更新情報

2020年8月23日 39修正

 

基礎(1-5)

1.

解答:b

  • β(γ)線を放出する放射性物質による体表面汚染の測定にはGM計数管式サーベイメータが最も広く使われている。
  • α線を放出する放射性物質による体表面汚染の測定には、ZnS(Ag)シンチレーション式表面線検査用サーベイメータが使われている。
  • 空間線量率測定:γ線の測定にはNaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータ、GM計数管式サーベイメータ、電離箱式サーベイメータがある。中性子線の測定いは、3He計数管やBF3計数管を用いた中性子線量測定用サーベイメータがある。

 

2.

解答:b,d?

  • LNT(Linear Non-Theshold 閾値なし直線)仮説とは放射線の被ばく線量と発ガンのリスクに線形の関係があり、低線量でのしきい値はないと仮定する仮説。
  • 放射線ホルミシス(Radiation hormesis)とは、大きな量(高線量)では有害な電離放射線が小さな量(低線量)では生物活性を刺激したり、あるいは以後の高線量照射に対しての抵抗性をもたらす適応応答を起こすこと。(wikipedia)
  • ホルミシス理論では、少量で極大のプラス効果を持つ刺激が生じ、さらに用量を上げていくと、効果がないゼロ相当点(ZEP:zero equivalent point)に達し、これが“しきい値”とされ、その値を超える場合に有害なマイナス効果が増大する、とされる。(wikipedia)

 

3.

解答:e

  • 妊娠申告後出産までを通して、外部被曝が母体の腹部表面で2mSv、内部被曝1mSvと規定されている。
  • これは、胎児を公衆とみなし、公衆の被曝線量限度1mSv/年を超えないように配慮した結果。1mSvを超えると胎児の異常が増加するわけではない。

 

4.

解答:d

 

5.

解答:b,d

参考)ドクターソフトと電子化カルテの3原則

 

頭頸部(6-15)

6.

解答:b

 

7.

解答:e

コロイド嚢胞の画像診断
  • CTでは内部高吸収値
  • MRIではT1WIで内部高信号T2WIで低信号。Gdによる造影で辺縁が造影されることがある。

 

 

8.

解答:c、d

  • ダンベル型の形態を示す髄外で硬膜外腫瘍。
ダンベル型の病理組織別頻度

1位 神経鞘腫 7割
2位 神経線維腫 1割
3位 神経芽腫、神経節神経腫 1割
4位 髄膜腫 5%
5位 血管腫 2%

 

 

9.

解答:b

脊髄血管芽腫
  • びまん性の脊髄腫大、腫瘤はT1WIで等~低信号。T2WIでは典型的にはflow voidを含む高信号を示す。周囲の浮腫も見られる。
  • 造影MRIでは強く均一に増強される。(大きくなると不均一になる)
  • 腫瘍の上下に嚢胞を伴うことが多い(75%) 内容液はタンパク質に富み、腫瘍からの浸出液と考えられている。
  • 約半数で脊髄背側に拡張蛇行した血管が見られる。
  • 胸髄(50%)、頸髄(40%)で見られる。多発性の場合はvon Hippel Lindau病を考慮。

 

10.

解答:e

MELAS
  • 多くは15歳未満に脳卒中様症状やけいれんで発症。
  • 画像上は後頭葉や側頭葉優位に梗塞様の皮質に至る病変を認める。病変部位が血管支配に合致せず、急性期病変のADCが低下せず可逆性変化を呈しうる点が梗塞と異なる。
  • 急性期病変の血流亢進を反映してMRAでは病変側の血管が太く描出されたり、潅流画像での高血流を認める。

 

 

11.

解答:e

  • 両側視床、橋にびまん性のT2WI高信号あり。
浸透圧性脱髄症候群
  • CPMでは橋中央にT2強調像で楕円形〜三角形の高信号を示す。
  • EPMで見られる基底核、外包、視床、皮質などの病変は左右対称に見られることが特徴である。
一酸化炭素中毒
  • 急性期は両側淡蒼球の対称性病変(壊死)を反映して、CTで低吸収、T2WIで高信号。T1WIで高信号。
  • 慢性期は大脳白質のびまん性脱髄病変を反映して、CTで低吸収、T2WIで高信号。

 

 

12.

