2020年に実際に試験を受けられて合格された、

  • Dr.sonic先生
  • さか先生
  • haru先生
  • みどり先生
  • ちんたつ先生
  • Y先生
  • エス先生
  • ろろろ先生

ご協力いただき解答作成しました。

誠にありがとうございました。

解答ここはこうじゃないかなどございましたら、一番下のコメント欄に記載いただければ幸いです。

 

1, b

第4脳室からマジャンディー孔、大孔に進展する腫瘍です。T2WIで著明な高信号で、造影では嚢胞変性を認めます。上衣腫を考えます。選択肢の成人の脈絡叢乳頭腫は第4脳室好発のため、迷いますが、T2WIの信号が高く、嚢胞変性がある点が異なります。

 

2, d

T2WIにてC1-4レベルの脊髄に縦方向に伸びる異常な高信号あり。横断像にて後索に一致しており、亜急性連合性脊髄変性症の所見。

 

3, e

ヘルペス脳炎,再活性化したウイルスの三叉神経節からの感染が主因

 

4,a?d?

帯状異所性灰白質か。以前は異所性灰白質に分類されていたが最近では滑脳症の最軽症とされているのでa滑脳症が答え?d異所性灰白質を選んだ人が多かった。

 

5, c

 

6,  c

進行性の意識障害と、2ヵ月で進行する両側大脳白質の DWI 高信号域。血管内悪性リンパ腫(IVL; intravascular lymphoma)を疑う。

 

7,b

      • 左顎下部、顎下腺前方に多房性嚢胞性腫瘤あり。前方では舌下腺方向に連続しているように見える。ガマ腫が疑われる。
      • c第1鰓裂嚢胞は耳下腺部で耳下腺内の嚢胞として見られる。
      • d第2鰓裂嚢胞は顎下腺後方、胸鎖乳突筋前縁、頸動脈間隙側方にみられる。
      • e甲状舌管嚢胞は舌骨周囲の正中や傍正中に見られる。

 

8,e

CTにて左錐体尖部に軟部吸収値域を認め、同領域はT1WI、T2WIで高信号を示している。コレステリン肉芽腫を考える。グロームス腫瘍も出血などを反映しT1WI、T2WIで高信号を示すことがあり、否定しにくいと思いましたが、流石に造影でくるのでは?と思いました。

 

9,e

  • T2WI:骨髄の脂肪のびまん性低下(胃癌術後の貧血による造血髄化か。)。
  • STIR:2対体に異常高信号あり。
  • CT:椎体周囲に軟部影あり。

→化膿性脊椎炎

10, a,c

舟状骨に帯状低信号とT1WIで低信号、STIR高信号を認めます。舟状骨の疲労骨折疑い。運動と関連があるので、スポーツ歴が診断に重要です。偽関節化すると手術が必要となることが多い。

 

11, c

単純写真で大腿骨の骨幹に骨硬化・皮質の肥厚像があり、内部に淡い透亮像を認める。類骨骨腫を疑う所見。

 

12,c

骨線維性異形成(osteofibrous dysplasia):脛骨中央骨幹の皮質に好発する病変。

ちなみに線維性骨異形成(fibrous dysplasia)とは名称は似ていますが,組織学的な相違があり,非なるものです。

受験生の回答はdにした方が多い様です

参考:症例の比較で学ぶ画像診断骨軟部50選に全く同じ症例あり。

 

13,c

両肺にすりガラス濃度上昇、小葉間隔壁肥厚を認める。肺胞蛋白症。3割は無症状で健診で発見される。進行すると乾性咳嗽、呼吸困難、微熱、体重減少を来す。

2014年放射線科診断専門医試験問題28類題。

 

14,d,e

Golden S(Inverted S sign)があり、肺門部腫瘤+右上葉無気肺を疑う所見。

      1. が間違いとしてよいか悩みましたが、肺門部病変であり、「縦隔病変」とは言えないと思います。

 

15, d

縦隔リンパ節腫大あり。肺野では小葉間隔壁肥厚や気管支血管束腫大など広義間質病変と、粒状影や結節影あり。多中心性 Castleman 病を疑います。

 

16,d

Galaxy sign。

 

