【更新情報】
- 2019年7月23日 100修正
- 2019年8月17日 45修正
2017年に実際に専門医試験を受けられて合格されたペンネーム
の先生方に解答作成を手伝っていただきました。ありがとうございました。
解答ここはこうじゃないかなどございましたら、一番下のコメント欄に記載いただければ幸いです。
基礎(1-15)
1,
1,正解:b
- 肺小細胞癌の治療に用いられています。肺癌放射線治療については放射線科専門医試験対策「治療・肺癌」にまとめてみました。
2,
2,正解:d
3,
3,正解:a
- 半数致死線量はヒトでは約4Gyとされています。
- 1桁→骨髄死 2桁→腸管死 3桁→中枢神経死
- 過去問で問われた知識の組み合わせ問題でした。放射線科専門医試験対策「被ばく」にまとめてみました。
4,
4,正解:b,d
- 放射線治療における4つのRのうち、
・再酸素化 Reoxygenation:分割照射をすることにより、腫瘍細胞のうちの放射線抵抗性の低酸素細胞に再酸素化が起こり、酸素効果により、放射線感受性が高まっていく。
・細胞周期内での再分布 Redistribution:分割照射をすることにより、1回の照射で生き残った感受性の低い細胞周期にいた細胞が他の感受性の高い細胞周期に移行していく。
の2つはいずれも放射線感受性を高める、という意味で抗腫瘍効果の増強と考えてよいのではないでしょうか。
ちなみに4つのRの残り2つは
・亜致死障害からの回復 Repair
・再増殖 Repopulation
です。
5,
5,正解:d
6,
6,正解:d
NaI(Tl)シンチレーション検出器
ガンマ(γ)線測定装置として、微量のタリウム(Tl)を含むヨウ化ナトリウム(NaI)の結晶からなるシンチレーション検出器を通称NaI(Tl)シンチレータと呼んでいる。(中略)シンチレータは、(1)シンチレーションの減衰時間が短いので、分解時間の小さな速い計測ができる、(2)蛍光量と吸収エネルギーの比例関係からエネルギー測定ができる、などという利点がある。
原子力百科事典ATOMICA より引用。
電離箱線量計
電離箱線量計では入射放射線によって作られた全電荷を求めることができる。(中略)電離箱線量計は吸収線量の測定に利用されている。
7,
7,正解:c,e
- T1で高信号:脂肪、亜急性期の出血など
- T1で低信号:液体成分など
- T2で高信号:嚢胞や壊死などの液体成分、脂肪
- T2で低信号:出血、石灰化、繊維化など です。
8,
8,正解:b(採点除外)
aとeの選択肢が完全に同じであったため、採点を除外しますと試験中にアナウンスがありました。光子線(X線、ガンマ線)と物質の相互作用(光電効果、コンプトン効果、電子対生成、光核反応)に関しては頻出ですので押さえておきましょう。
9,
9,正解:a,b
過去にも出題されています。
被曝を低減するには
- 透視時間を短縮する。
- 患者をX線管球からはなるべくはなし、検出器には近づける。(皮膚線量は線源からの距離の二乗に反比例するし、人体を通過した後も距離の二乗に反比例して減水するため、検出器から離すとフィードバック機構により被爆増加)
- 管球前面に付加フィルターを装着する。
- 寝台をガントリーの中心におく。
- 線量率の低い透視モードにする。
- 拡大透視を使いすぎない
- 管球前面に負荷フィルターを装着する。
- 撮像では秒間フィルム数を減らす。
- アンダーチューブを使う(オーバーチューブでは術者の上半身の被爆が増加するため)。
- パルス透視機能のパルスレートを減らす。
などです。ちなみに、体の厚い患者では線量率がたかくなり、斜位や側面での撮像をする場合も線量が増加する。
10,
10,正解 c,e
- c.e. :〇 遺伝的影響に関してはまだ確認されていないともされているが。a,b,dが確定的影響なので〇でよいと思われる。胎児のみならず、放射線被ばくによる確定的および確率的影響については頻出なので抑えておくべきであろう。発癌と遺伝的影響が確率的と覚えておけばだいたい過去問には対応できる。掘り下げると発癌の潜伏期間について問われることがあるが、固形癌は10年以上、白血病のみ2~3年以降と覚えておけばおおむね大丈夫と思われる。
11,
11,正解 d,e
- d.e. CT検査の被ばく低減に関しては、過去問では他にもピッチファクターを大きくする、AECを調整する、といった選択肢が挙げられている。多相撮影を行えばその分被曝が増える。患者(撮影したい部位)をガントリーの中心に置けばその分FOVを小さくでき、少ない被曝で空間分解能の高い画像が得られる。
12,
12,正解 b,d
- b.d. 日本医療安全調査機構のホームページによると「医療事故」の定義は、
①すべての病院、診療所(歯科を含む。)又は助産所に勤務する医療従事者が提供した医療に起因する(又は起因すると疑われる)死亡又は死産
②医療機関の管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったもの
とされていました。解剖やAIの必要性はないと思われる。
13,
13, 正解:c
- 直前のステロイド投与は臨床的にこれまでよく行われていましたが、6時間以上前に投与するのが望ましいとされています。試験前に学会から情報が出ています。
関連)ヨード造影剤ならびにガドリニウム造影剤の急性副作用発症の危険性低減を目的としたステロイド前投薬に関する提言
14,
14, 正解:c,e
電子保存の三原則
- ①真正性
- ②見読性
- ③保存性の3つ。
①は誰が書いたか、修正したかがわかること、②は誰でも読めること、③は決められた期間データがなくならないようにすること。
15,
15, 正解:a
- a. 医療情報標準化の一環としてのDICOMなので、同義という部分が間違い。
診断(16-70)
16,
16,正解:c,e
- おそらく新作。
17,
17,正解:e→d
2018/07/13追記。
2016-17の焼き直しです。
→出血を伴う場合は、c,eとなりますが、そうでない場合は、d。
びまん性軸索損傷
- びまん性軸索損傷で出血を伴わない場合、早期検出に有用なのはDWI。
- びまん性軸索損傷の30-50%で微小な出血を伴い、この場合は、T2*強調像、SWIが有用で点状の低信号を示す。
参考)よくわかる脳MRI 第3版 P698
Y先生ありがとうございます!
