2021年に実際に専門医試験を受けられて合格されたペンネーム
- パグ先生
- John先生
- ほんちゃん先生
- 浅葱先生
- しろ先生
- あた先生
- しろ丸先生
の先生方+ひよっこ先生(診断専門医)に解答作成を手伝っていただきました。ありがとうございました。
解答ここはこうじゃないかなどございましたら、一番下のコメント欄に記載いただければ幸いです。
1.
正解:d
上眼窩裂は蝶形骨大翼と小翼の間の裂隙で、動眼神経(Ⅲ)・滑車神経(Ⅳ)・外転神経(Ⅵ)・眼神経(Ⅴ1)および上眼静脈が通る。このため周辺の腫瘍ではこれらの脳神経症状をきたすことがある。
上顎神経(V2)は正円孔、下顎神経(V3)は卵円孔を通る。
2.
正解:a
脂肪腫は高信号にならない
類表皮嚢腫、悪性リンパ腫、急性期脳梗塞はDWI高信号域を示す
急性期脳出血も不均一にDWI高信号を示す。
3.
正解:e
髄鞘化が進行すると白質の水分が減少する。
→T2強調像で低信号化、T1強調像で高信号化する。
- ×a. 髄鞘化の進行の時期は部位によって異なり、頭側か尾側かは関係ない。
- ×b. 内包後脚、視放線、皮質脊髄路などは早期から髄鞘化がみられる。
- ×c. 大脳白質は低信号化する。
- ×d. T2強調像では2~2歳半、T1強調像では7~8か月で成人型になるが、その後も髄鞘化は継続する。
- 〇e. 内包後脚は生下時には髄鞘化している。
4.
正解:b,e
a,c,dはMSの特徴として有名です。
<NMOを示唆する所見について>
脳病変:視床下部、延髄背側などの「水周り」の病変、視交叉の両側性病変など。
脊髄病変:横断像で髄内中心性、3椎体以上、bright spotty lesionsなど。
5.
正解:a、e
皮質結節と上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)は結節性硬化症に特徴的
6.
正解:c
聴神経鞘腫は、石灰化は通常示さない。
<参考>
https://radiopaedia.org/articles/vestibular-schwannoma?lang=us
7.
正解:a
くも膜下出血や髄膜炎などで脳脊髄液のT1値が短縮するとFLAIRでくも膜下腔の信号上昇が認められます。MRIではその他、異常所見に乏しいことも多くて困るのですが、、、普通の造影MRIをオーダーすると造影T1WIだけ撮られて終了してしまうこともあるので、髄膜炎疑いでは造影FLAIRも撮るように働きかけられると、一歩上の放射線科医になれるはず!(笑)
8.
正解:b、e?
- a:東アジア人に多い
- b:正しい
- c:リンパ節壊死は示すが、「画像上リンパ節の壊死傾向が強い」かは疑問
- d:有痛性のリンパ節腫大
- e:FDG-PETは集積するので正しい
9.
正解:c
Skene腺嚢胞―遠位尿道に隣接して位置するスキーン腺(尿道周囲腺または傍尿道腺)の閉塞により生じる。嚢胞に炎症が生じると、尿路感染や膿瘍につながることがある。
10.
正解:b,c→cが○でa, d, eが×でbが正解と判断しました。
- a:骨化性筋炎(中間期)の骨化は辺縁部に強く、リング状を呈する(ゾーン現象)。
- b:血管腫の石灰化は円形やリング状の石灰化(静脈石)が多い?
- c:石灰沈着性頸長筋腱炎では環軸椎腹側の頸長筋付着部近傍に石灰化を認める。
- d:骨化のMRI信号はT1WI、T2WIで必ずしも均一とは限らない?
- e:ピロリン酸カルシウムは関節軟骨や関節円板などの軟骨に沈着する。
11.
正解: a,e
壊死部周囲の大腿骨頭~頚部の骨髄浮腫性変化が見られることがあり,股関節痛との関連があること,また骨頭圧壊の頻度との相関が高いことが報告されている。
また、壊死に伴う骨折は関節面直下の軟骨下に起こりやすく,軟骨下骨に円弧状に走向する線状透亮像として認められる(crescentsign)。骨頭変形が進行したものは2次性変形性股関節症へと移行する。
12.
