この年度の出題傾向
2007年度の掲載100問を分野別に整理すると、画像診断55問(55.0%)、放射線治療15問(15.0%)、核医学15問(15.0%)、共通15問(15.0%)です。放射線治療の割合は、2005〜2025年の年平均より5.2ポイント低い構成です。テーマ例として、先天性心疾患・閉塞性TAPVCの肺静脈うっ血、乳癌術後照射・放射線肺臓炎の発現時期、唾液腺シンチ・Warthin腫瘍の集積と保持を扱います。
2005〜2025年度の掲載解説を一問一分野で集計。平均は年度別構成比の単純平均です。公式配点や将来の出題数、正答率に基づく難易度を示すものではありません。
放射線科専門医・2007年
分野を選び、問題番号を押すと解答・解説が表示されます。各問に分野と出題テーマ、判断のポイント、注意点、参考文献を付けています。
問題文・選択肢・図・画像・問題PDFは掲載していません。
2026年10月18日:全100問を改訂しました。解答例は非公式です。問13・14・53・65・66・72・79は、条件不足や印字上の不整合などの理由を各解説に明記し、正解の確定を保留しています。問40・54は旧解答を訂正しました。
解答作成にご協力いただいたSonic先生に感謝申し上げます。ご意見はページ下部のコメント欄へお寄せください。
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放射線科専門医試験 2007年度 問1
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問1
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
CTは比較的高い1回線量に多数の実施が重なり、集団線量への寄与が大きい。対象国・調査年を限定して比較する。
b|選ばない
個別検査の線量は無視できないが、出題時の集団全体ではCTの寄与を選ぶ。PET/CTとPET単独も区別する。
c|選ばない
1件の線量が高い手技もあるが、件数を含めた集団合計ではCTが代表となる。
d|選ばない
検査による被ばくはあるが、当時の代表的な集団線量比較では最大の寄与源をCTとする。
e|選ばない
検査件数が多くても、1件当たり線量との積で決まる集団線量で最大とは限らない。
判断のポイント
CTは1回あたりの線量と実施件数の両方により、医療被ばくの集団線量へ大きく寄与する。検査件数の多い単純撮影が、必ず集団線量でも最大になるわけではない。
鑑別・注意点
集団線量は対象集団・国・調査年に依存する。旧解説の米国49%は2006年の医療被ばくの集計に対応する値で、日本や現在のすべての集団へ一般化しない。集団の合計を個々の患者のリスクと同一視しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問2
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問2
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
患者の医療被ばくには職業被ばくの倍数で線量限度を置かず、正当化と最適化を適用する。
b|誤り
医師という職種に特別な高い実効線量限度を設けない。職業被ばくの法令上の限度で管理する。
c|正しい
国内では妊娠可能性や妊娠の申出に応じた線量集計・防護の規定を適用する。具体的区分は対象時点の法令を確認する。
d|誤り
CTでも区域境界の線量等に応じた管理が必要で、非密封線源を使わないことは管理不要の理由にならない。
e|誤り
研究業務で放射線を扱う者も職業被ばくの管理対象となる。研究者の肩書で限度を免除しない。
判断のポイント
患者の医療被ばくと職業被ばくには異なる防護体系がある。妊娠の可能性がある女性従事者には、妊娠中の管理も考慮した規定が設けられている。
鑑別・注意点
患者に従事者の何倍という実効線量限度を設定しない。研究者も業務による被ばく管理の対象となり、CT室も核医学検査室とは管理不要という関係ではない。具体的な限度や区分は対象時点の法令・通知で確認する。
放射線科専門医試験 2007年度 問3
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問3
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|一律には誤り
装着位置は妊娠可能性、不均等被ばく、防護衣の使用等で異なる。全員の胸部だけで管理できるとはしない。
b|誤り
脱毛は一定以上の線量で現れる組織反応であり、発癌などの確率的影響と異なる。
c|正しい
低線量でもしきい値を置かず発癌リスクが線量に比例すると仮定する防護モデルである。
d|条件付きで正しい
手が一次線に入る条件では上側管球からの線が患者で減弱される前に手へ当たりやすい。位置や防護をそろえて比較する。
e|誤り
低LETでは分割間の修復により同じ総線量の効果が弱まることが多い。影響は線種や評価対象にも依存する。
判断のポイント
LNTは発癌などの確率的影響を防護上評価するための、しきい値なし直線モデルである。手指が一次線に入る条件では、X線管が上にある透視装置の方が、患者による減弱を受けにくく手指線量が高くなり得る。
鑑別・注意点
脱毛は組織反応に分類する。線量計の装着部位は性別だけでなく妊娠可能性、不均等被ばくや防護衣の使用によって確認し、全員が胸部とはしない。装置配置の比較も、照射野・手の位置・防護条件をそろえて解釈する。
放射線科専門医試験 2007年度 問4
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問4
解答例:c、e(出題当時の想定。cは製剤・投与量を確認)
選択肢別の解説
a|誤り
月経後の日数だけで全検査を一律禁止しない。妊娠可能性、照射部位、緊急性と利益を確認する。
b|誤り
核種の放出エネルギーや放出率が異なり、同じ放射能・距離でも線量は一致しない。
c|出題当時の想定
67Gaでは母乳への移行を考慮して長い中断が必要となる。現在の推奨は製剤等で3〜4週または完全中止もあり、一律3週の再開を保証しない。
d|誤り
全身状態の安定だけでなく、線源治療後の退出基準と施設の管理条件を満たす必要がある。
e|条件付きで正しい
投与量による退出基準の範囲に入る。帰宅には生活上の防護指導なども必要で、量だけで無条件に決めない。
判断のポイント
静注67Gaの後は母乳への移行を考慮して長期間の授乳中断を要する。131Iの333 MBqは、投与量500 MBqを基準とする退出条件の範囲内であり、必要な説明と生活上の防護条件を確認して帰宅を判断する。
鑑別・注意点
67Gaの授乳中断は現在の資料では3〜4週または完全中止の推奨があり、一律に3週で再開できるとはしない。125Iシード治療後も容態が安定しただけでは一般病室へ移せず、退出基準を確認する。10日ルールはすべての放射線診断へ機械的に適用する絶対規則ではない。
放射線科専門医試験 2007年度 問5
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問5
解答例:a
選択肢別の解説
a|誤り
参照用の表示性能は診断に必要な性能を保証しない。診断用途に適合した表示と品質管理が必要である。
b|正しい
輝度や階調などは経年的に変化するため、定期測定で変化を検出する。
c|正しい
始業時に異常表示や汚れ等を確認し、診断に使える状態を保つ。
d|条件付きで正しい
周囲照明と反射光を考慮して輝度・階調を管理する。読影者が毎回任意に変えるだけの管理ではない。
e|当時の想定
当時は白黒表示の輝度等の利点が重視された。現在はカラーでも用途に必要な性能を満たせば診断用に使える。
判断のポイント
診断に使う表示装置には、必要な画質を満たす性能と品質管理が必要である。参照用という用途だけで、診断に十分な表示性能が保証されるわけではない。
鑑別・注意点
受入試験と不変性試験、始業時の確認、輝度・階調や周囲照明を含めて管理する。出題当時の白黒・カラーという区分だけで現行モニタの適否を決めず、診断対象と用途に合う性能を確認する。
放射線科専門医試験 2007年度 問6
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問6
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
放射線エネルギーを結晶の発光に変えるシンチレータである。光を電気信号へ変換して測定する。
b|誤り
半導体中に生じる電子・正孔を利用し、シンチレーション発光を基本としない。
c|誤り
気体の電離と放電増幅を利用する検出器で、結晶の発光を使わない。
d|正しい
タリウムで活性化された結晶の発光を利用する。ガンマカメラの代表的検出材料である。
e|誤り
気体中で生じたイオン・電子の収集を利用し、発光型の検出器ではない。
判断のポイント
BGOとNaI(Tl)は、放射線が結晶へ与えたエネルギーを光へ変換するシンチレータである。光を光電子増倍管などで電気信号へ変換して測定する。
鑑別・注意点
Ge半導体検出器は電子・正孔、GM計数管や電離箱は気体の電離を利用する。最終的に電気信号を読むことと、最初の検出過程が発光であることを区別する。
放射線科専門医試験 2007年度 問7
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問7
解答例:e
選択肢別の解説
a|選ばない
宇宙線も自然被ばくを構成するが、世界平均の代表比較ではラドンとその生成物の寄与を選ぶ。
b|選ばない
体内の天然核種による寄与だが、提示項目中で最大となる代表項目ではない。
c|選ばない
地質によって変動する寄与であり、世界平均の典型比較ではラドンを選ぶ。
d|選ばない
体内に存在する重要な自然核種だが、提示比較ではラドンの寄与がより大きい。
e|正しい
吸入したラドン壊変生成物が自然被ばくの大きな寄与となる。地域、住居、換気条件で割合は変わる。
判断のポイント
ラドンとその壊変生成物の吸入は、自然放射線による被ばくの重要な寄与源である。提示された項目の比較ではeを選ぶ。
鑑別・注意点
自然放射線の内訳は地質、住居、換気、生活習慣や調査地域によって変わる。旧解説の線量値を、世界平均・日本平均・特定地域の値として混在させない。ラドン濃度と実効線量も同じ量ではない。
放射線科専門医試験 2007年度 問8
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問8
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
電荷を持つヘリウム原子核で、物質を直接電離する。
b|誤り
電子・陽電子という荷電粒子なので直接電離放射線である。
c|正しい
電荷のない光子であり、二次電子などを介して電離を与える。
d|誤り
正電荷を持つ粒子で、物質との相互作用で直接電離を起こす。
e|正しい
電荷を持たず、反跳陽子などの二次荷電粒子を通じて電離する。
判断のポイント
光子と中性子は電荷を持たず、相互作用で生じた電子や反跳陽子などを通じて物質を電離するため、間接電離放射線に分類する。
鑑別・注意点
α線、β線、陽子線は荷電粒子であり直接電離放射線に分類する。この物理学的区分と、水の放射線分解を介する生物学的な直接作用・間接作用は別の区分である。
放射線科専門医試験 2007年度 問9
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問9
解答例:b、e
選択肢別の解説
a|誤り
散乱が大きく比較的広い深部線量分布を示す。重荷電粒子の鋭い終端ピークとは異なる。
b|正しい
減速に伴い終端近くのエネルギー付与が増え、飛程に対応する深さにピークを作る。
c|誤り
指数的な減弱と二次電子による線量分布が基本で、粒子飛程終端のブラッグピークを作らない。
d|誤り
二次荷電粒子で線量を与えるが、荷電重粒子のような一定飛程終端のピークを利用しない。
e|正しい
荷電重粒子は終端近くにピークを作り、深部標的への集中に利用する。核破砕による尾部などにも注意する。
判断のポイント
陽子や重イオンなどの荷電重粒子は、飛程の終端近くでエネルギー付与が大きくなりブラッグピークを形成する。深部腫瘍の線量集中に利用する。
鑑別・注意点
腫瘍全体を覆うにはエネルギーや重ね合わせを調整する。単一エネルギーの鋭いピークとSOBPを区別し、体内の不均質や飛程誤差も計画で考慮する。
放射線科専門医試験 2007年度 問10
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問10
解答例:c
選択肢別の解説
a|一般的に正しい
通常の組織ではT1がT2より長く、磁場不均一も含むT2*はT2以下となる。
b|正しい
静磁場の不均一による位相分散が横磁化の見掛けの減衰を速める。
c|誤り
T1は平衡へ向かう縦磁化の回復を表す。横磁化の減衰時定数と区別する。
d|正しい
エコーまでの時間が短ければT2による減衰が小さくなり、T2差によるコントラストも弱まる。
e|正しい
回復を十分待つと組織間のT1差の影響が小さくなる。信号は撮像法の他条件にも依存する。
判断のポイント
T1は縦磁化が平衡へ回復する過程の時定数である。横磁化の減衰を表すT2と、磁場不均一の影響も含むT2*とは区別する。
鑑別・注意点
短いTEではT2減衰の影響、長いTRではT1回復の違いによる影響が小さくなる。信号強度はT1やT2だけでなくシーケンス、フリップ角、プロトン密度などにも依存する。
放射線科専門医試験 2007年度 問11
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問11
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
単位をそろえ、耐容線量を腫瘍致死線量で割る必要がある。この値はその比と一致しない。
b|誤り
腫瘍致死線量を耐容線量で割った逆の比に相当する。設問の治療可能比は逆向きである。
c|誤り
正常組織の耐容線量と必要腫瘍線量は同一ではないので比は1を超える。
d|正しい
5000 cGyを50 Gyに換算し、55÷50で1.1となる。
e|誤り
cGyとGyを同じ単位へ換算してから比を求める。この大きな値にはならない。
判断のポイント
5000 cGyは50 Gyである。提示された定義による治療可能比は、正常組織耐容線量を腫瘍致死線量で割った55/50=1.1となる。
鑑別・注意点
cGyとGyをそろえてから計算する。ここでの比は設問の単純化した指標であり、実臨床の治療可能性は分割法、照射体積、臓器の線量分布や患者背景にも依存する。
放射線科専門医試験 2007年度 問12
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問12
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
間期死・アポトーシスへの感受性も高く、成熟細胞でも高感受性の代表となる。
b|選ばない
成熟神経細胞は増殖が乏しく、代表的な高感受性細胞とはしない。遅発障害がないという意味ではない。
c|選ばない
骨改変に関与する成熟細胞であり、提示の高感受性二細胞の代表ではない。
