この回の出題傾向
この回の公開選択式は60問で、内訳は物理・機器・解析8問、製剤・品質管理6問、安全管理・線量・法規7問、脳神経11問、循環器11問、腫瘍・炎症2問、内用療法3問、一般臓器・検査手技12問です。
同じ公開60問形式の他13回平均に比べ、循環器は1.4問多く、腫瘍・炎症は3.2問少ない構成です。
代表的なテーマはドーズキャリブレータの電離電流と幾何条件、DLBでの線条体DAT低下、前下壁の灌流代謝mismatchと再建検討、自律性甲状腺結節のI131と退出条件です。問題数の差は難易度の差を示すものではありません。
選択式とは別に、記述式6大問・17小問の解説も掲載しています。
公開選択式60問を主題により当サイトで一問一分類。公式の分野配点ではない。 比較は同じ公開形式の他回に限り、主題の重複計上はしていません。
核医学専門医試験・第17回(2020年)
問題は日本核医学会のHPを別タブで開いて確認しながら取り組んでください。問題文・選択肢・画像は掲載していません。
問題番号を押すと、出題テーマ・解答例・各選択肢の判定理由・根拠資料を確認できます。非公式の解答例です。未確定の項目は理由を明記しています。
解答候補として掲載:問4、問37、問43、問44、問49、問55、問60。解答未確定:問34。各項目に理由を記載しています。
総論・問1
解答例:b
考え方
Ga68は陽電子核種です。Ga67による単光子撮像との取り違えを避けます。
各選択肢の解説
- a:正しい — F18は陽電子放出に伴う消滅光子をPETで検出します。
- b:誤り — Ga68はβマイナスでなく主に陽電子放出です。
- c:正しい — Tc99mは励起状態からTc99への遷移で診断光子を放出します。
- d:正しい — I123は電子捕獲核種で診断用光子を利用します。
- e:正しい — Ra223は短飛程のα線を治療の主体とします。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students2014:診断核種の壊変とジェネレータの物理。
- PMDA・ゾーフィゴ添付文書:Ra223のα治療機序。
関連する過去問
総論・問2
解答例:a
考え方
同位体は同じ元素、つまり陽子数が等しく、中性子数が異なる核種です。核異性体との違いを区別します。
各選択肢の解説
- a:正しい — 元素を決める陽子数が共通で、中性子数の違いにより質量数が変わります。
- b:誤り — 質量数が共通の異なる元素は同重体です。
- c:誤り — 中性子数が共通の核種は同中性子体です。
- d:誤り — 核子構成が同じで励起状態が違うものは核異性体です。
- e:誤り — 中性子がない特別な核子構成を示す条件で、同位体の定義ではありません。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students2014:同元素親娘核種・核異性体等の核種の基礎区分。
関連する過去問
総論・問3
解答例:c
考え方
DLPはCTDIvolに撮影長を掛けた線量指標なので、吸収線量のmGyと長さcmの積です。
各選択肢の解説
- a:誤り — 長さが含まれず、CTDI等の線量指標の単位です。
- b:誤り — 実効線量の単位でありDLPそのものではありません。
- c:正しい — 吸収線量指標と撮影長の積に対応します。
- d:誤り — 実効線量へ長さを掛ける量ではありません。
- e:誤り — 長さで割る量ではなく、撮影範囲を積算する量です。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual, 2020 Edition:ハイブリッド核医学装置のCT線量指標。DLPは個人の実効線量そのものではない。
関連する過去問
総論・問4
解答例:b
解答候補b・c/eは測定条件次第で妥当性があり単純誤り扱いしない
考え方
井戸型電離箱の電流から核種校正係数で放射能を求めます。β核種の測定可能性と容積補正は装置・容器・核種条件に依存するため、他肢を一律否定しません。
各選択肢の解説
- a:誤り — 通常は測定を安定させると不確かさを減らせます。長時間で必ず誤差増大とはしません。
- b:正しい — 電離箱内のイオン電流を使うのが一般的な構造です。
- c:未確定 — β線源も制動放射等を介して校正測定できる場合があり、単純に測定不能とはいえません。
- d:誤り — 通常は測定者が核種と適切な係数を設定し、装置が自動同定するわけではありません。
- e:未確定 — 液量・容器による幾何依存があり、校正条件から外れれば補正が必要です。一律必須の言い方は条件付きです。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual, 2020 Edition:放射能計の電離箱・核種校正と容器幾何依存。
総論・問5
解答例:e
考え方
一般的カメラは受光信号の重心から位置を演算します。距離・エネルギー・結晶の条件で画質が変わります。
各選択肢の解説
- a:誤り — NaI(Tl)の代表減衰時間は約二百三十nsで五十nsではありません。
- b:誤り — ピンホールの拡大率とぼけは距離で変わります。
- c:誤り — エネルギー分解能は発生光子数やノイズ等に依存します。
- d:誤り — 理想的平行孔の幾何感度は概ね距離非依存で、比例増加ではありません。
- e:正しい — 光電子増倍管等の信号を重み付けして位置重心を求めます。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual, 2020 Edition:結晶特性・コリメータ・Anger位置演算。
関連する過去問
総論・問6
解答例:d
考え方
他条件が同じならリング径が大きいほど検出立体角が小さく感度が下がる方向です。
各選択肢の解説
- a:誤り — 偶発計数は真の応答線でない背景となり画質を損ないます。
- b:誤り — 散乱割合は被写体・窓・幾何条件等で変わり、高計数率ほど必ず減るものではありません。
- c:誤り — 偶発計数は単独計数率の積に関係し、放射能に依存します。
- d:正しい — 検出器の軸長や幅を固定した比較では立体角の減少が感度に影響します。
- e:誤り — 高計数率ほど不感時間とパイルアップの損失が増えます。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual, 2020 Edition:PET同時計数・リング幾何・不感時間。
関連する過去問
総論・問7
解答例:c
考え方
通常の供給ではMo99は原子炉由来です。Tc99mのジェネレータ供給と親核種の製造を区別します。
各選択肢の解説
- a:誤り — O15は通常サイクロトロンで製造します。
- b:誤り — Ga67は加速器製造で、Ga68ジェネレータと混同しません。
- c:正しい — 原子炉内の核分裂等が主要な供給法です。加速器製造開発は別です。
- d:誤り — I123は通常加速器製造です。
- e:誤り — I131は通常原子炉で製造されます。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students2014:Mo99/Tc99m等の通常製造・供給法。
関連する過去問
総論・問8
解答例:d
考え方
MIBIは脂溶性陽イオンとして膜を通り、主にミトコンドリア電位に依存して保持されます。輸送体密度の検査とは違います。
各選択肢の解説
- a:正しい — 骨形成部のハイドロキシアパタイト表面への結合を利用します。
- b:正しい — ノルアドレナリン輸送・神経終末保持を利用します。
- c:正しい — 血中ではトランスフェリン結合が重要な分布因子です。
- d:誤り — 排出輸送体の影響は受けますが、それを標準的心筋取り込みの主要機序とする説明は不適切です。
- e:正しい — ソマトスタチン類似体として受容体へ結合します。
根拠・参考文献
- JCS2010・心臓核医学検査ガイドライン:MIBI膜電位保持とMIBGのNE機序。
- PMDA・クエン酸ガリウム67Ga添付文書:Gaとトランスフェリン。
- PMDA・オクトレオスキャン申請資料2015:ペンテトレオチド受容体。
関連する過去問
総論・問9
解答例:e
考え方
物質量が変わらない想定で、合成時値は六時間後値に2^(360/約110)を掛け約97となり、提示値では80が最も近くなります。
各選択肢の解説
- a:誤り — 時間を逆へ戻すのに減衰させており、増加の向きが違います。
- b:誤り — 減衰を無視した値で、六時間の壊変を戻せていません。
- c:誤り — 約三・三半減期経過による九〜十倍の差より小さ過ぎます。
- d:誤り — 合成時値の約97より離れ、80の方が近くなります。
