【更新情報】

2019年7月25日 11修正

 

基礎

1,

1.a

・原子量とは陽子数と中性子数の和と覚えておけばよい。

・β崩壊では中性子が陽子・電子・反ニュートリノ転換し、電子と反ニュートリノは原子核外に放出される現象。

・要するに中性子数と陽子数の和である原子量は変わらない。


 

2,

2.d

・問題文に書いてあるようにGy=J/kg、つまり単位質量あたりに与えるエネルギーであり、水の質量は関係ない。簡略化するために水1kgと考えてもよい。

・4.2Gyで水1kgに4.2Jつまり、1calの熱量が与えられる。1kgは1000gなので1gあたりは1/1000cal。つまり答えは1/1000℃。

・それだけ少ないエネルギーで効率よくDNAを破壊できる、ということを言いたいのだろうか。


 

3,

3.a,c

・ブラッグピークは陽子を含む荷電粒子、つまり陽子線、α線、そのほか重粒子線など。

・問題文は1つ選べになっているが出題ミス??


 

4,

 

4.b,d

・MRIの脂肪抑制法のうち、CHESS法は共鳴周波数差、STIR法は縦緩和時間差、opposed-phase,in-phaseは位相(phase)差を利用しています。


 

5,

5.b

・正確な数値を覚えていなくとも選択肢的にこれだろうと思われる。


6,

6. a

・ある程度までは高LET線ほどRBEは高い。ただしLETが高くなりすぎるとRBEは低下してくる現象(overkill)があることは覚えておく。


 

7,

7.b

・前立腺癌のα/βは1~3Gy。

・乳癌は4Gy程度。

・c,d,eは横並びで10Gy程度。


 

8,

8.d

・過去問通り。主要臓器の耐容線量は覚えておこう。


 

9,

9.d

・放射線による皮膚障害に対し生検を行うと潰瘍を作ってしまうことがある。


 

10,

10.b

・9日~8週 器官形成期。この時期に高線量被曝すると奇形の可能性あり。

・8週~25週 胎児期。この時期に高線量被曝すると精神発達遅滞の可能性あり。特に8週~15週でリスクが高い。

・8周~40週 胎児期。高線量被曝により発育遅延の可能性あり。


 

11,

11.a→c

・これを副作用といっていいのかわからないが・・・

レジデントセミナーの講義資料で、熱感は生理的反応と書かれています。
熱感は副作用ではないと思われ、正解はc.嘔吐ではないかと思います。
いまいちな問題な気もしますが・・・

らっちょ先生ありがとうございます!!!


 

12,

12.c

・患者の被曝量としては注腸のほうが大きいのですが、胎児の被曝量となると骨盤部CTのほうが大きくなるようです。


 

13,

13.d

・これはわかると思います。

・ちなみに中性子は荷電していないので原子核に直接衝突させることで運動エネルギーを奪う。その際相手が大きすぎるとただ跳ね返るだけなので、質量が同程度の水素原子が多い物質ほど中性子線のエネルギーを奪える。そのため安価でかつ水素原子を多く含む水やパラフィンが使用される。

(Wikiではピンポン玉とビリヤード玉でたとえてあり、わかりやすかった。)


 

14,

14.e

b,c× 電子カルテの保管期限は5年。医用画像は完結の日から3年。

dはよくわからないが、以下よりeを回答としてよいと考える。

電子保存の三原則

以下厚労省の「診療録等の電子媒体による保存について」より抜粋。

(1) 保存義務のある情報の真正性が確保されていること。

  • 故意または過失による虚偽入力、書換え、消去及び混同を防止すること。
  • 作成の責任の所在を明確にすること。

(2) 保存義務のある情報の見読性が確保されていること。

  • 情報の内容を必要に応じて肉眼で見読可能な状態に容易にできること。
  • 情報の内容を必要に応じて直ちに書面に表示できること。

(3) 保存義務のある情報の保存性が確保されていること。

  • 法令に定める保存期間内、復元可能な状態で保存すること。

15,

15.e

診断

16,

16, c

b×テント下はテント上と比較するとCTでは評価しにくい。

e×頭蓋内出血はt-PA禁忌。その他CTで広範な早期虚血性変化や正中偏位など、多数の禁忌項目がある。


 

17,

17.e

a,b○

c○ 通常の硬膜外血腫は縫合線を越えないが、静脈洞損傷だと越える。

d○ salt & pepper sign

e× 皮質骨と区別をつけるため少しウインドウ幅を広げるとよい。


 

18,

18.a

・皮質動脈はくも膜下腔を走っている。


 

19,

19.b

a× 松果体部50% 神経下垂体部30%

b○

c× 前頭葉

d× 鞍上部

e× モンロー孔近傍


 

20,

20.c

・成人は上衣腫。


 

