この回の出題傾向
この回の公開選択式は60問で、内訳は物理・機器・解析7問、製剤・品質管理8問、安全管理・線量・法規6問、脳神経9問、循環器9問、腫瘍・炎症4問、内用療法5問、一般臓器・検査手技12問です。
同じ公開60問形式の他13回平均に比べ、製剤・品質管理は2.6問多く、物理・機器・解析は2.0問少ない構成です。
代表的なテーマは非延長型計数系の数え落とし、I131治療患者の退出と施設管理、Tc心筋製剤の肝集積と負荷像、遠隔転移例とrhTSHの承認範囲です。問題数の差は難易度の差を示すものではありません。
公開選択式60問を主題により当サイトで一問一分類。公式の分野配点ではない。 比較は同じ公開形式の他回に限り、主題の重複計上はしていません。
核医学専門医試験・第12回(2015年)
問題は日本核医学会のHPを別タブで開いて確認しながら取り組んでください。問題文・選択肢・画像は掲載していません。
問題番号を押すと、出題テーマ・解答例・各選択肢の判定理由・根拠資料を確認できます。非公式の解答例です。未確定の項目は理由を明記しています。
解答候補として掲載:問10、問13、問14、問26、問29、問31、問33、問42、問43、問44、問45、問52、問60。解答未確定:問35。各項目に理由を記載しています。
総合・問1
解答例:e
解答例
考え方
核異性体転移は励起状態の違いを解消する過程で、核種の原子番号と質量数は保たれる。
各選択肢の解説
- a:誤り — アルファ粒子は陽子2個と中性子2個なので、質量数は4減る。
- b:誤り — ベータマイナスでは中性子が陽子へ変わり、原子番号は1増す。
- c:誤り — ベータプラスでは陽子が中性子へ変わり、原子番号は1減る。
- d:誤り — 電子捕獲でも陽子が中性子へ変わり、原子番号は1減る。
- e:正しい — 核のエネルギー状態が変わるだけで、陽子数と核子総数は同じ。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:核壊変の保存則。
総合・問2
解答例:a
解答例
考え方
Ga67は複数のガンマ線エネルギーを利用する。電子捕獲核種もガンマ線以外に特性X線や電子を伴い得るため、単純に「ガンマ線だけ」と説明しない。
各選択肢の解説
- a:正しい — Ga67は約93、185、300keVなど複数の光子を放出する。
- b:誤り — Tc99mは主に核異性体転移でTc99へ移る。
- c:誤り — In111には約171と245keVの主要ガンマ線がある。
- d:誤り — I123は電子捕獲核種で、治療用I131のような高エネルギーベータマイナス線を放出しない。
- e:誤り — Tl201は約73時間で、約8日のI131と混同している。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:医用核種の壊変と主要放射線・半減期。
総合・問3
解答例:d
解答例
考え方
等価線量と実効線量はSvで表す。放射線加重係数を用いる等価線量は、防護上の確率的影響を扱う量で、組織反応の直接評価と混同しない。
各選択肢の解説
- a:正しい — dpmは1分当たりの壊変数を表し、Bqとは60倍の換算関係がある。
- b:正しい — 物質量当たりの放射能としてBq/μmolを用いられる。
- c:正しい — 照射線量は空気中の電離電荷を単位質量で割った量。
- d:誤り — Gyは吸収線量の単位で、等価線量はSv。
- e:正しい — 臓器等価線量を組織加重して実効線量をSvで表す。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:線量量と単位、放射線加重と組織加重の区別。
総合・問4
解答例:a
解答例
考え方
観測計数率は毎秒500。非延長型の死時間モデルで失われる割合は観測率と死時間の積となり、0.06である。線源放射能と観測計数率の差には検出効率も含まれる。
各選択肢の解説
- a:正しい — 500×120×10のマイナス6乗=0.06で、真の事象率は約532毎秒となる。
- b:誤り — 観測率と死時間の積の2倍で、計算条件と合わない。
- c:誤り — 単位を秒へ揃えた積の4倍となる。
- d:誤り — 36kBqという全壊変数をそのまま検出事象率として扱うことはできない。
- e:誤り — 効率と計数損失を区別すると、提示条件からこの大きな損失率は得られない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:死時間補正、検出効率、非延長型の計数損失。
総合・問5
解答例:c
解答例
考え方
定量SPECTでは減弱だけでなく散乱、感度校正、必要な分解能補償等も重要。CT値は対象核種の光子エネルギーに適した減弱係数へ変換する。
各選択肢の解説
- a:正しい — CTで得た分布を使い、体内の光子減弱を補正する。
- b:正しい — 減弱マップ・位置確認を主目的とした低線量CT構成もある。
- c:誤り — 散乱光子を含めたままでは放射能濃度が偏り、散乱補正は定量に重要。
- d:正しい — I123とTc99mは光子エネルギーが異なるため、適切な変換関係も異なる。
- e:正しい — X線のCT値からガンマ線の線減弱係数へ換算するテーブル等が必要。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:SPECT定量、CT減弱補正、エネルギー依存の減弱係数。
総合・問6
解答例:c
解答例
考え方
総合分解能にはコリメータと検出器固有の両方のぼけが含まれる。幾何学的分解能一つだけと同一にはならない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 位置分解能は長さで示し、通常mm単位のFWHM等で評価する。
- b:正しい — 感度は単位放射能当たりの計数率で表す。
- c:誤り — 固有分解能等も寄与し、一般に複数のぼけを合成した分解能となる。
- d:正しい — 総合感度は実際のコリメータを含む系で測定する。
- e:正しい — 線状線源の応答の半値全幅は分解能指標として用いる。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:固有・総合分解能、感度、FWHM。
総合・問7
解答例:a・b
解答例
考え方
IMPではARG、Tc血流薬ではPatlak解析が代表的。画像再構成法や減弱補正法だけで絶対脳血流量が得られるわけではない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 入力関数と組織取り込みのモデルを用い、IMPの局所血流量を求める。
- b:正しい — 初回通過などのデータを解析し、Tc血流薬の脳血流定量に使う。
- c:誤り — Changは代表的には減弱補正であり、単独の脳血流量定量モデルではない。
- d:誤り — Gates法はDTPAを用いた腎機能評価で知られる。
- e:誤り — OSEMは画像再構成の反復手法で、血流の入力関数解析そのものではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:脳血流定量モデルと補正・再構成法の役割。
総合・問8
解答例:a・e
解答例
考え方
FBPは投影からの解析的な逆変換、OSEMはポアソン統計を基礎とする反復更新である。サブセット数は収束やノイズと併せて決める。
各選択肢の解説
- a:正しい — 理想的な投影モデルの逆問題をフィルタ処理と逆投影で解く。
- b:誤り — 計数データの基本モデルは正規分布でなくポアソン分布。
