2010年(第7回)核医学専門医試験 解答・解説

核医学専門医試験・第7回(2010年)

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総論・問1

出題テーマ陽電子壊変と消滅光子における保存則

解答例:c・e

考え方

消滅光子のエネルギーは電子と陽電子の静止質量に由来します。壊変時の陽電子の運動エネルギーとは区別します。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 原子核の電場による制動放射ではなく、電子との対消滅を利用します。
  • b:誤り — 平均エネルギーが高いことは飛程を長くし、消滅が容易になるという結論にはつながりません。
  • c:正しい — 光子の方向とエネルギーには両方の保存則が適用されます。
  • d:誤り — 壊変の陽電子は連続スペクトルで、静止質量相当の光子とは別です。
  • e:正しい — 核内では陽子が中性子へ変わり、陽電子とニュートリノを放出します。

根拠・参考文献

総論・問2

出題テーマAnger型ガンマカメラの厚さ・感度・分解能

解答例:e

考え方

結晶を厚くすると光子の相互作用確率が上がりますが、空間分解能との兼ね合いがあります。コリメータの装着が検出感度を増すわけではありません。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 複数PMTの出力比から位置を推定でき、PMT径がそのまま位置分解能限界ではありません。
  • b:誤り — 進行方向を選ぶため多くの光子を遮り、感度は低下します。
  • c:誤り — コリメータは空間情報を与えますが、固有分解能に幾何学的なぼけを加えます。
  • d:誤り — 高計数率ではパイルアップ等が増え、性能向上と一律にはなりません。
  • e:正しい — 厚さの増加で停止効率が増すため検出感度が高くなります。

根拠・参考文献

総論・問3

出題テーマPETと放射能測定器の相互校正

解答例:a・e

考え方

装置の画素値を実際の放射能濃度へ対応させる係数です。感度は時間とともに変わるため、個々の施設で定期的に校正します。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 画像値と基準濃度の対応から求めます。係数を掛けるか割るかはソフトの定義も確認します。
  • b:誤り — 結晶材料にかかわらず経時変化や保守後の校正が必要です。
  • c:誤り — 臨床に対応する減弱補正等を適用した値で比較します。
  • d:誤り — 装置、計測器、収集・再構成条件が異なる係数を流用しません。
  • e:正しい — 校正されたドースキャリブレータの放射能値を基準にします。

根拠・参考文献

総論・問4

出題テーマSUVの体格正規化と時間・装置校正

解答例:a・d

考え方

放射能濃度を投与放射能だけで割ると体格の正規化が欠けます。濃度と投与量は同じ減衰基準時刻へそろえます。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 定量値として体内濃度を評価するために減弱補正が必要です。
  • b:誤り — CTとの融合表示そのものはSUV計算の必須要件ではありません。
  • c:誤り — 通常の体重正規化なら投与量を体重で除した値が分母になります。
  • d:正しい — 異なる時刻の放射能を無補正で比べると系統的誤差が生じます。
  • e:誤り — 計測器とPETの校正差がそのままSUVへ反映されます。

根拠・参考文献

総論・問5

出題テーマSPECT減弱補正と再構成法の対応

解答例:c・d

考え方

均一減弱の補正と逐次近似再構成を、それぞれ平滑化・散乱補正の手法から区別します。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 周波数特性を調整する平滑化であり、散乱光子を推定して差し引く方法ではありません。
  • b:誤り — 画像再構成法で、低域通過の雑音除去フィルタそのものではありません。
  • c:正しい — 一様な減弱係数等を仮定して減弱を補います。
  • d:正しい — 逐次近似法では高集積部由来のFBPの線状アーチファクトを抑えやすくなります。
  • e:誤り — 隣接エネルギー窓から散乱成分を推定する補正で、患者の投与線量を直接下げる処理ではありません。

根拠・参考文献

総論・問6

出題テーマ酵素変換を利用する保持と濾過・輸送の区別

解答例:c・d

考え方

甲状腺の陰イオン取り込みと腎糸球体濾過は、酵素で別の化合物に変換して保持する機序とは異なります。

各選択肢の解説

  • a:正しい — リン酸化され細胞内で保持される過程に酵素を使います。
  • b:正しい — 吸入後に炭酸脱水酵素を介して標識水となり血流を評価します。
  • c:誤り — 輸送体による取り込みで、有機化されるヨウ素と異なり酵素的有機結合を利用しません。
  • d:誤り — 糸球体を通過する濾過で分布・排泄が決まります。
  • e:正しい — 脳内での加水分解による親水性化で保持されます。

根拠・参考文献

総論・問7

出題テーマMo99減衰下でのTc99m再成長と日々の溶出量

解答例:e

考え方

娘核種は溶出後に再び増えますが、供給源の親核種自体が減衰するため、翌日以降も同じ放射能が得られるわけではありません。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 等張塩類溶液で娘核種を溶離します。
  • b:正しい — 酸化状態の過テクネチウム酸イオンとして回収します。
  • c:正しい — 親と娘の化学的吸着差を利用します。
  • d:正しい — 親の方が長寿命という過渡平衡の関係です。
  • e:誤り — 同じ溶出間隔でも親の減衰で収量が次第に低下します。

根拠・参考文献

総論・問8

出題テーマI123の約2半減期後の比放射能

解答例:c

考え方

分子量や量の変化を考慮しない条件では、分母の物質量は一定として放射能だけを減衰補正します。約2半減期で初期値の約4分の1です。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 減衰を反映していません。
  • b:誤り — 一半減期だけが経過した場合の値です。
  • c:正しい — 指定時間を約2半減期として補正した値です。
  • d:誤り — 三半減期相当まで減らしすぎています。
  • e:誤り — 四半減期相当まで減らしすぎています。

根拠・参考文献

総論・問9

出題テーマ血液脳関門を通過する水と脂溶性受容体薬

解答例:b・c

考え方

脳血流を追う標識水と脳内受容体へ届く脂溶性薬剤は、正常BBBを通過します。血中の赤血球へ結合するガスとは分けます。

各選択肢の解説

  • a:誤り — ヘモグロビンに結合して血管内にとどまり、主に血液量を評価します。
  • b:正しい — 水はBBBを拡散通過し脳血流の標準的な指標となります。
  • c:正しい — 脳内のベンゾジアゼピン受容体へ届く脂溶性薬です。
  • d:誤り — 親水性で正常BBBを通りにくく、障害部での漏出等を利用します。
  • e:誤り — 骨親和性で、正常脳への自由な移行を利用する薬ではありません。

根拠・参考文献

総論・問10

出題テーマ外部光子被ばくと注射・汚染時の防護

解答例:d・e

考え方

患者や線源の外側にいる者は光子による被ばくが重要です。注射時は遮蔽を使い、汚染時は除去と拡大防止を行います。

各選択肢の解説

  • a:誤り — β線は主に患者体内で吸収され、周囲の者には透過性の高い光子が問題となります。
  • b:誤り — 陽圧の維持は漏出やエアロゾル拡散を招くため、一律に行いません。
  • c:誤り — 511keV光子の鉛に対する代表的な十分の一価層より著しく厚い値です。
  • d:正しい — 手指の線源直近被ばくを減らすための重要な遮蔽です。
  • e:正しい — まず拭き取り・測定と除染を行い、残留部を標識・養生して汚染拡大を防ぎます。

根拠・参考文献

総論・問11

出題テーマ院内FDGの比放射能規格と放射化学的純度

解答例:d

考え方

試験当時の学会第2版には比放射能の下限が規定されています。物質量に対して十分な標識放射能をもつことも品質の一部です。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 放射化学的不純物を分離して放射能を検出するクロマトグラフィ法です。
  • b:正しい — 短寿命でも製造ロットごとの発熱性成分確認が必要です。
  • c:正しい — 酸素同位体の混在により別の陽電子核種が副生し得るため、核種純度と化学純度を区別します。
  • d:誤り — 当時の品質規格に下限が記載されており、規定不要ではありません。
  • e:正しい — 当時の品質規格に示される外観の範囲です。

根拠・参考文献

総論・問12

出題テーマ光子用シンチレーションサーベイでのY90の低効率

解答例:c

考え方

主にβ線を放出する核種では、一般的なγ線用サーベイメータで高い直接検出効率を期待できません。測定器を放出線に合わせます。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 検出対象となる光子を放出します。
  • b:誤り — 消滅光子を放出するため、適切なエネルギー応答なら検出できます。
  • c:正しい — 直接の主放出線がβ線で、制動放射を捉えても効率・校正が異なります。
  • d:誤り — 治療用核種でも光子放出があり外部から測れます。
  • e:誤り — 診断に用いる光子を放出し測定しやすい核種です。

根拠・参考文献

総論・問13

出題テーマ距離の逆二乗と時間及び内部被ばく動態

解答例:d・e

考え方

点線源近似では線量は時間に比例し距離の二乗に反比例します。後者の作業は前者の0.75倍です。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 同じ放射能でも光子エネルギーと放出率が異なり、F18の方が低いとはしません。
  • b:誤り — 同エネルギーでは鉛の方が少ない厚みで減弱でき、関係が逆です。
  • c:誤り — 十半減期後は約1024分の1で、百分の1ではありません。
  • d:正しい — 物理減衰に加えて分布・排泄などの生物学的挙動が線量を左右します。
  • e:正しい — 時間12倍、距離4倍なので比は12/16となり後者が少なくなります。

根拠・参考文献

総論・問14

出題テーマ甲状腺I131吸収線量の標的重量と滞留

解答例:a・e

考え方

基本的な甲状腺線量式では投与放射能、摂取率、有効半減期と甲状腺重量を用います。患者の年齢や全身体重を直接代入する式ではありません。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 基本式の直接入力値ではありませんが、臨床では治療方針に影響する因子です。
  • b:正しい — 線源として取り込まれる量に比例します。
  • c:正しい — 甲状腺内の積算壊変数を左右します。
  • d:正しい — 投与量のうち標的に届く割合です。
  • e:誤り — 分母に用いるのは全身体重ではなく標的である甲状腺の重量です。

根拠・参考文献

総論・問15

出題テーマMIRDの標準ファントムと粒子線内部線量

解答例:a・b

考え方

MIRDは核種の放出エネルギーと時間積分した線源放射能を用います。日本人成人男性のみ、あるいは光子のみの方法という定義ではありません。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 選択する標準ファントムには年齢・性・体格などの違いがあります。
  • b:誤り — α線やβ線の自己吸収線量も扱う方法です。
  • c:条件付き — 光子の交差照射は一般に距離で減少しますが、臓器形状や遮蔽等にも依存し厳密な一般則ではありません。
  • d:正しい — 臓器単位のモデルでは通常、領域内一様分布という近似を置きます。
  • e:正しい — 投与量と体内動態から各線源における積算放射能を求めます。