正解:c と d
離断性骨軟骨炎は思春期から青年期に発症することが多い。好発部位は大腿骨内顆の顆間部寄りです。外顆の後部よりにあるfemoral condyle irreguralityと言う、全く違う病変で、こちらは診断専門医試験に出題されたことがあります。
ちなみに上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎は若年者の投球障害でしばしばみられ外側型野球肘の一つとして知られています。
13.
正解:b
Charcot関節は神経障害に起因する高度な骨関節破壊を示す病態である。神経障害の基礎疾患としては糖尿病によるものが大部分である。そのほとんどが足関節に発生する。糖尿病性Charcot関節では疼痛は乏しく、骨破壊が進行し、関節が著明な変形をきたすようになりはじめて発見されることが多い。
14.
正解:d
- a、c:複数方向・断面で正診率は上がりそう
- b:正しい
- d:半月板損傷はgrade3(関節面に達する)を断裂とするので、間違い
- e:正しい
15.
正解:d
骨肉腫は類骨・腫瘍骨形成を反映する雲状、象牙状の石灰化が特徴。
点状、曲線状の石灰化は内軟骨腫などにみられる軟骨性石灰化の特徴。
16.
正解:a,d
気管支と伴走するのは肺動脈
二次小葉の大きさは2-3mm程度
終末気管支が分岐して呼吸細気管支になる
17.
正解:d
急性好酸球性肺炎といえば心拡大のない肺水腫と覚えて良いと思います。末梢が比較的保たれたコンソリデーションやGGOを両肺に認めます。
18.
正解:a, d
特発性好酸球性肺炎は、Loffler症候群や単純性好酸球性肺炎、PIE症候群などとも呼ばれ、CT所見は慢性好酸球性肺炎に似る、つまり外層優位です。
マイコプラズマ肺炎は前年度の2020年はじめ、ちょこちょこ出題されています。
19.
正解:c
COVID-19の所見としてtree-in-budは非典型的であり、正解と思われる。
参考 https://radiopaedia.org/articles/covid-19-4
典型的な胸部CTの所見は両肺の胸膜下優位のすりガラス影。進行するにしたがいconsolidationを示すこと、末梢の血管構造の明瞭化(vascular thickening)が見られること、斑状のGGO内に網状陰影(crazy paving appearance)を伴うことなどが報告されている。
非区域性の浸潤影が胸膜下に分布し、収縮性変化を伴う点ではCOPと類似と言える。reversed haloも呈することがある?
下肺野優位のすりガラス影という点ではNSIPも似ると言えるが、COVID-19が気管支血管束に沿った分布を呈するかどうかは?
20.
正解:b、e
非結核性抗酸菌症は右中葉、左舌区に多い(S4、S5) 過去問通り
21.
正解:b、e
- ×a. 尿中レジオネラ抗原や核酸同定検査(LAMP法、PCR法)、培養などが行われる。
- 〇b. 正しいと思います。
- ×c. キノロン系やマクロライド系が用いられる。
- ×d. レジオネラに曝露しても発病率は2~7%と高くないが、臓器移植後や免疫抑制患者では高い。
- 〇e. 正しい。
22.
正解:e
head cheeze signというのは過敏性肺臓炎の所見で、①最も白いすりガラス影の部分と、②正常濃度の部分と③含気が亢進していて濃度が低下している部分、の3つのの濃度が混在している病変です。私自身、今回初めて知りましたが、その他4つの選択肢は専門試験に頻出だと思うので覚えておきましょう。
23.
正解:e
硬化性肺胞上皮腫=硬化性肺胞血管腫で、気管支内にはできにくい 過去問通り
24.
正解:a、d?
「胸腺腫では、リンパ節転移、肺転移などの遠隔転移や胸水貯留、大血管浸潤はまれで、それらがあれば胸腺癌を疑う。胸膜播種は胸腺腫でも見られる」との記述がありました。cは除外できると思いますが、そのほかの所見の頻度などの記述はみつけられませんでした…。
<参考>新胸部画像診断の勘ドコロ p.383
25.
正解:c
心臓粘液腫の多く(約80%)は左房内に生じ、右房内の発生は15-20%とされている。症年齢や性差に関して、特徴的な報告はない。
心臓粘液腫は脳動脈塞栓症および脳動脈瘤を合併しやすい点も重要である。
26.
正解:d
左心室中部前壁中隔は前下行枝から栄養される
27.
