この年度の出題傾向
2018年度の掲載解説は80問で、このうち画像診断分野の58問を臓器・主題別に集計しました。内訳では胸部・心血管16問、脳・脊髄・頭頸部11問、泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜9問が多く、肝胆膵・脾の構成比は全年度の年別平均より5.5ポイント低い値です。IVRや撮像技術は対象臓器と重複計上せず別群とし、複合題は主題に基づく便宜分類を含みます。
臓器別の比較は画像診断分野内の割合で行い、21年度の年別構成比の平均と比較しています。複合題は主題一つに分類した当サイトの集計で、公式配点ではありません。境界が曖昧な問題は便宜的な分類を含みます。
画像診断以外の内訳:核医学16問、治療1問、共通5問。
画像診断の臓器・主題別内訳を見る
| 臓器・主題 | 問題数 | 診断分野内の割合 | 年平均との差 |
|---|---|---|---|
| 脳・脊髄・頭頸部 | 11問 | 19.0% | +0.7ポイント |
| 胸部・心血管 | 16問 | 27.6% | -1.9ポイント |
| 肝胆膵・脾 | 4問 | 6.9% | -5.5ポイント |
| 消化管・腹膜 | 5問 | 8.6% | +1.0ポイント |
| 泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜 | 9問 | 15.5% | +2.5ポイント |
| 骨・関節・軟部 | 6問 | 10.3% | +0.3ポイント |
| 乳腺 | 3問 | 5.2% | +0.6ポイント |
| IVR・手技・画像技術・多臓器その他 | 4問 | 6.9% | +2.4ポイント |
放射線科診断専門医・2018年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月19日:全80問を改訂しました。解答例は非公式です。原本画像と既存コメントを照合し、全問に参考文献を追加しました。問8・14・20・27・31・51・55・58は解答確定を保留し、その理由と追加確認事項を示しています。
解答作成にご協力いただいた雁木先生、メガネ先生、batwoman先生、なか先生、O先生(コメント・追記の各寄稿者を含む)に感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
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診断専門医 2018年度 問1
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問1
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
運動エネルギーが保存されるのは弾性衝突の性質です。光電効果では光子が吸収され、電子の束縛エネルギーと運動エネルギーへ移ります。
b|誤り
光子吸収に伴う軌道電子放出は光電効果です。制動放射は荷電粒子が減速して光子を放出する過程です。
c|正しい
電子へエネルギーを渡すと散乱光子のエネルギーは低下し、波長は長くなります。
d|誤り
核の電場で電子が減速して電磁波を出す過程は制動放射です。弾性散乱という名称とは対応しません。
e|正しい
光子が電子と陽電子の静止質量・運動エネルギーへ変換されます。核電場での閾値は約1.022 MeVです。
判断のポイント
コンプトン散乱では光子が電子へエネルギーを渡し、散乱光子のエネルギーが低くなり波長が長くなる。核の電場での電子対生成では光子が消滅し、電子と陽電子が生じる。
鑑別・注意点
核の電場での対生成には少なくとも1.022 MeVが必要となる。光電効果は光子の吸収と軌道電子の放出、制動放射は荷電粒子の減速に伴う光子放出である。弾性散乱と非弾性散乱を区別する。
診断専門医 2018年度 問2
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問2
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
体軸方向のスライス感度プロファイルと部分容積に直接関係し、薄い再構成で細部を分離しやすくなります。
b|誤り
主に時間分解能・体動の影響に関わり、静止対象の体軸分解能を直接決める基本項目ではありません。
c|誤り
量子効率や雑音に関係しますが、体軸のサンプリング間隔を直接表す項目ではありません。
d|正しい
体軸方向のサンプリングと補間に関わります。多列CTでは再構成法の補償もあり、常に単純比例するわけではありません。
e|誤り
主に横断面内の標本化を表し、体軸方向のスライス厚とは方向が異なります。
判断のポイント
再構成スライス厚とヘリカルピッチは、体軸方向のサンプリング・スライス感度プロファイルに関連する。横断面のピクセル寸法とは方向を区別する。
鑑別・注意点
ピッチの影響は検出器構成・補間法・再構成条件によって異なり、現代の装置すべてで単純に比例するとはしない。またピッチと被ばくの関係も管電流一定か、AEC等で補正されるかで変わる。スキャン時間は主に時間分解能に関連する。
診断専門医 2018年度 問3
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問3
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
水と脂肪の周波数差は主磁場とともに増え、他条件が同じなら位置ずれが大きくなります。
b|正しい
脂肪信号を減らすことで、水・脂肪境界での位置ずれを目立たなくできます。
c|誤り
位置ずれの主因は周波数差と受信帯域幅です。送信RFの強さ自体を増悪の基本因子とはしません。
d|正しい
一画素当たりの受信帯域を広くすると、同じ周波数差が生む画素のずれは小さくなります。
e|正しい
周波数による位置決定方向に水と脂肪がずれて見える、第1種化学シフトの説明です。
判断のポイント
水と脂肪の共鳴周波数差により、周波数エンコード方向で位置ずれが生じる。主磁場強度や受信バンド幅が関係し、送信RFの強さを増すこと自体を増強の基本因子とはしない。
鑑別・注意点
高磁場では周波数差が大きく、受信バンド幅を広げると同じ周波数差による画素ずれが小さくなる。脂肪抑制も有効である。GREの水脂肪相殺による第二種化学シフトと、位置ずれを主体とする第一種を区別する。
診断専門医 2018年度 問4
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問4
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
HISは診療録を含む病院情報を扱うシステムです。電子化は主要機能ですが、診療録だけに限定されません。
b|正しい
可搬媒体を使う画像交換をIHEの統合プロファイルとして定めます。DVDなどが媒体となります。
c|正しい
放射線部門の予約・実施・レポートなど検査業務を管理するシステムです。
d|誤り
画像を保存・管理・配信するシステムです。保存形式そのものを標準化する規格ではありません。
e|正しい
画像と関連情報のデータ構造・保存・通信などを規定し、異なる装置間の交換の基盤となります。
判断のポイント
PACSは医用画像を保存・配信・管理するシステムであり、保存フォーマットそのものの標準規格ではない。DICOMが画像・関連情報のデータ構造、保存・通信等を規定する。
鑑別・注意点
HISは電子診療録だけに限らない病院情報システム、RISは放射線部門の予約・業務管理等を担う。PDIはDICOM媒体等を用いた施設間の画像・レポート交換を支えるIHEの統合プロファイルである。
診断専門医 2018年度 問5
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問5
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
この階調数は7ビットに対応します。指定されたビット数より一つ少ない条件です。
b|正しい
各ビットの二通りの状態を掛け合わせ、2の8乗の異なる値を表せます。
c|誤り
この階調数は9ビットに対応し、8ビットの組合せ数を超えます。
d|誤り
この階調数は10ビットに対応します。モニターを8ビットのままとする条件とは異なります。
e|誤り
この階調数は11ビットに対応します。指定された8ビットでは表せません。
判断のポイント
1画素を8ビットで表すと、符号の組み合わせは2の8乗=256通りとなる。8ビットのまま表示する条件での階調数は256である。
鑑別・注意点
0から255までの256個を数える。ビット深度による階調数と、画素数による空間分解能、実際に識別できる輝度差を混同しない。ウィンドウ設定は入力データを表示階調へ対応付ける操作である。
診断専門医 2018年度 問6
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問6
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
対側の右中心前回の手の運動領域に相当します。中心溝とhand knobの形態を追って同定します。
b|誤り
右中心溝付近を見ても、示す場所は運動野の手領域そのものと区別します。症状の左右と溝の前後を合わせます。
c|誤り
中心溝より後方の領域で、一次感覚野側と区別します。運動障害でまず注意する手領域ではありません。
d|誤り
左半球の対応部位で、左手の障害に対してまず確認する対側の右運動野とは左右が異なります。
e|誤り
左半球の溝・回を指し、左手の運動を担う右中心前回の手領域とは異なります。
判断のポイント
左手の運動障害では対側の右一次運動野を確認する。中心溝前方の中心前回にある手の運動領域に対応するのは①である。
鑑別・注意点
中心前回の後方へ突出するΩ形・ε形のhand knobを目印に中心溝をたどる。提示T1像は局在を問うもので、急性梗塞そのものを確定する画像ではない。急性神経症状ではDWIや血管画像等を臨床状況に合わせる。
診断専門医 2018年度 問7
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問7
解答例:cを第一候補
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
出血性腫瘍も原因になりますが、明瞭な腫瘤より脳室近傍の異常血管を疑う構造に注目します。
b|誤り
脳室内出血の原因となり得ますが、主幹動脈狭窄や側副血管の情報はなく、提示の局所構造ではAVMを優先します。
c|条件・画像に注意
若年の脳室内出血と脳室近傍の不規則な血管集簇を疑う構造が支持します。CTA・DSAなどで確認します。
d|誤り
脳底槽のくも膜下出血主体の像ではありません。血管画像で動脈瘤も調べますが、提示形態ではAVMが有力です。
e|条件・画像に注意
深部の実質内血腫から脳室穿破する場合が代表です。今回は大きな深部血腫に乏しく、若年者の血管性原因を評価します。
判断のポイント
脳室内出血に加え、右側脳室近傍に不規則な血管集簇を疑う高吸収構造がある。若年者の脳室内出血の原因として脳動静脈奇形を優先する。
鑑別・注意点
単純CTの高吸収だけから血管が血栓化していると確定した旧説明を修正する。血腫・石灰化・血管構造が重なり得るため、CTA・MRA、必要に応じDSAでnidusと流入・流出血管を確認する。動脈瘤やもやもや病等も血管評価まで一律に除外しない。
診断専門医 2018年度 問8
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問8
解答例:eは支持できるが二つの確定は保留
選択肢別の解説
a|誤り
前庭神経鞘腫では石灰化は一般的でなく、石灰化を強く予測する場合は他病変も比較します。
b|条件・画像に注意
内耳道の平滑な拡大は起こり得ますが、侵襲性の骨破壊とは区別します。二つ選ぶ設問でのbの妥当性はCT所見なしでは保留します。
c|条件・画像に注意
通常の神経鞘腫を強い早期腫瘍濃染で特徴付けることはしません。MRIの増強と血管造影の早期濃染は同義ではありません。
d|誤り
中耳の液体貯留などを示す所見です。内耳道・小脳橋角部の腫瘍から鼓室内異常を必然としません。
e|条件・画像に注意
腫瘍内微小出血はT2*で低信号となり、神経鞘腫でみられ得ます。ただしこの一断面から二つの正答の確定は保留します。
判断のポイント
右内耳道から小脳橋角部に連続する強く増強する腫瘤は前庭神経鞘腫を優先する形態である。腫瘍内の微小出血はT2*低信号として現れ得るため、eは整合する。
鑑別・注意点
髄膜腫なら石灰化・硬膜付着や骨肥厚、神経鞘腫なら内耳道拡大などを比較する。ただし提示の造影T1一枚で病理や未撮影の所見を決められない。二つ選ぶ条件を満たすために髄膜腫へ診断を置き換えたり、骨破壊・早期濃染を確認済みとしたりしない。公式解答が確認できず、不適切問題とも断定しない。
診断専門医 2018年度 問9
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問9
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
脳室内髄膜腫は成人の三角部が代表で、若年の透明中隔関連の多嚢胞性病変とは典型が異なります。
b|誤り
脳室壁由来の腫瘍として鑑別ですが、若年成人の側脳室内の小嚢胞を多く含む形態では神経細胞腫を優先します。
c|誤り
第三脳室前方の小さな境界明瞭嚢胞が代表で、今回の大きな分葉状充実・多嚢胞性腫瘤とは異なります。
d|誤り