根拠・参考文献

総論・問16

出題テーマ2010年の被ばく限度と2021年の水晶体改正

解答例:a

考え方

2010年の出題では実効線量の単年限度を取り違えた肢を選びます。水晶体の旧限度を現在の実務へ流用してはいけません。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 5年の合計限度に加え単年は50mSvで、20mSvは単年上限ではなく平均に相当する値です。
  • b:正しい — 妊娠可能性等の適用条件を伴う四半期管理です。
  • c:正しい — 妊娠申告後から出産までの内部被ばくを制限します。
  • d:正しい — 試験当時の年150mSvという旧規定です。2021年以降は原則単年50/5年100mSvに改正されました。
  • e:正しい — 皮膚に対する年間等価線量の上限です。

根拠・参考文献

総論・問17

出題テーマ医療用途の薬剤と放射線発生装置・校正線源の法区分

解答例:d・e

解答候補(2010年の旧法原文との逐条対照は未完了)

考え方

診療用放射性医薬品と、放射線発生装置や規制対象密封線源は別の法的区分です。2010年時点の法律名で出題されています。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 医薬品としての診療使用は医療法等の体系で管理します。
  • b:誤り — 患者に使用後の診療用シードは医療法上の患者管理等を適用します。
  • c:誤り — 規制の量・濃度等の免除条件を満たすことを前提とする肢です。
  • d:正しい — 荷電粒子加速の放射線発生装置として対象となります。
  • e:正しい — 免除対象でない放射性同位元素線源として規制を受けます。

根拠・参考文献

総論・問18

出題テーマ院内FDG製造の設備と遠心操作の限界

解答例:e

考え方

遠心操作でエンドトキシンが安全に除去されるわけではありません。必要なのは検証された製造工程、清浄環境と品質試験です。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 当時の学会指針で承認装置の使用を求めます。
  • b:正しい — 無菌作業が必要な工程の清浄度要件です。
  • c:正しい — 核種確認に用いる測定機器です。
  • d:正しい — 製造・試験を追跡できる記録が必要です。
  • e:誤り — 発熱性成分除去を遠心分離だけで保証する設備としては不適切です。

根拠・参考文献

総論・問19

出題テーマ退出基準・PET減衰保管と治療病室の使用制限

解答例:a・e

解答候補・a/eの2010年退出/記録規定の直接照合が必要

考え方

本問は2010年の制度で解釈します。退出は総残留放射能や外部線量率等の基準で判断し、単に検出量が小さいことだけで廃棄や病室転用を許可しません。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 総残留量の基準を満たすという前提の判断です。濃度という語は単位MBqと整合しないため総量と読む必要があります。
  • b:誤り — 所定PET核種は分別・密封・記録と規定期間の減衰保管により例外扱いが可能でした。
  • c:誤り — 2010年の放射線治療病室を単に測定だけで一般入院病床へ流用しません。2022年導入の特別措置病室は別制度です。
  • d:誤り — Tc99m廃棄物を量だけで一般ごみとする例外ではありません。
  • e:正しい — 排気排水の測定・汚染記録に関する保存義務を問う肢です。

根拠・参考文献

総論・問20

出題テーマRI法と労働安全衛生法で異なる健康診断管理

解答例:a・e

解答候補(2010年の旧法原文との逐条対照は未完了)

考え方

健康診断の実施間隔と記録期間は法令ごとに異なります。一般の定期健診の5年保存を、電離放射線健診へそのまま適用しません。

各選択肢の解説

  • a:誤り — RI法の定期健診と電離則の6か月以内ごとの健診は同じ間隔ではありません。
  • b:正しい — 問診は省略できる血液検査等と区別します。
  • c:正しい — 初回の配置・雇入れ時は定期健診の省略条件と別です。
  • d:正しい — 医療法と労働安全衛生法/RI法の担当範囲を分けます。
  • e:誤り — 電離則の個人票は原則30年保存であり、双方5年とする肢は不適切です。

根拠・参考文献

総論・問21

出題テーマIMPの再分布と脳血管反応性

解答例:a・d

考え方

IMPの保持分布は時間とともに変わる。脳循環予備能が低い領域では血管拡張薬への血流増加反応も乏しく、正常反応が保たれるという説明は逆である。

各選択肢の解説

  • a:誤り・選択 — IMPには灰白質からの洗い出しなどがあり、遅延像まで分布不変とはしない。
  • b:適切 — ECDは脳内代謝で保持され、通常の撮像時間帯では注射時血流の分布を反映する。
  • c:適切 — IMPは血流との比較的よい直線性を利用して負荷血流評価に使われる。高流量域や測定法の限界は残る。
  • d:誤り・選択 — 予備能低下は拡張余力の低下であり、反応は減弱する。盗血で低下する場合もある。
  • e:適切 — 薬剤作用は時間依存性があり、負荷とトレーサ投与の時刻をそろえる必要がある。

根拠・参考文献

総論・問22

出題テーマ脳核医学薬剤の標的と臨床目的

解答例:未確定

解答未確定(理由を本文に記載)

考え方

出題想定はa・dが候補。IMPの認知症鑑別とFDGの脳腫瘍評価は用途として整合する。ただしイオマゼニルは術前焦点評価に加え治療前後に研究利用されることがあり、「治療効果判定」をどこまで含めるかで唯一解を確定できない。

各選択肢の解説

  • a:候補 — 局所血流パターンが認知症鑑別を補助する。単独で疾患を確定するものではない。
  • b:不適切 — PiBは主としてアミロイドβを標的とし、PDのドパミン終末機能検査とは異なる。
  • c:条件付き — BZR結合の評価でてんかん焦点を調べる。治療前後の変化を扱う研究を全面否定する説明は避ける。
  • d:候補 — 脳腫瘍の残存・再発等にFDGを利用するが、正常皮質背景、炎症、低悪性度の低集積に注意する。
  • e:代表的用途ではない — Tlは腫瘍評価の旧来の用途が中心で、脳炎を評価する代表的な血流トレーサとはしない。

根拠・参考文献

総論・問23

出題テーマ脳血流薬のBBB通過・肺トラップと受容体

解答例:d

考え方

IMPの静注後の肺への一時的取り込みと肺からの放出が脳への入力に影響する。脂溶性の脳血流薬と水溶性の排泄製剤、BZRとドパミン受容体を分ける。

各選択肢の解説

  • a:誤り — BBB通過に適した脂溶性の形で脳へ入る製剤を、一律に水溶性とする点が誤る。
  • b:誤り — ECDは脳内で代謝され、水溶性の形となって保持される。
  • c:不適切 — 従来型HMPAOは調製後の安定性に制限があり、一律に3時間後の使用を認めない。使用製品の規定を確認する。
  • d:正しい — 肺に一時取り込まれた後、血中を介して脳へ移行する動態がある。
  • e:誤り — イオマゼニルはGABA-A受容体系のベンゾジアゼピン結合部位を評価する。

根拠・参考文献

総論・問24

出題テーマ心筋SPECTの減弱・運動と伝導異常

解答例:d・e

考え方

upward creepは運動負荷後の心臓位置の回復に関連する代表的な偽像で、アデノシン固有の現象としない。LBBBは主に中隔の偽低集積が問題になる。

各選択肢の解説

  • a:整合する — 乳房の減弱は前壁等の低集積を生じ、負荷安静で位置が変わると可逆性にも見える。
  • b:整合する — 横隔膜・腹部組織の減弱は下壁の見かけの低集積の原因になる。
  • c:整合する — 強い肝胆道等の放射能は再構成に影響し、FBPで放射状の偽像を生じうる。
  • d:不適切な対応・選択 — 運動負荷との関連が典型で、アデノシンの方が代表とする対応は不適切。
  • e:不適切な対応・選択 — 完全LBBBでは中隔の機械的・灌流上の偽所見が問題で、外側壁を代表部位にしない。

根拠・参考文献

総論・問25

出題テーマTlとTc-MIBIの膜輸送と撮像エネルギー

解答例:d

考え方

通常の撮像で用いるTlの低エネルギー特性X線とTc99mの約140keV光子を比較する。Tlにも高エネルギーの放出線はあるため、全放出光子の最大値の比較ではない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — Tlはカリウム類似体として膜輸送系に関連して取り込まれ、単なる受動拡散に限定しない。
  • b:誤り — MIBIは脂溶性陽イオンとして膜電位に依存して集積し、Tlと同じ能動輸送ではない。
  • c:誤り — Tl201は約73時間、Tc99mは約6時間で、長短が逆である。
  • d:撮像上の比較として正しい — 主な撮像光子はTc約140keV、Tlでは約70〜80keV帯のX線であり、Tcの方が高い。
  • e:誤り — Tc-MIBIでは肝胆道集積・排泄による腹部背景が重要になり、Tlの方が一律に高度とはしない。

根拠・参考文献

総論・問26

出題テーマ心筋細胞トレーサーと血液プール製剤

解答例:d

考え方

HSAは血液プールの分布から心腔容積やEF等を評価し、心筋細胞への取り込みから直接心筋障害を判定する薬剤とは異なる。機能評価が無用という意味ではない。

各選択肢の解説

  • a:整合する — Tlの再分布・残存取り込みは陳旧性梗塞領域の生存性を補助する。
  • b:整合する — BMIPPの脂肪酸代謝低下は虚血後にも残ることがある。急性冠症候群の標準診療を置き換えない。
  • c:整合する — MIBGの保持・洗い出しは心不全の予後と関連する。
  • d:不適切な対応 — 血液プール由来の心機能を評価する製剤と、心筋障害を直接捉える組織トレーサーを区別する。
  • e:整合する — 低灌流でも糖代謝が残れば回復可能性を示唆する。ただし生存性のみで再建の利益を保証しない。

根拠・参考文献

総論・問27

出題テーマTl201の通常の正常分布

解答例:d

考え方

心筋、腎、甲状腺、消化管等が代表的な生理分布である。骨髄を骨髄シンチのように明瞭な標的として描く製剤ではない。

各選択肢の解説

  • a:生理的 — 血流と排泄・取り込みを反映して腎が描出される。
  • b:生理的 — 消化管の分布がみられ、心筋像との重なりにも注意する。
  • c:生理的 — 心筋細胞への取り込みを利用して血流・生存性を評価する。
  • d:代表分布ではない・選択 — 造血髄を描出するIn111塩化物等とは分布が異なる。
  • e:生理的 — 正常甲状腺にも取り込みがみられる。