18,
18,正解:a
- Early CT signについての出題。脳梗塞の出題は2015-16以来です。Early CT signは2010-26にも出題あり。
- fogging effectは脳梗塞発症後2週間前後で、等吸収になるCTで認める所見。
19,
19,b>d(難問)
- 聴神経鞘腫の石灰化は非常に稀(よくわかる脳MRI第3版より)、びまん性星細胞腫の石灰化の頻度は低い(約20%)(新頭部画像診断の勘ドコロより)です。
- 聴神経腫瘍との鑑別が一番問題になってくる(同じく内耳道口に好発する)髄膜腫は石灰化の頻度が高く、びまん性星細胞腫と鑑別が必要な(同じくglioma系の)乏突起神経膠腫は石灰化の頻度が高いです。cとdにこの2つのglioma系の乏突起神経膠腫とびまん性星細胞腫が並べてある、という点からは、dを選んで欲しいのかもしれませんが、聴神経鞘腫の方が頻度としては低そうです。意図が読みにくく、そしてbが正解であればdはもう少し石灰化の多い腫瘍にしていただきたかった一問です。
20,
20,正解:c
- 2014-26の焼き直しです。多発していたらNF2を疑って造影MRIが必要です(NF2に合併する脳病変は、造影しないと見えないものが多い)。
- 周囲に浮腫を伴う場合は、単にサイズが大きい、脳実質を圧排している(特に皮質静脈を圧排する)時です。
- 悪性髄膜腫は稀で、画像のみで良性との鑑別は難しいことも多いようですが、CT上は①extracranial mass②osteolysis③intracranial tumourを3徴として報告しているものがありました
21,
21,正解:d
- 2016-22の類題でしょうか。
- ADCが低下する(=水分子が動きにくくなる)病態は①粘稠度↑②細胞密度↑③細胞性浮腫の3つです。それぞれ①膿瘍②悪性腫瘍③急性期脳梗塞、などが当てはまり、DWIで高信号となります。
22,
22,正解:d
その他の選択肢はすべて骨病変なのでCT firstです。上半規管裂隙症候群は「上半規管を被っている中頭蓋窩天蓋や上錐体洞近傍の上半規管周囲に骨欠損を生じ, 瘻孔症状, Tullio現象, 難聴などさまざまな臨床症状を来す疾患単位」だそうです。もちろん試験が終わるまで知りませんでした(笑)
23,
23,正解:a,d
- 2014-16とほぼ同一問題です。
- 上咽頭癌のステージ分類(特にT分類)は頻出です。治療の問題でも頻回に出題されます。上咽頭癌は解剖学的にアプローチが難しいからほぼ手術適応がなく、CRTが治療の主役だからよく出題されるらしいです。放射線科専門医試験対策「治療・頭頸部」にまとめてみました。
24,
24,正解:e
25,
25,正解:c,d
- 2011-28の焼き直しです。
- a,b→副甲状腺機能亢進症が骨膜下骨吸収、軟部組織の石灰化です。骨膜骨形成は疲労骨折です。
- e→三角フラスコ変形は大理石病
26,
26,正解:a
本によって記載も少しずつ異なっており、一つ一つを詳細に憶えるのは難しいですが、「20歳未満の悪性骨腫瘍は神経芽細胞腫の骨転移か、骨肉腫、Ewing肉腫の3つ」という記憶で解きました。
27,
27,正解:d
非骨化性線維腫はdon’t touch lesionなのでCodman三角のような悪性度の高い骨膜反応は出ないと思います。
28,
28,正解:c,d
- 2012-20の焼き直しです。
- 内軟骨腫は、骨内に発生する硝子軟骨性病変なので浮腫なし。2012-20ではそのほか浮腫を来す疾患として、Brodie膿瘍、ストレス(疲労)骨折が挙げられています。他、好酸球性肉芽腫も良性腫瘍ですが浮腫を伴います。
29,
29,正解:c
- 2016-29で化膿性脊椎炎が(問題文には明示されていませんが結核性脊椎炎と対比して)出題されており、焼き直しです。この2問の選択肢を照らし合わせて整理しておきましょう。
- 結核性脊椎炎の特徴は、石灰化、cold abscess(感染徴候に乏しく巨大化しやすい)、3椎体以上の病変、胸腰椎移行部や胸椎に多い、椎間板は保持され穿破は後期まで起こらない、などです。
- もっと昔の問題だと2008-33も椎間板への進展などがキーワードで出題されています(そこまで昔のなんて、、、やりませんよね!?)。
30,
30,正解:b,c
- 頻出です。そのほか、肩甲骨や胸骨、棘突起、肋骨の中では第1肋骨や背側肋骨が特異的です。小児でも骨軟部でも出題されるので詳しく憶えておきましょう。
31,
31,正解:d
32,
32,正解:e
- 2012年までは頻出だった肺葉外vs肺葉内分画症の焼き直しです(2012-37,2011-36など)。
なんと5年ぶりの出題!
