この回の出題傾向
この回の公開選択式は60問で、内訳は物理・機器・解析9問、製剤・品質管理8問、安全管理・線量・法規5問、脳神経9問、循環器9問、腫瘍・炎症4問、内用療法5問、一般臓器・検査手技11問です。
同じ公開60問形式の他13回平均に比べ、製剤・品質管理は2.6問多く、脳神経は1.4問少ない構成です。
代表的なテーマはドーズキャリブレータの校正と容積効果、アセタゾラミド負荷と脳血管反応性、負荷欠損の再分布と残存生存性、副腎皮質腺腫とアドステロール集積です。問題数の差は難易度の差を示すものではありません。
公開選択式60問を主題により当サイトで一問一分類。公式の分野配点ではない。 比較は同じ公開形式の他回に限り、主題の重複計上はしていません。
核医学専門医試験・第9回(2012年)
問題は日本核医学会のHPを別タブで開いて確認しながら取り組んでください。問題文・選択肢・画像は掲載していません。
問題番号を押すと、出題テーマ・解答例・各選択肢の判定理由・根拠資料を確認できます。非公式の解答例です。未確定の項目は理由を明記しています。
解答候補として掲載:問14、問17、問21、問25、問48、問50、問51、問55、問59。解答未確定:問4、問34、問37、問45、問53。各項目に理由を記載しています。
総合・問1
解答例:c・d
考え方
放射能は半減期ごとに半分になる。親核種の供給と娘核種の消失が釣り合うには娘の寿命が親より短いことが必要。
各選択肢の解説
- a:誤り — 通常の核医学で扱う壊変率は圧力変化で実用上変わらない。
- b:誤り — 壊変定数は半減期の逆数に比例し、短寿命ほど大きい。
- c:正しい — 24時間は4半減期なので、残存率は2のマイナス4乗。
- d:正しい — 娘の方が早く減衰する条件で永続平衡・過渡平衡が成立する。
- e:誤り — 比放射能は質量や物質量当たりの放射能で、体積当たりは放射能濃度。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:壊変則、放射平衡、放射能の単位。
総合・問2
解答例:c・d
考え方
消滅光子も体内で減弱・散乱するため補正が必要。静止した電子と陽電子の対消滅で生じる光子は、基本的に511keVである。
各選択肢の解説
- a:正しい — 原子核の準位差に対応するエネルギーが光子として放出される。
- b:正しい — 光電吸収・コンプトン散乱・十分な高エネルギーでの対生成が光子相互作用の主要機序。
- c:誤り — 511keVでも水・生体による減弱を無視できず、深部ほど検出確率が変わる。
- d:誤り — 通常の対消滅光子は線状のエネルギー分布で、ベータ粒子の連続分布とは異なる。
- e:正しい — 核の準位が離散的なので放出ガンマ線も離散的なエネルギーを持つ。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:核の遷移、対消滅、光子減弱。
総合・問3
解答例:e
考え方
バックグラウンドなどが既に適切に処理されている前提で、毎秒12カウントを検出効率0.8で割ると15Bqになる。
各選択肢の解説
- a:誤り — 5Bqなら効率0.8で毎分240カウントとなり観測値より少ない。
- b:誤り — 7Bqでは毎分336カウントで観測値に届かない。
- c:誤り — 10Bqでは毎分480カウントとなる。
- d:誤り — 12は毎秒の観測計数率であり、効率を補正する前の値。
- e:正しい — 720÷60÷0.8から15Bq。統計的不確かさも同じ換算係数を掛ける。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:検出効率、cpmとBqの関係、計数統計。
総合・問4
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
dの自動核種判別は誤り。一方、電離箱の応答は容器・液量・測定位置による校正差がある。aの測定時間に関する条件も検討を要し、誤り2肢を現資料だけで確定しない。
各選択肢の解説
- a:条件に依存 — 電離箱は電流を測るが、積分や平均化により指示のばらつきを改善できる。計数器の単純な測定時間則をそのまま適用しない。
- b:正しい — 注射器・バイアルを所定のホルダで井戸内に入れ、その内容全体の放射能を測る。
- c:正しい — 核種ごとの応答で校正した読み値をBqとして表示する。
- d:誤り — 通常は操作者が核種設定を選ぶ。エネルギースペクトルによる核種同定装置ではない。
- e:条件付きで正しい — 基準と異なる容器・液量では補正や校正確認が必要になり、不要と一律にはいえない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:9.1章の電離箱、核種別校正、9.1.3.6容器と容積の影響。
総合・問5
解答例:a・e
考え方
通常のPETは消滅光子の同時計数で方向を決める。異なるPET核種でも基本の光子エネルギーは同じなので、SPECTのようなエネルギー窓による二核種分離はできない。
各選択肢の解説
- a:関係しない — ファンビームはSPECTなどの機械的方向選択に用い、通常のPETに装着しない。
- b:関係する — OSEMはPETでも広く用いる逐次近似の再構成法。
- c:関係する — 外部線源の透過測定で減弱マップを得る方式がある。
- d:関係する — 装置間で放射能濃度の尺度を合わせることが定量に重要。
- e:通常の方式では関係しない — 別核種の消滅光子も511keVなので、核種別のエネルギー窓収集にはならない。特殊な多核種研究とは区別する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:PET同時計数、減弱補正、クロス校正。
総合・問6
解答例:c・d
考え方
高エネルギー光子には隔壁透過を抑えるコリメータを選ぶ。広いエネルギー窓は散乱光子を多く含み、画質のコントラストを損なう。
各選択肢の解説
- a:正しい — 従来のAngerカメラは方向選択、発光、光の電気信号化の順に構成される。
- b:正しい — 孔を大きくするなど感度を増す変更は、一般に位置分解能との交換条件になる。
- c:誤り — Ga67の高い光子エネルギーには、Tc99m用より隔壁の厚い中エネルギー型などを使う。
- d:誤り — 窓を広げると低エネルギー側へ散乱した光子も入りやすい。
- e:正しい — 平行孔の幾何学的ぼけは検出器から遠いほど増えるため、近接収集が有利。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:平行孔コリメータの幾何学、隔壁透過とエネルギー窓。
総合・問7
解答例:b・c
考え方
透過線源とCTでは減弱マップを得る方法が異なる。CTは長時間平均となるPETの横隔膜位置と整合させ、金属部は未補正像でも確認する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 従来の外部線源透過収集は長いため、全撮像を息止めで行う標準手順ではない。
- b:正しい — 点状または棒状の外部線源を移動させて透過データを測る方式がある。
- c:正しい — 安静呼吸または安静呼気でのCTは、深吸気CTよりPETとの横隔膜位置ずれを抑えやすい。
- d:誤り — 金属は減弱係数の誤推定による偽高集積を生じ得る。「通常低値」と固定しない。
- e:誤り — 通常の診断用X線電圧でCTを撮り、CT値を511keVの減弱係数へ変換する。
根拠・参考文献
- EANM FDG腫瘍PET/CT指針2015:減弱補正CTの呼吸指示と金属アーチファクト。
- IAEA Nuclear Medicine Physics:外部線源透過測定とCT値の変換。
総合・問8
解答例:a・b