- c:誤り — フィルタと遮断周波数は高周波成分を変え、空間分解能とノイズに影響する。
- d:一律には誤り — サブセットを減らせば必ず計算が速くなるという関係ではない。データ量・更新数・実装に依存し、収束条件も変わる。
- e:正しい — ML-EMのデータを部分集合に分けて更新し、少ない反復回数で収束を進める。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:投影・逆投影、ポアソン尤度、ML-EM/OSEM。
総合・問9
解答例:d
解答例
考え方
FDGは輸送体で細胞へ入り、リン酸化後に代謝が進みにくく組織内へ保持される。PETが検出するのは陽電子そのものではなく消滅光子。
各選択肢の解説
- a:誤り — F18は通常サイクロトロンで作る。ジェネレータ製造の核種とは異なる。
- b:誤り — F18の物理的半減期は約110分。
- c:誤り — 陽電子が電子と消滅して生じる光子の同時計数を測る。
- d:正しい — FDG-6-リン酸として取り込まれた組織内に保持される性質を利用する。
- e:誤り — 未取り込み薬は腎から尿へ排泄されるが、腎での代謝を主な仕組みとはしない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:FDGの標識・壊変・輸送とリン酸化。
- EANM FDG腫瘍PET/CT指針2015:FDGの分布と尿路排泄。
総合・問10
解答例:b
独自解答候補・解答例・概算
考え方
Mo99の24時間後の残存率は約0.78で、3.7GBqの約2.9GBqとなる。溶出条件・分岐比を含む厳密計算には前提が必要だが、選択肢では約2.8GBqが最も近い。
各選択肢の解説
- a:誤り — 検定時の値をそのまま使い、親核種の24時間の減衰を無視している。
- b:最も近い — 親の減衰と娘の再蓄積を考慮する翌日の代表的な近似収量。
- c:低すぎる — 親Mo99は24時間で半減せず、概ね4分の3以上が残る。
- d:低すぎる — 娘Tc99m単独の減衰だけを追うと、親からの継続供給を無視する。
- e:誤り — 初回の娘核種を単純に4半減期減衰させる計算では、生成分が欠落する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:親娘核種の成長、過渡平衡、ジェネレータ収量。
総合・問11
解答例:d
解答例
考え方
Tcの標識では過テクネチウム酸の高い酸化状態を下げ、配位子との錯体形成を可能にする。二官能性キレート剤は金属と生体分子をつなぐ役割を持つ。
各選択肢の解説
- a:正しい — 金属イオンと電子対を与える配位子が結合した化合物が錯体。
- b:正しい — 金属によっては蛋白質側の結合部位との直接標識が可能。
- c:正しい — 金属を保持する部位と、蛋白・ペプチドへ結合する部位を持つ。
- d:誤り — 通常はスズ等による還元が必要で、酸化剤を基本とする説明は逆。
- e:正しい — 錯体の熱力学的・速度論的安定性は配位子構造と条件で変わる。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版:Tcキットの還元と標識条件。
- IAEA Nuclear Medicine Physics:金属錯体と標識生体分子。
関連する過去問
- 第9回(2012年)総合・問11:Tc標識は酸化でなく還元を用いる
総合・問12
解答例:d
解答例
考え方
自由拡散性のO15水は血流に対する初回抽出の制約が小さく、高血流域まで血流との対応がよい。脂溶性SPECT薬では逆拡散や抽出率低下の補正が必要。
各選択肢の解説
- a:劣る — HMPAOでは高い血流ほど抽出・保持が飽和し、単純な直線関係から外れる。
- b:劣る — ECDも取り込み・細胞内変換に依存し、高血流で完全な比例にはならない。
- c:比較的良いが最良ではない — IMPは高抽出だが、水の自由拡散に比べ抽出と洗い出しのモデルが必要。
- d:最も適切 — O15水の組織への移行は広い範囲で血流を直接反映する。
- e:対象が異なる — FLTは増殖関連のチミジン代謝を利用し、脳血流量の直線性を狙う薬剤ではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:脳血流トレーサの抽出率、移行定数、O15水モデル。
総合・問13
解答例:d
独自解答候補・歴史的な解答例:2015年時点
考え方
出題時点の通常の保険内用療法はI131、Sr89、Y90等のベータマイナス線を利用する。後年に実用化されたアルファ線治療まで含めて現在も同じと断定しない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 炭素イオンは加速器による外照射に用い、放射性医薬品の壊変による内用療法とは異なる。
- b:誤り — 陽子線も主に外照射で用いる。
- c:当時の選択ではない — アルファ線内用療法を現在まで否定する意味ではなく、2015年の保険診療を問う。
- d:正しい — I131やSr89、Y90の治療効果に用いられる荷電粒子。
- e:誤り — ガンマ光子は主に画像化などへ使い、ここでの腫瘍に与える治療線量の中心ではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:内用療法の核種と放出放射線。
総合・問14
解答例:a
独自解答候補・歴史的な解答例
考え方
出題当時の骨転移疼痛緩和薬はSr89で、骨代謝の活発な病変に集まりベータ線を与える。腫瘍種を超えて無条件の適応があるわけではない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 骨親和性を利用して有痛性骨転移の疼痛緩和に用いられた。
- b:誤り — Y90標識抗体の代表的適応はCD20陽性リンパ腫であり、同じ薬剤ではない。
- c:誤り — I125は代表的には密封小線源等に使い、Sr89型の全身骨転移疼痛薬ではない。
- d:誤り — I131は甲状腺・MIBGなどの標的薬に用い、汎用の骨親和性疼痛薬ではない。
- e:誤り — Ir192は密封小線源治療で用い、経静脈の骨親和性薬ではない。
根拠・参考文献
- EANMベータ核種による骨転移治療指針2018:Sr89の作用機序と有痛性骨転移適応。
総合・問15
解答例:a
解答例
考え方
iomazenilは中枢性ベンゾジアゼピン結合部位を標的とし、末梢型受容体のTSPOとは別である。
各選択肢の解説
- a:誤り — GABA-A複合体の中枢性結合部位をみる製剤。
- b:正しい — ioflupaneはシナプス前ドパミン輸送体へ結合する。
- c:正しい — MIBGはノルアドレナリン輸送系から神経終末等に取り込まれる。
- d:正しい — 標識octreotideはソマトスタチン受容体を発現する組織を描く。
- e:正しい — PiBは主に線維性アミロイドβ沈着を反映する。
根拠・参考文献
- Iomazenil PET-SPET receptor binding comparison:中枢ベンゾジアゼピン受容体への特異的結合。
- EANM/SNMMIドパミン神経画像指針2020:FP-CITのシナプス前DAT結合。
- EANM MIBG指針2010:ノルアドレナリン類似体の取り込み。
関連する過去問
- 第9回(2012年)総合・問24:iomazenilは中枢性ベンゾジアゼピン結合部位を標的とする
総合・問16
解答例:c
解答例
考え方
