この回の出題傾向
この回の公開選択式は100問で、内訳は総論40問、脳神経20問、循環器20問、腫瘍20問です。
同じ公開100問形式の他回と大区分の問題数は同じです。公開セット全体の内訳であり、受験時の60問の内訳とは異なります。
代表的なテーマは体重補正SUVの定義と校正、神経膠腫の悪性度と核医学画像、灌流域・負荷機序・心筋エネルギー基質、高血糖とインスリン、筋活動によるFDG分布です。問題数の差は難易度の差を示すものではありません。
学会公開100問の公式大区分。実際の受験問題数60問とは区別する。 比較は同じ公開形式の他回に限り、主題の重複計上はしていません。
核医学専門医試験・第4回
問題は日本核医学会のHPを別タブで開いて確認しながら取り組んでください。問題文・選択肢・画像は掲載していません。
問題番号を押すと、出題テーマ・解答例・各選択肢の判定理由・根拠資料を確認できます。非公式の解答例です。未確定の項目は理由を明記しています。
解答候補として掲載:A.総論・問12、A.総論・問14、A.総論・問17、A.総論・問21、A.総論・問25、A.総論・問35、A.総論・問36、A.総論・問39、A.総論・問40、B-1.脳神経核医学・問2、B-2.循環器核医学・問3、B-2.循環器核医学・問4、B-2.循環器核医学・問7、B-2.循環器核医学・問11、B-2.循環器核医学・問17、B-2.循環器核医学・問20、B-3.腫瘍核医学・問5。解答未確定:A.総論・問6、A.総論・問7、A.総論・問19、A.総論・問28、A.総論・問31、B-1.脳神経核医学・問5、B-1.脳神経核医学・問17、B-1.脳神経核医学・問18、B-1.脳神経核医学・問20、B-3.腫瘍核医学・問10、B-3.腫瘍核医学・問13、B-3.腫瘍核医学・問15。各項目に理由を記載しています。
A.総論・問1
解答例:d
考え方
In-111の代表的な撮像用ガンマ線は約171keVと245keVである。半減期だけが正しくてもエネルギーとの組合せが誤っていれば選ぶ。陽電子核種の511keVは核から直接放出される陽電子の運動エネルギーではなく消滅光子である。
各選択肢の解説
- a:正しい — 炭素11の半減期は約20分で、PETでは511keV消滅光子を検出する。
- b:正しい — フッ素18の半減期は約110分で、PETの検出光子は511keVである。
- c:正しい — テクネチウム99mは約6時間で壊変し、約140.5keVを撮像に用いる。
- d:誤り — In-111の主要ガンマ線は171・245keV付近であり、低い単一エネルギーを代表線としない。
- e:正しい — ヨウ素123の半減期は約13時間、代表ガンマ線は約159keVである。
根拠・参考文献
- LNHB/DDEP Indium-111 decay data:dの主要放出光子と半減期。
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students(2014):a〜c、eの核種特性とPET消滅光子。
A.総論・問2
解答例:d
考え方
有限の分解能により隣接組織の信号が混ざり、周囲より低集積の領域へも信号が流入する。対象の形状・大きさとROI、周辺の集積、再構成法に依存する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 体軸方向にも分解能の限界があり、隣接スライス間の影響を受ける。
- b:誤り — ROIが病変周辺をどこまで含むかで平均・総計数は変わる。
- c:誤り — 病変の見かけの濃度を変えるため定量値に影響する。
- d:正しい — 周囲からのspill-inにより低集積域の計数が本来より高く見える。
- e:誤り — 有限の空間分解能が主な原因の一つである。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students(2014):第17章、冊子610〜611頁:部分容積効果と背景からの流入。
A.総論・問3
解答例:d
考え方
体重補正SUVには体重を用いた投与放射能濃度による正規化が必要である。装置と放射能測定器の整合、基準時刻の一致、減弱等の補正が定量性を支える。
各選択肢の解説
- a:誤り — 体格を含む正規化が抜けた定義を含むため、この組合せは支持しない。
- b:誤り — 体格補正の欠落に加え、定量補正を不要とする項目が含まれる。
- c:誤り — 投与量だけの正規化と補正不要の項目が誤りである。
- d:正しい — 比重の仮定、測定系の校正、減衰補正時刻の一致をそろえる組合せである。
- e:誤り — 校正・基準時刻は重要だが、定量性を不要とする項目が誤りである。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students(2014):第17章、冊子613頁の体重補正SUV式と定量補正の説明。
A.総論・問4
解答例:e
考え方
低域通過フィルタ、減弱補正、散乱補正は役割が異なる。逐次近似法ではFBPに典型的な放射状の影響を減らせる場合があり、分解能補正は部分容積による損失の軽減に役立つが完全には解消しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 平滑化を散乱補正と同一視し、Chang法を被ばく低減とする点が不適切である。
- b:誤り — 前二つの対応が誤りで、分解能補正が正しくても全体は支持しない。
- c:誤り — TEWと分解能補正は妥当だが、Butterworthの役割が異なる。
- d:誤り — Chang法は主に減弱補正であり、線量を直接下げる処置ではない。
- e:正しい — 逐次近似、エネルギー窓による散乱推定、分解能回復の役割を正しく対応させる。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students(2014):第11章の減弱・散乱・分解能補正、第12章のButterworth低域通過フィルタ。
A.総論・問5
解答例:d
考え方
過テクネチウム酸は唾液腺・甲状腺・胃粘膜などへ取り込まれる。甲状腺では取り込まれてもヨウ素のような有機化を受けない。正常脳実質と脈絡叢を区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 正常脳実質の取り込みを含む。唾液腺・甲状腺の取り込み自体は妥当である。
- b:誤り — 正常脳実質と骨を主要な集積先とする点が不適切である。
- c:誤り — 胃への取り込みはあるが、正常脳実質と骨の組合せが不適切である。
- d:正しい — 唾液腺、甲状腺、胃粘膜はいずれも代表的な生理的集積先である。
- e:誤り — 甲状腺・胃は妥当だが、骨を過テクネチウム酸の標的としない。
根拠・参考文献
- TECHNELITE technetium Tc99m generator・米国製品ラベル:臨床薬理の甲状腺・唾液腺・胃・脈絡叢への分布と非有機化。
A.総論・問6
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
典型的RIAは標識抗原と非標識抗原が抗体結合を競合し、結合型と遊離型を分離して定量する。原本ではキャリア蛋白をハプテンと呼ぶ表記があり、両者は同義ではない。bが想定されるが、この用語の不整合を無断で補正して確定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 典型的RIAの標識対象を抗体とする項目が不適切である。
- b:条件付き・未確定 — 競合測定とB/F分離を支持するが、キャリアとハプテンの原文表記が不正確である。
- c:誤り — 受容体結合アッセイを抗体反応を用いるRIAと同一分類にする点が不適切である。
- d:誤り — 標識抗体と受容体反応の記述に問題があり支持しない。
- e:誤り — B/F分離は重要だが、標識対象と反応系の記述が不適切である。
根拠・参考文献
- Radioimmunoassay of Corticosterone using 125I-Labeled Radio-ligand(1992):原著の125I標識リガンド・抗体・B/F分離による測定。キャリア表記の公式訂正は未確認。
A.総論・問7
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
血液のシリンジ内逆流や不適切な薬剤・輸液との混合、キットごとの規定量逸脱は標識状態や分布を変え得る。ただしキット名等の条件がないため、特定の組合せを一般則として確定しない。空気を患者へ注入する操作は安全上避ける。
各選択肢の解説
- a:条件付き・未確定 — 希釈は製品の許容条件による。空気操作と逆流を含むだけでこの3項目を唯一解にできない。
- b:条件付き・未確定 — 希釈・既存ルートの条件が不明で、この組合せ全体を確定できない。
- c:条件付き・未確定 — 空気の扱いとキット量・併用輸液の条件を確認する必要がある。
- d:条件付き・未確定 — 血液逆流と過量調製は問題になり得るが、希釈の可否は製品依存である。
- e:条件付き・未確定 — 想定候補となるが、全キットや全輸液で常にアーチファクトを生むとはいえない。
根拠・参考文献
- 日本核医学会ほか 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版(2026):製剤ごとの調製液量・混合条件と標識調製の管理。原問のキット・輸液条件は不足。
A.総論・問8
解答例:b
考え方
親核種から生じる短寿命の娘核種を分離して使う。Tc-99mとKr-81mがこの製造・供給法の代表で、選択肢中のヨウ素123・インジウム111・タリウム201は通常サイクロトロン製造である。
各選択肢の解説
- a:誤り — Tc-99mは該当するが、ヨウ素123は通常サイクロトロンで製造する。
- b:正しい — モリブデン99からTc-99m、ルビジウム81からKr-81mを得る。
- c:誤り — いずれも通常のジェネレータ娘核種として挙げる組合せではない。
- d:誤り — インジウム111・タリウム201は通常サイクロトロンで製造する。
- e:誤り — Kr-81mは該当するがタリウム201が該当しない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students(2014):第4章・PDF145/162/168頁:サイクロトロン製造と81Rb/81mKrジェネレータ。
- TECHNELITE technetium Tc99m generator・米国製品ラベル:99Mo/99mTcジェネレータの構造と溶出。
A.総論・問9
解答例:c
考え方
診断用・治療用の放射性医薬品も医薬品として管理する。I-131とY-90の治療にはベータ線を利用する一方、密封イリジウム線源を体内動態を利用する医薬品と同一視しない。通常の診断トレーサーは薬理効果を起こすために投与するものではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 医薬品法規の適用を否定する項目が誤りである。
- b:誤り — 医薬品規制を免れるわけではなく、通常の診断で薬理作用を治療目的に利用するとも限らない。
- c:正しい — 試料中測定に使う分類と、ベータ線による内用療法の対応は妥当である。
- d:誤り — ベータ線治療は妥当だが、密封小線源を放射性医薬品とする項目が誤りである。
- e:誤り — 密封線源の分類と、薬理作用を一律に利用するとする説明が不適切である。
根拠・参考文献
- 日本核医学会ほか 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版(2026):放射性医薬品の医薬品医療機器等法と医療法による管理。
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students(2014):核医学治療用核種と密封小線源・外部照射の区別。
A.総論・問10
解答例:c
考え方
スズコロイドを過度に振とうすると粒子が大きくなり、意図しない肺集積につながる。調製手順は薬剤ごとに異なり、同じTc標識だから同じ手順でよいとはいえない。下記は確認した製剤資料の条件であり、実務では使用製品の最新添付文書を優先する。
各選択肢の解説
- a:正しい — HMPAOは溶出履歴のあるジェネレータからの新鮮な溶出液を使う条件がある。
- b:正しい — ECDは二つのバイアルを規定の順序・量で混合する。
- c:誤り — 過大粒子の形成を促すような激しい振とうを目的にしない。
- d:条件付き・未確定 — 溶出液の経過時間には製品指定がある。原本の時間値を現行全製品へ一般化しない。
- e:正しい — ピロリン酸キットは血液プール評価の体内赤血球標識と骨用の体外調製で手順が異なる。
根拠・参考文献
- 日本核医学会ほか 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版(2026):PDF16頁のスズコロイドの過振とうと肺集積、15〜18頁の各キット調製手順。
- セレブロテックキット インタビューフォーム(2020):HMPAOのジェネレータ溶出履歴と調製条件。
A.総論・問11
解答例:b
考え方
核種同定の半減期測定と、異なる化学種を分けるクロマトグラフィを区別する。HMPAOの使用可能時間は調製後の安定性に制限され、Tc-99の混在割合はジェネレータの溶出履歴で変わる。FDGの残留溶媒試験頻度は時代・承認条件等で異なるため現行規定を別に確認する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 半減期による同定は支持できるが、HMPAOを調製後長時間一律に使えるとはしない。
- b:正しい — 半減期による核種確認と、クロマトグラフィによる異なる化学形の検出を対応させる想定である。
- c:誤り — HMPAOの使用時間が不適切で、FDGの製造毎試験も例外・適用資料の確認が必要である。
- d:誤り — Tc-99の混在が経過時間によらず一定とする点が誤りである。
- e:誤り — クロマトグラフィは化学種の評価に使うが、溶出履歴不変という項目が誤りである。
根拠・参考文献
- セレブロテックキット インタビューフォーム(2020):HMPAO調製後安定性と使用時間。
- TECHNELITE technetium Tc99m generator・米国製品ラベル:ジェネレータ溶出間隔によりTc量が変化。
- 日本核医学会ほか 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版(2026):品質管理と院内PET薬剤の適用基準。
A.総論・問12
解答例:d
解答候補(出題当時の条件・旧来の用途に基づく)
考え方
院内FDGは承認された合成装置と品質保証の枠組みで保険診療へ導入された。原問の「医療用具」は旧法の用語で、現在の医療機器等の制度と区別する。法規の対象外になるという考え方は誤りである。
各選択肢の解説
- a:誤り — 製造施設・放射性物質の管理規制が不要になるわけではなく、合成装置にも承認枠組みがある。
- b:誤り — 製造と使用の双方が法的管理を免れるという説明は誤りである。
- c:誤り — サイクロトロンと合成装置の扱いは同一ではなく、合成装置の条件が不適切である。
- d:正しい — 当時の制度でサイクロトロンと承認合成装置を区別し、学会の品質基準に従う組合せを想定する。
- e:誤り — 学会指針は重要だが法規制を受けないという項目が誤りである。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入検討会(2011年11月2日):2002年の承認FDG合成装置を起点とする保険診療の枠組みの説明。旧試験年の個別告示までの照合は未了。
A.総論・問13
解答例:a
考え方
対象臓器の放射能の時間積分とS値を用いる。単一の指数関数で自己線量を近似する本問では、初期臓器放射能・有効半減期・臓器質量が必要である。既に臓器内放射能が分かれば投与量は独立した必須情報ではない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 臓器内の初期放射能と滞留時間から壊変数を求め、質量を考慮して線量化できる。
