この年度の出題傾向
2022年度の掲載105問を分野別に整理すると、画像診断55問(52.4%)、放射線治療21問(20.0%)、核医学16問(15.2%)、共通13問(12.4%)です。画像診断の割合は、2005〜2025年の年平均より1.2ポイント低い構成です。テーマ例として、循環器・Fabry病のnative T1マッピング、治療・乳房全切除後の胸壁と鎖骨上照射、核医学・アデノシン負荷と気管支攣縮を扱います。
2005〜2025年度の掲載解説を一問一分野で集計。平均は年度別構成比の単純平均です。公式配点や将来の出題数、正答率に基づく難易度を示すものではありません。
放射線科専門医・2022年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月18日:全105問を改訂しました。解答例は非公式です。問7・21・44は根拠の不整合が残るため正答を保留しています。問82・87には条件や解釈上の注意を明記しています。
解答作成にご協力いただいたたこやき先生、るーるー先生、青柳先生、MTHS先生、もと脳外科医先生、ひよっこ先生に感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
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放射線科専門医試験 2022年度 問1
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問1
解答例:d
選択肢別の解説
a|正しい
骨肉腫では骨膜が腫瘍により持ち上げられ、辺縁に三角形の新生骨を作ることがあります。ただしこの骨膜反応は骨肉腫だけに特異的ではありません。
b|正しい
骨軟骨腫の表面は軟骨帽で覆われます。MRIで厚さ・内部信号や増大を評価し、骨皮質・髄腔の母骨との連続も確認します。
c|正しい
斜位単純写真の椎弓の形を犬に見立て、椎弓峡部の分離を首の断裂として捉える所見です。画像で不明瞭ならCT等と照合します。
d|誤り
びまん性椎体硬化は転移・リンパ腫・Paget病等を代表的鑑別とし、結核性脊椎炎の典型的組合せとはしません。ただし結核に硬化が一切生じないという意味ではありません。
e|正しい
頭蓋骨などの境界明瞭な溶骨性病変を示すことがあります。部位・年齢や周囲反応と合わせ、形態だけでLCHを確定はしません。
判断のポイント
Ivory vertebraは椎体がびまん性に硬化する所見で、骨形成性転移、リンパ腫、Paget病などが代表的な鑑別となる。結核性脊椎炎の典型所見との組み合わせとしては適切でない。
鑑別・注意点
結核性脊椎炎では椎体破壊、椎体周囲膿瘍、後弯などを重視する。ただし結核でも硬化を示す例はあり、「ivory vertebraなら結核を除外できる」という意味ではない。
放射線科専門医試験 2022年度 問2
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問2
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切でない
骨破壊性腫瘍ですが、感染のように早期から椎間板へ波及する病態を代表とはしません。椎体の発生部位・腫瘤形成を評価します。
b|適切でない
神経に沿い椎間孔を拡大することがありますが、椎間板破壊は代表的な早期所見ではありません。
c|適切でない
椎体の溶骨・圧潰を生じますが、感染性椎間板炎に比べ椎間板は保たれやすい傾向があります。
d|正しい
終板から椎間板に炎症が波及し、椎間板破壊と椎間腔狭小化を来しやすいため該当します。椎間板周囲の骨変化も合わせます。
e|適切でない
椎体破壊の割に椎間板が相対的に保たれることが鑑別に役立ちます。ただし進行した結核でも椎間板は破壊され、絶対的な区別ではありません。
判断のポイント
化膿性脊椎炎では椎体終板から椎間板へ炎症が波及し、椎間板破壊と椎間腔狭小化を生じやすい。結核性脊椎炎との比較では、早期の椎間板障害が鑑別の手掛かりとなる。
鑑別・注意点
結核では椎間板が比較的保たれながら椎体破壊や大きな傍脊椎膿瘍を示すことがある。ただし進行例では結核でも椎間板が破壊されるため、単独所見で確定しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問3
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問3
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
縦方向骨梁の肥厚が、横断CTのpolka-dot、矢状断のcorduroyの形態に対応します。
b|適切でない
侵襲的な病変では椎体外・硬膜外に進展し得るので、進展しないという断定は誤りです。
c|適切でない
血管に富む侵襲的病変では栄養血管を評価しますが、偶発的な典型例一般で拡張栄養血管をしばしば認めるとはしません。
d|適切でない
圧迫骨折を伴う侵襲例はありますが、多くの典型的病変は無症状であり病的骨折が高頻度とはしません。
e|正しい
典型例では脂肪と血管成分によりT1・T2とも高信号です。脂肪の乏しい非典型・侵襲的病変はこの信号を示さないことがあります。
判断のポイント
典型的な椎体血管腫は脂肪成分と血管成分を含み、T1・T2強調像とも高信号を示す。縦走骨梁の肥厚がCTのpolka-dot signや矢状断のcorduroy signに対応する。
鑑別・注意点
多くは偶発的に見つかる良性病変だが、侵襲的な血管腫では脂肪が少なく、椎体外・硬膜外進展や圧迫骨折を伴うことがある。典型例と侵襲的病変の所見を区別する。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問4
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問4
解答例:c
選択肢別の解説
a|適切でない
肩関節脱臼、とくに高齢者では腱板断裂を合併し得ます。脱臼に伴う骨・関節唇損傷だけでなく腱も評価します。
b|適切でない
一般的には棘上筋腱の断裂が多く、肩甲下筋腱が最多という説明は適切でありません。
c|正しい
広範な腱板機能の喪失は骨頭の上方偏位を起こし、腱板断裂性関節症につながります。
d|適切でない
部分断裂にも自然経過の幅があり、進行する例があります。保存療法で症状が改善することと、腱構造が高頻度に自然修復することは別です。
e|適切でない
長頭腱脱臼では肩甲下筋腱やbiceps pulleyの損傷が重要です。棘上筋腱断裂だけをその代表的な原因として対応させません。
判断のポイント
広範な腱板断裂が持続すると上腕骨頭の求心性が失われ、上方偏位と変形性関節症を生じる。これが腱板断裂性関節症の基本的な病態である。
鑑別・注意点
棘上筋腱断裂が多く、肩関節脱臼に腱板断裂を合併することもある。上腕二頭筋長頭腱の不安定性では肩甲下筋腱やbiceps pulleyの損傷を確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問5
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問5
解答例:c
選択肢別の解説
a|適切でない
顎下部にも異所性組織は生じますが、最多の部位ではありません。局在と正常位置の甲状腺を評価します。
b|適切でない
気管内にもまれに発生しますが、代表的な好発部位ではありません。
c|正しい
甲状腺原基が舌盲孔付近から下降する過程に関連し、舌根部が最も代表的な好発部位です。唯一の機能性甲状腺の場合もあります。
d|適切でない
側頸部病変では転移等との鑑別も重要です。異所性甲状腺が最も多い部位ではありません。
e|適切でない
胸骨後・縦隔にもありますが、舌根部よりまれです。機能・分布を確認してから侵襲的処置を検討します。
判断のポイント
異所性甲状腺の代表的な好発部位は舌根部である。甲状腺原基が舌盲孔付近から前頸部へ下降する過程の異常によって生じる。
鑑別・注意点
舌根部の腫瘤では正常位置の甲状腺の有無も確認する。異所性組織が唯一の機能性甲状腺である場合があるため、切除や生検を考える前に機能と分布を評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問6
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問6
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切でない
血瘤腫は上顎洞を中心に出血・器質化が混在する病変が代表的です。鼻腔後方・蝶口蓋孔起始の代表ではありません。
b|適切でない
鼻腔の血管性腫瘤として出血しますが、前方の鼻中隔などが代表的です。後鼻腔起始の血管線維腫とは部位を比較します。
c|適切でない
鼻腔側壁から中鼻道周囲を中心に生じることが多く、後鼻腔の蝶口蓋孔起始という組合せでは血管線維腫を優先します。
d|正しい
鼻腔後方・蝶口蓋孔周囲を起点とし、思春期男性の鼻閉・反復鼻出血が手掛かりです。血管豊富なため安易な生検を避けます。
e|適切でない
副鼻腔内の高吸収物質や粘膜・骨変化を評価します。鼻腔後方を好発部位とする腫瘍という説明ではありません。
判断のポイント
若年性鼻咽頭血管線維腫は鼻腔後方・蝶口蓋孔付近から発生する血管に富む腫瘍で、思春期の男性に好発する。鼻閉や反復する鼻出血が診断の手掛かりとなる。
鑑別・注意点
強い造影増強、flow void、翼口蓋窩への進展を確認する。出血リスクが高いため、通常の鼻腔腫瘤と同じ感覚で安易に生検しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問7
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問7
解答例:保留:上方浸潤と頭蓋内進展の頻度の区別が必要
選択肢別の解説
a|進展経路となり得るが最多とはしない
上顎神経に沿う神経周囲進展等の経路になり得ますが、最多という頻度の比較では進展の定義を確認する必要があります。
b|頻度の定義・公式正答を要確認
頭蓋底の直接浸潤では重要な評価部位で旧解答候補です。ただし頭蓋内進展例の経路頻度と同義ではなく、無条件に最多と確定しません。
c|頻度の定義・公式正答を要確認
下顎神経に沿う進展経路で、頭蓋内進展35例の研究では最多とされています。設問の上方進展の定義・公式解答を確認するまでbと一方へ固定しません。
d|進展経路となり得るが最多とはしない
頭蓋底浸潤では頸動脈周囲も評価しますが、この経路を全ての上方進展で最多とする根拠はありません。
e|進展経路となり得るが最多とはしない
海綿静脈洞から眼窩側への進展等で関係しますが、上咽頭から頭蓋底へ向かう初期経路の最多としては選びません。
判断のポイント
上咽頭癌の頭蓋底浸潤では破裂孔周囲や蝶形骨体部を評価する。一方、頭蓋内進展を来した35例の研究では卵円孔経由が最多と報告され、旧解答bを単純に「最多」と断定することはできない。
鑑別・注意点
直接浸潤と神経周囲進展、頭蓋底浸潤と頭蓋内進展では対象が異なる。設問の「上方進展」の定義と公式解答を確認するまでb・cの一方へ固定せず、破裂孔・卵円孔・正円孔と海綿静脈洞を系統的に評価する。
放射線科専門医試験 2022年度 問8
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問8
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい
外転神経は上眼窩裂を通って眼窩に入り外側直筋へ至るため、正しい組合せです。
b|正しい
滑車神経は上眼窩裂を通り上斜筋へ向かうため、正しい組合せです。
c|正しい
動眼神経は上眼窩裂を通り眼窩に入るため、正しい組合せです。
d|正しい
眼神経V1の枝は上眼窩裂を通ります。V2・V3との通過孔の違いが重要です。
e|誤り
上顎神経V2が通るのは正円孔です。上眼窩裂とする点が誤りです。
判断のポイント
三叉神経第2枝の上顎神経は正円孔を通る。上眼窩裂を通過するのは動眼神経、滑車神経、三叉神経第1枝の眼神経、外転神経である。
鑑別・注意点
頭蓋底病変では、神経症状と通過孔を対応させる。三叉神経第3枝の下顎神経は卵円孔を通るため、V1・V2・V3をまとめて同じ孔の神経として扱わない。
放射線科専門医試験 2022年度 問9
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問9
解答例:d
選択肢別の解説
a|生理的石灰化を認め得る
成人ではよくみられる生理的石灰化部位です。著明な腫大や年齢に不釣合いな変化では病的原因を検討します。
b|生理的石灰化を認め得る
加齢性の生理的石灰化がみられます。広範な分布や若年者では代謝性等の原因も比較します。
c|生理的石灰化を認め得る
松果体に近い手綱交連は生理的石灰化を認める代表的な部位の一つです。
d|頻度が相対的に低い
他の部位に比べ生理的石灰化の代表部位ではなく、相対的に頻度が低い候補です。後葉のMRI T1 bright spotとは異なる所見です。
e|生理的石灰化を認め得る
歯状核にも生理的・加齢性石灰化を認めます。左右対称性や他の石灰化、代謝検査等を合わせます。
判断のポイント
松果体、手綱、淡蒼球、小脳歯状核には生理的石灰化を認めることがある。下垂体後葉は、これらと比べて生理的石灰化の代表的な部位ではない。
鑑別・注意点
下垂体後葉のT1高信号は生理的なbright spotであり、CTの石灰化とは異なる。鞍上部の石灰化を認めた場合は頭蓋咽頭腫などの病的原因を検討する。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問10
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問10
解答例:e
選択肢別の解説
a|相対的に優先しない
高齢者でも発生しますが、小脳原発はまれです。年齢と部位の組合せでは転移を先に考えます。
b|相対的に優先しない
第四脳室との位置関係等が重要ですが、一般に小児・若年者の鑑別としての重みが大きく、高齢者小脳腫瘤の最多候補ではありません。
c|相対的に優先しない
小児に多く成人にもありますが、70歳代では転移より優先しません。年齢だけで完全除外する意味ではありません。
d|相対的に優先しない
毛様細胞性星細胞腫等は若年者に多く、高齢者小脳腫瘤では転移を先に考えます。画像と組織で亜型を評価します。
e|第一候補
高齢者の小脳腫瘤として優先する鑑別です。病変数・増強・浮腫・拡散と全身原発検索を合わせ、年齢のみで確定はしません。
判断のポイント
高齢者の小脳腫瘤では転移性脳腫瘍を優先して鑑別する。髄芽腫や典型的な毛様細胞性星細胞腫など、小児・若年者に多い腫瘍とは年齢分布が異なる。
鑑別・注意点
年齢だけで診断は確定しない。病変の数、造影パターン、周囲浮腫、拡散所見と全身の原発巣検索を組み合わせて判断する。
放射線科専門医試験 2022年度 問11
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問11
解答例:b
選択肢別の解説
a|適切でない
ASLは磁気標識した動脈血中の水を用いて主に組織血流を評価します。特殊条件で静脈信号が見えても、通常のASLが静脈灌流を一括解析する意味ではありません。
b|正しい
DCEは造影後のT1信号変化を動態的に測り、血管外漏出や透過性に関係するKtrans等を推定します。
c|適切でない
ASLは通常非造影で行います。GdのT1短縮は標識信号の減衰に影響するため、造影後に必ずコントラストが向上するとはしません。
d|適切でない
初回通過時のT2・T2*信号低下を利用するのはDSCです。DCEはT1信号の動的変化を用い、薬物動態モデル等で解析します。
e|適切でない
DSCの主要なコントラストはT2・T2*の低下です。T1コントラストによるDCEと区別します。
判断のポイント
DCEは造影剤投与後のT1信号変化を連続的に測定し、造影剤の血管外漏出や血管透過性を評価できる。Ktransなどの薬物動態パラメータが用いられる。
鑑別・注意点
DSCは造影剤の初回通過時に生じるT2・T2*信号低下を利用する。ASLは動脈血中の水を磁気的に標識する非造影法であり、3つの方法の信号原理を混同しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問12
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問12
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|適切でない
視神経・脊髄病変等が代表で、びまん性硬膜肥厚を高頻度所見とはしません。まれな合併報告の有無と典型像を区別します。
b|適切でない
中枢神経の脱髄病変が中心で、平滑なびまん性硬膜肥厚を代表的所見とはしません。
c|正しい
IgG4関連肥厚性硬膜炎では局所性・びまん性硬膜肥厚と増強がみられます。血清値だけで確定せず臨床・病理等と照合します。
d|正しい
髄液量減少に伴う代償性静脈拡張等で平滑な硬膜肥厚・増強を示します。炎症性硬膜炎と同じ機序ではありません。
e|適切でない
側頭葉・島などの脳実質病変が代表的です。びまん性硬膜肥厚を高頻度所見とはしません。
判断のポイント
