この回の出題傾向
この回の公開選択式は100問で、内訳は総論40問、脳神経20問、循環器20問、腫瘍20問です。
同じ公開100問形式の他回と大区分の問題数は同じです。公開セット全体の内訳であり、受験時の60問の内訳とは異なります。
代表的なテーマはPETに利用する陽電子放出核種、神経受容体・アミロイド・アポトーシス画像、早期再灌流後の気絶心筋、寒冷期の褐色脂肪FDG集積です。問題数の差は難易度の差を示すものではありません。
学会公開100問の公式大区分。実際の受験問題数60問とは区別する。 比較は同じ公開形式の他回に限り、主題の重複計上はしていません。
核医学専門医試験・第5回
問題は日本核医学会のHPを別タブで開いて確認しながら取り組んでください。問題文・選択肢・画像は掲載していません。
問題番号を押すと、出題テーマ・解答例・各選択肢の判定理由・根拠資料を確認できます。非公式の解答例です。未確定の項目は理由を明記しています。
解答候補として掲載:A.総論・問7、A.総論・問14、A.総論・問17、A.総論・問19、A.総論・問27、A.総論・問36、B-1.脳神経核医学・問1、B-1.脳神経核医学・問4、B-1.脳神経核医学・問7、B-1.脳神経核医学・問8、B-1.脳神経核医学・問9、B-1.脳神経核医学・問17、B-2.循環器核医学・問4、B-2.循環器核医学・問6、B-2.循環器核医学・問11、B-2.循環器核医学・問17、B-3.腫瘍核医学・問4、B-3.腫瘍核医学・問7、B-3.腫瘍核医学・問8、B-3.腫瘍核医学・問17、B-3.腫瘍核医学・問18、B-3.腫瘍核医学・問19。解答未確定:A.総論・問4、A.総論・問9、A.総論・問11、A.総論・問16、A.総論・問18、A.総論・問28、A.総論・問32、A.総論・問37、A.総論・問39、B-1.脳神経核医学・問2、B-1.脳神経核医学・問13、B-1.脳神経核医学・問19、B-2.循環器核医学・問2、B-2.循環器核医学・問9、B-3.腫瘍核医学・問6。各項目に理由を記載しています。
A.総論・問1
解答例:d
考え方
核子は陽子と中性子である。元素を決めるのは陽子数、同位体を区別するのは同一陽子数のもとでの中性子数であり、電子数や質量数と混同しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 電荷の説明は正しいが、原子核の構成に電子を含めている。
- b:誤り — 陽子の正電荷は正しいが、核構成と同位体の定義が誤る。
- c:誤り — 質量数の考えは正しいが、原子核の構成と同位体の定義が誤る。
- d:正しい — 陽子・電子の電荷と、核子の合計による質量数が正しく組み合わされる。
- e:誤り — 電子の負電荷と質量数は合うが、陽子数が異なれば別元素となる。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):原子・原子核、電荷、原子番号・質量数・同位体の定義。
A.総論・問2
解答例:d
考え方
In-111は約2.8日であり、約8日はI-131と混同した値である。半減期と撮像までの待機時間、薬剤の生物学的消失は区別する。
各選択肢の解説
- a:正しい組合せ — C-11は約20分で、施設内製造・検査運用に関わる短寿命核種。
- b:正しい組合せ — Ga-67は約78時間で、日単位の遅延撮像が可能。
- c:概ね正しい組合せ — Kr-81mは約13秒で、概数として秒単位の超短寿命を示している。
- d:誤り・正答 — In-111は約67時間であり8日ではない。
- e:正しい組合せ — Tl-201は約73時間で、数日にわたり残存する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):核医学用核種の半減期表。
A.総論・問3
解答例:a
考え方
通常のPETは陽電子消滅による二つの511keV光子を同時計数する。O-15、F-18、Ga-68はこの目的に用いられる。I-123やI-131の通常の画像法はガンマ線の単光子検出である。
各選択肢の解説
- a:正しい — いずれも臨床PETに用いられる陽電子放出核種を選んでいる。
- b:誤り — O-15とF-18は合うが、I-131を標準的PET核種に含めている。
- c:誤り — O-15は合うが、二つのヨウ素核種は標準的な陽電子PET核種ではない。
- d:誤り — F-18とGa-68は合うが、I-123は主に単光子撮像に用いる。
- e:誤り — Ga-68は合うが、I-123とI-131を同じ陽電子核種の群に入れている。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):陽電子消滅とPET核種、単光子核種との違い。
A.総論・問4
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
散乱光子の分布は光子エネルギー、物質、形状、深さ、装置に依存する。一方、小さい空間FWHMから高計数率特性を直接導くことはできず、計数増加の平方根は主に統計精度の関係である。原図でもこの記載を確認したため、dと決めるには不整合が残る。
各選択肢の解説
- a:誤り — コンプトン散乱光子は元の光電ピークより低エネルギー側に分布する。通常のピーク窓も提示されたほど広くしない。
- b:誤り — 散乱分布の向きが逆で、計数増加による統計精度改善と装置の空間分解能を混同している。
- c:誤り — 窓幅が不適切であり、空間FWHMと計数率特性を同じ指標とする点も成立しない。
- d:出題意図候補・未確定 — 散乱の依存因子は妥当で、小FWHMなら部分容積効果は軽減する。しかし不感時間等で決まる計数率特性まで改善するとは限らない。
- e:誤り — 散乱の依存因子は妥当だが、計数の平方根に比例して物理的な分解能が改善するわけではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):散乱のエネルギー変化、FWHM、部分容積効果、不感時間、Poisson統計という異なる概念。
A.総論・問5
解答例:c
考え方
一様円柱のPETで減弱を補正しないと中心は周辺より低く再構成される。検出器の時間応答は同時計数窓や偶発計数に関係し、散乱の割合とは分けて考える。
各選択肢の解説
- a:誤り — 短い発光減衰は時間応答を改善するが、被写体内の散乱を直接減らすものではない。
- b:誤り — 高計数率で著しく増えるのは偶発同時計数。散乱率を計数率だけで同じように説明しない。
- c:正しい — 中心を通る光子対は減弱の影響が大きく、非補正像では中心が低下する。
- d:誤り — 同じ軸方向幅などの条件ならリング径拡大は幾何学的効率を低下させる方向であり、感度増加とは限らない。
- e:誤り — LSO系結晶は現代のPETで広く用いられる。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):PET減弱、散乱・偶発同時計数、検出器結晶と幾何学的感度。
A.総論・問6
解答例:e
考え方
相互情報量は二画像の画素値の共同分布から統計的依存を評価する。異種モダリティ間でも同じ値に一致させる必要がなく位置合わせでき、ヒストグラム平坦化は必須の原理ではない。
各選択肢の解説
- a:関連する — 同一モダリティの画像でも位置合わせ指標として利用できる。
- b:関連する — MRIと核医学画像のようにコントラスト機序が異なっても利用できる。
- c:関連する — 対応画素の値を二次元の共同ヒストグラムとして扱う。
- d:概ね関連する — 解剖学的対応が失われると共同分布の依存が弱くなり、最適化の目標から離れる。ただし局所極値等には注意。
- e:関連しない・正答 — 各画像の濃度分布を一様化する処理と、二画像の共同分布から位置を合わせる原理は別。
根拠・参考文献
- Maes et al. Multimodality image registration by maximization of mutual information (1997):共同する画素強度の統計依存を最大化し、CT・MRI・PETの登録を検証した原著。ヒストグラム平坦化を必須としない。
A.総論・問7
解答例:e
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
クリアランスは血流と抽出率の積であり、必ず血流そのものにはならない。受容体薬の分布容積には特異結合が寄与するが、非特異結合や血漿自由分率なども関わるため、単純な受容体数の直接測定ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 抽出率が1とみなせる条件でのみクリアランスが血流に近づく。
- b:誤り — 単指数消失なら平均寿命は半減時間をln2で割った値で、半減時間より長い。
- c:条件不足 — 臓器摂取率は血流だけでなく抽出率・保持・受容体・排泄などに左右され、一般的な全トレーサに適用できない。
- d:誤り — 高血流ほど通過が速くなり、抽出率が低下する薬剤がある。
- e:条件付きで正しい — モデルや非特異成分を考慮した分布容積は受容体の利用可能量を反映する。受容体以外の因子が一定という条件が必要。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):クリアランスと抽出率、単指数の半減時間・平均寿命、受容体分布モデル。
A.総論・問8
解答例:c
考え方
脳は高い糖代謝を示し、腎・尿路にはFDG排泄に伴う高放射能がみられる。尿路の描出はその臓器の腫瘍や糖代謝増加と同義ではない。甲状腺や骨の強い集積は正常一般分布として一括しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 脳は合うが、甲状腺と骨を正常の代表的高集積として含めている。
- b:誤り — 脳・膀胱は合うが、甲状腺は全健常者で強く描出されるわけではない。
- c:正しい — 高糖代謝の脳と、排泄に伴い放射能を示す腎・膀胱を選んでいる。
- d:誤り — 腎は合うが、甲状腺と骨を恒常的な高集積部位とする点が誤る。
- e:誤り — 腎・膀胱は合うが、正常骨全体の強い取り込みは典型的ではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):FDGの糖代謝保持、生理的脳集積と腎尿路排泄。
A.総論・問9
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
一般的な対応ではFDGは糖代謝、パルミチン酸は脂肪酸代謝、COは血液量に用い、cが出題意図候補となる。メチオニンを核酸代謝とするのは誤り。一方、N-13アンモニアで脳血流を研究した原著があり、その対応を無条件に誤りとして選択肢bを排除することはできない。
各選択肢の解説
- a:誤り — FDGは妥当でアンモニアの脳利用にも歴史があるが、メチオニンを核酸代謝とする点が誤る。
- b:条件付き候補 — 糖代謝・血液量は合う。アンモニアは通常心筋血流薬だが、脳抽出と血流の研究が存在するため完全否定できない。
- c:出題意図候補 — 糖・脂肪酸・血液量という標準的対応は妥当。ただし他の選択肢が唯一不成立とする条件が不十分。
- d:誤り — メチオニンはアミノ酸輸送・蛋白合成等に関係し、核酸代謝という対応が不適切。
- e:誤り — 脂肪酸と血液量は合うが、メチオニンの標的が誤る。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):標準PET薬剤と糖・脂肪酸・血液量・アミノ酸代謝。
- Cerebral extraction of N-13 ammonia: dependence on cerebral blood flow and capillary permeability (1981):アンモニアの脳抽出・血流依存性と脳血流計測への応用を扱った原著。
A.総論・問10
解答例:d
考え方
Technegasは吸入した微粒子の肺胞分布を撮像する換気薬である。静注MAAの肺毛細血管への微小塞栓とは区別する。肺塞栓では両者の不一致が重要となる。
各選択肢の解説
- a:概ね正しい — FDGのリン酸化と低い脱リン酸化活性が保持をもたらす。炎症にも集積し腫瘍特異的ではない。
- b:正しい — Tlはカリウム類似の挙動を示し、細胞膜輸送を介した取り込みを血流・生存性評価に用いる。
- c:正しい — ヨウ化物として甲状腺に取り込まれ、摂取・有機化など甲状腺機能評価に利用する。
- d:誤り・正答 — 吸入換気薬の動態を静注MAAの機序と混同している。
- e:正しい — DTPAは糸球体ろ過で排泄され、適切な採血・画像法でGFRを評価する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):各トレーサの保持機構、肺換気と灌流、DTPAの腎排泄。
A.総論・問11
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
原図でも脳薬を「血液量」とする表現と、tetrofosminの配位を「リン酸基」とする表現を確認した。HMPAO/ECDは脳血流薬、tetrofosminはホスフィン配位子である。明らかな誤記を含み複数の不整合があるため、提示された二項組合せから一意の正答を作らない。
各選択肢の解説
- a:不十分 — MDPの錯体構造の単純化と、脳血流薬を血液量薬とする誤りを含むが、他にも誤記が残る。
- b:出題意図候補・未確定 — MDPを単一構造の単核錯体とする点とMAAを腎薬とする点は不適切。ただし脳測定対象とtetrofosmin配位子の誤記を無視できない。
- c:不適切 — 脳の測定対象の誤りはあるが、MIBI・tetrofosminが一価陽イオンという性質は妥当。
- d:不適切 — MAAの腎利用は誤りだが、心筋薬の一価陽イオン性まで誤りに含めない。
- e:不適切 — ホスフィンをリン酸基とする点は誤るが、一価陽イオン性は正しく、この組合せも成立しない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):Tc-MDP、MAA、脳血流薬、MIBIとtetrofosminの化学・動態。
- 厚生労働省 放射性医薬品基準(2013年告示・現行掲載):各承認放射性医薬品の名称・化学形・品質基準。
A.総論・問12
解答例:d
考え方
品質管理では核種純度、化学的形、無菌性、エンドトキシン、pHなどを規格に従って確認する。短寿命薬で無菌試験の結果判定が投与後となる運用と、放射線で自動的に滅菌され試験不要という主張は別である。
各選択肢の解説
- a:誤り — 診断用薬の放射線量を滅菌保証に使えず、核種・製品ごとの規格も存在する。
- b:誤り — 無菌性の保証を省略できず、使用期限は単に放射能が90%残る時間ではない。
- c:誤り — クロマトグラフィは利用できるが、使用核種や製品が無規定という説明が誤る。
- d:正しい — 標識体と不純物を分離する試験と、注射剤のpH規格を組み合わせている。
- e:誤り — pHの規定は合うが、有効期間は安定性と承認規格に基づき製剤ごとに定める。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 放射性医薬品基準(2013年告示・現行掲載):無菌試験、純度、pH、放射能定量、貯法・有効期間の規格。
A.総論・問13
解答例:d
考え方
