この年度の出題傾向
2016年度の掲載105問を分野別に整理すると、画像診断54問(51.4%)、放射線治療21問(20.0%)、核医学15問(14.3%)、共通15問(14.3%)です。共通の割合は、2005〜2025年の年平均より2.9ポイント高い構成です。テーマ例として、冠動脈CT・陰性的中率と過大評価、頭頸部治療計画・線量評価点と歯科管理、DAT-SPECT・加齢と左右差を扱います。
2005〜2025年度の掲載解説を一問一分野で集計。平均は年度別構成比の単純平均です。公式配点や将来の出題数、正答率に基づく難易度を示すものではありません。
放射線科専門医・2016年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月18日:全105問を改訂しました。解答例は非公式です。問21・72・101は選択肢の解釈や指定解答数との整合性に問題があるため、根拠を示して判定保留としています。旧版の病期分類・制度・治療指針を問う項目は出題時と現在を区別しています。
解答作成にご協力いただいたjunjun@KO先生、TAKASHIclinic先生、雪先生、TDjr.先生、キタバヤシ先生、hire先生、NERU先生、RT先生、KT先生、らっちょ先生、やまだたろう先生に感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
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放射線科専門医試験 2016年度 問1
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問1
解答例:b
選択肢別の解説
a|異なる原理
気体の電離後に生じる大きな放電パルスを計数する装置です。
b|正しい
結晶に入射した放射線が生むシンチレーション光を検出し、電気信号へ変換します。
c|異なる原理
気体の電離とガス増幅を使い、入射エネルギーに応じた電荷を読み出します。
d|異なる原理
気体内の電離電荷を集めて線量を評価し、蛍光発生を主原理としません。
e|異なる原理
半導体内の電子・正孔対を電気信号として読み出す装置です。
判断のポイント
NaI検出器は入射放射線のエネルギーを光に変換するシンチレーションを利用し、光電子増倍管などで電気信号として読み出す。
鑑別・注意点
GM計数管・比例計数管・電離箱は気体の電離を、半導体検出器は電子・正孔対の生成を利用する。発光、電離、信号増幅という過程を区別する。
放射線科専門医試験 2016年度 問2
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問2
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
密な線維組織は可動水が少なく、一般にT2低信号となります。
b|誤り
メラニンの常磁性効果でT1・T2が短縮し、典型的にはT2低信号です。
c|一律には誤り
通常のspin echoでは速い血流がflow voidとなります。流速と撮像法により信号は変わります。
d|正しい
脂肪はT1が短く、脂肪抑制を行わないT1強調像で明るく見えます。
e|一律には誤り
粘稠な蛋白性液体はT1短縮で高信号にもなり、単純な水と同じ信号とは限りません。
判断のポイント
脂肪はT1が短く、通常の脂肪抑制を行わないT1強調像で高信号となる。線維化やメラニンは一般にT2短縮により低信号を示す。
鑑別・注意点
血流の信号は撮像法と流速に依存し、速い流れが常に高信号ではない。粘稠な液体も蛋白濃度などによりT1短縮を起こし得るため、水に近い単純液体と分けて理解する。
放射線科専門医試験 2016年度 問3
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問3
解答例:b
選択肢別の解説
a|組み込む
静磁場の不均一を補正するため装置本体に備えます。
b|正しい
部位の近くへ装着する受信用コイルで、通常の本体内固定コイルとは区別します。
c|組み込む
超伝導磁石の主コイルが静磁場を作り、本体の中心的構成です。
d|組み込む
位置情報を与える傾斜磁場を発生させるコイルを本体側に備えます。
e|通常組み込む
全身用送信RFコイルは本体に内蔵されます。専用送受信コイル等の構成とは区別します。
判断のポイント
表面コイルは検査部位の近くに置く受信用コイルで、通常はガントリーに固定された構造物ではない。局所の信号を効率よく受信し、部位に合わせて選択する。
鑑別・注意点
静磁場、シム、傾斜磁場、送信用RFコイルは装置側に組み込まれる。専用コイルには送受信両用などの構成もあるため、コイルの位置と機能を分けて整理する。
放射線科専門医試験 2016年度 問4
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問4
解答例:b、e
選択肢別の解説
a|長い
約5.3年であり、1週間を大きく超えます。
b|正しい
約64時間で1週間未満です。物理半減期と体内での実効半減期は異なります。
c|長い
約59〜60日であり、1週間未満ではありません。
d|長い
約74日であり、1週間未満ではありません。
e|正しい
約2.7日であり、1週間未満の核種です。
判断のポイント
90Yは約64時間、198Auは約2.7日で、いずれも7日より短い。125Iは約60日、192Irは約74日、60Coは約5.3年である。
鑑別・注意点
核種の半減期と製剤の有効期限や生体内滞留時間は別である。密封・非密封、放出線種、使用する治療法も合わせて対応させる。
放射線科専門医試験 2016年度 問5
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問5
解答例:d
選択肢別の解説
a|代表でない
数Gy急性全身被ばくの主な致死機序を心筋障害とはしません。
b|より高線量の病態
神経血管症候群は通常さらに高線量で問題となり、この線量域の主因ではありません。
c|主因ではない
肺障害もあり得ますが、数Gyの急性全身被ばくの主要な致死機序は造血障害です。
d|正しい
造血幹細胞の減少から感染・出血が生じ、数週間の経過で致死的となり得ます。
e|より高線量が主体
重篤な消化管症候群は骨髄症候群より高い線量域で問題となります。
判断のポイント
数Gyの急性全身被ばくでは造血幹細胞の障害が主要となり、数週後に感染や出血を来す。死亡する場合も骨髄障害が中心になる。
鑑別・注意点
局所への治療照射で数Gyを受ける状況と、全身が急性に被ばくする状況は同じではない。予後は線量分布、治療、全身状態などで変わり、線量だけで個人の転帰を決めない。
放射線科専門医試験 2016年度 問6
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問6
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
密な電離による複雑なDNA損傷が増え、低LETに比べ酸素による感受性差が小さくなります。
b|誤り
低LETに比べ直接的損傷の寄与が大きくなり、間接作用の比率が高いという比較は逆です。
c|誤り
修復可能な損傷の寄与が小さくなり、一般に細胞生存曲線の肩は小さくなります。
d|代表的定義ではない
散乱は粒子の質量・電荷・エネルギーにも依存し、高LETの本質的な生物学的特徴を表す肢ではありません。
e|誤り
高LETでは損傷修復が難しく、通常は分割による修復効果が小さくなります。
判断のポイント
高LET放射線は密な電離を起こし、複雑なDNA損傷を作るため、低LETのX線に比べて酸素効果が小さい。細胞生存曲線の肩や分割による修復効果も小さくなりやすい。
鑑別・注意点
LETは粒子の種類・エネルギー・深さで変わり、粒子線をすべて同じ高LETとして扱わない。散乱の大小は質量・電荷などにも依存し、高LETの生物作用の定義そのものではない。
放射線科専門医試験 2016年度 問7
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問7
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
1回5 GyでBED3は80 Gyとなり、同じ総線量の比較で最大です。
b|より小さい
1回3 GyでBED3は60 Gyとなります。
c|より小さい
1回2.5 GyでBED3は55 Gyとなります。
d|より小さい
1回2 GyでBED3は50 Gyとなります。
e|最も小さい
1回1.5 GyでBED3は45 Gyです。期間差を無視する本問では1回線量が小さいほど晩期効果が下がります。
判断のポイント
α/β=3GyではBED=総線量×[1+1回線量/3]となる。30Gy/6回は1回5GyでBED3=80Gyとなり、同じ総線量の中で晩期効果が最も大きい。
鑑別・注意点
残りのBED3は順に60、55、50、45Gyである。この比較は設問のLQモデルと期間差を無視する仮定によるもので、臓器の体積効果や実際の線量分布は別に評価する。
放射線科専門医試験 2016年度 問8
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問8
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
胚腫は高感受性で、照射を含む治療で良好な制御を期待できます。組織型と播種範囲に応じて計画します。
b|比較上低い
放射線は標準治療の一部ですが、高感受性二腫瘍の代表ではなく、薬物療法と組み合わせます。
c|比較上低い
通常分割の感受性は高くない一方、適切な定位照射で局所制御できる例もあります。
d|比較上低い
手術や適応に応じたヨード療法が中心で、外照射の高感受性腫瘍の代表ではありません。
e|正しい
ホジキンリンパ腫は高感受性で、病期・薬物療法反応等に応じ適切な照射を用います。
判断のポイント
胚腫とHodgkinリンパ腫は放射線感受性が高く、適切な線量と範囲で良好な制御が期待できる。膠芽腫、腎細胞癌、甲状腺乳頭癌とは感受性が異なる。
鑑別・注意点
高感受性でも照射範囲や薬物療法との組み合わせが重要である。低感受性とされる腫瘍でも、定位照射などで制御できる場合があり、放射線が無効という意味ではない。
放射線科専門医試験 2016年度 問9
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問9
解答例:a(胎児被ばくだけを法定理由としない趣旨)
選択肢別の解説
a|限定した趣旨でのみ想定
胎児被ばくそのものは母体保護法の独立した適応理由ではありません。ただし法定条件を満たす中絶まで全て違法という意味にはできません。
b|誤り
高感受性期の一定線量以上では知的発達への影響が問題となり、発症しないとは断定できません。
c|低すぎる
形態異常の代表的なしきい値は通常この線量より高く、被ばく時期と影響の定義も確認します。
d|確立していない
妊娠前卵巣被ばくによる将来児の発癌増加を、ヒトで確立した一般則として扱いません。
e|誤り
ナトリウム摂取で胎児影響を減らす根拠はありません。放射性ヨウ素への安定ヨウ素剤の適応とも別です。
判断のポイント
国内の母体保護法は中絶の適応を母体の健康を著しく害する身体的・経済的理由などで定め、胎児被ばくそのものを独立した法定適応としていない。医学的には胎児線量と被ばく時期に基づいて影響を評価する。
鑑別・注意点
被ばくした妊婦の中絶がすべて違法という一般化は誤りで、法定条件を個別に確認する。通常の診断被ばくを直ちに中絶理由とせず、100mGy未満を中絶理由とすべきでないというICRPの考え方も踏まえる。
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2016年度 問10
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問10
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
Bergonie–Tribondeauの法則は細胞の放射線感受性に関する考え方で、発癌リスク算定式ではありません。
b|正しい
ICRP 2007の組織加重係数は乳房0.12、甲状腺0.04です。標準集団の損害指標で個人リスクとは区別します。
c|誤り
放射線防護の損害評価を70歳までの発癌だけに限定せず、生涯の影響を考慮します。
d|単純化が不適切
線量率・分割の影響とリスクモデルの仮定を区別し、物理総線量だけで全条件のリスク同一とはしません。
e|誤り
実効線量は内部・外部を共通に扱う防護量で、経路の区分だけで外部が必ず高リスクとは判断できません。
判断のポイント
ICRP 2007年勧告の組織加重係数は乳房0.12、甲状腺0.04であり、乳房の方が大きい。実効線量はこれらの係数で臓器等価線量を重み付けして求める。
鑑別・注意点
係数は標準集団の損害を表し、個人の年齢別リスクを直接示さない。同じ実効線量でも内部・外部という区分だけで一方のリスクが必ず高いと断定せず、臓器線量と核種・経路を評価する。
放射線科専門医試験 2016年度 問11
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問11
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|特異な注意疾患でない
小細胞肺癌という病名だけでヨード造影剤の特有の禁忌・注意を決めず、腎機能等を評価します。
b|正しい
症状増悪が報告されるため呼吸・嚥下機能や活動性を確認します。現代の非イオン性製剤を一律絶対禁忌とはしません。
c|正しい
ヨウ素負荷で甲状腺機能が悪化するおそれがあり、重症度と添文の禁忌・注意を確認します。
d|特異な注意疾患でない
この病名だけで一律に使用不可とはせず、腎障害等の合併を個別に確認します。
e|対象が異なる
ヨウ素負荷で直接悪化する甲状腺機能亢進症と、副甲状腺のホルモン異常を混同しません。
判断のポイント
重症筋無力症では造影後の症状増悪、甲状腺機能亢進症ではヨウ素負荷による悪化に注意する。使用の必要性と病態を確認し、適切な観察・対応を準備する。
鑑別・注意点
重症筋無力症で現代の非イオン性造影剤を一律に絶対禁忌とするわけではなく、増悪リスクは小さいとされる。甲状腺疾患も状態や製剤の禁忌・注意事項を確認し、代替検査を含めて判断する。
放射線科専門医試験 2016年度 問12
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問12
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
実効線量は標準人体モデルの臓器線量を重み付けして計算する量で、線量計で直接実測できません。
b|測定可能
適切な検出器と校正により試料・製剤等の壊変率を測定します。
c|測定可能
物質中に与えられたエネルギーを適切な線量計で評価できます。
d|測定可能
皮膚位置の線量計等で測定でき、後方散乱を含むか等の定義を確認します。
e|測定から得る指標
CTDI測定と照射長を基に得る装置出力指標です。患者の実効線量とは別です。
判断のポイント
実効線量は標準人体モデルでの臓器吸収線量を放射線・組織加重係数で重み付けして算定する防護量で、人体に線量計を置いて直接実測する量ではない。
鑑別・注意点
CTDIやDLPなどの測定可能な指標から推定することはできるが、個人の臓器線量や発がんリスクを精密に示すものではない。患者線量の最適化には検査に適した指標を用いる。
放射線科専門医試験 2016年度 問13
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問13
解答例:a、c(他条件一定の場合)
選択肢別の解説
a|正しい
