この年度の出題傾向
2017年度の掲載105問を分野別に整理すると、画像診断55問(52.4%)、放射線治療21問(20.0%)、核医学15問(14.3%)、共通14問(13.3%)です。共通の割合は、2005〜2025年の年平均より1.9ポイント高い構成です。テーマ例として、肺血管・慢性血栓塞栓性肺高血圧症、分割照射・加速過分割照射、神経核医学・DAT集積低下を伴う疾患を扱います。
2005〜2025年度の掲載解説を一問一分野で集計。平均は年度別構成比の単純平均です。公式配点や将来の出題数、正答率に基づく難易度を示すものではありません。
放射線科専門医・2017年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月18日:全105問を改訂しました。解答例は非公式です。問90は現在の適応では誤りを一つに決められず、判定保留としています。問17・34・65・69・70・88・91・94・100・101は条件や出題時点に注意してください。
解答作成にご協力いただいたひよっこ先生、浜田先生、Y726先生、RIVER先生、KOME先生に感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
問題番号から選ぶ
放射線科専門医試験 2017年度 問1
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問1
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
代表的な加速過分割の一回量より小さい。
b|正しい
小細胞肺癌の45Gy/30回などで用いる一回量である。
c|誤り
通常分割の代表量で、加速過分割の代表とは異なる。
d|誤り
寡分割側の量である。
e|誤り
通常の加速過分割より一回線量が大きい。
判断のポイント
小細胞肺癌の胸部照射では、1回1.5Gyを1日2回、総45Gyで行う加速過分割照射が代表的である。1回線量を小さくしながら全治療期間を短縮する。
鑑別・注意点
単なる過分割と加速照射は別の概念で、前者は分割数、後者は治療期間に着目する。1日複数回照射では正常組織の修復時間を確保する必要がある。
放射線科専門医試験 2017年度 問2
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問2
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
総効果にはα項にも一回線量が必要である。
b|誤り
二次項に線量の二乗がなくLQ式でない。
c|誤り
二乗するのは線量でありβではない。
d|正しい
一回の効果αd+βd²をn回分加える。
e|誤り
α/βを用いるBEDの式とも係数配置が異なる。
判断のポイント
LQモデルでは1回線量dによる細胞致死効果をαd+βd²で表す。分割間の修復が十分である等の仮定のもと、n回の効果はn(αd+βd²)となる。
鑑別・注意点
この式は生存率そのものではなく、生存率の負の自然対数に対応する。生存率はexp[−n(αd+βd²)]であり、再増殖や不完全修復を考える場合には追加の補正が必要になる。
放射線科専門医試験 2017年度 問3
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問3
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
数Gyの全身照射では感染・出血を伴う骨髄障害が主な死因となる。
b|誤り
この線量域の主要な急性致死機序ではない。
c|誤り
通常は骨髄死より高い線量域で問題となる。
d|誤り
通常は主要な半数致死の機序ではない。
e|誤り
さらに高線量の急性全身被ばくで問題となる。
判断のポイント
急性の全身被ばくで半数致死線量程度の線量域では、造血幹細胞の障害による感染・出血が主要な死因になる。さらに高い線量域では消化管障害、非常に高い線量域では神経血管系障害が支配的になる。
鑑別・注意点
半数致死線量は評価期間、治療の有無、年齢、被ばくの均一性に左右される。ヒトで約4Gyという値は代表的な目安であり、個人の予後をその値だけで判定しない。
放射線科専門医試験 2017年度 問4
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問4
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|誤り
腫瘍細胞再増殖はむしろ制御を妨げる。
b|正しい
低酸素細胞の酸素化が改善し次の照射に反応しやすくなる。
c|誤り
腫瘍細胞の生存を助け、殺細胞効果の増強そのものではない。
d|正しい
感受性の高い時相へ移る細胞が増え効果を高め得る。
e|誤り
修復は通常細胞生存を助ける方向である。
判断のポイント
再酸素化は低酸素で抵抗性だった腫瘍細胞の感受性を高め、細胞周期の再分布は生き残った細胞が感受性の高い時相へ移る機会を作る。これらは分割照射の抗腫瘍効果に寄与する。
鑑別・注意点
修復と再増殖は正常組織の保護にも関わる一方、腫瘍で生じれば治療効果を減弱させ得る。4Rをすべて腫瘍制御に有利な現象として扱わない。
放射線科専門医試験 2017年度 問5
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問5
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
成人全身の天然核種量として桁が小さすぎる。
b|誤り
K-40等の体内総量として小さすぎる。
c|誤り
通常の成人全身量より一桁程度小さい。
d|正しい
体格によるがK-40・C-14等で数千Bq程度となる。
e|誤り
通常の成人量より一桁程度大きい。
判断のポイント
体重約60kgの成人に含まれる自然放射性核種の放射能は、代表的な資料で合計約7,000Bqとされる。主な寄与は40Kや14Cで、通常の食事や代謝により体内に存在する。
鑑別・注意点
Bqは1秒当たりの壊変数を表す量であり、吸収線量Gyや実効線量Svとは異なる。体格や核種の組成により変わるため、すべての男性に同じ放射能があるという意味ではない。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問6
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問6
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
GMは吸収線量精密測定に不向きで、電離箱も分光の代表でない。
b|誤り
後者は分光できるが前者の線量測定が不適切である。
c|誤り
電離箱は適するがGMはパルス高がエネルギーに比例しない。
d|正しい
電離箱で線量、パルス高分析できるシンチレータでエネルギーを評価する。
e|誤り
GMをエネルギー分光に使う点が誤りである。
判断のポイント
電離箱は放射線が気体中に生じさせた電荷を測り、適切な校正と補正により吸収線量の評価に用いる。シンチレーション検出器は発光量に対応するパルス波高を利用し、入射エネルギーの分析が可能である。
鑑別・注意点
GM計数管は個々の放射線のエネルギーをパルスの大きさから区別する用途には適さない。計数、線量測定、エネルギー分光という目的を分けて検出器を選ぶ。
放射線科専門医試験 2017年度 問7
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問7
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
線維化は通常T2短縮により低信号となる。
b|誤り
通常は低信号・信号欠損となるが組成等で例外がある。
c|正しい
常磁性効果等でT1短縮を来し得る。
d|誤り
鉄沈着は低信号となりやすい。
e|正しい
亜急性出血のT1短縮を反映する。
判断のポイント
メラニンやメトヘモグロビンはT1短縮を起こし、T1強調像で高信号となり得る。線維化や石灰化は通常、T2強調像で低信号を示す。
鑑別・注意点
出血の信号はヘモグロビンの状態、細胞内外の分布、経過時間により変わる。ヘモジデリンは主に磁化率効果による低信号として捉え、出血なら常にT1高信号と一般化しない。
放射線科専門医試験 2017年度 問8
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問8
解答例:b(図の内容による解答例)
選択肢別の解説
a|誤り
入射は光子だが電子と光子の呼び名が逆である。
b|正しい
波状の入射Aが光子、直線的Bが反跳電子、波状Cが散乱光子である。
c|誤り
入射を電子とする点がCompton散乱の図に合わない。
d|誤り
光子が電子に一部エネルギーを渡す過程であり入射電子ではない。
e|誤り
aと同じ誤った呼称で、電子を反跳、光子を散乱と呼ぶ。
判断のポイント
コンプトン散乱では入射光子が電子にエネルギーと運動量を与え、反跳電子と散乱光子が生じる。原図の直線状の軌跡は電子、波線は光子に対応する。
鑑別・注意点
元記事には選択肢の重複により採点除外と案内された旨の記録があるが、公式な採点結果の確認とは区別する。ここでは物理現象に対応する解答例を示し、採点への扱いを確定情報として断定しない。
放射線科専門医試験 2017年度 問9
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問9
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
不要な照射領域と散乱線を減らす。
b|正しい
照射時間を短くして積算線量を減らす。
c|誤り
拡大透視は通常線量率増加につながる。
d|誤り
フレーム数増加は一般に線量を増やす。
e|誤り
入射皮膚を管球から離すのが基本となる。
判断のポイント
照射野を必要範囲へ絞り、透視時間を短くすることは患者線量の低減に有用である。不要な撮影・透視を減らし、診断や手技に必要な画質を保つ。
鑑別・注意点
高いパルスレートや拡大透視は線量増加につながりやすい。患者を管球から離し検出器へ近づける配置、追加フィルタや適切な線量モードなども組み合わせる。
放射線科専門医試験 2017年度 問10
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問10
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
組織反応として扱い閾値を考慮する。
b|誤り
組織反応として扱う。
c|正しい
遺伝性影響は防護上確率的影響に分類する。ヒトでの直接証拠の限界は区別する。
d|誤り
発達時期・線量に依存する組織反応である。
e|正しい
発がんは確率的影響としてリスクを評価する。
判断のポイント
放射線防護では、発がんと遺伝性影響を確率的影響として扱う。胎内被ばく後の小児がんは、細胞死による形態異常や発達障害とは異なる影響として整理する。
鑑別・注意点
ヒト集団で遺伝性影響の増加が明確に実証されているという意味ではない。流産・形態異常・中枢神経発達への影響は、被ばく線量と妊娠時期に依存する組織反応として評価する。
放射線科専門医試験 2017年度 問11
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問11
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
他条件固定なら通常出力・線量を増やす。
b|誤り
光子数が増え通常線量が上がる。
c|誤り
不要な追加相は積算線量を増やす。
d|正しい
等中心へ置くとAECとフィルタが適切に働く。
e|正しい
不要な撮影長を減らし積算線量を下げる。
判断のポイント
適切な中心合わせは自動露出制御やボウタイフィルタを正しく働かせ、線量と画質の最適化に寄与する。必要最小限の撮影範囲とすることで、被ばくする範囲と総線量を減らせる。
鑑別・注意点
中心合わせの効果を、表示FOVを小さくすることだけで説明してはいけない。管電圧・管電流の増加や不要な多相撮影は線量増加につながるため、目的と体格に応じて調整する。
放射線科専門医試験 2017年度 問12
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問12
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|誤り
必要性を個別判断し全例必須ではない。
b|正しい
病院だけでなく診療所も制度対象となる。
c|誤り
原則は管理者が予期しなかった死亡・死産である。
d|正しい
医療起因を疑う予期しない死亡・死産が対象である。
e|誤り
有用な場合があるが全例必須とはされない。
判断のポイント
医療事故調査制度は病院だけでなく診療所・助産所も対象とする。医療に起因する、または起因すると疑われる死亡・死産のうち、管理者が予期しなかったものが制度上の報告対象となる。
鑑別・注意点
解剖や死亡時画像診断は原因究明の手段だが、実施されていること自体を制度の対象要件にはしない。予期性の判断は単なる一般的な合併症説明だけで済ませず、法令と通知に基づいて確認する。
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2017年度 問13
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問13
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
