第11回 核医学専門医試験 解答・解説

核医学専門医試験・第11回(2014年)

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解答候補として掲載:問32。解答未確定:問8、問22、問29。各項目に理由を記載しています。

核医学総論・問1

出題テーマ核異性体と原子核の構成

解答例:d

考え方

核子の組成が同じでも励起エネルギーの異なる準安定状態が存在する。99mTcと99Tcが代表例。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 陽子数が同じという条件だけでは同位体も含まれ、エネルギー状態の差を指定できない。
  • b:誤り — 中性子数が同じ核の分類は同中性子体で、核異性体の定義ではない。
  • c:誤り — 核子の組成が変わる別核種は、同じ核の励起状態の違いとは異なる。
  • d:正しい — 陽子・中性子の個数を保ち、核のエネルギー準位だけが異なる。
  • e:誤り — 陽子と中性子の入れ替わりは鏡映核の関係であり、準安定励起状態とは異なる。

根拠・参考文献

核医学総論・問2

出題テーマ過渡平衡と親娘半減期

解答例:d

考え方

親が娘より長寿命だが極端な差でないとき、娘の増加後に両者が親の半減期で減衰する過渡平衡となる。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 親のほうが短寿命では先に失われ、過渡平衡の条件に合わない。
  • b:誤り — 親が著しく短寿命では、長く残る娘との平衡を形成できない。
  • c:誤り — 同一半減期では通常の過渡平衡の定式化とはならない。
  • d:正しい — 親の壊変が娘の消失より遅い関係が過渡平衡に対応する。
  • e:誤り — 親が極端に長寿命なら、実用上は永続平衡として区別する。

根拠・参考文献

核医学総論・問3

出題テーマ直接電離放射線と荷電粒子

解答例:a・e

考え方

電荷を持つ粒子は物質中の電子と直接クーロン相互作用して電離する。光子や中性子は二次荷電粒子を介する。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 電子・陽電子は電荷を持ち、直接電離に分類する。
  • b:誤り — 光子そのものは電荷がなく、放出される電子などが電離を生む。
  • c:誤り — X線も光子であり、二次電子による間接電離に分類する。
  • d:誤り — 中性子は電荷を持たず、反跳核などを介して電離する。
  • e:正しい — ヘリウム原子核は正電荷を持つ重粒子で、直接電離能力を持つ。

根拠・参考文献

核医学総論・問4

出題テーマコリメータの距離依存性

解答例:a

考え方

平行多孔では有効視野内の点線源感度は距離による変化が小さい。一方、距離増加で空間分解能は悪化する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 距離に比例して感度が増すという関係ではない。距離と感度、距離とぼけを分ける。
  • b:正しい — 隔壁透過等による方向選別の乱れは、画質・分解能を劣化させる。
  • c:正しい — 小さな甲状腺等を近接条件で拡大して表示できる。
  • d:正しい — ピンホールは交差投影のため倒立像となり、収束型の正立投影とは方向が異なる。
  • e:正しい — 広い対象を縮小投影して視野へ収める目的で用いる。

根拠・参考文献

核医学総論・問5

出題テーマ再構成フィルタとPET計数率

解答例:b・c

考え方

十分な総カウントは必要だが、計数率を無制限に高めると不感時間や偶発同時計数の影響が増す。総カウントと計数率は別の量である。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 主窓と両側の狭い窓から散乱成分を見積もる方法である。
  • b:誤り — Butterworthは高周波雑音を抑える低域通過型で、高域通過型との説明は逆。
  • c:誤り — ブランク測定も装置の線形域で実施する。必要な統計量は収集時間で確保し、高計数率だけを追求しない。
  • d:正しい — 過剰投与では偶発・散乱・数え落としが増え、実効的な画質改善は頭打ちとなる。真の同時計数自体が全く増えないという意味ではない。
  • e:正しい — 減弱が未補正だと深部が過小評価され、表面が相対的に強く見える分布歪みが起こる。

根拠・参考文献

核医学総論・問6

出題テーマ透過統計とCT減弱補正

解答例:c

考え方

透過データの統計が悪いと補正画像も不安定となる。CT値は511keVでの減弱へ変換して使う。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 線源・CT・推定モデル等、装置により複数の補正方法がある。
  • b:正しい — Ge/GaやCs線源は透過測定に用いられてきた。
  • c:誤り — 短時間では一般に総カウントが少なく、統計精度が良くなるという方向は逆。
  • d:正しい — X線の実効エネルギーと消滅光子は異なるため、校正変換が必要となる。
  • e:正しい — 画像格子・断面位置をPETへ整合させる。元のCTを必ず同じ収集厚にするというより、補正用マップの適切な再標本化が重要。

根拠・参考文献

核医学総論・問7

出題テーマ物理・生物・有効半減期の計算

解答例:e

考え方

1/Te=1/Tp+1/Tb。131Iの物理半減期を約8日とすると1/Tb=1/6-1/8=1/24で、生物半減期は約24日。

各選択肢の解説

  • a:誤り — この値では有効半減期は約5.33日となり、指定と合わない。
  • b:誤り — 代入すると有効半減期は約5.54日で、6日に届かない。
  • c:誤り — この値では有効半減期は約5.71日となる。
  • d:誤り — 代入すると有効半減期は約5.87日であり、与えた近似値では一致しない。
  • e:正しい — 物理と生物の消失率を加算した結果が有効6日になる。

根拠・参考文献

核医学総論・問8

出題テーマDMSA腎皮質機能とMIBG取り込み

解答例:未確定

解答未確定(理由を本文に記載)

考え方

dのDMSAと糸球体濾過の対応は明確に誤り。一方bも厳密には受容体結合ではなく神経終末へのNET輸送・貯蔵であり、誤り1肢の指定には用語上の問題がある。

各選択肢の解説

  • a:正しい — BMIPPは分岐鎖脂肪酸類似体で、心筋脂肪酸利用の障害を評価する。
  • b:誤り(用語上) — 交感神経機能を評価するが、受容体リガンドではない。ノルアドレナリン輸送体による取り込みと顆粒貯蔵が主である。
  • c:正しい — FDGは糖輸送・リン酸化後の保持を利用する。
  • d:誤り — DMSAは機能する腎皮質への取り込み分布をみる製剤で、GFR用のDTPAと取り違えない。
  • e:正しい — FLTのリン酸化・保持は増殖に関わるTK1活性と関連し、増殖の画像指標となる。