必要画質を保つ範囲で管電流を下げると光子量と線量が低下します。
b|通常は逆方向
他条件一定で管電圧を上げると線量が増える方向です。体格や造影目的に応じ最適化します。
c|条件付きで正しい
固定mAs等の条件では単位長さ当たりの照射が減ります。AEC等が補償すれば単純に線量低下とは限りません。
d|誤り
小児向けに正しく設定したAECは最適化に使え、使わないこと自体が低減策ではありません。
e|誤り
中心からのずれはボウタイフィルタやAECを不適切に働かせ得るため、正しい中心位置に置きます。
判断のポイント
管電流を下げると線量は低下する。同じ管電流・回転時間などの条件なら、ピッチを大きくすると単位長さ当たりの照射が減り、線量低減につながる。
鑑別・注意点
自動露出制御が管電流を補償する装置では、ピッチ変更だけで線量が下がるとは限らない。画質と体格に合わせたAECや管電圧を選び、患者をガントリー中心へ正しく置く。
放射線科専門医試験 2016年度 問14
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問14
解答例:a、c(研究だけの追加検査の場合)
選択肢別の解説
a|正しい
通常の疾病診療とは目的が異なるため、一般的な健康診断を保険請求しません。
b|誤り
診療上の必要性に基づく検査を選び、不要な多数検査を保険診療で行うものではありません。
c|条件付きで正しい
通常診療に不要で研究だけの追加検査は研究費等で負担します。研究中の通常診療まで全て研究費という意味ではありません。
d|誤り
仕事、生活環境、経済状況等は検査・治療の実行可能性と健康に関わり、配慮が必要です。
e|誤り
患者の薬局選択を不当に制限する誘導は行いません。
判断のポイント
通常の健診は疾病治療を目的とする保険診療と区別する。診療上の必要性がなく研究目的だけで追加する検査を、通常の保険診療として請求しない。
鑑別・注意点
研究参加中でも、通常診療として必要な検査がすべて研究費になるとは限らない。制度上の費用区分に従い、不要な多種類検査を避け、患者の薬局選択や社会的背景にも配慮する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問15
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問15
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
継続診療や重複検査回避を通じ医療の質・安全性を高めることが目的です。
b|必須ではない
専用線以外でも適切な暗号化・認証等を備えた方式を検討でき、安全性を接続方式だけで決めません。
c|誤り
診療連携では患者を識別して共有する必要があり、全情報の匿名化を必須にはしません。
d|誤り
同意または適切な法的根拠、利用目的等を確認し、他院情報だから無条件に利用できるとはしません。
e|誤り
業務上必要な範囲にアクセス権限を限定し、診療に無関係な職員の自由閲覧を認めません。
判断のポイント
地域医療連携の情報共有は、重複検査の回避や継続した診療などを通じ、医療の質と安全性の向上を目指す。患者を識別して共有する必要がある場合もあり、すべての情報を匿名化する方式ではない。
鑑別・注意点
接続方式だけで安全性を決めず、患者同意や法的根拠、利用目的、本人確認、アクセス権限、履歴を整える。診療に関与しない職員が無制限に閲覧できる運用にはしない。
放射線科専門医試験 2016年度 問16
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問16
解答例:d(典型的所見の比較)
選択肢別の解説
a|典型的にみられる
肝機能障害等でマンガンが蓄積し、両側淡蒼球がT1高信号となります。
b|典型的にみられる
マンガンの常磁性効果によるT1短縮が重要です。
c|みられ得る
長期のマンガン投与・蓄積などにより淡蒼球T1高信号を認めます。
d|典型的には示さない
急性病変はT2/FLAIR高信号や拡散制限が代表です。出血等でT1が上がる例外を否定しません。
e|みられ得る
NF1のFASIはT2高信号が代表ですが、一部で淡蒼球T1高信号を伴います。
判断のポイント
肝障害やマンガン曝露、長期中心静脈栄養では、マンガン蓄積に関連する両側淡蒼球のT1高信号を認める。NF1の局所異常信号病変も一部でT1高信号を示す。
鑑別・注意点
一酸化炭素中毒の淡蒼球病変は典型的にはT2/FLAIR高信号や拡散制限を示す。ただし出血や経過による例外があるため、T1高信号を絶対に生じないという意味にしない。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問17
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問17
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|感度が劣る
血液分解産物の小さな磁化率効果を鋭敏に捉える撮像法ではありません。
b|感度が劣る
浮腫等は評価できますが、微小出血にはT2*やSWIが有利です。
c|正しい
出血に伴う局所磁場不均一を低信号として強調し、点状出血を検出します。
d|非出血病変で有用
急性の非出血性軸索障害にも有用ですが、本問の出血検出の二肢にはT2*とSWIを選びます。
e|正しい
位相・磁化率情報を利用し微小な出血性損傷を鋭敏に描出します。
判断のポイント
T2*強調像とSWIは血液分解産物の磁化率効果を利用し、出血性の軸索損傷を点状の低信号として鋭敏に捉える。脳梁、皮髄境界、脳幹などを確認する。
鑑別・注意点
非出血性の急性病変ではDWIが有用であり、本問の「出血性」という条件が重要である。検出できる病変の数は撮像条件や時期で変わり、各シーケンスを組み合わせる。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問18
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問18
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|代表的関連でない
卵巣癌はVHLの主要な腫瘍スペクトラムには含めません。
b|代表的関連でない
肝芽腫は他の小児腫瘍素因等を比較し、VHLの代表病変ではありません。
c|正しい
副腎髄質・傍神経節の腫瘍が関連し、遺伝子型による頻度差もあります。
d|正しい
網膜の血管芽腫はVHLの重要な眼病変で、視機能への影響を監視します。
e|代表的関連でない
中枢神経系では血管芽腫が代表で、悪性リンパ腫との組合せではありません。
判断のポイント
VHLは網膜・中枢神経の血管芽腫、褐色細胞腫・傍神経節腫、淡明細胞型腎細胞癌、膵囊胞・神経内分泌腫瘍などを伴う。網膜血管芽腫と褐色細胞腫が該当する。
鑑別・注意点
表現型は遺伝子型・年齢により異なる。単発病変だけで確定せず、発症年齢、家族歴、多発性から遺伝学的評価と適切なサーベイランスを検討する。
放射線科専門医試験 2016年度 問19
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問19
解答例:e
選択肢別の解説
a|主ではない
内頸動脈系の一部枝も領域によって関与しますが、視床穿通枝群の主な起源ではありません。
b|主ではない
椎骨脳底系に属しますが、視床へ直接向かう主な穿通枝は後大脳動脈から分かれます。
c|主ではない
前頭葉内側等の栄養が中心で、視床の主要穿通枝の起源ではありません。
d|主ではない
線条体動脈等は基底核の重要な枝ですが、視床穿通枝群とは区別します。
e|正しい
P1・P2から傍正中枝や視床膝状体動脈等が分岐します。前方の後交通動脈枝等の例外もあります。
判断のポイント
視床は主に後大脳動脈P1・P2から分岐する傍正中動脈、視床膝状体動脈、後脈絡叢動脈などにより栄養される。
鑑別・注意点
前方領域には後交通動脈由来の結節視床動脈も関与するため、全域を後大脳動脈だけが栄養するわけではない。Percheron動脈などの変異は両側視床梗塞の分布を理解する上で重要となる。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問20
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問20
解答例:a(提示されたMRI法の比較)
選択肢別の解説
a|正しい
髄液抑制によりくも膜下腔の血液が見えやすくなります。提示MRI法の比較であり、急性例の第一検査は通常単純CTです。
b|感度が劣る
血液信号は時間で変化しますが、急性少量のくも膜下出血を髄液から分ける点でFLAIRを優先します。
c|感度が劣る
正常髄液も高信号のため、少量血液との対比がFLAIRより乏しくなります。
d|主目的が異なる
主に水分子拡散を評価し、急性梗塞の検出などに使います。くも膜下血液検出の代表ではありません。
e|感度が劣る
髄液を抑制しないため本問の血液コントラストではFLAIRを優先します。
判断のポイント
FLAIRは正常髄液の信号を抑制し、くも膜下腔内の血液を高信号として検出しやすい。通常のT1・T2・DWI・プロトン密度強調像との比較で選ぶ。
鑑別・注意点
急性くも膜下出血が疑われる場面では単純CTが初期検査の中心である。FLAIR高信号には髄液流、酸素投与、髄膜炎、造影後などの偽陽性もあり、臨床と他の検査を照合する。
放射線科専門医試験 2016年度 問21
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問21
解答例:判定保留(旧答案c)
選択肢別の解説
a|発生する
脈絡叢等のくも膜細胞に関連し、側脳室三角部等に生じます。
b|発生する
脳室上衣に関連する腫瘍で、第四脳室等の脳室内に生じます。
c|稀だが発生報告あり
典型的には小脳等ですが、脳室内発生の報告があります。旧想定解でも「発生しない」という断定は保留します。
d|発生する
脳室壁に接する緩徐な腫瘤として第四脳室や側脳室等にみられます。
e|発生する
脈絡叢由来で、脳室内に生じる代表的乳頭状腫瘍です。
判断のポイント
血管芽腫は小脳などが代表的な発生部位で、脳室内発生は極めてまれである。しかし側脳室内に発生した症例が出題以前にも報告されており、「発生しない」と断定できない。
鑑別・注意点
髄膜腫、上衣腫、上衣下腫、脈絡叢乳頭腫はいずれも代表的な脳室内腫瘍である。旧答案cは典型的な発生部位を問う意図として理解できるが、文言どおりの唯一の正答にはしない。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問22
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問22
解答例:d
選択肢別の解説
a|通常低信号でない
細胞密度が高く、拡散制限によりDWIで高信号を示すことが多い腫瘍です。
b|不均一
充実部で拡散制限、壊死部で高ADC等が混在し、低DWI信号を代表とする病変ではありません。
c|通常高信号
高細胞密度のためADCが低下し、拡散強調像で明るく見える代表です。
d|正しい傾向
血管性でADCが比較的高く、強い拡散制限に乏しいため低〜等DWI信号が鑑別に役立ちます。
e|通常高信号
密な細胞が拡散を制限し、低ADC・DWI高信号を示す代表的腫瘍です。
判断のポイント
血管芽腫の充実部は比較的高いADCを示し、高細胞密度の髄芽腫や悪性リンパ腫などに比べて拡散制限が乏しい。DWIで低〜等信号となる所見が鑑別に役立つ。
鑑別・注意点
DWI信号はb値やT2成分にも依存し、すべての血管芽腫が一律に低信号とは限らない。著明な造影、血管性flow void、囊胞と壁在結節、灌流を合わせて判断する。
放射線科専門医試験 2016年度 問23
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問23
解答例:b(TNM第7版)
選択肢別の解説
a|第7版の共通群
口腔の扁平上皮癌は当時の主要頭頸部癌に共通したN分類で評価します。
b|正しい
上咽頭癌は後咽頭節等を含む独自のNカテゴリーを用います。分類の版を明示します。
c|第7版の共通群
2016年当時の第7版では他の主要部位と同じ枠組みです。第8版のHPV関連分類を遡及しません。
d|第7版の共通群
当時は通常の頭頸部扁平上皮癌のN分類の枠組みで評価します。
e|第7版の共通群
当時のN分類は上咽頭癌の独自分類と異なり、一般的な頭頸部癌の群です。
判断のポイント
出題当時の第7版では、上咽頭癌は他の主な頭頸部扁平上皮癌とは異なるN分類を用いる。後咽頭リンパ節や左右・大きさなどを独自の枠組みで評価する。
鑑別・注意点
第8版以降はHPV関連中咽頭癌でも独自の分類が導入されたため、この答案を現在の全頭頸部癌にそのまま当てはめない。原発部位と分類の版、HPV関連を明示して整理する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問24
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問24
解答例:b
選択肢別の解説
a|典型ではない
通常は筋腹が太くなり腱付着部は相対的に保たれます。眼窩筋炎等との鑑別点です。
b|正しい
下直筋は特に侵されやすく、次いで他筋の肥厚も評価します。
c|誤り
画像上は両側に変化があることが多く、臨床的左右差があっても対側を確認します。
d|低く見積もり過ぎ
甲状腺機能が正常の患者でも眼症を生じ、1%未満とする説明は不適切です。
e|誤り
活動性炎症では浮腫を反映したT2/STIR高信号が重要です。低信号は線維化期等でみられます。
判断のポイント
甲状腺眼症では典型的に下直筋が侵されやすく、筋腹の紡錘状腫大と腱付着部の相対的温存を認める。画像上は両側性で、左右差を伴う場合がある。
鑑別・注意点
活動性炎症ではT2/STIR高信号となり、線維化が進むと信号が低下する。甲状腺機能が正常でも発症し得るため、機能正常だけで除外せず、視神経圧迫の有無も確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問25
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問25
解答例:e(代表像を問う想定解)
選択肢別の解説
a|みられる
骨盤の軟化・変形等により臼蓋の内方突出を来すことがあります。
b|みられる
椎体の辺縁骨硬化・肥厚が額縁状となる代表所見です。
c|みられる
頭蓋の斑状硬化と骨増生が綿花様に見える所見です。
d|みられる
変形した長管骨に横走する骨折が生じ、バナナ骨折と呼ばれます。
e|代表的には別疾患
均一なすりガラス基質は線維性骨異形成をまず考えます。ただしPaget病でも類似の見え方があるため絶対否定はしません。
判断のポイント
Paget病は骨の拡大、皮質・骨梁の肥厚と硬化を来し、頭蓋の綿花様像、椎体の額縁様像、長管骨の横骨折などが特徴となる。均一なすりガラス状基質は線維性骨異形成の代表像である。
鑑別・注意点
Paget病でも病期により溶骨性・混合性・硬化性があり、すりガラス状に見える例も報告される。したがって、その所見が絶対にないとせず、骨形態と分布の組み合わせで区別する。
放射線科専門医試験 2016年度 問26
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問26
解答例:c
選択肢別の解説
a|関連する
肋骨のリボン状変形や腫瘍等に伴う圧迫性変化を認め得ます。
b|関連する
脊柱側弯はNF1の重要な骨格病変で、椎体・椎弓等の形成異常も評価します。
c|代表的でない
多発骨硬化はNF1の典型的骨所見ではなく、結節性硬化症等の別病態を比較します。
d|関連する
脛骨の弯曲と骨癒合不全・偽関節は重要な関連病変です。