33,
33,正解:c,d
- a,b→大葉性肺炎なので×。大葉性肺炎は、肺炎球菌・肺炎桿菌(クレブシエラ)・レジオネラを暗記しておけばOK(2011-32出題あり)。
- e→スリガラス影が主体。
34,
34,正解:c
- 2014-38で喫煙関連疾患が出題されています。選択肢はかぶっていませんが、2012-31で石綿曝露で見られる画像所見(下肺野末梢網状影)が出題されています。敢えて挙げるとすれば2006-53改題かと(もちろん、そこまで解いてませんから!)。
35,
35,正解:d,e
- a専門医試験的には「CPA=肺胞蛋白症」
- b胸膜外病変
- cABPA
- 胸部はsignが頻出です。過去問に出ていたものの多くは臨床画像2016年10月増刊号「放射線科医必携 単純X線サイン集」に写真と解説がありますので、胸部だけでも一度目を通してみるのもおすすめです。
36,
36,正解:e
- e以外は「気管支 病名」で検索すると出てきます。b,cは気管支内に発生しうるものとして有名でしょうか。
37,
37,正解:c,e
- cの大動脈下リンパ節(#5)は対側縦隔にしかなく、N3です。左肺癌であれば#5はN2になっていました。
- 肺癌の取り扱い規約(第8版)が2017年1月に変更されましたが、学会からは「試験の出題はUICC-TNM分類は第7版に準拠して出題」と事前に通知があり、古くなってしまったTNM分類を覚えて行きましたが、そういった事情に配慮されたのか、新旧で変更のなかったN分類の出題でした。
38,
38,正解:c
- cは上中肺野優位、それ以外は下肺野優位。
39,
39,正解:e
ABPAについては以下を参照。
【症状】
この病気は喘息を持っている患者さんに発症します。症状は喘息発作と同様で咳や痰、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)などですが、通常の喘息患者さんと比較してお薬がなかなか効きにくいことが多く、重症例では発熱や食欲不振、血痰や喀血、息苦しさなどを伴います。
【検査】
胸部エックス線では肺炎とよく似た影がみられ、胸部CTでは気管支の内側に痰が詰まったり(粘液栓)、気管支が拡張した変化がみられることがあります。また血液を用いたアスペルギルスに対するアレルギー検査などで診断の確定を行います。日本呼吸器学会HPより引用
40,
40,正解:b,e
- dについては根拠となりそうなソースを見つけられませんでした。
- e:
心電図同期管電流変調法やプロスペクティブ心電図同期撮影により、その他の心位相における被曝を低減もしくは省略でき、50% もしくは90% 程度までの合理的な被曝低減が可能となる。
心臓 CT に変革をもたらす最新技術より引用。
41,
41,正解:e
関連)国立循環器病研究センター 足潰瘍・壊疽患者のカテーテル治療による血流変化を検証
42,
42,正解:c
- 4種類のエンドリークについてはこのサイトが簡潔にまとまっています。
43,
43,正解:c
一般に慢性肺血栓塞栓症では, 急性例に認められるcut-off signやfilling defectsとは異なり,
1. pouch defects,
2. webs and bands,
3. intimal irregularities,
4. abrupt narrowing,
5. complete obstruction といった所見が特徴的とされる.千葉大学呼吸器内科HPより引用。
ですので、intimal dilatationのcが誤りと思われます。
44,
44,正解:d
- 腰仙椎部の硬膜拡張症というのはあるが、脊柱管狭窄はない。
関連)マルファン症候群
45,
45,正解:d?→c
- a.の選択肢の根拠はガイドラインより。”推奨グレード B MRIは乳癌の広がり診断において勧められる。”
- c:誤り。MRIでは同定できません。
らっちょ先生ありがとうございます!!!
46,
46,正解:a,b
- 第6回千葉乳房画像研究会資料 ガイドラインについて
- 選択肢d,eについてはこちらに画像あり。
47,
47,正解:c
- 内部は等から高エコー(線維腺腫より高エコー)を呈し、後方エコーは増強する。
48,
48,正解:b
- 選択肢a,b,dについては原裕子先生の日獨医報記事「新生児の胸部画像診断」にまとまっています(画像あり)。
RDSの単純写真(図2)では、肺は均一な含気不良を示し、網状顆粒状影(reticulogranular pattern)とairbronchogramを認める。これは虚脱した肺胞に空気を含む終末細気管支が重なって描出される所見である4)。肺胞が虚脱することにより肺容積は減少する。重症度によってすりガラス状陰影からwhite-outまでを呈し、単純写真上の重症度はI~IV度に分類されている(Bomsel分類)(図3)5)。
新生児一過性多呼吸 ”単純写真では、肺血管陰影増強、肺門から両側対称性に広がる索状影、網状影が特徴的で、ときに葉間胸膜の肥厚や胸水を認める9)(図5)。
CPAMの画像所見は片側肺の一部に存在する単房/多房性胞性病変である。病変の存在部位や広がり、性状、胞の大きさはさまざまで、これらの評価に胎児MRIやCTは有用である。
新生児の胸部画像診断より引用
49,
49,正解:c
- c の triple bubble signは空腸閉鎖。
50,
50,正解:b
- 舟状頭蓋は矢状縫合の早期癒合による
- Lacunar skullについて
