この年度の出題傾向
2021年度の掲載解説は80問で、このうち画像診断分野の59問を臓器・主題別に集計しました。内訳では胸部・心血管18問、脳・脊髄・頭頸部11問、肝胆膵・脾7問が多く、泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜の構成比は全年度の年別平均より2.9ポイント低い値です。IVRや撮像技術は対象臓器と重複計上せず別群とし、複合題は主題に基づく便宜分類を含みます。
臓器別の比較は画像診断分野内の割合で行い、21年度の年別構成比の平均と比較しています。複合題は主題一つに分類した当サイトの集計で、公式配点ではありません。境界が曖昧な問題は便宜的な分類を含みます。
画像診断以外の内訳:核医学16問、共通5問。
画像診断の臓器・主題別内訳を見る
| 臓器・主題 | 問題数 | 診断分野内の割合 | 年平均との差 |
|---|---|---|---|
| 脳・脊髄・頭頸部 | 11問 | 18.6% | +0.4ポイント |
| 胸部・心血管 | 18問 | 30.5% | +1.0ポイント |
| 肝胆膵・脾 | 7問 | 11.9% | -0.5ポイント |
| 消化管・腹膜 | 5問 | 8.5% | +0.8ポイント |
| 泌尿生殖・骨盤・副腎後腹膜 | 6問 | 10.2% | -2.9ポイント |
| 骨・関節・軟部 | 6問 | 10.2% | +0.1ポイント |
| 乳腺 | 3問 | 5.1% | +0.5ポイント |
| IVR・手技・画像技術・多臓器その他 | 3問 | 5.1% | +0.6ポイント |
放射線科診断専門医・2021年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月19日:全80問を改訂しました。解答例は非公式です。問27の胸膜病変と問39のEOB肝細胞相の解釈を見直しました。問37・39・49・52・73・76などは鑑別や設問の限界を明記しています。
解答作成にご協力いただいたなべやかん先生、fine先生、リムル先生、らっちょ先生に感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
問題番号から選ぶ
診断専門医 2021年度 問1
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問1
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
通常は腫瘤効果と不整な増強を伴います。今回は皮質下白質の非腫瘤性病変と辺縁の拡散異常が主体です。
b|誤り
免疫抑制下の重要な鑑別ですが、充実性の強い増強・拡散制限を伴う腫瘤より、非増強性白質病変が合います。
c|誤り
単一の動脈支配に一致する急性病変より、緩徐に進行する白質病変と辺縁優位の拡散異常を重視します。
d|誤り
白質病変を来しますが、免疫抑制下の進行症状と融合性皮質下病変はJCV感染を優先する所見です。
e|正しい
免疫抑制背景、非対称の皮質下FLAIR高信号、病変辺縁のDWI高信号が合います。髄液JCV検査などと統合します。
判断のポイント
左頭頂葉皮質下白質の非対称性FLAIR高信号と病変辺縁のDWI高信号、目立つ腫瘤効果や充実性増強に乏しい所見を、免疫抑制の背景と合わせてPMLと判断する。
鑑別・注意点
画像だけでJCウイルス感染を確定しない。髄液PCRなどを臨床経過と組み合わせ、免疫再構築に伴う炎症では増強や浮腫も生じ得ることに注意する。
参考文献
診断専門医 2021年度 問2
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問2
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
椎骨脳底動脈へ大後頭孔を介して連絡する型です。提示の舌下神経管を通る経路とは異なります。
b|正しい
頸部内頸動脈から分岐し、舌下神経管を通って脳底動脈へ続く経路が決め手です。
c|誤り
中耳でアブミ骨の脚間を走る遺残動脈で、頸部から後頭蓋窩へ連絡する太い血管とは異なります。
d|誤り
海綿静脈洞部内頸動脈付近から外側へ走る連絡です。今回の頸部起始と頭蓋底通過孔に合いません。
e|誤り
海綿静脈洞部付近から内側へ走る型で、舌下神経管を通る頸部起始血管とは異なります。
判断のポイント
頸部内頸動脈から分岐して後頭蓋窩へ向かう動脈が舌下神経管を通過しており、遺残舌下動脈と同定する。起始血管と頭蓋底の通過孔を連続して追う。
鑑別・注意点
前環椎動脈は大後頭孔へ、遺残三叉動脈はより頭側の海綿静脈洞部内頸動脈付近から連絡する。太い内頸動脈・椎骨脳底動脈間の交通というだけで一括しない。
診断専門医 2021年度 問3
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問3
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
静脈の発生異常だけでは動脈相の静脈洞描出と拍動性耳鳴を十分説明しません。
b|誤り
主幹動脈狭窄と頭蓋底側副血行が特徴で、今回の片側横・S状静脈洞周囲のシャント像と異なります。
c|誤り
実質内nidusと流入・流出血管が代表です。今回は硬膜の血管と静脈洞を中心とする構築です。
d|誤り
一般に高速の動静脈シャントを持たず、MRAでこのように静脈洞が描出される主因ではありません。
e|正しい
静脈洞周囲の異常血管と静脈系の早期描出が耳鳴を説明します。流出路と皮質静脈逆流は血管造影で評価します。
判断のポイント
右横静脈洞・S状静脈洞付近に異常血管と静脈洞の描出があり、拍動性耳鳴と合わせて硬膜動静脈瘻を考える。通常の動脈像に静脈系が目立つことに着目する。
鑑別・注意点
MRAだけで瘻孔の詳細や危険度を確定せず、血管撮影で流入動脈と静脈還流を評価する。皮質静脈逆流の有無は出血などの危険度と治療判断に関わる。
診断専門医 2021年度 問4
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問4
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
硬膜付着部を持ち強く増強する充実性病変が典型です。サブトラクションで内部増強の乏しい嚢胞とは異なります。
b|誤り
出血性・嚢胞性腺腫は鑑別ですが、明瞭な増強充実部に乏しい平滑な鞍内外嚢胞ではRathke嚢胞を優先します。
c|誤り
石灰化や増強する充実部を伴い得ます。今回の蛋白性・非増強性嚢胞の構成とは典型が異なります。
d|正しい
高蛋白内容によるT1高信号でも、サブトラクションで内部増強がないことが手掛かりです。薄い辺縁増強は残存下垂体でも生じます。
e|誤り
茎の肥厚・増強や後葉高信号消失などが代表で、今回の大きな平滑嚢胞とは異なります。
判断のポイント
鞍内から鞍上部の境界明瞭な囊胞性病変はT1高信号を示すが、サブトラクション像では明瞭な内部増強に乏しく、蛋白性内容のRathke囊胞を第一に考える。
鑑別・注意点
造影後のT1高信号だけで増強と判定せず、造影前との差を確認する。出血を伴う囊胞性下垂体腺腫などと重なるため、隔壁、液面、充実部、下垂体・茎との位置を併せて評価する。
診断専門医 2021年度 問5
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問5
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
内頸動脈終末部の狭窄と側副路を評価する病態で、今回の目立つ皮質血管と非血管支配性病変とは異なります。
b|誤り
塞栓による動脈閉塞と支配域の梗塞より、閉塞に乏しい血管と広がる皮質病変が合います。
c|誤り
側頭葉の内側・島皮質優位の炎症像を考えますが、今回の後方皮質の分布と同側血管の目立ちは脳卒中様発作を支持します。
d|誤り
皮質や基底核の拡散異常を来しますが、若年の急性痙攣と局所血管の増強した描出では第一候補ではありません。
e|正しい
単一動脈領域を越える皮質病変と過灌流を示唆する血管描出が合います。乳酸、家族歴、遺伝学的検査などで確認します。
判断のポイント
若年者の痙攣・意識障害に、右側頭後頭葉の皮質優位DWI高信号と同側動脈の目立ちを認め、MELASの脳卒中様発作を考える。単一血管支配に厳密に一致する梗塞とは異なる分布を読む。
鑑別・注意点
MRAで血管が太く見えることだけでは確定しない。発作に伴う変化や脳炎も鑑別し、ADC・灌流、乳酸、経時的な病変移動、遺伝学的情報を合わせる。MELASでもDWI・ADCの組合せには幅がある。
診断専門医 2021年度 問6
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問6
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
通常は小児期の基底核・脳幹の対称病変を重視し、今回の妊娠時の可逆性後方白質浮腫とは異なります。
b|誤り
主幹動脈狭窄と側副路が中心で、短期に消退する両側後方の浮腫を最も説明する病態ではありません。
c|誤り
一過性症状だけでなく明瞭な両側白質病変があり、その分布と改善から血管原性浮腫を考えます。
d|正しい
後頭葉皮質下優位の異常が短期間で改善し、妊娠背景も整合します。血圧や子癇関連所見を確認します。
e|誤り
通常は慢性進行性白質障害であり、10日で著明に改善する経過には合いません。
判断のポイント
両側後頭葉の皮質下白質優位FLAIR高信号が10日後に著明に改善しており、妊娠中という背景と合わせてPRESを考える。血管原性浮腫の分布と時間経過が手掛かりである。
鑑別・注意点
高血圧や子癇前症・子癇の評価が必要である。PRESは後頭葉だけに限られず、出血や不可逆性障害もあり得るため、病名の「可逆性」だけで良好な転帰を保証しない。
診断専門医 2021年度 問7
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問7
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
成人大脳の浸潤性・壊死性腫瘍が代表で、思春期の高細胞性小脳腫瘍では髄芽腫を優先します。
b|誤り
第四脳室由来や出口を通る進展が手掛かりですが、今回の強い拡散制限と高吸収の充実性腫瘍では髄芽腫が第一です。
c|正しい
若年の小脳腫瘍で、単純CT高吸収とDWI高信号は高細胞密度を反映します。正確な組織・分子群は病理で決まります。
d|誤り
通常は成人の大脳皮質下に生じ、石灰化を伴う腫瘍で、今回の小脳の病変とは局在が異なります。
e|誤り
嚢胞と壁在結節が典型で、今回の高細胞性充実腫瘍ほど強い拡散制限を示さないことが一般的です。
判断のポイント
若年者の小脳実質内の充実性腫瘍に、単純CT高吸収とDWI高信号を認め、髄芽腫を優先する。高細胞密度を反映する所見が手掛かりとなる。
鑑別・注意点
既存の虫部中心という局在は画像上明瞭でなく、右小脳の腫瘤が目立つため断定しない。組織・分子分類は病理と分子検査で確定する。
診断専門医 2021年度 問8
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問8
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
充実性増強と硬膜付着を示す腫瘤ではなく、静脈洞内の小さな髄液様欠損です。
b|正しい
丸く限局する髄液様信号の充盈欠損で、周囲の洞は造影されており、正常構造の突出が合います。
c|誤り
洞の外で髄液腔を形成する病変と、洞内へ突出する構造を区別します。
d|誤り
癌の既往だけで転移とはしません。強い充実性増強や周囲浸潤に乏しい髄液様の局所欠損です。
e|誤り
通常は洞の長い区間の閉塞や血栓信号を評価します。今回の限局した平滑欠損と周囲の開存は顆粒を支持します。
判断のポイント
左横静脈洞からS状静脈洞移行部付近に、境界明瞭な丸いT2高信号の局所的充盈欠損があり、周囲の静脈洞は造影されている。形態と髄液に近い信号から、くも膜顆粒を優先する。
鑑別・注意点
静脈洞全体に及ぶ不整な欠損や血栓の時期に応じた信号とは区別する。非造影部があるという理由だけで血栓症とせず、連続断面、MRV・CTV、必要に応じSWIと症状を合わせる。
診断専門医 2021年度 問9
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問9
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
腫瘍も潰瘍・壊死を来し得ますが、急性の咽頭痛と辺縁増強する液体貯留は感染を優先します。
b|誤り
高吸収の石灰化を示す所見で、低吸収中心と炎症を伴う大きな貯留とは異なります。
c|誤り
側頸部の典型的位置との関係を確認する嚢胞で、今回は口蓋扁桃周囲の炎症性貯留が中心です。
d|誤り
比較的均一な充実性腫大が代表で、今回の辺縁増強する液体腔とは異なります。
e|正しい
口蓋扁桃周囲の低吸収貯留と辺縁増強・圧排が合います。深頸部への広がりと気道の安全性も評価します。
判断のポイント
左口蓋扁桃周囲の低吸収貯留に辺縁増強と周囲炎症を認め、咽頭痛と合わせて扁桃周囲膿瘍を考える。咽頭腔への圧排と深頸部への広がりも確認する。
鑑別・注意点
壊死性腫瘍でも低吸収と辺縁増強を示し得る。臨床的感染所見、治療反応、必要な排膿所見と統合し、改善しない場合は背景の腫瘍も再評価する。