d|正しい
特に陰窩の増殖細胞は高感受性で、その喪失が粘膜障害につながる。成熟した全上皮が同じではない。
e|選ばない
血管障害は晩期影響にも重要だが、本問の典型的高感受性二細胞ではない。
判断のポイント
リンパ球と、増殖の盛んな腸上皮の陰窩細胞は放射線感受性が高い代表例である。成熟した神経細胞などと対比する。
鑑別・注意点
増殖速度だけですべてを説明せず、リンパ球では間期死・アポトーシスへの感受性も考える。腸上皮のすべての成熟段階が同じ感受性という意味ではない。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問13
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問13
解答例:a、dを支持(cの一意の正誤は保留)
選択肢別の解説
a|正しい
基準放射線と同じ生物効果を得る線量比であり、評価指標や線量、細胞などで変わる。
b|無条件には誤り
ある範囲までは増えるが、さらにLETが高い領域ではoverkillにより低下し得る。
c|条件不足で保留
一般的低LETでは線量率低下による修復で効果が減る。線種や細胞等の例外があり、条件なしに誤りとはできない。
d|正しい
ATM異常によりDNA損傷応答が障害され、電離放射線への高感受性を示す。
e|誤りの想定
主要病態はUV損傷のヌクレオチド除去修復異常であり、二本鎖切断修復の代表異常と同一視しない。
判断のポイント
RBEは評価する生物学的指標や線量条件で変わる。ATM異常を伴う毛細血管拡張性運動失調症では放射線感受性が高い。高LET化によるRBE上昇にはピークとoverkillがあり、無制限に増えない。
鑑別・注意点
旧解答はa、dだが、線量率を下げると効果が弱まることも一般的な低LET条件では成り立ち、cを条件なしに誤りとは断定できない。色素性乾皮症の主要機序はUV損傷などのヌクレオチド除去修復であり、旧解説の「一本鎖切断修復」との同一視も修正する。
放射線科専門医試験 2007年度 問14
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問14
解答例:cを支持、旧解答c、dの一意性は保留
選択肢別の解説
a|誤り
一般にS期後半は比較的抵抗性で、S期全体を高感受性としない。
b|関連を示す実験があり保留
EGFR阻害によるRAD51応答やHR低下を示す実験がある。HRの必須構成因子とは別だが、関与という広い記述を一律に誤りにはできない。
c|支持する
NHEJの機能と潜在的致死損傷回復の関係を示す実験がある。実験条件を示して理解する。
d|一意性保留
HR寄与を示す系はあるが、哺乳類の分割照射回復にはNHEJも関与する。HR主体と普遍化しない。
e|誤り
姉妹染色分体を利用するHRは主にS〜G2期に働く。G1期の代表的二本鎖切断修復はNHEJである。
判断のポイント
潜在的致死損傷からの回復にはNHEJの関与を示す実験がある。一方、相同組換えは姉妹染色分体を利用するため、主にS〜G2期に働き、G1期での主要経路とはしない。
鑑別・注意点
亜致死損傷からの回復を一律に相同組換え主体とするdは、実験系に依存する。DT40細胞での相同組換えの寄与と、哺乳類細胞でのNHEJの寄与を示す研究を区別し、単一の対応表だけで正解を確定しない。 EGFRと相同組換えの関係を否定するのも広すぎる。2008年の乳癌細胞研究ではEGFR阻害薬によるHR低下、RAD51応答低下とBRCA1の細胞内局在変化を認めており、bの「関与」という広い表現も一律に誤りとはできない。これは2007年試験後の機序研究であり、当時の公式解答の確認とは区別する。
参考文献
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2007年度 問15
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問15
解答例:a、e(eは高酸素域での飽和を含む傾向として)
選択肢別の解説
a|正しい
高LETでは酸素の有無による感受性差が小さくなり、酸素増感比が1に近づく。
b|誤りの想定
活性チオールによるラジカル消去等で防護する。酸素との単純な競合だけを主機序としない。
c|誤り
一時的な血流途絶は急性低酸素の代表で、慢性低酸素は拡散距離と消費の不均衡等に関係する。
d|通常は誤り
酸素固定には照射時のごく早い化学過程の酸素が必要で、後から酸素を増やすだけで同じ増感を得ない。
e|飽和を補って正しい
低酸素域で酸素が増えると感受性が上がるが、酸素化が十分なら効果はほぼ飽和する。全域で直線的に増える意味ではない。
判断のポイント
高LET放射線では酸素増感比が小さくなる。低LET放射線では低酸素ほど抵抗性となり、酸素分圧の上昇で感受性が高まるが、高酸素域では効果がほぼ飽和する。
鑑別・注意点
酸素固定には照射時の酸素が重要であり、照射後に酸素を増やせば同じ効果が得られるとはしない。慢性低酸素は酸素の拡散・供給と消費の不均衡、急性低酸素は一時的な血流低下などと関係する。アミフォスチンは活性チオールによるラジカル消去などで防護する。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問16
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問16
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
小児・若年にも生じ、病期に応じて放射線治療と化学療法が中心となる。
b|選ばない
根治照射の役割は大きいが、主として中高年に多く若年好発の代表ではない。
c|選ばない
通常はより高い年齢層に多く、若年者好発の比較に合わない。
d|選ばない
通常は中高年に多く、設問の年齢と典型的治療適応の組合せではない。
e|選ばない
放射線治療を行う場面はあるが、提示の若年発症と標準的照射の組合せでは上咽頭癌を優先する。
判断のポイント
上咽頭癌は小児・思春期にも発生し、放射線治療が治療の中心となる。病期に応じて化学療法と組み合わせ、原発部位と頸部病変を治療する。
鑑別・注意点
若年者に多いという比較を、すべての上咽頭癌が若年者に生じるという意味に広げない。長期生存が期待できる小児・若年者では、内分泌、聴力、唾液腺などへの晩期影響も計画・経過観察で評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問17
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問17
解答例:a、c(aは線量・体積条件をそろえた一般的比較)
選択肢別の解説
a|一般的には正しい
小腸の感受性を考慮して線量と照射体積を抑える。実際の危険は分割や手術歴等でも変わる。
b|代表的ではない
急性粘膜障害では下痢、腹痛等が典型で、便秘なら薬剤や閉塞など別の原因も評価する。
c|正しい
晩期の線維化や狭窄、癒着によって腸閉塞が起こり得る。再発による閉塞とも鑑別する。
d|一般化できない
高度な粘膜障害で蛋白喪失を来すことはあっても、通常容易に起こるとする代表症状ではない。
e|誤り
病態や時期によって効果が異なり、線維性狭窄などに一律著効する治療ではない。
判断のポイント
腸管への照射は急性の下痢・腹痛などを生じ、晩期には線維化、狭窄や癒着に伴う腸閉塞を来し得る。小腸の感受性を考慮して正常腸管への線量と照射体積を抑える。
鑑別・注意点
実際の危険は部位名だけで決まらず、分割線量、照射体積、手術歴や併用薬によって変わる。ステロイドがすべての放射線腸障害へ著効するとはいえず、感染や再発、機械的閉塞などを鑑別して治療する。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問18
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問18
解答例:b、d(旧解答を支持。eは個別評価)
選択肢別の解説
a|適応がある
局所浸潤による疼痛や出血の緩和を目指す標的となる。過去の照射歴や正常組織制約も確認する。
b|不適当の想定
両側の広い胸膜病変全体への照射は通常の胸水緩和の第一選択にしにくい。限局した症状原因への照射は別に検討できる。
c|適応を検討
遠隔転移があっても制御困難な痛みの原因が限局すれば緩和照射の役割がある。全身状態と予後に合わせる。
d|不適当
判断能力のある本人が説明後に拒否している治療を、家族の希望だけで実施しない。
e|個別評価
予定外切除後は再切除、病理悪性度、断端を再評価する。断端幅のみで全例の照射を決めず、適応がないとも断定しない。
判断のポイント
本人が十分な説明後も放射線治療を拒否している場合、家族の希望だけで治療を進めない。両側の癌性胸膜炎では、広い胸膜病変全体への照射は通常の症状緩和の第一選択としにくい。
鑑別・注意点
転移があっても疼痛や出血の原因となる限局した病変への緩和照射には役割がある。予定外切除された脂肪肉腫では再切除、組織型・悪性度と断端を評価する。小型低悪性度なら手術単独もあり、断端幅だけで全例の追加照射を決めない。
放射線科専門医試験 2007年度 問19
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問19
解答例:c
選択肢別の解説
a|異なる
臨床的な顕微鏡病変リスクも含む腫瘍体積で、内部運動の追加マージンそのものではない。
b|異なる
画像や診察で分かる肉眼病変の体積であり、呼吸運動全体を自動的に含む用語ではない。
c|正しい
CTVに呼吸や臓器充満等による位置・形状変化を考慮した体積である。
d|より広い概念
内部変動に加え患者設定等の不確かさも考慮する幾何学的体積で、内部運動に最も直接対応するのはITVである。
e|異なる
リスク臓器に位置変動等を考慮した体積で、標的の運動を定義する用語ではない。
判断のポイント
ITVはCTVに対して呼吸や臓器充満などによる内部の位置・形状変化を考慮する体積である。治療中の標的運動に最も直接対応する用語として選ぶ。
鑑別・注意点
PTVは内部変動や患者設定の不確かさを含め、必要な線量を標的へ届けるための幾何学的概念である。GTV、CTV、ITV、PTVを同じ意味にせず、画像誘導や動体追跡などの方法に応じてマージンを評価する。
放射線科専門医試験 2007年度 問20
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問20
解答例:b、d(通常の疾患別治療体系として)
選択肢別の解説
a|通常は選ばない
限局病変への局所治療を考え、通常の初回治療で全脳全脊髄を照射しない。
b|正しい
髄液播種リスクが高く、年齢・病期等に応じた全脳全脊髄照射を治療体系に含む。
c|通常は選ばない
主に限局した腫瘍と必要な周辺を治療し、全中枢神経系の予防照射は一般的でない。
d|正しい
播種例では全脳全脊髄照射を行うことがある。非播種例では全脳室など別の範囲を選ぶ。
e|通常は選ばない
一般的初回治療では浸潤を含む局所照射が基本となる。特殊な播種例の救済治療の可能性とは区別する。
判断のポイント
髄芽腫では髄液播種の危険を考慮して全脳全脊髄照射を用いる。胚腫でも播種を伴う場合は全中枢神経系を対象とする治療が検討される。
鑑別・注意点
非播種胚腫では全脳室照射など、病期と薬物療法に応じた照射体積を選ぶ。髄芽腫も乳幼児を含め全員へ同じ線量で照射するわけではない。特殊な救済治療の可能性と、通常の初回治療の適応を区別する。
放射線科専門医試験 2007年度 問21
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問21
解答例:b、c(従来の照射法を前提)
選択肢別の解説
a|誤り
早期声門癌では局所照射単独が根治の選択肢となり、潜在遠隔転移予防の化学療法を通常併用しない。
b|正しい
粘膜炎や嚥下痛に対応し、食形態や栄養摂取を支援する。症状の程度に合わせる。
c|従来法で正しい
対向照射では頸部形状による線量不均一を補正するため用いる。現在の全照射法で必須ではない。
d|誤り
早期声門癌の小照射野では頸髄を通常避ける。頸髄を含む広い頸部照射の縮小法をそのまま当てはめない。
e|誤り
高エネルギーほど表在標的に適するとは限らず、ビルドアップで線量不足になり得る。
判断のポイント
早期声門癌の従来の対向二門照射では、体表形状による線量の不均一をウェッジなどで補正する。治療期間中は粘膜炎や嚥下時痛に応じた食事・栄養の支援を行う。
鑑別・注意点
早期声門癌は通常、喉頭局所への根治的放射線単独治療が選択肢となる。高エネルギーほど適切とは限らず、表在する標的の線量を確保する。ウェッジの使用は照射技術に依存し、すべての現行計画の必須条件ではない。
放射線科専門医試験 2007年度 問22
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問22
解答例:a(重要な慎重適応因子)
選択肢別の解説
a|慎重適応として正しい
強皮症では照射部位の線維化などへの懸念が大きく、代替治療も含め慎重に決める。重い障害が全例に必発とはしない。
b|誤り
若年だけで温存療法を除外しない。再発リスクや遺伝的背景等を踏まえ相談する。
c|誤り
HER2陽性は薬物療法の選択に重要だが、それ自体は一律の乳房温存除外条件ではない。
d|誤り
ホルモン反応性陽性は温存療法を否定する条件ではなく、内分泌療法の判断等に使う。
e|誤り
脈管侵襲を認めないことは温存療法を除外する理由にならない。腫瘍範囲や断端なども評価する。
判断のポイント
強皮症では放射線治療後の皮膚・皮下組織の線維化などへの懸念があり、乳房温存術と術後照射の適応を慎重に検討する。年齢やHER2陽性だけを一律の温存療法除外条件とはしない。
鑑別・注意点
強皮症なら全例で必ず重い障害が起こるという意味ではない。乳癌患者のコホートでは照射野内の線維化が約半数でみられたが必発ではなく、病状、代替手段、予測される利益とリスクを共有して決める。
放射線科専門医試験 2007年度 問23
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問23
解答例:d(照射歴と画像所見を確認)
選択肢別の解説
a|合いにくい
気胸は通常急な胸痛・呼吸困難が中心で、照射後の乾性咳と微熱という経過では肺臓炎をまず比較する。
b|合いにくい
複数臓器の障害を示す所見がなく、提示の局所的呼吸症状だけから最も疑う病態ではない。
c|合いにくい
肺転移の有無は画像で評価するが、術後・照射後早期の症状と時期から肺臓炎が想定される。
d|最も疑う
照射後数週〜数か月に乾性咳や微熱を来し得る。照射歴とCTの分布を確認して感染等を除外する。
e|鑑別には残る
感染でも似た症状を来すため経過だけでは除外できないが、設問では治療との時間関係が手掛かりとなる。
判断のポイント
乳房照射後の微熱、乾性咳や呼吸困難では放射線肺臓炎を考える。典型的には照射後数週から数か月で生じ、照射範囲と肺陰影の関係を確認する。
鑑別・注意点
症状と経過だけでは感染や肺塞栓、再発などを除外できない。照射日程、肺への線量、併用薬とCTを照合する。肺臓炎と晩期の肺線維化、照射野外にも広がる器質化肺炎は区別する。
放射線科専門医試験 2007年度 問24