- Langerhans cell histiocytosis (skeletal manifestations)について
- bevelの意味は、斜角・傾斜、など。
”典型例では両側冠状縫合早期癒合に伴う短頭蓋変形を呈する。他にも舟状頭蓋、三角頭蓋、塔状頭蓋、クロバーリーフ症候群を示すこともある一方で、生下時にははっきりせず成長に伴い頭蓋変形が出現してくることもある。
小児慢性特定疾患情報センターHPより引用。
51,
51,正解:c
- 高分化型HCCでT1WIで高信号を呈するのは、腫瘍内に含まれる脂肪成分やFe,Cu,Zn,Mnなど金属沈着によるT1短縮効果を反映している。
52,
52,正解:d
- 腹水が多量にあると胆管・膵管の観察は難しそうです…。
53,
53,正解:a,b
- dを落としていいかどうか自信はありません。
54,
54,正解:c
下膵十二指腸動脈は通常は上腸間膜動脈から分岐する。
55,
55,正解:c,d
- 膵仮性嚢胞 原因を考慮すると、女性に好発すると考える理由はなさそう。
- 膵類上皮嚢胞 男女差なし
- 膵粘液性嚢胞性腫瘍 大部分が女性
- solid-pseudopapillary neoplasm 若年女性に好発
- IPMN 高齢の男性に多い
56,
56,正解:c→b
- a:上行結腸は一部が漿膜に囲まれていますので、外膜を有します。
- c:トライツ靭帯は横行結腸の右脚につき、十二指腸を固定しています。しばしば小腸閉塞の原因となります。上端が腹腔動脈や上腸間膜動脈につくなど様々なバリエーションがあるようです。下腸間膜動脈とは場所的に少し離れていると思われます。
- d:食道の生理的狭窄部位は、食道起始部、気管分岐部、横隔膜貫通部です。
- *全く同じ問題はでませんが、過去問の選択肢のひとつが入っている事が多いので、解剖に自信のない方は過去問をその部分だけでも多めに勉強しておくといいかと思います。(特に消化器と泌尿器)
2018/08/15追記
b 右胃動脈は総肝動脈から分岐することが多い。
は①固有肝動脈(52%) ②左・中肝動脈(21%) ③胃十二指腸動脈(16%) で総肝動脈は1.5%となっています(腹部血管のX線解剖図譜)。bが誤りで回答ではないでしょうか。
c 下腸間膜静脈は Treitz 靱帯の外側辺縁部を走行する。
なお、cについては解説はIMAについて記載されていますが、IMVは Treitz 靱帯外側から脾静脈に合流すると思うのですが、いかがでしょう。教科書とかの明確な記載は見つかられなかったですが…。
cについては、IMVですので、正しそうです。ただし、明確な記載は見つかりません。
たくろー先生ありがとうございます!
57,
57,正解:c,e
- a:右前斜位
- b:検査前は絶飲食(バリウムの付着が悪くなるので)
- d:圧迫法では、前庭部、胃角部、体下部をみます。
58,
58,正解:b,d
- 過去にもcrohn病と潰瘍性大腸炎の疾患特性について問う問題がでています。
Chron病 | 潰瘍性大腸炎 | |
好発部位 | 回盲部、全消化管 直腸病変は稀 |
直腸より口側に連続性 |
主な内視鏡、X線所見 | 敷石像(cobblab stone appearance) 縦走潰瘍 非連続性病変(skip lesion) |
偽ポリポーシス 鉛管像 ハウストラの消失 |
合併症 | ろう孔、狭窄 | 中毒性巨大結腸症 原発性硬化性胆管炎 |
59,
59,正解:d
- 拡散強調画像で拡散制限により高信号となるのは、
①細胞密度が高い
②浮腫
③粘稠度が高い組織です。
正常組織でも、卵巣やリンパ節、子宮内膜等は高信号になります。
60,
60.正解:a,e
- a:
腎動脈は一般に約5本の枝に分岐する。これらの分枝は、それぞれ、終動脈で、各枝の分布域は他の分布域との間に吻合をもたない。このような各動脈を区域動脈といい、各分布域を腎区域という(慶大解剖学HPより引用)。
b:尿管は総腸骨動脈の腹側を走行しています。UAV(尿管、動脈、静脈)の順で並んでいます。
- c:
主な臓器の流入リンパ節は次のようなものであるが、実際には個人差も多い。(中略)膀胱 → 内腸骨リンパ節(上面は外腸骨リンパ節)(知っておきたい泌尿器のCT・MRI(学研メディカル秀潤社)p352より引用)
- d:右副腎静脈はそのまま下大静脈、左副腎静脈は左腎静脈に合流。過去問で頻出です。
- e:こちらのサイトがわかりやすいです→尿を体外へ排泄する 下部尿路(膀胱、尿道)
61,
61,正解:a
- b:後部尿道弁は先天性の疾患で、新生児期に重い水腎症や膀胱の腫大を来します。胎児の尿道が拡張しているのが特徴的な所見です。
- c:先天性の尿路奇形として最多です。
- d:下大静脈の後ろを尿管が走っているため水腎を来す。
- e:こどもの水腎症の原因として最多で、水腎症の原因の70-80%は腎盂尿管移行部狭窄。
62,
62,正解:b
- flow void=血流あるいはCSFの流れのために発生する信号消失。他に、脳動静脈奇形、もやもや病などでも認められる。
63,
63,正解:a,d
- a:正解;過去問の焼き直し
- b:精巣腫瘍のリスクが5倍程度上昇
- c:生後6ヶ月から2歳で手術
- d:その通り
- e:生後6ヶ月までに陰嚢内に。1歳以降は下降してくる事はほぼない。
関連)日本泌尿器科学会HP
64,
64,正解:d
- 膿瘍の拡散制限によりADC値は低下する。
65,
65,正解:a
