点
Child-Pugh Cを一律の第一適応にはしません。TACE後というだけで照射禁忌ではなく、残存正常肝と消化管・胆管の線量を評価します。
参考文献・根拠
問56 前方臓器浸潤直腸癌のCTV
解答例:d
判断のポイント
下部直腸癌の骨盤CTVでは、直腸間膜・仙骨前・内腸骨・閉鎖領域などを扱います。前立腺など前方臓器浸潤では外腸骨も考慮しますが、総腸骨を一律には含めません。
補足・注意点
原発部位、T因子、転移リンパ節によって上縁と領域を調整します。肛門管癌の予防領域とは区別します。
参考文献・根拠
問57 肛門扁平上皮癌の危険因子と臓器温存
解答例:a、d
判断のポイント
HIV感染は肛門扁平上皮癌の発症リスクと関連します。標準的な化学放射線療法では、長期の肛門温存生存が期待できます。
補足・注意点
閉鎖領域を照射CTVに含めることと、TNMの領域リンパ節として分類することは別です。温存生存率の定義や対象集団も確認します。
参考文献・根拠
問58 Child-Pughスコア
解答例:c
判断のポイント
意識障害なし1点、腹水なし1点、ビリルビン1.5で1点、アルブミン3.0で2点、プロトロンビン活性60%で2点となり、合計7点です。
補足・注意点
7点はChild-Pugh Bに相当します。ビリルビン・アルブミンの単位と、PT活性かINRかを確認して表を適用します。
参考文献・根拠
問59 婦人科組織内照射の刺入経路
解答例:d
判断のポイント
子宮頸癌の画像誘導小線源治療では、必要に応じ経腟的に組織内照射針を刺入し、腔内照射で不足する領域をカバーします。
補足・注意点
臓器D2cm³は外部照射と小線源の累積EQD2等で評価します。フェンタニルによる呼吸抑制への拮抗薬はナロキソンで、フルマゼニルではありません。
参考文献・根拠
問60 子宮頸部腺癌と重粒子線
解答例:c
判断のポイント
切除不能の子宮頸部腺癌は、2022年から重粒子線治療の保険対象に含まれます。本問の単独療法の選択肢では重粒子線を選びます。
補足・注意点
通常の子宮頸癌治療では外部照射・小線源治療・化学療法を組み合わせます。本問の比較を全子宮頸癌への治療優劣として一般化しません。
参考文献・根拠
問61 頸癌術後の高リスク因子
解答例:b、e
判断のポイント
切除断端陽性、子宮傍組織浸潤、リンパ節転移は術後再発の高リスク因子です。本問では断端と子宮傍組織を選びます。
補足・注意点
脈管侵襲、深い間質浸潤、大きな腫瘍径などの中間リスク因子と区別します。因子の組み合わせで補助療法を判断します。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問76:頸癌術後リスク分類
問62 頸癌照射後の小腸晩期障害
解答例:c
判断のポイント
小腸の晩期有害事象は治療後長期に発生・蓄積し得ます。腸炎、狭窄、閉塞などを長期に評価します。
補足・注意点
HR-CTVは小線源治療時点の残存と診察・MRIで設定します。IIIC1だけで傍大動脈を必ず含めるとはせず、病変分布や追加リスクを評価します。
参考文献・根拠
問63 傍大動脈転移体癌の照射範囲
解答例:e
判断のポイント
傍大動脈リンパ節転移を有するIIIC2子宮体癌では、根治照射のCTVに該当する傍大動脈領域を含めます。
補足・注意点
手術適応の有無と病変範囲で治療は異なります。深い筋層浸潤のある例へ、小線源単独を一律に適用しません。
参考文献・根拠
問64 外陰癌術後照射のCTV
解答例:a
判断のポイント
外陰癌の術後照射では、外陰の腫瘍床と鼠径・骨盤リンパ節領域を病理所見に応じて対象とします。子宮そのものを予防的に含める必要はありません。