診断専門医 2021年度 問10
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問10
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
咽頭粘膜側を中心とする病変なら脂肪を外側へ押します。今回は耳下腺深葉との連続を重視します。
b|誤り
強い多血性と頸動脈間隙内の血管の偏位が特徴です。今回の耳下腺深葉側の腫瘤とは主座が異なります。
c|正しい
耳下腺深葉に連続し、副咽頭の脂肪・咽頭を内側へ、頸動脈を後方へ押す位置関係が根拠です。
d|誤り
上咽頭側壁の粘膜陥凹に生じる病変で、耳下腺側からの圧排とは中心が異なります。
e|誤り
咽頭後間隙の節病変なら内頸動脈との位置関係が異なります。既往だけで甲状腺由来節転移と判断しません。
判断のポイント
右副咽頭間隙の腫瘤が耳下腺深葉側に連続し、咽頭・咀嚼筋群を前内方、頸動脈を後方へ圧排していることから、耳下腺深葉由来を考える。
鑑別・注意点
この設問は原発部位の同定が中心であり、甲状腺手術歴だけから転移と決めない。深葉との連続、介在脂肪、血管の偏位を確認し、多形腺腫などの組織型の最終診断は別に行う。
参考文献
診断専門医 2021年度 問11
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問11
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
関節窩縁の線維軟骨の損傷で、今回の小結節付着腱の欠損を直接表しません。
b|誤り
肩鎖関節の離開・位置ずれが主病変で、提示された腱の連続性消失とは異なります。
c|誤り
上腕骨頭と関節窩の位置関係の異常ではなく、腱の欠損が中心です。
d|誤り
棘上筋は大結節上面へ付着します。今回の前方小結節付着部の病変とは腱が異なります。
e|正しい
小結節へ続く肩甲下筋腱が液体で置き換わり、上腕二頭筋長頭腱の内側偏位も支持所見です。
判断のポイント
上腕骨小結節への肩甲下筋腱の連続が失われ、液体信号で置き換わっている。横断像では上腕二頭筋長頭腱の内側偏位も手掛かりとなり、肩甲下筋腱の全層断裂を考える。
鑑別・注意点
横断像で小結節付着部を追い、斜矢状断像で断裂範囲や筋萎縮を確認する。全層断裂は腱の厚さ全体の断裂を意味し、腱の幅全体が必ず断裂しているという意味ではない。
診断専門医 2021年度 問12
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問12
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
骨の膨大、皮質肥厚と粗い骨梁、比較的保たれた髄内脂肪が合います。ALP上昇も骨代謝亢進を支持します。
b|誤り
腐骨や感染性骨破壊、周囲炎症を評価する病態で、今回の広い骨リモデリング像とは典型が異なります。
c|誤り
癌転移も硬化しますが、骨全体の皮質肥厚・粗大骨梁と保たれた脂肪がPaget病を支持します。
d|誤り
すりガラス状基質と皮質の菲薄化を来し得ますが、高齢者の粗大骨梁・皮質肥厚ではPaget病が第一です。
e|誤り
骨膜下吸収や褐色腫などが代表で、今回の腸骨の粗大骨梁と肥厚性変形を最も説明しません。
判断のポイント
右腸骨を中心に骨皮質の肥厚と骨梁の粗大化・硬化、骨の形態変化があり、ALP上昇と合わせて骨Paget病を考える。MRIでは髄内脂肪信号が比較的保たれている。
鑑別・注意点
脂肪髄が保たれることは広い腫瘍性置換よりPaget病を支持するが、転移や悪性化を絶対に否定する所見ではない。局所的な骨破壊、軟部腫瘤、新規疼痛などがあれば別に評価する。
診断専門医 2021年度 問13
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問13
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
均一な液体主体の骨透亮病変ではなく、椎体内の粗い縦走骨梁が目立ちます。
b|誤り
打ち抜き状・浸潤性溶骨病変が代表で、保たれた粗大縦走骨梁の特徴的構築とは異なります。
c|誤り
腫瘍性類骨を伴う攻撃的病変より、椎体に限局した整った骨梁構築が良性血管性病変を支持します。
d|正しい
横断の点状骨梁と矢状断の縦縞が同じ構造に対応します。肺癌の既往だけで転移としません。
e|誤り
転移は重要な鑑別ですが、提示されたpolka-dotとcorduroyに相当する骨梁が血管腫を支持します。
判断のポイント
椎体内に粗大な縦走骨梁を認め、横断CTでは点状のpolka-dot、矢状断では縦縞状のcorduroyに相当する像を示しており、椎体血管腫を考える。
鑑別・注意点
肺癌の既往だけで全ての骨病変を転移としない。典型的な骨梁構築と脂肪成分を評価する一方、非典型病変や硬膜外進展、骨折があればMRIなどを追加し侵襲性を確認する。
診断専門医 2021年度 問14
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問14
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
骨幹端に類骨形成を伴うことが多く、今回の骨幹部主体の骨破壊と大きい軟部腫脹では第一候補ではありません。
b|条件・画像に注意
年齢、骨幹部の侵襲的骨破壊と攻撃的骨膜反応が支持します。感染などと重なるため組織診断が必要です。
c|条件・画像に注意
感染も骨破壊・骨膜反応・軟部腫脹を作ります。発熱・炎症所見と培養・生検を合わせ、単純写真だけで完全に除外しません。
d|条件・画像に注意
浸潤性骨破壊と軟部病変を作り得ますが、小児のこの部位・形態ではEwing肉腫を先に考えます。
e|条件・画像に注意
小児の溶骨性病変の鑑別に残りますが、長い侵襲的骨破壊と大きな軟部腫脹からEwing肉腫を優先します。
判断のポイント
小児の脛骨骨幹部に浸潤性の骨破壊、攻撃的な骨膜反応と大きな軟部腫脹を認め、Ewing肉腫を第一に考える。明らかな類骨形成に乏しい点も通常型骨肉腫との比較に役立つ。
鑑別・注意点
骨膜反応の形だけで確定はできない。骨髄炎や他の小円形細胞腫瘍と重なるため、MRIで骨髄・軟部進展を評価し、生検と分子病理を含めて確定する。
診断専門医 2021年度 問15
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問15
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
圧潰や椎体内の裂隙が手掛かりで、今回の終板の限局した陥凹と椎間板との連続とは異なります。
b|正しい
椎間板組織が終板の欠損から椎体内へ進入する形態が決め手です。周囲浮腫があれば疼痛との関連も考えます。
c|誤り
隣接終板の不整と椎間板炎・傍脊椎炎を評価します。今回の限局した陥入構造だけで感染としません。
d|誤り
椎体角の炎症・骨化や脊椎の架橋が特徴で、椎間板組織の局所陥入とは異なります。
e|誤り
髄内置換や骨破壊を評価する病態で、椎間板に続く限局的終板欠損はSchmorl結節を支持します。
判断のポイント
椎体終板の限局した欠損から椎間板組織が椎体内へ入り込む像があり、Schmorl結節を考える。椎体内病変と椎間板との連続が診断の中心となる。
鑑別・注意点
急性・症候性のSchmorl結節では周囲骨髄浮腫や増強を伴う。浮腫だけで感染や転移と断定せず、終板欠損の形、椎間板の変化、傍脊椎炎症と臨床を比較する。
参考文献
診断専門医 2021年度 問16
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問16
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
脛骨粗面の牽引性骨端障害で、足背の中足骨頭病変とは部位が異なります。
b|誤り
手関節の月状骨の骨壊死で、足の病変ではありません。
c|正しい
第2中足骨頭の扁平化・硬化と関節面不整が、運動を行う思春期女子の症状に合います。
d|誤り
股関節の大腿骨頭病変で、今回の中足骨頭とは罹患部位が異なります。
e|誤り
踵骨骨端部の牽引性障害で、前足部・中足骨頭の変化とは部位が異なります。
判断のポイント
思春期の運動を行う女子で、第2中足骨頭の扁平化・不整と硬化を認め、Freiberg病を考える。症状の部位と罹患骨端を対応させる。
鑑別・注意点
Osgood-Schlatter病は脛骨粗面、Kienböck病は月状骨、Perthes病は大腿骨頭、Sever病は踵骨骨端に関連する。病名だけでなく解剖学的位置を区別する。
診断専門医 2021年度 問17
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問17
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
多発微小すりガラス結節はMMPHを、椎弓などの硬化は結節性硬化症の骨病変を支持します。男性でもMMPHは起こります。
b|誤り
神経原性腫瘍や胸郭骨変化などを来しますが、MMPH様肺結節と骨硬化の組合せとは異なります。
c|誤り
前胸部の無菌性骨炎・骨肥厚や皮膚病変が代表で、今回の多発肺微小結節を一括して説明しません。
d|誤り
血管芽腫や腎癌などの関連病変が代表で、今回の肺と骨の構成は結節性硬化症を支持します。
e|誤り
顔面母斑・軟膜血管病変などが代表で、多発肺微小結節と椎弓硬化の典型背景ではありません。
判断のポイント
多発する小さなすりガラス結節と椎弓などの骨硬化を組み合わせ、結節性硬化症に伴うMMPHと骨病変を考える。肺だけではなく他臓器所見との組合せが重要である。
鑑別・注意点
MMPHはII型肺胞上皮細胞の増生で、LAMの薄壁囊胞とは異なる。男性でもみられ、微小結節をすべて感染や腺癌関連病変と扱わず、皮膚・中枢神経・腎所見を合わせる。
診断専門医 2021年度 問18
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問18
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
サルコイドーシス評価に用いる補助指標ですが、急性発熱・嗅覚障害と末梢肺陰影では感染確認を優先します。
b|誤り
悪性腫瘍の補助指標で、今回の急性感染性肺炎を評価する初期検査として優先しません。
c|誤り
結核感染を評価する検査ですが、今回の臨床・画像パターンではSARS-CoV-2確認が先です。
d|正しい
発熱・嗅覚障害と末梢優位の両側すりガラス影から、ウイルスの核酸検査で感染を評価します。
e|正しい
薬剤性肺障害も同様の肺陰影を示します。新規薬剤・変更時期・市販薬を含む使用歴を確認します。
判断のポイント
発熱・嗅覚障害と両側末梢優位のすりガラス影からCOVID-19肺炎を疑い、PCRなどで感染を評価する。同じ画像パターンを薬剤性肺障害も示すため、処方薬や市販薬を含む使用歴も確認する。
鑑別・注意点
CTでCOVID-19を確定しない。器質化肺炎なども類似し、薬剤歴があるだけで薬剤性と確定することもできない。検査結果、時間経過と臨床情報を統合する。
診断専門医 2021年度 問19
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問19
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
均一な微小結節のランダム分布が典型で、今回のすりガラスと気道中心性小結節の組合せではCMVを優先します。
b|誤り
悪性腫瘍の既往だけで転移とはしません。発熱と免疫不全下の肺実質炎症像は感染を優先する状況です。
c|誤り
末梢優位のすりガラス影を来しますが、移植後の背景と小葉中心性小結節を合わせるとCMVが有力です。
d|誤り
気道中心性病変を来しますが、移植後の持続発熱と広いすりガラスを合わせ、日和見感染を先に評価します。
e|条件・画像に注意
同種移植後の免疫状態とすりガラス・小結節の混在が支持します。血中検査だけでなく必要に応じBALなどで他病原体と区別します。
判断のポイント
同種造血幹細胞移植後の発熱に、両肺のすりガラス影と小葉中心性小結節・周囲の淡い陰影を認め、サイトメガロウイルス肺炎を優先する。免疫状態と複数のCT所見を合わせて読む。
鑑別・注意点
すりガラス影やhaloはCMVに特異的ではない。PJP、真菌感染、薬剤性障害なども考慮し、血中CMVの検出だけを肺炎の確定とせず、呼吸器検体などを臨床に応じて評価する。
診断専門医 2021年度 問20
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問20
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
肺水腫に似る隔壁肥厚はありますが、若年の喫煙開始後の発熱と急性呼吸不全は好酸球性肺炎を支持します。
b|誤り
慢性の腫瘍性背景とリンパ路性変化が代表で、今回の急性経過と新規喫煙歴とは合いにくい候補です。
c|誤り
慢性の結節性・間質性・気道病変が主体で、急性発熱性呼吸不全を最も説明する候補ではありません。
d|正しい
新規喫煙後の急性発熱、すりガラスと隔壁肥厚が合います。初期は末梢血好酸球が正常でも否定できず、BALなどを評価します。