根拠・参考文献

核医学総論・問9

出題テーマ加速器・原子炉・ジェネレータ製造

解答例:a・d

考え方

荷電粒子を加速し標的へ照射する製法と、核分裂・中性子照射や親娘核種分離を区別する。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 18Fはサイクロトロンによる標的照射で作る代表的PET核種。
  • b:誤り — 131Iは通常原子炉での核分裂等によって供給される。
  • c:誤り — 133Xeは一般に原子炉由来の核分裂生成物として供給される。
  • d:正しい — 123Iは加速器を使って製造される診断用ヨウ素核種。
  • e:誤り — 82Rbは通常82Sr/82Rbジェネレータから溶出して用いる。

根拠・参考文献

核医学総論・問10

出題テーマFDGの正常集積と細胞内保持

解答例:d・e

考え方

FDGは正常組織にも取り込まれ、リン酸化後に細胞質に保持される。癌専用の取り込みやミトコンドリアへの直接集積ではない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 初期の送達は局所血流の影響を受け、遅い時相の代謝保持と分ける。
  • b:正しい — 脳のFDGと糖の取り込み差にはlumped constantを用いる。約0.5は古典的モデルの概数で、種・病態・モデルで一定ではない。
  • c:正しい — 輸送体の種類や発現によりFDG取り込みと親和性が変わる。
  • d:誤り — 脳・心筋・尿路等も生理的に描出され、腫瘍・炎症細胞だけへの特異性はない。
  • e:誤り — FDG-6-リン酸の代謝的トラップが主で、通常の糖のようにTCA回路へ進むものではない。

根拠・参考文献

核医学総論・問11

出題テーマEC・核異性体転移とTc親娘平衡

解答例:a・e

考え方

核種ごとの半減期・壊変形式を区別する。99mTcは核異性体転移で、99Moとの関係は過渡平衡である。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 3核種はいずれも数日程度の寿命で、電子捕獲後の娘核の脱励起による光子を画像化する。半減期は完全に同一ではない。
  • b:誤り — 約13時間で電子捕獲する123Iと、約8日でβ線を出す131Iの性質を入れ替えている。
  • c:誤り — 約66時間と約6時間の親娘関係は通常過渡平衡とする。
  • d:誤り — 約6時間は合うが、主な過程は電子捕獲ではなく核異性体転移。
  • e:正しい — 親から娘を取り出すジェネレータの溶出操作を指す。

根拠・参考文献

核医学総論・問12

出題テーマ治療核種と画像用の代替核種

解答例:c・d

考え方

同じ標的薬の動態を画像化する組合せを考える。ただし異なる金属標識では動態が完全一致する保証はなく、製剤ごとの検証が必要。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 14Cは一般的な腫瘍内用療法核種ではなく、炭素同士というだけで治療・診断対にはならない。
  • b:誤り — Srの骨集積をCu製剤で直接代替できるわけではない。
  • c:正しい — 抗体の111In標識分布から90Y療法前の適格性を確認する組合せがある。
  • d:正しい — ヨウ素同士の摂取機構を利用し、診断用と治療用を使い分ける。
  • e:誤り — 67Gaは通常画像用で、同元素の68Gaと並べても治療用核種の対にならない。

根拠・参考文献

核医学総論・問13

出題テーマ放射性医薬品の公定書と品質保証

解答例:a

考え方

品質管理には放射性医薬品の規格だけでなく、薬局方の一般試験法なども関係する。製造元の保証と院内調製後の管理を分けて考える。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 放射性医薬品だけの規格に限定せず、適用される薬局方の一般試験等も参照する。
  • b:正しい — 製造元は出荷に必要な規格試験を行い、適合する製品を供給する責任がある。
  • c:正しい — 院内で標識する場合は、調製後の純度や外観など必要な品質確認を行う。
  • d:正しい — 短寿命製剤でも各施設の製造法・設備に応じた検証済み基準が必要となる。
  • e:正しい — 承認装置でも継続的な保守点検と性能確認が必要で、承認だけで管理を省略しない。

根拠・参考文献

核医学総論・問14

出題テーマ外部被ばくと気体製剤の内部被ばく

解答例:a・b

考え方

時間・距離・遮蔽に加え、揮発性・気体製剤では吸入を防ぐ閉じ込めと換気を管理する。法令名は2014年当時の呼称で読む。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 作業時間短縮、距離確保、線質に合った遮蔽は外部被ばく低減の基本。
  • b:正しい — 作業室への漏出で吸入が起こりうるため、排気系と漏えい・空気汚染を管理する。
  • c:誤り — β線には低原子番号材を用いるが、131I等の併発光子や制動放射線には追加遮蔽が必要となる。
  • d:誤り — 診療用製剤の医療法等による管理と、サイクロトロン等の装置・製造工程へのRI規制を区別する。放射線障害防止法が一切無関係とはしない。
  • e:誤り — 放射性医薬品基準は製品の品質等の公的規格で、院内調製の実務指針だけを意味しない。

根拠・参考文献

核医学総論・問15

出題テーマ汚染拡大を防ぐ作業環境

解答例:c

考え方

こぼれた放射能を吸収する床は、内部への浸透を生み除染を難しくする。表面の不浸透性・清拭性を確保する。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 作業範囲を限ると汚染の発生箇所を管理しやすくなる。
  • b:正しい — 吸収面と防水裏面をもつろ紙等で、作業面への浸透を防ぐ。
  • c:誤り — 床は液体を吸収しにくく除染しやすい構造にする。吸収性を高めるという説明は逆。
  • d:正しい — 測定器で汚染を早期発見し、人や物による拡散を防ぐ。
  • e:正しい — 除染で回収した放射能を含む資材は、所定の放射性廃棄物管理へ移す。

根拠・参考文献

核医学総論・問16

出題テーマMIRD線量に関わる動態と距離

解答例:c・d

考え方

線量は時間積分放射能とS値等で評価する。腎機能・距離は線量との単純な正比例にはならない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 他条件が同じなら取り込み率が高いほど線源臓器の積算量が増える。
  • b:誤り — 動態が同じなら投与放射能に線量は概ね比例する。
  • c:正しい — 離れた標的への光子寄与は一般に低下するが、人体形状と吸収分率による。距離との正の相関ではない。
  • d:正しい — 腎排泄性製剤ではクリアランス増加が滞留を減らしうる。全製剤で一律の負相関でもない。
  • e:誤り — 同じ初期量・生物動態なら長い物理半減期は積算量を増す方向。ただし生物排泄が支配的なら影響は小さい。