根拠・参考文献

総論・問28

出題テーマ体重補正SUVの入力項目

解答例:a・b

考え方

体重補正SUVは組織放射能濃度を、投与放射能を体重で割った値で正規化する。組織濃度は画像から求め、残留量・減衰基準時刻も合わせる。

各選択肢の解説

  • a:必要・選択 — 体重を用いて投与量を体格で正規化する。除脂肪体重等を使う別指標とは区別する。
  • b:必要・選択 — 体内へ実際に投与された放射能が分母を決める。シリンジ残留等を補正する。
  • c:基本式の必須項ではない — FDG分布に影響し記録は重要だが、標準的な体重補正SUV式に直接必須の値ではない。
  • d:基本式の必須項ではない — 筋集積等に影響するが、通常のSUV算出に測定値を直接代入しない。
  • e:不要 — 動脈入力を必要とする定量モデルとSUVを区別する。

根拠・参考文献

総論・問29

出題テーマ腫瘍・炎症用製剤と脳血流製剤の対応

解答例:d

考え方

ECDの主な用途は脳血流の保持画像であり、肺癌の標準的な腫瘍画像用製剤ではない。他の項目には歴史的な用途も含まれる。

各選択肢の解説

  • a:歴史的に整合 — Gaは活動性間質性肺炎等の炎症評価に利用されてきた。現在の第一選択を意味しない。
  • b:整合する — FDGを集積するリンパ腫の病期・反応評価に用いる。組織型差に注意する。
  • c:整合する — 副甲状腺病変のMIBI取り込みと洗い出しの差を利用する。
  • d:不適切 — ECDは脳血流用で、肺に一時分布することと肺癌を標的にすることは別である。
  • e:歴史的に整合 — 急性梗塞のPYP集積を使う用途がある。現在の心アミロイド用途や急性冠症候群の診療手順とは分ける。

根拠・参考文献

総論・問30

出題テーマXe133の閉鎖回路と洗い出し評価

解答例:d

考え方

Xeは閉鎖回路で平衡・洗い出し過程を観察でき、閉塞によるガストラッピングを評価する。Krも不活性ガスなので、単に気体という点では区別できない。

各選択肢の解説

  • a:非該当 — ジェネレータから供給する代表はRb81/Kr81mである。
  • b:Xeだけではない — Krも不活性ガスであり、Xe固有の特徴にならない。
  • c:非該当 — Xeでは呼気を含む閉鎖系・回収等の管理が必要である。
  • d:該当 — ガスが残る領域と洗い出し遅延を動態で観察できる。
  • e:Xeだけではない — 同日検査は他の換気製剤でもプロトコルに応じ可能である。

根拠・参考文献

総論・問31

出題テーマ体位による低酸素・右左シャントの変化

解答例:c

考え方

肝肺症候群は肺底部優位の血管拡張により、立位で酸素化が悪化することがある。体位依存の病態を反映する検査条件として座位・立位注射の意義を考える。

各選択肢の解説

  • a:代表ではない — 肺癌の区域灌流評価を目的に、座位注射を特異的な診断手順としない。
  • b:代表ではない — 胸膜病変による欠損評価と、起立で増えるシャントを区別する。
  • c:該当 — 起立で増える肺底部血流と肺内シャントの関係が診断的情報になる。
  • d:単独では代表でない — 肺動静脈瘻でも右左シャントはあるが、肝肺症候群の体位依存性との対比で後者を選ぶ。
  • e:代表ではない — 肺高血圧はMAA粒子数等への配慮が必要で、座位注射を固有の診断根拠にしない。

根拠・参考文献

総論・問32

出題テーマMAAの血液混入と遊離過テクネチウム酸

解答例:b

考え方

シリンジ内への血液逆流は凝集塊・局所hot spotの原因になる。甲状腺の描出では遊離Tc等の分布を考慮し、甲状腺炎と直結しない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — MAAはヒト血清アルブミンを用いる製剤である。牛由来とする説明は不適切。
  • b:正しい — 血液を混和して血餅や過大粒子を作らないようにする。
  • c:誤り — 重力と血流分布により注射体位は像に影響し、通常は仰臥位でそろえる。
  • d:誤り — 遊離過テクネチウム酸の甲状腺・胃等への分布をまず検討する。
  • e:誤り — 肝肺症候群では肺外分布を評価するが、肝が必ず肺を上回るという定義ではない。

根拠・参考文献

総論・問33

出題テーマ消化管・唾液腺・肝の検査薬剤

解答例:a・d

考え方

液体胃排出には非吸収性の液体標識を用い、異所性胃粘膜には過テクネチウム酸の取り込みを利用する。コロイドの網内系集積とGSAの肝細胞受容体を分ける。

各選択肢の解説

  • a:適切・選択 — Tc-DTPAを液体食に混ぜて胃排出を評価する手順がある。固形食と同じ標識ではない。
  • b:不適切 — 通常の唾液腺機能検査は過テクネチウム酸を用い、刺激後の排泄を観察する。
  • c:不適切 — 蛋白漏出の評価には標識アルブミン等を用い、スズコロイドを標準対応にしない。
  • d:適切・選択 — メッケル憩室にある異所性胃粘膜の取り込みを利用する。
  • e:不適切 — GSAは肝細胞のアシアロ糖蛋白受容体を評価し、網内系のコロイドシンチとは異なる。

根拠・参考文献

総論・問34

出題テーマMAG3の尿細管抽出とDTPAの糸球体濾過

解答例:b

考え方

MAG3は尿細管抽出を、DTPAは糸球体濾過を中心に反映する。DMSAは皮質に保持され静態像を作る。

各選択肢の解説

  • a:不適切 — PAHは主に腎血漿流量に関する指標で、DTPAのGFRと同一視しない。
  • b:適切 — MAG3の尿細管への抽出を反映する指標と関連する。
  • c:不適切 — DMSA静態皮質集積を分時尿量そのものの測定としない。
  • d:不適切 — DTPAは主にGFRで、ERPFを直接測る製剤ではない。
  • e:不適切 — MAG3のクリアランスをGFRそのものとして扱わない。

根拠・参考文献

総論・問35

出題テーマ骨形成部位を反映する核種とTlの区別

解答例:e

考え方

Tlは主に血流と生存細胞への輸送を反映する。骨形成反応を標的とするフッ化物、Sr、リン酸化合物と区別する。Gaも炎症や骨代謝の活発な部位に分布する。

各選択肢の解説

  • a:集積する — フッ化物は骨ミネラルへの交換を介して骨形成・血流の増加を反映する。
  • b:集積しうる — Gaは炎症細胞・鉄結合蛋白等との関連で分布し、骨形成の旺盛な部位にも取り込まれる。
  • c:集積する — SrはCa類似の動態により骨形成部位を標的とする。
  • d:集積する — PYPは骨ミネラル等への親和性を有する。
  • e:該当 — 骨代謝そのものへの特異的親和性ではない。骨腫瘍の細胞へのTl集積が起こることとは矛盾しない。

根拠・参考文献

総論・問36

出題テーマ通常の遅延骨像に必要な前処置

解答例:a

考え方

通常の骨シンチは絶食を必須としない。適切な水分摂取と撮像前の排尿、投与からの集積時間を確保する。

各選択肢の解説

  • a:誤り・選択 — 通常の骨シンチのために絶食を一律に要求しない。他検査の併施等では別途指示がある。
  • b:概ね適切 — 通常の遅延像は投与後数時間で撮る。三相法の早期相は別である。
  • c:適切 — 膀胱の重なりと線量を減らすため排尿を促す。
  • d:適切 — 成長期は骨幹端・成長板付近の集積が強い。成人の正常像とは異なる。
  • e:適切 — 尿路排泄により通常は腎と膀胱が描出される。

根拠・参考文献

総論・問37

出題テーマ副腎髄質・甲状腺・造血髄の薬剤選択

解答例:b

考え方

濾胞癌はヨウ素取り込みを利用して評価・治療し、カテコールアミン類似体のMIBGを標準対応としない。

各選択肢の解説

  • a:歴史的に整合 — Gaはリンパ腫画像の旧来の用途を持つ。現在はFDG等を選択することが多い。
  • b:不適切 — MIBGは髄質・神経内分泌系の標的で、甲状腺濾胞癌のヨウ素集積とは異なる。
  • c:整合する — I131のβ線を甲状腺へ集中させるバセドウ病治療がある。
  • d:整合する — In111塩化物の造血髄分布から骨髄機能を評価する旧来の用途である。
  • e:条件付きで整合 — 非機能性でも皮質由来の取り込みがみられる例がある。ホルモン過剰の有無だけで集積を全否定しない。

根拠・参考文献

総論・問38

出題テーマ甲状腺Tc像とヨウ素による取り込み干渉

解答例:未確定

解答未確定(理由を本文に記載)

考え方

出題想定はeが候補だが、過剰ヨウ素はTcの甲状腺取り込みにも影響しうるため、「ヨウ素制限は不要」を無条件に正しいとはしない。検査目的と製剤・造影剤歴に応じた前処置の違いを記す。

各選択肢の解説

  • a:誤り — ヨード造影剤は甲状腺への取り込みを妨げ、検査を延期する原因になりうる。
  • b:誤り — 無痛性甲状腺炎は破壊性のため、甲状腺中毒症でも通常摂取率は低い。
  • c:誤り — I123は電子捕獲核種で、I131と同じβ線治療核種として扱わない。
  • d:誤り — 過テクネチウム酸は唾液腺にも生理的に取り込まれる。
  • e:出題想定候補・条件付き — ヨウ素核種と全く同じ準備ではないが、ヨウ素負荷の干渉まで無視してよいわけではない。

根拠・参考文献

総論・問39

出題テーマバセドウ病I131治療の線量設計と撮像時刻

解答例:a・b

考え方

甲状腺質量、摂取率、有効半減期等から標的線量を設計し、体重単独で決めない。治療は投薬直後の同時撮像を必須とする検査でもない。

各選択肢の解説

  • a:誤り・選択 — 甲状腺の質量と滞留放射能が線量を決め、患者体重だけを投与量の基準にしない。
  • b:誤り・選択 — 投薬と同時にシンチグラムを開始することが治療の標準要件ではない。
  • c:適切 — 妊娠・妊娠疑いは禁忌となる。
  • d:適切 — 抗甲状腺薬の副作用等により、別の根治治療として検討する状況がある。
  • e:起こりうる — 治療後に一時的なホルモン放出等で悪化する場合があり、観察が必要。一律に1か月間悪化するという意味ではない。

根拠・参考文献

総論・問40

出題テーマSr89の疼痛flareと効果発現の時間

解答例:b

解答候補(疼痛flareの頻度は研究・定義に依存)

考え方

一過性の疼痛増悪を認める例があり、bが出題想定に対応する。発生割合は研究・定義で異なり、常にちょうど1割と固定しない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 疼痛緩和は通常数週の経過でみられ、投与直後数時間を標準としない。
  • b:想定解として整合 — 少数例に一過性の疼痛増悪があり、患者への事前説明と疼痛管理が必要。
  • c:誤り — Sr89の血液毒性はより遅い時期に問題となり、提示の2〜3週を一律の最低値時期としない。
  • d:誤り — 骨反応を伴い骨製剤を取り込む病変の確認が適応判断に必要。
  • e:誤り — 除痛効果と腫瘍の形態的縮小は同義ではない。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問1