脈絡叢に連続する乳頭状で強く増強する腫瘤が典型で、今回の透明中隔付近の蜂巣状構成とは異なります。
e|正しい
若年成人、透明中隔付近の側脳室内病変と多数の小嚢胞が支持します。病理・分子情報を合わせて確定します。
判断のポイント
若年成人の側脳室内に、透明中隔付近と関連する分葉状の腫瘤があり、多数の小囊胞と不均一な増強を認める。中枢性神経細胞腫を優先する。
鑑別・注意点
側脳室内という位置だけで病理を決めず、付着部、Monro孔閉塞・水頭症、石灰化を評価する。髄膜腫は三角部に多く、コロイド囊胞はMonro孔付近の比較的小さな囊胞性病変が典型である。
診断専門医 2018年度 問10
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問10
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
茎の肥厚・増強や後葉高信号消失などを評価する充実性病変で、今回の内容を持つ鞍内嚢胞とは異なります。
b|正しい
蛋白性内容のT1高信号と、T2低信号の嚢胞内結節が特徴です。結節は通常の充実性腫瘍成分と区別します。
c|誤り
嚢胞・出血性腺腫も鑑別ですが、正中の平滑嚢胞と内容結節ではRathke嚢胞を優先します。
d|誤り
石灰化・充実性増強や鞍上部の形態が手掛かりで、今回の平滑な鞍内嚢胞では第一候補ではありません。
e|誤り
下垂体・茎の充実性腫大などが代表で、限局した内容結節のある嚢胞とは異なります。
判断のポイント
鞍内の境界明瞭な囊胞性病変がT1高信号を示し、T2では低信号の小結節を含む。蛋白性内容と囊胞内結節を持つRathke囊胞を考える。
鑑別・注意点
囊胞内容のT1・T2信号は濃度等で変わる。waxy noduleは手掛かりだが全例にはなく、非造影の二断面だけで壁や結節の増強を判断しない。出血性腺腫や頭蓋咽頭腫は位置、充実成分、石灰化、造影等を合わせて比較する。
診断専門医 2018年度 問11
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問11
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
高血圧に伴う後方白質浮腫の分布ではなく、栄養障害と視床・中脳周囲の所見を重視します。
b|誤り
細菌感染を主因とする像ではなく、欠乏性脳症に対する補充を急ぎます。
c|誤り
自己免疫炎症を主因とする所見ではなく、胃切除後の栄養背景をまず評価します。
d|正しい
栄養障害と両側視床・中脳周囲病変からWernicke脳症を疑い、迅速に補充します。検査結果待ちで治療を遅らせません。
e|誤り
ヘルペス脳炎の側頭葉・島皮質優位分布ではなく、対称な欠乏性脳症の分布です。
判断のポイント
両側視床内側と中脳水道周囲に対称性FLAIR高信号があり、胃全摘後の栄養障害を背景とするWernicke脳症を考える。治療は速やかなビタミンB1の補充である。
鑑別・注意点
アルコール関連だけの疾患とはしない。健忘だけでなく眼球運動異常や失調、栄養摂取歴を確認するが、典型的三徴がそろうまで治療を待たない。疑う場合は非経口投与を行い、糖負荷前の補充と栄養・電解質管理を考慮する。
診断専門医 2018年度 問12
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問12
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
通常は腫瘤効果や不整な増強が目立ち、今回の非増強性皮質下白質障害とは異なります。
b|誤り
血管支配に沿う急性発症より、月単位で進む非対称白質病変が合います。
c|誤り
免疫抑制下で重要な鑑別ですが、強い充実性増強を伴う腫瘤に乏しいためPMLを優先します。
d|誤り
脱髄病変の鑑別ですが、治療による免疫抑制と進行性の広い皮質下病変ではJCV感染を優先します。
e|正しい
非対称皮質下白質病変、増強の乏しさと免疫抑制背景が支持します。髄液JCV検査や経過と統合します。
判断のポイント
右前頭頭頂葉の皮質下白質に広いT2高信号とT1低信号を認め、明瞭な腫瘤状増強に乏しい。SLE治療中の月単位の症状進行と合わせ、進行性多巣性白質脳症を優先する。
鑑別・注意点
画像だけでJCウイルス感染を確定せず、治療薬・免疫状態、髄液PCR等で裏付ける。SLE関連の血管障害や他の日和見感染も比較する。PMLでも炎症・免疫再構築に伴う増強が起こり得るため、非増強を絶対条件とはしない。
参考文献
診断専門医 2018年度 問13
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問13
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
平滑なドーム状粘膜隆起が典型で、洞内の高吸収・石灰化と慢性骨壁変化とは異なります。
b|誤り
鼻腔上部・嗅裂付近から頭蓋底へ広がる腫瘍で、今回は上顎洞中心の慢性内容貯留です。
c|誤り
骨破壊や浸潤性充実腫瘤を評価します。提示の洞内高吸収と骨壁硬化では真菌球を優先します。
d|誤り
片側病変を作りますが、脳回様の内部構造などをMRIで評価します。今回は中心高吸収を含む慢性洞病変が主体です。
e|正しい
洞内の不均一高吸収と石灰化様成分、粘膜肥厚・骨壁硬化が真菌球を支持します。高吸収だけで浸潤型とは判定しません。
判断のポイント
右上顎洞内の軟部陰影に中心部の高吸収・石灰化様成分があり、周囲の粘膜肥厚と骨壁硬化を伴う。慢性経過の真菌性副鼻腔炎、特に真菌球を考える。
鑑別・注意点
片側性と高吸収成分は手掛かりだが、画像だけで菌種や組織侵襲を確定しない。非侵襲性真菌球でも慢性炎症で骨壁が変化し得る。副鼻腔外の浸潤、免疫不全、眼窩・頭蓋内所見があれば侵襲型を評価し、内視鏡・病理等で確認する。
参考文献
診断専門医 2018年度 問14
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問14
解答例:dを旧解答候補とするがeとの確定は保留
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
低悪性度の嚢胞性病変は鑑別に残り、造影壁や結節、細胞診で確認します。T1/T2だけで除外できません。
b|条件・画像に注意
一般にT1低・高T2の充実性病変が多く、今回の蛋白性嚢胞様信号とは典型が異なります。
c|条件・画像に注意
拡散制限の有無が鑑別に役立ちますが未提示で、通常T1低信号の嚢胞を考える点では今回と異なります。
d|条件・画像に注意
高齢男性と嚢胞性内容から候補です。ただし充実成分の早期増強・washoutなどが未提示で、確定は保留します。
e|条件・画像に注意
蛋白性内容でT1高信号を示し得るため、Warthin腫瘍と区別が必要です。造影・DWIや組織を確認します。
判断のポイント
耳下腺浅葉側の境界明瞭な病変はT1高信号、脂肪抑制T2で著明な高信号を示し、蛋白性内容を持つ囊胞性病変を考える。高齢男性のWarthin腫瘍の囊胞型は候補になる。
鑑別・注意点
提示像では充実部がごく乏しく、リンパ上皮性囊胞も十分鑑別となる。年齢・性別の頻度だけでeを除外しない。造影で壁・充実部を評価し、DWI、超音波・細胞診等を合わせる。造影画像がないのに典型的な早期濃染・washoutがあると補わない。
診断専門医 2018年度 問15
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問15
解答例:bを優先
選択肢別の解説
a|誤り
通常は著明な低エコーの浸潤性腫大を示し、今回の石灰化と陰影を伴う小結節の第一候補ではありません。
b|条件・画像に注意
不整な低エコー結節と高エコー構造が悪性を支持します。陰影を伴う石灰化だけで微細石灰化と断定せず、細胞診などで確認します。
c|誤り
充実結節として鑑別しますが、濾胞性腫瘍の良悪性は被膜・脈管侵襲が重要で超音波だけでは確定できません。
d|誤り
石灰化を伴い得ますが、この非特異的結節だけで髄様癌を優先する根拠は不足します。必要に応じカルシトニン等を評価します。
e|誤り
通常は比較的平滑な境界で、今回の不整低エコー像では悪性の評価を優先します。
判断のポイント
不整な低エコー結節に高エコー部と強い後方音響陰影を認める。選択肢の頻度と不整形低エコーという所見から乳頭癌を優先する。
鑑別・注意点
強い音響陰影を伴う石灰化を、そのまますべて微細石灰化・砂粒小体と呼ばない。粗大石灰化は良性結節や他の癌でも生じ、画像だけでは組織型を確定できない。周囲への浸潤、縦横比、リンパ節等を合わせ、必要な穿刺細胞診で評価する。
診断専門医 2018年度 問16
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問16
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
軽微な動作の骨幹部横骨折と皮質肥厚から非定型骨折を考え、骨吸収抑制薬の使用期間などを確認します。薬剤なしでも起こり得ます。
b|誤り
局所の溶骨・骨硬化性腫瘍や皮質破壊が原因となる型と、今回の横骨折・皮質反応を区別します。
c|誤り
骨全体の膨大、粗大骨梁や皮質肥厚を評価します。今回の局所骨折形態では薬剤関連非定型骨折を優先します。
d|誤り
Looser帯や骨密度低下などを評価する病態で、今回の皮質肥厚を伴う横骨折の第一候補ではありません。
e|誤り
一般的な骨粗鬆症性の近位大腿骨骨折と異なる骨幹部形態であり、単に骨粗鬆症だけで説明しません。
判断のポイント
軽微な動作で生じた骨幹部の横骨折に、皮質肥厚と内側の鋭い骨片を伴い、非定型大腿骨骨折を考える。選択肢ではビスホスホネート等の薬剤との関連を優先する。
鑑別・注意点
服薬歴は提示されていないため確認が必要で、薬剤を使っていない例にも起こり得る。旧説明の「60歳まで発症しない骨軟化症はない」や「この部位だから骨粗鬆症を否定できる」は適切でない。病歴、骨代謝、対側大腿骨を評価する。
診断専門医 2018年度 問17
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問17
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
腱そのものの損傷より、開いた骨端線と隣接骨髄の信号変化が主体です。
b|誤り
上腕二頭筋腱の連続性・腱鞘異常より、投球側の近位骨端線障害が主要所見です。
c|誤り
滑液包内液体が主体ではなく、骨端線と骨幹端の浮腫を評価する像です。
d|正しい
成長期の反復投球と近位上腕骨骨端線周囲浮腫が支持します。骨端線拡大と対側差も確認します。
e|条件・画像に注意
閉鎖期骨端線周囲の一過性浮腫も鑑別ですが、投球歴と近位上腕骨の典型位置から投球性障害を優先します。
判断のポイント
成長期の投球側肩に、近位上腕骨の骨端線付近から骨幹端へ広がるSTIR高信号がある。反復投球による骨端線ストレス損傷であるリトルリーガーズショルダーを考える。
鑑別・注意点
投球歴と圧痛部位、単純X線での骨端線幅や左右差を合わせる。単純X線が明瞭でない場合にMRIが診断を補助することもあり、「MRIは診断には不要」と一律には書かない。FOPEは主に閉鎖期の骨端線周囲に限局する浮腫として比較する。
診断専門医 2018年度 問18
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問18
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
良性の発育変異を疑う像に侵襲的掻爬は選びません。破壊性腫瘍や感染を示す情報はありません。
b|誤り
明瞭な骨折や不安定な骨軟骨病変でない限り、一律の固定より活動調整と経過観察を検討します。
c|誤り
アライメント矯正を必要とする変形を示す設問ではありません。
d|誤り
軟骨表面が保たれ、骨髄浮腫に乏しい発育変異をまず疑うため、直ちに関節鏡を選びません。
e|正しい
年少児の後方骨化輪郭不整、保たれた軟骨と浮腫の乏しさから発育変異を考えます。症状が続けば離断性骨軟骨炎等を再評価します。
判断のポイント
年少児の大腿骨顆後方に骨化輪郭の不整があり、上を覆う関節軟骨は保たれ、明瞭な周囲骨髄浮腫に乏しい。発育期の骨化変異を優先し、まず経過観察が適切となる。
鑑別・注意点
旧解説の軟骨剥離があるので関節鏡手術という断定を修正する。離断性骨軟骨炎では部位、軟骨下の病変、浮腫・不安定性所見を比較する。疼痛をすべて変異のせいと決めず、診察・症状経過と必要な再検で確認する。
診断専門医 2018年度 問19
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問19
解答例:cを優先
選択肢別の解説
a|誤り
神経に沿う局所腫瘤を形成する疾患で、今回の手根管を中心とする正中神経障害を最も説明しません。
b|誤り
筋の高信号があっても支配神経に沿う脱神経変化を考えます。感覚障害の領域と神経病変を先に確認します。
c|正しい
示指から環指の正中神経領域症状と、手根管近傍の神経・腱鞘変化が支持します。電気生理所見と合わせます。
d|誤り
尺骨神経領域の環指尺側・小指の症状が代表で、示指からの症状とは分布が異なります。
e|誤り
母指側手関節の腱鞘炎で、正中神経領域の感覚障害を直接説明しません。
判断のポイント
示指から環指の感覚異常という分布は正中神経領域に合い、手根管症候群を優先する。MRIでは掌側の神経の腫大・高信号、手根管内の状態、支配筋の変化を確認する。
鑑別・注意点