血清Cr単独より腎機能を体格等と合わせ推定する。
b|正しい
可能な範囲で利益・リスクを説明する。
c|誤り
直前投与だけの予防効果は確立せず反応を防ぎ切れない。
d|正しい
適格な高リスク例で等張補液を検討する。容量過剰等には注意する。
e|正しい
喘息歴は過敏反応リスク評価に含める。安定していてもリスクゼロにはならない。
判断のポイント
造影剤投与の直前にステロイドを静注しても、急性副作用を十分に予防できるとはいえない。出題当時の学会提言も、直前投与を従来どおり有効な予防法として扱うことを見直していた。
鑑別・注意点
前投薬でも重症反応を防ぎ切れず、近年の指針は予防投与を積極的には推奨していない。既往反応の確認、代替検査・薬剤の検討、救急対応を優先する。補液も腎機能や心不全などに応じて適応を判断し、全員への一律投与としない。
放射線科専門医試験 2017年度 問14
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問14
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
利用者と責任を特定する真正性の管理である。
b|誤り
作成責任の確認により真正性を担保する。
c|正しい
障害時の記録消失を防ぎ保存性を確保する。
d|条件・比較に注意
記録の継続参照に関わるが、保存性2肢の代表としてはc,eを優先する。
e|正しい
媒体・サーバ更新後も記録を保持し利用できるようにする。
判断のポイント
保存性は、必要な保存期間にわたり記録を失わず、利用可能な状態を維持することである。停電などによる消失の防止と、サーバ更新時の画像データの継続利用が該当する。
鑑別・注意点
本人認証や作成責任者の承認は主に真正性に関わる。真正性・見読性・保存性は関連するが、各対策がどの目的を直接満たすかを区別する。
放射線科専門医試験 2017年度 問15
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問15
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
標準化には画像以外の診療情報・用語・通信も含まれる。
b|正しい
相互接続のため通信手順の共通化が必要となる。
c|正しい
医用画像と関連情報の国際的な規格である。
d|正しい
診療情報交換のメッセージ等に広く使われる。
e|正しい
異なる施設や製品間で情報を交換しやすくする。
判断のポイント
医療情報の標準化は画像だけでなく、患者情報、検査依頼、結果、診療文書、通信やデータの意味まで含む。DICOMによる画像情報の標準化はその一部であり、同義ではない。
鑑別・注意点
DICOMは画像と関連情報の保存・交換を扱い、HL7は診療情報の交換などを扱う。規格名の採用だけで相互運用が保証されるわけではなく、実装仕様や用語・識別子の整合も必要になる。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問16
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問16
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
通常の生理的石灰化の代表部位ではない。
b|誤り
淡蒼球ほど典型的な生理的部位ではない。
c|正しい
加齢性の対称性石灰化を認め得る。
d|誤り
下垂体自体の石灰化は生理的代表として扱わない。
e|正しい
松果体近傍の生理的石灰化の好発部位である。
判断のポイント
淡蒼球と手綱交連は生理的石灰化を認める代表的な部位である。松果体、脈絡叢、大脳鎌などの分布も合わせて整理する。
鑑別・注意点
生理的な部位にある石灰化でも、若年者で高度・広範な場合や非対称性が強い場合には代謝性・感染性などの原因を検討する。場所だけで病的意義を否定しない。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問17
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問17
解答例:eを再検討。d固定は保留
選択肢別の解説
a|誤り
微小病変の感度が低い。
b|誤り
浮腫を示すが微小出血の検出は磁化率画像に劣る。
c|正しい
出血性病変を検出するが一般にSWIがさらに鋭敏である。
d|条件・比較に注意
非出血性急性軸索病変に有用。しかし原設問は非出血性に限定していない。
e|条件・比較に注意
微小出血性DAIには最も鋭敏な代表法である。原文無条件の最鋭敏をdに固定する根拠は再検討する。
判断のポイント
原設問は非出血性急性病変に限定していない。出血性DAIの微小出血はSWIが鋭敏で、非出血性にDWIが有用であることと区別する。
鑑別・注意点
旧dを成立させるため原設問にない非出血性という条件を補わない。原著を踏まえ公式正答照合が必要。
参考文献
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2017年度 問18
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問18
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
亜急性期に一時的に梗塞が見えにくくなる現象で、超急性所見とは異なる。
b|正しい
腫脹により脳溝が狭くなる。
c|正しい
動脈内血栓を示唆する早期CT所見である。
d|正しい
細胞障害性浮腫により早期に灰白白質差が低下する。
e|正しい
基底核の早期虚血変化としてみられる。
判断のポイント
fogging effectは梗塞巣の低吸収が亜急性期に一時的に目立たなくなる現象で、超急性〜急性期のearly CT signとは異なる。典型的には発症後1〜3週前後にみられる。
鑑別・注意点
急性期には脳溝の狭小化、皮髄境界やレンズ核の不明瞭化を認める。hyperdense MCA signは主として血管内血栓を示し、実質の浮腫性変化とは成因が異なる。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問19
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問19
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
石灰化を伴うことがある。
b|誤り
石灰化は通常まれであり最少頻度の想定肢となる。
c|正しい
石灰化が代表的な手掛かりである。
d|条件・比較に注意
石灰化を伴う場合があり、分子分類で診断される現在の腫瘍名との違いに注意する。
e|正しい
特に小児例では石灰化が重要な特徴である。
判断のポイント
聴神経鞘腫の石灰化は非常にまれで、石灰化を伴う例は症例報告として扱われている。乏突起神経膠腫、髄膜腫、エナメル上皮腫型頭蓋咽頭腫では石灰化が代表的な画像所見となる。
鑑別・注意点
びまん性星細胞腫でも石灰化はあり得る。画像上の石灰化だけで組織型を確定せず、部位、骨変化、造影、年齢を統合する。現在の神経膠腫分類は分子所見も含む点に注意する。
放射線科専門医試験 2017年度 問20
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問20
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
よく伴うが髄膜腫に特異的ではない。
b|正しい
硬膜動脈等から豊富な血流を受けることが多い。
c|誤り
良性でも浮腫を生じ、浮腫だけで高悪性度としない。
d|正しい
脳室内髄膜腫は三角部に多い。
e|正しい
付着部の骨肥厚が診断の手掛かりとなる。
判断のポイント
髄膜腫の周囲浮腫は低悪性度の病変でも生じ、静脈還流障害や軟膜血流、血管透過性など複数の因子が関与する。浮腫だけを根拠に悪性髄膜腫を疑うのは特異性に乏しい。
鑑別・注意点
dural tailや過骨症も有用な所見だが、髄膜腫に特異的ではない。浸潤性、骨破壊、不均一性、増大速度などを合わせて評価し、最終的な分類は病理・分子所見に基づく。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問21
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問21
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
一般に拡散運動は増しADCが高くなる。
b|誤り
血管増生だけでADC低下を必然とはしない。
c|誤り
細胞外水分が増え通常ADCは上がる。
d|正しい
細胞間隙が減って水拡散が制限される。
e|誤り
組織崩壊により通常ADCは高くなる。
判断のポイント
細胞密度が高い組織では細胞外腔が狭く、水分子の移動が制限されてADCが低下しやすい。悪性リンパ腫などの高細胞密度病変で典型的である。
鑑別・注意点
ADC低下は悪性腫瘍に限らず、細胞性浮腫や粘稠な膿などでも生じる。DWI高信号だけではT2 shine-throughとの区別がつかないため、ADCと他の画像所見を確認する。
放射線科専門医試験 2017年度 問22
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問22
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
骨化の評価は高分解能CTが優れる。
b|誤り
骨迷路窓周囲の骨変化をCTで評価する。
c|誤り
微細な耳小骨形態はCTが優れる。
d|正しい
迷路液内の軟部腫瘍を高分解能T2と造影MRIで評価する。
e|誤り
骨欠損の確認は適切な断面のCTが基本となる。
判断のポイント
迷路内神経鞘腫は小さな軟部組織性腫瘍で、薄切の高分解能T2強調像と造影T1強調像が診断に有用である。正常な迷路液の高信号を置き換える欠損と局所造影を評価する。
鑑別・注意点
骨化性迷路炎、耳硬化症、耳小骨異常、上半規管の骨欠損など、微細な骨構造の評価にはCTの役割が大きい。迷路炎との鑑別には形態と経過も確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問23
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問23
解答例:a、d(TNM第7版)
選択肢別の解説
a|正しい
第7版で眼窩進展はT4となる。
b|誤り
副鼻腔進展は第7版でT3である。
c|誤り
頭蓋底骨浸潤は第7版でT3である。
d|正しい
第7版でT4となる。版による定義変更を明記する。
e|誤り
第7版ではT2でありT4ではない。
判断のポイント
出題時のTNM第7版では、上咽頭癌の眼窩・下咽頭への進展はT4に当たる。傍咽頭間隙への進展はT2、頭蓋底骨や副鼻腔への進展はT3として区別する。
鑑別・注意点
T分類は病変の大きさだけでなく、どの解剖学的構造へ進展したかで決まる。分類の版を明記し、画像では頭蓋内、脳神経、頭蓋底、翼突筋や眼窩などを系統的に確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問24
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問24
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
リンパ成分等で低めのADCを示すことがある。
b|誤り
主に耳下腺に発生する。
c|誤り
喫煙との強い関連がある。
d|誤り
早期濃染後washoutが典型的である。
e|正しい
良性でも高FDG集積を示し悪性と誤認し得る。
判断のポイント
Warthin腫瘍は良性でもFDGが強く集積し、高いSUVを示すことがある。主として耳下腺に発生し、喫煙との関連、両側性・多発性も診断の手掛かりになる。
鑑別・注意点
ADCは比較的低いことが多く、造影では早期濃染とwashoutが代表的である。FDG高集積やADC低下だけで悪性と判断せず、多形腺腫や悪性唾液腺腫瘍と鑑別する。
放射線科専門医試験 2017年度 問25
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問25
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
代表は骨膜下骨吸収である。
b|誤り
骨膜下吸収は副甲状腺機能亢進症との組合せが典型である。
c|正しい
Ca・P代謝異常で異所性石灰化を来し得る。
d|正しい
石灰化不全による偽骨折線が特徴となる。
e|誤り
くる病は杯状変形・毛羽立ち等で、Erlenmeyer flask変形の代表疾患とは異なる。
判断のポイント
腎機能障害に伴うカルシウム・リン代謝異常では軟部組織の異所性石灰化を生じる。骨軟化症では石灰化不全によりLooser帯と呼ばれる偽骨折を認める。
鑑別・注意点
骨膜下骨吸収は副甲状腺機能亢進症の重要所見である。くる病の代表所見は成長板の拡大、骨幹端の毛羽立ち・杯状変形で、三角フラスコ変形を典型的な対応所見として選ばない。
放射線科専門医試験 2017年度 問26
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問26
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
多くは成人以降に発生し、10〜20歳好発という組合せは不適切である。
b|正しい
小児・思春期に多い。