発熱性物質・エンドトキシン管理を半年ごとの確認だけで済ませる説明は不適切。工程とロットごとの必要試験を定めて品質を保証する。
各選択肢の解説
- a:正しい — 意図しない化学形の放射能をクロマトグラフィで分離・測定する。
- b:正しい — ガンマ線のエネルギーや壊変速度は核種の識別に使える。
- c:誤り — 投与する製剤の品質はロット・製造工程に対応して保証し、半年に1回というだけでは不十分。
- d:正しい — 残留溶媒・原料等の非放射性不純物にも規格を設定する。
- e:正しい — 投与放射能と検定時の放射能を保証するため放射能測定が必要。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版:院内製剤の品質保証・試験と放射化学的純度。
総合・問17
解答例:d
解答例
考え方
同じ核種が違う化合物に入る問題と、別の核種が混ざる問題を区別する。短半減期であっても被曝防護と品質管理は必要。
各選択肢の解説
- a:誤り — 短半減期でも投与・調製中は強い放射能があり、時間・距離・遮蔽等による防護が必要。
- b:誤り — 同等以上の性能が確かめられた適切な代替法を認める原則があり、記載法以外を全面禁止とはしない。
- c:誤り — 検定日時は表示放射能の基準時刻であり、製造完了時刻と必ずしも一致しない。
- d:正しい — 化学的に異なる標識体と、核物理学的に異なる核種の混入を分類している。
- e:誤り — 妊娠可能な年齢だけで検査を全面禁止しない。妊娠の可能性と検査の必要性を確認する。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版:検定、純度、品質試験、防護と適正使用。
総合・問18
解答例:b
解答例
考え方
キットは温度・振り混ぜ方・使用時間などの指定を守る。半減期が同じでも化学形は違い得るため、放射化学的純度は半減期だけでは測れない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 基本反応は過テクネチウム酸の還元である。
- b:条件付きで正しい — 室温反応が指定されるキットは所定温度へ戻す。ただしMIBI・MAG3等の加熱工程を不要とする意味ではない。
- c:誤り — 粒子や標識状態を変え得る激しい操作は避け、製剤指定の混和方法に従う。
- d:誤り — 遊離過テクネチウム酸以外にも還元加水分解Tc等が残り得る。
- e:誤り — 同じTc99mの異なる化学形は同じ半減期を持つため、クロマトグラフィ等で分離する。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版:製剤別の調製手順・不純物と純度試験。
総合・問19
解答例:a
解答例
考え方
ある線源臓器の放射能を時間積分した量に、標的臓器のS値を掛けて吸収線量を得る。時点一つの放射能ではない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 核変換の総量に対応する時間積分放射能が必要。
- b:誤り — 半減期は滞留の一因だが、取り込んだ放射能の大きさを含まない。
- c:誤り — 取り込み割合だけでは投与量と滞留時間が欠ける。
- d:誤り — 臓器質量等はS値に関与するが、別途掛ける主要量ではない。
- e:誤り — 化学形は分布・排泄に影響し、時間積分放射能を通じて線量に反映される。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:時間積分放射能とS値によるMIRD線量。
関連する過去問
- 第9回(2012年)総合・問20:MIRDのS値と時間積分放射能の役割を区別する
総合・問20
解答例:c
解答例
考え方
放射線防護の医療被曝には診療患者だけでなく、生物医学研究に参加する志願者も含まれる。診療を仕事として支える側の被曝とは区別する。
各選択肢の解説
- a:職業被曝 — 看護師が業務で患者対応中に受ける被曝。
- b:職業被曝 — 誘導業務に伴う職員の被曝。
- c:医療被曝 — 本人の診療利益がない健常研究志願者も、生物医学研究の被曝としてこの分類へ入る。
- d:職業被曝 — 医薬品製造の業務に伴う被曝。
- e:通常は職業的管理 — 実習に伴う被曝は学生の教育・業務として管理し、本人の診療目的の医療被曝ではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:職業・公衆・医療被曝と研究志願者の分類。
総合・問21
解答例:e
解答例
考え方
女性職員に適用される3か月の線量限度に対応して評価する。個人線量測定や記録自体を3か月に1回だけ行えばよいという意味ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 業務による被曝は職業被曝として管理し、公衆線量限度へ一律置換しない。
- b:誤り — 妊娠申告前にも所定の女性の限度・集計区分があり、全員を男性と完全に同じにはしない。
- c:誤り — 内部摂取の防止措置を講じ、適切な測定を行う。妊娠可能という理由だけで全ての関連業務を禁止する規定ではない。
- d:誤り — 放射性医薬品投与時の遮蔽は核種等に応じて選び、女性だけ防護衣を一律義務化する説明ではない。
- e:正しい — 対象女性では5mSv/3か月の限度に対応して管理する。測定・月ごとの集計などの実務は別途必要。
根拠・参考文献
- 電離放射線障害防止規則:女性職員の線量限度と個人モニタリング。
総合・問22
解答例:e
解答例
考え方
通常の成人職員は5年で100mSv、かつ単年50mSvを超えない。5年間平均だけを満たせば単年制限を無視できるわけではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — これは所定の女性に適用される3か月限度と混同している。
- b:誤り — 通常の成人男性に一律年10mSvという法定限度はない。
- c:誤り — 5年10mSvではなく100mSvが基本限度。
- d:誤り — 年100mSvは通常の職業被曝の年限度を超える。
- e:正しい — 5年間100mSvの実効線量限度に該当し、別に単年50mSv制約もある。
根拠・参考文献
- 電離放射線障害防止規則:通常業務の実効線量限度。
総合・問23
解答例:a
解答例
考え方
所定の残存放射能基準などを満たして退出する。放射能が少ないというだけで、一般の無管理診察室で自由に投与・排水できる意味ではない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 通常のI131退出基準の一つとして体内残存量500MBq以下を用いる。
- b:誤り — 0.1Sv/hは100000µSv/hで、I131線量率基準30µSv/hとは桁が大きく異なる。
- c:誤り — 投与量が少なくても非密封RIの使用場所・届出・管理条件が必要。一般外来のどこでも投与できない。
- d:誤り — 治療に伴う汚染排水は所定の排水設備・濃度管理に従い、無条件に一般系へ流せない。
- e:誤り — 治療病室の遮蔽は所定の線量基準と使用条件で設計し、一律1µSv/週という提示値ではない。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 放射性医薬品投与患者の退出2010:I131の放射能・線量率による退出基準と管理。
- 日本核医学会 放射性医薬品取り扱いガイドライン第4版:診療用RIの施設・排水などの安全管理。
総合・問24
解答例:a
解答例
考え方