IgG4関連疾患は肥厚性硬膜炎を生じる。脳脊髄液漏出症でも、髄液量の減少に伴う代償性の静脈拡張などを背景に、びまん性で平滑な硬膜の肥厚・造影増強を認める。
鑑別・注意点
脳脊髄液漏出症の硬膜所見を、炎症性の肥厚性硬膜炎と同じ機序で説明しない。起立性頭痛、脳下垂、静脈洞拡張、硬膜下液体貯留などを併せて評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問13
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問13
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切でない
外傷性軸索損傷はCTで見えない場合があり、MRIのDWI・SWI等が評価に役立ちます。CTが鋭敏という説明は誤りです。
b|適切でない
視床を含む深部損傷を一律に予後良好としません。損傷範囲・脳幹等の合併と臨床状態に応じて判断します。
c|適切でない
全ての頭部打撲へ一律にCTを行うわけではありません。意識、神経症状、抗凝固薬、年齢・機転等と適用可能な臨床判断基準で決めます。
d|正しい
打撲部位から離れた反対側にも脳挫傷が生じ得ます。頭皮腫脹や骨折の直下だけでなく前頭葉底・側頭葉等も確認します。
e|適切でない
急性重症外傷では迅速な非造影CTが基本です。MRIは安定性・監視条件を考慮し、CTで分かりにくい損傷の追加評価に用います。
判断のポイント
脳挫傷は打撲部位だけでなく、その反対側にも生じる。Contrecoup損傷を念頭に、受傷部位から離れた前頭葉底部や側頭葉なども系統的に確認する。
鑑別・注意点
急性期の重症頭部外傷では迅速な非造影CTが基本となる。MRIはCTで捉えにくい外傷性軸索損傷などの評価に役立ち、軽症例のCT適応は症状と臨床判断基準に基づいて決める。
放射線科専門医試験 2022年度 問14
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問14
解答例:c
選択肢別の解説
a|適切でない
脳卒中様病変は側頭・頭頂・後頭部などの後方皮質に多く、前頭葉を典型的好発部位とはしません。前頭葉病変が絶対にないという意味ではありません。
b|適切でない
急性期には過灌流を示すこともあり、一律の血流減少とする点が不適切です。病期と測定時刻を確認します。
c|正しい
ミトコンドリア機能障害による乳酸蓄積をMRSで検出できます。ただし乳酸ピークは特異的でなく、臨床・遺伝学的所見と合わせます。
d|適切でない
慢性期には萎縮や組織欠損が問題となり、慢性期の小脳腫大を代表的所見とはしません。
e|適切でない
脳卒中様病変は通常の動脈支配域を越え、移動・変化することがあります。通常の動脈梗塞と同じ領域性とはしません。
判断のポイント
MELASではミトコンドリア機能障害に伴って乳酸が蓄積し、MRSで乳酸ピークを認める。脳卒中様病変は側頭葉・頭頂葉・後頭葉などに多く、通常の動脈支配域を越えて広がる。
鑑別・注意点
血流所見は病期によって変化し、急性期に過灌流を示すこともある。乳酸ピークはMELASに特異的ではないため、臨床像と遺伝学的検査を合わせて診断する。
放射線科専門医試験 2022年度 問15
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問15
解答例:e
選択肢別の解説
a|関連はあるが頻度表現に注意
外傷との関連はありますが、全例が外傷性ではありません。静脈洞血栓や静脈圧上昇との関連も評価します。
b|正しい
通常は硬膜の動静脈短絡で、脳実質内AVMのようなナイダスは形成しません。短絡部と流出路を区別します。
c|正しい
静脈洞血栓症と関連し得ます。血栓・閉塞と側副還流、皮質静脈逆流を血管撮影等で評価します。
d|正しい
海綿静脈洞や横・S状静脈洞周囲等は代表的部位です。ただし前頭蓋底や円蓋部等にも生じます。
e|誤り
皮質静脈逆流は出血・神経障害リスクに関わる重要な所見です。軽症とする点が誤りで、静脈うっ滞を含めて重症度を評価します。
判断のポイント
皮質静脈への逆流は静脈圧亢進を引き起こし、脳出血や非出血性神経障害のリスクを高める。硬膜動静脈瘻の重症度評価では流出静脈のパターンが重要である。
鑑別・注意点
脳動静脈奇形のような脳実質内のナイダスは通常形成しない。外傷や静脈洞血栓症との関連があり、血管撮影では短絡点に加えて皮質静脈逆流と静脈うっ滞を確認する。
放射線科専門医試験 2022年度 問16
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問16
解答例:a
選択肢別の解説
a|相対的に少ない
小葉中心性結節・モザイク濃度・air trapping等の小気道所見が重要で、他候補に比べ胸膜下優位は典型的でありません。ただし線維性HPは末梢・UIP様分布も示します。
b|末梢優位を認め得る
典型例では両側の末梢・胸膜下優位のすりガラス影や浸潤影を示します。病期や病型で分布は変わります。
c|末梢優位を認め得る
UIPの典型的分布は肺底部・胸膜下優位です。蜂巣肺や牽引性気管支拡張などの構築改変と合わせます。
d|末梢優位を認め得る
末梢・胸膜下または気管支周囲優位の浸潤影が代表的です。分布だけで他の器質化肺炎や感染と区別しません。
e|末梢優位を認め得る
末梢優位の浸潤影は代表的画像です。ただし全例が同じ分布ではなく好酸球増多・背景と合わせます。
判断のポイント
過敏性肺炎では小葉中心性粒状影、モザイク状吸収値、呼気でのair trappingなど、細気管支病変を反映する所見が重要となる。胸膜直下に偏る分布が典型となる他の疾患群とは区別する。
鑑別・注意点
線維性過敏性肺炎は分布が多様で、末梢優位やUIPに似た像を示す例もある。胸膜直下の病変の有無だけではなく、曝露歴と小気道病変を合わせて評価する。
放射線科専門医試験 2022年度 問17
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問17
解答例:d
選択肢別の解説
a|妥当な組合せ
大きな結節の周囲に小結節が集まる所見で、サルコイドーシスとの関連は妥当です。結核等でもみられ、特異的ではありません。
b|妥当な組合せ
好中球回復期等の侵襲性アスペルギルス症で、壊死組織周囲に空気が入る所見を認め得ます。菌球との違いを臨床経過で評価します。
c|妥当な組合せ
中心のすりガラスを環状浸潤影が囲む所見で、器質化肺炎との組合せは妥当です。感染・梗塞等でも出現します。
d|誤った組合せ
低吸収の肺実質病変内に造影肺血管が浮かぶ所見で、粘液性腺癌やリンパ腫・一部肺炎等が代表です。肺梗塞の代表的な組合せとはしません。
e|妥当な組合せ
すりガラスに小葉間隔壁・小葉内線状影が重なる像は肺水腫でも生じます。肺胞蛋白症に限定されません。
判断のポイント
CT angiogram signは低吸収の肺実質病変内に、造影された肺血管が明瞭に浮かび上がる所見である。粘液性腺癌、肺リンパ腫、一部の肺炎などでみられ、肺梗塞の代表的サインではない。
鑑別・注意点
サインは疾患と一対一に対応しない。Reversed halo signやcrazy-paving patternも非特異的であり、病変の分布、宿主の免疫状態、経過と組み合わせて解釈する。
放射線科専門医試験 2022年度 問18
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問18
解答例:d
選択肢別の解説
a|認め得る
細気管支周囲の炎症が肺胞へ及ぶと浸潤影を形成します。気管支肺炎で認め得る所見です。
b|認め得る
不完全な肺胞充填や間質変化によりすりガラス影も生じます。病原体や病期により程度は異なります。
c|認め得る
病変が癒合して二次小葉全体に広がることもあり、汎小葉性の陰影を認め得ます。
d|相対的に低頻度
気道性に広がる気管支肺炎では小葉中心性・区域性分布が基本で、この比較では非区域性が相対的に低頻度です。感染全般が必ず区域性という意味ではありません。
e|認め得る
細気管支を中心とした炎症を反映する粒状・分枝状陰影は代表的です。気道周囲の分布を追います。
判断のポイント
気管支肺炎は気道を介して炎症が広がるため、小葉中心性陰影や気管支血管束に沿った陰影、区域性の分布が基本となる。非区域性分布は、この病型の典型像としては選びにくい。
鑑別・注意点
すりガラス影や浸潤影を伴い、癒合して小葉全体に及ぶこともある。病原体や病期によって非典型的な分布も生じるため、「感染症は必ず区域性」と一般化しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問19
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問19
解答例:c
選択肢別の解説
a|適切でない
初感染だけでなく、移植後などの免疫抑制下の再活性化が重要です。初感染が一般に多いと一括りにはしません。
b|適切でない
上葉優位を典型的・必須の分布とはしません。多発結節やすりガラス影を肺全体で評価します。
c|正しい
小葉中心性の粒状・結節影を、すりガラスや浸潤影とともに認めます。画像は非特異的で、ウイルス学的検査等と統合します。
d|適切でない
モザイク濃度は様々な血流・気道病変で生じ、CMV肺炎を特徴づける第一の所見ではありません。
e|適切でない
すりガラス影は代表的な画像所見の一つであり、まれとする説明は誤りです。
判断のポイント
サイトメガロウイルス肺炎では、両側のすりガラス影に小葉中心性の粒状・結節影や浸潤影が混在する。移植後などの免疫抑制状態では再活性化も重要となる。
鑑別・注意点
上葉優位やモザイクパターンを必須所見としない。CT像は非特異的なので、患者背景、ウイルス学的検査、必要に応じた病理所見によって他の日和見感染症と鑑別する。
放射線科専門医試験 2022年度 問20
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問20
解答例:a
選択肢別の解説
a|相対的に低頻度
他候補の形態所見に比べ頻度が低い候補です。ただし偏在性・不整な石灰化や既存石灰化の巻き込み等があり、肺癌を除外する所見ではありません。
b|肺癌で認め得る
周囲の線維化・浸潤等を反映する棘状辺縁は、肺癌を疑う重要な形態所見です。特異的ではありません。
c|肺癌で認め得る
腫瘍へ向かう胸膜の引き込みを認めることがあります。胸膜播種や胸壁浸潤そのものと同義ではありません。
d|肺癌で認め得る
不均一な増殖により分葉状辺縁を呈することがあります。良性腫瘤にもあり、他の所見と合わせます。
e|肺癌で認め得る
とくに腺癌等で腫瘤内に含気気管支が残ることがあります。感染所見に限定せず、形態・経時変化を比較します。
判断のポイント
肺癌では分葉状辺縁、スピキュラ、胸膜陥入像などが診断の手掛かりとなる。石灰化を伴うこともあるが、これらの形態所見と比較すると頻度が低い。
鑑別・注意点
石灰化があっても肺癌を除外できない。中心性・びまん性・層状・popcorn状などのパターンと、偏在性・不整な石灰化を区別し、過去画像での増大も確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問21
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問21
解答例:保留:aとbの頻度比較を確定できず
選択肢別の解説
a|a・bの頻度比較は保留
空洞性肺転移の報告はあり、発生しないとはいえません。膵癌との比較可能な頻度データがないため最少と確定しません。
b|a・bの頻度比較は保留
空洞性肺転移を来すことがあり、腎癌より必ず多い・少ないとは症例報告の件数だけでは判断できません。
c|空洞性肺転移の既知原発
腺癌でも空洞性転移があり、大腸癌はその既知の原発の一つです。治療に伴う空洞化も区別します。
d|空洞性肺転移の既知原発
頭頸部扁平上皮癌は空洞性肺転移の代表的背景です。感染等の鑑別も残します。
e|空洞性肺転移の既知原発
子宮頸部の扁平上皮癌も空洞性肺転移を来すことが知られています。原発組織型と治療歴を合わせます。
判断のポイント
空洞を伴う肺転移は、頭頸部や子宮頸部などの扁平上皮癌でよく知られる。大腸癌などの腺癌でも生じ、腎癌と膵癌の両方に空洞性肺転移の報告がある。
鑑別・注意点
旧解説はaを候補としていたが、症例報告の検索件数から「最も少ない」を決めることはできない。治療前後でも空洞化の頻度が変わるため、比較可能なデータまたは公式解答がない段階で一方を正答と断定しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問22
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問22
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切でない
成人の幅広い年齢で生じ、一般の肺癌ほど高齢者偏重ではありません。高齢者に発生しない意味ではありません。
b|頻度表現に注意
31例の原著ではCT石灰化は全体26%、中枢型39%で、まれとはいえません。高頻度という語の閾値は曖昧なため、単に全例でないことを誤りの根拠にせず、出題想定dとの区別に注意します。
c|適切でない
血管が豊富で強い増強を示すことがあり、ほとんど増強されないという説明は誤りです。
d|正しい
定型は中枢気管支に関連した発生が多く、管内腫瘤や閉塞性肺炎・無気肺を来します。末梢発生もあります。
e|適切でない
非定型は定型より少数です。非定型は相対的に末梢発生が多いことと、全体の頻度を混同しません。
判断のポイント
定型カルチノイドの多くは中枢気管支に関連して発生し、気管支内腫瘤や末梢側の閉塞性肺炎・無気肺として見つかる。造影CTでは血流の豊富さを反映して強く造影されることがある。
鑑別・注意点
非定型カルチノイドは定型より少なく、末梢発生が比較的多い。31例の原著では石灰化は全体の26%、中枢型の39%で認められます。「高頻度」の定義がないため、bを石灰化がまれという理由で否定しません。石灰化は全例の所見ではなく、石灰化や造影効果だけで定型と非定型を確定しない。
参考文献
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2022年度 問23
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問23
解答例:d
選択肢別の解説
a|相対比較・測定条件に依存
細胞密度・病理型によりADCは異なり、低値の例もあります。リンパ腫との重なりを考慮し、ADCだけで区別しません。
b|相対比較・測定条件に依存
細胞性や変性により値が変わりますが、典型的な高細胞密度リンパ腫を最も低い候補として選びます。
c|相対比較・測定条件に依存
内部の線維成分・細胞密度等に依存します。全例が固定のADCを示すわけではありません。
d|低ADCの第一候補
高い細胞密度により拡散が制限され、比較群では低いADCを示しやすい病変です。ROI・b値・壊死など測定条件も確認します。
e|相対比較・測定条件に依存
通常は液体成分で拡散が比較的保たれますが、濃い蛋白や感染内容では変わります。低ADCだけで固形悪性腫瘍としません。
判断のポイント
悪性リンパ腫は細胞密度が高く、水分子の拡散が制限されるためADCが低くなりやすい。縦隔腫瘤の鑑別では、ADC低下がリンパ腫を考える手掛かりとなる。
鑑別・注意点
ADCは撮像条件、ROI、壊死や嚢胞成分の影響を受ける。胸腺腫などとの値の重なりもあるため、低ADCだけで組織型を確定せず、形態や造影所見と併せて判断する。
放射線科専門医試験 2022年度 問24
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問24
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|適切でない
通常の典型像ではなく、空洞があれば重複感染等も評価します。COVID-19で絶対にないという意味ではありません。
b|適切でない
孤立した区域性浸潤影は細菌性肺炎等との比較が必要で、COVID-19の代表的な二所見としては選びません。
c|正しい
病変内の血管影の太まりは報告される特徴の一つです。原因ウイルスの確定所見ではありません。
d|適切でない
小葉中心性粒状影・tree-in-budは典型像に乏しく、他の気道感染等を比較します。
e|正しい
すりガラスに線状影・隔壁肥厚が重なるcrazy pavingは典型的パターンの一つです。病期によって像が変わりCT正常例もあります。
判断のポイント
COVID-19肺炎では末梢優位のすりガラス影やcrazy-paving patternがみられる。病変内の血管拡張・血管影の太まりも報告されている。
鑑別・注意点
空洞や小葉中心性粒状影は典型像ではない。ただし画像だけでは原因ウイルスを確定できず、検査時期によってはCTが正常であることもある。
放射線科専門医試験 2022年度 問25
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問25
解答例:c
選択肢別の解説
a|適切でない
鋭縁枝は通常右冠動脈から分かれ、右室の辺縁を走ります。
b|適切でない
鈍縁枝は通常回旋枝の分枝で、左室側壁を灌流します。
c|正しい
対角枝は前下行枝から左室前側壁へ分かれます。中隔へ向かう中隔枝との走行の違いも確認します。
d|適切でない