c|正しい
骨成熟後の成人に多い。
d|正しい
骨端に生じる若年者の腫瘍である。
e|正しい
若年者に多い膨張性骨病変である。
判断のポイント
通常型軟骨肉腫は成人、とくに中高年に多く、10〜20歳を代表的な好発年齢とはしない。Ewing肉腫や軟骨芽細胞腫、動脈瘤様骨囊腫は若年者に多い。
鑑別・注意点
年齢は確率を変える情報で、例外を除外する基準ではない。軟骨肉腫も亜型により年齢分布が異なり、骨巨細胞腫は骨端線閉鎖後の骨端部発生を合わせて考える。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問27
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問27
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
骨形成を伴う悪性病変で放射状骨膜反応を示す。
b|正しい
病的骨折片が嚢胞内へ落ち込む所見である。
c|正しい
椎弓根破壊による片目消失像が手掛かりとなる。
d|誤り
通常は硬化縁を持つ良性皮質性病変で攻撃的骨膜反応は典型でない。
e|正しい
頭蓋骨に明瞭な溶骨性欠損を示す。
判断のポイント
非骨化性線維腫は典型的には骨幹端の偏心性透亮像と硬化縁を示し、Codman三角のような侵襲的骨膜反応を通常伴わない。典型画像では経過観察でよいことが多い。
鑑別・注意点
大きな病変では病的骨折が起こり、骨折に伴う反応が加わる場合がある。骨膜反応だけで悪性を確定せず、病変の辺縁・進展・臨床経過を統合する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問28
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問28
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
合併骨折等を除き通常広範浮腫は典型でない。
b|誤り
通常は周囲の広範浮腫を必須としない。
c|正しい
小さいnidusに比べ広い骨髄・軟部浮腫を伴うことがある。
d|正しい
病変サイズに比べ強い周囲浮腫が手掛かりとなる。
e|誤り
骨折等の合併がなければ広範浮腫は代表でない。
判断のポイント
類骨骨腫と軟骨芽細胞腫は、病変自体の大きさに比べて広い範囲に骨髄・軟部組織の浮腫を伴いやすい。MRIでは反応性変化が主体に見えることがある。
鑑別・注意点
広範な浮腫を直ちに悪性の進展範囲とみなさない。類骨骨腫ではCTでnidusを、軟骨芽細胞腫では骨端部の小病変と硬化縁を探し、単純写真とMRIを対応させる。
放射線科専門医試験 2017年度 問29
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問29
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
進行・治癒後に椎体間癒合を来し得る。
b|正しい
慢性膿瘍内石灰化が手掛かりとなる。
c|誤り
椎間板が比較的保たれ、化膿性より破壊が遅れることが多い。
d|正しい
靱帯下進展等により非連続病変を来し得る。
e|正しい
薄く平滑な壁の大きな冷膿瘍が典型となる。
判断のポイント
結核性脊椎炎は化膿性脊椎炎に比べて椎間板が比較的長く保たれ、椎体や靱帯下へ広がりやすい。薄く平滑な壁をもつ大きな膿瘍や傍脊椎石灰化、非連続病変が手掛かりとなる。
鑑別・注意点
進行例では椎間板破壊・椎体圧潰・癒合も起こるため、椎間板への波及がないと断定しない。画像だけで確定せず、検体での病理・培養・分子検査と合わせて診断する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問30
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問30
解答例:b、c
選択肢別の解説
a|誤り
分娩外傷等でもみられ虐待特異度は高くない。
b|正しい
特に後方・多発の乳児肋骨骨折は高い特異度を持つ。
c|正しい
典型的骨幹端病変は虐待に強く関連する。
d|誤り
転落等でも起こり、単独の線状骨折は特異度が低い。
e|誤り
状況により疑うが骨折型だけの特異度は高くない。
判断のポイント
乳児の肋骨骨折、とくに後方の骨折と、古典的骨幹端病変は身体的虐待との関連が強い所見である。受傷機転、発達段階、他の損傷と合わせた評価が必要になる。
鑑別・注意点
骨折所見だけで虐待を断定せず、分娩外傷、骨脆弱性疾患、救命処置などの可能性も検討する。必要な全身骨撮影と専門チームによる評価を行い、子どもの安全確保につなげる。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問31
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問31
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
UIPの重要な所見である。
b|正しい
線維化の基本所見として整合する。
c|正しい
線維化に伴う気道拡張が整合する。
d|誤り
蜂巣肺と異なる孤立性多発嚢胞は別疾患を示唆する。
e|正しい
胸膜下とともに代表的分布である。
判断のポイント
UIPの典型像は肺底部・胸膜下優位の網状影、蜂巣肺、牽引性気管支拡張である。蜂巣肺の領域から離れた多発性の独立した囊胞は、別の病態を考える手掛かりとなる。
鑑別・注意点
蜂巣肺を単なる囊胞と混同しない。CTパターンだけでIPFの病因を確定せず、膠原病や曝露などを除外し、臨床情報と必要に応じた多職種検討で診断する。
放射線科専門医試験 2017年度 問32
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問32
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
後肺底区、特に左側が好発部位となる。
b|正しい
分画肺は異常肺組織で気管支構造・軟骨を含み得る。
c|正しい
一般に肺葉内型の方が多い。
d|正しい
通常は肺静脈へ還流する。異常還流の例外はある。
e|誤り
他奇形の合併は肺葉外型で多い。
判断のポイント
合併奇形は肺葉内型より肺葉外型で多い。肺葉内型は正常肺と胸膜を共有し、通常は肺静脈へ還流する一方、肺葉外型は独立した胸膜をもち、体静脈系への還流が多い。
鑑別・注意点
異常な体循環動脈が診断と手術計画の鍵となる。還流静脈や気道構造には例外・混合型があるため、典型的な分類だけでなく造影CTで実際の流入・流出路を確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問33
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問33
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
浸潤影・GGOが中心で広範な気道散布粒状影の代表ではない。
b|誤り
肺胞性浸潤影が代表となる。
c|正しい
気道散布性の小葉中心粒状影・tree-in-budが重要である。
d|正しい
気道壁肥厚と細気管支中心粒状影を示し得る。
e|誤り
びまん性GGOが代表で、この粒状影分布の第一候補ではない。
判断のポイント
非結核性抗酸菌症やマイコプラズマ肺炎では、細気管支周囲の炎症を反映する小葉中心性粒状結節が目立つことがある。気管支壁肥厚やtree-in-budを伴えば気道散布性の病変を考える。
鑑別・注意点
画像パターンには重なりがあり、レジオネラなどを画像だけで除外できるわけではない。発症経過、気管支拡張の分布、検体検査を合わせて原因を判断する。
放射線科専門医試験 2017年度 問34
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問34
解答例:c(独立した関連疾患として)
選択肢別の解説
a|正しい
石綿曝露を示す胸膜病変である。
b|正しい
良性石綿胸水が知られる。
c|条件・比較に注意
独立した代表関連疾患ではない。ただし石綿肺の線維化に伴う牽引性気管支拡張は起こる。
d|正しい
胸膜病変に伴い肺が折れ込む。
e|正しい
曝露との強い因果関係がある悪性胸膜腫瘍である。
判断のポイント
石綿曝露に関連する代表的疾患は胸膜斑、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚、円形無気肺、石綿肺、肺癌、悪性胸膜中皮腫である。通常の気管支拡張症自体を代表的な石綿関連疾患には分類しない。
鑑別・注意点
石綿肺の線維化に伴って牽引性気管支拡張が生じることはある。したがって「石綿曝露では気管支拡張を認めない」と一般化せず、疾患名と線維化に伴う画像所見を分ける。
放射線科専門医試験 2017年度 問35
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問35
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
肺胞蛋白症等でみるが塞栓症に特異的な代表サインでない。
b|誤り
胸膜外病変が胸壁から突出する形態である。
c|誤り
粘液栓で拡張した気管支の像である。
d|正しい
中枢肺動脈の急な途絶・細小化を示唆する。
e|正しい
不均一な血流分布が肺野濃度差となる。気道病変とも鑑別する。
判断のポイント
knuckle signは肺動脈陰影の急な途絶、mosaic perfusionは領域ごとの灌流不均一を示し、肺血栓塞栓症で認める。とくに慢性病変では灌流の低い領域の血管径減少が手掛かりとなる。
鑑別・注意点
モザイク状の濃度差は末梢気道疾患のair trappingや浸潤性病変でも起こる。呼気像と血管径を確認する。crazy-pavingやgloved fingerも単一疾患に特異的な所見ではない。
放射線科専門医試験 2017年度 問36
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問36
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
中枢気道の腺由来腫瘍として気管支内に発生する。
b|正しい
気管支内型もあり脂肪や石灰化が手掛かりとなる。
c|正しい
中枢気道内腫瘤の重要な鑑別である。
d|正しい
中枢気道粘膜下から発生する。
e|誤り
通常は肺実質末梢結節で、気管支内発生は極めてまれである。
判断のポイント
旧称の硬化性血管腫、現在の硬化性肺胞上皮腫は、通常は肺実質内の境界明瞭な結節としてみられる。粘表皮癌、腺様囊胞癌、カルチノイド、過誤腫と比べ、気管支内発生は極めてまれである。
鑑別・注意点
気管支内に発生した症例報告もあり、絶対に起こらないわけではない。中枢気道病変では部位、造影、脂肪・石灰化、閉塞性変化を確認し、病理と対応させる。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問37
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問37
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
鎖骨上窩は左右を問わずN3に当たる。
b|誤り
右原発に対する対側縦隔でN3となる。
c|正しい
同側縦隔節としてN2となる。
d|誤り
右原発に対する対側縦隔節としてN3を考える。
e|正しい
気管分岐下節は同側・対側の区別によらずN2となる。
判断のポイント
右肺原発では右気管傍と気管分岐下リンパ節への転移がN2に該当する。対側縦隔や鎖骨上窩リンパ節への転移はN3で、大動脈下リンパ節は左縦隔に位置する。
鑑別・注意点
CT上の腫大だけで転移を確定せず、PET所見や必要に応じたEBUSなどで評価する。現在の分類ではN2の細分化もあるため、出題当時の版と最新の版を混在させない。
放射線科専門医試験 2017年度 問38
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問38
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
通常下肺野優位となる。
b|誤り
下肺野に多くなりやすく、この比較では上肺野優位の例と異なる。
c|正しい
上中肺野優位が代表で、他肢の下肺野優位と対比する。
d|誤り
下肺野・胸膜下優位が代表である。
e|誤り
通常下肺野優位を示す。
判断のポイント
肺サルコイドーシスは上〜中肺野優位のリンパ路性分布が代表的である。IPF、線維性NSIP、石綿肺では肺底部優位の線維化が多く、分布が異なる。
鑑別・注意点
血行性転移は下肺野優位となる傾向があるが、原発や進行度によって多様である。分布は鑑別の手掛かりであり、結節の小葉内位置や胸膜・リンパ節所見も合わせて判断する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問39
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問39
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
急性発熱・低酸素と肺水腫様陰影が代表である。
b|誤り
上肺野気腫と下肺野線維化が主な組合せである。
c|誤り
肺胞出血等が重要で、粘液栓を主徴としない。
d|誤り
喘息は合うが中枢性気管支拡張と粘液栓はABPAをより示唆する。
e|正しい