血流不足を酸素抽出率の上昇で補うのが貧困灌流の重要所見。変性疾患の代謝低下に伴う低血流と区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 代償としてOEFが上がる。血流とOEFがともに低いという説明は異なる。
- b:正しい — ADの典型分布には側頭頭頂連合野と後部帯状回・楔前部の低下が含まれる。
- c:正しい — AD病理ではアミロイドβ沈着が重要で、アミロイド画像がその一部を反映する。
- d:正しい — DLBでは後頭葉の機能低下が支持所見となるが全例必須ではない。
- e:正しい — 黒質線条体ドパミン神経終末の障害に伴いDAT結合が低下する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:O15によるOEF・血流代謝の評価。
- EANM脳FDG PET指針2022:AD・DLBの機能画像分布。
- EANM/SNMMIドパミン神経画像指針2020:PDのシナプス前ドパミン終末機能。
総合・問25
解答例:d
解答例
考え方
Ioflupaneは線条体のシナプス前DATを描出し、変性性パーキンソン症候群の診断を補助する。疾患間の鑑別や臨床診断を単独で置き換えるものではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — てんかんの焦点評価は脳血流・糖代謝・受容体画像などを選び、DATを標準としない。
- b:誤り — iomazenilは中枢性ベンゾジアゼピン受容体で、DAT画像とは標的が違う。
- c:誤り — 指定に従う緩徐な静注を行い、急速ボーラスを標準としない。
- d:正しい — ドパミン神経終末障害の有無を調べることで診断精度を補う。
- e:誤り — ドパミン受容体でなく、再取り込みを担う輸送体への結合をみる。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMIドパミン神経画像指針2020:DATの適応・標的・投与と診断限界。
- Iomazenil PET-SPET receptor binding comparison:iomazenilの標的。
総合・問26
解答例:e
独自解答候補・解答例・条件付き:aの虚血の表現に留意
考え方
Tl201はTc血流製剤より一般に初回心筋抽出率が高い。アデノシンでは主に冠血管拡張に対する血流予備能差を画像化するため、運動で誘発する酸素需要増大の虚血と機序を区別する。
各選択肢の解説
- a:解釈に注意 — 可逆性欠損は臨床的に虚血性病変の指標だが、アデノシンが全例に実際の心筋虚血を起こすという意味ではない。
- b:誤り — 通常は8または16分割などを選び、Tcで一律32分割を標準推奨とはしない。
- c:誤り — 通常の負荷後再分布で虚血評価が可能で、再注入は全例必須ではない。
- d:誤り — 負荷と安静像の比較により梗塞周辺の残存虚血も評価できる。
- e:正しい — 血流の高い領域でTc製剤より高い抽出率を示すことが知られる。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:血管拡張負荷、同期収集、Tl再分布と抽出率。
総合・問27
解答例:d
解答例
考え方
カフェインはアデノシン受容体作用を妨げ偽陰性の原因となり、6時間だけの制限では不十分。通常は少なくとも12時間以上の制限等を所定手順で確認する。
各選択肢の解説
- a:適切 — MIBGの輸送・貯蔵を阻害する薬剤を確認する。中止は処方医と相談し、全薬剤一律の休薬期間にはしない。
- b:適切 — 気管支攣縮の危険があるので喘息・活動性喘鳴の既往を確認する。
- c:適切 — 高度房室ブロックでは有効なペースメーカーの有無等を含め禁忌・注意を確認する。
- d:不適切 — 薬剤負荷への干渉を避けるため、一般に6時間より長いカフェイン制限が必要。
- e:適切 — トレーサ注入がアデノシン持続投与を中断・変動させないよう別経路等を確保する。
根拠・参考文献
- ASNC SPECT stress protocols and tracers2016:カフェイン制限とアデノシン負荷禁忌・注意。
- EANM MIBG指針2010:MIBGに干渉する薬剤。
総合・問28
解答例:c
解答例
考え方
負荷後一過性内腔拡大は広範虚血の高リスク指標で、健常者の通常像として扱わない。左脚ブロック等では非冠動脈性の中隔低集積にも注意する。
各選択肢の解説
- a:概ね正しい — 肺へのTl取り込み増加は左室機能低下や充満圧上昇・重症冠疾患と関連する。
- b:概ね正しい — 虚血領域ではTlの保持・再分布が変わり、正常部より洗い出しが遅くなり得る。
- c:誤り — 明らかなTIDを正常反応とはしない。装置・負荷法による基準差はある。
- d:概ね正しい — 正常灌流像では一般に低リスクだが、バランス虚血や症状・糖尿病等を含め全てのリスクをゼロにはしない。
- e:正しい — 左脚ブロックでは収縮の非同期などで中隔低集積が生じ、冠狭窄による虚血に似る。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:Tl肺集積、washout、TID、正常像の予後と左脚ブロック。
関連する過去問
- 第9回(2012年)総合・問51:TIDと広範虚血の高リスク所見
総合・問29
解答例:a
独自解答候補・歴史的な解答例・用途の解釈に条件
考え方
試験の想定解は脳腫瘍の単純な良悪性鑑別。ただし脳腫瘍にFDGを一切使わないという意味ではなく、正常脳の高集積や炎症・組織型による重なりのため万能な鑑別法にならない。
各選択肢の解説
- a:単独の用途として限界 — FDG値のみで良悪性を分けることはできない。脳腫瘍の再発等の別目的や他トレーサの適用と区別する。
- b:用途がある — 膵癌と炎症性病変の鑑別補助に用いられるが、炎症偽陽性があり単独確定はしない。
- c:用途がある — 進行胃癌の遠隔転移検索に使い得る。印環細胞癌等の低集積や早期胃癌との違いに注意。
- d:用途がある — FDG集積性リンパ腫では治療反応の評価に重要。
- e:用途がある — 発作間欠期の局所代謝低下を、他検査と統合して難治性てんかんの焦点評価に使う。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 FDG PET/PET-CT指針2020:FDGの疾患別適応、保険適用の経緯、脳腫瘍の正常背景による限界。
- EANMてんかんPET/SPECT指針2024:難治性てんかんの発作間欠期FDG。
総合・問30
解答例:b
解答例
考え方
通常の正常肺は空気を多く含みFDGの生理的集積が低い。尿路の高集積は代謝そのものではなく排泄中の薬剤も反映する。
各選択肢の解説
- a:誤り — 正常脳はブドウ糖利用が高く、皮質に強い集積がある。
- b:正しい — 炎症等がない正常肺では比較的低い集積。
- c:誤り — 寒冷で活動する褐色脂肪は強く取り込むことがある。
- d:誤り — 腎実質と尿路への分布・排泄により描出される。
- e:誤り — 尿へ排泄されたFDGが貯まり強く描出される。
根拠・参考文献
- EANM FDG腫瘍PET/CT指針2015:正常脳・肺・褐色脂肪・尿路のFDG分布。
総合・問31
解答例:a
独自解答候補・解答例・eは震えの有無に条件
考え方
インスリンは骨格筋への糖輸送を増やすため、腫瘍検査直前の投与は画像を変える。寒冷では主に褐色脂肪が問題だが、震えがあれば筋集積も増える。
各選択肢の解説
- a:正しい — インスリン作用でGLUT4を介した筋への糖取り込みが増す。