- e:正しい — 厳密計算に完全一致はしませんが選択肢のうち最も近い値です。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・院内製造FDG診療ガイドライン第2版(2005年10月):F18の物理半減期とFDGの放射能・物質量管理。
腫瘍核医学・問10
解答例:a
考え方
FDGは細胞内でリン酸化され、その後の解糖が進みにくいため保持されます。代謝を全く受けないわけではありません。
各選択肢の解説
- a:誤り — 速やかなリン酸化は受けますが、通常は直ちに排出されずFDG6リン酸として保持されます。
- b:正しい — 寒冷等による熱産生活性で生理的集積が増えます。
- c:正しい — 活性化した炎症細胞も糖利用が増え、腫瘍特異的ではありません。
- d:正しい — 血糖による競合等で低下し得るため採血・前処置を標準化します。例外や病変差はあります。
- e:正しい — 未保持分は主として尿へ排泄されます。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・FDG PET/PET-CT診療GL2012:FDG集積機序・前処置と生理/炎症分布。
関連する過去問
脳神経核医学・問11
解答例:e
考え方
高いモル放射能では同じ放射能でも非標識物質量を減らせます。HMPAOは細胞内で変化して脳に保持されます。
各選択肢の解説
- a:誤り — DAT輸送体を評価し、ドーパミン受容体の薬ではありません。
- b:誤り — 同放射能なら投与物質量が少なくなるので受容体飽和を起こしにくい方向です。
- c:誤り — 非特異結合が多いと標的信号と背景の分離が悪くなります。
- d:誤り — アミロイドへの結合と脂溶性移行を利用し、糖輸送体によるFDG取り込みと違います。
- e:正しい — 脳関門を越えた後の親水性化等による保持で初期灌流分布を示します。
根拠・参考文献
- PMDA・ダットスキャン申請資料:イオフルパンのDAT標的。
- 7学会・アミロイドPET適正使用GL第4版:アミロイド標的薬。 2025年版による機序・画像解釈の補足で、2020年当時の承認・適応を直接保証する資料ではありません。
- 日本核医学会・小児核医学検査GL:脳血流薬の保持機序。
関連する過去問
治療核医学・問12
解答例:e
考え方
短飛程のα線が密にエネルギーを付与し、修復困難なDNA障害を生じやすい性質を利用します。
各選択肢の解説
- a:誤り — Caと同じアルカリ土類元素で、アルカリ金属ではありません。
- b:誤り — 壊変系列には少量の光子放出もあり、皆無ではありません。
- c:誤り — Ca類似の骨形成部への分布で、糖代謝そのものが標的ではありません。
- d:誤り — 約十一・四日で、三日ではありません。
- e:正しい — 高LETのα線によりDNA二本鎖障害を生じる治療原理です。
根拠・参考文献
- PMDA・ゾーフィゴ添付文書:Ra223の骨集積とDNA障害、壊変特性。
- 日本核医学会・Ra223適正使用マニュアル第1版:物理半減期と光子を含む壊変系列。
心臓核医学・問13
解答例:e
考え方
BMIPPは脂肪酸アナログとして細胞内に保持されます。受容体・灌流・糖代謝の別指標と混同しません。
各選択肢の解説
- a:誤り — MIBGは受容体結合ではなくNE輸送と神経終末保持を利用します。
- b:誤り — Tlの初回抽出の方が一般に高く、向きが逆です。
- c:誤り — N13アンモニアは主に心筋灌流を評価します。
- d:誤り — 食後のインスリン作用は正常心筋の糖利用を増やす方向です。
- e:正しい — 細胞内変換と脂質プールへの取り込み等により代謝的に保持されます。
根拠・参考文献
- JCS2010・心臓核医学検査ガイドライン:心筋薬剤の血流・代謝・神経標的。
- A comparison of overall first-pass kinetics of Tl201 and Tc99m-MIBI2000:摘出心モデルの原著抄録を独立確認。正常・低流量条件でTlの初回抽出がMIBIより高い。ヒトの全流量での固定値を保証しない。
関連する過去問
総論・問14
解答例:a
考え方
放射線で標識化合物が分解するため、濃度・保存・時間に合う品質管理が必要です。
各選択肢の解説
- a:正しい — 自らの放射線で化学結合が損なわれ純度が低下することがあります。
- b:誤り — 物理半減期だけでなく化学的安定性や無菌性等も有効期限を決めます。
- c:誤り — 半減期測定は同定に役立ちますが、異核種混合の割合を単独で十分定量できるとは限りません。
- d:誤り — 通常の過テクネチウム酸注射液は無色澄明で、黄色を標準としません。
- e:誤り — 無菌培養の事後判定と区別し、エンドトキシンは出荷前等の規定に従い確認します。
根拠・参考文献
- 4学会・放射性医薬品取扱GL第3.1版:自己分解・品質と短寿命薬の試験。
- 日本核医学会・院内製造FDG診療ガイドライン第2版(2005年10月):FDGの放出前品質管理。
関連する過去問
治療核医学・問15
解答例:e
考え方
In111イブリツモマブの旧添付文書には妊婦・妊娠可能性を禁忌として明記しています。他の診断薬の原則回避と区別します。
各選択肢の解説
- a:誤り — 被ばく上原則回避し、診療上の必要性で慎重判断する診断薬ですが、出題の明示禁忌とは区別します。
- b:誤り — 必要性と胎児リスクで原則回避することと添付文書上の禁忌欄は別です。
- c:誤り — 診断用放射能投与の便益評価を要しますが、ここでの明示禁忌薬とはしません。
- d:誤り — 必要性と線量を評価して診断投与を判断する薬で、この選択肢の明示禁忌ではありません。
- e:正しい — 旧製造販売元添付文書の禁忌欄に妊婦と妊娠可能性を確認しました。
根拠・参考文献
- ゼヴァリンIn111・旧製造販売元添付文書(掲載写し):製造販売元添付文書写しp1禁忌を直接確認。2020年当時の設問解釈。
総論・問16
解答例:b
考え方
正当化した患者検査には職業被ばくと同じ線量限度を設けず、最適化で必要線量を管理します。限度なしを無制限許容と解釈しません。
各選択肢の解説
- a:誤り — 携帯線量計は主に外部線量を測り、体内摂取量の直接評価器ではありません。
- b:正しい — 便益を損なう固定上限の代わりに正当化・最適化を行います。
- c:誤り — 診療従事者が業務で受ける線量は職業被ばくです。
- d:誤り — 通常の安全キャビネットは主に無菌・飛散等の管理で、γ線の遮蔽には別の遮蔽材が必要です。
- e:誤り — 体内放射能から周囲へ光子が出るため、患者は周囲の線源となります。
根拠・参考文献
- 日本核医学会等・放射性医薬品取扱GL第3.3版:患者・職員・公衆防護と内部汚染評価。
治療核医学・問17
解答例:b
考え方
Ra223は周囲への外部線量より排泄物・体液からの汚染に注意します。一律の公共外出禁止ではなく、衛生管理と個別指導が中心です。
各選択肢の解説
- a:正しい — 便器への残留を減らすため十分に洗浄する生活指導です。
- b:誤り — 通常の外出を一律に控えさせる指示は主要な防護条件ではありません。体調に応じた生活制限は別です。
- c:正しい — 浴室を汚染させない衛生指導として最後の入浴などを考慮します。
- d:正しい — 尿を含む体液に触れるときは手袋で皮膚汚染を避けます。
- e:正しい — 少量の血液を流せる紙で拭いて便器へ処理する指導です。大量出血は当然医療対応を優先します。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・Ra223適正使用マニュアル第1版:Ra223マニュアルp17〜18の二回洗浄・最後の入浴・手袋・出血を紙でトイレ処理という生活指導を実本文確認。公共外出の一律抑制はこの一覧にない。
総論・問18
解答例:c
考え方
小児は体格と検査目的・機器に合う投与量を用い、成人量をそのまま適用しません。
各選択肢の解説
- a:正しい — 粒子線も含む臓器吸収線量評価に使います。
- b:正しい — 他の線源臓器からの放射線寄与も合計します。
- c:誤り — 小児の標準量や体格別補正を使って画質と線量を両立させます。
- d:正しい — 診断薬は一般に薬理物質量が少なく、重い薬理副作用は造影剤より稀ですがゼロではありません。
- e:正しい — 体内線源による線量に加え、ハイブリッドCTは外部X線の寄与を加えます。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・小児核医学検査GL:小児投与量の最適化。
- MIRDcalc・開発元ユーザーマニュアル:臓器間線量と粒子線。
関連する過去問
治療核医学・問19
解答例:a
考え方
