2005年度から2008年度までの解答例を、ぽこん先生に提供していただきました。
ぽこん先生ありがとうございます。
1,
正解:a,(現在はdも)
b:2 mSv
c:5 mSv/3ヶ月
d:以前は150 mSvだった。現在は100mSv/5年かつ50mSv/年となった。
e:100 mSv
2,
正解:d
d:ヒトの細胞では、DNA2重鎖切断は主にhomologous recombination (HR)とnon-homologous end-joining (NHEJ)により修復される。
3,
正解:c,d
c:放射線によるアポトーシスにはp53非依存性のものがある。
d:Bcl-2はアポトーシスを抑制する。
4,
正解:d
d:CRTモニタの経年劣化は、特に輝度の低下を引き起こす。
5,
正解:a,d
陽子数と中性子数の少なくとも一方が奇数の核種であれば核磁気共鳴を示す。
6,
正解:b,e
正面像では舟状骨中部に骨折を疑う透亮像と、手根骨配列の乱れを認める。
側面像では月状骨は手掌側へ回旋し、他の手根骨はその末梢側の骨と共に手背側へ偏位しており、月状骨周囲脱臼を疑う。
7,
正解:d
胸椎の連続する4椎体に異常信号を認め、その腹側に傍椎体膿瘍の形成が疑われる。
化膿性脊椎炎にしては椎体終板の変化に乏しいのも合わない。
8,
正解:b
右脛骨骨幹部に骨硬化像と肥厚あり。CTでnidusが疑われる。
9,
正解:c
小指基節骨に脂肪抑制T2強調像で高信号を示す分葉状腫瘤を認める。
d:軟骨肉腫は手足の短管骨では極めて稀。
10,
正解:c
単純写真でびまん性骨硬化が見られ、骨の皮髄境界が不明瞭になっている。頭蓋底の骨は肥厚している。
左大腿骨転子下に病的骨折を認める。左大腿骨には遠位部径の増大(Erlenmeyer flask変形)を認める。
11,
正解:b
腰椎に椎間癒合が疑われる。両側仙腸関節の関節裂隙は不明瞭化している。
両側股関節には関節裂隙の狭小化を認める。強直性脊椎炎を疑う。
12,
正解:a
左篩骨洞~前頭洞~眼窩にかけて膨張性の骨変形あり。
MRIで同部にT1強調像で軽度高信号を示す嚢胞性病変を認め、粘稠な内容が疑われる。
13,
正解:c
右梨状陥凹にT1強調像で低信号、T2強調像でやや高信号を呈する病変を認める。
隣接する甲状軟骨に浸潤が疑われる。
14,
正解:e
レンズ後方から黄斑部に向けて索状物が認められ、クロケット管と考えられる。
硝子体はT1強調像で高信号を示し、硝子体出血の合併が疑われる。
15,
正解:c
提示画像はT2強調画像ではなくFLAIRのよう。
脳梁や皮髄境界に高信号域がみられ、cに合う分布。
16,
正解:c
脳梁から左右対称に広がる腫瘤。内部構造は均一に強く濃染される。
17,
正解:e
両側尾状核や被殻に異常高信号を認める。
拡散強調像では大脳皮質にも異常高信号が疑われる。
18,
正解:a
内頚動脈先端~中大脳動脈水平部の描出が不明瞭となっている。
細い血管はみられ、もやもや血管あるいは狭小化したMCAだろうか。
19,
正解:a
C1レベルの頸髄に造影病変を認め、その頭尾側に嚢胞様構造あり。
T2強調像でヘモシデリン沈着が疑われる (cap sign)。
20,
正解:d
L3からS1レベルの脊柱管内に脊髄脂肪腫を認める。
21,
正解:b?