後下行枝は冠優位性により右冠動脈または回旋枝から分かれます。通常の前下行枝の分枝ではありません。
e|適切でない
後側壁枝の起始は冠優位性で異なり、通常は右冠動脈・回旋枝系を評価します。
判断のポイント
対角枝は左前下行枝から分岐し、左室前側壁を灌流する。左前下行枝は前室間溝を走り、心室中隔へ向かう中隔枝も分岐する。
鑑別・注意点
鋭縁枝は通常右冠動脈、鈍縁枝は左回旋枝の分枝である。後下行枝と後側壁枝の起始には冠動脈優位性による個人差があるため、常に同じ起始と決めつけない。
放射線科専門医試験 2022年度 問26
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問26
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|適切でない
上行大動脈は狭小化ではなく拡張を伴うことがあります。弁の狭窄と大動脈径を混同しません。
b|適切でない
弁尖癒合等により非対称の開口となることが多く、対称な二尖もありますが一般化しません。
c|正しい
大動脈縮窄との関連が重要です。二尖弁全例に縮窄があるという意味ではなく、弓部を含む大動脈を評価します。
d|正しい
感染性心内膜炎のリスクが上がる素因です。二尖弁があることだけから予防抗菌薬の適応を一律に決める意味ではありません。
e|適切でない
石灰化性狭窄は通常の三尖弁より若い年齢で発症しやすく、高齢で発症するという比較は逆です。
判断のポイント
大動脈二尖弁では大動脈縮窄の合併を確認する必要があり、感染性心内膜炎のリスクも高くなる。弁だけでなく大動脈基部から弓部までを評価する。
鑑別・注意点
上行大動脈は拡張を来すことがあり、弁口はしばしば非対称となる。石灰化性の弁狭窄も三尖弁より若い年齢で発症するため、正常な三尖弁と同じ経過とは扱わない。
放射線科専門医試験 2022年度 問27
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問27
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい(適応・禁忌を確認)
硝酸薬・β遮断薬の適応と有害作用を確認するため、前後の血圧・心拍測定は妥当です。
b|正しい(適応・禁忌を確認)
禁忌がなければ冠拡張により冠動脈評価を改善するため用います。低血圧やPDE5阻害薬等の使用は確認します。
c|正しい(適応・禁忌を確認)
血圧をさらに下げるおそれがあるため、重篤な低血圧で用いないという記述は正しいものです。
d|正しい(適応・禁忌を確認)
心拍を抑えることで動きの影響を減らせます。喘息、房室伝導障害等の禁忌・条件を確認して使用します。
e|誤り
β遮断薬使用中でもアナフィラキシーの第一選択はアドレナリン筋注です。グルカゴンは標準対応に反応不十分な場合等に検討し、最初から置き換えません。
判断のポイント
β遮断薬使用中でも、アナフィラキシーに対する第一選択はアドレナリン筋注である。グルカゴンはβ遮断薬の影響などで標準治療への反応が不十分な場合に検討する薬剤であり、最初から置き換えない。
鑑別・注意点
冠動脈CTでは血圧と心拍を確認し、禁忌がなければ心拍数調節や硝酸薬による冠拡張を行う。硝酸薬は重篤な低血圧やPDE5阻害薬との併用などに注意する。
放射線科専門医試験 2022年度 問28
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問28
解答例:a
選択肢別の解説
a|特に特徴的な所見
心筋の糖脂質蓄積によりnative T1が低下しやすく、肥大心の鑑別に特に役立ちます。線維化・炎症部では上昇し、正常化する例もあります。
b|有用な場合もあるが相対的に選ばない
線維化等でT1・ECVは上昇し得るため評価に有用ですが、今回の相対比較ではFabry病の特徴的な低下を選びます。
c|有用な場合もあるが相対的に選ばない
線維化や肥大の評価に利用できますが、値の重なりがあり、この疾患をT1だけで特定しません。
d|有用な場合もあるが相対的に選ばない
炎症・線維化部でT1上昇等を示し得ますが非特異的です。LGE、FDG、臨床基準等との統合が必要です。
e|有用な場合もあるが相対的に選ばない
心筋障害で値は変化し得ますが、特異的な一方向の変化だけで診断できません。Fabry病のnative T1低下がこの比較の第一候補です。
判断のポイント
Fabry病では心筋へのスフィンゴ糖脂質蓄積を反映し、native T1が低下しやすい。心肥大を伴う疾患の鑑別で特徴的な所見となる。
鑑別・注意点
線維化や炎症のある部分ではT1が上昇し、正常に近い値となることもある。正常値は装置・磁場強度・シーケンスに依存するため、施設の基準値と比較する。
放射線科専門医試験 2022年度 問29
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問29
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切でない
腎血管性高血圧等の原因ですが、Leriche症候群の中心病変ではありません。
b|適切でない
肺循環の閉塞で、下肢への大動脈腸骨動脈流入障害とは異なります。
c|適切でない
胸部大動脈縮窄等とは部位が異なります。終末大動脈から腸骨領域の閉塞が中心です。
d|正しい
腹部大動脈終末部~腸骨動脈の閉塞による下肢虚血が中心です。閉塞範囲・側副血行・末梢流出路を評価します。
e|適切でない
腸管虚血を来す病態で、Leriche症候群の主たる解剖学的病変ではありません。
判断のポイント
Leriche症候群は腹部大動脈終末部から腸骨動脈領域にかけての閉塞性病変が中心となる。下肢の間欠性跛行、末梢動脈拍動の低下、勃起障害などを来す。
鑑別・注意点
CT血管撮影では閉塞の範囲と腎動脈との位置関係に加えて、側副血行路と末梢の流出路を評価する。単なる腎動脈狭窄や腸間膜動脈閉塞とは区別する。
放射線科専門医試験 2022年度 問30
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問30
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|適切でない
明確な構築の乱れは原則として検診カテゴリー4以上を考え、単なる疑いのカテゴリー3とは区別します。手術歴等の説明可能な変化は別に評価します。
b|適切でない
局所的非対称性陰影は通常カテゴリー3等の精査対象を考えます。過去像・局所構造や良性原因を確認せず一律カテゴリー2としません。
c|正しい
国内検診判定では淡く不明瞭な石灰化の集簇はカテゴリー3が対応します。ACR BI-RADSの同じ数字へそのまま置き換えません。
d|正しい
退縮した高齢乳房の高濃度腫瘤は、平滑境界でも圧排性悪性病変を考えカテゴリー4とする出題です。乳房構成と過去像も確認します。
e|適切でない
区域性の多形性不均一石灰化はより強く悪性を疑うカテゴリー5を考えます。粒の形態と区域性分布を合わせて判断します。
判断のポイント
淡く不明瞭な集簇石灰化は検診カテゴリー3となる。高齢で乳腺が退縮した乳房では、境界が明瞭で平滑でも高濃度の腫瘤は圧排性に発育する悪性病変を考え、カテゴリー4とする。
鑑別・注意点
明確な構築の乱れは原則としてカテゴリー4以上であり、単なる疑いのカテゴリー3と区別する。旧解答a・cをc・dへ修正した。実際の判定では乳房構成、過去画像、手術歴と他の所見も確認する。
放射線科専門医試験 2022年度 問31
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問31
解答例:b
選択肢別の解説
a|悪性を疑う所見
非腫瘤性増強の中でも悪性を疑うパターンです。ただし組織型や浸潤性をこれだけで確定しません。
b|相対的に良性を示唆
非増強の暗い隔壁は線維腺腫などの線維性隔壁を反映し、比較候補の中では良性を示唆します。他の悪性形態があれば隔壁だけで打ち消しません。
c|悪性を疑う所見
不整形は悪性を疑う形態所見です。形だけで確定せず辺縁・内部構築・経時変化を統合します。
d|悪性を疑う所見
辺縁優位の増強は壊死性腫瘍等を疑う所見です。炎症性病変にもあり、臨床背景と比較します。
e|悪性を疑う所見
スピキュラを伴う辺縁は浸潤性病変を疑わせます。瘢痕等の背景も確認し、最も低リスクの候補にはしません。
判断のポイント
造影されない暗い内部隔壁は、線維腺腫の線維性隔壁に対応する所見として知られる。提示された所見の中では良性を示唆する。
鑑別・注意点
隔壁だけで線維腺腫と確定しない。形状、辺縁、T2信号、造影動態や経時変化を合わせて評価し、不整形やスピキュラ、rim enhancementなどの所見を優先して確認する。
放射線科専門医試験 2022年度 問32
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問32
解答例:e
選択肢別の解説
a|正しい(病型による幅あり)
純型は一般に予後が良好です。混合型・病期等による差があり、全症例に同じ予後を保証する記述ではありません。
b|正しい(病型による幅あり)
純型は閉経後・高齢女性に多い傾向があります。若年例もあるため年齢だけで除外しません。
c|正しい(病型による幅あり)
細胞外粘液を反映し、強いT2高信号を示すことが代表的です。混合する成分で信号は変わります。
d|正しい(病型による幅あり)
液体に富む粘液成分を反映し後方エコー増強を示し得ます。この所見だけで良性とは判断しません。
e|誤り
早期に全体が均一に強く増強することを典型とはしません。粘液量・細胞性等により漸増性・不均一増強等を示し、造影曲線には幅があります。
判断のポイント
粘液癌は豊富な細胞外粘液を反映してT2強調像で著明な高信号となり、超音波で後方エコー増強を示すことがある。早期相で腫瘍全体が均一に強く染まることを典型所見とはしない。
鑑別・注意点
造影は漸増性となることが多いが、細胞成分や混合型の有無によって異なる。純型は一般に予後が良好であり、浸潤性乳癌成分を伴う混合型と分けて理解する。
放射線科専門医試験 2022年度 問33
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問33
解答例:cを出題想定(dの早期髄鞘化の扱いは留保)
選択肢別の解説
a|適切でない
T2で成人に近い髄鞘化パターンとなるのは一般にもっと後で、約2歳前後を目安とします。部位と個人差を考慮します。
b|適切でない
一般には尾側・中心部から頭側・末梢へ進む傾向があり、頭側から尾側という方向は逆です。全領域が同じ順序ではありません。
c|正しい
髄鞘化によるT1高信号化はT2低信号化より早期に捉えられます。月齢とシーケンスごとの正常発達を比較します。
d|部位・撮像条件によるため留保
乳児MRIの原著には視放線の髄鞘化が出生後早期からT1で見えるとの報告もあります。評価する部位や成熟度・装置条件に依存するため、新生児では一切確認できないと断定せず、cの出題想定と単一選択の整合を確認します。
e|適切でない
成熟白質ではT1は高信号、T2は低信号へ変化します。この組合せは方向が逆です。
判断のポイント
髄鞘化によるT1短縮はT2短縮より早く画像で捉えられる。成熟に伴い白質はT1強調像で高信号、T2強調像で低信号へ変化する。
鑑別・注意点
髄鞘化は脳全体で同時に進まず、部位によって時期が異なる。乳幼児では月齢と、早産児の場合の修正月齢を確認し、成人の白質信号をそのまま基準にしない。視放線の髄鞘化が出生後早期からT1で確認できるという原著もあるため、dを一律に誤りと断定せず、部位・撮像条件と公式正答の整合を確認します。
参考文献
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2022年度 問34
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問34
解答例:c
選択肢別の解説
a|病型・頻度が異なる
上下とも気管との瘻がないため、通常は胃泡・腹部ガスが乏しい病型です。coil upだけなら鑑別に入ります。
b|病型・頻度が異なる
近位側のみ気管瘻があり、遠位食道へ空気が入る通常経路はありません。胃泡を伴う典型像ではC型を優先します。
c|最も疑う
上部食道閉鎖と遠位気管食道瘻があり、胃管は折り返し、気管から胃へガスが入ります。最も多い病型として第一に疑います。
d|病型・頻度が異なる
上下両方に瘻があるため胃泡を伴い得ます。単純写真だけでは完全除外できませんが、頻度からC型をまず疑い術前に確認します。
e|病型・頻度が異なる
食道閉鎖のないH型瘻で、胃管が食道上部でcoil upする典型病態とは異なります。
判断のポイント
胃管が上部食道で折り返すcoil upは食道閉鎖を示唆する。胃泡を認める場合は、遠位食道が気管と交通して空気が胃へ入るGross C型をまず考える。
鑑別・注意点
近位・遠位の両方に瘻孔を持つGross D型でも腹部ガスは生じる。単純写真だけで全ての瘻孔を描出できるわけではなく、最も多いC型を疑った上で術前に解剖を確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問35
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問35
解答例:e
選択肢別の解説
a|羊水過少の原因となり得る
重症の下部尿路閉塞で両腎機能と胎児尿産生が損なわれると、羊水過少・肺低形成を来し得ます。
b|羊水過少の原因となり得る
両腎がないため胎児尿産生が保てず、重度羊水過少・肺低形成の原因となります。
c|羊水過少の原因となり得る
重症ARPKDでは両腎の機能障害により羊水過少と肺低形成を来し得ます。重症度には幅があります。
d|羊水過少の原因となり得る
両側で機能腎組織が乏しければ胎児尿が不足し、羊水過少・肺低形成のリスクがあります。
e|相対的に低リスク
対側腎が正常なら胎児尿産生が保たれ、他の両側性重症病変よりリスクが低い候補です。対側異常や合併閉塞がないか確認します。
判断のポイント
片側性多嚢胞性異形成腎では、対側腎が正常に機能すれば胎児尿の産生が保たれる。このため、両側性の高度な腎障害や重症尿路閉塞と比べて羊水過少・肺低形成を来しにくい。
鑑別・注意点
羊水量は対側腎機能、尿路閉塞、妊娠時期や他の合併症によって変わる。片側病変の診断でも対側腎と膀胱、羊水量を必ず確認する。
放射線科専門医試験 2022年度 問36
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問36
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|適切でない
機能性肝細胞を欠き通常は肝細胞相で相対的低信号です。線維間質の遅い造影剤残留を、肝細胞取り込みによる周囲肝以上の高信号と混同しません。
b|適切でない
通常は機能性肝細胞を含まず、肝細胞相で高信号となる典型病変ではありません。
c|適切でない
血管内造影の早期増強と肝細胞相の取り込みは別です。血管腫は通常肝細胞相で相対的に低信号になります。
d|正しい
一部の中分化HCCではOATP1B3発現を保ち、EOBを取り込んで肝細胞相高信号を示します。分化度だけで全例の取り込みは決まりません。
e|正しい
FNHは機能する肝細胞を含むため等~高信号となりやすい病変です。中心瘢痕等の非肝細胞部は別に評価します。
判断のポイント
FNHは機能する肝細胞を含み、肝細胞相で等~高信号となることが多い。一部の中分化型肝細胞癌もOATP1B3の発現を保ち、EOBを取り込んで高信号を示す。
鑑別・注意点
胆管癌の線維性間質に造影剤が残って中心部が淡く染まる現象と、肝細胞への取り込みによる周囲肝以上の高信号を区別する。旧解答のa・eは、この二つを混同していたため修正した。
放射線科専門医試験 2022年度 問37
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問37
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|適切でない
線維性間質の遅延増強が代表で、早期の肝静脈還流を高頻度に示す代表腫瘤ではありません。
b|適切でない
多血性を示しますが、それだけで早期静脈還流が代表的とはしません。亜型や他の所見と比較します。
c|適切でない
早期HCCは一般に血流が乏しく、著しい動静脈短絡を伴う進行した多血性病変と区別します。
d|正しい
豊富な血流と肝静脈等への早期還流が診断の手掛かりになります。脂肪が少ないAMLでも血管構築を評価します。
e|正しい
中心流入動脈と肝静脈への還流を認め得る多血性病変です。瘢痕や肝細胞相等と合わせ、還流がないことだけで除外しません。
判断のポイント
肝血管筋脂肪腫では、豊富な動脈血流が腫瘍内の短絡を介して肝静脈などへ早期に流出する。FNHでも流入動脈と肝静脈への還流を評価する。
鑑別・注意点
早期静脈還流は診断の手掛かりであり、存在しないから病変を否定できるわけではない。脂肪、中心瘢痕、造影持続性、EOB肝細胞相と組み合わせて鑑別する。
放射線科専門医試験 2022年度 問38
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問38
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
血栓性素因・骨髄増殖性疾患等の後天的原因があり、一律に先天性疾患とする点が誤りです。