17,b

頻出問題。左肺下葉S10に限局した気腫性変化を認める。造影CTの三次元画像では大動脈feederとなっており、下肺静脈がdrainerとなっていることが分かる。肺葉内分画症。

固有の胸膜を持つのは肺葉外分画症であるので、bは誤りとなる。

補足:a 約1割で他の奇形合併

18,c?

air trappingでmosaic attenuationを来すことはありそうですがすりガラス影は非典型的か

 

19, e

粘液栓と喘息治療中であることから、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症を考えます。

 

20, b

粒状影がびまん性に存在。気管支変化は目立たず、b > e を疑う。

 

21,c

膵癌ですりガラス陰影の肺転移

参考:画像診断まとめ 転移性肺腫瘍のCT画像診断

 

22,c or d

肝臓全体が挙上しているので横隔膜ヘルニアよりも横隔神経麻痺か。横隔膜ヘルニアなら左に好発。多数の受験者がdを選んだ模様。私もcとdで迷ってdにしてしまいました。

 

23, d

心内膜下にびまん性の遅延造影があり、アミロイドーシスが最も疑われます。

心アミロイドーシスの遅延造影の特徴的な所見として、1中隔の右室側を含むびまん性内膜下遅延造影、2心房中隔の遅延造影を伴う肥厚、3遅延造影MRIにおける心腔内左室内血液プール信号の早期低下 などが挙げられるそうです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/10/105_2041/_pdf

受験者の中では心サルコイドーシスと割れているようでした。

 

24, c

右側大動脈弓+左鎖骨下動脈起始異常で、左鎖骨下動脈基部に嚢状の限局性拡張あり。Kommerell 憩室の所見です。

 

25, b

中高年女性。心筋梗塞を疑う症状だが冠動脈に狭窄なし。収縮期で心尖部の壁運動低下を認める。2019年の36番と同様の画像所見。たこつぼ型心筋症が疑われる。

 

26,c

動脈1相目ではleakははっきりせず、2相目で外側から造影剤がみられる。ステント本体から漏れている感じはない。

type Ⅱ endoleakを考える。

腰動脈か、vaso vasorum由来か。

 

27,e

トリプルネガティブ乳癌

      • 単発で大きい、円形/楕円形、辺縁平滑傾向
      • 内部に壊死を伴う頻度が高い
      • MRIのダイナミック造影ではrim enhancement、Persistent enhancement pattern

 

28, c

感覚的に病変がある程度縮小しているので、RECISTの細かい知識がなくてもPRだろうなと推定ができます。RECIST1.1のPRの定義は、ベースライン径和に比例して標的病変の径和が30%以上減少することです。40.0cmの径和から13.6cm縮小しているので、30%以上径和は減少しています。

 

29, a

脂肪の含有あり。カテゴリー2。過誤腫か。

 

30,e

専門医試験頻出,若い女性膵尾部腫瘍

 

31,e 

 

32,b

1歳の大きな後縦隔傍椎体腫瘤。やや不均一な造影効果を認める。3枚目の画像は骨条件にやや近く、石灰化を含んでいることを言いたいのでしょうか。他疾患疑いとあるが、画像、年齢から神経芽腫を疑う。

 

33, b

肝硬変、腹水貯留、食道胃吻合部付近に静脈瘤疑いの所見を認める。肝内は門脈相で造影効果が不均一。肝静脈の描出不良、後期相で肝左葉主体に拡張した脈管構造あり肝静脈枝相互間吻合か。以上より、Budd-Chiari 症候群を疑います。

 

34, a,e

若年女性。正常肝由来。左葉にT2やや高信号で、内部に中心瘢痕と思われる高信号を伴う腫瘤性病変あり。EOBで早期造影効果、肝細胞相取り込みあり。 FNHが疑われる。

      • b 基本的に良性
      • c 血管腫が最多
      • d 肝細胞癌などと比べると拡散制限は来しにくい

 

35,c

LI-RADSのLR-Mに相当する病変。

 

targetoid腫瘍

      • rim状の動脈相濃染
      • 辺縁部のwashout
      • 遅延相の中心部濃染

→Intrahapatic cholangiocarcinoma

 combined HCC-cholangiocarcinoma

 other non-HCC malignancies

 

36,e

抗菌薬投与後の超音波で胆石を認める.