- b:誤り — 臓器質量の情報が抜け、既知の初期集積とは別に投与量を必須とはしない。
- c:誤り — 化学形だけでは初期臓器放射能と臓器質量を代替できない。
- d:誤り — 時間積分に必要な残留の時間特性が抜けている。
- e:誤り — 化学形と投与量だけでは対象臓器の放射能の時間推移を決められない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students(2014):第18章・冊子622頁:時間積分放射能とS値の積による臓器線量。
A.総論・問14
解答例:c
解答候補(出題当時の条件・旧来の用途に基づく)
考え方
原問の想定は実効線量の5年管理、妊娠可能性を考慮した女性の3か月管理、皮膚の年限度を組み合わせるもの。妊娠中の腹部表面の限度は2mSvであり原問の値は異なる。水晶体は2021年の規制改正で5年100mSvかつ1年50mSvとなり、年50mSvだけで完結しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 妊娠中の腹部表面の数値が不適切で、水晶体の単独年限度表現も現行を尽くさない。
- b:誤り — 実効線量と皮膚の項目は妥当だが、妊娠中の腹部表面限度が異なる。
- c:正しい — 出題当時を想定した一般的な3項目の組合せを支持する。適用除外や各期間の始期も確認する。
- d:誤り — 妊娠中の腹部の値が誤りで、水晶体は旧・現行の規則を分けて読む。
- e:条件付き・未確定 — 女性・皮膚の値は妥当だが、水晶体は出題当時の値でなく、現行も年限度だけでは不十分である。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 電離放射線障害防止規則・第4〜8条等:第4〜6条の実効線量・皮膚・水晶体・妊娠中の腹部表面限度。試験当時の全文の独立照合は未了。
A.総論・問15
解答例:e
考え方
単純化した自己線量では、取り込まれた放射能と有効滞留時間に比例し、照射される甲状腺質量に反比例する。抗体活性等は生物学的背景には関わるが、基本式の逆比例変数ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 病態や取り込みに関連しても、線量式で単純な逆比例因子にはならない。
- b:誤り — 取り込み割合等が同じなら投与放射能を増やすほど線量は増える。
- c:誤り — 長く残留するほど時間積分放射能が大きくなる。
- d:誤り — 取り込み割合が高いほど甲状腺に与える線量は増える。
- e:正しい — 同じ臓器内壊変エネルギーをより大きな質量で割るため線量は小さくなる。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students(2014):第18章の自己線量・時間積分放射能・吸収エネルギー/質量の関係。
関連する過去問
A.総論・問16
解答例:a
考え方
放射線業務に応じ個人線量を測定する。妊娠申告後は線量制限と配置・業務の調整を行い、すべてのRI業務を一律禁止する規定とはしない。使用量だけを理由に施設管理義務を免れるとも考えない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 管理区域等での外部被ばく測定は個人線量計を適切な位置に装着して行う。
- b:誤り — 移動困難だけで通常病室への投与を一律に許容しない。施設・使用場所の規定に従う。
- c:誤り — 妊娠中の線量限度を守る管理が必要で、全RI業務の無条件禁止ではない。
- d:誤り — 一般健診を受けたことだけで被ばく歴等の特殊健診問診を省略しない。
- e:誤り — 使用量だけから排気・排水管理が自動的に免除されるとはしない。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 電離放射線障害防止規則・第4〜8条等:第8条の測定、第6条の妊娠中限度、第56条等の健康診断。
- 日本核医学会ほか 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版(2026):放射性医薬品の使用場所と管理体制。
A.総論・問17
解答例:a
解答候補(出題当時の条件・旧来の用途に基づく)
考え方
平成10年通知にはI-131の投与量又は体内残留量500MBq以下等の退出経路がある。退出可否と、投与そのものを一般外来で行ってよいかは別問題である。原文の線量率はSv/h単位であり、マイクロ単位へ無断に読み替えない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 確認した通知の放射能量による退出基準を支持する。患者指導・記録等も必要である。
- b:誤り — Sv/hで示された線量率は退出基準より桁違いに大きい。
- c:誤り — 少量で退出できることを、施設要件のない場所で投与できることと同一視しない。
- d:誤り — 汚染排水は管理対象であり、治療用トイレから一般排水へ無管理で直結しない。
- e:誤り — 壁外の基準を極端に小さい週線量とする説明は支持しない。施設区分ごとの基準を確認する。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 放射性医薬品を投与された患者の退出について・平成10年通知:I-131の退出・帰宅の放射能量基準と1m線量率基準。
- 日本核医学会ほか 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版(2026):使用場所と放射性医薬品の管理。
A.総論・問18
解答例:d
考え方
ECDは脳内でより水溶性の形に変わり保持される。イオマゼニルは早期像と後期像の意味が異なり、受容体分布の評価には後期像を用いる。β-CITは主にトランスポータを標的とし、ドパミン受容体製剤とは区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 脳FDGの通常の待機・撮像条件と、β-CITの標的の記述が不適切である。
- b:誤り — FDGの極めて早い撮像とイオマゼニル早期像の受容体評価を支持しない。
- c:誤り — ECDの保持機序は妥当だがβ-CITを受容体製剤とする点が誤りである。
- d:正しい — ECDの代謝による保持と、IMPの脳内移行後の洗い出しの組合せを支持する。
- e:誤り — IMPの動態は妥当だがイオマゼニルの早期像を受容体分布の完成像としない。
根拠・参考文献
- EANM practice guidelines for an appropriate use of PET and SPECT for patients with epilepsy(2024):脳血流トレーサーとFDGの撮像条件・トラッピング。
- 123I-イオマゼニル第3相臨床試験(核医学1996):早期約15分と後期約3時間の臨床評価。
A.総論・問19
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
刺激・二酸化炭素による血流変動を管理し、発作時検査は迅速な注射が重要である。旧設問では緊急時の供給・準備の観点からIMPを不適とする意図が考えられるが、IMPを緊急検査で一律に使えないとする根拠は確認できず、正答は保留する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 照明・音・温度等を管理し安静条件をそろえることが重要である。
- b:正しい — PaCO2は脳血管の拡張収縮に影響し、定量血流の解釈で考慮する。
- c:正しい — ECDは発作時血流を保持でき、適時注射により焦点評価へ利用できる。
- d:条件付き・未確定 — 入手・調製・待機条件による。原本だけで全緊急場面に不適と断定できない。
- e:正しい — 酸素15はきわめて短寿命で、設備条件が整えば反復血流測定に利用できる。
根拠・参考文献
- EANM practice guidelines for an appropriate use of PET and SPECT for patients with epilepsy(2024):刺激・安静管理、発作時注射とECDの利用。IMPの緊急適否は当該資料では確定できない。
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students(2014):短寿命PET核種と酸素15による血流測定。
A.総論・問20
解答例:c
考え方
ADとDLBの特徴を逆にしない。てんかん発作間欠期の低代謝域は焦点推定に役立つが、単独での確定を意味しない。腫瘍再発と壊死も臨床・MRI等を含め総合評価する。
各選択肢の解説
- a:誤り — ADの心交感神経集積とDLBの後頭葉血流に関する項目が典型像と逆である。
- b:誤り — 再発・壊死評価と間欠期低代謝は支持されるが、ADのMIBG低下を一般則とする項目が不適切である。
- c:正しい — 旧来の腫瘍SPECT、脳炎の血流評価、発作間欠期FDG低代謝の用途を組み合わせる想定である。
- d:誤り — ADとDLBの典型像を逆にした項目を含む。
- e:誤り — DLBで視覚野血流が保たれるとする一般化が不適切である。
根拠・参考文献
- EANM practice guidelines for an appropriate use of PET and SPECT for patients with epilepsy(2024):発作間欠期FDG低代謝による焦点推定と臨床統合の必要性。
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students(2014):脳核医学薬剤と臓器機能評価の一般原理。腫瘍Tl・DLB/ADの個別比較根拠は次工程で補強する必要がある。
- Diagnosis and management of DLB: Fourth consensus report(2017):DLBでのMIBGと後頭葉機能低下。原著抄録はNCBI公式APIでも確認。
- 201Tl brain SPECT for recurrence and radiation necrosis(1993):腫瘍再発と壊死鑑別の原著。PDF本文画像の細部は未再読。
A.総論・問21
解答例:b
解答候補(出題当時の条件・旧来の用途に基づく)
考え方
心不全のMIBG指標、骨親和性製剤による心アミロイド評価、移植心拒絶反応へのGa利用の旧来の組合せを問う。Gaについては少数例の古い研究に基づく用途で、現在の拒絶診断を代替する標準検査としない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 心不全とアミロイドは妥当だが、冠攣縮を安静灌流像だけで診断するのは難しい。
- b:正しい — MIBG指標、心アミロイド、旧来のGaによる拒絶評価に文献上の根拠がある。
- c:誤り — LBBBの運動負荷では中隔偽欠損が問題となり、この負荷選択を標準としない。
- d:誤り — 安静血流だけの冠攣縮診断とLBBBでの運動負荷に問題がある。
- e:誤り — Gaの歴史的利用はあるが、残る二項目を通常適切としない。
根拠・参考文献
- Prognostic value of myocardial MIBG scintigraphy findings in cardiomyopathy(2002):心不全150例でのwashoutと予後。
- Gillmore et al. Nonbiopsy diagnosis of cardiac transthyretin amyloidosis(2016):骨親和性製剤による心ATTR評価。
- Gallium-67 imaging in human heart transplantation: correlation with endomyocardial biopsy(1987):移植心7例46回のGa検査と生検の比較。
A.総論・問22
解答例:e
考え方
心機能低下だけでは生存性の有無を決めない。可逆性灌流欠損や残存FDG代謝は生存心筋を示唆し、強い固定性・安静時欠損は乏しい生存性を疑う。ただし高度低灌流でも冬眠心筋があり、単独で不可逆性壊死と確定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 神経集積の低下を心筋細胞の壊死と同一視せず、収縮が保たれる例を含む。
- b:誤り — 安静時の強い灌流低下は懸念所見だが、正常機能でMIBG低下という項目は非生存性を示さない。
- c:誤り — 糖代謝の残存と可逆性欠損はいずれも生存性を支持する。
- d:誤り — 固定性高度欠損は懸念所見だが、可逆性欠損は生存心筋を示す。
- e:正しい — いずれも強い灌流欠損を示し生存性低下を疑う組合せである。代謝画像・遅延像等で補う。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):心臓灌流・代謝画像と生存性評価の章。
A.総論・問23
解答例:e
考え方
血液プール製剤は心腔内放射能から心機能を評価する。心筋へ取り込まれる製剤の心電図同期SPECTと、心プールSPECTを用語上も区別する。
各選択肢の解説
- a:正しい — タリウムの再分布等は残存生存心筋の評価に利用できる。
- b:正しい — MIBGの取り込みや洗い出しは心交感神経機能と心不全の病態に関連する。
- c:正しい — MIBG指標は心不全の予後と関連する。
- d:正しい — 不安定虚血後の脂肪酸代謝低下を捉える用途がある。現在の急性冠症候群診療を置き換える意味ではない。
- e:誤り — HSA系は血液プール評価であり、心筋に取り込まれる製剤の同期心筋SPECTとは異なる。
根拠・参考文献
- Prognostic value of myocardial MIBG scintigraphy findings in cardiomyopathy(2002):心不全のMIBG指標と予後。
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):心筋灌流・代謝と血液プール製剤の用途。
A.総論・問24
解答例:c
考え方
核種の半減期と病変への集積・背景洗い出しを別に考える。FDGは通常投与後約1時間の待機後、Gaは数日後の撮像が中心で、両者を投与後すぐ同じ時刻に撮像しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — FDGの待機は不足するがメチオニンは早期撮像が可能である。
- b:誤り — メチオニンとMIBIの早期像は利用され、遅らせるべき二つではない。
- c:正しい — FDGは通常約1時間、Gaは通常48〜72時間等を待つため、この組合せを選ぶ。
- d:誤り — Gaは待機不足だがタリウムは早期像を撮像する。
- e:誤り — タリウムとMIBIは腫瘍早期像の撮像が可能である。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):各腫瘍シンチグラフィ製剤の動態と撮像。
- EANM FDG PET/CT tumour imaging guideline version2(2015):FDGの待機時間。本文へのweb直接取得は制限され、既知の基準はIAEAとも照合。
A.総論・問25
解答例:b
解答候補(出題当時の条件・旧来の用途に基づく)
考え方
旧称の細気管支肺胞上皮癌に含まれた病変では低細胞密度や粘液等により集積が低いことがある。定型カルチノイドも低集積になり得る。旧病理分類を現在の全ての肺腺癌へ広げない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 肺胞上皮置換性の病変は低集積となり得るが扁平上皮癌は一般に集積を認めやすい。
- b:正しい — 旧BACに含まれた低浸潤・粘液性病変と定型カルチノイドが代表である。
- c:誤り — 扁平上皮癌・小細胞癌は通常FDG集積を認めやすい。
- d:誤り — これらの高悪性度腫瘍は一般に低集積を代表としない。
