この回の出題傾向
この回の公開選択式は60問で、内訳は物理・機器・解析9問、製剤・品質管理6問、安全管理・線量・法規6問、脳神経10問、循環器10問、腫瘍・炎症6問、内用療法4問、一般臓器・検査手技9問です。
同じ公開60問形式の他13回平均に比べ、腫瘍・炎症は1.1問多く、一般臓器・検査手技は1.9問少ない構成です。
代表的なテーマはPET減弱と計数率・検出器配置、貧困灌流と認知症の機能画像、負荷時一過性左室拡大、唾液刺激による排泄と耳下腺高集積です。問題数の差は難易度の差を示すものではありません。
公開選択式60問を主題により当サイトで一問一分類。公式の分野配点ではない。 比較は同じ公開形式の他回に限り、主題の重複計上はしていません。
核医学専門医試験・第14回(2017年)
問題は日本核医学会のHPを別タブで開いて確認しながら取り組んでください。問題文・選択肢・画像は掲載していません。
問題番号を押すと、出題テーマ・解答例・各選択肢の判定理由・根拠資料を確認できます。非公式の解答例です。未確定の項目は理由を明記しています。
解答候補として掲載:問3、問6、問28、問30、問38、問42、問59。解答未確定:問9、問14、問16、問29、問55。各項目に理由を記載しています。
核医学総論・問1
解答例:d
考え方
原子番号は陽子数で決まる。核異性体転移は核子組成を変えず、励起エネルギーを放出する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 中性子が陽子へ変わり、原子番号は一つ増す。
- b:誤り — 陽子が中性子へ変わり、原子番号は一つ減る。
- c:誤り — ヘリウム核の放出で陽子が二つ減る。
- d:正しい — 陽子数・中性子数を保って準安定状態から低い準位へ移る。
- e:誤り — 軌道電子を捕獲して陽子が中性子へ変わるため、原子番号が一つ減る。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
関連する過去問
- 第13回(2016年)問1:核壊変と原子番号
核医学総論・問2
解答例:c
考え方
放射平衡には親が娘より十分長寿命である関係が必要。Teから長く残るIが生じる関係はこれに合わない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 親は数百日、娘は約68分であり、永続平衡に近い関係となる。
- b:正しい — 親は数時間、娘は十数秒であり、親の供給と娘の壊変が釣り合う。
- c:誤り — 131Teは131Iの約8日より短寿命で、親が先に失われ通常の放射平衡が成立しない。
- d:正しい — 約66時間の親と約6時間の娘は過渡平衡の代表。
- e:正しい — 数十年の親から数日寿命の娘が生じ、永続平衡に近い関係となる。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学総論・問3
解答例:b
独自解答候補(条件・出題時の解釈に留意)
考え方
正味の計数率は9000-1000=8000cpm。両測定をそれぞれ1分として独立な分散を加えると標準偏差は√10000=100cpm。測定時間の明示がない点には注意する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 差し引く背景量と標準偏差の扱いがともに合わない。
- b:正しい — 各1分測定を仮定すれば差分と分散和の平方根が一致する。
- c:誤り — 正味値は直接差し引いて8000となり、この値にはならない。
- d:誤り — 標準偏差を正味値から差し引く計算ではない。
- e:誤り — 背景の平均値を差し引く操作と、統計的な揺らぎの計算を混同している。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
関連する過去問
- 第13回(2016年)問2:背景補正とポアソン誤差
核医学総論・問4
解答例:c
考え方
未補正の深部では二つの光子が体内で失われる確率が高く、均一ファントムでも中心の値が低くなる。
各選択肢の解説
- a:誤り — 偶発同時計数は検出器の単一計数率の積に依存し、高計数率でむしろ問題が大きくなる。
- b:誤り — 同じ形状・線質条件では散乱割合を計数率だけの単純増加則としない。
- c:正しい — 深部から出る光子が減弱するため、補正しないと中心が過小評価される。
- d:誤り — 同じ検出器幅等なら大きいリングは立体角が減り、感度が必ず高くなるわけではない。
- e:誤り — 複数の光検出器信号の位置推定等を使い、PMTの外寸より細かな位置を識別できる。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
- EANM FDG腫瘍画像診断ガイドライン:FDG集積機序、前処置、減弱補正と画像上の限界
関連する過去問
- 第13回(2016年)問5:未補正PETの中心低下
核医学総論・問5
解答例:b
考え方
ピンホールでは対象を孔へ近づけると拡大率が上がる。平行孔の距離によるぼけと区別する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 平行孔は離れるほど幾何学的分解能が悪くなる。
- b:誤り — 孔から対象までの距離が短いほど拡大率は上がり、低下するとの方向が逆。
- c:正しい — 光子が吸収される確率が下がり、薄い結晶では一般に検出効率が低くなる。
- d:正しい — エネルギーの分離が良いほど、近接したピークや散乱を区別しやすい。
- e:正しい — 光電変換と電子増倍で、微弱な発光を電気信号として読み出す。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学総論・問6
解答例:e
独自解答候補(条件・出題時の解釈に留意)
考え方
クロスキャリブレーションは放射能濃度・SUVなどの定量値の整合に必須だが、単純な一様倍率の校正差は画像の空間分解能や雑音の形を直接は変えない、という区別を問う。
各選択肢の解説
- a:誤り — 飛行時間差情報により位置不確かさを減らし、実効的な雑音を改善する。
- b:誤り — 検出カウントが増えれば、同じ条件で統計雑音を減らせる。
- c:誤り — 小病変の分離や部分容積効果を左右する。
- d:誤り — 雑音と背景誤差を増やし、有効画質を損なう。
- e:正しい — 定量校正の良否でSUVは変わる。画質に無関係という表現は視覚的な分解能・コントラスト等を指し、診断に無関係という意味ではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
- EANM FDG腫瘍画像診断ガイドライン:FDG集積機序、前処置、減弱補正と画像上の限界
核医学総論・問7
解答例:e
考え方
PSFなどの分解能補正は病変境界で過剰強調や振動を生むことがあり、局所SUVの過大評価にも注意する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 撮像視野外への切れに由来するもので、分解能補正固有の境界振動とは異なる。
- b:誤り — 検出器感度不均一等による輪状所見と、PSFのエッジ強調を分ける。
- c:誤り — 対象が動くことで位置がずれる現象であり、ここでの再構成由来の振動ではない。
- d:誤り — 強い減弱・データ不足等による線状所見を指し、PSFの典型的エッジ効果とは異なる。