十半価層では線量率が2の10乗分の1となる。指定された仮定半減期2時間で、正午から翌朝8時まで20時間は十半減期。残液1mLの初期370MBqは約0.361MBqとなる。現実のF-18半減期約110分とは分けて計算する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 511keVのF-18消滅光子の方が140keVのTc光子より厚い鉛を要し、同放射能の線量率も同じではない。
- b:誤り — 必要な遮蔽厚の大小が逆で、点線源からの距離依存も三乗ではなく概ね逆二乗。
- c:誤り — 十半価層の減衰は合うが、同放射能なら核種にかかわらず同線量率とはいえない。
- d:正しい — 十半価層の約1/1024と、問題の指定半減期による残液約0.36MBqが整合する。
- e:誤り — 残液計算は合うが、距離の三乗に反比例するという説明が誤る。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):半価層・指数減衰、光子エネルギーと遮蔽、逆二乗則。
A.総論・問14
解答例:d
解答候補(出題当時の条件に基づく)
考え方
旧用語「医療用具」「薬事法」を用いた歴史的設問である。院内合成薬でも放射線安全規制・医療法令から除外されない。合成装置の承認と、サイクロトロンそのものの扱いを区別する。現在は医薬品医療機器等法など現行制度で確認する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 承認合成装置の考え方は妥当だが、製造段階でRI規制を受けないという説明が誤る。
- b:誤り — 学会指針の利用は妥当だが、サイクロトロン自体を承認医療用具とする要件を一律に置かない。
- c:誤り — 製造・診療の両方を法規制から除外する内容で成立しない。
- d:歴史的正答 — 承認された合成装置と適切な学会指針に基づく使用を組み合わせている。現在の具体的要件は現行通知を確認する。
- e:誤り — サイクロトロンの位置付けと、使用時の法適用除外の両方が不適切。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入検討会(2011):2002年頃のFDG合成装置承認とサイクロトロンの扱いに関する厚労省議事録。
A.総論・問15
解答例:c
考え方
放射性医薬品基準は薬剤の製法や品質等を定める。鉛容器は外部被ばく低減に用い、核崩壊自体を遅くするものではない。投与量・臓器分布・排泄が異なるため、核医学検査の実効線量も一定でない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 規格の説明は妥当だが、全薬剤で同じ被ばく線量になるという前提が誤る。
- b:誤り — 全検査で一定線量ではなく、遮蔽によって放射能の減衰を防ぐこともできない。
- c:正しい — 法に基づく薬剤規格と、投与患者が周囲への放射線源となることへの注意が妥当。
- d:誤り — 患者からの被ばくへの注意は合うが、使用期限を全製剤一律12時間とはしない。
- e:誤り — 期限は製剤ごとであり、鉛遮蔽は核崩壊を防がない。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 放射性医薬品基準(2013年告示・現行掲載):薬剤規格・貯法・期限は製剤ごとに定める。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):内部被ばく線量、外部被ばくと遮蔽、核崩壊。
A.総論・問16
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
出題意図はeと考えられるが、胎児の組織反応は吸収線量mGyで評価し、実効線量mSvを閾値に使わない。またCTの「腹部線量」は吸収線量か実効線量かが不明確。数値の大小だけで一意の正答とせず、線量指標と妊娠時期の条件不足を記録する。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 成人の診断核医学を一律に数十mSvとするのは過大な一般化。薬剤・量・PET/CTのCT条件で異なる。
- b:条件不足 — CTの臓器吸収線量と実効線量を区別すべきで、腹部線量をmSvの一値で示すと比較が曖昧になる。
- c:誤り — 通常の平均自然放射線は年間数mSv程度の規模で、数十mSvが一般的平均という説明は不適切。
- d:不適切 — 通常の胸部単純撮影一件を一律0.5mSvとするのは大きく、撮影方向や条件も必要。
- e:出題意図候補・単位修正が必要 — 胎児影響を考える目安は吸収線量約100mGyの規模で、時期・線量に依存する。これ未満なら放射線リスクのみを理由とした妊娠中断は正当化されない。
根拠・参考文献
- ICRP Publication 84 Pregnancy and Medical Radiation:妊娠管理では胎児吸収線量を用い、100mGy未満を放射線リスクのみの妊娠中断理由としない。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):吸収線量と等価・実効線量、検査線量の幅。
A.総論・問17
解答例:b
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
標的線量は線源内の時間積分放射能とS値の積和で評価する。同じ投与量・取り込み・生体動態・放出エネルギー等の条件なら長い物理半減期は累積放射能を増やすが、異なる核種間で半減期だけから線量順位を決めない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 取り込みと投与量は線量を増す方向だが、線源から標的までの距離増大は一般に寄与を減らす方向。
- b:条件付きで正しい — 高い摂取率、多い投与放射能、同条件での長い物理半減期は時間積分放射能を増やす。
- c:誤り — 摂取率と半減期の関係は合うが、腎排泄がよくなるほど全身保持が増すとは通常いえない。
- d:誤り — 投与量は合うが、距離と腎クリアランスの増大を線量増加と同一視している。
- e:誤り — 半減期の効果は条件付きで妥当だが、距離・腎排泄の方向が不適切。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):MIRDの累積放射能・S値、実効半減期と生物学的クリアランス。
A.総論・問18
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
適用法令を明記しないと健診頻度と記録保存の答えが変わる。RI法では初回入域前・原則一年以内、電離則では雇入れ等と原則六月以内であり、三月以内ではない。血液項目には白血球百分率も含まれる。旧設問の五年保存は現行の無条件廃棄期限として使わない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 初回前は妥当だが、三月ごとの頻度は両制度の一般規定と異なり、白血球百分率の記載も欠ける。
- b:誤り — 初回前は妥当だが、頻度が不適切。保存も適用制度・引渡条件を特定する必要がある。
- c:出題意図候補・未確定 — 初回入域と業務従事の定義を想定した旧RI法の解釈候補。ただし受診だけで登録対象を決められず、現行保存義務とも分ける。
- d:誤り — 健診頻度と血液項目が不適切で、予定者の取扱いだけではこの組合せを正当化できない。
- e:不適切 — 血液項目が不足し、五年経過すれば必ず廃棄できるという意味でもない。適用法令と指定保存機関への移管を確認する。
根拠・参考文献
- 放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則 第22条(e-Gov公式APIで確認):初回入域前と原則一年以内の健診、白血球百分率を含む項目、記録保存と指定機関引渡条件。電離則との違い。
- 厚生労働省 電離放射線障害防止規則:電離則第56条以下の頻度・健診項目・三十年保存。RI法と混同しない。
A.総論・問19
解答例:c
解答候補(出題当時の条件に基づく)
考え方
旧設問は女性の実効線量と当時の水晶体限度の組合せcを想定する。現行の水晶体限度は五年間100mSvかつ一年50mSvであり、旧150mSv/年を現在の業務管理に用いてはいけない。妊娠に関する腹部表面と内部被ばくの限度も区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 女性の四半期限度は適用除外等の条件付きで妥当だが、管理区域の外部線量基準を5mSv/三月とする点が誤る。
- b:誤り — 管理区域の外部基準と、妊娠中の腹部表面限度を1mSvとする記載の両方が不適切。
- c:歴史的正答 — 当時の女性の四半期限度と旧水晶体限度の組合せ。現行法では後者が改正され、このまま正しいとはしない。
- d:誤り — 旧水晶体値は当時のものだが、皮膚の年間限度は500mSvであり提示値とは異なる。
- e:誤り — 皮膚の年間限度と妊娠中の腹部表面限度が誤る。腹部表面は2mSv、内部被ばく実効線量は1mSvで別基準。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 電離放射線障害防止規則:現行実効・皮膚・水晶体・妊娠時限度。旧水晶体値と現在の変更を明示。
A.総論・問20
解答例:d
考え方
退出は外部線量率、投与・残留放射能、個別評価など定められた条件で判断する。Sr-89の放射能基準は200MBqで、I-131の500MBqと取り違えない。退出基準は患者本人への医療被ばくの上限ではない。
各選択肢の解説
- a:概ね正しい — 放射性治療患者の退出について医療法令と関連通知に基づく基準がある。診断用使用室からの移動とは運用を区別する。
- b:正しい — 公衆の線量拘束値として年間1mSvを用いる考え方である。
- c:正しい — 同意して介護する者に対する一治療当たり5mSvの拘束値に基づく。職業線量限度とは別。
- d:誤り・正答 — Sr-89をI-131と同じ500MBqで扱っている。通知表の基準は200MBq。
- e:正しい — I-131では患者から1mで30μSv/hという測定線量率基準が示される。条件や生活指導も確認する。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 放射性医薬品を投与された患者の退出(2010):Sr-89 200MBq、I-131 500MBqと1m30μSv/h、公衆・介護者の線量拘束値。
A.総論・問21
解答例:b
考え方
抽出率の高い血流薬ほど灌流との対応は直線に近づく。ACZは予備能評価に用いるが、注射直後から一定の負荷強度とはしない。IMPは洗い出しがあり、各脳血流薬の正常分布も同一ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 抽出率と検査目的は合うが、ACZの拡張作用が注射直後から一定という説明が誤る。
- b:正しい — 高抽出率、血管予備能の評価、薬剤ごとに異なる分布を組み合わせている。
- c:誤り — 抽出と薬剤差は合うが、IMPの分布が時間で変わらないという点が誤る。
- d:誤り — ACZの目的は合うが、一定の効果時間とIMPの不変分布はいずれも誤る。
- e:誤り — 薬剤差は妥当だが、ACZ効果とIMP動態の理解が不適切。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):脳血流薬の抽出・保持・洗い出しと負荷評価。
A.総論・問22
解答例:e
考え方
多系統萎縮症の灌流パターン、PDのDAT低下、神経膠腫のアミノ酸代謝を、それぞれに合う薬剤で評価する。脳血液プール薬は間欠期てんかん焦点評価の標準薬ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — ECDによるパターン評価は合うが、血液プール薬とてんかん、BZR薬と急性脳炎を第一の組合せとする点が不適切。
- b:誤り — メチオニンの腫瘍評価は合うが、HSADと急性脳炎の薬剤対応が適切でない。
- c:誤り — DATとアミノ酸画像は合うが、HSADをてんかんの代表薬にしている。
- d:誤り — ECDとβ-CITは合うが、急性脳炎の代表的検査をBZR画像とはしない。
- e:正しい — 灌流分布・DAT・アミノ酸の三つの標的に合った検査である。
根拠・参考文献
- EANM FDG brain PET guideline version 3 (2022):MSAを含む変性疾患の機能パターン。
- EANM/SNMMI dopaminergic imaging guideline (2020):β-CIT等DAT薬による神経終末評価。
- EANM/EANO/RANO/SNMMI glioma PET guideline (2019):METなどアミノ酸PETによる神経膠腫評価。
A.総論・問23
解答例:d
考え方
灌流画像の低下は動脈狭窄による血行動態低下でも、神経活動・細胞数低下でも起こる。ADの典型的機序を主幹動脈障害に伴う灌流圧低下と同一視しない。
各選択肢の解説
- a:妥当 — 閉塞と側副血行の不足により末梢灌流圧が低下し得る。
- b:妥当・条件付き — うつ病では神経活動に対応する機能低下がみられる場合がある。全例の一定分布を意味しない。
- c:妥当 — 進行する狭窄と側副血行依存により灌流圧・予備能が低下し得る。
- d:誤り・正答 — ADでは神経変性とシナプス機能障害が中心で、一般に主因を灌流圧低下とはしない。
- e:妥当 — 前頭側頭葉変性では細胞脱落と機能低下が灌流像に反映される。
根拠・参考文献
- EANM FDG brain PET guideline version 3 (2022):AD・FTLD・うつ病での神経機能低下と機能画像の解釈。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):閉塞性病変の灌流圧・予備能と代謝需要低下の違い。
A.総論・問24
解答例:c
考え方
冠血管拡張薬や需要増加薬を使う血流負荷と、脂肪酸利用を抑えてFDG心筋取り込みを促す前処置は目的が違う。Acipimoxは標準的な冠血流負荷薬ではない。
各選択肢の解説
- a:使われる — 内因性アデノシン作用を増強して冠血流を増加させる。
- b:使われる — 受容体作用により冠血管を拡張し最大充血を得る。
- c:使われない・正答 — 脂肪分解を抑える薬剤で、心筋FDG代謝条件の調整に用いられたが標準の血流負荷薬ではない。
- d:使われる — 心拍・収縮性を増し酸素需要を高める負荷薬である。
- e:使われる — 代謝によりアデノシン作用を介し血管拡張を得る方法がある。
根拠・参考文献
- EANM myocardial perfusion SPECT guideline (2015):冠拡張負荷とドブタミン負荷の使い分け。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):心筋の基質利用調整と血流負荷の目的の違い。
A.総論・問25
解答例:e
考え方
Tlの細胞輸送とTc陽イオン錯体の膜電位依存取り込みを区別する。Tc製剤では肝胆道排泄の背景が問題となり、撮像待機や食事など施設プロトコルで対応する。
各選択肢の解説
- a:正しい — Tlはカリウム類似体として細胞膜輸送により取り込まれる。
- b:概ね正しい — 脂溶性陽イオン錯体の膜通過と電位依存性保持による。MIBIとtetrofosminの細胞内分布は完全に同一ではない。