考え方
同じ分布・撮像条件のまま放射能を増やすと、被曝と偶発同時計数が増える。多ければ常に高画質になるわけではなく、装置の計数損失にも制約される。
各選択肢の解説
- a:正しい — 同じ薬剤で他条件が一定なら、放射能を増すほど臓器への放射線量も増える。
- b:正しい — 偶発事象は概ね単独計数率の積に比例し、放射能を上げると真の同時計数より速く増える。
- c:誤り — 散乱割合は主に体格・撮像幾何などに依存し、投与量だけで一律に増すとはしない。
- d:誤り — 検出器サイズや陽電子飛程などの分解能因子は投与量増加だけでは改善しない。
- e:誤り — 生物学的な腫瘍と背景の取り込み比を、放射能の一律増加だけで変えるわけではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:PETの真・散乱・偶発計数、投与量と線量。
総合・問9
解答例:c
考え方
実効半減期の逆数は物理と生物学的半減期の逆数の和。Tc99mの物理的半減期を6時間として、生物学的半減期は3時間となる。
各選択肢の解説
- a:誤り — 1時間なら実効半減期は約0.86時間で短すぎる。
- b:誤り — 2時間なら実効半減期は1.5時間となる。
- c:正しい — 1/2−1/6=1/3である。
- d:誤り — 4時間なら実効半減期は2.4時間となる。
- e:誤り — 6時間なら実効半減期は3時間で提示値と異なる。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:実効半減期の関係式。
総合・問10
解答例:a・e
考え方
診療に供給される代表的な製造法を問う。荷電粒子照射で作るI123とTl201を、炉内中性子反応・核分裂由来の核種と区別する。
各選択肢の解説
- a:正しい — I123はサイクロトロンの荷電粒子反応を利用して供給される。
- b:誤り — I125の一般的な供給はキセノン標的への中性子照射など原子炉を利用する。
- c:誤り — I131は原子炉の核分裂・中性子反応に由来する供給が代表的。
- d:誤り — Xe133は核分裂生成物として得られる。
- e:正しい — Tl201はサイクロトロンで生成した親核種からの製造を利用する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:医用核種の製造経路。
総合・問11
解答例:b・c
考え方
過テクネチウム酸を還元して配位子と結合させる。ECDを一律30分以内に使うという説明は誤りで、調製条件と使用期限は製剤添文で確認する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 酸素は還元剤の酸化を促し得るので、キット指定外の空気混入を避ける。
- b:誤り — Tcの高い酸化状態を下げて錯体形成を可能にするので、基本は還元。
- c:誤り — ECDにHMPAOの旧来の短い使用時間をそのまま適用しない。製剤ごとの安定時間が異なる。
- d:正しい — MAG3は規定の加熱工程により標識する。
- e:概ね正しい — ジェネレータ溶出後、Mo99からTc99mが再蓄積するため翌日頃に高い収量が得られる。厳密な平衡到達時刻と同一ではない。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版:キット調製・安定性と製剤ごとの条件。2026版を現在の説明根拠に使用。
- IAEA Nuclear Medicine Physics:Mo99/Tc99mの成長・過渡平衡。
総合・問12
解答例:b・c
考え方
壊死に対する抗体の結合、カリウム類似体の取り込み、ミトコンドリア膜電位を利用する製剤は区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — ピロリン酸は傷害組織のカルシウム沈着などに関連して集積する。Na/K輸送系の代表はTl201。
- b:正しい — 細胞膜が損傷して露出した心筋ミオシンへ標識抗体が結合する。
- c:正しい — Tl塩化物は水溶性の一価陽イオンとして投与する。
- d:誤り — 一般にTl201の初回抽出率はMIBIより高い。投与放射能の大小とは別の概念。
- e:誤り — 通常のtetrofosminキット標識は室温反応で、MIBIの加熱調製と混同しない。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:心筋画像製剤の機序と抽出率。
- 日本核医学会 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版:Tc99m各キットの調製条件。
総合・問13
解答例:c・d
考え方
FDGは糖代謝、O15-COは血液量、水やCO2由来のO15は血流を評価する。MAG3のクリアランスは有効腎血漿流量の推定に使うが、真の血漿流量そのものではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — FDGはリン酸化後の組織内蓄積を利用し、主にブドウ糖代謝をみる。
- b:誤り — 吸入CO2は速やかに水へ移行し脳血流を反映する。血液量用のCOと区別する。
- c:正しい — MAG3は尿細管分泌を受け、そのクリアランスから有効腎血漿流量を推定する。
- d:正しい — BMIPPは心筋の脂肪酸取り込みと代謝を反映する製剤。
- e:誤り — IMPの標準用途は脳血流で、心筋灌流の標準製剤ではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:各トレーサの動態と生理的標的。
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:BMIPPの心筋脂肪酸代謝。
総合・問14
解答例:c
解答候補(出題当時の条件・成立条件を本文に記載)
考え方
放射性医薬品も自己放射線により化学分解するため、放射化学的純度と有効期限の管理が必要。微量投与でも添加剤や過敏反応は別に注意する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 物理的減衰に加え化学的安定性もあり、調製後の使用時間は短い。
- b:通常は正しい — 診断薬の有効成分は微量で、標的の薬理作用は通常小さい。ただし添加剤作用や副作用まで否定しない。
- c:誤り — 放射線分解で遊離核種などが生じ得るため、医薬品であることは分解しない理由にならない。
- d:時点依存 — 試験当時の薬事上の区分を指す。現在の処方箋医薬品等の表示と旧制度名をそのまま同一視しない。
- e:正しい — 診療用放射性同位元素の使用・施設・安全管理には医療法関係規則が適用される。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版:放射線分解、品質管理、法令を踏まえる放射性医薬品の取扱い。
総合・問15
解答例:a
考え方
長寿命のTc99が増すことは、目的とするTc99m標識に有利とは限らず、試薬を競合消費して標識を妨げ得る。キット指定の液量・放射能範囲を守る。
各選択肢の解説
- a:誤り — Tc99の蓄積が還元剤や配位子を消費するため、標識率の向上を保証しない。
- b:概ね正しい — 同じ放射能でも製造・輸送や溶出履歴が異なると、長寿命核種Tc99の量が異なる。
- c:正しい — 過大な液量は試薬濃度を下げ、許容範囲外では錯体形成が不十分になり得る。
- d:正しい — 調製後希釈で安定性が損なわれる製剤があり、任意の希釈を安全としない。
- e:条件付きで正しい — 室温反応を指示する製剤は所定温度へ戻す。ただし加熱を要する製剤もあり全キット共通ではない。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版:キットの使用量・液量・保存温度・調製条件。