正解:e
intramural blood pools(IBP)は偽腔閉鎖型解離において血栓化偽腔内に造影剤の貯留が見られるものです。ULP と似た画像所見を示しますが大動脈外に分岐する分枝血管と連続性が確認できれば IBPと診断して良いそうで、ULPと異なりIBPの15 mm を超えない病変は自然退縮し予後良好とされるそうです。
28.
正解:d
アダムキュービッツ動脈の起始は個体差が大きいことが知られており、通常第7胸椎から第2腰椎レベルの肋間動脈もしくは腰動脈のいずれかより分岐し、左側に見られることが多い。
29.
正解:d?
- a、b:左右シャントなのでチアノーゼなし、左房は拡張しない
- c:二次孔欠損型(卵円孔)が最も多い
- d:正しい?(keybookでは肺静脈還流異常は10%未満と記載があるが)
- e:冠状静脈洞型は心房中隔の尾側に欠損孔がある
(参考:http://www.shindan.co.jp/view/2288/pageindices/index3.html#page=3)
30.
正解:a
×a. 乳房造影MRI検査は、閉経前女性では月経開始後7~15日目に撮像することが勧められる。月経周期後半2週間(黄体期)では正常乳腺の染まりが強いため、造影MRI検査は避ける。
31.
正解:e
リンパ門に流入する血流シグナルが見られるということはリンパ門が保たれている→良性の可能性が高いと思われる。
32.
正解:d,e
乳腺の葉状腫瘍は頻出です。圧倒的に頻度が多い良性病変の線維腺腫と、エコーや MRI 所見が酷似しており鑑別が困難だからでしょうか。仮に葉状腫瘍であっても、基本的に良性なのですが一部悪性が含まれることを注意する必要があります。
腋窩リンパ節転移は少ないようです。肝転移はわかりませんでした。。。
参考)https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/Phyllodes_tumor/index.html
33.
正解:c
- ×a. 単純写真では片側性、限局性の透亮像としてみられる。
- ×b. Stocker分類で0〜4型に分類される。
- 〇c. 1型が最多で60~70%程度
- ×d. 3型では嚢胞は微細(0.5cm以下)。
- ×e. 血管支配は肺循環で、体循環から流入する異常動脈はない。
<参考>https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000131.html
34.
正解:c、e
軟骨無形成症は四肢短縮型の骨系統疾患の中で最多で、軟骨内骨化が障害される。大後頭孔の狭窄や骨盤骨のtrident pelvisなど様々な画像所見があるが軟骨内骨化と膜性骨化のアンバランスによって説明される(レジデントセミナーより)。
肋骨のオール状変形はムコ多糖症で見られる。
35.
正解:d
Sturge-Weber症候群は三叉神経血管腫症と呼ばれる非遺伝性血管形成異常性母斑病である。三叉神経第1枝、第2枝領域の血管腫と同側の脳軟膜の静脈性血管腫を特徴とする。症状はてんかんで発症し、精神発達遅滞を伴うことが多い。
頭部 CTでは脳回に沿った石灰化が認められる。頭部 MRIでは造影 MRIが早期
診断に最も有用であり、造影T1強調像、造影 FLAIR像にて軟膜血管腫を脳回、脳溝に沿った異常造影域として描出可能である。
36.
正解:c
その他の選択肢は全て肝臓でうっ滞したり肝臓に沈着したりする病態ですね。 その他 CT で肝臓がびまん性に高吸収を呈する病態も出ていたことがあるので覚えておきましょう。
37.
正解:c
Budd-Chiari症候群では肝はうっ血のために腫大し(特に尾状葉)、慢性型で進行すると肝硬変にいたる。肝内に多発性に濃染する過形成性結節(FNH like lesion)や肝細胞癌を認めることがある。Budd-Chiari症候群での門脈圧亢進は肝後性。
※近年の本邦での罹患率の変化や病理学的所見に関しては適切な文献を見つけられませんでした。
38.
正解:c
out of phaseで信号低下しない=脂肪を含まないもの、とまず考える
ヘモジデローシスはout of phaseで信号上昇する
(参考:https://www.teramoto.or.jp/teramoto_hp/kousin/sinryou/gazoushindan/case/case177/index.html)
39.
正解:c
- ×a. 腎機能低下例では禁忌(腎性全身性線維症の発症リスクが上昇するため)。
- ×b. 15分後。
- ○c. 1回の検査で血流情報と機能情報の両方が得られる。
- ×d. 胆道排泄と尿路排泄が半々くらい。過去問でも出題されていた。
- ○e. T1, T2短縮効果を示す。
40.