介護者は一治療当たり5mSv、公衆は年1mSvを基準に考えます。I131の用途別特例を混同しません。
各選択肢の解説
- a:正しい — 自発的介護者の便益を踏まえる一件当たり拘束値です。
- b:誤り — 公衆の1mSvは一件でなく一年です。
- c:誤り — 通常の亢進症I131外来投与の一律数量は500MBqで、1.11GBqの分化癌残存焼灼特例と別です。
- d:誤り — I131退出線量率の一律値は一mで30µSv/hであり、十ではありません。
- e:誤り — Y90も投与量に基づく基準が定められています。
根拠・参考文献
- 厚労省・RI投与患者退出指針(2010改正):2010改正通知の公衆年1・介護者5/件、I131500/30、Y90基準。
関連する過去問
総論・問20
解答例:c
考え方
眼の水晶体等価線量の限度引下げを問います。公布日と2021年の原則施行を区別します。
各選択肢の解説
- a:誤り — 皮膚の年五百mSvを引き下げた改正ではありません。
- b:誤り — 女子の三月限度を対象にした改正ではありません。
- c:正しい — 水晶体を五年100mSvかつ単年50mSv等へ変更したものです。
- d:誤り — 五年実効線量の上限そのものを変更するものではありません。
- e:誤り — 妊娠中腹部表面限度を変更するものではありません。
根拠・参考文献
- 厚労省・電離放射線障害防止規則:現行電離則の水晶体限度。2020医療法改正原通知の補強対象。
- 厚生労働省・眼の水晶体等価線量限度改正の具体的事項(2020年10月27日通知):2020年4月公布と2021年4月施行、5年100mSvと単年50mSvの管理。試験日の2日後の通知を改正内容の補足として参照。
関連する過去問
総論・問21
解答例:d
考え方
安全管理を担う経験ある常勤医師と、PET全般の放射線取扱い研修を要します。腫瘍診断だけを所定研修とする説明とは区別します。
各選択肢の解説
- a:正しい — 通知では常勤医師を放射線安全管理責任者とします。
- b:正しい — 院内でPETの安全管理の責任を担う役割です。
- c:正しい — 核医学診断の所定経験年数が求められます。
- d:誤り — 法令の安全管理研修要件を腫瘍診断のみに置き換える説明が不適切です。
- e:正しい — 装置性能管理などを含む安全管理・検査全般の研修が必要です。
根拠・参考文献
- 厚労省・PET施設安全管理通知2004:核医学三年以上の経験・常勤安全管理責任医師・所定研修の通知。
脳神経核医学・問22
解答例:e
考え方
灌流圧が下がると血管拡張で代償し、さらに不十分なら酸素抽出率が上がります。MiseryでOEFが下がるという説明は逆です。
各選択肢の解説
- a:正しい — ARGの一点採血は入力関数校正のため投与後所定の時刻で行います。七〜十分は一般的な設定です。
- b:正しい — 同一の二回投与モデルと負荷時間を成立させるためタイミングを固定します。
- c:正しい — COで血液量、酸素とCO2由来標識水等を組み合わせて酸素代謝・血流を求めます。
- d:正しい — 圧変化へ抵抗血管が反応して血流を保つ機能です。
- e:誤り — 典型的には血流低下をOEF上昇で代償し、酸素代謝を保とうとします。
根拠・参考文献
- Baronほか・Misery perfusion(1981):O15 PETで血流低下とOEF増加を示す原研究。
- 4学会・アセタゾラミド適正使用指針2015:予備能・自己調節の臨床意義。ARG採血時刻の原著は追加対象。
関連する過去問
脳神経核医学・問23
解答例:e
考え方
DATは黒質線条体のシナプス前神経終末を反映し、DLBやPDで低下します。
各選択肢の解説
- a:誤り — PDは取り込み増加でなく、被殻後方を中心とする低下です。
- b:誤り — 正常の標的は線条体で、加齢に伴う淡蒼球増加を典型としません。
- c:誤り — 典型ADでは保たれやすく、低下なら混合病理等を考えます。
- d:誤り — 黒質の増加を脳血管性認知症の特徴とする検査ではありません。
- e:正しい — DLBでは線条体のシナプス前機能低下がみられ、臨床診断を支持します。
根拠・参考文献
- PMDA・ダットスキャン申請資料:DLB/PDのDAT低下と分布。
関連する過去問
脳神経核医学・問24
解答例:a
考え方
発作を脳波で確認して速やかに投与し、その時点の灌流を保持して後から撮像できる薬を用います。
各選択肢の解説
- a:正しい — 投与初期の脳分布が保持され、発作時血流の捕捉に適します。
- b:誤り — 取り込みが数十分にわたり、瞬間的な発作血流を固定する目的には不向きです。
- c:誤り — 血管内プールの薬で脳実質灌流を保持する薬ではありません。
- d:誤り — 通常は投与準備や血流分布の時相を考慮し、随時発作投与の代表薬としてECDを優先します。
- e:誤り — 後期受容体分布をみる薬で発作瞬間の血流捕捉薬ではありません。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・小児核医学検査GL:てんかん発作時のTc脳血流薬と投与タイミング。
関連する過去問
脳神経核医学・問25
解答例:d
考え方
FDGはグルコース輸送体で細胞に入り、リン酸化後に保持されます。
各選択肢の解説
- a:誤り — 脂溶性分子が関門を越え細胞内変換で保持される薬です。
- b:誤り — 脂溶性による関門通過と血流依存性を主に利用します。
- c:誤り — 関門通過後の中枢ベンゾジアゼピン受容体結合を評価します。
- d:正しい — 糖輸送体による膜輸送の代表です。
- e:誤り — 水は自由拡散を使い、GLUT等の特異輸送体による取り込みではありません。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・FDG PET/PET-CT診療GL2012:FDGの糖輸送とリン酸化機序。
脳神経核医学・問26
解答例:c
考え方
嗜銀顆粒性認知症では側頭葉内側前方の病理・萎縮・血流低下に左右差が出やすいことが知られます。画像だけの病理確定ではありません。
各選択肢の解説
- a:誤り — 特徴は脳室拡大と歩行・認知・尿症状等で、左右非対称な皮質低下の代表ではありません。
- b:誤り — 線条体・小脳・脳幹などが病型により障害され、皮質左右差の最頻群とはしません。
- c:正しい — 2017学会GLは病理確認例の機能画像で高頻度の左右差を示す研究を紹介しています。
- d:誤り — ADも左右差がありますが、この比較では前側頭内側の著明左右差を特徴とする疾患を選びます。
- e:誤り — 後頭部などの機能低下が特徴ですが、皮質左右差の最頻群とはしません。
根拠・参考文献
- 日本神経学会等・認知症診療GL2017第11章:GL本文に左右差を伴う側頭内側機能低下、病理例SPECT/PET全例左右差の引用を確認。
心臓核医学・問27
解答例:a
考え方
Tlは実効線量が比較的大きく、若い患者へ優先して用いることを被ばく低減策とはしません。
各選択肢の解説
- a:誤り — Tc薬等を用いた適切なプロトコルより線量負担が大きいことがあり、この年齢閾値でTl優先は低減策ではありません。
- b:正しい — 高品質の正常負荷像なら追加投与を省く方針で線量を減らせる場合があります。
- c:正しい — 感度と検出効率の向上により低投与量で必要計数を得られます。
- d:正しい — 分解能補正等を用い、画質を検証しながら必要な計数・投与量を減らします。
- e:正しい — 目的臓器へ感度を集中させ計数収集を効率化できます。
根拠・参考文献
- JCS2010・心臓核医学検査ガイドライン:心筋核医学の薬剤と収集最適化。stress-only/CZT専用の直接線量研究は追加対象。
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual, 2020 Edition:専用カメラ・半導体と収集感度。
心臓核医学・問28
解答例:c
考え方
Tcの主光子140keVはTlの撮像で主に使う低エネルギーX線より高く、減弱影響が小さくなります。経時再分布はTlが優れます。
各選択肢の解説
- a:誤り — 緊急灌流を投与時分布として保持するTc薬が使いやすく、Tlを一律優先しません。
- b:誤り — 初回抽出は一般にTlの方が高く、向きが逆です。
- c:正しい — Tcは140keV、Tl撮像の主領域は約70〜80keVのX線です。
- d:誤り — Tcの方が高エネルギーで、通常減弱影響は小さい方向です。
- e:誤り — 再分布を利用できるのは主にTlで、tetrofosminには乏しい性質です。
根拠・参考文献
- JCS2010・心臓核医学検査ガイドライン:Tc/Tlのエネルギー・保持・再分布の差。
関連する過去問
心臓核医学・問29
解答例:d
考え方