解答:d

 

 

13

解答:c

傍神経節腫
  • 頸動脈小体頸静脈孔鼓室、迷走神経。
  • 交感神経系の傍神経節腫:副腎髄質、大動脈分岐部近傍のZuckerkandl器官、交感神経の分布に沿った他の傍神経節。
  • 副交感神経の傍神経節:頸動脈小体、迷走神経および舌咽神経の頸部および胸部分岐に沿った他の傍神経節。
  • eの眼窩はネットで検索すると出てくるので○なのでしょう。

 

 

14.

解答:e

 

 

15.

解答:d

 

整形(16-21)

16.

解答:d,e

  • 大腿骨骨端部に溶骨性病変あり。
30歳以下の患者における骨端部溶骨性病変の鑑別

・骨髄炎
・軟骨芽細胞腫
・骨巨細胞腫

+ 好酸球性肉芽腫、動脈瘤様骨嚢腫

  • 40歳以降では転移と骨髄腫を加える。M&M。
  • 軟骨芽細胞腫における石灰化の頻度は40~60%なので、鑑別に役立たない。

 

17.

解答:d

 

18.

解答:d

  • 経過と合わせると結核性か?ただし3椎体以上ではなく、2椎体。

     

    19.

    解答:d→c

    o先生ありがとうございました。

    • サッカー少年のキック動作が機転になる下前腸骨棘の裂離骨折。
    骨化性筋炎の画像所見
    • 発症早期:軟部組織の腫脹、時に骨膜反応。
    • 数週間後:斑状の淡い石灰化
    • 1-2ヶ月後:レース状の辺縁明瞭な骨化。骨化は辺縁ほど強い。(ゾーン現象)
    • 近接する骨とは連続性を持たない事が多いが、持つこともある。

     

     

    20.

    解答:b,e (?)

    • 大腿骨頸部転子間骨折に対して骨接合術後。骨接合術後の合併症として偽関節や骨癒合不全、骨頭壊死,遅発性骨頭陥没があり、この場合、人工骨頭置換術を行う必要あり。
    骨折の合併症
    • 急性期:血管損傷、肺血栓塞栓症、脂肪塞栓症。
    • 亜急性期〜慢性期:骨髄炎、骨壊死
    無腐性骨壊死
    • なんらかの原因による血流遮断の結果起こる虚血性の細胞壊死である。全身のどこの部位にも生じうるが、特発性のものは股関 節や膝関節に好発する。
    • 小児の大腿骨頭に発症するPerthes病。
    • 成人の特発性大腿骨頭壊死。
    • 月状骨に発症するKienbock病。
    成人の特発性大腿骨頭壊死。
    • 骨片の偏位が大きい場合、50歳以上の高齢者、整復が遅れた場合などに頻度が高くなる。

     

     

    21.

    解答:b,e

    • 舟状骨骨折。中央部に低信号あり。骨壊死は近位に多く、中央部の骨折が7割を占める。
    舟状骨骨折
    • 転倒で進展位で手のひらをつくと、橈骨遠位端骨折(Colles骨折)を起こすことが多いが、若年者では舟状骨骨折を起こす。
    • 手根骨骨折で最多。
    • 7割は中央部1/3に、2割は近位部1/3に、1割は遠位部1/3に起こる。
    • 舟状骨近位骨折は骨壊死を合併しやすい。
    • 骨癒合しにくい、偽関節になりにくい特徴あり。
    • 外傷直後に指摘できない骨折が1~2週間後のX線写真で明らかになる代表的な骨折。
    骨折により血行不良になりやすい骨折
    • 大腿骨頸部内側骨折
    • 脛骨中下1/3骨折
    • 手舟状骨骨折近位
    • 距骨骨折

     

     

    肺(22-34)

    22.