補足・注意点
陽性リンパ節の個数・位置、節外浸潤、切除断端によって範囲と線量を調整します。
参考文献・根拠
問65 膀胱癌のTURBTによる病期・病理評価
解答例:e
判断のポイント
TURBTによって腫瘍の病理、筋層浸潤、切除状況を評価することが、治療方針決定の基礎です。
補足・注意点
画像だけでは筋層浸潤や病理を十分に確定できません。膀胱温存の集学的治療では、可能な限りの腫瘍切除も重要です。
参考文献・根拠
問66 監視療法と待機療法
解答例:c
判断のポイント
低リスク・少量の前立腺癌で十分な期待余命がある患者は、根治治療への切替えを前提とする監視療法の対象となります。
補足・注意点
期待余命の短い患者への症状出現時治療を中心とする待機療法と区別します。陽性コア数、MRI、生検所見なども評価します。
参考文献・根拠
問67 前立腺SBRTの線量分割
解答例:c
判断のポイント
35 Gy/5回は前立腺SBRTで用いられる代表的な線量分割です。
補足・注意点
他の超寡分割法の有効性がないという意味ではありません。本問の定位照射の定義と処方を区別し、直腸・膀胱・尿道の制約と画像誘導を確認します。
参考文献・根拠
問68 前立腺癌のT・N・M分類
解答例:a、c
判断のポイント
T4N0M0はIII期群に含まれ、両側内腸骨リンパ節転移は領域転移N1です。
補足・注意点
骨転移はM1bです。被膜内の腫瘍をT3とはせず、非触知の生検発見癌は両葉陽性でも臨床T1cとして扱います。病期分類の版も確認します。
参考文献・根拠
問69 低リスク前立腺癌のCTV
解答例:a
判断のポイント
低リスク前立腺癌のCTVは一般に前立腺を基本とし、精嚢を予防的に含めません。
補足・注意点
精嚢基部や周囲浸潤の扱いはリスクと実際の進展で判断します。CTでは前立腺をMRIより大きく輪郭化しやすく、特に尖部等でMRIが役立ちます。
参考文献・根拠
問70 精巣手術後のリンパ流と照射範囲
解答例:d
判断のポイント
停留精巣手術などでリンパ流が変化している場合は、鼠径リンパ節領域への照射を考慮します。
補足・注意点
通常の精巣からのリンパ流と、鼠径・陰嚢の手術後を区別します。精上皮腫では長期の二次がんや臓器障害も踏まえて治療を選びます。
参考文献・根拠
問71 予後良好限局期HLの低強度併用療法
解答例:b
判断のポイント
予後良好な限局期古典的Hodgkinリンパ腫では、ABVD2コース後に20 Gy/10回のISRTを組み合わせる治療が標準的な選択肢です。
補足・注意点
PET陰性でも、化学療法2コースだけで無条件に経過観察とはしません。照射省略は対象と試験条件を限定して検討します。
参考文献・根拠
問72 限局期濾胞性リンパ腫の長期再発
解答例:b
判断のポイント
限局期の節性濾胞性リンパ腫は局所照射で制御しやすい一方、長期には照射野外再発があり、10年無再発生存率が約50%となる報告があります。
補足・注意点
無再発生存率と全生存率は異なります。病期診断法や治療年代により成績が変わるため、数字を患者個人の予測へ直結させません。
参考文献・根拠
問73 鼻型NK/T細胞リンパ腫のCTV
解答例:b、c
判断のポイント
鼻型NK/T細胞リンパ腫では粘膜下・周辺への進展を考慮し、片側病変でも両側鼻腔を、両側浸潤例では上顎洞等も含めた範囲を検討します。
補足・注意点
一般的に50 Gy程度以上の局所線量が重要です。化学療法後の代謝反応だけを理由に30 Gyへ低減せず、治療前範囲も参照します。
参考文献・根拠
問74 限局期NLPHLの放射線単独
解答例:c