- b:誤り — 活動筋は運動により糖消費とFDG取り込みが増える。
- c:誤り — 絶食でインスリンを低く保つと筋の不要な集積は通常抑えられる。
- d:誤り — 糖とインスリンの作用は心筋の糖利用を増す方向で、心筋生存性検査の前処置にも利用する。
- e:条件に依存 — 代表的には褐色脂肪が増加する。寒冷による震えがあれば筋も増えるため、絶対に筋は増えないとはしない。
根拠・参考文献
- EANM FDG腫瘍PET/CT指針2015:筋・心筋・褐色脂肪の集積と保温、絶食、運動制限。
総合・問32
解答例:d
解答例
考え方
3時間後でも大血管などの血液プールが描かれる像で、HSAが最も整合する。急速に網内系へ消えるコロイドでは遅延の間欠性出血検索が難しい。
各選択肢の解説
- a:誤り — フチン酸コロイドは網内系に取り込まれ、長い血液プールを保持しない。
- b:誤り — スズコロイドも血中から早く消失し、数時間後の持続血液プール薬とは異なる。
- c:誤り — GSAは肝細胞受容体の機能評価に用い、遅延出血検出の標準血液プール薬ではない。
- d:正しい — 標識アルブミンの血中滞留を利用し、出血先へ漏れた放射能を追える。
- e:誤り — MIBIは心筋・腫瘍等の細胞に集まり、肝胆道排泄があり血液プール像とは異なる。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:血液プール製剤と網内系コロイドの動態。
総合・問33
解答例:c
独自解答候補・歴史的な解答例
考え方
親核種はRb81である。電解質溶液は親のRbをカラムから遊離させるため用いず、ガスの供給には加湿した酸素・空気を使う。現在の添文は主に吸入ガス用途で、試験時の注射液の記載と区別する。
各選択肢の解説
- a:誤り — Mo99はTc99mジェネレータの親である。
- b:誤り — Rb81の半減期は約4.6時間。13秒は娘Kr81mの値。
- c:正しい — 生理食塩水は電解質によりRbを溶出させる危険があり、所定の非電解質液を用いる。
- d:誤り — 加湿酸素はカラム乾燥による収量低下を防ぐため使用する。
- e:誤り — 加湿空気も使用でき、乾燥を避けることが重要。
根拠・参考文献
- PMDAクリプトン81mジェネレータ電子添文:親Rb81、加湿ガス、非電解質液と生理食塩水禁止の理由。
総合・問34
解答例:b
解答例
考え方
MAAは肺の末梢血管に粒子として捕捉される。シリンジへ血液を引き込むと凝集・血栓による局所高集積を起こし得る。
各選択肢の解説
- a:標準薬の名称として不適切 — 日本で標準的に使うのは粗大凝集アルブミンMAAで、microsphereという別の粒子製剤名と混同しない。
- b:正しい — 血液混入により大きい凝集塊ができると、肺の点状高集積などの原因になる。
- c:誤り — 重力に依存する血流分布が注入体位で変わる。
- d:誤り — 通常は安静呼吸で投与し、息止めで一定の灌流像を作る手順ではない。
- e:誤り — 主な機序は粒子の一過性の血管内捕捉で、内皮への代謝的取り込みではない。
根拠・参考文献
- EANM肺換気血流SPECT指針2019:MAAの粒子捕捉・血液逆流回避・体位・呼吸条件。
総合・問35
解答例:未確定
未確定:dも実施可能、cは経路に依存
考え方
dを誤りとは断定できない。Tc-HSAによる蛋白漏出検出の原著がある。一方MAAは通常静注なら肺血流だが、門脈内投与による短絡評価の報告もあり、経路のない設問を一意に確定しない。
各選択肢の解説
- a:適切 — DMSAの腎皮質保持を使って瘢痕性の局所欠損を検出できる。
- b:適切 — 肝胆道排泄と胆汁の流れを利用し胆道の拡張部・うっ滞を評価する。
- c:経路次第 — 通常の末梢静注とは異なる門脈系への投与で、門脈大循環短絡を評価する報告がある。経路未指定を単純に誤りとはしない。
- d:実績がある — Tc-HSAで消化管への蛋白漏出を描出した原著があり、HSA-D以外は不可能と説明しない。
- e:適切 — DTPAの尿路動態と必要な利尿負荷により、拡張と排泄障害を評価する。
根拠・参考文献
- Protein-losing enteropathy diagnosed with Tc99m-HSA:Tc-HSAによる蛋白漏出性胃腸症の診断原著。
- Transportal Tc99m-MAA to quantify portosystemic shunting:門脈内MAAで門脈大循環短絡を検出した報告。2021年であり2015年の公式解答を証明する資料ではない。
- IAEA Nuclear Medicine Physics:腎皮質・腎動態・肝胆道薬の機序。
総合・問36
解答例:d
解答例
考え方
PMTは肝胆道へ排泄され、その正常な腸管移行を出血と混同するため、血液の漏出を追う検査の製剤として選ばない。
各選択肢の解説
- a:使用する — 標識赤血球が血管内から出血部へ漏れ、時間を追って消化管移動を検出できる。
- b:使用実績がある — コロイドは迅速に血中から消えるため、投与直後に活動性の出血があるかを調べる。
- c:使用実績がある — 網内系コロイドとして活動性出血の局所漏出を調べる歴史的な方法がある。
- d:使用しない — 肝胆道系から正常でも腸へ入るため、血液プールの出血検査薬ではない。
- e:使用する — 血中に保持されるアルブミン標識から漏出部をみる。安定性や画像時間に注意する。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:出血薬・網内系薬・肝胆道排泄薬の動態の違い。
総合・問37
解答例:b
解答例
考え方
肋骨に沿う帯状病変は転移を疑う候補になる。連続する複数肋骨の外傷パターンや正常肋軟骨接合部と区別し、骨シンチのみで確定しない。
各選択肢の解説
- a:他の病態を考える — 頭蓋全体の対称的増加は代謝性疾患などでも生じ、限局転移の特異的所見ではない。
- b:最も疑わしい — 肋骨の骨髄・皮質へ沿う長い病変は転移を疑う。CTと既往の確認が必要。
- c:生理的なことがある — 肋骨の先端・接合部は生理的な取り込みを示すことがあり、分布の対称性もみる。
- d:不全骨折を考える — 仙骨のH型は典型的な不全骨折パターン。
- e:骨膜反応を考える — 長管骨皮質に沿う対称的線状集積は肥厚性骨関節症などでみる。
根拠・参考文献
- EANM骨シンチ指針2016:転移、外傷・不全骨折、正常接合部・骨膜集積の鑑別。
総合・問38
解答例:e
解答例
考え方
早期血流の増加は炎症も腫瘍も起こすので、血流相だけで良悪性を決められない。三相と形態画像・臨床を統合する。
各選択肢の解説
- a:適切 — 遅延骨相は投与数時間後に骨/背景比が上がってから撮る。
- b:適切 — 投与数分後に局所の血液プールを評価する。
- c:適切 — 膀胱の重なりと尿路線量を減らすため直前排尿を促す。
- d:概ね適切 — 製剤間の骨/背景比の立ち上がり差はある。ただし一律の撮像短縮時間を保証するものではない。
- e:誤り — 良性炎症・外傷にも充血があり、血流相陽性は悪性に特異的でない。
根拠・参考文献
- EANM骨シンチ指針2016:三相撮像と排尿、骨・軟部炎症等の非特異的反応。
関連する過去問
- 第9回(2012年)総合・問37:骨シンチの水分・排尿・遅延撮像の前処置
総合・問39
解答例:e
解答例
考え方
破壊性甲状腺炎では貯蔵ホルモンが血中へ漏れ、血中値は高くても新たなヨウ素の取り込みは低下する。妊娠中にI123検査を行うことを勧める設問ではない。
各選択肢の解説