e|関連する
蝶形骨翼の形成異常が眼窩形態の変化等を来すことがあります。
判断のポイント
NF1では脊柱側弯、肋骨の変形、脛骨の弯曲・偽関節、蝶形骨形成異常などを認める。びまん性・多発性骨硬化を代表的な骨所見とはしない。
鑑別・注意点
多発骨硬化は結節性硬化症など別の疾患を考える手掛かりとなる。NF1患者に骨硬化が一切生じないという意味ではなく、局所変形、腫瘍、骨折などの併存を評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問27
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問27
解答例:c
選択肢別の解説
a|典型部位が異なる
通常型骨肉腫は若年者の長管骨骨幹端が代表で、骨端優位ではありません。
b|典型部位が異なる
髄内の軟骨性病変で骨幹・骨幹端等に多く、骨端好発の代表ではありません。
c|正しい
若年者の骨端に発生する代表的な軟骨性腫瘍です。年齢と骨端線を確認します。
d|典型部位が異なる
偏心性の骨幹端皮質側病変が代表で、骨端の主病変とはしません。
e|典型部位が異なる
長管骨の偏心性骨幹端病変が代表で、軟骨芽細胞腫の骨端分布とは異なります。
判断のポイント
軟骨芽細胞腫は若年者の長管骨骨端に好発する。骨端線が閉じていない年齢で、骨端の透亮像と硬化縁、周囲の強い浮腫を認めれば鑑別に挙げる。
鑑別・注意点
骨巨細胞腫も骨端に及ぶが、通常は骨端線閉鎖後である。年齢と骨端線の状態、単純写真・CTの基質や辺縁を合わせ、MRIの浮腫だけで悪性と判断しない。
放射線科専門医試験 2016年度 問28
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問28
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
減圧に伴う気泡や循環障害等で骨壊死を来し、両側・多発病変があり得ます。
b|正しい
多量飲酒は非外傷性大腿骨頭壊死の重要な危険因子です。
c|代表的原因でない
下肢静脈の血栓と、大腿骨頭の非外傷性壊死の代表的危険因子を同一視しません。
d|代表的原因でない
職業名だけで両側大腿骨頭壊死を説明せず、減圧・薬剤・飲酒等の具体的曝露を確認します。
e|薬剤が異なる
危険因子として重要なのは副腎皮質ステロイドであり、非ステロイド性抗炎症薬とは別です。
判断のポイント
潜函病などの減圧に伴う障害とアルコール多飲は、非外傷性の骨壊死の原因として知られる。両側の大腿骨頭が障害されることがある。
鑑別・注意点
ステロイドも重要な危険因子だが、非ステロイド性抗炎症薬とは異なる。症状のない対側病変も含めてMRIで評価し、壊死範囲と圧潰の有無で病期・治療を検討する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問29
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問29
解答例:d(典型像の比較)
選択肢別の解説
a|代表的でない
膿瘍内石灰化は結核性病変でより特徴的で、通常の化膿性病変の主徴ではありません。
b|代表的でない
化膿性では終板・椎間板を中心に進展し、後方要素優位を一般的特徴とはしません。
c|代表的でない
通常は隣接する椎体・椎間板が中心で、広い多椎間・跳躍病変は結核等も比較します。
d|正しい
荷重部の腰椎に多く、終板破壊と椎間板炎を組み合わせて評価します。
e|起こり得るため限定
化膿性でも傍椎体膿瘍・炎症性腫瘤を生じます。大きな薄壁膿瘍は結核性で代表的ですが、腫瘤がないとはしません。
判断のポイント
化膿性脊椎炎は腰椎に多く、隣接終板と椎間板へ比較的早く炎症が波及する。結核性脊椎炎でみられる石灰化や大きな薄壁膿瘍と対比する。
鑑別・注意点
傍椎体の炎症性軟部組織や膿瘍は化膿性でも生じるため、腫瘤形成がないと断定しない。発熱や菌血症の背景を確認し、培養・生検と画像を統合する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問30
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問30
解答例:b
選択肢別の解説
a|みられる
頭蓋底形成の異常等と関連して大きな頭部・前頭部突出を認めます。
b|誤りとして選ぶ
多数の縫合間骨は骨形成不全症等で代表的です。正常変異としての縫合間骨まで否定する意味ではありません。
c|みられる
軟骨内骨化異常による骨幹端の形態変化・拡大がみられます。
d|みられる
腰椎正面の椎弓根間距離が尾側へ狭まる特徴を指します。脊柱管狭窄も評価します。
e|みられる
短い腸骨翼などによる小骨盤の特徴的な形態です。
判断のポイント
軟骨無形成症では前頭部突出、四肢近位短縮、骨幹端変化、腰椎の尾側への椎弓根間距離の狭小化、シャンパングラス様の骨盤などを認める。多発するWormian boneは骨形成不全症などで代表的な所見となる。
鑑別・注意点
設問の椎弓間距離は、正面像での椎弓根間距離として理解する。縫合間骨は正常変異でも生じ、単独で骨形成不全症や特定の骨系統疾患を確定しない。
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放射線科専門医試験 2016年度 問31
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問31
解答例:c
選択肢別の解説
a|通常は低下しない
胸腺実質と微量脂肪の混在が乏しく、過形成のような信号相殺は典型ではありません。
b|通常は低下しない
液体の信号は蛋白濃度等で変わりますが、水脂肪混在による逆位相低下が基本ではありません。
c|正しい
胸腺組織内の微量脂肪が水と同一ボクセルに混在し、逆位相で信号が低下します。若年等では低下が乏しい場合もあります。
d|通常は低下しない
リンパ腫は通常微量脂肪による信号相殺を示さず、形態と拡散・造影等で評価します。
e|通常は低下しない
甲状腺との連続やCT高吸収・増強が手掛かりで、胸腺内脂肪の化学シフト低下とは異なります。
判断のポイント
胸腺過形成では実質と微量脂肪が混在し、逆位相GRE像で水・脂肪信号が相殺されて低下することが多い。脂肪の乏しい胸腺腫・リンパ腫との鑑別に有用である。
鑑別・注意点
若年者や脂肪の少ない過形成では信号低下が明瞭でない場合もある。信号低下がないことだけで腫瘍と確定せず、形態、年齢、治療歴、経時変化と合わせる。
放射線科専門医試験 2016年度 問32
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問32
解答例:a(代表像による比較)
選択肢別の解説
a|比較上低い
肺胞内物質による陰影が主体です。ただしCTでは隔壁肥厚を伴うcrazy-pavingがあり、間質病変を全否定しません。
b|みられる
リンパ路浸潤で小葉間隔壁が肥厚し、線状陰影の原因となります。
c|みられ得る
リンパ路性病変で隔壁が肥厚する場合があります。
d|みられ得る
浮腫に似た隔壁肥厚と胸水等を伴うことがあります。
e|みられる
肺静脈圧上昇に伴う間質性肺水腫で小葉間隔壁が肥厚します。
判断のポイント
Kerley B線は小葉間隔壁の肥厚を反映し、肺水腫やリンパ路病変などで認める。肺胞蛋白症では肺胞内のサーファクタント蓄積による両側性の肺胞性陰影が中心となる。
鑑別・注意点
肺胞蛋白症でもCTでは隔壁肥厚を伴うcrazy-pavingを示すため、隔壁病変がないと説明しない。単純写真での徴候とCT所見は同一ではなく、発生頻度の厳密な順位には限界がある。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問33
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問33
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
deep sulcus signは臥位気胸で肋骨横隔膜角が深く透亮になる像です。
b|誤り
Golden S signは中枢腫瘤に伴う上葉無気肺と小葉間裂変形が代表で、末梢結節との単純対応ではありません。
c|正しい
肺に接する辺縁だけが明瞭で胸壁側が不明瞭になる像は、肺外の胸壁・胸膜病変を示唆します。
d|誤り
横隔膜が心臓の下まで連続して見える像は縦隔気腫等で生じます。
e|誤り
横隔膜上の尖った突起像は上葉容積減少等に関連し、横隔神経麻痺そのものの典型サインではありません。
判断のポイント
胸壁や胸膜に接した病変では、肺に接する部分の輪郭だけが明瞭で、胸壁側の辺縁が見えにくいincomplete border signを認める。肺内か肺外かを考える手掛かりになる。
鑑別・注意点
deep sulcusは臥位の気胸、continuous diaphragmは縦隔気腫、Golden Sは中枢腫瘤に伴う上葉無気肺、juxtaphrenic peakは上葉の容積減少などに関連する。徴候だけで原因を確定しない。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問34
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問34
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
上肺野に優位な小結節・塊状線維化が代表的です。
b|通常は下肺優位
胸膜下・肺底部の線維化が代表で、上肺野優位二疾患には選びません。
c|ランダム分布
血行性微小結節が全肺に散布され、上肺野への優位性が基本ではありません。
d|通常は下肺優位
UIPパターンは肺底部・胸膜下優位の線維化が典型です。
e|正しい
成人型では上中肺野の結節・不整囊胞と肺底部温存が代表的です。
判断のポイント
珪肺では上肺野優位の小結節や塊状影、肺Langerhans細胞組織球症では上〜中肺野優位の結節・囊胞を認める。石綿肺とIPFの典型的な肺底部優位と対比する。
鑑別・注意点
粟粒結核は血行性のランダム分布が基本である。分布だけでなく、囊胞の形状、肋骨横隔膜角の温存、粉塵曝露、喫煙歴などを組み合わせる。
放射線科専門医試験 2016年度 問35
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問35
解答例:c
選択肢別の解説
a|考えられる
胸腺腫では内部や被膜に石灰化を伴うことがあります。
b|考えられる
胸腺癌でも石灰化、壊死や不整な浸潤性形態を認め得ます。
c|最も低い
未治療リンパ腫では石灰化が稀です。治療後の石灰化を未治療時の特徴と混同しません。
d|考えられる
石灰化を伴う胚細胞腫瘍はありますが、歯牙や成熟骨が悪性全組織型に共通するわけではありません。
e|考えられる
甲状腺腫内の変性・結節等に石灰化を伴い、頸部甲状腺との連続を確認します。
判断のポイント
未治療の悪性リンパ腫に石灰化はまれで、胸腺腫瘍、胚細胞性腫瘍、縦隔内甲状腺腫などを相対的に考えやすい。治療前か治療後かが重要な情報となる。
鑑別・注意点
リンパ腫でも治療後には石灰化し得る。胚細胞腫瘍で歯牙や成熟した骨が見えるのは主に奇形腫成分の所見で、悪性胚細胞腫瘍全般が歯牙を含むと一般化しない。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問36
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問36
解答例:c(代表的な組み合わせ)
選択肢別の解説
a|対応が異なる
galaxy signは結節集簇からなるサルコイドーシスの代表像です。
b|代表的対応が異なる
器質化肺炎でhaloもあり得ますが、通常の代表的な組合せではreversed haloを対比します。
c|正しい
低吸収の粘液性肺実質陰影内に造影血管が浮き上がって見える像です。感染等でも生じる非特異的所見です。
d|代表的対応が異なる
crazy-pavingの代表は肺胞蛋白症です。サルコイドーシスで絶対にないという意味ではありません。
e|代表的対応が異なる
血管侵襲性アスペルギルス症は出血性haloが代表です。reversed haloは他の真菌症等でも生じるため絶対排除はしません。
判断のポイント
CT angiogram signは低吸収の肺実質陰影の中を造影された血管が明瞭に走る所見で、粘液を多く含む肺腺癌などでみられる。galaxy signはサルコイドーシス、crazy-pavingは肺胞蛋白症が代表である。
鑑別・注意点
これらの徴候は疾患に特異的ではない。器質化肺炎のhaloや侵襲性真菌症のreversed haloも報告されるため、他の組み合わせが絶対に起きないという意味ではなく、免疫状態と分布も確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問37
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問37
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|典型的でない
放射状の不整な辺縁は悪性等を疑う所見で、過誤腫の代表ではありません。
b|典型的でない
胸膜を引く像は腺癌等で重要で、過誤腫の特徴的二所見ではありません。
c|典型的でない
通常は境界明瞭な充実性結節で、すりガラス主体では別病態を比較します。
d|正しい
成熟軟骨等の石灰化が粗大なポップコーン状を呈します。
e|正しい
肉眼的脂肪を含む低吸収成分は診断を支持します。ただし脂肪のない過誤腫もあります。
判断のポイント
肺過誤腫では肉眼的脂肪を示す低吸収とポップコーン状石灰化が特徴的である。軟骨や脂肪などの成熟組織を含むことを反映する。
鑑別・注意点
どちらも見られない過誤腫は少なくなく、欠如だけで除外できない。スピクラやすりガラス影などが主体なら、他の肺結節との鑑別と経時評価が必要となる。
放射線科専門医試験 2016年度 問38
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問38
解答例:c
選択肢別の解説
a|みられる
中心や斑状の石灰化を伴うことがあり、石灰化だけで良性とはしません。
b|典型的
平滑で境界明瞭な結節・腫瘤となることが多い病変です。
c|最も低頻度
典型カルチノイドは壊死が乏しく、空洞形成は稀です。
d|みられる
中枢気道内に生じ、閉塞性変化や無気肺の原因となります。
e|あり得る
低悪性度でFDG集積が弱い・陰性の例があります。陰性だけで腫瘍を除外しません。
判断のポイント
定型カルチノイドは辺縁平滑な結節や気管支内腫瘤としてみられ、石灰化を伴う場合もある。通常は壊死が乏しく、空洞形成はまれである。
鑑別・注意点
FDG集積は低い場合があるが、全例陰性ではない。強い造影や気道閉塞・末梢無気肺などを確認し、FDG陰性だけで良性としない。
放射線科専門医試験 2016年度 問39
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問39
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
鈍的横隔膜損傷は画像上左側が多く検出され、肝臓で覆われる右側は診断が難しい場合があります。
b|誤り
肺挫傷は外力に対応し解剖学的区域に一致しない陰影を呈します。
c|一律には誤り
外傷性肺裂傷・囊胞は数週から月単位で残ることがあり、1〜2週で必ず消失するものではありません。
d|誤り
正面単純写真では胸骨骨折を見落とし得るため、側面像やCT多断面で評価します。
e|正しい
可動部と固定部の境界となる大動脈峡部が鈍的損傷の好発部位です。
判断のポイント