- c:正しい — Tlは約73時間、Tcは約6時間で物理半減期はTlが長い。
- d:画像用主成分について正しい — Tcの140keV光子はTl撮像に主用する約70–80keVの特性X線より高い。Tlに高エネルギー光子が全くないという意味ではない。
- e:誤り・正答 — 強い肝胆道背景は一般にTc製剤で問題となる。Tlの方が一律に高度という比較は逆。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):Tl・Tc薬の輸送と半減期・放出線、肝胆道背景。
A.総論・問26
解答例:e
考え方
MIBGは交感神経機能、BMIPPは脂肪酸代謝、Tlは灌流と残存生存性を評価する。MIBGを直接の左室収縮能測定薬としない。
各選択肢の解説
- a:誤り — MIBGの予後利用は合うが、HSADの血液プールを心筋障害の直接評価薬とし、MIBGを収縮能測定薬にする点が不適切。
- b:誤り — Tlの生存性評価は合うが、血液プールと神経機能の用途を混同している。
- c:誤り — BMIPPとTlは合うが、HSADは主に血液プールとして容量・EF等を評価する。
- d:誤り — 予後と脂肪酸評価は妥当だが、MIBG自体でEFを直接測るわけではない。
- e:正しい — 交感神経による予後、虚血記憶、残存生存心筋という対応が合う。BMIPPのみで急性冠症候群を確定しない。
根拠・参考文献
- MIBG washout and prognosis in cardiomyopathy (2002):MIBG指標と心筋症の予後。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):血液プール・脂肪酸代謝・Tl生存性の測定標的。
A.総論・問27
解答例:c
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
FDG、MIBI、FESにはそれぞれ乳癌評価での役割がある。FESはERの分布を評価し、病理の代用として乳癌を単独確定する検査ではない。ヨウ化物と過テクネチウム酸は通常の乳癌診断薬ではないが、NIS発現に関する研究利用とは区別する。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 過テクネチウム酸は通常の乳癌診断薬ではないが、FDGには病期・再発評価等の役割がある。
- b:誤り — FDGにもER画像FESにも乳癌での利用がある。
- c:出題意図として正しい — 通常の乳癌検査としてはヨウ化物・過テクネチウム酸を選ばない。探索的研究や授乳乳腺取り込みを診断適応と混同しない。
- d:誤り — ヨウ化物は通常用いないが、MIBIの乳房専用撮像等は利用される。
- e:誤り — MIBIとFESは乳癌の異なる特性を評価する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):FDG、MIBI、受容体PETの一般的標的。現在の保険適用の全条件をこの資料からは断定しない。
A.総論・問28
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
提示された対応にはいずれも取り込み得る知見があり、単に親和性の有無という文言だけでは唯一の誤りを決めにくい。MIBGは髄様癌で低感度ながら陽性例の原著があり、乳頭癌にもヨウ素を集積する残存・転移病変がある。陽性になり得ることと現在の第一選択検査は分ける。
各選択肢の解説
- a:成立し得る — 濾胞性腫瘍でMIBI保持がみられる。良悪性を取り込みだけで確定できるという意味ではない。
- b:歴史的に成立し得る — 脱分化した高悪性度腫瘍にGaが集積する場合がある。現在の優先検査かどうかとは別の論点。
- c:妥当 — 甲状腺の悪性リンパ腫は多くがFDGを取り込み、組織型と部位を考慮して評価する。
- d:成立し得る — 髄様癌にMIBGが集積した報告があるため、無条件に親和性なしとはできない。感度は十分でない。
- e:条件付きで妥当 — 分化を保ちヨウ素を取り込む乳頭癌の残存・転移では利用できる。原発結節は冷結節になり得る。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI thyroid uptake and scintigraphy guideline (2019):MIBI・FDGによる甲状腺結節評価とNIS標的薬の性質。
- MIBG scintigraphy and treatment of medullary thyroid carcinoma (1987):髄様癌9例をI-131 MIBGで撮像した原著。
A.総論・問29
解答例:d
考え方
早期撮像で評価する薬剤と背景低下を待つ薬剤を区別する。追加の遅延撮像が可能なことと、標準的な初回撮像時刻とは同義でない。
各選択肢の解説
- a:誤り — I-131 MIBGは通常もっと早い日単位で評価し、adosterolは約一週と遅い。提示された時期の組合せは合わない。
- b:誤り — MIBG初回を一週、octreotide初回を15分とする標準運用ではない。
- c:誤り — Tlの早期像は合うが、adosterolを二日目だけで一般に評価しない。
- d:正しい — Tlの分単位の早期像とGaの数日後の像が標準的な対比に合う。
- e:誤り — Gaの遅延像は合うが、octreotideは通常数時間・翌日の評価を用いる。
根拠・参考文献
- PMDA アドステロール注 電子添文:標準的な約7日後撮像。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):Tl・Ga・MIBG・In-octreotideの動態と撮像待機。
A.総論・問30
解答例:b
考え方
Technegasはアルゴン環境で生成するTc標識炭素超微粒子であり、真の放射性希ガスとは動態が違う。体位や換気・気道病変が分布に影響する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 体位差と炭素粒子は合うが、生成ガスをヘリウムとする点が誤る。
- b:正しい — 体位依存性、炭素超微粒子、気道病変での局所沈着を組み合わせている。
- c:誤り — 体位差と局所沈着は合うが、Xeと同じガスの性質という説明が誤る。
- d:誤り — 炭素粒子は合うが、生成気体とXeとの同一視が誤る。
- e:誤り — 病的気道の沈着は妥当だが、生成気体と動態の説明が誤る。
根拠・参考文献
- EANM ventilation/perfusion SPECT guideline (2019):Technegasのアルゴン生成・粒子性状、COPD等での沈着と換気評価。
A.総論・問31
解答例:d
考え方
原図では正面の左上肺側の楔状欠損が前方区域の分布に対応し、左S3を候補とする。斜位の表示は左右肺の重なりと心陰影から吟味し、全て正しいという前提にしない。肺塞栓では解剖学的区域性の明瞭な欠損が重要。
各選択肢の解説
- a:誤り — 全方向表示が正しいとは読めず、正面の矢印を下葉上区域S6とする位置付けも合わない。
- b:誤り — 表示の全面肯定と、塞栓欠損が肺気腫より不明瞭という説明が不適切。
- c:誤り — 同じ欠損をS6とS3の両方に位置付けることはできない。
- d:正しい — 左前方上葉区域の欠損と、一般に下肺領域に塞栓欠損が多いという組合せ。平面像のみの区域同定には限界がある。
- e:誤り — 下肺優位は妥当だが、区域性の境界を不明瞭とする説明が誤る。
根拠・参考文献
- EANM ventilation/perfusion SPECT guideline (2019):区域性灌流欠損と換気・解剖情報の統合。個別の図の区域は原図多方向を照合。
A.総論・問32
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
GSAは肝細胞のASGP受容体を標的とし、黄疸の影響が少なく肝機能を評価できる。障害が強いと血中からの消失が遅れHH15は上がるためdが意図と考えられる。ただし原文は尿中排泄を「主」と限定せず、PMDAには尿中排泄17–28%の記載がある。受容体の「ヒトの肝臓にのみ」も種特異性か部位特異性か曖昧で、一意解答は保留する。
各選択肢の解説
- a:条件不足 — 肝内で代謝後に尿へも排泄されること自体は添文と矛盾しない。主排泄は胆道であり、受容体はヒトだけでなく哺乳類にも存在する。
- b:誤り — 尿中排泄は部分的にあるが、HCCを一般に高集積とするのは不適切。分化した一部例は例外。
- c:条件付き候補 — 黄疸下の評価は可能で、受容体をヒトにおける肝細胞への特異性と読むなら成立し得る。原文の解釈を固定できない。
- d:出題意図候補 — 黄疸下の評価と血中残留指標HH15の上昇はいずれも妥当。別選択肢の記述解釈が残るため確定しない。
- e:誤り — HH15の方向は合うが、肝細胞癌を一般に高集積とする点が誤る。
根拠・参考文献
- PMDA アシアロシンチ注 電子添文:肝受容体結合、胆道主体だが尿中にも排泄されること、肝機能評価。原文の単純排除を避ける。
A.総論・問33
解答例:a
考え方
DTPAを経口液相標識として胃排出に用いる場合があり、静注時の腎機能評価と投与経路を区別する。腎瘢痕には皮質保持薬DMSAを用い、血液プール薬・過テクネチウム酸・肝受容体薬の役割を混同しない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 液相の胃排出評価に用いる経口DTPAと、皮質欠損で瘢痕を評価するDMSAの組合せ。
- b:誤り — 胃排出の液相評価は合うが、GSAは胆道に直接排泄される機能トレーサの代用にはならない。
- c:誤り — DMSAは合うが、Meckelの異所性胃粘膜には通常過テクネチウム酸を使いHSADではない。
- d:誤り — Meckelの薬剤が誤りで、遊離過テクネチウム酸を通常の出血追跡薬として用いない。
- e:誤り — 消化管出血には通常標識赤血球等、胆道形態・排泄には肝胆道薬を用い、提示対応とは異なる。
根拠・参考文献
- SNMMI/EANM renal scintigraphy guideline (2018):DMSAによる腎皮質・瘢痕評価。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):DTPA液相胃排出、異所性胃粘膜、標識血液と肝胆道トレーサの用途。
A.総論・問34
解答例:d
考え方
DMSAは局所皮質障害の評価、DTPAはろ過、MAG3は主に近位尿細管分泌を評価する。腎機能低下で画質は落ちるが、単一の血清Cr閾値を超えれば全例描出不能という関係ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 描出は腎機能全体と背景・収集条件に左右され、Crの一値で一律に消失しない。
- b:誤り — ヨード造影剤反応をヨウ素原子全般のアレルギーとみなして一律禁忌にしない。製剤自体の過敏症歴は別に確認する。
- c:誤り — 両側病変では左右比較が難しく、腎機能低下も加わり診断精度が悪化し得る。
- d:正しい — 腎皮質の局所欠損を評価でき、瘢痕検出では通常の超音波で分かりにくい病変も描出する。急性炎症との区別には時期が必要。
- e:誤り — MAG3は蛋白結合率が高く主に尿細管分泌で、糸球体ろ過が三割という説明ではない。
根拠・参考文献
- SNMMI/EANM renal scintigraphy guideline (2018):DMSA皮質評価、MAG3とDTPAの排泄機序、腎機能低下時の検査限界。
A.総論・問35
解答例:a
考え方
骨シンチは骨芽細胞反応を反映するため、純溶骨性で反応の乏しい病変は見逃し得る。取り込みは腫瘍特異的でなく、骨外でも細胞障害・石灰化などで集積する。
各選択肢の解説
- a:誤り・正答 — 多発性骨髄腫の溶骨性病変は骨形成反応が乏しく、一般に骨転移より高検出率とはしない。
- b:正しい — 筋障害に伴う石灰沈着や細胞障害で骨外取り込みを示す場合がある。
- c:正しい — 良性骨腫瘍も活発な骨代謝・反応により取り込むため、集積だけで悪性としない。
- d:正しい — 胸肋鎖部を含む多発病変の検出・分布把握に役立つ。
- e:概ね正しい — 外傷で連続する複数肋骨が同じ線上に折れると、肋骨の走行を横切る配列が手掛かりとなる。全骨折で同じ配列ではない。
根拠・参考文献
- EANM practice guideline for bone scintigraphy (2016):骨芽細胞反応、骨髄腫での限界、良性病変・骨外集積と骨折。
A.総論・問36
解答例:e
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
標準的な骨シンチはTc標識ジホスホン酸を用い、飲水と撮像前排尿で背景・膀胱の影響を減らす。腎・心機能に応じ水分量を調整する。利尿薬使用中でも検査は可能だが、全例に検査目的で投与する推奨ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 標識カルシウムではなくジホスホン酸であり、標準遅延像を一律二時間以内とする点も不適切。
- b:誤り — 薬剤分類と早すぎる一律の撮像時刻が誤る。利尿薬の使用自体が標準の必須前処置という意味でもない。
- c:誤り — 飲水と利尿薬使用下の実施は可能だが、カルシウム製剤という説明が誤る。
- d:誤り — 飲水・排尿は適切だが、遅延像は通常二〜四時間程度で条件を選ぶ。
- e:条件付きで正しい — 排尿と適切な飲水は妥当で、利尿薬内服中でも実施できる。脱水・禁忌・腎心機能を確認する。
根拠・参考文献
- EANM practice guideline for bone scintigraphy (2016):薬剤、通常2–4時間の遅延撮像、飲水・排尿、必要時の利尿薬と注意点。
A.総論・問37
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
びまん性骨集積と腎・背景の相対的減少を示すsuperscanは、広い骨転移と代謝性骨疾患の両方で起こる。cが出題意図候補だが、甲状腺機能亢進も高回転骨代謝を来し、広範なPaget病との排他的な組合せを断定するには条件が不足する。
各選択肢の解説
- a:不適切 — Paget病や甲状腺機能亢進では骨代謝亢進があり得るが、廃用性変化を典型的な全身superscanとしない。
- b:不適切 — Paget病と腎性骨異栄養症は候補だが、廃用性変化の組合せが不適切。
- c:出題意図候補 — 広範なPaget病、多発骨転移、腎性骨異栄養症はいずれも候補。ただし局所Paget病のみでは全身superscanにならない。
- d:不適切 — 代謝亢進と転移は候補だが、廃用性変化を典型原因に含めている。
- e:条件付き候補 — 甲状腺機能亢進、広範転移、腎性骨異栄養症でも成立し得る。原文に程度や病変範囲の指定がない。
根拠・参考文献
- EANM practice guideline for bone scintigraphy (2016):転移性と代謝性の高骨回転・superscanの鑑別。原設問の全疾患間の排他性を保証しない。
A.総論・問38
解答例:d
考え方
原発性副甲状腺機能亢進症ではPTH過剰を生化学的に診断し、画像は手術前局在のために用いる。異所性腺が縦隔にもあるため頸部だけで撮像を終えない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 過剰なのはPTHであり、calcitoninは甲状腺C細胞由来。
