2022年に実際に専門医試験を受けられて合格されたペンネーム
- たこやき先生
- るーるー先生
- 青柳先生
- MTHS先生
- もと脳外科医先生
の先生方+ひよっこ先生(診断専門医)に解答作成を手伝っていただきました。ありがとうございました。
解答ここはこうじゃないかなどございましたら、一番下のコメント欄に記載いただければ幸いです。
1,
正解:d
整形領域は好発年齢、対応する画像所見が重要です。英語もよく出ます…。
- a: 〇 Codman三角は一般的に悪性腫瘍を示唆する骨膜反応。骨肉腫、Ewing肉腫など。壊血病や被虐待児症候群の骨膜下出血でもみられることがあるらしいですが、さすがに出ないかな。
- b: ○ 骨軟骨腫=外骨腫。cartilage cap=軟骨帽。骨外に飛び出た腫瘤に軟骨の帽子がついています。
- c: ○ スコッチテリアの首輪
- d: × ivory vertebra=象牙椎。椎体がびまん性に不透明度が上がる病態のようです。骨硬化性転移、骨Paget病、リンパ腫、SAPHO症候群など、鑑別は多彩。
Radiopeadia(https://radiopaedia.org/articles/ivory-vertebra-1)には結核性脊椎炎も載っています…が、他4つが圧倒的に正解なのでこれが間違いでいいと思います。 - e: 〇 LCHでは頭蓋骨の多発骨打ち抜き像が有名です。一緒に、頭蓋骨のbevelled edge、扁平椎vertebra plana、顎骨floating toothなどもついでに覚えましょう(2019-50)。
2,
正解:d
化膿性脊椎炎
結核との鑑別が重要
3,
正解:a, e
椎体血管腫は真の腫瘍ではなく、過誤腫または静脈うっ滞による静脈奇形と考えられており、骨が血管腫様血管に置換され、 骨梁が肥厚することに起因
- a: ○ 骨濃度の減少と縦走骨梁の肥厚によりpolka-dotted signを呈す(横断像)。側面像でstriated vertebra、corduroy cloth appearanceなどとも。
- b, d: × 椎体外への進展や病的骨折はまれだが、報告あり。基本的には無症状が多い。
- c: ×
- e: ○ 典型的には、T1強調像で脂肪を反映した高信号、T2強調像で水分量(流れの遅い拡張した血管腔)を反映した強い高信号を示す。ただし脂肪含有の少ないものもあり、この場合にはT1強調像で低信号を示すため、悪性腫瘍との鑑別が必要
4,
正解:c
- b: × 棘上筋腱断裂が最も多い
- c: ○ 二次性の変形性関節症の原因として、腱板断裂、上腕骨頭壊死(特にステロイドやアルコール多飲)、関節リウマチ、上腕骨近位端骨折などが誘因となるそうです。
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000187.html - d: × 問われているのが「自然経過で」なのか「治療を行った場合」か不明です。
部分断裂の自然経過をみた報告で、拡大(悪化)50%、縮小(改善)は0%という文献あり(堀田知伸ほか:腱板滑液包面不全断裂の自然経過-MRIによる観察- 肩関節, 2002;26:2, 357–361)。UpToDateのフローチャートでは部分断裂と診断した場合、まずは6週間の理学療法やステロイド注射(保存治療)とのことなので要治療。
また症状が落ち着いた後また悪化するケースもあるため、一般的には症状軽快があっても「治癒」ではなく「小康状態」として経過観察が必要、という認識でよさそう。なのでどちらにしても×でいいと思います。 - a, e: × 上腕二頭筋長頭腱脱臼は肩甲下筋腱断裂に合併しやすい。
5,
正解:c
甲状腺は正中甲状腺原基から発生して、舌骨や喉頭軟骨の前を通って頸部組織中を下降し、胎生第7週ころまでに前頚部に達するが、その過程で異常があると、異所性甲状腺として、舌部、舌根部、舌下部、喉頭前部、気管内部、胸骨下部などに存在する。https://www.shouman.jp/disease/details/05_11_017/
異所性甲状腺組織はこの他にも喉頭前面および胸骨後面、心臓周囲、食道周囲、さらに腹腔内にまで観察されたとの報告がある。
最も頻度が高いとされるのは舌根部に形成される舌甲状腺で、70-80%は正常位置に甲状腺はなく、約3分の1は甲状腺機能低下を呈するとされる。
6,
正解:d
鼻腔後方を好発部位とする疾患
若年性血管線維腫
7,
正解:b
破裂孔 画像診断の39巻8号、2019年6月、pp.882-823 これも諸説ありますが久野先生の 「上咽頭癌の頭蓋底骨構造への浸潤はT3に分類され,頭蓋底浸潤の有無とその範囲の診断は,正確な病期診断と照射範囲の決定に重要である。
さら、腫瘍が頭蓋内に達する場合にはT4に分類され、重要な予後不良因子となる。
上咽頭癌の上方進展による頭蓋底浸潤の好発部位は、破裂孔周囲や蝶形骨体部であり、それらの好発部位の知識が早期の頭蓋底浸潤の同定に重要である。
頭蓋内進展に関しては、頭蓋底浸潤を介する直接浸潤、あるいは神経周囲進展による海綿静脈洞領域への進展が多い。」 を採用したいです。
8,
正解:e
上眼窩裂を通る神経は動眼神経(Ⅲ)、滑車神経(Ⅳ)、眼神経(Ⅴ1)、外転神経(Ⅵ)です。
9,
正解:d
過去問2019-16、2017-16参照
10,
正解:e
成人の小脳腫瘍の大半は転移性脳腫瘍
来年以降小児などが狙われそうです。
11,
正解:d
- a :× Arterial spin labelling はASL は,脳組織に供給される動脈血のスピンを磁気的に標識し,これをトレーサ(追跡子)として利用する (https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjmrm/advpub/0/advpub_2020-1719/_pdf/-char/ja)
- b:× DCE-MRIは,連続的に撮像を行いながらMRI造影剤を静脈内投与し,造影剤投与前から投与後数分間の画像を得る。目的組織におけるシグナル強度を時間に対してプロットして得られる曲線は,造影剤の移行速度あるいは消失速度によって異なる形状を示す。ガドリニウム系MRI造影剤は,常磁性のガドリニウムイオンをキレート化したものであり,造影剤周辺の水のプロトンのT1緩和時間を短縮し,T1強調像において信号強度を増大する。その程度は造影剤濃度に依存するため,目的組織での信号強度の増大は造影剤の移行量,すなわち組織循環血液量や血管透過性など,血管状態の指標となる。 血管透過性とは書いてありますが、「血管外漏出の程度」はたとえば脳出血やAVMの出血点の評価という意味かと思いますが、VOIが定まらないので算出困難と思われます。(https://www.innervision.co.jp/01inner/2012/pdf/iv201209_048.pdf)
