2005年度から2008年度までの解答例を、Sonic先生に提供していただきました。
Sonic先生ありがとうございます。
1.
正解:(a), b
- a 眼の水晶体の線量限度は、2011年の組織反応に関するICRP声明で100mSv/5年、かつ50mSv/1年とすることが勧告されている。
- b 実効線量限度;100mSv/5年、かつ50mSv/1年。
2.
正解:a
- a 尿中に排泄される。
- e ガリウムシンチでは下剤内服することあり。
3.
正解:d
4.
正解:d
- e シンチレーション検出器;X線のエネルギー測定には向いていない。
5.
正解:d
6.
正解:e
7.
正解:b, d
8.
正解:b, c
- d Bcl-2;アポトーシスを抑制するタンパク質。
9.
正解:a, c
- d フリーラジカルのスカベンジャーとして作用する。アルキル化剤や白金製剤に由来する毒性物質を解毒する。
- e 100Sv以上の被曝では中枢神経死の転帰をとる。10Sv前後の被曝では骨髄死。
10.
正解:d, e
- c 照射中に酸素分圧を下げると生存率が上昇する。照射後に低酸素にしても酸素効果は期待できない(ただし潜在的致死損傷回復は起こり、それにより生存率は上昇する)。
11.
正解:c
12.
正解:a, c
- d 中性子線は高LET線だがBraggピークは有さない。
13.
正解:d
- d 1 cal ×→1 J (≒0.24 cal)
14.
正解:a, d
15.
正解:d
16.
正解:a? d?
PTV = CTV (= GTV + subclinical area) + IM(internal margin) + SM(setup margin)
- a 放射線治療計画ガイドライン2016年版p43に「治療計画時と照射時の呼吸位相と肺内位置の変化が存在するが、ICRU Report 62 には明記されていない」と記載あり。
17.
正解:a
- a 酸素効果により、放射線感受性が高まる。
- c 照射によって細胞周期のG2期でM期への移行が阻止されることをG2ブロックという。
18.
正解:c
- a 導入化学療法(induction chemotherapy または neoadjuvant chemotherapy);手術や放射線治療など他の全ての治療に先行して化学療法を行う方法。
- b concomitant chemoradiotherapy = 同時化学放射線療法。
- c alternating chemoradiotherapy = 交代化学放射線療法。
19.
正解:c
20.
正解:a, (c)
※上顎癌ではリンパ節転移・遠隔転移の頻度は少ない。ほぼ全例で放射線治療が必要とされる。三者併用療法(手術・放射線治療・抗癌剤の動注)が一般的である。
- a 従来は前方と側方からの直交2門照射が一般的であった。照射門数を増やす、適切なウェッジを使用するなどの工夫をして線量の均等性を図ることが必要である。(放射線治療計画ガイドラインから引用)
- c UICC第8版では、皮下組織への浸潤はT3。
- e シェル固定が原則。
21.
正解:e
22.
正解:c
23.
正解:a, b
- d 良性腫瘍。嚢胞を開放して壁在結節のみを摘出すれば完治できる。
24.
正解:c
- c 放射線肺臓炎は、照射される肺の線量および体積に依存する。
25.
正解:a
26.
正解:b
27.
正解:なし
- D’ Amico のリスク分類ではT2a低リスク、T2b中リスク、T2c高リスクとなり、NCCNガイドラインのリスク分類ではT2a低リスク、T2b – T2c高リスクとなる。
- T2N0M0 の場合、T因子のみではリスク判定できない。
28.
正解:c
29.
正解:d
- d 40Gy、20分割が適切。
30.
正解:b
31.
正解:c
32.
正解:d
33.
正解:e
34.
正解:d
- a 視神経管を通る。
- b 眼神経。上眼窩裂を通る。
- c 上顎神経。正円孔を通る。
- d 下顎神経。
- e 上眼窩裂を通る。
35.
正解:b, d
- 小児脳腫瘍はテント下に多く発生する(約6割)。
- 小児5大脳腫瘍;①星状細胞系腫瘍(28.4 %)、②胚細胞腫(15.6 %)、③髄芽腫(12.2 %)、④頭蓋咽頭腫(8.9 %)、⑤上衣腫(4.5 %)
36.