右中肺野に濃厚影あり。対側肺門にも濃厚影が疑われる。
喘息と肺炎の反復→ ABPAで上記は粘液栓や末梢の無気肺を見ているのだろうか。
22,
正解:c,e
左下葉に透過性亢進域を認め、同部にmucoid impactionを疑う像あり。
23,
正解:c
右傍椎体に境界明瞭な腫瘤が認められ、造影効果が乏しい。
24,
正解:b
小葉中心性粒状影がびまん性に認められる。気管支壁肥厚あり。
25,
正解:c
両肺に斑状のすりガラス~濃厚影が見られ、一部辺縁が小葉間隔壁で境される。
はでな陰影のわりに症状が軽い印象。
26,
正解:d
両肺に比較的明瞭な粒状影が多発。右葉間胸膜面にもみられ、リンパ路性かランダム分布。
健診発見より症状は無いかあっても軽そう。eを粟粒結核と解釈しても合わない。
27,
正解:c
左胸腔に石灰化を伴う軟部腫瘤があり、背側の胸壁に進展している。
左胸郭は対側より小さい。MRIで軽度の造影効果を認める。
結核性慢性膿胸に合併した悪性リンパ腫の疑い。
28,
正解:e
両側上葉にすりガラス影あり。
骨条件で一部が高吸収を呈し、石灰化と考えられる。
29,
正解:c,e
左肺門部肺癌と考えられる。
a:当時の肺癌取扱い規約 (第6版)に基づくと、腫瘍が気管分岐部2cm未満に及び(T3)、
左肺動脈本幹にも浸潤による狭窄が疑われ(T4)、少なくともT2ではなさそう。
c:対側縦隔リンパ節腫大を認め、N3と考えられる。
d:肺門部肺癌の組織型頻度からは扁平上皮癌>小細胞癌。
e:T4N3M0 stageⅢB (当時) となり、EBMの手法による肺癌診療ガイドライン(2005年版)に基づくと、
手術不能の非小細胞肺癌の標準治療は、シスプラチンを含む化学放射線治療であった。
30,
正解:e
肺野にびまん性に嚢胞性病変がみられ、やや不整形のものもある。
性別からもLCH>LAM。
31,
正解:b,e
心腰部の狭小化と心尖部の挙上を認め、木靴心の形態。
肺血管影は減少している。Fallot四徴症の疑い。
d:大動脈縮窄症などでみられる所見。
32,
正解:b
偽腔開存型大動脈解離 (Stanford A型)。
33,
正解:e
若年女性の不明熱。年齢の割に下行大動脈の蛇行/突出が目立つ。
34,
正解:b
右下肺野に三日月刀状の陰影を認め、Scimitar症候群の所見。
35,
正解:b
左下葉S10に腫瘤あり。大動脈から病変方向に向かって血管が走行し、feederの疑い。
c:肺葉外分画症は小児期で発見されることが多く、合併奇形も多い。
36,
正解:d
goose neck snareを使用した異物除去術と考えられる。
a:把持鉗子。
e:今日ではEN snareなどのtriple-loop snareが異物除去に用いられる。
37,
正解:d
左胸腔内に腸管ガス像を認め、縦隔が右側へ圧排されている。
先天性横隔膜ヘルニアの殆どはBochdalek孔ヘルニア。
38,
正解:b
直腸狭窄と口側腸管の拡張が疑われる。
c:胎便排泄”遅延”なのが合いにくそう。あと注腸造影していいのか。病型にもよるようだが…
39,
正解:e
マンモグラフィで右乳房に境界明瞭平滑な腫瘤を認める。
USで境界明瞭な低エコー腫瘤を認め、後方エコー増強あり。
a,dとしてもやや合わない点があるように思うが、最も考えにくいのはeだろう。
40,
正解:b,e
右乳房A領域に区域性に石灰化を認めるが、提示画像で石灰化の形状判定は困難。
しかし選択肢の兼ね合いから、おそらく多形性区域性石灰化(カテゴリー5)か。
e:もし微小円形ならカテゴリー3または4になるが、この場合は選択肢がカテゴリー4の可能性に言及していないことになり疑問が残る。
41,
正解:d
肝右葉に内部造影不良域を伴う腫瘤を認め、いわゆるdouble target sign様。
c:末梢の胆管拡張もない。
42,
正解:c
肝硬変、胃静脈瘤、肝性脳症の症例。まずはBRTO。
43,
正解:a?
上行結腸付近にextravasationが疑われる。責任血管は回結腸動脈?
これだけの情報で正解になりそうなのは、部位も考慮してMeckel憩室出血か。
44,
正解:c,d
coil compactionによる動脈瘤の再開通。
45,
正解:b
b:右肝動脈後区域枝の一部は総肝動脈の近位から分岐している。
46,
正解:c
肝S5-6に内部造影不良の目立つ腫瘤あり。冠状断で胆嚢のある位置と連続する。
腹部手術の既往がないにもかかわらず、正常胆嚢は同定できない。
47,
正解:a
主膵管と胆管拡張を認め、膵頭部の嚢胞内に造影結節を認める。
48,
正解:c
膵尾部に造影効果に乏しい、境界明瞭な腫瘤を認める。
若年女性よりcを疑う。
49,
正解:c
動脈相では膵尾部に動脈と同程度に濃染される病変あり。
脾臓が造影効果が弱いのにも関わらず、脾静脈がよく造影され、短絡が疑われる。
T2強調像ではflow voidっぽくも見えるが、こちらは微妙な像。
50,
正解:c
急性壊死性膵炎。
c:SMVは図1-2にかけて細く描出されているようにも見えるが…
e:今のCT gradeではなく、古い分類に従うとGrade Vになる。
51,
正解:b,c