b|出題上妥当
発症様式・経過で急性・慢性の評価を行います。画像では肝腫大・腹水、慢性側副血行や再生結節等を比較します。
c|出題上妥当
国内では下大静脈の膜様閉塞を伴う病型が歴史的に多く報告されています。地域・時代別の病型分布と区別します。
d|出題上妥当
尾状葉には下大静脈へ直接流出する静脈があり、排血が相対的に保たれ腫大し得ます。
e|出題上妥当
杉浦分類は出題で扱われる歴史的な病型分類です。閉塞部位と肝静脈・下大静脈の形態を評価し、病名だけで閉塞範囲を決めません。
判断のポイント
Budd–Chiari症候群は肝静脈から下大静脈に至る肝静脈流出路の閉塞によって生じる。血栓傾向や骨髄増殖性疾患などの後天的な原因があり、一律に先天性疾患とはしない。
鑑別・注意点
尾状葉は下大静脈への独立した還流路を持つため、他の区域より排血が保たれ、相対的に腫大することがある。流出路の閉塞部位、側副血行路、急性・慢性の変化を評価する。
放射線科専門医試験 2022年度 問39
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問39
解答例:e
選択肢別の解説
a|脂肪含有例がある
PEComa群には脂肪を含むAMLがあります。ただしPEComa全てに画像で検出できる脂肪があるわけではありません。
b|脂肪含有例がある
脂肪化を伴うHCCがあり、細胞内脂質をchemical shift等で評価します。脂肪があれば良性とはしません。
c|脂肪含有例がある
とくにHNF1A不活化型等で細胞内脂肪が目立つことがあります。亜型により含有量が異なります。
d|脂肪含有例がある
肝細胞系の異型結節にも脂肪化を認めます。脂肪だけでHCCとの境界は確定できません。
e|相対的に少ない
FNHの脂肪化はあり得ますが、比較候補では典型的な脂肪含有腫瘤として頻度が低いものです。脂肪の存在だけで除外はしません。
判断のポイント
FNHで脂肪を認めることはあるが、典型的な脂肪含有肝腫瘤ではない。肝細胞腺腫、肝細胞癌、異型結節や、血管筋脂肪腫を含むPEComa群では脂肪成分が鑑別の手掛かりとなる。
鑑別・注意点
PEComaのすべてに画像で見える脂肪があるわけではない。肉眼的脂肪と細胞内脂肪を区別し、単純CT、脂肪抑制像、chemical shift画像を用いて評価する。
放射線科専門医試験 2022年度 問40
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問40
解答例:c
選択肢別の解説
a|適切でない
肝腫大を来すことがあり、肝萎縮を代表所見とはしません。病期・他の肝疾患の合併も評価します。
b|適切でない
単純CTでは低吸収等がみられ、沈着部が一律に高吸収となる説明は適切でありません。
c|正しい
Disse腔、類洞周囲や血管壁に沈着し、臓器機能や血流に影響します。画像のみでなく全身評価・組織所見で診断します。
d|適切でない
臓器分布はアミロイドの型や対象集団で異なり、肝が実質臓器で常に最多とはいえません。
e|適切でない
T1高信号を沈着量に比例する一律の代表所見とはしません。画像は非特異的で、他の浸潤性・代謝性病態も鑑別します。
判断のポイント
アミロイドは肝のDisse腔、類洞周囲や血管壁に沈着する。肝腫大、実質の低吸収、不均一な造影などを認めることがある。
鑑別・注意点
画像所見は非特異的であり、脂肪肝や他の浸潤性疾患も鑑別となる。診断には全身所見と組織学的評価が重要で、単純CTの高吸収やT1高信号を一律の特徴とはしない。
放射線科専門医試験 2022年度 問41
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問41
解答例:c
選択肢別の解説
a|妥当な特徴
門脈圧亢進等に伴う脾腫を認めます。ただし早期の全例で出現する所見ではありません。
b|妥当な特徴
中年女性に多い疾患です。性別や年齢だけで確定・除外はしません。
c|誤り
初期には肝形態が保たれることがあり、初期から著明な変形が目立つとする点が誤りです。
d|妥当な特徴
肝門部等のリンパ節腫大を認めます。反応性の腫大を、径だけで悪性転移と取り違えません。
e|妥当な特徴
肝内小型胆管の慢性非化膿性破壊性胆管炎が基本病変です。大きな胆管の多発狭窄を示すPSCと区別します。
判断のポイント
原発性胆汁性胆管炎は肝内小型胆管の慢性非化膿性破壊性胆管炎を特徴とする。病初期には肝形態が保たれることがあり、初期から著明な肝変形を必須としない。
鑑別・注意点
肝門部リンパ節腫大や脾腫、門脈圧亢進を伴うことがある。画像で見える大きな胆管の多発狭窄を主体とする原発性硬化性胆管炎とは病変の主座を区別する。
放射線科専門医試験 2022年度 問42
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問42
解答例:b
選択肢別の解説
a|認め得る特徴
主膵管の狭細が診断の手掛かりです。膵癌に比べた狭窄の長さや上流拡張、貫通所見等を評価します。
b|出題の誤り候補
多発型を極めて例外的として除外しません。2021年の単施設118例では26例(22%)が多発型でした。頻度は集団・定義に依存し、びまん型・限局型・多発型を理解します。
c|認め得る特徴
びまん型ではソーセージ様の膵腫大を示し得ます。限局型等があるので、全例に必須の像ではありません。
d|認め得る特徴
活動性炎症はFDG集積を示しますが、膵癌等でも集積し、SUVのみで確定鑑別できません。
e|認め得る特徴
早期相で低吸収の被膜様構造を認め、遅延して増強することがあります。これだけで診断せずIgG4・膵管・他臓器等と統合します。
判断のポイント
自己免疫性膵炎にはびまん性、限局性、多発性の病変があり、多発例を極めてまれな例外とは扱わない。膵腫大、主膵管狭細、被膜様構造、遅延性造影が重要である。
鑑別・注意点
活動性病変はFDG集積を示すことがある。限局性病変では膵癌との鑑別が必要で、IgG4値や他臓器病変だけで確定せず、診断基準に沿って評価する。
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2022年度 問43
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問43
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|適切でない
一般に男性に多い傾向で、女性優位を示す代表的二病変には含めません。
b|適切でない
中年男性に多い傾向の良性嚢胞性病変です。性別だけでは確定しません。
c|正しい
MCNはほぼ女性に発生し、病理で卵巣様間質を確認します。膵体尾部に多く、IPMNとの交通性の違いも重要です。
d|適切でない
高齢者に多く、MCNやSPNほど明確な女性優位を示す代表病変ではありません。
e|正しい
SPNは若年女性に多い腫瘍です。出血や嚢胞変性を示し、性別だけから良悪性や予後を判断しません。
判断のポイント
粘液性嚢胞腫瘍はほぼ女性に発生し、卵巣様間質を特徴とする。Solid pseudopapillary neoplasmも若い女性に多く、充実成分と出血性・嚢胞性変性を伴う。
鑑別・注意点
MCNは膵体尾部に多く、主膵管との明らかな交通を通常認めない。IPMNとは好発背景と膵管との関係を分けて整理し、年齢や性別だけで良悪性を判断しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問44
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問44
解答例:保留:旧解答eと解剖資料に不整合あり
選択肢別の解説
a|解剖上の妥当な特徴
腎は腎周囲腔にあり、後腎傍腔は脂肪を主体とし主要実質臓器を含みません。
b|解剖上の妥当な特徴
側方の腹膜外脂肪を介して前方の腹膜前腔へ連続する経路を理解します。閉鎖された孤立空間とはしません。
c|解剖上の妥当な特徴
内側では大腰筋などの筋・筋膜との関係が重要です。後腎筋膜と横筋筋膜の間の位置を確認します。
d|旧解答との整合を要確認
後腎傍腔から側腹部への出血進展はGrey Turner徴候に対応します。臍周囲のCullen徴候の代表的経路とは区別し、この記述は誤り候補です。
e|旧解答との整合を要確認
flank stripeの脂肪と後腎傍腔の連続性があり、旧解答eを単純な誤りとして維持できません。公式正答の確認まで、既存の保留を維持します。
判断のポイント
後腎傍腔は後腎筋膜と横筋筋膜の間にある脂肪を主体とする空間で、腎そのものを含まない。側方の腹膜外脂肪や前方の腹膜前腔との連続を理解する。
鑑別・注意点
旧解答はeだが、flank stripeの脂肪は後腎傍腔と連続する。一方、Cullen徴候の代表的経路は肝胃間膜・鎌状間膜を介する臍周囲への進展で、後腎傍腔から側腹部へ向かう経路はGrey Turner徴候に対応する。公式解答を確認するまで単一の正答を断定しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問45
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問45
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切でない
脂肪・石灰化・出血や基礎CT値の評価に必要ですが、腫瘤検出の相対比較では腎実質相を優先します。
b|適切でない
血管や多血性腫瘤の早期増強に役立ちますが、小腫瘤全体の検出に最も安定した相とはしません。
c|適切でない
皮髄差と腫瘤血流が分かりますが、低血流病変や髄質内病変が見えにくいことがあります。
d|正しい
正常腎の造影が比較的均一となり、低吸収の小腫瘤とのコントラストが得やすく検出に重要です。
e|適切でない
尿路への排泄を利用して腎盂・尿管病変を評価する相です。実質性小腫瘤検出の最適相とは区別します。
判断のポイント
腎実質相では皮質と髄質の造影が比較的均一になるため、正常実質と腫瘤とのコントラストを得やすい。小さな腎腫瘤の検出に重要な相である。
鑑別・注意点
皮質髄質相は腫瘤の血流や腎血管の評価、排泄相は腎盂・尿管の評価に役立つ。検出と性状診断を分け、目的に合った多相プロトコルを用いる。
放射線科専門医試験 2022年度 問46
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問46
解答例:d
選択肢別の解説
a|妥当な所見・背景
梗塞部は時間経過とともに瘢痕化・局所萎縮を示し得ます。急性期の非造影域と慢性の輪郭変化を比較します。
b|妥当な所見・背景
心房細動等による心原性塞栓は代表的原因です。血管病変、凝固異常等もあり原因検索を行います。
c|妥当な所見・背景
分枝の血管支配に対応する楔形の造影不良域が典型です。感染等との鑑別も合わせます。
d|誤り
被膜側副血流を反映する薄い表層造影は時間を経て明瞭となる所見で、発症直後に必ず認めるとはしません。見えないことだけで梗塞を否定しません。
e|妥当な所見・背景
早期は正常と同等または低エコーで不明瞭な場合があります。通常超音波だけで急性梗塞を除外しません。
判断のポイント
Cortical rim signは被膜側からの側副血行により腎表層に薄い造影が残る所見で、発症直後から必ず出現するものではない。時間経過によって明瞭になる。
鑑別・注意点
分枝閉塞では楔形の非造影域が基本所見となり、慢性期には局所萎縮を来す。早期にrim signが見えないことだけで腎梗塞を否定しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問47
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問47
解答例:d
選択肢別の解説
a|単独では指定理由にならない
透析そのものはDCEを特に追加する画像上の理由ではありません。造影の必要性、製剤と患者条件を個別に検討します。
b|単独では指定理由にならない
年齢だけをDCE追加の特別な推奨条件とはしません。画質と検出目的・リスクを踏まえます。
c|単独では指定理由にならない
直腸診陰性だけでDCEを特に推奨する条件とはしません。PSA等とMRI所見を統合します。
d|特に追加を検討
金属による磁化率アーチファクトでDWIが劣化し得るため、PI-RADS v2.1ではDCEを含む多パラメトリックMRIが重要です。
e|単独では指定理由にならない
高PSAは高リスクですが、本問での明示的なDWI劣化条件とは異なります。年齢・腎機能・画質と合わせてプロトコルを決めます。
判断のポイント
人工股関節置換術後は金属による磁化率アーチファクトでDWIの画質が低下することがある。PI-RADS v2.1は、このような症例でDCEを含むmultiparametric MRIを推奨する。
鑑別・注意点
PSA高値などの臨床リスクも検査設計に関わるが、本問ではDWIが劣化する人工股関節が明示的な推奨条件に対応する。旧解答eをdへ修正し、T2像・DWI・造影像を相補的に評価する。
放射線科専門医試験 2022年度 問48
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問48
解答例:c
選択肢別の解説
a|適切でない
3.5cmという局所径だけなら検討する分類ですが、骨盤節転移を疑う所見を反映するIIIC1rを優先します。
b|適切でない
子宮傍浸潤の有無は提示されていません。骨盤節所見を無視してIIB期とはしません。
c|正しい
FIGO2018では画像根拠の骨盤リンパ節転移をIIIC1rとします。画像診断上の病期であり、FDG集積自体が病理証明という意味ではありません。
d|適切でない
IIIC2rは画像根拠の傍大動脈リンパ節転移に対応します。提示は骨盤リンパ節です。
e|適切でない
膀胱・直腸粘膜浸潤等の局所所見が必要です。節への集積だけでIVA期とはしません。
判断のポイント
FIGO2018では、骨盤リンパ節転移がある子宮頸癌はIIIC1期となる。画像検査を根拠とする場合はrを付けてIIIC1rと表記する。
鑑別・注意点
傍大動脈リンパ節転移ならIIIC2となる。原発腫瘍の大きさだけでIB期にとどめず、リンパ節所見を病期へ反映する一方、FDG集積が炎症性である可能性も臨床的に評価する。
放射線科専門医試験 2022年度 問49
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問49
解答例:b
選択肢別の解説
a|適切でない
出血信号は時期で変化しますが、短い検査時間内に低信号部の位置が変わる説明として優先しません。
b|正しい
一過性の子宮筋収縮は局所T2低信号・膨隆を示し、時間を置くと移動・消失します。断面差も考慮し固定病変と区別します。
c|適切でない
線維化は固定した構造であり、短時間の撮像間で移動する低信号部の主説明ではありません。
d|適切でない
速い血流で低信号となりますが、血管に沿う位置・形を確認します。本例の筋層内局所変化では収縮を優先します。
e|適切でない
隣接スライスの励起干渉による信号変化です。時間で位置が変わる子宮筋層内の局所低信号では、まず生理的収縮を考えます。
判断のポイント
子宮筋収縮はT2強調像で局所的な低信号や筋層の膨隆として描出され、腺筋症や筋腫に似ることがある。時間を置いた撮像で位置や形が変わることが手掛かりとなる。
鑑別・注意点
再撮像で消失・変化することを確認し、固定した器質的病変と区別する。異なる断面間の比較では時間差と断面の違いの両方を考慮する。
放射線科専門医試験 2022年度 問50
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問50
解答例:d
選択肢別の解説
a|妥当な特徴
卵黄嚢腫瘍は豊富な血流と強い増強・腫瘍内血管を示すことがあります。AFPや病理と照合します。
b|妥当な特徴
未熟奇形腫では大きな充実成分内に小さな脂肪・石灰化が混在することがあります。成熟奇形腫の悪性転化と同義ではありません。
c|妥当な特徴
成熟奇形腫は約1割程度が両側性とされ、対側卵巣も確認します。集団により割合は変動します。
d|誤り
成熟嚢胞性奇形腫の悪性転化では扁平上皮癌が最も多く、腺癌が多いという説明は誤りです。転化自体はまれです。
e|妥当な特徴
線維血管性隔壁は未分化胚細胞腫の特徴で、増強する隔壁として観察されます。最終病理は画像だけで決めません。
判断のポイント
成熟嚢胞性奇形腫の悪性転化では扁平上皮癌が最多であり、腺癌が最も多いという記述は誤りである。悪性転化そのものは少ない。
鑑別・注意点
大きな充実性成分、不整な造影結節や周囲への浸潤などに注意する。未熟奇形腫は若年者に多く、成熟奇形腫の悪性転化とは異なる病態として整理する。
放射線科専門医試験 2022年度 問51
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問51
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|適切でない
大腿ヘルニアは高齢女性に多く、嵌頓に注意します。中年男性を代表的背景とはしません。
b|適切でない
閉鎖孔ヘルニアは嵌頓・腸閉塞で発見されることが多く、まれとする点が誤りです。腸管虚血を評価します。
c|正しい
下腰三角の下縁は腸骨稜で、周囲の広背筋・外腹斜筋との関係を確認します。
d|正しい