e|誤り
喫煙関連ですが通常はより慢性で、今回の急性発熱・呼吸不全には急性好酸球性肺炎を優先します。
判断のポイント
若年者の喫煙開始後に急な発熱・呼吸困難が出現し、両肺のすりガラス影と平滑な小葉間隔壁肥厚を認め、急性好酸球性肺炎を第一に考える。
鑑別・注意点
初期に末梢血好酸球が増えていなくても除外できない。BAL中の好酸球、感染・薬剤などの原因評価を合わせ、肺水腫に似た画像所見だけで診断を確定しない。
診断専門医 2021年度 問21
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問21
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
胸膜プラークや肺底部線維化が手掛かりで、地図状すりガラスと隔壁肥厚が主体の像では第一候補ではありません。
b|正しい
地図状のすりガラス影に網状影が重なるcrazy-pavingと緩徐な息切れが合います。パターン自体は非特異的で、BALなどで確認します。
c|誤り
肺炎様の浸潤影や粘液による低吸収を来しますが、今回の広い地図状パターンでは蛋白症を優先します。
d|誤り
末梢や気管支周囲の斑状浸潤影が代表で、今回の地図状crazy-pavingが主体の構成とは異なります。
e|誤り
喫煙者の上肺野優位の結節と不整嚢胞が典型で、提示像の下肺優位すりガラス・隔壁肥厚とは異なります。
判断のポイント
境界が地図状のすりガラス影に小葉間隔壁・小葉内網状影が重なるcrazy-paving patternを認め、緩徐な息切れの経過と合わせて肺胞蛋白症を考える。
鑑別・注意点
crazy pavingは肺胞蛋白症に特異的ではない。BAL所見や抗GM-CSF抗体などで診断と病型を確認し、感染合併や他の原因も評価する。
診断専門医 2021年度 問22
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問22
解答例:c(好酸球増多などで裏付け)
選択肢別の解説
a|誤り
胸膜下蜂巣肺などの不可逆性線維化が主体ではなく、若年の末梢浸潤影では別の炎症性疾患を考えます。
b|誤り
リンパ路性結節や肺門節腫大が特徴で、今回の非区域性末梢浸潤影とは典型が異なります。
c|条件・画像に注意
末梢優位の非区域性陰影と抗菌薬不応が支持します。好酸球数、BAL、薬剤・感染の除外で裏付けます。
d|誤り
下肺の比較的対称なすりガラスと網状影などを来しますが、提示された末梢浸潤影では好酸球性肺炎を先に考えます。
e|誤り
免疫不全背景と広いすりガラスが代表です。今回の胸膜下主体の浸潤影では優先度が下がりますが、背景を確認します。
判断のポイント
両肺末梢・胸膜下に非区域性のすりガラス影と浸潤影があり、抗菌薬不応という経過から慢性好酸球性肺炎を優先する。線維化が主体のUIPパターンとは異なる。
鑑別・注意点
末梢優位の陰影は器質化肺炎やウイルス肺炎でもみられる。血中・BAL好酸球、喘息歴、薬剤や寄生虫などを確認し、画像だけで特発性と確定しない。
診断専門医 2021年度 問23
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問23
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
遺伝性の肺嚢胞・気胸の背景としてBHDを考え、腎腫瘍を継続的に監視します。
b|正しい
線維毛包腫などの皮膚病変が重要です。若年や一部患者では目立たなくても否定できません。
c|誤り
LAMのリンパ管病変と混同しません。BHDの主要な構成要素は肺嚢胞・腎腫瘍・皮膚病変です。
d|誤り
喫煙が病態の中心となるLCHなどとは異なり、FLCNの病的バリアントを背景とする遺伝性疾患です。
e|誤り
乳び胸はLAMの関連所見として重要で、BHDで高頻度という説明は合いません。
判断のポイント
反復性気胸と家族歴に、下肺・肺内側優位の大小不同で不整な薄壁囊胞を認め、Birt–Hogg–Dubé症候群を考える。腎腫瘍と線維毛包腫などの皮膚病変が重要な合併症である。
鑑別・注意点
LAMの比較的びまん性・均一な囊胞、喫煙関連LCHの上肺優位の結節・囊胞と比較する。皮膚病変がなくても否定できず、FLCN評価や腎の定期的監視を検討する。
診断専門医 2021年度 問24
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問24
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
粘膜・皮膚の毛細血管拡張などを調べ、遺伝性出血性毛細血管拡張症の背景を評価します。
b|条件・画像に注意
関連する脳血管奇形などの評価を検討します。適応はHHTの疑いと診療指針に従います。
c|条件・画像に注意
HHTが疑われ、消化管出血や貧血などがあれば消化管病変を評価します。全患者への一律の必須検査という意味ではありません。
d|正しい
右左シャントによる血液の迂回を評価する検査として位置付けられます。
e|誤り
流入動脈と流出静脈を伴う血管性病変に針を刺すと、出血などの危険があります。先に血管構築を確定します。
判断のポイント
末梢の結節状構造に太い流入動脈と流出静脈が連続し、肺動静脈奇形と考える。血管性病変を通常の肺結節として針生検すると重篤な出血などを招くため、適切ではない。
鑑別・注意点
皮膚・粘膜の毛細血管拡張、鼻出血や家族歴を確認し、HHTを評価する。脳血管奇形や消化管病変、右左シャントの評価は臨床に応じて行い、全例同じ検査を機械的に追加する意味ではない。
参考文献
診断専門医 2021年度 問25
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問25
解答例:c
選択肢別の解説
a|候補となる
免疫抑制下で結節・浸潤影・空洞を形成し得るため鑑別に残ります。
b|候補となる
胸膜に接する浸潤影や腫瘤、周囲への進展を来し得ます。誤嚥・口腔環境なども確認します。
c|可能性が最も低い
通常は気管支壁肥厚や小葉中心性結節などの気道中心性変化が多く、今回の大きな局所浸潤影では候補中で低く考えます。画像だけで感染を完全除外はしません。
d|候補となる
大葉性・区域性の浸潤影を来し、急性発熱と局所陰影の原因に含めます。
e|候補となる
免疫抑制下では典型的な空洞がなくても浸潤影を来すため、細菌学的検査を含めて鑑別します。
判断のポイント
免疫抑制や基礎疾患のある高齢者に、短期間で大きな局所浸潤影が出現している。選択肢では気管支壁肥厚や小葉中心性結節を特徴とするMycoplasma pneumoniaeが相対的に適合しにくい。
鑑別・注意点
マイコプラズマも浸潤影を形成し得るため、画像形態だけで感染を否定しない。ノカルジアや結核、放線菌などを含む鑑別は、免疫状態、培養・組織と経過で評価する。
診断専門医 2021年度 問26
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問26
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
前縦隔病変内に脂肪と石灰化・軟部成分が混在することが決め手です。画像で成熟度を完全には確定しません。
b|誤り
前縦隔腫瘍ですが、通常は充実性で、肉眼的脂肪と石灰化を含む混合性構成なら奇形腫を優先します。
c|誤り
通常は均一な液体濃度の薄壁病変で、今回の脂肪・軟部混在と異なります。
d|誤り
前縦隔を占め得ますが、治療前の病変に脂肪と粗大石灰化が混在する像は典型ではありません。
e|誤り
通常は後縦隔の傍脊椎に位置し、前縦隔の脂肪性混合腫瘤とは主座が異なります。
判断のポイント
前縦隔の境界明瞭な腫瘤に肉眼的脂肪、軟部組織や石灰化が混在し、成熟奇形腫を第一に考える。内部成分の組合せが鑑別の中心となる。
鑑別・注意点
脂肪を含む縦隔病変には胸腺脂肪腫などもある。急な疼痛や周囲の炎症、胸水があれば破裂などの合併症を確認し、画像だけで全成分の成熟度を保証しない。
診断専門医 2021年度 問27
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問27
解答例:b、cを優先(旧解答b、eから見直し)
選択肢別の解説
a|誤り
石綿曝露だけで診断せず、肺実質の線維化所見が必要です。提示の主病変は結節状の胸膜肥厚です。
b|条件・画像に注意
石綿曝露に伴う悪性胸膜腫瘍として有力です。縦隔胸膜を含む不整な肥厚を評価し、病理で確定します。
c|条件・画像に注意
肺癌の胸膜進展も同様の結節性胸膜病変を作り得るため、悪性病変の鑑別に残ります。
d|誤り
胸膜病変に接する肺の折りたたみとcomet-tailが手掛かりです。今回の胸膜自体の不整な厚い病変を最も説明しません。
e|誤り
良性のびまん性肥厚も曝露後に生じますが、厚い結節状変化や縦隔側病変では悪性を優先し、良性と決めません。
判断のポイント
右側の厚く不整・結節状の胸膜肥厚が縦隔側にも及び、悪性胸膜病変を優先する。石綿曝露歴から胸膜中皮腫を、類似像を示す肺癌の胸膜進展も鑑別に挙げる。
鑑別・注意点
良性のびまん性胸膜肥厚を、広がりの長さだけで選ばない。胸膜の結節性、1 cmを超える厚み、縦隔胸膜への進展などが悪性を支持するが、中皮腫と肺癌の確定には組織・免疫染色などを要する。
診断専門医 2021年度 問28
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問28
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
典型的な基部下側壁の中層増強や低いnative T1などを参考にします。今回の局所菲薄化と斑状病変では別の病態を優先します。
b|誤り
肥大と関連する増強が中心で、局所の中隔菲薄化と非冠動脈性斑状増強はサルコイドを支持します。
c|誤り
冠動脈支配域の心内膜下から貫壁性の分布が典型で、今回の非冠動脈性増強とは異なります。
d|誤り
全周性の心内膜下増強や壁肥厚、nulling異常が代表で、局所的な中隔菲薄化とは典型が異なります。
e|正しい
不整脈と、局所菲薄化を伴う非冠動脈支配性の斑状増強が合います。臨床・全身所見やFDG画像と統合します。
判断のポイント
心室中隔の局所的菲薄化と冠動脈支配に一致しない斑状・中層寄りの遅延造影を認め、不整脈という臨床像と合わせて心サルコイドーシスを考える。
鑑別・注意点
LGEは線維化・障害を示すが、活動性炎症を単独で確定しない。FDG PETの適切な前処置下での所見、他臓器病変、心電図や必要な組織診と統合する。
診断専門医 2021年度 問29
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問29
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
複数の脾組織が認められ、無脾とする記述は合いません。
b|正しい
下大静脈肝部の中断を補う拡張奇静脈が確認され、多脾・左側相同に伴う構築を考えます。
c|誤り
肝の左右配置や形態に異常があり、正常配置とはしません。
d|誤り
多脾では左側相同に伴う両側左肺構造を考えます。右側相同の特徴と区別します。
e|誤り
重症チアノーゼ性心疾患は無脾・右側相同でより多い特徴です。多脾にも心疾患はあるため、この患者の手術歴を軽視はしません。
判断のポイント
複数の脾組織と肝の左右配置異常に、肝部下大静脈の離断を補う太い奇静脈を認め、多脾症候群に伴う奇静脈連結を考える。
鑑別・注意点
左側相同に関連する所見として整理するが、脾臓の数だけで心房・気管支形態を確定しない。多脾症でも複雑心奇形やチアノーゼは生じ得るため、チアノーゼが絶対にないとは説明しない。
診断専門医 2021年度 問30
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問30
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
分枝起始部の憩室状拡張を同定する設問で、独立した通常型の大動脈瘤と一括しません。
b|条件・画像に注意
右弓と異所性左鎖骨下動脈では左動脈管索が加わると輪を形成し得ます。ただし提示像だけで索を含む完全な輪を確定しません。
c|誤り
左右二本の開存弓ではなく、右弓と異所性分枝の構築です。
d|正しい
弓が気管の右側を通過する位置関係が確認できます。
e|正しい
異所性鎖骨下動脈の起始部にある憩室状の拡張が該当します。径や食道・気管との関係も評価します。
判断のポイント
大動脈弓が気管右側を走り、異所性左鎖骨下動脈の起始に憩室状拡張を伴うため、右側大動脈弓とKommerell憩室を同定する。
鑑別・注意点
Kommerell憩室は単なる場所を問わない大動脈瘤とは区別する。動脈管索を含め血管輪を形成し得るが、提示像だけで完全な輪の全構造を確定せず、気管・食道との位置関係を連続断面で確認する。
診断専門医 2021年度 問31
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問31
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
リード留置の既往と右腕からの造影で本来の静脈経路が途絶し、側副路が発達する像が支持します。
b|正しい
後胸壁の肋間静脈から奇静脈へ流入し、中心静脈閉塞を迂回する経路となっています。
c|正しい