Guyon管症候群は尺骨神経障害で小指・環指尺側や小指球・骨間筋等に症状が出る。画面の左右だけで母指側を判断せず、橈骨・尺骨、母指と豆状骨・有鈎骨鉤などの目印で正中神経と尺骨神経を追う。二断面のみから高信号筋を確実に同定したと断言せず、診察・神経伝導検査を合わせる。
診断専門医 2018年度 問20
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問20
解答例:c、eを想定(bの椎体という表現に注意)
選択肢別の解説
a|誤り
骨芽細胞腫は自然退縮を期待して放置する代表的病変ではありません。症状と進展に応じ治療を検討します。
b|条件・画像に注意
脊椎では後方要素に多く、椎体に限れば少ないという読み方は成立します。脊椎全体にまれという意味なら誤りで、設問の表現に注意します。
c|正しい
類骨骨腫より大きいことが典型的な区別の一つです。大きさだけでなく部位・病理と合わせます。
d|誤り
若年者に多く、中年女性が主要好発群という説明は合いません。
e|正しい
骨芽細胞による類骨・骨形成などの組織像が類骨骨腫に似ており、画像・大きさ・経過を合わせて区別します。
判断のポイント
頸椎後方要素の膨張性骨病変から骨芽細胞腫を考える。類骨骨腫との比較では腫瘍の大きさと類似する骨形成性病理が重要で、出題意図としてc・eを候補とする。
鑑別・注意点
原文bは「椎体発生」と記載する。後方要素原発が多いので椎体に限れば少ないという説明は成立する。脊椎そのものにまれと読み替えてbを否定しない。原発と椎体への二次進展も区別する。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2018年度 問21
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問21
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
母床骨と皮質・髄腔が連続する外向き隆起ではなく、骨内の膨張性病変です。
b|正しい
片側優位の多発骨内軟骨性病変がOllier病を支持します。皮膚血管病変があればMaffucci症候群も区別します。
c|誤り
浸潤性骨破壊より、境界を保つ多発膨張性の軟骨病変が合います。
d|誤り
すりガラス状骨基質が代表で、指骨の多発する軟骨性透亮病変とは異なります。
e|誤り
溶骨性病変を作りますが、今回の片側指骨の多発軟骨腫様形態の第一候補ではありません。
判断のポイント
環指・小指の指骨と中手骨に、骨内から膨張する多発透亮性病変と軟骨性基質を疑う内部構造を認める。片側優位の多発内軟骨腫としてOllier病を考える。
鑑別・注意点
骨表面から突出して骨髄腔と連続する骨軟骨腫とは異なる。軟部血管病変を合併するMaffucci症候群との違いも確認する。成長後の疼痛・増大や皮質破壊では軟骨肉腫への変化を検討する。
診断専門医 2018年度 問22
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問22
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
原発腫瘤や他の転移経路を調べますが、HIV下の中心壊死性節腫大では感染を優先します。
b|誤り
脂肪・石灰化を含む前縦隔の原発腫瘤とは異なり、気管周囲の節病変です。
c|誤り
HIV下の重要な鑑別ですが、未治療で明瞭な中心壊死と輪状増強では結核を優先します。
d|正しい
中心壊死と辺縁増強する縦隔リンパ節が支持します。微生物・組織検査と臨床を合わせます。
e|誤り
通常は比較的均一な両側肺門節腫大で、HIV下の壊死性病変の第一候補ではありません。
判断のポイント
右気管傍等の腫大リンパ節に中心低吸収と辺縁増強を認める。HIV感染と合わせ、壊死を伴うリンパ節結核を優先する。
鑑別・注意点
中心低吸収は結核に特異的ではなく、他の感染、転移、治療後腫瘍等とも重なる。喀痰・気管支検体やリンパ節検体の核酸検査・培養・病理、免疫状態を合わせる。「選択肢では一択」と根拠を省略しない。
診断専門医 2018年度 問23
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問23
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
経鼻経路を下行し横隔膜を越える管を認め、胃への留置が確認できます。
b|正しい
気道に沿う管があり、先端と気管分岐部との距離を確認します。
c|正しい
下方から右心系を通るリードの経路があり、右房内を通過します。右房に先端があることとは区別します。
d|正しい
下行大動脈内のバルーンの位置を示すマーカーが描出されています。
e|誤り
上方の中心静脈カテーテルは右頸部から下行し、鎖骨下静脈経由の明瞭な管はありません。
判断のポイント
経鼻胃管、気管内チューブ、右頸部から上大静脈へ入るカテーテル、大動脈内バルーンのマーカー、下方から右房を通って右室へ進むペーシングリードを認める。鎖骨下静脈を通るデバイスは明瞭でない。
鑑別・注意点
右頸部カテーテルの先端は上大静脈付近であり、これを右房内のデバイスとする旧説明を修正する。右房に該当するのは下方から通過するペーシングリードである。先端だけを見ず、皮膚から目的臓器まで全経路を追う。
診断専門医 2018年度 問24
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問24
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
炎症性の限局腫瘤で、結節性硬化症と肺嚢胞の背景に特異的に対応する合併病変ではありません。
b|誤り
上肺優位結節・不整嚢胞と喫煙に関連し、TSCに伴うLAMとは別病態です。
c|誤り
リンパ節と全身炎症性所見が中心で、TSCの代表的なもう一つの肺病変ではありません。
d|誤り
喘息・好酸球増多・血管炎を背景とする病態で、今回の多臓器腫瘍と嚢胞性肺の組合せとは異なります。
e|正しい
TSCではLAMに加えMMPHの微小結節を伴い得ます。脳・腎病変と肺を合わせて評価します。
判断のポイント
若年女性の多発薄壁肺囊胞はLAMに合い、脳・腎腫瘍という背景は結節性硬化症を示唆する。この疾患では多巣性微小結節性肺胞上皮過形成(MMPH)を合併し得る。
鑑別・注意点
LAMの囊胞とMMPHの小結節・すりガラス結節は異なる病変である。提示一断面でMMPH自体が既にあると断定せず、合併し得る病変を問う設問として整理する。遺伝性疾患の診断は他臓器所見や基準と合わせる。
診断専門医 2018年度 問25
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問25
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
若年の石灰化を含む縦隔腫瘤から成熟奇形腫を疑い、CTで性状と浸潤を確かめて切除を検討します。
b|誤り
成熟奇形腫の標準局所治療は切除で、画像未確定のまま放射線を第一選択にしません。
c|誤り
液体を抜くべき気胸・胸水ではなく、充実・混合性腫瘤を考える所見です。
d|誤り
薬剤標的を持つ腫瘍と確定した情報がなく、切除可能な奇形腫疑いに先に用いません。
e|誤り
組織・病期のない状態で免疫療法を開始せず、奇形腫疑いは外科評価を行います。
判断のポイント
左縦隔側から胸腔へ突出する大きな腫瘤影に粗大な石灰化を認め、若年者の成熟奇形腫を第一に考える。選択肢では摘出術が最も合う。
鑑別・注意点
胸部X線だけで脂肪含有や病理型を確認したとはしない。造影CTで脂肪・液体・石灰化、周囲臓器との関係を調べ、AFP・hCG等で他の胚細胞腫瘍も評価する。全縦隔腫瘤を画像確認なしに即手術するという意味ではない。
診断専門医 2018年度 問26
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問26
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
鎖骨より頭側で腫瘤辺縁が明瞭かを利用し、上縦隔病変の前後方向を推定します。
b|誤り
胸膜近傍病変へ血管・気管支が収束する所見で、上縦隔局在を判定する今回の手掛かりとは異なります。
c|誤り
胸壁・胸膜外病変の鈍角な立ち上がりを評価しますが、今回の上縦隔病変には頸胸境界の見え方が有用です。
d|誤り
右上葉無気肺と中枢腫瘤による形態で、今回の局所上縦隔影とは異なります。
e|誤り
小児の胸腺などによる三角形の輪郭の用語で、今回の上縦隔腫瘤局在の主要指標ではありません。
判断のポイント
右上縦隔に腫瘤影があり、鎖骨付近で辺縁がどう見えるかを用いるcervicothoracic signが局在推定に役立つ。
鑑別・注意点
前方の縦隔病変は頸部軟部組織と接して鎖骨より上で輪郭が不明瞭になりやすい。後方で肺に囲まれる病変は鎖骨より上でも境界を追える。この徴候は局在推定であり、単独で組織型を決めない。CTで頸部・甲状腺との連続と区画を確認する。
診断専門医 2018年度 問27
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問27
解答例:c、eを候補(bの除外はできない)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
後縦隔の多血性腫瘤なら候補ですが、典型的な著明早期増強などの確認が必要です。
b|条件・画像に注意
低FDG集積のリンパ腫もあり、SUV2.7だけで除外できません。単発節病変なら組織も検討します。
c|条件・画像に注意
単中心性で境界明瞭な節性腫瘤を作り、候補です。造影の強さ・栄養血管と局在を合わせます。
d|誤り
通常は前縦隔の腫瘤として考え、今回の肺門後方の局在と軽度集積では優先度が下がります。
e|条件・画像に注意
傍脊椎・交感神経系に沿う腫瘍として、後方局在と軽度集積に合います。画像だけで病理確定はしません。
判断のポイント
右肺門から後縦隔側の比較的境界明瞭な腫瘤に軽度のFDG集積を認める。局在と形態から神経節細胞腫、単中心性Castleman病を候補とする。
鑑別・注意点
SUVmax 2.7だけで良性や特定の組織型を確定できない。Castleman病や傍神経節腫の増強は撮像時相・病理型で異なり、リンパ腫にも低集積の型がある。病変全体の発生区画、脊椎・神経孔、血管性、全身分布を確認し、提示像のみで二つへ確定することは保留する。
診断専門医 2018年度 問28
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問28
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
新規喫煙・再開などが誘因となり、喫煙歴の変化を確認します。
b|正しい
急性の炎症性肺障害としてCRP上昇を来し得ます。好酸球は発症初期に末梢血で増えていない場合があります。
c|正しい
小葉間隔壁の浮腫性肥厚が短い胸膜直下線状影として現れます。心不全だけの所見ではありません。
d|正しい
感染を評価した上で、副腎皮質ステロイドによく反応する病態です。
e|誤り
適切な治療で改善後の再発は一般に多くありません。再発しやすい慢性好酸球性肺炎と区別します。
判断のポイント
急性の発熱に両肺のすりガラス影、小葉間隔壁肥厚、胸水を認め、急性好酸球性肺炎を考える。ステロイドへの反応は良好で、再発が高頻度というeが誤りとなる。
鑑別・注意点
新規喫煙・喫煙量の変化や薬剤曝露を確認するが、提示のない喫煙歴を事実として追加しない。末梢血好酸球増多が初期から必ずあるわけではなく、BAL好酸球と感染等の除外を合わせる。慢性好酸球性肺炎の再発しやすさと区別する。
診断専門医 2018年度 問29
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問29
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
多中心性Castleman病などで重要ですが、上肺嚢胞とすりガラスから疑う日和見感染の最適な指標ではありません。
b|誤り
IgG4関連病変の補助指標で、今回の嚢胞性肺と急性炎症の主な想定ではありません。
c|誤り
Sjögren症候群関連の嚢胞性肺疾患は鑑別ですが、発熱・すりガラスを合わせ感染の確認を優先します。
d|正しい
Pneumocystis肺炎で上昇し得ます。非特異的なので免疫状態、微生物検査やBALと合わせます。
e|誤り
欠乏に伴う気腫を評価する蛋白で、今回の発熱性の嚢胞・すりガラス病変を最も説明しません。
判断のポイント
両肺上葉の囊胞性病変に淡いすりガラス影を伴い、発熱・倦怠感からPneumocystis肺炎を鑑別する。選択肢では血清β-D-グルカンの上昇が合う。
鑑別・注意点
囊胞だけでPneumocystis肺炎やHIV感染を確定しない。免疫抑制、HIV検査、呼吸器検体の染色・PCR等で確認する。β-D-グルカンは他の真菌感染や偽陽性でも上昇し、原因菌特異的ではない。旧解説のα1-アンチトリプシン欠損症を高齢喫煙者の疾患とする説明も修正する。
診断専門医 2018年度 問30
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問30
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
体循環からの栄養血管と、通常気道と交通しない肺組織を確認する病態です。今回は閉鎖気管支の末梢粘液貯留を考えます。
b|誤り
肺葉過膨張だけでなく分枝状mucoceleがあるため、気管支閉鎖を先に考えます。