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問24
解答例:a、c
選択肢別の解説
a|条件付きで正しい
同側鎖骨上窩病変は安全な照射範囲に含められれば限局型として扱う。胸水や遠隔病変も評価する。
b|誤り
臨床病変のない腋窩を予防的に常に照射する方法は推奨されない。
c|正しい
1回1.5 Gyを1日2回、計45 Gyとする代表的加速過分割法がある。照射間隔を確保する。
d|誤り
代表的併用はプラチナ製剤とエトポシドで、5-FUとの組合せではない。
e|誤り
胸部が奏効した症例こそPCIを検討する対象となる。現在は年齢や認知機能、MRI監視も踏まえ適応を選ぶ。
判断のポイント
限局型小細胞肺癌では、片側胸郭内の病変と鎖骨上窩病変などを含め、安全に照射可能な範囲かを評価する。加速過分割の代表的処方は1.5 Gyを1日2回、計45 Gyである。
鑑別・注意点
併用薬は通常プラチナ製剤とエトポシドを中心とし、シスプラチンと5-FUを代表的併用としない。予防的全脳照射は奏効、年齢や認知機能などを踏まえて検討する。旧説明の照射途中の一律の縮小法を、すべての現行計画へ当てはめない。
放射線科専門医試験 2007年度 問25
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問25
解答例:b、e
選択肢別の解説
a|正しい
脳転移の個数や大きさ、症状、全身病勢に応じて定位照射などを選ぶ。IV期だけで適応を否定しない。
b|誤り
早期癌への定位照射に化学療法を一律に同時併用しない。
c|通常分割の文脈
根治的通常分割では十分な腫瘍線量を要する。定位少分割の物理線量をこの回数・線量へ単純比較しない。
d|正しい
肺臓炎や脊髄障害を防ぐため、標的だけでなく正常臓器の線量体積制約を確認する。
e|誤り
対側縦隔節転移はN3であり、一般に手術を可能な限り優先するとはしない。切除不能なら化学放射線療法等を検討する。
判断のポイント
I期の定位照射へ化学療法を一律に同時併用しない。対側縦隔リンパ節転移はN3であり、一般に手術を可能な限り優先するという治療体系ではない。
鑑別・注意点
III期は切除可能性を多職種で評価し、切除不能例では化学放射線療法などを検討する。転移性病変への照射も症状や病態に応じて適応があり、IV期という理由だけで脳転移治療を除外しない。通常分割の総線量と定位照射の処方は直接比較しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問26
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問26
解答例:d
選択肢別の解説
a|誤り
根治照射では小線源治療が重要で、省略して同等と考えない。適用困難なら専門施設で代替を検討する。
b|誤り
腺癌の成績が一般に扁平上皮癌を上回るとはいえない。病期などの条件をそろえて比較する。
c|誤り
出血頻度は線量分布や評価基準で変わり、全例の約半数に起こる固定値を標準としない。
d|正しい
シスプラチンは同時化学放射線療法の代表的併用薬である。腎機能などで適応を判断する。
e|誤り
膀胱の晩期障害は数年以上経過して現れることもある。1年以内を主な時期と限定しない。
判断のポイント
局所進行子宮頸癌の根治的化学放射線療法では、シスプラチンを併用する。外部照射に小線源治療を組み合わせ、標的と膀胱・直腸などの線量を評価する。
鑑別・注意点
小線源治療を省略しても同じ治療成績が得られるとはしない。晩期出血の頻度や発現時期は線量、照射体積や治療法によって変わり、直腸出血が約半数、膀胱障害が主に1年以内などの固定的説明を避ける。
放射線科専門医試験 2007年度 問27
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問27
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|除外理由でない
低いPSA値だけでは不適応としない。悪性度、病期、排尿機能等と組み合わせる。
b|除外理由でない
低悪性度の限局例はシード単独療法の対象となり得る。病期等の他条件も必要である。
c|単独療法には不適
精嚢浸潤は局所進行を示し、低リスク限局癌のシード単独治療とは異なる。併用療法の可能性まで否定しない。
d|単独根治療法には不適
骨転移を伴う全身病態を前立腺内シードだけで根治する治療体系ではない。
e|除外理由でない
片葉の生検陽性だけでは不適応にならない。反対側の未検出病変や総リスクも評価する。
判断のポイント
精嚢浸潤や骨転移を伴う病態は、限局性低リスク癌に対する永久挿入小線源単独治療の対象とは異なる。病期、PSA、Gleasonスコアなどを組み合わせて適応を決める。
鑑別・注意点
局所進行例での小線源併用治療や、転移例での原発巣照射まで一律に否定する意味ではない。尿路症状、前立腺体積、余命と希望も評価し、核種や線源形式だけで適応を決めない。
放射線科専門医試験 2007年度 問28
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問28
解答例:a、d(出題当時の通常の対応として)
選択肢別の解説
a|照射を直ちに行う分類でない
浮腫や圧迫を評価し、薬物や手術を含めて対応する。腫瘍への照射自体が不要という意味ではない。
b|病型と重症度で判断
化学療法への反応、気道・循環障害を評価し、必要ならステントや照射を選ぶ。全例が照射第一ではない。
c|緊急治療が必要
機能回復の機会を逃さないよう迅速に画像・神経所見を確認し、手術と照射の適応を判断する。
d|不適当の想定
胸水による呼吸困難には排液等で呼吸を改善する方法を優先し、広い胸膜照射を一般的な緊急処置としない。
e|限定された適応
生命を脅かす肝腫大では化学療法などを優先する。十分な改善がない場合等に照射を検討し、全例へ直ちに実施しない。
判断のポイント
癌性胸水による呼吸困難では、排液などにより呼吸状態を改善する処置を優先して検討する。神経膠腫による片麻痺も、浮腫や圧迫の評価、薬物療法・手術などを含めて対応する。
鑑別・注意点
脊髄圧迫は迅速な神経学的評価と手術適応の検討が必要である。上大静脈症候群は病型・重症度に応じて化学療法やステントなどを選択する。乳児神経芽腫の肝腫大では化学療法が重要で、生命・臓器を脅かす症状が十分に改善しない場合などに照射を検討する。旧年度の分類を「すべて直ちに照射」と読み替えない。
放射線科専門医試験 2007年度 問29
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問29
解答例:e
選択肢別の解説
a|比較では劣る
全身状態と年齢は有利だが、頭蓋外病変を伴い最も良い条件がそろわない。
b|比較では劣る
頭蓋外病変がなくても全身状態不良と高齢が不利な要素となる。
c|比較では劣る
単発で全身状態が良くても、頭蓋外病変の存在が不利に働く。
d|比較では劣る
単発でも全身状態不良が重要な不良因子となり、個数のみで良好群としない。
e|正しい
提示では若年、良好な全身状態、頭蓋外病変なし等がそろう。RPAには原発制御も必要で個人予後を固定しない。
判断のポイント
提示された比較では、全身状態が良好、若年、頭蓋外病変がなく単発脳転移である条件を持つeが良好な予後を期待しやすい。原発巣の制御状態も重要な評価項目となる。
鑑別・注意点
RTOGのRPAはKPS、年齢、原発制御と頭蓋外転移を使った集団の層別化であり、単発か多発かだけの分類ではない。原発組織型、分子背景や薬物療法も予後へ影響し、個人の生存期間を固定して予測しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問30
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問30
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|通常の適応でない
抗真菌薬などで治療し、良性皮膚感染に放射線を標準的に使わない。
b|通常の適応でない
脱毛作用があるからといって美容目的の標準治療に用いない。晩期障害との釣合いが悪い。
c|正しい
選択された例で切除後の再発を抑えるために照射する。部位と再発リスクに応じた処方を選ぶ。
d|正しい
活動性や重症度に応じて眼窩照射を選ぶ場合がある。甲状腺への放射性ヨウ素治療とは別である。
e|通常の適応でない
外用薬や全身薬等による管理が中心で、慢性皮膚炎に照射を標準治療としない。
判断のポイント
ケロイドの切除後再発予防や、適切に選択した活動性甲状腺眼症では放射線治療が用いられる。疾患名に加え、症状、活動性、既治療と治療目的を確認する。
鑑別・注意点
ケロイドでは部位や再発リスクに応じて処方を選ぶ。甲状腺眼症への眼窩外部照射と、甲状腺機能亢進症への131I内用療法は標的も目的も異なる。軽症を含む全例へ照射するわけではない。
放射線科専門医試験 2007年度 問31
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問31
解答例:b、c(髄腔内投与用の規格に限る)
選択肢別の解説
a|誤り
非イオン性でも提示規格は脊髄腔内適応製剤ではない。剤形・投与経路の承認を確認する。
b|正しい
イオトロラン240は脊髄造影の適応を持つ。用量や禁忌は添付文書で確認する。
c|規格限定で正しい
イオヘキソール300の脊髄用10mL製剤には適応がある。同濃度のCT用シリンジ等を代用しない。
d|誤り
提示の商品・濃度を非イオン性という理由だけで髄腔内用とは判断できない。承認製剤を使う。
e|誤り
イオン性製剤であり、この設問の脊髄腔内投与用の適応製剤ではない。
判断のポイント
イオトロラン240とイオヘキソール300の脊髄用10mL製剤には、脊髄造影の適応がある。同じ一般名や同じヨード濃度でも、容器・規格と承認された投与経路を確認する。
鑑別・注意点
オムニパーク300という濃度名だけで、血管・CT用シリンジ製剤まで髄腔内使用できると判断しない。非イオン性ならすべて髄腔内に使えるわけでもない。出題時の製剤と現行添付文書を区別して照合する。
選択肢の確認に用いた追加資料
放射線科専門医試験 2007年度 問32
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問32
解答例:c(血管評価を加えるという出題意図)
選択肢別の解説
a|優先項目でない
梗塞の超早期変化は通常T1では捉えにくく、閉塞血管の評価を追加する設問ではMRAを選ぶ。
b|優先項目でない
実質変化の補助となるが、超早期の閉塞部位を調べる方法とは異なる。
c|正しい
主幹動脈の閉塞・狭窄を調べ、再灌流療法の判断を支える。実際はCTA等の迅速な代替もある。
d|誤り
髄液腔や脳神経周囲の解剖を描く方法で、急性閉塞血管評価の優先検査ではない。
e|有用だが設問では選ばない
発症時刻推定や他病変評価に有用で、実診療で不要という意味ではない。出血除外を含む必要画像で治療を遅らせない。
判断のポイント
DWIで虚血性病変を評価するとともに、MRAで主幹動脈の閉塞や狭窄を確認する。特に血栓回収療法を考慮する場面では、迅速なCTAまたはMRAによる閉塞診断が重要となる。
鑑別・注意点
実診療をDWIとMRAの2種類だけに限定しない。頭蓋内出血の除外、FLAIR、発症時刻や臨床症状などを評価し、治療開始を遅らせない。2007年の発症3時間という記載を、現行のすべての再灌流療法の時間枠と同一視しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問33
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問33
解答例:c、e(通常のスピンエコー像として)
選択肢別の解説
a|正しい
発達性静脈異常では放射状に集まる静脈が造影される。流れの速いAVMとは区別する。
b|正しい
ヘモジデリン等の磁化率効果に鋭敏で微小病変検出に役立つ。SWIも利用する。
c|誤り
低流速病変であり、AVMのような明瞭な流入動脈・流出静脈を通常MRAで描く病変ではない。
d|起こり得る
慢性的な血行動態変化などで周辺実質が萎縮する場合がある。出血歴だけで変化を説明しない。
e|通常SE像では誤り
高速血流は通常のスピンエコーT1・T2像ではflow voidが代表である。TOF等の流入高信号と混同しない。
判断のポイント
海綿状血管奇形は低流速病変で、AVMのような明瞭な流入動脈・流出静脈を通常のMRAで描く病変ではない。AVMの速い血流は通常のT1・T2強調像ではflow voidとしてみられる。
鑑別・注意点
微小な海綿状血管奇形の検出にはT2*やSWIの磁化率効果が役立つ。発達性静脈異常は造影で集簇する静脈を認め、海綿状血管奇形と併存することもある。流入効果による高信号はシーケンスに依存し、すべての血管画像を同一に扱わない。
放射線科専門医試験 2007年度 問34
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問34
解答例:b(認知症の機能画像の比較として)
選択肢別の解説
a|対応する
認知症の機能画像では側頭頭頂連合野などの低下が重要で、内側側頭部の形態評価も行う。
b|画像比較としての想定解
DLB機能画像では後頭葉低灌流・低代謝が重要である。ただしLewy病理は脳幹にも存在し、病理学的組合せなら単純に誤りとはいえない。
c|対応する
小血管病による皮質下・深部白質の障害が中心である。
d|対応する
中脳の萎縮や前頭葉の機能低下等を評価する。所見だけで診断確定はしない。
e|対応する
DWIで大脳皮質や線条体の異常が重要で、臨床と検査を統合する。
判断のポイント
Lewy小体型認知症の機能画像では、後頭葉の血流・代謝低下が診断を支える所見である。Alzheimer病の側頭頭頂連合野などの分布と対比する。
鑑別・注意点
設問は画像上の主な障害部位を比較した旧解答としてbを支持するが、Lewy小体病の病理は脳幹にも分布する。脳幹に病理が存在しないという説明にはしない。病理局在と認知症の機能画像が混在した読み方では、単純な一対一対応による正誤は確定できない。
放射線科専門医試験 2007年度 問35
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問35
解答例:c
選択肢別の解説
a|代表的でない
甲状腺病変を主要なVHL関連腫瘍として選ぶ比較ではない。
b|代表的でない
前縦隔腫瘍はVHLの主要な関連臓器病変ではない。
c|正しい
VHLでは淡明細胞型腎細胞癌や腎嚢胞を認める。家族歴と複数の血管芽腫から系統的に評価する。
d|代表的でない
VHLの生殖器関連病変には別の特徴があり、卵巣腫瘍を本問の代表的合併として選ばない。
e|代表的でない
骨腫瘍はVHLの主要関連腫瘍群に含める代表ではない。
判断のポイント
網膜・小脳・脊髄の血管芽腫と家族歴からVHL病を考える。腎嚢胞や淡明細胞型腎細胞癌を合併し、腎病変を含む系統的な評価が必要となる。
鑑別・注意点
VHLでは褐色細胞腫、膵神経内分泌腫瘍、内リンパ嚢腫瘍などもみられる。各病変をすべて血管芽腫とみなさず、臓器と画像所見、遺伝学的・臨床的診断を組み合わせる。
放射線科専門医試験 2007年度 問36