喘息、中枢気管支拡張、粘液栓の組合せが強く示唆する。
判断のポイント
喘息の背景に、気管支拡張と粘液栓、移動性または上肺野優位の浸潤影があればABPAを考える。高吸収粘液は特に特徴的な所見である。
鑑別・注意点
喘息と画像だけで確定せず、Aspergillus特異的IgE、総IgE、好酸球などの基準を確認する。EGPAでは末梢神経障害などの全身性血管炎所見、AEPでは急性経過と背景を含めて鑑別する。
放射線科専門医試験 2017年度 問40
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問40
解答例:b、e
選択肢別の解説
a|誤り
通常は動きの少ない拡張期等を心拍に応じ選び、収縮早期に固定しない。
b|正しい
適格例で心拍を抑え画質を改善する。
c|誤り
一般には低く安定した心拍が好条件となる。
d|誤り
通常は右冠動脈の動きが大きい。
e|正しい
必要時相だけを照射し後向き同期より線量を減らし得る。
判断のポイント
適応と禁忌を確認したβ遮断薬による心拍数調整は冠動脈の動きによるアーチファクトを減らす。プロスペクティブ心電図同期は必要な心位相だけを撮像し、被ばく低減に寄与する。
鑑別・注意点
最適な再構成時相は心拍数と装置に依存し、低心拍では拡張期、高心拍では収縮期が適する場合がある。一般に右冠動脈の動きが大きく、低心拍そのものを主なアーチファクト原因としない。
放射線科専門医試験 2017年度 問41
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問41
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
足関節前面を走り足背動脈へ続く。
b|誤り
足背の分枝で内果背側ではない。
c|誤り
外側・腓骨側を走る。
d|誤り
後脛骨動脈から足底へ分岐した枝である。
e|正しい
内果後方の足根管を通り足底動脈へ分かれる。
判断のポイント
後脛骨動脈は内果の後方で屈筋支帯の深部を通り、足底へ向かう。前脛骨動脈は足関節の前方を通って足背動脈に続く。
鑑別・注意点
後脛骨動脈と脛骨神経、屈筋腱の位置関係を合わせて確認する。末梢動脈疾患では拍動だけでなく超音波や血圧指標などを用い、解剖変異と閉塞を区別する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問42
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問42
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
中枢側シール不良による漏出である。
b|誤り
末梢側シール不良による漏出である。
c|正しい
下腸間膜・腰動脈等の分枝から逆流する。
d|誤り
接合部離開や被覆破損からの漏出である。
e|誤り
グラフト多孔性による漏出で分枝逆流とは異なる。
判断のポイント
下腸間膜動脈や腰動脈などの分枝から、ステントグラフト外側の瘤内へ逆流するのはtypeⅡエンドリークである。中枢・末梢の接合部やデバイス破綻からの漏出とは分ける。
鑑別・注意点
typeⅡが存在するだけで直ちに塞栓術を行うとは限らない。瘤径の増大、持続、他のタイプの合併を評価し、造影相や必要な追加検査を選ぶ。
放射線科専門医試験 2017年度 問43
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問43
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
器質化血栓による急な狭窄を示す。
b|正しい
慢性血栓による完全閉塞を来す。
c|誤り
内膜の拡張は標準的な所見名でなく、肥厚・狭窄等が中心である。
d|正しい
盲端状閉塞や壁在欠損を認める。
e|正しい
再開通に伴う膜・索状構造を認める。
判断のポイント
慢性血栓では器質化によりweb・band、急な狭窄、完全閉塞、pouch状の途絶などを認める。intimal dilatationは代表的な診断用語・所見ではない。
鑑別・注意点
肺動脈幹の拡大は肺高血圧に伴って生じ得るが、内腔の器質化血栓を示す所見とは別である。末梢灌流、右心負荷、血行動態、換気血流シンチなどを統合して診断する。
放射線科専門医試験 2017年度 問44
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問44
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
骨格系systemic scoreの項目となる。
b|正しい
骨格系評価に含まれる。
c|正しい
大動脈基部病変・解離は中心的評価項目である。
d|誤り
特徴は硬膜拡張であり脊柱管狭窄ではない。
e|正しい
特に大動脈基部拡張が診断に重要となる。
判断のポイント
Marfan症候群では大動脈基部拡張・解離、胸郭変形、水晶体偏位などを評価する。腰仙部では脊柱管狭窄ではなく硬膜拡張が特徴的な関連所見となる。
鑑別・注意点
診断は単独の画像所見ではなく、家族歴、FBN1変異、眼科所見、全身スコアなどを組み合わせる。偶然の脊椎変性による狭窄が併存する可能性まで否定するものではない。
放射線科専門医試験 2017年度 問45
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問45
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
病変の範囲や多発性を評価する。
b|正しい
専用コイルを使い腹臥位で両側撮像するのが一般的である。
c|誤り
通常の静注ダイナミックMRIだけでセンチネル節を同定しない。
d|正しい
一般に浸潤癌は細胞密度等で拡散制限が強く検出しやすい。
e|正しい
乳管系に沿う区域性増強はDCIS等を疑うが単独で確定しない。
判断のポイント
通常の造影乳腺MRIは病変の広がりや性状を評価する検査で、リンパ流に基づくセンチネルリンパ節の同定を代替しない。通常は専用コイルを用い、腹臥位で両側を撮像する。
鑑別・注意点
造影されるリンパ節が最初の流入リンパ節であるとは限らない。センチネルリンパ節の同定はRIや色素などを用いる専用の手順で行う。区域性の非腫瘤性増強も良悪性の確定所見ではなく、形態・分布・病理を統合する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問46
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問46
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
浸潤・牽引を示唆するが術後変化等も鑑別する。
b|正しい
乳管内壊死等に対応し悪性を疑う。
c|誤り
脂肪腫・過誤腫等の良性所見が多い。
d|誤り
典型的には嚢胞壁等の良性石灰化である。
e|誤り
退縮線維腺腫に典型的である。
判断のポイント
構築の乱れと微細な線状・分枝状石灰化は悪性を疑う所見である。とくに乳管に沿った分枝状石灰化ではDCISなどを考える。
鑑別・注意点
構築の乱れは術後瘢痕や放射状瘢痕などでも生じる。脂肪含有、リング状、ポップコーン状という典型的な良性所見も、変化や併存所見を確認して総合判定する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問47
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問47
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
膨張性に増殖して楕円形となることがある。
b|条件・比較に注意
非平行型もあり得るが粘液豊富な典型例は幅広くなる。縦横比単独では決めない。
c|誤り
粘液は音響透過性が高く通常後方増強を示すため考えにくい。
d|正しい
良性様の平滑な境界を示すことがある。
e|正しい
粘液成分により比較的高めのエコーを示し得る。
判断のポイント
粘液成分の多い乳腺粘液癌は後方エコー増強を示しやすく、減弱は典型的ではない。楕円形や比較的明瞭な境界など、良性腫瘤に似る場合がある。
鑑別・注意点
純型と混合型では所見が異なり、内部エコーも一定ではない。後方増強や平滑な境界だけで良性と判断せず、年齢、経過、マンモグラフィや病理との整合を確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問48
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問48
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
低肺気量とびまん性粒状・すりガラス状陰影が合う。
b|誤り
通常は両側の間質性陰影・液体貯留と過膨張で、片側透過性亢進を典型としない。
c|正しい
胸腔内の腹腔臓器で対側へ圧排される。
d|正しい
嚢胞内の含気により限局透亮像を示し得る。
e|正しい
遠位瘻から胃へ空気が流れ、胃泡がみられる。
判断のポイント
新生児一過性多呼吸は肺液吸収の遅延に関連し、肺門から広がる索状影や血管影増強、葉間裂の液体貯留などが典型的である。片側だけの透過性亢進を代表所見とはしない。
鑑別・注意点
RDSでは肺容量低下とびまん性の細顆粒状〜すりガラス状陰影を認める。CPAMや横隔膜ヘルニアなども含め、出生前情報、肺容量、縦隔偏位、消化管ガスを合わせて評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問49
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問49
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
大量腹腔内遊離ガスで腹腔全体が楕円に見える。
b|正しい
肥厚幽門筋と粘膜が子宮頸部様に見える超音波所見である。
c|誤り
通常は胃・十二指腸のdouble bubbleで、tripleはより遠位閉鎖を考える。
d|正しい
腸間膜血管が上腸間膜動脈を中心に巻く。
e|正しい
重なった腸管壁の同心円像を示す。
判断のポイント
十二指腸閉鎖では胃と近位十二指腸が拡張し、典型的にはdouble bubbleを示す。triple bubbleは近位空腸閉鎖を考える徴候である。
鑑別・注意点
完全閉塞か狭窄か、軸捻転の有無などで遠位腸管ガスの量は変わる。whirlpoolは腸間膜血管の捻れ、targetは腸重積などで用いるが、徴候名だけでなく構造と緊急性を確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問50
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問50
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
頭蓋縫合内の小骨片が多数みられることがある。
b|誤り
舟状頭蓋は主に矢状縫合の早期癒合である。
c|正しい
神経管閉鎖障害に関連した頭蓋骨内板の陥凹像である。
d|正しい
内外板の破壊差で辺縁が二重に見える。
e|正しい
重症の多縫合早期癒合でクローバー葉状頭蓋となり得る。
判断のポイント
舟状頭蓋は矢状縫合の早期癒合が代表的な原因で、前後に長く左右に狭い頭蓋形状を示す。両側冠状縫合の早期癒合では短頭蓋が典型的である。
鑑別・注意点
単一の縫合か多縫合かによって形状が変わり、症候群性病変もある。視診・触診と年齢に応じた画像を用い、頭蓋内圧や合併病変も評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問51
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問51
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
線維性病変は通常低T1である。
b|誤り
通常は低T1で遅延性造影を評価する。
c|正しい
脂肪以外の腫瘍成分・蛋白等でもT1高信号となり、脂肪抑制後も高いことがある。
d|誤り
脂肪主体なので適切な脂肪抑制で信号は低下する。
e|誤り
液体主体で通常T1低信号となる。
判断のポイント
高分化肝細胞癌はT1強調像で高信号となることがあり、脂肪以外の成分によるT1短縮では脂肪抑制後も高信号が残る。銅・蛋白などの組成や腫瘍分化度が関連する。
鑑別・注意点
脂肪そのものによる高信号は脂肪抑制やopposed-phaseで低下するため、本問を脂肪含有だけで説明しない。出血などもT1高信号となり、造影前後の差分や他のシーケンスを確認する。
放射線科専門医試験 2017年度 問52
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問52
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
年齢に応じ鎮静・撮像法を選び実施できる。
b|正しい
呼吸同期で動きを減らす撮像が可能である。
c|正しい
内視鏡が困難な術後でも非侵襲的評価が可能である。
d|誤り
多量腹水は胆膵管と同じ強いT2信号を示し投影像を妨げる。
e|正しい
閉塞部を越えて造影剤を注入しなくても貯留液を描出する。
判断のポイント
MRCPは強いT2強調で静止液を高信号に描出するため、多量の腹水や消化管液が胆管・膵管に重なり、特に厚いスラブ像や投影像で観察を妨げることがある。
鑑別・注意点