正解:c
37.
正解:a
- a 後頸三角(胸鎖乳突筋、僧帽筋、鎖骨で構成される)に好発。Prussak腔;上鼓室の耳小骨外側。
38.
正解:b, d
- a 耳下腺腫瘍の70%は多形腺腫、15%はワルチン腫瘍。
- d 顎下腺腫瘍のほとんどは多形腺腫。
39.
正解:e
- 変性すべり症はL4に多く、中高年の女性に好発する。
- 分離すべり症はL5に多く、10~20歳に好発する(スポーツをしている小学校高学年以上に多い)。
40.
正解:b, d
41.
正解:d
42.
正解:d, e
43.
正解:c
- a Paget病では、変形した骨に水平方向の病的骨折がみられる(banana fracture)。
- c オーバートレーニングなどによる。中足骨や脛骨、腓骨、肋骨に好発する。
44.
正解:a, d
45.
正解:b
- a 環椎破裂骨折。
- b セゴン骨折。脛骨の外側関節包付着部の剥離骨折。
- c 脊椎の過剰な屈曲によって生じる脊椎骨折。
- d 尺骨骨折に橈骨頭脱臼を伴ったもの。
- e 脛骨遠位骨端前外側のSalter – Harris Ⅲ型損傷。
46.
正解:c, d
- a 頸胸部徴候。鎖骨より上方で腫瘤影の辺縁が追えなくなる場合陽性で、前縦隔腫瘤影であることが示唆される。辺縁が追える場合陰性で、後縦隔腫瘤影であることを示す。
- c 右上葉無気肺では Golden (inverted) S signがみられる。
- d 肺門重畳徴候;縦隔の腫瘤影に肺門の血管影が透見されれば陽性。肺血管由来ではない腫瘤や、下行大動脈の蛇行、動脈瘤等が示される。
47.
正解:a, c
48.
正解:d, e
- c 短径7mmを超えると拡大と判断する。
49.
正解:a, d
- d マイコプラズマ肺炎は、肺炎球菌性の浸潤影と異なり、気管束血管周囲間質肥厚や小葉中心性粒状影が主体である。
50.
正解:a
51.
正解:e
52.
正解:e
53.
正解:b
54.
正解:b
55.
正解:c
56.
正解:b
- a 通常の単純CTでは心筋と心内腔はほぼ同一濃度であるが、高度の貧血ではヘモグロビンの減少によって血液のCT値が低下し、心筋と心内腔の識別が可能となる。
- d 狭窄後拡張として上行大動脈の拡大がみられる。
- e 心室腔は狭小化し、心房腔は拡大する。
57.
正解:d, e
- a 炎症性大動脈瘤の所見。(mantle =外套)
- b 血管輪。重複大動脈弓により気管・食道が取り囲まれて圧迫される。
- c 大動脈の粥状硬化性病巣が潰瘍化して中膜以下にまで達したもの。(※組織学的な概念であるPAUと、画像所見上の概念であるULPとを混同しない)
- d high attenuating crescent signは腹部大動脈瘤の切迫破裂のサイン。
58.
正解:b, (c?)
(「先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン」図10「主な先天性心疾患の発症時期と初発症状」参照)
- a 心房中隔欠損がなく異常還流する肺静脈が少ない場合は無症状のことも多く、成人で発見されることもある。
- c 胎児心エコー法の普及により胎児期に疑われ、診断・母体搬送されることも増えてきている。
- d, e 大きなものは乳児期に発症。
59.
正解:b, d
60.
正解:a, d
61.
正解:e
- e カテーテル挿入部位における出血のリスクがあるため行わない。
62.
正解:b
- a 増強
- c 増強~不変
- d 不変
- e 増強
63.
正解:c, e
64.
正解:b, d
- 気縦隔で上に持ち上げられた胸腺が片側のみ見えればspinnaker sail sign、両側ならangel wings signを示す。
65.
正解:a, b
66.
正解:a, e
67.
正解:b?