- a:通常は高い — バセドウ病は刺激抗体によりホルモン合成とヨウ素取り込みが亢進する。
- b:通常は病変で高い — 自律性機能性結節では結節が取り込み、周囲は抑制され得る。
- c:通常は刺激がある — TSH刺激による合成亢進で、破壊性漏出とは異なる。
- d:本問の代表ではない — hCG刺激などの機序を考える病態で、単なる低取り込み型破壊性炎症の代表ではない。妊娠時の検査は別途制限する。
- e:正しい — 濾胞破壊によるホルモン放出では、TSH抑制も加わり放射性ヨウ素取り込みが低い。
根拠・参考文献
- EANM良性甲状腺疾患I131治療指針2023:合成亢進と破壊性甲状腺中毒症の違い、妊娠時注意。
総合・問40
解答例:b
解答例
考え方
治療標的CD20の発現確認が必要。In111像の病変描出だけで効果を予測せず、正常臓器分布と骨髄予備能を評価する。
各選択肢の解説
- a:当時の適応と異なる — 初発一般例でなく、再発・難治性等の所定の適応を確認する必要がある。
- b:正しい — 抗体が結合する標的抗原の発現が治療の前提。
- c:誤り — In111平面像に病変が全て見えないことは、治療不能の基準そのものではない。
- d:誤り — 遅発性の血小板・好中球減少は重要な有害事象で、稀として監視を省かない。
- e:誤り — ベータ線核種も放射線安全法規と取扱い管理の対象。
根拠・参考文献
- In111イブリツモマブ体内分布の国内第II相研究:適格・不適格分布と放射免疫療法の評価。
- ZEVALIN prescribing information FDA/DailyMed2023:抗CD20作用と重大な遷延性血球減少。米国2023添文の適応範囲は日本2015年と同じではない。
関連する過去問
- 第9回(2012年)総合・問57:In111抗体の病変描出と適格分布評価は別である
総合・問41
解答例:c
解答例
考え方
所定位置の1cm線量当量率が30µSv/h以下という基準を問う。他に放射能量や個別積算線量による基準もあり、これ一つだけが全ての退出条件ではない。
各選択肢の解説
- a:誤り — 基準の100倍である。
- b:誤り — 基準の10倍である。
- c:正しい — 患者から1mの所定測定位置における基準値に相当する。
- d:誤り — 基準より10倍厳しい別の数値である。
- e:誤り — 基準より100倍小さい値である。
根拠・参考文献
- 厚生労働省 放射性医薬品投与患者の退出2010:I131の線量率基準と複数の退出判定方法。
総合・問42
解答例:e
独自解答候補・歴史的な解答例・aの絶食時間に留保
考え方
2015年の国内外来アブレーションの実施体制を問う。一般の転移治療とは対象が異なり、医師と診療放射線技師の研修・管理体制が必要。
各選択肢の解説
- a:時間指定は未確認 — I131投与前の絶食指示はあるが、4~6時間を全例必須とする原典は今回未確認。低ヨウ素準備・TSH刺激とは別の条件として施設手順を確認する。
- b:誤り — 所定の外来残存組織破壊の枠組みは遠隔転移なしを対象とし、小さい肺転移なら自動適応とはしない。
- c:誤り — 髄様癌は通常ヨウ素を取り込む濾胞細胞由来癌と異なる。
- d:誤り — 年齢20歳を一律の境界として扱わず、小児・若年者は別の適応評価と防護を行う。
- e:正しい — 実施施設に医師・診療放射線技師各1名の所定講習修了等の体制を求める。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 I131 1110MBq外来アブレーションQ&A2010:2010年の外来アブレーション実施講習・施設体制、対象。
- PMDAタイロゲン筋注電子添文:分化型癌の残存組織アブレーション補助の対象。
総合・問43
解答例:e
独自解答候補・解答例・条件付き
考え方
MRIの中脳形態だけでPSP等へ固定せず、パーキンソニズムと心筋MIBG低下を統合してレビー小体病を考える。DAT低下が予想されるが、画像だけでPD・DLB・PDDの区分を確定しない。
各選択肢の解説
- a:支持しにくい — 橋の十字状変化はMSA等でみられるが、本例の心臓交感神経脱神経を含む全体像を最も説明する選択ではない。
- b:断定しにくい — 3D-SSPでは後方領域の低下もあり、後頭部が必ず正常と言い切らない。
- c:支持しにくい — 歩行・尿症状は正常圧水頭症等でもみるが、MIBG低下とパーキンソニズムを含む本例の特徴を十分説明しない。
- d:単独鑑別には不十分 — アミロイド陽性はDLBでも併存し得て、レビー小体病を単純に否定する方法ではない。
- e:妥当 — ドパミン神経終末障害を伴うレビー小体病では線条体DAT結合低下を予想する。
根拠・参考文献
- DLB Consortium fourth consensus report2017:DLBのMIBG・DAT、アミロイド併存と臨床所見。
- EANM/SNMMIドパミン神経画像指針2020:変性性パーキンソニズムのDAT評価と鑑別限界。
総合・問44
解答例:c
独自解答候補・解答例・条件付き:原本cのPDD定義に訂正
考え方
運動症状が認知症に長く先行し、DATと心臓MIBGがともに低いことからPDDを考える。ただし原本cの説明にある「PDとADの合併」はPDDの定義ではなく、そのまま教えない。
各選択肢の解説
- a:優先しない — DLBは認知症とパーキンソニズムの発症時期の関係を含めて分類し、長年のPD後に生じる認知症と区別する。
- b:支持が弱い — MSAでもDATは低下し得るが、MIBG高度低下と認知症の組合せはPDスペクトラムをより支持する。
- c:名称を修正して採る — PDDは認知症を伴うパーキンソン病で、AD病理の合併が必須ではない。臨床時系列と画像を合わせる。
- d:支持が弱い — PSPでもDAT低下はあり得るが、典型的臨床所見とMIBGの組合せを確認する必要がある。
- e:支持が弱い — 非対称の皮質症状・失行などが不明で、CBD/CBSを優先する根拠に乏しい。
根拠・参考文献
- MDS Clinical diagnostic criteria for Parkinson disease dementia2007:PDDの定義と臨床診断基準。
- EANM/SNMMIドパミン神経画像指針2020:DAT低下だけでPD・MSA・PSP等を分離できないこと。
総合・問45
解答例:e
独自解答候補・解答例・条件付き
考え方
原図は両側被殻の低下で線条体が点状化し、変性性ドパミン神経障害を示唆する。臨床と合わせたレビー小体病の包括的な選択eを採るが、DATだけでPDとDLBを分けられない。
各選択肢の解説
- a:支持しにくい — 純粋なADでは一般に線条体DATは保たれ、明らかな被殻低下の第一説明ではない。
- b:含まれる可能性 — PDもレビー小体病に含まれるが、認知障害との時系列が不明でPD単独へ限定できない。
- c:支持しにくい — 前頭側頭葉変性でも症例により異常はあり得るが、提示症候と典型DAT低下では第一候補でない。
- d:支持しにくい — 急速進行等の情報がなく、CJDを本像だけで優先しない。
- e:最も包括的に合う — PD・PDD・DLBを含むレビー小体病として、運動症候・認知障害とDAT低下を統合できる。
根拠・参考文献
- EANM/SNMMIドパミン神経画像指針2020:DAT異常パターンとPD/DLBの鑑別限界。
- DLB Consortium fourth consensus report2017:レビー小体病の臨床・画像評価。
総合・問46
解答例:e
解答例
考え方