薄切の元画像、撮像方向の変更、3D画像などで重なりを減らす。小児や消化管再建後でも撮像でき、閉塞部の上流・下流を非侵襲的に評価できる利点がある。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問53
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問53
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
不整な胆管壁肥厚・狭窄を認める。
b|正しい
線維性間質を反映して遅延性造影が重要となる。
c|誤り
門脈侵襲はあっても腫瘍塞栓はHCCほど代表的ではない。
d|誤り
管内発育型はあるが一般的な頻度上位所見ではない。
e|誤り
炎症性・IgG4関連病変等との対比が必要で、びまん性均一肥厚を典型としない。
判断のポイント
胆管癌では不整な胆管壁肥厚や狭窄を認め、線維性間質を反映した遅延性造影が重要な手掛かりとなる。肝門部・遠位胆管・肝内腫瘤形成型で形態が異なる。
鑑別・注意点
胆管内増殖型も存在するため、管腔内に限局した病変が胆管癌ではないという意味ではない。びまん性で平滑な同心円状肥厚は炎症性疾患も考え、分布と造影を統合する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問54
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問54
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
通常脾動脈系から膵体尾部へ向かう。
b|正しい
多くは脾動脈等から生じるが起始変異がある。
c|誤り
通常上腸間膜動脈系から分岐し腹腔動脈系ではない。
d|正しい
胃十二指腸動脈系に属する。
e|正しい
胃十二指腸動脈系に属する。
判断のポイント
下膵十二指腸動脈は通常、上腸間膜動脈またはその空腸枝から分岐する。上膵十二指腸動脈は胃十二指腸動脈を介した腹腔動脈系で、膵頭部に動脈アーケードを形成する。
鑑別・注意点
背側膵動脈などには多様な分岐がある。腹腔動脈狭窄ではこのアーケードが重要な側副路になるため、手術・IVR前には流入源と血流方向を確認する。
放射線科専門医試験 2017年度 問55
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問55
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
膵炎等の背景を持ち女性好発の代表ではない。
b|誤り
まれな病変で、この比較の明確な女性好発2腫瘍ではない。
c|正しい
卵巣様間質を持ちほぼ女性に発生する。
d|正しい
若い女性に多い低悪性度腫瘍である。
e|誤り
高齢男性にも多く、女性好発の代表ではない。
判断のポイント
粘液性囊胞腫瘍は女性に多く、卵巣様間質が特徴である。充実性偽乳頭状腫瘍も若年女性に好発し、充実成分と出血性囊胞変性などを示す。
鑑別・注意点
性別だけでは診断できない。膵炎歴、膵管との交通、壁在結節、石灰化、内容液や出血を合わせ、仮性囊胞やIPMNなどと鑑別する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問56
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問56
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
後腹膜に固定する面では外膜となる。
b|誤り
通常は固有肝動脈等から分岐する。総肝起始もあり得るが最多と一般化しない。
c|正しい
十二指腸空腸曲付近の外側を走り、手術の目印となる。
d|正しい
3狭窄として数える分類では食道裂孔に当たる。
e|正しい
小腸の動脈弓は豊富で、結腸の辺縁動脈系との比較で理解する。
判断のポイント
右胃動脈は固有肝動脈からの起始が最も多く、総肝動脈からが最多という説明は適切でない。メタ解析では固有肝動脈が約54%、総肝動脈が約7%と報告されている。
鑑別・注意点
左肝動脈や胃十二指腸動脈などからも分岐し、変異が多い。Treitz靱帯外側の下腸間膜静脈と、名称の似た下腸間膜動脈を混同しない。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問57
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問57
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
第一斜位は右前斜位である。
b|誤り
胃内容の残留を避ける前処置が必要で、自由な飲水推奨とはしない。
c|正しい
穹窿部・噴門部を展開して評価する体位である。
d|誤り
穹窿部は肋骨下で圧迫困難なことが多い。
e|正しい
前壁が下になり、陥凹部への造影剤貯留を評価できる。
判断のポイント
Schatzki体位像は胃穹窿部の評価に用いられる。腹臥位二重造影では前壁が低い位置となり、陥凹にバリウムがたまる所見が前壁病変の手掛かりになる。
鑑別・注意点
第一斜位は右前斜位である。造影前は検査手順に応じた絶食・飲水制限を行い、粘膜へのバリウム付着と胃内残渣に注意する。穹窿部は通常の圧迫法で十分に評価できる部位ではない。
放射線科専門医試験 2017年度 問58
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問58
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|誤り
長期炎症の癌リスクは両疾患にあり鑑別性が低い。
b|正しい
全層炎症による瘻孔はCrohnを支持する。
c|誤り
双方の腸管外合併症で鑑別性が低い。
d|正しい
非連続病変はCrohnに典型である。
e|誤り
重症UCでも重要な合併症でCrohn優位とはしない。
判断のポイント
Crohn病は非連続性の病変分布と全層性炎症が特徴で、スキップ病変、瘻孔、膿瘍、狭窄などを生じる。潰瘍性大腸炎は通常、直腸から連続する粘膜主体の炎症として対比する。
鑑別・注意点
治療後や非典型例では分布の例外がある。仙腸関節炎や大腸癌などは両疾患に関連し得るため、画像、内視鏡、病理を統合して診断する。
放射線科専門医試験 2017年度 問59
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問59
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
水の移動がありリンパ組織ほど強い制限の代表ではない。
b|誤り
周期等で変わるが通常リンパ節を優先する。
c|誤り
薄い構造で、この比較の強い拡散制限の代表ではない。
d|正しい
正常でも細胞密度が高く高b値DWIで高信号を示す。
e|誤り
正常辺縁域はADCが比較的高い。
判断のポイント
リンパ節は正常でも細胞密度が高く、比較的低いADCと拡散強調像の高信号を示す。挙げられた正常組織の中では拡散制限が目立つ部位として選ぶ。
鑑別・注意点
正常リンパ節の高信号をそのまま転移やリンパ腫と判定しない。大きさ・形状・分布・経時変化とADCを合わせ、浮腫も細胞性と血管原性では拡散への影響が異なる点を確認する。
放射線科専門医試験 2017年度 問60
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問60
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
区域動脈は機能的終動脈として扱い、区域間の有効吻合は乏しい。
b|誤り
通常は腸骨動脈の前方を横切る。
c|誤り
頸部・底部は内腸骨・仙骨系等への流れも重要で外腸骨のみとしない。
d|誤り
通常は下大静脈へ直接流入する。
e|正しい
男性後部尿道は前立腺部と膜様部である。
判断のポイント
腎の区域動脈は機能的な終動脈として扱い、相互の十分な吻合がないため分枝閉塞が区域性虚血を起こす。男性の後部尿道は臨床的には前立腺部と膜様部として区分する。
鑑別・注意点
尿管は腸骨動脈の前方を交差し、右副腎静脈は通常、右腎静脈ではなく下大静脈へ直接流入する。膀胱のリンパ流も部位によって異なり、単一路だけで整理しない。
放射線科専門医試験 2017年度 問61
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問61
解答例:a(単純な膀胱憩室の比較)
選択肢別の解説
a|誤り
単純な憩室自体は通常上部尿路の閉塞を起こしにくい。巨大例・開口部関与等は別である。
b|正しい
膀胱出口閉塞で上部尿路も拡張し得る。
c|正しい
異所開口・尿管瘤等で水腎症を伴い得る。
d|正しい
尿管圧迫・屈曲による閉塞を生じ得る。
e|正しい
腎盂から尿管への排出障害の代表的原因である。
判断のポイント
後部尿道弁、腎盂尿管移行部狭窄、下大静脈後尿管は尿路の閉塞機転になり、重複腎盂尿管も異所開口や尿管瘤などに伴って水腎症を生じる。単純な膀胱憩室はこれらほど直接的な原因にならない。
鑑別・注意点
憩室でも大きさや位置により尿管を圧迫したり、膀胱出口閉塞が背景にあったりするため、水腎症を絶対に起こさないわけではない。上部・下部尿路を連続して評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問62
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問62
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
通常は血管内の高速流の代表病変ではない。
b|正しい
高速の短絡血流により蛇行血管の信号欠損が顕著となる。
c|誤り
低速静脈流が主体で動静脈短絡ほどではない。
d|誤り
静脈圧迫・鬱滞が主体で高速短絡とは異なる。
e|誤り
副腎病変等の内分泌疾患で高速短絡の代表ではない。
判断のポイント
腎動静脈瘻では短絡血流の速い流入動脈・流出静脈が発達し、スピンエコー系画像でflow voidが目立つ。蛇行した血管の形態と早期静脈還流を合わせて捉える。
鑑別・注意点
flow voidは撮像法、流速、方向に依存し、信号欠損があれば必ず動静脈瘻というわけではない。Doppler超音波や造影画像で短絡の有無と血行動態を確認する。
放射線科専門医試験 2017年度 問63
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問63
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
生殖細胞機能障害により妊孕性低下リスクがある。
b|誤り
胚細胞腫瘍のリスクであり腺癌が代表ではない。
c|誤り
一般に乳児期のより早い時期の固定を推奨し5歳まで待たない。
d|正しい
鼠径部に固定された精巣は圧迫・外傷を受けやすい。
e|誤り
出生時から診断可能で4か月という条件を診断定義にしない。
判断のポイント
停留精巣は妊孕性低下と精巣悪性腫瘍のリスクに関連し、鼠径部にある精巣は圧迫などの外傷にも注意する。増えるのは主に胚細胞腫瘍であり、腺癌を代表として挙げない。
鑑別・注意点
自然下降は生後6か月以降には期待しにくく、現在の指針では1歳まで、遅くとも18か月までの精巣固定術を目指す。移動性精巣や後天的な挙上精巣も区別し、診察で評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問64
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問64
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
非感染性の単純液体なら通常ADCは高い。
b|誤り
T2暗値でADCが低く見える場合はあるが膿の制限とは区別する。
c|誤り
単純液体は通常制限しない。
d|正しい
粘稠な膿・細胞成分で強い真の拡散制限を示す。
e|誤り
間質性結節は低ADCとなり得るが、この比較では膿瘍が顕著となる。
判断のポイント
卵管卵巣膿瘍の膿は細胞成分と粘稠度が高く、強い拡散制限とADC低下を示しやすい。造影される厚い壁と、内部の非造影性の膿を対応させて評価する。
鑑別・注意点
線維性病変ではT2が低いためADCも低く見えることがあり、低ADCだけで膿瘍や癌を確定しない。発熱、炎症反応、骨盤内の感染経路、他のMRI所見と統合する。
放射線科専門医試験 2017年度 問65
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問65
解答例:a(選択肢中の解答例)
選択肢別の解説
a|条件・比較に注意
Müller管奇形に同側腎形成異常が合併し得る。典型的には腎無形成等で、選択肢ではaを想定する。
b|誤り
卵巣は発生学的由来が違い通常保たれる。
c|誤り
閉塞性片側腟の合併と処女膜閉鎖を混同しない。
d|誤り
合併はあり得るが代表は腎無形成等である。
e|誤り
主要な代表関連奇形ではない。
判断のポイント
重複子宮は同側の腎欠損・腎形成異常などを伴うことがあり、閉塞性片側腟を伴うOHVIRA症候群が代表的である。腎低形成も関連する尿路異常として報告されている。
鑑別・注意点
最も代表的なのは腎欠損であり、低形成と同義にはしない。子宮・腟の形態に加えて腎尿路を超音波やMRIで確認し、全例に排泄性腎盂造影を行うという旧式の説明は改める。
放射線科専門医試験 2017年度 問66