胸壁を肋骨に沿って走る拡張静脈が、中心静脈へ戻る側副経路として描出されています。
d|誤り
胸骨近傍を走る内胸静脈の明瞭な発達は示されていません。外側胸壁の血管と取り違えません。
e|正しい
腋窩から外側胸壁に続く拡張した静脈が、肋間系へ連絡する迂回路として描出されています。
判断のポイント
右腕頭静脈の閉塞を疑う所見と、外側胸静脈・肋間静脈から奇静脈へ流れる発達した迂回路が描出される。一方、内胸静脈の明瞭な拡張はなく、この症例で側副路として発達しているとする記載が適合しない。
鑑別・注意点
内胸静脈が一般に側副路にならないという意味ではない。閉塞の高さと範囲、注入側によって造影経路は変わるため、断面像で血管を同定し3D像と対応させる。
診断専門医 2021年度 問32
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問32
解答例:e(代表的な病態としての選択)
選択肢別の解説
a|誤り
新生バリアントによる孤発例は一般に約4分の1とされ、半数とする説明は標準的ではありません。
b|誤り
予防的手術と適切な診療により予後は改善しています。多くが50歳までに死亡するという旧来の一般化は不適切です。
c|誤り
主因はフィブリリン1をコードするFBN1です。凝固蛋白のフィブリノーゲンとは異なります。
d|誤り
大動脈基部・上行大動脈の病変とA型解離は重要です。下行大動脈の方が多いと単純化しません。
e|条件・画像に注意
典型的には偽腔を形成し、偽腔血栓化型が相対的に少ないという設問です。閉塞型が起こらないという意味ではなく、追跡画像で両腔を評価します。
判断のポイント
手首・母指徴候と大動脈病変からMarfan症候群を考える。原因は主にフィブリリン1をコードするFBN1の病的バリアントであり、典型的な解離は偽腔を形成する。選択肢では偽腔閉塞型が相対的に少ないとする記載を選ぶ。
鑑別・注意点
FBN1とフィブリノーゲンを混同しない。新生病的バリアントは約25%で、現在の監視・治療下の予後を昔の未治療集団の寿命で説明しない。IMHと国内の偽腔閉塞型分類は完全に同義ではなく、Marfanで閉塞型が絶対に起こらないとはしない。
診断専門医 2021年度 問33
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問33
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
粘液を含む腫瘤の高T2信号と増強を評価する病型で、今回の乳管分布に沿う非腫瘤性増強とは主体が異なります。
b|誤り
大きな分葉状腫瘤や内部裂隙が代表で、区域性の微細な輪状増強とは異なります。
c|誤り
境界明瞭な腫瘤と非増強隔壁などが代表で、今回の乳管に沿う広がりとは異なります。
d|誤り
非腫瘤性増強を示すこともありますが、区域性のclustered ringでは乳管内病変を優先します。
e|正しい
区域性に微細な輪状増強が集まるパターンはDCISを強く疑う所見です。浸潤の有無は病理で確認します。
判断のポイント
乳管系に沿う区域性の非腫瘤性増強に、小環状増強が集まるclustered ring enhancementを認め、DCISを優先する。腫瘤の有無だけでなく、分布と内部増強様式を読む。
鑑別・注意点
clustered ringは悪性を疑う所見だが、DCISだけに特異的ではなく微小浸潤癌などでもみられる。浸潤性小葉癌も非腫瘤性増強を示し得るため、他の選択肢はすべて腫瘤になるとは説明しない。
診断専門医 2021年度 問34
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問34
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
脂肪と乳腺成分を含む被包化腫瘤が代表で、乳輪下の辺縁増強する液体貯留とは異なります。
b|誤り
充実性の良性腫瘤で、今回の膿性内容を示唆する液体腔と周囲炎症とは異なります。
c|正しい
乳輪下の液体貯留、壁の増強と内部の拡散異常が感染性貯留を支持します。DWIはADCと併せ、治療後の消退も確認します。
d|誤り
びまん性皮膚・乳房浮腫を来しますが、今回は乳輪下膿瘍を優先します。治療反応が不良なら悪性を再評価します。
e|誤り
浸潤性の増強や構築変化を来しますが、今回の液体腔主体の画像から第一に選ぶ病型ではありません。
判断のポイント
乳輪下の辺縁増強を伴う液体貯留に、DWI高信号を示す内部内容があり、発赤と合わせて乳輪下膿瘍を優先する。膿性内容の拡散制限と、造影される壁を分けて観察する。
鑑別・注意点
炎症性乳癌や壊死性腫瘍と重なる所見もある。ADC、超音波、臨床的感染所見や排膿・培養と対応し、治療後も残存する病変は組織評価を含めて再検討する。
診断専門医 2021年度 問35
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問35
解答例:a
選択肢別の解説
a|可能性が最も低い
通常は円形・分葉状で比較的明瞭な腫瘤です。今回の強いスピキュラと構築の乱れは典型像から離れます。
b|鑑別に入る
良性でも硬化性変化でスピキュラ様の構築の乱れを来し得るため、画像だけで癌と区別できない場合があります。
c|鑑別に入る
中心から放射状に広がる線状影・構築の乱れを示し、浸潤癌との鑑別に含めます。
d|鑑別に入る
目立つ塊よりも構築の乱れとして現れることがあり、提示所見の重要な悪性鑑別です。
e|鑑別に入る
線維性間質を伴う浸潤癌では不整な高濃度陰影とスピキュラを呈し、十分に考えられます。
判断のポイント
明瞭なスピキュラを伴う高濃度病変と構築の乱れがあり、浸潤癌のほか放射状瘢痕や硬化性病変を鑑別する。通常は境界明瞭な円形・分葉状腫瘤を示す葉状腫瘍が、選択肢では最も典型像から離れる。
鑑別・注意点
スピキュラがあれば必ず癌、葉状腫瘍なら決して辺縁不整にならない、とはしない。追加方向・圧迫像、超音波と組織診で確定する。
参考文献
診断専門医 2021年度 問36
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問36
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
皮質結節・上衣下病変が代表で、血流豊富な小脳壁在結節を中心とする像とは異なります。
b|正しい
小児の小脳嚢胞に著明な高灌流の壁在結節があり、血管芽腫と関連するVHLを評価します。遺伝学的診断は別途必要です。
c|誤り
軟膜血管病変や脳萎縮が代表で、今回の小脳嚢胞と高灌流結節とは異なります。
d|誤り
視神経膠腫などの関連腫瘍が代表で、今回の血管芽腫を示唆する構成とは異なります。
e|誤り
両側前庭神経鞘腫や髄膜腫などが代表で、小脳血管芽腫との典型的関連ではありません。
判断のポイント
小脳囊胞性病変の壁在結節にflow voidと著明なASL高灌流を認め、血管芽腫を優先する。小児発症ではVHL病との関連を評価する。
鑑別・注意点
毛様細胞性星細胞腫も囊胞と壁在結節を示すが、結節内血管と非常に高い灌流が血管芽腫を支持する。単発腫瘍像だけでVHL病を確定せず、網膜・中枢神経・腹部病変や家族歴、遺伝学的評価を合わせる。
診断専門医 2021年度 問37
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問37
解答例:aを候補(血管と横隔膜の確認が必要)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
肺様の高T2病変と体循環から向かう可能性のある血管が支持します。大動脈起始の栄養血管を超音波等で確かめます。
b|誤り
右肺低形成や異常肺静脈還流の走行を確認する疾患で、提示の高T2腫瘤だけでは支持しません。
c|誤り
典型的には限局した液体嚢胞で、今回の肺実質様の広い病変とは異なります。
d|条件・画像に注意
肺低形成は胸腔内病変に二次的に伴うことがありますが、見えている腫瘤性病変そのものの診断とは分けます。
e|条件・画像に注意
胸腔内へ上がった消化管・肝と横隔膜の欠損を確認します。二断面だけで否定せず、肺様組織と栄養血管を区別します。
判断のポイント
胎児胸腔内の高T2信号の肺様病変と、大動脈から向かう可能性のある血管様低信号構造から肺分画症を候補とする。囊胞性成分を伴う肺分画症・CPAMのhybrid lesionもある。
鑑別・注意点
提示された少数断面で流入動脈を確実には追えない。Doppler超音波と連続MRIで体循環からの供血、横隔膜の連続性、胃・腸管の位置を確認し、横隔膜ヘルニアなどと区別する。単なる囊胞の有無だけで結論づけない。
診断専門医 2021年度 問38
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問38
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
食道上端で管が止まり腹部ガスが乏しいため、瘻を伴わない閉鎖が候補です。
b|正しい
近位瘻だけなら遠位胃腸へ空気が流入せず、このガスの乏しい像と両立します。
c|誤り
遠位瘻が開存していれば通常は胃腸にガスが入るため、提示像からの候補として下がります。
d|誤り
近位・遠位両方に瘻がある型で、遠位瘻を通る胃腸ガスが期待されます。
e|誤り
食道の連続性を保つH型瘻で、上部で管が止まる閉鎖像とは異なります。
判断のポイント
食道内チューブが上部で止まり、腹部の消化管ガスがほとんどない。開存した遠位気管食道瘻を伴わない食道閉鎖を考え、瘻のないA型と近位瘻のみのB型が該当する。
鑑別・注意点
遠位瘻を伴うC・D型では通常腹部ガスがみられるが、瘻の閉塞などによる例外もある。単純写真だけで瘻の解剖を確定せず、気管支鏡などを含め術前に確認する。
診断専門医 2021年度 問39
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問39
解答例:a、cを候補(2疾患への絞り込みは保留)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
動脈相で強く増強し肝細胞相で欠損となる病変として候補です。T2信号と血液プールに沿う後続相の増強で確かめます。
b|誤り
通常は周囲に近い肝細胞相の取り込みを保ち、動脈相濃染も典型的ではありません。今回の強い動脈増強と欠損には合いにくい候補です。
c|条件・画像に注意
多血性で肝細胞相低信号となることが多く、候補に残ります。ただし肝細胞腺腫の取り込みは亜型で異なり、低信号だけで診断はできません。
d|条件・画像に注意
多血性かつ肝細胞相低信号となる実例があり、候補から除外できません。脂肪の乏しい病変もあるため、肉眼的脂肪が見えないことだけでは否定せず、脂肪検出用MRIや腫瘍血管・早期流出静脈を確認します。
e|条件・画像に注意
典型例では肝細胞相で同~高信号となり、今回の低信号は典型から外れます。ただし原著には中央低信号・辺縁取り込み型や全体が低信号となる例もあり、取り込みが乏しいことだけで完全には否定できません。
判断のポイント
病変は動脈相で強く増強する一方、提示された肝細胞相では周囲肝より低信号である。旧解説の取り込み陽性を前提としたFNH優先を見直し、血管腫や肝細胞腺腫を候補に置く。
鑑別・注意点
提示された二相を再確認しても、鑑別を二疾患に絞る根拠は不足する。血管腫ではT2高信号と血液プールに沿う増強、肝細胞腺腫では脂肪・出血・亜型、肝血管筋脂肪腫では脂肪や腫瘍血管・早期流出静脈を検討する。これらの追加所見は原本には提示されておらず、存在すると仮定しない。FNHの非典型的低信号も考慮し、a、cは候補の表示にとどめる。
参考文献
- EOB肝細胞相のHCA信号を亜型別に検討した系統的レビュー・メタ解析
- EOB肝細胞相を含む良性・悪性肝腫瘤の画像診断(IDKD)
- Mohajer et al. Characterization of hepatic adenoma and focal nodular hyperplasia with gadoxetic acid(2012):HCA低信号とFNH同~高信号の基本的対比。少数例研究の結果を全亜型へ一般化しない。
- van Kessel et al. Focal nodular hyperplasia: hepatobiliary enhancement patterns on gadoxetic-acid contrast-enhanced MRI(2013):FNHでも低信号中心と辺縁取り込み、全体低信号となる例があり、低信号だけで除外できない。
- Hepatic angiomyolipoma with special attention to radiologic imaging(2015):病理確認された肝AMLの画像研究で多血性、脂肪量の変動、EOB肝細胞相欠損および早期流出静脈を記載。
診断専門医 2021年度 問40
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問40
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
典型は著明なT2高信号と血管性増強です。今回の高蛋白性内容を示唆するT1高信号嚢胞では別の病変を優先します。
b|誤り
肝細胞性腫瘍の充実部や造影を評価する必要があります。被膜直下の平滑な小嚢胞性病変では第一候補ではありません。