右側頭部ではCBVとOEFの上昇があり、低い灌流圧に対する血管床拡張・酸素抽出代償を考える。酸素需要より血流が余るluxury perfusionとは逆の所見。
各選択肢の解説
- a:妥当 — CBVの増加は血管床の拡張・うっ滞を支持する。
- b:妥当 — 造影像では右の通常の静脈洞還流が乏しく、還流障害を疑う。
- c:妥当 — 相対的血流不足をOEF増加で補う貧困灌流に合う。
- d:妥当 — 静脈圧上昇などにより有効灌流圧が低下し得る。
- e:誤り — luxury perfusionは代謝に比して血流が過剰で通常OEF低下を考え、本例のOEF上昇と合わない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:CBF/CMRO2/OEF/CBVと貧困・贅沢灌流の関係。
総合・問47
解答例:c
解答例
考え方
脳の後方機能低下と末梢交感神経・線条体ドパミン終末の障害を統合しDLBを第一に考える。各所見単独の特異性は完全ではない。
各選択肢の解説
- a:支持が弱い — ADだけではMIBGとDATの明瞭な低下を典型的に説明しない。
- b:支持が弱い — 血管性パーキンソニズムでは構造的血管病変と灌流分布を確認する必要があり、この三者の組合せとは異なる。
- c:最も適切 — 後頭葉機能低下とDAT・MIBG異常はDLBの診断を支持する。
- d:支持が弱い — 前頭側頭葉優位のパターンより、後方低下とレビー小体系指標が目立つ。
- e:鑑別に残る — PDもDAT・MIBGが低いが、後方皮質所見と認知症の評価を含めDLBを優先する。
根拠・参考文献
- DLB Consortium fourth consensus report2017:DLBの支持的灌流所見と指標的DAT/MIBGバイオマーカー。
- EANM/SNMMIドパミン神経画像指針2020:線条体DAT異常の評価。
総合・問48
解答例:c
解答例
考え方
ECDは細胞内で変換され比較的安定した脳内分布を保持する。細胞障害が強い再灌流部では血流と保持が乖離するため、贅沢灌流を過小評価し得る。
各選択肢の解説
- a:標準の組合せではない — IMPの代表的な定量はARG等で、Tc薬の初回通過Patlakと取り違えない。
- b:不正確 — IMPの分布は取り込み・洗い出しにより時間変化し、10分を全例の固定ピークとしない。
- c:正しい — 適切な時間内では大きい再分布が少なく、投与時の血流パターンを比較的長く保持する。
- d:誤り — 障害組織ではECDの保持が低く、過灌流が実際より目立たない場合がある。
- e:誤り — HMPAOも補正モデル等により定量が可能で、全面的に不可能ではない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:IMP/HMPAO/ECDの動態と定量モデル。
- Assessment of postischemic reperfusion and Diamox test using Tc99m-ECD SPECT:他製剤で過灌流を示す再灌流部でECD保持が低下し得ること、HMPAO/IMPとの比較。
総合・問49
解答例:a
解答例
考え方
前壁・中隔側の負荷低下は安静で改善し、LAD領域の有意虚血を疑う。QGSのEDVは負荷77mL、安静74mLと近く、それだけで明白なTIDとはいえない。
各選択肢の解説
- a:最も適切 — LAD灌流域の可逆性低下を重くみて冠動脈評価・血行再建適応を検討する。
- b:合わない — 主病変を回旋枝の高度虚血に限定する分布ではない。
- c:誤り — 負荷時の低集積だけで生存心筋が乏しいとはせず、安静での回復を評価する。
- d:誤り — 再分布があり、症状を含め単純経過観察としない。
- e:支持が弱い — 容積比は約1.04で、装置・条件依存の閾値を超える明らかな拡大と断定する根拠に乏しい。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:灌流域、再分布による虚血、生存性、TIDの解釈。
関連する過去問
- 第9回(2012年)総合・問50:Tlの負荷欠損と再分布から虚血・生存性を読む
総合・問50
解答例:c
解答例
考え方
Tc製剤は良い計数統計を得やすいが、肝・胆道・腸の近傍集積が下壁評価を妨げ得る。Tlより肝集積が少ないと一般化しない。
各選択肢の解説
- a:正しい — 取り込み時の血流分布を保持するので、注入後に負荷を終えてから収集できる。
- b:正しい — 運動能力が不十分なら禁忌を確認し薬剤負荷を選べる。
- c:誤り — MIBI等では肝集積が目立つ。多い光子計数という利点と、肝集積の問題は別。
- d:正しい — 負荷で低下し安静で回復する灌流差は可逆性虚血を示唆する。
- e:正しい — 広範囲の虚血は一般に高リスク所見で、追加評価や治療方針に関係する。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:Tc製剤の肝胆道分布、負荷収集と虚血リスク。
総合・問51
解答例:d
解答例
考え方
MIBGは交感神経機能の障害度を示し、予後・重症度・治療反応の評価に利用できる。病因を虚血性か非虚血性かへ特異的に分ける検査ではない。
各選択肢の解説
- a:有用 — 交感神経障害の程度は心不全の重症度と関連する。
- b:有用 — H/Mや洗い出し等で予後リスクを層別化する。
- c:有用 — 低い心筋取り込みなどが生命予後と関連する。
- d:最も限定的 — 複数の心不全病態でMIBG異常を示すため、病因鑑別には冠動脈や灌流等の評価が必要。
- e:有用 — 治療に伴う交感神経機能変化を経時評価する用途がある。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:MIBGの心不全重症度・予後・治療評価と病因診断の限界。
関連する過去問
- 第9回(2012年)総合・問52:心不全におけるMIBGの予後評価と病因診断の限界
総合・問52
解答例:d
独自解答候補・解答例・条件付き:EF差は境界的
考え方
原図では安静EF68%に対し負荷後63%で、想定解はstunning。ただし5ポイント差は境界的で測定変動もあるため、これだけで不可逆的障害や重症冠病変を確定しない。
各選択肢の解説
- a:支持しにくい — 主な灌流差を右冠動脈領域の虚血として限定する所見ではない。
- b:誤り — 再分布がある領域を固定した完全梗塞としない。
- c:支持しにくい — 回旋枝の梗塞と周辺虚血へ一意に局在する根拠が乏しい。
- d:条件付きで採る — 負荷後のEF低下は一過性収縮機能低下を示唆するが、絶対差5点だけを確定閾値としない。
- e:支持しない — EDVは負荷97mL、安静105mLで、負荷後の容積増大は示されていない。
根拠・参考文献
- Prognostic implications of post-stress EF decrease:5ポイント以上の負荷後EF低下が研究で評価されたこと。ただし本例のstunningを単独で証明する研究ではない。
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:負荷後機能変化とQGS評価。
総合・問53
解答例:e
解答例
考え方
負荷時の前壁・下壁側低下と内腔拡大は広い虚血を疑う。正常灌流像に使う低イベント率をこの像へ当てはめない。
各選択肢の解説
- a:妥当 — 前壁・中隔側に再分布を伴う異常があり、LAD域の虚血を考える。
- b:妥当 — 下壁にも負荷と安静の差があり、別灌流域の虚血を考える。