- e:正しい — 急な境界付近に過大・過小の振動が生じ、リング状の過剰強調を示しうる。
根拠・参考文献
- EANM FDG腫瘍画像診断ガイドライン:FDG集積機序、前処置、減弱補正と画像上の限界
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学総論・問8
解答例:d
考え方
DTPAは主に糸球体濾過で排泄され、pH依存の組織内保持を標的とする製剤ではない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 脂溶性により脳関門を通り、その後の変換で保持される。
- b:正しい — 凝集粒子が微小循環に一時捕捉されるため粒子の大きさが重要。
- c:正しい — 骨形成部のミネラル表面との吸着・交換が集積に関わる。
- d:誤り — 腎機能・濾過による分布を評価する製剤で、組織内pHを主因とする説明は不適切。
- e:正しい — 脂溶性陽イオンの細胞内・ミトコンドリア保持は電位差の影響を受ける。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学総論・問9
解答例:未確定
未確定(説明の確認事項あり)
考え方
bの生理食塩液溶出は正しい。一方、99mTcは内部転換後の原子殻緩和でオージェ電子も放出するため、cを誤りとできず単一正答は留保する。
各選択肢の解説
- a:一般的製法としては不適切 — 一般的な供給は原子炉由来だが、加速器による製造法もあり製法を唯一に限定しない。
- b:正しい — 通常のジェネレータは生理食塩液で過テクネチウム酸を溶出する。
- c:正しい — 99mTcには光子だけでなく内部転換電子・オージェ電子の放出もあり、この説明は成立する。
- d:誤り — 溶出までに娘が壊変して生じた99Tc等もあり、完全に含まれないとはいえない。
- e:誤り — 99Tcは非常に長寿命だが放射性で、安定核種ではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
- 99mTcの電子放出スペクトル計算原著:99mTc壊変に伴うオージェ電子の生成
核医学総論・問10
解答例:d
考え方
結合を乱さない低化学量と高い特異性が必要。標的へ入る放射性代謝物は非特異的背景や定量誤差を生む。
各選択肢の解説
- a:正しい — 標的外受容体への結合を抑え、目的受容体の信号を得るために重要。
- b:正しい — 同じ放射能でも化学量を減らせるため、受容体占有や薬理作用を小さくできる。
- c:正しい — 適度な脂溶性で脳へ移行する。高すぎる脂溶性は非特異的結合を増やすので最適域が必要。
- d:誤り — 代謝物の保持は親化合物の結合信号と区別しにくく、望ましい性質ではない。
- e:正しい — 標的への到達が十分でなければ、特異的結合を良好に測定できない。
根拠・参考文献
- EANM Brain Imaging guide:脳製剤と定量、疾患別の機能画像
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学総論・問11
解答例:c
考え方
半減期約13時間なので40時間は約3半減期。化学量を一定とする指定では800/8≒100MBq/μmol。
各選択肢の解説
- a:誤り — 約1半減期後の値に相当し、40時間後として高い。
- b:誤り — 約2半減期後であり、指定時間より短い。
- c:正しい — 約3半減期の減衰量に最も近い。
- d:誤り — 約4半減期が必要で、40時間では減衰しすぎる。
- e:誤り — 約5半減期が必要となり、指定より長い時間に相当する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学総論・問12
解答例:a
考え方
メタボリックトラッピングは細胞内の代謝変換により流出しにくい形・プールへ移ること。単に全く代謝されず留まることではない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 脂肪酸類似体が細胞内で変換され脂質プールに保持される機序を利用する。
- b:誤り — 骨ミネラル表面への吸着が中心で、細胞内代謝変換による保持ではない。
- c:誤り — 脂溶性陽イオンが膜電位差により保持されることが主。
- d:誤り — 脂溶性による脳移行やアミン結合等の保持を利用し、この中で代謝トラップの代表として選ぶ製剤ではない。
- e:誤り — DATへの結合を利用し、糖や脂肪酸の代謝保持とは区別する。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
- BMIPP代謝の原著:トリグリセリドプールへの保持と酸化代謝
核医学総論・問13
解答例:b
考え方
81mKrは約13秒と極めて短寿命で、連続供給を必要とする。
各選択肢の解説
- a:誤り — 67Gaは約3.3日で、この中では長い。
- b:正しい — 81mKrは約13秒で最も短い。
- c:誤り — 99mTcは約6時間。
- d:誤り — 123Iは約13時間。
- e:誤り — 131Iは約8日である。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学総論・問14
解答例:未確定
未確定(説明の確認事項あり)
考え方
半減期測定を核種確認に使うaは正しい。bの事後純度試験の許容範囲とeの設備圧差の意図を2017年版基準で十分照合できず、正答1肢の確定を留保する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 放射壊変の測定から目的核種に合う半減期か確認でき、化学純度試験とは別の確認項目である。
- b:未確定 — 短寿命でも純度・不純物の管理は必要。バリデーション、供給方式、投与前確認と事後試験の許容条件を確認せず一律に事後でよいとしない。
- c:正しい — 当時の保険診療の設備要件として承認された合成装置を使用する。研究製造と同一の制度ではない。
- d:正しい — ホットセルの遮蔽と遠隔操作で直接作業による線量を減らせる。
- e:条件付き — 放射性物質を外へ漏らさない陰圧と、無菌工程の清浄度・気流管理を両立させる。室・ホットセル・無菌作業域の圧差を一括りにしない。
根拠・参考文献
- EANM 放射性医薬品調製品質指針cGRPP:調製時の品質保証と製造・施設の管理
- 日本核医学会 PET薬剤製造基準一覧:製造基準・薬剤各条の版と品質保証。2017年本文の完全照合は未了
核医学総論・問15
解答例:c
考え方
汚染をしみ込ませず、測定と除染を行いやすい表面を用いる。
各選択肢の解説
- a:正しい — 取り扱う範囲を限定することで汚染箇所を管理しやすい。
- b:正しい — 吸収材と防水裏打ちで、作業面への浸透と流出を減らす。
- c:誤り — 床を吸水性にすると放射能が内部へ入り除染困難となるため、逆の構造が必要。
- d:正しい — 汚染測定を繰り返して早期に発見し拡大を防ぐ。
- e:正しい — 除染で回収された放射能を含む物品は適切な廃棄物管理の対象。
根拠・参考文献
- IAEA Applying Radiation Safety Standards:遮蔽・汚染管理・線量と医療被ばくの防護
核医学総論・問16
解答例:未確定
未確定(説明の確認事項あり)
考え方