21,

21.a

22,

22.c

 

23,

23.c

a○ b○ e○

c× 翼突管は、大及び深錐体神経が合した翼突管神経及び翼突管動脈が通る。

d○


 

24,

24.e

・甲状腺未分化癌はすべてT4

・甲状腺内に限局すればT4a、甲状腺の被膜を越え進展すればT4b


 

25,

25.b,d

・肋骨や顔面骨は簡単に折れそうだが、骨盤骨は大きな外力がなければ折れないのでは?とおもってaを選んだが、はたして。

この問題ですが、自然外力と違って虐待・人為的な外力による骨折に特異度が高い骨折としていくつか知られているようで、
正解は肋骨と骨幹端のb,dでよいのではないでしょうか。TDjr.先生

TDjr.先生ありがとうございます。


 

26,

26.c,e

a× 長距離選手に多い

b× 矢状断だとみにくく、冠状断で見やすい

c○

d× 外側

e○


 

27,

27.d

a× むしろ骨破壊

b× 関係ない

c× 椎間板変性や椎体・椎管関節の進行性破壊。また脊柱管内の靭帯や椎間板にアミロイド沈着や増殖性変化をきたし、脊柱管狭窄。

d○

e× 関節の腫脹より、関節周囲の軟部組織内結節が特徴的


 

28,

28.a,e

・偽痛風は軟骨石灰化症に症状をきたしたもの。

・軟骨に石灰化をきたす原因の一つとして副甲状腺機能亢進症がある。


 

29,

29.c

a× 骨幹端

b× 骨端

c○ 骨幹

d× 骨端

e× ガングリオンだから関節周囲


 

30,

30.d

軟骨無形成症(日本小児内分泌学会作成の軟骨無形成症診断基準より抜粋)

【症状】

  1. 近位肢節により強い四肢短縮型の著しい低身長
  2. 特徴的な顔貌(頭蓋が相対的に大きい、前額部の突出、鼻根部の陥凹、顔面正中部の低形成、下顎が相対的に突出)
  3. 三尖手(手指を広げた時に中指と環指の間が広がる指)

【検査所見】

  1. 四肢:管状骨は太く短い、長管骨の骨幹端は幅が広く不整で盃状変形(カッピング)、大腿骨頸部の短縮、大腿骨近位部の帯状透亮像、大腿骨遠位骨端は特徴的な逆V 字型、腓骨が脛骨より長い。
  2. 脊椎:腰椎椎弓根間距離の狭小化、腰椎椎体後方の陥凹。
  3. 骨盤:坐骨切痕の狭小化、腸骨翼は低形成で方形あるいは円形、臼蓋は水平、小骨盤腔はシャンパングラス様。
  4. 頭部:頭蓋底の短縮、顔面骨低形成。
  5. 手:三尖手、管状骨は太く短い。

31,

31.b

過去問にも同様の問題あり。


 

32,

32.a,e

a○ 上

b× 下

c× どちらかというと下

d× 下

e○ 上


33,

33.d,e

b× びまん性

c× 中枢優位なことが多い

d○ 末梢優位

e○ 末梢優位


 

34,

34.c

a× T1aは2cm以下

b× T2は7cm以下

c○

d× 対側肺転移はM1a

e× 悪性心嚢水はM1a(M1bは遠隔転移)

2018/02/14追記

日本肺癌学会編「臨床・病理 肺癌取扱い規約 2017年1月(第8版)」(金原出版)によると、

T1a:充実成分の大きさが1cm以下で、TisやT1miには相当しない→aは正解ということになる。

T2:充実成分の大きさが3cmを超え5cm以下 または、充実成分の大きさが3cm以下でも以下のいずれかであるもの

・主気管支に及ぶが気管分岐部には及ばない
・臓側胸膜に浸潤がある
・肺門まで連続する部分的または片側全体の無気肺か閉塞性肺炎がある
→bが正解になる可能性があります。
T3:充実成分の大きさが5cmを超え7cm以下
または、充実成分の大きさが5cm以下でも以下のいずれかであるもの

・臓側胸膜、胸壁、横隔神経、心膜のいずれかに直接浸潤がある
同一の肺葉内で離れたところに腫瘍がある
→cが正解。
対側肺転移はT分類には記載がない。
→dは誤り。
悪性心囊水は M1aなので正しい。
M1bは肺以外の一臓器への単発遠隔転移があるので、「M1bは遠隔転移」が正しいともいえますが、M1cも遠隔転移ですので、厳密には正しくないですね。
まとめると、正しいのはa,b,c,(e)ということになります。

 

35,

35.e

NTM好発部位は右肺中葉、左肺舌区

S1,2,6は結核の好発部位


 