鈍的外傷による胸部大動脈損傷は、固定部と可動部の境界に当たる峡部に多い。造影CTで内膜損傷、仮性動脈瘤、周囲血腫などを評価する。
鑑別・注意点
肺挫傷は解剖学的区域に一致しない陰影を示し、外傷性肺囊胞は数週以上残ることがある。横隔膜損傷は画像上左側が見つかりやすく、胸骨骨折も単純写真だけで見落とさない。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問40
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問40
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
鈍縁枝は左回旋枝から分かれ、主として左室側壁を走ります。右室前壁とは異なります。
b|正しい
対角枝は左前下行枝から分かれ、左室前側壁に向かいます。
c|正しい
左前下行枝は前室間溝に沿って心尖へ向かいます。
d|正しい
左回旋枝は左房室間溝を走り、側壁枝等を分岐します。
e|正しい
右冠動脈の近位部は右房室間溝に位置します。優位性の個人差は遠位支配で評価します。
判断のポイント
鈍縁枝は左回旋枝から分岐し、主に左室側壁を栄養する。右室前壁を走る枝としては扱わない。
鑑別・注意点
左前下行枝は前室間溝、左回旋枝は左房室間溝、右冠動脈は右房室間溝を走る。対角枝や鋭縁枝との名称の違いと、冠動脈優位性による個人差も確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問41
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問41
解答例:e
選択肢別の解説
a|不十分な目標
従来の冠動脈CTAではさらに低い心拍が望ましく、90拍以下だけで良好な画質を保証しません。
b|必須でない
十分な流量を安全に得られる静脈路を選び、橈側皮静脈だけを優先必須とはしません。
c|誤り
到達時間は心拍出量等で変わり、固定時刻よりボーラストラッキング等で調整します。
d|通常は不足
一般的な冠動脈CTAのヨード送達率には低い注入速度で、濃度・体格・装置に応じ十分な送達を設定します。
e|正しい
生食後押しで上大静脈の高濃度残留を減らし、冠動脈に良好な造影がある時刻を合わせます。
判断のポイント
造影剤に続く生理食塩水の後押しは、静脈側に残る造影剤を送り出し、上大静脈由来の高吸収アーチファクトを低減する。冠動脈の良好な造影と撮像時刻を合わせる。
鑑別・注意点
開始時刻は循環動態に依存し、固定20秒とせずテストボーラスやボーラストラッキングを用いる。心拍目標や注入速度も装置・体格に合わせ、90拍以下なら常に適切としない。
放射線科専門医試験 2016年度 問42
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問42
解答例:b
選択肢別の解説
a|対応が異なる
右第2弓は主に右房です。高安動脈炎の拡張性大動脈病変とは対応部位が異なります。
b|正しい
肺動脈流出路の低形成により心腰部が陥凹し、心尖部挙上と木靴状心を呈し得ます。
c|誤り
通常の左右短絡では肺血流が増え、肺血管陰影が増強します。
d|誤り
典型的には肺動脈弓と右心系の拡大が重要で、大動脈弓に相当する左第1弓ではありません。
e|一律には誤り
中枢肺動脈拡張や末梢血管減少を示し得ますが、肺門陰影縮小を定型の組合せとはしません。
判断のポイント
Fallot四徴症では右室流出路・肺動脈の低形成により肺動脈弓の陥凹がみられ、右室肥大による心尖部挙上と合わせて木靴状心を呈することがある。
鑑別・注意点
動脈管開存や心房中隔欠損では、典型的には肺血流増加を示す。肺塞栓では中枢肺動脈が拡張する場合もあり、単純写真の正常所見で除外しない。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問43
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問43
解答例:c(従来の診断特性の比較)
選択肢別の解説
a|適切
回転が速いほど時間分解能を改善し、心臓運動の影響を減らします。
b|適切
非造影・心電同期CTでAgatston等の石灰化指標を算定できます。
c|誤りとして想定
除外に役立つ高い陰性的中率と区別します。石灰化等で狭窄を過大評価し陽性的中率が低下することがありますが、有病率に依存します。
d|適切
薬剤負荷時の心筋CT灌流を評価し、安静時の冠動脈形態と異なる情報を得ます。
e|適切な条件
低い規則的心拍では拡張中期を狙う前向き同期撮影が可能です。装置・不整脈等で位相選択を変えます。
判断のポイント
冠動脈CTは適切な患者選択で陰性的中率が高く、閉塞性冠動脈疾患の除外に有用である。高度石灰化などでは狭窄を過大評価し、陽性的中率が低下することがある。
鑑別・注意点
陽性的中率は有病率、装置、画質に依存するため、どの集団でも必ず低いという意味ではない。狭窄の解剖評価と虚血の機能評価も分け、負荷CT灌流などを必要に応じて用いる。
放射線科専門医試験 2016年度 問44
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問44
解答例:b
選択肢別の解説
a|代表部位が異なる
川崎病の冠動脈瘤は近位部が代表であり、遠位優位とはしません。
b|正しい
炎症による壁障害で上行大動脈が拡張し、弁逆流を伴うことがあります。
c|方向が逆
大動脈弁狭窄では狭窄後に上行大動脈が拡張することがあり、縮小を典型としません。
d|病態が異なる
Buerger病は末梢の分節性閉塞と側副血行が重要で、動脈硬化性石灰化を主特徴としません。
e|分布が異なる
小伏在系は下腿後方が中心で、大腿内側の静脈瘤は大伏在系との関連が代表です。
判断のポイント
高安動脈炎では狭窄・閉塞に加え、大動脈壁の障害により拡張や瘤を生じる。上行大動脈拡張と大動脈弁逆流を伴うことがある。
鑑別・注意点
大動脈弁狭窄では狭窄後拡張があり得る。川崎病の冠動脈瘤は近位優位、Buerger病は動脈硬化性の石灰化を主徴としない。小伏在静脈と大伏在静脈の還流部位・静脈瘤の分布も区別する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問45
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問45
解答例:d、e(従来の独立乳管系モデル)
選択肢別の解説
a|誤り
正常男性乳腺は乳管が主体で、小葉の発達に乏しい構造です。
b|誤り
開口数には個体差がありますが、100本程度を通常の解剖とする説明は過大です。
c|誤り
主な乳房リンパ流は腋窩へ向かい、胸骨傍が3分の2以上ではありません。
d|正しい
妊娠に伴うホルモン刺激で腺房が増生・拡張し、授乳機能を準備します。
e|従来モデルでの想定
集合乳管につながる系を独立単位とする従来モデルに対応します。ただし乳管間交通の研究差があり、絶対にないとは断定しません。
判断のポイント
妊娠期には小葉内の腺房が増生・拡張し、授乳に備える。従来の解剖モデルでは、乳頭に開口する各集合乳管につながる乳管系を独立した単位として扱う。
鑑別・注意点
乳管系同士の交通については研究による相違があり、絶対に存在しないと断定しない。男性乳腺は通常小葉の発達に乏しく、乳房の主なリンパ流は腋窩へ向かう。乳頭開口数も個人差がある。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問46
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問46
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
線維腺腫より高い年齢層を中心に発生し、40歳代は代表的です。
b|誤り
良性から悪性まで局所再発を生じ得るため、切除後も断端等に応じ管理します。
c|誤り
部分採取では間質の不均一性が評価しにくく、線維腺腫との鑑別が難しいことがあります。
d|誤り
悪性度は主に間質の異型、核分裂、過増殖、細胞密度、辺縁等で分類します。
e|正しい
上皮と間質の二相性線維上皮性腫瘍で、間質増殖が葉状構造を形成します。
判断のポイント
葉状腫瘍は上皮と間質からなる二相性の線維上皮性腫瘍で、40歳代を中心にみられる。悪性度は主として間質の細胞密度、異型、核分裂、過増殖、辺縁などで評価する。
鑑別・注意点
針生検では一部しか採取できず、線維腺腫との鑑別や悪性度判定が難しい場合がある。切除後の局所再発もあり、画像・病理の整合と切除断端を含めて管理する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問47
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問47
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|より疑わしい
既往で説明できない構築の乱れは通常カテゴリー3より高い悪性疑いで評価します。
b|より疑わしい
真の境界不明瞭腫瘤は悪性疑いが高まり、単なる局所非対称との区別が必要です。
c|正しい
国内検診分類では代表的なカテゴリー3の要精査所見です。重なりか真の病変かを確認します。
d|より疑わしい
集簇する多形性石灰化は悪性の疑いが高く、淡い不明瞭石灰化と区別します。
e|正しい
国内分類でカテゴリー3に対応する代表所見です。BI-RADS 3の短期観察と同じ意味ではありません。
判断のポイント
国内の検診マンモグラフィ分類では、局所的非対称性陰影と集簇する淡く不明瞭な石灰化がカテゴリー3に対応する代表所見となる。構築の乱れ、多形性石灰化などはより高い疑いとして評価する。
鑑別・注意点
国内のカテゴリー3は要精査であり、米国BI-RADS 3の短期経過観察と同じ意味ではない。分布、増大、他の所見、過去画像によって判定が変わるため、所見名だけで個々の検査を確定しない。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問48
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問48
解答例:b
選択肢別の解説
a|別所見
同心円状のtarget sign等を示す腸管病変で、肝門の線維性索ではありません。
b|正しい
閉塞胆管の線維性組織が肝門部の高エコー帯として見えます。陰性だけでは除外できません。
c|別所見
消化管壁構造を持つ囊胞等を評価する病態で、triangular cordの対象ではありません。
d|別所見
幽門筋肥厚と長軸延長を評価し、肝門部索状組織とは無関係です。
e|別所見
胆道の囊胞性・紡錘状拡張が中心で、閉鎖胆管の線維化像とは異なります。
判断のポイント
triangular cord signは肝門部の閉塞胆管に対応する線維性組織を高エコー帯として捉える所見で、胆道閉鎖症の診断に有用である。
鑑別・注意点
胆囊形態、肝動脈、肝表面血流などと併せて判断する。所見がないだけで除外できず、遷延する黄疸や白色便では早期の専門評価を遅らせない。
放射線科専門医試験 2016年度 問49
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問49
解答例:d、e(eは心縁が空気で明瞭化する所見として)
選択肢別の解説
a|正常でみられる
乳児の胸腺が三角形の帆状に見える正常の形態です。
b|正常でみられる
柔らかい胸腺辺縁が肋骨等の形に沿い波状になる像です。
c|正常でみられる
胸腺と心臓の境界に切れ込みを作る正常形態があり、腫瘤と誤認しません。
d|病的
縦隔内の空気が胸腺を持ち上げる像で、縦隔気腫を示唆します。
e|設問の病的所見として
心縁周囲の空気で輪郭が異常に明瞭化する趣旨と解します。名称の標準性確認が乏しく、画像と空気の位置に基づき判断します。
判断のポイント
spinnaker signは縦隔内の空気が胸腺を上外側へ持ち上げる徴候である。心縁の異常な明瞭化も心周囲の空気を示唆する病的所見として読む。
鑑別・注意点
正常胸腺でもsail、wave、notchなどの形態を示すため、胸腺が目立つことだけで病的としない。distinct cardiac borderという名称自体は標準用語としての確認が乏しく、実際の画像と空気の位置を重視する。
放射線科専門医試験 2016年度 問50
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問50
解答例:c
選択肢別の解説
a|高い関連
乳幼児の肋骨骨折は機序・発達段階と整合するか慎重に評価します。
b|高い関連
棘突起骨折は比較的特異度の高い損傷群として扱い、強い外力や他損傷を評価します。
c|比較上低い
歩行児の軽微な捻りによる幼児骨折でも生じます。ただし歩行前や説明不一致なら虐待を慎重に評価します。
d|高い関連
古典的骨幹端損傷は非偶発性外傷を疑う重要な所見です。
e|高い関連
異なる時期の多発骨折は繰り返す外力の可能性を示し、全身と病歴を評価します。
判断のポイント
歩行を始めた幼児では、軽微なひねりによる脛骨骨幹部の斜・螺旋骨折、いわゆる幼児骨折が起こる。肋骨、古典的骨幹端、棘突起、時相の異なる多発骨折と比べ、骨折型単独での虐待特異性は低い。
鑑別・注意点
歩行前の乳児や説明と合わない経過では、同じ骨折型でも慎重な評価が必要である。低特異性を理由に虐待を除外せず、発達段階、受傷機転、全身の所見を確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問51
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問51
解答例:a、c
選択肢別の解説
a|正しい
血管腫の水成分を反映する強いT2高信号を確認し、他腫瘤との鑑別に役立てます。
b|主な追加法ではない
出血等の磁化率は評価できますが、この高エコー腫瘤の代表的性状評価はT2像と動態造影です。
c|正しい
辺縁結節状の早期濃染から内部へ充填する血管腫の典型パターン等を評価できます。
d|主目的が異なる
肝細胞のアシアロ糖蛋白受容体機能を評価する検査で、提示腫瘤の血管性造影動態を直接みません。
e|主目的が異なる
肝細胞取込み・胆道排泄を評価し、FNH等の検討に役立つ場合はありますが、提示の血管腫鑑別の代表二検査ではありません。
判断のポイント
提示超音波では肝内に高エコー腫瘤を認め、血管腫などを鑑別する。T2強調像での強い高信号と、ダイナミック造影での辺縁からの濃染・遷延性を確認することが役立つ。
鑑別・注意点
高エコーだけで血管腫と確定しない。典型的な小病変なら超音波のみで診断できる場合もあるが、基礎肝疾患や悪性腫瘍歴、非典型像があれば造影画像で評価する。
放射線科専門医試験 2016年度 問52
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問52
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|通常は逆
脂肪蓄積で一般に肝実質の単純CT値は低下します。
b|通常の代表でない
静脈還流障害では腫大や不均一な灌流、浮腫等を評価し、蓄積物によるびまん性高吸収とは区別します。
c|通常の代表でない
萎縮や浮腫等を来し得ますが、びまん性高吸収を代表的特徴とはしません。
d|起こり得る
銅等の蓄積で高吸収となる例があります。ただし脂肪化等で低吸収にもなり、高吸収は必須ではありません。
e|正しい
鉄蓄積は単純CTでの肝高吸収の代表的原因です。MRI等で鉄の評価を補います。
判断のポイント
ヘモクロマトーシスの鉄蓄積やWilson病の銅蓄積では、単純CTで肝が高吸収を呈することがある。脂肪肝は一般に低吸収を示す。
鑑別・注意点