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問66
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
内膜状態の直接解釈への優先度は他肢より低い。
b|正しい
妊娠関連変化やリスク背景の判断に役立つ。
c|正しい
タモキシフェン等の治療歴を確認する契機となる。
d|正しい
正常内膜厚・信号が周期で変わる。
e|正しい
ホルモン刺激による内膜増殖を判断するため重要である。
判断のポイント
内膜厚は月経周期や閉経、ホルモン補充療法で変化する。妊娠出産歴や乳癌治療、特にタモキシフェン使用歴も内膜病変のリスク・解釈に関わり、喫煙歴より直接的な情報となる。
鑑別・注意点
乳癌の既往があれば全員がタモキシフェンを服用しているわけではないため、薬剤名と期間を確認する。厚さだけでは良悪性を決めず、不正出血や局所性病変、病理検査の適応を考える。
参考文献
放射線科専門医試験 2017年度 問67
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問67
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
まず尿路上皮腫瘍等を鑑別し内膜症の代表部位ではない。
b|誤り
尿膜管遺残・感染・腫瘍が主な鑑別である。
c|誤り
内膜症もあり得るが最も典型的な部位とは異なる。
d|正しい
深部内膜症は後腟円蓋・直腸子宮窩に癒着や閉塞を生じる。
e|誤り
赤色変性等が代表で、内膜症を第一とはしない。
判断のポイント
子宮内膜症では反復する出血と炎症により線維化・癒着を生じ、ダグラス窩の閉塞や卵巣・子宮・直腸の牽引を認める。深部内膜症では低T2信号の線維性病変が重要な手掛かりとなる。
鑑別・注意点
癒着だけで内膜症を確定せず、手術歴や感染なども鑑別する。出血性囊胞、後方コンパートメントの病変、尿管・腸管への影響を系統的に確認する。
放射線科専門医試験 2017年度 問68
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問68
解答例:d(標準的手法として)
選択肢別の解説
a|正しい
骨構造と針位置を確認できる標準手法である。
b|正しい
描出できる病変ならリアルタイムに針を誘導できる。
c|正しい
超音波で安全経路を確認し実施できる。
d|誤り
呼吸移動と低信号等のため通常の肺生検ガイドはCTである。例外的MRI手技の存在と区別する。
e|正しい
MRIでのみ見える病変に専用器具で実施する。
判断のポイント
肺の経皮的針生検は通常CTを用い、病変と胸膜・血管・針先の位置を確認する。空気を多く含む肺や呼吸性移動のため、MRIは日常の標準的ガイド法ではない。
鑑別・注意点
MRIガイド下肺生検を技術的に不可能とする意味ではない。乳腺ではMRIでのみ見える病変にMRIガイド生検を用い、胸壁に接する肺病変では超音波も選択肢となる。
放射線科専門医試験 2017年度 問69
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問69
解答例:e(出題時の想定解)
選択肢別の解説
a|条件・比較に注意
年齢単独で一律禁忌とせず全身状態等で選ぶ。
b|条件・比較に注意
少量でも肝予備能・制御状況を評価する。
c|正しい
肝予備能等が保たれれば多発例は対象となり得る。
d|条件・比較に注意
末梢門脈侵襲では選択的治療を検討する場合がある。
e|誤り
3mg/dL程度は肝機能不良・肝不全リスクの指標で出題上の非適応想定となる。
判断のポイント
総ビリルビン高値は肝予備能不良を示し、TACE後の肝不全リスクに関わる。年齢、少量腹水、多発病変だけで一律に適応外とはせず、肝機能と塞栓範囲を評価する。
鑑別・注意点
3.0mg/dLという一点だけで全症例に絶対禁忌を決めるものではない。胆道閉塞の影響、Child-Pugh分類、門脈血流、超選択的治療の可否を含めて判断する。門脈二次分枝の腫瘍栓と本幹閉塞も区別する。
放射線科専門医試験 2017年度 問70
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問70
解答例:a、c(対応する製品の場合)
選択肢別の解説
a|正しい
残留し血栓形成を助ける永久塞栓材料である。
b|誤り
一時塞栓材で通常6か月を標準持続時間とはしない。
c|条件・比較に注意
5Fは外径であり内腔径は製品ごとに確認する。対応品なら0.035インチを使える。
d|誤り
ループ型等を適切に使って選択することもある。
e|誤り
固定距離でなく靱帯・骨頭・分岐を確認して総大腿動脈を穿刺する。
判断のポイント
ファイバードコイルは永久塞栓物質に分類され、ゼラチンスポンジは一時的塞栓物質である。5Fの血管造影カテーテルと0.035inchワイヤーは一般的な組み合わせだが、適合性は製品仕様で確認する。
鑑別・注意点
Fはカテーテル外径の単位であり、それだけで内径や使用可能ワイヤー径は確定しない。総肝動脈選択にループ型を一律に避ける根拠はなく、大腿動脈も鼠径靱帯から固定距離を測るだけで穿刺しない。
放射線科専門医試験 2017年度 問71
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問71
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
N-13は約10分で、約20分はC-11の値である。
b|正しい
約110分の物理半減期である。
c|正しい
約13時間である。
d|正しい
約8日である。
e|正しい
約73時間で約3日という表現に合う。
判断のポイント
13Nの物理的半減期は約10分で、約20分ではない。18Fは約110分、123Iは約13時間、131Iは約8日、201Tlは約73時間である。
鑑別・注意点
約20分は11Cの代表的な半減期であり、PET核種間で混同しやすい。薬剤の生体内挙動や検査時間とは分けて、核種固有の物理的半減期として整理する。
放射線科専門医試験 2017年度 問72
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問72
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
通常静脈注射する。
b|正しい
通常静脈投与後に腎皮質像を得る。
c|正しい
静脈投与して尿細管排泄を評価する。
d|誤り
脳槽シンチでは腰椎穿刺等で髄腔内へ投与する。
e|正しい
静脈投与して心筋脂肪酸代謝を評価する。
判断のポイント
111In-DTPAは脳槽シンチグラフィで髄腔内投与し、髄液循環や漏出を評価する。静注による腎・心筋などの検査と投与経路が異なる。
鑑別・注意点
DTPAという名称が同じでも標識核種や製剤・適応が違う。投与経路の誤りを防ぐため、核種、薬剤名、適応、用法を一組で確認する。
放射線科専門医試験 2017年度 問73
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問73
解答例:a、c
選択肢別の解説
a|正しい
肝細胞のアシアロ糖蛋白受容体機能を利用する。
b|誤り
主に脳血流評価に用いる。
c|正しい
肺毛細血管への一時捕捉で血流分布を評価する。
d|誤り
脂肪酸代謝評価薬でありアミノ酸ではない。
e|誤り
中枢ベンゾジアゼピン受容体を評価する。
判断のポイント
99mTc-GSAは肝細胞のアシアロ糖蛋白受容体に結合し、99mTc-MAAは肺毛細血管・細動脈に一時的に捕捉されて肺血流分布を反映する。
鑑別・注意点
HMPAOは主として脳血流、BMIPPは心筋脂肪酸代謝、iomazenilは中枢性ベンゾジアゼピン受容体を評価する。薬剤の名称と、血流・代謝・受容体という測定対象を対応させる。
放射線科専門医試験 2017年度 問74
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問74
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
通常は投与数日後の静態像で評価し動態は代表でない。
b|正しい
腎取り込み・排泄を経時評価する。
c|正しい
3相骨シンチで血流相を動態撮像する。
d|正しい
唾液腺や異所性胃粘膜等で経時撮像する。
e|正しい
脳血流の定量等で動態撮像を用いる。
判断のポイント
67Ga-citrateは投与後数日での分布を静態像やSPECTとして評価するのが通常で、投与直後からの動態撮像を主目的としない。
鑑別・注意点
MAG3は腎動態、MDPは3相骨シンチ、pertechnetateは唾液腺・異所性胃粘膜、IMPは脳血流定量などで動態撮像を用いる。骨シンチでも通常の遅延像だけでなく検査目的に応じた撮像法がある。
放射線科専門医試験 2017年度 問75
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問75
解答例:e(出題当時の調査)
選択肢別の解説
a|条件・比較に注意
FDGの頻度と順位は調査条件に依存し普遍値として比較しない。
b|条件・比較に注意
同時期の投与件数を分母とする資料で比較する。
c|条件・比較に注意
試験集団と市販後集計を混合しない。
d|条件・比較に注意
薬剤特性と投与条件で反応頻度が変わる。
e|正しい
出題当時の国内副作用調査を前提とする最多想定である。現在の他集団へ順位を一般化しない。
判断のポイント
出題直前に公表された国内調査では、131I-ヨウ化メチルノルコレステノールの副作用報告率は投与件数当たり0.1366%で、挙げられた薬剤の中で高かった。副作用の件数そのものではなく投与件数を分母に比較する。
鑑別・注意点
年度ごとの少数例の報告に基づく値で、薬剤の危険性の不変の順位ではない。溶媒や投与速度にも注意し、使用時には最新の添付文書と副作用情報を確認する。
放射線科専門医試験 2017年度 問76
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問76
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
甲状腺取り込みを評価する。
b|正しい
異所性胃粘膜への取り込みを利用する。
c|正しい
唾液腺成分を持ち集積・排泄遅延を示し得る。
d|正しい
唾液腺機能の動態評価に利用する。
e|誤り
骨用Tc標識リン酸製剤等と過テクネチウム酸を混同しない。
判断のポイント
99mTc-pertechnetateは甲状腺、唾液腺、胃粘膜に集積し、Basedow病、唾液腺機能、異所性胃粘膜の検査などに利用する。心アミロイドーシスで使う骨親和性トレーサーとは異なる。
鑑別・注意点
ATTR心アミロイドーシスではPYPなどを用い、単クローン性蛋白の評価も必要になる。同じ99mTc標識でも薬剤によって集積機序と適応が異なる。
放射線科専門医試験 2017年度 問77
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問77
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
酸素代謝率の定量はO-15 PET等で行う。
b|正しい
標識赤血球等による血液プールから評価できる。
c|正しい
IMP・ECD等で評価する。
d|正しい
Ioflupaneで線条体のDATを評価する。
e|正しい
Iomazenilで評価する。
判断のポイント
脳酸素代謝の定量は15O標識ガスなどを用いるPETが代表的で、通常のSPECT薬剤では直接評価しない。SPECTでは脳血流、血液量、DAT、中枢性ベンゾジアゼピン受容体などを評価できる。
鑑別・注意点
血流から代謝を推測することと、酸素代謝量や酸素摂取率を測定することは別である。画像が表す生理機能と、定量に必要な薬剤・採血・補正を区別する。
放射線科専門医試験 2017年度 問78
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問78
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
通常DATが保たれ変性性パーキンソニズムと鑑別する。
b|誤り
通常のFTDで一律に線条体DAT低下とはしない。
c|正しい
黒質線条体変性により低下し得る。
d|正しい
低下が重要な診断補助指標となる。
e|誤り
典型的ADでは通常保たれる。
判断のポイント
皮質基底核変性症やLewy小体型認知症では、黒質線条体ドパミン神経終末の障害によりDAT集積が低下しやすい。本態性振戦や典型的なAlzheimer病では通常保たれる。
鑑別・注意点
DAT-SPECTは脳血流分布を評価する検査ではない。旧解説に並んでいた疾患別の血流低下部位と混同せず、集積低下の左右差や臨床所見から鑑別する。
放射線科専門医試験 2017年度 問79
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問79
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
障害はあり得るが本比較でミスマッチの代表はHCMである。
b|正しい
微小循環・代謝障害により血流より脂肪酸代謝が低下し得る。
c|誤り
圧負荷による変化はあるが代表的比較対象ではない。
d|誤り
瘢痕では血流・代謝とも欠損する一致像が基本となる。
e|誤り
容量負荷のみで典型ミスマッチとしない。
判断のポイント
肥大型心筋症では血流低下に先行して脂肪酸代謝障害が現れ、BMIPP集積低下が心筋血流低下より広いミスマッチを認めることがある。