Spigel腱膜は腹直筋外側の半月状線周囲にあり、この部位にヘルニア門を作ります。
e|適切でない
間接型は下腹壁動脈の外側から内鼠径輪へ入ります。内側からの直接型と逆です。
判断のポイント
下腰三角の下縁は腸骨稜であり、Spigelianヘルニアは腹直筋外側のSpigel腱膜に生じる。ヘルニアの名称を腹壁の筋・腱膜の位置関係に対応させる。
鑑別・注意点
間接型鼠径ヘルニアは下腹壁動脈の外側、直接型は内側から突出する。大腿ヘルニアと閉鎖孔ヘルニアは高齢女性に多く、閉鎖孔ヘルニアでは嵌頓と腸管虚血を見逃さない。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問52
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問52
解答例:e
選択肢別の解説
a|適切でない
遠隔転移では肺が重要で、骨を最多部位とはしません。
b|適切でない
主に幼児に発症し、10歳代を好発年齢とはしません。年長児の腎腫瘍は他の病理も比較します。
c|適切でない
石灰化はあり得ますが高頻度の代表所見ではありません。石灰化しやすい神経芽腫等と区別します。
d|適切でない
腎芽腫ではWT1等の関連が重要です。VHLは主に淡明細胞型腎癌等の素因として区別します。
e|正しい
初診時の両側腎芽腫はStage Vです。対側の結節を全て腎芽腫と自動判定せず、腎芽細胞症等も画像・病理で評価します。
判断のポイント
初診時に両側の腎に腎芽腫を認める場合はStage Vに分類する。対側腎の病変の有無は、腎機能を温存する治療方針にも関わる。
鑑別・注意点
腎芽腫は主に幼児に発症し、遠隔転移では肺が重要となる。VHL関連腎癌や、石灰化を伴いやすい神経芽腫と混同せず、腎静脈・下大静脈への腫瘍進展も確認する。
放射線科専門医試験 2022年度 問53
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問53
解答例:e
選択肢別の解説
a|単独では不適応としない
解剖・全身状態と実施体制が適合すれば破裂瘤にもEVARを用います。破裂だけを一律の不適応条件としません。
b|単独では不適応としない
開腹歴による癒着等はむしろ低侵襲法を検討する背景となり得ます。アクセス・解剖を別に評価します。
c|単独では不適応としない
80mmの大きな瘤は治療を強く検討する径で、径だけでEVAR不適応とはしません。シール部・アクセス等を確認します。
d|単独では不適応としない
15mmという総腸骨径だけで一律不適応にはしません。遠位の固定長・径・分枝とデバイス条件を評価します。
e|標準EVARに不適な条件
5mmの短い中枢ネックは通常の腎動脈下デバイスの固定・シール条件を満たしにくい所見です。開窓型等の特殊法とは区別し、各製品IFUで判断します。
判断のポイント
標準的な腎動脈下EVARでは、中枢側に十分な長さの非瘤化大動脈を確保する必要がある。腎動脈から瘤まで5mmしかない短いネックは、通常のデバイスの固定・シール条件を満たしにくい。
鑑別・注意点
必要な長さ、径、角度はデバイスのIFUによる。破裂例や開腹歴だけで一律に不適応とせず、開窓型など特殊な治療と通常の腎動脈下ステントグラフトを区別する。
放射線科専門医試験 2022年度 問54
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問54
解答例:d
選択肢別の解説
a|起こり得る合併症
留置中の感染は内頸静脈ルートでも起こり得ます。挿入時の無菌操作と維持管理が必要です。
b|起こり得る合併症
内頸静脈でも穿刺部位・手技によって胸膜を損傷し得ます。鎖骨下より低い傾向でもゼロではありません。
c|起こり得る合併症
カテーテル関連血栓は起こり得ます。症状・血流障害等に応じて超音波などで評価します。
d|相対的に少ない
鎖骨と第1肋骨の間を通る鎖骨下経由での機械的圧迫が典型で、内頸静脈経由ではその経路を避けるため少ない候補です。
e|起こり得る合併症
先端や走行の異常は内頸静脈経由でも起こり得ます。留置後に位置・機能を確認します。
判断のポイント
Pinch-offは主に鎖骨下静脈経由のカテーテルが鎖骨と第1肋骨の間で圧迫され、損傷・断裂する病態である。内頸静脈経由では、この圧迫経路を避けられる。
鑑別・注意点
内頸静脈経由でも感染、血栓、気胸、位置異常などの合併症は起こりうる。挿入経路ごとの合併症を区別し、超音波ガイドと留置後の位置確認を行う。
放射線科専門医試験 2022年度 問55
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問55
解答例:c
選択肢別の解説
a|妥当(適応条件あり)
真性内臓動脈瘤の代表的好発部位は脾動脈で、妥当な記述です。
b|妥当(適応条件あり)
仮性瘤は小さくても破裂し得るため径のみで待機せず治療適応を評価します。血管内治療が基本候補でも解剖・感染等で手術を選ぶ場合があります。
c|一般化が誤り
脆弱な壁を持つため瘤内コイル充填単独を一般的な基本とはしません。流入・流出路を閉じるisolation等を検討しますが、選択例の瘤内塞栓まで全面否定はしません。
d|妥当(適応条件あり)
腹腔動脈圧迫に伴う側副血流増大が膵十二指腸動脈瘤の背景となり得ます。圧迫像だけで症候性MALSとは確定しません。
e|妥当(適応条件あり)
広い頸部からのコイル逸脱を防ぐためバルーン補助を用いる場合があります。親動脈血流と安全な固定を考慮します。
判断のポイント
仮性動脈瘤は正常な血管壁を欠くため、瘤内だけのコイル充填を治療の基本とはしない。流入・流出血管を含めて遮断するisolation/sandwich法などを検討する。
鑑別・注意点
瘤径が小さくても破裂リスクを考慮する。血管の形態と臓器虚血のリスクによって、塞栓範囲やステントグラフトを選択し、真性動脈瘤の瘤内packingと使い分ける。
放射線科専門医試験 2022年度 問56
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問56
解答例:c
選択肢別の解説
a|適切でない
計数統計が支配的ならSNRはカウントの平方根に比例し、2倍の計数では約√2倍です。
b|適切でない
光電ピーク周囲のウィンドウを狭くすると一般に散乱寄与は減ります。計数の減少との兼ね合いもあります。
c|正しい
距離を短くすると平行多孔コリメータの幾何学的分解能が改善します。接触・衝突を避け安全な範囲で近づけます。
d|適切でない
高エネルギー光子ほど隔壁を透過しやすくなります。核種に合った隔壁厚・コリメータを選びます。
e|適切でない
平行多孔コリメータの感度は理想条件で距離に大きく依存せず、点検出器の逆二乗則をそのまま当てはめません。
判断のポイント
平行多孔コリメータでは、患者とコリメータの距離が小さいほど幾何学的な空間分解能が改善する。安全な範囲で検出器を患者へ近づけて収集する。
鑑別・注意点
計数の統計雑音は平方根に従うため、カウントを2倍にしてもSNRは約√2倍である。高エネルギー光子は隔壁透過を増やすため、核種に適したコリメータを選ぶ。
放射線科専門医試験 2022年度 問57
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問57
解答例:c
選択肢別の解説
a|正しい
親の半減期が娘より長いが桁違いではない関係により、過渡平衡を形成します。
b|正しい
親核種は99Moで、その崩壊により99mTcが生成されます。
c|誤り
99Moは約66時間、99mTcは約6時間で、親の方が長いため記述は逆です。
d|正しい
蓄積した娘核種を親から分離して取り出す操作をミルキングと呼びます。
e|正しい
十分に溶出した後の99mTc放射能は、生成と崩壊の釣合いにより約1日後に最大となります。親の放射能減衰は継続します。
判断のポイント
親核種99Moの半減期は約66時間、娘核種99mTcは約6時間で、親核種の方が長い。溶出後は娘核種が再び生成され、およそ1日で放射能が最大となる。
鑑別・注意点
この親子関係は過渡平衡の代表例である。ミルキングは生成した娘核種を親核種から分離する操作であり、溶出によって親核種の崩壊そのものが止まるわけではない。
放射線科専門医試験 2022年度 問58
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問58
解答例:d
選択肢別の解説
a|131Iより短い
67Gaは約78時間で、約8日の131Iより短い半減期です。
b|131Iより短い
99mTcは約6時間で、候補の中では最も短いものです。
c|131Iより短い
111Inは約67時間で、131Iより短い半減期です。
d|最長
131Iは約8日で最長です。ここでは体内排泄の影響を含まない物理学的半減期を比較します。
e|131Iより短い
201Tlは約73時間で、131Iより短い半減期です。
判断のポイント
131Iの物理学的半減期は約8日で、選択肢の中で最も長い。67Gaは約78時間、111Inは約67時間、201Tlは約73時間、99mTcは約6時間である。
鑑別・注意点
物理学的半減期と、体内からの排泄を反映する生物学的半減期を区別する。有効半減期は両者を組み合わせた値となる。
放射線科専門医試験 2022年度 問59
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問59
解答例:a
選択肢別の解説
a|投与放射能が最大
成人の骨シンチでは通常370~740MBq程度で、比較候補では投与放射能が大きい製剤です。投与MBqが最大でも実効線量最大とは限りません。
b|通常MDPより少ない
腎皮質検査では骨シンチのMDPより少ない放射能を通常用います。小児は別の体重別設計です。
c|通常MDPより少ない
ソマトスタチン受容体検査の投与放射能はMDPより少ない設定です。遅延撮像を行う核種の半減期と被曝は別に評価します。
d|通常MDPより少ない
脳血流SPECTの通常投与放射能はMDP骨シンチより少なく設定されます。
e|通常MDPより少ない
DAT SPECTの通常投与放射能はMDPより少なく、放射能量と標的受容体・トランスポーターを混同しません。
判断のポイント
99mTc-MDPの成人投与放射能量は通常370~740MBqであり、選択肢の他の薬剤より大きい。単位は薬物の質量ではなく放射能を表すMBqである。
鑑別・注意点
投与放射能量が大きいことと、患者の実効線量が最大であることは同じではない。核種の半減期、放出放射線、体内分布と排泄も被ばくへ影響する。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問60
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問60
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切でない
性別だけで基準投与量を決める方式ではありません。
b|適切でない
年齢のみで成人量を比例配分する方式とは異なります。
c|適切でない
身長を直接の基準係数とする方式ではありません。
d|正しい
薬剤ごとの基本量に体重別係数を掛ける設計です。最低量・上限等も確認し、診断可能な計数を確保します。
e|適切でない
腹囲を投与量決定の基本変数とはしません。装置感度・収集条件も適正化します。
判断のポイント
日本核医学会の小児核医学検査の指針では、薬剤ごとの基本投与量に体重別係数を適用する。成人量を年齢だけで比例配分する方法とは異なる。
鑑別・注意点
薬剤別の最低投与量や推奨上限、収集装置と必要画質も確認する。体重が軽いからといって無制限に減量せず、診断に必要な計数を確保する。
放射線科専門医試験 2022年度 問61
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問61
解答例:e
選択肢別の解説
a|適切でない
純粋な本態性振戦では通常DAT集積は保たれます。集積低下があれば変性性パーキンソニズム等の合併・別診断を検討します。
b|適切でない
Parkinson病では通常線条体集積は低下し、増加という方向は逆です。
c|適切でない
純粋なAlzheimer病では通常保たれ、増加を代表的変化とはしません。DLB等との混合病態もあり得ます。
d|適切でない
DLBでは黒質線条体神経の障害に伴い低下し得るため、増加とする点は誤りです。
e|正しい
PSPでもシナプス前ドパミン神経終末が障害され集積が低下します。DAT低下だけでPD・MSA・PSP等を確定鑑別はできません。
判断のポイント
進行性核上性麻痺では黒質線条体のドパミン神経終末が障害され、123I-ioflupaneの線条体集積が低下する。Parkinson病やLewy小体型認知症でも低下を認める。
鑑別・注意点
DAT画像はシナプス前ドパミン神経の障害を評価するが、変性性Parkinson症候群同士の鑑別を単独で確定する検査ではない。本態性振戦や純粋なAlzheimer病では通常保たれる。
放射線科専門医試験 2022年度 問62
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問62
解答例:e
選択肢別の解説
a|適切でない
視床は連合皮質に比べ相対的に保たれやすく、今回の候補の第一ではありません。
b|適切でない
小脳は相対的に保たれる領域です。参照領域として用いる場合も、合併病変がないか注意します。
c|適切でない
一次運動野は連合野より相対的に保たれやすい領域です。
d|適切でない
基底核は相対的に保たれやすく、進行ADでの連合皮質の広い低下と区別します。
e|正しい
後部帯状回・楔前部、頭頂側頭連合野から低下が広がり、進行期には前頭葉連合野も障害されます。提示候補ではこれを選びます。
判断のポイント
Alzheimer病では後部帯状回・楔前部や側頭頭頂連合野の血流低下に始まり、進行すると前頭葉連合野にも低下が広がる。提示された領域では前頭葉連合野が適切である。
鑑別・注意点
一次運動野、小脳、基底核などは相対的に保たれやすい。旧解答はdだったが、本文の前頭葉連合野という説明とも矛盾していたためeへ修正した。
放射線科専門医試験 2022年度 問63
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問63
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|高灌流を示し得る
急性期の炎症・発作等に伴い病変部高灌流を認め得ます。病期・トレーサー条件で像は変わります。
b|高灌流を示し得る
再灌流や血流・代謝不均衡により亜急性期にluxury perfusionを示すことがあります。全ての梗塞が高灌流になるわけではありません。
c|通常は低灌流を評価
一般には前頭・側頭葉の低灌流を評価します。高灌流を代表的病変所見とはしません。
d|通常は低灌流を評価
一般には対応皮質等の低灌流が問題となり、MRI拡散像・臨床検査と合わせます。
e|通常は低灌流を評価
症候の左右差に対応した皮質・基底核等の低灌流を評価し、病変高灌流を代表とはしません。
判断のポイント
ヘルペス脳炎の急性期には炎症に伴う高血流を認めることがある。脳梗塞亜急性期でも血流と代謝の不均衡によるluxury perfusionを示しうる。
鑑別・注意点
時期と使用トレーサーによって集積は変わり、過灌流が必ず高集積になるわけではない。血液脳関門の破綻だけで血流増加を説明せず、灌流・代謝・トレーサー保持の違いを区別する。
放射線科専門医試験 2022年度 問64
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問64
解答例:d
選択肢別の解説
a|単独では代表禁忌でない
胃潰瘍だけをこの比較でアデノシン負荷の代表的禁忌とはしません。全身状態・併用薬は別に確認します。
b|単独では代表禁忌でない
心房細動自体を一律の禁忌とはしません。重度の伝導障害や不安定な循環動態は別に評価します。
c|単独では代表禁忌でない
慢性腎不全自体を一律禁忌とする薬剤ではありません。血圧・心疾患等を合わせます。
d|禁忌に該当
気管支攣縮を誘発し得るため、国内のアデノシン負荷では喘息を禁忌として確認します。
e|単独では代表禁忌でない
鼻炎だけを喘息と同一視して禁忌とはしません。喘鳴や気道過敏性を含め問診します。
判断のポイント
アデノシンは気管支攣縮を誘発することがあり、気管支喘息の患者への負荷は禁忌として扱う。事前に呼吸器疾患と症状を確認する。
鑑別・注意点
房室伝導障害、高度低血圧、不安定な心疾患などの禁忌も確認する。カフェインやキサンチン製剤は作用を妨げるため、負荷前処置を検査手順に沿って行う。
放射線科専門医試験 2022年度 問65
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問65
解答例:e
選択肢別の解説
a|Tlの再分布とは異なる
臨床で用いる再分布は乏しく、通常は負荷・安静それぞれで投与します。遅い限定的再分布の報告があることと標準手順を区別します。
b|Tlの再分布とは異なる
通常の負荷・安静評価では別投与が必要で、Tlのような再分布を主原理とはしません。
c|Tlの再分布とは異なる
交感神経機能の集積・洗い出しを評価します。血流Tlの再分布とは標的と意味が異なります。
d|Tlの再分布とは異なる