判断のポイント
IA期の結節性リンパ球優位型Hodgkinリンパ腫では、30 Gy/15回程度のISRT単独が代表的な根治治療です。
補足・注意点
古典的Hodgkinリンパ腫のABVD併用戦略と混同しません。B症状、病変範囲、病理を確認します。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問91:IA期NLPHLの根治照射
問75 精巣リンパ腫の対側予防照射
解答例:c
判断のポイント
精巣原発リンパ腫では、対側精巣再発を防ぐ照射が集学的治療の重要な要素で、生存改善との関連も報告されています。
補足・注意点
全身化学療法と中枢神経再発予防を併せて検討します。精上皮腫の傍大動脈照射とは治療の目的・範囲が異なります。
参考文献・根拠
問76 胃MALTリンパ腫の1回線量
解答例:a
判断のポイント
胃MALTリンパ腫では、胃腸への負担を考慮して1回1.5 Gyの分割を用いる方法があります。
補足・注意点
高い局所制御が期待されますが、胃全体の形状変化・呼吸移動を評価し、空腹条件と画像誘導で再現性を確保します。FDG集積部だけを標的にはしません。
参考文献・根拠
問77 マントル照射の長期リスク
解答例:c、e
判断のポイント
歴史的な広範囲マントル照射後は、虚血性心疾患と二次性悪性腫瘍が重要な遅発性有害事象です。
補足・注意点
現在は照射範囲・線量の縮小が進んでいます。既治療患者では過去の実際の照射範囲と線量、併用薬を確認して長期管理します。
参考文献・根拠
問78 横紋筋肉腫のリスク分類
解答例:c
判断のポイント
横紋筋肉腫では、治療前の病期に加え、原発部位、組織・分子型、摘出度などを統合してリスクを分類します。
補足・注意点
膀胱原発と、非膀胱・非前立腺の泌尿生殖器原発を区別します。傍髄膜原発というだけで全脳全脊髄照射にはしません。
参考文献・根拠
問79 ユーイング肉腫の辺縁切除後照射
解答例:d
判断のポイント
辺縁切除後のユーイング肉腫では、45 Gy/25回程度の術後照射が代表的な選択肢です。
補足・注意点
切除断端、組織学的反応、肉眼的残存によって線量は変わります。全肺照射と原発巣の根治照射の線量は別に設定します。
参考文献・根拠
問80 WT1と腎芽腫
解答例:d
判断のポイント
WT1は腎芽腫の発症に関わる代表的な遺伝子です。小児腎腫瘍の多くを占める腎芽腫と、明細胞肉腫等を区別します。
補足・注意点
腎温存は両側例などの条件で検討します。健側腎の線量を十分に抑え、手術と術前化学療法の順序はプロトコールに従います。
参考文献・根拠
問81 小児照射における鎮静の目的
解答例:b
判断のポイント
鎮静により治療中の体動を抑え、固定と位置の再現性を確保しやすくなります。
補足・注意点
鎮静中も呼吸・循環監視と転落対策が必要です。本人の理解や安心を支えるプレパレーションも省略しません。
参考文献・根拠
問82 神経芽腫のリスク別照射適応
解答例:c(誤っている記述)
判断のポイント
中間リスクの神経芽腫では、放射線治療を一律に標準として行うわけではありません。高リスク例の局所治療と区別します。
補足・注意点
重篤な症状や治療抵抗性の残存など例外はあります。年齢、病期、MYCN等の生物学的因子、治療反応を統合して判断します。
参考文献・根拠
問83 皮膚癌のTNM分類
解答例:a、c
判断のポイント
有棘細胞癌と基底細胞癌は皮膚癌として共通のTNM分類の枠組みを用います。
補足・注意点
悪性黒色腫、Merkel細胞癌、乳房Paget病は別の分類を確認します。皮膚癌も発生部位や分類の版による適用範囲に注意します。