cは比放射能が高ければ分解しにくいという誤った一般化。一方bも薬理作用を一切考えなくてよいという表現は不適切で、単一正答の断定は留保する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 放射能の減衰に加え化学的安定性も関わり、使用期限は一般に短い。
- b:誤り(断定過剰) — 微量投与でも投与する化学物質の量、受容体占有、薬理・アレルギー反応等の安全性を考える必要がある。
- c:誤り — 高い比放射能や放射能濃度では自己照射・ラジカル生成で分解が問題となりうる。安定化剤や溶媒等も影響する。
- d:正しい — 診断用放射性医薬品は医師等の処方に基づき使用される。
- e:正しい — 必要な撮像時間を満たしたうえで短寿命核種を用いると、不要な体内残留線量を減らしやすい。
根拠・参考文献
- EANM 放射性医薬品調製品質指針cGRPP:調製時の品質保証と製造・施設の管理
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学総論・問17
解答例:b
考え方
標準人体の臓器質量・形状と核種別S値を用いる枠組みで、全て日本人の標準体型専用というものではない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 内部線源による標的臓器線量を計算する方法。
- b:誤り — 従来の標準人体モデル等に基づき、日本人の体型だけを基準として作られた方法ではない。
- c:正しい — どこに放射能があり、どの組織の線量を評価するかを設定する。
- d:正しい — 時間積分放射能から総壊変数を評価する必要がある。
- e:正しい — 放射線のエネルギー・放出数や吸収分率が異なり、S値は核種と臓器の組合せによって変わる。
根拠・参考文献
- MIRD23 定量線量評価指針:線源・標的臓器、時間積分放射能、S値
核医学総論・問18
解答例:c
考え方
270MBq×0.011mGy/MBq=2.97mGy。係数の不確かさに対応する幅は約0.54mGyで、選択肢では3mGy。
各選択肢の解説
- a:誤り — 投与量と係数の積に比べて一桁小さい。
- b:誤り — 係数の標準的な変動幅との混同に近く、平均線量そのものではない。
- c:正しい — 計算した平均吸収線量約2.97mGyに最も近い。
- d:誤り — 係数を約二倍にした量で、平均値の積とは異なる。
- e:誤り — MBqとmGyの単位換算で余分な係数を入れた過大な値。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学総論・問19
解答例:e
考え方
原則5年100mSvと、いずれの1年も50mSv以下をともに満たす。
各選択肢の解説
- a:誤り — 女性の四半期管理等との取り違えで、男性の原則的実効線量限度ではない。
- b:誤り — 男性の一般的職業限度をこの年量には設定していない。
- c:誤り — 5年上限は100mSvで、桁が小さい。
- d:誤り — 年50mSvの原則上限を超え、年100mSvとはしない。
- e:正しい — 5年合計の限度に対応し、年50mSvも別に守る。
根拠・参考文献
- 厚労省 放射線線量限度:実効線量の5年・1年上限と皮膚限度
核医学総論・問20
解答例:d
考え方
Sr89は200MBq、一般のI131残留量は500MBqという核種別基準を区別する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 使用室・治療病室からの退出は医療法を基礎とする指針に従う。
- b:正しい — 一般公衆の積算被ばくを年1mSv以下へ抑えることを基礎とする。
- c:正しい — 便益を受ける自発的介護者では一治療当たり5mSvを基準に考える。
- d:誤り — Sr89の上限200MBqと、I131の一般残留量500MBqを混同している。
- e:正しい — I131では体表から1mで30μSv/h以下という線量率基準を用いる。防護指導なども必要。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 放射性医薬品投与患者の退出通知:退出基準と記録保存。現行統合通知を参照
核医学各論・問21
解答例:b
考え方
非密封のPET製剤、加速器、密封校正線源はそれぞれ該当する制度・数量条件で管理する。校正線源なら届出不要という一律の免除はない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 使用核種や数量等を事前に届け出、許容範囲を守る必要がある。
- b:誤り — 校正目的でも核種・数量や認証機器等の条件による管理が必要。免除レベル以下などの場合と一律不要を混同しない。
- c:正しい — 使用室の遮蔽構造の基準と、管理区域境界・敷地境界の基準は異なる場所の値。居室・公衆の制限も別途守る。
- d:正しい — 製造用サイクロトロンは当時の放射線障害防止法で規制され、所定の許可を要する。
- e:正しい — 指定4核種のPET廃棄物について封をして7日保管する等の特例条件があり、他核種の混入もないことが必要。
根拠・参考文献
- 厚労省2004年PET施設取扱通知:PET施設の遮蔽・製造・廃棄物管理の枠組み
- IAEA Applying Radiation Safety Standards:遮蔽・汚染管理・線量と医療被ばくの防護
脳神経核医学・問22
解答例:d
考え方
イオフルパンは線条体ドパミントランスポーターをみる。脳糖代謝用のFDGや、受容体結合薬と区別する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 酸素15の標識酸素を用い、血流・血液量等と合わせ酸素代謝を評価する。
- b:正しい — フロルベタピルは線維性アミロイドβを標的とするPET薬剤。
- c:正しい — 脳への移行・組織内保持を利用し、投与時の灌流分布を評価する。
- d:誤り — 糖代謝ではなくDATへの結合を画像化する。
- e:正しい — イオマゼニルは中枢性ベンゾジアゼピン結合部位を評価する。
根拠・参考文献
- EANM Brain Imaging guide:脳製剤と定量、疾患別の機能画像
関連する過去問
- 第13回(2016年)問22:脳トレーサの標的機序
脳神経核医学・問23
解答例:b
考え方
慢性灌流圧低下を酸素抽出増加で補うときは、すでに血管が拡張して追加の拡張余地が少ない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 低い血流に対するOEF上昇が、血行力学的な代償の特徴となる。
- b:誤り — 予備能は通常低下し、負荷後にさらに相対低下する場合もある。低下しないとの説明は逆。
- c:正しい — 後帯状回・楔前部と側頭頭頂連合野の低下はADを支持する。
- d:正しい — 適切に実施したアミロイド検査が陰性ならAD病理の可能性は低くなる。ただし臨床診断の見直しや検査誤差も考える。
- e:正しい — 黒質線条体系の終末変性により結合が低くなる。
根拠・参考文献
- EANM Brain Imaging guide:脳製剤と定量、疾患別の機能画像
- JET2原著:血流と血管反応性による血行力学的虚血評価
脳神経核医学・問24
解答例:a
考え方
負荷後に左の前方・中大脳動脈領域へ広がる相対低下が明瞭となり、内頸動脈系の近位障害を疑う。SPECTのみで狭窄部位を確定せず血管画像と対照する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 複数の前方循環領域を含む反応性低下をまとめて説明しやすい。