c|誤り
通常は多発微小嚢胞で強いT2高信号を示し、単発のS4被膜下高蛋白性嚢胞とは典型が異なります。
d|誤り
脂肪を含むことがありますが、抑制後も高信号の内容は脂肪だけで説明しません。充実性血管成分の情報も必要です。
e|条件・画像に注意
S4の被膜下という位置と粘稠な内容に合うT1高信号が支持します。画像だけで病理を確定せず、造影・経過と合わせます。
判断のポイント
肝S4の被膜直下に境界明瞭な単房性病変があり、脂肪抑制T1高信号と、単純液体ほど強くないT2信号を示すため、粘稠な内容の前腸性肝囊胞を考える。
鑑別・注意点
T1高信号だけでは脂肪や出血と確定しない。脂肪抑制、造影差分で内部の増強の有無を評価する。非典型部位・増強壁在結節などがあれば他の囊胞性腫瘍を含めて再評価し、確定は病理による。
参考文献
診断専門医 2021年度 問41
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問41
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
静脈うっ滞でも不均一な増強を来しますが、心不全・肝静脈拡張より化学療法と網状の肝細胞相欠損の関係を重視します。
b|誤り
急速な肝機能不全などの臨床情報が必要で、今回の化学療法関連の網状信号変化を最も説明する候補ではありません。
c|誤り
鉄沈着による信号低下は主にT2・T2*で評価します。提示された肝細胞相の網状低信号を鉄沈着と即断しません。
d|正しい
化学療法に伴う類洞障害で、肝細胞相に網状・斑状欠損を来します。転移の結節性欠損と背景肝の変化を分けます。
e|誤り
脂肪や炎症・線維化の評価を要する病態で、化学療法後の網状欠損からはSOSを優先します。
判断のポイント
化学療法中の肝に、EOB肝細胞相で網目状・まだらな低信号を認め、類洞閉塞症候群(SOS、旧称VOD)を考える。肝転移そのものの結節性欠損とは背景肝の分布を分けて読む。
鑑別・注意点
オキサリプラチンなどが原因となり得るが、この設問に具体的薬剤名はなく、処方を確認する。うっ血や他の肝障害との鑑別に、肝静脈、脾腫、血小板・肝機能と治療経過を合わせる。
診断専門医 2021年度 問42
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問42
解答例:eを優先(膵との連続を追加確認)
選択肢別の解説
a|誤り
急性血腫だけでは厚い周辺石灰化を説明しにくく、外傷前からの病変を考えます。
b|条件・画像に注意
膵周囲の動脈瘤は腫瘤に見えることがあり、単純CTだけでは除外できません。造影CTの動脈相と多断面像、必要に応じた血流評価で血管との連続を調べます。血管性病変を除外するまで穿刺対象と判断しません。
c|誤り
小嚢胞の集簇と中心瘢痕・中心石灰化が代表で、厚い周辺石灰化と内部混在では典型から離れます。
d|誤り
脂肪・石灰化・軟部組織が混在する後腹膜病変です。今回は明瞭な肉眼的脂肪に乏しく、膵との関係を先に確認します。
e|条件・画像に注意
SPNは被膜、石灰化、出血や変性を伴うことがあり鑑別候補です。ただし提示像の周辺石灰化を腫瘍被膜と同一視せず、内部の低吸収を出血・壊死と確定しません。膵原発と造影される充実部を確認できないため、候補の段階にとどめます。
判断のポイント
膵周囲の境界明瞭な病変に周辺石灰化と内部の不均一な吸収を認める。SPNを鑑別に置くが、単純CTだけでは腫瘍の被膜と動脈瘤壁を区別できず、膵原発を確定する情報も不足する。eの優先は暫定的な解答候補であり、bを除外した確定解ではない。
鑑別・注意点
造影のない少数断面から、腫瘍内出血・壊死や血管内血栓を確定しない。まず血管との連続性と血流の有無を確認し、そのうえで膵との連続性や造影される組織を評価する。血管性病変の可能性が残る段階で、生検・穿刺を勧める根拠にはしない。
参考文献
- SPNのCTと病理を対応させた画像研究
- Palmucci et al. Diagnosis of ruptured superior mesenteric artery aneurysm mimicking a pancreatic mass(2010):SMA動脈瘤が膵領域腫瘤に見えた実症例。造影と多断面再構成による血管との連続性確認の重要性。
診断専門医 2021年度 問43
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問43
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
線維性成分による遅延増強などを評価します。今回の多血性と早期静脈描出の組合せでは血管筋脂肪腫を優先します。
b|誤り
多血性で肝細胞相欠損を示し重要な鑑別ですが、早期流出静脈などを合わせると血管筋脂肪腫が有力です。
c|正しい
多血性、肝細胞相欠損と早期に描出される流出静脈が支持します。脂肪が目立たない病変もあります。
d|誤り
通常は低血流の腫瘤で、今回の著明な動脈増強と早期流出静脈とは典型が異なります。
e|誤り
典型例は肝細胞相で同~高信号です。今回の欠損と血管構築からは血管筋脂肪腫を優先します。
判断のポイント
肝左葉の多血性腫瘤が肝細胞相低信号を示し、動脈相で腫瘤近傍に早期に描出される静脈を伴う点から、肝血管筋脂肪腫を優先する。
鑑別・注意点
脂肪成分は少ない例もある。肝細胞腺腫や一部の肝細胞癌と造影が重なるため、流出静脈だけで確定せず、脂肪・被膜、背景肝と病理を含めて判断する。
診断専門医 2021年度 問44
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問44
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
著明な均一T2高信号と血管性増強が代表で、末梢胆管拡張と辺縁主体のDWI像とは合いにくい候補です。
b|誤り
背景肝や動脈増強・washoutが重要です。今回の胆管拡張と標的状拡散異常では胆管癌を優先します。
c|正しい
末梢胆管の拡張と、中心線維性成分・辺縁細胞成分を反映し得る標的状DWIが支持します。造影・病理と統合します。
d|誤り
強い拡散制限を来しますが、今回の中心と辺縁の差、末梢胆管拡張の組合せから第一候補ではありません。
e|誤り
通常は良性の肝細胞性過形成で、局所胆管閉塞と悪性を疑う標的状病変を最も説明しません。
判断のポイント
肝S4腫瘤に末梢胆管の拡張と、DWIで中心より辺縁が高信号となる標的状の分布があり、腫瘤形成型肝内胆管癌を考える。中心の線維性間質と辺縁の腫瘍細胞成分が不均一な像に関与する。
鑑別・注意点
DWI高信号はADCや造影像と対応させる。胆管拡張などからlarge duct型を疑うことはあっても、提示像だけで病理亜型を確定しない。
診断専門医 2021年度 問45
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問45
解答例:dを優先(悪性病変を除外して判断)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
局所性の低増強腫瘤を作り重要な鑑別です。多発性、遅延増強と管拡張の乏しさは炎症を支持しますが、悪性の除外は必要です。
b|誤り
通常は尾部で脾臓と各相の増強が一致します。今回の頭尾部の遅延性増強病変とは合いません。
c|誤り
多発性病変を作りますが、原発歴・増強様式を確認します。今回の遅延性増強と膵管所見では炎症を優先します。
d|条件・画像に注意
複数部位の早期低増強と後期増強、著明な上流管拡張に乏しいことが支持します。IgG4や組織・他臓器所見と合わせます。
e|誤り
小嚢胞の集簇・中心瘢痕などの構成が代表で、今回の多発する実質性遅延増強病変とは異なります。
判断のポイント
膵頭部と尾部に早期相で低吸収、後の相で増強が追い付く病変を認め、著明な主膵管拡張にも乏しいため、多発腫瘤型の自己免疫性膵炎を考える。
鑑別・注意点
多発転移や膵癌との鑑別を残す。MRCPの膵管狭窄、血清IgG4、他臓器病変やEUS組織診を合わせ、悪性を十分評価せずにステロイドへの反応だけで診断しない。
診断専門医 2021年度 問46
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問46
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
膵十二指腸動脈の血流負荷による真性瘤を考える構築です。膵炎などに伴う仮性瘤とは背景を区別します。
b|誤り
この血行力学的病態の代表的関連は腹腔動脈狭窄であり、脳動脈瘤の高頻度合併を特徴としません。
c|正しい
上腸間膜動脈から膵十二指腸弓を経て肝動脈へ向かう発達した血流は、腹腔動脈の流入障害を示唆します。
d|正しい
膵十二指腸動脈瘤は小さくても破裂が問題となり、一般に径だけで観察を選ばず治療を検討します。
e|正しい
側副血流の増加による血管壁への負荷が瘤形成に関与します。流入狭窄と瘤を一体として評価します。
判断のポイント
膵十二指腸アーケードの動脈瘤と、上腸間膜動脈側から肝動脈側へ向かう側副血流を認める。腹腔動脈根部の狭窄に伴う血行力学的負荷を考え、脳動脈瘤の高頻度合併を特徴とする記載が適合しない。
鑑別・注意点
膵十二指腸動脈瘤は破裂危険が径だけでは判断できず、治療可能な患者ではサイズにかかわらず治療が推奨される。膵炎・外傷による仮性瘤もあり、すべての同部位瘤を真性瘤と一般化しない。
参考文献
診断専門医 2021年度 問47
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問47
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
結石による水腎症では尿路と連続した拡張を確認します。今回は排泄性充盈がない別の嚢胞性構造です。
b|誤り
ADPKDの関連所見と混同しません。孤立した腎洞嚢胞は同じ脳動脈瘤リスクを意味しません。
c|誤り
単純液体は通常拡散しやすく、腎実質より低いADCを基本特徴としません。今回ADC像は提示されていません。
d|正しい
単純な腎洞嚢胞と確認でき、閉塞・疼痛・感染などがなければ通常治療を要しません。
e|誤り
単純嚢胞の内部は造影されません。周囲の造影される集尿系と嚢胞を区別します。
判断のポイント
左腎洞の多房状T2高信号域には造影剤の排泄による充盈がなく、周囲の集尿系とは別の傍腎盂・腎洞囊胞を考える。無症状で単純囊胞として確認できれば通常は治療を要しない。
鑑別・注意点
旧解説の重複腎盂尿管という説明では腎洞内病変を説明できない。排泄相やMR urographyで集尿系との非交通性を確認する。閉塞・感染・疼痛や複雑な囊胞所見があれば個別に評価する。
診断専門医 2021年度 問48
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問48
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
皮下や腹壁筋層間の空気が確認できます。後腹膜から筋膜面を介した進展を考えます。
b|誤り
提示断面では腹膜腔内の空気が明確でなく、後腹膜・腹壁内の分布が主体です。全CT範囲の陰性を意味するものではありません。
c|正しい
腎前方の筋膜外にもガスがあり、前腎傍腔への進展を評価します。
d|正しい
腎筋膜内で腎を囲むガスがあり、腎周囲腔にも進展しています。
e|正しい
腎筋膜の後方、後腹壁側のガスは後腎傍腔の分布に対応します。
判断のポイント
腎を囲む腎周囲腔、前後の腎傍腔や腹壁側へ広がるガスを認める一方、提示断面では腹腔内ガスを確認できない。腎筋膜と腹膜・腹横筋膜との位置関係で区画を分ける。
鑑別・注意点
この一断面で見えないことと、全腹部にガスがないことは異なる。後腹膜の筋膜間隙を介して複数区画へ広がることがあり、全断面で穿孔部位や炎症の範囲を評価する。
参考文献
診断専門医 2021年度 問49
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問49
解答例:eを候補(dとの鑑別は保留)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
脂質を含む腺腫なら均一な低吸収などを評価しますが、不均一な石灰化病変では典型像とはいえません。測定値とwashoutが必要です。
b|誤り
大型・不整な浸潤や壊死を伴う場合に疑います。提示の境界明瞭で早期増強の乏しい病変から第一には選びません。
c|誤り
通常は比較的強い増強を示します。画像が非典型でも生検・手術前には必要に応じカテコールアミン評価を行います。
d|条件・画像に注意
肉眼的脂肪があれば重要な候補です。画像の低吸収域をHU値やMRIで確認せず、脂肪の存在を断定も否定もしません。
e|条件・画像に注意
早期増強に乏しく漸増性増強や石灰化を示す腫瘍として候補です。提示解像度では脂肪性病変との区別を保留します。
判断のポイント
境界明瞭な右副腎腫瘤に石灰化があり、早期増強に乏しいことから神経節細胞腫を候補とする。神経節細胞腫には漸増性の遅延増強や、まれに脂肪混在も報告されている。
鑑別・注意点
肉眼的脂肪が主体なら骨髄脂肪腫を優先する。画像の低吸収部をCT値測定なしに脂肪と決めず、非造影値、遅延相やMRIで成分を確認する。脂肪が少ない骨髄脂肪腫もあり、脂肪量だけで除外しない。
診断専門医 2021年度 問50