- c:妥当 — 負荷後像で相対的に内腔が大きく見え、広範虚血の追加指標になる。
- d:概ね妥当 — 視覚的には複数領域に及ぶ。正確な10%閾値の判定には定量マップ等を用いる。
- e:誤り — 正常像に近い低リスク群とは異なり、重大心事故を一律1%未満/年とは推定しない。
根拠・参考文献
- 日本循環器学会 心臓核医学検査ガイドライン2009:広範虚血、TIDと心事故リスク。
総合・問54
解答例:d
解答例
考え方
心筋の糖利用を抑えるには長めの絶食や低炭水化物食などを組み合わせる。蛋白質を制限するという説明は不適切。房室ブロック・心室性不整脈と局所心筋集積は心サルコイドを疑わせる。
各選択肢の解説
- a:正しい — 心筋炎症とリンパ節を示す分布はFDG PETに合う。
- b:正しい — 縦隔・肺門付近に局所集積がある。
- c:正しい — 提示心長軸方向の像に心尖部側の局所集積がある。
- d:誤り — 問題は蛋白質制限の部分。糖質を抑えた食事や適切な絶食を用い、18時間だけを唯一の前処置としない。
- e:正しい — 右室側にも異常な局所心筋集積を認める。
根拠・参考文献
- 日本核医学会 FDG PET/PET-CT指針2020:心サルコイドでの絶食・低炭水化物食と心筋炎症評価。
総合・問55
解答例:b
解答例
考え方
後腹膜病変のMIBG集積はカテコールアミン系腫瘍を支持する。褐色細胞腫・傍神経節腫はFDG陽性になり得て、遺伝子型等により製剤感度も異なる。
各選択肢の解説
- a:妥当 — 副腎外の腫瘤と一致するMIBG集積から傍神経節腫を考える。
- b:誤り — FDGが強く集まる例があり、一般に無集積とはいえない。
- c:正しい — ノルアドレナリン類似体として輸送・貯蔵機構を利用する。
- d:正しい — 三環系抗うつ薬等は輸送を阻害し集積を低くするため確認する。
- e:概ね正しい — I123の光子・検出特性は診断画像に有利で、通常I131より良好な空間分解能・画質を得やすい。
根拠・参考文献
- EANM MIBG指針2010:神経内分泌腫瘍の集積機序、薬物干渉、I123とI131の診断。
総合・問56
解答例:e
解答例
考え方
趾間から吸収されたHSAはリンパを通り血中へ移り、全身の血液プール・尿路も描かれ得る。原図のリンパうっ滞と広い血中分布からHSAを選ぶ。
各選択肢の解説
- a:誤り — Tl201の標準用途は心筋等で、本例の趾間注入によるリンパ動態薬ではない。
- b:誤り — MIBGは交感神経系の検査薬で、リンパ流の経路表示を主目的としない。
- c:誤り — MIBIは心筋・腫瘍細胞への取り込みで用い、ここでの製剤分布と異なる。
- d:別法としては使う — フチン酸コロイドもリンパ節検索に用いられるが、提示の広い血液プールへの移行は可溶性HSAにより整合する。
- e:最も適切 — HSAの皮内投与で下肢のリンパ輸送・浮腫を評価した原著があり、本例の全身分布に合う。
根拠・参考文献
- Assessment of leg oedema using Tc99m-HSA lymphoscintigraphy:趾間皮内Tc-HSA投与による下肢浮腫・リンパ機能評価。
総合・問57
解答例:b
解答例
考え方
対称的な顎下腺病変に大動脈周囲軟部組織、前立腺や肺病変を伴い、IgG4関連疾患を考える。FDGの強さだけで癌・リンパ腫・炎症を区別しない。
各選択肢の解説
- a:鑑別には残る — リンパ腫でも多臓器に集積するが、腺腫大と大動脈周囲線維化型病変の組合せは別の全身性炎症を支持する。
- b:最も適切 — IgG4関連唾液腺炎・後腹膜線維症等の多臓器分布に合う。血清・病理などの裏付けが必要。
- c:支持が弱い — 多中心性リンパ節腫大と炎症所見等を確認する疾患だが、提示像の腺・大動脈周囲分布を最も説明する選択ではない。
- d:支持が弱い — 肺門や腺集積は重なるが、後腹膜・前立腺を含む全体の組合せはIgG4関連疾患を優先する。
- e:支持が弱い — 上気道・肺結節・腎炎やANCA等を評価する疾患で、本像だけでは典型的に支持しない。
根拠・参考文献
- European guideline on IgG4-related digestive disease:IgG4関連疾患の膵外多臓器病変と包括的診断。
関連する過去問
- 第9回(2012年)総合・問55:腺・後腹膜などの多臓器FDG所見からIgG4関連疾患を考える
総合・問58
解答例:a
解答例
考え方
唾液腺や口腔の集積に対して頸部の甲状腺が明瞭に描かれず、甲状腺への低取り込みをまず記述する。亜急性甲状腺炎か無痛性などかは、疼痛・炎症・薬剤歴等が必要。
各選択肢の解説
- a:正しい — 唾液腺に比べ本来の甲状腺位置の取り込みが著しく乏しい。
- b:支持しにくい — 典型的バセドウ病のびまん性高集積とは異なる。
- c:鑑別に残る — 破壊性甲状腺炎なら低取り込みだが、亜急性と断定する疼痛・炎症等の情報がない。
- d:誤り — 耳下腺・顎下腺の描出は過テクネチウム酸等の正常分布として説明できる。
- e:断定できない — 口腔・舌部の正常分布や唾液と区別し、単一平面像だけで異所性甲状腺とはしない。
根拠・参考文献
- IAEA Nuclear Medicine Physics:甲状腺・唾液腺の製剤分布と破壊性中毒症。
- EANM良性甲状腺疾患I131治療指針2023:甲状腺中毒症の鑑別と低取り込み。
総合・問59
解答例:d
解答例
考え方
鎖骨上・傍脊椎の対称性取り込みがCT上の脂肪に一致し、褐色脂肪を示唆する。若年女性の子宮内膜は生理周期で集積し得る。
各選択肢の解説
- a:誤り — 小病変や低悪性度・組織型によって乳癌のFDG集積が低いことがあり、低SUVで除外できない。
- b:誤り — 融合像では主に脂肪組織内の分布で、リンパ節と即断しない。
- c:誤り — 傍脊椎の集積は筋の実質でなく脂肪位置に合う。
- d:正しい — 月経周期等に伴う生理的内膜集積があり、症状や周期と形態を確認する。
- e:誤り — 鎖骨上の褐色脂肪をリンパ節病変として扱い、リンパ腫を診断することはできない。
根拠・参考文献
- EANM FDG腫瘍PET/CT指針2015:褐色脂肪の典型分布、低集積腫瘍と女性生殖器の正常FDG。
総合・問60
解答例:e
独自解答候補・歴史的な解答例・国内承認範囲に関する判断
考え方
診断補助のrhTSHと、遠隔転移のない残存組織アブレーション補助を区別する。骨転移例の治療準備に自動的に使うのは国内承認範囲と異なる。誤りの理由を単なる当日投与時刻だけにしない。
各選択肢の解説
- a:概ね妥当 — 残存正常甲状腺の大きな取り込みを避けるため、適切な追加手術の可否を検討してからI131治療を計画する。
- b:概ね妥当 — 高リスクの分化型癌では術後RAIを検討する。低リスク全例への一律投与とは異なる。
- c:妥当 — 診断補助の刺激下検査で、CT未描出のヨウ素集積性微小肺転移が見つかることがある。
- d:妥当 — 内因性刺激のTSHが不十分なら服薬・準備と病態を見直し、適切な条件で投与する。
- e:承認適応として誤り — タイロゲンの治療補助は遠隔転移のない患者の残存組織破壊が対象。転移例での例外的使用は別の個別判断であり、標準として予定通り行うとはしない。
根拠・参考文献
- PMDAタイロゲン筋注電子添文:診断補助と遠隔転移なしのアブレーション補助の適応、24時間間隔2回投与。
- ATA分化型甲状腺癌指針2015:転移・高リスクのRAIとTSH刺激、ヨウ素集積性微小肺病変。
関連する過去問
- 第9回(2012年)総合・問9:I131治療のTSH刺激と準備不足の見直し