根拠・参考文献

核医学総論・問17

出題テーマ医療被ばくと公衆・介護者の防護

解答例:b・c

考え方

診断核医学の線量では通常、組織反応を想定した高線量域ではなく確率的影響の最適化を考える。患者・介護者と一般公衆は防護上の区分が異なる。

各選択肢の解説

  • a:正しい — しきい値をもつ組織反応と、発生確率を考える影響を区別する。現在は組織反応という表現も用いる。
  • b:誤り — 通常の診断検査を組織反応が生じる線量域とするのは不適切。診断と内用療法も区別する。
  • c:誤り — 公衆の原則的な実効線量限度は年1mSvで、5mSvはこの値ではない。
  • d:正しい — 個人線量計は装着部位での外部被ばく評価に使われる。
  • e:正しい — 自発的に患者を介助する人は医療被ばくの枠組みで線量拘束値等を設定し、一般公衆と一律に扱わない。

根拠・参考文献

核医学総論・問18

出題テーマ核種の光子特性と逆二乗則

解答例:d・e

考え方

同放射能でも放出光子の数・エネルギーが違えば線量率は異なる。距離を4倍にすると点線源からの線量率は1/16となる。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 18Fは主に511keVの消滅光子を生じ、同じ放射能では通常99mTcより外部線量率が高い。単位はeVでなくkeV。
  • b:誤り — 通常の99mTc光子では密度の高い鉛のほうが、同じ減弱に要する厚さは鉄より薄い。
  • c:誤り — 10半減期では2の10乗分の1、約1/1024となる。
  • d:正しい — 壊変の線質と半減期だけでなく、標識体の臓器分布・排泄・保持が吸収線量を決める。
  • e:正しい — 時間は12倍でも線量率が1/16となるため、後者の積算線量は前者の3/4になる。

根拠・参考文献

核医学総論・問19

出題テーマ内用療法患者の退出条件

解答例:c・d

考え方

退出量・線量率・個別積算線量のいずれかの基準と、必要な防護指導を満たす。退出できることと一般病棟で投与できることは別である。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 通常の退出記録保存は2年であり、1年で廃棄するのは短い。
  • b:誤り — 退出可能な量でも、投与は届出された使用場所の要件を守る。一般病棟で自由に投与してよい意味ではない。
  • c:正しい — 1mでの131I線量率が30μSv/h以下という基準に合う。必要な生活指導等も満たす。
  • d:正しい — 介護者の1件5mSvを下回る。ただし公衆についても年1mSv以下となる適切な個別評価が前提。
  • e:誤り — 一般の残留量基準500MBqを超えるため、この量の情報だけで退出を許可しない。別基準に適合する場合は別途判断する。

根拠・参考文献

核医学総論・問20

出題テーマ2014年と現在の職業線量限度

解答例:c

考え方

2014年の誤りは実効線量5年250mSvという値。原則5年100mSvかつ年50mSvであった。水晶体の限度は2021年に改正されている。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 男性の通常の外部個人線量計は胸部へ装着する。不均等被ばく等では追加測定も必要となる。
  • b:正しい — 放射性物質の摂取を防ぐため、汚染の恐れのある場所での飲食を禁止する。
  • c:誤り — 5年合計を250mSvとするのが誤りで、100mSvと年50mSvを併せて守る。
  • d:正しい — 皮膚の等価線量は年500mSvの限度を用いる。
  • e:正しい — 2014年当時は年150mSv。現行は原則5年100mSvかつ年50mSvであり、旧値を現在の限度として使わない。

根拠・参考文献

核医学各論・問21

出題テーマ2014年の静脈注射実施職種

解答例:c

考え方

当時の設問では看護師。2002年通知は医師の指示下で行う静脈注射を診療の補助に含めた。現在は診療放射線技師の業務拡大等があり、当時と同一ではない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 2014年の一般的な薬剤静注の資格としては選ばない。2021年以降は研修等の条件下でRI注入装置操作や静脈路確保が追加された。
  • b:誤り — 薬剤の調製・品質管理を担うが、薬剤師免許だけで静脈注射の実施者になるわけではない。
  • c:正しい — 医師の指示と安全体制・手順の下で、診療の補助として実施する。
  • d:誤り — 採血等の範囲と薬剤の静脈注射を同一視しない。後年の業務拡大も行為ごとに条件がある。
  • e:誤り — 生命維持管理装置の操作等の業務と、当時の核医学薬剤静注の一般的な資格は別。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問22

出題テーマ機能画像の用途とMET悪性度評価

解答例:未確定

解答未確定(理由を本文に記載)

考え方

eを絶対的に誤りとすることはできない。MET集積と悪性度の群間関連はある一方、個人の組織学的悪性度を単独で確定できない。設問が補助評価と確定診断のどちらを意味するか不明で、正答は留保した。

各選択肢の解説

  • a:正しい — IMPの血流パターンは認知症の鑑別を補助するが、画像単独で病理を決めない。
  • b:正しい — 受容体結合低下は難治てんかんの焦点検索を補助し、発作期血流増加とは別の情報を与える。
  • c:正しい — イオフルパンは線条体のDATを評価し、変性性パーキンソニズムの鑑別に用いる。
  • d:正しい — ECDでも入力・補正モデル等による血流定量法があり、灌流分布のみの製剤ではない。
  • e:条件付き — 高悪性度群で集積が高い研究はあるが、低悪性度との重なりが大きい。単独の悪性度確定は不可でも、補助検査としての使用は否定できない。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問23

出題テーマ脳血流とECDの組織内保持

解答例:b

考え方

ECDは組織内の代謝変換を必要とするため、損傷組織では再灌流していても低集積となりうる。高血流をいつもそのまま描くとはしない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — IMPは肺で一時保持された後、動脈循環から脳へ移行する。
  • b:誤り — 壊死・損傷部での保持が低く、HMPAO等でみる再灌流性高集積がECDには出ない場合がある。完全に高血流を描けない意味ではない。
  • c:正しい — 非安定化HMPAOは標識後の使用時間が短い。安定化製剤とは条件を分ける。
  • d:正しい — 一点動脈採血で標準入力関数を較正し、固定分布容積等の仮定で定量する。
  • e:正しい — 脳移行後の代謝的トラップにより、投与初期の相対分布をしばらく保つ。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問24

出題テーマ急性梗塞の再灌流と組織損傷

解答例:d

考え方

拡散強調像で明らかな組織障害がある領域の高集積は、正常機能の回復を保証しない。再灌流や保持変化に伴う出血性変化に注意する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 撮像所見だけで良い適応とせず、発症時間・梗塞コア・血管閉塞・禁忌を合わせる。再灌流後の損傷部への投与を自動的に選ばない。
  • b:誤り — 高いトレーサ集積を正常な代謝・良好予後と同一視しない。
  • c:誤り — 急性期の重い組織障害で予備能負荷を優先する状況ではなく、安全性に問題がある。
  • d:正しい — 損傷した血管床への再灌流は出血性変化を伴いうるため、臨床と形態画像で監視する。
  • e:誤り — 浮腫・広い梗塞の経過次第で減圧術が必要となる可能性があり、一枚の画像で低いと決めない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問25