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問50
解答例:e
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
子宮との連続やbridging vesselsがあれば鑑別に残ります。今回は付属器の低T2腫瘤と捻転茎を重視します。
b|誤り
脂肪成分と漏出、腹膜炎所見が手掛かりです。提示の低T2充実腫瘤では支持しにくい候補です。
c|誤り
通常は脂肪抑制後もT1高信号の血液を含む嚢胞で、今回の線維性低T2充実病変とは異なります。
d|誤り
捻転は説明しても明瞭な脂肪性内容に乏しく、奇形腫を第一とする根拠が不足します。
e|正しい
著明なT2低信号の線維性腫瘤と捻転茎、乏しい内部増強から考えます。原発臓器と血行障害を合わせて確認します。
判断のポイント
高齢者の付属器領域の低T2信号腫瘤に、捻転茎を疑う構造と乏しい内部増強があり、卵巣線維腫の茎捻転を優先する。明瞭な脂肪を認める奇形腫とは異なる。
鑑別・注意点
線維性組織自体も低増強を示すため、増強不良だけで梗塞と確定せず、茎の捻れ、浮腫・出血、卵巣と子宮の関係を合わせる。腫瘍マーカー正常でも捻転や腫瘍を否定できない。
参考文献
診断専門医 2021年度 問51
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問51
解答例:eを優先(組織型は病理で確定)
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
内膜症関連の血性嚢胞に造影結節を生じる重要な鑑別ですが、若年と高T2乳頭状成分の像では境界悪性を優先します。
b|条件・画像に注意
内膜症と関連し得ますが、画像のみで組織型を選別できません。今回の乳頭状構造と弱い増強では第一候補ではありません。
c|誤り
多血性の充実成分や奇形腫との関連を来し得ますが、今回の血性嚢胞と乳頭状結節の構成を最も説明しません。
d|誤り
若年の充実性腫瘍で強い早期辺縁増強などが代表です。大きな嚢胞と乳頭状成分主体の像とは異なります。
e|条件・画像に注意
血性・蛋白性内容の嚢胞と高T2乳頭状成分が支持します。画像だけで境界悪性の組織型を確定しません。
判断のポイント
血性・蛋白性内容を示すT1高信号囊胞に、T2高信号の乳頭状壁在成分と比較的弱い増強を認め、若年発症も合わせて漿液粘液性境界悪性腫瘍を優先する。
鑑別・注意点
内膜症性囊胞に壁在結節があれば明細胞癌・類内膜癌や非腫瘍性血塊も鑑別する。サブトラクションで真の増強を確認し、増強が弱いことだけで境界悪性・良性と決めない。
診断専門医 2021年度 問52
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問52
解答例:bを候補(cとの鑑別は保留)
選択肢別の解説
a|誤り
若年女性の平滑な低T2腫瘤では典型的尿路上皮癌を先に選びません。粘膜の状態と必要に応じ組織を確認します。
b|条件・画像に注意
平滑な境界と著明なT2低信号は平滑筋成分を支持します。ただしADCだけで良性と判定せず、内膜症も鑑別します。
c|条件・画像に注意
線維化により低T2となる膀胱内膜症も重要です。T1高信号の出血、月経関連症状や他部位内膜症を追加確認します。
d|誤り
通常は血流豊富でT2高信号を含む腫瘍を考えます。今回の著明な低T2信号は平滑筋・線維化を示唆します。
e|誤り
高細胞性腫瘤として低ADCを来し得ますが、今回の平滑な低T2腫瘤を第一に説明する候補ではありません。
判断のポイント
若年女性の膀胱壁に、境界の比較的明瞭な著明なT2低信号腫瘤を認め、平滑筋腫を候補に置く。一方で小さなT2高信号部や内部不均一性があり、膀胱子宮内膜症も残る。
鑑別・注意点
ADC 1.08×10^-3 mm²/sだけで良悪性や組織型を決めない。月経との症状の関連、脂肪抑制T1での微小出血、子宮との連続、造影・膀胱鏡と必要な組織診を合わせる。T1高信号が目立たなくても子宮内膜症を除外できない。
診断専門医 2021年度 問53
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問53
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
類表皮嚢胞を疑う良性病変へ、病理未確認のまま放射線治療を行いません。
b|誤り
悪性腫瘍の病期診断では必要ですが、特徴的な良性を疑う腫瘤で最初から全身検査を治療方針の代わりとはしません。
c|正しい
同心円状エコーが類表皮嚢胞を支持します。腫瘍マーカー・血流評価と術中病理などで良性を確認し、温存手術を検討します。
d|誤り
組織型・病期を確認せず全身薬物療法を始めません。画像はまず良性嚢胞を考える形態です。
e|誤り
悪性が疑わしければ高位摘除が基本ですが、全例で緊急摘除とする選択肢は、良性が強く疑われる今回には合いません。
判断のポイント
精巣内の境界明瞭な腫瘤に同心円状の高低エコーが重なるonion-ring patternを認め、類表皮囊胞を優先する。良性が確認できる条件では腫瘤核出などの精巣温存手術を考える。
鑑別・注意点
画像だけで悪性腫瘍を完全に除外せず、Doppler血流、AFP・hCGなどと必要な術中迅速診断を組み合わせる。無条件の経過観察や、緊急の高位精巣摘除を一律に選ぶ場面ではない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2021年度 問54
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問54
解答例:cを優先(内視鏡と感染検査で確認)
選択肢別の解説
a|誤り
胃壁外への憩室と比較するより、ニッシェと集中するひだを持つ潰瘍を疑います。
b|誤り
潰瘍という部分は候補ですが、背景粘膜の粗造・ひだの腫大は未感染の平滑粘膜とは異なります。
c|条件・画像に注意
比較的整ったニッシェとひだ集中が潰瘍を、背景の粗造・ひだ肥厚が感染性胃炎を示唆します。現感染は内視鏡や検査で確認します。
d|誤り
進行癌の不整な潰瘍と周堤・ひだ断裂を十分示す像ではなく、背景を未感染とする点も合いません。
e|誤り
背景感染は考えますが、矢印病変は潰瘍を優先します。悪性を画像だけで除外せず内視鏡・生検で確かめます。
判断のポイント
矢印部に比較的整ったニッシェと集中するひだがあり、背景のひだの腫大・粘膜粗造を合わせ、H. pylori現感染を背景とする胃潰瘍を疑う。
鑑別・注意点
造影X線だけでは潰瘍の良悪性や現感染を確定できない。内視鏡・生検と尿素呼気試験などを組み合わせ、画像上潰瘍らしくても癌を除外する。
診断専門医 2021年度 問55
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問55
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
高吸収域は腸壁内の肥厚ではなく、腸管内腔を占める塊として見えます。
b|誤り
腸管集簇と腸間膜血管の異常などを評価します。今回は閉塞点付近の高吸収食物塊が直接的所見です。
c|正しい
腸管内の均一な高吸収塊と口側拡張は、餅などの食物による閉塞を支持します。摂食歴を確認します。
d|誤り
壁浮腫と腹水、生魚摂取歴が手掛かりで、均一高吸収の内腔物質による閉塞とは異なります。
e|誤り
回腸に続く盲端構造や出血源を評価する病態で、今回の高吸収食物塊と上流拡張を最も説明しません。
判断のポイント
小腸内の均一で高吸収の塊と口側腸管拡張から、餅などによる食餌性イレウスを考える。壁内病変ではなく腸管内腔にある物質として位置を読む。
鑑別・注意点
食事内容と摂取時期を確認する。高吸収物があればすべて餅ではなく、異物や結石なども鑑別し、閉塞移行部と腸管虚血・穿孔の有無を評価する。
診断専門医 2021年度 問56
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問56
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
胆囊癌の充実性壁病変より、胆道と消化管の交通、異所性結石による閉塞を考える所見です。
b|誤り
総胆管内結石だけでは異所性の腸管内結石と胆道気腫・閉塞を一括して説明しません。
c|正しい
異所性胆石と上流消化管の拡張、胆道気腫から考えます。閉塞部位により胃出口閉塞型も含みます。
d|正しい
胆囊内へ空気が入り、十二指腸との交通を疑うため、結石が消化管へ出た経路として考えます。
e|誤り
粘膜下腫瘍では胆道気腫と異所性結石の組合せを説明できません。
判断のポイント
胆道気腫と胆囊・十二指腸の交通を疑う所見に、腸管内の異所性結石と閉塞性拡張を認め、胆囊十二指腸瘻を介した胆石イレウスを考える。
鑑別・注意点
胆道気腫だけなら乳頭切開後などもあり得る。結石、閉塞移行部、瘻孔と既往を合わせて診断し、高齢者では脱水・電解質異常、虚血や穿孔の有無も速やかに評価する。
診断専門医 2021年度 問57
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問57
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
腫瘍へ抗癌薬などを動注する方法ではなく、栄養動脈の血流を粒子で減らす治療です。
b|正しい
卵巣機能への影響などで一過性・持続性無月経を来し得ます。年齢と妊娠希望を踏まえて説明します。
c|誤り
適切な症候性筋腫では過多月経などの改善は一般にこの程度より高く、症状別・追跡時点で評価します。
d|誤り
通常は筋腫の末梢血管まで到達する粒子を用います。近位をコイルで閉じることを定型法としません。
e|誤り
筋腫は両側から供血されることが多く、通常は両側子宮動脈を評価・治療します。半数だけを両側治療するという整理ではありません。
判断のポイント
症候性多発子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術では、一過性または持続性の無月経・卵巣機能低下が合併症となり得る。症状、年齢、妊娠希望などを踏まえて適応を判断する。
鑑別・注意点
通常は両側子宮動脈の腫瘍栄養を粒子状塞栓物質などで遮断する。薬物動注やコイルによる近位閉塞を基本手技とはしない。症状改善率と筋腫の体積縮小率を混同せず、妊孕性の説明も行う。
診断専門医 2021年度 問58
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問58
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
非標的組織障害を避けるため粒子などを適切に選び、通常の気管支動脈塞栓でエタノールを標準としません。
b|誤り
アスペルギルス関連喀血にも適応があります。再出血リスクと原疾患治療を合わせて考えます。
c|正しい
脊髄栄養枝への非標的塞栓を防ぎ、手技中・後の麻痺などを速やかに確認することが重要です。
d|誤り
全例の定型前処置として頭部MRIを必要とするわけではありません。出血源と脊髄枝・短絡の評価が中心です。
e|誤り
一旦止血できても再開通や新しい側副路、原疾患の進行で再発し得ます。止血成功だけで追跡を終えません。
判断のポイント
気管支動脈や肋間動脈系から脊髄栄養血管が分岐する場合があり、非標的塞栓による脊髄虚血に注意する。造影時の枝の確認と、手技中・後の神経症状の評価が重要である。
鑑別・注意点
粒子状物質やNBCAなどを症例に応じて用い、エタノールを通常薬剤とはしない。コイルを絶対に使わないとは説明せず、適応を分ける。肺アスペルギルス症も治療対象となり、止血後も原疾患や側副血行路による再喀血があり得る。
診断専門医 2021年度 問59
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問59
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
出血側の左肺を下にし、健側への血液流入を減らします。気道と呼吸・循環状態を同時に評価します。
b|誤り
持続する動脈出血源が確認されれば検討しますが、直後の初期対応として無条件に選ぶ処置ではありません。
c|誤り
胸腔ドレーンは気胸・血胸などの適応で用います。今回は肺実質内出血と喀血が主体です。
d|誤り
難治性大量喀血なら出血源に応じ検討しますが、まず体位・気道確保と全身状態の安定化を行います。
e|誤り
頭高位だけでは健側への血液流入を防げません。初期の体位は出血側を下にすることを優先します。
判断のポイント
左肺生検後に穿刺周囲の新しいすりガラス影・浸潤影と喀血があり、肺内出血を考える。出血している左側を下にして、健側への血液流入を減らす。
鑑別・注意点
同時に酸素化・気道と循環を確認する。大量・持続出血なら気道隔離、気管支鏡や塞栓などを速やかに検討し、体位変更だけで対応完了とはしない。
診断専門医 2021年度 問60
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問60
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
攣縮による低灌流とは逆に、吻合側の皮質集積が増えています。
b|誤り
過灌流では適切な血圧管理を行い、無条件に昇圧すると出血や浮腫の危険を高めます。