36,

36.e

過去問通り


37,

37.a,b

AIDS患者のPCPに特徴的な所見として、すりガラス影に加え上葉優位の多発空洞影を呈することがある。気胸の原因ともなりうる。治療により空洞は改善することが多い。


38,

38.b,e

a× 蜂窩肺を呈さないのが特徴

b○ 陰影が改善したり別の部位で増悪したり、あたかも遊走しているかのような所見。移動性陰影(遊走肺炎:wandering pneumonia)。

c× reversed halo signが特徴的だが頻度としては20%。また他の疾患でもreversed haloは呈しうる。

d× 気管支血管束沿いもしくは胸膜下優位

e○


 

39,

39.a,d

a○ 左が9割(右は肝臓に守られている)

b× 左鎖骨下動脈分岐部直下の下行大動脈

c× 長期間残存することも

d○

e× 受傷直後~数時間以内に生じる


40,

40.a→c

he breastbonethe sternum

胸骨に最も近接しているのは右心室ですね。

なか先生御指摘ありがとうございました。


 

41,

41.c

胸部単純CTでもしばしば心筋の脂肪変性は確認できる。

陳旧性心筋梗塞のほか不整脈源性右室心筋症でも心筋脂肪変性を認めることがある。


42,

42.b

a× 有茎性が多い

b○

c× 心尖部

e× 冠動脈起始部および左主冠動脈分岐部


43,

43.b

Leriche症候群は腎動脈分岐部より遠位の腹部大動脈から総腸骨動脈分岐部周辺までに限局した慢性的な大動脈閉塞症。


 

44,

44.a,c

a○

b× 肥厚

c○

d× 嚢状が9割以上

e× 腎動脈中央部~遠位


45,

45.a,d

a○ 腹部超音波では様々な角度でプローブを充てるが、乳房超音波では皮膚に垂直に当てるようにする。

b× 7.5~10MHz

d○


46,

46.b,c

a× 腹臥位

b○

c○

d× 両側乳房


47,

47.e

a× 術後等でありそれで説明可:2、 構築の乱れ疑い:3、 明らかな構築の乱れ:4

b× 濃度や内部性状にもよるが4以下。

c× 淡く不明瞭な石灰化の集簇は3。淡く不明瞭な石灰化が区域性に分布していれば4。

d× 3もしくは4

e○ 微細線状・分枝状は5。


48,

48.a

49,

49.e

・生後の時間経過とガス像の関係。

→1時間で小腸、3時間で盲腸、11時間でS状結腸。

・小児では後腹膜腔の脂肪が少なく、腸腰筋影は必ずしも認められるわけではない。

・上顎洞は 7 歳頃より発達する。なので両側上顎洞は含気不良となる。

・大泉門閉鎖には生後 1 年半ないし 2 年かかる。

※小泉門は2−3ヶ月。


50,

50. c,d

先天性横隔膜ヘルニア

a:患側は左側例が約90%を占め、右側例は10%程度である。

b:健側に偏位する

c:○

d:○

e:×肝脱出例は重症例が多い


51,

51, a,b

VATSマーカー留置の合併症

CTガイド下にて施行する。

a:○

b:○

c:肋間動脈や内胸動脈の損傷の回避は可能と考えられる。

d:起こりうるが頻度が高いとは言えない

e: 起こりうるが頻度が高いとは言えない。


52,

52. c,e

原発性アルドステロン症における副腎静脈サンプリング

a:原発性アルドステロン症の確定診断後の治療方針

ガイドラインを参照すると手術を検討した後に副腎静脈採血となっている。手術を希望しない場合は薬物療法を行う。

b:×

c: 【副腎静脈採血の目的】原発性アルドステロン症症例でのアルドステロン過剰分泌部位が両側副腎か片側副腎か、そして片側である場合右副腎か左副腎かを決定し、手術治療の適応を決定する。であるから○

d:×ACTHを静注後一定時間後に両側副腎静脈からの採血を行う

e:○アルドステロン/コルチゾル(A/C)左右比を主体にアルドステロンの絶対値も考慮に入れて診断する。


53,

53. c,d,e

a:×総胆管は門脈の右腹側を走行する

b:×総肝動脈は胆管の内側を走行する

c:○肝十二指腸靭帯(間膜)の背側に網嚢の入り口である網嚢孔が位置する。

d:○Calot三角は肝臓下面、総肝管、胆嚢管からなり、この中を胆嚢動脈が通っている。

e:○


54,

54. c→d

a:経口、注腸で血流に入らず腎不全時でも使用可能と考えられる。ガストログラフィンの添付文書を参照しても腎不全に関して記述なし。

b:禁忌

c: ガドキセト酸ナトリウム60%は腎臓に排泄されるが、40%は各種トランスポーターにより肝細胞に取り込まれ、胆汁として(胆道系に)排泄される。60%を大部分とすると正解である。

d:I 原子番号53 原子番号が高いとは必ずしもいえない

2018/03/04更新

cの大部分という表現は、ニュアンスの問題になりますが、ほとんどが腎より排泄されるということのように思います。
またヨードの原子番号が高くないとのことですが、これは不正確です。体に存在する原子の原子番号(C,O,N,H,Caはいずれも20以下)と比較しては高く、X線透過性は密度と原子番号に比例します。甲状腺が高吸収に映るのもそれが理由です。
私はdが正解ではないかと思います。

ksk先生ありがとうございます!