正解:b
以前の膵癌の取り扱い規約では膵体部と膵尾部の境界は頭部を除いた尾側膵を2等分していたので、そこが変更になったことを知っているかどうか問いたいのだと思います。他の選択肢はマニアックですね。。。調べようと思ったのですが、取り扱い規約が無料で閲覧できなかったので心が折れました(すみません、笑)
膵癌取り扱い規約第7版(2016年)より、「腫瘍占居部位の変更(膵体部と尾部の境界は大動脈の左側縁とする」となっています
(参考:http://archive.jsco.or.jp/detail.php?session_unique_id=55-PD2&sess_id=10046&strong=1)
41.
正解:d、e
- a:主膵管とは交通しない
- b:neoplasmであり、悪性化の頻度は低い
- c:星芒状瘢痕はSCN
- d:卵殻状の石灰化あり 卵殻状の石灰化=珪肺のリンパ節だけ!と暗記し、選択肢から即座に外してしまったのは私だけでしょうか・・・
- e:内部に充実部分と出血・嚢胞を伴う
42.
正解:c
他の選択肢はすべてworrisome featuresに該当します。
<参考>https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=11366
43.
正解;d,e
上行結腸、下行結腸、十二指腸、膵は前腎傍腔に存在します。
副腎は腎周囲腔で、上部尿管も腎周囲腔と思われます。
44.
正解:d,e
副腎の腫瘤性病変で最も多い副腎腺腫を明確に鑑別できる定義は単純 CT で10 HU 以下であることと ip-op で信号低下があることです。が、これを完璧に呈さないものもあるので、困りものです。
45.
正解:d、e
- ×a. 剖検例では結核患者の約6割に副腎結核がみられ、その7割は両側性であったとの報告あり。
- ×b. 腎結核のうち活動性肺結核を伴うのは5~10%程度とされる。
- ×c. 尿管結核の尿路閉塞の多くは尿管膀胱移行部に起こるとされる。
- 〇d. 漆喰腎は腎結核の所見である。
- 〇e. 腎実質に病変が及ぶと結核腫となり、低吸収腫瘤として描出され、石灰化を含むことが多い。
46.
正解:a
消去法でaを選択。
乳頭状腎細胞癌で見られるような腫瘍細胞の乳頭状配列、出血や鉄成分、平滑筋組織、高細胞密度などがT2WI低信号を示すと類推される。
「T2WI低信号+強い造影効果」の腎腫瘤としてはfat poor AML、嫌色素性腎細胞癌、オンコサイトーマ、悪性リンパ腫が挙がる。
(KEYBOOK『泌尿器のCT・MRI 第2版』より)
47.
正解:b
頻出問題
拡散制限を呈する有名な病態はおさえる。
急性期梗塞、膿瘍、細胞密度の高い腫瘍など。
48.
正解:a
内子宮口と外子宮口は異なるということを問いたいのだと思いました。
49.
正解:b?
『MRIの基本パワーテキスト第4版』によると、高速スピンエコー法では脂肪が高信号なため、化学シフトが目立つようです。また解決法として脂肪抑制法を用いて脂肪信号を取り除くことがあげられています。bが正解と思われます。試験時はよく分からず間違えました。
50.
正解:a、c
「近年MRIの拡散強調像にみられる inchworm sign によって筋層浸潤の有無を判別できると報告されている」 恥ずかしながら存在を知りませんでした・・・
(参考:http://www.keiju.co.jp/manage/files/iryo/magazine_Vol.7_2019/2019_07_09okumura.pdf )
- b:血流量の差ではなく、「腫瘍内部が C 型の高信号,腫瘍茎部 が低信号を呈する」とあるので、腫瘍そのものの密度差を見ているのでは
- d:筋層浸潤の評価に役立つ
- e:切除後の残存病変に関する記載は見つけられず
51.
正解:a
鼠径管へ向かうのは子宮円索で、aが×です。
- 〇b. 正しい。
- 〇c. 正しいと思います。
- 〇d. Nuck管水腫は、胎生期に子宮円索形成に伴って鼠径管内に入り込んだ腹膜鞘状突起が、生後も閉鎖せず残存し内部に液体が貯留したもの。男性の陰嚢水腫に相当する。
- 〇?e. 同様の記載をみつけられませんでしたが、aが誤りなので〇でよいと思います。
52.