- e:誤り — カルチノイドは妥当だが大細胞癌を代表的な低集積例としない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):腫瘍FDG撮像と集積の組織型・分化による違い。
A.総論・問26
解答例:c
考え方
Cushing症候群の副腎皮質評価に、カテコールアミン系を標的とするMIBGを対応させない。コレステロール類似体の副腎皮質シンチと区別する。その他の旧腫瘍SPECT薬剤は歴史的な用途として読む。
各選択肢の解説
- a:正しい — 食道癌の病期・再発等でFDGを利用する。
- b:条件付き・未確定 — Gaの歴史的腫瘍診断用途はあるが、現在のメラノーマ評価でFDG等より優先する意味ではない。
- c:誤り — MIBGは主に副腎髄質・交感神経系を評価し、Cushingの皮質評価とは異なる。
- d:条件付き・未確定 — タリウムによる頭頸部腫瘍SPECTの旧来の用途である。現行の第一選択とは区別する。
- e:正しい — MIBIの保持・洗い出しの違いを使い副甲状腺病変を評価する。
根拠・参考文献
- PMDA アドステロール-I131電子添文(2022):副腎皮質疾患の局在とACTH抑制・皮質取り込み。
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):MIBG、Ga、タリウム、MIBIの臓器別用途。
A.総論・問27
解答例:b
考え方
肺の一部の微小血管へ一時的に粒子が捕捉され、その分布から灌流をみる。右左短絡では粒子数を減らすなどの配慮を要するが、短絡の存在だけを一律絶対禁忌とはしない。
各選択肢の解説
- a:誤り — MAAは毛細血管床へ捕捉される大きさの粒子で、より微小なエアロゾル等と区別する。
- b:正しい — 多数の肺微小血管のごく一部に一時捕捉されるため、通常の投与で全灌流を障害するものではない。
- c:誤り — 座位では重力による上下差が増え、通常は仰臥位で注射する。
- d:誤り — 凝集塊は局所のhot spotを生じ得る。多発欠損をその代表アーチファクトとしない。
- e:誤り — 短絡例では粒子数・放射能を調整して慎重に検査できる。
根拠・参考文献
- EANM guideline for ventilation/perfusion SPECT(2019):MAAの肺捕捉、注射体位、短絡・肺高血圧での粒子数低減。
A.総論・問28
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
換気・血流の対応とCTの評価は臨床確率と画質を含め総合する。原問ではfissure signの「特異的」が肺血流像の特徴なのか塞栓特異性なのか不明瞭で、陰性CTで他検査を省略できる条件も不足するため一意に確定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 血流は塞栓と併存病変により変わり、経過中ずっと正常という説明は成立しない。
- b:条件付き・未確定 — 一致欠損は典型的な塞栓像ではないが、臨床確率が高ければ塞栓を否定し切れない。
- c:誤り — 塞栓は通常換気より血流を強く障害し、両者が常に同程度とはしない。
- d:条件付き・未確定 — 葉間裂に対応する低集積はあり得るが、肺塞栓に特異的と解釈してはならない。
- e:条件付き・未確定 — 十分な画質の陰性CTと低〜中等度の臨床確率なら追加不要の場合がある。高疑い・非診断CTまで一律には省略しない。
根拠・参考文献
- EANM guideline for ventilation/perfusion SPECT(2019):V/Q所見と臨床確率、CTの非診断・偽陰性時の追加評価。
A.総論・問29
解答例:e
考え方
正常の静かな呼吸と一定の体位で投与する。血液をシリンジへ逆流させると凝集等によるhot spotが生じ得る。肺塞栓のV/Q評価では換気と灌流を対比するが、特定状況で灌流のみの手順もある。
各選択肢の解説
- a:誤り — 息止めをルーチンとせず、注射体位は分布に影響する。
- b:誤り — 換気との対比は有用だが、息止め注射を支持しない。
- c:誤り — 体位依存を否定し、右左短絡を一律禁忌とする両項目が誤りである。
- d:誤り — 血液混入の問題はあるが右左短絡を絶対禁忌とはしない。
- e:正しい — 血液混入による凝集回避と換気灌流対比を組み合わせる。全検査で同時撮像が必須という意味ではない。
根拠・参考文献
- EANM guideline for ventilation/perfusion SPECT(2019):MAAの混和・注射、体位、換気灌流の取得と解釈。
A.総論・問30
解答例:b
考え方
FDGのリンパ腫評価とDMSAによる逆流関連腎障害の評価を支持する。DMSAは逆流そのものを見る検査ではなく腎皮質障害・瘢痕を評価する。
各選択肢の解説
- a:誤り — リンパ腫は妥当だが腎血管性高血圧にはMAG3/DTPA等を使いRBCではない。
- b:正しい — リンパ腫と、膀胱尿管逆流に伴う腎皮質障害の評価の組合せである。
- c:誤り — 腎機能用と蛋白漏出用の薬剤が異なり、蛋白漏出には通常標識アルブミン等を用いる。
- d:誤り — コロイドは主に網内系、GSAは肝受容体で、ここで示す検査との対応が異なる。
- e:誤り — DMSAの用途は妥当だが、胆道排泄動態にGSAを用いる説明は不適切である。
根拠・参考文献
- SNMMI/EANM practice guideline for renal scintigraphy in adults(2018):DMSA腎皮質障害、MAG3/DTPAとACE阻害薬負荷の用途。
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):蛋白漏出・肝受容体・胆道排泄製剤の区別。
A.総論・問31
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
血流・血液プール・骨相を合わせることで、炎症やCRPS、骨壊死等の評価に役立つ。骨折にも三相の異常があり、本問の「鑑別に役立つ可能性」だけで不全骨折を除外して唯一の組合せを選ぶ根拠は不足する。
各選択肢の解説
- a:条件付き・未確定 — 不全骨折、骨髄炎、CRPSはいずれも利用場面があり、この候補を単純に誤りとできない。
- b:誤り — 骨折・感染は用途になるが、骨粗鬆症自体の診断に三相骨シンチを通常選ばない。
- c:誤り — 骨折・骨壊死で用途はあるが骨粗鬆症を一般的適応としない。
- d:条件付き・未確定 — 感染・CRPS・骨壊死を組み合わせる旧想定候補だが、aとの明確な排他性を確認できない。
- e:誤り — CRPS・骨壊死は用途があるが、骨粗鬆症を三相検査の代表適応としない。
根拠・参考文献
- EANM practice guidelines for bone scintigraphy(2016):三相の定義、感染・外傷・CRPS・骨壊死等の適応。原問の唯一解を決める比較データは不足。
A.総論・問32
解答例:d
考え方
関節や筋付着部の生理的集積と小児の成長板集積を区別する。左右差・CTや単純写真・症状を合わせ、集積部位だけで正常と断定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 胸鎖・仙腸は代表的だが尾骨を必ず強い集積部位とする組合せは支持しない。
- b:誤り — 成人では通常成長板が閉鎖しており、骨端線の強い集積を含めない。
- c:誤り — 肩甲骨下角はあり得るが、尾骨と未閉鎖成長板を代表に含めない。
- d:正しい — 胸鎖関節・仙腸関節・肩甲骨下角の生理的変動を理解する組合せである。
- e:誤り — 仙腸部と肩甲骨下角は妥当だが、骨端線の強い集積は成長期の特徴である。
根拠・参考文献
- EANM practice guidelines for bone scintigraphy(2016):正常分布、骨成長部や関節等の生理的変動と病的集積の区別。
A.総論・問33
解答例:e
考え方
通常の骨シンチでは尿路排泄により腎・膀胱が描出される。腎が淡い場合は高度骨集積などの背景を検討する。加齢の分布変化には性差・骨代謝の影響があり、全高齢者の一律変化として扱わない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 撮像前の排尿で膀胱の重なりと放射線被ばくを減らす。
- b:正しい — Tc-99m用の低エネルギー高分解能コリメータを通常使用する。
- c:正しい — 成長期は骨端線付近の旺盛な骨代謝により集積が強い。
- d:条件付き・未確定 — 高齢で骨回転や四肢への相対集積が増える報告はあるが、性差・部位差があり一般化には留意する。
- e:誤り — 正常でも腎・尿路が見えるため、描出されないことを通常像としない。
根拠・参考文献
- EANM practice guidelines for bone scintigraphy(2016):排尿、コリメータ、尿路排泄と正常像。
- Age-related change of technetium-99m-HMDP distribution in the skeleton(1996):加齢による全骨格取り込み増加と女性の四肢への相対分布増加を示す原著抄録。
A.総論・問34
解答例:d
考え方
副腎皮質のコレステロール類似体は背景からの分離を待ち、通常は投与から約1週後以降の撮像となる。短時間で撮像する甲状腺製剤や、数日後のMIBGと区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 甲状腺摂取率は数時間から翌日等で、通常副腎皮質製剤ほど長く待たない。
- b:誤り — 過テクネチウム酸は通常投与後短時間で撮像できる。
- c:誤り — I-131 MIBGは数日後の像を得るが、通常皮質シンチの待機より短い。
- d:正しい — 確認した添付文書は投与7日目以降の撮像を指定している。
- e:誤り — タリウムは早期像と数時間後の像等を用いる。
根拠・参考文献
- PMDA アドステロール-I131電子添文(2022):用法の静注7日目以降撮像。
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):内分泌腫瘍の各トレーサー動態。
A.総論・問35
解答例:a
解答候補(出題当時の条件・旧来の用途に基づく)
考え方
臨床的リンパ節陰性例で微小転移の有無を調べる旧来の適応を問う。現在は薬物治療前後等の特定状況の例外があり、画像陽性なら全症例永続的に非適応とはしない。製剤はリンパ流の追跡用であり、転移巣への腫瘍親和性を直接測るものではない。
各選択肢の解説
- a:条件付き・未確定 — 既知の節転移がある場合を通常の初回センチネル適応から外す旧想定。現行の術前治療後等は別途検討する。
- b:誤り — リンパ流に乗って最初の流入節を描出し、転移の判定自体は病理で行う。
- c:誤り — 適切な穏やかなマッサージを用いた臨床手順があり、一律禁止とはしない。
- d:誤り — 術前像で非描出でも術中のガンマプローブ等で見つかる場合がある。
- e:条件付き・未確定 — 追加投与を一律の解決策にはせず、時刻・注射位置・背景のshine-through等を評価する。
根拠・参考文献
- Successful internal mammary visualization with periareolar injections in sentinel node lymphoscintigraphy(2006):乳輪周囲注射後のマッサージを含む241例の原著。
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):センチネル描出と術中プローブの目的。
A.総論・問36
解答例:c
解答候補(出題当時の条件・旧来の用途に基づく)
考え方
甲状腺の取り込み評価と腫瘍・炎症評価の旧来の用途を区別する。DTPAは主に糸球体濾過や髄液・エアロゾル等で使い、甲状腺組織のシンチ製剤として対応させない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 甲状腺への取り込みを利用し機能分布を評価する。
- b:正しい — ヨウ素の取り込み・有機化を反映する甲状腺検査に用いる。
- c:誤り — DTPAを甲状腺集積製剤として使う対応は不適切である。
- d:条件付き・未確定 — 甲状腺腫瘍を評価した旧来の用途があるが、現在の第一選択ではない。
- e:条件付き・未確定 — 甲状腺リンパ腫等の旧来の評価に用途があるが、通常の甲状腺機能シンチではない。
根拠・参考文献
- EANM guideline on radioiodine therapy of benign thyroid disease(2023):甲状腺機能画像のヨウ素123と過テクネチウム酸。
- SNMMI/EANM practice guideline for renal scintigraphy in adults(2018):DTPAの糸球体濾過製剤としての用途。
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):旧腫瘍シンチの用途。
A.総論・問37
解答例:b
考え方
フロセミド負荷は排泄を連続観察するレノグラムで用いる。皮質に長く保持されるDMSAの静態撮像と組み合わせない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 血管拡張予備能を調べる脳血流負荷として利用される。
- b:誤り — DMSAは皮質保持を評価する静態製剤で、利尿による排泄動態の評価にはMAG3/DTPA等を用いる。
- c:正しい — 酸刺激後の唾液腺排泄機能を評価できる。
- d:正しい — 冠血管拡張負荷下に心筋灌流分布を評価する。
- e:正しい — ACTHを抑制して正常皮質と自律性病変の取り込み差をみる。
根拠・参考文献
- SNMMI/EANM practice guideline for renal scintigraphy in adults(2018):動態腎製剤と利尿負荷、DMSAの静態皮質保持。
- PMDA アドステロール-I131電子添文(2022):デキサメサゾンによるACTH抑制と皮質取り込み。
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):脳血管・唾液・心筋負荷の用途。
A.総論・問38
解答例:d
考え方
妊娠中や妊娠疑い、授乳中のI-131治療は行わない。眼症は活動性・重症度で判断し、中等症以上の活動性眼症等は避けることがあるが、眼症の存在だけで全例の絶対禁忌とはしない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 術後再発や抗甲状腺薬の副作用は、むしろRI治療を検討する状況である。
- b:誤り — 術後再発は適応となり得る。眼症は重症度・活動性で判断する。
- c:誤り — 妊娠中は非適応だが、抗甲状腺薬の副作用例は適応を検討できる。
- d:正しい — 妊娠・妊娠疑いと授乳を組み合わせる。I131治療のため授乳を中止した場合、その時に授乳していた子への授乳は再開しない。次の妊娠での授乳とは区別する。
- e:誤り — 授乳中は非適応だが、眼症を軽症・非活動性も含め一律に禁忌としない。
根拠・参考文献
- EANM guideline on radioiodine therapy of benign thyroid disease(2023):妊娠・授乳の禁忌と眼症活動性に応じた選択。
- FDA Sodium Iodide I131治療用製剤ラベル:授乳中の禁忌、治療前の授乳中止と当該児への授乳を行わないこと
A.総論・問39
解答例:e
解答候補(出題当時の条件・旧来の用途に基づく)
考え方
骨転移の骨反応部位へ集積するベータ線製剤の旧来の組合せを問う。核種名だけでなく化学形を区別し、現在の国内供給・承認の状況をそのまま表す設問とはしない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 甲状腺癌のI-131やリン酸クロムコロイドを一般的な骨親和性緩和薬の組合せとしない。