いつも参考にさせて頂いております。
2015年54番のdの選択肢ですが、増強効果はMRIの信号に対する用語、造影効果はCTの用語、という問題にも思いますが如何でしょうか。
他にも曖昧な選択肢があるので、何とも言えませんが。

わた先生ありがとうございます!

e:ボースデル 消化管陰性造影剤 胆汁中には排泄されない

 


55,

55. a,b

a:○RCP-MRI用経口造影剤 ボースデル® 消化管陰性造影剤

b:○MRI-網内系造影剤 superparamagnetic iron oxide (SPIO) SPIO粒子は血中のopsoninと結合して、投与量の約80%が肝網内系Kupffer

細胞に貪食される。Kupffer細胞内ではSPIOはlysosome顆粒に集積してclusterを形成し、大きいclusterは局所磁場を擾乱してT2*を短縮し、肝の信号強度を低下させる。また小さいclusterは水分子のmagnetic centerへの接近を容易とし、T1およびT2を短縮する。陰性造影剤。

c:×消化管造影-バリウム 陽性造影剤。

d:×イクロバブル造影剤:Levovist®とSonazoid®:音波造影剤の微小気泡は超音波が照射されると共振・崩壊など変化し、そのことで造効果が生じる。陽性造影剤。

e:×肝ダイナミック造影CT-ヨード造影剤 陽性造影剤。


56,

56, c,d

肝限局性結節性過形成

a:×定義上、非肝硬変に発生するとされる。

b:×通常被膜は持たない。

c:○

d:○

e:×Gd-EOB-DTPA造影MRI肝細胞造影相では中心瘢痕を除いて取り込みを認める。


57,

57. a,e

漿液性嚢胞腫瘍

a:○通常主膵管と交通しない。

b:×卵巣様間質をもつのはMCNである。

c:×中心部に石灰化がある。卵殻ではない。MCNでは被膜に石灰化がある。

d:×良性病変である。

e:○中心部に石灰化、星芒状瘢痕を認める。


 

58,

58. a

ブスコパン(抗コリン薬)の禁忌

a:○気管支喘息に対して抗コリン薬は治療薬ですらある。禁忌ではない。

bからeはすべて禁忌


 

59,

59. c

答えc:肺水腫を来す可能性があり、食道気管瘻症例に対しガストログラフィン®による造影検査を行うべきでない。


 

60,

60. e

単純CTで検出しにくい消化管異物

d:画像診断では29例中28例にCT が施行され, そのうち22例(78.5%)で種子は高吸収の異物像としてとらえられている。(柿の種子による腸閉塞の1例

e:ptpシートは素材によってはほとんどうつらないものもある。


61,

61. c,e

高血圧を来す副腎疾患

a:×腺腫は皮質由来である。

b:×両側性である。

c:○

d:×腺腫はダイナミックCTでの良好なwashoutを認める。一方で癌は腺腫と比べてwashoutが弱い。

e:○原発性アルドステロン症の原因疾患で最も多いのはアルドステロン産生腺腫であり、同疾患の75%を占める。アルドステロン産生腺腫の半数近くが数㎜のマイクロアデノーマであるとされる。


62,

62. a?→e

わかりません 検討します。

なか先生より

62なんですが、aが解答かと思いました。

腎盂尿管移行部狭窄は結合組織の異常など、様々な原因で起こりえますが、特に異常血管により狭窄を生じる事が有るので、deは重要と考えられます。

また、狭窄が有れば必然的に水腎症が生じるのでその評価が必要です。水腎症のグレードは腎盂拡張の程度(従って腎杯拡張の程度)と腎実質の厚さで決まるのでこの二つを見る必要が出てきます。

つまり原因を調べるためにde、重症度を調べる為にbcを見るという事です。

あと、どんな検査手法を使っても非常に薄い尿管壁の厚さを調べるのは容易ではない様に思います。尿管径なら測定出来ますが。

2018/07/03追記

ラミア先生より

62ですが、eが正解ではないかと思います。
a:尿管壁は炎症、腫瘍で間違いなく関係があり、dはFraley syndromeを意識してかと思います。eの静脈は他と比較して重要度は低く、dの動脈に関連して出題したのではないかと推察します。

a,尿管壁は炎症、腫瘍で間違いなく関係があり→確かにそうですね。

Fraley syndrome

  • 腎洞内で分枝している動脈によって上腎杯茎部が異常に圧迫され、疼痛が出現するもの。
  • とくに立位で、症状は強くなり水腎症となる。上腎杯峡部閉塞と同義。
  • 頻度はまれ。