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問36
解答例:c(典型例の比較)
選択肢別の解説
a|選ばない
低悪性度ではADCが高い傾向があり、典型的な類表皮嚢胞ほど著明なDWI高信号を代表としない。
b|選ばない
内容物で信号は変わるが、類表皮嚢胞の典型的な強いDWI信号とは区別する。
c|典型例の想定解
内容の拡散特性とT2効果で著明なDWI高信号となる。ADC、FLAIR、部位も合わせる。
d|選ばない
充実部の制限や壊死で信号は不均一となり、全例で最強の信号を示す病変ではない。
e|比較に注意
高細胞密度で強い拡散制限を示すため、DWI信号順位は固定できない。設問は典型的類表皮嚢胞を選ぶ。
判断のポイント
類表皮嚢胞はDWIで著明な高信号を示し、通常画像で髄液に似るくも膜嚢胞などとの鑑別に役立つ。病変の局在とFLAIR、ADCも併せて評価する。
鑑別・注意点
悪性リンパ腫などにも拡散制限があり、DWI信号の順位がすべての症例で固定されるわけではない。T2 shine-throughやb値などの撮像条件を考慮し、高信号だけで組織型を確定しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問37
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問37
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|正しい
高細胞密度の充実部が単純CTで高吸収を示し得る。部位や年齢、播種も確認する。
b|選ばない
造影増強はあっても単純CT高吸収が代表的な比較所見ではない。
c|選ばない
橋のびまん性腫大や低吸収などが典型で、出血なしの高吸収二病変ではない。
d|正しい
高細胞密度により単純CT高吸収と拡散制限を示す代表例である。
e|選ばない
血管豊富な造影効果と、非造影での高吸収を区別する。
判断のポイント
胚腫と髄芽腫は、石灰化や出血がなくても腫瘍実質が単純CTで高吸収を示す代表例である。高い細胞密度と併せてMRIの拡散所見などを評価する。
鑑別・注意点
高吸収だけで診断せず、年齢、部位、造影、嚢胞・壊死と播種を確認する。腫瘍内の出血や石灰化による高吸収を、高細胞密度による所見と分けて解釈する。
放射線科専門医試験 2007年度 問38
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問38
解答例:b
選択肢別の解説
a|通る枝がある
上行咽頭動脈の髄膜枝が頸静脈孔へ入り硬膜を栄養する。動脈走行には変異がある。
b|正しい
錐体骨上縁を走る静脈洞である。頸静脈孔へ流入する下錐体静脈洞と区別する。
c|通る
第IX脳神経は頸静脈孔を通って頭蓋外へ出る。
d|通る
第X脳神経は頸静脈孔を通る主要な神経である。
e|通る
第XI脳神経は頭蓋内を経て頸静脈孔から出る。脊髄根の大後頭孔への進入と区別する。
判断のポイント
頸静脈孔には舌咽・迷走・副神経、S状静脈洞から頸静脈球への流出路や下錐体静脈洞の還流部がある。上錐体静脈洞は錐体骨上縁に沿い、頸静脈孔を通る構造とは区別する。
鑑別・注意点
上錐体と下錐体を取り違えない。頸静脈孔内の神経・静脈は複数の区画をつくり、髄膜動脈枝にも変異があるため、孔を単一の管として考えない。
放射線科専門医試験 2007年度 問39
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問39
解答例:b、c(間隙の定義を確認)
選択肢別の解説
a|通常の直接交通でない
口底の間隙で、顎舌骨筋などに区切られる。縦隔へ直接続く代表二間隙とは異なる。
b|定義を確認して支持
椎前領域は胸部へ連続する経路となる。前方のdanger spaceとは筋膜上の境界を区別する。
c|定義を確認して支持
咽後領域は上縦隔への連続を持つ。下端や名称は文献差があり、danger spaceと同一扱いしない。
d|通常の直接交通でない
咀嚼筋周囲の筋膜間隙で、縦隔へ直接延びる代表経路ではない。
e|通常の直接交通でない
周辺間隙へ炎症が波及して下降する可能性と、この間隙自体の直接連続は別である。
判断のポイント
咽後・椎前領域の間隙は、頸部から胸部へ連続する経路となり、感染や液体貯留が縦隔へ進展し得る。深頸筋膜の層を画像で追って評価する。
鑑別・注意点
咽後間隙、danger space、椎前間隙は区別する。特にdanger spaceはalar fasciaと椎前筋膜の間にあり後縦隔へ続く。咽後間隙の下端や名称の用い方には文献差があり、旧解答の2名称を同じ間隙と説明しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問40
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問40
解答例:c(旧解答bを修正)
選択肢別の解説
a|起こし得る
頸静脈球が高位で鼓室近くに位置すると血流性の拍動音の原因となる。
b|起こし得る
富血管性の傍神経節腫は拍動性耳鳴の代表的腫瘍性原因である。
c|正しい
内耳の形成異常であり、提示された血管性病変に比べ拍動性耳鳴を起こす代表ではない。
d|起こし得る
動静脈短絡の血流が原因となる。静脈逆流等の危険な所見も評価する。
e|起こし得る
中耳付近を走る動脈変異は拍動性耳鳴の原因となり、手技前に画像で把握する。
判断のポイント
拍動性耳鳴では傍神経節腫、硬膜動静脈瘻、頸静脈球の変異や異所性内頸動脈などの血管性原因を考える。Mondini奇形は内耳形成異常であり、この比較ではcが適切となる。
鑑別・注意点
旧記事はbを答えとしながら、本文ではグロムス腫瘍が拍動性耳鳴を来すと説明しており矛盾していた。グロムス腫瘍は傍神経節腫で、代表的な拍動性耳鳴の腫瘍性原因である。耳鏡所見、側頭骨CTと血管画像を組み合わせる。
放射線科専門医試験 2007年度 問41
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問41
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|選ばない
線維成分と細胞成分で増強は変わるが、提示の典型的多血性二腫瘍を優先する。
b|選ばない
水分の多い粘液成分が主体で、通常は弱い内部増強や辺縁増強が中心となる。
c|選ばない
脂肪主体の病変で隔壁等は増強しても、全体が著明な多血性充実腫瘤という代表ではない。
d|正しい
発達した腫瘍血管により強い増強を示し得る。線維・壊死成分によって不均一となる。
e|正しい
特に限局した過血管性病変で著明な増強を認める。組織型や多中心性病態では所見が異なる。
判断のポイント
孤立性線維性腫瘍と限局性Castleman病は、強い造影増強を示すことがある。血管の発達、造影時相、腫瘤内の線維成分や壊死を確認する。
鑑別・注意点
強い造影効果だけで良悪性や組織型を決めない。孤立性線維性腫瘍には均一・不均一な増強があり、Castleman病も病型や多中心性かどうかで所見と臨床像が異なる。
放射線科専門医試験 2007年度 問42
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問42
解答例:e(早期の代表的な進展の比較)
選択肢別の解説
a|正しい
椎体破壊と圧潰が進むと局所後弯による亀背を来す。
b|正しい
靱帯に沿って連続し、椎体前面等へ広がることがある。
c|正しい
連続する複数椎体や、時に離れた病変を生じる。
d|正しい
傍椎体膿瘍や軟部腫瘤が形成され、広がりが大きい場合がある。
e|典型比較では誤り
化膿性と比べ初期の椎間板・終板破壊が相対的に目立ちにくい。結核でも終板破壊は起こるため絶対否定しない。
判断のポイント
結核性脊椎炎は靱帯下に広がり、複数椎体、傍脊椎膿瘍や亀背を来し得る。化膿性と比較して早期の椎間板・終板病変の進展が目立たないことが手掛かりとなる。
鑑別・注意点
結核でも終板破壊や椎間板狭小化は起こり、画像で原因菌を確定できるわけではない。早期から終板破壊を来すことをすべての結核性病変の代表所見としない。分布、膿瘍、培養・病理などを統合する。
放射線科専門医試験 2007年度 問43
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問43
解答例:c
選択肢別の解説
a|異なる
主な牽引性裂離の付着部は大腿骨小転子であり、上前腸骨棘ではない。
b|異なる
大転子に付着し、上前腸骨棘から起こる筋ではない。
c|正しい
上前腸骨棘から起始し、未熟な骨端への急な牽引で裂離骨折を起こす。
d|異なる
直頭は下前腸骨棘から起こり、上前腸骨棘と位置を区別する。
e|異なる
主に坐骨結節から起始し、その裂離骨折に関係する。
判断のポイント
上前腸骨棘の裂離骨折には縫工筋の牽引が関係する。下前腸骨棘は大腿直筋、坐骨結節はハムストリング、小転子は腸腰筋という付着部と対比する。
鑑別・注意点
骨端部が未成熟なスポーツ選手では、急激な筋収縮による裂離を考える。転位、症状と骨癒合を評価し、腱付着部の痛みだけで単なる筋損傷と判断しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問44
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問44
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|代表的でない
脂質代謝異常等に伴う病変であり、透析関連アミロイド症の代表二所見ではない。
b|代表的でない
透析で全ての腱・筋膜痛を説明せず、提示の特徴的合併二病態を選ぶ。
c|正しい
腱鞘等へのβ2ミクログロブリンアミロイド沈着で正中神経が圧迫される。
d|正しい
椎間板・終板等への沈着と破壊を来す。感染性脊椎炎や腫瘍も鑑別する。
e|代表的でない
感覚障害に伴う関節破壊であり、長期透析で典型的な二所見とは異なる。
判断のポイント
長期透析に関連するアミロイド症では手根管症候群や破壊性脊椎関節症が重要である。手関節周辺や骨嚢胞様病変、椎間板・終板の変化を評価する。
鑑別・注意点
破壊性脊椎病変では感染性脊椎炎や腫瘍も鑑別する。透析患者の筋骨格病変には二次性副甲状腺機能亢進症などもあり、すべてをアミロイド沈着だけで説明しない。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問45
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問45
解答例:b、e
選択肢別の解説
a|誤り
骨びらんや圧迫性の骨変化は起こり得る。特に関節腔が狭い部位では目立つ場合がある。
b|正しい
膝を中心に大関節などへ生じ、股・足・肩にも認められる。
c|誤り
びまん型は完全切除が難しいこともあり、局所再発が問題となる。
d|誤り
通常は若年から中年成人が中心で、提示の高い年齢層を唯一のピークとしない。
e|正しい
ヘモジデリン等による低信号と磁化率効果が重要で、病変の広がりや造影も評価する。
判断のポイント
旧称PVNSはびまん型腱滑膜巨細胞腫に対応し、関節滑膜に増殖する。膝に多く、股・足・肩などにも生じ、ヘモジデリンによる低信号と磁化率効果が特徴となる。
鑑別・注意点
びまん型では局所再発や骨びらんを認め得る。T2低信号だけで診断せず、病変の広がり、関節外進展、骨変化と造影所見を評価する。旧名称と限局型の病変を混同しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問46
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問46
解答例:b
選択肢別の解説
a|正しい組合せ
折れ込んだ気管支血管束が胸膜病変に接する円形の虚脱肺へ収束する。
b|誤り
肺門腫瘤と右上葉虚脱に伴う葉間裂のS字変形で、右下葉との対応ではない。
c|正しい組合せ
肺梗塞で胸膜を底辺とする楔状陰影を示す。感度が高い所見ではない。
d|起こり得る組合せ
肺門血管を透見できれば腫瘤が肺門と別の深さにあると考える。前縦隔にだけ特異的ではない。
e|正しい組合せ
気管支周囲間質の浮腫により壁の輪郭が厚く見える。
判断のポイント
Golden S signは、右上葉の虚脱による葉間裂の変形に、肺門部の腫瘤がつくる膨らみが重なった所見である。右下葉無気肺との組合せを修正する。
鑑別・注意点
サイン名だけで原因を確定せず、肺門部腫瘤と気管支閉塞をCTで確認する。肺門重畳徴候は肺門血管と別の位置にある腫瘤を示唆するが、前縦隔にだけ特異的な所見とはしない。
放射線科専門医試験 2007年度 問47
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問47
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|代表二疾患でない
感染の分布や粒状影などを重視し、Kerley B線の典型的な二原因としては選ばない。
b|起こり得るが選ばない
線維化で隔壁が目立つ場合はあるが、設問の代表的比較では肺水腫とリンパ管症を選ぶ。
c|代表的でない
通常は受傷に関連した肺胞性陰影が主体で、短い末梢隔壁線の代表原因ではない。
d|正しい
小葉間隔壁の液体増加が、胸膜に接する短い線状陰影として現れる。
e|正しい
リンパ路に沿う腫瘍進展で隔壁が肥厚する。結節性や分布、原発癌も評価する。
判断のポイント
Kerley B線は胸膜直下の短い線状陰影で、小葉間隔壁の肥厚を反映する。間質性肺水腫と癌性リンパ管症は代表的な原因である。
鑑別・注意点
両者は同じ原因ではなく、心拡大、胸水、分布、結節性肥厚や癌の背景を合わせて判断する。他の疾患でも隔壁肥厚が生じるため、この所見だけで病因を限定しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問48
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問48
解答例:b、e
選択肢別の解説
a|誤り
通常は良性であり、軟骨や脂肪、石灰化などを認めることがある。
b|正しい
高悪性度神経内分泌癌で、増殖が速く転移しやすい病型である。
c|選ばない
典型・非典型で違いはあるが、小細胞癌やLCNECの高悪性度群と区別する。
d|選ばない
浸潤や再発は問題となるが、設問では高悪性度神経内分泌癌二病型を選ぶ。
e|正しい
大細胞神経内分泌癌は高悪性度に分類され、カルチノイドとは病理と臨床経過を区別する。
判断のポイント
小細胞癌と大細胞神経内分泌癌は高悪性度の神経内分泌癌に分類される。典型・非典型カルチノイドとは、核分裂、壊死、細胞形態と臨床経過を含めて区別する。
鑑別・注意点
カルチノイドにも非典型があり、すべてを低悪性度として同一視しない。画像だけで組織型を確定せず、十分な病理検体と免疫染色などに基づいて診断する。
放射線科専門医試験 2007年度 問49
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問49
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|誤り