肝表にscallopingを認め、腹腔内に低吸収な病変の広がりが疑われる。
USで腹腔内に網目状の高エコー病変が充満してみえる。
52,
正解:a,e
左閉鎖孔ヘルニア。
c:高齢女性に多い。
e:Howship-Romberg徴候。
53,
正解:c
小腸は拡張し、壁の造影効果は乏しい。腹水を伴う。
54,
正解:c
小腸は限局性に拡張し、壁は不整に肥厚し強く造影される (aneurysmal dilatation)。
55,
正解:c
両腎は萎縮し、多数の嚢胞を認め、Acquired renal cystic diseaseを疑う。
右腎に多血性腫瘤を認め、腎癌が疑われる。
56,
正解:c
単純CTで腎盂に軟部濃度を認め、造影にて腎実質に進展している。
排泄性腎盂尿路造影で腎盂内に陰影欠損を認める。
57,
正解:d
左腎にT2強調像 高信号の腫瘤を認め、chemical shift imagingで脂肪の含有が疑われる。
58,
正解:b
両副腎は結節状に腫大し、シンチグラフィで両側性に集積亢進がみられる。
症状はCushing症候群で、AIMAHできたしうる。
59,
正解:c
右骨盤腔内に嚢胞性病変を認め、内部に隔壁様構造を認める。
病変は頭側にむかって嘴状の形状を示し、腸間膜由来か。とすればリンパ管腫が疑われる。
60,
正解:b,e
後膣円蓋の挙上があり、骨盤内膜症が疑われる。
子宮体部背側の病変は腺筋症のようにも見えるが、junctional zoneは保たれており、内膜症病変の可能性もあるかも。
61,
正解:c,e
右大脳半球後部にCBF低下、OEF上昇を認め、CMRO2の低下は目立たない。
c:Powers分類 stage IIの貧困灌流。
e:CBVが上昇している。理論的にもstage Iの段階で血管拡張によりCBFを一定に保とうとするはず。
62,
正解:b
幻視あり。後頭葉の集積低下が強い。
63,
正解:c,d
側頭葉、頭頂葉、後部帯状回の集積低下を認める。
64,
正解:b
安静時の方がわかりやすいが、心尖部の集積亢進を認める。
65,
正解:d
前壁~中隔~心尖部にかけて逆再分布を認める。
b:男性で横隔膜による減衰が下後壁に見られやすいとされている。
d:再灌流療法後にみられ、機能回復が期待できる所見。
66,
正解:c,d
早期像、後期像ともに心筋への集積はみられず、H/M比は低値(<2)。
c:生理的集積。
67,
正解:b>a?
131I内用療法の適応は乳頭癌、濾胞癌。この2つの鑑別は困難。
一応、以下によれば濾胞癌の方が肺や骨転移を生じやすいそうなので、b>aかも?
https://www.jshns.org/modules/citizens/index.php?content_id=24
68,
正解:d?
右副腎あたりの肝と重なる集積は、経過観察されている原発巣かもしれない。
d:正常でも肝に集積するが、背面像で肝右葉尾側に局所的に強い集積がみられ、転移の可能性はある。
e:甲状腺髄様癌にも131I-MIBGの集積がみられうるが、呈示症例は甲状腺部分に異常集積を認めない。
69,
正解:b,e
肺、関節近傍に集積亢進を認め、異所性石灰化と考えられる。
c:胃の集積がみられるが、甲状腺や唾液腺の描出はみられず。
下記文献によれば、異所性石灰化は胃、腎臓、肺といったpHの高い環境で生じやすいとのこと。
胃も異所性石灰化の可能性はありそう。
https://is.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/039040303j.pdf
e:右前胸部にdefectを認める。
70,
正解:d
71,
正解:d,e
肝胆道シンチグラフィでは、肝左葉腫瘤に集積を認める。
FNHや分化度の高い肝細胞癌で陽性となりうる。
72,
正解:b,c
連続像で左下腹部に淡い集積を認める。
3時間後像では骨盤内小腸、24時間後像で大腸に集積を認める。
a:連続像からは持続的出血か。
b:下部小腸あたりが出血源として疑わしい。
73,
正解:e,d>a,b?
骨盤右側に結節状の集積あり。右卵巣か。
a:今ならBRCA変異→卵巣癌に要注意となるかもしれないが、2006年の問題なのでそれは考え過ぎ?
b:bとeで生理的集積のみで異常なし? それならeの選択肢を1つ選べという問題でいいのでは。
d:位置的に前面像だけでは骨転移との鑑別が難しいかも。
e:生理的集積はよくみられる。
74,
正解:b,c
dynamic CT画像で膵管拡張と膵尾部に造影不良域を認める。
FDG-PETでは、膵尾部に淡いFDG集積を認める。
a:有用とされる。
b:脳の生理的集積が減弱しており、高血糖が疑われる。
d:高血糖の影響でSUV値の信頼性は低い。
e:一般に脳集積の低下は心筋や骨格筋、バックグラウンドの取り込み亢進が原因。
75,
正解:a,e
右肺に原発巣と考えられる集積を認める。
同側縦隔と右鎖骨上リンパ節に集積を認め、転移が疑われる。
b:高分化腺癌にしては集積が強い。
c:横断像でないと評価困難だが、副腎転移は指摘できない。
d,e:肺癌取り扱い規約 第6版に基づくと、おそらくT1-2程度、N3M0でStage IIIBとなる。