放射線治療専門医・2022年
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66問を分野別に整理しました。分野と問題番号を選ぶと解説が表示されます。
独自に作成した非公式の解答例です。問題文・選択肢・問題画像・問題PDFは掲載していません。
全66問に解説と参考文献を掲載しています。問58は選択肢a・c・eの判定を追加確認するため、解答確定を保留しています。学会公式正答表との照合は行っていません。
制度・適応は2022年の出題時点を基本に説明し、参考資料の年を明示しています。現在の診療には最新の指針・電子添文を確認してください。原問題で確認した関連問題を10件掲載しています。
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問1 90Yの物理半減期
解答例:b(誤っている組み合わせ)
判断のポイント
90Yの物理半減期は約64時間、すなわち約2.7日です。6.4日ではありません。
補足・注意点
177Luの約6.6日や、ほかの治療核種と取り違えないようにします。物理・生物・実効半減期の区別も重要です。
参考文献・根拠
問2 電子線PDDの制動X線成分
解答例:e(誤っている記述)
判断のポイント
電子線の主成分は飛程付近で急減しますが、制動X線による深部の線量成分が残るため、完全にゼロにはなりません。
補足・注意点
PDDはエネルギー、照射野、SSD、物質密度に依存します。最大線量深・実用飛程と深部のX線汚染を区別します。
参考文献・根拠
問3 β壊変と質量数
解答例:c
判断のポイント
β−壊変は中性子が陽子へ変わる反応で、質量数は変化せず原子番号が1増えます。
補足・注意点
β+壊変・軌道電子捕獲では陽子が中性子へ変わります。γ放出では核種の原子番号・質量数は変わりません。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問9:β壊変と質量数
問4 陽子線のスキャニングとワブラー
解答例:e(誤っている記述)
判断のポイント
ワブラー電磁石はブロードビームによる照射野形成で用います。ペンシルビームスキャニングの走査方式と区別します。
補足・注意点
陽子線は臨床上RBE1.1を慣用しますが、実際の生物学的効果が全位置で一定とは限りません。飛程・物質密度の不確実性にも注意します。
参考文献・根拠
問5 BNCTの核反応
解答例:a
判断のポイント
10Bが熱中性子を捕獲すると、α粒子と7Liが生じます。短飛程の高LET粒子によるエネルギー付与を利用します。
補足・注意点
ホウ素の腫瘍・正常組織への分布と中性子線量の評価が必要で、核反応だけで選択的な腫瘍障害が保証されるわけではありません。
参考文献・根拠
問6 リニアックの制動X線
解答例:a、e
判断のポイント
ターゲットに入射した電子の制動で連続スペクトルのX線が生じ、加速電子のエネルギーが高いほどX線の最大エネルギーも高くなります。
補足・注意点
治療用MV領域ではコンプトン散乱が重要です。高エネルギーでは装置部材の光核反応による中性子発生も考慮します。
参考文献・根拠
問7 LETと線量率効果
解答例:c、e
判断のポイント
同じ荷電粒子では、減速に伴いエネルギー損失密度が増す傾向があり、高LET放射線では低LETより線量率効果が小さくなります。
補足・注意点
電荷との関係を単純な比例とはしません。RBEも高LET域で単調増加し続けず、オーバーキルの影響を受けます。
参考文献・根拠
問8 低線量率小線源と治療効果
解答例:b、c
判断のポイント
125I永久挿入は低線量率治療です。子宮頸癌では線量率だけで局所制御が一律に決まるものではなく、総線量・分割・標的被覆などを含めて評価します。
補足・注意点
小線源治療で用いる低線量率の区分と、単に小さい線量率という日常的な表現を区別します。逆線量率効果は、線量率低下により殺細胞効果が増す現象です。
