2005年度から2008年度までの解答例を、ぽこん先生に提供していただきました。

ぽこん先生ありがとうございます。

1,

正解:(b),c

b:以前は150 mSvだった。現在は100mSv/5年かつ50mSv/年となった。
c:500mSv/年。

2,

正解:a,b

a:体格にもよるが、一般的には成人と同じ線量では臓器線量は2~5倍となる。
c:mAsは適切に減らすべき。
d:AECは被曝低減に有効。
e:ヘリカルピッチを小さくすると被曝は増える。

3,

正解:b,d

a:平均2.2mSvぐらい。
b:AECは被曝低減に有効。
c:臓器により放射線感受性が異なり、実効線量は変化する。
d:ヘリカルピッチを大きくすると被曝は減る。
e:診断レベルの放射線被曝は妊娠中絶の合理的理由とはならない。

4,

正解:a,e

「IVRに伴う放射線皮膚障害の防止に関するガイドライン」を参照。
a:18~20Gyで皮膚壊死、潰瘍形成の可能性。
d:皮膚障害が起こる可能性のある部位には絆創膏や湿布類を使用してはならない。
e:以下の資料によれば、生検が原因で潰瘍になることもあるので、絶対に生検をしないよう皮膚科医に伝えるとのこと。
http://zen-jun.umin.ac.jp/%E5%85%A8%E5%BE%AA%E9%81%8E%E5%8E%BB/public_html/secret_file/HPkoza_No.8_IVR_dose_mesure.pdf

5,

正解:b,c

b:I.I.を患者に近づける方が被爆が減る。
c:1箇所は防護服の内側で、男性は胸部、女性は腹部に着用する。
d:アンダーチューブ方式により術者の被曝は低減される。
e:皮膚の等価線量限度は500mSv/年。

6,

正解:d

右側頭葉~島皮質がFLAIRで高信号、右島皮質は拡散強調像でも高信号。

7,

正解:e

両側大脳半球皮質がびまん性に拡散強調像で高信号。

8,

正解:c

左前頭葉にリング状造影効果あり。内部は拡散強調像で著明に高信号。
被膜に一部T2強調像で低信号域あり。周囲白質に広範な浮腫性変化あり。

9,

正解:b

小児の第四脳室腫瘤。単純CTでやや高吸収、明らかな石灰化なし。
拡散強調像で高信号。造影効果は不均一。

10,

正解:e

右小脳半球に出血後変化あり。
延髄左側にT2強調像で高信号域を認め、下オリーブ核の変性が疑われる。

11,

正解:a

左舌下部の嚢胞性病変。

12,

正解:d>b?

舌根部に単純CTで高吸収腫瘤を認め、異所性甲状腺の疑い。
a:女性に多く、平均年齢は40代。思春期や妊娠期に増大する傾向がある。
b:嚢胞変性が多いとする教科書の記載は発見できなかった。
d:悪性合併は稀とされる。

13,

正解:c

両側耳下腺に造影される腫瘤性病変あり。T2強調像で低信号。Warthin腫瘍の疑い。
c:男性に多い。

14,

正解:e?

右上腕骨骨幹部主体に透亮像あり。病的骨折を伴う。年齢からeか。
a:骨幹端に好発。
b:否定できないが、試験の答えにはなりにくそう。
c,d:年齢から考えにくい。

15,

正解:e

膝蓋上嚢やPCL周囲にT2強調像で低信号の滑膜増生あり。
d:レントゲンの呈示がないので、答えになりにくいと思う。

16,

正解:c

頭蓋底や後頭骨の肥厚あり。
右上腕骨に肥厚と弯曲あり、すりガラス濃度を示す。
d:40歳以上に多い。

17,

正解:b

L4前方辷りあり、脊柱管狭窄を来している。L4/5レベル椎間板や上下椎体に変性あり。
c:分離症の所見は指摘できない。

18,

正解:b

骨シンチで仙骨にH型の高集積 (Honda sign)。胸腰椎に圧迫骨折、肋骨骨折あり。
MRIで左右仙骨翼に骨折あり。

19,

正解:b
第1指IP関節の亜脱臼、スワンネック変形などが目立つ。
左右対称性に手根関節やMP関節主体に侵されており、bとして合う。

20,

正解:e

骨盤骨、両側大腿骨、手の骨に斑状の骨硬化が多発。

21,

正解:d

吸気CTでmosaic pattern。呼気CTで目立たなくなり、air trappingの可能性は下がる。
消去法でd。

22,

正解:d

右気胸あり。肺野に小嚢胞が多発。腎腫瘍の既往あり。
結節性硬化症に伴うLAMと腎AMLと思われる。

23,

正解:b,c

左肺門部に重なって腫瘤影を認め、左上葉の無気肺が疑われる。左横隔膜はやや挙上。

24,

正解:a,d

左下葉内側に腫瘤あり。周囲肺野の吸収値はやや低下してみえる。
造影CTでみられる血管が大動脈からのfeederか。肺分画症の疑い。
a:年齢も考慮すると、肺葉内分画症の方が考えやすい。
b:いくつか報告を調べたが、病理所見は粘液内容や嚢胞と書かれたものが多い?
d:CTで異常血管が同定できるので、血管造影はあまり行われなくなった。