    解答: c

    • 肺アミロイドーシスの結節型か。

     

     

    23.

    解答:c?

    • 問題の意図がよくわからないが、右下葉に境界不明瞭なspiculaを呈する腫瘤あり。LKを疑う。なので経過観察するまでもなく、気管支鏡で癌細胞の証明をしにいく・・・と思われるが。
    • サイズは2cmくらいありそう。内部に気管支透亮像あり。すりガラス影に加えて充実部位があるように見える。mixed GGOに分類され、生検や手術により診断をつけにいく。フォローするにしても、2ヶ月後にフォローしたい。

     

     

    24.

    解答:c,d

    メトトレキサートによる肺障害
    • 多彩で、間質性肺炎、急性肺障害、ARDS、好酸球性肺炎、気道系疾患、肺血管疾患、胸膜病変いずれもありうる。

       

      25.

      解答:d

      • 小葉間隔壁の肥厚あり。典型的な癌性リンパ管症。

       

       

      26

      解答:a

      • 線維化に加えて、両側胸膜プラークあり。CP angleはspareされている。

       

       

      27.

      解答:c

      • 両側肺門リンパ節腫大+肺野にすりガラス影の集簇(Galaxy sign)あり。サルコイドーシス。

       

       

      28.

      解答:a

      • 多発嚢胞性病変に気胸合併あり。典型的。LAM。

       

      29.

      解答:e

      • 右肺尖部空洞内に菌球あり。アスペルギルス症。

       

       

      30.

      解答:c

      • 小葉中心性の淡いすりガラス結節影。典型的。過敏性肺臓炎。

       

       

      31.

      解答:d

      • 両側上肺野および左肺門に浸潤影あり。3週間前からという経過。2週間以上の経過が慢性好酸球性肺炎の定義。他の選択肢が違うぽいし。

       

      32

      解答:c,e

      • 胸腔に広範に腫瘤。T2WIで高信号域-中心部低信号域あり。造影効果あり。
      • 選択肢の様子からSFTか。
      SFT
      • 2/3は臓側胸膜から発生。
      • 2割が悪性。
      • T1強調像、T2強調像とも線維成分を反映して不均一な低信号を呈することが多いとの報告があるが、粘液腫様変性、壊死、出血を反映してT2強調像で高信号が混在することも多い。

       

       

      33.

      解答:d

      • 血管の賑やかさが上の方にも強い。
      血管の賑やかさ(正面)
      • 循環器のレントゲンを見るときに重要。
      • 通常,上肺:下肺=1:1.5〜2の血管の賑やかさ
      • 肺鬱血が進行すると、徐々に上が賑やかになってくる。
      • 上=下くらいの賑やかさ→肺鬱血を示唆

       

       

      34

      解答:c

      • 2ヶ月で石灰化結節多発出現ってこと。2ヶ月前のレントゲンではリンパ節の石灰化は認めない。
      • 石灰化を有する転位性肺腫瘍の原発巣としては骨肉腫、軟骨肉腫、滑膜肉腫の頻度で高い。他に、乳癌、精巣腫瘍、粘液産生性の悪性腫瘍(大腸癌、胃癌、卵巣癌)が挙げられる。

         

        心血管(35-37)

        35.

        解答:b?

        炎症性大動脈瘤
        • 感染性大動脈瘤とは異なるので注意。
        • 動脈壁の著明な肥厚と隣接臓器との癒着を特徴とする。
        • 原因は不明だがIgG4とも関連があるとも言われる。
        • 瘤の前方から側方にかけて厚い軟部組織が取り巻いているのが認められ、特徴的(mantle sign)。造影CTで大動脈瘤外膜が均一に造影され、長く造影効果が持続する。

        ※教科書の画像とは結構異なるような…。保留。

         

        36.

        解答:b,e

        • 胸部上行大動脈-下行大動脈に解離あり。Stanford type A。偽腔開存型。
        • 単純CTで高吸収の心嚢水あり。

         

        37.