- b:誤り — Sm製剤は妥当だが、他二つはこの用途の代表的組合せではない。
- c:誤り — ReとSmは骨親和性製剤だが、I-131を一般の転移性骨痛治療薬として一括しない。
- d:誤り — Sr・Reは該当するがリン酸クロムコロイドを含めない。
- e:正しい — Sr-89、Re-186標識HEDP、Sm-153標識EDTMPは骨転移痛緩和の歴史的製剤である。
根拠・参考文献
- EANM guidelines for radionuclide therapy of bone metastases with beta-emitting radionuclides(2018):骨親和性ベータ線治療薬と骨痛緩和。Re-186の歴史的用途はIAEAとも照合。
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):核医学治療章のSr/Re/Sm骨親和性治療製剤。
A.総論・問40
解答例:b
解答候補(出題当時の条件・旧来の用途に基づく)
考え方
ヨウ素を取り込みやすくするためにTSH刺激を確保するのであって、甲状腺ホルモン過剰を目標にしない。投与量・再治療間隔は残存・転移病変、前回効果、毒性等に応じて決め、旧来の定型値を全例に使わない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 低ヨウ素食で競合する安定ヨウ素を減らす前処置がある。
- b:誤り — 必要なのは適切なTSH刺激で、甲状腺ホルモンが高い状態を目標にしない。
- c:条件付き・未確定 — 転移等ではこの高放射能域を用いることがあるが、現行の全アブレーション例への一律投与ではない。
- d:条件付き・未確定 — 反応と回復を評価して反復する旧来の目安であり、全例に固定の間隔ではない。
- e:条件付き・未確定 — 休薬前処置なら治療後に補充再開を行う。rhTSH使用などホルモン継続の手順とは分ける。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics(2014):分化型甲状腺癌のヨウ素治療と前処置。
- 日本核医学会 放射性ヨウ素内用療法ガイドライン(2018):低ヨウ素食とTSH刺激の原則。今回のweb取得はタイムアウトし、検索取得範囲を越える細部はIAEAにもとづき条件付きとした。
B-1.脳神経核医学・問1
解答例:d
考え方
脳血流は二酸化炭素、灌流圧、血液粘度の影響を受ける。慢性の高度高血圧では自動調節下限の上方移動が知られるが、全患者に同じ圧閾値を当てはめるものではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 軽い酸素分圧低下だけを血流増加の閾値とはできず、正常域のCO2反応を過大に見積もっている。
- b:誤り — 軽い低酸素の扱いに加え、血液粘度の上昇を血流増加と結び付ける点が不適切。
- c:誤り — 血管平滑筋による抵抗調節は妥当だが、CO2の1mmHg変化に対する10%という一律の増加率は大きすぎる。
- d:正しい — 血管抵抗の調節と、高度慢性高血圧で安全な灌流圧域が高圧側に移る現象の組合せ。
- e:誤り — 高血圧の記述は妥当だが、Hct上昇は粘度増大などを通じ血流を減らす方向に働く。
根拠・参考文献
- Strandgaard et al. Autoregulation of brain circulation in severe arterial hypertension (1973):高度高血圧患者で自動調節下限が上昇した原著。血液ガス反応率の各数値までを直接検証した資料ではない。
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students (2014):脳循環・トレーサによる血流計測の基礎。
B-1.脳神経核医学・問2
解答例:e
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
IMPの遅延像では灰白質と白質のコントラストが変化する。Xeは高い抽出率を利用する拡散性トレーサである。出題意図はeと考えられるが、Tc製剤も血管反応性評価に使用できるため、その使用自体を誤りとはしない。定量性と高流量時の非線形性を比較する問題として読む。
各選択肢の解説
- a:不適切 — Tc製剤は利用可能だが、高流量域での抽出・保持の非線形性に注意が要る。ACZ効果が直ちに消失するという扱いも適切でない。
- b:条件付きで不適切 — Xeの高抽出率は妥当。ただし前半のTc製剤の優越性は測定法や補正に依存し、無条件には選べない。
- c:誤り — ACZの効果時間を短く扱いすぎている。ECDのキット調製にも所定の反応待ち時間が必要。
- d:誤り — IMP遅延像の変化は妥当だが、ECDを調製直後から使用できるとする点が誤る。
- e:正しい — IMPの組織からの洗い出しに伴う分布変化と、Xeの高い初回抽出を組み合わせている。
根拠・参考文献
- Tsukuda et al. Assessment of postischemic reperfusion and diamox activation test in stroke using 99mTc-ECD SPECT (1994):Tc製剤ではIMPと比較してACZ反応低下を過小評価した原著。使用禁止を意味しない。
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students (2014):Xe・IMP・Tc標識薬による脳血流計測の原理。
B-1.脳神経核医学・問3
解答例:a
考え方
原図では患側の血流低下、負荷反応不良、酸素摂取率上昇を認め、灌流圧低下を代償する状態を考える。血行再建後は血管抵抗の調節が追いつかず過灌流を来すリスクがある。画像のみで合併症の発症を断定するものではない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 予備能の枯渇した領域への急な灌流圧回復は、血管性浮腫や出血を伴う症候性過灌流の危険を高める。
- b:不適切 — 塞栓は手術合併症として起こり得るが、この血行動態画像から特に予測する現象ではない。
- c:不適切 — 全身血圧低下の発生率を局所の予備能・酸素摂取率から判断できない。
- d:不適切 — 静脈還流障害を示す検査所見ではなく、動脈側の低灌流が中心。
- e:不適切 — 感染性合併症の予測にはならず、炎症や髄液所見も提示されていない。
根拠・参考文献
- Ogasawara et al. Prediction and monitoring of cerebral hyperperfusion after carotid endarterectomy (2003):術前CVR低下がCEA直後の過灌流を予測し、過灌流と症候群が同義ではないこと。
B-1.脳神経核医学・問4
解答例:b
考え方
脳への糖輸送は主にGLUT1・GLUT3が担い、末梢のインスリン依存性糖取り込みと区別する。糖代謝画像は局所の神経・シナプス活動を反映するが、各灰白質領域の代謝が均一という意味ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 糖の抽出率が酸素より低い点は妥当だが、主な脳糖輸送をインスリン依存性とする点が誤る。
- b:正しい — 糖輸送の制限と、シナプス伝達・イオン勾配維持などに大きなエネルギー需要がある点を組み合わせている。
- c:誤り — 主な脳糖輸送の性質が誤り。小脳を常に最大代謝部位とする順位付けもできない。
- d:誤り — 小脳が一律に最高とはいえず、内側側頭葉と外側皮質も同一の生理的集積ではない。
- e:誤り — 神経活動との対応は妥当だが、内側・外側側頭葉の代謝が等しいという前提が誤る。
根拠・参考文献
- EANM procedure guidelines for brain PET imaging using FDG, version 3 (2022):GLUT1輸送、糖代謝と神経・シナプス機能の関係、生理的分布の解釈。
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students (2014):糖・酸素代謝トレーサの抽出と計測。
B-1.脳神経核医学・問5
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
高悪性度腫瘍におけるFDG高集積を想定すればbが候補。しかし低悪性度神経膠腫は正常皮質より低集積のことがあり、全神経膠腫に共通する正答としては条件不足である。原本に高悪性度限定の追記はなく、正答を確定しない。現在の分類では分子所見も重要である。
各選択肢の解説
- a:誤り — gradeの高さは生物学的悪性度の高さを表し、組織がよく分化しているという意味ではない。
- b:条件付き — 高悪性度で正常組織を上回る場合があるが、低悪性度や再発例でも低集積はあり、常に成立しない。
- c:不適切 — 早期像だけが悪性度をよりよく示すとはいえない。Tlでは遅延保持・洗い出しも評価対象であり、この比較の一律な優劣は根拠不足。
- d:誤り — 血流薬の取り込みは灌流の影響を受ける。腫瘍では抽出率やBBB障害なども関わるため、純粋な血流のみではない。
- e:誤り — 再発・進行に伴って悪性転化し得るため、初回と同じgradeに固定されない。
根拠・参考文献
- Joint EANM/EANO/RANO/SNMMI practice guideline for glioma PET (2019):FDGの生理的高背景、grade判定の限界、再発の低集積例、悪性転化と現代的分子分類。Tl早期・遅延の優劣は本資料だけで確定しない。
B-1.脳神経核医学・問6
解答例:a
考え方
著明な左右差は皮質基底核症候群や意味型原発性進行性失語で重要な手掛かりとなる。画像パターンから病理学的CBDを直接確定はできず、左右差の有無だけで他疾患を除外もしない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 左右非対称な皮質・基底核障害と、片側優位の前側頭葉変性を組み合わせている。
- b:誤り — 前半は妥当だが、旧称Shy-Drager症候群を著明な片側性灌流障害の代表とするのは適切でない。
- c:誤り — 意味型の左右差は妥当だが、DLBの典型像は後頭葉を含む後方優位の障害であり、この対比では該当しない。
- d:誤り — DLBもHuntington病も左右差が出得るが、設問が求める顕著な非対称性の代表組合せではない。
- e:誤り — 両者を著明な左右差を示す典型疾患として選ぶ根拠は乏しい。
根拠・参考文献
- EANM procedure guidelines for brain PET imaging using FDG, version 3 (2022):意味型失語やCBSなどの部位・非対称性を含む代謝パターン。灌流との対応を補助的に用いる。
B-1.脳神経核医学・問7
解答例:d
考え方
救済可能な低灌流組織は既に不可逆的な壊死に陥ったコアと区別する。拡散・灌流の不一致は近似指標であり、その全域が必ずペナンブラとは限らない。酸素摂取率は血流低下を代償して上昇し得るが、重篤なコアでは代謝も破綻する。
各選択肢の解説
- a:誤り — CTの早期虚血変化やSPECTの完全な欠損を、そのまま救済可能組織の定義にはできない。
- b:誤り — CTの変化だけでは組織生存性を分けられず、静注血栓溶解にSPECTを必須とする規則もない。
- c:誤り — MRIのミスマッチは手掛かりだが、SPECTで完全に血流が失われた状態をペナンブラと同一視している。
- d:正しい — 灌流障害に対し拡散変化が限定的な領域と、代償性に酸素摂取率が上がる状態が対応する。
- e:誤り — PETの代償性酸素摂取率上昇は妥当だが、血栓溶解前にSPECTが必須という点が誤る。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students (2014):脳灌流・酸素代謝PETの原理と虚血時の血行動態評価。
B-1.脳神経核医学・問8
解答例:b
考え方
原図の深部境界域病変、患側低灌流、再建直後の広い皮質集積増加を合わせ、血行力学的虚血後の一過性過灌流を考える。術前IMPと術後ECDを色だけで定量比較はしない。全低灌流域が同じ反応を示すわけではなく、症状がなければ過灌流症候群と断定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 血行力学的虚血と広い灌流障害は合うが、術前の全低灌流部位が過灌流になったとはいえず、深部病変が残る。
- b:正しい — 境界域虚血、患側の広い低灌流、再建後の自動調節障害という組合せが原図に最も整合する。
- c:誤り — 機序の説明は妥当だが、術後過灌流に対する血圧管理を否定している。虚血も避けながら慎重に管理する。
- d:誤り — 全域過灌流という過度な一般化と、降圧管理を一律に否定する点が不適切。
- e:誤り — 自動調節障害は合うが、残存深部障害を無視した全域過灌流の判断と血圧管理否定が誤る。
根拠・参考文献
- Ogasawara et al. Prediction and monitoring of cerebral hyperperfusion after carotid endarterectomy (2003):再建後過灌流と予備能低下の関係、無症候性過灌流と症候群の区別。CEA原著のためCASへの直接的同等性は主張しない。
- Tsukuda et al. Assessment of postischemic reperfusion and diamox activation test in stroke using 99mTc-ECD SPECT (1994):ECD保持が再灌流領域の組織障害に左右され、他の血流薬と同じ強度にならないこと。
B-1.脳神経核医学・問9
解答例:d
考え方
PDで典型的なのは線条体のドパミン神経終末機能低下であり、線条体の一般的な灌流低下とは区別する。各変性疾患の灌流パターンは補助所見で、個々の疾患を単独で確定するものではない。
各選択肢の解説
- a:正しい組合せ — ADでは後部帯状回・楔前部など後方ネットワークの機能低下がよくみられる。
- b:正しい組合せ — DLBでは後頭葉を含む後方領域の血流・代謝低下が診断を補助する。
- c:正しい組合せ — PSPでは前頭葉を含む皮質下前頭葉回路の機能低下がみられる。
- d:誤った組合せ・正答 — DAT低下と血流低下を混同している。PDの線条体灌流が一律に低下するという説明は適切でない。
- e:正しい組合せ — Huntington病では尾状核を含む線条体の変性と機能低下が重要。
根拠・参考文献
- EANM procedure guidelines for brain PET imaging using FDG, version 3 (2022):AD・DLB・PSPなどの領域別機能パターン。
- EANM/SNMMI procedure standard for dopaminergic imaging in parkinsonian syndromes (2020):PDにおける線条体DAT低下が血流検査ではなく神経伝達機能評価であること。
B-1.脳神経核医学・問10
解答例:c
考え方
DLBでは後頭葉の機能低下、心臓MIBG低下、線条体DAT低下が診断を補助する。2017年基準ではDATとMIBGは指標的バイオマーカー、後頭葉の血流・代謝低下は支持的所見として位置づけられ、同じ重みではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 後頭葉の所見は合うが、内側側頭葉が比較的保たれる傾向と、広範なBZR低下を代表所見としない点に注意。
- b:誤り — 後頭葉とDATの所見は合うが、ADとの対比では内側側頭葉障害を典型として強調しない。
- c:正しい — 後方機能障害、心臓交感神経障害、黒質線条体神経終末障害という異なる指標を組み合わせている。
- d:誤り — MIBG低下は合うが、内側側頭葉と広範なiomazenil低下を主要な典型像とする点が不適切。