出題テーマ頸動脈内膜剥離と脳循環予備能

解答例:a・c

考え方

負荷後も患側の増加が乏しい像は、血管拡張予備能の障害を示す。遮断中の虚血と再灌流後の過灌流の双方に注意する。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 慢性的に拡張した血管では再建後に自己調節が追いつかず、過灌流となり得る。
  • b:誤り — 低血圧は頸動脈刺激等で生じるが、この脳血流像から特に予測する合併症ではない。
  • c:正しい — 予備能低下例では術中遮断や灌流圧低下により虚血性梗塞の危険が高まる。
  • d:誤り — 手術による局所神経損傷は起こり得るが、脳循環画像でその発生を予測するものではない。
  • e:誤り — 頸動脈洞刺激による徐脈と、画像が示す脳の血管反応性を区別する。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問2

出題テーマ発作重積時の神経活動と血流

解答例:a

考え方

原本では重積時の患側に強い灌流増加があり、神経活動の亢進に伴う代謝上昇を考える。血流像だけで酸素代謝を直接測ったという意味ではない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 持続的な神経発火は代謝需要を増やし、通常は局所血流も増える。
  • b:誤り — 原本の灌流増加を正常灌流として扱うのは合わない。
  • c:誤り — 虚血後の贅沢灌流ならあり得る組合せだが、この発作性神経活動の説明とは異なる。
  • d:誤り — 画像での灌流亢進と発作時の需要増大の両方に合わない。
  • e:誤り — 発作性の血流増加は通常代謝需要の上昇と関連し、代謝正常を第一としない。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問3

出題テーマFickの原理とOEF

解答例:a

考え方

低い血流下でも酸素代謝が維持されるなら、動脈血酸素含量が同程度の条件でOEF上昇が必要となる。OEF=酸素代謝量/(血流量×動脈血酸素含量)。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 低灌流でも酸素消費を保つには抽出割合を増やす必要があり、最も直接的な条件。
  • b:誤り — 血管床の容積だけでは代謝需要や抽出割合は決まらない。
  • c:誤り — 糖代謝は酸素代謝と同じ量ではなく、直接OEFを規定しない。
  • d:誤り — 受容体結合能は主に神経細胞機能・密度の指標で、OEF上昇の必要条件ではない。
  • e:誤り — 反応性低下は灌流圧低下を示唆しても、代謝維持の情報なしにOEF高値を確定できない。

根拠・参考文献

  • JET-2 study:安静時血流と負荷反応による血行力学的虚血評価
  • EANM Brain Imaging guide:脳循環代謝、製剤動態および疾患別画像パターン
脳神経核医学・問4

出題テーマ需要増加と血管拡張性の血流増加

解答例:b

考え方

発作は神経活動による酸素代謝需要を増す。他の候補は主に血管反応や血液性状による増加である。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 高炭酸ガスによる血管拡張は、同程度の酸素代謝増加を必要としない。
  • b:正しい — 神経活動の増大によってエネルギー・酸素需要が増加する。
  • c:誤り — 酸素含量低下を補う血流増加で、代謝需要が増えたことを意味しない。
  • d:誤り — 炭酸脱水酵素阻害に伴う血管拡張を利用し、主に予備能を測る。
  • e:誤り — 需要に対して血流が相対的に過剰となる状態で、酸素代謝は比例して上がらない。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問5

出題テーマ脳血管の自己調節と二酸化炭素

解答例:a・e

考え方

自己調節範囲内の灌流圧低下とPaCO2上昇は血管拡張を促す。限界を超える低血圧では血流自体が低下する。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 灌流を維持するため細動脈が拡張する代償反応が起こる。
  • b:誤り — 粘稠度と酸素含量が増し、通常は低ヘマトクリット時のような代償性拡張の方向ではない。
  • c:誤り — 代謝需要が低下し、通常は血流・血管拡張が増す方向ではない。
  • d:誤り — 低酸素が拡張刺激で、高酸素への変化を同じ刺激としない。
  • e:正しい — 脳組織のpH変化を介する強い血管拡張刺激となる。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問6

出題テーマMIBGとレビー小体病の前駆状態

解答例:a・e

考え方

パーキンソン病に加え、孤発性REM睡眠行動異常症でも心臓交感神経障害が検出される場合がある。全例で同程度の低下を来すわけではない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 末梢交感神経脱神経による心集積低下が診断の補助となる。
  • b:誤り — 典型的には心臓MIBGは比較的保たれ、低下を示す代表的組合せには選ばない。
  • c:誤り — 多系統萎縮症では節前性障害が主体で比較的保たれることが多いが、例外がある。
  • d:誤り — 純粋なアルツハイマー病は典型的な心臓脱神経疾患ではない。
  • e:正しい — 将来のレビー小体病と関連し、運動症状に先行する心臓脱神経を示し得る。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問7

出題テーマアルツハイマー病の分布と左右差

解答例:a

考え方

初期から常に対称という説明は不適切。典型的な後方連合野優位像にも左右差、発症年齢、病期による幅がある。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 初期には左右差が強い例があり、両側同程度を必須条件にできない。
  • b:正しい — 進行すると前頭連合野にも障害が及び得る。
  • c:正しい — 高齢発症では内側側頭優位などの影響で、若年発症ほど後部連合野の低下が強くない場合がある。
  • d:正しい — 後頭葉、とくに視覚野を含む低下があればレビー小体病の併存を検討する。
  • e:正しい — 深部灰白質は典型例で比較的保たれる。ただし進行・合併症による例外を除外しない。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問8

出題テーマ白質虚血性障害と認知機能

解答例:a

考え方

原本MRIの広範な白質障害、血管危険因子、局在神経症候と前頭系症状から血管性認知症を第一に考える。機能画像のみで混合病理を完全に除外はできない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 皮質下虚血による回路障害が認知・歩行・自発性の低下を説明する。
  • b:誤り — 画像と臨床で血管障害が前景にあり、典型的アルツハイマー病単独とは考えにくい。
  • c:誤り — 併存はあり得るが、この資料からアルツハイマー病理まで確定する根拠は不足する。
  • d:誤り — 梗塞を偶発所見と見なすより、白質病変と症状の対応を考える。
  • e:誤り — 幻視・変動や心臓MIBG異常等の補助情報がなく、血管性所見が主となる。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問9

出題テーマ血流代謝連関と定量時のPaCO2

解答例:a・e

考え方

正常の血流代謝連関とPaCO2条件の管理が要点。酸素抽出は一般に比較的一様で、貧困灌流では増加する。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 神経活動に応じたエネルギー需要と局所灌流は密接に連関する。
  • b:誤り — 正常OEFは血流や代謝のような大きな局在差を示さず、前頭葉高値を原則としない。
  • c:誤り — 贅沢灌流では需要より血流が過剰で、同程度の比例増加ではない。
  • d:誤り — 酸素需要を補うため抽出割合が高くなるのが貧困灌流の特徴。
  • e:正しい — PaCO2は血流を強く変えるため、反復・負荷比較の解釈で測定条件を確認する。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問10

出題テーマ検査目的と脳用製剤の選択

解答例:未確定

未確定(説明中の確認事項あり)

考え方

二つの誤りを求める設問だが、ECDの予備能評価もIMPの閉塞試験も実施報告があり、製剤名だけで二肢を否定できない。標準プロトコルとの適否と、実施不可能を区別し、公式解答・当時の条件確認を要する。

各選択肢の解説

  • a:未確定 — 発作中に投与してその時点の灌流を保持する用途がある。
  • b:未確定 — ECDは高血流や障害組織での代謝依存性に注意するが、予備能検査に用いること自体を全面否定できない。
  • c:未確定 — 閉塞中のIMP投与による評価報告があり、短時間のTc法を推奨することと使用不可は異なる。
  • d:未確定 — HMPAOは再灌流の増加を捉え得るが、高血流域の非線形性に注意する。
  • e:未確定 — 髄腔内インジウムDTPAは髄液循環の遅延や逆流の評価に用いる。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問11

出題テーマFDG脳画像と形態画像の役割

解答例:d

考え方

慢性硬膜下血腫の存在・範囲・圧迫はCT/MRIで判断し、FDG代謝像の追加価値は他の候補より低い。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 後部連合野等の代謝分布が認知症鑑別の補助になる。
  • b:誤り — 後頭葉代謝低下や後帯状回相対温存が鑑別に役立つ。
  • c:誤り — 正常皮質背景の限界はあるが、高悪性度病変の代謝・治療後評価に使える。
  • d:正しい — 出血性貯留と圧迫の診断では形態画像が直接的で、FDGは標準的な第一選択でない。
  • e:誤り — 発作間欠期の局所低代謝が焦点・手術評価の補助となる。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問12

出題テーマSEE-JETとOEFの方向

解答例:d

考え方

原本の患側予備能低下とStage 2表示は血行力学的障害を示唆する。酸素代謝を保つ代償はOEF上昇であり、低下とする説明が逆。SPECTでOEFを直接測ったとはいえない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 反応性不良は代償余力低下を示し、酸素抽出増大を伴う虚血の可能性がある。
  • b:正しい — 原本のStage表示に患側の重症領域が示される。
  • c:正しい — 血流・予備能の基準から検討対象となるが、臨床利益・周術期リスクも含め最終判断する。
  • d:誤り — 代償が残る低灌流では抽出割合はむしろ上がる方向で、低下とはいえない。
  • e:正しい — 成人で約1 gまたは15~20 mg/kg程度が標準的負荷量の目安で、安全条件を確認する。

根拠・参考文献

  • JET-2 study:安静時血流と負荷反応による血行力学的虚血評価
  • EANM Brain Imaging guide:脳循環代謝、製剤動態および疾患別画像パターン
脳神経核医学・問13

出題テーマ後頭葉代謝低下とDLBの治療

解答例:b・c

考え方

原本の後頭葉を含む低代謝からレビー小体型認知症を考える。ドネペジルの臨床的有用性と国内承認時期は別で、2010年にはDLB適応承認前だが「一般に無効」ではない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 深部核・一次感覚運動野が比較的保たれる分布は変性性認知症と整合する。
  • b:誤り — 原本統計画像でも後頭葉に低下があり、正常と断定する読みは不適切。
  • c:誤り — コリン作動性機能障害に対する有用性があり、一般に効果がないとはいえない。
  • d:正しい — 繰り返す具体的幻視はDLBの主要症候の一つ。
  • e:正しい — 心臓交感神経脱神経を伴い、MIBG集積低下を示す可能性が高い。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問14