- c:× 記載は見つけられませんでしたが、造影剤を使用しないのが本法のメリットかとおもわれます。
- d:○
- e:× DSC 法は造影された T2 強調画像あるいは T2*強調画像を用いて脳血流評価に使用され,DCE 法は T1 強調画像を用いて血管透過性の評価に使用することが多い.(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/advpub/0/advpub_10621/_pdf)
Dynamic susceptibility contrast はは急速静注した MR 用造影剤が引き起こす脳実質の信号変化(T2* 効果)を連続的に記録してデータを取得し,得られた信号のデータから∆R2* を計算する (https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/32/6/32_6_668/_pdf/-char/ja)
12,
正解:c d
dは肥厚性硬膜炎のことです。
13,
正解:d
- × びまん性軸索損傷はMRIで。T2*WI, SWI,DWIなどが有用
- △ はっきりとした記述は見つけられませんでした(合併症などにもよるようです)
- × EFNSガイドライン、New Orleans criteria、The Canadian CT head ruleなどが有名。年齢によっては神経症状がなくても適応がありそうですが全例ではないでしょう。
- ○
- × まずはCT
14,
正解:c
MERASは乳酸ピークがある。そういう病態です。
15,
正解:e
皮質静脈への逆流があると、脳実質の静脈性浮腫による症状を来すことがあるので、逆に重症です。成人の殆どは後天的で外傷などが契機と言われています。
16,
正解:a
b,c,d,eは胸膜直下優位にみられることが多いです。
17,
正解:d
CT angiogram signは、CTで陰影のなかに正常血管が描出される病変で、鑑別は悪性リンパ腫、肺炎、肺癌(特に浸潤性粘液産生性腺癌IMA)など。
18,
正解:d?
病原微生物は区域性分布
色々調べると非区域性もあるようですが、したら汎小葉分布七日
20,
正解:a
石灰化の頻度は9%との文献がありました。
その他の選択肢と比べると頻度は低いと思います。
21,
正解:a?
出ました頻度問題。しかも過去問(2018-36)で割れていた問題です。
報告によると転移性肺腫瘍における空洞形成は約4%とまれで、原発巣の内訳は、扁平上皮癌70%程度(咽頭、喉頭、食道、子宮頸癌など)、腺癌30%程度(結腸、直腸、乳癌など)とされているようです。なので、d下咽頭癌、e子宮頸癌、c大腸癌はありです。
問題はあと2つで、KEYBOOKには膵癌、腎細胞癌どちらも記載あり。
頻度の問題なのですが、、、検索などでは、膵癌は報告がありますが、腎癌では全然ひっかからないということ、またRadiopediaでも膵癌(very rareですが…)と記載あり、腎癌は鑑別にも上がっていませんので、正解は腎癌でよいかなと思います。
https://radiopaedia.org/articles/cavitating-pulmonary-metastases
22,
正解:d
気管支カルチノイド
肺門型が多い。画像診断まとめより
23,
正解:d
素直に一番悪そうなものを選べば良いと思います。
24,
正解:c e
Radiopediaによると、cとeがtypicalなようです。
25,
正解:c
わりと出る、覚えるしかない問題。レジデントセミナーで丁寧に解説がありました。
- 対角枝は左冠動脈前下行枝の枝で、左心室前壁を栄養します。
- 右冠動脈、b. 左冠動脈回旋枝(左心室は尖っていて、左心室が丸いため、それぞれを栄養する血管を鋭角枝、鈍角枝という)、d. 右冠動脈、e. 左冠動脈回旋枝。
26,
正解:c,d
大動脈二尖弁は大動脈狭窄に合併、心内膜炎のリスク
勘所に簡潔にまとめています。
27,
正解:e
e: × β遮断薬を使用している患者でアナフィラキシーショックが起こったときも、第一選択はアドレナリンです。第一選択は0.3mg(~0.5mg)大腿外側に筋注。小児は0.01mg/kgです。難治性では5~15分毎に繰り返し投与します。 β遮断薬服用下ではアドレナリンの効果が減弱するため、β受容体を介さずに心筋cAMP濃度を上昇させて心拍増加と心筋収縮力増強作用を示すグルカゴンが有効と言われています。でもいまだ保険適応外です。グルカゴンの投与方法、1-5mgを5分以上かけて静脈内投与(!) にも注意が必要です。 アナフィラキシーガイドライン2022(2022/08/30刊行)が無料で読めますので、余裕があればご一読を(β遮断薬の投与方法なども書いてあります)。 https://www.jsaweb.jp/modules/journal/index.php?content_id=4
28,
正解:a
Fabry病では脂肪沈着によりT1値の低値がみられます。
29,
正解:d
Leriche(ルリッシュ)症候群(血栓性大動脈分岐閉塞症、大動脈閉塞症aortoiliac occlusive disease)
腎動脈分岐部以下の腹部大動脈から動脈閉塞が始まり,総腸骨動脈分岐部周辺までに限局した慢性の大動脈閉塞症。症例によっては外腸骨動脈ないし浅大腿動脈にまで閉塞が及ぶ。インポテンツ、間歇性跛行、下肢の疲労感といった症状を呈する。
IVR界隈ではわりと有名とのことです。
30,
正解:a,c
マンモグラフィ
構成の乱れ:C3、淡く不明瞭な石灰化の集簇:C3
31,
正解:b
dark internal septations
32,
正解:e
漸増性の造影パターンを示すことが多い。
33,
正解:c
過去問(2021-33)参照。2年連続出題。
ちなみに満期(みなよい正期産=37~41週)より前に生まれた早期産児(<36週6日)の場合、神経発達の評価は、実際の月齢ではなく、出産予定日に合わせて(修正月齢)を参考にして行います(2か月早産=32週出生の場合、1歳2か月のとき、1歳児の脳として評価する)。