参考文献・根拠
問9 単層培養の分割間変化
解答例:a、b
判断のポイント
単層培養で照射間隔を変えると、再増殖と細胞周期の再分布によって生残率が変化します。
補足・注意点
十分酸素化された単層培養と、生体内腫瘍の低酸素・免疫環境を区別します。修復も分割効果の重要な機序ですが、本問の選択肢には含まれていません。
参考文献・根拠
問10 大線量照射とLQモデルの限界
解答例:b、c
判断のポイント
大線量の少分割照射では、LQモデルの外挿と臨床効果の差に注意が必要で、血管・間質の障害などDNA以外の効果も検討されています。
補足・注意点
LQモデルが無意味という意味ではありません。対象組織、線量範囲、再増殖等の仮定を確認し、単純なBEDだけで臨床結果を断定しません。
参考文献・根拠
問11 免疫療法のバイオマーカー
解答例:c、e
判断のポイント
dMMRやMSI-H、TMB-highは免疫チェックポイント阻害薬の適応判断に用いるバイオマーカーです。
補足・注意点
適応となる癌種・治療歴・検査法・閾値は薬剤と承認内容で異なります。相同組換え修復欠損はPARP阻害薬などの判断と区別します。
参考文献・根拠
問12 S/G2期の相同組換え修復
解答例:b、c
判断のポイント
生残率が高くなるS期側の細胞群では、姉妹染色分体を利用する相同組換えが働きます。RAD51とBRCA1がこの修復経路に関わります。
補足・注意点
Ku80、XRCC4、DNA-PKcsは主に非相同末端結合に関わります。両経路の利用時期と鋳型の要否を対応させます。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問10:細胞周期とHR/NHEJ
問13 内部被ばくと臓器分布
解答例:c、e
判断のポイント
137Csはカリウムに似た体内挙動を示し筋肉などへ分布します。吸入した難溶性プルトニウムは肺に残留し得ます。
補足・注意点
239Puは侵入経路・化学形で分布が異なり、骨・肝臓への移行も重要です。ヨウ素は甲状腺、ストロンチウムは骨への集積を対応させます。
参考文献・根拠
問14 高齢膠芽腫への短期CRT
解答例:d
判断のポイント
高齢膠芽腫の無作為化試験では、約40 Gy/15回の短期照射にテモゾロミドを加えることで、放射線単独より全生存期間が延長しました。
補足・注意点
MGMT、全身状態、認知機能、治療負担を評価します。80歳代の全患者への一律併用を意味するものではありません。
参考文献・根拠
問15 小児高悪性度上衣腫の術後療法
解答例:d(誤っている組み合わせ)
判断のポイント
5歳の高悪性度上衣腫では、術後放射線治療が重要で、化学療法だけを術後標準とする組み合わせは適切ではありません。
補足・注意点
年齢、部位、摘出度、播種、現行の分子分類を考慮します。乳幼児の照射延期戦略と、年長児の局所制御の戦略を区別します。
参考文献・根拠
問16 髄膜腫の悪性度・摘出度と術後管理
解答例:c、d
判断のポイント
Grade 2髄膜腫では術後照射を検討し、Grade 1の十分な摘出後は経過観察が代表的です。本問ではcとdが適切です。
補足・注意点
Grade 2全摘例の照射は全例一律の確立した方針ではありません。Grade 3には術後照射を行いますが、同時化学療法を標準とはしません。
参考文献・根拠
問17 胚細胞腫瘍の予後群
解答例:e
判断のポイント
未熟奇形腫は胚細胞腫瘍の中間的な予後群に位置付けられ、約75%の5年生存が目安となる治療成績が報告されています。
補足・注意点
純粋胚腫・成熟奇形腫と、卵黄嚢腫や胎児性癌などの予後不良群を区別します。混合成分と腫瘍マーカーも評価します。
参考文献・根拠
問18 PCNSLの深部脳病変
解答例:c
判断のポイント
中枢神経原発リンパ腫では大脳基底核など深部脳病変が予後評価に関わります。