- b:誤り — 通常は上下左右の四腺だが、数や位置の変異がある。
- c:誤り — adosterolは副腎皮質薬であり、副甲状腺の通常の局在薬ではない。
- d:正しい — 異所性腺を見逃さないよう頸部と縦隔まで評価する。
- e:誤り — MIBIなどは甲状腺結節にも集積し、超音波・断層像や追加法を組み合わせる必要がある。
根拠・参考文献
- EANM parathyroid imaging guideline (2021):画像は局在目的、縦隔異所性腺と甲状腺結節による偽陽性。
A.総論・問39
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
明らかな誤りはbで、過テクネチウム酸は一般に注射後約15〜30分の早期像を用いる。ただしヨウ素過剰はNISを介する取り込みにも影響し、ヨウ素制限・曝露確認が全く不要というaの一般化も現在の指針では適切でない。一意解答としては留保する。
各選択肢の解説
- a:条件付きで不適切 — 食事制限の厳密さは検査目的で異なるが、造影剤・薬剤などのヨウ素曝露の影響を無視してよいわけではない。
- b:明らかに誤り・出題意図候補 — 甲状腺内で有機化されず洗い出されるため、数時間・翌日を標準撮像時刻としない。
- c:正しい — trappingは反映するが有機化されず、有機化障害の直接評価はヨウ素薬を用いる。
- d:概ね正しい — 有機化・貯蔵されないため投与量に対する甲状腺保持率は通常ヨウ素薬より低い。
- e:正しい — 唾液腺もNISを介して取り込み、正常像の一部として描出される。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI thyroid uptake and scintigraphy guideline (2019):NIS取り込み、非有機化、30分以内撮像とヨウ素含有薬等の影響。
A.総論・問40
解答例:e
考え方
I-131はβ線による局所治療効果とガンマ線による外部被ばく・画像化の両方をもつ。半減期は約8日であり、甲状腺濾胞細胞のヨウ素取り込みを利用する。実施は法令と施設体制に従う。
各選択肢の解説
- a:誤り — 純β核種ではなく、半減期も約60日ではない。短い組織飛程という性質だけが妥当。
- b:誤り — 管理区域内の適切な場所で実施する点は合うが、放出線と半減期の二点が誤る。
- c:誤り — 濾胞細胞への取り込みと区域内投与は合うが、ガンマ線を放出しないという点が誤る。
- d:誤り — β線の局所作用と濾胞細胞取り込みは合うが、物理半減期の値が誤る。
- e:正しい — β線が短い範囲で作用し、濾胞細胞へ取り込まれ、適切に管理された区域で投与するという組合せ。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):I-131の半減期・β/γ放出・組織飛程と甲状腺集積。
B-1.脳神経核医学・問1
解答例:d
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
貧困灌流では血流低下に対し酸素摂取率が上がり、初期には酸素代謝が維持される。血管拡張で血液量はむしろ増え得る。正常域の酸素分圧にCO2と同じ急峻な血流反応を当てはめない。自動調節の圧範囲は古典的な概数で個人差が大きい。
各選択肢の解説
- a:誤った組合せ — 正常の概数とOEFの比較的一様な分布はいずれも概ね妥当で、誤り二つには当たらない。
- b:誤った組合せ — 正常血流・負荷反応の概数と慢性高血圧での調節域移動は妥当。ただし閾値は一定でない。
- c:誤った組合せ — 血液量を減少とする点は誤るが、正常OEFが概ね一様という説明まで誤りにしない。
- d:正答 — 貧困灌流の血液量低下という方向と、正常域での酸素分圧への過大な血流反応を選ぶ。
- e:誤った組合せ — 酸素分圧反応は誤るが、血圧自動調節と高血圧での下限移動の基本は妥当。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):血流・血液量・酸素代謝とOEFの代償関係。
- Autoregulation of brain circulation in severe arterial hypertension (1973):高度慢性高血圧での自動調節下限の上昇。
B-1.脳神経核医学・問2
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
脳の血管抵抗は大きな動脈、軟膜血管、実質内微小血管に分布し、単に細い血管だけで全抵抗が決まるわけではない。血管群の定義と条件による寄与を原著から一意に割り当てられず、最大部位を断定しない。
各選択肢の解説
- a:未確定 — 内頸動脈も抵抗を持つが、狭窄のない正常状態で最大とする根拠は不足する。
- b:未確定 — 後方循環の導管で、全脳抵抗を最大に担うという一般則を確認できない。
- c:有力候補・未確定 — 軟膜動脈の抵抗寄与は大きい。ただし選択肢の範囲に細動脈をどこまで含めるか不明で、他群との最大比較を確定できない。
- d:未確定 — 穿通枝・実質内抵抗血管は重要だが、軟膜側との定義と定量条件を示さず最大と決めない。
- e:不適切 — 正常の全脳血管抵抗を静脈が最大に担うという説明は支持しにくい。
根拠・参考文献
- Stromberg and Fox. Pressures in pial arterial microcirculation (1972):軟膜微小血管の圧測定による抵抗分布の原著。動物実験であり人の選択肢群の単純順位は確定しない。
B-1.脳神経核医学・問3
解答例:b
考え方
アセタゾラミドは炭酸脱水酵素を阻害し、脳血管拡張反応を利用して予備能を評価する。薬剤の標的酵素と脳血流薬を保持する酵素を混同しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — エステラーゼはECDの細胞内変換などに関係するが、ACZの主標的ではない。
- b:正しい — 炭酸脱水酵素阻害が酸塩基変化などを介する血管反応につながる。
- c:誤り — リン脂質加水分解酵素はACZ負荷の主な薬理標的ではない。
- d:誤り — でんぷん分解酵素は脳血管予備能負荷の機序ではない。
- e:誤り — 酸化酵素を一括してACZの主標的とはしない。
根拠・参考文献
- PMDA ダイアモックス注射用500mg 患者向医薬品ガイド(2024):薬剤の炭酸脱水酵素阻害作用。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):ACZ負荷による血管予備能の評価。
B-1.脳神経核医学・問4
解答例:e
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
HMPAOとECDの調製条件を入れ替えない。IMPは高抽出率でも時間とともに洗い出され、分布不変ではない。eが最も明瞭な誤りの組合せだが、Tc製剤の非線形性を「一切負荷に使えない」と読むのも過度で、現在は補正法・定量法に応じ利用できる。
各選択肢の解説
- a:誤った組合せ — ACZの概略時間と遠隔機能低下領域の保たれた反応は概ね妥当。ただし投与量は施設・患者条件による。
- b:誤った組合せ — IMP分布不変は誤るが、ACZ負荷の一般的な作用時間まで誤りとはしない。
- c:不適切 — Tc薬は高血流で非線形だが使用不可ではない。遠隔機能低下領域の予備能は保たれ得る。
- d:不十分 — HMPAOの調製・安定性は誤る。Tc薬の不適性も絶対的には成立せず、最も明瞭な二つを選ぶならe。
- e:正答 — HMPAOを調製後待機で長時間安定な薬とする点と、IMPの経時分布不変という二つの誤り。
根拠・参考文献
- Assessment of postischemic reperfusion and diamox activation test using ECD (1994):Tc薬の高流量反応の非線形性と、負荷評価が実際に行われること。
- EANM epilepsy PET/SPECT guideline (2024):発作時SPECTでの薬剤選択と速い注入、製剤準備。
B-1.脳神経核医学・問5
解答例:c
考え方
racloprideは主にドパミンD2/D3結合を評価する薬剤で、D1画像薬ではない。それぞれの薬剤が示す標的を区別し、研究用トレーサの利用と日常診療の適応を混同しない。
各選択肢の解説
- a:妥当 — PiBは線維性アミロイドβへの結合を利用する。陽性のみで臨床的ADを確定しない。
- b:妥当 — iomazenilはGABA-A受容体の中枢性BZR部位を評価する。
- c:誤り・正答 — D2/D3系リガンドをD1系に対応させている。
- d:妥当 — β-CITはDATに結合し黒質線条体神経終末の評価に用いられた。
- e:妥当・研究的 — annexin Vは細胞膜外面に露出するホスファチジルセリンを標的とし、早期アポトーシス画像の研究に用いられる。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI dopaminergic imaging guideline (2020):racloprideのD2/D3標的とDAT薬。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):アミロイド、BZR、annexin Vの分子標的。
- Carbon-11 and iodine-123 labelled iomazenil: direct PET-SPET comparison (1996):iomazenilがBZRを画像化し、皮質・小脳等に特異結合を示すこと。
B-1.脳神経核医学・問6
解答例:a
考え方
METは主に腫瘍などのアミノ酸代謝評価に用いる。認知症の鑑別には血流・FDG、DLBではDATや心臓MIBGが補助となる。各検査は臨床像・MRIと統合する。
各選択肢の解説
- a:最も有効性が低い・正答 — ADと血管性認知症を分ける標準的な機能検査としてアミノ酸PETを選ぶ根拠は乏しい。
- b:有用 — DLBの後頭葉低代謝などADと異なる分布が鑑別を補助する。
- c:有用 — 前頭側頭優位と後方優位の機能低下パターンの違いが手掛かりになる。
- d:有用 — 発作時に速やかに注入するとその時点の高灌流を保持して後から撮像できる。
- e:有用 — DLBの心臓交感神経障害による低集積は鑑別の指標的バイオマーカーとなる。
根拠・参考文献
- EANM FDG brain PET guideline version 3 (2022):認知症のFDG機能分布。
- EANM epilepsy PET/SPECT guideline (2024):発作時Tc脳血流薬の役割。
- DLB consortium fourth consensus report (2017):MIBGの診断的位置付け。
B-1.脳神経核医学・問7
解答例:a
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
FDGは皮質形成異常を伴う焦点の局在を、METは再発と治療後変化の鑑別を補助する。いずれも感度・特異度は完全ではない。ACZには味覚変化などがあり得る。ECDの保持は傷害組織の代謝状態にも依存し、亜急性期の純粋な再灌流量をそのまま表すとはしない。
各選択肢の解説
- a:最も妥当 — 焦点局在、ACZ副作用、アミノ酸PETでの再発評価という組合せ。味覚変化は起こり得るが負荷時必発ではない。
- b:不適切 — 焦点局在と副作用は妥当だが、ECDだけで亜急性再灌流を忠実に評価できるという一般化は不適切。
- c:誤り — 焦点局在は妥当だが、ACh受容体画像を早期ADの確立検査とはしない。ECD再灌流にも限界がある。
- d:誤り — 副作用と腫瘍評価は妥当だが、ACh受容体画像を標準的早期診断に位置付ける根拠がない。
- e:誤り — 腫瘍評価は妥当だが、ACh受容体による早期診断とECD再灌流の一般化が不適切。
根拠・参考文献
- EANM epilepsy PET/SPECT guideline (2024):皮質形成異常のFDG焦点評価。
- EANM/EANO/RANO/SNMMI glioma PET guideline (2019):METでの再発と治療後変化の鑑別。
- Assessment of postischemic reperfusion and diamox activation test using ECD (1994):再灌流部のECD保持が初期組織障害で変化し、灌流と一致しないこと。
- DailyMed Acetazolamide Tablets, USP prescribing information:味覚変化を副作用として記載。経口製剤資料であり脳血流負荷一回後の発生頻度を示すものではない。
B-1.脳神経核医学・問8
解答例:d
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
閉塞中に静注したHMPAO等がその時点の灌流分布を保持するため、血管造影終了後に撮像できる。薬剤の脳分布固定までの時間と、臨床的耐性を評価する閉塞試験全体の時間を混同しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 通常の保持型Tc薬を想定する方法で、閉塞予定動脈からの選択的注入ではなく末梢静注する。
- b:誤り — 薬剤選択と低血流側ほど逆拡散が大きいという方向が不適切。
- c:誤り — 投与後数分で分布が固定する点は合うが、選択的動注という前提が誤る。
- d:条件付きで正しい — 注射後分布固定に数分を確保し、保持像を後から撮る。試験全体を二〜三分で安全に終了できるという意味ではない。
- e:誤り — 後撮像は可能だが、逆拡散の影響は主に高流量域の非線形性として考慮し、低流量側ほど大きいとしない。
根拠・参考文献
- Near-infrared spectroscopy and HMPAO-SPECT during balloon occlusion test (1996):HMPAO静注後2–3分で分布固定し造影終了後にSPECTを行った原著。
B-1.脳神経核医学・問9
解答例:c
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
原図の広範な紅斑と薬剤投与後の時間関係から、選択肢では重症薬疹SJSを最も疑う。写真だけでは粘膜所見や表皮剝離範囲が分からず、SJSを確定したとはしない。ACZでは重症皮膚障害が重大副作用として注意喚起されている。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 診断用投与による全身性の放射線皮膚障害とは線量・分布が合わない。
- b:不適切 — 副腎皮質ホルモン過剰でこの急性の広範紅斑を説明しにくい。
- c:最も疑う — ACZ後の重症薬疹の候補。粘膜障害・発熱・剝離等を確認し、原因薬中止を含む緊急評価が必要。
- d:不適切 — 甲状腺機能低下に典型的な慢性皮膚変化とは異なり、時間経過も合わない。
- e:不適切 — 心筋虚血が主にこの全身紅斑として出現することは通常ない。
根拠・参考文献
- PMDA ダイアモックス注射用500mg 患者向医薬品ガイド(2024):ACZの重大副作用としてSJS/TEN、皮膚・粘膜の警告症状。
B-1.脳神経核医学・問10
解答例:a
考え方