        解答:a

        • 後壁が線状に薄くなっている。心筋梗塞後の疑い。

         

        乳腺(38-40)

        38.

        解答:a,d

        • spiculaを有する腫瘤あり。カテゴリー5。
        • CC(上下)で左なので、上が外側、下が内側。なので、腫瘤はA/Bにある。
        • MLOで腋窩が見える。有意かどうかは置いておいてリンパ節は見える。

         

        39.

        解答:b,c?→b,e

        • T1WIおよびT2WIで高信号。
        • サブトラで一部造影効果あり。cはまず疑われる。あとはb?

        2011年の39ですが、乳腺の嚢胞+充実 腫瘤を答えるということであれば
        嚢胞内乳頭腫
        嚢胞内乳癌=非浸潤性乳管癌
        ということになるのかなと思いました。
        下半分は全く染まっていないので、粘液癌なら弱く造影されるかなと。

        rhythmology先生ありがとうございます!!

        40.

        解答:d,e

        • 両側微小な石灰化多数あるが、乳腺外。乳腺内に有意な石灰化なし。
        • 高吸収を呈する嚢胞はなし。低吸収の脂肪は見られる。
        • ヒアルロン酸を乳腺にまぶして注入するとこのような画像になる。

         

        小児(41-43)

        41.

        解答:b

         

        42.

        解答:a,e,(d?)

        小児に特徴的な肺炎のレントゲン像
        • X-pで辺縁が明瞭な円形の腫瘤状陰影を呈する小児に特有の肺炎があり、形から円形肺炎(round pneumonia)もしくは球形肺炎(spherical pneumonia)と呼ばれている。
        • 小児の肺腫瘤性病変で最も頻度が高いのは円形肺炎。
        • 8歳以下の小児の中葉や下葉に生じ、肺炎球菌によることが多い。
        • 細菌性肺炎が進行するときに一般的に側副路であるKohn孔やLambert管を介して周囲に波及するが、これらの側副路が未発達な8歳以下の小児では肺炎が円形を呈する。
        • 最初円形だった肺炎像が経時的に、典型的な肺炎に変化する。

         

        43.

        解答:a

        • Aはアデノイド、Bは口蓋扁桃。Cは喉頭蓋。
        • 口蓋扁桃は左右にあり、口腔の視診で見え、腫脹や白苔の有無をチェックするいわゆる「扁桃腺」。
        アデノイド
        • アデノイドは咽頭扁桃で、上咽頭頂部に存在する。これも扁桃腺だが、口蓋垂の背側正中にあり、通常視診では見えない。生理的な組織で、6歳前後で最も大きくなる。
        • 30-40歳で萎縮するが、成人でも肥大が残ることがある。
        • 増殖したアデノイドを足場に細菌が増殖しやすくなり、それに対する免疫応答の結果、しばしば頸部リンパ節腫脹をきたす。
        • 咽頭扁桃の肥大から鼻咽頭の閉塞症状(耳管閉塞から滲出性中耳炎、鼻閉、いびき)を示すものがアデノイド肥大症。肥大症を単にアデノイドと呼ぶこともある。

         

        腹部(44-50)

        44.

        解答:e

        • 早期濃染されて、後期相で抜けない。単純およびT2WIにて周囲肝と見分けがつかない。肝細胞相にてdefectされないし、高信号を呈している。過形成の所見。
        FNH(限局性結節性過形成)
        • 単純では正常肝より低~等吸収、早期相で均一に強く造影され、門脈相から平行相では等吸収となる。
        • CTHAで濃染、CTAPで低吸収。
        • 過形成なので、MRI T1WI,T2WIとも均一で肝と同程度の信号を示すことが多い。
        • EOBの排泄が遅延し、肝細胞相で高信号を呈しやすい。偽胆管へのEOBのプーリング。

         

        45.

        解答:d

        膵漿液性嚢胞腫瘍(SCT)
        • 中心部に石灰化を伴う星芒状瘢痕あり。
        • 隔壁は多血性(上皮下の間質には毛細血管が豊富)
        • MRCPで高信号で、内部は基本的に水。

         

        46.