c|正しい
分枝状粘液貯留と末梢肺の過膨張・血管影減少の組合せが典型です。
d|誤り
多嚢胞性または充実性の先天性肺病変で、今回の単一気管支に沿うmucocele主体とは異なります。
e|誤り
喘息・アレルギー背景、中心気管支拡張や多発粘液栓を評価します。限局性の過膨張は閉鎖症を支持します。
判断のポイント
左上葉に分枝状の粘液貯留を疑う腫瘤状影があり、周囲末梢肺の透過性亢進と血管影減少を伴う。閉鎖した気管支と末梢mucocele・過膨張の組合せから気管支閉鎖症を考える。
鑑別・注意点
肺内分画症では体循環系からの異常流入動脈を確認する。気管支内腫瘍や異物など後天的閉塞も除外し、閉鎖部位・粘液貯留の形と呼気のair trappingを合わせる。症状がなければ一律に切除が必要とはしない。
参考文献
診断専門医 2018年度 問31
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問31
解答例:旧解答bを保留し、aも候補
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
上肺の対称性小結節と高吸収節は珪肺の候補になります。粉じん曝露歴と全肺分布を確認します。
b|条件・画像に注意
血行性転移は候補ですが、この二断面だけでランダム分布を確定しません。原発歴・経過とリンパ路性分布も比較します。
c|条件・画像に注意
胸膜・気管支血管束などリンパ路の結節なら候補です。節腫大や他臓器所見を確認します。
d|誤り
通常の気道散布性小結節では胸膜直下を避け、気管支拡張を伴うことが多く、今回の分布とは合いにくい候補です。
e|誤り
小葉中心性気道病変と慢性副鼻腔炎が手掛かりで、今回の広い胸膜下を含む結節分布とは異なります。
判断のポイント
両肺に多数の小結節があり、胸膜直下にも分布する。血行性転移は鑑別になるが、左右対称性と上葉の密な分布、画像に含まれる高吸収リンパ節からは珪肺も考慮する。
鑑別・注意点
ランダム分布という呼び方だけで転移へ確定しない。肺底までの分布、小葉中心・リンパ路との関係、縦隔条件での石灰化、粉塵曝露・原発癌の有無が必要である。検診発見だけで無症状とは断定しない。提示の二断面ではaとbの優先を確定する根拠が不足する。
診断専門医 2018年度 問32
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問32
解答例:eを優先
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
空洞と血痰を来す重要な鑑別で、抗酸菌検査を行います。慢性空洞・内部結節からはAspergillusも優先します。
b|誤り
胸膜に接する腫瘤状浸潤や組織間隙を越える進展を考えますが、今回の空洞内成分の像では第一候補ではありません。
c|誤り
急速な壊死性肺障害や免疫不全背景が代表で、半年以上のほぼ不変な病変とは経過が異なります。
d|誤り
結節・浸潤影が代表で空洞もありますが、今回の慢性空洞と壁内側成分ではAspergillusを先に考えます。
e|条件・画像に注意
慢性空洞、胸膜肥厚、内部成分と血痰が合います。抗体・培養等と統合し、旧称の壊死性という語だけで侵襲型と断定しません。
判断のポイント
左上葉に厚い壁の空洞と内部の小結節状成分、周囲浸潤影・胸膜肥厚を認める。半年にわたる空洞性病変と血痰から、選択肢では慢性肺アスペルギルス症が最も合う。
鑑別・注意点
結核や他の慢性感染、空洞性腫瘍も画像だけでは除外できない。Aspergillus IgG、培養・病理、過去画像と免疫状態を合わせる。設問の慢性壊死性という旧名称を、組織侵襲が証明された病型と同義に断定せず、現在の慢性空洞性・亜急性侵襲性等の分類と区別する。
診断専門医 2018年度 問33
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問33
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
冠動脈から肺動脈周囲へ続く拡張・蛇行血管と瘤が異常交通を示唆します。流入・流出を連続して確認します。
b|誤り
肺動脈本幹自体の拡張だけでは、周囲の蛇行する異常血管群を説明しません。
c|誤り
肺動脈内膜の剝離や二腔化が主体ではなく、壁外の異常交通血管を考えます。
d|誤り
気管支動脈の大動脈からの起始と気道沿い走行とは異なり、冠動脈側との連続を評価する像です。
e|誤り
起始異常だけでは異常な肺動脈への流出と瘤状拡張を説明しません。瘻の構築を確認します。
判断のポイント
肺動脈の周囲に拡張・蛇行する造影血管と瘤状拡張があり、肺動脈への異常交通を疑う。冠動脈肺動脈瘻を優先する。
鑑別・注意点
肺動脈自体の単純な動脈瘤・解離と、周囲の異常冠血管を区別する。全断面・冠動脈CTで起始冠動脈、流出部、瘤・血栓を追い、血行動態と虚血の有無も評価する。二断面だけで全流入路や短絡量を確定しない。
参考文献
診断専門医 2018年度 問34
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問34
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
右室流出路狭窄や大動脈騎乗などの組合せではなく、肺静脈の異常還流が直接的所見です。
b|誤り
左上縦隔の体静脈から冠静脈洞へ下行する血管ではなく、右肺から上大静脈へ続く静脈です。
c|誤り
体静脈と肺動脈の手術的接続や手術歴を示す像ではありません。
d|誤り
大動脈と肺動脈の位置・接続異常より、肺静脈の還流先に注目します。
e|正しい
右上肺から上大静脈へ流入する静脈があり、右心容量負荷と不完全右脚ブロックを説明できます。
判断のポイント
後面の3D像で右上肺側から上大静脈へ連続する静脈が見え、部分肺静脈還流異常症を考える。右心系の容量負荷は心拡大や不完全右脚ブロックと整合する。
鑑別・注意点
全肺静脈の還流と、静脈洞型心房中隔欠損等の合併をCT元画像・心エコー・MRIで確認する。3D表面像だけで心房中隔や短絡量を確定しない。右上肺静脈が体静脈へ還流することが左上大静脈遺残との鑑別点である。
診断専門医 2018年度 問35
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問35
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
局所的に外へ突出する壁の瘤より、内腔拡大と全体の肉柱増加が主体です。
b|誤り
局所またはびまん性壁肥厚が主体ではなく、拡張した内腔と低EFの組合せです。
c|正しい
左室拡大と高度収縮障害が合います。原因疾患や遅延造影を加えて診断します。
d|誤り
特徴的な一過性壁運動異常を動画と経過で確認する病態で、一枚の短軸像からは最も支持しません。
e|条件・画像に注意
目立つ肉柱と深い間隙は過剰肉柱形成の形態を示します。単一断面だけで独立した心筋症と確定せず機能・臨床と統合します。
判断のポイント
左室内腔が大きく、内膜側に目立つ肉柱と深い間隙がある。EF低下という情報を合わせ、拡張型心筋症と、出題当時の名称である左室緻密化障害の形態を候補とする。
鑑別・注意点
一枚の短軸像だけで非緻密層/緻密層比や診断基準を充足したとはしない。現在は過剰肉柱形成を形態的特徴として捉え、必ず独立した先天性心筋症と断定せず、機能、瘢痕、遺伝・家族歴、他の心筋症との重なりを評価する。
診断専門医 2018年度 問36
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問36
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
気管支動脈起始ではなく異所性分枝の起始にある拡張を評価する構築です。
b|誤り
通常の独立した嚢状瘤とするより、異所性鎖骨下動脈起始部のKommerell憩室を同定します。
c|誤り
肺動脈の左右起始異常ではなく、気管右側の大動脈弓とその分枝異常です。
d|正しい
異所性左鎖骨下動脈を伴う右弓では、左総頸動脈から順に分岐する型が合います。連続画像で分枝を追います。
e|誤り
異所性左鎖骨下動脈は典型的に食道後方を通ります。気管・食道間と取り違えません。
判断のポイント
大動脈弓が気管の右側を通り、背側から左へ向かう異常分枝と起始部の拡張を認める。異所性左鎖骨下動脈を伴う右側大動脈弓の分岐では、第一枝が左総頸動脈となる。
鑑別・注意点
典型的な順は左総頸動脈、右総頸動脈、右鎖骨下動脈、左鎖骨下動脈である。異所性左鎖骨下動脈は通常食道背側を走り、気管と食道の間ではない。起始部のKommerell憩室を、気管支動脈瘤と混同しない。
診断専門医 2018年度 問37
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問37
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
内膜フラップ・二腔化より、動脈外側の液体病変による圧排を考えます。
b|誤り
広い大型血管壁肥厚・多発狭窄が代表で、限局した膝窩動脈外膜の嚢胞とは異なります。
c|誤り
内膜プラークや石灰化より、動脈に沿う嚢胞が狭窄を生じています。
d|誤り
喫煙に関連する末梢の多発閉塞が代表で、この局所液体病変ではありません。
e|正しい
動脈壁に沿う無エコー・低吸収嚢胞が内腔を圧排する所見が、限局狭窄と跛行を説明します。
判断のポイント
膝窩動脈に沿う液体濃度・無エコーの病変が動脈内腔を外側から圧排し、VR像では限局した狭窄・途絶を示す。外膜囊腫が合う。
鑑別・注意点
血管内血栓や解離の内膜フラップとは位置が異なる。Dopplerで囊胞内部に血流がないことと残存動脈血流を確認し、MRI等で関節との交通や周囲解剖を評価する。年齢・性別だけで稀な病気を除外しない。
診断専門医 2018年度 問38
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問38
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
皮膚に平行な横長病変で、縦長の形態ではありません。
b|正しい
提示断面で腫瘤周囲へ続く明瞭な乳管内病変はなく、この所見記載が最も合います。病理学的な広がりの完全否定ではありません。
c|誤り
後方信号は保たれ、明瞭な減弱を主特徴とはしません。
d|誤り
境界は比較的平滑で、粗造な浸潤性辺縁の記載とは合いません。
e|誤り
前方境界線の明確な断裂は示されておらず、破綻ありと断定しません。
判断のポイント
横長で皮膚に平行な低エコー腫瘤があり、境界は比較的平滑、後方は減弱していない。周囲へ連続する明瞭な乳管内進展が描出されないというbが合う。
鑑別・注意点
提示一断面で微小な乳管内進展まで病理学的に否定した意味ではない。縦横比、境界、後方エコー、前方境界線は実際の画像から記述し、若年者の良性らしい形態だけで病理を確定しない。後方増強を細胞増殖の量だけで説明しない。
診断専門医 2018年度 問39
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問39
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
脂肪と正常乳腺様組織が被膜様境界内で混在し、脂肪抑制と増強の差がそれぞれの成分に対応します。
b|誤り
びまん性嚢胞・線維性変化より、脂肪を含む被包化腫瘤が主体です。
c|誤り
充実性線維上皮性病変が代表で、内部に広い正常脂肪を含む構成は過誤腫を支持します。
d|誤り
乳管内の限局した増強結節を考える病変で、今回の脂肪・乳腺混合腫瘤とは異なります。
e|誤り
区域性の非腫瘤性増強や石灰化が代表で、今回の脂肪性被包化病変とは異なります。
判断のポイント
膨隆する境界明瞭な乳房病変の中に、T1で高信号、脂肪抑制で信号低下する脂肪と増強する乳腺・線維性組織が混在する。過誤腫を考える。
鑑別・注意点
脂肪だけから成る脂肪腫と異なり、正常乳房に似た複数の組織がまとまる。脂肪を含むことだけで全て良性とはせず、内部の疑わしい局所増強や石灰化、非典型的な増大があれば別に評価する。
診断専門医 2018年度 問40
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問40
解答例:dを優先
選択肢別の解説
a|鑑別に入る
線維性間質による収縮が、スピキュラや構築の乱れを来し得ます。
b|鑑別に入る
硬化性・線維化性変化で構築の乱れを呈する場合があり、良性でも悪性との区別が必要です。
c|鑑別に入る
線維性の収縮により腫瘤が明らかでなくても構築が乱れることがあります。
d|可能性が最も低い
膨張性の充実腫瘤が比較的多く、腫瘤に乏しい収縮性変化主体の像では候補中で相対的に低く考えます。画像だけで組織型を確定はしません。
e|鑑別に入る
中心から放射状の線状構造・収縮を来し、浸潤癌と紛らわしい代表的鑑別です。
判断のポイント
周囲の線状構造が引き込まれる構築の乱れが主体で、明瞭な膨張性腫瘤に乏しい。硬癌、放射状硬化性病変、線維化性乳腺病変を考え、選択肢では充実腺管癌が相対的に典型的でない。
鑑別・注意点
充実腺管癌は旧来の本邦分類であり、一般に充実性・膨張性の発育が目立つが、構築の乱れを絶対に示さないわけではない。画像から病理型の最も低い候補を比較する設問と、臨床の良悪性診断を区別し、疑わしい構築の乱れは超音波・追加画像と組織診断で評価する。
診断専門医 2018年度 問41
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問41