Xeクリアランスでは呼気等から動脈入力を近似でき、直接動脈採血を必須としない。採血法、標準入力を較正するARG、カメラで入力を推定する方法を区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り・正答 — 外部・呼気の測定を利用する方法があり、動脈採血が必須という主張は誤る。
- b:概ね正しい — 持続採血法では抽出や入力に関するモデル値・仮定を用い、条件を揃えて定量する。
- c:概ね正しい — Tc脳血流薬の初回循環時ダイナミックから脳・大血管の情報を得る非侵襲法。具体的収集秒数はプロトコルに従う。
- d:正しい — 標準化された入力時間曲線を採血等で較正し、一点あるいは限られた測定で定量する。
- e:概ね正しい — 体循環情報から心拍出量などを推定し、非侵襲的に入力を近似する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):Xeクリアランス、IMPのARG、Patlakと非侵襲定量における入力関数。
- Kaminaga et al. Validation of CBF measurement with NIMS compared with ARG (2001):30例でNIMSとARGの血流定量を比較した原著。要旨では心拍出量算出式の詳細までは確認できない。
B-1.脳神経核医学・問11
解答例:b
考え方
Zスコアは正常平均との差を標準偏差で規格化した指標であり、mL/100g/minの絶対血流ではない。全脳・小脳等で規格化した相対分布、萎縮、標準化ずれの影響を確認する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 基準平均からのずれを標準偏差単位で表す。低下を正で表示する実装では符号定義も確認する。
- b:誤り・正答 — 同じ絶対変化でも正常分散・規格化によりZは異なり、両者を同一視できない。
- c:正しい — 萎縮や部分容積効果で取り込みが低く見えるため形態像を参照する。
- d:正しい — 正常分布に年齢等の影響があるため、適合するデータベースを選ぶ。
- e:正しい — 自動処理が成功したかを元画像と登録像で確認し、ずれを疾患として読まない。
根拠・参考文献
- EANM FDG brain PET guideline version 3 (2022):正常データとの統計比較、規格化・年齢・萎縮・標準化の注意点。
B-1.脳神経核医学・問12
解答例:d
考え方
原図では両側前方の血流低下が酸素消費低下より強く、代償性OEF上昇と予備能低下が疑われる。若年者の反復性一過性症状を含め、閉塞性疾患の血行力学を評価する。OEF画像や血管像なしに病名・術式を確定しない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 画像では血行力学的低灌流を考え、塞栓機序だけと決めない。
- b:誤り — 代謝が血流に比し保たれる領域では酸素摂取による代償が想定される。
- c:誤り — 低血流と梗塞コアを同一視できず、既存梗塞があることだけで再建適応を全否定もしない。
- d:正しい — 両側前方循環の予備能低下が予想される。負荷の実施適否と安全性は別に判断する。
- e:誤り — 右半球にも前方の分布低下があり、一律正常とは読めない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):血流・酸素代謝とOEFの代償関係。
- 2021 Japanese guidelines for moyamoya disease:若年閉塞性病変での血行動態評価と再建検討。
B-1.脳神経核医学・問13
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
原図に右前方の形態変化と相対的高集積を認めるが、ECD保持は灌流だけでなく組織障害や形態的密集にも依存する。発作時注入の確認、経時画像、血流をより直接反映する薬剤等なしに、再灌流・発作・見かけの高集積を確定できない。出題意図候補はeだが確定しない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — MRAで狭窄を認めない条件で左低集積を血管攣縮と断定できず、右高集積の原因も十分に特定されていない。
- b:不適切 — 左攣縮の断定は根拠不足。虚血後過灌流と亜急性梗塞時集積増加も同一概念ではなく、ECD像だけでは区別できない。
- c:不適切 — 発作と亜急性変化は鑑別だが、左攣縮と結び付ける根拠が不足する。
- d:未確定 — 形態的な見かけの増加と発作は候補だが、真の過灌流を含めた三者を同時に肯定できない。
- e:出題意図候補・未確定 — 形態的高集積、発作、亜急性梗塞関連変化は鑑別候補。ただし図だけから全てを正しい機序として確定はしない。
根拠・参考文献
- Assessment of postischemic reperfusion and diamox activation test using ECD (1994):ECD集積は再灌流量だけでなく組織障害に依存する。
- EANM epilepsy PET/SPECT guideline (2024):発作時高灌流は注入時相の確認を必要とする。
B-1.脳神経核医学・問14
解答例:a
考え方
原図の側副血行を疑う血管信号と前方循環優位の負荷反応不良、過呼吸を誘発する行動での症状からもやもや病を最優先する。確定には頭蓋内血管評価を行う。
各選択肢の解説
- a:正しい — 低CO2で灌流がさらに下がる病態と、側副血管・予備能低下の組合せが整合する。
- b:不適切 — 単一の高流量シャント病変を示す図ではなく、広い前方予備能低下と誘因が合いにくい。
- c:鑑別は必要 — 短い発作性症状だけならてんかんも候補だが、血管像と負荷反応を含めると虚血を優先する。
- d:不適切 — びまん性・対称性白質病変を主とする像ではなく、血行動態所見を説明しにくい。
- e:不適切 — 炎症性脱髄を示す多発白質病変と経時的再発の情報が乏しく、血管所見が別病態を示す。
根拠・参考文献
- 2021 Japanese guidelines for moyamoya disease:小児もやもや病で過呼吸が虚血を誘発すること、診断と血行動態評価。
B-1.脳神経核医学・問15
解答例:e
考え方
DLBでは黒質線条体神経終末と心臓交感神経の障害が診断を補助する。後頭葉の血流・代謝低下は重要だが、MRIで必ず同部の著明萎縮があるわけではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 線条体の一般灌流低下とBZRの内側側頭葉低下をDLBの代表指標としない。
- b:誤り — 心筋MIBG低下は合うが、線条体灌流とDATを混同している。
- c:誤り — BZR内側側頭葉低下や後頭葉萎縮を主要な典型所見として組み合わせない。
- d:誤り — DAT低下は合うが、後頭葉の機能低下を必ず形態萎縮として読む点が不適切。
- e:正しい — DATとMIBGの低下はいずれもDLBの指標的バイオマーカーに相当する。
根拠・参考文献
- DLB consortium fourth consensus report (2017):DAT・MIBGの診断的位置付けと形態・機能画像の区別。
B-1.脳神経核医学・問16
解答例:a
考え方
原図で左前方の予備能低下と術後一日目の集積増加、四日目の低下を確認する。予備能が低いと術後過灌流リスクがあり、その正常化を直ちに再狭窄と解釈しない。OEFを直接測っていないためmisery perfusionは可能性に留める。
各選択肢の解説
- a:正しい — 左前方の反応低下は認め、代償性OEF上昇を伴う段階の可能性を考える。確定には酸素代謝評価が必要。
- b:誤り — 図に重症領域が乏しくても、反対側の高度狭窄の治療適応を画像一つだけで永続的に否定できない。
- c:誤り — 術後の大きな増加は全成功例に必須ではなく、予備能低下例の過灌流として監視する。
- d:誤り — 一過性過灌流の軽減でも低下する。症状や血管画像なしに再狭窄と決めて緊急造影を必須としない。
- e:不正確 — SEE-JETは定量血流と負荷反応を段階分類する。正常基準値は参照し得るが、通常のZスコア正常DB比較と同じ手法とはしない。
根拠・参考文献
- Ogasawara et al. Prediction and monitoring of cerebral hyperperfusion after CEA (2003):予備能低下とCEA後の一過性過灌流。
- Quantitative SPECT/DTARG and SEE-JET reproducibility study (2012):SEE-JETで定量安静血流・vascular reserveを閾値分類する方法。
B-1.脳神経核医学・問17
解答例:e
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
原図では前頭葉優位の灌流低下が目立ち、前頭側頭型変性を考える。症候とMRIを統合して診断する。一般にDLB型の心筋MIBG低下を期待せず、donepezilの有効性をADと同じく確立したものと扱わない。頻度順位は集団と分類に依存する。
各選択肢の解説
- a:誤った組合せ — 前頭葉優位低下とMIBG障害が少ないという見方は妥当で、誤りとして選ばない。
- b:誤った組合せ — 前頭葉低下とMIBGの基本的な対比は妥当。後部帯状回の扱いだけで三つの誤りにはならない。
- c:誤った組合せ — 薬効の一般化と後部帯状回所見には問題があるが、前頭葉低下は画像で支持される。
- d:誤った組合せ — 順位と薬効には留保があるが、MIBG低下が少ないという説明は妥当。
- e:出題意図として妥当 — 固定的な有病率順位、確立したdonepezil有効性、AD型の後部帯状回低下の一般化を選ぶ。頻度は調査集団により変わる。
根拠・参考文献
- EANM FDG brain PET guideline version 3 (2022):FTLDの前頭側頭分布、ADの後部帯状回分布との対比。
- EANM/SNMMI dopaminergic imaging guideline (2020):非Lewy小体病とMIBG所見の違い。薬効や頻度を直接証明する資料ではないため一律断定しない。
B-1.脳神経核医学・問18
解答例:d
考え方
FDOPAはドパミン合成・貯蔵に関係する終末機能、β-CITはDAT、MIBGは心臓交感神経を評価する。線条体の一般血流やBZRを同じマーカーとして扱わない。
各選択肢の解説
- a:誤り — FDOPAとMIBGは合うが、線条体の一律の血流低下はPDの基本的診断指標ではない。
- b:誤り — FDOPAは合うが、血流とBZR低下を典型として追加する点が不適切。
- c:誤り — DATは合うが、一般灌流とBZRの説明が不適切。
- d:正しい — ドパミン終末機能の二種類の評価と、心臓交感神経低下の組合せである。
- e:誤り — MIBGとDATは合うが、BZR低下をPDの典型として含めている。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI dopaminergic imaging guideline (2020):FDOPA・DATと前シナプス変性、MIBGの位置付け。
B-1.脳神経核医学・問19
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
国内ではIn-111 DTPAが標準的だが、国際的手順書にはTc-DTPAも示されるため、Tc薬を使うという記述を絶対的に誤りにはできない。早期尿路は手技性漏出を、NPHでは持続する逆流と円蓋部移行遅延を検討する。国内標準を想定したdが候補だが、aも成立し得るため一意解答を保留する。
各選択肢の解説
- a:条件付き候補 — Tc-DTPAも用いる国際手順書に従えば、早期尿路での手技性漏出確認と鼻栓計測の組合せは成立し得る。国内標準核種とは区別する。
- b:誤り — 早期尿路の評価は妥当だが、一過性逆流だけではNPHを特徴づけない。
- c:誤り — 髄液漏は神経根沿いにも起こるが、核種と一過性逆流の扱いが国内標準の設問に合わない。
- d:出題意図候補・未確定 — 早期尿路で手技性漏出を疑い、鼻漏と脊髄腔外漏出を評価する点は妥当。ただしTc核種の記述も国際的には成立するため唯一解と断定しない。
- e:誤り — 鼻漏と脊髄腔外漏出は妥当だが、NPHを一過性逆流で代表させる点が誤る。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Resources Manual (2006), section 5.3.6:脳槽シンチにTc-DTPAとIn-DTPAをともに挙げ、無菌・非発熱性、鼻栓、時相を含む評価手順を示す。
B-1.脳神経核医学・問20
解答例:d
考え方
動静脈奇形は毛細血管床を介さない低抵抗シャントを形成し、周囲の正常組織への灌流を低下させる盗血の原因となる。盗血は灌流圧と予備能などにも依存し、AVMがあれば必ず症候性とは限らない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 梗塞は低灌流の結果や局所機能低下を示すが、通常それ自体が低抵抗シャント源になるわけではない。
- b:不適切 — 出血は圧迫・頭蓋内圧上昇等を来し得るが、典型的な動静脈シャント型盗血とは異なる。
- c:不適切 — 深部出血の症状は組織障害・圧迫で説明し、低抵抗シャントと同一視しない。
- d:正しい — 動脈から静脈への低抵抗短絡で周囲正常血管への流れが奪われ得る。
- e:不適切 — 通常の嚢状動脈瘤は動静脈短絡を形成せず、AVM型盗血の典型原因ではない。
根拠・参考文献
- Fiehler et al. Territorial and microvascular perfusion impairment in brain AVMs (2009):20例のMR灌流評価でAVM周辺・領域の低灌流を検討。低抵抗シャントの血流再配分と関連し得るが、全例の症状を盗血と断定しない。
B-2.循環器核医学・問1
解答例:b
考え方
原図で前壁から中隔にかけてアンモニア低集積に比しFDGが保たれている。N-13の短半減期を利用して先に灌流を撮り、後にFDGを撮像する。喘息に関する冠拡張負荷薬の禁忌を安静時生存性検査そのものと混同しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — N-13の約10分は合うが、長く残るFDGを先に投与するとアンモニア測定に混入する。
- b:正しい — N-13の半減期と、前下行枝側に残存糖代謝を認めるミスマッチが整合する。
- c:誤り — 撮像順が逆で、喘息を理由に安静灌流・生存性検査全体を禁忌とする点も不適切。
- d:誤り — 右冠側を主なミスマッチ領域とする読みは図に合わず、喘息も検査そのものの一律禁忌ではない。
- e:誤り — 前下行枝側は合うが、右冠動脈側にも明瞭なミスマッチがあるとは読めない。
根拠・参考文献
- ASNC PET myocardial perfusion and metabolism imaging guideline (2009):短半減期灌流薬先行、灌流・糖代謝比較、生存性前処置。
B-2.循環器核医学・問2
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