出題テーマ心サルコイドーシスと生理的FDG抑制

解答例:b・d

考え方

炎症画像では正常心筋の糖利用を抑えて局所集積を評価する。心筋生存性検査の糖負荷と目的が逆になる。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 代表的な形態所見は心室中隔基部の菲薄化などで、単純な中隔肥大を当時の主徴候としない。
  • b:正しい — 房室ブロックに加え、異常Q波や心室性不整脈なども起こる。
  • c:誤り — 炎症・線維化で血流欠損を伴いうる。Ga集積と灌流障害は併存し得る。
  • d:正しい — びまん性集積は生理的抑制不十分でも起こり、その所見だけで活動性心サルコイドーシス陽性としない。
  • e:誤り — 長い絶食・低糖質条件等で正常心筋を抑える。ヘパリンも生理的集積抑制を狙う方法であり、糖負荷で病変を強めるという説明は不適切。

根拠・参考文献

循環器核医学・問26

出題テーマ心臓薬剤の目的と線量

解答例:b

考え方

線量は投与量だけでなく核種の放出と体内滞留から評価する。提示量では通常201Tlの実効線量が大きい。

各選択肢の解説

  • a:誤り — カフェイン中止が直接問題となるのはアデノシン系負荷。運動そのもののために必須とする一般則ではない。
  • b:正しい — Tl製剤とTc製剤の臓器動態・線量係数を比較すると、この投与量ではTlの実効線量が大きい。半減期だけで全線量を決めない。
  • c:誤り — BMIPPは脂肪酸利用の評価で、交感神経製剤はMIBG。
  • d:誤り — MIBGは交感神経終末機能を評価し、脂肪酸代謝の製剤ではない。
  • e:誤り — PYPは梗塞や、とくにATTR心アミロイドーシスの評価で知られ、サルコイドーシスの炎症検出の標準薬ではない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問27

出題テーマMIBGの脱神経とH/M比

解答例:b・d

考え方

MIBGは神経終末の保持をみる。心移植直後は脱神経状態で、後年の再神経支配と区別する。H/Mは心臓と上縦隔の比である。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 三環系薬はNET取り込みを阻害し、通常は集積低下の方向に干渉する。中止は処方医と相談し一律に自己中断しない。
  • b:正しい — 虚血後の神経障害は血流の改善後にも広く残り、血流欠損より大きい神経欠損となりうる。
  • c:誤り — 隔壁透過等の影響がコリメータで異なり、H/Mの標準化・較正が必要となる。
  • d:正しい — 移植早期は神経が切断され、心筋集積は通常著しく乏しい。将来も永久にゼロとする意味ではない。
  • e:誤り — 標準的に用いる分母は上縦隔であり、肺でも肝臓でもない。

根拠・参考文献

核医学各論・問28

出題テーマFDGの通常の正常分布

解答例:c

考え方

正常甲状腺は通常目立つ集積を示さない。軽度集積がありうることと、びまん性甲状腺炎や結節性集積を無評価で正常扱いすることは別である。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 大脳皮質では糖代謝が高く、生理的に強く描出される。
  • b:誤り — 唾液腺には通常軽度から中等度の生理的取り込みがある。
  • c:正しい — 正常甲状腺は背景程度のことが多く、明らかな集積では結節や炎症等を検討する。ただし生理的集積が絶対にゼロという意味ではない。
  • d:誤り — 尿へ排泄されたFDGが蓄積し、通常強く描出される。
  • e:誤り — 腎実質への送達と尿中排泄の双方により尿路とともに描出される。

根拠・参考文献

核医学各論・問29

出題テーマFDG低集積腫瘍と尿路背景

解答例:未確定

解答未確定(理由を本文に記載)

考え方

甲状腺癌は分化度・病型でFDG集積が異なり、一律に描出不能ではない。肺腺癌の一部の低集積と、腎盂病変が尿の高集積に埋もれることも区別する。2肢の確定は留保する。

各選択肢の解説

  • a:条件付き — 高分化・ヨウ素集積性病変は低集積の場合がある一方、未分化癌や脱分化転移は高集積にもなる。
  • b:通常は描出可能 — 多くの卵巣癌は集積するが、粘液性や小病変等では偽陰性がある。
  • c:低集積に注意 — 当時の肺胞上皮癌に含まれる置換性・粘液性腺癌では集積が乏しいことがある。
  • d:尿路背景に注意 — 腫瘍自体は集積しうるが、尿路の強い生理的排泄が原発病変の検出を妨げる。
  • e:通常は描出可能 — 多くの大腸癌は陽性となるが、粘液癌や小病変では陰性の場合もある。

根拠・参考文献

核医学各論・問30

出題テーマ新生児黄疸と胆道排泄製剤

解答例:d

考え方

肝取り込み後に胆汁へ排泄される製剤を使い、腸管までの排泄を確認する。排泄がない所見だけで閉鎖と重い肝機能低下を完全には区別できない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 肝網内系への取り込みが主で、胆汁通過を直接追う標準薬ではない。
  • b:誤り — コロイドの貪食像であり、胆道から腸管への通過を描く薬剤ではない。
  • c:誤り — 肝細胞受容体の機能を評価するが、新生児胆道閉鎖の胆汁流出評価の第一選択ではない。
  • d:正しい — 肝胆道排泄を動的・遅延で追い、腸管への出現を調べられる。
  • e:誤り — 粒子捕捉による肺灌流画像用で、胆道機能の検査には選ばない。

根拠・参考文献

核医学各論・問31

出題テーマセンチネルリンパ節のコロイド製剤

解答例:a・b

考え方

局所投与したコロイドがリンパ管を経由して最初のリンパ節へ移行し、網内系細胞に保持される。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 体内でコロイドを形成し、リンパ流に沿った節の描出に用いる。
  • b:正しい — 適切な粒子特性をもつコロイド製剤として節の同定に使う。
  • c:誤り — 肝細胞のアシアロ糖蛋白受容体を標的とし、通常のリンパ節局所移行薬ではない。
  • d:誤り — 胆道排泄評価の製剤であり、センチネル節用には選ばない。
  • e:誤り — 大きい凝集粒子で肺灌流用。一般的なセンチネル節描出のコロイド製剤とは区別する。

根拠・参考文献

核医学各論・問32

出題テーマβマイナス線と陽電子の区別

解答例:b・d

解答候補(βマイナス線を問う意図として。広義β線の注意を本文に記載)