- 重複子宮には尿路奇形を伴う事が多いそうです。片側腎欠損が多い様なのでこの中の選択肢で選ぶならaでしょうか?産婦人科学会によれば、とにかく重複子宮を見つけたら腎盂造影を施行する様勧めています。
関連)
66,
66,正解:a
- b,c,e:子宮がんのリスクとなるため必要。
- d:内膜の厚さを判断するため必要。
67,
67,正解:d
- 子宮内膜症の特徴は繰り返す出血による癒着であり、dが正解です。
- 子宮内膜症の癒着に関しては頻出です。
68,
68,正解:d
69,
69,正解:e
- 過去問の焼き直しです。
- d:門脈本幹の塞栓では適応にならない。
70,
70,正解:a,d,(c?)→a,c
- b:ゼラチンスポンジの効果は約2-6週間続く(7ヶ月持続した例もある):血管塞栓術に用いるゼラチンスポンジのガイドライン 2013より
- c: 「5F 0.035inch」で検索すると、5Fカテーテルと0.035inchガイドワイヤーの使用は可能と思われます。5Fカテーテルには他サイズのガイドワイヤーも使用可能なので、0.035inch「のみ」使用するという意味であれば誤りですが…。
- e:大腿動脈下1/4レベルで穿刺。頻出です。
2018/08/15追記
c 5F カテーテルには 0.035 inch ガイドワイヤーを使用する。
d 総肝動脈の選択にはループ型カテーテルの使用は避ける
これも文献や教科書は見当たりませんが、dのループ型は総肝動脈の選択または内腸骨動脈の選択(留置)に用いるRHやモーリーなどのカテーテルのことではないでしょうか。ガイドワイヤーについては0.038というものもわずかにあるみたいですが、その他では0.025” が扱っているみたいです。0.018についてはmicro用と思われます。https://www.terumo.co.jp/medical/equipment/me199.html
わざわざ小さいワイヤーを使う意味もあまりないと思うので、概ね0.035でいいような気がします。
以上より正解はaとcと考えますがいかがでしょうか。
調べてみました。
ループカテーテル:腹腔動脈で使用すると総肝あるいは固有肝動脈までガイドワイヤーを用いずに進めることができる。機材・器具の種類と使用方法 – 日本IVR学会
とありますのでおっしゃるように、a,cで良さそうです。
たくろー先生ありがとうございます!
核医学(71-85)
71,
71,正解:a
- a→10分。半減期は毎年出題されます。
72,
72,正解:d
- 脳槽シンチグラフィなので髄注です。
関連)放射線科専門医試験対策「核医学・神経受容体・脳槽シンチ」
73,
73,正解:a,c
- 肝胆道系はこちらにまとめてみました。
- b→脳血流、c→脂肪酸代謝、e→ベンゾジア「ゼ」ピン(イオマ「ゼ」ニルと関連づけて憶えます)
74,
74,正解:a?
- b,腎動態シンチ、静注後経時的に撮像。
- c,3相骨シンチが可能。
- d,唾液腺シンチやメッケル憩室シンチでは30分間撮像。
75,
75,正解:e
- 131I-adosterolは溶媒にエタノールが使われているので、急速投与すると副作用(悪心など)を起こすことがある。そのため、生理食塩水での希釈や30秒以上かけてゆっくり投与する必要あり。
76,
76,正解:e
- 99mTc-pertechnetateは甲状腺シンチ、唾液腺シンチ、メッケル憩室シンチで用いる。
77,
77,正解: a
- a:酸素代謝はPETを用います。
78,
78,正解 :c,d
- 過去問の焼き直しです。よく出る疾患の血流低下部位は下記です。
- Pick病:前頭・側頭葉
- 大脳皮質基底核変性症:左右非対称性の中心溝周囲、頭頂葉、基底核部
- Alzheimer病:後部帯状回、楔前部
- DLB:後頭葉+Alzheimer病パターン
- 進行性核上性麻痺:両側前頭葉
- パーキンソン病:大脳皮質全般
- 脳血管性認知症:前頭葉を中心に非対称性、不均一
しっかり覚えましょう。
79,
79,正解 :b
- 過去問の焼き直しです。以下、適応疾患をまとめておきます。AMIとOMI、拡張型心筋症と肥大型心筋症の引っかけはよく出るので注意。
- ①不安定狭心症
- ②冠攣縮性狭心症
- ③虚血性心筋症(心不全)
- ④AMI:OMIではミスマッチなく、両方低下
- ⑤肥大型心筋症
- ⑥ストレス心筋症
- ⑦拡張相肥大型心筋症
- ⑧ファブリ病、ミトコンドリア心筋症
- ⑨Ⅰ型CD36欠損症
- ⑩透析心筋障害
80,
80,正解:e
- 心筋バイアビリティの判定は様々なモダリティで可能である。安静心筋血流SPECT、心筋FDG-PET(PET/CTではない)、ドブタミン負荷エコー、遅延造影MRIなどがある。心筋血流SPECTを使う場合は、安静時に投与されたトレーサーが病変部にどの程度取り込まれるかでバイアビリティを判定する。
- a.b. 99mTc-MIBI、tetrofosmin :× 心筋血流を評価する薬剤。細胞内での保持にミトコンドリアの膜電位が関与しているため、遅延像撮影によって心筋のミトコンドリア機能障害・代謝障害を評価可能。通常再分布しないので安静時投与の遅延像では心筋バイアビリティは評価できないと思われる。
- c. 123I-BMIPP :× 心筋脂肪酸代謝を評価する薬剤。心筋血流-脂肪酸代謝の乖離から心筋バイアビリティを判定する。
- d. 123I-MIBG :× 心臓交感神経機能を評価する薬剤。慢性心不全、心筋症、パーキンソン病、糖尿病性神経障害、アミロイドーシスの診断に用いられるが、心筋バイアビリティの判定に使用するのは一般的ではない。