- IAEA Nuclear Medicine Physics:ジェネレータのTc99キャリアと標識に対する影響。
総合・問16
解答例:c・d
考え方
注射剤の調製・分注・溶出は微生物混入を防ぐ工程管理が必要。一方、回収しない試験試料の分析や室内粒子測定は、注射剤を無菌的に調製する行為そのものではない。
各選択肢の解説
- a:必要 — pH調整は注射薬となる液に操作を加えるため、製品汚染を防ぐ必要がある。
- b:必要 — 分注後に投与する製剤なので、無菌性を保つ工程が必要。
- c:通常は不要 — 分析用に分取して製品へ戻さない気体の純度測定は、無菌充填とは区別する。
- d:不要 — 室内の清浄度を調べる環境測定であり、製品に直接触れる調製操作ではない。
- e:必要 — 溶出液は注射用製剤の原料となるため、閉鎖系や接続部の清浄性を保つ。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版:調製時の無菌操作、製剤と環境の品質管理。
総合・問17
解答例:c・d
解答候補(出題当時の条件・成立条件を本文に記載)
考え方
試験時の法令名称と現在の制度は異なるが、製造施設と診療使用の両方に規制がある。医療機器として承認された合成装置を使う要件と、サイクロトロン自体の扱いを区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 加速器と放射性物質の製造は放射線安全の法規制を受ける。
- b:誤り — サイクロトロン自体に診療用合成装置と同じ医療機器要件を課す説明ではない。
- c:正しい — 院内FDGの保険診療では、合成装置の医療機器としての承認が要点になる。
- d:正しい — 学会の製造・品質保証・使用に関する指針を踏まえる必要がある。
- e:誤り — 院内製造であっても医療・医薬品・放射線安全の規制が消えるわけではない。
根拠・参考文献
- 厚生労働省2011年医療機器導入検討会議事録:FDG合成装置に関する2011年の承認と保険適用の議論。
- 日本核医学会 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版:院内製剤の品質管理と法令。
総合・問18
解答例:a・b
考え方
通常の診断核医学では主に確率的影響を最適化し、患者被曝に職業被曝のような一律年線量限度は設けない。FDGの実効線量係数約0.019mSv/MBqから185MBqは約3.5mSvとなる。
各選択肢の解説
- a:通常の診断では正しい — 通常投与の診断薬では組織反応の閾値に達しにくい。ただし治療や異常投与も含めて全核医学へ一般化しない。
- b:正しい — 185×0.019は約3.5。CT分は別途加わるのでPET/CT全体の線量とは異なる。
- c:誤り — MIRDは体内の放射能分布から内部被曝の吸収線量を求める体系。
- d:誤り — 核種、薬剤、投与量、CT条件で変わり、PETかSPECTかだけで大小を固定できない。
- e:誤り — 正当化・最適化を行うが、患者診療へ一律50mSv/年という線量限度を適用しない。
根拠・参考文献
- EANM FDG腫瘍PET/CT指針2015:FDGの線量係数とPET/CTでのCT線量。
- IAEA Nuclear Medicine Physics:内部被曝線量と患者防護の原則。
総合・問19
解答例:a
考え方
I131は甲状腺組織に取り込まれて長く滞留し、バセドウ病治療では甲状腺に高い吸収線量を与える。被曝低減を目的とする日常的な利尿薬投与は一般化しない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 治療の標的となる甲状腺への選択的取り込みと滞留が線量を高くする。
- b:誤り — 通常は水分摂取と排尿を促す。利尿薬は適応を選んで使用し全例必須ではない。
- c:誤り — 純ベータ核種の体内臓器線量を、患者外側の電離箱測定だけで直接評価できるわけではない。
- d:根拠に乏しい — IMPの臓器線量は薬剤の分布・排泄に依存する。通常の呼吸様式だけを主要決定因子とする記載ではない。
- e:誤り — 肝胆道排泄製剤では胆道・胆嚢への滞留が重要で、尿路排泄薬と同じ線量分布ではない。
根拠・参考文献
- EANM良性甲状腺疾患I131治療指針2023:甲状腺へのI131線量と治療。
- EANM FDG腫瘍PET/CT指針2015:水分摂取・排尿による線量低減。
- IAEA Nuclear Medicine Physics:臓器動態と内部被曝計算。
総合・問20
解答例:d
考え方
臓器内の時間積分放射能に、線源臓器から標的臓器への単位放射能当たり線量係数を掛ける。ベータ成分の局所吸収も計算に含める。
各選択肢の解説
- a:誤り — 標準臓器モデル等による推定値であり、個々の患者の真の線量を無条件に直接測るものではない。
- b:誤り — 古典的なMIRDの分類ではベータ粒子は主に線源臓器内で吸収される非透過成分として扱う。
- c:誤り — ガンマ光子は臓器間を移動し得る透過成分として扱う。
- d:正しい — 電子などの局所的なエネルギー沈着を無視せず、吸収線量に組み込む。
- e:誤り — S値は特定の線源・標的の組合せに対する線量係数で、全身線量そのものではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:MIRDの時間積分放射能、S値、透過・非透過放射線。
総合・問21
解答例:c・d
解答候補(出題当時の条件・成立条件を本文に記載)
考え方
管理区域は外部線量だけでなく空気中濃度・表面汚染などの基準を含む。試験当時の所管と現行の所管は異なるため、名称だけを現在に置換して解説しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 基準の根拠となる法体系・所管の記載が一致しない。管理区域は外部放射線だけを対象とする定義でもない。
- b:誤り — 作業室の要点は非密封放射性物質を扱う工程であり、密封線源の通常使用室と同一ではない。
- c:正しい — 管理区域へ立ち入る取扱い・管理などの業務従事者が放射線業務従事者に該当する。
- d:正しい — 出入りを管理し、一時立入者にも放射線業務従事者の指示による安全管理を行う。
- e:誤り — 表面汚染は除染や持出制限などで管理する。超過した物を無条件に直ちに廃棄する規定ではない。
根拠・参考文献
- 放射性同位元素等規制法施行規則:管理区域、作業室、従事者と出入・汚染管理。現行条文から試験当時の大臣名を逆算しない。
総合・問22
解答例:a・e
考え方
摂取事故の都度測定するdは妥当で、内部被曝の恐れがある業務を年1回だけ測るeが不適切。通常の定期測定は3か月以内ごとを基本とする。測定部位と適用条件は法令に従う。
各選択肢の解説
- a:誤り — 均等被曝の基本測定部位は胸部または所定の場合の腹部であり、全員の頭部を基本とはしない。
- b:概ね正しい — 妊娠可能性等の規定に応じた女性の基本測定部位は腹部。例外条件は法令に従う。
- c:正しい — 入域中の被曝を把握できるよう個人線量計を継続装着する。
- d:正しい — 吸入・摂取が起こった場合には定期測定を待たず、速やかに内部被曝を評価する。
- e:誤り — 内部摂取の恐れがある場所では通常3か月を超えない周期で測定し、年1回という間隔は長すぎる。
根拠・参考文献
- 電離放射線障害防止規則:第8条の基本測定部位・継続測定・内部被曝測定周期と摂取時測定。
- 放射性同位元素等規制法施行規則:内部・外部被曝測定の管理。
総合・問23
解答例:c
考え方