- a.× T2強調像ではだいたい18~24か月で成人パターン(T1強調像では7か月くらい)
- b.× そんなことはないです
- c.○ 髄鞘化による信号変化は、0~7か月はT1強調像、6~24か月はT2強調像で捉えやすい
- d.× 視放線は髄鞘化は3か月頃までにみられる
- e.× 赤ちゃんの脳は水っぽいイメージ(T2強調像で大脳白質が高信号)。徐々にT1強調像で高信号化、T2強調像で低信号化。
34,
正解:c
GrossC
胃管が入らず、胃と気道が交通している。頻度が一番高い。
35,
正解:e
ポッター症候群を起こし得る病態を問う問題です。
ポッター症候群は胎児の両側の腎形成不全のため尿産生がなく、羊水過少となる症候群です。
36,
正解:a e
肝内胆管癌の腫瘤形成型では肝細胞相で内部の繊維性間質の造影剤の停滞を反映して淡い高信号を示すようです。
(引用:肝胆膵のCT・MRI)
37,
正解:d, e
他3つは遷延性濃染・遅延性濃染の腫瘤で鑑別すべき疾患。
- a.× 腫瘤形成型では早期相で辺縁優位に濃染(Rim APHE)、内部は遷延性濃染(Targetoid mass)。
- b.× 脂肪を有する亜型では血管筋脂肪腫と鑑別が必要(早期静脈還流ならAML)。
- c.× 早期肝細胞癌=高分化相当。門脈血流が保たれており早期静脈還流しない。
- d.○ 早期静脈還流が特徴
- e.○ 早期静脈還流が特徴。限局性結節性過形成(FNH)の栄養動脈は中心瘢痕から入り、分岐しながら放射状に末梢に分布し(spoke wheel pattern)、肝静脈に直接還流する。
38,
正解:a
Budd-Chiari症候群
先天的なものもありますが、全てではない。
39,
正解:e
「FNHに脂肪沈着はほぼ来さない」ということを押さえておけば解けます。
高分化HCC、DN、肝細胞腺腫は脂肪沈着の頻度が高いことは常識だと思いますが、PEComaを消去するのは比較的難しいと思いました。PEComa familyにAMLが入っていることを知らないと解けないので・・・。ただ、たしかにAMLだとストレートすぎると思って、変化球にしたのでしょうか。
肝胆膵の画像診断第二版 p83の「脂肪を伴う肝腫瘤の鑑別」は大事なので押さえておきましょう。
40,
正解:c
単純CTでは低吸収、MRI T1WIで低信号を示します。
41,
正解:c
原発性胆汁性胆管炎(primary biliary cholangitis :PBC)は肝内小型胆管が自己免疫機序により選択的に破壊され、胆管消失に伴う慢性胆汁うっ血から肝硬変へと進展する慢性進行性肝疾患。
中年女性好発。ウイルス性肝硬変と比較して早期より門脈圧亢進症が出現しやすく、胃食道静脈瘤や脾腫、肝門部リンパ節腫大などを高頻度に認める。
5%に肝細胞癌の合併あり。
Sjogren症候群、慢性甲状腺炎、関節リウマチなど自己免疫性疾患合併頻度も高い。
潰瘍性大腸炎との関連でPSC(原発性硬化性胆管炎)もよく出ますので、こんがらがらないように一緒にチェックしましょう。
c.× 初期には形態変化はみられない
ほかは○
42,
正解:b
自己免疫性膵炎
多発病変はある。びまん性と多発性がある
43,
正解:c,e
膵の嚢胞性腫瘤は好発年齢・部位・画像所見をまとめておきましょう!
診断専門医試験でも頻出です。
44,
正解:e
2016年63番、2014年68番の類題です。
- b 後腎傍腔の外方は外側円錐筋膜外の脂肪層に連続しており、前方では腹膜前脂肪層に連続します。
- d 炎症が前腹膜まで波及するとcullen兆候がみられます。
- e Flank stripeは側腹線条を指しているようです。傍結腸溝の腹水貯留時にみられます。
45,
正解:d
腎実質相は腎皮質と腎髄質がほぼ均一に造影されるため、腫瘤の検出に最適?ということでいいのかなと思います。
46,
正解:d
Cortical rim signは発症直後には出ない。画像診断ワンポイントレッスンなどに詳しいく書いてます。
47,
正解:e
画像診断ガイドライン2021年版のCQ17「初発症例において臨床的意義のある前立腺癌を検出する目的でMRI検査を行う場合、造影MRIを省くことは奨励されるか?」に関連した出題なのかなという推測もできますが、真偽は不明です。こちらのガイドラインの結論としては、3Tなどいろいろな条件が揃えば非造影でも大丈夫なのでは、というお話ですが。この文章中に、家族歴や持続上昇するPSAなどリスクが高い患者については造影が望ましいというような内容が記載されており、eが最もふさわしいでしょうか。
48,
正解:c
骨盤リンパ節だけに転移があるのはⅢC1期です。
49,
正解:b
正常子宮の収縮によりT2強調像で低信号を示す腫瘤様構造が見られ、子宮腺筋症や子宮筋腫と鑑別が難しい場合があります。複数断面撮像したり、追加で同じシークエンスを撮り直したりすることで確認できます。婦人科MRIアトラス(KEYBOOK)の腺筋腫症のページに参考例の写真あり。
e.cross talk artifact:MRI において、スライスプロファイルが近接するほかのスライスにも混入することで起こる干渉のこと。よくあるのは腰椎のMRIで、椎体に合わせてスライスの角度をかえて撮像するため撮像断面(背側)が一部重なり、この重なる部分で画像が無信号になる(RFパルスで励起できないため)。特にT1強調像で起こりやすい。子宮撮像時は子宮内腔に対して撮像方向を設定しますが、等間隔に撮像する(断面が交叉しない)ので起こりにくいです。スライス間隔が非常に狭いと等間隔に撮像してもクロストークが起こる可能性がありますが、その場合は他の断面でも起こりそうですし、おそらく腫瘤のようにはならないのでは?と思います(実際の画像は見つけられませんでした)。
https://radiopaedia.org/articles/slice-overlap-artifact-2
そのほかの選択肢は断面とか関係ないです。
50,
正解:d
成熟奇形腫はSCC
51,
正解:c, d
鼠径部ヘルニア診療ガイドライン2015
https://jhs.mas-sys.com/guideline.html
- a: × 大腿ヘルニアは中年以降の女性、特に経産婦に多い
- b: × 閉鎖孔ヘルニアも中年以降の女性、特に経産婦に多い。嵌頓が多い。腸管壁の一部だけが嵌頓するRichterヘルニア(腸壁ヘルニア)も多く、注意。