左脚ブロックでは運動による頻脈と非同期収縮で中隔の偽陽性が増えるため、適切な血管拡張負荷を選びます。
各選択肢の解説
- a:誤り — 年齢だけで血管拡張薬を優先せず、運動能・目的で選びます。
- b:誤り — 閉塞性肺疾患では薬剤の気管支反応に注意し、病名のみで優先しません。
- c:誤り — 活動性喘息等では気管支攣縮のリスクがありアデノシンを避ける条件です。
- d:正しい — 中隔の運動負荷偽陽性を減らす代表的な選択です。
- e:誤り — 高度伝導障害ではさらに房室伝導を抑える薬剤は通常禁忌となります。
根拠・参考文献
- JCS2010・心臓核医学検査ガイドライン:左脚ブロックでの負荷選択とアデノシン禁忌。
心臓核医学・問30
解答例:e
考え方
専用半導体装置は高効率・高分解能の撮像を短時間で行えます。体格・位置と機器特性に合う手順が必要です。
各選択肢の解説
- a:誤り — 軽い運動の併用は肝背景・副作用等の改善を狙い、viability判定そのものが目的ではありません。
- b:誤り — 腹臥位は主に横隔膜による下壁減弱の検証に使い、前壁には新たな偽低下を作る場合もあります。
- c:誤り — TIDは高度・広範な虚血を疑う所見で、中等度一枝に頻発する代表像ではありません。
- d:誤り — 胆肝集積はTc薬で問題となりやすく、Tlの方が多いという説明は逆です。
- e:正しい — 高い検出効率と専用幾何により従来より効率的な収集を可能にします。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual, 2020 Edition:専用半導体カメラと性能。
- JCS2010・心臓核医学検査ガイドライン:負荷併用・腹臥位・TID等の読影。
心臓核医学・問31
解答例:b
考え方
MIBIは脂溶性陽イオンで膜を通過し、ミトコンドリア電位に依存して保持されます。TlはK類似体です。
各選択肢の解説
- a:誤り — 脂溶性が細胞膜通過に重要で、単なる水溶性血液プール薬ではありません。
- b:正しい — 受動的膜通過の後に膜電位依存の保持が生じます。
- c:誤り — ミトコンドリア保持を代表とするのはMIBIで、TlはK類似の細胞輸送を利用します。
- d:誤り — Tlの再分布は生存性検出を助ける有用な性質です。
- e:誤り — CaでなくKと似た輸送・生物学的挙動を示します。
根拠・参考文献
- JCS2010・心臓核医学検査ガイドライン:TlとTc心筋薬の集積と再分布。
腫瘍核医学・問32
解答例:e
考え方
MIBGの主取り込みはNE輸送体です。安定ヨウ素による正常甲状腺のブロックを、造影剤一律禁止と取り違えません。
各選択肢の解説
- a:正しい — 少なくとも四時間の絶食は腫瘍FDGの一般的前処置です。
- b:正しい — 脳Tl腫瘍像はFDGのような糖代謝前処置を要しません。
- c:正しい — 腸管排泄の重なりを減らす目的で下剤等を考慮します。便秘・病態で個別化します。
- d:正しい — 受容体占有の影響を避けるため、病状を考慮し製剤別の休薬条件を検討します。自己判断で治療を中止させません。
- e:誤り — 甲状腺I131検査治療のヨウ素制限と、MIBGのNE輸送機序を混同した条件です。造影の腎機能・他検査への影響は別に確認します。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・FDG PET/PET-CT診療GL2012:FDG前処置。
- PMDA・オクトレオスキャン申請資料2015:ソマトスタチン類似薬との競合と休薬。
- PMDA・MIBG申請資料:MIBGのNE機序と甲状腺防護。造影剤の禁止有無を示す専用原文は追加対象。
腫瘍核医学・問33
解答例:c
考え方
骨シンチ通常像は投与数時間後です。翌日像は腎機能や背景等の条件に応じた追加で、標準時刻ではありません。
各選択肢の解説
- a:正しい — 受容体像は数時間と翌日の二時相を組み合わせます。
- b:正しい — 診断MIBGは早期と翌日を用いて背景と保持を評価します。
- c:誤り — 通常は二〜四時間程度で、翌日だけを一般的条件とはしません。
- d:正しい — Gaは遅い背景低下を待って二〜三日後などに撮像します。
- e:正しい — 皮質への保持と背景低下を待ち通常七日以降に撮像します。
根拠・参考文献
- EANM・骨シンチGL:骨遅延像の一般的撮像時間と例外。
- PMDA・オクトレオスキャン申請資料2015:In111の撮像時刻。
- PMDA・アドステロール添付文書:七日以降の撮像。
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呼吸器核医学・問34
解答例:未確定
未確定・d/e双方が誤りとなり得るため単一解を留保
考え方
Kr81mは閉鎖再呼吸回路を必須とせず、短半減期のためXeのような遅い洗い出し・air trapping評価にも不向きです。二つの肢に問題があり、誤り一つの公式正答は留保します。
各選択肢の解説
- a:正しい — Technegasの微粒子が末梢気道・肺胞へ沈着して換気分布を示します。
- b:正しい — 加熱生成の専用装置を用います。
- c:正しい — 肺に保持される微粒子なのでSPECTで分布を収集できます。
- d:誤り — 連続供給の開放吸入を行え、Xeのような閉鎖回路が必須ではありません。
- e:誤り — 約十三秒の短半減期で放射能が先に消えるため遅いガス捕捉評価には不向きです。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・呼吸器核医学診療GL第2版:換気薬の回路・半減期と洗い出しの区別。
- Lung imaging with radioaerosols for the assessment of airway disease1980:PubMed APIで原著抄録を独立確認。Krは迅速換気空間の評価に適する一方、短半減期がair trapping描出を制限する。論文全文の再精査ではない。
呼吸器核医学・問35
解答例:d
考え方
閉鎖気道の末梢では換気低下に応じて灌流も減ります。MAAの分布異常だけで血管閉塞の原因を確定しません。
各選択肢の解説
- a:誤り — 高安動脈炎の肺動脈病変も区域欠損を作り、灌流像だけでは血栓と区別できません。
- b:誤り — 重症肺高血圧では粒子数等に慎重な配慮が必要ですが、この圧のみの絶対禁忌ではありません。
- c:誤り — 原発性肺高血圧の代表像を胸膜裂隙サインと固定しません。
- d:正しい — 低換気部への生理的血流再分配・血管収縮が灌流低下に関与します。
- e:誤り — 立位等では通常重力依存の下肺が多くなるため、向きが逆です。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・呼吸器核医学診療GL第2版:低換気/低灌流対応と肺血管疾患の鑑別、肺高血圧での注意。
関連する過去問
呼吸器核医学・問36
解答例:b
考え方
MAAはヒトアルブミンの粗大凝集粒子で、均一に懸濁して投与します。透明な溶液とは違います。
各選択肢の解説
- a:正しい — ヒト血清アルブミンを原料とするため血液由来の製剤管理が必要です。
- b:誤り — 意図した粒子を含む懸濁剤なので無色透明の液ではありません。
- c:正しい — 通常は所定のRI使用施設・管理条件で投与します。法定例外の手続きは別です。
- d:正しい — 肺の微小血管へ捕捉され投与時肺灌流を反映します。
- e:正しい — 選択的動注ではその血管の灌流分布を示す原理を利用できます。標準静注と同一の安全性とはしません。
根拠・参考文献
- 4学会・放射性医薬品取扱GL第3.1版:MAAの原料・懸濁粒子・調製と投与管理。
消化器核医学・問37
解答例:a
解答候補a・bも標準早期像では妥当で単一性留保
考え方
GSAは約185MBqを投与し直後から動態を収集します。標準早期像で胆嚢を描かないという肢も概ね成立するため、単一選択の設問解釈を留保します。
各選択肢の解説
- a:正しい — 成人の通常使用放射能に一致します。
- b:未確定 — 早期の受容体像は肝胆道排泄像ではなく、胆嚢が描かれない説明も通常妥当です。この肢を無理に誤りとはしません。
- c:誤り — 心臓三分・十五分等の曲線が必要なので、投与直後から記録します。
- d:誤り — Tc140keVには通常低エネルギー用を用います。
- e:誤り — 肝取り込み割合は機能低下で通常下がり、上昇ではありません。
根拠・参考文献
- 製造販売元・アシアロシンチIF:GSAの185MBq、受容体集積と動態。
- 塩見ら・Tc-GSA臨床的有用性1993:慢性肝疾患原研究の動態収集と機能指標。
関連する過去問
泌尿器核医学・問38
解答例:b
考え方