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
胃管が上部で反転し遠位ガスが乏しいため、瘻のない閉鎖が候補になります。
b|正しい
近位瘻だけなら遠位消化管へ気道ガスが入りにくく、提示のガス欠乏と両立します。
c|誤り
開存した遠位瘻があれば胃腸ガスが入ることが多く、今回の候補として下がります。
d|誤り
遠位瘻もあるため通常は消化管ガスを認め、今回のガスの乏しさとは合いにくい型です。
e|誤り
食道が連続するH型瘻で、管が上部で止まる閉鎖像とは異なります。
判断のポイント
胃管が上部食道内で反転し、腹部に消化管ガスがほとんどない。遠位食道と気道の交通がないGross A型、または近位気管食道瘻を伴うB型が合う。
鑑別・注意点
頻度の高いC型でも通常は遠位瘻から胃腸へ空気が入るため、単に頻度だけで選ばない。A型とB型の区別はこの単純写真だけではできず、気道・食道の精査で確認する。E型はH型瘻で食道閉鎖自体を伴わない。
診断専門医 2018年度 問42
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問42
解答例:eを優先
選択肢別の解説
a|誤り
年齢的には起こり得ますが、標的状腫瘤を示す検査ではなく、鼠径部の異常を伴う閉塞を重視します。
b|誤り
新生児・乳児の閉塞で緊急除外すべき疾患ですが、今回の鼠径部腫大を最も説明する候補ではありません。
c|誤り
嚢胞や重複腸管を画像で同定する必要があり、今回の鼠径部の腸管脱出を先に確認します。
d|誤り
遠位機能性閉塞で、鼠径・陰囊の局所腫大と小腸閉塞の組合せでは嵌頓を優先します。
e|条件・画像に注意
鼠径から陰囊側の腫大と小腸閉塞が支持します。診察・超音波で嵌頓と血流を直ちに確認し、単純写真だけで壊死は判定しません。
判断のポイント
拡張した小腸ループと遠位側のガス減少を認め、機械的閉塞を考える。左鼠径部から陰囊側の腫大を合わせ、鼠径ヘルニア嵌頓を優先する。
鑑別・注意点
鼠径・陰囊まで画像と診察で確認する。脱出腸管が液体で満たされていれば陰囊内の腸管ガスが目立たない場合もある。超音波で腸管・蠕動・血流と精巣灌流を評価し、虚血が疑わしいときは検査で外科対応を遅らせない。
診断専門医 2018年度 問43
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問43
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
急性炎症性の比較的対称な声門下狭窄で、数か月続く片側増強腫瘤とは異なります。
b|誤り
咽頭から頸部への瘻や反復感染が代表で、声門下の強い増強腫瘤とは位置・性状が異なります。
c|誤り
内腔の異物による閉塞であり、強く増強する粘膜下腫瘤ではありません。
d|誤り
悪性腫瘍も鑑別ですが、乳児期の典型的位置と多血性から血管腫を優先します。
e|正しい
乳児の声門下の高T2・強い増強を示す腫瘤が、持続する喘鳴を説明します。気道の安全性を評価します。
判断のポイント
声門下の左側にT2高信号と強い増強を示す腫瘤があり、乳児期から続く喘鳴と合わせ、声門下血管腫を考える。
鑑別・注意点
急性クループや異物と異なり、月単位に続く増殖性の血管性腫瘤である。MRIでは気道狭窄と頸部への広がりを評価し、内視鏡所見を合わせる。呼吸症状のある血管腫は自然退縮を待つだけとせず、気道を管理し専門診療で薬物治療等を検討する。
診断専門医 2018年度 問44
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問44
解答例:a、c(出題当時の選択肢上)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
脈管侵襲を伴う局所進行肝癌への局所照射は候補ですが、Child Bでは正常肝の線量と肝不全リスクを個別評価します。
b|誤り
大きな右葉病変と肝予備能低下では、拡大切除後の肝不全リスクが高く、適した第一選択とはしません。
c|条件・画像に注意
門脈侵襲を疑う進行肝癌で、出題当時の選択肢では候補です。現在は全身療法も含め病勢・肝機能で比較します。
d|誤り
大型浸潤性病変と脈管内進展は局所焼灼で十分制御できる範囲ではありません。
e|誤り
主幹門脈の流入障害を疑い、肝予備能も低いため虚血性肝障害に注意します。一律に塞栓を適用しません。
判断のポイント
肝右葉の大きな浸潤性腫瘤と門脈内への進展を疑う所見があり、Child Bという肝予備能を合わせ、拡大切除やRFAは適しにくい。選択肢では放射線治療と肝動注化学療法を候補とする。
鑑別・注意点
提示の門脈相一枚だけで全病変範囲・門脈閉塞度を確定しない。主門脈の高度侵襲ではTACEによる肝不全リスクを重視するが、あらゆる門脈腫瘍栓でTACEが絶対禁忌とはしない。現在は全身療法等も含め、肝機能・門脈血流・照射体積などを多職種で評価する。
診断専門医 2018年度 問45
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問45
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
典型的FNHと確認できれば侵襲的治療を要しません。症状との関係や非典型性があれば追加評価します。
b|誤り
正常肝の典型的良性過形成を、動脈濃染だけで一律切除しません。男性のHCAなどとの区別は必要です。
c|誤り
典型的FNHに対して抗腫瘍目的の放射線治療を行う理由はありません。
d|誤り
良性過形成と確定した小病変に、癌に準じた熱焼灼を通常は行いません。
e|誤り
典型的FNHに癌と同じ化学塞栓療法を通常は選びません。血流の多さだけでは適応になりません。
判断のポイント
正常肝を背景とする小結節が動脈相で強く増強し、EOB肝細胞相で明瞭な欠損を示さない。FNHを優先し、診断が典型的であれば経過観察が合う。
鑑別・注意点
肝細胞相取り込みだけでFNHに確定はできず、一部の肝細胞腺腫・肝癌でも取り込む。全シーケンスと臨床背景を確認する。典型的なFNHは定期追跡すら不要な場合がある一方、男性の肝細胞腺腫なら管理が異なるため、非典型例を安易に放置しない。
診断専門医 2018年度 問46
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問46
解答例:a、bを候補
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
低増強の膵頭部腫瘤と上流管拡張が強く支持します。血管浸潤・遠隔病変と組織を評価します。
b|条件・画像に注意
比較的大きな乏血性充実腫瘤の鑑別になります。通常型との画像の重なりがあり、病理で区別します。
c|誤り
小嚢胞の集簇と中心瘢痕などが典型で、今回の低増強充実腫瘤と管拡張とは異なります。
d|条件・画像に注意
典型的な高分化型は多血性です。乏血性例もあるので完全除外はしませんが、候補二つとしては優先度が下がります。
e|誤り
膵管と交通する嚢胞・膵管拡張が主体です。今回の充実性低増強腫瘤を直接説明する第一候補ではありません。
判断のポイント
膵頭部の低増強腫瘤と上流膵管の拡張を認め、通常型膵癌を第一に考える。比較的大きな乏血性充実性腫瘤の鑑別として腺房細胞癌も候補となる。
鑑別・注意点
腺房細胞癌は膵管拡張が少ない傾向だが、伴う例もある。神経内分泌腫瘍も常に多血性ではなく、画像だけで病理型を確定しない。IPMNを積極的に示す分枝囊胞・粘液性膵管拡張との区別にはMRCPやEUS等が必要で、単に主膵管が太いからIPMN合併とはしない。
診断専門医 2018年度 問47
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問47
解答例:b
選択肢別の解説
a|関連する
IgG4関連硬化性胆管炎として、胆管壁肥厚や狭窄を伴い得ます。
b|関連性が相対的に低い
他の候補臓器と比べ典型的なIgG4関連臓器病変としては少なく、設問ではこの臓器を選びます。絶対に起こらないという意味ではありません。
c|関連する
多発低吸収病変や腎盂周囲病変などのIgG4関連腎病変を来し得ます。
d|関連する
大動脈周囲炎・動脈周囲軟部組織として認めることがあり、血管周囲も確認します。
e|関連する
IgG4関連前立腺病変を伴うことがあります。尿路症状と臨床情報を合わせます。
判断のポイント
膵体尾部のびまん性腫大と遷延性増強を認め、自己免疫性膵炎を考える。IgG4関連疾患では胆管、腎、大動脈周囲、前立腺などの病変を伴い得るが、脾病変は相対的に稀である。
鑑別・注意点
脾臓には絶対に起こらないという意味ではない。画像と血清IgG4だけで確定せず、他臓器所見や診断基準・必要な病理を合わせる。膵癌等の悪性疾患の評価を省略して試験的ステロイド治療へ直結させない。
診断専門医 2018年度 問48
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問48
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
胆管壁の不整狭窄や上流胆管拡張を重視する腫瘍で、今回の膵十二指腸溝と壁内嚢胞では炎症を優先します。
b|誤り
十二指腸腫瘍は鑑別ですが、壁内の小嚢胞と膵との間の板状変化はgroove膵炎を支持します。
c|正しい
膵頭部・十二指腸間の軟部組織と十二指腸壁肥厚・壁内小嚢胞が特徴です。癌との区別が難しい例は追加評価します。
d|誤り
胆道感染の背景・閉塞所見を評価します。溝状部の慢性炎症と壁内嚢胞を最も説明する病態ではありません。
e|誤り
粘膜の潰瘍や穿孔所見を確認しますが、複数の壁内嚢胞とgrooveの変化では別の病態を優先します。
判断のポイント
膵頭部と十二指腸の間の軟部組織、十二指腸壁肥厚と複数の小囊胞を認め、Groove膵炎を考える。
鑑別・注意点
消去法だけでなく、膵十二指腸溝の板状病変・十二指腸壁内囊胞という所見を根拠にする。膵頭部癌や十二指腸癌との重なりがあり、胆管狭窄の形、経時変化、MRI・EUSや組織評価を合わせる。提示のない飲酒歴を確認済みとはしない。
診断専門医 2018年度 問49
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問49
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
合併症のない原発性腹膜垂炎疑いなら、通常は開腹手術を第一選択にしません。
b|正しい
結腸に接する小さな脂肪性炎症病変が合います。安定した単純例では鎮痛などの保存療法と経過評価を行います。
c|誤り
原発性腹膜垂炎は通常無菌性で、一律の抗菌薬は不要です。憩室炎など別の感染を疑えば方針を変えます。
d|誤り
局所の虚血・炎症に対しステロイドを通常用いる病態ではありません。
e|誤り
膿瘍ではなく脂肪性病変が主体で、排液すべき液体腔は示されていません。
判断のポイント
下行結腸腹側に小さな脂肪濃度病変と局所の脂肪織濃度上昇を認め、結腸壁の炎症は相対的に軽い。原発性腹膜垂炎を考え、全身状態が安定した単純例では経過観察・対症療法が合う。
鑑別・注意点
憩室炎・膿瘍・他の急性腹症を除外し、腹膜刺激症状、発熱・炎症反応、経過で再評価する。炎症があるという理由だけで全例に抗菌薬や手術を行う疾患ではない。単純CTで造影効果を評価したとはしない。
参考文献
診断専門医 2018年度 問50
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問50
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
壁浮腫・腹水と生魚摂取が手掛かりです。今回の内腔高吸収塊と年末年始の背景では食物閉塞を優先します。
b|誤り
右下腹部の腫大虫垂・周囲炎症が主体ではなく、拡張小腸とその内容物を評価する像です。
c|誤り
腸間膜血管の渦巻きや回転異常を評価しますが、今回の閉塞点の高吸収食物塊を直接説明しません。
d|正しい
腸管内の高吸収塊と上流拡張に、餅を食べる時期という情報が合います。摂食歴を確認します。
e|誤り
異所性胆石と胆道気腫・胆道消化管瘻が手掛かりですが、提示像と背景では食物塊を優先します。
判断のポイント
拡張小腸と移行部付近の高吸収の腸管内容を認め、年末年始という背景から餅による食餌性小腸閉塞を考える。
鑑別・注意点
時期だけで診断せず、摂取歴を確認し、高吸収物の位置と閉塞部を全断面で追う。胆石性イレウスなら異所性胆石、胆道内ガス、胆囊・腸管瘻等も比較する。餅による閉塞でも虚血・穿孔の有無や閉塞の程度で治療方針が変わる。
診断専門医 2018年度 問51
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問51
解答例:bを旧解答候補として提示(確定は保留)
選択肢別の解説
a|正しい
末梢の腸管枝は描出され、中枢の内腔不整があっても側副路を含め血流が届いています。
b|条件・画像に注意
右結腸への分布と独立起始枝の有無は別です。単一投影だけで正常分枝と確定せず、連続造影で分布を確認します。
c|正しい
中枢の輪郭は平滑でなく内腔不整を認め、狭窄・解離などの原因を追加評価します。
d|条件・画像に注意
結腸側への発達した迂回血管を疑いますが、枝名と流れは全造影で確認します。単一静止像だけで確定は保留します。
e|条件・画像に注意
膵体尾部へ向かう起始近くの枝を疑いますが、背側膵動脈の同定は分枝の走行・連続像を要します。最初という順序は断定しません。
判断のポイント