脂肪酸代謝を評価する製剤です。経時的集積変化があっても、虚血評価に用いるTlの再分布とは区別します。
e|再分布を標準的に利用
心筋と血中の交換により再分布し、負荷初期と遅延像から可逆性欠損・心筋生存性を評価します。
判断のポイント
201Tlは心筋への取り込み後も血液と心筋の間で移動し、時間経過とともに再分布を示す。負荷早期像と遅延像の変化から虚血と心筋生存性を評価する。
鑑別・注意点
99mTc-MIBIとtetrofosminは臨床的に利用できる再分布が乏しく、通常は負荷時と安静時にそれぞれ投与する。MIBGの交感神経機能、BMIPPの脂肪酸代謝とも区別する。
放射線科専門医試験 2022年度 問66
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問66
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
胃粘膜に集積する過テクネチウム酸を用います。正常胃とほぼ同時に出現・増強する異所性集積を評価します。
b|適切でない
腎皮質に保持される製剤で、異所性胃粘膜検出の標準製剤ではありません。
c|適切でない
腎動態や投与経路を変えた髄液検査等に用います。胃粘膜の取り込みとは異なります。
d|適切でない
骨親和性製剤で、胃粘膜の機能を主に描出するものではありません。
e|適切でない
アルブミン製剤による血液プール・蛋白漏出等の評価と、胃粘膜自体の検出を区別します。
判断のポイント
99mTc-pertechnetateは胃粘膜に集積し、Meckel憩室などの異所性胃粘膜の検出に用いる。正常胃とほぼ同時に出現して増強する異所性集積を評価する。
鑑別・注意点
すべてのMeckel憩室が陽性になるわけではなく、機能する胃粘膜の有無が重要となる。尿路や腸管内容への移動による偽陽性も考慮する。
放射線科専門医試験 2022年度 問67
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問67
解答例:c
選択肢別の解説
a|妥当(手順・条件を確認)
主に尿路排泄されます。水分摂取・排尿で背景と不要な被曝を低減します。
b|妥当(手順・条件を確認)
一般に絶食を必須としません。ただし施設手順や消化管評価に伴う前処置は確認します。
c|誤り
通常は約4時間と24時間後を撮像し、必要ならさらに遅延像を追加します。当日のみで全て完了するとはしません。
d|製剤・投与法・休薬条件を確認
ソマトスタチンアナログは受容体集積に影響し得ますが、薬剤・投与法ごとの休薬条件を処方医と確認します。原文の内服という表現を、国内の一般的な注射製剤と混同しません。
e|妥当(手順・条件を確認)
インスリノーマは受容体発現の違いにより、他の膵NETより感度が低い場合があります。陰性でも除外できません。
判断のポイント
111In-pentetreotideでは通常、投与約4時間後と24時間後に撮像し、必要に応じて遅延像を追加する。原則として投与当日だけで完了する検査ではない。
鑑別・注意点
主な排泄は尿路であり、水分摂取と排尿を促す。ソマトスタチンアナログは集積へ影響するため薬剤と休薬条件を確認し、インスリノーマでは受容体発現による感度の限界にも注意する。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問68
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問68
解答例:b
選択肢別の解説
a|適切でない
通常は絶飲食を要さず、適切な水分摂取と頻回排尿を行います。個別の制限がある患者は別に調整します。
b|正しい
superscanでは著しい骨集積に対して腎・軟部組織が相対的に目立たなくなります。腎機能低下の証明とは別です。
c|適切でない
小児は骨端線等の成長部への集積が強く、成人と同じ分布ではありません。
d|適切でない
代謝性骨疾患でもびまん性集積が生じます。分布と臨床背景なしに骨転移と確定しません。
e|適切でない
通常の遅延全身骨像は投与数時間後に撮像します。1時間で一律最適とはせず、製剤・腎機能等も考慮します。
判断のポイント
Superscanでは骨格全体への著しい集積によって、腎臓や軟部組織の相対的な描出が低下する。びまん性骨転移だけでなく、代謝性骨疾患でも生じる。
鑑別・注意点
小児では骨端線への生理的集積が目立ち、成人と分布が異なる。通常の遅延骨像は投与数時間後に撮像し、絶飲食ではなく適切な水分摂取と排尿が重要となる。
放射線科専門医試験 2022年度 問69
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問69
解答例:c
選択肢別の解説
a|妥当(機序・条件に注意)
排卵期には生理的卵巣集積が増えます。周期とCT・超音波で局在・構造を照合します。
b|インスリン等の条件が必要
筋取り込みを増やす主な要因はインスリン作用や運動です。高血糖そのものと同義ではないため、血糖のみで筋集積増加を説明しません。
c|誤り
褐色脂肪は寒冷で活性化するため、気温が高いほど増加とする点が逆です。保温は不要な集積の低減に役立ちます。
d|妥当(機序・条件に注意)
メトホルミンは腸管集積を増強し得ます。休薬の要否は検査目的・血糖管理と施設手順で判断し、自己判断の中止を勧める意味ではありません。
e|妥当(機序・条件に注意)
血管迷走神経反射後に一過性の両側副腎集積増加が報告されています。注射時の経過と形態・経時変化を合わせます。
判断のポイント
褐色脂肪は寒冷刺激で活性化し、FDG集積が増える。気温が高いほど亢進するという記述は誤りで、撮像前の保温は不要な集積を抑える対策となる。
鑑別・注意点
筋集積には高血糖そのものよりインスリン作用や運動が重要で、両者を混同しない。排卵期の卵巣集積、メトホルミンによる腸管集積、血管迷走神経反射後の両側副腎集積も判読へ影響する。
放射線科専門医試験 2022年度 問70
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問70
解答例:c
選択肢別の解説
a|適切でない
主な標的は骨転移で、肝等の内臓転移を治療する薬剤ではありません。添文の適応条件を確認します。
b|適切でない
骨へ集積する薬剤で、前立腺原発巣の局所制御を主目的とはしません。
c|正しい
対象条件を満たす骨転移CRPCで、ALSYMPCA試験により全生存期間の延長を示しました。全ての病期・患者へ一般化しません。
d|適切でない
主要な殺細胞効果はα線です。γ線を主な治療放射線とする記述は誤りです。
e|適切でない
FDGだけを標準の単独効果判定法とはしません。症状・血液検査・骨病変画像等を合わせ、骨反応の変化も考慮します。
判断のポイント
223Raは骨に集積するα線放出核種であり、骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌を対象としたALSYMPCA試験で全生存期間の延長を示した。
鑑別・注意点
内臓転移や原発巣の制御を主目的とする薬剤ではない。適応、骨髄機能、骨折リスクと併用療法を確認し、画像と症状・検査値を合わせて治療効果を評価する。
放射線科専門医試験 2022年度 問71
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問71
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
通常分割の出題想定では最大48Gy未満を目安とします。分割線量・既照射や併用により制約は異なり、全計画共通の固定値ではありません。
b|適切でない
D2%は近似最大線量の指標です。体積処方で通常ここへ処方線量を一致させるという説明は適切でありません。
c|適切でない
PTVの全ボクセルを必ず処方線量以上にする方式ではありません。被覆率・不均一性・臓器制約を定義して評価します。
d|適切でない
ITVはCTVに内的移動・変形を反映した体積です。セットアップマージンを加える体積との混同です。
e|正しい
出題ではアイソセンターをICRU線量基準点として処方する方式です。基準点の条件を満たし、点処方とDVHによる体積処方を区別します。
判断のポイント
通常分割の治療計画では脊髄最大線量をおよそ48Gy未満に抑える考え方が用いられる。アイソセンター処方は、アイソセンターを線量処方の基準点とする方法である。
鑑別・注意点
脊髄の制約値は分割法や既照射線量によって変わる。ITVはCTVへ内的移動を考慮した体積であり、PTVではさらにセットアップ誤差を考慮する。D2%は近似最大線量で、通常の体積処方点とは区別する。
放射線科専門医試験 2022年度 問72
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問72
解答例:c
選択肢別の解説
a|適切でない
主に外部照射や一時挿入のHDR等で用い、永久シード留置の代表核種ではありません。
b|適切でない
β線源として眼科等の表面照射に用いられ、今回の永久挿入の代表ではありません。
c|正しい
125Iシードは前立腺癌等で永久挿入に用い、留置した線源の減衰に従い線量を与えます。
d|適切でない
従来の腔内小線源等に用いられ、前立腺の永久シード留置の代表ではありません。
e|適切でない
主にアフターローディングによる一時挿入HDRで用い、照射後に線源を回収します。
判断のポイント
125Iシードは前立腺癌などの永久挿入密封小線源治療で用いる。線源を体内へ留置し、放射能の減衰に伴って時間をかけて線量を与える。
鑑別・注意点
192Irは主に一時挿入の高線量率小線源治療で用いる。永久挿入と一時挿入、線源の放射能と照射線量を分けて理解する。
放射線科専門医試験 2022年度 問73
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問73
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切でない
2022年出題の算定表現は照射中心の固定精度5mm以内です。腫瘍中心1mmという別の厳しい値と置き換えません。
b|適切でない
腫瘍中心と照射中心は同義ではありません。呼吸性の腫瘍移動への対策は別に評価します。
c|適切でない
照射中心の移動距離1mmという表現ではなく、固定精度5mm以内が該当します。
d|正しい
出題当時の算定要件で照射中心の固定精度5mm以内に対応します。機器の幾何学的精度を含め管理します。
e|適切でない
呼吸による腫瘍移動距離と照射中心の固定精度を混同しています。動きがある場合は移動対策と画像誘導を検討します。
判断のポイント
出題当時の体幹部定位放射線治療の算定要件では、照射中心の固定精度5mm以内が求められる。リニアックの幾何学的な駆動誤差も含めて精度を管理する。
鑑別・注意点
照射中心の固定精度と、呼吸に伴う腫瘍の移動距離は異なる。実際の診療では呼吸性移動への対策と画像誘導を行い、最新の施設基準・通知を確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問74
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問74
解答例:c
選択肢別の解説
a|多方向照射を検討する
深部の不整な標的と周囲消化管等の線量制約があり、多門・IMRT等による分布設計を検討します。
b|多方向照射を検討する
骨盤内の標的被覆と正常臓器線量低減のため、多方向照射等が重要となります。小線源の役割とは分けます。
c|必要性が相対的に低い
皮膚表面の病変では電子線等で浅い深さへ線量を集中でき、深部腫瘍のような多門光子照射の必要性は相対的に低くなります。
d|多方向照射を検討する
深部の食道標的と肺・心臓・脊髄の線量を考慮し、多方向からの照射分布を設計します。
e|多方向照射を検討する
胃の動きと周囲腎・肝等を考慮し、複数方向やIMRT等で線量を設計します。病理・病期に応じた線量も別に判断します。
判断のポイント
菌状息肉症の皮膚病変では電子線などを用いて表面近くに線量を集中でき、深部臓器癌のように多方向の光子線を重ねる必要性が低い。
鑑別・注意点
電子線のエネルギーとボーラスは病変の深さに合わせる。深部の膵癌、子宮頸癌、胸部食道癌、胃リンパ腫では標的被覆と正常臓器線量を考慮し、多門照射やIMRTなどを選ぶ。
放射線科専門医試験 2022年度 問75
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問75
解答例:d
選択肢別の解説
a|条件を満たせば適用
造血幹細胞移植の前処置等でTBIを用いることがあり、AMLという病名だけで適用外とはしません。
b|条件を満たせば適用
ヨウ素集積性の分化型甲状腺癌肺転移では131I治療を用います。病理型・摂取能等の条件があります。
c|条件を満たせば適用
局所進行頸癌の根治治療に密封小線源治療は重要です。外部照射との合算と臓器線量を評価します。
d|出題時の適用外
2022年の出題では、広い局所・領域病変を伴うIIIB肺癌は早期肺癌等を対象とするSBRT算定とは異なります。原発巣だけの定位照射を根治標準としません。
e|条件を満たせば適用
上咽頭癌の根治照射でIMRTは重要な標準手法です。施設・算定条件は当時の通知に沿って確認します。
判断のポイント
III B期肺癌は広い局所・領域病変を伴うため、早期肺癌を対象とする体幹部定位放射線治療の算定対象とは異なる。2022年の出題ではdが適用外となる。
鑑別・注意点
臨床上の治療適応と診療報酬の算定要件は分けて確認する。III期肺癌の根治治療では全身状態や病変範囲に応じた化学放射線療法などを検討し、原発巣だけへ定位照射すればよいとはしない。
参考文献
放射線科専門医試験 2022年度 問76
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問76
解答例:a
選択肢別の解説
a|術前CRTの選択肢
cT3直腸癌では局所再発リスクに応じ術前CRTが選択肢です。腫瘍高、直腸間膜筋膜、切除可能性等で決め、全T3N0へ一律必須とはしません。
b|通常の術前CRT標準ではない
局所進行胸腺癌の導入治療はありますが、cT3N0のみで術前CRTを一律標準とする比較では直腸癌を優先します。
c|通常の術前CRT標準ではない
多くは根治CRTか手術中心の治療を選び、予定手術前にCRTを行う一般的標準とは区別します。
d|通常の術前CRT標準ではない
病理型・切除可能性で異なりますが、通常のcT3N0甲状腺癌に術前CRTを標準としません。
e|通常の術前CRT標準ではない
局所進行例の根治CRTと術前CRTは別です。予定手術前に一律に併用する治療体系ではありません。
判断のポイント
cT3直腸癌では術前化学放射線療法が治療選択肢となる。直腸間膜筋膜との距離、部位、リンパ節や切除可能性を評価し、局所再発リスクに応じて判断する。
鑑別・注意点
日本では手術・側方リンパ節郭清を中心とした治療体系もあり、すべてのcT3N0例に同じ術前治療を必須とするものではない。腫瘍位置とリスクを多職種で検討する。
放射線科専門医試験 2022年度 問77
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問77
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
播種のない頭蓋内胚腫では化学療法と全脳室照射を組み合わせます。播種例の全脳全脊髄照射とは区別します。
b|適切でない
手術後の局所照射が中心です。播種の有無で範囲は変わりますが全脳室を一律標準とはしません。
c|適切でない
全脳全脊髄照射と原発部追加等をリスク別に検討します。全脳室のみとは範囲が異なります。
d|適切でない
選択例に局所定位照射等を用い、全脳室を予防標的とはしません。
e|適切でない
腫瘍局所への照射と薬物療法を病理分子型・リスクで検討します。全脳室照射は通常の標準範囲ではありません。
判断のポイント
播種のない頭蓋内胚腫では、化学療法と全脳室照射を組み合わせる治療が標準的に用いられる。局所照射だけでは脳室内再発が問題となる。
鑑別・注意点
髄液播種がある場合は全脳全脊髄照射を検討する。上衣腫の局所術後照射や、髄芽腫の全脳全脊髄照射とは標的範囲を区別する。
放射線科専門医試験 2022年度 問78
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問78
解答例:e
選択肢別の解説
a|病期別に比較的限定
早期声門癌では頸部予防照射を通常行わず、原発部に比較的限局した範囲です。病期による例外はあります。
b|病期別に比較的限定
局所進展範囲と節リスクで設計しますが、潜在的な両側頸部進展を考慮する上咽頭癌より一般に狭い比較です。
c|病期別に比較的限定
原発の広がり・節リスクで範囲は変わりますが、上咽頭癌の広い両側頸部・咽頭後節の予防範囲とは異なります。
d|病期別に比較的限定
原発部と患側頸部等をリスクで選び、全例に広い両側頸部を照射するわけではありません。
e|CTVが最も広い候補
画像上節陰性でも豊富なリンパ流に沿う潜在進展を考慮し、両側頸部・咽頭後節等を広く対象とするため最大の候補です。個々の範囲はガイドラインで調整します。
判断のポイント
上咽頭癌はリンパ流が豊富で、画像上リンパ節転移がなくても両側頸部や咽頭後リンパ節への潜在的進展を考慮する。このため原発巣以外にも広いCTVを設定する。
鑑別・注意点