補足・注意点
ステロイドでの縮小だけで確定診断はできず、生検前投与は病理診断を難しくすることがあります。照射範囲は眼病変の有無も踏まえて決定します。
参考文献・根拠
問19 前庭神経鞘腫の顔面神経温存
解答例:c
判断のポイント
適切な小型前庭神経鞘腫への定位照射では、95%以上の顔面神経機能温存が期待されます。
補足・注意点
腫瘍辺縁線量は通常12〜13 Gy程度が代表的で、18 Gyを一般的な推奨値とはしません。聴力温存と顔面神経温存の成績も別に評価します。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問35:前庭神経鞘腫の定位照射
問20 p16陽性中咽頭癌の予後・病期
解答例:c
判断のポイント
舌根のp16陽性中咽頭癌は、同側頸部リンパ節転移が多発しても、6 cm以下なら臨床N1です。T2N1M0はI期で、標準治療後の良好な長期生存が期待されます。
補足・注意点
本問の約90%は集団としての目安で個人を保証しません。p16陰性のN2b分類を混用せず、良好な病期だけを理由に化学療法や根治線量を減らしません。
参考文献・根拠
問21 早期声門癌の機能温存治療
解答例:c、e
判断のポイント
一側声帯の小病変では寡分割放射線治療が標準的な選択肢です。喉頭部分切除との比較で、音声機能を保つ観点から放射線治療を選ぶことがあります。
補足・注意点
両声帯に及ぶT1bと一側のT1aを区別します。音声は治療前の状態・範囲でも変わり、温存を保証するものではありません。
参考文献・根拠
問22 耳下腺癌の神経浸潤
解答例:a、e
判断のポイント
顔面神経浸潤は耳下腺癌のT4aに相当します。神経周囲浸潤例の術後照射では、神経走行に沿って頭蓋底までの高リスク領域を考慮します。
補足・注意点
顔面神経の走行、茎乳突孔、関連する神経交通を評価します。N0例の全頸部予防照射やHER2薬併用を、全例の標準とはしません。
参考文献・根拠
問23 口腔癌の節外浸潤とN分類
解答例:e(誤っている記述)
判断のポイント
口腔癌で3 cmを超える同側単発リンパ節に節外浸潤がある場合、N2aではなくN3bを考えます。
補足・注意点
T分類には浸潤深度も用います。臨床・病理N分類の違いと分類の版を確認し、節外浸潤の有無を反映します。
参考文献・根拠
問24 術後CRTの高リスク因子
解答例:c、e
判断のポイント
切除断端陽性とリンパ節節外浸潤は、頭頸部癌術後に同時化学放射線療法を検討する代表的な高リスク因子です。
補足・注意点
pT4や多発リンパ節転移も術後照射の判断に関わりますが、化学療法の上乗せ利益を示す因子とは分けて理解します。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問43:術後CRTの高リスク因子
問25 下咽頭癌のN因子別予防領域
解答例:b(誤っている組み合わせ)
判断のポイント
JASTRO2020の表ではT2N0の基本予防領域はII・III・IVaで、Vcを一律に含める組み合わせは適切ではありません。
補足・注意点
鎖骨上窩や咽頭後・茎突後区の追加はT・N因子で異なります。N2cなどではVIIbも検討領域に挙げられています。
参考文献・根拠
問26 IB期肺癌の根治的選択肢
解答例:b、c
判断のポイント
IB期末梢型非小細胞肺癌では、手術と術後補助療法、または適切な症例でSBRTが根治的治療の選択肢です。
補足・注意点
EGFRやPD-L1の情報だけで、I期SBRT後にゲフィチニブやデュルバルマブを標準的に追加するわけではありません。2022年当時の適応として解釈します。
参考文献・根拠
問27 肺SBRT後の胸壁・肋骨障害
解答例:b
判断のポイント
高線量域に一致する胸壁変化と肋骨の異常、長期経過での安定した肺病変から、照射後の肋骨障害による痛みを考えます。本問では経過観察を選びます。
補足・注意点