(偽)胆石を生じさせるものとしてセフトリアキソンは有名

 

37, c

中心部に石灰化があり、微小嚢胞が集簇しており、microcystic typeのSCNです。女性で膵尾部の嚢胞性病変であることから、うっかりMCNを選びそうになりますが、選択肢が、粘液性嚢胞腺腫ではなく、わざわざ粘液性嚢胞腺癌と記載されており、出題者の一工夫が垣間見えます。

 

38, e ?

外傷を契機にSPNを診断される例があるようです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaem/37/6/37_879/_pdf/-char/ja

e と a で割れているようでした。

SPNの腫瘍内出血を膵血腫と誤診した人の経過では?という意見もあり。

 

39,b

疾患は静脈硬化性大腸炎。動脈ではなく静脈。

 

40,d

胃アニサキス症。

https://gazoushindan.com/shikkannmei/sikkannfukubu/fukubu_shikkan/i_anisakis/

 

41,c.e

単純CTで淡い高吸収,T2WIで筋肉よりも軽度高信号の腎腫瘤の鑑別

 

42, c

 

43, e

若年女性。骨盤内右側に多房性嚢胞性腫瘤あり。大きな嚢胞は脂肪抑制T1高信号、T2やや低信号で血性成分が疑われる。内膜症性嚢胞を疑う。

      • a ○腫瘤背側のダグラス窩にわずかに血性腹水が見られる。
      • b ○
      • c ○
      • d ○

 

44,c

下大静脈や門脈内に造影不良域を認める。

月経困難症の治療薬は、血栓症のリスクファクター。

 

45,e

腎動静脈瘻と考えます.

バルーン閉塞下でフローコントロールが得られておりコイル塞栓が可能と考えます.

今回は血管径が太いですが,異常血管が細かければNBCAでの塞栓も考慮されると思います(腎静脈―下大静脈ー肺動脈への流出のリスクはあります)

血尿が重度で塞栓が難しければ腎摘出が考慮されるでしょう

 

46, b

 左下横隔静脈が描出されており、まずは、ここを塞栓します。

 

以下、第40回日本IVR学会総会「技術教育セミナー」PDFの引用です。

(http://www.jsir.or.jp/docs/member/hinto/27_3/27_3gijyutusemina.pdf

胃静脈瘤から大循環系への主排血路が胃腎シャントであっても他に左下横隔静脈から直接下大静脈,心膜横隔静脈から左腕頭静脈,上行腰静脈や肋間静脈から奇静脈系へと側副排血路が見られることも少なくない。いくら胃腎シャントをバルーン閉塞してもこれら側副路が発達していれば静脈瘤内の血流は停滞せず硬化剤を注入しても静脈瘤を十分血栓化させることができない。いかに側副排血路を処理するかがB-RTOを技術的に完遂できるかの鍵である。

 

47, b

右の側頭葉優位に集積を認めており、血流増加あり。ヘルペス脳炎を疑う所見。

てんかん発作期としては時間が経ち過ぎているか。

 

48, e

大脳皮質の障害による交叉性小脳遠隔障害

 

49 c、e

拡張型心筋症の疑い。

99mTcは胆嚢に生理的集積あり。

 

50, a,e

A:ガリウムシンチ、B:201Tlシンチ、C:FDG-PET のいずれも正常像と思われる。

選択肢は基本的な知識で選べるので、正誤はa○、b×、c×、d×、e○となる。

補足:e サイクロトロンで生成される核種→C, N, O, F, Ga, Tl, In, I など

51, c

CT で踵骨に透亮像あり、周囲に硬化性変化を認める。骨シンチとの fusion 画像で透亮像に一致して集積亢進あり。周囲にも淡い集積亢進があり、double density sign を疑う。

 

52, c,d

      • a × 腎動態シンチ
      • b × 絶食は不要
      • c ○ 血流相の後半で右腎の上に淡く描出されてくる。
      • d ○ 腎→尿管→膀胱へのtracer移行がスムーズであり、腎実質の集積は経時的に漸減しているので正常パターンと思われる。
      • e × 排泄相最後でほとんど腎の集積は抜けており、後期相は不要と思われる。

53,c,e

唾液腺シンチグラフィにて、左耳下腺に集積を認める。

その他の唾液腺腫瘍と異なり、Warthin腫瘍やオンコサイトーマでは集積する。

 

54,c

肺外集積が見られシャント疾患を選びたくなりますが,甲状腺が強く描出されており,胃も描出があるように見えます.標識不良でしょうか.