上腸間膜動脈の内腔不整と発達した迂回路を認める。旧解説の最終追記では、右結腸動脈の独立分枝がない変異を根拠にbとしている。
鑑別・注意点
右結腸動脈の起始には欠如・共通幹・他枝由来などの変異がある。正面一枚で血管の起始順、側副路の流向、腸管の生存性をすべて確定できない。背側膵動脈の同定や第一枝という評価も全造影経過・他方向像・CTAで確認し、「見えないから欠如」と断定しない。
参考文献
診断専門医 2018年度 問52
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問52
解答例:e
選択肢別の解説
a|関連する
急性血管内溶血によるヘモグロビンの濾過・尿細管取り込みが、皮質鉄沈着の機序となります。
b|関連する
血管内溶血の反復で腎皮質へ鉄が沈着し、T2・T2*信号が低下し得ます。
c|関連する
血管内溶血に伴う腎皮質ヘモジデリン沈着の代表的背景です。
d|関連する
機械弁での赤血球損傷による慢性溶血が、腎皮質への鉄沈着に関与し得ます。
e|関連性が最も低い
通常の冠動脈カテーテル治療自体は持続的な血管内溶血の代表的原因ではなく、候補中で関連が低くなります。
判断のポイント
T2、特にT2*で腎皮質が髄質より著しく低信号を示し、近位尿細管へのヘモジデリン沈着を考える。血管内溶血を来す疾患・機械弁と比べ、通常の冠動脈カテーテル治療は関連が低い。
鑑別・注意点
不適合輸血、発作性夜間ヘモグロビン尿症、鎌状赤血球症、機械弁による溶血を比較する。画像だけで個別の原因を決めず、貧血、LDH、ハプトグロビン、尿所見等で裏付ける。カテーテル後の腎障害をすべて鉄沈着と混同しない。
診断専門医 2018年度 問53
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問53
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
慢性破壊性腎病変を来しますが、今回の大きい結石とbear-paw様膿瘍性変化では黄色肉芽腫性炎を優先します。
b|誤り
乳頭欠損や造影剤が入り込む空洞が手掛かりで、腎全体の結石性破壊像とは異なります。
c|誤り
腎盂内の軟部腫瘤を考えますが、感染と多房状低吸収の腫大腎を第一に説明しません。
d|誤り
慢性結石の背景で生じ得る重要な鑑別ですが、画像では膿瘍性・炎症性構成が優位です。治療・病理で悪性併存も確認します。
e|正しい
大きな結石、腫大腎と多房状低吸収、周囲炎症が合います。感染と腎機能・閉塞を合わせて対応します。
判断のポイント
右腎は腫大し、大きな腎盂・腎杯結石と、その周囲の多房状の低吸収域、周囲炎症を認める。尿路感染と合わせ、黄色肉芽腫性腎盂腎炎のbear paw様形態を考える。
鑑別・注意点
拡張腎杯、膿瘍・炎症性組織、残存実質を評価し、単純な水腎症と区別する。腎結核や腫瘍との重なり、腫瘍合併もあり、画像だけで病理を確定しない。腎外進展と対側腎機能を含め治療計画に必要な範囲を確認する。
診断専門医 2018年度 問54
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問54
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
多嚢胞性異形成腎は通常孤発性で、ADPKDと同じ常染色体顕性遺伝とするのは誤りです。
b|正しい
罹患腎が経年的に縮小・退縮することがあり、画像で経過をみます。
c|正しい
正常実質に乏しく、罹患側の機能は通常著しく低い病態です。
d|正しい
単純な片側病変で症状・合併症がなければ、対側腎機能などを確認し保存的に追跡します。
e|正しい
対側にも逆流などの尿路異常を伴い得るため、感染歴・超音波等に応じ評価します。
判断のポイント
左腎部に大きさの異なる複数の囊胞が集まり、正常腎実質・腎盂系がほとんど認められず、多囊胞性異形成腎を考える。常染色体優性多発性囊胞腎と同じ遺伝形式とするaが誤りとなる。
鑑別・注意点
多くは散発性で、病変腎はほぼ無機能となり、自然縮小がみられる。典型例は保存的に管理し、対側腎・尿路奇形、血圧、尿路感染等を評価する。囊胞同士が交通する高度水腎症との区別を画像全体で確認する。
診断専門医 2018年度 問55
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問55
解答例:aは支持、二つ目は確定保留
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
腎内動脈の多発小動脈瘤と口径不整は、中型血管炎を強く示唆します。臨床と他臓器の血管所見を統合します。
b|誤り
腎実質感染の診断を多発動脈瘤だけで行いません。尿・培養と実質画像を確認します。
c|条件・画像に注意
局所の血流不足を疑う領域はありますが、単一投影の濃淡だけで梗塞確定とはしません。実質相・造影CTと照合します。
d|条件・画像に注意
発熱と瘤では感染性も鑑別ですが、多発末梢瘤だけで感染性と決めません。菌血症・心内膜炎などを確認します。
e|誤り
nidusと早期静脈還流を主体とするAVMではなく、小動脈瘤・口径不整が目立つ像です。
判断のポイント
腎末梢動脈に多発する小動脈瘤と口径不整があり、結節性多発動脈炎などの血管炎を強く考える。
鑑別・注意点
腎実質の不均一な染まりがあるが、一時相の造影だけで梗塞と正常な造影タイミング差を分けにくい。cは候補だが追加の実質相・CT等を要する。発熱と多発動脈瘤だけでdの感染性と確定することもできず、培養・心内膜炎等を含め評価する。AVMの早期静脈還流とは区別する。
診断専門医 2018年度 問56
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問56
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|誤り
TSCの脳病変は皮質結節や上衣下病変などが代表です。小脳を主要好発臓器として選ぶものではありません。
b|正しい
肝血管筋脂肪腫などの過誤腫性病変を伴い得ます。腎AML・肺LAMと同じ全身性背景を考えます。
c|誤り
膵神経内分泌腫瘍などの報告はありますが、候補中で典型的に多い肝・骨を優先します。
d|正しい
椎体や後方要素などの多発骨硬化がみられ、TSCの画像的手掛かりとなります。
e|誤り
骨格筋病変を主要な頻度の高い臓器所見として選ぶものではありません。
判断のポイント
薄壁肺囊胞と右気胸に、脂肪成分を含む腎周囲の大きな病変・出血を疑う所見を伴う。結節性硬化症を考え、肝血管筋脂肪腫等の過誤腫性病変と骨の硬化性病変が合う。
鑑別・注意点
肺LAMと腎AMLの組合せだけでは、他所見なしに結節性硬化症の確定診断基準を満たさない点に注意する。脳・皮膚・眼・遺伝学等を合わせる。小脳血管芽腫と膵病変の組合せが重要なVHLとは区別する。
診断専門医 2018年度 問57
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問57
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
恥骨の皮質・骨髄輪郭が保たれ、明瞭な骨浸潤を示す所見には乏しい像です。
b|正しい
腫瘍が尿道の正常走行・周囲を置換し、尿閉の背景にもなります。
c|正しい
尿道を取り囲む海綿体の正常構造が腫瘍で置換されています。
d|正しい
左右陰茎海綿体の正常低信号境界と内部構造が崩れ、深部進展を疑います。
e|正しい
表層から深部へ広く置換する腫瘍で、表皮下結合織への進展を含む像です。
判断のポイント
陰茎の正常構造を置換する大きな病変に対して、恥骨の低信号皮質と骨髄の輪郭は保たれており、明瞭な恥骨浸潤は認めにくい。
鑑別・注意点
海綿体・尿道海綿体・尿道の走行を多断面で評価し、単に尿閉があるから尿道浸潤と決めない。提示断面で明らかな骨破壊がないことと微小浸潤の完全除外は別である。MRIと診察・病理を合わせて局所進展を判定する。
診断専門医 2018年度 問58
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問58
解答例:bを旧解答候補として提示(aとの判定は保留)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
前膣壁との境界の評価が必要ですが、この二断面では進展の確定が難しい部分があります。腟充満や追加断面で補います。
b|条件・画像に注意
左尿管自体が明瞭に追えず、直接浸潤を確認できません。尿管非描出と浸潤なしは同義ではなく、水腎症なども評価します。
c|正しい
頸部から上方の体部へ続く腫瘍性信号と筋層の置換を疑う所見があります。
d|正しい
正常の低T2頸部間質が広く失われ、浸潤が支持されます。
e|正しい
左側の間質外縁から外へ向かう不整な進展が傍組織浸潤を疑わせます。局所T2とDWIを合わせます。
判断のポイント
大きな頸部腫瘍と頸部間質の破壊、左側傍組織への不整な進展を疑う。旧解説では左尿管自体が明瞭でないことからbとしている。
鑑別・注意点
一方、横断像の左膀胱尿管移行部近傍の信号と、矢状断像の前腟壁・外子宮口の解釈に異論がある。提示二枚では腟壁の連続性や尿管走行を十分追えず、見えていない一項を確定する根拠は不足する。高分解能斜位T2、全断面、必要な尿路評価で確認し、腫瘍が大きいだけで全臓器浸潤とはしない。
診断専門医 2018年度 問59
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問59
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
体軸の矢状断だけでは筋層深達度を全周で評価しにくく、子宮体部軸に合わせた断面を追加します。
b|誤り
体部短軸は適しますが、位相方向は腹壁の動きのゴーストが腫瘍に重なるかを考慮します。
c|正しい
体部長軸に直交する短軸と左右位相を組み合わせ、筋層深達度を見やすくし腹壁由来のゴーストの重なりを減らします。
d|誤り
頸部短軸は頸癌の局所進展などに有用ですが、今回の体部内膜病変の筋層評価に合わせる軸とは異なります。
e|誤り
左右位相の利点はあっても、撮像軸を体部ではなく頸部へ合わせると体部筋層の評価が不利になります。
判断のポイント
子宮体部内腔の病変と筋層の関係を評価するため、子宮体部長軸に直交する短軸断を選ぶ。位相エンコードを左右方向にすると、前腹壁の動きのゴーストが子宮へ重なることを減らしやすい。
鑑別・注意点
撮像面は体軸固定ではなく子宮の屈曲に合わせて決める。位相方向の変更はアーチファクトの方向を変える操作で、動きそのものを消すわけではない。筋層浸潤はT2、DWI、造影を合わせて判定する。
診断専門医 2018年度 問60
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問60
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
脂肪・歯牙・複数組織などの混在が典型で、今回の線維血管性隔壁を持つ大きな充実性腫瘤とは異なります。
b|誤り
充実・嚢胞・出血が混在しホルモン症状を伴い得ますが、今回の若年と特徴的隔壁では未分化胚細胞腫を優先します。
c|誤り
甲状腺組織の強い増強やコロイドの低T2領域を評価します。今回は大きな分葉充実成分と隔壁が主体です。
d|正しい
若年の大きな分葉状充実性腫瘍と、増強する低T2隔壁が支持します。腫瘍マーカー・病理で確定します。
e|誤り
若年に生じますが、浮腫を含む偽小葉構造と辺縁からの強い増強が代表で、今回の分葉状構成では第一候補ではありません。
判断のポイント
若年女性の骨盤から腹部へ広がる多結節性の充実性腫瘤に、T2低信号の隔壁とその増強、血管を疑う構造を認める。線維血管性隔壁を持つ未分化胚細胞腫を優先する。
鑑別・注意点
T2高信号をすべて囊胞とせず、充実性成分と隔壁の造影を対比する。脂肪・石灰化を含む奇形腫や多囊胞性の卵巣甲状腺腫等と比較する。LDH等の腫瘍マーカー、リンパ節・対側卵巣、病理を合わせる。
診断専門医 2018年度 問61
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問61
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
肺癌による喀血にも適応があります。癌という診断だけで禁忌とはしません。
b|誤り
再開通、新たな側副路や原疾患進行により再出血し得ます。長期追跡が必要です。
c|正しい
出血部位と気管支・非気管支性体循環の責任血管を事前に把握し、治療を計画できます。
d|正しい
脊髄栄養枝への非標的塞栓は重大な危険で、枝の確認と神経症状の監視が必要です。
e|誤り
通常は末梢異常血管へ到達する粒子などを選びます。コイルは特定の短絡・瘤などで用い、一般的な第一選択とはしません。
判断のポイント
気管支動脈造影で増生・拡張した末梢血管を認め、気管支動脈塞栓を示す。造影CTは責任血管・非気管支性体循環動脈の把握に役立ち、非標的塞栓による脊髄梗塞は重大な合併症である。
鑑別・注意点
肺癌による喀血も治療対象となり、再発も起こり得る。塞栓物質は粒子や液体等を病変・短絡に応じ選び、コイルも選択的に用いられるため「常に禁忌」とはしない。脊髄虚血の機序をAdamkiewicz動脈への逆流だけに限定せず、脊髄栄養枝を確認する。
診断専門医 2018年度 問62
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問62
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