典型的には下葉後底部、特に左側に多く、右上葉好発ではない。
b|正しい
胸部または腹部大動脈などの体循環性異常動脈から栄養される。
c|誤り
感染は通常、正常肺と胸膜を共有する肺葉内型で問題となりやすい。
d|一般的に正しい
肺葉内型は肺静脈へ還流することが多い。造影画像で実際の血管を確認する。
e|一律には誤り
肺葉外型は体静脈還流が多いが、奇静脈・半奇静脈、下大静脈など変異があり上大静脈に固定しない。
判断のポイント
肺分画症は体循環の異常動脈から血流を受け、胸部・腹部大動脈などを起始とする。肺葉内型は肺静脈へ還流することが多く、下葉後底部に好発する。
鑑別・注意点
肺葉外型は独立した胸膜を持ち、奇静脈・半奇静脈や下大静脈などへ還流し得る。上大静脈と一律に固定せず、造影CTで流入・流出血管を個別に確認する。感染は一般に肺葉内型で問題になりやすい。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問50
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問50
解答例:a、c(典型像の比較)
選択肢別の解説
a|典型像でない
明らかな胸水は通常のPAPでは非典型で、併存心疾患や感染なども評価する。
b|起こり得る
肺門部優位の両側肺胞性陰影が肺水腫に似た分布を示すことがある。
c|単純写真では典型でない
CTのcrazy pavingに隔壁肥厚が含まれても、単純写真の明瞭なKerley B線を典型とする説明とは分ける。
d|起こり得る
経時的に分布や濃度が変わる場合がある。移動性だけでPAPを確定しない。
e|起こり得る
肺胞内物質の蓄積によりすりガラス影を示し、CTでは隔壁肥厚と組み合わさることがある。
判断のポイント
肺胞蛋白症では両側性の肺胞性陰影やすりガラス影、肺門部優位の蝶形分布を示すことがある。心原性肺水腫と比べ、胸水や明瞭なKerley B線を典型所見としにくい。
鑑別・注意点
CTでのcrazy pavingにはすりガラス影に重なる隔壁肥厚が含まれるが、単純写真のKerley B線と無条件に同一視しない。胸水があれば併存病態も評価し、陰影の分布や変化だけでPAPを確定しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問51
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問51
解答例:d(典型的画像の比較)
選択肢別の解説
a|起こり得る
寄生虫の胸膜・肺内移動などに関連して気胸や胸水を来すことがある。
b|代表的
急性好酸球性肺炎は両側の浸潤影と胸水を伴うことがある。
c|代表的
慢性好酸球性肺炎では末梢優位の肺胞性浸潤影が重要な画像所見である。
d|旧年度の想定解
EGPAの代表画像では肺浸潤影等を重視するが、縦隔節腫大も実際に生じる。全疾患間の頻度順位を直接証明した比較ではない。
e|代表的
一過性・移動性の肺浸潤と好酸球増多の組合せが重要である。
判断のポイント
EGPA(旧称Churg–Strauss症候群)では喘息や好酸球増多を背景に肺浸潤影などを評価する。旧年度の典型的画像の比較ではdを選ぶが、縦隔リンパ節腫大はEGPAでも生じる。
鑑別・注意点
2022年の多施設後ろ向き研究ではEGPA18例を含む55例を比較し、EGPA群の縦隔リンパ節径の合計は喘息群より大きかった。これは本設問の全疾患間の頻度順位を直接示す研究ではない。「生じにくい」を「生じない」と読み替えず、リンパ腫、感染や他の炎症性疾患とも鑑別する。
放射線科専門医試験 2007年度 問52
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問52
解答例:a(高分化腺癌の代表的画像の比較)
選択肢別の解説
a|典型比較で正しい
明瞭な壊死性空洞は置換性成分を持つ高分化腺癌の代表像ではない。ただし腺癌にも空洞や小透亮像は生じる。
b|起こり得る
腫瘍周囲の線維性収縮等で棘状の辺縁を認める。
c|起こり得る
気管支の空気を残しながら周囲肺胞を腫瘍が占めると認められる。
d|起こり得る
腫瘍周辺の収縮が胸膜を引き込む所見である。
e|起こり得る
肺胞上皮置換性成分はすりガラス状に見えることがある。CTだけで分化度を確定しない。
判断のポイント
置換性増殖を含む肺腺癌では、すりガラス成分、air bronchogram、spiculationや胸膜陥入が手掛かりとなる。明瞭な壊死性空洞をその代表所見とはしにくい。
鑑別・注意点
肺腺癌にも空洞や小嚢胞状の透亮像は生じる。腫瘍内の気管支・肺胞由来の小透亮像と、壊死による空洞を区別する。CTだけで高分化という病理学的分化度を確定しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問53
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問53
解答例:正解保留(2疾患の頻度順位を確定する資料不足)
選択肢別の解説
a|起こり得る
肺胞内出血と間質変化が重なり、すりガラス影に線状影を伴う。頻度順位は出血原因等に依存する。
b|低頻度候補だが保留
細菌性肺炎でも報告される。菌種や集団を定めず、報告の有無だけから頻度順位を確定しない。
c|代表的
すりガラス影と小葉間・小葉内の線状影が重なる代表疾患だが、所見はPAP特異的ではない。
d|低頻度候補だが保留
GPAの出血や炎症で同パターンを生じ得る。全疾患を同じ条件で比べた資料なしに指定の二肢を確定しない。
e|起こり得る
すりガラス影に隔壁・小葉内線状影が重なることがある。免疫状態と検体検査を統合する。
判断のポイント
crazy-pavingは、すりガラス影に小葉間・小葉内の線状影が重なる非特異的パターンである。肺胞蛋白症、感染、出血などの複数の病態でみられる。
鑑別・注意点
旧解説の「すべてでみられる」という指摘だけでは、出現頻度の低い2疾患を問う設問への答えにはならない。一方、細菌性肺炎やGPAも報告されており、疾患群と対象集団をそろえた頻度比較なしに2つを確定しない。Wegener肉芽腫症は現在のGPAに対応する。
放射線科専門医試験 2007年度 問54
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問54
解答例:a、e(旧解答b、eを修正)
選択肢別の解説
a|正しい
吸入粉塵による小結節や線維化は上肺優位が典型である。
b|誤り
一般的な血行性転移は末梢・下肺優位が多く、上肺優位を代表としない。
c|誤り
肺門周囲や重力の影響を受ける肺水腫であり、上肺優位の代表二疾患とは異なる。
d|誤り
典型的UIPは胸膜下・肺底部優位の線維化である。
e|正しい
成人肺LCHは上中肺の結節・嚢胞が典型で、肺底部が比較的保たれる。
判断のポイント
珪肺は上肺野優位の小結節や進行性の線維化を示し、成人肺Langerhans細胞組織球症は上中肺野優位の結節・嚢胞が特徴となる。一般的な肺転移を上肺野優位の代表として選ぶ旧解答を修正する。
鑑別・注意点
分布は典型像として使い、すべての病変が上肺野だけにあると説明しない。肺LCHでは肋骨横隔膜角の比較的温存、喫煙歴と病変の時相も手掛かりとなる。
放射線科専門医試験 2007年度 問55
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問55
解答例:b(典型的な結核腫の比較)
選択肢別の解説
a|選ばない
腺癌は通常充実部が増強するが壊死や組織型で変動する。単一閾値だけで良悪性を決めない。
b|典型比較で正しい
乾酪性の中心は造影不良となり、辺縁の炎症性増強と差がある。すべての結核腫が低増強ではない。
c|選ばない
壊死部は低増強でも生きた腫瘍部は増強する。腫瘤中心と辺縁を分けて評価する。
d|選ばない
虚脱肺の血管と実質が造影され、内部低増強の代表病変ではない。
e|選ばない
現在の硬化性肺胞上皮腫は豊富な血流で強く増強し得る。
判断のポイント
結核腫は乾酪性壊死などを反映して内部の造影増強が乏しく、辺縁に増強を認める場合がある。腫瘤全体と中心部の造影を分けて評価する。
鑑別・注意点
活動性の炎症や結核腫も増強するため、低増強なら結核、強い増強なら癌という二分はできない。腫瘍の壊死や石灰化、撮像時相も考慮し、必要に応じて検体診断を行う。
放射線科専門医試験 2007年度 問56
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問56
解答例:d
選択肢別の解説
a|選ばない
肺出血に伴って生じ得るが、最も多い合併症としては気胸を選ぶ。
b|選ばない
針路播種は稀である。頻度が低くても適応や経路選択で考慮する。
c|選ばない
出血性合併症だが頻度は気胸より低い。肋間血管等の損傷に注意する。
d|正しい
穿刺による空気漏れで生じる最も一般的な合併症である。画像上の小気胸とドレーンを要する気胸を区別する。
e|選ばない
稀だが重篤となり得るため、頻度が低いことを監視不要の理由にしない。
判断のポイント
CTガイド下経皮肺生検では気胸が最もよくみられる合併症である。肺気腫、病変の深さ、穿刺経路や針などにより危険が変わる。
鑑別・注意点
小さな画像上の気胸と、胸腔ドレーンを必要とする気胸は区別する。肺出血・喀血のほか、頻度は低くても空気塞栓など重篤な合併症があり、発生頻度だけで監視の要否を決めない。
放射線科専門医試験 2007年度 問57
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問57
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|方向が違う
典型的な左側縦隔血腫では食道・胃管の右方偏位が手掛かりとなる。
b|代表的でない
左胸水・血胸が手掛かりとなる。右側のみの液体は大動脈損傷を示す代表ではない。
c|非特異的
強い外傷を示すが、大動脈損傷の有無を肋骨骨折だけでは判断できない。
d|正しい
固定部と可動部の境界である狭部は減速損傷の好発部位となる。
e|正しい
血腫による縦隔開大が重要な手掛かりである。ただし非特異的で、正常写真でもCTA適応を否定しない。
判断のポイント
減速外傷による胸部大動脈損傷は大動脈狭部に好発する。縦隔陰影の拡大は縦隔血腫を疑う手掛かりとなる。
鑑別・注意点
縦隔拡大は大動脈損傷に特異的ではなく、正常に見えても除外できない。受傷機転と全身状態を踏まえてCTAで内膜損傷、仮性瘤や周囲血腫を評価する。胃管偏位や胸水は方向と部位を確認する。
放射線科専門医試験 2007年度 問58
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問58
解答例:e
選択肢別の解説
a|選ばない
肺動脈への流出が乏しい病態で、典型的な閉塞性肺静脈うっ血とは異なる。
b|選ばない
肺動脈狭窄により肺血流減少が典型である。
c|選ばない
短絡等により肺血流は変わるが、設問では閉塞性TAPVCによる肺水腫を優先する。
d|選ばない
合併するVSDや肺動脈狭窄で血行動態が異なり、名称だけで典型肺水腫を示さない。
e|正しい
心臓下型は肺静脈還流閉塞を伴いやすく、肺水腫で肺野濃度が上がる。重症呼吸障害では緊急評価が必要である。
判断のポイント
心臓下型TAPVCは肺静脈還流の閉塞を伴いやすく、肺うっ血・肺水腫による肺野濃度上昇を来す。心拡大が目立たなくても重い呼吸障害を生じ得る。
鑑別・注意点
病型名だけでなく、垂直静脈の走行、流入先と狭窄・閉塞部位を評価する。非閉塞例と同じ血行動態ではなく、心エコーと必要な血管画像で緊急に確認する。
放射線科専門医試験 2007年度 問59
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問59
解答例:e(代表的な罹患分布として)
選択肢別の解説
a|侵され得る
大動脈弓からの主要分枝として、壁肥厚や狭窄を認めることがある。
b|侵され得る
特に起始部などに病変を生じ、心筋虚血の原因となる。
c|侵され得る
肺動脈病変も知られ、肺高血圧などの原因になる。
d|侵され得る
腎動脈狭窄による高血圧が重要な合併症である。
e|正しい
提示中では代表的好発部位としにくい。ただし末梢病変が絶対に起こらないという意味ではない。
判断のポイント
高安動脈炎は大動脈とその主要分枝を主体とし、総頸・鎖骨下・腎動脈に加え肺動脈や冠動脈も侵し得る。大腿動脈を代表的好発部位とはしにくい。
鑑別・注意点
大腿動脈病変が絶対に起こらないという意味ではない。罹患範囲は病型や集団で異なり、血管壁肥厚と増強、狭窄・閉塞、動脈瘤を系統的に評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問60
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問60
解答例:b(代表的合併症の比較)
選択肢別の解説
a|起こり得る
胸膜近くの病変が破裂すると血胸を生じ得る。
b|正しい
肺膿瘍を代表的合併症とはしない。右左シャントによる脳膿瘍と取り違えない。
c|起こり得る
肺毛細血管で捕捉されない塞栓が体循環へ達し、奇異性脳塞栓を来し得る。
d|起こり得る
感染性物質等が肺の濾過を介さず脳へ到達する危険がある。
e|起こり得る
低酸素血症への代償として赤血球数が増える場合がある。
判断のポイント
肺動静脈奇形では肺毛細血管のフィルターを介さない右左シャントがあり、奇異性塞栓による脳梗塞や脳膿瘍が重要となる。肺膿瘍をこれらと同列の代表的合併症とはしない。
鑑別・注意点
低酸素血症に伴う赤血球増多や、破裂による喀血・血胸を来すこともある。病変数、流入動脈、流出静脈とシャントを評価し、遺伝性出血性毛細血管拡張症の背景も確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問61
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問61
解答例:d(典型的な血流差として)
選択肢別の解説
a|正しい
流れの遅い偽腔には部分または完全血栓化を認めることがある。
b|正しい
偽腔拡大で真腔が圧迫され、分枝灌流障害を来す場合がある。
c|正しい
既存の内膜石灰化が解離して内方へ偏位し、真偽腔の判別を助ける。
d|誤り
典型的には真腔より偽腔の造影が遅れる。入口・再流入部や撮像時相による変化を確認する。
e|起こり得る
血栓化した壁内に真腔から造影剤が突出する所見で、経時的拡大等を評価する。
判断のポイント
偽腔は流れが遅く、真腔より遅れて造影されることがある。偽腔が先に造影されることを一般的な鑑別所見とはしない。
鑑別・注意点
入口部や再流入、偽腔血栓化で造影パターンは変わる。早期相だけで血栓化と判断せず、必要な遅延相、内膜フラップ、石灰化と分枝灌流を照合する。ulcer-like projectionは血栓化した壁内への造影突出として評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問62
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問62
解答例:c、d(典型的経過による比較)
選択肢別の解説
a|選ばない