        解答:b

        胃底腺ポリープ
        • 男女差あり、圧倒的に成人女性に多い病変。
        • 単発より多発例が多い。
        • 無症状がほとんど
        • 慢性萎縮性胃炎の原因となるヘリコバクターピロリの感染の合併がほとんどない。
        • 経年変化は多くは不変で癌化なし。
        • 胃底腺ポリープを見たときに精査や経過観察は不要。

         

        47.

        解答:a

        • 右下腹部に渦状の脂肪織濃度上昇あり。

         

        48.

        解答:c

        • 膀胱に2つ結石あり。排泄相の造影CTにてコブラ型の造影効果あり。尿管瘤の所見。結石があるところまで尿管瘤はある。つまり膀胱内に結石があるのではなく、尿管瘤の中に結石あり。

         

        49.

        解答:c

        神経節神経腫(ganglioneuroma)
        • 自律神経から発生。成熟分化した神経芽腫と言われる。
        • 多くは無症状で偶発腫として発見されるが、時にカテコラミン、VIP、男性ホルモンを分泌し、高血圧、下痢症状、男性化症状をきたすことあり。
        • 半分は腹部に発生し、その4割は副腎に発生。
        • 単純CTで筋肉より低吸収。造影効果はほとんどない
        • 嚢胞と紛らわしいが、内部を走行する血管が注意深く見ると見える!?

        参考)泌尿器のCT、MRI P342-343

         

        50.

        解答:b

         

         

        51.

        解答:e??

        • T1WIで血管のflow voidあり。単なる漿膜下子宮筋腫?

         

        52.

        解答:d

        • 左肝動脈から胃の方へ向かう血管。
        • 副左胃動脈:左胃動脈の一部が、左肝動脈より分岐。7%に見られる変異。胃壁の濃染像を腫瘍と間違えないように注意する。

         

        53.

        解答:b,e

        金属沈着が原因

        • 鉄:へモジデローシス、ヘモクロマトーシス
        • 金:金コロイド療法後
        • 銅:Wilson病など
        • ヨード:アミオダロンやリピオドール注入後
        • ガドリニウム:MRl造影剤
        • トリウム:トロトラスト

        高分子沈着が原因

        • 糖原病など

        その他

        • ヒ素やタリウム

           

          54.

          解答:e→d

          2018/07/03追記修正

          なか先生より

          54ですが、Bertin柱の肥厚ではなく、lobar dysmorphismではないでしょうか。
          皮髄相で明瞭に腫瘤内部の髄質が描出されています。
          Bertinは皮質であるため、内部に髄質は出てこないはずかと考えます。
          下は腎偽腫瘍の一例という古い論文ですが、Bertin柱と、内部に髄質を有するlobar dysmorphismは発生学的にも区別されるものであるとあります。

          上記、ご教示いただければと存じます。
          • b horseshoe kidney:馬蹄腎
          • c renal cell carcinoma:腎細胞癌
          • a dromedary hump:ヒトコブラクダのこぶ様変形→脾臓による左腎の変形
          • d renal lobar dysmorphism:腎葉異型→腎皮質と髄質とかなる腎葉が腎実質深部に認める異型。
          • e prominent column of Bertin:ベルタン柱の肥厚→腎皮質の腎洞部への突出。(腎は解剖学的に上腎、下腎が癒合した形態であり、この境界部の腎皮質が大きく腎洞内の隔壁のように認められることがあり、ベリタン柱の肥厚という(知っておきたい泌尿器のCT・MRI P263))

          今回の症例では、腎皮質と髄質とかなる腎葉が腎実質深部に認めており、renal lobar dysmorphismであることがわかります。

          今回の症例は、画像診断2008年12月 P1459に同一症例が掲載されています。

          単純CTで腎に腫瘤様に描出されるものとして、a,d,eが有名で重要なようです。

           

          55

          解答:e

          • 膵尾部に主膵管と連続性を有する多房性嚢胞性病変あり。分枝型のIPMNを疑う所見。

           

          56.