血管内の初回通過が落ち着き尿路排泄が強くなる前の、投与後二〜三分程度の腎摂取をGFR推定に利用します。
各選択肢の解説
- a:誤り — 主に灌流・血液プールの初回通過相で、濾過保持の評価には早過ぎます。
- b:正しい — 初期実質摂取を評価する代表的な時間帯です。背景と腎深度等を補正します。
- c:誤り — 尿路への流出の影響が増えるため初期摂取率より条件が悪くなります。
- d:誤り — 主に排泄相となり、単純なGFRの初期取り込み測定ではありません。
- e:誤り — 排尿路への移行・残留をみる相で、早期濾過定量の代表ではありません。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・小児核医学検査GL:DTPA動態の灌流・実質摂取・排泄の区分。Gates原法は追加原著照合対象。
- Wangら・初期膀胱排泄とGates法の実験研究2020:DTPAの一〜二/二〜三分の取り込み率によるGates計算と早期尿移行による過小評価を原研究本文で確認。ウサギ実験であり人のGFR精度を保証するものではない。
消化器核医学・問39
解答例:e
考え方
胃粘膜の薬剤保持と並行して下腹部に焦点が出る所見から、異所性胃粘膜を持つMeckel憩室を考えます。出血した血液を直接追う検査とは違います。
各選択肢の解説
- a:誤り — 本来の胃以外に限局した異常保持を疑い正常のみとは扱いません。
- b:誤り — 胃の強い生理的集積は薬剤の正常分布であり胃出血の証明ではありません。
- c:誤り — 十二指腸へ漏れた血液の移動を直接示す検査ではありません。
- d:誤り — 腫瘍一般の検査ではなく異所性胃粘膜の機序を優先します。
- e:正しい — 幼児の消化管出血と胃以外の粘膜様保持に整合します。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・小児核医学検査GL:過テクネチウム酸による異所性胃粘膜描出。
骨核医学・問40
解答例:b
考え方
原本では腎実質と軟部にも強い分布があります。骨に極端に集中して腎尿路が乏しい典型superscanとは違います。
各選択肢の解説
- a:正しい — 胸部等に骨格だけではない取り込みを認めます。
- b:誤り — 腎描出が目立ち、典型的な全身骨への極端な集中像とは異なります。
- c:正しい — 骨端成長板の小児像ではなく成人の骨格分布です。
- d:正しい — 両腎の実質取り込みが強く残っています。
- e:正しい — 肩・手・膝など関節部の取り込みが目立ちます。原因は臨床情報と評価します。
根拠・参考文献
- EANM・骨シンチGL:骨外集積と全身分布、superscanの読影。
脳神経核医学・問41
解答例:c
考え方
イオフルパンは薬液の性状等により注射時疼痛を起こすことがあり、緩徐投与など規定の手順を守ります。漏出がなくても疼痛は起こり得ます。
各選択肢の解説
- a:誤り — 検査前処置や副作用はありますが、本比較の代表的な静注血管痛薬ではありません。
- b:誤り — NE類似性による症状や投与速度への注意と、今回の血管痛頻度を分けます。
- c:正しい — 静注時疼痛が知られ、適切な速度と静脈ルートの確認が必要です。
- d:誤り — 脂肪酸代謝薬の一般的投与で、この比較の血管痛代表ではありません。
- e:誤り — 受容体薬の一般的副作用と、本問の静注疼痛の相対頻度は別です。
根拠・参考文献
- PMDA・ダットスキャン申請資料:イオフルパン投与部位/静注時の安全性。各五製剤の直接比較試験ではない。
骨核医学・問42
解答例:e
考え方
CRPSでは病期に応じた血流・血液プール・遅延骨代謝を組み合わせて評価する意義があります。
各選択肢の解説
- a:誤り — 全身性骨代謝異常は遅延像の分布が主で、局所三相評価の代表ではありません。
- b:誤り — 骨密度低下は別検査を主に使い、三相骨像の代表適応ではありません。
- c:誤り — 心等の沈着病型にはPYP等を用いますが、この三相骨評価の代表ではありません。
- d:誤り — 筋変性そのものを三相骨シンチの主標的とはしません。
- e:正しい — 初期の血流・関節周囲代謝の変化を調べ、時期による陰性・低集積にも注意します。
根拠・参考文献
- EANM・骨シンチGL:CRPSと三相骨シンチ、病期別限界。
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脳神経核医学・問43
解答例:c
解答候補c・原図薬剤名と読影条件不明
考え方
原本では白質優位で皮質へ明確な広がりが乏しく、アミロイド陰性を考えます。深部の非特異成分を皮質沈着と混同しません。
各選択肢の解説
- a:誤り — 原因不明MCI等で専門診療後の鑑別が必要なら適正な使用となり得ます。年齢だけで不適切とはしません。
- b:誤り — 後部帯状回に明確な皮質沈着を示すとは読めず、白質との境界を確認します。
- c:正しい — 白質・深部の取り込みには非特異成分があり、この部の集積だけで陽性にしません。薬剤別読影基準が必要です。
- d:誤り — 両側側頭皮質の明瞭な陽性所見は指摘しにくい像です。
- e:誤り — 画像だけで薬効を保証せず、MCIか認知症かと背景病理を合わせて処方を判断します。
根拠・参考文献
- 7学会・アミロイドPET適正使用GL第4版:陰性/陽性の皮質評価、MCI等の適正使用。薬剤不明の深部取り込みの断定には限界を残す。 2025年版による機序・画像解釈の補足で、2020年当時の承認・適応を直接保証する資料ではありません。
脳神経核医学・問44
解答例:e
解答候補e・精神医学的確定診断資料なし
考え方
前方機能低下はあるものの、DATが保たれアミロイド陽性も明瞭でなく、粗大な梗塞・水頭症にも乏しいためうつ病を優先する鑑別です。画像のみでうつ病を確定はできません。
各選択肢の解説
- a:誤り — 典型的な脳室形態・髄液循環障害を示す図ではありません。
- b:誤り — 明確なアミロイド沈着等が乏しく、今回の所見からADを第一に確定しません。
- c:誤り — 軽微な白質信号だけで認知症の原因となる血管病変と断定しません。
- d:誤り — DAT保持と後頭優位所見の乏しさから積極的な支持に欠けます。幻覚のみでDLBとはしません。
- e:正しい — 精神症状・食欲低下と、他四疾患の画像根拠の乏しさを合わせる候補です。精神科的評価と経過が必要です。
根拠・参考文献
- 7学会・アミロイドPET適正使用GL第4版:アミロイド陰性の病理的意味と限界。 2025年版による機序・画像解釈の補足で、2020年当時の承認・適応を直接保証する資料ではありません。
- PMDA・ダットスキャン申請資料:DAT保持/低下の診断的意義と交絡。うつ病特異的な検査ではない。
脳神経核医学・問45
解答例:c
考え方
左側では血流低下と酸素抽出率上昇があり、既に拡張して代償しているためCO2上昇への追加拡張が乏しいと考えます。
各選択肢の解説
- a:誤り — CO2低下は通常収縮刺激であり拡張刺激という向きが違います。
- b:誤り — この比較で問うのはCO2上昇への予備能で、低下時収縮増大の証明はありません。
- c:正しい — 低灌流側で追加の血管拡張余力が乏しい説明に整合します。
- d:誤り — 既に代償性拡張している側なので、余力増加という説明は逆です。
- e:誤り — 非対称な低灌流/OEF代償所見があり、両側同等と判断しません。
根拠・参考文献
- Baronほか・Misery perfusion(1981):血流低下・OEF上昇の代償状態。
- Bednarczykら・過換気による血流低下1990:PaCO2変化による脳血流の生理。
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脳神経核医学・問46
解答例:d
考え方
統計表示は位置合わせや基準データに依存する補助情報です。元断層像・形態像・臨床情報を省略できません。
各選択肢の解説
- a:正しい — 粗大病変や変形で位置合わせが失敗し、偽の低下・増加が生じ得ます。
- b:正しい — 標識ヨウ素薬での遊離成分による甲状腺線量低減を目的に、製剤に沿ったブロックを検討します。
- c:正しい — 全体的な拡大・回転等と局所的変形を組み合わせて標準空間へ合わせます。
- d:誤り — 誤登録・萎縮・アーチファクト等を見逃すため統計図だけに置き換えません。
- e:正しい — 薬剤の正常分布や加齢変化が異なるため対応した基準データが必要です。
根拠・参考文献
- IAEA Quantitative Nuclear Medicine Imaging: Concepts, Requirements and Methods:再構成・定量・登録誤差を踏まえる画像評価。