- b:誤り — 内側前頭部だけの障害では外側皮質を含む分布全体を説明しにくい。
- c:誤り — 外側皮質は含まれるが、内側前頭部も障害される分布ならより近位を考える。
- d:誤り — 後頭葉内側が比較的保たれ、主な低下分布に合わない。
- e:誤り — 小脳・脳幹主体の分布ではなく、前方循環の障害を疑う。
根拠・参考文献
- EANM Brain Imaging guide:脳製剤と定量、疾患別の機能画像
脳神経核医学・問25
解答例:d
考え方
線条体と背景の比が安定する投与後数時間にSPECTを行う。急速注入やTcの光電ピークを流用しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 通常はゆっくり静注する。急速なボーラス投与を標準としない。
- b:誤り — 1時間の前後プラナー像だけでは、通常の線条体DAT評価の収集法を満たさない。
- c:誤り — 123Iの主光子は約159keVで、140keVは99mTcの設定に相当する。
- d:正しい — 投与後3時間前後は通常の遅延SPECTの収集時間帯に合う。
- e:誤り — 通常は頭部SPECTに適した高分解能系コリメータを使用し、ピンホールを標準としない。
根拠・参考文献
- 米国DATSCAN公的添付文書:緩徐静注、投与後の収集、159keV設定
- PMDA ダットスキャン情報:国内の薬剤添付文書・審査資料
循環器核医学・問26
解答例:c
考え方
血管拡張負荷の前にはカフェイン等を避け、QT延長、伝導障害、喘息、重い過敏症などの禁忌を評価する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 制限する代表はカフェイン・メチルキサンチン。海藻のヨウ素制限は通常この負荷の目的ではない。
- b:誤り — Tlだけへの限定ではなくTc製剤を使う負荷にも役割がある。製剤・当時の算定要件を別に確認する。
- c:正しい — QT延長症候群は国内添付文書の禁忌に含まれる。
- d:誤り — アナフィラキシー既往をステロイドで覆って同じ負荷薬を再投与することを標準推奨とはしない。
- e:誤り — 血糖不良という一点でドブタミンを優先する根拠はなく、心拍・伝導・気道・血圧等の条件で選ぶ。
根拠・参考文献
- PMDA アデノスキャン添付文書:QT延長・喘息・過敏症等の禁忌とカフェイン・併用薬
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
循環器核医学・問27
解答例:c
考え方
肺を迂回してMAAが体循環へ分布する現象から調べるのは右左シャント。左から右へ流れる短絡とは逆である。
各選択肢の解説
- a:正しい — 動態PETと入力関数・モデルを用いれば糖代謝率を定量できる。静態SUVだけと区別する。
- b:正しい — 初回循環や血液プール測定で右室機能を評価する用途がある。
- c:誤り — 通常は右心から肺を介さず左心・体循環へ流れる短絡を、肺外分布から評価する。
- d:正しい — 同期収集で収縮・拡張末期の容積を求めEFを算出できる。
- e:正しい — 心臓と上縦隔の取り込み比を交感神経機能指標として用いる。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
- EANM 換気血流SPECTガイドライン:換気用ガス、肺塞栓症・梗塞の分布と鑑別
循環器核医学・問28
解答例:a
独自解答候補(条件・出題時の解釈に留意)
考え方
Tlはカリウム類似体として能動輸送が関与する。脂溶性Tc製剤の膜移行・保持と取り違えない。低灌流を無集積と断定したり、Tcの洗い出しが絶対に測れないと一般化しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — Na/Kポンプなどの関与する取り込みで、受動拡散のみという説明は不適切。
- b:条件付き — 初回抽出が高く、重い低灌流・瘢痕で取り込みが乏しくなる。ただし生存する虚血心筋に全く入らないという絶対表現は強すぎる。
- c:正しい — 脂溶性製剤は膜を通過して、細胞膜・ミトコンドリア電位等により保持される。高血流での抽出率の頭打ちはある。
- d:正しい — Tlの経時的交換による再分布に比べ、Tc製剤の通常の再分布は小さい。
- e:条件付き — 通常のTc灌流像では保持が強く、Tlと同じwashout解析を標準とはしない。ただしTc製剤washoutを評価する研究・病態があり、測定不能と断定しない。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
循環器核医学・問29
解答例:未確定
未確定(説明の確認事項あり)
考え方
cは正常の主な脂肪酸利用から虚血時の糖利用へ向かう変化を逆にしている。一方dのミトコンドリア内長期保持も主なトリグリセリドプール保持とは異なるため、誤り1肢は留保する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 短時間虚血後に血流が戻っても収縮機能の回復が遅れる、生存心筋の一過性機能障害をいう。
- b:概念は妥当・条件あり — 持続的・反復的な虚血に対応して収縮が落ち、再建で回復しうる状態。必ず先行梗塞が必要というわけではない。
- c:誤り — 通常の好気的心筋は脂肪酸利用が多く、虚血時は相対的に糖利用へ移る。提示の方向は逆。
- d:誤り — BMIPPは主に心筋内脂質・トリグリセリドプールに保持される。ミトコンドリア内に長期滞留することを主機序とする説明は不正確。
- e:正しい — MIBGは神経終末の取り込み・保持を評価し、脱神経領域は通常低集積となる。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
- BMIPP代謝・保持に関する原著:BMIPPのトリグリセリドプールへの保持
核医学各論・問30
解答例:d
独自解答候補(条件・出題時の解釈に留意)
考え方
臨床研究で治療反応を評価できることと、当時の保険要件を同一視しない。病期・再発転移診断を他検査で確定できない等の要件で判断する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 通常は同一FDG投与後に全身撮像と組み合わせて乳房を撮る。追加投与を原則とする検査ではない。
- b:正しい — 授乳乳腺は生理的高集積となり、被ばく・検査の利益を含め慎重に判断する。
- c:正しい — 正常乳腺の背景、左右差や形態と比べて局所的な高集積を検索する。良悪性を集積だけで確定しない。
- d:誤り — 化学療法後の効果判定という目的だけで無条件に保険適用とはならない。臨床的有用性と算定対象を分ける。
- e:正しい — 装置ごとの専任者など当時の施設基準に適合する体制が必要となる。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 乳房専用PET指針2019:2013年からの保険導入、対象・全身併用、撮像と未保険利用
核医学各論・問31
解答例:e
考え方
ペンテトレオチドはSSTRを標的とする。一般的なFDGの絶食条件とは異なり、主に水分・排泄・必要な腸管前処置に配慮する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 画像に用いる核種は111Inであり、複数のγ線を収集する。