- e. 201TlCl :〇 心筋血流を評価する薬剤。能動輸送によって心筋細胞に取り込まれる。遅延像を撮影することによって、早期像では描出されない虚血残存心筋の存在を確認できる。
参考資料: BRAND NEW 心臓核医学(金原出版)
81,
81,正解:c
- a.99mTc-PMT :× 肝胆道シンチグラフィー。胆道系の疎通性を評価する。
- b.99mTc-DMSA :× 腎静態シンチグラフィー。腎皮質機能の評価に用いる。
- c.99mTc-DTPA :〇 腎動態シンチグラフィー。DTPAは糸球体で濾過され、再吸収されないためGFRの計測に使用できる。
- d.99mTc-MAG3 :× 腎動態シンチグラフィー。MAGは尿細管から分泌され再吸収されないため、有効腎血漿流量を評価できる。
- e.99mTc-pertechnetate :× 99mTcO4–のこと。甲状腺シンチグラフィー、唾液腺シンチグラフィー、メッケル憩室、副甲状腺シンチグラフィーに応用可能。
82,
82,正解:c
- c. 膵臓 :〇 FDG-PETにおける生理的集積は頻出問題。脳、頚髄、咽頭、扁桃、声帯、咬筋、女性の乳腺(特に授乳中)、胸腺、肝臓、膀胱、腸管、副腎、月経初期および排卵前後の子宮内膜、排卵前後の卵巣、精巣、褐色脂肪、骨髄などたくさんある。
83,
83, 正解:d
- 過去問通り。BACはGGNで集積はしにくい。FDGは10mm以下の病変には集積しにくい。
84,
84, 正解:c,d
- PETの保険適用は早期胃がんを除く悪性腫瘍で他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない患者、虚血性心疾患による心不全患者における心筋組織のバイアビリティ診断、又は心サルコイドーシスにおける炎症部位の診断が必要とされる患者、難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる患者の3つ。
- b. スクリーニングで用いてはいけません。
- c. 悪性リンパ腫に限っては治療効果判定に用いてよいことになっています。
- e. トリッキーな書き方ですが他の選択肢が明らかに正しいので×。早期胃がん、の診断名では保険通りません。
85,
85, 正解:c
- 89Srは骨転移の治療薬です。
- a,c. 骨シンチで集積のある骨転移に適応がある
- b. β線。α線なのは骨転移あり、内臓転移なしの前立腺癌に用いる223Ra。
- d. 投与量は体重から決める
- e. 投与後数日で一時的に疼痛が増悪することはフレア現象と言われるが、数日で落ち着き鎮痛効果がでてくる。治療抵抗性というわけではない。
治療(86-105)
86,
86,正解:b
- 細胞分裂が盛んな臓器ほど感受性が高い。
- 肝、腎上皮、唾液腺、甲状腺上皮は低い。
- 頻出問題です。
87,
87,正解:e
- a-d:密封小線源療法
- e:非密封小線源療法(静脈投与)。外来での治療が可能で、虚勢抵抗性前立腺癌に使用。半減期は11.4日で、4週毎に計6回まで投与可能です。α線放出核種です。
88,
88,正解:c
- c:全骨盤照射+腔内照射
- 過去問の焼き直し
- a:前立腺癌に対するSBRTは2016年4月より適応されました。
関連)各治療法について綺麗にまとまっています。→大船中央病院 放射線治療センターHP
89,
89,正解:d
- d;D95処方です。
- ちなみに、D95処方とはDVH上で、PTVの容積の95%を包含する線量(Gy)です。
- アイソセンター処方を行うのは通常照射の時です。
90,
90,正解:c
- c:通常照射で行います。
91,
91,正解:c,d
- a.髄芽腫の根治照射 :× 術後照射として全脳全脊髄に対して54Gy程度。化学療法と併用して、全脳全脊髄に23.4-25Gy、腫瘍床(もしくは後頭蓋窩)に54Gyの照射となる。
- b.直腸癌の術前照射 :× 本邦や米国では術前照射として化学療法と併用して45-50.4Gy程度となる。欧州のやり方では化学療法を併用せず、25Gy/5回という寡分割照射がメインとなっている。
- c.下咽頭癌の根治照射 :〇 化学療法(シスプラチンやセツキシマブ)と併用して70Gy/35回の根治照射を行う。
- d.前立腺癌の術後照射 :〇 術後照射で行う場合は60-64Gy程度の照射となる。術後PSA再発に対する救済照射では64Gy以上が望ましい。なお、術後ではない根治照射では70-80Gyとさらに高線量となる。
- e.肛門管癌の根治照射 :× 化学療法(5-FUとマイトマイシンC)と併用して54-59.4Gyの根治照射を行う。やむなく放射線治療単独にする場合は60-70Gy程度照射することもあるが、こういう問題では標準治療の場合で選択すると思うので、×であろう。
92,
92,正解:e
- a.若年発症は少ない。 :× 10-20歳代に好発する。
- b.10年生存率は約80%である。 :× 90~95%程度。ほぼ完治する疾患といえる。
- c.化学療法でCRの場合には放射線治療を省略する。 :× 奏功した場合は総線量を減らす向きもあるが、省略できるというエビデンスはない。
- d.化学療法でPRの場合は標準的照射範囲は全脳全脊髄である。 :× 基本は全脳室照射となる。播種がある場合や基底核原発の場合は全脳全脊髄となる。となるとこれも正解となりそうだが、eが正しいと思われるので相対的に×となるか。