- c: ○ 下腰三角ヘルニアは外腹斜筋(腹側)、広背筋(背側)、腸骨稜(尾側)に囲まれた下腰三角(Petit’s triangle)に発生する(下腰ヘルニア)。
- d: ○ 腹直筋外縁から腹横筋腱膜移行部のSpigel 腱膜に生じる。
- e: × 直接型(内鼠径ヘルニア)は下腹壁動脈の内側から脱出、間接型(外鼠径ヘルニア)は下腹壁動脈の外側から脱出。
52,
正解:e
転移は腎臓、肺、肝臓、傍大動脈リンパ節に多く、石灰化は稀とされています。
53,
正解:e
ステントグラフトの適応(EVAR)の問題で、IFU(instruction for use)を問題にしていると思われる。デバイスによりIFUが微妙に異なるので注意が必要。
大動脈前後の瘤化していない部分をランディングゾーン(部)と呼びますが、最も重視されるのが中枢側ランディング部です(問題でいうと、腎動脈から大動脈瘤までの距離)。IFUの項目は、中枢側ランディング部の長さや径、角度、形態や血栓の有無、末梢側ランディング部の長さや径、アクセス動脈の径、腹部大動脈瘤の長さ、瘤内腔や大動脈遠位端の径など。
腹部大動脈瘤の一般的な治療適応①動脈瘤の最大短径が男性55mm以上、女性50mm以上(日本では50mm以上での手術は許容)、②嚢状瘤、③半年で5mm以上の瘤径拡大。
2022年5月に、腹部大動脈瘤の長期予後に関してはEVARより開腹が優れるという論文が出たようです。JAMA Netw Open. 2022;5(5):e2212081. 開腹手術vs EVAR論争はまだまだ続きそうです。
- a.○ 近年、破裂性腹部大動脈瘤に関してステントグラフト内挿(EVAR)の成績が外科手術と同等かそれ以上に良好であるとするエビデンスが蓄積され、世界のガイドラインが大幅に変更されていると記載あり(2020年改訂版大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドラインより)。
- b.○ 開腹腹部大動脈瘤手術時に、以前の開腹手術歴がリスクになる(術中の腸管損傷、術後早期イレウス、無気肺)ようなのですが、EVARのリスクになるかは見つけられませんでした…。綾部らによる開腹手術の既往を有する腹部大動脈瘤手術症例の検討https://www.jsvs.org/pdf/20011006/601.pdf
- c.○ 「大きすぎる」で非適応になる記載は見つけられませんでした。ないのかな?
- d.○ 末梢側ランディング部は長さ10mm以上(デバイスによっては15mm以上)
- e.× 中枢側ランディング部:長さ15mm以上(デバイスによっては10mm以上)。なお腎動脈と近接している場合は、開窓型ステント、枝付きステント、チムニー法(chimney=煙突の意味)などというものもあるようですがまだ一般的ではないので、これが×でいいと思います
54,
正解:d?
内頚静脈からのCVC
ピンチオフが頻度低いか
55,
正解:c
仮性動脈瘤は基本的にオペ適応
56,
正解:c
パラレルホール(平行多孔)コリメータでは線源とコリメータの距離が大きくなるほど空間分解能は劣化します。
反対に小さくなると空間分解能は向上します。
(わかりやすい核医学第2版 p19より)
57,
正解:c
親核種と娘核種がともに放射線で、親核種の半減期が娘核種の半減期より長いとき、ある時間が経過すると、互いの核種の原子数の比が一定になるような平衡状態になる。これを放射平衡といいます。
半減期によって、過渡平衡(親核種>娘核種)、永続平衡(親核種>>娘核種)。
過渡平衡の例が99Mo/99mTcジェネレータで、親核種99Mo(半減期66時間)、99mTc(半減期6時間)で、娘核種の生成量と壊変量が定常状態に達し、親核種と一定の割合で共存します。実際に取り出すときは、吸着剤への親和性の違いにより、真空バイアルに99mTcO4-のみが溶出され、回収されます。99Moが新たに99mTcを生成しますので、繰り返しまた99mTcO4-が溶出することができます。99mTcの生成量は約23時間で最大となります。
なお永続平衡の例は、親核種90Sr(29年)/娘核種90Y(2.7日)です。
58,
正解:d
131-Iが半減期長い。これだけ治療用で他は診断用のためその知識でも解答できる。
59,
正解:a
添付文書より
99mTc-MDP 370~740MBq
99mTc-DSMA 37~185MBq
111In-Pentetreotide 111MBq
123I-IMP 37~222MBq
123I-ioflupane 111~185MBq
60,
d
体重別係数を適応します。
61,
正解:e
123I-イオフルパンはDaTSCAN(ダットスキャン)に使用。
前シナプス部のドパミントランスポーター(DaT)に結合する。
ドーパミン神経終末部が存在する尾状核や被殻に発現しているので、シナプス前ドーパミン障害があると、集積が低下する。
具体的には、パーキンソン病、レビー小体型認知症(DLB)、多系統萎縮症(MSA)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)で低下する。
本態性振戦、アルツハイマー型認知症、薬剤性/脳血管性パーキンソニズムなどでは低下しない。
- a.× 低下しない
- b.× 低下する
- c.× 増加も低下もしない
- d.× 低下する
- e.○ 低下する
62,
正解:d
アルツハイマーは前頭葉連合野が落ちる。後部帯状回や楔前部も
63,
正解:a,b
ヘルペス脳炎は、BBB破壊により病変部の血流が増加します。
脳梗塞亜急性期は脳血管のautoregulationが消失し、luxury perfusionとなるため血流増加。
ceは認知症絡みで血流が落ちる部位による鑑別を絞り込んだりしますので容易に消せる選択肢だと思いますが、dは難しいですね。調べると、基本的にMRIで診断を付けるものなのでSPECTで鑑別を絞ることはほとんどなく、仮にやっても非特異的だそうです。
64,
正解:d
禁忌事項
- 気管支喘息・薬物治療によっても安定化しない不安定狭心症・Ⅱ度またはⅢ度房室ブロックのある患者
- 洞不全症候群または症候性の著しい洞性徐脈のある患者・QT延長症候群の患者・高度の低血圧
- 代償不全状態にある心不全患者
65,
正解:e
心筋シンチには、201TlCl、99mTc-MIBI、99mTc-Tetrofosminを使用しますが、再分布を示すのは201TlCl だけ。99mTcでは再分布現象はないので、負荷時と安静時に2回投与する。