- e:誤り — MIBG・DAT低下は合うが、広範なiomazenil低下は標準的な診断指標ではない。
根拠・参考文献
- McKeith et al. Diagnosis and management of dementia with Lewy bodies: fourth consensus report (2017):2017年診断基準におけるMIBG・DATと支持的画像の位置付け。
- EANM procedure guidelines for brain PET imaging using FDG, version 3 (2022):DLBの後頭葉低代謝、内側側頭葉の相対的保持。
B-1.脳神経核医学・問11
解答例:e
考え方
原図の皮質優位の拡散異常と急速な症状進行・ミオクローヌスからCJDが最も整合する。既往手術による局所の異常を今回の病態と混同しない。MRIだけでは確定できず、現在はRT-QuICなどを含めて治療可能な鑑別を除外する。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 通常のADでは経過がより緩徐で、この急速進行と広い皮質拡散異常を説明しにくい。
- b:鑑別は必要 — 自己免疫性などの脳炎は治療可能な重要鑑別だが、提示された組合せではCJDがより典型的。髄液・EEGなどを併用する。
- c:不適切 — 単一の血管支配に一致する急性梗塞としては皮質異常の分布と進行性経過が合いにくい。
- d:不適切 — ミトコンドリア病の脳卒中様発作も鑑別になるが、病歴と画像全体はCJDを優先する。
- e:正しい — 急速進行、ミオクローヌス、皮質リボン状の拡散高信号が合う。SPECT低灌流単独では特異的でない。
根拠・参考文献
- Watson et al. Validation of revised international CJD diagnostic criteria (2022):皮質リボン状MRI異常とRT-QuICを組み込んだ診断基準の多国間検証。
B-1.脳神経核医学・問12
解答例:a
考え方
ECD集積は灰白質で高く白質で低いが、正常な灰白質内にも部位差がある。内側側頭葉は部分容積効果も受け、基底核より一律に高い正常部位とはしない。年齢に合った正常データと比較する。
各選択肢の解説
- a:誤り・正答 — 海馬は小さく部分容積効果も大きい。基底核を上回ることを正常分布の基本とするのは適切でない。
- b:概ね正しい — 視覚野に相当する内側後頭皮質は正常で比較的高集積となる。開閉眼などの検査条件にも注意する。
- c:概ね正しい — 低集積の白質と髄液腔はSPECTの空間分解能では明瞭に分離しにくい。
- d:概ね正しい — 加齢性変化と萎縮の影響がある。全皮質が同じ率で低下するという意味ではない。
- e:年齢条件付き — 発達途上では大脳と小脳の成熟時期の差が分布に現れる。ただし小児全年齢を一括した普遍的大小関係とはしない。
根拠・参考文献
- Schiepers et al. Normal brain perfusion pattern of technetium-99m-ECD in children (1997):小児ECD分布に発達・年齢依存性があり、年齢別正常データを要する原著。
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students (2014):空間分解能・部分容積効果、正常灰白質と白質の集積差。
B-1.脳神経核医学・問13
解答例:d
考え方
原図では右優位の皮質・深部の機能低下と対側小脳の低集積を認める。臨床的には皮質基底核症候群を考えるが病理CBDの確定ではない。対側小脳低集積は交叉性小脳遠隔機能低下で説明でき、直ちに小脳梗塞としない。
各選択肢の解説
- a:誤った組合せ — 右半球低下という妥当な所見まで誤りとして選んでしまう。小脳の低集積から梗塞を確定することはできない。
- b:誤った組合せ — 右半球低下と、表面投影像だけでは深部核を十分評価できない点は妥当であり、両者を誤りに含めない。
- c:誤った組合せ — 薬効の一般化は不適切だが、右優位低下と表面投影の限界は正しい。
- d:正答 — 小脳梗塞の短絡的診断、CBDでDLB同様のMIBG低下を一般化する判断、donepezilの有効性を確立したものとする判断を選ぶ。
- e:誤った組合せ — MIBGと薬効に関する留保は必要だが、深部核の評価に断層像が必要という正しい内容まで誤りにしている。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI procedure standard for dopaminergic imaging in parkinsonian syndromes (2020):CBD/PSP/MSAとLewy小体病のMIBG・神経伝達画像の対比。薬効を証明する資料ではなく、donepezil有効と断定できない。
- EANM procedure guidelines for brain PET imaging using FDG, version 3 (2022):CBSの非対称な機能パターン。病理診断と臨床症候群を区別。
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students (2014):断層像・表面投影画像の解釈と遠隔機能障害。
B-1.脳神経核医学・問14
解答例:d
考え方
原図の早い尿路描出と髄液腔からの速い消失は髄液漏出を示唆する。ただし単独所見の特異度は十分でなく、提示像だけで漏出部位を確定しない。現在のSIH評価は造影脳MRI・全脊椎MRIが第一選択で、RI脳槽シンチを一律の標準検査とはしない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 脳槽シンチの速い消失を、交通性水頭症でみられる髄液循環遅延と同じには扱わない。
- b:不適切 — 提示された非造影画像に、造影硬膜増強などの特徴を断定できない。正常に見える脳MRIでも髄液漏出を完全には除外しない。
- c:誤り — 早い時相から尿路への描出と頭蓋側への分布の乏しさがあり、初期像が完全に正常とは読めない。
- d:正しい — 髄液漏出による頭蓋内低圧では硬膜外自己血パッチが治療選択肢となる。適応・手技は専門診療で決める。
- e:誤り — 重篤な合併症はあり得るが、この病態を一般に極めて高致死率とするのは不適切。
根拠・参考文献
- Cheema et al. Multidisciplinary consensus guideline for spontaneous intracranial hypotension (2023):現在の第一選択画像と早期の非標的硬膜外血液パッチ。自然発症SIHの推奨で、遠隔外傷との因果を証明しない。
B-1.脳神経核医学・問15
解答例:b
考え方
原図AではPDとMSAで線条体集積が低下し、BではPDの保持に対しMSAで低下する。前者はシナプス前DAT、後者はシナプス後D2系機能の模式的な対比に合う。現実には重なりがあり、D2画像だけで全例を鑑別できない。
各選択肢の解説
- a:誤り — epideprideはD2系リガンドであり、AをDAT障害のパターンとして読む図と対応が逆になる。
- b:正しい — β-CITで神経終末DATを、IBFでD2受容体系を評価する組合せが図の対比に合う。
- c:誤り — iomazenilはGABA-A受容体のベンゾジアゼピン結合部位を評価し、AのDATパターンに対応しない。
- d:誤り — racloprideはD2/D3、SCH23390はD1系であり、図が示す前シナプスDATと後シナプスD2の対比ではない。
- e:誤り — Aのβ-CITは合うが、BをBZR分布とすると線条体中心の受容体画像を説明できない。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI procedure standard for dopaminergic imaging in parkinsonian syndromes (2020):前シナプスDATと後シナプスD2画像の臨床的対比と、後シナプス検査の限界。
- Carbon-11 and iodine-123 labelled iomazenil: direct PET-SPET comparison (1996):iomazenilのBZR分布が線条体中心のDAT/D2分布とは異なること。
B-1.脳神経核医学・問16
解答例:c
考え方
同じ放射能ならモル放射能が高いほど投与される化合物量は小さい。BPは受容体密度と親和性の複合指標であり、低質量の単回測定から密度と解離定数を別々には求められない。現在はBPND・BPP・BPFを区別し、自由分率と単位を明記する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 放射能/物質量という単位は妥当だが、高モル放射能ほど多量の薬物を投与するという向きが逆。BPを濃度そのものとする点も誤る。
- b:誤り — 単回測定で密度と解離定数を分離できない点は妥当だが、化合物量の大小関係が逆である。
- c:正しい — 放射能/物質量、密度と親和性の比による指標、単回検査で両者を分離できないという組合せ。
- d:誤り — 密度と親和性の比という考え方は妥当だが、化合物量の方向とBPの単位が誤る。
- e:誤り — 比としてのBPと同定限界は妥当だが、BPをmol/Lとする点が誤る。BPNDは無次元、BPP・BPFには体積比の表記がある。
根拠・参考文献
- Innis et al. Consensus nomenclature for in vivo imaging of reversibly binding radioligands (2007):各BPの定義、自由分率、利用可能受容体密度とKDの関係、Table 1の単位。
B-1.脳神経核医学・問17
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
間欠期FDG低代謝は通常、てんかん焦点側を示す。「けいれん発作側」が運動症状の身体側なのか焦点の大脳半球側なのか明示されていないため、正答を一意に確定しない。身体の運動症状側を指すと読めばdが候補だが、内側側頭葉発作の側方徴候は一律ではない。
各選択肢の解説
- a:条件付き — 焦点側の間欠期低灌流は成立する。身体症状側を指すなら左右関係は別であり、原文だけで正誤を固定できない。
- b:誤り — DTPAは正常BBBを通過して局所脳灌流を保持する薬剤ではなく、焦点の間欠期血流評価薬として不適切。
- c:原則として誤り — 間欠期には焦点側の代謝低下を期待する。発作直後や取り込み中の発作なら増加し得るため時相確認が必要。
- d:条件付き候補 — 運動症状の身体側と反対の大脳半球を指すなら整合し得る。焦点側の意味なら逆になり、一律には確定しない。
- e:条件付き — 焦点側のBZR低下は成立し得るため、焦点側を指す読みでは候補となる。身体症状の側とは区別が必要。
根拠・参考文献
- EANM practice guidelines for PET and SPECT in epilepsy (2024):間欠期FDG低代謝、発作時相による変化と側方評価の限界。本文の曖昧な左右表現を解消する資料ではない。
B-1.脳神経核医学・問18
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
小児もやもや病では過呼吸による低CO2血症が虚血を誘発し得る。一方、IMPを使った運動賦活の原著は存在するため、「IMPは賦活に使えない」として誤り二つを選ぶ説明は成立しない。出題意図はcが候補だが、唯一の誤答組合せを確定しない。
各選択肢の解説
- a:条件不足 — もやもや病で安易な過呼吸を行う点は不適切。ただし動脈炎に伴う起立時低灌流は狭窄・側副血行などの条件で生じ得るため、必ず誤りとはいえない。
- b:不適切 — 動脈炎の立位反応は病態依存であり、過呼吸による低CO2と血流低下という妥当な関係まで誤りにしている。
- c:出題意図候補・未確定 — 小児もやもやの負荷安全性は問題となるが、IMP賦活には超早期撮像による実績がある。Tc製剤より保持が不利という比較と使用不能は別。
- d:不適切 — IMPの適性は手法依存であり、CO2反応を用いる血管予備能評価の存在を否定できない。
- e:誤り — CO2負荷による血管反応性評価と、過呼吸での低CO2性血管収縮はいずれも生理的に妥当である。
根拠・参考文献
- 2021 Japanese Guidelines for the Management of Moyamoya Disease (2022):小児で過呼吸が虚血症状を誘発し、日常生活でも回避すべきこと。
- Oku et al. Super-early iodine-123-iodoamphetamine SPECT imaging of human primary motor cortex (1995):超早期IMP-SPECTで運動皮質賦活を実証した原著。原本の一律な不適性判断に反する。
B-1.脳神経核医学・問19
解答例:d
考え方
原図は右後方の集積増加が時間とともに変化しており、通常の単一血管閉塞後の灌流障害だけでは説明しにくい。反復する神経症状と心筋障害を併せ、ミトコンドリア病の脳卒中様発作を優先する。核医学画像のみで遺伝学的診断を確定しない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 主幹動脈閉塞が示されず、単一後大脳動脈領域の持続的虚血としては経時的集積変化を説明しにくい。
- b:不適切 — 発作性の症状と心筋症を含めた全身像はミトコンドリア病に合う。脳炎除外には髄液・MRIなどが必要。
- c:鑑別となる — 発作時高灌流はてんかんでも生じるが、心筋症と反復性脳卒中様エピソードを単独の局所てんかんだけでは説明しにくい。
- d:正しい — ミトコンドリア機能障害に伴う脳卒中様発作ではけいれん・脳症と非血管支配性病変がみられ、心筋症も整合する。
- e:不適切 — 出血を示す形態画像所見は示されず、灌流変化だけから出血を診断できない。
根拠・参考文献
- Ng et al. Consensus-based statements for management of mitochondrial stroke-like episodes (2019):脳卒中様発作をけいれん・脳症と画像を組み合わせて診断する共識。SPECT単独でMELASの遺伝子を確定しない。
B-1.脳神経核医学・問20
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
Patlak法の非侵襲的入力と直接動脈採血を区別する。受容体の参照領域は特異結合の有無とモデルによって選び、全トレーサで小脳を共通使用しない。出題意図はcが候補だが、IMPとECDの分配係数の定義・比較条件および平衡法の誤差条件を一次資料で十分に確定できず、正答は保留する。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 通常の非侵襲的Patlak脳血流法を直接動脈採血法と同一視する点は誤り。一方、適切な薬剤分布に対応したテンプレートの使用は妥当。
- b:不適切 — 入力測定と小脳参照の一律化には問題があるが、薬剤に対応する空間標準化テンプレートまで誤りに含めるのは不適切。
- c:出題意図候補・未確定 — 入力測定の記述とBZRのある小脳を単純な非特異結合部とする判断は不適切。ただし分配係数比較を確定できていないため正答と断定しない。
- d:不適切 — 分配係数と誤差増幅の条件確認が必要だが、薬剤分布に対応したテンプレートを選ぶ考え自体は妥当。
- e:未確定 — 小脳にもiomazenilの特異結合がある。残るモデル間誤差と分配係数の比較を、条件を示さず一律に誤りとはできない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics: A Handbook for Teachers and Students (2014):血流定量における入力関数・分布モデルの基本。設問のIMP対ECD分配係数順位までは確証できない。