25,

正解:e

胸壁に並行に広がる帯状濃厚影。慢性好酸球性肺炎の疑い。

26,

正解:b

air bronchogramを伴う右肺濃厚影と両肺に広がる斑状影。
a:典型的には喫煙を始めた若年者に多い。小葉間隔壁肥厚が目立たない点も合わない。
c:誤嚥性肺炎にしては分布が典型的でない。
e:典型的には結節を形成することが多い。

27,

正解:d,e

下肺野優位に多発粒状影を認める。
a-cが明らかに違うので、消去法でランダム分布と考えてd,e。

28,

正解:e

小葉中心性の境界明瞭な小結節や分岐影。tree-in-bud様。

29,

正解:a

左主気管支の狭窄あり。左肺動脈の狭小化もありそう。
肺癌の縦隔浸潤や縦隔型肺癌か。

30,

正解:d

葉間の辺縁平滑な腫瘤。葉間胸膜となだらかに移行する。
胸水にしては吸収値がやや高く、内部不均一。

31,

正解:e

地図状に分布するすりガラス影。crazy paving appearance。
陰影の割に症状が軽い。

32,

正解:c,d

偽腔開存型大動脈解離(Stanford B)。
腹腔動脈、上腸間膜動脈に解離が及び、腸管虚血の可能性がある。
c:腹部Xpで腸管ガス像が目立ち、臥位撮影っぽいのでイレウスを反映している?

33,

正解:c

右室の拡張、右室壁の菲薄化、右室壁の脂肪変性あり。

34,

正解:d

大動脈弓が気管右側にあり、下行大動脈も右側を下行する。

35,

正解:b>a?

左肺に大動脈から分岐する異常動脈を認める。
a:鑑別にはCTで分画肺がないことの確認が必要。
ただ第24問で肺分画症が出題されており、多分違うのだろう。

36,

正解:c

左肺底部に肺動静脈瘻あり。
c:主な合併症は脳膿瘍、脳塞栓、破裂による喀血や血胸など。

37,

正解:b,d

左乳房U領域に微細線状~微細分枝状の区域性石灰化を認める。カテゴリー5。

38,

正解:b

large rod-likeな石灰化が乳管方向に沿って認められる。

39,

正解:d

満期産。肺野に斑状影が多発。
横隔膜は比較的低位で、縦隔影も細く、肺過膨張が疑われる。

40,

正解:a

肝尾側など上腹部は全体に透過性が亢進している。
多量のfree airが疑われる。

41,

正解:b

chemical shift imagingで左副腎結節に脂質の含有を認める。

42,

正解:e

胃静脈瘤に対しBRTO中。胃静脈瘤の描出は認められない。
d:側副路塞栓や血栓飛散予防に用いられうる。
e:経皮的血管形成術に用いる。

43,

正解:d

回盲部や終末回腸にバリウムの貯まりを認め、潰瘍を疑う。
結節性紅斑と併せ、ベーチェット病を疑う。

44,

正解:c,あと一つはd>a,e?

卵巣腫瘍と思われる単房性嚢胞性病変を認め、造影される壁在結節が多数あり。
a:典型的にはスポンジ状。腫瘍マーカーは正常、子宮内膜肥厚も目立たず、選びにくい。
b:年齢が合わない。
c:一番しっくりくる。
d:腫瘍マーカー正常なのがどうかと思うが、metaなら何でもありか?
e:T2強調像低信号の成分があって欲しいが。

45,

正解:d

膵尾部に多房性嚢胞性腫瘤あり。形態から由来は膵>腎。
内容は脂肪抑制T1強調像で高信号を示し、粘液や出血の疑い。
内部に充実成分、辺縁に点状石灰化あり。

46,

正解:a,c

膀胱は垂直方向に伸び、肉柱形成により輪郭は不整 (クリスマスツリー膀胱)。
左膀胱尿管逆流あり。
a,c:上位運動ニューロン障害 → 排尿筋過反射による神経因性膀胱
下位運動ニューロン障害 → 弛緩性の排尿筋障害による神経因性膀胱
となる。本例は脊髄損傷なので前者。