疼痛対策と画像追跡を行い、増大する軟部組織や新病変があれば再発を再評価します。すべての治療後胸痛を無条件に観察する意味ではありません。
参考文献・根拠
問28 デュルバルマブとGrade 1肺臓炎
解答例:e
判断のポイント
無症状のGrade 1放射線肺臓炎は、他の条件を満たせばデュルバルマブ地固め療法を検討できます。
補足・注意点
遠隔転移・増悪や、治療後の全身状態、症候性肺臓炎の有無を確認します。肺臓炎は投与後も悪化し得るため監視します。
参考文献・根拠
問29 呼吸不全を伴う小細胞肺癌の初期対応
解答例:d(現段階では不適切)
判断のポイント
広い肺陰影と低酸素血症を伴っており、肺炎等への対応と迅速に効果が期待できる全身療法を優先します。この時点で広範な胸部照射を開始するのは適切ではありません。
補足・注意点
気道狭窄へのステント等も含め、呼吸状態と原因を評価します。根治的・緩和的な照射の適否は、急性病態を整えてから再検討します。
参考文献・根拠
問30 胸膜肺全摘後の照射範囲と毒性
解答例:a、b
判断のポイント
胸膜肺全摘後照射では患側胸郭を対象に計画し、横隔膜近傍などへの照射による悪心にも注意します。
補足・注意点
残存肺の線量を厳しく抑えます。III期非小細胞肺癌のデュルバルマブ地固め療法を、中皮腫の術後標準として流用しません。
参考文献・根拠
問31 胸部CRTの正常臓器DVH
解答例:a、d
判断のポイント
心臓V50が20%、正常肺V20が28%は、代表的な通常分割の制約範囲に収まる値です。
補足・注意点
食道平均50 Gy、脊髄最大54 Gy、平均肺25 Gyはいずれも過大です。個々の制約は臓器定義と分割法、既往照射に合わせて判断します。
参考文献・根拠
問32 温存術後照射の対象組織型
解答例:a、d
判断のポイント
管状癌は浸潤性乳癌の一型、DCISは非浸潤性乳管癌で、いずれも部分切除後の乳房照射の対象です。
補足・注意点
LCISは同じ適応ではありません。葉状腫瘍の術後照射は再発リスクや断端などで個別に検討し、通常の乳癌と同じ一律の適応とはしません。
参考文献・根拠
問33 受容体陽性低増殖乳癌の術後治療
解答例:a
判断のポイント
ER・PgR陽性の乳癌では、術後内分泌療法が基本的な全身治療です。年齢と副作用を評価して薬剤を選びます。
補足・注意点
微小リンパ節転移1個だけで、腋窩郭清や全腋窩・鎖骨上照射を必須とはしません。術前・術後病期と転移量を区別します。
参考文献・根拠
問34 腋窩郭清後のPMRT範囲
解答例:e
判断のポイント
十分郭清された腋窩レベルI・IIを一律に再照射する必要性は乏しく、リンパ浮腫などの負担も考慮します。
補足・注意点
治療前N3bと残存陽性リンパ節を踏まえ、胸壁・鎖骨上・内胸等を計画します。原発巣の病理学的完全奏効だけでPMRTを省略しません。
参考文献・根拠
問35 BRCA2とPARP阻害薬
解答例:e
判断のポイント
BRCA2の病的バリアントによる相同組換え修復障害を背景に、適応を満たす乳癌ではPARP阻害薬の効果が期待されます。
補足・注意点
男性乳癌も起こります。遺伝情報だけで両側切除を唯一の標準とせず、発症・再発リスクと本人の価値観を共有します。
参考文献・根拠
問36 55歳未満の分化型甲状腺癌M1
解答例:a
判断のポイント
52歳の分化型甲状腺癌で遠隔転移がある場合、T・N因子によらずII期です。
補足・注意点
55歳以上のM1がIVBとなる分類とは異なります。遠隔転移を伴う131I治療は、残存甲状腺アブレーションと投与量・実施条件を区別します。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問59:分化型甲状腺癌の年齢別病期
問37 乳房寡分割照射の線量均一性
解答例:a、d
判断のポイント
寡分割でも標的内の良好な線量均一性が必要です。適切な全乳房寡分割照射は、通常分割より急性皮膚炎を軽減し得ます。