出題意図はBMIPPの糖尿病と心プールの左脚ブロックを外すeと考えられる。しかし「確認すべき事項」という広い表現なら糖尿病や伝導障害は病歴・薬剤・機能解釈のため確認してよく、不要と断定しない。検査固有の必須前処置との区別が必要。
各選択肢の解説
- a:誤った組合せ — 喘息によるアデノシン反応と糖尿病によるFDG前処置はどちらも重要。
- b:誤った組合せ — 喘息確認は必要。心プールでも左脚ブロックは同期性や機能解釈の情報になる。
- c:誤った組合せ — FDGの糖代謝条件と左脚ブロックによる運動負荷偽欠損はいずれも確認すべき。
- d:不適切 — 左脚ブロックは運動負荷の選択に重要で、BMIPPで糖尿病を確認することも有害ではない。
- e:出題意図候補・未確定 — BMIPPにFDG型の糖負荷調整は不要で、血液プールは左脚ブロックで禁忌ではない。ただし病歴確認まで誤りとはしない。
根拠・参考文献
- EANM myocardial perfusion SPECT guideline (2015):アデノシンの適否・左脚ブロックの負荷選択。
- ASNC PET myocardial perfusion and metabolism imaging guideline (2009):糖尿病でのFDG生存性前処置。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):BMIPPと血液プールの測定対象。
B-2.循環器核医学・問3
解答例:d
考え方
一日法は検査順に応じた残存成分の管理が必要で、通常二回目を増量する。Tc薬はTl型の再分布を利用する薬ではない。同期像の壁運動を加えると減弱の判断を補助できる。
各選択肢の解説
- a:誤った組合せ — 同量投与・直後撮像の一般化は誤るが、どちらの検査順も選べる点は正しい。
- b:誤った組合せ — 同量投与は不適切だが、検査順と同期像による減弱鑑別は妥当。
- c:誤った組合せ — 洗い出しの説明は誤るが、両順序の選択と同期像の利用は妥当。
- d:正答 — 同量投与、常に即時撮像、二投与像間でTl型洗い出しを評価する三つの誤り。
- e:誤った組合せ — 撮像待機と洗い出しは誤るが、同期像で減弱を検討する点は妥当。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):Tc薬の保持・肝胆道背景、一日法の残存成分と同期像。
B-2.循環器核医学・問4
解答例:b
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
アデノシンは気管支攣縮と房室伝導抑制に注意する。高位房室ブロックでは適切なペーシングの有無が重要。左脚ブロックでは運動負荷の中隔偽欠損を避けるため冠拡張負荷がむしろ選ばれる。
各選択肢の解説
- a:誤り — 喘息は禁忌・慎重判断の重要条件だが、インスリン治療だけでアデノシン禁忌にはならない。
- b:正しい — 気管支攣縮リスクと、ペースメーカー保護のない高度房室伝導障害が該当する。活動性や既往は添文・専門判断に従う。
- c:誤り — 糖尿病や透析のみは一律禁忌ではなく、絶食・血糖・血圧等を調整する。
- d:誤り — 透析も左脚ブロックも単独では禁忌理由にならない。
- e:誤り — 高度房室ブロックは該当するが、左脚ブロックそのものは冠拡張負荷を避ける理由ではない。
根拠・参考文献
- EANM myocardial perfusion SPECT guideline (2015):冠拡張負荷の安全性、伝導障害、LBBBでの負荷選択。
B-2.循環器核医学・問5
解答例:a
考え方
原図では前壁側でMIBIに比しBMIPPが低く、灌流回復に遅れて脂肪酸代謝と壁運動が障害される状態を考える。早期再灌流後の気絶心筋に整合し、遠隔期回復の可能性があるが全例の完全回復を保証しない。
各選択肢の解説
- a:誤り・正答 — 前壁優位の障害を回旋枝領域とする局在が図と合わない。
- b:正しい — 回復した灌流に比し脂肪酸代謝障害が残るミスマッチがある。
- c:概ね正しい — 灌流保持と代謝障害の残存は再灌流後の生存心筋を支持する。治療効果の全てを画像だけで保証しない。
- d:正しい — 不可逆壊死のみではない可能性があり、時間とともに機能が回復し得る。
- e:正しい — 灌流が戻っても収縮機能が遅れて回復する病態を気絶心筋と呼ぶ。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会・関連学会 心臓核医学検査ガイドライン:BMIPPの虚血後代謝障害、灌流とのミスマッチと気絶心筋。
B-2.循環器核医学・問6
解答例:e
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
壁運動と壁厚増加は異なる指標。分割数を過度に増やすと位相当たりの計数が不足する。従来QGSは著明な肥厚で特に収縮末期内腔を大きく推定し、EFを低く算出することがある。
各選択肢の解説
- a:誤り — 二指標は完全一致せず、一般的に32〜64分割を推奨するわけでもない。不整脈の影響のみが妥当。
- b:誤り — 待機撮像は有用だが、分布完全一致と多分割の一律推奨は誤る。
- c:誤り — 肥大心の容量誤差と待機撮像はあり得るが、局所運動と厚化の完全一致は誤る。
- d:誤り — 不整脈と肥大心誤差はあり得るが、分割数を増やすほどよいという前提が誤る。
- e:条件付きで正しい — 不整脈・肥厚の輪郭誤差と腹部背景を下げる待機撮像が妥当。不整脈の誤差方向と最適待機は症例・薬剤に依存する。
根拠・参考文献
- Underestimation of EF using QGS in myocardial hypertrophy (2013):46例のMRI比較で肥厚に伴う内腔過大・EF過小を示した原著。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):同期収集の計数と位相、Tc薬の背景と撮像待機。
B-2.循環器核医学・問7
解答例:c
考え方
遅延改善がなくても軽度低集積や保たれた壁厚増加があれば残存生存心筋が考えられる。相対集積の閾値は再構成・減弱・正常基準に依存し、単一数値で不可逆壊死を確定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 軽度低下は生存性を支持するが、極めて低い安静集積と肺集積だけでは局所の生存性を支持できない。
- b:誤り — 軽度低下と保たれた厚化は合うが、極低集積を生存性の積極所見として含めている。
- c:正しい — 軽度固定低下、明瞭な再分布、低集積でも保持された厚化はいずれも生存性を示唆する。
- d:誤り — 再分布は合うが、重度低集積と肺集積を局所生存性の積極所見にする点が不適切。
- e:誤り — 再分布と厚化は合うが、肺集積増加は重症血行動態の指標であり局所生存性を直接示さない。
根拠・参考文献
- ASNC PET myocardial perfusion and metabolism imaging guideline (2009):残存集積・再分布と機能所見を統合した生存性評価の限界。
B-2.循環器核医学・問8
解答例:e
考え方
原図では前方から側方の負荷時低集積が安静で改善する。糖尿病と労作症状を踏まえ虚血性疾患を検討し、治療は薬物療法と解剖・虚血量に応じた再建を考える。右室が描出されるだけで右心負荷と確定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 症状と危険因子があるのに一律10%以下とはできず、主な欠損局在も前壁中隔とは異なる。
- b:誤り — 治療検討は妥当だが、検査前可能性を一律に低くする根拠がない。
- c:誤り — 前壁側壁の変化が主体で、右室描出だけから負荷を断定するのも不適切。
- d:誤り — 前壁側壁虚血は合うが、右心負荷の断定を追加している。
- e:正しい — 前壁側壁の可逆的低集積と、症候性虚血に対する治療検討が合う。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):負荷安静差による誘発虚血の評価。
- EANM myocardial perfusion SPECT guideline (2015):症状・検査前可能性・灌流像を統合した解釈。
B-2.循環器核医学・問9
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
これは特定時点の推奨表を再現する問題で、現在の有用性と当時のClass Iを同じに扱えない。確認した2009年度合同研究班の改訂表では心筋生存性とMIBG心不全評価が高く評価され、右室血液プールはClass IIaである。出題が参照した版との一致を確認できず、正答記号は保留する。
各選択肢の解説
- a:未確定 — 灌流による生存性とBMIPP胸痛評価には用途があるが、この組合せが当時Class Iかは表の照合を要する。
- b:改訂表に整合する候補・未確定 — 確認した改訂版では心筋生存性とMIBG心不全評価がClass Iに位置付けられる。ただし出題の参照版と完全一致したとはいえず、公式正答としない。
- c:未確定 — BMIPPとGaの利用実績はあるが、現在のFDGなどの役割と旧推奨を混同しない。
- d:未確定 — Gaの炎症評価と血液プールの右室評価には用途があるが、旧表の分類を確定できない。
- e:出題版の確認が必要 — MIBG心不全評価はClass Iだが、確認した2009年度改訂表で右室機能の血液プールはClass IIaであり、この組合せを現在の表からClass Iと断定しない。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会・関連学会 心臓核医学検査ガイドライン:2009年度合同研究班の改訂表で、心筋生存性・MIBG心不全評価と、右心不全の血液プールClass IIaを確認。出題参照版への遡及適用はしない。
B-2.循環器核医学・問10
解答例:e
考え方
相対灌流が正常でもイベントリスクはゼロでなく、背景疾患で変わる。J-ACCESSは国内の同期SPECTと予後に関する多施設研究である。狭窄がなくても微小循環障害、心筋症、減弱等で異常像は生じる。
各選択肢の解説
- a:誤り — 狭窄なしでも異常はあり、正常像の全年間事故率を0.1%以下とするのも低すぎる一律の見積もり。
- b:誤り — 国内研究は存在するが、狭窄がなければ異常はまれという一般化が不適切。
- c:誤り — 正常像にも背景依存のリスクがあり、LBBBでは運動より冠拡張負荷が選ばれる。
- d:誤り — TlとTcの診断性能は概ね同等でも、脚ブロック全般で運動を優先する主張は不適切。
- e:正しい — 両血流薬の診断利用と、国内J-ACCESSによる大規模予後評価が妥当。
根拠・参考文献
- 日本心臓核医学会 J-ACCESS多施設研究の報告:117施設・4629人、正常像でも主要イベント0.8%/年・ハードイベント0.5%/年と報告。
- EANM myocardial perfusion SPECT guideline (2015):LBBBの負荷選択と灌流検査の臨床性能。
B-2.循環器核医学・問11
解答例:b
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
原図ではTlで取り込みのある中隔のFDGが弱く、FDG陰性だけで壊死としない。糖尿病では血糖やインスリン抵抗性に応じた前処置が必要で、経口糖負荷を全例同一に行うとは限らない。側壁の低灌流に残る糖代謝は生存心筋を示唆する。
各選択肢の解説
- a:条件付きで不適切 — 同日実施は可能。糖尿病でも糖利用を促すが、単純な経口糖負荷だけを全例に勧める説明では不十分。
- b:最も妥当 — 同日検査が可能で、低灌流側壁の残存糖代謝は虚血性生存心筋を考える。
- c:不適切 — 血糖・インスリン調整は必要だが、冠多枝病変の欠損を減弱だけと決め付けない。
- d:誤り — 欠損を単なる減弱とし、FDGの低さのみでTl保持のある中隔まで非生存と判定している。
- e:誤り — 側壁の生存性は合うが、中隔FDG低下を無条件の非生存とする点が誤る。
根拠・参考文献
- ASNC PET myocardial perfusion and metabolism imaging guideline (2009):糖尿病で単純糖負荷が不十分となる場合、灌流像と合わせて判断する生存性評価。
B-2.循環器核医学・問12
解答例:c
考え方
高度僧帽弁狭窄は左房圧・肺静脈圧を上げ、続発性肺高血圧と右室負荷を来し得る。右室心筋の相対的な取り込み増加が手掛かりになる。
各選択肢の解説
- a:誤り — 肺うっ血では一般に肺への取り込みが増す方向で、低下を特徴としない。
- b:不適切 — 左室拡大は僧帽弁狭窄そのものの典型ではなく、左房・右心系の変化が主体となる。
- c:正しい — 肺高血圧に伴う右室肥大・負荷で右室心筋が明瞭となる。
- d:誤り — 右室圧負荷では中隔は左側へ扁平化・偏位する方向で、右方偏位は典型ではない。
- e:誤り — 肺静脈圧上昇では下肺血流が相対的に減り上肺へ再分布する。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会・関連学会 心臓核医学検査ガイドライン:肺高血圧・右室負荷と心筋・肺灌流所見。
B-2.循環器核医学・問13
解答例:d
考え方
重症虚血では負荷直後のEF低下、収縮末期容積増大、遅いTl洗い出し、肺集積増加などが手掛かりになる。灌流欠損だけでなく非灌流の高リスク所見も確認する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 早期EFが高い・ESVが小さいという方向は、負荷後stunningの典型と逆。
- b:誤り — 早期EFが高いことと腹部集積だけでは重症虚血の代表指標にならない。
- c:誤り — 遅い洗い出しは合うが、負荷直後ESVが小さいことは典型的高リスク所見ではない。
- d:正しい — 全体の洗い出し遅延と肺集積増加は重症虚血・血行動態悪化を示唆する。
- e:誤り — 肺集積は合うが、腹部背景の高さはそれ自体で重症冠疾患の確立指標ではない。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会・関連学会 心臓核医学検査ガイドライン:負荷後機能低下、洗い出し遅延と肺集積の予後的意味。
B-2.循環器核医学・問14
解答例:e
考え方
原図では心基部中隔や他領域に不均一な欠損があり、単一枝の梗塞だけで説明しにくい。選択肢では心サルコイドーシスを最優先する。ただし灌流像だけで確定せず、CMRや適切な前処置FDG等、臨床診断基準と合わせる。
各選択肢の解説
- a:誤り — 正常変異で済ませにくい広い不均一低集積がある。
- b:不十分 — 前下行枝域だけでは心基部を含む不均一分布全体を説明しにくい。
- c:不十分 — 対角枝域の前側壁の孤立障害という局在ではない。
- d:不十分 — 下壁主体の単一右冠動脈梗塞とは異なる。
- e:最も考える — 複数の冠支配域にまたがる斑状欠損は心サルコイドーシスに整合するが、非特異的で追加評価を要する。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会・関連学会 心臓核医学検査ガイドライン:心サルコイドーシスの灌流異常と他の機能・形態情報の統合。
B-2.循環器核医学・問15
解答例:c
考え方