グラフト端の密着不良から直接流入する型で、今回は分枝との連続と遅い流入を重視します。
b|正しい
腰動脈などの分枝から瘤内へ逆行性に流入する構築が合います。瘤拡大を伴うため治療適応を検討します。
c|誤り
接合部の離開・グラフト破損からの漏れとは異なる、分枝性の流入を示す像です。
d|誤り
グラフトの素材の透過性に関係し主に早期にみられます。1年後の分枝性漏れの説明ではありません。
e|誤り
明瞭な漏れがない瘤拡大を指す型で、今回の造影された流入路とは異なります。
判断のポイント
グラフト外の瘤内への遅い造影と腰動脈との連続が示唆され、分枝から逆行性に流入するType IIエンドリークを考える。
鑑別・注意点
Type Iは中枢・末梢の接合部、Type IIIはグラフト接続部や生地の破損からの漏れである。瘤増大例ではType IIと決めて他の高圧リークを見逃さず、多相CT・造影経過等で流入・流出を確認する。Type Vは明瞭な漏れを示さない瘤増大である。
診断専門医 2018年度 問63
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問63
解答例:cを候補(比較部位が不明確なため限定)
選択肢別の解説
a|誤り
鎖骨下経由は胸膜に近く、気胸リスクは上腕経由より高くなり得ます。気胸が少ない利点とは一律にいえません。
b|誤り
血栓症状の有無は閉塞範囲・側副路に左右され、胸部留置だけで症状が少ないとはいえません。
c|条件・画像に注意
細い上腕・前腕静脈を用いる方式との比較なら、太い中心静脈で局所静脈炎が少ない利点を考えます。比較部位の指定不足があり条件を明記します。
d|誤り
鎖骨下経由では鎖骨と第一肋骨間の圧迫で断裂を来し得ます。この利点は上腕や内頸静脈などの経路で考えます。
e|誤り
穿刺合併症と適切な先端留置への技術が必要で、経験が少なくても容易という一般化は不適切です。
判断のポイント
左前胸部ポートから鎖骨下静脈を通り上大静脈へ向かうカテーテルを認める。腕・前腕の末梢静脈を用いるポートと比較するなら、太い中心静脈を利用するため局所静脈炎が少ないというcが合う。
鑑別・注意点
内頸静脈経路を含めたすべての部位に対する優位性ではない。鎖骨下経路は気胸や鎖骨・第一肋骨間のpinch-offに注意し、血栓による上肢浮腫も起こり得る。合併症は穿刺部位・超音波誘導・術者経験等で変わり、提示写真だけから比較試験の条件を補わない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2018年度 問64
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問64
解答例:b、cを優先(短絡の時間的確認に制約)
選択肢別の解説
a|誤り
症候性短絡では選択的塞栓が治療候補です。全例に手術を第一選択としません。
b|条件・画像に注意
動脈相に静脈が描出されれば短絡の手掛かりです。二枚の静止像では撮影時刻が不明なため、連続造影で早期還流か確認します。
c|正しい
短絡性病変は大量血尿を来し、血塊による膀胱内閉塞を生じ得ます。
d|誤り
壁石灰化だけで短絡の症状や出血危険を否定できず、観察可能と決めません。
e|誤り
径の基準は動脈瘤の文脈と区別します。腎AV短絡は大きさだけでなく血尿・血流量・心負荷などを評価します。
判断のポイント
腎門部の拡張・蛇行する血管性構造と、後の像で描出される大きな静脈性構造から腎動静脈短絡を考える。短絡なら早期静脈還流と大量血尿・膀胱内血塊が関連し、b・cが候補となる。
鑑別・注意点
提示二枚の撮影時刻が不明で、早期還流の確定には連続造影が必要。短絡と単純動脈瘤を区別し、石灰化や径2cmの基準をそのまま短絡へ当てはめない。
診断専門医 2018年度 問65
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問65
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
左MCA病変に関連した視床の機能低下を考える分布です。直接病変と遠隔効果を形態画像で区別します。
b|誤り
発症経過と広いMCA域低灌流に囲まれた高集積は再灌流などでも生じます。高集積だけで脳炎とはしません。
c|正しい
右麻痺・失語と対側MCA域の血流低下が合います。CT・MRIの構造病変と対応させます。
d|正しい
内側前頭葉の血流は外側MCA域に比べ保たれ、ACA域との違いを確認できます。
e|正しい
大脳病変と対側小脳の連絡障害による交叉性小脳機能抑制として説明できます。
判断のポイント
左MCA領域に広い血流低下と一部の相対的高集積があり、片麻痺・失語の発症経過と合わせ脳梗塞を考える。局所高集積だけから脳炎とするbは適切でない。
鑑別・注意点
亜急性梗塞では再灌流・luxury perfusion等で局所の集積が増す場合がある。左視床の血流低下や右小脳のcrossed cerebellar diaschisisは神経連絡を介する遠隔効果として評価する。対側小脳の低下を別の小脳梗塞と即断せず、MRI・血管所見と照合する。
診断専門医 2018年度 問66
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問66
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
機能的症状の評価も必要ですが、明瞭な後方連合野の低灌流分布では神経変性疾患を優先します。
b|誤り
脳室拡大・高位円蓋部などの形態情報が重要で、提示の連合野低下を最も説明しません。
c|誤り
血管病変に対応する局所低下や梗塞を確認します。今回の連合野分布と心筋所見ではADを優先します。
d|誤り
後頭葉低灌流や心筋MIBG低下が支持所見ですが、今回は相対的に保たれています。完全除外ではありません。
e|正しい
頭頂側頭葉の低灌流に後頭葉と心筋MIBGの比較的保持が合います。臨床・認知検査などと統合します。
判断のポイント
頭頂側頭葉など後方連合野の血流低下に対し、後頭葉の集積は比較的保たれる。心筋MIBG集積も保持されており、選択肢ではAlzheimer型認知症を優先する。
鑑別・注意点
心筋MIBGが低下しないことだけでLewy小体型認知症を完全に除外できない。幻視、認知の変動、REM睡眠行動異常、パーキンソニズムや併存病態・薬剤も合わせる。SPECTの二断面だけで認知症を確定したり、全脳血流を定量したりしない。
診断専門医 2018年度 問67
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問67
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
水頭症でも線条体集積が影響される場合があり、低下を絶対に起こさないとはしません。設問の代表的変性疾患としては他候補を優先します。
b|誤り
純粋なADではシナプス前DATは通常保たれ、明瞭な両側被殻低下は別の病態を考えます。
c|正しい
黒質線条体変性でDAT低下を来し得ます。臨床症状・認知変動等と合わせます。
d|正しい
シナプス前ドパミン系の変性で低下を来し得ます。DATのみでDLBやPDとの区別はできません。
e|条件・画像に注意
純粋な前頭側頭型認知症では典型的ではありませんが、パーキンソニズムを伴う病型・併存病変を画像だけで完全除外しません。
判断のポイント
両側線条体が尾状核付近を中心とする小さな集積になり、被殻側の集積低下が目立つ。ドパミン神経終末障害を伴うLewy小体型認知症と進行性核上性麻痺が選択肢上の候補となる。
鑑別・注意点
DAT低下は疾患特異的ではなく、この検査だけで両者を区別しない。正常圧水頭症などでも線条体機能が変化する報告があり、あらゆる例で正常と断定するのでなく、臨床像、MRI、他の指標と統合する。色だけでなく背景で正規化された相対集積と形態を読む。
診断専門医 2018年度 問68
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問68
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
対角枝だけでは中隔から心尖部まで広がる領域を説明しにくくなります。
b|誤り
通常は側壁中心で、今回の前壁・中隔から心尖部の可逆性低下とは主領域が異なります。
c|誤り
通常は下壁を中心とする領域で、今回の前壁中隔優位の分布とは異なります。
d|正しい
負荷で前壁・中隔・心尖部が低下し安静で改善するため、LAD域虚血が最も合います。冠動脈優位性や重なりも考慮します。
e|誤り
通常はLADと回旋枝の広い領域を考えます。提示の主領域からはLADを選びますが、画像だけで左主幹部病変を絶対除外はしません。
判断のポイント
負荷で前壁・中隔から心尖部の集積が低下し、安静時には相対的に改善している。責任冠動脈は左前下行枝が最も合う。
鑑別・注意点
負荷像だけで固定性梗塞と決めず、同じ断面の安静像と可逆性マップを対比する。冠動脈支配には個人差があり、乳房等の減弱や動きも確認する。SPECTから狭窄率を直接算出するのではなく、冠動脈画像・臨床所見と合わせる。
診断専門医 2018年度 問69
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問69
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
この集積画像だけで前側壁の壁厚を判定できません。心エコー・MRI等で測定します。
b|誤り
肥大した心筋量・形態が提示されず、血流代謝の乖離と胸痛だけでHCMとはしません。
c|正しい
有意固定狭窄がなくても一過性攣縮による虚血はあり、遷延する脂肪酸代謝低下と両立します。確定には臨床・冠評価が必要です。
d|正しい
血流に比べBMIPPの低下が強く、虚血後に脂肪酸代謝の回復が遅れる乖離を示します。
e|誤り
エネルギー窓を分けて同時収集する方法は可能です。相互混入を補正・評価する必要があります。
判断のポイント
血流に比べBMIPPの集積低下が広く、血流―脂肪酸代謝ミスマッチを認める。有意な固定狭窄がない胸痛例では、冠攣縮による虚血後の代謝異常を考える。
鑑別・注意点
ミスマッチは冠攣縮だけに特異的ではなく、症状・心電図、適切な冠攣縮評価等で裏付ける。201Tlと123Iはエネルギー窓を分け同時収集可能だが、クロストーク・散乱補正等に注意する。取り込み差だけで壁の解剖学的肥厚を確定しない。
診断専門医 2018年度 問70
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問70
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
甲状腺全体のヨウ素などの取り込みを評価する機能亢進症と、今回の全身Ga分布を区別します。
b|誤り
機能性結節によるhot noduleを示す甲状腺検査ではなく、全身のGa画像です。
c|正しい
Gaの生理的臓器分布に頸部の限局した高集積が加わり、選択肢ではリンパ腫が合います。組織・局在を確認します。
d|誤り
発生遺残甲状腺組織を同定するヨウ素等の検査とは異なる全身分布です。
e|誤り
分化型癌のヨウ素取り込みをみる全身画像ではなく、Ga分布と頸部病変を考える像です。
判断のポイント
全身像の肝・腸管・鼻咽頭等の分布は67Gaシンチグラフィに合い、頸部に強い異常集積を認める。選択肢では悪性リンパ腫を優先する。
鑑別・注意点
薬剤名が明示されない場合は正常臓器分布から同定する。頸部の高集積だけを甲状腺取り込みと決めず、炎症や他の腫瘍も考慮する。悪性リンパ腫の確定には病理が必要で、組織型や病期をこの全身像一枚だけで決めない。
診断専門医 2018年度 問71
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問71
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
胃前方・結腸前方の大網ではなく、膵の位置と形態に集積が一致しています。
b|誤り
脾臓より膵に一致する集積が目立ち、脾集積増加を主所見とはしません。
c|正しい
腫大した膵実質にびまん性集積が一致します。炎症性病変などを検討し、FDGのみで病理型は決めません。
d|誤り
肝の相対表示だけで全肝の集積低下を主張せず、膵の局所的な異常を評価します。
e|誤り
左腎の生理的取り込み・尿路排泄と区別します。膵の集積を腎腫瘍へ誤局在しません。
判断のポイント
膵のびまん性腫大に一致してFDG集積が増えており、膵集積増加が正しい。自己免疫性膵炎などの炎症性病変を考える所見である。
鑑別・注意点
肝・腎・尿路の生理的集積と解剖学的位置をCTで対応させる。びまん性膵集積だけで自己免疫性膵炎を確定せず、膵酵素、IgG4、膵管像・他臓器病変等と合わせ、悪性疾患も評価する。
診断専門医 2018年度 問72
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問72
解答例:b、cを候補
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
単純嚢胞なら水濃度・平滑な薄壁・無増強を確認します。FDG陰性だけではこの候補も完全には除外できません。
b|条件・画像に注意
高分化例では正常肝と同等または低いFDG集積となり得ます。造影パターンと背景肝で判断します。
c|条件・画像に注意
通常はFDG高集積を示さず候補です。T2信号と血液プールに沿う増強で確認します。
d|条件・画像に注意