出題テーマ小脳症状と縦断評価

解答例:e

考え方

原本では重い大脳の変性パターンは明瞭でなく、軽い小脳症状を単回画像で確定・除外できない。設問上は縦断評価が妥当で、実臨床の再検時期と検査は症状・鑑別に応じて決める。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 初期には萎縮や血流変化が乏しい場合があり、除外はできない。
  • b:誤り — 認知機能障害・幻視等に乏しく、典型的DLBを支持する経過ではない。
  • c:誤り — 画像と軽い小脳症候だけで認知症治療を急ぐ根拠はない。
  • d:誤り — 小脳失調の標準的治療として帯状回切除を行うものではない。
  • e:正しい — 臨床経過と形態・機能変化を比較する方針が、この選択肢中では最も適切。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問15

出題テーマ脳定量のグラフ解析法

解答例:d・e

考え方

受容体の種類と、不可逆的取り込みを扱うFDGのPatlak解析を区別する。Logan法は通常、可逆性リガンドの分布容積解析に使う。

各選択肢の解説

  • a:正しい — HMPAOの非採血血流評価でPatlak型解析を用いる方法がある。
  • b:正しい — IMPは定量的血管反応性の測定で広く用いられる。
  • c:正しい — 残留分補正を前提とした同日二回法で賦活前後を比較できる。
  • d:誤り — イオマゼニルは中枢性ベンゾジアゼピン受容体で、黒質線条体ドパミン機能の標準指標ではない。
  • e:誤り — 通常のFDG取り込み速度評価はPatlak法で、Logan法をそのまま標準法とするのは違う。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問16

出題テーマ変性疾患の典型像と非典型像

解答例:未確定

未確定(説明中の確認事項あり)

考え方

二つを選ぶ指定だが、明確に支持できるのはd。パーキンソン病での基底核血流は正常・増加の報告もあり、低下を一律の典型とするeは支持できない。公式解答と病期・治療条件の確認が必要。

各選択肢の解説

  • a:未確定 — 皮質基底核症候群では非対称な皮質・基底核の機能低下を基本とし、上昇を代表所見にしない。
  • b:未確定 — 多系統萎縮症では小脳・橋・線条体等が重要で、頭頂葉単独低下が代表ではない。
  • c:未確定 — 基底核血流上昇はDLBを特徴づける標準所見ではない。
  • d:未確定 — 楔前部・後帯状回の機能低下はアルツハイマー病を支持する。
  • e:未確定 — PDの基底核血流は病期・薬物で異なり、単純な低下を典型と断定しない。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問17

出題テーマ負荷PETでの反応不良と再建後管理

解答例:b・c

考え方

原本では安静時差以上に負荷後の患側増加不良が目立つ。重い予備能障害を示唆するが、厳密なStage判定は基準血流・数値との対照が必要。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 安静時の左右差が小さくても両側低下や代償によりOEF上昇は隠れ得る。
  • b:正しい — 慢性的な血管拡張と反応性低下は再建後の過灌流リスクを高める。
  • c:正しい — 定量負荷像の患側反応不良はStage 2相当の血行力学的障害を疑わせる。色だけで閾値を決めない。
  • d:誤り — ラクナ状病変の形だけでは穿通枝病変・塞栓・低灌流の機序を確定できない。
  • e:誤り — 重症度と臨床条件に応じ再建を検討し、画像だけで対象外とはしない。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問18

出題テーマ受容体とトランスポータの区別

解答例:d・e

考え方

IBFはD2受容体、β-CITは主に線条体ドパミントランスポータを評価する。受容体と再取り込み輸送体は別の標的。

各選択肢の解説

  • a:正しい — イオマゼニルはGABA-A受容体複合体の中枢性ベンゾジアゼピン結合部位を評価する。
  • b:正しい — N-methylspiperoneはD2受容体等に結合し、ドパミン受容体画像として用いられる。
  • c:正しい — PIBは線維性アミロイドβへの結合を利用するが、陽性だけで症候性ADを確定しない。
  • d:誤り — IBFはノルアドレナリン受容体製剤ではなくD2受容体リガンド。
  • e:誤り — β-CITはD2受容体ではなく、ドパミンおよびセロトニン輸送体に結合する。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問19

出題テーマ組織質量当たり血流と製剤脂溶性

解答例:a・b

考え方

臨床の局所脳血流は通常mL/100 g/minで示し、投与時に関門を通れる脂溶性が脳血流製剤に必要となる。全脳総血流のmL/minという量とは区別する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 局所血流の比較では組織質量の規格化が必要。全脳総血流ならmL/minも可能で、設問は局所定量の文脈。
  • b:誤り — HMPAO・ECD・IMPは投与時に脂溶性をもつ成分が関門を通過する。注射液が水性であることとは別。
  • c:正しい — 脳組織へ届く灌流を評価し、単に大血管内を流れるシャント成分とは区別する。
  • d:正しい — 圧低下を血管拡張で代償しきれなくなると組織血流が低下する。圧低下の全例で即座に血流が下がるわけではない。
  • e:正しい — 皮質橋小脳路などの連絡障害により対側小脳の機能が抑制される遠隔効果。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問20

出題テーマ認知症・幻視・心臓脱神経

解答例:e

考え方

原本の後方皮質灌流異常と著明な心MIBG低下を、幻視・パーキンソニズムと統合するとDLBが最も適合する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 前頭側頭優位症候が主となる疾患で、この自律神経・幻視の組合せとは合いにくい。
  • b:誤り — 認知障害は説明できるが、幻視・運動症状と心脱神経を含めるとDLBが優先。
  • c:誤り — 血管病変に対応した局在性障害の証拠が中心ではなく、提示所見は変性性病態に合う。
  • d:誤り — 急速進行や特徴的拡散強調像等が必要で、本例の画像組合せの第一候補ではない。
  • e:正しい — 後頭葉機能低下、幻視、パーキンソニズム、心臓交感神経脱神経の組合せが支持する。

根拠・参考文献

循環器核医学・問1

出題テーマTlの再分布と多枝病変

解答例:d

考え方

多枝病変ではびまん性の遅い洗い出しが手掛かりとなる。再分布は膜機能の残存を反映するが、画像所見だけで治療利益は決まらない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 遅延像で集積が回復する部位は生存心筋を支持する。
  • b:正しい — 再灌流後などに早期より遅延で低くなる逆再分布がみられる。
  • c:正しい — Tlは高い初回抽出率を持ち、Tc脂溶性製剤より高い。
  • d:誤り — 重症多枝虚血では洗い出しが遅くなることがあり、亢進とする対応は逆。
  • e:正しい — Tl201の物理的半減期は約73時間。

根拠・参考文献

循環器核医学・問2

出題テーマ負荷安静像の側壁灌流差

解答例:b

考え方

原本では短軸の側壁寄りに負荷時低集積と安静時回復がみられ、回旋枝領域の虚血が候補となる。核種の違いと減弱の影響を考慮し、冠支配には個人差がある。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 主に前壁中隔・心尖側の障害を想定する領域で、提示異常の中心とは異なる。
  • b:正しい — 側壁を中心とした可逆的な灌流低下を最もよく説明する。
  • c:誤り — 下壁優位の単独障害とするより側壁分布に注目する。
  • d:誤り — 限局した前側壁の枝病変だけでは提示範囲と合いにくい。
  • e:誤り — 三領域の重症障害を示す明瞭な全体所見はなく、三枝と断定しない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問3

出題テーマ冠血流増加と負荷機序

解答例:e

考え方

血管拡張薬負荷と需要増加型負荷では冠血流増加の機序・大きさが異なり、同程度と固定できない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 通常の空腹時好気的心筋では脂肪酸酸化が主要なエネルギー源となる。
  • b:正しい — 心尖は通常前下行枝が主に灌流するが、走行や冠優位性の変異はある。
  • c:正しい — 対角枝は前側壁を灌流し、中隔は主に前下行枝の中隔枝から供給される。
  • d:正しい — 交感神経は冠動脈に沿って心外膜から入り、その後の神経分布は血管支配と完全同一ではない。
  • e:誤り — アデノシンは直接的な冠拡張、ドブタミンは需要増大が中心で、最大血流反応を同一には扱わない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問4

出題テーマTc製剤同日二回投与法

解答例:a・d

考え方

同日法は順序を選べるが、先行放射能の残留を後半の増量で抑える。肝胆道背景を避け、製剤と負荷法に応じた待機後に撮像する。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 負荷先行・安静先行の両方が可能で、症例と運用に応じて選ぶ。
  • b:誤り — 通常は後半投与を増量し、先行集積の混入を相対的に小さくする。
  • c:誤り — Tc製剤は心筋保持が長く、肝胆道背景を減らす待機が必要で、直後が常に最適ではない。
  • d:正しい — 脂肪分を含む飲食で胆嚢排出等を促す方法があるが、全例同じ効果を保証しない。
  • e:誤り — Tc製剤はTlの再分布と異なり、負荷安静間の単純な洗い出し率を標準指標としない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問5

出題テーマBMIPP異常領域と責任冠動脈

解答例:未確定

未確定(説明中の確認事項あり)

考え方

原本の断層像と極座標像を拡大確認したが、二本を選ぶための前下行枝近位・中間以降と他領域の境界を確実に読み取れない。冠支配の推測で記号を埋めず、原画像・冠動脈情報との照合が必要。

各選択肢の解説

  • a:未確定 — 基部中隔を含めた前壁中隔の広い障害なら近位前下行枝を考える。
  • b:未確定 — 基部が保たれ末梢・心尖寄りに限局するなら中間以降の病変を検討する。
  • c:未確定 — 主に前側壁の障害と対応するが、画像での範囲同定が必要。
  • d:未確定 — 側壁優位の障害なら候補だが、冠優位性で下壁への関与も変わる。
  • e:未確定 — 下壁・下中隔優位の障害なら候補。BMIPP低下だけで狭窄部位を確定しない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問6

出題テーマQGSの時間分解能と肥大心

解答例:未確定

解答未確定(肥大心と小心臓の誤差方向を区別)

考え方

8分割は16分割よりEFを低めに推定しやすく、aは不適切。一方、肥大心では収縮末期内腔の過大評価とEF過小評価を報告した原著があり、小心臓の内腔過小評価をそのまま肥大心全体に当てはめてbを誤りとはできない。二肢の正答確定には当時の想定と解析条件の確認を要する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 時間分解能が低くなり、一般にはEFを低めに推定する方向で、過大という説明は逆。
  • b:条件依存・誤りと断定できない — 小心臓の部分容積効果による容積過小評価とは別に、肥大心では内腔、とくに収縮末期容積を過大評価した報告がある。肥大と小心臓を同義にしない。
  • c:正しい — 同期不良が過大評価の原因となる場合はあるが、過小評価や解析失敗もあり得る。
  • d:正しい — 中隔は動きの大きさと局所肥厚が一致しないことがあり、両者は別の指標。
  • e:正しい — 高い光子統計を得やすいTc製剤は同期機能解析に有利。