局所血流の絶対値を安静と負荷で測り増加率を評価する。定性像の左右差だけでは、両側障害や基準領域の変化を見逃し得る。
各選択肢の解説
- a:誤り — MIBGは主に交感神経機能の製剤で、局所脳血流の定量に選ばない。
- b:誤り — 座位必須ではなく、安全な臥位管理と症状観察が重要。
- c:正しい — 基準時と負荷時の絶対血流量を定量することで血管反応性を比較できる。
- d:誤り — 負荷効果がある適切な時点に血流薬を投与する。60分以上待つ固定手順ではない。撮像時刻と血流の固定時刻も区別する。
- e:誤り — 一般的な1日法では安静を先に測り、残存放射能を補正して負荷を評価する。
根拠・参考文献
- 2021年もやもや病治療ガイドライン:安静時・アセタゾラミド負荷による血行動態評価。
- IAEA Nuclear Medicine Physics:血流薬の投与時点と定量モデル。
総合・問24
解答例:d
考え方
I123-iomazenilは中枢性ベンゾジアゼピン結合部位を画像化し、末梢型受容体の薬剤とは区別する。
各選択肢の解説
- a:関係する — パーキンソン病では心臓交感神経の障害によりMIBG集積が低下し得る。
- b:関係する — Patlak法は所定の条件下で不可逆取り込み過程の速度を解析する。
- c:関係する — PiBは線維性アミロイドに結合し、アルツハイマー病では皮質集積を認めることが多い。
- d:関係しない — iomazenilはGABA-A受容体複合体の中枢性結合部位を標的とし、末梢型のTSPOとは別。
- e:関係する — O15水とCO2由来の水は局所脳血流を評価する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:各脳トレーサとPatlakモデルの生理的標的。
- EANM脳FDG PET指針2022:認知症画像とアミロイド画像の位置づけ。
- Carbon-11 and iodine-123 labelled iomazenil: direct PET-SPET comparison:中枢神経組織のベンゾジアゼピン受容体結合を画像化すること。
総合・問25
解答例:e
解答候補(出題当時の条件・成立条件を本文に記載)
考え方
発作時にはHMPAOとECDの両方が使用可能。ただし非安定化HMPAOとの比較では、準備しておけるECDが早期注入と局在診断に有利だった原著があり、試験の想定解eをその条件で採る。
各選択肢の解説
- a:不適 — FDGの取り込みは時間的に広がり、短い発作瞬間の血流を固定する目的には合いにくい。
- b:優先しない — IMPにも血流評価用途はあるが、緊急投与の実用性と血流の固定にTc製剤が広く用いられる。
- c:不適 — 受容体評価であり、発作直後の血流上昇を記録する標準製剤ではない。
- d:適切な候補 — HMPAOは発作時SPECTで多数の検証があり、発作開始後速やかな注入が重要。
- e:条件付きで最適 — 準備済み製剤を発作時に速やかに投与でき、非安定化HMPAOとの比較研究では早期注入と局在診断が良好だった。安定化HMPAOを含む全条件での絶対的優越とはしない。
根拠・参考文献
- EANMてんかんPET/SPECT指針2024:発作時血流SPECTのHMPAO/ECDと早期注入。
- ECDとHMPAOの発作時SPECT比較原著1999:非安定化HMPAO群とECD群の比較でECDの注入遅延短縮・局在率改善。現代の全HMPAO製剤に対する絶対優越の証明ではない。
総合・問26
解答例:a・d
考え方
生存性は血流と糖代謝、壊死は膜障害等の指標を用いる。MIBGは交感神経機能・心不全の予後に有用だが、急性冠症候群の標準評価とは分ける。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 急性冠症候群の初期評価は心電図・心筋障害マーカー・冠動脈評価が中心で、MIBGを標準検査としない。
- b:適切 — 血流の低下に対してFDG代謝が保たれる領域は生存心筋を示唆する。
- c:適切 — 心臓MIBGは心不全の予後や治療反応の層別化に使われる。
- d:不適切 — Tl201は生存心筋の灌流・細胞機能を反映し、壊死を陽性像として描く薬剤ではない。
- e:適切 — BMIPPの代謝障害は安静時血流が回復した後にも残り、冠攣縮に伴う虚血の記憶を示すことがある。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:各製剤の適応と虚血・生存性・心不全評価。
総合・問27
解答例:b・e
考え方
N13アンモニアとRb82は心筋血流PETの代表的製剤である。脂肪酸代謝・交感神経機能の製剤と混同しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — IMPは標準的には脳血流用で、心筋灌流の代表的製剤ではない。
- b:正しい — N13アンモニアは血流に依存して心筋へ取り込まれるPET製剤。
- c:誤り — MIBGは心筋交感神経の取り込み・保持を反映する。
- d:誤り — BMIPPは心筋脂肪酸代謝を評価する。
- e:正しい — Rb82はカリウム類似体として心筋へ取り込まれ、PET灌流に使われる。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:心筋血流PETと代謝・交感神経製剤の分類。
総合・問28
解答例:b
考え方
tetrofosminは灌流・生存心筋の情報を与え、同期収集から容積と駆出率を推定できる。脂肪酸代謝を直接測る製剤ではない。
各選択肢の解説
- a:評価できる — 局所の取り込み分布は心筋灌流を反映する。
- b:評価できない — 脂肪酸代謝にはBMIPPなど別のトレーサが必要。
- c:評価に使える — 灌流が残る心筋や壁運動・肥厚から生存性の情報が得られる。陰性だけで完全壊死を確定する検査ではない。
- d:評価できる — 同期像の心内膜輪郭を解析し拡張末期・収縮末期容積を求める。
- e:評価できる — 両時相の容積差から駆出率を計算する。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:同期心筋SPECTの機能解析と生存性の適応。
総合・問29
解答例:b
考え方
FDGは癌専用の標識ではなく炎症や正常臓器にも集まる。腸管・卵巣・子宮は部位と生理周期、形態を合わせて解釈する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 炎症や良性腫瘍でも強い集積となり、強度のみで癌を確定できない。
- b:正しい — 唾液腺は正常でも左右対称に描出されることがある。
- c:誤り — 大腸の限局集積には腫瘍も生理的集積もあるため、必要に応じて内視鏡等で確かめる。
- d:誤り — 閉経前の排卵期・黄体などに生理的な卵巣集積がある。
- e:誤り — 子宮内膜は月経周期等に伴う生理的集積を示し得る。
根拠・参考文献
- EANM FDG腫瘍PET/CT指針2015:正常臓器のFDG取り込みと良性・炎症性集積。
総合・問30
解答例:e
考え方
I123-MIBGの腫瘍像は主に翌日撮像で評価し、7日待つI131副腎皮質シンチと取り違えない。早期・遅延像の組合せは薬剤と目的で変わる。
各選択肢の解説
- a:適切 — 腫瘍FDGは標準化した投与約1時間後の収集を基本とする。
- b:適切な範囲 — MIBIの早期像と遅延像で甲状腺との洗い出し差を見る。遅延時刻は手順により幅がある。
- c:適切な範囲 — Tl201は早期の腫瘍取り込みと遅延残留を比較する方法がある。
- d:歴史的には適切 — Ga67では背景が低下する数日後に腫瘍像を得る。現在の悪性黒色腫画像の第一選択という意味ではない。
- e:不適切 — I123-MIBGの標準的な腫瘍撮像は約24時間後で、7日後固定ではない。