Wilson病は脂肪化などの影響で低吸収や不均一な所見になることもあり、高吸収を必須所見にしない。アミオダロンなどの薬剤も鑑別し、MRIや血液・遺伝学的検査と対応させる。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問53
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問53
解答例:c(代表的原因の比較)
選択肢別の解説
a|示し得る
炎症と浮腫が門脈周囲の低吸収帯として現れます。
b|示し得る
静脈うっ血とリンパ排出障害で門脈周囲浮腫を来し得ます。
c|比較上考えにくい
主な所見は血管内の血栓と灌流異常です。周囲浮腫が一切起きないという意味ではありません。
d|示し得る
胆道周囲の炎症・浮腫が門脈域へ広がり低吸収帯となります。
e|示し得る
門脈域の浸潤やリンパ流障害等で周囲の低吸収が生じ得ます。
判断のポイント
門脈周囲の低吸収帯は、浮腫やリンパ流障害、炎症、腫瘍浸潤などを反映する。急性肝炎、右心不全、胆管炎、リンパ腫などが代表的な背景である。
鑑別・注意点
門脈血栓症は門脈内の欠損と灌流変化を主に評価する。周囲浮腫が絶対に生じないという意味ではない。PBCの線維性periportal haloなど、似た名称の別所見とも区別する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問54
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問54
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|別の代表所見
壁内反射物からのcomet-tailは胆囊腺筋腫症等で代表的です。
b|別の代表所見
胆囊壁内の小腔が並ぶ腺筋腫症等の所見と区別します。
c|別の代表所見
胆管周囲の同心円状線維化等で用いる表現で、急性胆囊炎の代表二所見ではありません。
d|正しい
超音波プローブで胆囊を圧迫した際の限局性圧痛です。壊疽等では陰性になり得ます。
e|正しい
胆囊壁の低エコー層は浮腫を示唆します。ただし肝炎・心不全等でも起きる非特異的所見です。
判断のポイント
超音波で胆囊を直接圧迫した際の限局性圧痛がsonographic Murphy signである。胆囊壁内の低エコー層は浮腫を反映し、急性胆囊炎を示唆する。
鑑別・注意点
壁浮腫は肝炎、低蛋白血症、心不全などでも生じる。結石、腫大、周囲脂肪や液体、臨床炎症所見を組み合わせ、壊疽性胆囊炎では圧痛が弱い場合にも注意する。
放射線科専門医試験 2016年度 問55
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問55
解答例:e
選択肢別の解説
a|拡張し得る
慢性の狭窄・膵石等により上流膵管が不整に拡張することがあります。
b|拡張し得る
乳頭部の閉塞により胆管と膵管が上流で拡張し得ます。
c|拡張し得る
膵管内出血と凝血塊による閉塞などで膵管拡張を来す場合があります。
d|拡張し得る
主膵管型や粘液による拡張が重要な画像特徴です。
e|最も低い
びまん型は長い主膵管狭細化が典型で、上流の著しい拡張は比較的乏しくなります。
判断のポイント
びまん型自己免疫性膵炎では膵の腫大と主膵管の長い狭細像が特徴で、腫瘤形成性の膵管癌などに比べて上流膵管拡張が軽い傾向がある。
鑑別・注意点
拡張があれば自己免疫性膵炎を絶対に否定するわけではない。狭細の長さ、被膜様構造、遅延造影、IgG4、他臓器病変を確認し、癌の除外前に安易なステロイド投与をしない。
放射線科専門医試験 2016年度 問56
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問56
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|通常乏血性
線維性間質を持つ浸潤性膵管癌は通常正常膵より増強が弱い病変です。
b|正しい
多くは豊富な腫瘍血管を反映して動脈相で強く増強します。低血管性の例外もあります。
c|正しい
微小囊胞を囲む血管豊富な隔壁が増強し、充実性の多血性腫瘤に見える場合があります。
d|主体が異なる
囊胞と壁・隔壁を持つ病変で、一般に腫瘤全体が多血性充実腫瘤となる代表ではありません。
e|主体が異なる
膵管拡張と粘液性病変が中心で、造影結節の有無を別に評価します。
判断のポイント
膵神経内分泌腫瘍は動脈相で強く造影されることが多い。SCNも微小囊胞と豊富な血管をもつ隔壁により、多血性の充実性病変のように見える場合がある。
鑑別・注意点
全例が典型的な多血性ではなく、腫瘍の大きさや悪性度、変性で所見は変化する。SCNでは微小囊胞や中心瘢痕、膵管との非交通を確認し、神経内分泌腫瘍などと鑑別する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問57
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問57
解答例:e
選択肢別の解説
a|合わない
腫瘤性壁肥厚より管腔内の局在した異物様構造が目立ち、癌を第一とはしません。
b|合わない
びまん性の食道拡張と食道胃接合部狭窄が代表で、提示の局所異物像とは異なります。
c|合わない
炎症性壁肥厚はあり得ますが、内容物を囲む包装様構造を直接は説明しません。
d|第一候補でない
魚骨なら鋭い線状高吸収を追い穿通・周囲気腫を確認します。本像の錠剤と包装材に見える形態とは異なります。
e|最も適切
局所の高吸収内容物と周囲の包装様構造からPTPを考えます。鋭縁による穿孔・縦隔炎を評価します。
判断のポイント
提示CTでは食道下部付近に包装材・内容物を示唆する異物を認め、PTP誤飲を考える。錠剤の高吸収と周囲の気体、薄い包装材を複数断面で確認する。
鑑別・注意点
単純X線で写りにくい包装材でもCTで検出できることがある。鋭い辺縁は穿孔や縦隔炎を起こし得るため、異物の位置だけでなく周囲気腫・壁肥厚などを評価し、迅速な専門対応につなげる。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問58
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問58
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|一律には誤り
鎮痙薬は腸管拡張を補助することがあり、禁忌・施設手順に応じて使用を選びます。
b|正しい
送気に伴う穿孔がまれにあり、炎症や閉塞、直近処置歴等を確認します。
c|正しい
二体位で虚脱部位や残便の移動を確認します。腹臥位が困難なら側臥位等へ調整します。
d|誤り
大腸の拡張には通常CO2等のガスを使い、生食で満たす検査ではありません。
e|不十分
絶食だけでなく残便排除や便標識等を含む前処置が必要です。
判断のポイント
CTコロノグラフィはガスで大腸を拡張し、通常は背臥位と腹臥位などの二体位で撮像する。まれだが送気による穿孔があり、炎症・閉塞・処置後などのリスクを確認する。
鑑別・注意点
二体位は虚脱部位や残便の移動を確認するためで、腹臥位困難なら側臥位などを検討する。前処置は絶食だけで済まず、洗腸・便標識を含む手順を用いる。鎮痙薬は禁忌と施設方針に応じて選択する。
放射線科専門医試験 2016年度 問59
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問59
解答例:b(造影剤選択の趣旨)
選択肢別の解説
a|標準的ではない
活動期の炎症性腸疾患は内視鏡や断層画像等で評価し、水溶性注腸を一律の確定法とはしません。
b|造影剤選択として正しい
穿孔を疑い消化管造影が必要ならバリウムを避け水溶性製剤を選びます。ただし現在の急性期評価は通常CTが中心です。
c|標準的ではない
虚血の程度や壊死リスクをCT・臨床等で評価し、全例に注腸を推奨するものではありません。
d|標準的ではない
便検査と臨床・必要な内視鏡等で評価し、水溶性注腸を通常の確定法とはしません。
e|標準的ではない
内視鏡・病理等が中心で、活動性や重症度を考慮して検査を選びます。
判断のポイント
消化管穿孔を疑って造影検査を行う場合は、腹腔内に漏れた際の影響を考慮し、バリウムではなく水溶性ヨード造影剤を選ぶ。
鑑別・注意点
急性憩室炎・穿孔の現在の初期評価は通常CTが中心であり、全例に注腸が推奨されるわけではない。注腸の必要性・注入圧・穿孔リスクを評価し、高浸透圧造影剤の誤嚥などの危険にも注意する。
放射線科専門医試験 2016年度 問60
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問60
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|むしろ別病変を比較
偽被膜は腎細胞癌等でも重要で、脂肪の乏しいAMLを特徴付ける代表二肢ではありません。
b|典型的でない
脂肪の乏しい平滑筋性病変はT1高信号が基本ではなく、出血・脂肪の確認が必要です。
c|臓器由来の指標
beak signは腎由来を示唆しますが、AMLと他の腎腫瘍を特異的に分けるものではありません。
d|正しい
平滑筋成分の多い病変は単純CTで比較的高吸収となります。
e|正しい
平滑筋・線維性成分により低T2を示します。ただし乳頭状腎癌等との重なりがあります。
判断のポイント
平滑筋の豊富な脂肪の乏しいAMLは、単純CTで高吸収、T2強調像で低信号となることが多い。肉眼的脂肪が見えないため、通常型AMLとは異なる鑑別が必要になる。
鑑別・注意点
乳頭状腎細胞癌などもT2低信号で重なり、画像のみで確定できない例がある。均一性、造影、増大などを合わせ、病理診断が治療を変える場合に生検を検討する。
放射線科専門医試験 2016年度 問61
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問61
解答例:d
選択肢別の解説
a|関連し得る
腹膜播種や後腹膜浸潤・節転移等により尿管が閉塞する場合があります。
b|関連する
逆流により腎盂尿管が拡張することがあり、閉塞性拡張と区別します。
c|関連する
尿管が下大静脈背側を通る異常により圧迫・屈曲して閉塞を生じ得ます。
d|最も低い
左腎静脈圧迫によるうっ血が主病態で、通常は尿路閉塞による水腎症の直接原因ではありません。
e|関連する
線維化組織が尿管を巻き込み、両側性の閉塞と腎機能障害を来し得ます。
判断のポイント
ナットクラッカー症候群は左腎静脈圧迫に伴う静脈うっ血が中心で、通常は尿路閉塞による水腎症を直接来す病態ではない。血尿、蛋白尿、側腹部痛などが主な症状となる。
鑑別・注意点
胃癌も腹膜播種や後腹膜病変で尿管閉塞を起こすことがある。逆流、下大静脈後尿管、後腹膜線維症では、尿路の形態と閉塞・逆流機転を評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問62
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問62
解答例:d
選択肢別の解説
a|典型的
特に辺縁域癌では正常の高T2信号に対する局所低信号が手掛かりです。
b|典型的
高細胞密度等による拡散制限でADCが低下します。炎症等でも起こります。
c|典型的
高b値DWIで明瞭な高信号となることが多く、ADCで真の制限を確認します。
d|典型的でない
逆位相信号低下は水脂肪混在を反映し、通常の前立腺癌の中心的画像指標ではありません。
e|典型的
局所的な早期増強を認め得ますが、単独で癌を確定しません。
判断のポイント
前立腺癌は典型的にはT2低信号、DWI高信号、ADC低下、局所の早期造影を示す。逆位相での信号低下は水と脂肪の混在を示すもので、通常の前立腺癌の中心的診断所見ではない。
鑑別・注意点
いずれの所見も単独で癌に特異的ではない。PI-RADSでは辺縁域と移行域で重視するシーケンスが異なり、炎症や肥大結節、出血などとの鑑別を行う。
放射線科専門医試験 2016年度 問63
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問63
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
古典的区分では膵の大部分は前腎筋膜前方の前腎傍腔に位置します。
b|正しい
二次的後腹膜臓器の上行結腸は前腎傍腔に位置します。
c|誤り
両腎傍腔の外側境界は外側円錐筋膜で、横筋筋膜は主に後腎傍腔の後方を画します。
d|連続性を考慮
尾側では筋膜間隙を含めた交通があり、液体・炎症の進展を追います。単純な閉鎖袋だけでは説明できません。
e|正しい
後腎傍の脂肪は側腹壁から腹膜前の脂肪へ連続します。
判断のポイント
前腎傍腔と後腎傍腔の外側では外側円錐筋膜が境界となる。横筋筋膜は主に後腎傍腔の後方を画する構造で、二つの腎傍腔の境界と同一ではない。
鑑別・注意点
腎周囲腔の尾側や筋膜間隙の連続性には、古典的三腔モデルだけでは説明できない広がりがある。病的液体や気体の進展は、腎筋膜の層構造と筋膜間隙を用いて解釈する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問64
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問64
解答例:b
選択肢別の解説
a|特異性が低い
多数の小囊胞は内膜増殖症やポリープ等でも生じ、癌の最も支持的な選択肢ではありません。
b|正しい
周期・閉経状態で説明できない肥厚では増殖症や癌を疑い、症状・組織所見と照合します。
c|典型的でない
癌は通常筋層よりDWI高信号となり、ADC低下を合わせて評価します。
d|特異性が低い
点状のT1高信号は出血性変化等であり、内膜癌に特異的ではありません。
e|代表的でない
癌は正常内膜・筋層との相対増強や早期像等を評価し、単なる漸増性増強は強い指標ではありません。
判断のポイント
月経周期や閉経状態では説明しにくい内膜肥厚は、子宮内膜増殖症や癌などを検討する所見である。腫瘤性の形態、DWI・ADC、造影、筋層浸潤を評価する。
鑑別・注意点
厚さだけで癌とは確定できず、ポリープや薬剤の影響もある。子宮内膜自体が正常でもDWI高信号となることがあるため、症状と必要に応じた組織診断を合わせる。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問65
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問65
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
子宮頸部外側で尿管が子宮動脈の下を通り、傍組織進展時には閉塞の有無を確認します。
b|誤り
腟部表面は主に扁平上皮で、頸管の円柱上皮とは異なります。
c|誤り
内子宮口は頸管上端で、後腟円蓋の高さと同一の解剖指標ではありません。
d|誤り
加齢で扁平円柱上皮境界が頸管側へ移り、腟部外側だけに発生しやすいとはしません。
e|一般化が不適切
腟部・腟上部の解剖と局所進展を分けて評価し、腟部発生だけで傍組織浸潤が強いとはしません。
判断のポイント
尿管は子宮頸部の外側で子宮動脈の下を通り、膀胱へ向かう。画像診断でいう子宮傍組織には、この尿管周囲と支持組織・血管などを含めて評価する。
鑑別・注意点
子宮頸部腟部の表面は主に扁平上皮で、頸管の円柱上皮と区別する。parametriumとparacervixの厳密な解剖用語には分野差があるため、MRIでは具体的な進展部位を記述する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問66
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問66
解答例:d
選択肢別の解説