参考文献)
必修 小児の画像診断 P173
臨床腎臓核医学 P131

ということで、答えはeが最有力です。

 


63,

63. e

嚢胞性腎腫瘤

Bosniak分類

[ カテゴリー 1]単純性腎嚢胞。→ふつう、特に問題ない。

[ カテゴリー 2 ]薄い隔壁、壁の石灰化、内部 high density などの所見がある嚢胞。

→わずかに非定型的だが、良性の嚢胞で、経過観察で良い。

[ カテゴリー 3 ]厚く不整な隔壁、粗大な石灰化などの所見がある嚢胞。多房性腎嚢胞、出血性嚢胞など。

→悪性を否定できず、禁忌が無ければ外科的なアプローチが必要。

[ カテゴリー 4 ]嚢胞成分を有する充実性腫瘍で、嚢胞部分の辺縁は不整で厚く、充実部分が造影される。

→明かな悪性所見。

答えe:bosniak分類のカテゴリー4に相当すると考えられる。


64,

64. b.d

前立腺癌精嚢浸潤

a:×

b

c:×腫瘍細胞が密な状態で水分子のブラウン運動が近いとは考えにくい。

d:○

e:×異常なしと考えられる。


65,

65. d

精巣セミノーマ

a:×好発年齢は 20~50歳

b:×hCGは産生されるものの、著明高値ではない。胎児性癌や絨毛上皮腫にて上昇しやすい。

c:×

d:○精上皮腫の約30%に停留睾丸と関連を有しているとされる

e:×非精上皮腫性胚細胞腫は精上皮腫と比べて転移の頻度が高く予後が悪い。


66,

66. e→a

a:①deferent ducts精管→CZ中心域

b:②anteriorfibromusclarstroma前線維筋間質

c:③TZ移行域

d:④PZ辺縁域

e:⑤CZ中心域→辺縁域に発生している前立腺癌。

krr先生ありがとうございました。


67,

67. a,c

分泌期の子宮構造のうちT2強調像で高信号を呈するのは

a:○頸管上皮

b:×頸部間質

c:○子宮内膜

d:×体部筋層

e:×Junctional zone


68,

68. b,c

a:×子宮腺筋症は境界不明瞭

b:○子宮筋腫赤色変性-子宮筋層内にリング状低信号を伴う腫瘤

c:○絨毛癌-ダイナミック造影像(動脈優位相)で子宮内腔から筋層に強い造影効果を呈する腫瘤

d:×卵巣線維腫は線維成分に富む腫瘍でdynamic contrast studyではdelayed phaseで淡い増強効果を示す。

e:×卵巣成熟嚢胞性奇形腫-脂肪を含み、T1WIでは高信号を呈する。


69,

69. c.e

成熟期女性のダグラス窩に嚢胞性腫瘤が存在する時、内膜症性嚢胞を積極的に考える画像所見

a:×出血するが、新鮮出血でなく高吸収値は呈さない。むしろHDAは卵巣出血を疑う。

b:×多房性嚢胞性腫瘤の形態を呈することがダグラス窩内膜症性嚢胞を積極的に疑う根拠にはならない。

c:○T1強調像で直腸前壁との間に索状のひきつれを伴う。線維性瘢痕

d: よくわかりません。

e:○T1強調像で嚢胞ないは皮下脂肪よりやや低い程度の高信号を呈する。


70,

70. d

答えd:腎血管筋脂肪腫の石灰化はまれ。


 

核医学

71,

71.b

・81mKrや99mTcといった半減期の短い核種は病院におかれているジェネレーターで生成される。ちなみに他の選択肢のものはすべてサイクロトロン。

・半減期半日~数日のものはサイクロトロン。一週間弱かそれ以上のものは原子炉。となんとなく覚えておけばよいのでは。


72,

72.c

・フチン酸シンチは肝コロイドシンチ


73,

73.e

・e× 18.5 MBq

131Iは核分裂生成物のうち放射能汚染の原因となる主要三核種のひとつ。

131Iはβ崩壊し準安定状態のキセノンになり、直ちにγ崩壊し安定状態のキセノンになる。

・β崩壊なので本来なら治療目的で使用されるが、この第二段階目の崩壊で生じるγ線をとらえることで、画像化も可能(体内で発生しているβ線は体外からは検出できない)。ただし診断用として使用する場合は少量のみの使用とする。