補足・注意点
2022年当時の国内での標準範囲として判断します。後年のPMRT・領域リンパ節・5回照射のエビデンスと推奨拡大を、そのまま出題時点へ遡及させません。
参考文献・根拠
問38 食道CRT後局所再発の救済治療
解答例:a、d
判断のポイント
転移のない局所再発には、救済手術と、病変の深さ・範囲等が適切なら光線力学療法が選択肢です。
補足・注意点
SM3の病変を通常の内視鏡切除だけで根治可能とはしません。再照射は臓器障害の危険を伴い、一律の標準救済法ではありません。
参考文献・根拠
問39 胃癌緩和照射の標的設定
解答例:a(誤っている記述)
判断のポイント
胃癌の緩和照射では、出血や通過障害の原因となる腫瘍を中心に標的を定めます。胃全体を一律にCTVにする必要はありません。
補足・注意点
呼吸と胃内容による移動を考慮します。線量分割は予後・症状・通院負担などを踏まえて選びます。
参考文献・根拠
問40 切除可能境界膵癌の術前治療
解答例:b、d
判断のポイント
膵頭部腫瘤と周囲血管の接触を評価し、切除可能境界の膵癌を考えます。術前化学療法または術前化学放射線療法の後に切除を検討する戦略を選びます。
補足・注意点
血管接触の角度、狭窄・閉塞と再建可能性を全断面で評価します。単一画像の判定だけで手術適応を最終決定せず、多職種で検討します。
参考文献・根拠
問41 肝癌SBRTと腹水変化
解答例:b、e
判断のポイント
腹水量の変化は肝臓の位置・線量分布に影響します。適切な小型肝癌のSBRTでは、80〜90%程度の高い局所制御が報告されています。
補足・注意点
国内SBRTの保険条件は当時5 cm以下で、粒子線とは異なります。門脈腫瘍栓も状況により照射対象となり、粒子の種類だけで優劣を断定しません。
参考文献・根拠
問42 直腸癌術前CRTのエンドポイント
解答例:b、d
判断のポイント
術前照射は術後照射より有害事象を減らし得ます。また、放射線への化学療法併用は局所制御の改善に寄与します。
補足・注意点
局所再発の減少、全生存、肛門括約筋温存は別の評価項目です。ある項目の改善を他のすべての利益へ置き換えません。
参考文献・根拠
問43 肛門癌CRTの成績と骨盤骨障害
解答例:b、e
判断のポイント
肛門管扁平上皮癌の標準的CRTでは5年全生存率70〜80%程度が報告され、長期の骨盤骨不全骨折にも注意します。
補足・注意点
局所制御率と肛門温存率は一致しません。照射範囲、骨線量、骨粗鬆症なども含めて晩期障害を評価します。
参考文献・根拠
問44 低転移量前立腺癌への原発照射
解答例:b
判断のポイント
初診時の転移性前立腺癌では、低転移量群で原発巣照射による生存利益が示されています。内臓転移例はこの低転移量の対象に含まれません。
補足・注意点
全転移性患者や去勢抵抗性の時点へ結果を一般化しません。原発照射の生存効果と、骨転移の疼痛緩和照射の目的を区別します。
参考文献・根拠
問45 小型腎癌の局所治療
解答例:e(適切でない記述)
判断のポイント
3.5 cmの限局性腎癌では、部分切除、適切な症例での焼灼療法やSBRTなどを検討します。腎摘除後に抗VEGF抗体薬を一律に追加する標準はありません。
補足・注意点
治療選択には腫瘍位置、腎機能、手術耐容性を評価します。後年の高リスク腎癌の補助免疫療法を、小型T1a全例へ適用しません。
参考文献・根拠
問46 高リスク上部尿路癌の術後化学療法
解答例:e
判断のポイント
腎尿管全摘後のpT3尿路上皮癌では、適応を満たせばゲムシタビン+白金製剤の術後補助化学療法を検討します。
補足・注意点
術後の腎機能はシスプラチン適応に重要です。PD-L1低発現だけで補助化学療法を否定せず、免疫療法の試験対象・承認条件と区別します。
参考文献・根拠
問47 筋層浸潤膀胱癌の集学的温存療法
解答例:d
判断のポイント