a|脂肪ではない
出血による高T1信号等はあり得ますが、脂肪水界面の位置ずれとは異なります。
b|通常乏しい
線維・間質成分の低T2が代表で、肉眼的脂肪の界面が主な特徴ではありません。
c|脂肪ではない
濃縮血液によるshading等は脂肪との化学シフト位置ずれとは異なります。
d|正しい
脂肪と水の共鳴周波数差で周波数方向の位置ずれを生じ、脂肪検出の手掛かりになります。逆位相の相殺とは別の機序です。
e|通常乏しい
粘液濃度による信号差が主体で、脂肪水界面によるアーチファクトの代表病変ではありません。
判断のポイント
成熟囊胞性奇形腫に含まれる脂肪は水と異なる共鳴周波数をもち、T2強調像でも周波数方向に位置ずれなどの化学シフトアーチファクトを生じる。脂肪成分を疑う手掛かりになる。
鑑別・注意点
通常の画像での位置ずれと、逆位相GREでの信号相殺は別の機序である。T1高信号の出血性病変との鑑別には脂肪抑制や他のシーケンスも組み合わせる。
放射線科専門医試験 2016年度 問67
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問67
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
黄体等からの出血で血性腹水・凝血塊が生じ、急性腹痛とT2低信号の貯留液を説明します。
b|正しい
破裂により腹腔内出血を来すため、妊娠反応と循環動態を迅速に確認します。
c|代表原因でない
筋層内の内膜組織による病態で、単独では急性の大量血性腹水の代表原因ではありません。
d|通常は単純液体
卵管内の水様内容が主体で、ダグラス窩の濃い血液を最もよく説明するものではありません。
e|通常は直接説明しない
線維性腫瘤と腹水はあり得ても、急性血性腹水の代表原因二つとは区別します。
判断のポイント
急性腹症でダグラス窩にT2低信号の液体がたまる場合、血液・凝血塊を考える。生殖年齢では卵巣出血と異所性妊娠破裂が重要な原因となる。
鑑別・注意点
血液の信号は時期や濃度で変わる。妊娠反応と経腟超音波、循環動態を確認し、画像不良のMRIだけで原因を決めたり緊急対応を遅らせたりしない。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問68
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問68
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
必要な時間分解能に応じ低パルスレートを選び、連続透視を減らします。
b|通常は逆方向
斜位で透過体厚が増えると自動制御で線量が上がりやすくなります。
c|通常は逆方向
薄いフィルターでは診断に寄与しにくい低エネルギー光子が増え、皮膚被ばく低減に不利です。
d|逆方向
線源と皮膚の距離が短いほど皮膚線量が増えるため、可能な範囲で距離を確保します。
e|正しい
受像器を近づけて幾何学条件を適正化し、不必要な線量率上昇を抑えます。
判断のポイント
適切な低レートのパルス透視を用い、検出器を患者に近づけることは被ばく低減に有用である。必要な画質を確保しつつ、照射の回数と時間を最小限にする。
鑑別・注意点
斜位では透過する体厚が増えて線量が上がりやすい。患者を管球に近づけると皮膚線量が増え、付加フィルタを薄くすると低エネルギー光子の寄与が増える。
放射線科専門医試験 2016年度 問69
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問69
解答例:a(通常の腫瘍動脈塞栓の比較)
選択肢別の解説
a|本問の通常選択でない
通常のHCC-TACEは薬剤・油性造影剤と粒子等を用います。ただしNBCAも短絡閉鎖や門脈塞栓等で使い、一切不可とはしません。
b|適切な適応で用いる
解剖条件が合う腹部大動脈瘤で、瘤を血流から隔離するステントグラフトを用います。
c|用いる
部分脾動脈塞栓で脾実質の血流を調整し、過剰塞栓や膿瘍等に注意します。
d|用いる
狭窄・閉塞を拡張後に保持するため、病変に応じ金属ステントを使用します。
e|限定的に用いる
抗凝固できない急性DVT等の選択例で検討します。DVT全例にフィルターを入れる意味ではありません。
判断のポイント
肝細胞癌の標準的なTACEでは抗癌薬・リピオドールと粒子状塞栓物質などを用い、NBCAを通常の腫瘍内注入材料として第一に選ぶわけではない。
鑑別・注意点
永久塞栓物質を肝細胞癌に一切使わないという旧解説は誤りである。NBCAも門脈塞栓や短絡の閉塞などで用いられる。下大静脈フィルターもDVT全例の治療ではなく、抗凝固ができないなどの限られた適応を確認する。
放射線科専門医試験 2016年度 問70
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問70
解答例:b(2015年指針の考え方)
選択肢別の解説
a|通常は血管内治療候補
狭窄病変は適切な解剖なら血管内治療が候補となり、両側性だけで手術優先とはしません。
b|当時の想定で正しい
両側外腸骨閉塞はTASC II D型の複雑病変で、当時は外科的再建を優先する考え方です。現行では血管内治療も個別に検討します。
c|通常は血管内治療候補
片側総腸骨閉塞は病変長や石灰化等を踏まえて血管内再建が検討できます。
d|より複雑だが一律手術でない
内腸骨起始部への進展と流入・流出を評価し、両側外腸骨閉塞というD型条件とは区別します。
e|通常は血管内治療候補
総大腿動脈へ及ばない狭窄は閉塞の複雑病変より血管内治療の候補になります。
判断のポイント
両側外腸骨動脈閉塞はTASCⅡのD型に相当し、出題当時は手術による血行再建を優先する複雑病変とされていた。狭窄と閉塞、総大腿動脈への進展などで分類する。
鑑別・注意点
現在は血管内治療の技術が進み、D型なら必ず手術とはしない。病変長、石灰化、流出路、全身状態、期待される開存、施設経験を踏まえて選ぶ。
放射線科専門医試験 2016年度 問71
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問71
解答例:d
選択肢別の解説
a|最短
約110分であり、他の提示核種より短い半減期です。
b|短い
約6時間で日単位の核種より短くなります。
c|より短い
約2.8日で131Iの約8日より短い核種です。
d|正しい
約8日で提示された五核種の中で最長です。
e|より短い
約3日で111Inに近い値ですが、131Iより短い半減期です。
判断のポイント
131Iは約8日で、列挙された核種の中で最も物理的半減期が長い。111Inは約2.8日、201Tlは約3日、99mTcは約6時間、18Fは約110分である。
鑑別・注意点
近い日数の111Inと201Tlを比較しても131Iより短い。核種の壊変に関する物理的半減期と、患者からの排泄を含めた実効半減期を区別する。
放射線科専門医試験 2016年度 問72
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問72
解答例:判定保留(a・b・dが成立し得る)
選択肢別の解説
a|適切
通常の腫瘍FDG-PETは絶食して血糖・インスリンの影響を抑えます。検査目的ごとの前処置差があります。
b|適切なため保留に含む
投与後の飲水と撮影前排尿は尿路背景・線量を減らす推奨手順であり、この肢を無条件に誤りにはできません。
c|誤り
脱水は取込み・排泄評価を変えるため、通常は適切に水分を補給します。
d|適切
カフェインはアデノシン受容体を阻害して負荷効果を弱めるため、事前に制限します。
e|誤り
副腎皮質製剤では甲状腺への遊離ヨウ素集積を防ぐブロックを行い、ヨウ素摂取制限とは異なります。
判断のポイント
FDG検査前の絶食とアデノシン負荷前のカフェイン制限は適切である。骨シンチグラフィも投与後の十分な水分摂取と撮像前排尿が推奨されるため、bを一律に誤りとする旧答案では根拠が不足する。
鑑別・注意点
腎動態検査では通常、脱水を避け水分を補う。アドステロールではヨード制限ではなく甲状腺ブロックを行う。二つ選ぶ条件に対しa・b・dが妥当となるため、水負荷の意味など原資料の条件を確認すべき設問として残す。
参考文献
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2016年度 問73
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問73
解答例:d
選択肢別の解説
a|早すぎる
通常の腫瘍Ga検査は48〜72時間程度等に撮像し、3時間を標準開始とはしません。
b|遅すぎる
GSAは投与直後から動態データを取得し、初回を30分後とする検査ではありません。
c|早すぎる
DAT結合と背景低下を待って数時間後に評価し、15分は通常の撮像時期ではありません。
d|当時の手順に合う
褐色細胞腫検索の123I-MIBGで4〜6時間像と24時間像等が用いられ、心筋検査の時刻とは区別します。
e|早すぎる
副腎皮質集積のため通常数日程度待ち、1日後のみを標準開始とはしません。
判断のポイント
123I-MIBGによる褐色細胞腫の検索では、投与後4〜6時間と24時間などに撮像する方式が用いられてきた。心筋MIBGの早期・後期像とは対象と時刻を区別する。
鑑別・注意点
GSAの動態撮像は静注直後から開始し、DAT-SPECTは数時間後、アドステロールは数日後に撮像する。撮像時期は製剤、目的、追加像の必要性で確認する。
放射線科専門医試験 2016年度 問74
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問74
解答例:e
選択肢別の解説
a|強い生理集積
脳は糖利用が高く、生理的に強いFDG集積を示します。
b|可変的にみられる
胃壁の生理的・炎症性集積は可変で、形態と局在を照合します。
c|通常みられる
造血活動に対応する集積があり、G-CSF等の影響で増強します。
d|通常みられる
脾臓には生理的な集積があり、炎症・薬剤等で変化します。
e|最も認めにくい
通常の明瞭な集積は乏しく、壁集積では炎症や腫瘍等を検討します。胆汁排泄等の例外もあります。
判断のポイント
胆囊は通常、脳や骨髄・脾臓などのような明瞭な生理的集積を示しにくい。胃にも可変的な生理的集積がみられる。
鑑別・注意点
胆囊の明瞭な集積では炎症や腫瘍を考えるが、胆汁排泄などによる例外もある。CT所見、局在、症状を確認し、集積だけで悪性を確定しない。
放射線科専門医試験 2016年度 問75
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問75
解答例:e
選択肢別の解説
a|本問の製剤でない
脳血流用の投与手順に従いますが、エタノール含有副腎皮質製剤の希釈条件とは異なります。
b|本問の製剤でない
緩徐投与を要する場合があることと、この設問の希釈を要する製剤を区別します。
c|本問の製剤でない
脂肪酸代謝製剤の指定投与法を守り、アドステロールの希釈手順と同一視しません。
d|本問の製剤でない
DAT製剤は緩徐静注等の手順を持ちますが、設問が問う希釈対象の副腎皮質製剤とは異なります。
e|正しい
エタノール等に伴う急速投与反応を避けるため、生食による指定希釈と緩徐投与を行います。倍率・時間は添文に従います。
判断のポイント
アドステロールはエタノールを含む製剤で、希釈してゆっくり静注する。急速投与に伴う悪心、顔面紅潮、動悸などに注意する。
鑑別・注意点
希釈液と希釈倍率、投与時間は製剤の最新添付文書に従う。放射能量だけでなく添加物、投与経路、甲状腺ブロックなども投与前に確認する。
放射線科専門医試験 2016年度 問76
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問76
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
通常のガンマカメラは患者に投与した核種のγ線を受ける装置で、撮像用線源を本体内蔵するものではありません。校正用線源等は別です。
b|誤り
従来型はNaI(Tl)が代表で、BGOは従来のPET検出器で用いられた結晶です。
c|通常の構成でない
従来型SPECTは平面検出器が回転し、リング型PETとの構成差を区別します。専用装置の例外はあります。
d|正しい
約140 keVのγ線に対応する低エネルギーコリメータを通常用います。
e|誤り
高分解能化では感度が下がるのが一般的で、同じ時間の計数・信号雑音比が必ず改善するわけではありません。
判断のポイント
99mTcの主なγ線は約140keVで、通常は低エネルギー用コリメータを用いる。従来型ガンマカメラではNaI(Tl)結晶などで検出し、コリメータが入射方向を選別する。
鑑別・注意点
BGOやリング状検出器は従来のPET装置の代表的構成である。高分解能コリメータは一般に感度が低下するため、空間分解能を上げれば信号雑音比も必ず改善するとはいえない。
放射線科専門医試験 2016年度 問77
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問77
解答例:c
選択肢別の解説
a|一律には誤り
ECD保持は組織の代謝能にも依存し、再灌流の増加をそのまま高集積で再現しない場合があります。
b|誤り
標識後の安定性を考慮し指定時間内に投与します。30分以上待つことを基本条件とはしません。
c|正しい
初回通過で肺に保持された後に血中へ戻り、徐々に脳へ移行する動態があります。
d|代表法と異なる
発作時を捉えるには迅速に投与し分布を固定できるHMPAO・ECDが有用です。
e|誤り
高血流域では抽出率等により非直線性があり、HMPAOを最良の直線性とする比較は不適切です。
判断のポイント
123I-IMPは静注直後に肺に多く取り込まれた後、血中へ戻って脳へ移行する。脳集積と血流の関係は薬剤ごとの抽出率や保持機序で異なる。
鑑別・注意点
ECDは生存組織での代謝保持を反映し、再灌流部の血流をそのまま示さないことがある。発作時血流を捉えるにはHMPAOやECDの迅速な投与が有用で、iomazenilによる受容体検査と混同しない。
放射線科専門医試験 2016年度 問78
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問78
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
主な評価部位は線条体のDATで、視床集積を中心とする検査ではありません。
b|正しい
健常でも加齢でDAT結合が低下するため、年齢に対応した正常値と比較します。
c|誤り
シナプス前ドパミントランスポーターを評価し、ドパミン受容体を直接みる薬剤ではありません。
d|左右が逆
運動症状の強い側に対して対側線条体の低下が目立つことが多く、同側という対応は逆です。
e|誤り
ADでは通常DATが比較的保たれ、びまん性低下だけでADを優先しません。
判断のポイント
線条体DAT結合は健常者でも加齢により低下するため、年齢に合った正常データとの比較が重要である。ioflupaneは主としてシナプス前ドパミントランスポーターを評価する。
鑑別・注意点
運動症状の強い側と反対側の線条体で低下が目立つことが多い。受容体や脳血流を直接評価する薬剤ではなく、Alzheimer病で典型的にびまん性低下するわけではない。
放射線科専門医試験 2016年度 問79
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問79
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
換気低下への低酸素性血管収縮等で灌流も低下し得ます。
b|短絡方向が逆
静注MAAが脳等へ到達する場合は肺毛細血管を迂回する右左短絡を考えます。
c|誤り