子宮内・周産期感染によって出生直後から重い呼吸障害を呈する場合がある。
b|選ばない
胎便吸引により出生時から換気障害や肺高血圧を来すことがある。
c|正しい
典型的には出生直後ではなく、早産児がしばらく経ってから呼吸障害を示す経過である。
d|重症度を補った想定解
TTNは出生直後〜数時間で発症するが、多くは一過性で重篤呼吸不全が代表ではない。出生直後に発症しないと説明しない。
e|選ばない
サーファクタント不足によるRDSは出生直後から呼吸障害が進む代表疾患である。
判断のポイント
Wilson–Mikity症候群は、早産児が出生後しばらくして呼吸障害を呈する経過が特徴である。TTNは出生直後から数時間で多呼吸を示すが、多くは一過性で、重篤な呼吸不全を代表像とはしない。
鑑別・注意点
旧解答dを「TTNは出生直後には発症しない」と説明すると誤りになる。TTNにも重症例があり、RDS、感染、胎便吸引や先天性心疾患などを除外して経過を確認する。
放射線科専門医試験 2007年度 問63
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問63
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|選ばない
左右短絡では主に左房・左室の容量負荷となり、提示の右房右室優位とは異なる。
b|正しい
心房レベルの左右短絡で右房・右室容量が増え、肺血流が増加する。
c|選ばない
通常は肺静脈を介する左房・左室容量負荷が重要で、ASD型の右心拡大とは区別する。
d|正しい
肺静脈血の一部が右心系へ戻り、右心の容量負荷と肺血流増加を来す。
e|選ばない
共通房室弁と心房・心室短絡を伴う複雑な病態で、提示の典型的右心優位二疾患とは分ける。
判断のポイント
心房中隔欠損と部分肺静脈還流異常は、右房・右室への容量負荷と肺血流増加を来し得る。動脈管開存などでの左房・左室への容量負荷と対比する。
鑑別・注意点
短絡の大きさ、併存病変と肺血管抵抗により心腔形態や症状は変わる。進行した肺高血圧で短絡逆転を生じる病態まで、常にチアノーゼがないと説明しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問64
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問64
解答例:a、e(悪性を疑う所見として)
選択肢別の解説
a|正しい
棘状に放射する辺縁は癌を疑う重要所見である。瘢痕等の良性原因も確認する。
b|代表的でない
haloは境界明瞭腫瘤の辺縁透亮帯などとして使う語で、乳腺症全般に特有の所見ではない。
c|誤り
乳腺密度や生理変化で病変を捉えにくくなる場合がある。授乳中でも必要な診断は行う。
d|誤り
典型的粗大良性石灰化もあり、形態と分布を合わせて判断する。
e|悪性を疑う
乳管系に沿う区域性分布は疑わしいが、微細線状・分枝状など形態も必要で、分布だけで癌確定とはしない。
判断のポイント
放射状の辺縁や区域性に分布する不審な石灰化は乳癌を疑う手掛かりとなる。石灰化は分布に加え、微細線状・分枝状などの形態も評価する。
鑑別・注意点
区域性ならすべて癌、粗大石灰化ならすべて悪性とは判断しない。術後瘢痕などでも放射状陰影が生じ、授乳期には乳腺密度や生理的変化が診断へ影響するため、追加画像と臨床所見を統合する。
放射線科専門医試験 2007年度 問65
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問65
解答例:dが旧解答(cとの頻度比較は保留)
選択肢別の解説
a|典型ではない
粘液を多く含む病変で、広範な乳管内成分を最も代表とする比較ではない。
b|典型ではない
腫瘤形成を主とする病変で、広範乳管内進展の代表として選ばない。
c|比較が必要
DCISや浸潤癌を伴うことが多く、乳管内病変と無関係とはいえない。旧dとの頻度比較を条件なしに確定できない。
d|旧解答だが保留
乳管内成分の広がりは重要な評価対象である。ただしPaget病との比較を一意に示す資料が不足する。
e|別の進展様式
浸潤性に広がり多中心・両側病変が問題となるが、乳管内成分の代表的進展とは異なる。
判断のポイント
浸潤性乳管癌では乳管内成分の広がりを評価することが重要で、石灰化分布や造影MRIなどが範囲診断を助ける。
鑑別・注意点
一方、乳房Paget病もDCISまたは浸潤癌を伴うことが多く、cが乳管内病変と無関係であるという説明はできない。「乳管内進展を来しやすい」の対象と頻度をこの設問だけで定められず、旧解答dを公式正解として確定しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問66
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問66
解答例:cを支持(単一正解の確定は保留)
選択肢別の解説
a|条件依存
油性造影剤も末梢に到達するが、単独か混合か等で挙動が変わり、物質名だけで最小径を順位付けしない。
b|比較では選ばない
コイルで特定の血管を機械的に閉塞するため、毛細血管まで浸透する硬化剤とは機序が違う。
c|支持するが保留
内皮障害により毛細血管レベルまで作用し得る。ただし投与法等の条件なしに常に最小径とは断定しない。
d|比較では選ばない
粒子の大きさや加工方法で到達部位が変わり、通常は液状硬化剤の毛細血管作用と区別する。
e|条件依存
重合時間、混合比、流速により末梢到達性が変わる。エタノールとの無条件な最小径比較はできない。
判断のポイント
無水エタノールは血管内皮を障害する硬化剤で、毛細血管レベルまで作用し得る。コイルのように特定部位で機械的閉塞を作る物質とは機序が異なる。
鑑別・注意点
到達する血管径は物質名だけでは決まらず、濃度、混合、重合時間、血流や注入方法に左右される。リピオドールやNBCAにも末梢到達性があり、「最も細径」を条件なしで一意に比較しない。非標的塞栓と組織障害の危険も評価する。
放射線科専門医試験 2007年度 問67
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問67
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|通常直接流入
右副腎静脈は短く下大静脈へ直接入る。手技では変異も確認する。
b|正しい
通常は左腎静脈に合流し、下大静脈への直接流入ではない。
c|通常直接流入
右精巣静脈は通常下大静脈へ還流する。
d|正しい
通常は左腎静脈に合流する。左腎静脈から精巣へ流れると逆に説明しない。
e|直接流入する
尾状葉の小肝静脈は下大静脈へ直接還流する。
判断のポイント
左副腎静脈と左精巣静脈は通常、左腎静脈へ流入する。右側の対応静脈は下大静脈へ直接流入することが多い。
鑑別・注意点
静脈還流には重複や異常流入などの変異がある。副腎静脈サンプリングや手術・IVRでは典型的な左右差だけに頼らず、個々の血管を追跡する。尾状葉の小肝静脈は下大静脈へ直接流入する。
放射線科専門医試験 2007年度 問68
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問68
解答例:e(当時の代表的プロトコルとして)
選択肢別の解説
a|誤りの想定
CTHA後の残留造影剤がCTAP評価に影響するため、診断目的の代表的手順ではCTAPを先に行う。
b|通常は誤り
CTAPは上腸間膜動脈などから門脈へ還流させる注入であり、マイクロカテーテルの必須使用を特徴としない。
c|通常は誤り
肝全体の診断では肝動脈近位から評価する。区域枝選択は目的により行う別の条件である。
d|標準とはしない
CTAPは造影濃度と注入量・速度を組み合わせる。提示の高濃度・大容量を全例の標準設定にしない。
e|当時の代表法で正しい
肝動脈注入後の早い相を撮る。原著には6秒開始の例があり、実際の遅延時間は装置と注入条件で変える。
判断のポイント
CTHAは肝動脈へ注入した造影剤の早い動態を捉え、CTAPは経動脈性に門脈血流を造影して評価する。2004年の多相撮像研究では、CTHA早期相を注入開始6秒後、CTAP早期相を25秒後に開始している。
鑑別・注意点
5〜10秒はすべての装置・注入条件に共通する固定値ではない。CTAPを先に行うのはCTHA後の造影剤残留の影響を避けるためで、造影濃度、量、カテーテル位置と撮像時相を一組の条件として評価する。原著の6秒は提示範囲を支持するが、現行の全施設共通の推奨値ではない。
放射線科専門医試験 2007年度 問69
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問69
解答例:c、d
選択肢別の解説
a|典型ではない
HCCの被膜様構造と異なり、胆管癌を通常の被膜形成腫瘍とはしない。
b|典型ではない
肝表面の突出より線維性収縮による被膜陥凹が手掛かりとなる。
c|正しい
豊富な線維性間質により遅延相で内部増強が目立つことがある。
d|正しい
腫瘍による胆道閉塞で上流の末梢胆管が拡張し得る。
e|代表的ではない
脈管浸潤はあるが、明瞭な門脈内腫瘍栓はHCCの方が典型的である。
判断のポイント
腫瘤形成型肝内胆管癌は線維性間質を反映する遅延性濃染や、末梢胆管拡張を示すことがある。辺縁からの増強と後期の腫瘍内部の造影を評価する。
鑑別・注意点
小型病変などには非典型的な増強もあり、遅延性濃染だけで診断を確定しない。肝細胞癌、混合型肝癌、転移などと鑑別し、肝表面の牽引や脈管との関係も確認する。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問70
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問70
解答例:d(非造影CTの代表的比較)
選択肢別の解説
a|非造影では選ばない
造影後は高吸収となるが、本問は単純CTでの正常実質の代表値を比較する。
b|非造影では選ばない
通常は正常肝よりやや低吸収であり、肝脾差が脂肪化評価の参考にもなる。
c|非造影では選ばない
膵実質の値は年齢や脂肪量で変わるが、提示の標準的比較では肝を選ぶ。
d|非造影の前提で正しい
通常の正常肝は脾などより高吸収である。造影相や鉄・脂肪量による変化を含めた普遍的順位ではない。
e|選ばない
通常の胆汁は水に近い低吸収である。濃縮胆汁や出血などの例外は健常の標準比較と分ける。
判断のポイント
正常肝実質は非造影CTでおよそ50〜65 HUを示し、通常は脾より高吸収である。この代表的な単純CTの比較では肝を選ぶ。
鑑別・注意点
CT値は撮像条件、血液や脂肪・鉄の量などで変わる。造影相を指定せずにこの順位を当てはめると不正確になり、造影後の腎実質などとは同じ比較にならない。
放射線科専門医試験 2007年度 問71
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問71
解答例:a
選択肢別の解説
a|正しい
反射体間の繰り返し反射で短い尾状エコーが生じる。胆嚢内結晶等で認める。
b|異なる
腸間膜血管を挟む腫大リンパ節等の構造を表す所見で、多重反射アーチファクトではない。
c|異なる
腸管のひだが並ぶ形態を表す所見で、反射体後方の尾状エコーとは異なる。
d|異なる
病変の見え方の変化等を表す語で、多重反射を示す標準的アーチファクト名ではない。
e|異なる
拡張胆管と門脈枝などが並走する解剖所見で、多重反射による虚像ではない。
判断のポイント
comet-tailは強い反射体の間で起こる多重反射などにより、反射体の後方へ短い尾状のエコーが連なるアーチファクトである。胆嚢腺筋腫症のRAS内のコレステロール結晶などでみられる。
鑑別・注意点
後方エコー増強や音響陰影とは機序が異なる。彗星状に見えるアーチファクトを、由来する物質やring-downとの区別を考えず同じ病変と判断しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問72
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問72
解答例:a、c、dに問題があり、2つの正解は確定できない
選択肢別の解説
a|誤り
自然破裂は稀で、すべての血管腫が破裂しやすいとはしない。大きさと症状等を個別評価する。
b|正しい傾向
出血は重要な合併症で、径や分子型、性ホルモン等でリスクが変わる。
c|誤り
異型結節は慢性肝疾患・硬変の背景で重要となる。非硬変肝好発を典型としない。
d|印字どおりなら誤り
関連するのは結節性硬化症であり、多発性硬化症ではない。この原本表記では誤りが3つとなり二肢指定と矛盾する。
e|正しい傾向
中心瘢痕は特徴的だが、小病変などでは見えないこともある。画像だけで瘢痕必発とはしない。
判断のポイント
肝血管腫の自然破裂はまれであり、破裂しやすいことを一般的特徴とはしない。異型結節は主に慢性肝疾患・硬変肝を背景に評価する。血管筋脂肪腫と関連する代表的な遺伝性疾患は結節性硬化症である。
鑑別・注意点
原PDFの疾患名を画像でも確認したところ、dは多発性硬化症と印字されていた。結節性硬化症との混同が疑われるが、印字どおりなら誤りが3つになり、指定された2つと整合しない。旧解答a、cをそのまま公式正解とはしない。
放射線科専門医試験 2007年度 問73
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問73
解答例:e(典型所見の比較)
選択肢別の解説
a|起こり得る
超音波等で周辺低エコー帯を認めることがあり、被膜や周辺組織との関係を評価する。
b|起こり得る
既存結節内に異なる分化・血流の結節が生じ、多段階発癌を示唆することがある。
c|起こり得る
動脈血流の増加で早期増強することがある。ただし全HCCが多血性ではない。
d|起こり得る
門脈腫瘍栓内の腫瘍血管を示す血管造影所見として知られる。
e|典型比較で正しい
血管腫の血液腔へのプーリングを表す代表所見である。稀なHCCの類似染まりまで否定しない。
判断のポイント
cotton-wool appearanceは、肝血管腫の血液腔へ造影剤がプーリングする血管造影所見として知られる。HCCの代表的所見との比較ではeを選ぶ。
鑑別・注意点
HCCでもまれに血管腫に似た染まりを示す報告がある。nodule-in-nodule、早期濃染や腫瘍栓の血管なども含め、単一のサインだけで組織型を確定しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問74
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問74
解答例:a(出血は重要な合併症として)
選択肢別の解説
a|重要な合併症として正しい
出血を来す場合は近傍仮性動脈瘤等も検索する。全例で頻発するという意味ではない。
b|誤り
MCNは通常、厚い被膜や隔壁を持つ単房〜多房性腫瘤として評価する。
c|一律には誤り
SPNは出血・変性を伴い充実部の増強も時相で変わる。常に強い多血性と固定しない。
d|誤り
分枝型は膵頭部・鉤部に多いが、膵全体にも生じ得る。
e|誤り
房状の嚢胞は分枝型の拡張した分枝管が代表で、主膵管型は主膵管拡張を評価する。
判断のポイント