c|誤り
相対画像の左右差だけで左側の絶対血流低下とはしません。右側の増加が主変化です。
d|正しい
術前と比べ吻合側皮質の血流が増しており、再建後の過灌流を考えます。症状や定量評価も合わせます。
e|誤り
術前の低灌流・反応性低下はリスクに関与します。自己調節能障害を背景に術後の血流増加を来します。
判断のポイント
術後に吻合側である右大脳半球皮質の集積が術前より増加しており、バイパス後過灌流を考える。患側は画像の左右表示と手術側を対応させて判断する。
鑑別・注意点
過灌流の画像所見と、神経症状を伴う過灌流症候群を区別する。血圧・水分を管理し、出血や脳浮腫、対側の低灌流を含めて評価する。術前の循環予備能障害はリスク評価に関わる。
診断専門医 2021年度 問61
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問61
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
左前側頭葉の萎縮と同部位の血流低下が対応し、言葉の意味や呼称の障害を重視して考えます。言語・認知検査で裏付けます。
b|誤り
内側側頭葉の変化を来し得ますが、強い前側頭葉の左右差と言語症状では意味性認知症を優先します。
c|誤り
中脳萎縮と前頭葉系の機能低下が代表で、今回の前側頭葉に偏る障害とは異なります。
d|誤り
後頭葉の血流低下や幻視・認知変動などを重視します。今回の前側頭葉萎縮と言語症状を最も説明しません。
e|誤り
後部帯状回・楔前部や頭頂側頭葉の機能低下が代表で、今回の左前側頭葉優位の分布では第一候補ではありません。
判断のポイント
左優位の前側頭葉萎縮と同部位の血流低下があり、喚語障害を合わせて意味性認知症を第一に考える。形態と機能の左右差が対応している。
鑑別・注意点
意味性認知症では単語の理解や物の意味に関する知識の障害を確認する。単なる記憶低下や左右差だけで確定せず、言語・神経心理検査を合わせ、病理蛋白の種類までは画像から断定しない。
診断専門医 2021年度 問62
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問62
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
局所梗塞なら対応する構造病変と集積欠損を確認します。今回の後部被殻優位の両側低下は変性を考える分布です。
b|誤り
通常はシナプス前ドパミン神経終末が保たれ、DAT集積も保たれます。提示像の低下とは異なります。
c|正しい
後部被殻で強い両側線条体集積低下があり、振戦と合わせて選択肢では最も合います。DATだけで他の変性性疾患との鑑別はできません。
d|誤り
純粋なAlzheimer病ではDAT集積は通常保たれます。低下があれば他の病態や併存疾患も考えます。
e|誤り
純粋な薬剤性ではシナプス前DATは通常保たれます。低下時は潜在的な変性疾患の顕在化も検討します。
判断のポイント
両側線条体の集積が低下し、後部被殻が尾状核に比べて乏しいため、黒質線条体ドパミン神経終末の変性を考える。振戦患者の選択肢ではParkinson病が適合する。
鑑別・注意点
DAT低下だけでParkinson病に特異的とはしない。DLBやPSP・MSAなどでも低下し得る。本態性振戦や純粋な薬剤性パーキンソニズムとの区別を助けるが、臨床と構造画像・薬剤歴を統合する。
診断専門医 2021年度 問63
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問63
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
局所炎症を示唆するFDG集積だけで冠血行再建の適応とはしません。虚血・冠動脈病変を別途評価します。
b|誤り
炎症評価では正常心筋の糖利用を十分抑える必要があり、通常の腫瘍検査と同じ6時間だけの絶食では不十分です。
c|条件・画像に注意
適切な診断と活動性評価の下で、心サルコイドーシスに免疫抑制療法を検討します。画像高集積だけで投与を決めず感染などを除外します。
d|誤り
糖負荷は生存心筋評価とは異なり、炎症検出では生理的心筋集積を増やして判定を妨げます。
e|誤り
典型的には非冠動脈性の斑状・中層・心外膜側などの増強です。心内膜下優位はまず虚血性病変と比較します。
判断のポイント
完全房室ブロックの背景に局所的な心筋FDG集積を認め、活動性心サルコイドーシスを疑う。適切に診断された活動性病変には副腎皮質ステロイドなどの免疫抑制療法を用いる。
鑑別・注意点
通常の腫瘍PETと同じ6時間絶食だけでは生理的心筋集積の抑制が不十分となり得る。糖質制限や長時間絶食を施設の手順で行い、前処置の不良・虚血などを除外する。糖負荷は炎症評価の目的に合わない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2021年度 問64
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解答を表示しますか?
問64
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
可逆性虚血も合併し得ますが、心尖部の相対高集積と形態が示す肥大を診断の中心とします。
b|誤り
梗塞では通常は安静時にも残る低集積を評価します。心尖部の相対的高集積を梗塞としません。
c|誤り
内腔拡張とびまん性機能低下が代表で、今回の心尖部高集積の構成とは異なります。
d|正しい
心尖部での増えた心筋量と相対的集積が手掛かりです。心エコー・MRIで壁厚と形態を確かめます。
e|誤り
急性の可逆性壁運動異常を確認する疾患です。心尖部高集積形態だけではその診断を優先しません。
判断のポイント
安静時に心尖部の相対的集積が強く、左室の形態を合わせて心尖部型肥大型心筋症を考える。肥大した心筋では単位領域の心筋量が集積に影響し、負荷時に相対的な目立ちが低下し得る。
鑑別・注意点
負荷像が一見均一でも正常とは限らない。相対表示と絶対血流量を区別し、心エコー・CMRで実際の壁厚や心尖部瘤を確認する。微小循環障害による虚血と冠動脈狭窄を別に評価する。
診断専門医 2021年度 問65
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問65
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
通常は脳や尿路の分布が特徴のPET画像で、今回の骨に分布する平面像の薬剤とは異なります。
b|誤り
炎症や腫瘍を評価する製剤で、今回の骨トレーサーによる心筋描出の分布とは異なります。
c|誤り
心筋血流を評価しますが、骨の分布と強いびまん性心筋集積を示す今回の薬剤とは異なります。
d|正しい
骨にも集積する製剤がSPECT/CTで心筋に対応し、ATTR心アミロイドーシスの評価に使うPYPが合います。診断には単クローン性蛋白の除外も必要です。
e|誤り
心筋血流を評価する製剤で、今回の骨の分布を伴う画像とは異なります。
判断のポイント
骨にも分布する製剤で心臓の強い集積を認め、SPECT/CTで心筋に対応するため、99mTc-PYPを選ぶ。ATTR心アミロイドーシスの評価に用いられる。
鑑別・注意点
投与1時間後では血液プール残存にも注意し、プラナー像だけで心筋集積と決めない。AL型の除外に血清・尿免疫固定と遊離軽鎖などを確認し、PYP陽性だけでATTR型を無条件に確定しない。
診断専門医 2021年度 問66
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問66
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
高Ca血症と尿路結石に、遅延相でも残る頸部限局集積を合わせ、副甲状腺の機能性病変を疑います。
b|正しい
前面像で患者右下頸部に残存する集積を確認します。超音波やSPECT/CTで位置を確定します。
c|誤り
早期の甲状腺描出は生理的にみられます。この像だけで慢性甲状腺炎の合併を診断する根拠はありません。
d|正しい
MIBIは肝胆道にも分布・排泄し、早期に肝が描出されるのは通常の分布です。
e|正しい
心筋取り込みは血流と細胞・ミトコンドリアの状態に関係します。心筋描出そのものを異常としません。
判断のポイント
早期には甲状腺全体が描出され、遅延像では洗い出される一方、右下部に局所集積が残る。高Ca血症と合わせ右下副甲状腺腺腫を疑い、慢性甲状腺炎の合併を画像だけから主張する記載が適合しない。
鑑別・注意点
MIBIは甲状腺・心筋・肝臓などにも分布する。遅延集積は局在診断を助けるが甲状腺結節などの偽陽性もあり、超音波・SPECT/CTと生化学検査を組み合わせる。
診断専門医 2021年度 問67
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問67
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
顎下腺の炎症なら左右の唾液腺の位置と形態を評価します。矢印は正中の舌骨近傍で位置が異なります。
b|誤り
悪性口腔底病変を示す構造情報がなく、ヨウ素集積だけで別の癌の合併とはしません。
c|正しい
舌骨付近の正中に位置するヨウ素集積から、発生経路に残った甲状腺組織を考えます。
d|誤り
甲状腺床の残存とは異なる頭側正中の部位です。正常の発生遺残組織を癌残存と取り違えません。
e|誤り
骨に対応する破壊性病変を確認する必要があります。舌骨近傍の集積だけで骨転移とはしません。
判断のポイント
甲状腺床より頭側の正中、舌骨周辺に位置する集積をSPECT/CTで認め、甲状舌管遺残に含まれる甲状腺組織を考える。
鑑別・注意点
平面像の頸部集積をすべて癌の残存・転移としない。甲状腺床、唾液腺・口腔内分泌、リンパ節や骨との位置関係、サイログロブリンと経過を合わせる。
診断専門医 2021年度 問68
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問68
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
通常は局所腫瘤として評価する病変で、若年者の治療後に胸腺形態を保って現れる分布では反跳性変化を優先します。
b|正しい
治療後に回復した胸腺の三角形・V字状集積と時期が整合します。病変分布とCT形態を合わせて再発と区別します。
c|誤り
心膜に沿う腫瘤や胸水を評価する疾患で、前縦隔の胸腺の形態とは異なります。
d|誤り
再発は鑑別しますが、治療前病変の消退と胸腺形態の集積から反跳性変化を優先します。経過・形態が非典型なら再評価します。
e|誤り
FDG集積の出現だけで組織学的形質転換を診断できません。胸腺の形態を保つ集積を悪性化と決めません。
判断のポイント
化学療法後半年で前縦隔の胸腺に相当する部位に三角形・V字状の集積が現れ、若年者の反跳性胸腺過形成を優先する。治療前病変の分布と治療直後の消退も比較する。
鑑別・注意点
FDG集積の強さだけでは再発と区別できない。CTで胸腺らしい形態と均一性、他部位の病変、経時変化を確認し、結節性・非対称性の増大などがあれば追加評価する。
診断専門医 2021年度 問69
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問69
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
血液プール残存は増えますが肝摂取率は低下するため、両方高い組合せではありません。
b|正しい
心血液プールの残存H15/H3が上がり、肝摂取L15/(H15+L15)が下がる組合せです。
c|誤り
取り込み低下がある場合、肝摂取率の高値を機能低下の基本変化とはしません。
d|誤り
血中消失が速く肝摂取が高い組合せで、機能低下時に予想する方向と逆です。
e|誤り
肝摂取率低下は合いますが、消失遅延を示すHH15は低下ではなく上昇します。
判断のポイント
99mTc-GSAの血中消失を示すHH15はH15/H3、肝摂取を示すLHL15はL15/(H15+L15)である。肝機能が低下すると心血液プールからの消失が遅れHH15が高く、肝摂取が低下してLHL15が低くなる。
鑑別・注意点
数値の方向を暗記するだけでなく、心臓と肝臓の関心領域、時間と分母を確認する。背景・ROIの影響や指標の非線形性があり、単一指標だけで術後肝不全のリスクを決めない。
診断専門医 2021年度 問70
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問70
解答例:a
選択肢別の解説
a|可能性が最も低い
通常は体循環に栄養される限局した異常肺組織で、多発性・広範な換気血流乖離の説明としては候補中で低くなります。
b|鑑別に入る
肺動脈狭窄・閉塞により、換気を保つ領域の血流低下を来し得ます。CTなどで血管壁も評価します。
c|鑑別に入る
抗リン脂質抗体関連血栓症や肺血管障害を合併し得るため、背景を調べる鑑別に含めます。
d|鑑別に入る
換気を保った区域性血流欠損の代表的原因です。持続症状・肺高血圧と肺動脈画像を合わせて診断します。
e|鑑別に入る
腫瘍性微小血管障害で多発血流異常を来し得ます。欠損の大きさと癌・急速な呼吸循環障害を合わせて評価します。
判断のポイント