膀胱温存を目指す集学的治療は、最大限のTURBTと化学放射線療法を組み合わせます。
補足・注意点
筋層非浸潤癌の治療と区別し、CIS、腫瘍範囲、水腎症、膀胱機能などから適応を検討します。治療後も再発の監視が必要です。
参考文献・根拠
問48 尿道癌の危険因子
解答例:c
判断のポイント
尿道狭窄や慢性炎症などは尿道癌の危険因子です。
補足・注意点
近位・遠位、男性・女性、組織型でリンパ流や治療が異なります。小線源治療も症例により用いられ、照射法を一律に除外しません。
参考文献・根拠
問49 非セミノーマの術後治療
解答例:a
判断のポイント
未熟奇形腫を含む非セミノーマでは、病期・腫瘍マーカー・リスクに応じてBEP等の化学療法を検討します。
補足・注意点
成熟奇形腫の薬剤抵抗性と、混合する胚細胞腫瘍への治療を区別します。非セミノーマにセミノーマの予防照射を適用しません。
参考文献・根拠
問50 頸癌転移リンパ節へのブースト
解答例:d
判断のポイント
骨盤リンパ節転移への追加照射は局所制御のために行いますが、それ自体による全生存改善が明確に証明されているわけではありません。
補足・注意点
HR-CTVは治療時のMRI T2像・診察等から設定し、造影T1領域だけでは決めません。原発巣の縮小だけで小線源治療を安易に減らしません。
参考文献・根拠
問51 進行頸癌の画像誘導と腟線量
解答例:a、c
判断のポイント
外部照射は子宮・周辺臓器の移動を考慮した画像誘導が望ましく、腟も晩期障害を評価する臓器です。
補足・注意点
原発進展に応じ標的を確保しながら、腟の狭窄等にも配慮します。子宮底浸潤だけで照射野上縁をL1に固定するわけではありません。
参考文献・根拠
問52 頸癌の体部・腟進展のMRI
解答例:b、d
判断のポイント
矢状断で頸部腫瘍から子宮体部へ連続する異常と、腟壁へ広がる病変に注目します。病変の上下方向の進展を評価します。
補足・注意点
臓器への接触だけで膀胱・直腸粘膜浸潤とは判定しません。T2像と造影像、軸位・矢状断、診察所見を照合します。
参考文献・根拠
問53 早期低リスク体癌の小線源単独
解答例:d
判断のポイント
手術不能のIA期・低悪性度類内膜癌などでは、画像評価で条件を満たせば小線源単独による根治治療を選択できます。
補足・注意点
筋層浸潤の深さ、病理型、リンパ節病変を確認します。子宮頸癌のA点処方を、そのまま体癌の標準評価点とはしません。
参考文献・根拠
問54 外陰癌の鼠径リンパ節と術後照射
解答例:e(誤っている記述)
判断のポイント
節外浸潤のない鼠径リンパ節転移1個だけで、全例に術後照射を行うとは限りません。転移個数や大きさ、郭清・断端の状況で判断します。
補足・注意点
原発断端近接や節外浸潤などは照射を検討する要素です。HPV関連と非関連の病態の違いも理解します。
参考文献・根拠
問55 頸部高異型度神経内分泌癌の予後
解答例:a(誤っている記述)
判断のポイント
子宮頸部高異型度神経内分泌癌は早期に遠隔転移しやすい予後不良の稀な腫瘍です。
補足・注意点
小細胞型・大細胞型があり、形態と免疫染色を合わせます。CD56陽性だけで診断せず、全身治療を含む集学的管理を検討します。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問77:頸部神経内分泌癌
問56 胃MALTリンパ腫の胃全体CTV
解答例:e(誤っている記述)
判断のポイント
胃MALTリンパ腫は多発・微小病変を考慮し、原則として胃全体などをCTVに含めます。見える腫瘤へのマージンだけでは不十分です。
補足・注意点
空腹条件、呼吸管理、画像照合で再現性を確保します。高い長期生存が期待されるため、正常臓器線量と二次がんにも配慮します。
参考文献・根拠
関連問題
- 2024年 治療専門医 問92:胃MALTの標的と再現性
問57 DLBCLの低めの照射線量を用いる状況
解答例:a、c
判断のポイント