66,
正解:a
メッケルシンチ。いつもの。
67,
正解:c
ソマトスタチン受容体シンチは4時間後と24時間後の2回撮影というのを知って入れば解けます。
追加で学ぶとすれば、インスリノーマの検出率が低いというのもポイントです。
111In-pentetreotideに関わらず、頻出核医学検査では
・半減期 ・前処置(とくに休薬すべきものなど) ・撮像時間
は押さえておきましょう!診断専門医試験でもよく出題されます。
68,
正解:b
super bone scanでは腎臓はほとんど描出されません。
69,
正解:c
- a.○ 月経期には子宮内膜に、排卵期には子宮内膜や卵巣に集積が亢進します(生理的集積)。授乳期の乳房も集積します。
- b.○ 血糖値が高いと、筋肉と心臓の集積が亢進します。なので、心臓PETは病変をみるために(腫瘍より)長めの絶食が必要。
- c.× 寒い冬の日に褐色細胞が集積します。背中(褐色細胞が多い)に冷水シャワーをかけると褐色細胞が活性化するから痩せる…って話ありましたよね。
- d.○ それまで判明していなかったメトホルミン(糖尿病治療薬)のメカニズムに関して、メトホルミン内服後にPET/MRIを撮像することで、便中にブドウ糖が排泄されることにより血糖値が下がることを示した研究があったようです。もちろん知りませんでした…
https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2020_06_03_01.html - e.○ 副腎はカテコラミンを分泌する内分泌臓器で、血管迷走神経反射時にはカテコラミンの分泌が促され、糖代謝が亢進し、FDG集積が上昇すると考えられているようです。集積は両側対称性で、生理的集積に比して高集積。クイズになっていました。
https://radiology.bayer.jp/training/quiz/vol62/result
70,
正解:c
ゾーフィゴは生存期間延長
適応上の注意:内蔵転移のある前立腺癌における有効性および安全性は確立していない。
(バイエルHPより:本剤は、症候性骨転移を有するCRPC患者を対象とした国際共同第III相臨床試験(ALSYMPCA試験)において、プラセボ投与群と比較し、生存期間の有意な延長を示した〔ハザード比:0.69,p=0.00005(層別log-rank検定)〕。
また、副次評価項目である症候性骨関連事象発現までの期間、ALP変化率及びALP上昇までの期間、PSA変化率及びPSA上昇までの期間についても有意に改善した。
本試験成績に基づき、各国で承認申請が行われ、米国では2013年5月に、欧州では2013年11月に承認を取得した。)
71,
正解:a, e
- a: 〇 脊髄の最大線量は通常分割で48-50Gy未満にする。
(JASTRO放射線治療計画ガイドライン2020の通常分割照射における正常組織の耐用線量
脊髄TD5/5 47-50Gy https://www.jastro.or.jp/medicalpersonnel/guideline/2020/12appended.pdf - b: × D2%処方はPTVの2%に処方線量が入るようにする処方。かなり少ない。
- c: × PTVの最低線量を処方線量にするとD100%処方以上となり強過ぎる。
- d: × ITVはCTVに生理的な動きや位置変異を考慮した内的マージン(internal margin)を付与したもの。set-up marginを付与したものはPTV。
- e: 〇 ICRU基準点(reference point)とは処方線量100%が与えられる点。アイソセンター処方はアイソセンター点をその基準点とする処方のこと。
72,
正解:c
密封小線源永久挿入=前立腺シード。125I。
(そのほかにはAu198 頭頸部癌)
73,
正解:d
体幹部定位放射線治療の診療報酬算定要件は照射中心の固定精度が5mm以内(リニアックの幾何学的駆動誤差含む)。
ちなみに頭部の照射中心位置精度は1mm以内。
74,
正解:c
- a: 〇 前後左右4門照射
- b: 〇 前後左右4門照射
- c: × 部位によりますが電子線 or 4MV-X線による1門照射が多い。
- d: 〇 前後斜入4門照射
- e: 〇 前後左右4門照射
施設によっては膵癌や食道癌、子宮頚癌にはVMATも用いられている。
75,
正解:d
2022年時点で定位照射の保険適応は5cmまでの頭頚部、肺、肝、腎、前立腺、膵、脊椎、5個以内のoligometastasis。リンパ節転移例は適応にならない。
76,
正解:a
T3-4 or N1-2の直腸癌は術前CRTにより局所制御率が向上するエビデンスがある。生存率改善に関してははっきりしない。日本では直腸癌は側方リンパ節郭清が標準となっており局所再発リスクは低いという理由で術前照射は行われていない施設が多い。
b,c,e: リスクに合わせて術後照射が行われる。
77,
正解:a
胚腫は播種がなければ全脳室照射。
上衣腫は播種がなければ術後腫瘍床照射。
髄芽腫は術後全脳全脊髄照射。
78,
正解:e
上咽頭はリンパ流が豊富でN0症例でも全頚部照射が必要。喉頭、外耳道、上顎などはN0症例だと予防域はなしかあっても隣接した領域程度。
79,
正解:b, d
- a: ×
- b: 〇
- c: × LD-SCLCはT1-2N0なら手術、それ以上ならCRT
- d: 〇
- e: × 高い
80,
正解:e
NSCLCのⅢA期はT1-2N2, T3N1, T4N0-1
- a: × T3N2
- b: × T2N1
- c: × T4N2
- d: × T1aN3
- e: 〇 T3N1
81,
正解:e
- a: × 45-50.4Gy/25-28Fr
- b: × 4MV-X線(施設によっては6MeVも)
- c: × ハイリスク(内側区域腫瘍でリンパ節転移が多数等)時に患側内胸リンパ節を含める
- d: × 患側鎖骨上リンパ節を含める
- e: 〇 ハーフフィールド法は胸骨切痕レベルに単一アイソセンターを置き、上側は鎖骨上リンパ節への照射プラン、下側を胸壁照射プランでつなぐ。
82,
正解:c
- a: ×
- b: × 寡分割照射42.56Gy/16Frと通常分割50Gy/25FrでRCTが行われ治療成績と有害事象に差はないと結論された。
- c: 〇