考え方

設問はβマイナス線の放出核種を選ぶ意図でb/d。ただし広義のβ線には陽電子も含まれるため、18Fを含めないときはβ−という限定を明示する。

各選択肢の解説

  • a:β−限定では誤り — 18Fは陽電子放出核種。広義のβ線という表現なら含まれるため、β−線と区別する。
  • b:正しい — 131Iはβ−線を治療に、光子を撮像や測定に利用する。
  • c:誤り — 99mTcは主に核異性体転移による光子放出で、β−線核種として選ばない。
  • d:正しい — 89Srは主にβ−線を放出する治療核種。
  • e:誤り — 67Gaは電子捕獲を経て光子を放出し、通常β−治療核種とはしない。

根拠・参考文献

核医学各論・問33

出題テーマ神経芽腫と副腎皮質製剤

解答例:c

考え方

交感神経系由来の神経芽腫と、副腎皮質のコレステロール代謝を分ける。MIBG陰性例にはFDG等も検討される。

各選択肢の解説

  • a:正しい — MIBG集積陽性の神経芽腫で全身病変・病期の評価に使う。
  • b:正しい — 診断画像にも利用されてきたが、画像品質や被ばく面では一般に123Iを優先する。
  • c:誤り — アドステロールは副腎皮質用で、交感神経由来腫瘍の標準的病期製剤ではない。
  • d:正しい — MIBGの取り込みが乏しい病変などで糖代謝画像が補助となる。
  • e:正しい — 骨病変を調べるために用いられてきた。ただしMIBGによる病期評価と現在の推奨を区別する。

根拠・参考文献

核医学各論・問34

出題テーマKr81mの短寿命と換気像

解答例:b・c

考え方

短い半減期のガスを吸入供給しながら分布を撮る。施設にジェネレータがあることが前提で、吸着性エアロゾルとは異なる。

各選択肢の解説

  • a:条件付き — 親の81Rbも短寿命で事前調達が必要。常時救急検査へ対応できるという一般化はできないが、設備・製剤がある施設なら実施可能な場合はある。
  • b:正しい — 短寿命のため適切な手順で血流検査と同日に組み合わせられる。
  • c:正しい — 閉鎖循環による回収を基本とするXeとは違い、適切な排気下の開放的な吸入系を使える。
  • d:誤り — 速やかな放射壊変が洗い出しの解釈を妨げるため、Xeのようなwashout評価には向かない。
  • e:誤り — ガスは肺胞へ吸着固定されない。連続供給でSPECTは可能だが、吸着するから可能という理由が誤り。

根拠・参考文献

核医学各論・問35

出題テーマ肺灌流再分布と肺梗塞

解答例:b・d

考え方

通常の塞栓検索は仰臥位注射が基本だが、上下肺への重力分布をみる再分布検査は座位注射を利用する。塞栓と実質梗塞も区別する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — MAAによる一時的な微小血管捕捉であり、粒子は分解され永久閉塞を作る検査ではない。
  • b:正しい — 座位で正常の下肺優位分布と比較することで、上方への再分布を評価する目的に合う。
  • c:誤り — 欠損のさらに外側に灌流が残るstripeは、典型的な楔状末梢塞栓とは異なる非塞栓性の所見。
  • d:正しい — 塞栓が実質の梗塞・出血・浸潤影を伴えば換気も低下し、マッチする欠損となりうる。全塞栓がマッチする意味ではない。
  • e:誤り — 区域性の換気血流不一致は慢性塞栓を疑う。特発性PAHは正常に近い像や非区域性の斑状変化が多い。

根拠・参考文献

核医学各論・問36

出題テーマ唾液腺腫瘍の過テクネチウム酸保持

解答例:a・e

考え方

取り込みと唾液刺激後排泄を合わせて評価する。オンコサイトが豊富な腫瘍は高集積となりやすい。

各選択肢の解説

  • a:正しい — オンコサイト性細胞の機能により、唾液腺組織と同様の取り込みが強くみられることがある。
  • b:誤り — 慢性の腺機能障害では通常、取り込みや排泄の低下が問題となる。
  • c:誤り — 多くは正常腺組織を置換する低集積性病変で、代表的高集積腫瘍ではない。
  • d:誤り — 腺機能低下により取り込み低下・排泄障害を評価し、高集積を典型としない。
  • e:正しい — オンコサイト上皮を含み、高集積・排泄遅延を示す代表的良性腫瘍。

根拠・参考文献

核医学各論・問37

出題テーマ骨製剤の分布を変える薬剤

解答例:b・e

考え方

Gd造影後の異所性分布と、エチドロネート等による骨取り込み低下が報告される。全Gd製剤・全ビスホスホネートに同じ強さで起こると一般化しない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 排泄速度等に影響する場合はあるが、候補中の代表的な骨全体の取り込み阻害薬ではない。
  • b:正しい — 一部Gd造影剤投与後に骨製剤の肝移行等が報告され、投与間隔を確認する。
  • c:誤り — ヨード造影剤すべてが直接骨製剤を阻害するという標準的対応ではない。腎機能変化等の間接影響は別に評価する。
  • d:誤り — 骨代謝を変えうるが、この設問が問う代表的な製剤干渉の組合せには選ばない。
  • e:正しい — エチドロネートによるMDP骨集積低下の症例報告がある。現在の他薬剤まで同じ干渉を必発とはしない。

根拠・参考文献

核医学各論・問38

出題テーマ標準検査適応と非特異的FDG骨集積

解答例:e

考え方

標準的な検査選択として疲労骨折にFDGを第一に対応させる組合せが不適切。ただし骨折部がFDG陽性にならないという意味ではない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — Tlによる腫瘍集積・保持の評価が行われてきた。現在のMRI等との役割も考える。
  • b:正しい — Gaは肉芽腫性炎症に集積し、病変分布や活動性の評価に用いられてきた。
  • c:正しい — MIBIは副甲状腺腺腫の局在診断で利用する。
  • d:正しい — 骨形成反応を捉え、骨髄炎の評価に使う。ただし特異性は低く形態画像や他薬剤を合わせる。
  • e:誤り — 疲労骨折はMRIや骨シンチ等が標準。FDGにも集積しうるため、陽性にならないとの断定は避ける。