根拠・参考文献
- EANM MIBG指針2010:I123-MIBGの撮像時間。
- EANM副甲状腺画像指針2021:副甲状腺MIBIの早期・遅延像。
- EANM FDG腫瘍PET/CT指針2015:腫瘍FDGの取り込み時間。
総合・問31
解答例:a・d
考え方
仙骨の不全骨折によるH型集積と、著しい骨代謝により腎が目立たないsuperscanを骨シンチの所見として認識する。
各選択肢の解説
- a:該当する — 仙骨両翼と横方向の骨折がH字状の集積を作る。全ての仙骨骨折で完全なH形となるわけではない。
- b:該当しない — 肺血流像の胸膜直下に残る灌流を表す語で、骨シンチの代表所見ではない。
- c:該当しない — Ga67の傍気管・両肺門のリンパ節分布を示す。
- d:該当する — 骨への高い取り込みにより腎描出が乏しいsuperscanなどで用いる。腎摘出等との鑑別は必要。
- e:該当しない — Ga67で涙腺・唾液腺の分布を顔貌に見立てた所見。
根拠・参考文献
- EANM骨シンチ指針2016:不全骨折とsuperscanの骨シンチ所見。
- Ga67サルコイドーシスのpanda・lambda sign原著:Ga67のpanda・lambdaパターン。
総合・問32
解答例:e
考え方
胆嚢への充満を評価するときは適切な絶食で食後収縮の影響を避ける。過度の長期絶食も胆嚢非描出の原因となるため、長ければよいわけではない。
各選択肢の解説
- a:通常は不要 — 腎動態検査では脱水を避け適切な水分状態を確保する方が重要。
- b:一律には不要 — 出血の有無と緊急性に応じる検査で、固定した食事制限が本質的前提ではない。
- c:通常は不要 — MIBIの腺局在評価に、胆嚢収縮を避けるような絶食条件は通常ない。
- d:通常は不要 — MAA分布を得る前提としての定型的絶食はない。
- e:必要 — 胆嚢評価では数時間の絶食を行い、食後の収縮で病的な非描出と誤ることを防ぐ。
根拠・参考文献
- SNM Hepatobiliary Scintigraphy 4.0:胆嚢評価の絶食と長期絶食による偽陽性。
総合・問33
解答例:c
考え方
MAAは注入時に肺微小循環へ一過性に捕捉されるため、その時の肺血流分布を記録する。標準化には仰臥位注入などの条件を揃える。
各選択肢の解説
- a:該当しない — 肝細胞受容体の集積は、注入時重力による肺内捕捉分布を示す検査ではない。
- b:該当しない — 心筋血流薬であり、MAAのような肺内機械的捕捉とは異なる。
- c:該当する — 座位と臥位では肺血流の上下分布が変わり、その差がMAA分布へ反映される。
- d:該当しない — 骨代謝に応じた数時間後の取り込みをみるので注入時体位で分布を固定しない。
- e:該当しない — 炎症・腫瘍への時間的集積をみる検査で、肺内捕捉とは異なる。
根拠・参考文献
- EANM肺換気血流SPECT指針2019:MAA投与の体位と重力による灌流差。
総合・問34
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
妊娠中でも肺塞栓を疑う低投与量肺血流検査は適応になり得る。選択肢を唯一の不適応へ絞る追加条件がなく、想定解eの確定は保留する。
各選択肢の解説
- a:実施意義がある — 高安動脈炎による肺動脈病変の灌流障害を評価できる。
- b:実施意義がある — 肺切除後の残存機能予測に左右・区域の血流割合を使える。
- c:条件付きで可能 — 肺動静脈シャント評価に利用されるが、右左シャントがあるためMAA粒子数などを調整する。
- d:病態次第で可能 — 膠原病肺では血管障害・肺高血圧・塞栓などを考え、検査目的と安全性を個別判断する。
- e:禁忌とはいえない — 妊娠中でも臨床的に肺塞栓が疑われれば、被曝を最適化した検査を正当化できる。
根拠・参考文献
- EANM肺換気血流SPECT指針2019:妊婦の肺塞栓診断、低投与量血流検査、右左シャント時の粒子数調整。
総合・問35
解答例:d
考え方
胆汁漏には肝細胞から胆道へ排泄される製剤を使う。DTPAは主に糸球体濾過されるので、通常の静注腎検査を胆汁漏検索と結びつけない。
各選択肢の解説
- a:適切 — 経直腸投与で門脈経由の肝・全身分布を解析し、門脈大循環短絡を評価した歴史的手法がある。
- b:適切 — コロイドは血中から速く消えるため、活動性出血部の局所蓄積を描く方法がある。標識赤血球が現在の代表的手法。
- c:適切 — GSAは機能肝細胞の受容体を反映し、肝硬変の機能評価に使う。
- d:不適切 — DTPAの腎排泄と胆汁排泄を取り違えている。
- e:適切 — PMTの胆道排泄を利用して新生児の胆汁流出を調べる。排泄の遅れだけで胆道閉鎖を確定しない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:肝胆道製剤、腎製剤、コロイドの動態。
- SNM Hepatobiliary Scintigraphy 4.0:胆汁漏と新生児黄疸の胆道シンチ適応。
総合・問36
解答例:b
考え方
投与後の時間が経っても両腎の皮質輪郭が強く残る像はDMSAに合う。動態・尿路排泄をみる製剤と区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — MAG3は速やかな尿細管分泌と尿路への移行をみるため、標準的な2時間後皮質静態像には選ばない。
- b:正しい — DMSAは腎皮質へ保持され、腎輪郭・瘢痕や左右機能差を遅延像で評価する。
- c:誤り — DTPAは糸球体濾過される動態薬で、皮質保持性はDMSAと異なる。
- d:誤り — Tl201は主に心筋などの生存組織を評価し、腎皮質静態像の標準薬ではない。
- e:誤り — HMDPなら骨格と尿路も描出され、両腎皮質だけを目的とした像と異なる。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:DMSAの皮質保持とMAG3/DTPAとの薬物動態の違い。
総合・問37
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
水分摂取・排尿は適切である。一方、HMDPなら必ず早期撮像できるとは一律にいえず、2肢の確定は保留する。造影検査との同日併用も薬剤・時刻・腎機能に応じて確認する。
各選択肢の解説
- a:概ね正しい — 水分摂取は背景と尿路線量の低減に有用。ただし心不全などの水分制限を尊重する。
- b:誤り — 利尿薬を検査のため一律に中止する手順ではない。適切な水分・腎機能管理が必要。
- c:一律には正しくない — 造影剤やキレート薬との相互作用、腎機能、投与順序を確認し、どの造影検査も無条件で問題ないとはしない。
- d:条件に依存 — 製剤間の骨/背景比の差はあり得るが、標準遅延撮像は概ね2~5時間で、HMDPなら必ず1時間という固定則にはしない。
- e:正しい — 直前排尿により膀胱による骨盤の重なりと不要な尿路被曝を減らす。
根拠・参考文献
- EANM骨シンチ指針2016:水分摂取・排尿、2~5時間の標準遅延像、薬剤干渉。
総合・問38
解答例:a
考え方
副脾には脾臓と同じ網内系機能がある。コロイドの取り込みはその組織機能を利用する。
各選択肢の解説
- a:正しい — スズコロイドは網内系で処理され、副脾の確認に利用できる。熱処理赤血球はより脾選択性が高い。
- b:誤り — 髄様癌は濾胞細胞由来でないので、分化型癌と同じヨウ素取り込みを通常期待しない。
- c:誤り — MIBGの標的はカテコールアミン系であり、肝芽腫の標準局在薬ではない。
- d:誤り — MIBIは過機能性の副甲状腺病変の局在に用い、低下症の標準機能検査ではない。