- a, c, e 臨床的適応;一定の条件を満たす高血圧症、サルベージを要する虚血性腎症、心障害症候群の患者。
- b 解剖学的適応;血管造影で70 %以上の狭窄率を有する症例、もしくは50~70 %の中等度狭窄を有する症例のうち収縮期圧較差が10 mmHg以上のもの。(多くは担当医の裁量に任されている) ※腎動脈は、狭窄率が80 %を超えると急速に血流が低下し始めるものの、80 %未満の狭窄では血流は十分維持される。
- d 側副路の発達が明らかな血行動態上有意のRAS(renal artery stenosis;腎動脈狭窄)は適応となる。
68.
正解:c
69.
正解:c
- c コロイドを含んでおりT2強調像で著しい低信号を示す。
70.
正解:b, e
71.
正解:d, e
72.
正解:c?, (d?), e
- c 脂肪腫?
- d 絨毛状腺管腺腫;直腸~S状結腸に好発? (INTESTINE vol15, No6, 2011)
73.
正解:b, e
74.
正解:d
- d 12~18歳の男児に多い。
75.
正解:a, c
- b 脳動脈瘤を合併しやすい。
76.
正解:d, e
- d 前面から腎静脈、腎動脈、腎盂。
77.
正解:a
- a 本邦では従来右側結腸に憩室が多く70 %を占めていたが、近年S状結腸憩室が増加してきている。
- c smaller SMV sign。
- e 副腎損傷は右側の片側性が多い。
78.
正解:c
79.
正解:b, d
- b 鉄過剰症は、鉄が実質細胞に沈着して臓器障害をきたしたヘモクロマトーシスと、臓器障害をきたしていないヘモジデローシスに分けられる。
80.
正解:a
- a 新生児、特に未熟児、低出生体重児に好発する腸管壊死性病変。腸管気腫像や門脈内ガス像が見られることが多い。
81.
正解:a
- a 副膵管は細いが多くの膵液が流れ、閉塞性膵炎になりやすい。
- b 先天性胆道拡張症では、ほぼ全例に膵胆管合流異常を合併する。
- c 慢性の十二指腸潰瘍があり、上腹部鈍痛や潰瘍症状などがみられる。
- e 消化管出血や腸閉塞で発症することもある。
82.
正解:c, d
83.
正解:e
- a 一般的には、器官形成期にはMRI検査は避けた方が望ましい。
- b T2強調像は、SE法では撮像時間が長くかかるため、1回の90°パルス励起後位相エンコードを変えながら複数のスピンエコーを採取することにより撮像時間が短縮されるFSE法が通常用いられている。
- e 脂肪抑制法にはCHESS法やSTIR法などがあるが、出血がある場合や造影剤投与後はCHESS法を用いる。
※ CHESS法;脂肪の周波数に合ったSATパルスを照射して脂肪の信号のみ抑制するため、信号が抑制されれば脂肪であるといえる。
※ STIR法;反転パルスを用いて、T1回復で脂肪の信号が0になる時間に撮像開始し脂肪抑制するため、出血や、造影された組織が偶然脂肪と同じT1回復時間であれば、一緒に信号が抑制されてしまう。
84.
正解:d, e
85.
正解:c, d
- c 静脈瘤未出血例に対して予防的治療をし過ぎると肝への負担が増し肝不全に陥ることもある。
- e 肝性胸水の発生機序は、腹水による腹腔内圧上昇により横隔膜脆弱部に小孔が生じ、その小孔を通じて腹水が胸腔内圧に引かれ移行するという説が有力。TIPSにより腹水生成が減少するならば肝性胸水の治療としても有用である。
86.
正解:b, d
- d 広汎脳梗塞例や、脳梗塞急性期例は、アセタゾラミド負荷試験は適応外。
- e 同側にみられる。小脳への遠隔効果は反対側にみられる。
遠隔効果(remote effect);機能的に関連している離れた正常部位の神経細胞の抑制。
87.
正解:b
- 脳血流SPECTにおいては、てんかん患者の発作間欠期では血流や代謝はてんかん焦点を含む比較的広い範囲で低下し、発作時にはてんかん焦点を中心に血流や代謝が上昇する。
88.