          解答:b,e

          顆粒膜細胞腫
          • 性索間質腫瘍の1つ。
          • 成人型と若年型に分けられる。
          • 境界悪性腫瘍に分類。
          • 多房性嚢胞-充実性腫瘤までさまざま。典型的には内部に大小の嚢胞あり。嚢胞内には出血がしばしばあり。
          • よく染まるのが特徴(hypervascular tumor)。
          • エストロゲン産生腫瘍。

           

          57.

          解答:b

          solid pseudopapillary neoplasm(SPN,SPT) 

          • 若年女性に好発する(男女比は1:9)。
          • 比較的予後良好だが、再発率は5%前後。肝転移が多い。
          • 10年以上経過しての再発もあり。
          • 分化方向不明な上皮性腫瘍。
          • 腹痛、腹部腫瘤を主訴とするが、無症状のこともある。
          • 治療は手術。
           画像所見
          CT  充実+嚢胞、石灰化被膜(壁)、内部出血により高い吸収値、充実部は徐々に染まる。
          MRI T1WI T2WI
           高〜低  低〜不均一(多彩)

           

          58.

          解答:b,c

          • おそらくHCCで、S4-S5/8に存在している。

           

          59.

          解答:c

          • out→inで信号低下するのは、鉄沈着。

           

          60.

          解答:d

          気腫性腎盂腎炎
          • 腎盂腎炎の中でもより重篤なタイプ。
          • 嫌気性菌が起炎菌となる。
          • 気腫性膀胱炎と同様に高率に糖尿病を合併する。
          • 治療はドレナージや外科的治療。

           

          61.

          解答:d

          未熟奇形腫
          • 若年者に多くたいていは20歳以下。
          • 腹膜播種が主な進展形式であるが、リンパ節転移も見られる。
          • 脂肪成分は巻き散らかされたように点在する。
          • この場合の脂肪は脂肪組織であり、成熟嚢胞性奇形腫のような皮脂腺からの分泌物とは異なる。

           

          62

          解答:d

          • 橈骨動脈と橈骨皮静脈を皮下にて吻合するのが、一般的。
          • 狭窄の好発部位は動静脈吻合部の近傍静脈部位(静脈側)。画像のうち、向かって左が動脈、右が静脈。今回も狭窄は静脈側に生じている。
          VA に関連する合併症
          1. 血流量不足
          2. 狭窄(動脈 / 静脈の内腔狭小化)
          3. 血栓形成(VA の閉塞)
          4. 穿刺部感染症
          5. 瘤形成
          6. 静脈高血圧(sore thumb or sore hand syndrome)
          7. スチール症候群
          8. 血流量過剰,high output failure
          9. 血液再循環
          10. 穿刺困難・穿刺部限局
          11. その他
            (慢性血液透析用バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドラインより引用)

           

          63.

          解答:a

          自己免疫性膵炎
          • IgG4関連疾患として、唾液腺(唾液腺腫脹)、涙腺、肺(間質性肺炎)、縦隔・肺門・膵周囲リンパ節、胆道(硬化性胆管炎)、腎(間質性腎炎)、後腹膜(後腹膜線維症)、前立腺、胃(胃潰瘍)、十二指腸(十二指腸乳頭腫大)などにさまざまな膵外病変を合併することが明らかとなっている。

           

          64.

          解答:e

          • 内腺(移行域)のPC。DWIにて高信号、ADCにて信号低下あり。ダイナミック早期では、染まっているが正常でも染まるのでダイナミックだけでは診断できない。
          • IgG4関連前立腺炎:まとまった画像診断の報告なし。

           

          65.