- b:正しい — 神経内分泌腫瘍等に発現する受容体への結合を利用する。
- c:正しい — 一般に高分化腫瘍は受容体発現が保たれやすく、低分化癌ではFDGとの役割が異なる。
- d:正しい — 4時間・24時間等の早期と遅延を比較し、生理的腸管集積と病変の判別に用いる。
- e:誤り — 通常は絶食を必須とする検査ではない。患者の糖尿病やソマトスタチン製剤併用等は別途確認する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
- PMDA オクトレオスキャン申請資料2015:ペンテトレオチドのソマトスタチン受容体標的を補足。
核医学各論・問32
解答例:b
考え方
副腎皮質用アドステロールの通常の製剤は131I標識。副腎髄質用MIBGと核種を混同しない。
各選択肢の解説
- a:正しい — ノルアドレナリン系取り込みを利用し、集積陽性の褐色細胞腫で用いる。
- b:誤り — 国内標準のアドステロールは131I標識であり、この核種表記は不適切。
- c:正しい — SSTR陽性の神経内分泌腫瘍等を画像化する。
- d:正しい — 副甲状腺腺腫のミトコンドリア等への保持を利用する。
- e:正しい — Hodgkinリンパ腫は一般にFDG高集積で、病期と治療反応を評価する。
根拠・参考文献
- PMDA アドステロール添付文書:副腎皮質画像と抑制条件
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学各論・問33
解答例:a
考え方
寒冷で褐色脂肪が活性化する。筋取り込みはインスリンで増え、高血糖の競合や排泄の影響も考慮する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 交感神経活動と熱産生に伴い、頸部・鎖骨上等の脂肪が強く描出されることがある。
- b:誤り — 通常の体重SUVには身長は必須ではない。除脂肪体重補正等の式とは区別する。
- c:誤り — インスリンはGLUT4を介する筋の糖輸送を促し、集積は増える方向。
- d:誤り — 主な排泄は尿路で、胆汁排泄を主経路とはしない。
- e:誤り — 血糖との競合等で脳や腫瘍の集積が低くなる場合があり、単純な増加とは逆。
根拠・参考文献
- EANM FDG腫瘍画像診断ガイドライン:FDG集積機序、前処置、減弱補正と画像上の限界
核医学各論・問34
解答例:b
考え方
粒子は肺微小血管に一時捕捉されて灌流を示す。投与前の均一懸濁、緩徐静注、粒子数・姿勢の管理が必要。
各選択肢の解説
- a:誤り — 通常の粒子は数十μmを中心とし、200~300μmを代表径とする説明は大きすぎる。
- b:正しい — 適切に再懸濁したうえでゆっくり注射し、凝集や局所偏在を避ける。
- c:誤り — ジェネレータ由来の過テクネチウム酸は標識に用いられる。溶出液品質と経過時間等の条件を守る。
- d:誤り — 物理的な粒子捕捉であり、骨ミネラルへの化学吸着と異なる。
- e:誤り — 粒子は時間とともに分解され、肺の永久閉塞を作るものではない。
根拠・参考文献
- EANM 換気血流SPECTガイドライン:換気用ガス、肺塞栓症・梗塞の分布と鑑別
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
関連する過去問
- 第13回(2016年)問33:MAAの投与条件
核医学各論・問35
解答例:a
考え方
既往・臥床・悪性腫瘍・喀血は血栓塞栓の事前評価に関わる。心拍数が通常範囲というだけでは積極的な危険点を加えない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 頻脈と異なり60/分という値は代表的な予測スコアの加点条件ではない。正常心拍でも肺塞栓は除外できない。
- b:誤り — 長期の不動・臥床は静脈うっ滞を介する危険因子。
- c:誤り — 症状として予測スコアに含まれるが、非特異的で他原因もある。
- d:誤り — 既往は再発の事前確率に関わる重要な情報。
- e:誤り — 悪性腫瘍やその治療は静脈血栓塞栓の危険因子となる。
根拠・参考文献
- EANM 換気血流SPECTガイドライン:換気用ガス、肺塞栓症・梗塞の分布と鑑別
核医学各論・問36
解答例:c
考え方
過テクネチウム酸は胃粘膜に取り込まれるため、Meckel憩室等の異所性胃粘膜検索に使う。
各選択肢の解説
- a:誤り — 血管内標識体の漏出を追う消化管出血検査に使い、胃粘膜自体を標的にする薬剤とは違う。
- b:誤り — 網内系による貪食が中心で、異所性胃粘膜の標準薬ではない。
- c:正しい — 通常の胃と同じタイミングで現れる局所集積を検索する。血管・尿路等との鑑別が必要。
- d:誤り — 主に糸球体濾過の機能評価に使う。
- e:誤り — 血液プールを評価し、胃粘膜への能動的取り込みを利用するものではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学各論・問37
解答例:a
考え方
DTPAは主に糸球体で濾過され、血中・血漿クリアランスや画像法でGFRを評価する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 濾過による消失を利用するGFR測定に適する。補正法・採血法等により精度が変わる。
- b:誤り — 腎皮質に保持され、局所機能や瘢痕の評価に適する。
- c:誤り — 主に尿細管分泌で排泄され、GFRそのものではなく尿細管抽出・輸送に関係する。
- d:誤り — 遊離過テクネチウム酸は胃・甲状腺等にも取り込まれ、GFR標準製剤ではない。
- e:誤り — 骨ミネラルに集積するため、腎排泄があってもGFR定量用としては選ばない。
根拠・参考文献
- SNMMI/EANM 腎シンチ診療指針:DTPAとMAG3の排泄機序・腎機能評価
核医学各論・問38
解答例:c
独自解答候補(条件・出題時の解釈に留意)
考え方
骨全体の代謝回転が高いと骨集積が著しくなり、相対的に尿路背景が乏しいsuperscanを示すことがある。単一疾患に特異的ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 低骨量だけで全骨格の著明な高回転像を典型とはしない。合併骨折は別の局所所見。
- b:誤り — 骨軟化症でも広い集積増加はありうるが、候補中で全身高回転の代表としては副甲状腺機能亢進を選ぶ。
- c:正しい — 腎性骨異栄養症を伴う全身の高回転骨代謝により、典型的な代謝性superscanとなりうる。
- d:誤り — 長管骨の皮質に沿った骨膜反応が中心で、軸骨格まで均等に強い高回転像とは区別する。
- e:誤り — 胸鎖関節などの特徴的局所分布を重視し、全骨格びまん性集積の第一候補としない。
根拠・参考文献
- EANM 骨シンチグラフィ指針:骨製剤、病変集積と影響する薬剤
核医学各論・問39
解答例:d
考え方
骨製剤・NaFは骨形成やミネラル交換を、FDGは腫瘍等の糖代謝を反映する。とくに治療後硬化性病変ではFDGが乏しい場合がある。
各選択肢の解説
- a:正しい — 骨形成・修復の盛んな部位で高い集積を示す。
- b:正しい — Tc標識のMDP/HMDP等はビスホスホネート骨格をもつ薬剤。
- c:正しい — 軟部組織の石灰化や骨化でもミネラル関連集積を認めうる。