- Carbon-11 and iodine-123 labelled iomazenil: direct PET-SPET comparison (1996):小脳にも有意な受容体結合がある実測値。小脳比を記述統計で用いることと非特異参照組織としての妥当性は別。
- Innis et al. Consensus nomenclature for in vivo imaging of reversibly binding radioligands (2007):参照組織モデルと特異・非特異結合の区別。
B-2.循環器核医学・問1
解答例:d
考え方
原図では下壁の血流低下に比してFDG取り込みが保持され、生存する低灌流心筋を示唆する。生存性は再建後の機能回復可能性の評価であり、画像だけで再建の予後利益を保証しない。生存性検査の糖負荷は炎症評価時の心筋抑制前処置と区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 糖尿病でも血糖・インスリン管理下に検査できる。心筋への糖取り込みを促す前処置が必要で、絶食のみの説明は不十分。
- b:誤り — 糖尿病による一律の検査不可は誤り。ミスマッチはむしろ残存生存心筋を示唆し、回復不能とは断定しない。
- c:誤り — ミスマッチは図に合うが、生存性評価を絶食条件だけで行うと糖取り込み不足を招く。
- d:正しい — 下壁の灌流に比して保持された糖代謝があり、TlとFDGは適切な順序と撮像条件なら同日評価できる。
- e:誤り — 同日実施は可能だが、残存糖代謝から機能回復が期待できないとはいえない。
根拠・参考文献
- ASNC PET myocardial perfusion and metabolism imaging guideline (2009):糖尿病を含む糖負荷・インスリン前処置、灌流とFDGを比較する生存性評価。
B-2.循環器核医学・問2
解答例:d
考え方
アデノシンの作用は短く、多くの軽症状は投与中止後速やかに軽減する。全ての自覚症状で直ちにアミノフィリンを投与するのではなく、重症度・持続性に応じ中止、監視、救急対応や拮抗を行う。
各選択肢の解説
- a:正しい — 持続する負荷薬の注入速度を乱さず血流薬を投与するため、独立した静注経路を用いる。
- b:正しい — 冠拡張作用だけでなく房室伝導抑制などがあり、急速過量投与は危険である。
- c:正しい — 熱感・胸部違和感・呼吸困難感は代表的な自覚症状。ただし重篤徴候との区別が必要。
- d:誤り・正答 — 軽症状の全例に即時拮抗は不要。まず投与中止などで評価し、持続する重い反応には適切に対応する。
- e:正しい — 実施可能な患者では低強度運動併用で自覚症状と腹部背景が軽減する。
根拠・参考文献
- EANM procedural guidelines for radionuclide myocardial perfusion SPECT: 2015 revision:アデノシンの非選択的受容体作用と低強度運動による副作用軽減。
B-2.循環器核医学・問3
解答例:d
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
運動困難で虚血を疑う症状と冠危険因子を伴い、薬物負荷による評価が選択肢となる。旧来のリスク区分ではdが出題意図と考えるが、現在は「中リスク同士だから必須」とはしない。手術の緊急度、機能能力、検査で管理が変わるかを踏まえる。
各選択肢の解説
- a:誤り — 症状を伴う患者を低リスクとして一律に検査不要とはできない。
- b:誤り — 基本評価は必要だが、低リスクの扱いと直ちに造影を必須とする判断は妥当でない。
- c:誤り — 薬物負荷は検討できるが、低リスクという前提と無条件の造影適応が合わない。
- d:出題意図として妥当 — 症状評価・心機能評価と、歩行困難を考慮した薬物負荷が整合する。ただし現行指針では全例必須の表現を修正する。
- e:不適切 — 負荷の検討は妥当でも、安定した症状を理由に直ちに冠動脈造影を行うと決め付けない。
根拠・参考文献
- 2024 AHA/ACC multisociety guideline for perioperative cardiovascular management:2024年指針は負荷検査を選択例に限定し、機能能力・リスク・管理変更可能性により判断する。
B-2.循環器核医学・問4
解答例:d
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
正常でもMIBGは不均一で、下壁や心尖部の低集積が起こり得る。糖尿病性無症候性虚血、心不全、長時間運動後の集積変化を区別する。dは運動後に交感神経指標が変化した知見を含む組合せだが、全てのスポーツ心が病的という意味ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 心不全の低H/Mと糖尿病性障害は合うが、正常の代表的低集積部位を中隔とする点が不適切。
- b:誤り — 糖尿病性障害は合うが、中隔低下の一般化と肥大型心筋症の異常が主に非肥大部という説明が合わない。
- c:誤り — 運動後の変化はあり得るが、正常中隔低下と非肥大部中心の説明は適切でない。
- d:条件付きで正しい — 糖尿病性障害・重症心不全低H/Mに加え、長時間運動後のMIBG変化には原著がある。正常適応との区別が必要。
- e:誤り — 心不全と運動後の変化は合うが、肥大型心筋症で非肥大部が異常の主部位とは一般化しない。
根拠・参考文献
- Evaluation of cardiac sympathetic innervation with MIBG imaging in silent myocardial ischemia (1996):正常下壁低集積と糖尿病性無症候性虚血の下壁MIBG低下。
- Influence of prolonged exercise on myocardial distribution of MIBG in long-distance runners (1997):9名の長距離走者で運動後H/M低下。安静時正常であり全スポーツ心の病的異常は示さない。
- Prognostic importance of myocardial MIBG washout rate in cardiomyopathy (2002):心筋症の交感神経画像指標と予後。
B-2.循環器核医学・問5
解答例:b
考え方
アデノシンは直接的な冠血管拡張、ドブタミンは主に仕事量増加を介して血流を増やし、作用を同一視しない。灌流欠損と正常壁厚増加の組合せは減弱を疑うが、小梗塞を完全に除外するものではない。
各選択肢の解説
- a:概ね正しい — 対角枝は前側壁を灌流し、中隔は主に中隔枝の領域。個々の解剖学的変異に留意する。
- b:誤り・正答 — 両負荷の機序と最大充血量は異なり、正常冠動脈で同じ血流増加とするのは不適切。
- c:概ね正しい — 心外膜側の交感神経は主に冠動脈に沿って走行し、虚血で神経機能障害が生じ得る。
- d:概ね正しい — 通常の好気的条件では脂肪酸酸化の寄与が大きいが、摂食・インスリン・虚血で基質利用は変化する。
- e:正しい — 固定的低集積でも壁運動・厚化が保たれれば減弱を支持する。投影像や減弱補正なども合わせる。
根拠・参考文献
- EANM procedural guidelines for radionuclide myocardial perfusion SPECT: 2015 revision:冠拡張負荷と需要増加型負荷の違い。
- ASNC PET myocardial perfusion and metabolism imaging guideline (2009):心筋の基質利用と灌流・機能の総合評価。
B-2.循環器核医学・問6
解答例:c
考え方
Tc心筋血流薬はTlのような明瞭な再分布を示さず、負荷と安静に別々の投与を要する。検査順は施設プロトコルで選べるが、二回目の残存放射能混入を抑える投与量設定が必要。
各選択肢の解説
- a:誤り — 肝胆道・腹部背景の低下を待つ必要があり、全例で負荷終了直後の撮像が最適ではない。
- b:誤り — 一日法で等量にすると先行投与の残存成分が後の画像に影響するため、通常は二回目を多くする。
- c:正しい — 負荷先行と安静先行の両法があり、先行・後続投与量と待機時間を合わせて設計する。
- d:誤り — 別投与の負荷像・安静像からTl型の再分布や単純な洗い出し率を評価する検査ではない。
- e:誤り — Tc薬は光子エネルギーと得られる計数の点で同期機能解析に適し、Tlの方が一律に適するとはいえない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):TcとTlの動態・撮像特性、残存放射能。
- ASNC PET myocardial perfusion and metabolism imaging guideline (2009):SPECT灌流薬とPET生存性の撮像順序・解釈の区別。
B-2.循環器核医学・問7
解答例:b
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
原図では前側壁のTl遅延改善と、より大きいBMIPP低集積を認め、虚血後の脂肪酸代謝障害を伴う残存心筋を示唆する。出題時のPCI判断としてbが候補だが、現在の急性冠症候群治療を翌日の画像だけで決めることはできない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 前側壁の再分布とミスマッチは合うが、下壁ミスマッチをそのまま梗塞と確定する点が不適切。
- b:条件付きで妥当 — 残存生存心筋と解剖学的責任枝を合わせると再建検討に結び付く。ただし臨床安定性・虚血・冠動脈所見を総合する。
- c:誤り — 再分布と再建検討は合うが、局在と冠動脈所見を併せた責任枝の推定ができないとはいえない。
- d:誤り — ミスマッチは妥当でも、梗塞確定と責任枝同定不能という説明が合わない。
- e:誤り — 再建検討はできるが、ミスマッチを梗塞と断定し責任枝も推定不能とするのは誤る。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会・心臓核医学検査ガイドライン2010:BMIPPによる脂肪酸代謝・虚血後変化の評価。FDGの生存性画像と同一の機序ではない
- ASNC PET myocardial perfusion and metabolism imaging guideline (2009):灌流と代謝の乖離を用いる生存性評価。ただしBMIPPの虚血記憶はFDGと同一動態ではない。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):心筋灌流と代謝画像の役割。
B-2.循環器核医学・問8
解答例:e
考え方
BMIPPは現在の血流だけでなく、虚血後に残存する代謝異常や非虚血性心筋障害も反映する。単独の右脚ブロックは他の選択肢ほど直接的な代謝障害の根拠にならないが、基礎疾患合併時の異常は否定しない。
各選択肢の解説
- a:該当し得る — 急性虚血後は灌流が改善しても脂肪酸利用障害が残り得る。
- b:該当し得る — 冠攣縮の解除後にも虚血記憶として低集積が残る場合がある。
- c:該当し得る — 透析患者では虚血・代謝負荷・心筋障害などに伴う異常がみられる。
- d:該当し得る — 拡張型心筋症でも細胞・代謝障害により灌流と異なる異常を示し得る。
- e:最も低い・正答 — 孤立した右脚伝導遅延そのものを広い左室脂肪酸代謝障害と同一視しない。合併心筋症がある場合は別。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):脂肪酸代謝トレーサの細胞内保持と虚血・心筋障害評価。
B-2.循環器核医学・問9
解答例:c
考え方
原図では下側壁に遅延像でも残る障害と部分的改善、前壁中隔に負荷時優位の低集積を認める。糖尿病患者では胸痛がなくても虚血性心疾患を低リスクとは扱わない。単一欠損の解釈には減弱・運動の影響も検討する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 下側壁の混合障害は合うが、中隔を固定梗塞とするより遅延改善を伴う虚血として読む。
- b:誤り — 中隔の固定梗塞という読みも、症状がないことだけで低リスクとする判断も合わない。
- c:正しい — 下側壁の残存障害と再分布、前壁中隔の負荷誘発性低集積を組み合わせている。
- d:誤り — 前壁中隔虚血は合うが、図には右室の描出もあり「描出なし」とはしない。
- e:誤り — 右室は確認でき、糖尿病・脂質異常と心電図異常から検査前確率を低くは見積もらない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):Tl再分布による可逆・固定灌流障害の読影。
- Evaluation of cardiac sympathetic innervation with MIBG imaging in silent myocardial ischemia (1996):糖尿病では胸痛なしに心筋虚血と交感神経異常を来し得る。
B-2.循環器核医学・問10
解答例:a
考え方
心電図同期は多数心拍を位相ごとに加算する。不整脈で位相混合が起き、機能値が誤る。小心臓では輪郭同定によりESVが小さく算出され、従来QGSではEFが過大になりやすい。
各選択肢の解説
- a:正しい — 一般的な位相分割、壁移動と壁厚増加の部位差、不整脈によるEF過小評価の可能性が整合する。不整脈の誤差方向は常に一定ではない。
- b:誤り — 前半二点は合うが、小心臓の代表的誤差はEF過大であり逆。
- c:誤り — 位相分割は合うが、著明な肥厚でも容量が常に正確とはいえず、小心臓の誤差方向も逆。
- d:誤り — 不整脈と局所指標の違いは妥当だが、肥厚例で常に高精度という説明は不適切。
- e:誤り — 不整脈で機能値が誤ることはあるが、肥厚例の精度を保証し、小心臓でEF過小とする点が誤る。
根拠・参考文献
- Nakajima et al. Improved quantification of small hearts for gated myocardial perfusion imaging (2013):従来QGSの小心臓におけるESV過小・EF過大と輪郭同定問題。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):同期収集の位相加算と心機能計測。
関連する過去問
B-2.循環器核医学・問11
解答例:d
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
生存性、症状や所見に応じた再建後評価、梗塞後リスク層別化は有用な用途である。無症状低リスク者への一律スクリーニングや、再建後の無症状例への定期検査を全例に推奨する意味ではない。HCMでも微小循環評価は可能であり、検査価値を否定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 生存性と治療後評価は妥当だが、低リスク無症状者の一律検査を含む。
- b:誤り — 低リスクスクリーニングを含み、旧設問で求める確立した三つの用途とは一致しない。
- c:誤り — 梗塞後層別化は妥当でも、低リスク者の一律検査を支持しない。
- d:出題意図として妥当 — 生存性・適応を選んだ治療後評価・梗塞後層別化の組合せ。生存性だけで再建による生存利益を保証しない。
- e:条件付きで不適切 — HCMでも有用な場合はあるが、旧設問のエビデンスの対比では生存性評価を含むdを優先する。
根拠・参考文献
- ASNC PET myocardial perfusion and metabolism imaging guideline (2009):生存性評価と心筋血流検査の臨床利用。
- Berman et al. Prognostic validation of a 17-segment score derived from a 20-segment score (2004):心筋灌流障害量が予後予測に有用であること。HCM全般の否定を支持しない。