正解:a
診断専門医試験の2019年の50番に餅によるイレウスの画像があります。一度見たら忘れられないインパクトのある白い高吸収域です。
53.
正解:b
10Frは直径3mmで、それが入るシースは内径+2Fr=12Fr、3Fr=約1mmなので3+1で4mm
間違えましたね・・・普段刺していますが、数値以上に太く見えてしまいました
54.
正解:e
- 〇a. 肺気腫症例にも施行可能です。
- 〇b. 正しい。
- 〇c. 正しい。
- 〇d. CT透視法での正診率は96~98%と報告されている。
- ×e. 検討症例数が1000例を超える論文では、気胸の頻度は20.5~42.3%と報告されている。
<参考>https://www.jsir.or.jp/docs/guideline/CT_seiken2006.pdf
55.
正解:a,b
腎細胞がんの凍結療法は、外側に突出した4cm以下の腫瘤に適応がある。
内視鏡的止血が困難な動脈性出血にはIVRによる動脈塞栓術の適応となる。
56.
正解:b
ヨウ素131の半減期は 8.02 日で、大部分がベータ崩壊およびガンマ崩壊が起こり、キセノン131(安定同位体)へと推移する。放出するのはβ線とγ線。
ゴロはこちら)https://ameblo.jp/creme-chocolat-shoko/entry-12305054395.html
57.
正解:e
- a: 18F→ PETに用いられる核種はすべてβ+( = Positron)放出核種
- b: 90Y→ β-
- c: 99mTc→ γ と 内部転換電子
- d: 131I→ β- と γ
- e: 223Ra→ 正解。これを用いた前立腺癌治療薬 ゾーフィゴ®のことをtargeted alpha therapyと呼んだりもします。(α壊変自体が比較的珍しい壊変形式のため、試験範囲内では223Raだけと覚えていいかもしれません)
58.
正解:d
59.
正解:d、e
DAT-SCANとアドステロールシンチは薬液がアルコールでできており、血管痛があるためゆっくり入れる
60.
正解:d
腎動態シンチグラフィに用いられるのは、
99mTc-DTPA(糸球体濾過量, GFR)、99mTc-MAG(有効腎血漿流量, ERPF)
99mTc-DMSAは腎静態シンチグラフィに用いられます。
(過去の非公式解答・解説にあるように、S は Seitai, 静態と覚えました。)
参考)https://ameblo.jp/creme-chocolat-shoko/entry-12305068530.html
61.
正解:a, d
I-123 ioflupaneによるドーパミントランスポーターイメージング
→パーキンソン病やパーキンソン症候群では黒質線条体のドーパミントランスポーター機能の低下が生じる。
I-123 MIBGシンチグラフィ
→パーキンソン病やレビー小体型認知症では心筋など末梢の交換神経が障害される。パーキンソン病とレビー小体型認知症以外のパーキンソン症候群では低下しない。
参考)https://ameblo.jp/creme-chocolat-shoko/entry-12306554524.html?frm=theme
62.
正解:e
Lewy小体型認知症では線条体のドーパミントランスポーター結合能が低下する。
63.
正解:c
甲状腺ホルモン合成(有機化)に使われるのは123Iの方。
64.
正解:d
過去問通りです。
65.
正解:a
PYPシンチは心疾患、特に心アミロイドーシスに有用
66.
正解:b
何のひねりもなく一択です。
67.
正解:e
FDG-PET/CTの悪性腫瘍以外での適応として
- ①心サルコイドーシス(心以外で確定診断、心病変疑い例も可)
- ②大型血管炎(高安動脈炎、巨細胞性動脈炎)
- ③心筋バイアビリティ
があるが、それぞれ検査前の食事に関して異なるので注意。
心サルコイドーシスでは十分な空腹時に施行する。18時間以上の絶食を推奨、炭水化物制限(高脂肪食)も有用。
68.
正解:d
SUV=(目的部位のFDGの量[kBq/g])/(FDG投与量[MBq]/体重[kg])
上記の計算式より、体重が大きく入力されるとSUVは上昇する。
69.
正解:d
前立腺癌のStagingは通常、MRI+CT+骨シンチで行います。
前立腺癌の性質としてブドウ糖の取込みがそもそも弱いため、FDG-PETは転移の評価に使えません。(最近話題になり始めているのはPSMA-PET)
他の選択肢の悪性腫瘍では、初回Stagingや治療効果判定としてよく行われています。
70.