鑑別・注意点
この所見は肥大型心筋症に特異的ではなく、拡張型心筋症や虚血性病変でも生じる。陳旧性梗塞でも残存心筋によって不一致があり得るため、旧解説の「常に両者が一致する」という断定は避ける。
放射線科専門医試験 2017年度 問80
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問80
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
再分布が乏しく単純な遅延像での評価はTlと異なる。
b|誤り
再分布に基づく標準生存心筋評価の代表でない。
c|誤り
脂肪酸代謝をみるがTlの再分布とは異なる。
d|誤り
交感神経機能を評価する。
e|正しい
遅延再分布で生存心筋を評価する。必要により再静注も行う。
判断のポイント
201Tlでは初期像で集積が低下していても、遅延像で再分布を示す心筋は生存心筋を示唆する。安静時投与後の遅延像という条件から201Tlを選ぶ。
鑑別・注意点
99mTc-MIBIやtetrofosminも別の評価法で心筋生存性の情報を得られるため、心筋バイアビリティを一切評価できないわけではない。FDG-PET/CTでもPET部分を用いた代謝評価が可能である。
放射線科専門医試験 2017年度 問81
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問81
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
肝取り込み・胆道排泄をみる。
b|誤り
腎皮質集積を評価する。
c|正しい
主に糸球体濾過により排泄されGFR評価に用いる。
d|誤り
主に尿細管分泌されGFRそのものの製剤ではない。
e|誤り
胃・唾液腺・甲状腺等に集積しGFRの標準薬でない。
判断のポイント
99mTc-DTPAは主に糸球体で濾過され、GFRの測定に利用する。MAG3は主として尿細管から分泌され、腎機能が低い場合の排泄動態評価などに有用である。
鑑別・注意点
DMSAは腎皮質への集積を用い、PMTは肝胆道の排泄を評価する。MAG3クリアランスを真の腎血漿流量と無補正で同一視せず、測定法に対応した指標として解釈する。
放射線科専門医試験 2017年度 問82
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問82
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
外眼筋への生理集積がよくみられる。
b|誤り
リンパ組織の生理集積がよくみられる。
c|正しい
正常は明瞭集積が乏しく、強い局所集積なら炎症・腫瘍等を評価する。
d|誤り
生理的に可変の集積があるが限局強集積は精査する。
e|誤り
月経周期による生理集積を来し得る。
判断のポイント
正常膵のFDG集積は通常目立たず、明瞭な集積があれば膵炎や腫瘍などを検討する。眼筋、口蓋扁桃、腸管、月経周期に伴う子宮内膜には生理的集積がみられる。
鑑別・注意点
病的集積が疑われても悪性と同義ではない。局所性・びまん性、CT所見、症状、血液検査を照合し、炎症と腫瘍を鑑別する。
放射線科専門医試験 2017年度 問83
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問83
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
一般にFDG高集積を示す。
b|正しい
良性でも強い集積を示す。
c|正しい
高悪性度で通常強い集積を示す。
d|誤り
旧病名の置換性・粘液性腺癌群では低集積となり得る。現代の組織型へ読み替える。
e|正しい
通常強い集積を示し治療反応評価にも使う。
判断のポイント
旧称の細気管支肺胞上皮癌に相当する肺胞置換性の病変は、腫瘍細胞密度や代謝活性が低く、FDG集積が弱いことがある。すりガラス状病変や小病変では検出感度が下がる。
鑑別・注意点
細気管支肺胞上皮癌は現在使われない分類名で、上皮内腺癌、微少浸潤性腺癌、浸潤性粘液性腺癌などに整理された。低集積だけで良性と判断せず、薄切CTと増大傾向を評価する。
放射線科専門医試験 2017年度 問84
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問84
解答例:c、d(2017年の条件)
選択肢別の解説
a|誤り
2017年の通常の保険目的として認知症鑑別一般は対象としない。
b|誤り
マーカー単独高値のスクリーニング目的は対象外である。
c|正しい
悪性リンパ腫では治療効果判定が認められる条件がある。
d|正しい
適切な前処置・他検査等の条件下で炎症部位診断に用いる。
e|誤り
早期胃癌は当時の悪性腫瘍保険適用から除かれる。
判断のポイント
悪性リンパ腫の治療効果判定と心サルコイドーシスの炎症部位評価は、出題当時の保険適用に含まれる。腫瘍マーカー高値だけを根拠とするスクリーニングや早期胃癌の病期評価とは区別する。
鑑別・注意点
保険適用は改訂されるため、この答案を現在の全適応一覧としない。認知症領域なども後年の拡大があり、検査目的と製剤、施設要件を最新通知で確認する。
放射線科専門医試験 2017年度 問85
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問85
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
有痛性骨転移の緩和が目的で、骨転移なしの原発癌には使わない。
b|誤り
主な治療線種はβ線である。
c|正しい
骨形成性集積病変を事前に確認する。
d|誤り
投与量は体格・製剤基準で決めALP単独で増減しない。
e|誤り
一過性の疼痛増悪はflareで治療抵抗性を直ちに意味しない。
判断のポイント
89Srはβ線による骨転移痛の緩和を目的とし、治療前に骨シンチグラフィで疼痛部位に対応する骨形成性病変への集積を確認する。骨転移のない前立腺癌を対象とする治療ではない。
鑑別・注意点
投与後に一過性の疼痛増悪、いわゆるflareを生じても、直ちに治療抵抗性を意味しない。骨髄・腎機能と放射線防護を評価し、投与量は定められた用法に従う。
放射線科専門医試験 2017年度 問86
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問86
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
一般に放射線感受性が高い。
b|正しい
分化癌は相対的に低感受性で他肢との比較で選ぶ。
c|誤り
根治・術後照射が有効な腫瘍群である。
d|誤り
低線量で高い制御率が得られる。
e|誤り
根治照射に反応し化学療法併用を用いる。
判断のポイント
甲状腺乳頭癌は、精上皮腫やMALTリンパ腫などと比べ、通常の外部照射に対する感受性が低い腫瘍として扱う。分化型甲状腺癌では手術と適応に応じた放射性ヨウ素治療が重要になる。
鑑別・注意点
感受性が低いことは外部照射が無効という意味ではない。切除不能な局所病変や症状緩和などに用いられ、放射性ヨウ素の取り込みと外部照射感受性も別の性質である。
放射線科専門医試験 2017年度 問87
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問87
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
永久挿入シード等に使う。
b|正しい
密封線源として歴史的に組織内等の照射に使われた。
c|正しい
高線量率組織内照射等の代表線源である。
d|正しい
永久挿入の金粒子として用いる。
e|誤り
骨へ集積する非密封内用療法で、組織内に針・粒子を留置しない。
判断のポイント
223Raは静脈内へ投与する非密封放射性医薬品で、骨形成部位に集積してα線を放出する。125I、137Cs、192Ir、198Auの密封線源による組織内照射とは異なる。
鑑別・注意点
密封か非密封かと、α・β・γ線の違いを分けて整理する。223Raの適応は病態や併用薬の条件を含み、前立腺癌なら全例に用いる薬剤ではない。
放射線科専門医試験 2017年度 問88
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問88
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
適格な限局例で定位照射の対象となる。
b|正しい
適格な小型肝癌で根治定位を検討する。
c|誤り
外照射と小線源等が標準で、体幹部定位の代表適応ではない。
d|条件・比較に注意
脊髄AVMの定位治療は対象・部位・保険条件を確認する。標準的に全例可能とはしない。
e|正しい
手術不能等の早期例で定位照射が重要な選択肢となる。
判断のポイント
子宮頸癌の根治放射線治療は外部照射と小線源治療の組み合わせが基本で、通常の体幹部定位照射で小線源を置き換える標準治療ではない。
鑑別・注意点
脊髄動静脈奇形への定位照射は特殊な適応であり、悪性腫瘍の保険適用とは分けて理解する。肺・肝・前立腺の定位照射も病期、サイズ、位置、臓器線量によって適否を判断する。
放射線科専門医試験 2017年度 問89
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問89
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
VMAT等の回転方式でも実施する。
b|正しい
固定照射野で強度を変調する方法がある。
c|正しい
線量目標・制約から逆問題として最適化する。
d|誤り
通常はPTVのD95等の体積指標で処方し、一点処方に固定しない。
e|正しい
計算・装置・患者別検証を適切に行う。検証方法は規準に従う。
判断のポイント
IMRTは逆方向計画で標的と正常組織の線量目標を設定し、標的体積のD95などの線量指標で処方・評価する。アイソセンター一点の線量だけで標的全体の線量を代表させない。
鑑別・注意点
固定多門でも回転照射でも実施できる。D95は標的体積の95%が受ける線量を表し、平均線量や最大線量とは異なる。各症例の計画と照射の品質保証を行う。
放射線科専門医試験 2017年度 問90
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問90
解答例:判定保留(旧答案cは現在の標準と不一致)
選択肢別の解説
a|正しい
標的形状と周囲臓器を考えIMRTを用いる。
b|正しい
予後・病変数等で全脳照射を選ぶ。
c|条件・比較に注意
現在は適格な脊椎転移に定位照射の根拠があり、組合せだけで誤りとしない。
d|正しい
温存乳房照射の基本的な照射法である。
e|正しい
適切な治療反応・MRI等の条件でPCIを検討する。
判断のポイント
脊椎転移に対する体幹部定位照射は、現在では選択された患者に用いられる治療である。食道癌が原発という理由だけで不適切とはいえず、通常照射しか行わないという旧解説は改める。
鑑別・注意点
出題当時の標準・制度を前提とした答案cと、現在の適応を区別する。脊髄圧迫、脊椎不安定性、既照射、予後などの条件が必要で、提示条件だけでは現在の誤りを一つに決められない。
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2017年度 問91
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問91
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
一般にCSIと局所追加を合わせても原発部は約54〜55.8Gy等である。
b|誤り
通常45〜50.4Gy等の術前治療である。
c|正しい
根治は約66〜70Gy等となる。
d|正しい
術後前立腺床へ約64〜66Gy以上等を用いる。
e|条件・比較に注意
通常は50〜59.4Gy等だが進行度・方式により60Gy以上もあり、全例低いとはしない。
判断のポイント
通常分割で下咽頭癌の根治照射は約70Gy、前立腺癌の術後・救済照射は60Gy台以上が代表的である。髄芽腫の局所追加線量や直腸癌の術前照射とは区別する。
鑑別・注意点
髄芽腫で全脳全脊髄に54Gyを投与するという旧解説は誤りで、全脳全脊髄への線量と局所追加線量を分ける。肛門管癌でも状況によって60Gy以上の処方があり、ここでは典型的な標準処方の比較として読む。
放射線科専門医試験 2017年度 問92
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問92
解答例:e(出題時の国内標準)
選択肢別の解説
a|誤り
主に小児・思春期〜若年成人に発症する。
b|誤り
純粋胚腫の適切な治療では長期生存は一般に90%以上となる。
c|誤り
化学療法CRでも照射を一律省略しない。
d|誤り
残存のみで全例CSIとはせず播種と反応を区別する。
e|条件・比較に注意
当時の国内化学療法併用24Gy等の想定である。現在は反応・範囲で線量が異なり全例同一とはしない。
判断のポイント
播種のない胚腫では、化学療法後に全脳室を中心とする照射を組み合わせる。国内で用いられてきた24Gy/12回は代表的な処方で、化学療法で完全奏効しても照射を一律に省略しない。
鑑別・注意点
線量・追加照射は治療プロトコルと奏効により異なる。部分奏効だけを理由に全脳全脊髄照射とせず、播種を評価する。基底核原発でも自動的に全脳全脊髄とする旧説明は適切でない。
放射線科専門医試験 2017年度 問93