通常は高集積が多いものの例外があり、低集積のみで絶対除外しません。造影・病理情報が必要です。
e|条件・画像に注意
通常は肝より高い集積ですが、小病変・粘液性・治療後では低集積もあります。低集積だけで転移なしとはしません。
判断のポイント
肝右葉低吸収病変は明瞭なFDG高集積を示さず、選択肢では高分化HCCと血管腫を候補にする。
鑑別・注意点
FDG低集積だけでは単純嚢胞などを完全には除外できない。水濃度・壁と造影の有無を確認する。また低集積を理由に胆管癌や転移を一律に否定せず、背景肝・造影・MRIと照合する。
診断専門医 2018年度 問73
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問73
解答例:a、c
選択肢別の解説
a|正しい
MIP上で肝・脾の輪郭が大きくみえ、腫大を疑います。CTや超音波の寸法でも確認します。
b|誤り
腎の描出は排泄などの生理的要素があり、MIPだけで明確な腎腫大とは判定しません。
c|正しい
前上縦隔の胸腺に合う集積が認められます。小児では生理的集積もあり、位置と形をCTで確認します。
d|誤り
骨髄に広く強い集積があり、無条件に正常とはしません。反応性造血・治療・浸潤を血算等と合わせます。
e|誤り
骨盤中央の強い集積は膀胱内の尿への排泄に合い、腫瘤集積と判断する根拠はありません。
判断のポイント
腹部では肝・脾の輪郭が大きく、前上縦隔の胸腺に対応する集積を認める。骨盤内正中の強い集積は膀胱が最も合う。
鑑別・注意点
小児は胸腺や成長板、骨髄に生理的なFDG集積を認め得る。ここでは骨髄集積が目立つが、このMIP一枚だけで正常・反応性・腫瘍浸潤を確定しない。臓器腫大や集積の位置は断層・CTと対応し、胸腺集積を直ちに転移としない。
診断専門医 2018年度 問74
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問74
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
全身骨の著しい集積と腎・軟部背景の乏しさは、正常像ではありません。
b|誤り
関節中心だけの集積ではなく、体幹骨を中心とする広範な骨代謝亢進です。
c|正しい
前立腺癌の背景と体幹優位の骨性superscanから、びまん性骨形成性転移を優先します。
d|誤り
治療後flareもありますが、治療時期・既往像なしに単に化学療法後変化とはしません。
e|誤り
代謝性superscanは鑑別ですが、前立腺癌の背景と体幹主体の分布では転移を優先します。検査値も確認します。
判断のポイント
体幹骨を中心とする著しい集積に対し腎・軟部の描出が乏しく、superscanを考える。前立腺癌の背景から、びまん性の骨形成性転移を優先する。
鑑別・注意点
一見きれいに骨が描出されていても正常とは限らない。副甲状腺機能亢進症等の代謝性superscanもあり、軸骨格と四肢の分布、血液検査、CT・治療前後の変化を合わせる。腎描出低下だけで転移と決めない。
診断専門医 2018年度 問75
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問75
解答例:c、eを優先
選択肢別の解説
a|誤り
仙骨の左右対称でH字状の集積は、まず脆弱性骨折の形態として評価します。
b|誤り
転移も鑑別ですが、並ぶ肋骨集積と仙骨の典型骨折パターンでは骨折を優先します。
c|正しい
複数肋骨で配列した局所集積は外傷・骨折を支持します。位置関係とCTを確認します。
d|誤り
大腿骨頭の血流欠損・修復反応を示す像ではなく、今回の主病変とは異なります。
e|正しい
仙骨翼の両側縦線と横方向成分によるHonda signが支持します。CT・MRIで骨折線や浮腫を確認します。
判断のポイント
複数肋骨の連続・配列した局所集積と、仙骨の両側縦方向および横方向の集積によるHonda signを認め、肋骨骨折と仙骨脆弱性骨折を考える。
鑑別・注意点
性別・年齢だけで脆弱性骨折を除外せず、CT・MRIで骨折線と骨髄変化を確認する。骨軟化症など代謝性骨疾患を背景として検討できるが、この画像だけでFGF23関連病変や骨髄腫を原因と確定しない。転移の合併も臨床情報と追加画像で評価する。
診断専門医 2018年度 問76
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問76
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
急性梗塞で骨製剤が集積することもありますが、数か月の進行性心不全とびまん性集積ではアミロイドを優先します。
b|誤り
心筋肥大だけで骨トレーサーの強い心筋集積を説明しません。
c|正しい
心臓への骨トレーサー集積と心不全が支持します。SPECTで心筋集積を確認し、単クローン性蛋白を調べて病型を評価します。
d|誤り
炎症活動性には主にFDGなどを用い、この骨トレーサー所見だけから第一に診断しません。
e|誤り
喘息・好酸球・全身血管炎の情報がなく、心筋への骨製剤集積ではアミロイドを先に考えます。
判断のポイント
骨シンチグラフィで心臓に一致する集積を認め、進行する心不全症状と冠動脈異常に乏しい背景から心アミロイドーシスを考える。
鑑別・注意点
平面像だけで心筋と血液プールを完全には分けられず、SPECTで局在を確認する。心筋集積があるだけでATTR型へ確定せず、用いた薬剤、心エコー・MRI、血清遊離軽鎖と血清・尿免疫固定等でAL型を含め評価する。MDP等の一般的骨製剤と、非生検診断で検証されたPYP・DPD・HMDPの性能を一括しない。
診断専門医 2018年度 問77
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問77
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
皮質欠損は感染・瘢痕などでも起こり、静態像だけで腎梗塞を第一としません。
b|誤り
DTPAは濾過と排泄の動態をみる薬剤で、今回の皮質を高コントラストに描く静態像はDMSAに合います。
c|誤り
小児のDMSA皮質検査では体格に応じた適切な少量を用い、この大きな一律投与量は合いません。
d|誤り
尿路閉塞の診断は動態・利尿検査等を要します。皮質静態像だけから高度通過障害とはしません。
e|正しい
DMSAを皮質に保持させた後に静態撮像します。通常は2~3時間程度など、投与から十分時間を置きます。
判断のポイント
腎皮質を主体に描出する静態像であり、99mTc-DMSA腎皮質シンチグラフィが合う。通常は投与後2〜3時間程度など、1時間以上経過してから撮像する。
鑑別・注意点
左腎上極の低集積は感染後瘢痕等を考えるが、梗塞と一断面だけで確定しない。急性炎症と瘢痕の区別には超音波・臨床像・適切な時期の追跡を合わせる。DTPAの動態検査と異なり、尿路通過の程度をこの静態像だけから判定できない。小児投与量は体重等に応じ決める。
診断専門医 2018年度 問78
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問78
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
皮質製剤の画像であり、髄質由来の褐色細胞腫をこの集積だけで診断しません。
b|誤り
両側描出で片側腺腫によるコルチゾール自律産生を断定せず、抑制法・ホルモン検査を確認します。
c|誤り
後面の左右表示を確認する必要がありますが、両側集積だけで右機能性腺腫とは判定しません。
d|誤り
131I皮質製剤は一般に約18.5 MBqを投与し、提示された高い投与量とは異なります。
e|正しい
皮質製剤は通常静注7日目以降などに撮像します。早期のMIBG髄質検査と区別します。
判断のポイント
両側副腎への集積を示す副腎皮質シンチグラフィで、131I-アドステロールを用いる。通常は静注7日目以降の撮像であり、4日以上経過しているというeが合う。
鑑別・注意点
標準投与量は約18.5 MBqで、740 MBqではない。両側集積があるだけで片側のCushing症候群や、髄質由来の褐色細胞腫とは判断しない。内分泌検査、デキサメタゾン抑制の条件、CT等を合わせる。遊離ヨウ素の甲状腺取り込みを防ぐブロックも必要となる。
診断専門医 2018年度 問79
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問79
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
異常な強い骨髄分布を認め、適切な生体内分布とは判断しません。判定は治療手順に従います。
b|誤り
肝は抗体製剤の正常分布臓器です。びまん性肝集積をそのまま肝病変とはしません。
c|誤り
腎の描出の強さのみで異常とせず、治療適否に重要な骨髄分布を確認します。
d|誤り
病変描出の有無だけで適否を決める検査ではなく、治療用抗体の分布異常の評価が目的です。
e|正しい
骨髄への強いびまん性集積は、治療核種での骨髄被ばくを危惧する異常分布で、出題当時の治療不適格所見です。
判断のポイント
上腕骨・脊椎・骨盤・大腿骨等の骨髄へのびまん性の強い集積を認める。111In標識抗体の異常な生体内分布として、90Y治療に不適格と判断する所見である。
鑑別・注意点
集積をすべてリンパ腫の骨髄浸潤と同一視しない。正常臓器への過剰な治療薬分布と骨髄毒性の危険を予測する検査であり、48〜72時間像で分布を評価する。病変が写らないから治療をしないという判定法ではなく、血算・骨髄状態等も含める。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2018年度 問80
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問80
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
通常は約4週間隔で計6回を予定する治療で、単回だけを標準としません。中止は有害事象などで判断します。
b|誤り
適応を満たす去勢抵抗性前立腺癌の骨転移で、生存期間延長が比較試験で示されています。
c|誤り
国内の承認適応は骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌で、乳癌骨転移へ同じ適応を当てはめません。
d|誤り
必要な施設・管理要件を満たして外来投与が可能です。入院だけに限定する治療ではありません。
e|正しい
カルシウムに似た挙動で骨形成の活発な部位に取り込まれ、骨基質と複合体を作り短飛程のα線を放出します。
判断のポイント
223Raはカルシウムに似た性質を持ち、骨代謝亢進部でハイドロキシアパタイトと複合体を形成する。短い飛程のα線で骨転移周囲へエネルギーを与える。
鑑別・注意点
骨転移を伴う去勢抵抗性前立腺癌で用いられ、乳癌骨転移を標準適応とはしない。通常は55 kBq/kgを4週間隔で計6回投与し、外来実施も可能である。ALSYMPCA試験では全生存期間の延長が示された。骨髄抑制が起きないという意味ではなく、血算・臓器病変・併用治療等を確認する。
コメント
いつも参考にさせていただいています。
ディスカッションしたい解答があり、コメントさせていただきました。
問19ですが、正答はc(手根管症候群)ではなく、d(Guyon管症候群)ではないでしょうか?
画像1枚目を見ると画像左が母指側とわかり、びまん性にT2WI高信号を示す構造は小指球の筋と思われます。
画像2枚目では小指球腹側にT2WI高信号構造がみられ、尺骨神経のように見えます。通常、正中神経は母指球側腹側に位置しているので、正中神経病変による手根管症候群とすれば、もう少し画像の左側に病変がある方が自然かと思いました。
1枚目は画像右側が母指側と思います。
また症状からもギヨン管症候群は考えにくいのではないでしょうか。ギヨン管症候群であれば小指に症状が出るかと思います。
75番、c,eと思います
肋軟骨部の数珠状集積、肋骨や骨盤骨などに多発する不全骨折→骨軟化症を考えました。
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症なんだと思います。
オクトレオスキャンが適応になったのはこの辺でしたっけ。
23番の解説についてですが、CV(バスキャス)の先端は気管分岐部レベルで、SVC内だと思います。
選択肢cが該当するのはtemporary pacing」ではないでしょうか(IVCから右房を経由して右室先端に留置されているため)
31番に関して、分岐状影っぽいのがあるからe!と思ってしまったのですが、普通に血管ですかね。
14ですが、eのリンパ上皮性嚢胞ではないでしょうか?内部高タンパクな嚢胞性腫瘤で、部分的に壁が厚い。ワルチン腫瘍の完全嚢胞変性も確かに否定はできませんが、あまりにも充実部が少なくリンパ上皮性嚢胞の方がストレートに正解と考えやすいような気がします。
ご指摘の通り可能性はあると思いますが、ワルチン腫瘍とリンパ上皮性嚢胞の事前確率が違いすぎるので、可能性が最も高いのは前者ということでいいと思います。
58
2枚目の写真は左尿管口を示しているように見えます。
1枚目の腫瘤下部、すぼんでいるところが外子宮口で、膣浸潤は描出されていないと考えられないでしょうか?
31
概ね左右対称なランダム分布を示す多発粒状影で、転移も鑑別と思いますが、左の写真に写りこんでいるリンパ節に石灰化を伴うことと、検診発見(自覚症状がない?)ことからaの珪肺はいかがでしょうか。大陰影や収縮性変化は目立たないですが、画像が2枚とも上葉メインなのも意図的かと思ってしまいました。