- d:誤り — FDGを造骨性病変の検出に特に優れると一律に評価しない。病型・活動性・治療歴により骨製剤と感度が異なる。
- e:正しい — NaFは骨ミネラルとの交換を利用するPET用の骨代謝トレーサ。撮像装置は通常のSPECTと異なる。
根拠・参考文献
- EANM 骨シンチグラフィ指針:骨製剤、病変集積と影響する薬剤
- EANM FDG腫瘍画像診断ガイドライン:FDG集積機序、前処置、減弱補正と画像上の限界
核医学各論・問40
解答例:b
考え方
ACTHが両側皮質を刺激する下垂体性病態では両側集積が基本。片側腫瘍の自律的コルチゾール産生や、非機能腫瘍による片側正常組織の置換とは区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 自律的分泌でACTHが抑えられ、健側が非描出となる典型的機序。
- b:正しい — 両側へのACTH刺激が基本で、抑制なしの片側のみという像を最も説明しにくい。
- c:誤り — 髄質病変自体は通常集積せず、大きい病変で片側正常皮質が置換・圧排されれば健側だけ見えることがある。
- d:誤り — 転移部は機能性皮質でなく、正常皮質の破壊・置換で患側が見えなくなる場合がある。
- e:誤り — 皮質癌は機能や分化度が様々で、腫瘍または正常皮質の集積・抑制により片側像になりうる。単独画像で確定しない。
根拠・参考文献
- PMDA アドステロール添付文書:副腎皮質画像と抑制条件
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
腫瘍核医学・問41
解答例:c
考え方
残存正常甲状腺のアブレーションと、既知の転移病変の治療を区別する。Ra223は骨形成部位を標的とし、前立腺原発巣そのものの治療薬ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 分化型でも手術・局所治療の評価が先行し、取り込みをもつ残存・転移病変に131Iを検討する。切除不能局所進行病変だけを一般的な単独適応とする説明は不十分。
- b:誤り — 遠隔転移を複数回治療することはあるが、それを残存甲状腺破壊の反復と呼ばない。
- c:正しい — 遠隔転移のない全摘後等の対象条件と、退出基準・生活指導遵守を満たす場合に外来1110MBqの特例を用いる。
- d:誤り — 骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌の骨病変を標的とし、原発腫瘍に直接有効という説明は不適切。
- e:誤り — 主な排泄は糞中であり、尿路を主経路とする説明は逆。
根拠・参考文献
- ATA分化型甲状腺癌診療指針2015:131I治療のTSH刺激、転移とrhTSHの適応
- 日本アイソトープ協会 Ra223適正使用マニュアル第1版:2016年承認後の骨転移去勢抵抗性前立腺癌の適応と糞中排泄・安全管理
- 厚生労働省 放射性医薬品投与患者の退出通知:退出基準と記録保存。現行統合通知を参照
腫瘍核医学・問42
解答例:a
独自解答候補(条件・出題時の解釈に留意)
考え方
標準的な投与・退出条件では、1850MBqの131Iは外来アブレーション1110MBq特例を超える。実際の退出は測定線量率や個別線量評価等も確認する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 投与時に通常の一般退出量・外来アブレーション特例を超え、治療病室での管理が必要となる。
- b:誤り — 通常のI131量基準500MBq以内で、指導等の条件を満たせば外来施行できる。
- c:誤り — Sr89の200MBq以下に収まり、治療病室入院を一律には要しない。
- d:誤り — Y90の1184MBq以下に収まり、当該治療の手順と防護条件で外来可能。
- e:誤り — Ra223の承認用量の治療は適切な取扱い・退出基準の下で外来実施できる。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 放射性医薬品投与患者の退出通知:退出基準と記録保存。現行統合通知を参照
- 日本アイソトープ協会 Ra223適正使用マニュアル第1版:2016年承認後の骨転移去勢抵抗性前立腺癌の適応と糞中排泄・安全管理
脳神経核医学・問43
解答例:d
考え方
幻視と後頭葉を含む低灌流はDLBを支持する。パーキンソニズムが診察時にないことだけでは否定できない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 前頭葉の高度萎縮を主所見とする像ではなく、症状と後方低下からDLBを優先する。
- b:誤り — 後頭葉にも低灌流があり、保たれるとの読影は合わない。
- c:誤り — DLBでは黒質線条体系の変性によりDAT低下を示すことが多い。
- d:正しい — DLBの認知機能等に対するドネペジルの効果は無作為化試験で示されている。個別の禁忌や心拍への影響も確認する。
- e:誤り — DLBでは心臓MIBG低下が多く、保たれると予測するのは一般的でない。ただし病期・交絡により例外はある。
根拠・参考文献
- EANM Brain Imaging guide:脳製剤と定量、疾患別の機能画像
- DLBドネペジル無作為化試験2012:DLBの認知機能等に対する治療効果
脳神経核医学・問44
解答例:e
考え方
小脳失調・橋小脳系の形態変化・小脳低灌流に、黒質線条体機能の異常が加わる組合せは多系統萎縮症を支持する。DATだけでは変性疾患間を確定できない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 垂直性眼球運動障害や中脳萎縮・前頭葉系異常より、橋小脳症候が目立つ。
- b:誤り — 認知変動・幻視や後頭葉低下が主ではなく、小脳失調主体の組合せとは異なる。
- c:誤り — 非対称の失行・固縮・皮質機能障害より、小脳系変性が主所見。
- d:誤り — 通常のPDだけでは目立つ橋小脳萎縮と小脳性失調を説明しにくい。
- e:正しい — 小脳優位型のMSAに整合する。自律神経症状や経過、他の変性疾患除外も合わせる。
根拠・参考文献
- EANM Brain Imaging guide:脳製剤と定量、疾患別の機能画像
脳神経核医学・問45
解答例:d
考え方
右大脳病変に伴う左小脳低灌流はCCDとして説明する。低灌流をすべて局所動脈閉塞の証拠としない。
各選択肢の解説
- a:正しい — MRAで右中大脳動脈系の閉塞が示される。
- b:正しい — 対応する深部領域の拡散異常・形態変化は穿通枝領域梗塞に合う。
- c:正しい — 右大脳に閉塞域に対応する灌流障害を認める。
- d:誤り — 大脳病変からの神経入力低下で対側小脳の血流が減る。左椎骨動脈高度病変を新たに断定する根拠はない。
- e:正しい — 負荷への増加が乏しく、灌流圧低下により血管拡張余地が減っていると考える。
根拠・参考文献
- EANM Brain Imaging guide:脳製剤と定量、疾患別の機能画像
- JET2原著:血流と血管反応性による血行力学的虚血評価
脳神経核医学・問46
解答例:d
考え方
側頭頭頂を含む連合野低灌流に対し、心MIBG取り込みは比較的保たれ、進行ADが最も整合する。画像は病理診断そのものではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 後頭葉低下と心臓MIBG低下の組合せより、今回の保持像は典型的DLBを積極支持しない。