- d: × 照射期間中は皮膚炎ケアとしてヒルドイドなど保湿剤を使用する。ただ治療直前に塗るとボーラス効果で皮膚炎増悪リスクとなる。
- e: × 照射終了後2週間程度でピークになる。
83,
正解:e
- a: 頻度不明だがeより少ないと思われる。局所進行食道癌ならCRT後穿孔リスクがあり食道穿孔→縦隔炎で起きなくもないか。
- b, c, d: よく見られる
- e: 食道癌治療は50-60Gyなので末梢神経障害リスクは低い。
84,
正解:e
- a: × 食道気管瘻を作ることもあるが禁忌ではない
- b: × 胸部中部が最多。頸部食道は2%程度
- c: × ステント挿入後の放射線治療は重篤な有害事象リスクが高く行われない
- d: × 腔内照射は早期食道癌への放射線単独療法時に局所線量増加の為に用いられていた。CRTが主流になり廃れた。
- e: 〇 手術可能症例はCRT後に局所再発した場合に救済治療が検討される。高線量照射後の手術は難易度が高く合併症率も高い為、60Gy照射よりも50.4Gy照射が行われる。ケモの量は60Gy照射より多い、いわゆるRTOGレジメン。
85,
正解:d, e
- a: × 根治治療
- b: × マイトマイシンと5-FUの併用が標準。ただマイトマイシンは2019年から供給停止され2022年8月時にはまだ供給再開されてない。
- c: × 54-59.4Gy/30-33Fr程度 肛門温存の為には60Gy程度までが推奨。
- d: 〇
- e: 〇 発生的に下部直腸癌として治療されていることが多い
86,
正解:b
問題中の選択肢を分けると
低リスクは外照射単独 or 密封小線源単独 or 監視療法
中リスクは外照射+短期ホルモン療法 (or 密封小線源+短期ホルモン療法)
高リスクは外照射+長期ホルモン療法
中高リスクへの密封小線源+ホルモン療法+外照射の併用は多施設で行われているが適切なホルモン療法の期間はコンセンサスがない。
87,
正解:d
- a: × 手術、RTどちらもほぼ必発
- b: × 手術→癒着、RT→晩期障害 RT後腸閉塞は5%程度で手術とどちらが多いかは疑問
- c: × RT後に多い
- d: 〇 神経因性膀胱は手術による神経障害で発生する。RTではほぼ起きない。
- e: △ 体感では明らかに〇でリンパ浮腫ガイドラインでも下肢の浮腫リスクはRT単独で10%、骨盤リンパ節郭清で30% 、骨盤リンパ節郭清+RTで50%との記載である。問題文が「根治的手術より根治的放射線治療で生じにくい」という記載である以上、字義通りに取れば正解選択肢になりそうだがdが明らかに正解な以上外さざるを得なかった。bと同じでどちらも起きうるという意味で×にしたいのかもしれないが受験者にeを選択した人がそれなりにいたようで素直に悪問だと思います。この問題こそ「最も頻度が低い」を選ばせるべきだと思いました。(同感です)
88,
正解:c, d
限局期のリンパ腫は放射線治療の介入が多い
濾胞性リンパ腫はGrade1,2はRT単独、Grade3は薬物療法後の地固めRT。
DLBCLやPTCLも薬物療法+放射線治療
選択肢のその他はRT単独。詳しくは治療計画ガイドラインを確認。
89,
正解:b
小児腫瘍の線量や照射法は覚えにくいが比較的出題される印象
90,
正解:c, d
その他良性疾患適応は翼状片、血管奇形、脾腫など
強皮症は禁忌
91,
正解:a
過去問通り。LD50は4Gy
92,
正解:a, d
「やさしくわかる放射線治療学」178ページ参照。
93,
正解:e
EQD2は寡分割照射を行う時に通常分割(2Gy/Fr)換算でどれくらいの線量かを表す数字でEQD2=nd[(d+α/β)/(2+α/β)]
で示される。nは分割回数、dは1回線量。これに選択肢の数字を代入すると
①=60, ②=37.5, ③=33.7, ④=30, ⑤=30
以上より①>②>③>④=⑤のeが正解。
治療科医以外はこんなもん覚えてられないので感覚で解く為には「α/βが小さい(前立腺など)=寡分割(1回線量を2Gyより大きくする)の効果が大きい」とだけ覚えておけば30Gy/10Fr同士でもα/β=2の方がα/β=6よりEQD2が大きいと導き出せる。2Gy換算なので1回2Gyの場合はα/βに関係なく処方線量=EQD2となる。
これがα/β=2、39Gy/13Frとα/β=6、30Gy/5Frの比較みたいなことになると上記公式の暗記が必要になる。このまま試験のインフレが続くとそうなる時が来るかもしれない。
94,
正解:d,e
LETは飛程の単位長さあたりに失うエネルギー。電荷の2乗に比例、エネルギーに反比例する。アルファ線、高速中性子、重荷電粒子などは高LET放射線と呼ばれる。直感的には自動車のブレーキの踏み込み強さのようなイメージです。
95,
正解:e
水の方が角速度は速い。
96,
正解:a, c
- a: 〇 シェルは色んなタイプの物があり頭頚部照射の際に患者固定に用いたりする
- b: × 光子線では体内に入射して最大線量となるまでビルドアップ領域が必要であり、皮膚病変などではピーク前に病変を通過してしまうことがある。ボーラスはその線量のピークを患部に持ってくる為に厚み調整で用いられる。
- c: 〇 放射線治療の品質管理として出力精度の管理がある。モニタ線量計は照射時のリアルタイムモニタリングとして出力管理に用いられる。
- d: × ウェッジは線量分布の平坦化に用いられる。照射野の整形にはリーフを用いる。
- e: × マルチリーフコリメーターは照射野の整形。
97,
正解:a, e
骨転移に使用する核種を選ぶ問題。
Sr-89はβ線放出、Ra-223はα線放出。
両方とも、内用療法前に骨シンチで病変が描出されていることを確認する必要があります。また、いずれも内臓転移には適応なし。
Ra-223は前立腺癌(去勢抵抗性前立腺癌)だけですが、Sr-89は前立腺癌だけでなく、肺癌や乳癌などの骨転移例でも適応になります。
骨親和性はいずれもカルシウムの同族元素(第2族元素)です。
ちなみに選択肢はすべて内用治療で使用する薬剤です(I-131は検査でも使いますが)。
Y-90は悪性リンパ腫の治療。
I-131は分化型甲状腺癌やバセドウ病に加え、褐色細胞腫やパラガングリオーマに対しての保険適応がおりました。Lu-177は神経内分泌腫瘍の治療も同様です。2021年保険承認なのでぼちぼち狙い目です。
98,
正解:e
aはアノード、カソード逆
eが正解
99,
正解:a?