対側精巣の予防照射や、化学療法後に完全代謝奏効した病変への地固めでは、26 Gy程度を含む比較的低い線量域を用います。
補足・注意点
PMRや薬剤抵抗性の肉眼的病変では、より高い線量が必要となります。緩和照射は症状と予後で幅広い分割を選ぶため、目的を区別します。
参考文献・根拠
問58 十二指腸型濾胞性リンパ腫
解答例:保留(a・c・eの判定を要確認)
判断のポイント
十二指腸下行脚の白色顆粒状病変から、十二指腸型濾胞性リンパ腫を考えます。進行が緩徐で、無症状の限局例では経過観察も選択肢です。
補足・注意点
この病型は骨髄浸潤が稀との報告があります。一方、低線量照射の緩和効果も知られ、a・c・eを2つに絞るには病型の前提と公式解答等の照合が必要なため保留します。
参考文献・根拠
問59 予後良好限局期古典的HLの治療コース
解答例:e(誤っている記述)
判断のポイント
予後良好の限局期古典的Hodgkinリンパ腫では、ABVD2コースと低線量ISRTなどが代表的です。4コースを全例に行ってから方針を決めるとはしません。
補足・注意点
縦隔照射は心臓・肺・乳腺等の線量を抑えるため、IMRTや息止めを個別に比較します。CTVは治療前PET/CTを参照します。
参考文献・根拠
問60 結膜限局MALTリンパ腫の照射範囲
解答例:c(誤っている記述)
判断のポイント
結膜に限局するMALTリンパ腫は、病変範囲を十分確認したうえで結膜・眼瞼を対象とし、眼窩全体を一律にCTVとはしません。
補足・注意点
表在病変に電子線を用い、水晶体遮蔽は病変の被覆を妨げない場合に行います。眼窩深部病変とは分けて計画します。
参考文献・根拠
問61 神経芽腫残存巣への線量
解答例:d
判断のポイント
神経芽腫の肉眼的残存原発巣に30.6 Gy/17回を用いる線量設定があります。全摘後や他疾患の処方とは区別します。
補足・注意点
リスク、年齢、反応と採用プロトコールで調整します。眼窩横紋筋肉腫や全肺照射へ、原発肉眼病変の線量を流用しません。
参考文献・根拠
問62 傍髄膜横紋筋肉腫の早期照射
解答例:b
判断のポイント
中耳原発は傍髄膜部位に含まれ、頭蓋内進展などの危険所見がある場合、化学療法と同時期の早期照射を検討します。
補足・注意点
すべての中耳病変で同じ時期に開始するという意味ではありません。脳神経麻痺、骨破壊、髄膜への進展とプロトコールを確認します。
参考文献・根拠
問63 腎芽腫CTVと治療前画像
解答例:d
判断のポイント
術前化学療法を行った腎芽腫では、治療前画像を参照して初発範囲や腫瘍床を適切に把握します。
補足・注意点
病期・組織型・腹腔内汚染や播種で照射範囲と線量は異なります。健側腎は低線量に抑え、年齢だけの一律低減や上限線量の絶対化はしません。
参考文献・根拠
問64 ユーイング肉腫の広範切除後管理
解答例:b
判断のポイント
十分な広範切除が得られた例では、病理反応なども踏まえて術後照射を省略する方針があります。
補足・注意点
全R0例で必ず省略するという意味ではなく、壊死率・初発範囲・断端を評価します。切除不能例に70 Gyを通常線量として用いるわけではありません。
参考文献・根拠
問65 脊椎SBRTとペインフレア
解答例:b、e
判断のポイント
試験時点では5 cm以下の転移性脊椎腫瘍はSBRTの保険対象です。照射開始後の一過性疼痛増強はペインフレアと呼びます。
補足・注意点
脊髄圧迫への単回照射を絶対禁忌とはしません。再照射の安全性は累積BEDの数値だけで保証せず、部位、間隔、分割、実線量分布を確認します。
参考文献・根拠
問66 良性疾患の放射線治療線量
解答例:b、c
判断のポイント
甲状腺眼症の20 Gy/10回、症候性脊椎血管腫の36 Gy/18回は、代表的に用いられる線量分割です。
補足・注意点
良性疾患は治療適応と長期の発がんリスクを慎重に検討します。翼状片、ケロイド、脾腫ではそれぞれ異なる低線量の処方を用います。