- b:誤り — 血管支配に沿った多発欠損や対応する形態病変を中心とする像ではない。
- c:誤り — 主として前頭側頭へ偏る像より、側頭頭頂を含む広い連合野低下を重視する。
- d:正しい — 後方連合野から前方へ広がる低灌流と、比較的保たれた心臓交感神経機能が整合する。
- e:誤り — 強い左右差を伴う皮質・基底核障害や片側性症候の情報が不足する。
根拠・参考文献
- EANM Brain Imaging guide:脳製剤と定量、疾患別の機能画像
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
脳神経核医学・問47
解答例:d
考え方
短い発作に合わせて迅速に静注し、初期の灌流分布が保持される薬剤が適する。発作間欠期のFDG・受容体・DATとは測る対象が違う。
各選択肢の解説
- a:誤り — 肺での一時保持等で脳への供給が遅れ、短い発作の捕捉ではTc製剤より不利となる。
- b:誤り — DAT結合を評価し、発作時の局所神経活動による血流上昇を直接記録する製剤ではない。
- c:誤り — 受容体結合低下を使う焦点検索は主に発作間欠期の別の評価。
- d:正しい — 静注時点の脳灌流分布を比較的速く捉え保持するため、発作時の投与に適する。
- e:誤り — 取り込みが時間積分され、短い発作だけの血流捕捉には向かない。通常は間欠期代謝評価に使う。
根拠・参考文献
- EANM Brain Imaging guide:脳製剤と定量、疾患別の機能画像
脳神経核医学・問48
解答例:e
考え方
黒質線条体の節前ドパミン機能障害と、心臓の節後交感神経障害の双方が代表的なレビー小体病を選ぶ。
各選択肢の解説
- a:誤り — DATは低下しうるが、心MIBGは比較的保たれる例が多い。例外・併存病変はある。
- b:誤り — 黒質線条体変性を示しても心臓脱神経は典型的DLBほど一般的でない。
- c:誤り — 通常DATや心MIBGの双方の高度低下を特徴とはしない。
- d:誤り — DATは低下しうるが、心MIBG低下を高頻度の組合せとしては選ばない。
- e:正しい — DLBでは両経路の障害がみられる。糖尿病・心疾患・薬剤干渉等の交絡も評価する。
根拠・参考文献
- EANM Brain Imaging guide:脳製剤と定量、疾患別の機能画像
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
循環器核医学・問49
解答例:c
考え方
側後壁寄りの低下が遅延で改善し、回旋枝系の誘発虚血を考える。原画像のEDVは負荷109mL・安静110mLで、QGSによる一過性拡大を支持しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 前壁中隔中心の虚血ではなく、症状とステント既往に対応する側後壁を重視する。
- b:誤り — 下壁寄りにも低下があるが遅延で回復しており、梗塞のみで虚血なしとする説明は不適切。
- c:正しい — 回旋枝領域を中心とする可逆性低下を疑い、症状・冠画像・治療効果を踏まえて再建を検討する。再狭窄の確定は冠画像による。
- d:誤り — 極座標図だけでは断層位置・減弱・体動等を確認できず、元のSPECTと同期像の点検が必要。
- e:誤り — 負荷後EDVは安静より大きくなく、これをTIDとする根拠はない。EFの小差だけでもTIDとは呼ばない。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
循環器核医学・問50
解答例:d
考え方
負荷時に左室内腔が相対的に大きく、広い灌流不均一も伴う。単純な乳房減弱だけで片付けず重症虚血を検討する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 生存性と誘発虚血は別の問いであり、FDGだけでは負荷虚血評価を置き換えられない。
- b:誤り — 負荷安静の変化と内腔拡大があり、固定した乳房減弱だけで全所見を説明しない。
- c:誤り — 高リスクの可能性を評価せず保存治療のみと決めない。症状・冠解剖・全身状態に応じて治療を検討する。
- d:正しい — 広範な心内膜下虚血や多枝病変を疑う所見となる。同期・収集条件等も確認する。
- e:誤り — カフェイン中止は通常もっと長い間隔が必要で、1時間だけでは薬剤負荷の作用阻害を避けられない。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
- PMDA アデノスキャン添付文書:QT延長・喘息・過敏症等の禁忌とカフェイン・併用薬
循環器核医学・問51
解答例:d
考え方
冠動脈の明らかな器質的狭窄がなく、心筋の厚さに対応する不均一な高集積と灌流異常は肥大型心筋症を支持する。形態・壁厚・心電図等を合わせる。
各選択肢の解説
- a:誤り — 側壁の固定低下だけでなく肥厚性の分布があり、典型的な冠閉塞性側壁梗塞を第一としない。
- b:誤り — 狭窄に沿う単純な誘発虚血より、冠画像と心筋形態の不整合を重視する。
- c:誤り — 急性の心尖部運動異常を示す情報に乏しく、慢性の肥厚性形態と異なる。
- d:正しい — 肥厚部の相対高集積や微小循環障害はHCMでみられ、狭窄がなくても虚血性変化を生じうる。
- e:誤り — 拡大・全体的収縮不良を主体とする形態ではなく、肥厚の所見を説明しにくい。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
循環器核医学・問52
解答例:e
考え方
位相ヒストグラムは狭く、原画像のphase SD7.69°・bandwidth30°から全体の同期性は比較的保たれる。再灌流4日後の運動低下を、慢性低灌流の冬眠心筋と断定しない。
各選択肢の解説
- a:薬剤の断定不可 — 腹部排泄像だけでは薬剤を一意に特定できず、BMIPPが使用されたとの断定は支持できない。薬剤名・エネルギー設定等の検査記録で確認する。
- b:誤り — 前壁・中隔・心尖側の障害を重視し、回旋枝だけの責任領域としない。
- c:誤り — 心尖部にも取り込みが残り、運動低下だけで全筋層壊死と決められない。
- d:誤り — 再灌流後の一過性収縮障害なら気絶心筋が問題となる。慢性的な低灌流の証拠なしに冬眠としない。
- e:正しい — 狭い位相分布は収縮開始時刻がまとまっていることを示し、強い機械的非同期を示さない。局所運動低下との両立はある。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
- 心筋同期SPECT位相解析の開発原著2005:位相SD・帯域幅と機械的同期性
循環器核医学・問53
解答例:c
考え方
内胸動脈グラフトが開存しても、自己冠動脈の近位分枝などに虚血が残ることがある。解剖学的開存を機能的虚血なしと同一視しない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 前壁側の負荷安静差は前下行枝系の誘発虚血に合う。
- b:正しい — 高度な石灰化はCTで内腔を隠し、狭窄評価を難しくする。
- c:誤り — グラフト開存だけで全供給領域の虚血を否定できず、実際の灌流変化を優先する。
- d:正しい — 安静時取り込みの保持・可逆性は生存心筋を支持する。
- e:正しい — 提示像で明瞭な負荷時全体内腔拡大はなく、虚血があってもTID必発ではない。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