- e.化学療法後の標準的投与線量は24Gy/12回/2.5週程度である。 :〇 24~40Gy程度となる。「少なくないか?」と思うかもしれないが、1995年から始まった「厚生労働省がん研究助成金による胚細胞腫に対する多施設共同臨床試験」ではジャーミノーマに対しては照射範囲を狭くし、線量を減らし(50Gyから24Gy)ても10年生存率97%であった。照射省略こそまだ難しいが、線量はどんどん減らしていく方向にあるようだ。
93,
93,正解:e
- a. 局所照射 :× 低悪性度神経膠腫や髄膜腫、少数転移性脳腫瘍に対する照射法。
- b. 全脳照射 :× 多発脳転移や悪性リンパ腫、播種のある胚腫に対する照射法。
- c. 全脳室照射 :× 播種のない胚腫に対する照射法。
- d. 拡大局所照射 :× 高悪性度神経膠腫に対する照射法。
- e. 全脳全脊髄照射 :〇 髄芽腫に対する照射法。
94,
94,正解:b
- b. 声帯全体 :〇 放射線治療計画ガイドラインに回答あり。これにセットアップエラーなどを追加して5cm×5cmの照射野になる。
95,
95,正解:c
- a. ソラフェニブ :× 根治治療不能の肝細胞癌、腎癌、甲状腺癌に対する薬剤。商品名ネクサバール。B-Rafキナーゼ活性やKIT受容体チロシンキナーゼ活性、VEGFRやPDGFRなどのマルチチロシンキナーゼ阻害剤である。現状放射線治療と併用することによるメリットは得られていない。
- b. クリゾチニブ :× ALK融合遺伝子陽性の切除不能非小細胞肺癌に対する薬剤。商品名ザーコリ。現状放射線治療と併用することによるメリットは得られていない。
- c. セツキシマブ :〇 大腸癌や頭頚部癌に対する薬剤。商品名アービタックス。EGFR阻害剤であり、頭頚部癌に対しては放射線治療との併用で放射線単独と比較しての上乗せ効果が知られている(Bonner試験:NEJM2006;354:567-78)。現場ではシスプラチン併用ができない患者に対して用いられていることが多いのでは。
- d. ベバシズマブ :× VEGF阻害剤。商品名アバスチン。大腸癌、非小細胞肺癌、乳癌、卵巣癌など多種の転移性腫瘍に対して承認されているが、放射線治療との併用のエビデンスはない。悪性膠芽腫に対する有望な薬剤とされており、放射線による脳壊死の治療にも用いられる。
- e. トラスツズマブ :× HER2阻害剤。商品名ハーセプチン。HER2過剰発現の見られる乳癌に対する薬剤であるが、放射線治療と併用することは一般的ではない。
96,
96,正解:b
- a. 甲状腺全摘後に行う。 :〇 残存甲状腺に対するアブレーションであろうと、術後再発や転移に対する治療であろうと全摘後に行うことが原則。
- b. 髄様癌は適応である。 :× 乳頭癌、濾胞癌といった分化癌のみが適応となる。
- c. 多発肺転移は適応である。 :〇 適応となる。転移巣にI-131集積が認められる場合は寛解も期待でき、ガイドラインでは推奨グレードAとされている。この場合は入院が必要な程度の放射線量を投与する必要がある(3700~5550MBq)。
- d. 治療の2週間前からヨード制限食を開始する。 :〇 甲状腺組織にヨードを取り込ませるためにヨード制限が必要。2週間程度前から低ヨード食の摂取が推奨される。
- e. サイログロブリン値が腫瘍残存状態と相関する。 :〇 甲状腺全摘術を受けた患者で,抗サイログロブリン抗体を同時に測定して陰性である場合,血中サイログロブリン測定は再発マーカーとして有用である。ガイドラインでも推奨グレードAとされている。なお、部分切除では再発マーカーとしての意義は乏しい。
97,
97,正解:d,e
- a. 肺野の腫瘤は定位照射の適応である。 :× 1期の話であり、3期では基本的に適応とならない。
- b. 線量計算に不均質補正を必要としない。 :× 線量計算に不均質補正を行わない場合、空気や肺のような本来放射線の吸収が少ない部位にも放射線が吸収される誤った計算をされてしまう。肺癌の治療のようなAirの多い部位の腫瘍の場合は不均質補正を必ず行うべきである。
- c. CRが得られれば予防的全脳照射を行う。 :× 限局型小細胞肺癌の話である。
- d. 60Gy/30回/6週が標準的線量分割である。 :〇 なお、これ以上の線量増加は合併症の増加につながり、予後は短縮されてしまうという臨床試験の結果が得られている(RTOG0617)。
- e. 腫瘍の呼吸性移動の把握には4D-CTを用いる。 :〇 深吸気および深呼気のCTを用いるといった方法や、透視で確認するといった方法もある。
98,
98,正解:a
- a. 肺のV20Gyが50% :× V20Gyとは20Gy以上照射される肺の相対体積のことである。これが35%を超えてくると症候性肺炎のリスクが高まるとされており、50%は適切ではない。逆に言うとこれくらい照射しないと腫瘍全体を含めることができないような進行食道癌であれば、根治照射適応外ということになる。
- b. 肺の最大線量が62Gy :〇 上記のV20Gyと違い、ピンポイントで62Gy照射される程度であれば問題とならない。
- c. PTVの平均線量が60Gy :〇 非常によいプランと言える。
- d. PTVの最低線量が57Gy :〇 肺内のPTVでは不均質補正を行うと60Gy入らないことも多い。57Gyは許容範囲内と言える。
- e. 脊髄の最大線量が35Gy :〇 脊髄のTD5/5を確認。47Gy以内であれば問題となることは少ない。