B-2.循環器核医学・問12
解答例:c
考え方
原図の負荷ECGで下向きST低下を認め、SPECTは下側壁の可逆的低集積が目立つ。症状と画像を合わせ再建の必要性を検討するが、再建方法・効果は冠動脈解剖と内服治療への反応を含めて判断する。
各選択肢の解説
- a:誤り — ECGの虚血所見は合うが、明瞭な左室拡大・前壁主体の虚血という読みは図と合わない。
- b:誤り — ECGと再建検討は合うが、左室拡大を明瞭な所見として加える根拠は乏しい。
- c:正しい — 負荷時ST低下、下側壁の可逆的低集積、症候性虚血に対する再建検討が整合する。
- d:誤り — 下側壁所見は合うが、左室拡大と前壁虚血を主要所見とする点が不適切。
- e:誤り — 下側壁虚血と再建検討は合うが、前壁の明らかな虚血まで追加している。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):負荷安静灌流差と心筋領域の評価。
- ASNC PET myocardial perfusion and metabolism imaging guideline (2009):再建検討では虚血・生存性と臨床情報を統合する。
B-2.循環器核医学・問13
解答例:b
考え方
MIBGはノルアドレナリン類似体で、主に神経終末のuptake-1を介して取り込まれ小胞に保持される。ノルアドレナリンそのものと同じ代謝物ではなく、MAO・COMT分解を受けにくい。
各選択肢の解説
- a:誤り — 小胞からの放出は妥当だが、神経終末α2受容体は一般に負のフィードバックとして放出を抑える。
- b:正しい — 神経刺激に伴う小胞放出と、小胞保持を阻害するreserpineによる心筋保持低下の組合せ。
- c:誤り — α2の作用方向が逆で、神経への再取り込みはuptake-1でありuptake-2ではない。
- d:誤り — 神経終末への再取り込み経路と、MIBGがMAO・COMTで代謝されるという説明の両方が誤る。
- e:誤り — reserpineによる保持低下は合うが、MAO・COMT代謝を前提にしている。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):MIBGのuptake-1、小胞保持、代謝特性と干渉薬。
B-2.循環器核医学・問14
解答例:e
考え方
投与翌日の残存放射能は物理的半減期と生体内保持で決まる。F-18は約110分と短く24時間で多くの半減期が経過するため、提示条件では翌日のTc撮像への影響が最も小さい。検査間隔は核種・投与量・窓設定も含め判断する。
各選択肢の解説
- a:不適切 — Ga-67は半減期が数日あり、翌日も多く残り高エネルギー光子の散乱が影響し得る。
- b:不適切 — I-123は半減期約13時間で翌日にも残り、主光子や高エネルギー成分からの混入を考慮する。
- c:不適切 — I-131は約8日で、投与量が小さくても翌日に消えるわけではない。
- d:不適切 — In-111は約2.8日で171・245keV光子が残り、Tc窓への散乱混入があり得る。
- e:正しい — F-18は24時間で約13半減期が経過する。ほかの提示核種より物理的残存が大幅に小さい。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):各核種の半減期、散乱・高エネルギー光子によるクロストーク。
B-2.循環器核医学・問15
解答例:d
考え方
SSSは負荷時灌流障害の広がりと重症度を統合し、同期機能値とは別の指標である。17領域と20領域は適切な換算では近い予後情報を与えるが、生の合計点を同じ閾値で比較しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 同期は多くの心拍を加算するもので、数拍で通常のSPECTを完成させない。SSSにも同期収集は必須ではない。
- b:誤り — 短時間収集の理解が誤りであり、薬物負荷患者と運動可能患者の予後差は背景にも強く依存する。
- c:誤り — SSSの予後利用は妥当だが、SSSを算出するために同期像が必須とはいえない。
- d:正しい — 灌流障害スコアの予後価値と、妥当な換算による領域モデル間の予後評価の近さが合う。
- e:誤り — 領域モデルの比較は妥当だが、運動負荷群が一律に予後不良という方向付けは適切でない。
根拠・参考文献
- Berman et al. Prognostic validation of a 17-segment score derived from a 20-segment score (2004):16,020例の17・20領域スコア換算とほぼ同等の予後情報。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):同期データの位相加算と灌流スコア・心機能の違い。
B-2.循環器核医学・問16
解答例:b
考え方
アデノシンはA2Aだけに選択的な薬ではなく、他の受容体作用が伝導障害などに関与する。カフェインは拮抗して充血を弱める。摂取時に自己判断で投与量を倍増するのではなく、待機・再予約など適切な対応を選ぶ。
各選択肢の解説
- a:誤った組合せ — 受容体選択性は誤るが、冠拡張薬による充血が運動より大きくなり得る点まで誤りにはしない。
- b:正答 — 受容体選択性の誤認と、カフェイン摂取時の無条件倍量投与という不適切な対処を選ぶ。
- c:誤った組合せ — カフェインが充血反応を抑える点は正しく、誤りに含めない。
- d:誤った組合せ — カフェインの拮抗は妥当で、運動が不適切な大動脈疾患で薬物負荷を検討することもある。禁忌は別途確認する。
- e:誤った組合せ — 倍量投与は誤るが、大動脈疾患で運動負荷を避ける考えまで一律に否定できない。
根拠・参考文献
- EANM procedural guidelines for radionuclide myocardial perfusion SPECT: 2015 revision:A1・A2B・A3作用とA2A選択薬との区別、カフェインの拮抗と事前中止。
B-2.循環器核医学・問17
解答例:c
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
同期SPECTは容積・EF・形状を通じリモデリングを評価する。正常な相対灌流像は広い虚血性障害の可能性を下げるが、均衡虚血や既治療例を完全には除外しない。MIBGでは一般に保持低下・洗い出し亢進が不良指標となる。
各選択肢の解説
- a:誤り — DCMにも灌流異常は起こり得るため、異常灌流だけでDCMの可能性が極めて低いとはいえない。
- b:誤り — DCMの除外判断が誤りであり、MIBG洗い出し低下を代表的な不良指標とする方向も逆。
- c:条件付きで正しい — 正常灌流で虚血性病因の可能性が下がる点と、同期画像によるリモデリング評価は妥当。ただし正常像でも病因を完全除外しない。
- d:誤り — リモデリング評価は有用だが、肺集積の低下ではなく増加が充満圧上昇などの不良所見となり得る。
- e:誤り — 肺集積とMIBG洗い出しの両方が典型的な不良指標の方向と逆である。
根拠・参考文献
- Prognostic importance of myocardial MIBG washout rate in cardiomyopathy (2002):MIBG洗い出し亢進と心筋症の予後不良の関連。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):同期SPECTの容量・機能解析、心筋血流像の相対評価の限界。
B-2.循環器核医学・問18
解答例:a
考え方
血管FDGは炎症細胞の糖代謝を反映し、動脈硬化と大型血管炎の両方で増加し得る。CTの石灰化は異なる過程の指標であり、集積が必ず石灰化と一致するわけではない。
各選択肢の解説
- a:正答 — 動脈硬化に集積しないという否定と、石灰化と必ず一致するとする二つの誤りを選ぶ。
- b:誤った組合せ — 動脈硬化への否定は誤るが、加齢とともに動脈硬化関連集積が多くなる傾向まで否定しない。
- c:誤った組合せ — 石灰化との一致は誤るが、大型血管炎の炎症壁に集積する点は正しい。
- d:誤った組合せ — 大型血管炎の集積と、炎症性プラークのマクロファージ代謝という説明はいずれも妥当。
- e:誤った組合せ — 炎症細胞への集積と加齢性の動脈硬化増加は妥当な説明である。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI/PIG/ASNC recommendation on FDG-PET/CT(A) in large vessel vasculitis (2018):大型血管炎と動脈硬化性集積の鑑別、代謝活動と形態画像の相補性。
B-2.循環器核医学・問19
解答例:c
考え方
原図で大動脈と複数の分枝に線状集積を認め、左右血圧差や炎症所見と合わせ大型血管炎を考える。FDGは活動性を補助するが、血管内腔・壁構造を評価するCT/MR等の代わりにはならない。
各選択肢の解説
- a:誤り — グルココルチコイド治療は妥当だが、高安動脈炎は一般に女性に多く、男女比が逆。
- b:誤り — 性差の方向が逆で、代謝画像だけで形態画像が不要とする点も誤る。
- c:正しい — グルココルチコイドが治療選択となり、条件を揃えたFDG評価は活動性・反応判定を補助する。治療後に集積が完全消失するとは限らない。
- d:誤り — 反応評価に役立つが、原図の病変は一つの枝に限局しない。通常解剖では左腕頭動脈という呼称自体にも注意。
- e:誤り — 集積は広範で、狭窄・拡張などの評価に形態検査を併用する。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI/PIG/ASNC recommendation on FDG-PET/CT(A) in large vessel vasculitis (2018):大型血管炎でのPETとCTAの相補的役割、治療影響を踏まえた活動性評価。
B-2.循環器核医学・問20
解答例:b
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
Tc製剤の高計数画像は右室評価にも利用でき、近接楕円180度収集では特定方向の偽低集積が問題となる。bが候補だが、右室の相対集積は薬剤・負荷・再構成に左右され、一律の生理的取り込み量の大小とは区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 右室評価が可能な点は合うが、増量だけでは下壁減弱の系統誤差を除去できない。
- b:条件付きで正しい — Tcによる右室描出と、非円軌道・限定角度収集に伴う方向依存偽欠損が組み合わされる。装置・再構成法への依存がある。
- c:誤り — 投与量増加は統計雑音を減らしても減弱を補正しない。拡大は画素を細かくするため同じ収集では画素当たり計数は減る。
- d:誤り — 拡大による画素計数の方向が逆。upward creepは運動後の呼吸・横隔膜位置回復で問題となり、アデノシンの方が多いとはしない。
- e:誤り — 方向依存偽欠損はあり得るが、upward creepをアデノシンでより多いとする記述が不適切。
根拠・参考文献
- Right ventricular abnormalities assessed by Tc-sestamibi/tetrofosmin SPECT (2000):Tc標識薬を用いた右室灌流評価の原著。Tl対Tcの無条件な定量優越を証明しない。
- Avoidance of upward creep artifact during Tl-201 tomography using adenosine (1995):運動で生じたupward creepの症例でアデノシン再検時は回避された報告。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):拡大・画素計数・減弱・収集軌道による画像誤差。
B-3.腫瘍核医学・問1
解答例:c
考え方
原本では肺内結節と多発骨病変が認められ、選択肢では肺原発が最も整合する。CEA高値だけから臓器を決めず、原発診断の確定には病理などを用いる。
各選択肢の解説
- a:支持しない — 脳の強い集積は通常の生理的糖代謝でも生じ、脳原発とする所見ではない。
- b:支持しない — 骨病変の分布だけでは骨髄原発とせず、肺の結節を含めて評価する。
- c:最も整合する — 肺結節と全身骨病変を併せると肺原発の転移が考えられる。画像による推定である。
- d:支持しない — 掲載CTから明瞭な肝原発腫瘍を特定できない。
- e:支持しない — CEAだけでは結腸原発に特定できず、提示画像で結腸の原発を裏付けられない。
根拠・参考文献
- EANM FDG PET/CT腫瘍撮像ガイドライン2.0:血糖・筋活動・炎症などの偽陽性と読影上の留意点
B-3.腫瘍核医学・問2
解答例:c
考え方
Gaの遅延像、I131-MIBGの遅延像、Tlの早期像の組合せが対応する。製剤ごとの動態を理解し、すべてをFDGの集積待機時間と同じにしない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — アドステロールでは通常さらに遅い時点を用い、メチオニンは短い半減期に合わせた早期撮像を行う。
- b:不適切 — GaとTlは対応するが、アドステロールの提示時刻が通常の開始時刻と合わない。
- c:適切 — Gaは数日後、I131-MIBGは投与翌日以降の遅延像、Tlは投与早期という整理である。
- d:不適切 — アドステロールとメチオニンの時刻が通常の手順と合わない。
- e:不適切 — MIBGとTlは対応するが、メチオニンを一律に1時間待つ説明が不適切。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:製剤ごとの分布・撮像手順の一般的背景。個別症例の正答を証明する資料ではない
B-3.腫瘍核医学・問3
解答例:d
考え方
選択肢ではびまん性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、MALT型の順が対応する。旧分類の「びまん性」を全病型へ拡張せず、DLBCLなどの高い陽性率とMALT等の変動を押さえる。
各選択肢の解説
- a:不適切 — MALT型を濾胞性より高い陽性率とする順序が一般的傾向に合わない。
- b:不適切 — 濾胞性も高い陽性率だが、提示された代表的順序ではびまん性群を先に置く。
- c:不適切 — MALT型を最も陽性になりやすい群とする点が不適切。
- d:最も整合する — DLBCL・濾胞性は高率に陽性で、節外辺縁帯/MALT型は陰性例も多い。
- e:不適切 — びまん性群を最も低い陽性率とする説明が合わない。
根拠・参考文献
- リンパ腫766例の組織型別FDG集積研究:組織型によるFDG陽性率の違い
B-3.腫瘍核医学・問4
解答例:e
考え方
原本の融合像では下顎付近の集積を骨と区別でき、CT単独で扁桃や後頸筋に明瞭な転移を指摘できない。治療後1か月のFDG集積を直ちに再発としない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — FDGの非対称な扁桃集積や筋集積だけで再発・筋転移とは断定できない。
- b:不適切 — 下顎部の局在確認は妥当だが、前二つの転移断定は支持できない。
- c:不適切 — CTでの筋病変の不明瞭さと骨外局在は対応するが、対側扁桃の再発断定が不適切。
- d:不適切 — CTに明瞭な病変がないという記載と、PETだけによる筋転移断定を区別する。
- e:適切 — 提示CTでの所見と融合像での局在評価が対応する。治療後炎症・代償性筋活動も考える。
根拠・参考文献
- EANM FDG PET/CT腫瘍撮像ガイドライン2.0:血糖・筋活動・炎症などの偽陽性と読影上の留意点
B-3.腫瘍核医学・問5
解答例:a
解答候補(高血糖という表現の条件に留意)
考え方
誤りの組合せとしてaが候補。高血糖だけを骨格筋集積増加と同義にせず、インスリン作用を分ける。インスリン投与後には筋への取り込みが増えうる。
各選択肢の解説