換気が保たれた領域に複数の血流欠損があり、肺血管の分布に関わる病態を考える。体循環動脈から栄養される限局した異常肺組織である肺分画症は、この広い多発分布として最も適合しにくい。
鑑別・注意点
ミスマッチは肺血栓塞栓症に完全に特異的ではなく、血管炎や腫瘍性微小血管障害などでも生じる。SLE自体の名前だけで判断せず抗リン脂質抗体などの血栓性背景、CTや肺高血圧の評価を合わせる。
診断専門医 2021年度 問71
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問71
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
通常は心不全に伴い比較的速く変化します。年単位で持続する片側性肺炎様病変とは経過が異なります。
b|誤り
抗菌薬で改善しない長期経過から、通常の細菌性肺炎だけとして扱わず組織診断を検討します。
c|誤り
胸膜主体の腫瘤・肥厚を来す腫瘍で、今回の肺実質内の浸潤影とは主座が異なります。
d|条件・画像に注意
持続する肺炎様浸潤影と濃い部分の集積から疑います。FDG集積だけで確定せず、浸潤性粘液性腺癌などを組織で確認します。
e|誤り
急性肺炎の形態に似ても、1年の抗菌薬不応という経過は腫瘍を再評価する理由となります。
判断のポイント
1年にわたり抗菌薬で改善しない肺炎様浸潤影と、濃度の高い部分のFDG集積を認め、原発性肺癌を考える。肺炎型の浸潤性粘液性腺癌などが代表的な鑑別となる。
鑑別・注意点
FDG高集積は炎症でもみられ、粘液性腺癌の集積にも幅がある。組織型は画像だけで確定せず、経時的変化と気管支鏡・生検などで裏付ける。
診断専門医 2021年度 問72
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問72
解答例:eを優先(前処置と組織所見を確認)
選択肢別の解説
a|誤り
肺実質の明瞭な原発腫瘤より、肺門・縦隔の多発リンパ節と心筋の分布が主体です。
b|誤り
大型動脈壁に沿う集積を主体とする疾患で、今回のリンパ節と心筋の構成とは異なります。
c|条件・画像に注意
リンパ節集積の鑑別に残り、FDGだけで除外できません。集積部の組織診断を検討します。
d|条件・画像に注意
多臓器病変を来し得ますが、今回の肺門節・局所心筋集積ではサルコイドを優先します。生理的心筋集積の抑制も確認します。
e|条件・画像に注意
肺門・縦隔リンパ節の分布と局所心筋集積が支持します。適切な前処置を確認し、生検可能な病変と臨床所見で裏付けます。
判断のポイント
肺門・縦隔を中心とするリンパ節集積と局所的な心筋集積があり、サルコイドーシスを第一に考える。全身分布を確認し、組織診の候補部位も検討する。
鑑別・注意点
絶食や食事前処置が記載されていないため、心筋集積を無条件に病的としない。リンパ節の癒合が乏しいからリンパ腫を否定するのではなく、感染や悪性疾患を必要な組織診・臨床検査で除外する。
診断専門医 2021年度 問73
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問73
解答例:bを候補(起点の確定には早期像が必要)
選択肢別の解説
a|誤り
肝の描出は血液プール製剤の生理的分布としてみられ、これだけで肝障害とは判定しません。
b|条件・画像に注意
小腸の集積が後に大腸側へ移るため候補ですが、3時間像だけでは出血開始点を確定できません。早期連続像を含めて局在を判断します。
c|誤り
肝受容体製剤ではなく、消化管内に漏れた血液の経時的移動を評価する出血シンチグラフィです。
d|誤り
目的は腹部の出血開始点と移動の追跡で、全身撮影を一律に追加する必要はありません。
e|誤り
遊離標識などにより膀胱は早く描出され得ます。早期膀胱描出だけで病的出血とはしません。
判断のポイント
3時間像で下腹部の小腸に沿う集積があり、6時間像ではより大腸側へ進むため回腸由来の出血を候補とする。新たな血液プール外集積と腸管に沿う経時的移動を評価する。
鑑別・注意点
3・6時間の遅延二時点のみでは、既に移動した血液を見ている可能性があり、出血の起点を確定できない。99mTc-HSA-Dや標識赤血球を用い、GSAによる肝機能検査と混同しない。動態撮像やSPECT/CT、内視鏡などを合わせる。
診断専門医 2021年度 問74
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問74
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
腎は生理的に強く集積します。腎描出だけで腎機能障害と判定しません。
b|誤り
通常は数時間後や翌日などに全身・SPECT像を得ます。投与直後の動態撮像を標準の主検査とはしません。
c|正しい
111Inの約171・245 keVのγ線に対応するため、中エネルギー用コリメータを使います。
d|誤り
111Inの物理学的半減期は約2.8日です。約6時間の99mTcと混同しません。
e|正しい
ペンテトレオチドのソマトスタチン受容体への結合を利用して、受容体発現を画像化します。
判断のポイント
神経内分泌腫瘍の受容体評価で、腎・脾・肝などの生理的分布を示す111Inペンテトレオチドの像と考える。ソマトスタチン受容体への親和性を利用し、中エネルギー用コリメータで撮像する。
鑑別・注意点
111Inの物理学的半減期は約2.8日で、99mTcの約6時間と区別する。腎集積は生理的にも強く、この像だけで腎機能障害とはしない。通常は投与直後の動態撮像ではなく遅延撮像を行う。
診断専門医 2021年度 問75
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問75
解答例:d
選択肢別の解説
a|条件・画像に注意
代謝性骨疾患として鑑別に残りますが、びまん性対称性集積と頭蓋・顎骨などの分布から腎性変化を優先します。
b|誤り
溶骨性病変が主体で骨シンチでは病変を過小評価し得ます。この対称性の広い骨代謝亢進の典型原因ではありません。
c|誤り
多発転移も強い骨集積を来しますが、今回の対称性で広範な四肢・頭蓋の分布は代謝性変化を支持します。
d|正しい
頭蓋・顎骨、四肢を含むびまん性の対称集積から考えます。腎機能、Ca・P・PTHなどの検査所見を合わせて裏付けます。
e|条件・画像に注意
長管骨の皮質に沿う線状集積が主体なら考えます。今回は頭蓋・顎骨を含む全身的骨代謝亢進が目立ちます。
判断のポイント
頭蓋・顎骨や四肢を含むびまん性で対称的な骨集積から、代謝性の骨代謝亢進を考え、選択肢では腎性骨異栄養症を優先する。
鑑別・注意点
提示像では腎も描出されている。既存の腎描出に乏しいという根拠を外し、腎機能、Ca・P・PTH、治療歴と合わせて診断する。
診断専門医 2021年度 問76
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問76
解答例:d、eを代表として選択(bの扱いは保留)
選択肢別の解説
a|誤り
ガイガー領域ではパルス波高が入射エネルギーに比例せず、個々のエネルギー測定に適しません。
b|条件・画像に注意
比例領域ではパルス波高が付与エネルギーに対応し、低エネルギーX線や粒子の分光にも使えます。測定対象未指定で一律に分光不能とするのは不正確です。
c|誤り
通常は電流や総電荷から線量を測るもので、個々のパルス波高によるスペクトル測定の代表ではありません。
d|正しい
電子・正孔対の生成数を利用し、良好なエネルギー分解能でスペクトルを測れます。
e|正しい
発光量とエネルギーの対応を用い、波高分析でγ線などのスペクトルを得る代表的検出器です。
判断のポイント
半導体検出器とシンチレーション検出器は波高分析によるスペクトル測定の代表として選ぶ。ただし比例計数管もエネルギーに比例したパルスを生じ、低エネルギーX線や粒子の分光に利用できる。
鑑別・注意点
放射線の種類が特定されない原文ではbを物理的に不可能と断言しない。原本の想定解はd・eとして扱う場合も、この限定を説明に残す。
診断専門医 2021年度 問77
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問77
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
複数のエコー時刻の信号を用いるため、単一TEの理想的な像とは異なる平均的コントラストが現れます。
b|正しい
再収束パルスによるJ結合の抑制などで、脂肪が通常のSEより明るく見えることがあります。
c|正しい
繰り返す再収束パルスにより、磁化率差に由来する位相分散の影響が軽減します。
d|誤り
エコートレイン中のT2減衰が空間周波数ごとの信号を変えるため、問題となるのはT2フィルタリングです。
e|正しい
多数のRFパルスによる磁化移動が強まり、MT効果を受けやすい組織の信号が低下してコントラストが変わります。
判断のポイント
FSEでは一度の励起後に複数のエコーを取得し、それぞれ異なるTEの信号でk-spaceを埋める。エコートレイン中のT2減衰が空間周波数ごとの信号に影響するため、ここで問題となるのはT2フィルタリングである。
鑑別・注意点
T1フィルタリングと取り違えない。脂肪の高信号化にはJ-couplingの抑制など複数の機序が関係し、単に拡散による磁化率の乱れだけで説明しない。MT効果やエコー順序もコントラストに影響する。
診断専門医 2021年度 問78
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問78
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|誤り
180度の再収束パルスではなく、傾斜磁場の反転を使ってエコーを作ります。
b|正しい
小フリップ角と短TRなどを利用し、一般に高速撮像が可能です。
c|正しい
水と脂肪の周波数差が磁場に比例するため、位相が一致・反転するまでの時刻も変わります。
d|誤り
T2*の差を強くするには通常TEを長くします。小フリップ角でも短TEだけでT2*強調とはなりません。
e|誤り
180度再収束がないため、SEより磁化率による位相分散や信号欠損の影響を受けやすくなります。
判断のポイント
GREは傾斜磁場の反転でエコーを形成し、小さなフリップ角と短いTRなどで高速撮像が可能である。脂肪と水の共鳴周波数差は静磁場強度に依存するため、同位相・逆位相となるTEも変わる。
鑑別・注意点
180度RFで再収束しないため、SEより磁場不均一・磁化率の影響を受ける。T2*強調には適切に長いTEが必要であり、短いTEと小フリップ角だけでT2*強調になるとはしない。spoiled GREと定常状態GREの信号特性も区別する。
診断専門医 2021年度 問79
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問79
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
開発上の責任と、支援プログラムを使った個々の診断・治療の最終判断の責任は区別します。通知で問う主体ではありません。
b|誤り
医療機器の承認と、患者に対する診断・治療の最終判断は別の行為です。
c|誤り
販売者が患者の診断・治療を最終判断するという通知ではありません。製品に関する責任まで否定する意味ではありません。
d|誤り
施設の管理責任は別に存在しますが、この通知が扱う診断・治療判断の主体は医師です。
e|正しい
2018年通知ではAI支援を使っても診療の主体は医師であり、最終判断の責任を負うとしています。他者の責任が一切なくなるという意味ではありません。
判断のポイント
2018年12月19日の厚生労働省通知では、AIを用いた診療支援プログラムを利用しても診断・治療の主体は医師であり、医師が最終判断の責任を負うと整理されている。
鑑別・注意点
AIの出力を参考にすることと、診断を無条件に委ねることを区別する。この通知が問う診療上の最終判断と、製品不具合などで別途問題となり得る責任までを一括しない。
選択肢の確認に用いた追加資料
診断専門医 2021年度 問80
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問80
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
医用画像の形式・通信などの基盤規格ですが、可搬媒体交換の統合プロファイルの名称としてはPDIを選びます。
b|誤り
既存規格を組み合わせ相互運用性を高める枠組みで、この設問の個別プロファイル名ではありません。
c|誤り
医用画像を保存・配信するシステムです。媒体で画像を渡すための規格の名称とは異なります。
d|正しい
DICOMなどを組み合わせ、可搬媒体で画像を交換するIHEの統合プロファイルです。
e|誤り
放射線部門の業務・検査情報を管理するシステムで、媒体交換の規格の名称ではありません。
判断のポイント
PDIはPortable Data for Imagingで、可搬媒体を介して医用画像を交換するためのIHE統合プロファイルである。DICOM形式や関連規格を、相互運用できる形で組み合わせる。
鑑別・注意点
DICOMは画像情報・通信などの標準、IHEは既存規格を臨床業務で組み合わせる活動と枠組みである。PACS・RISは画像保管通信・放射線情報システムを指す。旧解説の末尾Imagesを公式名称のImagingへ訂正する。