膵仮性嚢胞は膵炎などを背景に形成され、出血を合併する場合がある。嚢胞内の血液や近傍の仮性動脈瘤を含めて評価する。
鑑別・注意点
出血がすべての仮性嚢胞で頻発するという意味ではない。SPNは充実部と出血性・嚢胞性変化が混在し、造影も時相や成分で変わる。単に充実部が常に多血性であると固定せず、他の膵腫瘍との相対的増強を確認する。
放射線科専門医試験 2007年度 問75
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問75
解答例:b、d
選択肢別の解説
a|一般的には誤り
微小嚢胞の多数の境界面で高エコー・充実様に見えることがある。大型嚢胞主体の型とは区別する。
b|正しい
血管豊富な隔壁が早期に増強し、微小嚢胞型が充実性に見える場合がある。液体自体の濃染ではない。
c|典型が異なる
SCNでは中心瘢痕の星芒状石灰化が特徴で、周辺卵殻状石灰化を基本としない。
d|正しい
微小嚢胞内の液体が強いT2高信号となり、隔壁との対比が分かる。
e|誤り
通常は主膵管と交通しない。交通を示すIPMNとの重要な比較点である。
判断のポイント
microcystic型は小嚢胞が集簇し、T2強調像で高信号を示す。豊富な隔壁や線維成分が早期に造影され、腫瘤全体が充実性に見える場合もある。
鑑別・注意点
造影されるのは嚢胞内の単純な液体そのものではない。中心瘢痕の石灰化と辺縁の卵殻状石灰化を区別し、主膵管との交通を基本所見とはしない。小嚢胞数が少ない型では鑑別が難しくなる。
放射線科専門医試験 2007年度 問76
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問76
解答例:b、e(代表的所見の比較)
選択肢別の解説
a|起こり得る
炎症の後腹膜・腎周囲への進展による低吸収帯などを表す。造影された腎皮質縁とは異なる。
b|正しい
腎梗塞で側副血流により被膜下皮質が造影される所見で、急性膵炎の代表サインではない。
c|起こり得る
局所炎症に伴う近傍腸管の麻痺で拡張したループを認める。
d|起こり得る
膵周辺炎症に関連した結腸ガス分布の途絶を認めることがある。
e|正しい
腸管壁病変等の腎様形態を表す超音波サインで、急性膵炎の代表ではない。
判断のポイント
cortical rim signは腎梗塞で側副血行により被膜下の腎皮質が造影される所見であり、急性膵炎の代表的サインではない。pseudokidney signは腸管壁などの病変でみられる形態的所見として区別する。
鑑別・注意点
急性膵炎では周囲脂肪織への炎症進展、局所腸管麻痺によるsentinel loopやcolon cut-offなどを評価する。腎周囲のrenal haloと、造影された皮質縁のcortical rimを同じ所見と説明しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問77
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問77
解答例:e(典型的な主膵管型IPMNとして)
選択肢別の解説
a|認め得る
線維化や結石等に伴い主膵管の狭窄と上流拡張を認める。
b|認め得る
浮腫や炎症によって膵管が狭くなる場合がある。
c|認めやすい
腫瘍による限局した狭窄・途絶と上流拡張が重要な所見である。
d|認めやすい
比較的長い範囲の狭細化や複数狭窄を評価する。
e|典型比較で正しい
粘液産生に伴う主膵管拡張が基本所見である。狭窄や併存癌があれば別途評価し、狭窄だけでIPMNを否定しない。
判断のポイント
主膵管型IPMNでは粘液産生などに伴う主膵管拡張が重要で、通常型膵癌や自己免疫性膵炎で評価する狭窄とは対比して考える。
鑑別・注意点
IPMNにも限局的な狭窄や併存膵癌があり、狭窄があればIPMNを否定できるわけではない。主膵管径、壁在結節、黄疸や他のリスク所見を総合して判断する。
放射線科専門医試験 2007年度 問78
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問78
解答例:a、c
選択肢別の解説
a|正しい
重なった腸管壁等が同心円状に見える。ただし他の壁肥厚病変にも類似像がある。
b|誤り
footballは大量腹腔内遊離ガスで腹腔輪郭が描かれる所見で、閉鎖孔ヘルニアの名称ではない。
c|正しい
回盲部の狭窄・過敏性で造影剤が残らない所見を表す。Crohn病にも起こり特異的ではない。
d|誤り
ハウストラ消失による鉛管状の大腸は潰瘍性大腸炎で代表的である。
e|誤り
敷石状粘膜は縦走潰瘍等を伴うCrohn病の代表所見である。
判断のポイント
腸重積は横断像で同心円状のtarget signを示す。Stierlin signは回盲部結核で、罹患部への造影剤貯留低下や狭窄した部位を評価するサインとして用いられる。
鑑別・注意点
target様の像は腸管壁肥厚などでも生じ、Stierlin signもCrohn病でみられるため疾患特異的ではない。leadpipe appearanceは潰瘍性大腸炎でのハウストラ消失、cobblestoneはCrohn病の縦走潰瘍などと対応させる。football signは主に大量腹腔内遊離ガスの所見である。
放射線科専門医試験 2007年度 問79
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問79
解答例:aを支持、旧eは対象集団の確認が必要
選択肢別の解説
a|正しい
卵黄管の遺残による真性憩室で、回腸の反腸間膜側に多い。
b|誤り
異所性組織では胃粘膜が代表で、膵が一律最多ではない。
c|誤り
典型的には回腸遠位に位置し、空腸好発ではない。
d|誤り
通常は腸間膜と反対側に生じる。
e|集団差があり保留
出血は重要だが、最多合併症は小児と成人で異なる報告がある。年齢を指定せず全例の最多と断定しない。
判断のポイント
Meckel憩室は卵黄管の遺残による真性憩室で、回腸の反腸間膜側に生じることが多い。異所性胃粘膜などが出血の原因となる。
鑑別・注意点
Mayoの1476例では成人の症候性例は出血、小児は閉塞が最も多く、合併症の順位は年齢や集積方法で変わる。年齢指定のない設問で、出血が全ての集団において最多とするeを一意に確定しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問80
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問80
解答例:b
選択肢別の解説
a|一般的に正しい
従来の比較では結腸軸捻転の代表的最多部位となる。地域や対象集団で割合は変わる。
b|誤り
典型的には高齢男性に多い集団があり、中年女性好発を代表としない。
c|正しい
拡張して折り重なるS状結腸がコーヒー豆様に見える。
d|正しい
捻転部へ向かう先細りの形を造影やCTで認める。
e|条件付きで正しい
虚血・壊死・穿孔や腹膜炎がなければ内視鏡的減圧整復を検討する。危険所見があれば手術を優先する。
判断のポイント
S状結腸軸捻転は高齢者、特に男性に多いとされる地域があり、中年女性に好発するという代表的説明は適切でない。coffee beanやbird’s beakなどの所見を評価する。
鑑別・注意点
地域や背景による年齢差がある。腸管虚血、壊死、穿孔や腹膜炎を疑う場合は、内視鏡整復を一律に優先しない。整復後も再発リスクを踏まえて根治的治療を検討する。
放射線科専門医試験 2007年度 問81
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問81
解答例:d(古典的な先天性内ヘルニアの比較)
選択肢別の解説
a|選ばない
大網の欠損部を通る型で、古典的分類の最多ではない。
b|選ばない
盲腸周囲の陥凹等へ嵌入する型だが、古典的最多型ではない。
c|条件で多くなる
先天性に加え術後欠損を含めると重要な頻度を占める。古典的先天性比較の順位とは区別する。
d|古典的比較で正しい
従来は傍十二指腸型が多く、その中では左側が多い。術後例を含む現在の全内ヘルニアの固定順位ではない。
e|選ばない
女性の広間膜の欠損による比較的稀な型である。
判断のポイント
従来の分類では傍十二指腸ヘルニアが多く、その中では左側が多い。左上腹部の嚢状に集まる腸管と腸間膜血管、周囲臓器との関係を評価する。
鑑別・注意点
現在は胃バイパスなどの術後に生じる腸間膜欠損部の内ヘルニアも重要で、全症例をまとめた頻度が常に同じ順位になるわけではない。閉塞と絞扼の有無を迅速に判断する。
放射線科専門医試験 2007年度 問82
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問82
解答例:b、c(代表的な組合せとして)
選択肢別の解説
a|正しい組合せ
長期透析・末期腎疾患で後天性嚢胞が増える。関連腎癌のリスクも評価する。
b|誤り
骨髄脂肪腫は成熟脂肪と造血組織からなる良性病変で、悪性化を典型としない。
c|誤りの想定
腎AMLの代表的関連は結節性硬化症であり、脳動脈瘤の典型的関連はADPKDなどである。
d|正しい組合せ
集合管拡張に造影尿が入り、乳頭部が刷毛状に見えることがある。
e|正しい組合せ
細胞内脂肪がある腺腫は逆位相で信号が低下する。脂肪に乏しい腺腫は例外となる。
判断のポイント
副腎骨髄脂肪腫は成熟脂肪と造血組織からなる良性腫瘍で、悪性化を代表的性質とはしない。腎血管筋脂肪腫は結節性硬化症などとの関連を評価する。
鑑別・注意点
脂肪を含む副腎腫瘤のすべてが骨髄脂肪腫ではなく、大きさ、出血と非典型成分を確認する。脳動脈瘤の典型的な関連としてはADPKDなどを考え、偶発的な合併が絶対にないとは説明しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問83
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問83
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|選ばない
尿路上皮性病変で、淡明細胞癌ほどの多血性を通常示さない。
b|選ばない
浸潤性で比較的低増強の病変として評価する。
c|正しい
豊富な血管により皮髄相で強い増強を示す代表的腎癌である。
d|比較では選ばない
増強するが通常は淡明細胞型より弱い傾向がある。画像の重なりには注意する。
e|正しい
良性でも多血性を示し得るため、強い増強だけで癌とは確定しない。
判断のポイント
淡明細胞型腎細胞癌とオンコサイトーマは多血性を示す代表的腎腫瘍である。皮髄相の増強とその後の変化を評価する。
鑑別・注意点
両者の画像には重なりがあり、多血性であることだけで良悪性を分けない。嫌色素性腎細胞癌も増強する例があり、同じ造影相と背景腎実質に対する相対的増強を比較する。
放射線科専門医試験 2007年度 問84
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問84
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
子宮頸部腺の貯留嚢胞であり、男性の遺残管嚢胞ではない。
b|誤り
女性尿道周囲腺の導管に由来する嚢胞である。
c|正しい
男性の前立腺後方正中などに生じる遺残管由来の嚢胞である。小室嚢胞との交通・範囲の違いを評価する。
d|誤り
主に女性の腟壁に生じる中腎管遺残の嚢胞である。
e|誤り
女性の腟前庭部の大前庭腺に由来する嚢胞である。
判断のポイント
Müller管嚢胞は男性の前立腺後方正中などにみられる遺残由来の嚢胞である。尿道や精嚢、前立腺上縁との位置関係を確認する。
鑑別・注意点
前立腺小室嚢胞とは年齢、尿道との交通や前立腺上方への広がりなどを比較する。内部に出血や感染、蛋白成分があると単純な液体と異なるMRI信号となり得る。
放射線科専門医試験 2007年度 問85
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問85
解答例:d、e
選択肢別の解説
a|誤り
液体を含み通常はT2高信号である。出血や蛋白などで変化する場合は別に評価する。
b|誤り
粘液等を含む内頸管は線維性間質より高信号として評価する。
c|誤り
通常はT2高信号の層となり、周期で厚さ・信号が変わる。
d|正しい
線維性間質がT2低信号を示し、癌浸潤評価の指標となる。
e|正しい
子宮内膜直下の筋層内帯は通常低信号である。周期や年齢による見え方の差も考慮する。
判断のポイント
子宮頸部の線維性間質と子宮体部のjunctional zoneは、T2強調像で低信号を示す。高信号の子宮内膜や卵胞と対比する。
鑑別・注意点
層構造の見え方は月経周期、年齢、妊娠・産後や撮像条件で変わる。低信号帯の不明瞭化だけで浸潤や腺筋症を確定せず、形態と他の画像を合わせて評価する。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問86
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問86
解答例:a、b(体外検出する放射線の種類として)
選択肢別の解説
a|通常の体外光子検出には使わない
飛程の短い荷電粒子自体を通常のガンマカメラ等で直接画像化しない。治療核種の光子撮像とは別である。
b|直接検出の比較なら該当
PETでは陽電子消滅後の光子を検出し、β粒子そのものを直接検出しない。制動放射撮像等の関与まで否定しない。
c|関与する
核種から放出されたγ光子をガンマカメラやSPECTで検出する。
d|関与する
電子捕獲等に続く特性X線も、核医学の検出可能な光子となる。
e|関与する
PETは陽電子と電子の消滅に伴う光子の同時計数を利用する。
判断のポイント
通常のガンマカメラやPETは、体外へ到達する光子を検出する。γ線、特性X線や消滅放射線と、飛程の短い荷電粒子そのものの検出を区別する。
鑑別・注意点
β線が核医学画像の成り立ちに全く無関係という意味ではない。PETは陽電子放出後の消滅光子を利用し、β線による制動放射を画像化する方法もある。出題の比較は直接検出する光子に限定して読む。
放射線科専門医試験 2007年度 問87
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問87
解答例:a(典型的な集積対象の比較)
選択肢別の解説
a|典型比較で正しい
皮質由来腫瘍であり、交感神経系の取り込み・貯蔵を利用するMIBGの代表標的ではない。
b|集積し得る
カテコラミン取り込み機構を利用する髄質由来腫瘍で、MIBGの代表的対象となる。
c|集積し得る
一部の神経内分泌腫瘍で集積するが、部位・分化度等で感度は異なる。
d|集積し得る
交感神経由来腫瘍の代表的MIBG集積病変である。陰性病変もある。
e|集積し得る
一部で集積するが、すべての症例で高感度という意味ではない。
判断のポイント
MIBGはノルアドレナリンの取り込み・貯蔵機構を利用し、褐色細胞腫や神経芽腫などを評価する。副腎皮質癌は、副腎髄質由来の腫瘍とは区別する。
鑑別・注意点
カルチノイドや甲状腺髄様癌もすべて同じ感度で集積するわけではない。病型、分化度や薬剤の影響があり、陰性像だけで神経内分泌腫瘍を除外しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問88