循環器核医学・問54
解答例:e
考え方
負荷時の前壁・中隔・前側壁の低下と内腔拡大を読む。一方、SPECTのみでバイパス閉塞を解剖学的に確定しない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 安静像に比べ負荷像で相対的に内腔が拡大している。
- b:正しい — 前壁の負荷時低下と安静回復は可逆的虚血を示唆する。
- c:正しい — 中隔にも可逆性低下がみられ、前方系の虚血を支持する。
- d:正しい — 前側壁も虚血分布に含まれ、近位分枝や複数枝の供給を考える。
- e:誤り — 自己血管・吻合部・グラフト・分枝のいずれが原因かは冠画像が必要で、閉塞と断定できない。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009年度報告:心筋灌流・脂肪酸代謝・交感神経画像、負荷法と臨床評価。
腫瘍核医学・問55
解答例:未確定
未確定(説明の確認事項あり)
考え方
症状と造影される傍膀胱腫瘤は傍神経節腫を支持し、cは妥当。ただしdが指す別の骨盤右側集積は尿管等の生理的集積を否定できず、正答1肢の確定は留保する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 腹膜に沿った多発結節分布を示す資料ではなく、骨盤の原発性腫瘤を優先する。
- b:誤り — 肋骨近傍の対称性・脂肪に対応する集積は褐色脂肪でも生じ、骨転移と直結しない。
- c:正しい — 造影される傍膀胱腫瘤と長期の高血圧・動悸が合う。血中・尿中メタネフリン等で機能を評価する。
- d:未確定 — MIP上の病変と別の骨盤集積について、尿管内排泄等の生理的集積を排除できない。提示断層像がこの焦点を全て含むとは限らず、病変本体と同一視して誤りにしない。
- e:誤り — 頸胸腹部の対称性集積が脂肪に対応すれば褐色脂肪を考える。FDG集積だけで全てを転移節と呼ばない。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI PPGL画像診療指針2019:傍神経節腫の機能画像と薬剤選択
- EANM FDG腫瘍画像診断ガイドライン:FDG集積機序、前処置、減弱補正と画像上の限界
腫瘍核医学・問56
解答例:c
考え方
2017年の設問では骨集積を伴う多発有痛性転移に89Srを検討する。再発痛ではまず病的骨折・脊髄圧迫を除外し、既照射線量と骨髄予備能を評価する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 再発する痛みに対して原因評価や鎮痛の調整を行わず放置する対応は選ばない。
- b:誤り — 脊髄線量・照射範囲・期間等を確認せず同じ線量をそのまま繰り返すのは不適切。再照射が常に不可能という意味ではない。
- c:正しい — 当時の89Srは固形癌由来で骨製剤陽性の有痛性転移が対象。血球・腎機能・予後を確認して選択する。現在の供給状況とは区別する。
- d:誤り — Ra223は承認された骨転移去勢抵抗性前立腺癌が対象で、乳癌骨転移へ同じ適応を広げない。
- e:誤り — 切迫骨折や脊髄圧迫等なら手術を検討するが、提示情報だけで全例の第一選択とはしない。
根拠・参考文献
- メタストロン製造元IF2015(2012年添付文書準拠):骨転移疼痛の対象、再投与・骨髄機能と鎮痛薬の継続
- 日本アイソトープ協会 Ra223適正使用マニュアル第1版:2016年承認後の骨転移去勢抵抗性前立腺癌の適応と糞中排泄・安全管理
腫瘍核医学・問57
解答例:c
考え方
胃粘膜の取り込みは生理的分布。一方、明らかなびまん性肺野集積はヨウ素集積性肺転移を疑い、通常の背景と混同しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 唾液腺は生理的に取り込み、耳下腺が写ること自体を異常とはしない。
- b:誤り — 肺野の集積は通常の薄い背景を超えており、甲状腺癌症例では転移を疑う。
- c:正しい — 胃は生理的にヨウ素を取り込み、提示の胃部集積は正常分布で説明できる。
- d:誤り — 明瞭な甲状腺床の集積は示されず、肺・胃等の位置と分けて読む。
- e:誤り — 両肺への分布は転移性病変を疑うため、異常なしとはしない。
根拠・参考文献
- ATA分化型甲状腺癌診療指針2015:131I治療のTSH刺激、転移とrhTSHの適応
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学各論・問58
解答例:e
考え方
造影CTの肺動脈内血栓と灌流欠損を対応させ肺血栓塞栓症と考える。向精神薬使用だけを直接の原因証明とはしない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 気道・肺実質変化を中心とする病態で、肺動脈内の充盈欠損を説明しない。
- b:誤り — 血管内血栓と複数領域の灌流低下を肺の原発腫瘤として読む根拠はない。
- c:誤り — 動静脈間の短絡なら肺外粒子分布等を考え、肺動脈内の血栓性閉塞とは別。
- d:誤り — 肺結節の形態を示す病態で、提示の血管内異常と区域性灌流低下には合わない。
- e:正しい — 肺動脈内の血栓とその先の血流低下が対応する。呼吸・循環状態を評価し適切な治療につなげる。
根拠・参考文献
- EANM 換気血流SPECTガイドライン:換気用ガス、肺塞栓症・梗塞の分布と鑑別
腫瘍核医学・問59
解答例:d
独自解答候補(条件・出題時の解釈に留意)
考え方
ソマトスタチン受容体を発現する膵神経内分泌腫瘍が候補中で最も整合する。ガストリン産生という機能診断は画像だけでは確定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 典型的膵管癌は高分化NETのようなSSTR画像陽性を一般的特徴としない。
- b:誤り — 炎症でも偽陽性はありうるが、明瞭な局所集積と腫瘤ではNETを優先し、他検査で確認する。
- c:誤り — びまん性肝転移という分布を示す資料ではなく、膵領域の局在を重視する。
- d:正しい — 受容体陽性の膵NETとして整合する。症状、ガストリン値、組織診断等でガストリノーマかを確認する。
- e:誤り — 脾臓の生理的高集積はあるが、局所病変を脾機能亢進だけで説明する根拠はない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎
核医学各論・問60
解答例:e
考え方
唾液腺の取り込みだけでなく刺激後の減少をみる。片側耳下腺の保持性高集積は良性腫瘍等でも生じ、癌と断定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 胃・甲状腺とともに唾液腺へ分布する通常の製剤は過テクネチウム酸で、Tlを第一に考えない。
- b:誤り — 過テクネチウム酸は正常甲状腺にも取り込まれ、描出自体は生理的。
- c:誤り — 耳下腺高集積はワルチン腫瘍等でもみられるため、癌という病理診断を画像だけで決めない。
- d:誤り — 両側の取り込み・刺激後排泄が全体的に低い像ではなく、典型的な両側腺機能低下を積極支持しない。
- e:正しい — 刺激後に両顎下腺の集積が減り、唾液排出への反応が保たれると評価できる。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual:核物理、測定装置、製剤と核医学診療の基礎