・なお、治療用として使用する場合は数百MBq~数GBqの投与となり、eの選択肢の値がかなり高いとわかる。

・おそらくこの問題はそれぞれの投与量・数値を覚えておけよという問題ではく、上記のような131Iの特徴を覚えておいてほしいという問題ではないかと思われる。


74,

74.d

99mTcの物理的半減期は6.015時間で、結合している分子などに影響されない。つまり生物学的半減期が短いものを選べということ。

正確な数値を覚える必要はないと思われる。MAG3は腎動態シンチであり、速やかに尿中に排泄される。生物学的半減期は数十分。


75,

75.d

頻出問題。

a,b,c 脳血流

e 中枢性ベンゾジアゼピン受容体(BZR)に高い親和性で結合する。てんかん焦点診断。


76,

76.b,c

a× 特異的では無い。

b○ 大動脈炎症候群では通常、換気・血流ミスマッチを示す。

c○

d× ?

e× 禁忌ではない


 

77,

77.a

a○

b× 心筋血流

c× 糖代謝

d× 急性心筋梗塞における梗塞部位の描出

e× MIBIのこと。心筋血流。


78,

78.a,b?→a,c

a○ 中でも冠攣縮性狭心症の診断に有効(class Ⅰ、エビデンスレベルB)。

b× 肥大型心筋症では、高率に脂肪酸代謝異常をきたす(参考:わかりやすい核医学P78)。

c○ BMIPPによる透析心の心筋虚血評価(class Ⅱb、エビデンスレベルC)

d× PYPが有用

e×   FDG-PET、ガリウムシンチが有用。

  • 123I-BMIPPは心筋脂肪酸代謝シンチ。
  • DCM(拡張型心筋症)とICM(虚血性心筋症)の鑑別の際、、Tl / BMIPP 2核種同時心筋シンチグラフィを施行すると、ICMでは一般にBMIPPで局所集積低下を認め、Tlとミスマッチを認めることが多いが、DCMではミスマッチは少ない。

参考:

http://www.nmp.co.jp/member/kakuigaku/inspect/04_1.html (123I-BMIPPについて)

http://www.nmp.co.jp/member/heartpm/decision/myocardial_infarction.html (この問題の選択肢を含む複数の心筋疾患の具体的な症例・検査について掲載されている)(外部サイト:日本メジフィジックス)

2017/7/7 修正。NERU先生ありがとうございます。


79,

79.b→a ? c? b?

 

a 腎不全

腎不全の場合、患者の被曝量が増加する。参考)クリアボーン®注・キットFAQ

シンチグラムの質には肥満や老年、腎機能障害が影響する可能性があるので注意を要する。
血液透析患者では大関節周囲の骨や頭蓋骨・肋軟骨等の集積増加を示す事がある。(99mTc-MDPの添付文書)

b 骨シンチは障害された心筋やアミロイドーシス、石灰化などにも集積すると報告あり。参考)クリアボーン®注・キットFAQ

c 造影MRI

MRI造影剤による影響を受けるか否かについて一定の見解は得られておりません。参考)クリアボーン®注・キットFAQ とある。

しかし、わかりやすい核医学P132には、検査直前には、骨への集積が不良となる

  • MRI造影剤(Gd-DTPA)
  • ビスホスフォネート注射剤

投与は避ける。と記載あり。

さらに、第11回核医学専門医試験37の解答からも、造影MRIを選ばせようとしている可能性あり。

2017/7/7 追記。NERU先生ありがとうございます。


80,

80.b,c

検索するとpandaな画像が出てくる。

a,肺血流シンチで肺梗塞を否定する所見。

b,肺塞栓症のX線所見


81,

81.e

99mTc-pertechnetate (過テクネチウム酸酸)= 99mTc O4

脳・甲状腺・唾液腺・異所性胃粘膜(メッケルシンチ)に集積する。


 

82,

 

82.c,d

こちらも頻出問題。


 

83,

83.b

高血糖時は腫瘍への集積が低下する。


84,

84.b

これに加え、131I。89Srいずれもβ崩壊。頻出問題。

131Iの半減期は8.04日、90Yの半減期は64.1時間


85,

85. a→d

・c: × 甲状腺術後に行う。

85 甲状腺癌の外来131I アブレーションについて~

この問題についてですが、「外来アブレーション」とあるので
①遠隔転移のない、②甲状腺全摘術後の残存甲状腺組織破壊を目的としたRI治療になります。
したがって、正解はdだと思いますがいかがでしょうか。