- a:候補 — 血糖値そのものと筋集積の単純な因果、およびインスリンで筋集積が低下する説明が不適切。高血糖時の内因性インスリン等の条件で分布は変わる。
- b:不適切 — 子宮内膜集積は月経周期に伴う生理的取り込みとして認められる。
- c:不適切 — インスリンの説明は誤るが、片側麻痺に対する健側声帯の代償性活動は取り込み増加を説明する。
- d:不適切 — 声帯の活動性集積も、絶食時でも残りうる心筋集積も説明可能。
- e:不適切 — 絶食時の心筋と周期性の子宮内膜集積は、存在だけで病的とはしない。
根拠・参考文献
- EANM FDG PET/CT腫瘍撮像ガイドライン2.0:血糖・筋活動・炎症などの偽陽性と読影上の留意点
B-3.腫瘍核医学・問6
解答例:b
考え方
原本では節性病変が軽減する一方、甲状腺の集積が残り、治療後には骨髄のびまん性集積が目立つ。甲状腺炎や造血回復を考慮し、集積だけで残存腫瘍・骨髄浸潤を断定しない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 治療後のびまん性骨髄集積は化学療法後の回復やG-CSFでも起こる。
- b:最も整合する — 治療前の分布、残る甲状腺のびまん性集積、組織型依存性を組み合わせる。甲状腺炎は機能・抗体などで確認する。
- c:不適切 — 生検前の悪性疑いがすべて保険適用になるという一般化は当時の適用条件を満たさない。
- d:不適切 — 骨髄浸潤の断定と生検前検査の保険適用の一般化が不適切。
- e:不適切 — 組織型依存性は正しいが、骨髄浸潤と適用条件の説明が成立しない。
根拠・参考文献
- EANM FDG PET/CT腫瘍撮像ガイドライン2.0:血糖・筋活動・炎症などの偽陽性と読影上の留意点
- リンパ腫766例の組織型別FDG集積研究:組織型によるFDG陽性率の違い
- 骨軟部腫瘍FDG-PET全国アンケート原著2008:2002・2006年の保険適用疾患と骨軟部腫瘍が対象外だった当時の状況
B-3.腫瘍核医学・問7
解答例:d
考え方
骨軟部腫瘍がまだ対象に含まれなかった当時の適用を問う。2008年の全国アンケート原著にも、骨軟部腫瘍の適用を目指す背景が記載されている。現在の保険適用とは分ける。
各選択肢の解説
- a:不適切 — リンパ腫・悪性黒色腫は当時から条件付き適用疾患に含まれる。
- b:不適切 — リンパ腫・脳腫瘍を対象外の組合せにしない。
- c:不適切 — 旧称の悪性線維性組織球腫は骨軟部群だが、黒色腫は当時の対象に含まれる。
- d:適切 — 悪性線維性組織球腫と骨肉腫は当時の骨軟部腫瘍の適用外に対応する。
- e:不適切 — 骨肉腫は対応するが、脳腫瘍は当時の条件付き対象に含まれる。
根拠・参考文献
- 骨軟部腫瘍FDG-PET全国アンケート原著2008:2002・2006年の保険適用疾患と骨軟部腫瘍が対象外だった当時の状況
B-3.腫瘍核医学・問8
解答例:b
考え方
原本では左後方肋骨に線状の骨集積を認める。FDG陰性だけでは転移を否定できず、骨折も両検査の偽陽性になりうるため、CTと経過を合わせる。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 骨病変の疑いは対応するが、FDG陰性だけで転移を除外できない。
- b:適切 — 原本の肋骨異常を評価しつつ、骨折による偽陽性も鑑別する。
- c:不適切 — FDGの陰性による除外も、乳癌骨転移に無用とする説明も誤る。
- d:不適切 — FDGと骨シンチは腫瘍代謝と骨形成反応を別々に反映し、いずれかだけで全例十分とはしない。
- e:不適切 — 骨折の偽陽性は妥当だが、骨シンチのみで十分という前提が不適切。
根拠・参考文献
- 乳癌骨転移55例のFDGと骨シンチ比較:造骨型と溶骨型で異なる両検査の検出能
- EANM骨シンチグラフィガイドライン:骨形成反応、溶骨性病変の偽陰性、良性集積との鑑別
B-3.腫瘍核医学・問9
解答例:e
考え方
選択肢の比較では膵癌が適する。FDGの有用性は組織型・病変サイズ・背景放射能に依存し、低集積になりやすい癌もある。
各選択肢の解説
- a:相対的に不向き — 膀胱内の尿中放射能が原発病変を覆う。遅延・利尿等の工夫はあるが通常像の制約になる。
- b:相対的に不向き — びまん型・印環細胞成分等では低集積となる場合がある。
- c:相対的に不向き — 腎実質・尿中背景と組織型依存の集積が原発評価を制約する。
- d:相対的に不向き — 高分化HCCはFDG保持が乏しい例があり、陰性でも否定できない。
- e:最も適する — 膵癌では原発・転移評価に有用なことが多い。ただし膵炎との集積重複や小病変の偽陰性は残る。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:製剤ごとの分布・撮像手順の一般的背景。個別症例の正答を証明する資料ではない
- EANM FDG PET/CT腫瘍撮像ガイドライン2.0:血糖・筋活動・炎症などの偽陽性と読影上の留意点
B-3.腫瘍核医学・問10
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
原本では頸胸部の節性集積がみられる。鎖骨上節ならN3を疑うが、単一MIPだけでは各節の正確な位置、T因子、遠隔転移を確定できない。旧TNMと現行分類も区別し、病期記号の断定を保留する。
各選択肢の解説
- a:支持しにくい — 原発限局だけではなく節性病変を疑う分布である。
- b:支持しにくい — 同側肺門だけの広がりとは言い切れない。
- c:未確定 — 縦隔の病変は考慮するが、鎖骨上節の局在を断層で確認する必要がある。
- d:候補・未確定 — 遠隔転移を伴わないN3病変としての旧分類なら候補だが、MIPのみでは条件を確定できない。
- e:未確定 — MIPだけで縦隔・鎖骨上節をすべて遠隔転移と扱わず、CTや他の臓器評価でM因子を決める。
根拠・参考文献
- EANM FDG PET/CT腫瘍撮像ガイドライン2.0:血糖・筋活動・炎症などの偽陽性と読影上の留意点
B-3.腫瘍核医学・問11
解答例:c
考え方
リンパ管へ移行し最初の流入節に保持される性質を使う。大粒径は移行が遅い一方、節内に保持されやすい傾向がある。単純に最大粒子が最良という意味ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — プローブは標識製剤の放射能を検出し、転移の有無を直接測らない。
- b:誤り — 複数のセンチネル節がありうる。腫瘍からの距離だけで一つに決めない。
- c:正しい — 粒径はリンパ移行と節内保持の釣り合いに関係する。注入部残留にも注意する。
- d:誤り — 高度転移による流路閉塞や迂回で、本来の流入経路を追えなくなることがある。
- e:誤り — 腫瘍周囲・皮内・乳輪周囲等の手順があり、腫瘍中心への注射を必須としない。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI乳癌リンパシンチグラフィ指針2013:粒径、リンパ移行、センチネル節同定の考え方
B-3.腫瘍核医学・問12
解答例:c
考え方
骨シンチは腫瘍自体ではなく骨反応を反映する。溶骨性や骨髄優位の転移では陰性になり、FDG陽性でもCTにまだ形態変化がない段階がある。
各選択肢の解説
- a:誤り — 前立腺癌の造骨型転移ではFDGの検出に限界があり、FDGが一律に高感度とはしない。
- b:誤り — 乳癌の溶骨型ではFDGの検出率が高い例があり、骨シンチが常に上回るとはいえない。
- c:正しい — 肝癌・腎癌の溶骨性転移などでは、骨形成反応が乏しく骨シンチが偽陰性となりうる。
- d:誤り — 集積は病変ごとに異なり、これらの癌の転移をFDGで絶対に検出できないとはしない。
- e:誤り — CT陰性の代謝陽性骨病変が存在する。MRIや経過等で確かめる。
根拠・参考文献
- EANM骨シンチグラフィガイドライン:骨形成反応、溶骨性病変の偽陰性、良性集積との鑑別
- 乳癌骨転移55例のFDGと骨シンチ比較:造骨型と溶骨型で異なる両検査の検出能
- 乳癌骨転移の経時的PET/CT研究:CT陰性骨病変と治療後の代謝・形態変化
B-3.腫瘍核医学・問13
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
当時はIn111標識抗体で分布を評価しY90で治療する組合せを学ぶ設問と考えられ、dが想定候補。ただしY90は制動放射線や稀な内部対生成で画像化できるため、「画像化可能」を無条件に誤りとする解説は書けない。
各選択肢の解説
- a:適切 — 非標識抗CD20抗体にも抗腫瘍作用があり、放射性標識が効果の唯一の理由ではない。
- b:条件付きで適切 — 再発・難治性の特定の低悪性度等の集団では、無作為試験でY90治療群の奏効率が高かった。全病型・全転帰での優越と一般化しない。
- c:適切 — 先行治療抵抗例にも奏効することがあるが、すべての難治例に有効という意味ではない。
- d:出題意図とのずれ — 通常の直接γ線撮像には不向きだが、物理的に画像化不能ではない。想定解と厳密な記述の区別が必要。
- e:適切 — 骨髄抑制など血液毒性は重要な有害事象である。
根拠・参考文献
- Y90標識抗CD20抗体とリツキシマブの無作為比較試験:再発・難治性の対象集団での奏効率と血液毒性
- Y90の内部対生成分岐比の実測:Y90にもPET撮像に利用できる稀な内部対生成がある
B-3.腫瘍核医学・問14
解答例:d
考え方
投与後の疼痛flareと、一定割合の疼痛緩和が対応する。骨形成反応のある病変を選ぶが、単純画像上で純粋な造骨型だけに限定する理解は避ける。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 物理的半減期は約50.5日で、5日ではない。
- b:不適切 — 画像上の腫瘍縮小を高頻度に期待する治療とせず、主目的は疼痛緩和である。
- c:不適切 — 一過性の疼痛増悪はあるが、半減期の値が誤る。
- d:適切 — 投与直後の疼痛増悪と、対象・評価法によるものの多くの症例で得られる疼痛緩和が対応する。
- e:不適切 — 疼痛の改善と、形態画像での抗腫瘍縮小効果は同義ではない。
根拠・参考文献
- EANMβ線骨転移治療ガイドライン:骨集積を伴う疼痛性転移の選択、半減期、疼痛緩和とflare
関連する過去問
B-3.腫瘍核医学・問15
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
化学療法は鉄代謝、骨髄回復、腎機能などを介してGaの正常分布を変えうる。骨髄・腎を組み合わせるeが候補だが、各臓器で「頻度が高い」とする当時の直接比較資料まで確認できていない。
各選択肢の解説
- a:支持不足 — 脳を治療後の代表的な生理集積増加部位とする根拠が不足する。
- b:支持不足 — 腎の変化は考慮するが、脳の増加を一般化できない。
- c:支持不足 — 肝は治療後に集積が低下する報告もあり、肝増加を一般化しない。
- d:支持不足 — 骨髄回復は候補になるが、肝が一律に増加するとはしない。
- e:候補・未確定 — 骨髄と腎の分布変化は考慮されるが、頻度比較の直接確認待ちである。
根拠・参考文献
- 化学療法・全身照射後のGa分布研究:治療後の生理分布変化。各選択肢の頻度比較の追加確認は必要
B-3.腫瘍核医学・問16
解答例:a
考え方
高分化腺癌ではFDG取り込みが低い場合がある。FDG陰性だけで肺癌を除外せず、脳転移は高い正常脳背景を考慮する。
各選択肢の解説
- a:適切 — 低い糖代謝や粘液成分、小さな腫瘍などは低集積の要因になる。ただし全高分化腺癌が陰性ではない。
- b:不適切 — 正常脳の高集積により小さな転移は見えにくく、頭部MRIなどが必要になる。
- c:不適切 — FDGで骨転移が検出される例はある。骨形成反応とは別の情報を持つ。
- d:不適切 — 治療直後は炎症性集積が残り、再発との区別が難しいため、目的に応じた間隔を置く。
- e:不適切 — 高集積を予後良好と一律に結びつけない。組織型や病期等も考慮する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:製剤ごとの分布・撮像手順の一般的背景。個別症例の正答を証明する資料ではない
- EANM FDG PET/CT腫瘍撮像ガイドライン2.0:血糖・筋活動・炎症などの偽陽性と読影上の留意点
B-3.腫瘍核医学・問17
解答例:b
考え方
原本では肺内血管性結節を疑うCT所見と、肺外の脳・腎への粒子分布が対応する。MAAが肺毛細血管床を迂回した右左シャントを考える。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 粒子による肺灌流像とXe換気像を同じ検査とはしない。
- b:適切 — MAA肺血流検査と、肺動静脈瘻による肺外集積の組合せが対応する。
- c:不適切 — Xe検査の説明とは合わず、脳集積を標識不良だけに帰さない。
- d:不適切 — 脳・腎の粒子捕捉はシャントで説明され、肺癌の病理まで特定するものではない。
- e:不適切 — 肺癌と肺動静脈瘻を同じ診断として選ぶ組合せは成立しない。
根拠・参考文献
- MAA全身像による肺内右左シャントの臨床研究:肺動静脈瘻等での脳・腎・脾の肺外描出
関連する過去問
B-3.腫瘍核医学・問18
解答例:d
考え方
shin splintsでは脛骨の皮質に沿う線状・長軸方向の集積が典型で、中央の円形局所集積という対応は不適切。疲労骨折などとの鑑別には部位と形態を評価する。
各選択肢の解説
- a:整合する — SAPHOでは胸肋鎖部の骨関節炎に対応する集積が特徴になる。
- b:整合する — 骨巨細胞腫では周辺優位で中心が相対的低集積の像を示す場合がある。全例に必須ではない。
- c:整合する — 治療後の骨修復に伴う一時的増強であり、増悪との区別に経過が必要。
- d:不適切 — shin splintsは典型的には脛骨長軸に沿う分布で、円形の一点集積を代表所見にしない。
- e:整合しうる — 人工関節周囲の局所集積は弛みの候補だが、術後変化や感染とも鑑別する。
根拠・参考文献
- EANM骨シンチグラフィガイドライン:骨形成反応、溶骨性病変の偽陰性、良性集積との鑑別
B-3.腫瘍核医学・問19
解答例:d
考え方
原本のdは肝と脾に加え、体幹を中心とした骨髄分布が明瞭で、In111塩化物の像として整合する。骨皮質の輪郭を強く描く骨製剤との違いを見る。
各選択肢の解説
- a:対応しにくい — 甲状腺・胃などの分布を含む別製剤を考え、造血髄の代表的正常像として選ばない。
- b:対応しない — 骨の輪郭と末梢骨までが明瞭で、MDP骨シンチの分布に整合する。
- c:対応しにくい — 骨髄分布だけでなく肝・肺などの相対分布も比較し、dを優先する。
- d:最も整合する — 肝・脾と中心性の造血髄への取り込みの組合せが対応する。
- e:対応しにくい — 肝と消化管等の分布が目立ち、dに比べ造血髄像としての一致が乏しい。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:製剤ごとの分布・撮像手順の一般的背景。個別症例の正答を証明する資料ではない
B-3.腫瘍核医学・問20
解答例:b
考え方
炎症反応と前頸部痛を伴う甲状腺中毒症は亜急性甲状腺炎を支持する。蓄えたホルモンの流出によるため、合成亢進性のバセドウ病と異なりTcの摂取は低下する。原本ではbが対応する。
各選択肢の解説
- a:対応しにくい — 両葉が明瞭に描かれ、摂取が強く抑えられた像とは異なる。
- b:対応する — 甲状腺の描出が乏しく、破壊性炎症の低摂取と整合する。唾液腺等の背景と区別する。
- c:対応しにくい — 甲状腺組織が明瞭に描出され、提示臨床像で期待する著しい低摂取とは合わない。
- d:対応しにくい — 片側の強い局所集積が中心で、全体に低摂取の破壊性炎症の代表像ではない。
- e:対応しにくい — 非対称ながら甲状腺の集積を認め、bに比べ臨床像との一致が乏しい。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI甲状腺摂取率・シンチグラフィ指針2019:破壊性甲状腺炎の低摂取と結節性・びまん性集積の鑑別