CD36欠損ではBMIPPの著明低集積が特徴で、血流薬低下と同じではない。PDはMIBG、急性梗塞後はBMIPPの低下が想定される。Ga炎症画像は活動部への陽性集積を見る。
各選択肢の解説
- a:誤り — PDのMIBG低下は合うが、CD36欠損に対応するのは主に脂肪酸トレーサ。
- b:誤り — CD36と血流薬の対応が不適切で、冠攣縮非発作時の安静Tlも常に低下するわけではない。
- c:正しい — 心臓交感神経障害と虚血後脂肪酸代謝障害をそれぞれ捉える。
- d:誤り — 梗塞のBMIPP低下は合うが、活動性サルコイドへのGaは通常集積増加を評価する。
- e:誤り — 炎症薬の集積方向が逆で、非発作時冠攣縮で灌流が必ず低いという前提も不適切。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会・関連学会 心臓核医学検査ガイドライン:CD36とBMIPP、梗塞後代謝・サルコイド炎症評価。
- EANM/SNMMI dopaminergic imaging guideline (2020):PDの心筋MIBG低集積。
B-2.循環器核医学・問16
解答例:e
考え方
急性不安定病態で安易に負荷せず、LBBBでは運動に伴う偽欠損を避ける。抗狭心症薬を中止するかは診断目的か治療下評価かで決め、薬物負荷だから常に継続可能としない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 急性冠症候群直後を良い負荷適応とせず、LBBBで運動を優先する点も誤る。
- b:誤り — 副作用が中止で軽快する点は合うが、不安定な発症直後に積極負荷するのは不適切。
- c:誤り — LBBBの負荷選択が逆で、硝酸薬の扱いも検査目的に依存する。
- d:誤り — 低強度運動併用は有用だが、硝酸薬を無条件に継続するという説明が誤る。
- e:正しい — 可能な患者での低強度運動併用は画質を改善し、短作用のアデノシンによる多くの症状は中止で軽減する。重症時は追加対応する。
根拠・参考文献
- EANM myocardial perfusion SPECT guideline (2015):LBBB・負荷選択、低強度運動と副反応。
- 日本循環器学会・関連学会 心臓核医学検査ガイドライン:負荷禁忌と検査目的に応じた抗狭心症薬調整。
B-2.循環器核医学・問17
解答例:c
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
旧来の年齢・性・胸痛分類では若年女性の非特異症状と無症状の軽中等度CACだけでの負荷が過剰になりやすい。ただし現在は危険因子、症状経過、心電図、既往を含む評価が必要で、性・年齢だけで検査不要と決めない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 若年非特異症状の低リスク評価は妥当だが、男性の非定型症状まで必ず不適応とはいえない。
- b:誤り — 典型胸痛の高齢女性を年齢・性だけで不適応とはできない。
- c:出題意図として妥当 — 低い検査前可能性の非特異症状と、症状のないCACだけの一律負荷を避ける。現代的には個別リスクで再評価する。
- d:誤り — 無症状CACのみの一律検査には留保があるが、高齢男性の典型胸痛は虚血評価の対象。
- e:誤り — 男女とも典型胸痛は評価対象であり、両者を不適応とするのは不適切。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会・関連学会 心臓核医学検査ガイドライン:症状と検査前可能性を踏まえる適応判断。古い確率表を現代の個人リスクに直用しない。
B-2.循環器核医学・問18
解答例:d
考え方
原図のサイノグラムの段差・不連続が補正後に整い、前壁の見かけの低下も改善している。体動による投影の不整合を補正したものと考える。減弱補正と体動補正は別の処理。
各選択肢の解説
- a:誤り — 減弱と真の血流低下を同時に断定するのでなく、投影の体動に着目する図である。
- b:誤り — 前壁改善を減弱補正によるものとする根拠がなく、サイノグラムの連続性改善は体動補正を支持する。
- c:誤り — 体動は合うが、補正前の低集積を真の欠損とも断定している。
- d:正しい — 投影の体動に起因する偽欠損と、サイノグラムによる補正確認が整合する。
- e:誤り — サイノグラムで改善は確認できるが、処理を減弱補正と呼ぶ点が誤る。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):SPECT体動、投影・サイノグラムの不連続と補正。
B-2.循環器核医学・問19
解答例:b
考え方
一過性左室拡大、遅いTl洗い出し、肺集積増加は重症虚血を疑う。逆再分布や右室描出は他の機序もあり、同じ重みの普遍的重症指標ではない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 拡大と遅い洗い出しは合うが、逆再分布は再灌流等でも起こり重症冠疾患の単純指標ではない。
- b:正しい — 負荷後拡大、低い平均洗い出し、肺取り込み増加の三つが整合する。
- c:不適切 — 拡大と肺取り込みは合うが、右室高集積は右室負荷・左室相対低下等もあり一律には扱わない。
- d:不適切 — 遅い洗い出しは合うが、逆再分布と右室高集積は非特異的。
- e:不適切 — 肺集積は合うが、残る二つを同じ重みの典型三徴として選ばない。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会・関連学会 心臓核医学検査ガイドライン:重症虚血の一過性拡大・洗い出し・肺集積と、逆再分布等の解釈。
B-2.循環器核医学・問20
解答例:a
考え方
原図では前壁中隔と下壁の灌流障害に対応してPYP陽性部位があり、急性傷害を考える。発症後日数と注射後の待機時間は別に記録する。PYPは現在のATTR評価でも用いるが、本設問は急性梗塞の画像である。
各選択肢の解説
- a:正しい — 欠損と傷害集積の局在、および血液背景が下がる注射後数時間の撮像が整合する。
- b:誤り — 局在は合うが、Tc単独なら通常低エネルギー用を用い、中エネルギーを必須とはしない。二核種条件なら別途検討。
- c:誤り — 撮像待機は合うが、主病変を側壁とする読みが合わない。
- d:誤り — 局在が合わず、発症一か月後も必ず同じ急性傷害像とはならない。
- e:誤り — 急性から遠隔期に取り込みが変わり、Tc撮像のコリメータ説明も不適切。
根拠・参考文献
- Myocardial Tl/PYP imaging in infarction: clinical report (2020):急性傷害評価でTl/PYPと低エネルギー高分解能コリメータ、投与後3時間像を使用した症例報告。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):PYPの傷害集積と時相・放出光子に応じた撮像。
B-3.腫瘍核医学・問1
解答例:d
考え方
原図では肝・脾内の病変と腹部・骨盤の結節性病変を認め、肝・脾・リンパ節転移を考える。心臓の生理的FDG取り込みや骨盤内の尿路集積を、MIPだけで転移・播種と断定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 肝・脾病変は考えられるが、心臓集積だけで心転移を診断できない。
- b:誤り — 肝病変は合うが、心転移と腸管播種をこの画像から同時に確定する根拠は不足。
- c:誤り — 節病変は疑うが、心転移と腸管への播種を追加するには形態上の裏付けが不足する。
- d:最も妥当 — 肝・脾の形態異常と結節状の腹部・骨盤病変が整合する。個別病変の確定には臨床・追加画像が必要。
- e:不適切 — 脾と節病変は合うが、図の骨盤集積を腸管播種と限定する根拠が不足する。
根拠・参考文献
- EANM FDG PET/CT tumour imaging guideline version 2 (2015):PETと形態像を統合し生理的集積・排泄を病変と区別する。
B-3.腫瘍核医学・問2
解答例:d
考え方
原発甲状腺癌は多くがヨウ素冷結節となるが、冷結節は癌に特異的ではない。破壊性甲状腺炎ではホルモン放出が増えても新たなヨウ素取り込みは低い。
各選択肢の解説
- a:誤り — Tlは良性腫瘍にも集積し得る。破壊性炎症では取り込み増加ではなく低下を想定する。
- b:誤り — 良性非集積の断定と、Gaが分化型癌に一律に良く集積するという説明が不適切。
- c:誤り — 癌の冷結節は妥当だが、亜急性甲状腺炎の取り込み方向が逆。
- d:正しい — 通常の癌の低機能像と、自律性結節の相対的高取り込みを対比している。
- e:誤り — 自律性結節は合うが、Gaを分化型癌の代表的高集積薬とするのは適切でない。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI thyroid scintigraphy guideline (2019):trapping、有機化、破壊性炎症と自律性結節、癌での冷結節の非特異性。
B-3.腫瘍核医学・問3
解答例:a
考え方
adosterolは副腎皮質コレステロール代謝に関係する薬剤で、神経芽腫の代表薬ではない。神経芽腫にはMIBGを用いる。歴史的なTl・Ga利用と現在の優先画像は区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り・正答 — 副腎皮質薬を神経堤由来の神経芽腫に対応させている。
- b:歴史的に妥当 — Tlは骨軟部腫瘍の活性評価に用いられたが、集積のみで悪性を確定しない。
- c:妥当 — FDGは子宮悪性腫瘍の病期・再発等の評価に用いる。
- d:歴史的に妥当 — Gaはリンパ腫の評価に用いられた。現在は多くのFDG集積型でPETが優先される。
- e:妥当 — MIBIは副甲状腺機能亢進の術前局在に利用する。甲状腺結節等の偽陽性もある。
根拠・参考文献
- PMDA アドステロール注 電子添文:副腎皮質の画像診断薬という適応。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):MIBG、Tl、Ga、FDG、MIBIの標的と用途。
B-3.腫瘍核医学・問4
解答例:d
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
原図は心・腎等の分布からTl腫瘍像を想定する。甲状腺描出だけで炎症を確定しない。Tlでは遅延保持も評価するが、良性巨細胞腫も高集積になり得て、良悪性を集積強度だけで分けない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 甲状腺描出だけで慢性炎症とはいえず、P糖蛋白とMIBIの関係をTlと同じ説明にはしない。
- b:誤り — 正常甲状腺の描出を炎症とし、良性巨細胞腫は弱集積とする点も不適切。
- c:不適切 — 低エネルギー撮像は妥当だが、図のTlをMIBIの薬剤排出モデルで説明する点が合わない。
- d:出題意図として妥当 — Tlの低エネルギー光子を撮像し、遅延保持・洗い出しを腫瘍評価に加える。保持遅延も悪性に特異的ではない。
- e:誤り — 遅延保持は参考になるが、巨細胞腫でも強い集積があり低集積と断定できない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):TlとMIBIの正常分布・放出光子、細胞保持と洗い出し。
- EANM bone scintigraphy guideline (2016):良性骨腫瘍にも強い反応・集積があり得る。Tl固有の悪性度閾値を支持する資料ではない。
B-3.腫瘍核医学・問5
解答例:c
考え方
原図の左右対称の鎖骨上と傍脊椎集積はCTで脂肪組織に位置し、褐色脂肪を示唆する。寒冷刺激で増し保温・季節で減ることがあるが、次回同じ条件で必ず消失するとは限らない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 鎖骨上の集積はあるが、融合像では節腫大や脂肪内腫瘤より脂肪組織の生理的分布に合う。
- b:誤り — 左右対称性と脂肪内分布からリンパ節転移の断定は不適切。季節性変化の可能性は妥当。
- c:正しい — 鎖骨上と傍脊椎の脂肪分布、温暖期に低下し得る性質が整合する。
- d:誤り — 節転移・脂肪肉腫とする病的解釈が、対称性・CT脂肪分布に合わない。
- e:誤り — 傍脊椎と季節性は合うが、脂肪肉腫と断定する根拠がない。
根拠・参考文献
- EANM FDG PET/CT tumour imaging guideline version 2 (2015):褐色脂肪の温度依存集積と保温、CTでの局在確認。
B-3.腫瘍核医学・問6
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
疾患名が適用一覧にあることと、病理未確定原発腫瘍の鑑別診断に利用できることは別である。出題時点の通知本文と対象範囲を十分特定できず、現在の適用を旧設問へ遡って正答にしない。解答候補も確証なく記載しない。
各選択肢の解説
- a:未確定 — 膵と食道の臨床利用はあるが、出題年の原発鑑別という限定条件を通知と突き合わせる必要がある。
- b:未確定 — 膵腫瘤鑑別と大腸の病期・再発評価を同一の適用とみなさず、旧通知を要確認。
- c:未確定 — 食道・リンパ腫の適用には病理診断や目的の条件があり、疾患名だけでは決めない。
- d:未確定 — リンパ腫・乳癌の画像評価は利用されるが、原発鑑別への旧適用を確認できていない。
- e:未確定 — 乳癌・大腸癌の病期や再発利用と、原発の鑑別目的は分けて確認する必要がある。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 FDG PET/PET-CT診療ガイドライン2020:FDG保険適用の2002年以降の改訂経緯と、疾患・目的・PET/PET-CT条件の違い。出題当時の原通知確認は未完。
B-3.腫瘍核医学・問7
解答例:d
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
原図の副腎・仙骨を含む病変はPETとCTを合わせ評価する。正常副腎にもFDGは取り込まれ、骨病変の感度も溶骨・造骨で異なる。腕位置によるCTアーチファクトと横隔膜付近の呼吸ずれが局在判断を妨げ得る。
各選択肢の解説
- a:誤り — 腫大のない副腎にも生理的取り込みはあり、FDGが造骨性だけに強いという比較も逆方向。
- b:誤り — 正常副腎集積の否定と、脳転移でFDGが造影MRIより高感度という主張が誤る。
- c:誤り — 腕位置の配慮は妥当だが、骨転移の造骨・溶骨への感度関係が不適切。
- d:条件付きで正しい — 腕を下げる際の位置配慮と、肝・横隔膜近傍の呼吸ずれが論点。ただし全装置で腹部上配置が必ず最良という意味ではない。
- e:誤り — 呼吸ずれは合うが、脳の高い生理的FDGを背景とする転移検出はMRIに劣る。
根拠・参考文献
- EANM FDG PET/CT tumour imaging guideline version 2 (2015):腕位置・CTアーチファクト、自由呼吸PETとCTの位置ずれ、生理的集積。
B-3.腫瘍核医学・問8
解答例:b
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