各選択肢の内容については以下のようになると思います。

a 上記のため適応外(遠隔転移は大量治療の適応)
b 上記のため適応外(遠隔転移は大量治療の適応)
c 全摘術(最低でも準全摘)後が対象となる
d 正解。甲状腺ホルモン薬の休薬が不要となるため低下状態に陥る危険性がありません
e 外来では1110MBq(30mCi)までの投与が認められています

nori先生ありがとうございます。


治療

86,

86の解答:d

大雑把にGTV=目で見える腫瘍、CTV=微小浸潤も含めた標的、ITV=呼吸などの体内移動マージン(IM)を考慮した標的、PTV=誤差に対するマージン(SM)を考慮した標的、PRV=放射線を当てたくない正常臓器(リスク臓器)に対してIMやSMなどのマージンを付けたもの。

この中ではd.のGTVが正解です。例えば皮膚癌などに対する電子線治療の場合などは視診で決めることもできます。


87,

87の解答:b,c

直列臓器はその一部が不可逆的に障害されることで臓器としての機能を失うもの。並列臓器はその一部が不可逆的に障害されても他の部分が代償することができるもの。その臓器の一部を切り取っても大丈夫かどうか考えてみるとイメージしやすいかもしれません。直列臓器の例として脊髄、消化管、気管など。並列臓器の例としては肺、肝臓、腎臓など。


 

88,

88の解答:b,c

89,

89の解答:d

頭頸部は強度変調放射線治療(IMRT)が特に威力を発揮する部位の1つです。当てたいところに高線量を投与し、当てたくないところの線量は抑えることができます。

a:⚪︎ IMRTなら唾液腺の線量を抑えることができます。

b:⚪︎ 喉頭機能温存が可能です。

c:⚪︎ 浸潤の程度や方向にもよりますが、特にIMRTを使うことで眼球、視神経などの線量を抑えることができます。

d:× 子宮頸癌の放射線治療は卵巣を含む骨盤領域に体外照射で50 Gy程度を投与するため、卵巣機能の廃絶は避け得ません。卵巣吊り上げ手術を先行するなど、全く不可能ではありませんが一般的には他の手術のときについでに吊り上げるという感じなので、根治的放射線治療が選択されるような状況には当てはまらないでしょう。

e:⚪︎ 肛門温存が可能です。


90,

90の解答:c

a:⚪︎ 全脳照射の適応です。

b:⚪︎ 3〜4 cmを超えると定位放射線治療よりも手術が選択されるようです。

c:× 悪性リンパ腫でない限り、全脳照射に眼球後半部を含める必要はありません。

d:⚪ ︎全脳照射でよく選択される線量分割の1つです。

e:⚪︎ 3 cm以下、3個までがよい適応です。


 

91,

91の解答:d

メトトレキセートの後に放射線治療ということで同時併用でないことに注意しましょう。


92,

92の解答:e

鼻腔NK/T細胞リンパ腫は東アジアの悪性リンパ腫の3〜10%を占めている一方で欧米では稀な腫瘍です。DeVIC(デキサメタゾン、エトポシド、イホスファミド、カルボプラチン)と放射線の同時併用で治療します。


93,

93の解答:e

a:⚪︎ II期以降はシスプラチンを同時併用します。

b:⚪︎ シスプラチンや5−FU。超選択的動注療法では顎動脈からの高用量シスプラチン投与が多いです。

c:⚪︎ III期以降ではシスプラチンを同時併用します。

d:⚪︎ III期以降ではシスプラチンを同時併用します。

e:× 化学放射線療法は行われません。なかなか効果のある抗癌剤がないのが現状のようです。


 

94,

94の解答:e

a〜dが最頻だと非常に困りますね。


95,

95の解答:a,e

a:⚪︎ 標準的な線量分割の1つです。

b:× 脳転移に対する全脳照射では30 Gy/10回などです。

c:× 肺癌に対してはGTV周辺には60 Gyほど投与しないと腫瘍を制御できません。50 Gyは予防照射領域への線量です。ちなみにこの線量分割は子宮頸癌に対する体外照射の線量分割です。

d:× 加速過分割であれば45 Gy/30回/3週です。総線量60 Gyは通常分割(1日1回2 Gy)の場合です。

e:⚪︎ 標準的な線量分割の1つです。


 

96,

96の解答:b

97,

97の解答:c

乳房温存療法における放射線治療の照射範囲は全乳房(片側のですよ)がまずは基本です。そして腋窩リンパ節転移が4個以上あった場合に同側鎖骨上窩リンパ節領域を加えるのがバリエーションです。


98,

98の解答:a,d

a:⚪ 頭頸部癌との重複が多いです。︎

b:× 好発部位は胸部中部食道(約50%)、次が胸部下部食道です。

c:× 日本では90%以上が扁平上皮癌です。欧米では腺癌が50%以上。

d:⚪︎ 食道は左主気管支の後方を通っているので、当然ですね。

e:× 壁進達度が粘膜固有層までであればリンパ節転移の可能性は5%以下です。


 