早期声門癌など、通常は頸部予防照射を要しない病態と対比して理解する。具体的な頸部レベルの選択は病期とガイドラインによって決め、全症例に同じ範囲を固定しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問79
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問79
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|適切でない
非小細胞肺癌、とくに腺癌等がより多く、小細胞癌が肺癌中最多ではありません。
b|正しい
限局型・進展型は治療方針の重要な区分です。TNMも併せて病変の範囲を記録します。
c|適切でない
全身状態が許容する限局型では根治CRTが基本で、薬物療法単独を一律標準とはしません。早期N0の手術適応等は別に評価します。
d|正しい
加速過分割照射は限局型の根治CRTで標準的に用いられる分割法の一つです。通常分割等との適応・毒性も比較します。
e|適切でない
小細胞癌は早期からリンパ節・遠隔へ進展しやすく、縦隔節転移頻度が非小細胞癌より低いという説明は適切ではありません。
判断のポイント
小細胞肺癌では限局型と進展型の区別が治療方針に関わる。全身状態が許容する限局型では化学放射線療法を用い、加速過分割照射は標準的な線量分割の一つである。
鑑別・注意点
限局型を薬物療法単独で一律に治療しない。ごく早期のN0例には手術が選択される場合もあり、進展型では全身療法を中心に放射線治療の役割を検討する。
放射線科専門医試験 2022年度 問80
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問80
解答例:e
選択肢別の解説
a|適切でない
壁側胸膜浸潤はT3、気管分岐下節はN2で、第8版ではT3N2M0はIIIBです。
b|適切でない
臓側胸膜浸潤は少なくともT2、同側気管支周囲節はN1です。他の大きなT要素がなければこの組合せは通常IIBとなります。
c|適切でない
気管分岐部浸潤はT4、同側気管傍節はN2で、第8版ではIIIBに対応します。
d|適切でない
充実径0.7cmは他のT要素がなければT1a、同側鎖骨上節はN3で、第8版ではIIIBに対応します。
e|正しい
同葉内副結節はT3、同側肺葉間節はN1で、第8版T3N1M0はIIIAです。現在の版では分類が変わるため出題時の版を明示します。
判断のポイント
同一肺葉内の不連続な副腫瘍結節はT3、同側の肺葉間・気管支周囲リンパ節転移はN1であり、T3N1M0はTNM第8版でIIIA期となる。
鑑別・注意点
本問は出題当時の第8版に基づく。胸膜の臓側・壁側、縦隔リンパ節N2、鎖骨上リンパ節N3を区別し、現在の版を参照する際は版の違いにも注意する。
放射線科専門医試験 2022年度 問81
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問81
解答例:e
選択肢別の解説
a|適切でない
通常の全切除後照射を40Gy/20回と固定する処方は標準例ではありません。通常分割と適切な寡分割の根拠を別に整理します。
b|適切でない
表在胸壁の被覆に高エネルギー10MVを一律選択せず、体厚・線質・ボーラスで表面線量を確認します。
c|適切でない
内胸領域を照射する場合も基本は患側です。対側を一律CTVへ含める説明は適切ではありません。
d|適切でない
鎖骨上領域も通常患側を対象とし、両側へ一律に広げません。
e|正しい
ハーフフィールドでビーム発散を抑え、胸壁と鎖骨上野の接合部の重複・不足を避ける方法があります。実際の合成線量で確認します。
判断のポイント
胸壁と鎖骨上リンパ節領域の照射野を接合する際、ハーフフィールド法は接合面でのビーム発散を抑える方法の一つとなる。線量の重なりと不足を避ける目的で用いる。
鑑別・注意点
リンパ節照射は患側を基本とし、内胸領域を含めるかは再発リスクで判断する。表在の胸壁を十分に被覆する線質・ボーラスを選び、心臓・肺線量も評価する。
放射線科専門医試験 2022年度 問82
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問82
解答例:c
選択肢別の解説
a|年齢・対側線量等に依存
対側の放射線関連癌リスクは年齢・対側線量・観察期間に依存し、増えないと断言できません。全例の主要有害事象として一括りにせず、出題想定cとの条件差に注意します。
b|一般化が適切でない
適切な寡分割で急性皮膚炎が必ず強くなるわけではなく、軽い成績もあります。総線量・分割と乳房線量分布を合わせます。
c|出題想定(発症時期に幅)
肺炎は照射後数週~数か月に発症し、3~6か月も出題上の代表時期です。ただし4~12週等の報告もあり、この期間だけに限定しません。
d|一般化が適切でない
適切な保湿は皮膚ケアに用いられ、一律の増悪要因ではありません。製剤・使用時点と施設手順を確認します。
e|一般化が適切でない
皮膚反応は開始後に蓄積して治療終盤~終了後に強くなることがあり、開始2週を一律ピークとしません。
判断のポイント
乳房照射後の放射線肺炎は照射後数か月で発症し、3~6か月は代表的な時期となる。ただし4~12週で発症する例もあり、この期間だけに限定しません。急性放射線皮膚炎のピークは照射開始2週ではなく、治療終盤から終了後にかけてとなる。
鑑別・注意点
適切な保湿は皮膚ケアに用いられ、通常の使用を一律に増悪因子としない。対側乳癌の放射線関連リスクは年齢・線量・観察期間に依存するため、「増えない」とも断定せず、対側線量を抑える。
放射線科専門医試験 2022年度 問83
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問83
解答例:e
選択肢別の解説
a|生じ得る有害事象
腫瘍壊死に伴う穿孔・瘻孔等から縦隔炎を来し得ます。発熱・胸痛などの変化を評価します。
b|生じ得る有害事象
粘膜障害・線維化等による狭窄は重要な有害事象です。再発との鑑別も行います。
c|生じ得る有害事象
心臓・心膜線量に関連し、心嚢液貯留等が問題となります。治療前後の心機能も評価します。
d|生じ得る有害事象
肺線量と患者背景に応じ放射線肺炎が生じ得ます。感染・薬剤性等の鑑別も必要です。
e|相対的に少ない
通常の胸部食道照射では他候補より起こりにくい障害です。頸部・鎖骨上高線量が及ぶ場合は腕神経叢制約も確認します。
判断のポイント
食道癌の通常の照射範囲では、食道狭窄、放射線肺炎、心嚢液貯留などが問題となる。腕神経叢障害はこれらと比べて起こりにくい。
鑑別・注意点
頸部や鎖骨上領域へ高線量が及ぶ場合は腕神経叢も評価する。瘻孔や穿孔から縦隔炎を来す可能性もあり、腫瘍の浸潤範囲と治療後の症状を踏まえて判断する。
放射線科専門医試験 2022年度 問84
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問84
解答例:e
選択肢別の解説
a|適切でない
気管浸潤は瘻孔・出血リスクが高いものの、全例の絶対禁忌とはしません。リスクと目的を専門チームで検討します。
b|適切でない
国内では胸部食道が多く、頸部を最多部位とはしません。
c|適切でない
通過障害に一律にステント後照射を行うわけではありません。併用の穿孔・瘻孔等の危険と栄養路確保を比較します。
d|適切でない
通常の根治CRTに腔内照射を一律に追加しません。線量増加による障害と適応を個別に評価します。
e|正しい
手術可能例で根治CRTを選ぶ場合の50.4Gy/28回は標準的処方の一つです。救済治療を含む方針を共有します。
判断のポイント
手術可能例で根治的化学放射線療法を選ぶ場合、50.4Gy/28回は標準的な線量分割の一つである。遺残・再発時の救済治療も見据えて方針を立てる。
鑑別・注意点
気管浸潤では瘻孔リスクが高いが、放射線治療を絶対禁忌とはしない。食道ステントとの併用は重篤な合併症に注意し、腔内照射を通常の化学放射線療法へ一律に追加しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問85
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問85
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|適切でない
通常は肛門温存を目指す根治治療として行い、全例予定手術の前処置とはしません。救済手術は遺残・再発等で検討します。
b|適切でない
代表的な同時併用は5-FUとマイトマイシン等で、エンドキサンが標準薬ではありません。
c|適切でない
25Gy/5回は直腸癌等の短期術前照射と混同しています。肛門SCCの根治CRT処方ではありません。
d|正しい
潜在的節転移リスクを考慮し鼠径節領域をCTVに含めます。原発・骨盤節と正常臓器線量を合わせ設計します。
e|正しい
扁平上皮癌は根治CRTへの反応を期待でき、腺癌より肛門温存CRTが標準的な位置付けです。病理・病期で体系を分けます。
判断のポイント
肛門扁平上皮癌では肛門温存を目指した根治的化学放射線療法が標準となり、潜在的転移を考慮して鼠径リンパ節領域をCTVに含める。腺癌とは治療体系が異なる。
鑑別・注意点
代表的な併用薬は5-FUとマイトマイシンであり、エンドキサンではない。照射線量と範囲は病期に応じて設定し、短期術前照射の25Gy/5回と混同しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問86
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問86
解答例:b
選択肢別の解説
a|適切でない
低リスクの外部照射へ短期ADTを一律に加える必要はありません。利益・有害事象をリスクに沿って比較します。
b|正しい
適切な低リスク患者では永久挿入小線源単独が標準選択肢です。監視療法・手術等とも比較し尿路条件を確認します。
c|適切でない
良好中間リスクの一部で監視を選ぶ場合はありますが、中間群全体へ一律標準とはしません。
d|適切でない
中間リスクに長期ADTを一律に併用する組合せではありません。不良群等で短期併用を検討します。
e|適切でない
高リスクに永久挿入と短期ADTのみを一般標準とはしません。外部照射・より長いADT等を病勢に応じ組み合わせます。
判断のポイント
低リスク前立腺癌では、適切に選択された患者に125I密封小線源永久挿入療法の単独治療を行える。低リスクに短期ホルモン療法を一律に追加する必要はない。
鑑別・注意点
中間リスクは良好群・不良群などで方針が異なり、一部では監視療法も検討される。高リスクでは外部照射や長期ホルモン療法との組み合わせを考え、リスク群だけで単純な一対一対応にしない。
放射線科専門医試験 2022年度 問87
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問87
解答例:d
選択肢別の解説
a|治療条件で変動
手術・照射とも妊孕性を損なうため、照射で特に少ない代表的障害とはしません。
b|治療条件で変動
癒着や放射線腸管障害など原因が異なり、手術範囲・併用治療でも頻度が変わります。単純比較だけでは判断しません。
c|治療条件で変動
骨盤照射後の脆弱性骨折は重要で、照射の方が少ない障害とはしません。骨粗鬆症等も評価します。
d|出題の比較で最も明確
広汎手術時の骨盤自律神経損傷と関係が強く、今回の比較では根治照射の方で生じにくい候補です。照射後の膀胱障害がないという意味ではありません。
e|治療条件で変動
リンパ節郭清・照射野・併用の影響を受け、いずれでも生じます。手術法の違いも大きく、他肢を単純に全否定しません。
判断のポイント
広汎子宮全摘術では骨盤自律神経の損傷に伴う神経因性膀胱が問題となり、根治的放射線治療より手術との関連が強い。出題意図としてはdが最も明確である。
鑑別・注意点
放射線治療では膀胱炎、腸管障害、不全骨折などに注意する。下肢リンパ浮腫はリンパ節郭清、照射範囲、両者の併用でリスクが変わるため、手術と照射を単純に比較して他の選択肢を全否定しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問88
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問88
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|適切でない
限局皮膚病変では皮膚指向治療・照射単独等を用い、I期で化学療法併用を一律標準とはしません。
b|適切でない
限局期の適切な部位では照射単独や原因治療等が標準となり、全例の併用ではありません。
c|正しい
出題時Grade3bは侵攻性リンパ腫として扱い、薬物療法と局所照射の併用が選択肢です。
d|正しい
限局期DLBCLでは化学免疫療法と照射併用が標準選択肢の一つです。反応・リスクに応じた照射省略の判断とは分けます。
e|適切でない
限局例では照射単独等も標準候補で、全身化学療法併用が一律必要ではありません。病変範囲と病理を確認します。
判断のポイント
Grade 3b濾胞性リンパ腫は侵攻性リンパ腫として扱い、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と同様に薬物療法と放射線治療の併用が選択肢となる。
鑑別・注意点
限局期MALTリンパ腫や一部の皮膚リンパ腫では放射線単独が用いられる。病期だけで治療を決めず、病理組織型、病変部位、薬物療法への反応と全身状態を確認する。
放射線科専門医試験 2022年度 問89
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問89
解答例:b
選択肢別の解説
a|適切でない
主に薬物療法と手術を中心に組み立て、骨転移に19.8Gy/11回を加える代表的体系ではありません。
b|正しい
高リスク神経芽腫の集学的根治治療で、残存転移病変等への19.8Gy/11回が用いられます。全病変・全リスク群への一律処方ではありません。
c|適切でない
病期・病理・プロトコルで照射範囲を決めますが、今回の骨転移線量を代表的体系とはしません。
d|適切でない
骨転移も集学的に扱いますが、局所制御には一般に異なる線量を検討し、神経芽腫の処方と混同しません。
e|適切でない
照射は病理・リスク・部位で設計し、今回の骨転移19.8Gyを代表として対応させません。
判断のポイント
神経芽腫では集学的な根治治療の一部として、骨転移など残存する転移病変へ19.8Gy/11回程度の照射が用いられる。成人骨転移の疼痛緩和照射とは目的が異なる。
鑑別・注意点
対象病変や線量はリスク分類、治療反応、プロトコルによって変わる。骨転移がある小児腫瘍を全て同じ線量で治療するものではない。
放射線科専門医試験 2022年度 問90
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問90
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|適切でない
通常の橋本病そのものへ外部照射を標準治療としません。合併リンパ腫等への治療は別です。
b|適切でない
強皮症は照射障害の増強リスクを慎重に評価する背景で、強皮症自体を治療するため通常照射しません。
c|正しい
切除後の再発抑制に照射を用いることがあります。年齢・部位と晩期リスクを比較し適応を限定します。
d|正しい
活動性・複視等に応じ眼窩照射を検討します。全ての甲状腺眼症へ一律に行うわけではありません。
e|適切でない
糖尿病網膜症の標準治療として外部放射線照射を用いません。レーザー治療とは物理原理が異なります。
判断のポイント
ケロイドでは切除後の再発予防として放射線治療を行うことがある。甲状腺眼症でも、活動性や症状に応じて眼窩照射を検討する。
鑑別・注意点
良性疾患では期待する効果と晩期リスクを慎重に比較する。年齢、照射部位、活動性、他の治療選択肢を確認し、すべてのケロイドや甲状腺眼症へ一律に照射しない。
放射線科専門医試験 2022年度 問91
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問91
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
積極治療をしない急性全身被曝のLD50/60は約4Gyが代表値です。造血障害による感染・出血等が転帰に関わり、個人予後の固定閾値ではありません。
b|適切でない
約4Gyより高く、無治療での代表LD50/60としては選びません。支持療法や被曝分布で生存率は変わります。
c|適切でない
重篤な消化管障害等も問題となる高線量で、無治療LD50/60の代表値ではありません。
d|適切でない
非常に高い全身線量で、約4Gyという集団のLD50/60近似値とは異なります。
e|適切でない
極めて高い線量で、無治療半数致死線量の代表値ではありません。線量率・時間分布の条件も重要です。
判断のポイント
積極的な医療介入のない急性全身被ばくでは、LD50/60の代表値は約4Gyである。主に造血器障害による感染や出血が死亡に関わる。
鑑別・注意点
これは集団に対する近似値であり、個人の予後を線量だけで決める値ではない。線量率、被ばく分布、年齢、合併損傷と支持療法によって転帰は変わる。
放射線科専門医試験 2022年度 問92