電離放射線障害防止規則が2021改定ですね。過去問が異なる回答になる点、御留意ください。
- a→○?
3ヶ月、1年、5年の集計が必要 (電離則第9条関係)
選択肢は必要十分条件ではありませんが×ではないです。 - b→×これに関する記述を見つけられませんでした。線量限度の始期については、以下の記載がありますが、「1年間」は、実効線量の1年間の始期と同じ日を始期とする1年間「5年間」は、実効線量の5年間の始期と同じ日を始期とする5年間。(電離則第4条第1項の「5年間」とは、事業者が事業場ごとに定める日を始期とする5年間として差し支えないこと。同項の「1年間」とは、「5年間」の始期の日を始期とする1年間とすること。)必ずしも就職日ではないようです。
- c→×
限度に関する事項の中に、放射線障害を防止するための緊急時作業に係る線量の限度を適用する作業に従事した放射線診療従事者等(以下「緊急放射線診療従事者等」という。以下同じ。)の眼の水晶体に対する等価線量限度は300ミリシーベルトであること。とあります。 - d→×
http://jns.umin.ac.jp/jns_wp/wp-content/uploads/2020/10/suisyoutai_pnf_0807final.pdf医療スタッフの放射線安全に関わるガイドラインでは、従事者は、撮影室内の残る必要があるときは、メガネ着用してください、とのことです。義務ではなさそうです。 - e→× 超えた場合は5年管理へ移行し、5年間で100mSvを超えないように管理する。
100,
正解:a b
cは造影剤腎症の予防に有効です。
eについてはよくわかりませんでしたが、少なくともaとbは間違い無いでしょう。
101,
正解:b
診断参考レベルは放射線診療で通常用いられる標準線量を設定しそれぞれの医療機関で診断に用いる放射線量と比較し最適化に用いられる。各国で設定され数年ごとに改定される。
- a:×
- b:〇
- c:× 最適化
- d:× 国ごと
- e:× 個々の患者は体格も違えば目的も違うので均一化は困難である。あくまで医療機関の線量評価に用いられる。
102,
正解:e
正当化はやるかやらないか(検査適応があるかどうか)、最適化はどうやるか(できるだけ被ばく少なく)です。
- a.× やる→やらないに変更(CT適応なしと判断)しているので、正当化関連
- b, c. × 同様に正当化関連
- d.「防護の」最適化としては関係ない(線量は下がらない)
- e.○ ちょっと変わった選択肢ですが最適化でいいと思います。
103,
正解:e
消去法でも解ける。
104,
正解:b or d
PACS(Picture Archiving and Communication Systems)は、病院の放射線部門で利用される臨床情報システム。一次医用画像、二次医用画像を扱う。
- a,cは○。
- b→×?
検像とは、各種検査装置からDICOM画像を受信し、画像をサーバ(PACS)へ転送する前段階に、患者・検査属性情報、撮影部位、表示条件、画質等の確認を行う作業 とあり、PACSを利用して検像するわけではない点からすると誤りか? - d→× 画像圧縮方法には可逆圧縮と非可逆圧縮があり、前者は完全に復元できる圧縮、後者は元の画質に復元できない圧縮方式。読影などで、高レベルの解像度を要求されることが多いので、復元後の画像劣化の度合いも事前にチェックする必要があり、一元的に決定できるものではない。
- e→○ スキャナー、デジカメなど、汎用画像については、患者属性を付与してDICOM化すれば保管が可能と考えられます。
105,
正解:a? d?