- e:誤り — In111-DTPAは髄液動態等の薬剤であり、再生不良性貧血の骨髄分布薬ではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:網内系・甲状腺・髄液製剤の標的。
- EANM副甲状腺画像指針2021:副甲状腺MIBIの局在適応。
総合・問39
解答例:a・c
考え方
間質へ投与した適切な粒子径のコロイドがリンパ路を流れ、最初の流入リンパ節に捕捉される。静注時の肺捕捉と区別する。
各選択肢の解説
- a:正しい — フチン酸は組織内でコロイドを形成し、リンパ節マッピングに使われる。
- b:誤り — 骨親和性リン酸化合物はリンパ節捕捉用コロイドの標準製剤ではない。
- c:正しい — スズコロイドは粒子がリンパ節へ移行・保持される性質を利用する。
- d:誤り — 標識赤血球は血液プールや出血検出用で、間質からのリンパ節検索薬ではない。
- e:誤り — MAAの粗大粒子は主に静注後の肺捕捉を利用し、標準的な乳癌リンパ節製剤ではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:リンパ流に対するコロイドの移行と捕捉。
- EANM/SNMMI乳癌センチネルリンパ節指針2013:リンパ節検索用コロイドと投与手順。
総合・問40
解答例:c・d
考え方
眼症の状態を事前に評価し、妊娠・授乳は禁忌として扱う。放射性ヨウ素の甲状腺取り込みを妨げる安定ヨウ素の影響を除き、治療施設の退出基準に従う。
各選択肢の解説
- a:誤り — 投与量や退出条件を満たす場合は外来治療も可能。
- b:誤り — 生物学的排泄が加わるため、実効半減期は物理的半減期を超えない。
- c:正しい — 眼症が悪化し得るため、活動性・喫煙等を評価し予防策や別治療を検討する。
- d:正しい — 胎児甲状腺への取り込みと被曝が問題となるので、妊娠中には行わない。
- e:誤り — 過剰な安定ヨウ素を減らす前処置が必要で、造影剤や薬剤歴も確認する。
根拠・参考文献
- EANM良性甲状腺疾患I131治療指針2023:眼症、妊娠、低ヨウ素準備とI131治療。
- 厚生労働省 放射性医薬品投与患者の退出2010:I131の退出条件。
総合・問41
解答例:c・d
考え方
Sr89の約50.5日は物理的半減期であり、排泄を含む実効半減期と同じではない。再投与は前回毒性からの回復を確認して検討できる。
各選択肢の解説
- a:誤り — 必要なのは骨親和性製剤の集積と痛みの対応であり、FDG集積を必須条件としない。
- b:誤り — 物理的減衰の値を生物学的排泄込みの半減期と混同している。
- c:正しい — 治療に利用するのは主にベータ粒子で、通常のガンマ画像による診断核種ではない。
- d:正しい — 非密封放射性医薬品の投与として所定の管理区域で行う。
- e:誤り — 骨髄機能の回復と適格性を再確認すれば、一定間隔をあけた再投与が可能。
根拠・参考文献
- EANMベータ核種による骨転移治療指針2018:Sr89の半減期・ベータ線・適格性と再投与。
- 厚生労働省 放射性医薬品投与患者の退出2010:Sr89投与と退出・管理条件。
関連する過去問
- 第7回(2010年)腫瘍・問10:Sr89の適応・再投与前の安全性確認
総合・問42
解答例:b・c
考え方
治療後早期の一過性疼痛増悪と、遅れて現れる骨髄抑制を区別して説明する。血小板や白血球を経時的に確認する。
各選択肢の解説
- a:主要な選択ではない — 腎機能は投与前に重要な評価項目だが、ここで問う代表的な治療後毒性は疼痛flareと骨髄抑制。
- b:正しい — 投与後一時的に痛みが増すことがあり、事前説明と鎮痛薬調整が必要。
- c:正しい — 骨髄への放射線影響により血小板減少が起こり得る。
- d:誤り — 肺線維症をSr89の代表的副作用として選ぶ根拠は乏しい。
- e:誤り — IgG4関連膵炎を本剤の典型的副作用とはしない。
根拠・参考文献
- EANMベータ核種による骨転移治療指針2018:pain flare、血小板減少と経時的血球監視。
総合・問43
解答例:a・d
考え方
両側の側頭頭頂連合野と後方内側部の代謝低下をAD型として解釈する。画像単独で確定せず、臨床・アミロイド所見を統合する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 一次感覚運動皮質が相対的に保たれる分布はAD型画像に合う。
- b:本像の特徴ではない — パーキンソニズムを主な特徴とするDLBを優先する後頭葉優位パターンとは異なる。
- c:誤り — ADを疑う患者にドネペジルが無効と一律に決めつけない。適応・有害事象を個別評価する。
- d:予想として正しい — ADの病理を持つ場合は皮質アミロイド集積が期待される。ただしFDG像からPiB陽性を保証するものではない。
- e:必然ではない — MIBG低下はDLBの支持所見で、AD型脳代謝低下から必ず予想する所見ではない。
根拠・参考文献
- EANM脳FDG PET指針2022:ADとDLBのFDG分布と画像バイオマーカーの統合。
- DLB Consortium 第4次診断・治療コンセンサス2017:DLBにおけるパーキンソニズム・MIBG等の位置づけ。
総合・問44
解答例:b
考え方
アセタゾラミド投与後の発熱と広範な皮疹はSJS/TENを疑う。画像のみで確定するものではなく、粘膜病変や皮膚剥離、臓器障害を緊急評価する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 腎性全身性線維症は主に重度腎障害と特定ガドリニウム製剤の関連を考え、本薬投与後の急性薬疹と異なる。
- b:最も適切 — アセタゾラミドには皮膚粘膜眼症候群や中毒性表皮壊死融解症の重大な副作用がある。
- c:誤り — 乳酸アシドーシスだけでは提示の広範な発疹を説明しない。
- d:誤り — Reye症候群の典型的年齢・誘因・脳肝障害の組合せとは合わない。
- e:可能性が低い — 先天性などの表皮水疱症より、薬剤投与との時間関係を持つ重症薬疹を優先する。
根拠・参考文献
- PMDA ダイアモックス患者向医薬品ガイド:アセタゾラミドのSJS/TEN、発熱・皮疹・粘膜症状の警告。
総合・問45
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
原図では左優位の前方側頭葉低下があり意味性認知症を考えるが、設問の記憶障害だけでは語義理解・呼称障害を確認できない。dを第一候補にしつつ確定は保留する。
各選択肢の解説
- a:鑑別に残る — ADは典型的には後部帯状回・楔前部と側頭頭頂の連合野低下が優位で、本像の前側頭優位とは異なる。
- b:可能性が低い — DLBなら後頭葉低下などを合わせて検討するが、その典型分布が主所見ではない。
- c:可能性が低い — PSPでは前頭・内側前頭などの障害と眼球運動・体幹症候を確認する。本例の情報は不十分。
- d:第一候補 — 前方側頭葉の萎縮・血流低下は意味性認知症を支持するが、語の意味理解障害等の確認が必要。
- e:可能性が低い — 明確な血管病変や血管支配域に沿う欠損の情報が乏しく、血管性と断定しにくい。
根拠・参考文献
- EANM脳FDG PET指針2022:認知症の解剖学的分布、前側頭葉優位の前頭側頭葉変性症の評価。
総合・問46
解答例:b
考え方
発熱性の急性経過と側頭葉のMRI信号異常・血流増加から、ヘルペス脳炎を優先する。髄液PCR等で確認し、疑いが強い場合に治療を遅らせない。
各選択肢の解説
- a:鑑別に残る — 発作時には側頭葉血流が増すが、発熱と進行する異常行動を含めて感染性脳炎を先に評価する。
- b:最も適切 — 側頭葉優位の炎症性変化と急性発熱性の脳症状の組合せに合う。