根拠・参考文献

循環器核医学・問7

出題テーマ残存集積と可逆性による生存性

解答例:b・e

考え方

ある程度保たれた集積と安静時の回復は生存性を支持する。相対集積閾値は撮像・補正に依存し、単独の数値で完全に二分しない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 肺集積は重症虚血・左室機能障害の指標で、局所生存性の直接証明ではない。
  • b:正しい — 固定性でも集積が相当程度残れば、細胞機能の残存が示唆される。
  • c:誤り — 高度の集積低下は瘢痕を疑わせ、生存性の積極的指標にはならない。
  • d:誤り — 肥厚消失は機能障害を示すが、冬眠心筋もあり、これだけで生存性の有無は確定できない。
  • e:正しい — 負荷時低集積が安静で埋まることは可逆的虚血と生存心筋を支持する。

根拠・参考文献

循環器核医学・問8

出題テーマTl再分布と虚血メモリー

解答例:c・e

考え方

原本では再注入後に回復する灌流と残るBMIPP低下があり、虚血後の代謝障害と生存心筋を考える。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 血流が回復して代謝障害が残るため、両方が同程度に低下した固定性の一致像とは異なる。
  • b:誤り — BMIPP低下は最近の虚血の痕跡になり、即座に細胞死や生存性低下を意味しない。
  • c:正しい — 負荷時の灌流低下と回復は前壁中隔の可逆的虚血を支持する。
  • d:誤り — 血流回復があり、代謝低下だけで不可逆的梗塞と決めることはできない。
  • e:正しい — 再分布・再注入による集積回復は生存性の残存を示唆する。

根拠・参考文献

循環器核医学・問9

出題テーマ負荷法の禁忌と前処置

解答例:a・b

考え方

運動可能で急性中毒・離脱等がない安定例では依存症の既往だけで運動負荷を除外しない。作動するペースメーカーは房室ブロック例の薬剤負荷の判断に重要。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 依存症という病名だけは絶対禁忌ではない。飲酒直後・離脱・不安定な全身状態では延期を考える。
  • b:正しい — 有効に作動するペースメーカーがあれば、房室伝導障害に関する禁忌は条件が変わる。他の禁忌は確認する。
  • c:誤り — カフェインはアデノシン作用を拮抗し、反応不足・偽陰性の原因になるため避ける。
  • d:誤り — 薬剤ごとの規定速度で持続投与する。急速投与を一律に行うのは危険。
  • e:誤り — 左脚ブロックでは頻脈関連の中隔偽欠損を避けるため、血管拡張薬負荷が通常優先。

根拠・参考文献

循環器核医学・問10

出題テーマQGSの壁厚推定と心筋傷害

解答例:未確定

未確定(説明中の確認事項あり)

考え方

想定誤答はdと考えられるが、eは2010年の保険適用・承認効能の直接資料確認が未了。医学的機序と制度要件を混ぜず記号の確定を保留する。

各選択肢の解説

  • a:未確定 — Tlのびまん性洗い出し低下は多枝病変を疑う所見。
  • b:未確定 — DLBでは心臓交感神経障害による集積低下を認めることがある。
  • c:未確定 — 一過性内腔拡大は重症・多枝虚血を疑わせるリスク所見。
  • d:未確定 — QGSはカウント分布と部分容積効果を用いて境界・機能を推定し、全心周期で物理的壁厚が一定という単純仮定ではない。
  • e:未確定 — 外傷後心筋障害の医学的評価と、当時の保険・添付文書上の対象確認が必要。

根拠・参考文献

循環器核医学・問11

出題テーマ前壁心尖の再分布

解答例:b

考え方

原本の前壁・心尖部で負荷時低下が遅延像で回復しており、前下行枝領域の誘発虚血が第一候補。再建の適否は画像以外も含め判断する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 再分布があり、全て不可逆的梗塞とする判断や再建適応の全面否定は不適切。
  • b:正しい — 前壁心尖側の可逆的異常は前下行枝領域に整合する。
  • c:誤り — 主所見は下壁単独の右冠動脈領域とは異なる。
  • d:誤り — 心尖部の変化は連続した断層と再分布があり、通常の薄さだけで説明しない。
  • e:誤り — 主な異常分布は側壁の回旋枝領域が中心ではない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問12

出題テーマ重症虚血の間接指標

解答例:b・e

考え方

灌流相対像で目立たない多枝病変でも一過性拡大や肺集積増加が手掛かりになる。相対灌流が均衡すると欠損量を過小評価する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 固定性の大欠損は広い瘢痕等を疑い、可逆的な重症虚血の直接指標とはしない。
  • b:正しい — 負荷時の一過性内腔拡大は広い心内膜下虚血・多枝病変を示唆する。
  • c:誤り — SSS 5は一般に軽度異常の範囲で、単独で重症とは分類しない。
  • d:誤り — 下壁だけの完全再分布は虚血を示すが、それだけで重症全体像とはいえない。
  • e:正しい — 肺集積増加は負荷時左室機能障害等と関連し、灌流欠損が小さくてもリスク評価に重要。

根拠・参考文献

循環器核医学・問13

出題テーマ減弱補正と偽陽性

解答例:d

考え方

減弱補正は軟部組織による見かけの欠損を減らし、特に特異度を改善する。位置ずれ等による新しいアーチファクトにも注意する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 男性では横隔膜・腹部による下壁減弱が代表的で、前壁と固定しない。
  • b:誤り — 女性では乳房による前壁減弱が代表的だが、体格・姿勢で部位は変わる。
  • c:誤り — 主眼は偽欠損を減らすことで、感度の一律向上を代表効果とはしない。
  • d:正しい — 非虚血性の減弱欠損を減らし、真の陰性を正しく判定しやすくする。
  • e:誤り — CTから減弱係数分布を得る補正法が用いられる。

根拠・参考文献

循環器核医学・問14

出題テーマ冠形態と灌流の不一致

解答例:未確定

未確定(説明中の確認事項あり)

考え方

原本融合像では下壁から心尖側の灌流低下に対し明瞭な冠狭窄を読み取れず、微小循環障害が候補となる。しかしCTの内腔狭窄をこの表面像だけで除外できないため、eの確定には冠動脈元画像が必要。

各選択肢の解説

  • a:未確定 — 回旋枝支配の側壁だけの虚血とする分布ではない。
  • b:未確定 — 右冠動脈の狭窄は表面表示だけでは確定できず、断面・曲面再構成像が必要。
  • c:未確定 — 左冠動脈病変もこの表示から確定できない。
  • d:未確定 — 遅延で回復する領域があり、全体を固定性梗塞とするのは合わない。
  • e:未確定 — 閉塞性冠病変が本当に除外されるなら、灌流異常の原因として微小循環障害を検討する。

根拠・参考文献

循環器核医学・問15

出題テーマMIBG定量と散乱

解答例:a・c

考え方

洗い出し亢進と低い後期H/Mは心不全の予後不良と関連する。散乱補正で非特異的背景が減るとH/Mは一般に高くなるが、装置・窓条件にも依存する。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 保持低下・交感神経異常に伴う速い消失は予後不良と関連する。
  • b:誤り — 一般には低いH/Mが不良な予後に対応し、方向が逆。
  • c:正しい — 散乱による縦隔背景の上昇を抑えると比が高くなる方向に働く。
  • d:誤り — 健常では下壁が前壁より低いことがあり、記載の方向は逆。
  • e:誤り — 拡張型心筋症で前壁低下が一定の典型とはいえず、障害の程度・分布は多様。

根拠・参考文献

循環器核医学・問16

出題テーマ初回通過法と拡張期指標

解答例:a・b

考え方

初回通過の短い動態と、平衡時の反復同期収集を区別する。心房収縮寄与と充満速度は拡張期機能の指標。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 最初のボーラス通過を測るため、血中に長時間残らないMIBIでも初回通過データを得られる。
  • b:正しい — 投与時の短い収集により、負荷頂点の心機能を捉える方法として用いる。
  • c:誤り — 心房収縮に伴う左室充満への寄与で、拡張期指標に分類される。
  • d:誤り — 心室が拡張して血液を受ける速度であり、収縮期の駆出速度とは別。
  • e:誤り — 平衡時の左室分離には通常左前斜位を用い、右前斜位を標準としない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問17

出題テーマ胆嚢高集積と再構成アーチファクト

解答例:a

考え方

原本では同じ投影データでも処理1で心筋外高集積に伴う欠損・歪みが目立ち、処理2で改善する。FBPのフィルタによる隣接高集積影響と逐次近似法の差が最も適合する。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 強い近接線源はFBPで心筋の偽欠損等を作り、再構成法の変更により改善し得る。
  • b:誤り — 体内減弱の違いより、胆嚢の非常に高い集積からの再構成影響が問題となる。
  • c:誤り — 散乱も画質に影響するが、この例の局所欠損は近接高集積と再構成の負成分が主な説明。
  • d:誤り — 共通投影からの再構成差を示す設問で、体動の有無を示す根拠はない。
  • e:誤り — 分解能補正だけでは強い線源近傍のFBP特有の歪みの説明になりにくい。

根拠・参考文献

循環器核医学・問18

出題テーマ心筋PETトレーサの製造と移行

解答例:a・e

考え方

ルビジウム82はジェネレータから溶出し、水は自由拡散性である。酢酸は初期分布・消失の異なる側面から血流と酸化代謝を評価できる。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 臨床ではストロンチウム82ジェネレータから供給するため、直接サイクロトロン産生とするのは誤り。
  • b:正しい — アンモニアは細胞内代謝による保持を利用する蓄積型血流製剤。
  • c:正しい — 細胞への糖輸送とリン酸化後の保持を用い、生存性評価に利用する。
  • d:正しい — 初期流入は灌流、後続のクリアランスは酸化代謝と関連し、目的に応じモデルを選ぶ。
  • e:誤り — 水は細胞膜を自由拡散で交換し、能動輸送を利用するトレーサではない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問19

出題テーマBMIPPとCD36・代謝障害

解答例:c・d

考え方

BMIPPは分岐鎖脂肪酸類似体で、速いβ酸化が抑制され細胞内保持を利用する。糖代謝製剤ではない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 透析患者の無症候性虚血や虚血性心筋障害の検出で有用性が報告される。
  • b:誤り — 脂肪酸代謝を反映し、糖利用を直接測る製剤ではない。メチル分岐で通常のβ酸化が制限される。
  • c:正しい — 脂肪酸輸送に関わるCD36の欠損で心筋取り込みが著しく低下・消失することがある。
  • d:正しい — 血流回復後も脂肪酸代謝障害が残り、気絶・冬眠心筋の血流代謝乖離を示す。
  • e:誤り — 大きい代謝欠損ほど障害が重い傾向で、小欠損を一律に予後不良とする方向は不適切。