良性・低異型度IPMNは低集積のことが多いが悪性化すると増す場合がある。炎症も強く取り込むため、FDG単独で膵癌を除外・確定しない。IgG4高値や唾液腺病変は主に1型AIPで、腫瘤形成性膵炎全般や2型AIPに一般化しない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 低異型度IPMNと炎症集積は合うが、腫瘤形成性膵炎全体が硬化性唾液腺炎を合併しやすいとはいえない。
- b:出題意図として妥当 — 低異型度IPMN、炎症による高集積、1型AIPのIgG4関連性を組み合わせている。IPMN悪性例・2型AIPは例外。
- c:誤り — 低集積例とIgG4関連性はあるが、AIPと癌の鑑別を集積のみで容易とはしない。
- d:誤り — 炎症集積は合うが、全腫瘤形成性膵炎へのIgG4病変の一般化と容易な癌鑑別が不適切。
- e:誤り — 1型AIPの全身病変・IgG4は関連するが、FDGだけで癌を容易に分ける主張が誤る。
根拠・参考文献
- UEG/SGF European guideline on IgG4-related digestive disease (2020):IgG4関連消化器疾患は形態・組織・血清・他臓器・治療反応を総合診断する。FDGやIgG4単独では診断しない。
- EANM FDG PET/CT tumour imaging guideline version 2 (2015):FDGは悪性腫瘍に特異的でなく炎症にも集積する。
B-3.腫瘍核医学・問9
解答例:e
考え方
PET/CTのCTは減弱補正用の低線量と診断用で目的が違う。金属によるCT値の異常は補正PETに偽集積を生むため、非補正像や元CTを参照する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 深吸気CTは自由呼吸PETと横隔膜位置がずれやすく、位置合わせ目的では適切な浅呼吸等を選ぶ。
- b:誤り — 補正法を替えるだけで全定量値が必ず二倍になるわけではなく、較正やCT変換を管理する。
- c:誤り — 低線量CTは減弱・位置参照に適した選択肢。診断CTが必要なら別途目的に応じ撮像する。
- d:誤り — 希釈経口造影剤は適切な濃度・条件で使える。高濃度による補正誤差の可能性と絶対禁忌は別。
- e:正しい — 補正によってのみ強く見える集積かを、非補正像と対照して判断する。
根拠・参考文献
- EANM FDG PET/CT tumour imaging guideline version 2 (2015):CT用途、呼吸法、造影剤濃度、金属によるCT-ACアーチファクトと非補正像の確認。
B-3.腫瘍核医学・問10
解答例:d
考え方
Sr-89は骨転移痛の緩和を狙うβ線治療で、骨折の機械的予防や即時の骨安定化を期待する治療ではない。骨髄予備能と腎機能を確認し、長い半減期と回復期間を踏まえて再投与する。現在の国内供給・承認運用は別途確認する。
各選択肢の解説
- a:誤った組合せ — 骨折予防と骨髄確認不要は誤りだが、基準を満たす外来退出は可能である。
- b:誤った組合せ — 骨折予防の断定は誤るが、適切な外来運用と新たな痛みを遅らせる可能性まで誤りとはしない。
- c:誤った組合せ — 一か月ごとの再投与は不適切だが、他の二点は条件付きで成立する。
- d:正答 — 骨折予防の代替、骨髄評価不要、短い間隔での反復という三つの不適切な説明。
- e:誤った組合せ — 骨髄と再投与は誤るが、新たな痛みへの影響を一律に否定しない。効果は個人差がある。
根拠・参考文献
- EANM bone metastasis beta-emitter therapy guideline (2018):血算・腎機能・病的骨折等の適応、Sr-89再投与間隔と鎮痛目標。
B-3.腫瘍核医学・問11
解答例:d
考え方
低代謝・小型のすりガラス病変はFDG陰性でも悪性を否定できない。一方肉芽腫や治療後炎症は偽陽性となる。扁平上皮癌のGLUT1高発現という集団傾向を個々の腫瘍の確定診断に用いない。
各選択肢の解説
- a:誤り — GGOの判別限界と肉芽腫の偽陽性は合うが、照射直後の判定は炎症に妨げられる。
- b:誤り — 照射直後を推奨する点と、高分化腺癌を一般に高集積とする点が不適切。
- c:誤り — 扁平上皮癌の傾向は合うが、照射直後の評価と高分化腺癌の高集積という説明が誤る。
- d:正しい — GGOの限界、サルコイドの炎症集積、扁平上皮癌でのGLUT1高発現の傾向を選ぶ。
- e:誤り — 炎症と扁平上皮癌の傾向は合うが、高分化腺癌では低集積例があり一般化できない。
根拠・参考文献
- Brown et al. Glucose transporters and FDG uptake in untreated primary NSCLC (1999):腺癌より扁平上皮癌でFDGとGLUT1が高かった原著。
- EANM FDG PET/CT tumour imaging guideline version 2 (2015):炎症・放射線治療後変化と、小型・低代謝腫瘍の検出限界。
B-3.腫瘍核医学・問12
解答例:a
考え方
原図は右後斜位で局所灌流低下に対して換気がより保たれ、不一致を認める。肺癌に伴う肺血管圧迫・浸潤などを考えるが、シンチだけで閉塞原因を確定しない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 灌流欠損域で換気が相対的に保たれ、換気血流不一致に相当する。
- b:不適切 — 無気肺なら換気と灌流の両方が低下しやすく、提示像の不一致を単純には説明しない。
- c:不適切 — 換気低下に伴う低酸素性血管収縮だけでは換気が保たれる不一致を説明しにくい。
- d:誤り — 換気は右肺全体で失われておらず、広範な全肺換気障害とは読めない。
- e:不適切 — 腫瘍性血管障害は候補だが、血流欠損だけでは血栓等と区別できずCT等で確認する。
根拠・参考文献
- EANM ventilation/perfusion SPECT guideline (2019):換気灌流不一致と一致欠損、非塞栓性血管障害を含む鑑別。
B-3.腫瘍核医学・問13
解答例:c
考え方
原図の環状増強病変は病歴と合わせ脳膿瘍を疑い、MAAの全身への通過は右左シャントを示唆する。肺動静脈奇形を介する菌塞栓はHHTに関連する。診断確定には家族歴・鼻出血・毛細血管拡張・血管画像等を確認する。
各選択肢の解説
- a:不適切 — NF1の代表的腫瘍・皮膚所見ではなく、肺シャントと感染性脳病変の組合せを説明しにくい。
- b:不適切 — 顔面毛細血管奇形と軟膜血管病変を主とする病態で、肺動静脈奇形による脳膿瘍の典型ではない。
- c:正しい — HHTでは肺AVMによる右左短絡があり、肺毛細血管の濾過を迂回して脳膿瘍等を来し得る。
- d:不適切 — VHLの中枢神経血管芽腫等と、肺シャントを介した感染の組合せは異なる。
- e:不適切 — 皮質結節や上衣下結節の病態ではなく、環状増強病変と肺シャントの組合せに合わない。
根拠・参考文献
- International HHT guidelines: pulmonary AVMs:肺AVMに脳膿瘍・脳梗塞等の重大合併症があること。
- EANM ventilation/perfusion SPECT guideline (2019):MAAが右左短絡で体循環へ流出する機序。
B-3.腫瘍核医学・問14
解答例:a
考え方
分化を保つHCCでは肝細胞由来の脱リン酸化能が残り、FDG-6リン酸の細胞内保持が弱い場合がある。高悪性度HCCは高集積もあり、肝細胞癌全般をFDG陰性とはしない。
各選択肢の解説
- a:正しい — G6Paseによる脱リン酸化と排出がFDG保持を減らす方向に関わる。
- b:不適切 — 肝細胞受容体の標的はGSAで、FDGの脱リン酸化を直接説明しない。
- c:不適切 — ドパミン受容体はFDG保持低下の機序ではない。
- d:不適切 — トランスフェリンはGa等の分布に関わるが、FDG脱リン酸化の中心機序ではない。
- e:不適切 — 糖残基に関連した用語であっても、FDGリン酸化・脱リン酸化の酵素を代替しない。
根拠・参考文献
- Torizuka et al. Glucose metabolism in HCC with FDG-PET (1995):切除HCCで酵素活性・分化度とPET動態を比較し、G6Paseとk4が取り込みを修飾した原著。
B-3.腫瘍核医学・問15
解答例:b
考え方
原図では腹部の異常集積と、肝・尿路を含むMIBGに合う分布を認める。小児で腎を圧排する腹部腫瘍から神経芽腫を考え、24時間後のI-123 MIBG像が整合する。
各選択肢の解説
- a:不適切 — BMIPPは心筋脂肪酸画像が主目的で、腹部神経芽腫の標準薬ではない。
- b:正しい — 神経芽腫に取り込まれるカテコラミン類似体で、一日後の分布と病態に合う。
- c:不適切 — MIBIも腫瘍に集積し得るが、Tcの短半減期で24時間後をこの目的の標準像とはしない。
- d:不適切 — 骨病変検索には用いるが、原図は骨格を中心とするMDP分布ではない。
- e:不適切 — FDGなら511keV同時計数PETで、半減期からも投与翌日平面像は合わない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):MIBGの神経堤由来腫瘍標的、正常分布、撮像時期と各核種半減期。
B-3.腫瘍核医学・問16
解答例:d
考え方
原図では長管骨皮質に沿う左右対称の線状集積と関節周囲集積が目立ち、肥大性骨関節症を考える。肺疾患など二次性原因の評価を進めるが、この骨像だけで原疾患を特定しない。
各選択肢の解説
- a:不十分 — 関節集積だけでなく長管骨の骨膜側線状分布があり、多関節炎だけでは説明しにくい。
- b:不適切 — 代謝性骨疾患では頭蓋・顎・体幹なども含む分布をみるが、この図は長管骨周辺の骨膜反応が中心。
- c:誤り — 肺野自体のびまん性骨外集積を主所見とする像ではない。
- d:正しい — 長管骨の対称性皮質・骨膜集積が典型的な手掛かりとなる。
- e:不適切 — 不均一な軸骨格中心の多発転移より、対称的な骨膜反応に合う。
根拠・参考文献
- EANM bone scintigraphy guideline (2016):骨膜反応・長管骨線状分布と転移性・代謝性病変の鑑別。
B-3.腫瘍核医学・問17
解答例:e
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
無痛性甲状腺炎は合成亢進ではなくホルモン漏出による一過性甲状腺中毒を来す。甲状腺自己抗体はしばしば陽性だが全例ではなく、出産後に発症することがある。通常は合成阻害薬の適応ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 自己抗体は陽性例があるが、高CRPや軽症Graves病という説明は不適切。
- b:誤り — 産後との関連は合うが、著明炎症反応とGraves軽症型の扱いが誤る。
- c:誤り — 抗甲状腺薬不要と産後関連は合うが、著明CRPを典型とする点が誤る。
- d:誤り — 自己免疫性と薬剤不要は合うが、合成亢進型のGraves病とは別機序。
- e:条件付きで正しい — 自己抗体の関与、合成阻害薬を通常使わないこと、産後発症を組み合わせている。抗体陰性例もある。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI thyroid scintigraphy guideline (2019):破壊性甲状腺中毒と合成亢進の鑑別、低い取り込み。
B-3.腫瘍核医学・問18
解答例:d
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
原図は広い骨格筋取り込みと低い脳集積が目立ち、食事・糖負荷・直近インスリンによる分布変化を疑う。前日の強い運動も影響し得るが、下肢の運動だけで全身のこの分布を一義的に説明しない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 食事とインスリンは原因となるが、通常の非イオン性造影剤単独でこの筋肉優位分布を生むとはしない。
- b:不適切 — 食事や運動は影響し得るが、造影剤を同列の主要機序に含めるのは不適切。
- c:不適切 — 糖輸液と運動は関係し得るが、造影剤による直接変化が根拠不足。
- d:最も妥当 — 食事、直近のインスリン、持続糖輸液はいずれも高インスリン状態と競合を介し筋取り込みを増やす。
- e:条件付きで不適切 — インスリン・糖輸液は合う。運動も影響するが、局所的下肢運動より食事を含む全身性代謝条件が原図に整合する。
根拠・参考文献
- ADS/ANZSNM FDG PET-CT guideline for diabetes (2024):高インスリン血症による非標的骨格筋集積、製剤と投与間隔に応じた前処置。
- EANM FDG PET/CT tumour imaging guideline version 2 (2015):絶食・運動回避・糖輸液と診断用造影剤の取扱い。
B-3.腫瘍核医学・問19
解答例:c
解答候補(成立条件を本文に記載)
考え方
adosterolは副腎皮質シンチグラフィの診断薬で、通常の内用療法薬ではない。I-131を標識したからといって全薬剤が治療適応を持つわけではない。原本のSrCl3は化学式の誤記で、治療薬は塩化ストロンチウムSrCl2として読む場合にcが成立する。
各選択肢の解説
- a:治療に使う — I-131ヨウ化物は甲状腺の良性過機能・分化癌等に利用される。
- b:治療に使う — I-131 MIBGは適応・集積を確認した神経内分泌系腫瘍の治療に用いる。現行承認条件は別途確認する。
- c:診断用・正答 — 副腎皮質の機能局在を撮像する薬剤で、通常の内用療法には使わない。
- d:原文誤記に注意 — Sr-89の塩化物治療は実在するが、塩化物の正しい化学式はSrCl2である。原文のSrCl3を実在製剤として転載しない。
- e:治療に使う — Y-90標識抗CD20抗体は特定のB細胞リンパ腫に用いた放射免疫療法である。
根拠・参考文献
- PMDA アドステロール注 電子添文:診断用副腎皮質薬の適応・用法。
- EANM bone metastasis beta-emitter therapy guideline (2018):Sr-89 chlorideによる骨転移痛治療。
- IAEA Nuclear Medicine Physics handbook (2014):I-131・Y-90標識薬の核医学治療と診断の区別。
B-3.腫瘍核医学・問20
解答例:d
考え方
原図では恥骨部の局所集積を認めるが、乳癌既往だけで転移と決めない。スポーツ・外傷歴、再撮像やSPECT/CT、MRIで骨内病変と軟部の汚染を区別し、疲労骨折等を評価する。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 転移は鑑別だが、同じ集積を転移と尿汚染の両方に確定できない。位置と追加画像を要する。
- b:不適切 — 転移を先に断定せず、MRI等の局所形態評価を優先して鑑別する。FDGでも炎症・骨折の偽陽性がある。
- c:不適切 — 問診は必要だが、尿汚染と決める根拠は不十分。除染や再撮像で確認する。
- d:正しい — 負荷・外傷歴と、骨髄浮腫・骨折線・腫瘤を評価できるMRIの組合せが妥当。
- e:不適切 — MRIは有用だが、この段階で全例にFDGを次の必須検査とする根拠はない。
根拠・参考文献
- EANM bone scintigraphy guideline (2016):骨折・外傷・汚染等の非特異的集積と形態画像による鑑別。