根拠・参考文献

核医学各論・問39

出題テーマ合成亢進型と破壊性甲状腺中毒症

解答例:a・d

考え方

ホルモン過剰でも、腺での新規合成が増える病態は摂取が高く、貯蔵ホルモンの漏出や外因性摂取では低くなる。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 受容体刺激によるホルモン合成とヨウ素取り込みが亢進する。
  • b:誤り — 外からのホルモンによりTSHが抑えられ、甲状腺自体の取り込みは低い。
  • c:誤り — 破壊性に貯蔵ホルモンが漏れるため、通常取り込みは低い。
  • d:正しい — 自律性結節で局所の合成・取り込みが亢進し、周囲はTSH抑制で低下する。
  • e:誤り — 炎症性破壊による中毒期は通常摂取率が低く、合成亢進ではない。

根拠・参考文献

核医学各論・問40

出題テーマ自律性コルチゾール産生と対側抑制

解答例:b

考え方

コルチゾール産生腺腫はACTHを抑え、健側皮質を抑制するため片側優位となる。撮像時期やデキサメサゾン抑制条件も確認する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — ACTH過剰による両側皮質刺激が基本で、片側のみの自律性像とは異なる。
  • b:正しい — 腺腫の自律的コルチゾール産生と対側ACTH依存組織の抑制に整合する。
  • c:誤り — アルドステロン過剰だけでは通常ACTHを十分に抑えず、標準条件の非描出対側を説明しにくい。ただし抑制下検査では別の分布となる。
  • d:誤り — 先天性酵素異常によるACTH刺激は一般に両側皮質の過形成を来す。
  • e:誤り — 異所性ACTHでも両側副腎が刺激され、片側孤立高集積を典型とはしない。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問41

出題テーマ90Y抗体療法前の不適格分布

解答例:a・d

考え方

111In画像は治療効果の予言より、正常臓器への危険な分布の除外が主目的。強い網内系・骨髄分布と乏しい血液プールは不適格分布を疑わせる。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 同じ抗体を用いるため、画像用In標識体で治療用Y標識体の分布を事前に評価する。完全同一の動態を保証するという意味ではない。
  • b:誤り — 当時の国内プロトコルでは治療前に適格分布を確認する手順で、画像検査を必要例だけに省略する扱いではない。
  • c:誤り — 腫瘍が写ることを治療条件とする検査ではなく、不適格な正常臓器分布を調べることが主要目的。
  • d:正しい — 通常みられる血液プールが乏しく、肝・脾・骨髄等への局在が目立つため、血中からの除去亢進を示唆する。
  • e:誤り — 強い骨髄・網内系集積は適格・良好反応の証拠ではなく、重篤な骨髄被ばくを避けるため治療用製剤を投与しない判断につながる。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問42

出題テーマ89Srと鎮痛薬・再投与

解答例:c

考え方

89Srの除痛効果は遅れて現れるため、既存の鎮痛治療を必要に応じて継続する。多発骨転移はむしろ検討対象となるが骨髄予備能を確認する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 骨シンチグラフィで疼痛部位への取り込みを確認する。Ga陽性という条件に置き換えない。
  • b:誤り — 1か月では遅発性骨髄抑制の回復を十分みられない。通常は少なくとも3か月の間隔と血球回復を確認する。
  • c:正しい — 強オピオイド等の鎮痛薬と併用でき、RI治療だけへ置き換える必要はない。
  • d:誤り — 所定の基準と防護指導を満たせば外来で行える。物理半減期までの隔離入院を一律に要求しない。
  • e:誤り — 病変数だけで除外しない。びまん性骨髄浸潤や血球減少などの危険因子は別に評価する。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問43

出題テーマ後方連合野低代謝とADの補助画像

解答例:a・b

考え方

後帯状回・楔前部や側頭頭頂領域の低下と、比較的保たれた一次視覚野はアルツハイマー病を支持する。臨床評価・構造画像と統合する。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 典型的なDLBの一次視覚野を含む低下より、後方連合野優位のパターンとして整合する。
  • b:正しい — ADの認知症症状に対してドネペジルは当時から使用できる。投与可否は重症度、禁忌、副作用等も判断する。
  • c:誤り — 歩行・排尿症状が主となる三徴は正常圧水頭症を考える手掛かりで、この病型の典型的三徴ではない。
  • d:誤り — AD病理を背景とするなら皮質アミロイド陽性が予測され、陰性と決める根拠はない。ただし症候だけで必ず陽性とは限らない。
  • e:誤り — DAT低下はレビー小体病等の黒質線条体変性を支持し、典型的ADだけから高率に予測しない。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問44

出題テーマ前頭側頭型認知症と運動ニューロン障害

解答例:c・e

考え方

行動・食習慣の変化を伴う前頭側頭機能障害と、筋萎縮・線維束性収縮はFTDとALSの重なりを示唆する。神経伝導速度低下だけをALS確定所見とはしない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 幻視、認知変動、パーキンソニズムや後頭葉パターンより、前頭側頭の行動症状と下位運動ニューロン所見が前景。
  • b:誤り — 小脳性運動失調を主症候とする情報に乏しく、行動症状と筋萎縮を一つに説明しにくい。
  • c:正しい — 早期の行動・食習慣変化と前頭側頭葉機能低下が支持所見となる。
  • d:誤り — 非対称の失行・固縮等が主ではなく、線維束性収縮と筋萎縮を説明する第一候補ではない。
  • e:正しい — 筋萎縮・線維束性収縮に加えFTDを合併する病型がある。診断には筋電図等と他疾患の除外が必要。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問45

出題テーマ経年変化とOEF上昇

解答例:d・e

考え方

安静血流が低下し、負荷反応が乏しくOEFが増す経過は血行力学的な代償余地の低下を示唆する。OEF増加を酸素代謝予備能が良好な状態とはしない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 標識COはヘモグロビン結合により血液量をみる。血流は標識水や標識CO2由来の水で測る。
  • b:誤り — 15Oの短寿命を利用し、通常は同日に複数の循環代謝測定が可能。
  • c:誤り — 酸素を余計に抽出して需要を補う状態で、予備力が十分保たれているという意味ではない。
  • d:正しい — 以前より安静血流と負荷への増加が悪化し、血管拡張の余力低下を示唆する。
  • e:正しい — 高いOEFと低い反応性は灌流圧不足のリスク所見で、臨床経過と合わせ厳密に評価する。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問46

出題テーマ側頭葉炎症のMRIとSPECT

解答例:c

考え方

発熱・急性脳症と側頭葉病変・高灌流の組合せはヘルペス脳炎を強く疑う。画像だけの確定ではなく髄液PCR等で評価し、治療を遅らせない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 発作中にも高灌流は起こるが、高熱と炎症性MRI所見を合わせると感染性脳炎を優先する。
  • b:誤り — 再灌流で高集積はありうるが、血管支配を越えた側頭葉病変と感染性経過は典型的梗塞と異なる。
  • c:正しい — 側頭葉・辺縁系の病変と急性の発熱性意識障害が整合し、早期の局所高灌流も報告される。
  • d:誤り — 急速な認知機能低下は起こるが、通常は発熱性脳炎の側頭葉高灌流よりDWI等の特徴をみる。
  • e:誤り — 血管支配に沿わない病変や高灌流はありうるが、若年発症歴・乳酸などの裏付けがなく、この感染性経過では優先しない。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問47