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問92
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
相同配列を鋳型に二本鎖切断を修復します。主に姉妹染色分体が利用できるS/G2期で働きます。
b|適切でない
主に損傷塩基を除去・置換する経路です。複合損傷の相互作用はありますが、二本鎖切断の主要二経路とは区別します。
c|適切でない
主に複製時の塩基対不一致等を修復し、二本鎖切断の主要経路として選びません。
d|正しい
相同な鋳型を用いず切断端を結合する主要経路です。末端処理で配列変化を生じ得ます。
e|適切でない
主にかさ高いDNA損傷等を除去する経路で、二本鎖切断の主要修復法とは区別します。
判断のポイント
DNA二本鎖切断の主要な修復経路は相同組換えと非相同末端結合である。相同組換えは相同な鋳型を利用し、非相同末端結合は切断端を直接つなぐ。
鑑別・注意点
相同組換えは主に姉妹染色分体を利用できる細胞周期で働く。塩基除去修復、ヌクレオチド除去修復、ミスマッチ修復は、主に別の種類のDNA損傷や複製エラーに対応する。
放射線科専門医試験 2022年度 問93
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問93
解答例:e
選択肢別の解説
a|適切でない
①は60、②は37.5Gyで①の方が大きく、冒頭の大小が逆です。EQD2=nd(d+α/β)/(2+α/β)を用います。
b|適切でない
①60、②37.5Gyのため①<②が違います。④⑤はいずれも1回2Gyなので30Gyです。
c|適切でない
②37.5、③33.75Gyで②>③です。また④⑤は等しく、提示関係とは合いません。
d|適切でない
④=⑤は合いますが、②<③が逆です。α/βが小さいほど同じ大きい分割線量の影響が強まります。
e|正しい
①60、②37.5、③33.75、④30、⑤30Gyより①>②>③>④=⑤です。LQモデル上の換算で、治療期間等は自動補正しません。
判断のポイント
EQD2=nd×(d+α/β)/(2+α/β)を用いると、①60Gy、②37.5Gy、③33.75Gy、④30Gy、⑤30Gyとなる。したがって①>②>③>④=⑤である。
鑑別・注意点
総線量が同じでも1回線量とα/βが異なると生物学的効果が変わる。LQモデルによる換算は照射時間や再増殖などを自動的には補正しないため、臨床での適用条件にも注意する。
放射線科専門医試験 2022年度 問94
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問94
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|適切でない
通常の治療用電子線は低LET側です。高LETのα線と電荷・飛程・電離密度を区別します。
b|適切でない
臨床陽子線は一般に低LET側として扱いますが飛程終端付近では上がります。全位置で一定という意味ではありません。
c|適切でない
γ線は通常低LET放射線です。二次電子を介して電離作用を生じます。
d|正しい
中性子は反跳陽子等の二次荷電粒子を介して密な電離を生じ、高LET側として扱います。
e|正しい
重い荷電粒子で短い飛程に密な電離を与える高LET放射線です。複雑なDNA損傷が生じやすくなります。
判断のポイント
中性子線とα線は高LET放射線に分類され、密な電離を生じる。通常の光子線や電子線より、複雑なDNA損傷を形成しやすい。
鑑別・注意点
臨床陽子線は一般に低LET側として扱うが、飛程終端付近ではLETが上昇する。放射線の名称だけで局所のLETを完全に一定とみなさない。
放射線科専門医試験 2022年度 問95
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問95
解答例:e
選択肢別の解説
a|妥当な原理
水と脂肪の主要ピークの差は約3.5ppmです。脂肪には複数の共鳴成分があるため近似値として扱います。
b|妥当な原理
同一ボクセル内の水・脂肪成分が逆位相で打ち消し合います。純脂肪組織の信号が一律消えるという意味ではありません。
c|妥当な原理
ppmの差が同じでも、Hzでの周波数差は静磁場に比例し高磁場で大きくなります。
d|妥当な原理
周囲電子の遮蔽により実効磁場が異なるため共鳴が変化します。結合相手・分子の電子環境が関係します。
e|誤り
水の方が脂肪より共鳴周波数・角速度が高く、遅いとする点が逆です。
判断のポイント
水のプロトンは脂肪より共鳴周波数が高く、歳差運動の角速度も速い。脂肪の電子による遮蔽効果が強いことが周波数差の背景となる。
鑑別・注意点
周波数差は約3.5ppmで、Hzで表す差は静磁場強度に比例する。同じボクセルに水と脂肪が含まれると逆位相で信号が打ち消し合うため、脂肪だけの組織と区別する。
放射線科専門医試験 2022年度 問96
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問96
解答例:a、c
選択肢別の解説
a|正しい
シェルは体位を固定し、治療ごとの位置再現性を高めるため用います。固定だけで全ての位置誤差がなくなる意味ではありません。
b|適切でない
ボーラスは表面近傍等の線量を調整する組織等価材です。患者位置確認のための画像装置とは異なります。
c|正しい
モニタ線量計は照射中の出力を監視・管理します。別の校正線量計によるQA等も必要です。
d|適切でない
ウエッジは線量分布・等線量曲線を傾けます。照射野の輪郭を直接整える器具とは区別します。
e|適切でない
MLCは照射野形状やビーム強度を調整します。ビームのエネルギー変換を目的とする装置ではありません。
判断のポイント
シェルは患者の体位固定と再現性確保に用い、モニタ線量計は照射出力の監視・管理に用いる。器具の名称と目的を対応させる。
鑑別・注意点
ボーラスは表面近くの線量分布を調整し、ウエッジは等線量曲線を傾ける。マルチリーフコリメータは照射野形状や強度を調節する装置で、エネルギー変換装置ではない。
放射線科専門医試験 2022年度 問97
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問97
解答例:a、e
選択肢別の解説
a|正しい
SrはCaに似た挙動で骨形成部へ集まり、89Srのβ線を疼痛緩和等に利用します。
b|適切でない
90Yの標的は結合薬剤・粒子等で変わります。90Y標識骨親和性薬剤の存在と、核種自体の骨親和性を区別します。
c|適切でない
131Iは甲状腺組織の取り込み等を利用し、核種自体が骨形成部へ親和性を示す代表ではありません。
d|適切でない
177Lu標識薬が骨転移へ集まる場合も、主に標的分子や担体によるものです。Luという元素の挙動のみとはしません。
e|正しい
RaはCa類似の挙動で骨へ集まり、223Raのα線で骨転移周囲を照射します。骨髄機能等の適格性も確認します。
判断のポイント
89Srと223Raはカルシウムに類似する挙動を示す骨親和性核種で、骨形成の亢進した骨転移などに集積する。89Srはβ線、223Raはα線を治療に利用する。
鑑別・注意点
90Yや177Luは、結合させる分子や粒子によって標的が決まる。たとえば177Lu標識薬が骨転移へ集まっても、元素そのものの骨親和性とは区別する。
放射線科専門医試験 2022年度 問98
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問98
解答例:e
選択肢別の解説
a|適切でない
Aは電子放出の陰極側、Bは電子衝突の陽極側なので、アノード/カソードの対応は逆です。
b|適切でない
増幅器と接地を示す組合せではありません。熱電子放出部と衝突面を同定します。
c|適切でない
Aは巻線状でも熱電子用フィラメントです。Bは電荷を蓄えるコンデンサではなく電子衝突面です。
d|適切でない
オン・オフ用のスイッチやゲートを指す図ではありません。
e|正しい
Aのフィラメントを加熱して熱電子を放出し、Bのターゲットへ加速してX線を発生させます。多くのエネルギーが熱に変わるため陽極冷却が必要です。
判断のポイント
図のAは加熱されて熱電子を放出するフィラメント、Bは電子が衝突してX線を発生させるターゲットである。電子は陰極側から陽極側へ加速される。
鑑別・注意点
アノードは陽極、カソードは陰極を指す。本図ではAが陰極側、Bが陽極側なので、aの対応は逆になる。電子のエネルギーの大部分は熱となるため陽極の熱管理が必要である。
放射線科専門医試験 2022年度 問99
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問99
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
水晶体の等価線量は3か月のほか1年・5年で集計・記録します。原則の限度は5年100mSvかつ年50mSvです。
b|適切でない
入職日から任意の5年間として集計するものではなく、法令で定められた期間を用います。以前の職場の記録も引き継ぎます。
c|適切でない
緊急作業にも特別な基準・条件があり、線量限度を無条件に適用しないという説明は誤りです。
d|適切でない
防護眼鏡は重要な低減手段ですが、管理区域への立入り全般へ一律義務という規定とは区別します。線量・業務に応じ適切な防護を実施します。
e|適切でない
年20mSv超過だけで翌年の放射線診療を自動禁止とはしません。5年100・年50mSvと累積を管理し、低減対策・業務調整を行います。
判断のポイント
水晶体の等価線量は3か月ごとのほか、1年と5年の期間で集計・記録する。2021年施行の見直しでは、原則として5年間100mSvかつ1年間50mSvの限度となる。
鑑別・注意点
1年20mSvを超えただけで翌年の放射線診療が自動的に禁止されるわけではない。累積線量を管理し、遮蔽や防護眼鏡などで被ばくを低減する。
放射線科専門医試験 2022年度 問100
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問100
解答例:a、b
選択肢別の解説
a|正しい
アナフィラキシーではアドレナリン筋注が第一選択です。投与中止・応援要請、気道呼吸循環の支持を並行します。
b|正しい
既往の原因造影剤は再使用を避け、代替検査・別製剤等を検討します。重症度と必要性を評価し、別製剤でも無反応を保証はできません。
c|適切でない
重炭酸の投与を造影剤アナフィラキシーの予防策とはしません。腎障害に関する議論とも区別します。
d|適切でない
薬剤投与は止めても、輸液・救急薬に必要な静脈路は確保します。最初に抜針する対応は不適切です。
e|適切でない
アレルギー様反応は単純な用量反応として予測できず、減量で重篤反応を防げるとはしません。既往・代替と救急対応を重視します。
判断のポイント
アナフィラキシーでは造影剤投与を中止し、アドレナリン筋注を中心に気道・呼吸・循環を支える。既往の原因造影剤の再使用は避け、必要性と代替手段を検討する。
鑑別・注意点
投与を中止しても静脈路は治療に必要なため、最初に抜針しない。造影剤のアレルギー様反応は単純な用量反応関係では説明できず、重炭酸投与もアナフィラキシーの予防策ではない。
放射線科専門医試験 2022年度 問101
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問101
解答例:b
選択肢別の解説
a|適切でない
DRLには一般撮影も含まれます。CT・透視や核医学だけの指標ではありません。
b|正しい
装置・診療実態の変化を反映して定期的に改訂します。国や地域、検査・体格等に沿う基準です。
c|適切でない
検査を行うかの正当化ではなく、実施する検査の画質と線量の最適化に用います。
d|適切でない
国・地域の実態に応じ設定し、世界共通の一つの数値ではありません。
e|適切でない
個人の線量限度ではありません。標準患者群における施設代表値と比較し、画質を損なわず線量を見直します。
判断のポイント
診断参考レベルは医療被ばくの防護の最適化に用いられ、装置や診療の変化を踏まえて定期的に改訂する。国・地域の診療実態に応じた値を設定する。
鑑別・注意点
個々の患者の線量限度ではない。標準的な患者集団における施設の代表値を比較し、画質と線量を見直すための指標で、検査そのものの正当化とは役割が異なる。
放射線科専門医試験 2022年度 問102
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問102
解答例:b
選択肢別の解説
a|適切でない
検査をCTから他モダリティへ置き換える判断は、主に検査の正当化に関わります。
b|正しい
CT実施後の判断段階で、診断に不要な範囲を外すことは防護の最適化です。必要な病変範囲を欠かないことが前提です。
c|適切でない
検査そのものを中止する判断は、必要性・正当化の評価に当たります。
d|適切でない
低eGFRでのヨード量調整は造影剤リスク・診断能の問題です。X線被曝の最適化と直接同義ではありません。
e|適切でない
薬剤変更だけでは被曝と画質の関係が不明で、この比較では撮影範囲を調整するbが明確です。放射性製剤選択が最適化と無関係という意味ではありません。
判断のポイント
CTを実施する判断の後に、診断に不要な撮影範囲を除いて腹部に限定することは、防護の最適化に当たる。日本学術会議の提言も、撮影範囲・回数・条件の選択を最適化の対象に挙げる。
鑑別・注意点
検査を行うか、他のモダリティへ置き換えるかは正当化の判断となる。薬剤の種類を変更するという記述だけでは被ばく低減と診断能の関係が不明なため、本問では撮影範囲の調整を選ぶ。旧解答eをbへ修正した。
放射線科専門医試験 2022年度 問103
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問103
解答例:e
選択肢別の解説
a|妥当な低減策
照射野を絞ると患者の照射体積・散乱を抑えます。必要な視野と目的を保って行います。
b|妥当な低減策
手順の事前確認は不要な透視を減らし、適切な遮蔽・役割配置に役立ちます。
c|妥当な低減策
必要な画質・時間分解能を維持できる範囲でパルスレートを下げます。
d|妥当な低減策
受像器を患者へ近づけると拡大・必要出力等を抑えられます。X線管と患者の距離との違いも重要です。
e|誤り
側方透視で管球側は散乱線が多くなりやすく、可能なら受像器側と遮蔽を用います。管球側へ立たせるのは低減策ではありません。
判断のポイント
側方透視では患者からの散乱線が多いX線管側を避け、可能なら受像器側に立つ。介助者をX線管側へ立たせることは被ばく低減策として不適切である。
鑑別・注意点
照射野を絞り、必要な画質を保てる低いパルスレートを使い、受像器を患者へ近づける。事前の手順確認と遮蔽具の適切な配置も、不要な透視と散乱線被ばくを減らす。
放射線科専門医試験 2022年度 問104
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問104
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切な機能・説明
PACSは画像の保存だけでなく、ネットワークでの送受信・配信を行います。
b|適切な機能・説明
検像や撮影画像の品質確認に用いる運用があります。患者識別・画像情報の正確性も確認します。
c|適切な機能・説明
医用画像・関連情報の相互運用にDICOMを用います。全ての病院情報をDICOMだけで扱う意味ではありません。
d|適切でない
全画像を一律1/20へ圧縮する共通規定はありません。可逆・非可逆、用途・モダリティごとの画質と規則を確認します。
e|適切な機能・説明
スキャン画像等の保存も可能ですが、患者対応、原情報・画質や保存条件を適切に管理します。
判断のポイント
PACSで画像を必ず1/20に圧縮するという共通の規定はない。非圧縮、可逆圧縮、非可逆圧縮の選択は目的、モダリティ、画質と運用要件に応じて決める。
鑑別・注意点
PACSではDICOMに基づく画像の保存・送受信や表示を行う。スキャン画像などを保管する場合も、患者識別、画質、元情報と保存条件を適切に管理する。
放射線科専門医試験 2022年度 問105
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問105
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切でない
削除で記録者との対応や監査証跡を失わないようにする必要があり、単純な即時削除より権限停止を基本とします。
b|適切でない
表示名を変えるだけでは元本人のアクセスを止められません。別人への使い回しも不適切です。
c|適切でない
IDを変更するだけでなく本人のログイン権限を停止し、過去操作との対応を保持します。
d|正しい
退職時は権限を停止してアクセス不能とし、既往の操作・記録者情報を追跡可能に残します。
e|適切でない
不要な権限を維持すると不正利用リスクが残ります。退職手順に沿って速やかに停止します。
判断のポイント
退職時にはログイン権限を停止し、本人のアカウントで医療情報へアクセスできない状態にする。過去の操作記録と記録者の対応関係は追跡できるよう保存する。
鑑別・注意点
IDを別人へ使い回したり、名前だけ変更して引き継いだりしない。削除を行う場合も監査証跡の保持を確認し、無効化と記録保持を両立する運用を定める。