          解答:c,e

          • 上大静脈部および右股関節に集積あり。右耳下腺にも集積軽度あるが、熱源としては微妙。
          ガリウムシンチ
          • 鼻腔、涙腺、唾液腺、肺門、肝、腸管、陰嚢の生理的な集積パターンを念頭に置く。(24%が骨・骨髄、5%が肝、1%が脾に集積。)
          • 頭頸部では、鼻咽腔、耳下腺、時に涙腺が描出される。
          • 胸部では、胸椎、胸骨、肋骨、肩甲骨などに集積、肺野では1/3で両側肺門部に八字型の集積。女性では乳房も(授乳期や月経前期など特に)描出される。
          • 肝への集積は著明、脾も軽度描出。腎からも排泄されるが、腎の描出は24時間以内。
          • 腸管への分泌は著明。
          • 全身後面像で淡く骨髄や腎が描出されても異常所見ではない。
          • 頭頚部と四肢以外の、生理的集積が少ない体幹部は、SPECTが極めて有効。
          • 集積増加所見があれば、その部位と範囲をCTやMRで確認する。

           

          66.

          解答:e

          • 心筋、肝、腸管、筋肉、腎に集積あり。
          201TIシンチ
          • 腫瘍シンチグラフィ。
          • 投与後、15~20分後に撮像、後期像は3時間後に撮像する。
          • 生理的集積で比較的強いものは、鼻咽腔、唾液腺、甲状腺、心筋、肝臓、腎臓、腸管、骨格筋。また、涙腺、肺(早期像で強いときがある)、脾臓、骨盤臓器にも集積することがある。
          Gaシンチ
          • 投与後2~3日後に撮像。
          • 鼻腔、涙腺、唾液腺、肺門、肝、腸管、陰嚢の生理的な集積パターンを念頭に置く。(24%が骨・骨髄、5%が肝、1%が脾に集積。)→腎は集積されない。腎の描出は24時間以内で、それ以後は普通描出されない。
          • 99mTc-HMDPは骨シンチ。

           

          67.

          解答:b

          骨軟化症があれば、他の部位にも骨折が認められているはず。対称性の多発性骨折への集積が特徴的。

          仙骨脆弱性骨折
          • 原因:骨粗鬆症、骨軟化症、関節リウマチ、副甲状腺機能亢進症、放射線照射、低栄養など。
          • ステロイドはその骨粗鬆症の原因。
          • 日常的な外力により骨折に陥る。
          • 特に子宮頸癌の放射線治療後に多い。
          • 仙骨にH字型の集積増加が見られ、HONDA signと呼ばれる。

           

          68.

          解答:?

          • 椎体骨にびまん性、仙腸関節に骨硬化あり。腰椎にsclerotic rimあり。シュモール結節?なにこれ? 骨転移ぽくはない。びまん性骨転移なら腎への集積は低下するはず?

           

          69.

          解答:d,e

          • 外傷性変化にしては、肋骨の異常集積に縦方向に連続性がない。

           

          70.

          解答:e

          ①脳血流シンチにて後頭葉の血流低下。

          ②MIBGシンチにてH/M比

          early 1.42(2.0〜2.8 )と 低下
          delay 1.07(2.0〜3.0)と低下している。

          PDもしくはDLBのパターン。

          • ①②からDLBと診断。

           

          71.

          解答:d

          • 発作時には血流増大し、間欠期には落ちるというやつか?

          脳血流が増加

          • 脳梗塞亜急性期(贅沢)
          • 脳塞栓の再開通時
          • 発作中のてんかん(発作後もしばらくは高集積が遅延することがある。)
          • 脳炎

          脳血流が減少

          • 脳梗塞(ただし亜急性期以外)
          • 脳出血
          • 左(右)被殻出血時の右(左)小脳
          • 発作間欠時のてんかん

           

          72.

          解答: b

          99mTc-MIBI
          • 安静心筋。副甲状腺腫(2011保険適応)。
          • 99mTc-MIBIで正常副甲状腺は同定されない。
          • 早期像では、甲状腺との放射能に差がないため、副甲状腺を認識できないが、洗い出しが甲状腺より遅いために、後期像で副甲状腺に集積が残るのが特徴。

           

          73.