正解:b, e
89.
正解:(e?)
心筋生存能(バイアビリティ);血行再建術によって左室壁運動が改善することを指す。
- a 壁運動障害のある心筋において、収縮が亢進するときはviableと判定する。
- b 急性期心筋梗塞であっても、陳旧性の心筋梗塞であっても、高信号領域=造影効果を有する部位として描出する。遅延造影が心筋のどのくらい深くまで及んでいるかで、心筋バイアビリティの指標として利用される。
- c 時間経過とともにTlは心筋から洗い出されるが、冠動脈狭窄領域では洗い出しが低下するため、再分布像では正常領域と虚血領域の心筋内Tl濃度に差がなくなる。この現象を再分布といい、虚血心筋の存在を意味する。
- d 虚血心筋では、心筋代謝は好気性脂肪酸代謝から嫌気性のブドウ糖代謝に移行し、これは著明な虚血状態下においても維持される。ゆえにFDG-PETが行われる。血流↓かつFDG↓ならば瘢痕組織形成、血流↓かつFDG→ならば心筋バイアビリティがあると判定する。
- e 心筋血流に比較して、脂肪酸代謝が低い乖離所見は、バイアビリティを示す。
90.
正解:c, e
91.
正解:b, d
(「心臓核医学検査ガイドライン」参照)
- b 壊死性心筋を陽性描出する核種。再灌流療法直後に施行したPYPの所見から、その成否の判定ができる。
- d 気絶心筋(再灌流により壊死は免れるも一過性ながら壁運動低下を呈している心筋)は、心筋生存性は認めるが虚血性心筋脂肪酸代謝障害を呈し、血流-代謝乖離所見を示すため、BMIPPイメージングの診断的価値は高い。
92.
正解:e?
- c 高度の閉塞性疾患では、99mTc-テクネガスは粒子としての性格を有し狭窄部位にhot spotを形成する。
- d 気管支閉鎖症では、末梢の肺区域には側副路を通じ空気が流入する。
- e 肺高血圧症の発症の原因となる疾患がない場合、PPHとみなされる(換気に異常を認める血流欠損の場合は換気障害型肺疾患に伴う肺高血圧症、となる)
93.
正解:b
94.
正解:b
95.
正解:b, d
- d 1回循環での腎描出率は、99mTc-MAG3は60 %前後、99mTc-DTPAは20 %ほど。
- e 血液中では血漿蛋白と結合(90 %前後)し腎臓へ転送される(DTPAは5%)以下。
96.
正解:d
- b 大腿骨頭壊死ではcold in hotとなる(修復反応層はhot、骨壊死層はcoldとなる)が、感度が低く小さい病巣は異常所見を示さないことがある。
- c 化学療法や内分泌療法では、骨腫瘍が治療により退縮しているにもかかわらず骨シンチで逆に集積が亢進するフレア現象が認められることがある。
97.
正解:a, c
- a 融解した横紋筋の細胞内には虚血によりカルシウムイオンが流入する。共にリンイオンも移動し、リン酸塩である99mTc-MDPも細胞内に取り込まれ、障害部位に集積する。
- c カルシウム、リンの代謝異常と活性型ビタミンDの欠乏、それに伴って生じる副甲状腺ホルモンの代謝異常により生じる様々な骨病変。軟部組織の異所性石灰化がみられる。
98.
正解:b
99.
正解:b, e
- a 血糖値が高いと脳への集積は低下する。
- b インスリン投与により骨格筋、心筋へのFDG集積が亢進する。
- d グルコース-6-ホスファターゼ活性が高いため。
細胞内へのFDG取り込みはブドウ糖と競合するため、高血糖の状態ではFDG集積は低下する。
心筋のエネルギー代謝は様々に変化しているため(基質としてブドウ糖、脂肪酸が多く、その他乳酸、ケトン体、アミノ酸など)、心臓のFDG-PET検査では、ブドウ糖負荷により心筋のエネルギー基質をブドウ糖に変化させ、FDG集積を高めた上で行う。
100.
正解:c