99,

 99の解答:e

a:× 放射線治療中の休止期間は治療効果を悪くするため極力避けます。

b:× 放射線単独の場合では腔内照射の併用はT1-2 症例の比較的早期の食道癌に有効とのわが国のランダム化比較試験がありますが、化学放射線療法に腔内照射の追加を推奨する根拠はありません。子宮頸癌の場合は腔内照射の追加が推奨されます。

c:× シスプラチンと5−FUの同時併用が標準治療です。

d:× 放射線治療中に線量分布に影響するものを照射範囲内に留置(あるいは逆に除去)することは基本的に望ましくありません。また、放射線治療と食道ステントの併用による重篤な副作用の報告もあり、慎重に検討する必要があります。

e:⚪︎ 標準的な総線量は欧米では50.4 Gy、日本では60 Gy程度となっています。


 

100,

100の解答:e (or d?)

除菌治療無効、あるいはピロリ菌陰性の胃MALTリンパ腫に対しては放射線治療が選択されます。30 Gy/20回(つまり1回1.5 Gy)程度で胃と胃周囲リンパ節に照射します。5年全生存率は報告によってばらつきがあり、早期症例で75〜95 %ほどです。問題はI期とあるので、どちらかというとeになるのでしょうか。


101,

101の解答:c

定位手術的照射(SRS)は定位放射線治療のうち、1回照射で行うもので脳の良性・悪性腫瘍や脳動静脈奇形、三叉神経痛が主な適応です。


 

102,

102の解答:c

a:⚪︎ 扁平上皮癌に比べ腺癌の治療成績は劣ります。

b:⚪︎ 最大径が4~5 cmを超えるものは治療成績が悪化します。

c:× 影響するというエビデンスはありません。

d:⚪︎ 骨盤リンパ節転移を有する症例で治療成績が悪化します。

e:⚪︎ ヘモグロビン(Hb)低下例では治療成績が悪化します(報告によって治療前Hbであったり、治療前は有意ではなくて治療期間中Hbが有意となっていたりと差はあります)。ただし、輸血の意義は明らかではありません。


 

103,

 103の解答:c

a:⚪︎ 照射による鎮痛効果は治療開始後2週間頃から出始めること、また疼痛の完全消失に至らないことも50%程度あるので鎮痛剤の併用が必要です。効果を見ながら適宜減量していきます。

b:⚪︎

c:× 基本的に脊椎転移に対しては後方1門か前後対向2門で照射しますが、上位頚椎の場合は口腔粘膜炎を避けるため、左右対向2門照射が選択されます。

d:⚪︎

e:⚪︎


 

104,

104の解答:b,e

a:×︎ 二次癌のリスクは低いながらも一生涯に渡るため、モニタリングも一生涯継続することが推奨されます。

b:⚪

c:× 陽子線は線量集中性が良い=余計なところに余分な線量を投与せずに済むため、二次癌のリスクはX線より下げられます。

d:×︎ 小児癌に当たっては根治のために徹底的に集学治療を行うようです。白血球数500 /ul前後、あるいは未満の患児もザラな上、自家造血幹細胞移植を予め準備しておいて超大量化学療法や放射線治療に臨むこともあるそうです。

e:⚪︎ 小児の脊椎椎体の一部だけを照射すると照射部位だけが成長障害を起こし、側弯などの歪な成長に至ってしまいます。よって止むを得ず脊椎に照射する場合は全体を照射することで均一に成長するようにします。


105,

105の解答:c

a:×︎ 放射線脊髄症は1〜4年の潜伏期の後に出現します。逆に1、2ヶ月と早期に出る脊髄(頸髄、胸髄)の有害事象はLhermitte徴候(頸を前屈させると生じる背部から下肢にかけて電撃痛)です。

b:× 脊髄の耐容線量は50 Gy前後でしたね。

c:⚪︎ 脊髄のTD5/5(5年間で5%に副作用を起こす線量)は照射された脊髄の長さが5 cmまでなら50〜55 Gy、10 cmまでなら50 Gy、20 cmなら47 Gyとされています。逆に言うと同じ線量でも照射された長さによって副作用の発症率が変わるということですね。

d:△? 数ヶ月〜数年の期間をおいての再照射の場合は耐容線量が50 Gy以上になるという動物実験結果や、それを裏付けるような臨床の報告もあるようですが、本問の「休止期間」というのがどの程度を想定しているのかが微妙なところです。今回はcが正しいので、こちらは誤りと判断すべきなのでしょうか。

e:×︎ 脊髄のα/β比は2〜3 Gyと比較的低く、線量分割効果を受けます。つまり、総線量が同じなら1回線量を減らして分割回数を増やしたほうが有害事象の発症率は低くなるということです。