出題テーマ貧困灌流の領域と酸素抽出

解答例:c・e

考え方

貧困灌流は低血流をOEF上昇で補う状態。酸素代謝が比較的維持されることと、OEFが維持されることを混同しない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 前方皮質で相対的な低血流とOEF増加の組合せがあり、貧困灌流の領域に合う。
  • b:正しい — 中大脳動脈領域の皮質で、血流低下に対して酸素抽出が増す分布を認める。
  • c:誤り — 後頭葉内側では前方皮質と同じOEF増加が明瞭ではなく、この画像の貧困灌流域に選ばない。
  • d:正しい — 深部の基底核にもOEFの増加がみられ、低い灌流圧に対する代償を考える。
  • e:誤り — 視床は低下があっても同等のOEF上昇が示されず、神経回路の遠隔効果などを考える。

根拠・参考文献

脳神経核医学・問48

出題テーマDLBの灌流・DAT・MIBG

解答例:c・e

考え方

後頭葉の機能低下と心臓交感神経障害が手掛かりとなる。MRIの後頭葉萎縮を必須条件とはしない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 最も多い認知症としては通常ADを挙げ、DLBが最多とはしない。
  • b:誤り — 黒質線条体変性では線条体DAT集積が低下する方向である。
  • c:正しい — 一次視覚野を含む後頭葉の低灌流は代表的な支持所見。
  • d:誤り — 明らかな後頭葉萎縮がなくても機能低下はあり、MRI萎縮を典型必須所見にしない。
  • e:正しい — 心臓の節後交感神経障害により低下する。心疾患・糖尿病・薬剤の影響も確認する。

根拠・参考文献

循環器核医学・問49

出題テーマ心サルコイドーシスの灌流・炎症画像

解答例:c・d

考え方

房室ブロック・心室性不整脈に、灌流低下と局所FDG集積が重なる像は活動性心サルコイドーシスを支持する。前処置と他の炎症性疾患も確認する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 生理的抑制不十分でも集積するが、この局在・灌流障害・症候を無視して絶食不十分だけと決めない。
  • b:誤り — 生存性画像とは検査目的・前処置が違い、この状況では単純に生存心筋の指標としない。
  • c:正しい — 正常心筋を抑える条件下の局所集積は炎症活動性の補助所見となる。
  • d:正しい — 提示の薬剤間で灌流低下領域とFDG集積が重なり、灌流・炎症の不一致評価に役立つ。
  • e:誤り — MRIは有用な補助検査だが単独の確定法ではない。装着デバイスのMRI条件・安全性も評価する。

根拠・参考文献

循環器核医学・問50

出題テーマ前側壁の可逆的血流低下

解答例:c

考え方

前側壁寄りの低下が遅延で回復し、対角枝領域の誘発虚血を考える。冠動脈分枝への厳密な帰属には冠画像も必要。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 回旋枝側壁・後側壁主体の分布より、前方側壁の可逆性低下を重視する。
  • b:誤り — 遅延で回復するため固定性の梗塞という説明とは異なる。
  • c:正しい — 前側壁寄りの可逆的低下に最も整合する候補。ただし分枝の解剖変異がある。
  • d:誤り — 固定低下ではなく可逆性があり、梗塞だけの像とはしない。
  • e:誤り — 遅延での集積回復がみられ、再分布なしとは読まない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問51

出題テーマ心筋炎症と伝導障害・治療

解答例:d・e

考え方

冠狭窄では説明できない房室ブロックと、炎症集積・灌流障害は心サルコイドーシスを支持する。治療は活動性・重症度・感染除外等を踏まえて判断する。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 動脈硬化の危険因子の数が、そのまま本疾患の発症原因・典型的リスクにはならない。
  • b:誤り — 胸痛はありうるが、労作性狭心痛が本疾患の典型主徴候という説明ではない。
  • c:誤り — 病変が斑状で通常の心内膜心筋生検は見逃しが多い。無誘導生検で約80%とするのは過大。
  • d:正しい — 適切な正常心筋抑制後の局所FDG集積は診断・活動性評価に用いる。
  • e:正しい — 伝導障害と炎症活動性がある状況は副腎皮質ステロイド治療を検討する。併せて不整脈・デバイス管理も必要。

根拠・参考文献

循環器核医学・問52

出題テーマ正常灌流像の周術期リスク評価

解答例:a

考え方

明らかな誘発虚血やTIDに乏しく、選択肢では低い心事故リスク群に相当する。正常SPECTでも患者個人の危険率を画像だけで精密な数値に固定しない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 正常灌流像は非心臓手術の周術期心事故に対する高い陰性的中率を示し、候補中で低いリスク分類に合う。
  • b:誤り — 広範虚血等の高リスク所見なしに、この高い頻度を支持する資料はない。
  • c:誤り — 負荷安静差が明らかでなく、この高値に分類する根拠に乏しい。
  • d:誤り — この画像のみで約半数に心事故が起こるとの評価はしない。
  • e:誤り — 極めて高い事故率であり、正常に近い灌流所見と整合しない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問53

出題テーマMIBG H/Mと心不全予後

解答例:a・e

考え方

低い後期H/Mは高い心事故リスクと関連する。個別の治療効果やβ遮断薬・CRTの適応をH/Mだけで決めない。

各選択肢の解説

  • a:正しい — 前向き多施設研究で、H/MはEF・BNP等を含めた評価に追加の予後情報を与えた。
  • b:誤り — より低いH/Mの症例2が一般に高リスク側であり、順位が逆。
  • c:誤り — 低H/Mだけで症例2のほうがβ遮断薬に反応すると決められない。低値を理由に標準薬を中止する意味でもない。
  • d:誤り — 再同期療法の反応はQRS・左脚ブロック・EF・瘢痕等にも依存し、低H/M群の反応良好を一律に予測しない。
  • e:正しい — 集積低下が強い群では致死性不整脈等のリスク上昇が示されるが、H/Mだけの個別予言ではない。