正解:e
内臓転移のある前立腺癌における有効性及び安全性は確立していない.(ゾーフィゴの添付文書より)
71.
正解:d
2021年8月時点でのSRT(SBRT)適応疾患は以下の通り。覚えるしかありません。
- 頭頸部腫瘍(頭蓋内含む)
- 脳動静脈奇形
- 5cm以内・単発の原発性肺・肝・腎癌
- 限局性の膵・前立腺癌
- 3個以内の肺・肝転移
- 5cm以内の脊椎転移
- 5個以内のオリゴ転移
- 5個以内の脊髄動静脈奇形
(徐々に保険適応が拡大されている歴史があり、過去問は時期により答えが変わる点に注意)
72.
正解:d
放射線治療ガイドラインp161 「線量評価」の項目を参照
D95処方=標的病巣の95%線量を指示線量とする。
73.
正解:e
デュルバルマブはCRT後に使用する。
74.
正解:b
甲状腺癌は全般的に放射線感受性が低く、放射線治療が根治的治療の第一選択に上がることはあまりありません。遠隔転移を伴う場合には、甲状腺全摘術後の131I大量内用療法が標準的となりますが、今回の問題とはStageの設定が異なります。
その他の選択肢はいずれも根治照射が第一選択となり得ます。
75.
正解:aとd
- a:〇71歳以上で全身状態良好な際には寡分割照射が推奨されています。40Gy/15frなど
- b:✖ ベバシズマブと放射線治療の併用はほとんどありません。
- c:✖膠芽腫は浸潤性が強いため腫瘍残存は避けられません。
- d:〇テモゾロミド併用で行います。
- e:✖局所照射であってもGTVおよび摘出腔から15~20mm程度をCTVとします。
76.
正解:e
- c:〇 照射範囲に甲状腺が含まれ、晩期有害事象として甲状腺機能低下症が起こる可能性があるため。
- d:〇 食道がんや胃がんを合併する可能性があるため。
- e:× CTVには両側頸部リンパ節が含まれます。
77.
正解:a, b
- a: ○ 特に耳下腺線量を下げて唾液分泌低下を低減するのに有効。
- b: ○ 術後照射を要するMajorリスクは「切除断端陽性/近接」「節外浸潤」の2つ。
- c: × inductionが標準的なのは、悪性リンパ腫と小児腫瘍くらいです。基本は同時併用。
- d: × Ⅰ期上咽頭癌は照射単独が標準。Ⅱ期以上でCDDP併用を検討します。
- e: × 逆。HPV陽性中咽頭癌は予後が良好なので、陰性例よりStageも軽くなります。
78.
正解:c
- a:× 切除不能でないならIIIA期の一部では手術が優先されます。
また、全身状態良好で手術適応がないケースについては「逐次」ではなく「同時」化 学放射線療法の適応となるので×となります。 - b:× 肺癌診療ガイドライン2020では臨床病期IIIAに対して術前プラチナ併用は推奨されて います。臨床病期IIIA(N2)については術前化学放射線治療が推奨されていますが、 III期全体で化学放射線治療が優位との記載はありませんでした。
- c:〇 対側肺門リンパ節転移がある場合、照射野が広くなりすぎるため根治照射はできませ ん。
- d:×化学放射線治療後にイミフィンジ(デュルバルマブ)を使用します。
- e:×予防的リンパ節照射を省略してGTVに限局した照射野(IFRT)が予後良好な傾向と記載 されています。すくなくとも「べき」という部分は間違いと言えると思います。
参考資料:放射線治療ガイドライン2020、肺がん診療ガイドライン2020
79.
正解:d
- a:〇 1日2回の加速過分割照射(AHF)を行います。
- c:〇 初回治療でCRが得られた場合は、予防的全脳照射を行います。
- d:× 抗PD-L1抗体の併用は進行型小細胞肺癌に対して適応があります。
80.
正解:c, d
- a: △ 乳房/胸壁に対しては4-6MVの接線照射が標準的 (体格が良すぎる方には10MVで計画することもありますが…) 。鎖上に対しては前方から4-6MV、後方から10MV。
- b: × 左側病変では心臓線量の低減のため深「「吸」」気息止め照射が有効。性格が悪い。
- c: ○ その通り。IDCではOSの改善が証明されています。
- d: ○ その通り。DCISではOSの有意差は付きませんでしたが、PFSは有意に改善されます。
- e: × 内胸領域への照射は肺線量の増加につながるため、基本的にやりたくありません。効果についてのエビデンスも不十分であり、乳癌診療ガイドラインでも転移リスクの高い症例に弱く推奨する程度に留まっています。
81.
