基礎(1-5)

1,

解答:c,e

  • a:地磁気は約46,000nT=46μT=0.046mT。
  • b:ケミカルシフトアーチファクトは磁場が大きいほど大きい。
  • e:立ち入り制限区域=漏洩磁場は 0.5 mT 以内。

漏洩磁場強度が0.5mTを超えないような立ち入り制限区域をMR装置周辺に設定し、警告を表示する。(日本医学放射線学会「放射線診療事故防止のための指針Ver.4」より引用)

chemical shift artifactが強くなる条件
  • 静磁場強度が大きい
  • ピクセル当たりのバンド幅が狭い。
  • ピクセルが大きい。
クエンチ
  • 液体ヘリウムが温まると気化(蒸発)が起こる。これをクエンチという。
  • 強制排気が作動する安全装置が作動し、部屋の外に排出される。
  • ただし、この強制排気システムに故障が起こると、酸欠状態になるため、なるべく早く換気をして、患者を検査室外へ誘導する。
第二次水準管理操作モード

一つ又は複数の出力が患者に重大なリスク(危険)を与える可能性のある値に達し,明確な倫理的承認を必要とするMR 装置の操作モード。http://www.baic.jp/reference/pdf/s1_overview.pdfより引用。

 

2,

解答:e

  • e:グリッドを使うと被ばく量は増える。被ばく低減のためにグリッドをはずすことあり。

 

3,

解答:d

  • a:超音波は圧電素子(PZT:チタン酸ジルコン鉛など)に電圧をかけることにより発生する。
  • b:距離分解能は、超音波ビームの進行方向に沿って前後に存在する2点を識別する能力。周波数が高いほど良くなる。一方、方位分解能は超音波ビームの進行方向に垂直に並んだ2点を識別する能力で、超音波のビームパターンに関連する。
  • c:振動数が大きいと到達距離が短くなる。
  • d:音速は温度によるので一定。

 

4,

解答:e

 

5,

解答:a

 

整形(6-11)

6,

解答:b

Hangman 骨折
  • C2の両側の上下関節突起間部の骨折。
  • 頚椎の過度の進展と牽引によっておこる不安定で重篤な骨折。
  • 神経症状をきたすことはない。
  • 重症度により3つのタイプに分類される。
Chance骨折
  • 胸腰椎に強い前屈が加わった結果起こる椎体と神経弓の水平骨折。
  • シートベルトを腰だけに巻いた状態で衝突した場合に起こりやすい。
Jefferson 骨折
  • 第1頚椎の垂直方向の圧迫による前弓と後弓の粉砕型の骨折。
  • 骨折自体は安定しており、環椎横靭帯の損傷がなければ神経症状を呈することはない。
  • X線では、開口位像で、環椎側塊部が外側に変位し、軸椎側塊部の上で張り出して見える。
  • 側面像では、環椎歯突起間距離が広がっていることあり、これが7mm以上の場合、不安定と診断する。
Teardrop 骨折
  • 頚部の過伸展もしくは過屈曲による骨折。
  • 過伸展の場合は、第2頚椎前下縁の前縦靭帯の付着部での裂離骨折が生じる。
  • 過屈曲は、第5頚椎で生じやすく脱臼骨折を伴うため、神経学的に重篤になることが多い。
  • 神経孔や椎骨動脈孔に骨折が及んでいるかの評価にはCTによる評価が重要。
Clay shoveler 骨折 (粘土シャベル骨折)
  • C6,7,Th1のいずれかの棘突起の剥離骨折。
  • 急激に屈曲すると僧帽筋や菱形筋にストレスが加わり、その結果上棘靭帯に力が伝わって棘突起が骨折する。
  • 安定骨折の一つ。
頸椎損傷の安定、不安定の関係

【安定】

  • 前方亜脱臼
  • 一側性関節突起脱臼
  • 単純楔状骨折
  • 破裂骨折
  • C1後弓骨折
  • clay-shoveler骨折

【不安定】

  • 両側性関節突起脱臼
  • teardrop骨折
  • hangman骨折
  • Jefferson骨折

 

7,

解答:b

  • Ⅱ型は骨幹端に及ぶ骨端軟骨の骨折。
Salter-Harris 分類
  • 小児期での成長板(骨端線)の損傷の分類に用いる。
  • 治療方針や予後推定に重要とされる。
  • 骨折線が骨端線を介してどの方向に及ぶかで分類する。
  • Ⅱ型が最多。数字が大きくなるにつれ予後不良となる。
  • 単純X線による評価であるが、MRIを追加すると、潜在骨折が見つかることあり。

 

8,

解答:c

 