根拠・参考文献

循環器核医学・問20

出題テーマMIBGとβ遮断薬反応・予後

解答例:未確定

未確定(説明中の確認事項あり)

考え方

設問想定はc,dと思われるが、dが早期H/Mを誤りとする根拠の確認が不十分なため記号は保留する。一般に予後評価では後期H/Mを重視する。低H/Mと高洗い出しは重症度を示唆しても、それだけでβ遮断薬を中止・不適応とはしない。

各選択肢の解説

  • a:未確定 — 低い保持と高い洗い出しは反応不良の可能性を示すが、個人の治療反応を確定しない。
  • b:未確定 — 後期H/Mは心不全の確立した予後層別化指標の一つ。
  • c:未確定 — 反応良好群で治療前取り込みが比較的高いという報告があり、低いとする説明は逆。
  • d:未確定 — 標準的な予後指標として後期H/Mを重視する。早期指標の予後寄与をどこまで否定する出題か、当時の解答根拠の確認が必要。
  • e:未確定 — 洗い出しは神経終末の保持・再取り込み・放出等を反映する臨床指標で、単純な交感神経発火の直接測定ではない。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問1

出題テーマ放射免疫療法前の抗体分布とFDGの相違

解答例:e

解答候補(成立条件を本文に記載)

考え方

In111標識抗体像は主に異常な体内分布を除外するために用いる。FDG陽性病変が同じ強さで描出されないことだけで、Y90治療が無効とは判定できない。骨髄浸潤率と血球数の適格性は別に確認する。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 心大血管に沿う分布は、循環中に残る標識抗体の血液プールとして説明できる。
  • b:条件付きで正しい — 提示分布だけには明白な除外所見を認めないが、血小板数や骨髄浸潤を含む治療条件を満たすことが必要。
  • c:正しい — FDG像では脊椎と肋骨に多発する集積があり、リンパ腫の骨・骨髄病変を疑う。
  • d:正しい — 抗体像ではFDGで目立つ各骨病変に対応した明瞭な局所集積を識別しにくい。両薬剤の感度と機序が異なる。
  • e:誤り — 抗体の平面像に病変が見えないことと、治療用抗体が全く届かず奏効しないことは同義ではない。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問2

出題テーマ腫瘍の性質に対応する放射性医薬品

解答例:e

考え方

肝海綿状血管腫は拡張した血管腔内の血液貯留を血液プール製剤で評価する。標識赤血球が代表的で、HSAも血液プールの性質を利用する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 骨親和性製剤は骨形成・骨代謝を反映し、唾液腺Warthin腫瘍を選択的に調べる薬剤ではない。
  • b:誤り — MIBIが非特異的に集積することはあっても、褐色細胞腫のカテコールアミン系機能を狙う標準的な組合せではない。
  • c:誤り — MAG3は腎尿細管分泌と尿路排泄の検査に用いる。副甲状腺局在にはMIBIなどを用いる。
  • d:誤り — Ga67は炎症やリンパ腫などに用い、分化型甲状腺癌のヨウ素摂取能を評価する薬剤ではない。
  • e:正しい — 標識アルブミンは血管内に分布するので、血管腔からなる肝血管腫の血液プール評価という機序に合う。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問3

出題テーマ肝細胞癌転移におけるPMT集積

解答例:b

考え方

肝優位の強い集積に加え、骨盤の骨破壊性病変に取り込みがある。肝細胞としての機能を残した転移を描出するTc99m-PMTが最も整合する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — GSAは機能的肝細胞量を評価する受容体製剤で、この全身転移検索の組合せには合いにくい。
  • b:正しい — PMTは肝細胞に摂取され、一部の分化した肝細胞癌とその肝外転移にも集積する。
  • c:誤り — MAG3なら腎・尿路が主体となり、提示された肝優位の全身分布と異なる。
  • d:誤り — MIBIも腫瘍に集積し得るが、肝細胞癌の肝細胞機能を利用する本例ではPMTが適切。
  • e:誤り — HMDPでは正常骨格が全体に描出される。肝が圧倒的に目立つ提示分布とは一致しない。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問4

出題テーマ中枢神経原発リンパ腫の腫瘍画像

解答例:d

考え方

MIBGは主にカテコールアミン取り込み・貯蔵機構を利用し、中枢神経原発リンパ腫の一般的な腫瘍評価薬ではない。IMPは血流薬でも遅延像の腫瘍残留が検討されている。

各選択肢の解説

  • a:正しい組合せ — リンパ腫の高い糖代謝を利用する。正常脳の高集積、ステロイド治療後の感度低下に注意する。
  • b:正しい組合せ — Ga67によるリンパ腫評価には歴史的な使用実績がある。現在の主役はFDGやMRIである。
  • c:正しい組合せ — 一部の中枢神経リンパ腫ではIMPの遅延残留を認め、他病変との鑑別が研究された。
  • d:不適切 — MIBGの主な対象は神経堤由来の交感神経系腫瘍であり、通常の中枢神経リンパ腫とは標的が異なる。
  • e:正しい組合せ — Tl201は腫瘍の生存組織に集積し、脳病変の鑑別に用いられてきた。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問5

出題テーマGa67のpanda・lambda分布

解答例:d

考え方

涙腺・唾液腺の対称性集積と縦隔・両側肺門の集積を組み合わせて、サルコイドーシスを第一に考える。Gaの集積だけで病理診断を確定するものではない。

各選択肢の解説

  • a:可能性が低い — 結核でもGa集積は起こるが、腺組織と肺門の対称的な組合せをよりよく説明する病態がある。
  • b:可能性が低い — 肺の原発腫瘍を主体とする非対称な病変より、対称性の炎症性分布が目立つ。
  • c:可能性が低い — リンパ腫は鑑別に残るものの、涙腺・唾液腺と両側肺門の典型的な組合せが優先される。
  • d:最も適切 — pandaに相当する頭頸部とlambdaに相当する胸部の同時分布が支持する。
  • e:可能性が低い — IgG4関連疾患も唾液腺病変を起こすが、本像の肺門・縦隔分布を含めた典型性ではサルコイドーシスが上位。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問6

出題テーマ褐色細胞腫とMIBG

解答例:b

解答候補(出題当時の選択肢に基づく)

考え方

2010年の選択肢ではI131-MIBGを選ぶ。MIBGはノルアドレナリン輸送系から取り込まれる。現在の診断ではI123標識や、病型に応じたPET製剤が選ばれる。

各選択肢の解説

  • a:誤り — IMPは主に脳血流評価の薬剤で、交感神経腫瘍の選択的評価を狙う薬剤ではない。
  • b:正しい — ヨウ素標識MIBGはクロム親和性細胞のカテコールアミン系機能を利用する。
  • c:誤り — BMIPPは脂肪酸代謝を反映し、主に心筋を評価する。
  • d:誤り — MIBIは副甲状腺や心筋などに用いるが、本設問で特異的な標的を持つ選択はMIBG。
  • e:誤り — MAAは主に肺毛細血管への一過性捕捉を利用し、肺血流分布を示す。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問7

出題テーマ骨シンチの病態別集積パターン

解答例:d

考え方

肺性肥厚性骨関節症では四肢長管骨の骨膜に沿う対称性集積が特徴であり、体幹骨中心の説明は合わない。集積増加は転移だけを意味しない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — SAPHOでは前胸壁、とくに胸鎖関節付近の骨炎・骨過形成を反映して集積する。
  • b:正しい — 骨巨細胞腫は中心の乏しい集積を周辺の反応性集積が囲むことがある。全例に生じる所見ではない。
  • c:正しい — 治療後の骨修復により、一時的に既存病変の集積が強まり新病変様に見えることがある。
  • d:誤り — 主体は四肢長管骨の骨膜反応である。体幹骨に偏る転移性分布と混同しない。
  • e:正しい — 副甲状腺ホルモン過剰による骨代謝亢進では頭蓋骨や下顎骨が強く描出され得る。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問8

出題テーマ治療前後FDG全身像と腎の左右差

解答例:a・d

解答候補(成立条件を本文に記載)

考え方

提示MIPでは多発する骨格に沿う異常集積と、左腎の生理的尿路集積の欠如が疑われる。ただしMIPのみでは骨髄反応と転移の分離や腎機能の確定はできず、CT融合像と治療・投薬歴が必要。

各選択肢の解説

  • a:疑われる — 骨格に沿う複数の集積が転移を疑わせる。G-CSFなどによるびまん性骨髄集積とは融合像で区別する。
  • b:支持しにくい — 明瞭な筋内局在は提示MIPのみでは確認できず、骨やリンパ節病変を筋転移と決めつけない。
  • c:支持しにくい — 心臓部のFDGは生理的心筋集積でも起こる。腫瘤や局所壁病変の確認なしに転移とは呼べない。
  • d:疑われる — 通常期待する左腎の排泄像が乏しい。ただし非描出のみでは摘出・位置異常・閉塞なども残るため無機能を確定しない。
  • e:誤り — 治療後にも複数の強い病変が残り、提示像から著効と評価することはできない。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問9

出題テーマ甲状腺癌のI131治療前処置

解答例:b

解答候補(出題当時の選択肢に基づく)

考え方

T4は半減期が長く、T3より長い休薬が必要である。現在はrhTSH使用の可否や病期に応じて準備・投与量を個別化し、過去の一律高用量を全患者へ適用しない。

各選択肢の解説

  • a:当時の代表的な範囲 — 転移治療などではGBq単位の投与が用いられるが、低リスクの残存組織処理まで一律にこの量とはしない。
  • b:誤り — 休薬期間の長短が逆である。目安はT4が3~4週、T3が少なくとも2週である。
  • c:概ね正しい — 内因性TSH刺激では従来30mIU/L程度以上が目安とされるが、数値だけで奏効を保証しない。
  • d:概ね正しい — 再投与は前回の効果・毒性と病勢を再評価して間隔を取る。固定周期で機械的に繰り返さない。
  • e:概ね正しい — 安定ヨウ素による競合を減らすため事前に低ヨウ素食を行う。ヨウ素造影剤などの影響も確認する。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問10