81mKrの半減期は約13秒で、13時間ではありません。
d|正しい
投与時の重力と血流分布が粒子捕捉に反映され、体位をそろえることが重要です。
e|誤り
肺毛細血管より大きい粒子が一時的に捕捉される原理を利用します。
判断のポイント
99mTc-MAAは投与時の肺血流分布に従って捕捉されるため、投与体位や重力による分布の違いが画像に反映される。撮像体位だけでなく投与時の条件を統一する。
鑑別・注意点
脳や腎などの全身臓器へ粒子が流れる場合は右左短絡を疑う。81mKrは約13秒であり13時間ではない。MAAは毛細血管径を超える粒子で一時的に捕捉される。
放射線科専門医試験 2016年度 問80
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問80
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|代表的でない
肝集積は背景や薬剤動態等にも影響され、心不全の代表指標二つではありません。
b|方向が不適切
重症心不全等では肺集積が増えることがあり、低下を代表的所見とはしません。
c|正しい
心筋保持が低下し、縦隔背景に対する相対的集積が下がります。
d|誤り
局所の集積増加を典型とせず、心筋全体や局所の低下を評価します。
e|正しい
交感神経機能異常で心筋からの洗い出しが速くなる傾向です。定量条件と薬剤影響を確認します。
判断のポイント
心不全では心臓交感神経機能の障害により心筋MIBG集積が低下し、心/縦隔比の低下と洗い出し率の増加を認めることが多い。予後や治療反応の評価に利用する。
鑑別・注意点
定量値はコリメータ、収集時刻、ROI、背景補正などの影響を受ける。閾値を別の装置へ無条件で適用せず、心機能や薬剤、他の心疾患と合わせて解釈する。
放射線科専門医試験 2016年度 問81
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問81
解答例:b(出題時の代表的疾患比較)
選択肢別の解説
a|逆方向
典型的ミスマッチでは脂肪酸代謝障害の範囲が灌流低下より広くなります。
b|出題想定に合う
肥大型心筋症で血流に比べBMIPP低下が広がることがあります。ただし頻度の順位は患者群・定義に依存します。
c|一般的でない
虚血後の代謝障害は重要な原因であり、非虚血性が一律に高頻度とはいえません。
d|一般的でない
急性虚血後は血流が回復しても代謝異常が残り得ます。陳旧梗塞で常に高頻度とはしません。
e|一般的でない
不安定な虚血や最近の虚血発作で代謝障害が残ることがあり、安定狭心症が一律に多いとはしません。
判断のポイント
肥大型心筋症では脂肪酸代謝障害が血流異常より先行し、BMIPP低下の範囲が血流低下より広いミスマッチを認めることがある。虚血後の代謝障害でも同様の不一致が生じる。
鑑別・注意点
拡張型心筋症にもミスマッチは起こり、頻度は患者群や定義に依存する。陳旧性梗塞・安定狭心症なら必ず一致という暗記ではなく、検査時点と可逆性のある心筋障害を考える。
放射線科専門医試験 2016年度 問82
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問82
解答例:d
選択肢別の解説
a|異なる検査
腎血漿流量等は尿細管分泌性薬剤の動態から評価し、皮質保持性DMSAの主目的ではありません。
b|異なる検査
GFR評価には糸球体濾過薬のDTPA等を用います。
c|異なる検査
利尿負荷はMAG3等による排泄・閉塞評価に使い、DMSA皮質像の基本負荷ではありません。
d|正しい
皮質の局所欠損を三次元的に評価し、瘢痕の局在・範囲を確認します。急性炎症性欠損とは経過で区別します。
e|誤り
背景低下と皮質集積を待って遅延像を撮り、通常の動態検査のように直後開始しません。
判断のポイント
99mTc-DMSAは腎皮質に保持され、遅延像で局所欠損や左右の分腎機能を評価する。SPECTは腎瘢痕の局在・範囲を確認する際に有用となる。
鑑別・注意点
糸球体濾過率や尿排泄・閉塞の動態評価はDTPAやMAG3を用いる。欠損は急性炎症でも生じるため、撮像時期や経過から恒久的な瘢痕と区別する。
放射線科専門医試験 2016年度 問83
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問83
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切
尿路放射能による骨盤部の重なりを減らすため、遅延骨像の前に排尿します。
b|適切
骨に集積する99mTc標識リン酸化合物を用い、同じ投与で三相を評価します。
c|適切
血流相を捉えるためボーラス投与と同時に動態収集します。
d|誤り
血液プール相は通常投与直後の数分以内です。1時間後ではプール相の意義が異なります。
e|適切
骨への取込みと背景低下を待ち、通常の骨像と同様に約2〜4時間後等に撮影します。
判断のポイント
3相骨シンチは静注直後の血流相、直後数分以内の血液プール相、約2〜4時間後の骨相を組み合わせる。血液プール相を1時間後とするのは適切ではない。
鑑別・注意点
撮像前の排尿と十分な水分摂取で尿路の放射能を減らす。骨相だけでなく血流・プール相を対比し、炎症、感染、血流増加などを評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問84
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問84
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
ブドウ糖との競合等で脳FDG集積が低下し、画質・定量に影響します。
b|誤り
FDGは尿中排泄されるため尿管は生理的に描出され、集積だけで尿路上皮癌を疑いません。
c|時点が異なる
重要なのは撮像直前の排尿であり、注射前排尿を必須条件とするものではありません。
d|正しい
筋等への取込みが増え、病変対背景比が悪くなることがあります。絶食と血糖・薬剤条件を管理します。
e|一般に逆の傾向
多くの悪性病変では遅延集積が上がる傾向がありますが例外も多く、時間変化だけで良悪性を確定しません。
判断のポイント
高血糖はFDGとブドウ糖の競合により脳や病変への集積を変化させる。インスリン高値では骨格筋などへの取り込みが増え、病変の描出を妨げる場合がある。
鑑別・注意点
高血糖と高インスリンは常に同時とは限らない。尿管は生理的排泄で描出され、排尿は撮像前に行う。遅延SUVの上昇・低下も良悪性を確実に分ける基準ではない。
放射線科専門医試験 2016年度 問85
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問85
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
骨転移治療用製剤は静脈内投与し、経口投与しません。
b|誤り
主としてβ線の局所作用で疼痛を緩和し、γ線を治療の主線種としません。
c|正しい
退出基準・管理条件を満たせば専用治療室への入院を必須としない運用です。
d|誤り
物理半減期は約50日で、時間と日の取り違えです。
e|正しい
疼痛と一致する骨形成性の集積を確認し標的になり得るか評価します。緊急の圧迫・骨折治療は別に行います。
判断のポイント
89Srは静注するβ線放出薬で、条件を満たせば外来で投与できる。疼痛部位に一致する骨シンチの集積を確認し、骨形成反応を伴う骨転移痛の緩和に用いる。
鑑別・注意点
物理的半減期は約50日で、50時間ではない。骨髄抑制と腎機能、脊髄圧迫や病的骨折の危険を評価し、局所の緊急治療を代替する薬剤とはしない。
放射線科専門医試験 2016年度 問86
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問86
解答例:d
選択肢別の解説
a|形状が異なる
表面付近からの急な立ち上がりと比較的浅い有限飛程の低下を示し、10 MV光子の深部尾部とは異なります。
b|形状が異なる
深部で急に減衰する有限飛程型の曲線で、光子の緩やかな深部減衰とは異なります。
c|異なる
終末付近の鋭いピークは荷電粒子のBragg peakを示す形で、高エネルギーX線ではありません。
d|正しい
ビルドアップ後に高い深部到達性を保ちながら緩やかに減衰する光子曲線です。低いエネルギーの曲線より深部割合が高くなります。
e|より低い光子エネルギー
光子型の減衰でもビルドアップが浅く深部割合が低く、10 MVより低いエネルギーに対応します。
判断のポイント
原図のエは皮膚表面から深部へ向かって線量が増え、最大線量深以降は緩やかに減少する高エネルギーX線の曲線である。10MVでは60Coより最大線量深が深く、深部到達性が高い。
鑑別・注意点
ビルドアップは二次電子の寄与が増える領域で、単なる励起と同義ではない。電子線の急な減衰や荷電粒子のBragg peakとは形状を区別し、照射野・SSDなどの条件も確認する。
放射線科専門医試験 2016年度 問87
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問87
解答例:e、a(TVがPTVを覆う計画の想定)
選択肢別の解説
a|計画条件付きの想定
TVは適切な治療線量を受ける体積で、PTVを覆う良好な計画を想定して選びます。定義上全誤差を必ず包含するものではありません。
b|含まない
肉眼的な腫瘍範囲を表し、位置誤差を補うためのマージンは含めません。
c|内部移動のみ
CTVに呼吸等の内部変動を加えた体積で、セットアップ誤差までを含むPTVとは異なります。
d|含まない
肉眼病変と潜在的な顕微鏡的進展を表す臨床標的で、幾何学的な位置誤差体積ではありません。
e|正しい
CTVの内部移動とセットアップの不確かさを考慮する幾何学的体積です。
判断のポイント
PTVはCTVに内部移動とセットアップの不確かさを考慮した幾何学的体積である。ITVはCTVに内部移動を加えた体積で、セットアップ誤差を含むPTVとは区別する。
鑑別・注意点
TVは治療に適した等線量面で囲まれる体積で、誤差の定義から作る標的ではない。適切な計画でPTVを覆うという想定でaを選ぶが、定義上必ず全誤差を含むと断定しない。旧解説のGTV→ITV→CTVという順序も修正する。
放射線科専門医試験 2016年度 問88
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問88
解答例:d
選択肢別の解説
a|旧表の値
通常分割の脳3分の1に対する壊死のTD5/5は約60 Gyという歴史的値です。
b|旧表の値
食道の部分容積に対する潰瘍等の旧耐容線量の目安です。現行計画は線量体積指標で評価します。
c|旧表の範囲
部分肝への50 Gyは旧表の肝障害の目安に対応します。障害名や肝予備能、全肝平均線量等を別に評価します。
d|誤り
卵巣機能はより低い線量でも障害され、旧国内表の不妊TD5/5を10 Gyとはしません。年齢と予備能にも依存します。
e|旧表の値
通常分割の一定長さの脊髄に約50 Gyという歴史的な目安です。再照射や分割変更時にそのまま流用しません。
判断のポイント
卵巣は比較的低い線量で機能障害を生じ、出題時の国内耐容線量表では全卵巣の不妊に対する目安が2〜3Gyとされる。10GyをTD5/5として扱うのは適切でない。
鑑別・注意点
卵巣機能への影響は年齢と卵胞予備能に強く依存する。古いTD5/5表は通常分割の概算であり、現代の線量制約を決める際には臓器、分割、体積、年齢などを考慮する。
放射線科専門医試験 2016年度 問89
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問89
解答例:e
選択肢別の解説
a|4番目
標的等の輪郭とビーム条件を設定した後に線量分布を計算します。
b|5番目
計算された線量を標的・臓器のDVHや分布で確認し、必要なら反復修正します。
c|1番目
再現性ある治療体位で計画用CTを取得するのが出発点です。
d|2番目
CT上に標的と危険臓器を輪郭化し、計画と評価の対象を定めます。
e|正しい
CT・輪郭作成に続き、エネルギーと方向等のビーム条件を設定して線量計算へ進みます。
判断のポイント
計画CTを取得し、標的と正常臓器を輪郭入力した後、ビームの方向・エネルギーなどを設定する。その後に線量計算を行い、分布とDVHを評価する。
鑑別・注意点
実際には評価結果に応じてビーム・重み・輪郭などを見直す反復工程になる。エネルギーは体厚だけで機械的に選ばず、標的サイズ、深さ、肺などの不均質と正常組織線量を考慮する。
放射線科専門医試験 2016年度 問90
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問90
解答例:c、e(2016年の代表的適応)
選択肢別の解説
a|当時の代表でない
全乳房術後照射と、転移等への定位照射を区別します。癌種名だけで全場面の定位治療を否定しません。
b|時代を区別
膵SBRTは後年に国内適用が拡がっており、2016年の代表的適応の設問とは分けます。
c|正しい
選択された小型肝細胞癌に根治的な体幹部定位照射を用います。肝予備能と消化管距離等を評価します。
d|当時の代表でない
根治治療では外照射と小線源の組合せが中心で、定位照射を小線源の一般的代替とはしません。
e|正しい
適切な大きさ・位置の前庭神経鞘腫で、機能温存を考え頭蓋内定位照射を用います。
判断のポイント
肝細胞癌への体幹部定位照射と聴神経鞘腫への頭蓋内定位照射は、出題当時の代表的な適応である。標的位置、サイズ、正常臓器線量で適否を検討する。
鑑別・注意点
膵癌へのSBRTは後年、選択された局所進行例などに用いられるようになった。乳癌も原発乳房の術後照射と転移への定位照射を分け、癌種名だけで現在の適応を否定しない。
放射線科専門医試験 2016年度 問91
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問91
解答例:e
選択肢別の解説
a|用いる
原発と頸部リンパ流のリスクを考慮して照射します。実際の予防範囲は病期・指針によります。
b|用いる
骨盤の原発・節領域へ外照射を行い、根治治療では小線源も重要です。
c|用いる
複雑な標的と脊髄等の臓器を考慮するためIMRTが有用な選択肢です。
d|用いる
小型単発の脳転移では全身状態等を踏まえ定位的な治療を検討できます。
e|誤り
未分化癌は通常ヨード取り込み能を失っており、分化癌の131I療法と区別します。
判断のポイント
甲状腺未分化癌は通常、分化型癌のようなヨウ素取り込み能をもたず、131I内用療法の適応としない。
鑑別・注意点
甲状腺原発という部位だけで治療を選ばず、組織型と分子異常、切除可能性、気道などの緊急課題から方針を決める。子宮頸癌では全骨盤外照射だけでなく小線源治療の役割も重要である。
放射線科専門医試験 2016年度 問92
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問92
解答例:b
選択肢別の解説
a|関連する
慢性HCV感染は肝炎・線維化等を介して肝細胞癌リスクを高めます。
b|最も関連が乏しい
中咽頭の代表的感染因子はHPVであり、EBVとの強い関連は上咽頭癌等で重要です。
c|関連する
持続する高リスクHPV感染は子宮頸癌の主要な原因です。
d|関連するが細菌
胃MALTリンパ腫はH. pyloriとの関連が重要です。設問のウイルスという括りには入らない細菌です。
e|間接的に関連する
HIV感染による免疫不全で原発性中枢神経リンパ腫リスクが増えます。腫瘍細胞の直接原因ウイルスと同一ではありません。
判断のポイント
中咽頭扁平上皮癌はHPV、上咽頭癌はEBVとの関連が重要であり、両者を区別する。HCVと肝細胞癌、HPVと子宮頸癌なども代表的な関係である。
鑑別・注意点