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問88
解答例:d
選択肢別の解説
a|通常は高め
活動性の腫瘍はFDG集積を示すことが多い。炎症と画像上重なる場合もある。
b|通常は高め
高増殖性でFDG集積が強いことが多く、病期評価にも用いる。
c|通常は検出し得る
大きさや組織背景で集積は変わるが、低集積を代表とする選択ではない。
d|正しい
正常肝に似た代謝特性を保ち、FDGが背景肝と同程度で見えにくい例がある。
e|通常は高め
FDG高集積の代表的リンパ腫であり、病期・治療効果評価に使う。
判断のポイント
高分化型HCCではFDG集積が背景肝と同程度になり、描出が難しいことがある。腫瘍の代謝とFDGのリン酸化・脱リン酸化のバランスが関係する。
鑑別・注意点
HCC全体がFDG陰性という意味ではなく、低分化例や転移で集積が高い場合がある。集積の低さだけで良性とせず、造影CT・MRIの血流所見や臨床背景と照合する。
放射線科専門医試験 2007年度 問89
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問89
解答例:e
選択肢別の解説
a|一律には誤り
FDGは炎症にも取り込まれ、腫瘍と膿瘍を単独で確実に分けられない。薬剤の種類と他画像も必要である。
b|一律には誤り
FDGには限界がある一方、アミノ酸PET等が鑑別を補助する。PET全般が役立たないとはいえない。
c|局在を固定できない
刺激や活動は脳代謝分布に影響するが、安静不足なら常に前頭葉が増えるとはしない。標準環境を保つ。
d|誤り
発作間欠期の側頭葉低代謝は有用な情報で、検出率を一律に低い固定値としない。
e|正しい
後部帯状回・楔前部などの代謝低下は初期ADを支持するパターンである。臨床と構造画像も統合する。
判断のポイント
Alzheimer病では後部帯状回・楔前部や側頭頭頂連合野の代謝低下が重要なパターンとなる。MRI、認知機能と臨床経過に合わせて解釈する。
鑑別・注意点
腫瘍再発と放射線壊死の鑑別にはPETが補助となる場合があるが、FDGだけでは炎症などとの重なりがある。てんかんの検出能も発作型、投与時期や解析法で変わり、病巣検出率を一律10%としない。
放射線科専門医試験 2007年度 問90
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問90
解答例:b
選択肢別の解説
a|誤り
主にノルアドレナリン輸送・貯蔵機構を利用する。単なる血流分布製剤ではない。
b|正しい
粒子が肺の小血管に一過性に捕捉され、流入した血流の分布を反映する。
c|誤り
骨ミネラル表面への吸着を利用する。網内系の異物処理とは異なる。
d|誤り
糖輸送とリン酸化による保持を利用し、核酸代謝の直接指標ではない。
e|誤り
アミノ酸輸送と代謝等を利用し、特定受容体への結合だけで説明しない。
判断のポイント
99mTc-MAAは肺の細動脈・毛細血管床に一過性に捕捉され、肺血流分布を反映する。この機械的捕捉を、FDGの糖代謝やMIBGの交感神経系取り込みと区別する。
鑑別・注意点
MDPは骨への吸着、メチオニンはアミノ酸輸送・代謝などを利用し、単に受容体結合と対応させない。MAAは粒子数や右左シャント、肺高血圧などを考慮し、薬剤量と粒子数を同じ量として扱わない。
放射線科専門医試験 2007年度 問91
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問91
解答例:c
選択肢別の解説
a|誤り
放射性ヨウ素標識でも、前処置は遊離ヨウ素による甲状腺被ばくを抑える遮断が中心で、ヨウ素制限とは目的が逆である。
b|誤り
脳血流評価の薬剤で、甲状腺ヨウ素取り込み評価の食事制限と同じ前処置ではない。
c|正しい
安定ヨウ素負荷が甲状腺への取り込みを下げるため、食事・薬剤・造影剤歴を確認する。
d|誤り
脂肪酸代謝製剤の前処置を甲状腺ヨウ素取り込み検査と混同しない。原本の核種表記も現行製剤と照合する。
e|誤り
副腎皮質製剤で、甲状腺への遊離ヨウ素取り込みを防ぐ遮断と食事制限を区別する。原本の核種表記に注意する。
判断のポイント
放射性ヨウ化ナトリウムによる甲状腺評価では、安定ヨウ素の負荷が取り込みへ影響するため、食事、薬剤やヨード造影剤の使用歴を確認する。
鑑別・注意点
MIBGなどで行う安定ヨウ素による甲状腺遮断とは目的が異なる。ヨウ素を含む標識製剤すべてへ同じ制限を適用しない。旧資料の核種表記と現行の製剤名・添付文書も照合する。
放射線科専門医試験 2007年度 問92
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問92
解答例:b
選択肢別の解説
a|比較では選ばない
臓器取り込みと機能は影響され得るが、腎排泄と骨代謝異常の影響が直接大きい骨シンチを選ぶ。
b|正しい
腎排泄の遅延で背景が上がり、腎性骨異栄養症や異所性石灰化も分布を変える。
c|影響はある
排泄や背景の影響があっても、設問の最も代表的な比較では骨シンチを選ぶ。
d|影響はある
心疾患などを合併すれば像は変わるが、腎排泄遅延を主とする骨製剤ほどの比較対象ではない。
e|影響はある
腎機能によるヨウ素排泄変化はあり得る。全く影響がないとはいわず、提示比較では骨シンチを選ぶ。
判断のポイント
骨シンチ製剤は腎排泄され、腎機能低下で排泄遅延や軟部組織のバックグラウンド上昇を生じる。腎性骨異栄養症や転移性石灰化も分布へ影響する。
鑑別・注意点
腎不全での軟部組織集積をすべて同じ機序にせず、カルシウム・リン代謝、撮像時刻と他の画像を確認する。腎描出や背景の変化を、単に骨転移の増加・減少と誤認しない。
参考文献
放射線科専門医試験 2007年度 問93
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問93
解答例:e
選択肢別の解説
a|選ばない
通常は正常唾液腺に比べ取り込み欠損となり、強い集積を典型としない。
b|選ばない
強い過テクネチウム酸保持を特徴とする代表腫瘍ではない。
c|選ばない
形態や神経周囲進展を評価し、強い機能性集積を代表所見としない。
d|選ばない
病型だけで集積を完全否定しないが、本問の強い取り込みの代表ではない。
e|正しい
取り込みと刺激後の保持を示す代表腫瘍である。ただしサイズ等で陰性もあり、組織診断の代替にはしない。
判断のポイント
Warthin腫瘍は過テクネチウム酸を強く取り込み、唾液分泌刺激後も保持することがある。耳下腺の病変位置と形態画像に対応させる。
鑑別・注意点
集積は必発ではなく、病変サイズや組織成分に影響される。陽性像だけで組織型を確定せず、生理的集積や他の集積性病変を鑑別する。
放射線科専門医試験 2007年度 問94
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問94
解答例:a(年齢のみで効果を低いとする説明を修正)
選択肢別の解説
a|誤り
若年であることは低効果の一般的理由ではなく、集積性の微小肺転移などで良い反応が期待される。
b|一般的傾向
骨転移は大きな病変では縮小しにくく、集積性や局所治療の必要性を個別評価する。
c|条件付きで正しい
ヨウ素を取り込む微小肺転移は奏効しやすい。分化度と線量制約等を確認する。
d|過敏症の種類を区別
造影剤や食品への反応だけではヨウ化物製剤の反応を予測しない。投与薬そのものの過敏症は別途評価する。
e|表現に注意
分化型癌の治療では甲状腺切除後の残存組織とTSH刺激を評価する。全員にホルモン休薬が必須という意味にはしない。
判断のポイント
若年であることを131I治療の効果が小さい理由とはしない。ヨウ素集積を示す小さな肺転移は奏効が期待され、腫瘍の分化度、病変量と集積性を評価する。
鑑別・注意点
骨転移への効果は病変により異なる。治療前の甲状腺切除・残存組織の評価とTSH刺激を区別し、甲状腺ホルモン休薬がすべての患者の必須条件とはしない。海産物やCT造影剤への反応と、投与製剤自体の過敏症も同一視しない。
放射線科専門医試験 2007年度 問95
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問95
解答例:c、e
選択肢別の解説
a|誤り
骨集積には通常MDP等の標識骨製剤を用いる。遊離過テクネチウム酸とは分布が違う。
b|誤り
肺血流にはMAA等の粒子捕捉を使い、遊離過テクネチウム酸の正常分布ではない。
c|正しい
胃粘膜に取り込まれ、異所性胃粘膜の検索にも利用する。
d|誤り
肝網内系のコロイド等と区別する。遊離過テクネチウム酸の代表的臓器集積ではない。
e|正しい
唾液腺に取り込まれて唾液へ排泄され、機能評価にも使う。
判断のポイント
過テクネチウム酸は甲状腺のほか、唾液腺や胃粘膜に生理的に集積する。唾液腺機能評価や異所性胃粘膜の検索などにもこの性質を利用する。
鑑別・注意点
同じ99mTcでも標識化合物が変われば分布は変わる。骨や肺への集積を、MDPやMAAの標識化合物と区別し、遊離過テクネチウム酸による不純物の分布も確認する。
放射線科専門医試験 2007年度 問96
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問96
解答例:d
選択肢別の解説
a|通常は誤り
脳などの体循環臓器への集積は右左シャント等を考える。上大静脈閉塞の側副路と同一視しない。
b|誤り
標準MAAの粒子は通常この平均径より小さい。大きさだけでなく粒子数と患者条件も確認する。
c|誤り
欠損の末梢に灌流が残る所見はその部位で非塞栓性の原因を示唆する。患者全体のPEを除外する所見ではない。
d|正しい
区域性の血流低下に換気が保たれる不一致が重要である。形態と事前確率を合わせる。
e|誤り
通常は仰臥位で複数の呼吸中にゆっくり投与する。深吸気息止めを標準条件としない。
判断のポイント
肺血栓塞栓では換気が保たれた区域に血流欠損を認める換気血流不一致が重要となる。肺区域に沿う形態と臨床的な事前確率を合わせて判断する。
鑑別・注意点
stripe signは欠損の外側に灌流が残る所見で、その部位の非塞栓性欠損を示唆するが患者全体のPEを除外しない。MAAは通常、仰臥位で複数呼吸にわたり投与し、深吸気息止めを標準としない。粒子数・サイズとシャントも確認する。
放射線科専門医試験 2007年度 問97
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問97
解答例:d
選択肢別の解説
a|適切
負荷時の灌流異常から虚血の存在を調べる。ただし多枝均衡虚血等の限界がある。
b|適切
可逆性欠損の範囲や重症度、心機能などからリスク評価を補助する。
c|適切
再血行再建前後の灌流を比較し、虚血改善や残存を評価する。
d|誤り
逆流の程度と心腔機能、症状等を心エコー中心に評価して手術を判断する。血流シンチだけでは決めない。
e|条件付きで適切
製剤とプロトコルを選び、生存心筋を評価する。すべての負荷像単独でバイアビリティを確定できるわけではない。
判断のポイント
心筋血流検査は虚血の存在、範囲・重症度や治療後の評価に役立つ。僧帽弁逆流症の手術適応は、逆流の程度、症状、左室・左房機能などを心エコー中心に評価する。
鑑別・注意点
心筋バイアビリティ評価は用いる製剤・プロトコルに依存し、すべての負荷検査だけで生存心筋を確定できるわけではない。灌流の異常だけで冠血行再建や弁手術の適応を自動的に決めない。
放射線科専門医試験 2007年度 問98
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問98
解答例:a、d
選択肢別の解説
a|誤り
FDG高集積型では骨・骨髄病変も強く集積し得る。骨病変全般を低集積としない。
b|正しい
FDG高集積組織型ではリンパ節と節外病変の病期・効果判定に重要となる。
c|補助となる
硬膜病変を描出することはあるが、頭蓋内背景等の制約があり造影MRIと統合する。陰性でも除外しない。
d|誤り
炎症性疾患も高集積を示し、FDGだけでサルコイドーシスと確実に鑑別できない。必要なら検体で確認する。
e|傾向として条件付き
低悪性度群で低い例は多いが、濾胞性等の高集積型もあり、組織型を確認する。
判断のポイント
FDG高集積リンパ腫では骨・骨髄病変も集積し得て、病期や治療効果判定に役立つ。サルコイドーシスなどの炎症性疾患にも集積するため、FDGだけで確実に鑑別できるとはいえない。
鑑別・注意点
集積は悪性度の名称だけでなく組織型に依存し、低悪性度でも高集積の病型がある。頭蓋内・硬膜病変は造影MRIなどと統合し、PET陰性だけで浸潤を除外しない。生検部位選択にPETが役立つ場合もある。
放射線科専門医試験 2007年度 問99
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問99
解答例:b、c(原発巣の検出という比較)
選択肢別の解説
a|選ばない
再発や転移など選択した目的で有用である。早期・小型病変や粘液成分では限界がある。
b|正しい比較
小型や一部組織型は集積が弱く、原発巣を通常PETだけで十分評価できない。
c|正しい比較
尿中の強いFDGが膀胱壁病変の検出を妨げる。転移評価などの役割まで否定しない。
d|選ばない
病期や再発評価に有用なことが多い。ただし小型や置換性・粘液性腺癌では低集積となり得る。
e|選ばない
進行例の全身病変評価に有用である。微小病変を全て検出できるわけではない。
判断のポイント
胃癌は組織型や病変サイズによってFDG集積が低く、膀胱原発巣は尿中排泄されたFDGの影響で評価が難しい。通常のFDG-PETだけに依存しない。
鑑別・注意点
これらの癌にPETの役割が全くないわけではなく、転移検索などでは有用な場合がある。胃癌での低集積をすべての病型へ広げず、膀胱癌も検査目的や排尿・撮像条件による限界を踏まえる。
放射線科専門医試験 2007年度 問100
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問100
解答例:e(リンパ節用アルブミンコロイドとの比較)
選択肢別の解説
a|実施場所の表現に注意
注入・撮像・術中探査を含めると場所は異なる。放射性物質を扱える施設と手順が必要で、全過程をRI検査室内に限定するとは読まない。
b|誤り
シンチは最初の流入節をマッピングする。集積の有無だけで転移の存在は確定しない。
c|誤り
消化管領域でも臨床研究等があり、対象となる可能性を一律に否定しない。承認や標準適応とは区別する。
d|誤り
リンパ流の最初の到達節であり、距離が最短の節とは限らない。
e|製剤を限定して正しい
スズコロイドは通常アルブミンナノコロイドより大きい。肺血流用MAAと比較しているわけではなく調製条件でも粒径が変わる。
判断のポイント
スズコロイドは一般にアルブミンナノコロイドより粒子が大きく、粒子径はリンパ管への移行やリンパ節保持へ影響する。引用した製剤比較研究では、調製に用いる溶液量で粒径に差があり、各製剤の有効期間内には有意な経時変化を認めなかった。
鑑別・注意点
センチネルリンパ節は腫瘍から最初にリンパ流を受ける節で、幾何学的に最も近い節とは限らない。検査はリンパ流マッピングが目的で、集積だけで転移を確定しない。アルブミンコロイドと肺血流用MAAの大凝集粒子も区別する。