正解:be
乳癌診療ガイドライン(オンライン)を参照。
- b:〇 TP53は Li Fraumeni症候群の遺伝子変異。
- d:× BRCA1についてはガイドラインp319に乳房温存手術後には放射線治療を考慮してもよ いと記載があります。
- e:〇
印刷されたガイドラインに記載は探せなかったのですがオンラインにありました。 ホモ接合体はNCCNガイドライン上では絶対的禁忌となっています。
82.
正解:c
ウェッジを使用した左右+後方の3門照射、または、前後左右の4門照射を行います。
83.
正解:c
- a: ○ 低リスク群は挿入単独、中リスク群で外照射併用を考慮、高リスク群は併用を推奨。
- b: △ 具体的な記載が見つけられません。特に気にされていないのでは……。
- c: × 125I永久挿入療法はそもそも、限局性の病変にしか適応がありません。
- d: ○ 外照射後の局所再発に対する救済療法としても、適応があります。
- e: △ IPSS >20で有害事象の発生リスクが高いとされていますが、適応への言及は見つけられませんでした。
84.
正解:c
放射線治療ガイドラインより
85.
正解:b
- b:× 急性期有害事象として膀胱炎は起こりますが、主症状は頻尿で、血尿は多くないです。
- d:〇 Ⅰ~Ⅱ期に対する手術と根治的放射線治療の生存率に差はありません。
- e:〇 Ⅰ~Ⅱ期(4㎝を超える)、Ⅲ~ⅣA期に対しては、臓器機能や全身状態に問題がなければシスプラチンを中心とする化学療法を用いたCCRTが行われます。
86.
正解:b
「膣癌の定義は立場が弱い」と覚えておきましょう。
- a: ○ その通り。膣癌の大部分がSCC、HPV陽性率も高い。
- b: × 外陰に達したら外陰癌。
- c: ○ 尿道に達したら尿道癌。
- d: ○ 放射線治療が原則で、限られた症例のみ手術も検討可能。
- e: ○ 外子宮口に達したら子宮頸癌。
87.
正解:c
放射線単独治療=低悪性度リンパ腫(濾胞性リンパ腫Grade1.2・辺縁帯B細胞リンパ腫)
DLBCLは中悪性度のため限局期でも薬物療法+地固め放射線治療です。
88.
正解:b,e
- a:× 白血病40%、脳腫瘍20%です。
- c:× Ewing肉腫の好発部位は骨です。
- d:× MYCN増幅は神経芽腫の予後不良因子です。
89.
正解:d
- a: ○ 疼痛緩和率が6-7割、疼痛消失率が3割程度。疼痛緩和率が9割程度という報告もあるので、80%でも正解でしょう。
- b: ○ その通り。緊急照射の適応は脊髄圧迫とSVC症候群が2大巨頭。
- c: ○ その通り。疼痛緩和率や持続期間は単回照射と分割照射で差がないので、短く済ませたほうが良ければ短くします。「全例単回照射で良い」という意見もあるくらいです。逆に30Gy/10回などの分割照射が推奨されるのは、神経障害性疼痛を来している場合と、固定術後の照射。
- d: × SRT(定位放射線治療)であれば正解。SRTにおいてIMRTを用いることも多いですが、SRTは照射精度の話、IMRTは照射方法の話なので区別して覚えてください。IMRTでなくともSRTはできますし、SRTではないIMRTも存在します(全骨盤照射など)。
- e: ○ その通り。骨自体の疼痛であれば、分割回数で疼痛緩和率は変わりません。
90.
正解:d
放射線治療ガイドラインより
91.
正解:b,c
- a副作用の全くない分子標的薬はありません。
- dセツキシマブは併用可能です。
- e化学放射線療法後の地固め療法として免疫チェックポイント阻害薬(デュルバルマブ)投与が推奨されています。
92.
正解:a
高LET放射線の特徴は、RBEが大きく、DNAの修復を起こさせにくく、環境の影響が少ない点にあります。一撃が重いから些細なことは関係ない、といったイメージ。
- a: × 亜致死損傷回復(SLDR)や潜在的致死損傷回復(PLDR)は起きにくい。
- b, c: ○ 細胞周期や酸素濃度といった環境の影響は受けにくい。
- d: ○ 生物学的効果比(RBE)は大きい。
- e: ○ 分割照射の恩恵は正常細胞の回復と、腫瘍細胞の酸素化・細胞周期の同調によって得られます。高LET放射線ではいずれの影響も受けにくいので、線量分割の影響は小さくなります。
93.