- 7学会・アミロイドPET適正使用GL第4版:機能像・形態像と臨床診断の統合。脳血流統計法の専用原著ではない。 2025年版による機序・画像解釈の補足で、2020年当時の承認・適応を直接保証する資料ではありません。
脳神経核医学・問47
解答例:b
考え方
アミロイドは症状より早く蓄積し、その後の量と臨床重症度は単純比例しません。糖代謝低下とは別の病理指標です。
各選択肢の解説
- a:正しい — 代謝機能の低下分布や広がりは臨床進行に対応することがあります。
- b:誤り — 早期から陽性化することと、進行度の尺度として優れることは別です。
- c:正しい — 後部帯状回・楔前部などは早期機能低下の代表部位です。
- d:正しい — 2020年時点で国内承認済みアミロイド診断薬があります。
- e:正しい — 2020年試験時点の国内承認状況です。現在の承認有無をこの記述から自動的に引き継ぎません。
根拠・参考文献
- 7学会・アミロイドPET適正使用GL第4版:アミロイド病理と臨床症状の時間差、診断薬適正使用。2020承認状況の個別原通知は追加対象。 2025年版による機序・画像解釈の補足で、2020年当時の承認・適応を直接保証する資料ではありません。
- 日本核医学会・FDG PET/PET-CT診療GL2012:ADでの早期後部帯状回代謝低下。
脳神経核医学・問48
解答例:d
考え方
MRでは右深部病変、MRAでは右MCA病変を考え、灌流低下は局所梗塞より広がっています。左小脳の低下は神経連絡を介するCCDとして説明できます。
各選択肢の解説
- a:誤り — 頸動脈から頭蓋内への流れは見え、内頸動脈全閉塞とMCA病変を混同しません。
- b:誤り — DWI病変は深部白質・基底核寄りで皮質梗塞を主としません。
- c:誤り — 機能低下は梗塞巣以外の皮質にも広がり一致するとはいえません。
- d:正しい — 大脳病変の対側小脳へ機能抑制が及ぶ機序です。小脳の独立梗塞と直結しません。
- e:誤り — 負荷後にも右側反応が乏しく、予備能低下を否定しません。
根拠・参考文献
- 4学会・アセタゾラミド適正使用指針2015:血行障害の灌流予備能評価。
- 日本核医学会・小児核医学検査GL:交差性小脳機能低下と血流像評価の背景。
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心臓核医学・問49
解答例:d
解答候補d・グレースケール原図の部分再分布判断
考え方
回旋枝側に固定障害を疑う低下があり、一部の再分布も伴います。駆出率は負荷と安静でほぼ同程度なのでstunningを主所見とはしません。
各選択肢の解説
- a:誤り — 側壁の明瞭な低下があり正常像ではありません。
- b:誤り — 固定部に加え周辺の改善があるため、虚血なしと限定しません。
- c:誤り — 中心は前壁中隔でなく側壁寄りの領域です。
- d:正しい — 固定欠損とその周辺の可逆性低下が混在する読みです。冠支配には個体差があります。
- e:誤り — 原本のEF・容積差は小さく、機能低下を積極的に示す主所見ではありません。
根拠・参考文献
- JCS2010・心臓核医学検査ガイドライン:固定/可逆性灌流欠損と同期機能の総合。
心臓核医学・問50
解答例:b
考え方
灌流が低くても前壁・下壁にFDGが保持され生存心筋を示唆します。ただし生存性があることだけで再建の予後利益や手術適応を自動確定しません。
各選択肢の解説
- a:誤り — FDGが残る領域があり両者欠損と扱うのは不適切です。
- b:正しい — 両領域に生存性があり血行再建を検討する情報です。冠解剖・症状・リスク等を統合して最終決定します。
- c:誤り — 代謝が灌流より低い逆mismatchではなく、相対的に保持される分布です。
- d:誤り — 下壁にも代謝保持があり、前壁だけに限定しません。
- e:誤り — 前壁にも代謝保持があり、下壁だけに限定しません。
根拠・参考文献
- JCS2010・心臓核医学検査ガイドライン:血流/糖代謝mismatchと生存性。再建の臨床適応を画像単独で決めない。
関連する過去問
心臓核医学・問51
解答例:b
考え方
心臓の取り込み低下と遅延像の保持不良は神経機能障害を示し、洗い出しは一般に亢進します。
各選択肢の解説
- a:正しい — 早期・後期とも心臓と背景の差が乏しい像です。
- b:誤り — 遅延するのでなく保持が乏しく、背景や核壊変を補正した洗い出し増加を考えます。
- c:正しい — NE取り込み・神経終末保持の障害が示唆されます。
- d:正しい — 心不全では低H/M・高洗い出しはリスク指標です。
- e:正しい — PDでも節後心交感神経障害により類似の低下があり、心不全特異的ではありません。
根拠・参考文献
- JCS2010・心臓核医学検査ガイドライン:MIBG保持低下・洗い出しと予後、神経変性の交絡。
関連する過去問
心臓核医学・問52
解答例:e
考え方
SPECT/CTで左室心筋への集積を確認しATTR心アミロイドーシスを疑います。単クローン性蛋白の評価等でALを除外し病型を確定して治療します。
各選択肢の解説
- a:誤り — 遺伝性病型には国内集積地域がありますが、この高齢例を東北最多とする根拠はありません。
- b:誤り — 通常一〜三時間のプロトコルを用い、二十四時間後だけを標準にしません。
- c:誤り — PYPは骨トレーサーなので脊椎集積は通常分布です。
- d:誤り — 糖質制限は心サルコイドFDGの正常心筋抑制でありPYPとは別です。
- e:正しい — タファミジスはTTR四量体を安定化し、適応条件を満たすATTR心筋症に用います。
根拠・参考文献
- JCS2020・心アミロイドーシスGL:2020GLの一/三時間撮像、SPECTでの血液プール除外とAL重複、TTR安定化薬を本文確認。
心臓核医学・問53
解答例:c
考え方
負荷で目立つ側壁側低下が安静で改善し、回旋枝領域の虚血を考えます。負荷後内腔の広がりも合わせて評価します。
各選択肢の解説
- a:誤り — 前壁中隔主体のLAD領域に限定する像ではありません。
- b:誤り — 側壁は安静で改善があるため、すべて固定欠損とはしません。
- c:正しい — 側壁の負荷/安静差が整合します。冠支配は形態情報と確認します。
- d:誤り — 主な低下は前壁ではなく側壁寄りです。
- e:誤り — 負荷で内腔が大きい印象があり、TIDを否定せず定量指標等と確認します。
根拠・参考文献
- JCS2010・心臓核医学検査ガイドライン:可逆性側壁低下・TIDと冠動脈領域。
心臓核医学・問54
解答例:d
考え方
局所の活動性を示すBと高度房室ブロックを組み合わせ、ステロイドを検討する条件です。ペースメーカ等の伝導障害対策も別に必要です。
各選択肢の解説
- a:誤り — Dのびまん性像は前処置後でも生理的抑制不十分の可能性があり、一律炎症陽性にしません。
- b:誤り — 不均一病変による標本誤差で通常の心筋生検感度は低く、2016GLでは約二割です。
- c:誤り — Gaも異常心筋集積の診断基準として残り、FDG普及だけで除外していません。
- d:正しい — 活動性炎症を疑う集積と高度伝導障害は免疫抑制を考える条件です。
- e:誤り — 遅延造影は線維化・病変分布を示す有用な診断所見で、非特異性だけを理由に無価値とはしません。
根拠・参考文献
- JCS2016・心臓サルコイドーシスGL:約20%の生検感度、高度房室ブロックでステロイド考慮、Ga/FDG・MRIを診断に用いる記載を本文確認。
腫瘍核医学・問55
解答例:e
解答候補e・腫瘍塞栓を疑う出題画像。臨床術式/循環評価未提示
考え方
左腎腫瘍から静脈系・右心系を通る集積病変と肺動脈内の集積を合わせ、大きな腫瘍塞栓による急変を疑います。専門チームによる緊急除去・循環管理を検討します。
各選択肢の解説
- a:誤り — 皮疹・喘鳴等のアナフィラキシーより、画像上の血管内腫瘍進展を優先する病態です。
- b:誤り — 腫瘍塊は通常の血栓のように溶解できず、これだけを主治療としません。
- c:誤り — 炎症性やアレルギー性反応を抑えるだけでは機械的腫瘍閉塞を解除しません。
- d:誤り — 併存血栓には必要な場合がありますが、大きな腫瘍塞栓除去の代わりにはなりません。
- e:正しい — 急性の腫瘍塞栓なら外科的除去が必要となる状況です。血行動態・画像で即時に専門判断します。
根拠・参考文献
- A case of pulmonary tumor embolism diagnosed immediately after FDG-PET/CT2021:PubMed APIで原著抄録を独立確認。左腎癌の静脈・右房・肺動脈腫瘍塞栓に緊急摘除を実施した類似症例。2021年補足であり本試験症例との同一性は未確定。
腫瘍核医学・問56
解答例:e
考え方