47,

正解:e

膵はびまん性に腫大し、辺縁に被膜様構造がありそう。尾部はT2強調像 低信号を示す。
胆管拡張がみられ、膵内胆管移行部で狭窄している。主膵管にやや口径不整の疑い。

48,

正解:c,d

左精巣は腫大し造影されず、精巣捻転症の所見。

49,

正解:d

前立腺に拡散強調像で高信号を示す造影不良域が多発している。

50,

正解:e

CTで肝右葉に大きな嚢胞性病変あり。CT値は水より高め。
USで内部はcomplicatedな性状。
a-c:CTで造影される充実成分がなく、積極的には疑いにくい。
d:膿瘍にしてはCTで境界明瞭。

51,

正解:a,d

多発嚢胞腎、肝嚢胞あり。ADPKDと思われる。
a:常染色体優性。なおARPKDなら小児期から進行するので経過が合わない。
c:嚢胞合併は肝や膵に多い。下記サイトによれば甲状腺や卵巣にも多いとのこと。
http://www.kunpfukai.com/imai_naika/report/crf003.html
d:脳動脈瘤が有名。血管芽腫といえばVHL。

52,

正解:c,d

肝外側区に腫瘤性病変あり。早期濃染を示す。
T2強調像で肝と等~軽度高信号程度で、血管腫としては合わない。
若年女性なので肝細胞腺腫とFNHが鑑別に挙がるが、選択肢が2つ選べなので、肝細胞腺腫としてc,dか。
a,b:肝血管腫。
c,d:肝細胞腺腫。
e:FNH。

53,

正解:d

groove領域に濃度上昇やT2強調像高信号域がありそう。
消去法でd。

54,

正解:e>d?

子宮頚部に嚢胞性病変が多発。比較的高位まで及び、大きい病変は辺縁優位にみられる。
LEGHを選びたいが選択肢にない。
以下によれば、当時はLEGHと悪性腺腫 (今の胃型頸部腺癌) の概念がもっと曖昧だったかもしれない。
http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=to63/59/9/KJ00004974324.pdf
まだコスモスサインも確立してなさそう。
http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=to63/61/9/KJ00005703748.pdf
出題時ならe>dだろうか。

55,

正解:c

56,

正解:a,d

肝実質がびまん性に高吸収。

57,

正解:c

58,

正解:c

下血と腹痛。注腸造影で下行~S状結腸に鋸歯状内腔狭窄。
CTでS状結腸にびまん性に浮腫性壁肥厚。

59,

正解:d

小腸が右側、結腸が左側に偏ってみられる。腸回転異常の疑い。
d:回転が90度で停止した無回転型が多い。

60,

正解:b

輪状膵。

61,

正解:a,e

前頭葉と側頭葉は集積低下しており、頭頂葉は側頭葉と比べると血流保たれている印象。

62,

正解:c

両側頭頂葉に集積低下を認める。

63,

正解:c,d

心尖部~前壁~中隔に再分布あり。前下行枝の虚血。
下壁にも再分布ありそう。

64,

正解:d,e

前壁に血流-脂肪酸代謝ミスマッチあり。心筋viabilityはありそう。

65,

正解:a,d

再灌流療法後の下壁の逆再分布様の所見 (負荷検査でないので逆再分布と言っていいのか分からないが)。

66,

正解:d

心拡大があり、心筋集積も低下。H/M比も早期像、遅延像ともに低下。拡張型心筋症か。

67,

正解:c

正常甲状腺の集積がみられず、舌根部に強い集積あり。

68,

正解:b,e

123I-MIBGシンチグラフィで腹部正中に集積がみられ原発巣か。
また全身の骨に集積が見られ、びまん性骨転移の疑い。とくに頭蓋骨で目立つ。
c:添付文書上は (ヨード制限ではなく) ヨードブロックの記載はあり。

69,

正解:b,e

血流相での腎の描出は良好。排泄障害パターンを示すが、腎盂拡張がみられない。
急性尿細管壊死を疑う。

70,

正解:a,e

左腎は各相で集積が低く、腎機能低下が疑われる。16分後も腎盂に集積が残存しており、排泄障害もありそう。
右腎も排泄障害パターン。
c:右腎のTmaxは5.5分であり、軽度延長している。
d:排泄相がみられ、まったく機能していない訳ではなさそう。
e:分腎機能は静注後1.5~2.5分間の集積カウントを用いて算出される。
レノグラムで2分後の集積は、概ね左腎は右腎の1/3程度であり、分腎機能もおそらくその程度か。

71,

正解:b,d

左肺門部に石灰化がみられ、同部に骨シンチグラフィで高集積あり。
骨肉腫の転移を疑う。
b:骨シンチの前面、背面ともに同じぐらい高集積であり、胸郭深部の病変として矛盾ない。

72,

正解:c

仙骨にH型の高集積 (Honda sign)。腰椎圧迫骨折あり。

73,

正解:d

胸骨~両側胸鎖関節~左鎖骨に高集積を認める。

74,

正解:e

75,

正解:a,e

肝右葉下面、腹部傍大動脈領域に異常集積を認め、転移を疑う。