出題テーマSr89による有痛性骨転移治療の適応

解答例:a・b

考え方

Sr89は骨形成のある疼痛性骨転移の症状緩和を目的とする。骨シンチ集積と痛みの対応、骨髄・腎機能を確認する。無症候性転移への予防投与は通常の適応ではない。

各選択肢の解説

  • a:適さない — 痛みがあっても骨親和性製剤を取り込まない病変には、有効な放射能集積を期待しにくい。
  • b:適さない — 本治療は疼痛緩和が中心であり、痛みのない転移への一般的な予防治療としては扱わない。
  • c:一律の除外ではない — ビスホスホネート併用だけで禁忌とはしない。骨髄・腎機能と全身の治療計画を確認する。
  • d:適応を検討できる — 外照射の体位保持が難しいことは全身投与の除外理由にならず、他の適格性を満たせば選択肢になる。
  • e:適応を再評価できる — 3か月という経過だけで不適とはしない。前回の効果と血球回復を確認して再投与を検討する。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問11

出題テーマGSAの肝摂取と心血液プール残留

解答例:e

考え方

機能の良い順序はB→A→C。Bは肝優位で心血液プール残留が乏しく、Cでは心臓に強く残る。肝の見た目の大きさだけで順序を決めない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — BはAより心血液プール残留が少なく、Aを最良に置く順序は合わない。
  • b:誤り — CにはAより強い心血液プール残留があり、CをAより良好としない。
  • c:誤り — AよりBの肝選択性が高く、Bを最後とする順序は逆になる。
  • d:誤り — Cは心血液プールが最も目立ち、最良には置かない。
  • e:正しい — Bで血中から肝への移行が良く、Aが中間、Cが最も心血液プールに残留する。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問12

出題テーマ耳下腺のFDGと過テクネチウム酸集積

解答例:e

考え方

FDG高集積に加えて唾液腺シンチでも局所集積がある耳下腺病変はWarthin腫瘍を強く疑う。良性でもFDGが強く集まる代表例で、必要に応じて病理で確かめる。

各選択肢の解説

  • a:可能性が低い — 扁平上皮癌はFDG陽性になり得るが、唾液腺製剤を集める本像の代表的な説明ではない。
  • b:可能性が低い — 粘表皮癌の代謝集積はあり得ても、両製剤の組合せから優先する病態ではない。
  • c:可能性が低い — 腺様嚢胞癌は悪性唾液腺腫瘍だが、過テクネチウム酸の局所貯留を代表所見としない。
  • d:可能性が低い — 多形腺腫もFDG陽性になり得るが、通常は唾液腺シンチの欠損側に現れる。
  • e:最も適切 — Warthin腫瘍はFDGと過テクネチウム酸の両方を集積し得る。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問13

出題テーマ小児MIBG画像の生理的分布と頭蓋病変

解答例:c・d

考え方

投与量・翌日撮像と臓器分布はI123-MIBGを示唆する。心筋・唾液腺などの生理的集積と、左頭頂部の強い限局性集積を区別する。頭蓋転移の局在は断層像で補う。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 神経芽腫を対象とする翌日像と分布はMIBGに合い、Ga67検査として解釈しない。
  • b:誤り — I123-MIBGでは中エネルギーなど適切なコリメータを選ぶ。高エネルギー型が必須となるI131検査とは区別する。
  • c:正しい — 心臓の淡い取り込みは交感神経機能に由来する正常分布として説明できる。
  • d:正しい — 頭蓋上部の強い限局性集積は通常の生理的分布でなく、骨転移を疑う。
  • e:誤り — 唾液腺は生理的に描出される。甲状腺は遊離ヨウ素の影響を受けるため、描出だけで腫瘍浸潤とはしない。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問14

出題テーマ形態所見に乏しい肺びまん性FDG集積

解答例:d

考え方

高度LDH上昇、低酸素血症と肺のびまん性FDG集積に対しCT変化が乏しく、血管内大細胞型B細胞リンパ腫を含む悪性リンパ腫を疑う。FDGのみで確定せず組織診断が必要。

各選択肢の解説

  • a:可能性が低い — 進行した特発性肺線維症なら網状影・蜂巣肺など形態的な線維化を期待し、本例の乖離を説明しにくい。
  • b:鑑別には残る — 過敏性肺炎も炎症性集積を起こすが、曝露歴や小葉中心性陰影などを合わせて評価する。本例の第一候補ではない。
  • c:可能性が低い — 肺水腫なら胸水、隔壁肥厚、うっ血などの形態・循環所見を確認すべきで、提示情報だけでは支持しにくい。
  • d:最も適切 — 肺微小血管内のリンパ腫細胞増殖は、CTで目立つ腫瘤なしに代謝集積と呼吸障害を生じ得る。
  • e:可能性が低い — 結核でもFDG陽性となるが、通常の感染分布や形態所見より血管内リンパ腫を示唆する組合せが強い。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問15

出題テーマ核医学治療の前提・隔離・骨髄機能

解答例:a・e

解答候補(成立条件を本文に記載)

考え方

aは分化型甲状腺癌の通常の術後I131治療という前提で採る。全ての甲状腺疾患や例外的状況を含めた絶対条件とは読まない。隔離の要否は核種名だけでなく投与量・退出基準で決まる。

各選択肢の解説

  • a:通常の術後治療では正しい — 正常甲状腺による取り込みを減らし残存癌へI131を届かせるため、全摘・準全摘後の治療が基本になる。
  • b:誤り — 神経芽腫など小児にもI131-MIBG治療は用いられる。年齢だけを一律の禁忌にはしない。
  • c:誤り — Sr89は基準を満たせば外来で行える。全例に放射線治療病室への隔離が必須ではない。
  • d:誤り — I131でも投与量、測定線量率や患者条件に応じた退出基準を満たす場合がある。
  • e:正しい — 骨髄抑制が主要な安全性上の問題で、治療前血球数や骨髄予備能が不十分なら実施できないことがある。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問16

出題テーマIn111抗体分布からみる放射免疫療法の適格性

解答例:d

解答候補(成立条件を本文に記載)

考え方

想定解はd。ただし画像は正常分布に整合することを示すにとどまり、重篤な副作用が起きないとは保証しない。特に遅発性骨髄抑制、既治療、血球数の評価は必須である。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 心臓・大血管と連続する縦隔分布は血液プールで説明でき、新しい腫瘍とはいえない。
  • b:誤り — 骨髄の低集積だけから腫瘍浸潤を診断できない。問題となるのは過度なびまん性集積などの異常分布。
  • c:誤り — 肝臓への取り込みは正常分布に含まれ、それだけで肝リンパ腫と判断しない。
  • d:条件付きで正しい — 画像上は異常分布による過剰臓器被曝を強く疑う所見に乏しい。ただし重大な有害事象全体を否定する表現としては不正確。
  • e:誤り — 画像判定のため全例で6日を越えて撮像する必然性はない。適切な規定時点の分布を評価する。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問17

出題テーマ副腎皮質のヨード化コレステロール画像

解答例:c

考え方

画像と撮像時期はI131アドステロールによる副腎皮質シンチに合う。副腎髄質のカテコールアミン類似体であるMIBGとは集積機序が異なる。

各選択肢の解説

  • a:概ね正しい — 遅延撮像で背景が低下する。現在の添文は成人約18.5MBqを基本とし、7日目以降の撮像を示すため、過去の範囲を固定標準量としない。
  • b:正しい — 糞便中に出る放射能が腸管像となり、便秘では副腎と重なることがある。
  • c:誤り — 本剤はコレステロール類似体として副腎皮質に取り込まれ、アドレナリン類似体ではない。
  • d:正しい — 添加エタノールを含むため、飲酒に敏感な人では迷走神経反応などに注意する。
  • e:最も考えやすい — CTの右副腎腫瘤と同側皮質集積が腺腫を支持する。ただし高血圧の原因ホルモンを画像のみでは確定しない。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問18

出題テーマ若年者の夜間痛と脊椎の限局性骨集積

解答例:a

考え方

若年者の夜間痛に、小さな脊椎後方要素の病変と強い限局性骨代謝が対応し、類骨骨腫を第一に考える。CTでnidusを確認しSPECTの局在と合わせる。

各選択肢の解説

  • a:最も適切 — 小さなnidusと周囲の骨反応により強い局所集積を生じ、夜間痛の病歴とも合う。
  • b:可能性が低い — 骨肉腫ならより破壊的な骨病変や腫瘤・骨形成を検討する。提示の小病変と典型的夜間痛には合いにくい。
  • c:可能性が低い — 孤立性転移は不可能ではないが、若年で原発癌の情報もなく、形態と臨床から優先しない。
  • d:可能性が低い — 骨折なら骨折線や外傷・疲労性骨障害の分布を確認する。提示の限局性病変はnidusを疑う。
  • e:鑑別に注意 — 骨髄炎も高集積を来すが、炎症所見とCT形態を合わせる。本例では類骨骨腫がより整合する。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問19

出題テーマ腫瘍用トレーサの非特異性と二核種SPECT

解答例:b・e

解答候補(成立条件を本文に記載)

考え方

二核種SPECTはエネルギー窓を分けて取得可能で、骨反応と腫瘍代謝の位置を比較できる。単一薬剤の集積だけで良悪性を断定せず、IMPの遅延残留など薬剤ごとの特性を理解する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — Kaposi肉腫にはTl201集積の実例があり、集まりにくいと一般化できない。
  • b:正しい — Tc99m骨製剤とTl201を別の窓で記録し、再構成・位置合わせして比較できる。散乱やクロストークへの対処は必要。
  • c:標準的な組合せではない — PMTが利用するのは主に肝細胞機能である。悪性黒色腫の選択的評価製剤として扱う説明は適切でない。
  • d:誤り — 線維腺腫でもMIBIが集積することがあり、MIBI陰性を一律の性質として良悪性鑑別には使えない。
  • e:正しい傾向 — 中枢神経リンパ腫にはIMP遅延残留を認めることがある。トキソプラズマ症との対比は想定されるが、引用原著の直接比較は主に他の脳腫瘍であり、この感染症との診断精度が確立したとはしない。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問20

出題テーマ唾液腺と大動脈周囲病変を伴うIgG4関連疾患

解答例:a・e

解答候補(成立条件を本文に記載)

考え方

右顎下腺と大動脈周囲の軟部組織病変からIgG4関連疾患を疑う。血清IgG4は有用な手掛かりだが、それ単独で確定できず病理・臓器病変・他疾患の除外を組み合わせる。

各選択肢の解説

  • a:条件付きで正しい — 血清IgG4は診断評価に有用だが、高値のみを確定診断と呼ばない。画像・組織所見と統合する。
  • b:誤り — 血管周囲炎・線維化と動脈瘤は別である。提示像から瘤形成を決めつけ手術適応へ直結させない。
  • c:誤り — 大動脈を取り巻く軟部組織は後腹膜線維化として説明でき、リンパ節腫大と即断しない。
  • d:誤り — 示される腺病変は右顎下腺であり耳下腺ではない。位置と全身病変の組合せを先に確認する。
  • e:正しい — IgG4関連疾患は多臓器性で、1型自己免疫性膵炎を合併し得る。膵病変がなくても疾患は否定されない。

根拠・参考文献

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