胃MALTリンパ腫に関連するH. pyloriはウイルスではなく細菌である。HIVは免疫不全を介して脳原発リンパ腫のリスクに関与し、腫瘍細胞への直接の感染機序と同一視しない。
放射線科専門医試験 2016年度 問93
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問93
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
適格な初発膠芽腫では放射線とテモゾロミドを併用し、術後集学的治療を行います。
b|通常は適応でない
早期胃癌は内視鏡切除や手術が中心で、同時CRTが通常の根治標準ではありません。
c|通常は適応でない
早期喉頭癌は照射単独または手術が基本で、細胞傷害性化学療法を一律に追加しません。
d|正しい
切除不能な局所進行非小細胞肺癌で全身状態等が許せば同時CRTを検討します。
e|通常は適応でない
前立腺癌の照射に組み合わせる内分泌療法と、細胞傷害性化学療法を併用するCRTを区別します。
判断のポイント
膠芽腫ではテモゾロミド併用放射線療法が標準的な初回治療の一部である。切除不能なⅢB期非小細胞肺癌も、全身状態が許せば根治的同時化学放射線療法を検討する。
鑑別・注意点
早期喉頭癌は通常、放射線単独や手術で治療する。胃癌Ⅰ期や前立腺癌Ⅱ期に同じ化学放射線療法を適用せず、前立腺癌のホルモン療法と細胞傷害性化学療法を分ける。
放射線科専門医試験 2016年度 問94
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問94
解答例:c
選択肢別の解説
a|通常は局所
局所制御を目的に照射する腫瘍で、予防的全脳全脊髄は通常行いません。
b|播種による
局所例では腫瘍床中心で、髄液播種等がある場合に範囲拡大を検討します。
c|正しい
髄液播種リスクから、適応年齢の標準治療では全脳全脊髄と原発部追加照射を用います。幼少児等の例外はあります。
d|通常は局所
組織・分子型や進展で治療は異なりますが、通常は予防的全脳全脊髄の代表ではありません。
e|病型・播種で異なる
限局胚腫は全脳室等、播種例や別組織型は異なる範囲を選び、全例を全脳全脊髄とはしません。
判断のポイント
髄芽腫では播種のリスクから、適応となる年齢の標準的治療に全脳全脊髄照射と局所追加照射を組み込む。局所照射や全脳室照射では範囲が異なる。
鑑別・注意点
胚細胞腫瘍は胚腫か非胚腫か、播種の有無などで照射範囲が変わり、単に悪性度が高ければ全脳全脊髄とするわけではない。幼少児では照射を避けるプロトコルもある。
放射線科専門医試験 2016年度 問95
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問95
解答例:a
選択肢別の解説
a|不適切
空気腔は代表的な線量評価点に適さず、均一で勾配の緩い位置や体積指標で評価します。
b|適切
口腔感染や抜歯必要性を確認し、顎骨壊死等のリスク低減を図ります。計画前に口腔状態を整える意味があります。
c|適切
解剖学的位置合わせの誤差を確認したうえで、代謝情報を標的設定に補助的に利用します。
d|適切
体形や固定・標的位置の変化で線量が変わるため、再CTと再計画を検討します。
e|適切
金属アーチファクトによる誤密度を実際の組織・金属に応じて修正し、全て水へ置換する意味ではありません。
判断のポイント
線量評価点は線量を代表でき、急峻な勾配や空気腔を避けた位置に選ぶ。咽頭腔内の点を機械的に評価点とするのは不適切で、IMRTでは体積指標も用いる。
鑑別・注意点
治療前の歯科受診は顎骨壊死・感染などの予防が主要な目的である。歯冠アーチファクトの補正は実際の密度を考慮し、すべてを一律に水へ置き換える説明にはしない。体重減少や体形変化で再計画も検討する。
放射線科専門医試験 2016年度 問96
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問96
解答例:b(予防照射としての想定解)
選択肢別の解説
a|転移分布による
転移があれば標的とし得ます。病期名だけで予防的に全領域を含める意味ではありません。
b|予防照射として不適切
対側肺門の一律予防照射は肺線量を増やすため通常行いません。実際に転移がある場合まで絶対禁止とはしません。
c|転移分布による
気管分岐下等の病変は含めますが、すべての局所進行例で予防的に必須とはしません。
d|転移分布による
鎖骨上節病変があれば適応と線量制約の範囲で治療を検討します。
e|転移分布による
N3病変でも根治照射の候補となり得ますが、全例予防照射の領域と同一視しません。
判断のポイント
対側肺門への予防照射は正常肺線量を増やすため、通常は行わない。現在は画像などで確認した原発巣・転移リンパ節を中心に標的を設定する。
鑑別・注意点
「対側肺門なら絶対に照射できない」という旧解説は不適切である。実際に転移がある場合は病変分布と臓器線量、根治治療の可否を個別に検討する。病期だけで他のリンパ節領域をすべて含めることもしない。
放射線科専門医試験 2016年度 問97
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問97
解答例:b
選択肢別の解説
a|適切
早期リンパ節陰性癌のSBRTに細胞傷害性薬剤を同時併用することは通常の標準ではありません。
b|誤り
高エネルギーほど電子平衡等の問題が増す場合があり、小標的・低密度肺に適したエネルギーを選びます。
c|用いる
国内で用いられてきた代表的な末梢早期肺癌の処方です。処方点・標的線量の定義を確認します。
d|適切
少ない分割で高線量を与えるため、毎回の標的位置と呼吸性移動を確認します。
e|起こり得る
特に間質性肺疾患等の背景で致死的肺臓炎のリスクがあり、適応を慎重に判断します。
判断のポイント
小型末梢肺癌の定位照射では、高エネルギーほど良いわけではない。小照射野と低密度肺では二次電子の飛程や電子平衡を考え、適切なエネルギーと線量計算法を選ぶ。
鑑別・注意点
48Gy/4回は国内で用いられてきた代表的処方で、画像誘導と呼吸性移動対策が必要である。致死的肺臓炎などの重い障害もあり、間質性肺疾患や肺機能を含め適応を評価する。
放射線科専門医試験 2016年度 問98
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問98
解答例:d、e(出題時の慎重適応)
選択肢別の解説
a|代表的回避疾患ではない
皮膚所見だけで全乳房照射を一律禁忌にせず、原因疾患と既往の反応を確認します。
b|代表的回避疾患ではない
一般的なざ瘡のみで照射を避ける標準的理由とはしません。
c|個別管理
照射部に皮疹悪化等が起こり得ますが、全患者で一律回避する二疾患の代表ではありません。
d|慎重適応
強い線維化等のリスクがあり、活動性・照射体積と利益を比較し代替療法を検討します。
e|旧想定だが限定
紫外線損傷修復の異常で、電離放射線感受性には個体差があります。全患者を絶対禁忌や極端な高感受性と断定しません。
判断のポイント
全身性強皮症では照射部の線維化などの障害リスクがあり、色素性乾皮症でもDNA修復異常と既往の放射線反応を考慮して慎重に判断する。
鑑別・注意点
色素性乾皮症は主に紫外線損傷修復の異常であり、全患者が電離放射線に極端に弱いわけではない。神経症状・知的障害も必発ではなく、旧解説の一律の断定を削除する。強皮症も現在は個別に利益とリスクを検討する。
放射線科専門医試験 2016年度 問99
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問99
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
従来の標準全乳房処方です。現在は適応に応じ寡分割も広く用います。
b|誤り
DCISも温存術後照射の対象で、低リスク例の省略判断とは別です。
c|一律には誤り
腋窩の治療は節転移・術式等で判断し、全乳房CTVへ同側腋窩を必ず含めるわけではありません。
d|正しい
補助照射野で高線量域を抑え、乳房内の線量均一性を改善します。
e|誤り
浸潤癌では再発減少に加え長期の乳癌死低下が示されています。DCISの生存評価と混同しません。
判断のポイント
50Gy/25回は従来の標準的全乳房処方で、field-in-field法は高線量域を減らして均一性を改善する。DCISも照射の対象になり、浸潤癌では長期的な乳癌死の低下が示されている。
鑑別・注意点
現在は寡分割も広く用いられる。腋窩を一律にCTVへ含めず、転移状況と腋窩郭清・センチネル生検の範囲、所属リンパ節照射の適応を評価する。
放射線科専門医試験 2016年度 問100
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問100
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
肺V20や平均肺線量等を確認し、肺臓炎リスク低減を図ります。
b|誤り
不要な計画休止は治療期間を延ばすため避けます。ただし重篤な毒性では安全性から休止・変更します。
c|標準でない
特定分子標的薬の同時追加を全例推奨する方法ではなく、標準レジメンを選びます。
d|通常ではない
腔内追加は潰瘍・瘻孔等のリスクがあり、根治CRTで日常的に行うとはしません。
e|過大な一般化
通常は50.4〜60 Gy程度等の治療体系を用い、70 Gyを一律の至適線量としません。
判断のポイント
食道癌の照射では正常肺が線量を受けるため、V20や平均線量などのDVH指標を評価する。肺臓炎のリスクを下げるよう計画を最適化する。
鑑別・注意点
予定された不要な休止は避ける一方、重い有害事象では安全性を評価して休止や変更を判断する。標準総線量は地域・治療目的で50.4〜60Gyなどが用いられ、一律70Gyや日常的な腔内追加照射とはしない。
放射線科専門医試験 2016年度 問101
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問101
解答例:判定保留(旧答案d、eも要確認)
選択肢別の解説
a|範囲の定義が必要
頸部食道傍節を指すなら領域に含みます。頸部の全リンパ節群が一律領域という意味ではありません。
b|領域に含む
食道に沿う所定の縦隔節を所属として扱います。
c|領域に含む
胃噴門周囲の所定の節は食道のリンパ流領域に含まれます。
d|非領域候補・保留
鎖骨上窩は頸部食道傍と別の部位で、旧想定解ですがeとの原文範囲照合が必要です。
e|非領域候補・保留
腹部大動脈周囲は腹腔動脈周囲と同じでなく、後者が領域という理由で本肢を正しいとはできません。
判断のポイント
UICCでは頸部食道傍から腹腔動脈周囲までの食道のリンパ流領域を領域リンパ節として扱い、鎖骨上窩との区別が必要となる。一方、腹腔動脈周囲と腹部大動脈周囲は同じ領域ではない。
鑑別・注意点
旧解説の「鎖骨上窩が遠隔だから腹部大動脈周囲は領域」という推論は成立しない。dとeの定義・範囲を第7版の原文で照合する必要があり、単一正答を確定せず保留とする。
放射線科専門医試験 2016年度 問102
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問102
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
増殖の速い粘膜上皮の障害で、照射中から下痢等が生じます。
b|正しい
晩期の線維化・狭窄・癒着等が腸閉塞の原因になります。
c|典型的でない
蛋白漏出は慢性粘膜・リンパ系障害等で問題となり、代表的早期反応としては選びません。
d|一般化が不適切
小腸は感受性・照射体積等で重要なリスク臓器で、大腸の方が一律に多いとはしません。
e|一律には誤り
水分・栄養や止痢等の支持療法が基本で、急性反応すべてにステロイドを定型投与しません。
判断のポイント
粘膜上皮の障害による下痢は急性反応、線維化や狭窄・癒着による腸閉塞は晩期反応として整理する。線量と照射体積、併用薬、手術歴がリスクに影響する。
鑑別・注意点
症状だけで放射線障害と決めず、感染、薬剤性、腫瘍再発、機械的閉塞なども評価する。支持療法を基本とし、急性反応なら全例ステロイドを投与するという扱いはしない。
放射線科専門医試験 2016年度 問103
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問103
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
192Irは高線量率の遠隔後装填腔内治療で用いる代表線源です。
b|通常は誤り
IB期全体では外照射と小線源治療の組合せを基本とし、小線源単独に一般化しません。
c|器具の位置が逆
子宮腔にはタンデムを入れ、オボイドは腟円蓋部へ配置します。
d|歴史的指標として正しい
B点は骨盤側壁・閉鎖節領域の線量の目安です。実際の各節線量を正確に代表する値ではありません。
e|一律値として不適切
早期例の成績は病期定義・治療法等で異なり、IB期の標準的根治成績を一律70%に固定しません。
判断のポイント
192Irは高線量率腔内照射の代表的線源である。従来のB点は骨盤側壁・閉鎖リンパ節領域への線量の目安として用いられ、子宮内に入れるのはタンデム、腟円蓋に置くのはオボイドである。
鑑別・注意点
B点は実際の各リンパ節線量を正確に示すものではなく、現在は三次元の標的・正常臓器線量を評価する。ⅠB期の根治治療も外照射と小線源の組み合わせが基本である。
放射線科専門医試験 2016年度 問104
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問104
解答例:c(代表的頻度の比較)
選択肢別の解説
a|起こり得る
尿路の晩期線維化で狭窄を生じ、排尿症状の原因となります。
b|起こり得る
直腸粘膜の晩期障害として潰瘍・出血が問題になります。
c|比較上低頻度
恥骨骨折は代表的尿路・粘膜・性機能障害より少ない項目です。ただし照射後不全骨折自体を否定しません。
d|起こり得る
勃起機能等が低下することがあり、年齢・内分泌療法等の影響も考慮します。
e|起こり得る
晩期膀胱粘膜障害で出血を来すことがあり、膀胱線量を管理します。
判断のポイント
前立腺外照射後は尿路狭窄、直腸障害、性機能障害、出血性膀胱炎などに注意し、恥骨骨折はこれらと比較して代表的な有害事象ではない。
鑑別・注意点
骨盤の不全骨折自体は照射後に生じ得るため、骨折を否定する説明にはしない。部位、照射範囲、年齢、骨粗鬆症、ホルモン療法でリスクが変わり、疼痛では転移との鑑別も必要になる。
参考文献
放射線科専門医試験 2016年度 問105
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問105
解答例:c(出題時の国内指針)
選択肢別の解説
a|該当しない
手術と薬物療法が中心で、術後9日以内の照射開始を全例の原則とする腫瘍ではありません。
b|該当しない
リスク群と導入療法・手術・移植等の治療段階に応じ照射し、この日数を定型条件とはしません。
c|出題当時の正しい想定
術後照射を要するWilms腫瘍では早期開始が重要で、国内の旧指針の9日以内に対応します。現行プロトコルの期限と区別します。
d|該当しない
原発部位・病期・化学療法に合わせ照射時期を決め、術後9日の一律規則ではありません。
e|該当しない
導入療法と手術・局所照射の組合せで計画し、Wilms腫瘍の旧開始期限とは異なります。
判断のポイント
Wilms腫瘍で術後照射が必要な場合、局所制御のため早期開始を重視し、出題当時の国内指針には術後9日以内という目安が示されている。
鑑別・注意点
すべてのWilms腫瘍に照射するわけではなく、病期、組織型、術中破綻などで適応を決める。現在の国際的プロトコルには10〜14日以内などの基準もあり、9日を普遍的な境界として扱わない。