腫瘤にスズコロイドの取り込みが残れば、網内系細胞を含む機能する脾組織を示唆します。良悪性を単独確定する所見ではありません。
各選択肢の解説
- a:誤り — 脾門の結節がコロイドで同様に保持されるか確認が必要で、この像だけで副脾と断定しません。
- b:誤り — FDGは腫瘤を中心とした変化で、脾全体の一様な増加としません。
- c:誤り — 網内系保持があり、悪性腫瘍と一律に断定する根拠にはなりません。
- d:誤り — スズコロイドは正常でも肝脾へ捕捉され、G-CSFがなければ見えない像ではありません。
- e:正しい — 局所取り込みは網内系細胞を含むことを支持します。形態・経過と総合します。
根拠・参考文献
- 日本核医学会・小児核医学検査GL:スズコロイド網内系捕捉と脾組織の検出。個別腫瘤の組織型は確定しない。
治療核医学・問57
解答例:c
考え方
脊髄圧迫は神経機能を守るため先に緊急評価・適切な処置が必要です。Ra223が特に効く条件と解釈しません。
各選択肢の解説
- a:正しい — 骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌が適応ですが、内臓転移・骨髄状態等の条件も確認します。
- b:正しい — 適格例で全生存の改善が示された治療です。すべての患者に同じ利益を保証しません。
- c:誤り — 投与前に適切な処置を行う病態であり、脊髄圧迫自体を高効果の指標としません。
- d:正しい — 国内標準の体重当たり投与量です。
- e:正しい — 四週間ごと最大六回という規定です。副作用等で延期・中止する場合があります。
根拠・参考文献
- PMDA・ゾーフィゴ添付文書:適応・55kBq/kg・四週/六回・脊髄圧迫の事前処置を添付文書本文で確認。
- 日本核医学会・Ra223適正使用マニュアル第1版:臨床試験と治療選択。
腫瘍核医学・問58
解答例:c
考え方
経過中の急速な臨床増悪と集積上昇は高悪性度化を疑う手掛かりです。SUVの閾値だけで確定せず、最も疑わしい部の再生検を検討します。
各選択肢の解説
- a:誤り — 初回から横隔膜をまたぐリンパ節群があり、二期以下へ限定しません。
- b:誤り — 心筋は生理的集積でも強く見え、これだけで腫瘍浸潤と断定しません。
- c:正しい — 進行速度と集積変化を合わせて疑い、生検で病理を確認します。
- d:誤り — 二年後の病変増大を骨治癒反応等のflareだけで説明する根拠はありません。
- e:誤り — 形質転換の有無・病期・治療反応等で予後は変わり、治療実施だけで良好とは保証しません。
根拠・参考文献
- Noyら・形質転換リンパ腫のFDG集積2009:形質転換例の高SUV傾向と、高集積部を狙う生検を原研究抄録本文で確認。低SUV転換例もあり確定閾値としない。
骨核医学・問59
解答例:e
考え方
四肢長管骨の皮質に沿う対称的な線状集積は肥厚性骨関節症を考える所見です。肺疾患、とくに胸部腫瘍等の検索が必要です。
各選択肢の解説
- a:誤り — 疼痛の慢性化だけではこの対称性骨膜分布を説明しません。
- b:誤り — 骨代謝異常はあり得ますが、この所見との最も典型的な関連ではありません。
- c:誤り — 一部チアノーゼ性心疾患等にも関連しますが、一般的慢性心疾患を第一にしません。
- d:誤り — 腎性骨症の関節周囲・頭蓋・全身代謝像と区別します。
- e:正しい — 胸部疾患に伴う肥厚性骨関節症で骨膜沿いの対称集積を示します。
根拠・参考文献
- EANM・骨シンチGL:骨膜反応・肥厚性骨関節症の骨シンチ分布。
治療核医学・問60
解答例:e
独自解答候補(標準数量基準と個別評価の区別)
考え方
結節性hot病変と周囲抑制から自律性結節を考えます。分化癌残存焼灼の特例をこの亢進症治療へ適用せず、標準数量基準を超える場合は治療病室等で管理します。
各選択肢の解説
- a:誤り — 過剰ヨウ素で取り込みが下がるので事前制限を行います。
- b:誤り — 機能性結節の非手術治療として行え、癌治療の全摘を前提にしません。
- c:誤り — TSH刺激が必要な分化癌治療とは違い、亢進症ではTSHは通常抑制されています。
- d:誤り — 吸収線量計算には物理だけでなく排泄を含む有効半減期が必要です。
- e:正しい — 通常の亢進症数量基準500MBqを超え、1.11GBq残存焼灼特例の対象でもありません。個別積算線量等の別退出判定が成立する場合はその基準で判断します。
根拠・参考文献
- ATA・甲状腺機能亢進症GL2016:自律性結節のRAI、摂取・甲状腺量・有効半減期。
- 厚労省・RI投与患者退出指針(2010改正):I131退出の数量/線量率/個別線量基準。特例と通常治療の区分。
記述式の解答・解説
原問題は学会HPで確認してください。問題文・画像は掲載せず、独自の解答例と考え方を示します。
記述・問1
出題テーマ:心電図同期心筋SPECTの機能解析と小心臓効果
解答例:各小問の独自解答例を参照。
独自解答例(公式採点基準未確認)
以下に出題テーマごとの解答例と考え方を示す。
小問1-1
テーマ:心電図同期心筋SPECTの左室機能指標
解答例:左室拡張末期容積・左室収縮末期容積・左室一回拍出量・左室駆出率
拡張末期と収縮末期の内腔容積を求め、その差が一回拍出量、差を拡張末期容積で割った割合が駆出率となる。算出値を採用する前に、心筋輪郭と同期データの妥当性を確認する。
独自解答例(公式採点基準未確認)
小問1-2
テーマ:小心臓における自動輪郭抽出誤差
解答例:左室収縮末期容積が過小評価される。・左室駆出率が過大評価される。
原本の輪郭では収縮期の内腔が非常に小さく抽出されており、小心臓効果に整合する。空間分解能の制約で対向する心筋の信号が重なり、収縮末期の内腔を実際より狭く計測すると、駆出率が見かけ上高くなる。表示された高値だけから真の過収縮と判定しない。
独自解答例(公式採点基準未確認)
画像の所見からの解答例であり、別モダリティによる真の容積との照合はない。
小問1-3
テーマ:小心臓効果の患者要因
解答例:左室内腔そのものが小さいこと。
特に収縮末期内腔が撮像系の分解能に対して小さいと、内腔の定量が不安定になる。小柄な女性で多いが、女性であること自体を測定誤差の直接原因としない。心肥大による別種の輪郭誤差とも区別する。
独自解答例(公式採点基準未確認)
小問1-4
テーマ:心電図同期SPECTの患者由来誤差
解答例:不整脈による心拍間隔の変動。・撮像中の体動。
不整脈では異なる長さの心周期が混ざり、収縮・拡張時相の対応やカウント分配が崩れる。体動では投影間の位置がずれて心筋輪郭が不正確になる。前者は拍動ヒストグラム、後者は投影シネなども確認する。
独自解答例(公式採点基準未確認)
根拠・参考文献
- SNMMI/ASNC/SCCT:Cardiac SPECT/CT and PET/CT guideline(2013):心電図同期画像、拍動ヒストグラム、左室輪郭、体動の品質確認。
- Fordら:QGSによる小左室での駆出率過大評価(2001):小心臓での部分容積効果と収縮末期容積の過小評価、駆出率の過大評価。
記述・問2
出題テーマ:医療放射線の法令・所管と安全管理体制
解答例:各小問の独自解答例を参照。
独自解答例(公式採点基準未確認)
以下に出題テーマごとの解答例と考え方を示す。
小問2-1
テーマ:医療放射線管理に関係する法体系
解答例:医療法・労働安全衛生法・医薬品医療機器等法・放射性同位元素等の規制に関する法律
施設と患者に関する規制、労働者の職業被ばく、放射性医薬品の品質・承認、医療法対象外も含むRI等の規制を区別して挙げる。対象物と使用形態により適用関係が異なるため、全ての薬剤に四法が同じ形で重複適用されるという意味ではない。
独自解答例(公式採点基準未確認)
関連法令の解答例。RI規制法と医療法の適用区分は制度改正があるため、2020年の設問から現在の個別手続を断定しない。
小問2-2
テーマ:放射線関連法の所管
解答例:医療法:厚生労働省。・労働安全衛生法:厚生労働省。・医薬品医療機器等法:厚生労働省。・RI規制法:原子力規制委員会(環境省の外局)。
RI規制法を旧所管の文部科学省とするのは2020年時点でも適切でない。PMDAは医薬品審査・安全対策などの実務を担う機関であり、厚生労働省という所管省庁の回答とは分ける。
独自解答例(公式採点基準未確認)
小問2-3
テーマ:2020年施行の診療用放射線安全管理体制
解答例:医療放射線安全管理責任者を配置する。・安全利用に関する指針を文書で整備する。・関係職員に安全利用の研修を実施する。・患者の線量管理・記録と安全利用の改善を行う。
2019年3月の改正に基づき、この安全管理体制は2020年4月に施行された。責任者を置くだけで完了せず、院内指針、教育、患者線量の評価と改善を組み合わせる。対象機器等の線量記録を職員の個人線量記録と取り違えない。
独自解答例(公式採点基準未確認)
根拠・参考文献