99,
99, 正解:b,d
- 問題文が乳房温存術後照射と書いて欲しいところですが…
- a, GTV=Gross tumor volume; 肉眼的腫瘍体積。術後で肉眼的腫瘍はない。
- b, 非浸潤がんも現在は適応と考えられていますが、70歳以上であれば省略してもよいという考え方もあります。
- c, これまでは50Gy/25frが一般的であったが、42.56Gy/16frでの寡分割照射のデータが日本でも出ている。ちなみに適応は浸潤癌・腫瘍径3cm以下。
- d, 術後照射をする目的がこれです。
- e. 術後病理がCRでも照射は行います。省略できるエビデンスがない。
100,
100, 正解:c→b
- 胃は放射線に弱いので胃粘膜障害や宿酔は起こりやすい。肝障害、腎障害(とくに左)は放射線が通るのでありえる。胃は横隔膜直下にあり肺底部に照射野がかかることがあり、肺臓炎は確率的事象なので起きてもよい。胃マルトリンパ腫を治療するような24-36Gyでは晩期障害は少ないのでcが正解と思われます。頻度として確かめられるデータは見つけられませんでした。
少なくともc. 放射線宿酔が答えということはないのではないかと思いますが、どうでしょうか(解説の冒頭にも宿酔は起こりやすいと書いてありますし・・・)。
JASTROのガイドラインで有害事象として記載がないのはb,eのようですが、リスク臓器には肺は含まれているので、b. 幽門狭窄の頻度が低いのかなと思いました。30Gy程度では幽門狭窄は起きにくいのではと思いましたが、自分は放射線治療はしないのでよくわかりません。
少なくとも放射線宿酔の頻度はそれなりにはあるという考えで良いのではと思いました。
放射線宿酔に関しては、がん・放射線治療2017には「悪心、嘔吐、倦怠感、眠気などが主体である。」「腸管を含む照射野、広い照射野ででやすいとされるが、筆者の経験では女性乳癌患者に多い。」と説明があります。私の経験でも放射線宿酔は乳癌患者のイメージが強いですが、、
私の経験になりますが、胃MALTの照射では悪心・嘔吐の頻度は高いです。ただそれが放射線宿酔によるものか胃粘膜障害によるものかはわからないですが。。
胃全体に照射するので照射範囲も大きく、放射線宿酔の定義を満たすのではないでしょうか?
30Gy程度であれば幽門狭窄まで起こるような線量でもないですし、私であればbを答えとするかなと思います。
放射線肺臓炎に関してですが、照射方法によって肝臓を避けるために肝臓に沿うように右尾側後方・左頭側前方から照射することもあり、そのような場合は肺にそれなりに照射されます。
らっちょ先生、やまだたろう先生ありがとうございました!!
101,
101, 正解:a
- a, 手術不能の局所進行食道癌は根治的CRTの適応
- b, 5cm以内で転移のない肝臓癌は体幹部定位放射線治療の適応。
- c, 局所進行膵臓癌は根治的CRTもしくは化学療法の適応。術前CRTも行われることがある。
- d, 直腸癌は欧米では術前CRTが標準的に行われている。
- e, 肛門管癌は根治的CRTの適応。
102,
102, 正解:c
- a, 限局期NK-Tcellリンパ腫はCRTで治療する。レジメンはDeVIC+RT。
- b, 脳DLBCLはMTX大量療法→RT。このとき通常の全脳照射よりもしっかり眼窩後部を含めるように計画すること。
- c, 濾胞性リンパ腫I期のこと。放射線単独で治療する。化学療法の上乗せにより再発率が低くなるエビデンスはない。
- d, 精巣DLBCLはR-CHOP→健側を含めたRT。再発予防として行われる。
- e, 扁桃原発DCBCLは通常のDLBCLと同様の治療となります。なのでR-CHOP±IFRT。
103,
103, 正解:a
- 骨髄破壊性全身照射は白血病などに対する造血幹細胞移植の前に行われ、患者の骨髄を破壊することと生着をよくする目的で行われる。全身に12Gy/6fr/3日という大線量があたることになる(半数致死線量は4Gyでしたね)。
- 線量率については、総線量14Gyを越えると有害事象が増えるため、5-10cGy/minが望ましい。線量率10cGy/minを越えるとIP発生率が上がると治療ガイドラインに記載がありました。
104,
104, 正解:a,c
- a, 中央遮蔽は3-4cm
- b,ステージによって全骨盤と中央遮蔽の線量は異なるが、外照射の総線量は50Gy。
- c, 腔内照射の治療計画をするときでも病変の広がりによって線量分布は工夫する。腔内照射のときにアプリケーターを入れた状態でCTを取り直して計画をする3次元計画も行われている。
- d, 閉鎖リンパ節は所属リンパ節なので含める。
105,
105, 正解:c,d
- a, 小腸線量と膀胱線量を下げるために、尿を貯めて照射する
- b,d, 低リスク例では放射線単独。中・高リスク例はホルモン療法を併用する。
- c, IMRTによって前立腺への線量増加をしつつ直腸線量を下げられるようになった。
- e, 晩期直腸出血のピークは治療終了後1年くらい。
2017年の5問めは、K40の影響が大きいと考えて、体内Kが約200g, K40の存在比が約1万分の1、K40の半減期が12.8億年、放射能A=個数N×崩壊定数λ、λ=Ln2/半減期から計算すると5151Bqくらい→dになりました。K40は花崗岩に含まれていて、花崗岩の多い関西は自然被ばくも多めときいたことがあります。
101について
cは限局性膵癌であれば2020年から適応と思われます