正解:b,d
過去問通りですね。
一番弱いのが肺17.5Gy、次点が腎臓で23Gy
一番強いのは喉頭70Gyです。
94.
正解:d、e
- a:嘔気は1Gy
- b、c:局所被ばくでも5Gyは必要
- d:骨髄障害は0.5Gy
- e:男性一時不妊は0.15Gy
(参考:https://www.env.go.jp/chemi/rhm/kisoshiryo/attach/201510mat1s-01-8.pdf)
95.
正解:e
非荷電粒子線は中性子線や中性微子(ニュートリノ)など。
<参考>https://www.env.go.jp/chemi/rhm/kisoshiryo/attach/201510mat1-01-14.pdf
96.
正解:a
MRIはプロトンを利用して画像化している
(MRIに絶対強くなる撮像法のキホンQ&A)
97.
正解:a,c
- a:〇 110分
- b:× 3日
- c:〇 6時間
- d:× 13時間
- e:× 3日
放射性核種の半減期は頻出なので、丸暗記するようにしましょう。
98.
正解:c
α壊変:ヘリウム原子核が飛び出す壊変。質量数-4、原子番号-2
β−壊変:原子核内の中性子が電子とニュートリノを放出して陽子に変化する。質量数不変、原子番号+1
β+壊変:原子核内の陽子が陽電子とニュートリノを放出して中性子に変化する。質量数不変、原子番号−1
γ壊変:原子核が余分なエネルギーをγ線として放出して、より安定な状態に落ち着く現象。原子番号や質量数は変わらない。
99.
正解:c
正当化=やらないよりもやるほうが利益となる
100.
正解:d
「眼の水晶体の等価線量限度を5年間の平均で20ミリシーベルト/年かついずれの1年においても50ミリシーベルトを超えないこととすることが適当」となった(2020年3月公布、2021年4月1日施行)
(参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06824.html)
101.
正解:b, d
正当化は適応についての問題、つまりこの設問の場合は検査自体を行うかどうか?に関わるシチュエーションを選べばよいと思います。
他の選択肢は全て最適化に該当すると思います。
102.
正解:b
患者ごとの線量記録が必須な検査;RI・IVR・CT
(2020レジデントセミナーより)
103.
正解:c
医師が業務で受ける被ばくは職業被ばくです。
104.
正解:d
電子保存の3原則 = 真正性・見読性・保存性
- a: ○ 保存性
- b: ○ 真正性, 単語からは読み取りづらいが、責任の所在を明らかにすることも求められる。
- c: ○ 見読性
- d: × 無関係
- e: ○ 見読性
105.
正解:a,d
まず電子カルテに入力するものを考えるとわかりやすいと思います。
45のcは正解・間違いどちらなのでしょうか?
18
2023レジデントセミナーでは、内層優位の疾患として、マイコプラズマ、肺水腫、急性好酸球性肺炎が挙げられていました。これに間違いがなければ、2つに絞れません。
24
おそらく正岡分類の内容が問われているものと思われます。
Ⅰ期 ― 肉眼的に完全に被包され,顕微鏡的にも被膜への浸潤を認めない
Ⅱ期 ― 周囲の脂肪織または縦隔胸膜への肉眼的浸潤,または被膜への顕微鏡的浸潤
Ⅲ期 ― 隣接臓器への肉眼的浸潤:心膜,大血管,肺などへの浸潤
Ⅳ期a ― 胸膜または心膜播種
Ⅳ期b ―リンパ行性または血行性転移
正岡分類上のステージの高い、リンパ行性・血行性転移に該当する選択肢a,eが正解ではないでしょうか。
32 転移は肺、骨、心、肝の順の様です
http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/jkpum/pdf/120/120-1/nakatsukasa.pdf
29について
https://www.shouman.jp/disease/details/04_46_059/
無症状で剖検ではじめて発見される例もあり、一般剖検例の0.6%に認められる。心房中隔欠損では9%に本症の合併を認める。逆に部分肺静脈還流異常の85~90%は心房中隔欠損を合併する
上記記載があり、dが正解と思われます。