- 厚生労働省:2019年3月12日医政発0312第7号(全日本病院協会掲載の通知原本):2020年4月施行の安全管理体制の四項目、責任者、研修、線量管理と記録。
- 原子力規制委員会:放射性同位元素等規制法とは:RI規制法の対象と原子力規制委員会による規制。
- 厚生労働省:電離放射線障害防止規則:労働安全衛生法に基づく職業被ばく防止規則。
- 厚生労働省:医薬品・医療機器:医薬品医療機器等法による品質・有効性・安全性の規制。
- 環境省:組織(外局・付属機関):原子力規制委員会は環境省の外局。
記述・問3
出題テーマ:MIRD法の放射線成分と線量計算
解答例:各小問の独自解答例を参照。
独自解答例(公式採点基準未確認)
以下に出題テーマごとの解答例と考え方を示す。
小問3-1
テーマ:MIRD法で扱う放射線成分
解答例:β線(β−線・陽電子)。・γ線。・特性X線。・内部転換電子。・Auger電子。
核崩壊に伴う粒子・光子のエネルギーを、種類別の放出率と吸収割合で計算する。β−線と内部転換電子はいずれも電子だが、発生機序が異なる。核種により消滅光子やα線なども計算に含めるため、ここに挙げた五分類だけがMIRD法の対象という意味ではない。
独自解答例(公式採点基準未確認)
五種類の独自解答例。公式の分類・採点許容範囲は未確認。
小問3-2
テーマ:MIRD線量評価の構成要素
解答例:各線源領域における時間積分放射能。・放射線ごとの平均エネルギー。・放射線ごとの核崩壊当たり放出数。・線源から標的へのエネルギー吸収割合。・標的領域の質量。
時間積分放射能は投与放射能、臓器への集積と排泄、物理的減衰に依存する。これと、核種の放出エネルギー・放出率、臓器間の幾何と組成に依存する吸収割合、標的質量から吸収線量を求める。自臓器だけでなく他の線源からの寄与も合算する。
独自解答例(公式採点基準未確認)
根拠・参考文献
- SNMMI:Dosimetry of Internal Emitters(2005):放出粒子・光子のエネルギー、吸収割合、標的質量に基づく内部線量計算。
- MIRD Pamphlet No.7:内部転換電子・Auger電子を含む放出電子の比吸収割合。
- SNM MIRD委員会:MIRD Pamphlet No.23(2012):時間積分放射能とS値の積を線源領域について合算する吸収線量評価。
記述・問4
出題テーマ:分化型甲状腺癌の放射性ヨウ素治療
解答例:各小問の独自解答例を参照。
独自解答例(公式採点基準未確認)
以下に出題テーマごとの解答例と考え方を示す。
小問4-1
テーマ:甲状腺癌の放射性ヨウ素治療と組織型
解答例:主な対象は乳頭癌・濾胞癌などの分化型甲状腺癌。
甲状腺濾胞細胞のヨウ素取り込み機能を利用する。分化癌でも全病変が集積するわけではなく、病変のヨウ素集積性と治療利益を確認する。髄様癌や未分化癌を通常の適応に含めない。
独自解答例(公式採点基準未確認)
小問4-2
テーマ:放射性ヨウ素治療の目的別分類
解答例:術後の残存正常甲状腺組織を除去する残存組織アブレーション。・微小な残存癌が疑われる症例での術後補助療法。・ヨウ素集積性を有する残存・再発・転移病変の治療。
三つは治療目的による整理であり、分化癌術後全員に一律実施することを意味しない。再発リスク、病変量、集積性、他治療の選択肢を評価する。既存病変の治療と、画像上明らかな病変がない状態での補助療法を区別する。
独自解答例(公式採点基準未確認)
2020年以前の枠組みによる解答例。現在の適応は最新の国内ガイドライン・薬剤承認範囲と照合する。
小問4-3
テーマ:放射性ヨウ素治療前の集積確保と安全確認
解答例:中心となるのは、ヨウ素制限とTSH刺激である。
ヨウ素を多く含む食品・薬剤や最近のヨード造影剤を確認し、安定ヨウ素との競合を減らす。甲状腺ホルモン休薬または適応に合う遺伝子組換えTSHにより集積を促す。術式と残存病変、腎機能、妊娠・授乳の有無も確認し、治療後の生活上の放射線防護を説明する。休薬とrhTSHは全ての病態で無条件に交換できる方法ではない。
独自解答例(公式採点基準未確認)
2020年の解答と現在の実務を区別し、国内rhTSH適応や休薬期間の一律指定はしない。
根拠・参考文献
- 米国甲状腺学会:Thyroid Cancer:分化癌に対する放射性ヨウ素の選択的使用、TSH刺激とヨウ素制限。現在の一般的患者向け説明であり2020年国内承認範囲を示す資料ではない。
- 米国甲状腺学会:2015分化型甲状腺癌診療ガイドライン:2020年以前のリスク別の残存組織除去・補助療法・既存病変治療の区別。今回は学会公式ガイドライン一覧でも2015版の存在を確認。
- 米国甲状腺学会:Low Iodine Diet:低ヨウ素食による治療前の安定ヨウ素低減。
- 米国甲状腺学会:Radioactive Iodine:TSH刺激、妊娠・授乳中の放射性ヨウ素使用回避と生活指導。
記述・問5
出題テーマ:診断参考レベルによる投与放射能の最適化
解答例:各小問の独自解答例を参照。
独自解答例(公式採点基準未確認)
以下に出題テーマごとの解答例と考え方を示す。
小問5-1
テーマ:診断参考レベルの意味
解答例:標準的な診断手技について、施設の代表的な線量・投与放射能を比較し、最適化の見直しを促すための指標。
施設集団の分布などをもとに設定する。個々の患者に対する線量限度ではなく、超過だけで違法・有害と決まらない。一方、施設の代表値が継続して高い場合には理由を調べ、診断に必要な画質を保ちながら改善する。
独自解答例(公式採点基準未確認)
小問5-2
テーマ:低投与量域にあるTc標識薬のDRL例
解答例:肺血流:99mTc-MAA(2020年版260 MBq)。・腎静態:99mTc-DMSA(2020年版210 MBq)。・腎動態:99mTc-MAG3(2020年版380 MBq)。
検査目的と薬剤を対にして記憶する。同じ核種でも心筋・骨・出血などでは必要量が異なるため、Tc標識薬をまとめて同じ基準にしない。ここで示す値は成人の2020年版であり、小児や現在のDRLへそのまま転用しない。
独自解答例(公式採点基準未確認)
小問5-3
テーマ:施設中央値がDRLを超えた際の最適化
解答例:施設の代表値が比較基準を上回っており、投与量の設定と運用を見直す必要がある。超過だけで個々の検査が不適切だったとは断定できない。
患者体格・対象集団、放射能の校正時刻と実投与量、残留量、計測器校正、撮像時間や装置・再構成条件を確認する。診断画質を評価し、妥当な減量や撮像条件の改善後に中央値を再集計する。画質を損なう一律減量は避ける。
独自解答例(公式採点基準未確認)
設問で与えられた比較基準を使って判断する。J-RIME 2020年版のDTPAは390 MBqであり、設問内の設定値を2020年版の公表値として紹介しない。2025年版など他版との混用もしない。
根拠・参考文献
- J-RIME:Japan DRLs 2020・核医学表:2020年版の成人核医学DRL。MAA肺血流260、DMSA210、MAG3 380、DTPA390 MBq。
記述・問6
出題テーマ:誤投与防止とMAA粒子製剤の管理
解答例:各小問の独自解答例を参照。
独自解答例(公式採点基準未確認)
以下に出題テーマごとの解答例と考え方を示す。
小問6-1
テーマ:放射性医薬品の誤投与防止
解答例:投与直前に本人申告を含む複数識別子で患者と指示を照合する。・調製・分注時に薬剤名、核種、放射能と基準時刻を確認し、容器・シリンジへ識別表示する。・施用者が投与直前に患者、薬剤、実投与放射能、投与経路と時刻を再照合し記録する。
患者取り違え、薬剤取り違え、量・経路の誤りを別々の工程で防ぐ。遮蔽容器に隠れるラベルや同じ外観のシリンジに注意し、確認後の置き換えを防ぐ。独立した照合や記録を院内手順で具体化する。
独自解答例(公式採点基準未確認)
2023年ガイドラインは出題後の補足として明記。2020年の問題文を再掲せず実務原則を説明。
小問6-2
テーマ:MAA粒子製剤の投与前管理
解答例:粒子が沈降するため、分注・投与前に製品手順に沿って均一に再懸濁する。・MAAを含む注射筒内へ血液を逆流・混入させない。
MAAは溶解した一般的トレーサと異なり粒子を投与する。沈降による不均一な分取や血液による粒子凝集は、投与粒子数や肺内分布に影響し偽のホットスポットを生む。実施時は製品の調製条件と患者に適した粒子数も別途確認する。
独自解答例(公式採点基準未確認)
根拠・参考文献
- 日本核医学会等:放射性医薬品取り扱いガイドライン第3.3版(2023):患者・薬剤照合、調製記録、シリンジ表示。出題後の実務補足資料として使用。
- 日本核医学会:放射性ヨウ素投与時の注意事項:患者氏名・年齢・カルテ番号等の確認と誤投与時の連絡。
- EANM:肺換気血流SPECTガイドライン(2019):MAA沈降後の再懸濁と、注射筒内への血液混入による凝集・偽ホットスポット。