- c:可能性が低い — 閉塞性虚血なら血管支配域の灌流低下を基本に考え、提示の局所過灌流とは一致しにくい。
- d:可能性が低い — CJDは急性発熱性側頭葉炎より、進行性認知障害と特徴的拡散強調像などを確認する。
- e:可能性が低い — MELASには非血管支配性病変があるが、ミトコンドリア疾患の背景や代謝所見が示されず第一候補ではない。
根拠・参考文献
- IDSA脳炎診療ガイドライン2008:発熱・行動変化を伴う脳炎と側頭葉MRI、HSV診断・初期治療。
総合・問47
解答例:c
考え方
ADの局所低灌流は主に神経活動・代謝低下と神経変性を反映する。大血管閉塞の灌流圧低下と同じ機序にしない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 大血管閉塞で側副血行が不十分なら下流の灌流圧と血流が低下する。
- b:正しい — 大脳から対側小脳への神経入力低下で遠隔部の機能・血流が抑制される。
- c:誤り — ADの典型的な代謝・血流低下を、動脈閉塞に伴う灌流圧低下だけで説明しない。
- d:条件付きで正しい — 慢性的な焦点では細胞脱落や機能抑制が関与する。発作時には逆に血流が増え得る。
- e:正しい — 前頭側頭葉の神経変性と細胞脱落が局所代謝・血流低下に結びつく。
根拠・参考文献
- EANM脳FDG PET指針2022:変性疾患の神経機能と代謝・灌流の関連。
- EANMてんかんPET/SPECT指針2024:発作時と発作間欠期の血流変化。
総合・問48
解答例:e
解答候補(出題当時の条件・成立条件を本文に記載)
考え方
安静では比較的保たれるが負荷後に両側前方循環が相対的低灌流となる。もやもや病を疑う分布だが、定性SPECTのみで病名や絶対的盗血を確定せず血管画像と定量を合わせる。
各選択肢の解説
- a:合いにくい — 変性疾患の固定した低灌流だけでは、負荷で明らかになる両側前方血管反応性障害を説明しにくい。
- b:合いにくい — PSPの画像分布・臨床症候より、広い前方循環の負荷反応低下が目立つ。
- c:合いにくい — 右一側だけの閉塞では、提示の両側性前方循環障害を十分説明できない。
- d:合いにくい — うつ病の機能変化より、負荷により顕在化する血管支配域の反応低下を考える。
- e:最も疑う — 両側内頸動脈終末部病変に伴う循環予備能低下が説明候補となる。MRA・血管造影で確認する。
根拠・参考文献
- 2021年もやもや病治療ガイドライン:もやもや病の血行動態と脳血管画像・負荷検査。
総合・問49
解答例:a
考え方
原図のQGSではEF18%、左室容積の増大が明記され、正常機能ではない。BMIPPは全心筋で消失しておらず、中隔の相対的低下を脂肪酸代謝障害として評価する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 中隔では血流像に対してBMIPP低下が目立ち、代謝障害が疑われる。
- b:誤り — EF18%は著しい収縮機能低下であり、容積も増大している。
- c:誤り — 灌流と代謝の残存があるため、全領域が不可逆的壊死で血行再建不能とは断定できない。
- d:合いにくい — CD36欠損の典型である心筋全体のBMIPP高度低下・無集積と異なり、残る心筋集積がある。
- e:断定できない — 多枝の冠動脈解剖を本像のみで確定せず、CABGの適応は冠動脈所見などと統合する。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:BMIPPの脂肪酸代謝、心筋生存性と同期SPECT機能解析。
総合・問50
解答例:b・c
解答候補(出題当時の条件・成立条件を本文に記載)
考え方
再注入Tlで灌流低下部の取り込みが改善しており、誘発虚血と生存心筋を示唆する。虚血範囲、冠動脈病変、症状・予後を統合して治療を選び、この画像のみで薬物治療へ固定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 障害は対角枝だけに限るとは読めず、中隔を含むLAD灌流域を検討する。
- b:正しい — 負荷像で目立つ欠損が再注入像で回復し、可逆性虚血を示す。
- c:正しい — 再注入によるTl取り込み回復は生存心筋が残る根拠になる。
- d:断定できない — 虚血範囲、症状、冠動脈病変と予後を統合して治療を選び、本像だけで血行再建より薬物が適切とはしない。
- e:誤り — BMIPPにも低下があり、脂肪酸代謝が全域正常とはいえない。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:Tl再分布・再注入による虚血と生存心筋の評価。
総合・問51
解答例:b・e
解答候補(出題当時の条件・成立条件を本文に記載)
考え方
LADを含む広い虚血と負荷時内腔拡大を疑い、多枝病変を考える。冠動脈評価を進め血行再建を検討する意味でeを採るが、画像だけでPCI/CABGを必須とは決めない。
各選択肢の解説
- a:不十分 — 障害をLCX単独に限定する分布ではない。
- b:正しい — 広い欠損と負荷時拡大は多枝病変・広範な内膜下虚血を疑う所見。
- c:誤り — 提示される心筋外の強い取り込みは通常の腹部臓器分布であり、大腸と確定できない。
- d:不適切 — 高リスク所見があるため、内科治療だけで十分と評価を終えない。
- e:条件付きで正しい — 冠動脈造影等で解剖と適応を確認し、血行再建を検討する。個々の治療法はその後に決める。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:TID、広範虚血、多枝病変のリスクと追加評価。
総合・問52
解答例:c・e
考え方
糖尿病があっても虚血性心疾患を除外し、心筋機能・代謝・交感神経を目的に応じて評価する。正常EFはHFpEFを除外しない。
各選択肢の解説
- a:適切 — 冠動脈リスクがあるため、安定した状態で虚血を検索する意義がある。
- b:適切 — 同期灌流像は壁運動・肥厚と取り込みから傷害心筋の生存性の情報を与える。
- c:不適切 — BMIPP異常だけでは糖尿病性心筋症を特異的に確定できない。虚血など他の原因を除外する。
- d:適切 — MIBGは心臓交感神経障害を反映し、慢性心不全の予後評価に役立つ。
- e:誤り — 駆出率が保たれていても拡張機能障害などにより心不全となる。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:心不全病因・生存性・MIBG予後評価と収縮能のみでの診断限界。
総合・問53
解答例:未確定
解答未確定(理由を本文に記載)
考え方
骨だけでなく心臓に相当する集積が目立ち、心アミロイドーシス等を疑ってeを候補とする。平面像だけでは血液プール・軟部組織集積の分離が十分でなく、SPECT/CT等による局在確認が必要。
各選択肢の解説
- a:支持しにくい — 明瞭な肺原発腫瘤をこの骨シンチのみで診断することはできない。
- b:支持しにくい — 骨製剤は肺塞栓の灌流欠損を調べる検査ではない。
- c:説明が不足 — 関節の変性集積はあり得るが、息切れと心臓部集積を関節炎悪化だけで説明しない。
- d:支持しにくい — 椎間板ヘルニアの診断は本像では行えず、心臓部の所見を説明しない。
- e:候補 — 心筋への集積が確認されれば、列挙疾患以外のアミロイド等を考える。心エコー・SPECTと単クローン蛋白の検査を合わせる。
根拠・参考文献
- Tc99m-HDPによるATTR心臓病変の検出原著2014:HDP/HMDPのATTR心臓病変集積とSPECT/CTによる心筋・血液プールの区別。2014年の説明根拠。
総合・問54
解答例:e
考え方