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問93
解答例:e
選択肢別の解説
a|誤り
局所のみでは髄液播種リスクを十分扱えない。
b|誤り
脊髄くも膜下腔を含まない。
c|誤り
全脳室のみでは全神経軸を含まない。
d|誤り
局所拡大だけを標準術後範囲とはしない。
e|正しい
適格年齢・リスクに応じCSIと原発部追加を行う。乳幼児等は別戦略を検討する。
判断のポイント
髄芽腫は髄液播種のリスクが高く、放射線治療の適応となる年齢では術後に全脳全脊髄照射と局所追加照射を組み合わせる。目に見える腫瘍床だけの照射では不十分となる。
鑑別・注意点
乳幼児や特定の治療プロトコルでは放射線を遅らせる・減らす場合がある。線量は年齢、播種、残存病変、分子群などのリスク分類に応じて決定する。
放射線科専門医試験 2017年度 問94
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問94
解答例:b(従来の標準設定)
選択肢別の解説
a|誤り
通常の標準は患側のみでなく声帯全体を含む。
b|正しい
2016国内指針でT1N0のCTVとして声帯全体を記載する。
c|誤り
T1N0で全喉頭を一律CTVとする必要はない。
d|誤り
通常は予防的頸部照射を省略する。
e|誤り
リンパ節リスクが低く両側頸部の予防照射を標準としない。
判断のポイント
T1N0の早期声門癌では声帯全体を中心にCTVを設定し、通常は予防的な頸部リンパ節照射を行わない。従来の小照射野による治療の標的を問う設問である。 JASTRO2016年版でも声帯全体のCTVという記載を確認しました。
鑑別・注意点
CTVと、位置誤差を加えたPTVや実際の照射野の寸法は別の概念である。前交連や声門下などへの進展を確認し、近年の声帯限局照射などの手法と出題当時の標準を区別する。
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2017年度 問95
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問95
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
当該根治併用の標準薬ではない。
b|誤り
ALK等の標的薬で頭頸部根治併用の標準でない。
c|正しい
抗EGFR抗体で照射併用の根拠がある。シスプラチン適格性等で選ぶ。
d|誤り
出血等のリスクもあり標準根治併用ではない。
e|誤り
HER2標的薬で頭頸部扁平上皮癌の標準併用ではない。
判断のポイント
局所進行頭頸部扁平上皮癌では、放射線単独にセツキシマブを併用することで局所制御・生存を改善した無作為化試験がある。EGFRを標的とする薬剤である。
鑑別・注意点
この比較はシスプラチン併用との同等性を示したものではない。適応、全身状態、腎機能、HPV関連などを踏まえ、シスプラチンを投与できる患者の標準治療を安易に置き換えない。
放射線科専門医試験 2017年度 問96
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問96
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい
正常甲状腺を除いた後に残存・転移へ取り込みを向ける。
b|誤り
C細胞由来で通常ヨードを取り込まず適応でない。
c|正しい
ヨード集積性分化癌の肺転移で用いる。
d|正しい
体内ヨード量を減らし取り込みを高める。期間は施設・指針で調整する。
e|正しい
抗Tg抗体等を考慮して残存・再発の指標とする。
判断のポイント
髄様癌はC細胞由来で、濾胞上皮由来の分化型甲状腺癌とは異なり、通常は放射性ヨウ素治療の対象としない。乳頭癌・濾胞癌の残存組織やヨウ素集積性転移が主な対象となる。
鑑別・注意点
肺転移でも集積性や治療反応により適否は変わる。低ヨウ素食、TSH刺激、腎機能、退出基準を確認し、サイログロブリンは抗サイログロブリン抗体の干渉も考慮して評価する。
放射線科専門医試験 2017年度 問97
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問97
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
III期根治では原発と所属病変へ通常分割等を行い単純に定位だけへ置換しない。
b|誤り
肺等の密度差が大きく不均質補正が必要である。
c|誤り
NSCLCでの一律PCIは標準ではない。
d|正しい
代表的根治化学放射線線量である。
e|正しい
呼吸位相ごとの標的位置・形状を評価する。
判断のポイント
Ⅲ期非小細胞肺癌の同時化学放射線療法では、通常分割60Gy/30回が代表的な標準である。呼吸性移動は4D-CTなどで把握し、標的設定に反映する。
鑑別・注意点
肺の密度差を考慮した線量計算が必要で、早期肺癌の定位照射をそのまま適用しない。予防的全脳照射も非小細胞肺癌の標準ではなく、治療後の薬物療法は最新の適応と患者条件に従う。
放射線科専門医試験 2017年度 問98
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問98
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
肺の50%が20Gy以上は通常の制約を大きく超え肺炎リスクが高い。
b|正しい
肺障害は最大値単独よりV20・平均等で評価し、この値だけを不適切としない。
c|正しい
処方に整合し得るがカバレッジ・高線量域も確認する。
d|正しい
95%相当で、体積分布・位置に応じ許容を評価する。
e|正しい
通常分割の脊髄制約内にあり得る。実際は全計画・再照射歴で判断する。
判断のポイント
肺V20が50%という計画は、症候性放射線肺臓炎のリスクが高く、通常の肺線量制約を大きく超える。最大線量一点よりも、肺の照射体積と平均線量が重要になる。
鑑別・注意点
他の数値が一つずつ許容範囲でも、計画全体が自動的に合格となるわけではない。標的の線量被覆、正常組織の線量体積、再照射歴、併用薬などを総合評価し、必要なら計画・治療方針を再検討する。
放射線科専門医試験 2017年度 問99
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問99
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|誤り
摘出済みなら肉眼的腫瘍は存在せず腫瘍床をGTVと単純定義しない。
b|正しい
DCISにも温存術後照射の適応がある。
c|誤り
寡分割は確立した標準選択肢である。
d|正しい
適切な集団で再発と乳癌死亡の絶対リスクを減らす。
e|誤り
pCRのみで温存乳房照射を一律省略しない。
判断のポイント
温存術後照射はDCISにも適応があり、浸潤癌では再発低減に加え、長期的な乳癌死の絶対リスク低下が無作為化試験の統合解析で示されている。
鑑別・注意点
DCISの照射利益をそのまま乳癌死低減と同一視しない。術後に肉眼的残存がなければGTVは存在せず、寡分割も用いられる。術前治療後のpCRだけを理由に全例で照射を省略しない。
放射線科専門医試験 2017年度 問100
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問100
解答例:b(想定解・頻度比較は未確定)
選択肢別の解説
a|条件・比較に注意
照射体積・肝機能に依存し頻度順位を固定できない。
b|条件・比較に注意
旧想定解で通常低線量照射ではまれだが他臓器と同条件の比較が必要である。
c|条件・比較に注意
悪心・食欲不振等は急性症状として生じ得る。
d|条件・比較に注意
急性粘膜炎等は起こり得る。
e|条件・比較に注意
肺照射量が小さければまれであり、bとの最少順位には比較資料を要する。
判断のポイント
胃MALTリンパ腫への24〜30Gy程度の照射では、悪心などの急性症状は起こり得るが、強い線維化による幽門狭窄のような重い晩期障害はまれである。旧解説の放射線宿酔を最少とする説明は改める。
鑑別・注意点
幽門狭窄と放射線肺臓炎の厳密な頻度比較は、照射法や肺線量などの条件で変わり、提示条件だけでは確定できない。肺臓炎を確率的影響と呼んでいた旧記載も誤りで、正常組織反応として扱う。
放射線科専門医試験 2017年度 問101
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問101
解答例:a(出題当時の標準)
選択肢別の解説
a|正しい
根治化学放射線療法が確立した選択肢である。
b|誤り
通常は肝癌全例の術後化学放射線を標準にしない。
c|条件・比較に注意
2017年の標準想定とは別に、現在は適格例で定位治療を検討するため全面否定しない。
d|条件・比較に注意
手術主体だった出題時点と現在の適格例の臓器温存戦略を分ける。
e|誤り
通常は化学放射線で根治を目指し、手術は残存・再発への救済として考える。
判断のポイント
食道癌では手術不能・不適応例などに根治的化学放射線療法を用いる。肛門扁平上皮癌でも根治的化学放射線療法が基本で、通常の術前治療として手術へ進む方式とは異なる。
鑑別・注意点
膵癌へのSBRTは後年、選択された患者に用いられるようになり、現在も一律に誤りとはしない。直腸癌では治療前後の方針と臓器温存戦略が変化しており、原発部位だけで方法を固定しない。
放射線科専門医試験 2017年度 問102
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問102
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
限局鼻型NK/Tリンパ腫も通常は薬物療法を組み合わせる。
b|誤り
薬物療法を軸とし照射単独を標準としない。
c|正しい
限局眼付属器MALTリンパ腫は照射単独で高い局所制御を得る。
d|誤り
全身化学療法と対側精巣照射・中枢予防等を組み合わせる。
e|誤り
通常は全身化学療法を軸とし照射単独ではない。
判断のポイント
球結膜に限局したⅠ期の節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、いわゆるMALTリンパ腫では局所放射線単独が標準的な治療選択肢になる。局所制御は良好で、全身病期の評価が前提となる。
鑑別・注意点
設問の「ろ胞辺縁帯」は辺縁帯リンパ腫を指す表現として読む。旧解説の「濾胞性リンパ腫Ⅰ期」という言い換えは別の組織型との混同である。脳・精巣などのDLBCLとは治療体系を分ける。
放射線科専門医試験 2017年度 問103
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問103
解答例:a(従来法の条件)
選択肢別の解説
a|誤り
従来TBIでは肺毒性を抑える低線量率を用い、1Gy/分を標準としない。
b|正しい
照射後早期に唾液腺腫脹・疼痛が起こり得る。
c|正しい
代表的な骨髄破壊的分割法である。
d|正しい
肺障害を監視し肺線量・線量率等を管理する。
e|正しい
移植前処置として腫瘍・免疫抑制に用いる。
判断のポイント
骨髄破壊的な全身照射では12Gy/6回/3日などを用い、従来法では肺障害を減らすため低い線量率で照射する。1Gy/分を標準とする説明は適切ではない。
鑑別・注意点
急性の耳下腺炎、悪心、晩期の肺障害などに注意する。現代のIMRTによる全身・全骨髄照射では装置の瞬間線量率と臓器の実効線量率が異なるため、単純な数値だけで従来法と比較しない。
放射線科専門医試験 2017年度 問104
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問104
解答例:a、c(出題当時の方式)
選択肢別の解説
a|正しい
当時の中央遮蔽法では3〜4cm等を使い、小線源と合成して計画する。
b|誤り
全骨盤へ一律60Gyは通常の臓器許容上適切でない。
c|正しい
画像誘導小線源で標的・臓器線量を評価する。
d|誤り
閉鎖節は基本的所属領域で、腟浸潤なしだけで除外しない。
e|誤り
小線源をIMRTで一律代替するのは標準でない。
判断のポイント
国内の従来型治療では3〜4cm幅の中央遮蔽が用いられ、CTでアプリケータと標的・正常臓器を確認する三次元小線源治療計画も適切である。
鑑別・注意点
閉鎖リンパ節は腟浸潤の有無だけでCTVから外さない。IMRTは小線源治療を一律に代替するものではなく、中央遮蔽の採否も含めて、現在の画像誘導方式と線量合算を理解する。
放射線科専門医試験 2017年度 問105
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問105
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|誤り
一定蓄尿と直腸条件を再現し臓器線量等を管理する。
b|誤り
低リスクでも根治照射法として使える。
c|正しい
標的適合性を高め直腸高線量体積を減らす。
d|正しい
適格高リスクではADT併用に根拠がある。
e|誤り
通常は数年以内が多く10年をピークとしない。遅発例も経過観察する。
判断のポイント
IMRTは標的に線量を集中させ、直腸への高線量域を低減する。高リスク前立腺癌では、根治放射線治療にホルモン療法を併用する。
鑑別・注意点
低リスク例にもIMRTは用いられる。膀胱・直腸の状態は計画時と照射時で再現し、晩期直腸出血が治療後10年にピークとなるという説明は適切でない。症状が遅れて出現する可能性には継続して注意する。