(わかりやすい核医学p103)

 

55, b or e?

椎間板と連続する終板付近の溶骨性病変です。部位からはシュモール結節(退行性変化)のように見えますが、硬化縁がないので、違うかもしれません。シュモール結節は、急性期の場合は、浮腫を来したり、造影されたりすることもあって、結構幅が広い疾患ですよね。ただ、無症状なので、急性期のシュモール結節でないかもしれません。PETの集積からは悪性腫瘍かもしれません。肝細胞癌は溶骨型の骨転移を来しますが、問題文が「高分化型」肝細胞癌と記載されているのが気になります。

 

56, b

胸部CT検査で異常所見がはっきりしないにも関わらず、FDG-PETで肺野にびまん性の集積を認める(ミスマッチ)ことが血管内リンパ腫の特徴的な所見として有名なようです。呼吸苦もポイントとのこと。

核医学専門医試験の過去問(第10回の57番)に似た問題あり。

症例報告でも類似した画像所見の例が載っていました。

http://www.tokushima-med.jrc.or.jp/hospital/14/2019pdf/012.pdf

 

57,c,d

123I-IMBG副腎髄質シンチ

      • a.×静注
      • b.13時間
      • e.6-48時間後撮像

補足:c 診断用医薬品(123I, 99mTc, 201Tl, 67Ga, 111In, 133Xe)のうちβ線を放出するのは133Xeのみ

58,e 

対側副腎の集積が抑制されている。左副腎コルチゾール産生腺腫によるクッシング症候群。

核医学ノート参照。

 

59,b,c

111In-イブリツモマブ チウキセタンで体内分布を確認し,投与可能であれば90Y-イブリツモマブ チウキセタンを投与する.

骨髄へのびまん性の取り込み,肝臓よりも強い肺,腎,腸管への取り込み,網内系への強い取り込みが認められる場合は不適格性体内分布である.

 

60, a, b.

放射線と気体の電離作用を利用した測定器は電離箱とGM管式。空間線量測定用としてシンチレーション検出器も知られており、検出器の詳細を知らないとひっかかってしまう問題。

https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-02-04-02.html

 

61, d

STIR法はT1緩和を利用した撮像法であり、造影剤使用後に用いると造影された部位も抑制される可能性があるため不適。

 

62,b,e

補足:過渡平衡:親核種の半減期が娘核種の半減期とそれほど離れていない場合。娘核種の放射能量が親核種を上回る 永続平衡:親核種の半減期が娘核種の半減期より圧倒的に長い場合

63,a,c

遠隔画像診断ガイドラインより

技術的安全対策:情報区分と利用者の対応付けを行いアクセス権限を設定すること,運用時における利用者の識別と認証およびアクセスの記録,不整なソフトウェアの混入やネットワークからの不正アクセス防止により医療情報システムへの脅威に対応する

 

64, b,e

放射線科の学会のサイトに「デジタル画像の取り扱いに関するガイドライン3.0版」(http://www.radiology.jp/content/files/20150417.pdf)があり、このガイドラインを元に問題が作成されています。eは分かるとして、もう1つの選択肢を選ぶのが難しいです。

 

    • a モニタの最大輝度は350cd/m2以上を推奨する。
    • b モニタの輝度劣化の程度を、毎日チェックすることが望ましい。
    • c 医用画像を圧縮する際に画質について十分な配慮を行っている場合にはJPEG非可逆圧縮または他の方法でそれに相当する圧縮率で1/10までは非圧縮画像と臨床上同等と考えられる。
    • d 液晶モニタの表示マトリックスは、1,000 X 1,000以上が望ましい。
    • e 電子的に保存された画像を用いて診断する場合、画像診断の責任はフィルムによる診断と同等であること。