根拠・参考文献

循環器核医学・問54

出題テーマCABG後の虚血分布と病変推定

解答例:a

考え方

心尖側が比較的保たれ、近位分枝領域と下壁側の可逆性低下を評価する。灌流像は虚血領域を示すが、グラフトと自己冠動脈のどちらが狭窄したかの確定には冠画像が必要。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 吻合部より末梢の前下行枝全体の高度狭窄なら心尖側を含む異常を予想する。本像ではその分布が比較的保たれ、これを第一の推定としない。
  • b:正しい — 下壁側の虚血から右冠動脈系グラフトの狭窄等を疑う。ただし画像単独でグラフト病変を証明はしない。
  • c:正しい — 心尖を保ちながら基部中隔・前側壁が低下する分布は、吻合部より近位の分枝への供給不足と整合しうる。
  • d:正しい — 負荷像で相対的な内腔拡大を認め、広範な心内膜下虚血を示唆する。
  • e:正しい — 負荷時の右室相対描出が目立つ。左室の相対低下や肺循環負荷等も考慮する。

根拠・参考文献

核医学各論・問55

出題テーマ若年運動選手の疲労骨折

解答例:c

考え方

正常な骨へ反復する過度の負荷が加わった骨折を考える。初期の単純X線が陰性でも除外できない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 腱・靱帯付着部が引き剝がされる機序であり、骨幹の反復負荷病変とは異なる。
  • b:誤り — 眼窩壁骨折を指し、下腿運動障害の分類には合わない。
  • c:正しい — 長距離走による反復荷重と骨幹部の局所集積が整合する。局所MRI等で範囲・重症度を確認する。
  • d:誤り — 弱くなった骨に通常負荷が加わる機序であり、健康な若年選手の過負荷とは区別する。
  • e:誤り — 骨軟化症等の不十分な石灰化で生じるLooser帯を指し、本状況の第一候補ではない。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問56

出題テーマ骨梁間型転移と骨髄FDG

解答例:b・e

考え方

癌細胞が骨髄へ広がっても骨形成や骨破壊が乏しい段階では、骨シンチ・CTが陰性でもFDGやMRIで異常となりうる。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 骨シンチにはPETと同じ広範な異常が明瞭でなく、両検査の乖離が要点。
  • b:正しい — 軸骨格・付属骨格に多発する異常糖代謝があり、骨髄病変を疑う。
  • c:誤り — 骨梁が保たれていることだけで腫瘍細胞の骨髄進展を否定できない。
  • d:誤り — 骨形成反応を中心にみる検査だけでは、骨髄主体の病変を見逃す場合がある。
  • e:正しい — 形態的骨変化に乏しい腫瘍性骨髄浸潤を考える。ただし再生骨髄等との鑑別にはMRIや臨床・病理を合わせる。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問57

出題テーマ骨盤原発と扁平上皮癌のリンパ節進展

解答例:c

考え方

骨盤内原発病変と骨盤から上行するリンパ節病変の分布、扁平上皮癌という病理を合わせて子宮頸癌を優先する。原発確定は局所診察と組織診断による。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 扁平上皮癌はありうるが、明らかな食道原発より骨盤病変と同側下肢症状をまとめる疾患を優先する。
  • b:誤り — 多くは尿路上皮癌であり、骨盤の病変部位・扁平上皮組織像からは子宮頸部をまず評価する。膀胱扁平上皮癌が皆無という意味ではない。
  • c:正しい — 骨盤の原発様集積と腸骨・傍大動脈から鎖骨上へ至るリンパ経路が整合する。
  • d:誤り — 肺の明らかな原発病変を示さず、縦隔病変だけを肺原発と直結しない。
  • e:誤り — 頸部リンパ節だけなら候補でも、骨盤原発様病変と下肢リンパ流障害を説明するには劣る。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問58

出題テーマ89Srの骨髄予備能と取り込み条件

解答例:a・b

考え方

高度貧血と、骨製剤が取り込まない転移は治療選択を妨げる。その他も数値一つで安全を保証せず、血球推移・予後・前治療を合わせる。

各選択肢の解説

  • a:誤り — Hbが8g/dLを下回る重い貧血は骨髄予備能の危険信号であり、そのまま投与対象としない。
  • b:誤り — 標的への骨形成性集積がなければ、89Srの十分な集積と除痛効果を期待しにくい。
  • c:正しい — 7.6万/μLという値だけで一律に適応外とする設問ではない。ただし正常値ではなく、回復傾向や前治療を含め慎重に評価する。
  • d:正しい — 効果発現まで数週を要するが、見込み3か月は直ちに除外する短すぎる予後とはしない。状態・目的を個別に検討する。
  • e:正しい — 4か月の間隔なら再投与を検討できる場合がある。骨髄回復や前回効果の確認が必須で、経過月数だけで許可しない。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問59

出題テーマ頭頸部傍神経節腫とMIBG

解答例:e

考え方

耳鳴を来す頭蓋底の血管豊富な腫瘤とMIBG集積は、傍神経節由来のグロムス腫瘍を支持する。頭頸部病変ではMIBG陰性でも除外できない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 血管豊富で造影されうるが、MIBGの特異的取り込み機構を説明する第一候補ではない。
  • b:誤り — 硬膜付着性の腫瘤が鑑別になるが、交感神経系製剤の集積は傍神経節腫をより支持する。
  • c:誤り — 通常の病期評価はFDG等を用い、MIBG集積性の頭蓋底腫瘤という組合せには合いにくい。
  • d:誤り — FDGや歴史的にIMP等で評価する腫瘍で、MIBG集積を代表的特徴としない。
  • e:正しい — カテコールアミン関連の輸送機構をもつ傍神経節腫で、局在と症状・集積の組合せが整合する。

根拠・参考文献

腫瘍核医学・問60

出題テーマ分化型甲状腺癌のTSH刺激と肺転移

解答例:b・d

考え方

治療前にはヨウ素摂取を制限し、TSH刺激を十分得る。両肺の集積を認める転移例を、遠隔転移のない残存甲状腺アブレーションと同一に扱わない。

各選択肢の解説

  • a:誤り — 安定ヨウ素は取り込みを競合阻害するため、一般にヨウ素制限が必要。甲状腺ブロックの検査と逆である。
  • b:正しい — 休薬または適応に応じたrhTSH等で十分なTSH刺激を得て取り込みを高める。
  • c:誤り — 2014年の通常の国内rhTSH前処置適応を、肺転移治療へそのまま拡大しない。転移例への使用は承認条件や特殊状況を別に検討する。
  • d:正しい — 両肺にヨウ素集積を認め、集積性肺転移が疑われる。治療効果は集積のほか病変径・分化度・線量等による。
  • e:誤り — 乳頭癌の追跡は主にTgと抗Tg抗体を用いる。CEAの代表的高値は髄様癌等であり、病型を取り違えない。

根拠・参考文献

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