          解答:c

          多発ミスマッチ欠損を認めており、肺動脈血栓塞栓症を疑う所見。

           

          74.

          解答:a,b

          • 換気は保たれているが、血流は両側で低下している。つまり多発一致欠損はない。慢性肺血栓塞栓症の症例。
          • d:× 洗い出し像ではない。洗い出し像1枚では換気の状態は診断できない。

           

          75.

          解答:b,e

          肝胆のシンチ
          • 網内系貪食(kupper細胞):フチン酸 99mTc-phytate
          • 肝細胞(受容体):アシアロシンチ 99mTc-GSA
          • 胆道系:99mTc-PMT
          肝胆道シンチグラフィ 99mTc-PMT
          • 乳児黄疸の鑑別:乳児肝炎か先天性胆道閉鎖。24時間後でも胆道・胆管排泄が見られないのが先天性胆道閉鎖症

           

          76.

          解答:e

          • 早期から胃が描出されている。
          • 360分で、右下腹部に集積増加あり。99mTc-HSA-DTPAが胃から漏出し、小腸に流れ、 同腸末端に貯留したと考えられる。
          • Fontan手術の遠隔期合併症として、蛋白喪失性腸症、慢性腎不全等がある。
          99mTc-HSA(human serum albumin)-DTPA
          • 血管外への漏出が少なく血液がプールしている臓器、組織を検出することができ、心疾患のみならず、血行動態、血管病変の診断が可能。
          消化管蛋白漏出
          • 消化管粘膜から管腔に蛋白が漏出する、そのため低タンパク血症を伴う。主訴は浮腫。
          • 蛋白漏出性胃腸症の診断は、a1-antitrypsin消化管クリアランス試験により、糞便中あるいは胃液中への蛋白の異常漏出を証明することが一般的であるが、99mTc-HSAにおいても診断が可能である。
          • 99mTc-HSAにDTPAを結合させた99mTc-HSA-Dや、111In標識transferrinが知られている。
          • アルブミン製剤 99mTc;HAS, 99mTc-HAS-DTPA)がある。
          • トランスフェリンもアルブミンと同様に漏出するため、トランスフェリンと結合する薬剤(111InCl3)も用いられる。
          • 前二者は、腎や膀胱の尿路器への生理的排泄も見られるが、後者は、消化管や腎、膀胱への生理的排泄が見られない。

           

          77.

          解答:e

          • 褐色脂肪組織への集積。

           

          78.

          解答:d

          • 横隔膜を超えてリンパ節に集積あり。
          • 脾臓、右副腎、皮下に集積あり。転移の疑い。脾臓にあってもⅢだが、右副腎にあるので、Ⅳ。今は症状がないのでⅣaとなる。
          • StageⅢs以上。
          Ann Arbor分類

          StageⅠ:1つのリンパ節領域または1つの非リンパ性臓器の浸潤

          StageⅡ:横隔膜の一側、2つ以上のリンパ節領域または1つ以上のリンパ節領域と非リンパ性臓器の浸潤

          StageⅢ:横隔膜両側のリンパ節領域に浸潤かつ非リンパ性臓器の限局性浸潤and/or 脾の浸潤

          StageⅣ:非リンパ性臓器のびまん性・散布性浸潤(肝、骨髄)(骨髄に浸潤あればStageⅣとなる)。

          • B症状(発熱、盗汗、体重減少)があればstage◯b、なければstage◯a。

           

          79.

          解答:c

          • 骨にびまん性の集積あり。G-CSF産生肺癌の疑い。

           

          80.

          解答:d

          • 中隔は負荷で集積低下→安静で一部改善=不完全再分布。
          負荷-安静検査の心筋SPECTパターン
          • 負荷で集積低下の後、安静にて、
          1. 改善=完全再分布=「誘発虚血
          2. 一部改善=不完全再分布=「梗塞と虚血の混在」
          3. 不変=固定制欠損=「梗塞」
          4. さらに低下=逆再分布=「再灌流後、正常と異常の心筋の混在」