厚労省Hpの医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを見ても明記されていませんでした。。。
※2022/9/19時点でのコメントとなります。
※雑多&長文すみません。
・問題番号が抜けている部分は現在解答作成中ということでよろしいでしょうか?(15, 19, 23, 39, 43, 47, 63, 67, 92)
・15番はeが正解と思います。「よくわかる脳MRI 改訂第4版」の275ページを参照すると(詳細は長文になるので割愛)、皮質静脈への逆流があると静脈性梗塞や出血の合併頻度が高まるようです。
・19番はcが正解と思います。「困ったときの胸部の画像診断」56、57ページによると、初感染は小児期で不顕性感染、免疫低下状態で再活性化して肺炎を起こします。分布は下葉優位、すりガラス影のほか、粒状・結節影が多いとされます。モザイクパターンはニューモシスチス肺炎の特徴であり、CMVとの鑑別点のようです。
・33番のbについて、「すぐわかる小児の画像診断 改訂第2版」21ページによると、「髄鞘化は一般に尾側から頭側、背側から腹側、中心部から辺縁部へと広がる。」だそうです。(2021年3番aにもほぼ同様の選択肢あり)
・40番について、「肝胆膵の画像診断―CT・MRIを中心に― 改訂第2版」339ページによると、a→肝は腫大。b→沈着部位が低吸収。c→正しい。d→脾、腎に次いで3番目に多い。e→初期にはT1WIで淡い高信号、沈着が高度になるとT1WIで低信号になるとのこと。
・43番は,c eが正解と考えます。
・45番について補足ですが、「知っておきたい泌尿器のCT・MRI 改訂第2版」20、21ページによると、腎腫瘤の検出に皮髄相では不十分との記載があります。
・62番の解答はeの誤字でしょうか。
・63番についてはa, bが正解と考えます。a→炎症で血流増加。b→いわゆる贅沢潅流。
参考: https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/5255
dについては、DWI高信号部(=病変部)は低潅流のようです。
参考: https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsdr2013/201311/533524.html
・67番はcが正解と考えます。24時間後撮影があるので。
・82番のcについて:複数の情報を当たりましたが、発症時期が3-6か月は若干遅い気がしますが、いかがでしょう?(他の選択肢との兼ね合いで〇とせざるを得ないのかもしれませんが) 「新胸部画像診断の勘ドコロ」316ページには「放射線照射終了後3か月以内に発症するものと定義され(以下略)」とあり、「困ったときの胸部の画像診断」234ページには、「治療終了後2-3か月、少なくとも6か月以内」とあります。
・92番はa, d が正解と考えます。「やさしくわかる放射線治療学」178ページ参照。
・103番eについて補足:管球側の方が散乱線による被ばくが大きくなります。
コメントありがとうございます。
抜けているところは作成中でした。
92は作成されていませんでしたので、いただいた正解を掲載させていただきました。
私は問題をまだ入手できていないので、入手できたらいただいたコメントと合わせて見させていただきます。
治療内容の解答作成したものです
>・82番のcについて:複数の情報を当たりましたが、発症時期が3-6か月は若干遅い気がしますが、いかがでしょう?(他の選択肢との兼ね合いで〇とせざるを得ないのかもしれませんが) 「新胸部画像診断の勘ドコロ」316ページには「放射線照射終了後3か月以内に発症するものと定義され(以下略)」とあり、「困ったときの胸部の画像診断」234ページには、「治療終了後2-3か月、少なくとも6か月以内」とあります。
乳房温存術後照射における放射線肺臓炎は治療計画ガイドラインでも亜急性期有害事象として分類されており亜急性期の定義上3-6か月の記述で問題ないと考えられます。「3か月以内に発症するものと定義」は原著文章を読んだわけではないですが正確ではないと思います。「がん・放射線療法 7版」でも引用されてるInt J Radiat Oncol Biol Phys. 2010 Mar 1; 76(3 Suppl): S70–S76.では”80%が10か月以内に起きる”と記載されています。
乳癌ではありませんが特にⅢ期肺癌のCRTではイミフィンジを併用するようになって6か月を超えて発症するRPは稀ではなくなってきていると思われます。
55番 c: 仮性動脈瘤は、動脈壁が脆弱なため瘤内塞栓は破裂の危険が高く、isolationを原則とする(IVRマニュアル第2版)、とのことです。NBCAが使用されることもあると思います。
cが正解でよいと思いますが、血管内治療の適応はあると思います。(b の選択肢にもあるとおり)
30番ですが、解答は(c)(d)ではないでしょうか?
・構築の乱れ→原則はC4
・マンモグラフィガイドライン(第3版増補版;参照が一つ古い版でスミマセン)では、境界明瞭な腫瘤について「カテゴリーは原則として3と判定されるが、乳腺実質の少ない乳房において腫瘤の濃度が高濃度であった場合には圧排性発育する悪性の可能性をより考えてカテゴリー4とする」とあり、問題文も「70歳代女性」とわざわざ記載があるのでカテゴリー4でも間違いではないと考えました。
過去の2020(25)選択肢(e)も「脂肪性乳房上の高濃度で境界明瞭平滑な腫瘤」はC4で正答と思われるので、一見細かいようですが、出題ポイントなのかなと思います。
2022年の94番ですが、bの陽子線も高LET放射線だと思うのですが、どうでしょうか。答えが3つあることになりますが。
連投失礼いたします。
2011年過去問や他の年でも陽子線は低LET線に分類されるとありますね。
失礼いたしました。
今年受験予定の者です。
104番ですが、デジタル画像の取り扱いに関するガイドライン3.0版で
「医用画像を圧縮する際に画質について十分な配慮を行っている場合にはJPEG 非可逆圧縮または他の方法でそれに相当する圧縮率で1/10 までは非圧縮画像と臨床上同等と考えられる。」とあり、dは圧縮しすぎのため誤りと思います。
画像情報の確定に関するガイドライン第2.1版の「7.2 運用ケース」 でモダリティ上で検像、検像専用のアプリケーションの使用、PACSの機能を用いた検像のいずれも提示されており、bは正解で良いと思います。
7番ですが、「頭頚部のCT・MRI 第3版」441ページより、頭蓋内進展を示す上咽頭がんの60%以上は2つ以上の経路を介して頭蓋内に達しているとされ、部位として卵円孔(おもに神経周囲進展)が最も多く、破裂孔(直接浸潤)、正円孔(おもに神経周囲進展)と続くとありますので、解答はcの卵円孔ではないでしょうか。
36はd,e
d中分化型肝細胞癌ではOATP1B3の発現により、肝細胞相で高信号になることがあります
試験直前でのコメントで恐縮ですが、102番はbが正解かと思います。
「 CT 検査による医療被ばくの低減に関する提言」の7ページ目に最適化と正当化についての記載があります。
“””
放射線防護体系における最適化は、合理的に達成可能な限り放射線被ばく線量を低くすることを指し、正当化される行為であっても最適化をはからなければならない。CT検査においては、撮影範囲、撮影回数、撮影条件といった検査方法により被ばく線量が大きく異なるため、適切な検査方法を選択する最適化の意義が大きい。
“””
CTのやるやらないは正当化されているが、その範囲を最適化するという意味と考えます。
よくあるシチュエーションは腹痛精査のCTで何となく胸部もオーダーされるなどな気はしますが…
47番はdが正解ではないかと思います。大腿骨頭置換術後ではartifactのため拡散強調画像が有用ではなく、その場合はT2強調だけでの診断になってしまうので、dynamic MRIの必要性が増してきます。