胸痛と明確な虚血性心電図変化に加え負荷灌流異常があり、冠動脈評価を進める。目標負荷指標に届かなかったことは、既に陽性となった検査を陰性に読み替える理由にならない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 症状増悪と客観的虚血所見があるため、現状のまま放置しない。
- b:単独では不十分 — 薬剤の最適化は必要でも、高リスク虚血の解剖学的評価を省く理由にはしない。
- c:優先しない — 薬剤による感度低下を避けて負荷を行い陽性所見が得られており、単に再検して評価を遅らせない。
- d:不適切 — 陽性の運動検査を別の負荷でやり直す必然性がなく、喘息ではアデノシンの気管支収縮にも注意する。
- e:適切 — 冠動脈病変を確かめ、症状・虚血範囲・解剖から血行再建の適応を検討する。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:負荷虚血のリスク評価と薬物負荷禁忌・注意。
総合・問55
解答例:d・e
解答候補(出題当時の条件・成立条件を本文に記載)
考え方
膵腫大と涙腺・唾液腺・腎や後腹膜病変を合わせ、1型自己免疫性膵炎を含むIgG4関連疾患を考える。癌の除外と必要な組織評価を行ってから治療する。
各選択肢の解説
- a:必然ではない — CA19-9上昇は癌だけに特異的ではなく、この像から異常高値を当然とは予測しない。
- b:誤り — 肺門・縦隔節の集積は炎症性病変でも起こり、すべてを膵癌転移と断定できない。
- c:誤り — 自己免疫性膵炎では膵管の狭細化が特徴で、通常のびまん性拡張を代表像としない。
- d:正しい — 原図には膵の腫大・代謝亢進があり、全身の腺・後腹膜所見とも整合する。
- e:条件付きで正しい — 活動性IgG4関連疾患の治療ではステロイドが基本だが、悪性病変を除外し診断を裏付ける。
根拠・参考文献
- European guideline on IgG4-related digestive disease:自己免疫性膵炎の多臓器病変・包括診断とステロイド治療。
関連する過去問
- 第7回(2010年)腫瘍・問20:唾液腺・後腹膜などの多臓器所見からIgG4関連疾患を考える
総合・問56
解答例:d・e
考え方
リンパシンチは流入先を示す地図であり、描出されたリンパ節が転移陽性という意味ではない。病理結果なしに郭清実施・省略を決めない。
各選択肢の解説
- a:この像だけでは決められない — 郭清省略には臨床病期やセンチネル節の病理等が必要で、流入像だけでは判断できない。
- b:誤り — 胸骨傍に流入があってもコロイド集積は転移を意味しない。
- c:誤り — 描出部位だけを理由に胸骨傍郭清を強く推奨することにはならない。
- d:当時の標準として正しい — 色素とRIの組合せは同定率の向上に役立つ。施設や現在の代替トレーサ条件で方法は異なる。
- e:正しい — SPECT/CTは深さと解剖学的位置を確認し、注入部近くの節などの同定を助ける。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMI乳癌センチネルリンパ節指針2013:リンパ節同定と病理診断の区別、色素併用、SPECT/CT。
総合・問57
解答例:b・c
考え方
In111標識抗体は心大血管の血液プールと肝等への生理的分布を示す。FDG陽性病変の全てが描出されないことを、不適格分布の理由にはしない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 骨格全体が強く浮き出るようなびまん性骨髄過剰集積は認めない。
- b:正しい — 心臓と大血管に沿う血中残留が確認できる。
- c:画像上は正しい — 提示分布は適格なパターンに整合する。ただし治療には血球数等の別条件も必要。
- d:通常は不要 — 48時間像で分布を判定できれば、病変が全て見えるまで追加撮像する必要はない。
- e:誤り — 本検査の主目的は異常な正常臓器分布の除外で、全腫瘍の高感度描出ではない。
根拠・参考文献
- In111イブリツモマブ体内分布の国内第II相研究:過度の骨髄・肝脾・非病変臓器集積などの異常分布基準。
関連する過去問
- 第7回(2010年)腫瘍・問1:FDG病変の描出と標識抗体の適格分布を区別する
- 第7回(2010年)腫瘍・問16:血液プールと肝の生理的分布・異常分布判定
総合・問58
解答例:a・b
考え方
治療後のびまん性骨髄・脾集積ではG-CSFや造血回復を確認する。一方、胸椎の帯状・連続した低集積は照射野と対応し得て、転移と短絡しない。
各選択肢の解説
- a:不適切 — 骨髄全体の均一な増加は刺激・回復でも起こり、骨髄転移と断定できない。
- b:不適切 — 照射後の骨髄抑制が低集積となるため、照射範囲と照合する。
- c:概ね適切 — 前回の左腸骨の局所高集積は目立たなくなっており、活動性低下が示唆される。全体の骨髄刺激で見え方が変わる点に注意。
- d:適切 — 2回目では脾臓への取り込みも増し、造血刺激の可能性を支持する。
- e:適切 — G-CSFの最終投与日と化学療法終了からの期間を確認し、反応性変化を解釈する。
根拠・参考文献
- EANM FDG腫瘍PET/CT指針2015:治療・G-CSF後の骨髄脾集積と照射による骨髄分布変化。
総合・問59
解答例:e
解答候補(出題当時の条件・成立条件を本文に記載)
考え方
原設問の想定解はe。ただし現在の追跡はTg・頸部超音波・リスク等で個別化し、全例に半年後のヨウ素シンチを義務づけない。退出には複数の適用基準があり、30µSv/hだけを唯一条件としない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 治療核種はI131であり、診断用I123ではない。
- b:誤り — 外来残存組織アブレーションの対象は原則として全摘後で、亜全摘を前提にしない。
- c:断定できない — 頸部正中の集積は残存正常甲状腺でも生じる。局在・形態なしにリンパ節転移とはいえない。
- d:一律には誤り — 線量率基準だけでなく所定の患者ごとの積算線量等の基準があり、値を超えたという一点で全例入院とはしない。
- e:当時の追跡方針として妥当 — 治療後6~12か月程度で治療反応を評価する枠組みがある。現在はリスクやTg等に応じ診断シンチの必要性を決める。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 I131 1110MBq外来アブレーションQ&A2010:2010年の1110MBq外来治療は個別積算線量に基づく退出基準を用いること。
- ATA分化型甲状腺癌指針2015:術後・RAI後6~18か月頃の反応評価とリスク別の診断シンチ。
総合・問60
解答例:c
考え方
アドステロールはコレステロール類似体で、副腎皮質のステロイド合成素材の取り込みを反映する。コルチゾールそのものの類似体として取り込まれるわけではない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 腹部CTと遅延副腎皮質分布はヨード化コレステロール製剤に合う。
- b:正しい — 本剤の糞便排泄が腸管に残ることがある。
- c:誤り — 類似するのはステロイドの原料であるコレステロールで、最終ホルモンのコルチゾールではない。
- d:画像上は否定的 — 片側優位の局在は両側性ACTH刺激に伴う分布と異なる。ただし画像だけで下垂体性の病態を完全否定しない。
- e:可能性は低い — 皮質機能を持つ腫瘤への集積は腺腫を支持するが、転移を絶対に除外する検査とはしない。
根拠・参考文献
- PMDAアドステロール電子添文:副腎皮質へのコレステロール類似体の取り込み、糞便排泄、機能性腺腫の評価。
関連する過去問
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