9,

解答:b,c?→c,e

  • T1WIでは月状骨に低信号あり。→キーンベック病?だとしたらSTIRで高信号になっててほしい。
  • STIRでは有頭骨を中心に、有鉤骨にも一部高信号ありか。
  • a:舟状骨は画像には写っていない。
  • d:尺骨過長(ulna plus variant)症例に好発するのはTFCC損傷。TFCC損傷は見られない。

問題9はキーンベック病のステージIII期ではないでしょうか。ステージIIIであれば月状骨のSTIRで信号が低下するようです(上肢の画像診断 p214)。III期ではX線で月状骨圧潰が確認できるので、従ってこの問題の解答はc、eではないでしょうか。

NERU先生ありがとうございます!!!

有鉤骨鉤骨折
  • テニスやゴルフ、バドミントンのグリップなどが小指球部に衝突することにより生じる骨折。ラケットを振り損ねたときなどに起こる。
  • 単純X線での診断は困難なことが多く見逃されやすい骨折の一つ。
  • MRIでの報告は少ない。CTの再構成は骨折線を明瞭に描出でき有用。

     

    10,

    解答:e?→c

    正解はcの骨化性筋炎だと思いますがいかがでしょうか。Helmsの骨関節画像診断入門によると骨化性筋炎と悪性腫瘍のどちらも骨膜反応は認められるとされ、また骨膜性骨肉腫はspicula様の骨膜反応を認め傍骨性骨肉腫と異なり軟部腫瘤内に粗大な石灰化を有することはない、と記載があります。また本症例では石灰化が腫瘤辺縁に認められており、骨化性筋炎に特徴的だと思います。

    レントゲン:左上腕骨に接して、化した腫瘤が認められる。上腕骨に沿った骨膜反応が認められる。
    CT:上腕骨と連続して、縁主体の骨硬化像を伴った病変が認めらる。

    →骨化性筋炎を疑う所見。

    • d:傍骨性骨肉腫は辺縁よりも中心部で石灰化が強い。好発年齢は20-30歳代と、通常型よりやや高い。
    • e:骨膜性骨肉腫ではspicula様の骨膜反応が見られる。

    osk先生ありがとうございます!

     

    11,

    解答:b

    • 骨端部に骨硬化縁を有する骨融解病変あり。周囲は脂肪抑制T2WIにて異常な高信号あり。

     

    頭頸部(12-21)

    12,

    解答:e

    • 橋の中央に造影される部位あり。T2*WIにて信号低下軽度あり。
    毛細血管拡張症capillary telangiectasia
    • に最も多く発生し、テント上・脊髄にも見られる。
    • MRIではT2*強調像で低信号を呈することが診断に有用とされている。

     

    13,

    解答:a

    • 蝸牛周囲に透亮像を認める。窓型の耳硬化症を疑う所見。

     

     

    14,

    解答:b

    • 胸髄に広範な異常高信号域あり。脊髄の前後にはドット状の血管を疑う所見が散見されており、脊髄硬膜動静脈瘻を疑う所見。
    脊髄疾患(T2WIで高信号)の鑑別
    • 腫瘍
    • 脊髄空洞症
    • 圧迫性病変による脊髄症
    • 炎症・脱髄・代謝性疾患
    • 脊髄梗塞
    • spinal AVFなどの血管障害

     

    15,

    解答:b

    • 右前頭葉に腫瘤性病変あり。壁はT1WIで高信号、T2WIで低信号を呈する。周囲に著明な浮腫性変化あり。典型的な脳膿瘍。

    ※T2WIで低信号は脳膿瘍に特徴であり、Mφの産生するフリーラジカルによる。

     

     

    16,

    解答:b

    • 両側淡蒼球にT1WIにて高信号あり。

     

     

    17,

    解答:c

     

     

    18,

    解答:e(d?)

    • 両側後頭葉および小脳半球にFLAIRで異常高信号あり。異常高信号はU-fiberにも及んでいる。

       

      19,

      解答:e

      • 前頭葉および側頭葉の著明な萎縮の割に、高位円蓋部は脳溝は非常にtight。いわゆるDESHの所見。

       

      20,

      解答:a,d

      髄鞘化の年齢と部位の関係
      • 生後3ヶ月までに髄鞘化:小脳白質、内包後脚、側脳室周囲、中心溝周囲白質。
      • 生後6ヶ月までに髄鞘化:視放線、脳梁膨大部。

       

      21,

      解答:d,e

      • 左の後頭葉〜頭頂葉に皮質下出血あり。T1WIにて高信号、T2WIにて内部低信号、周囲淡い高信号を認めている。
      • T2WIで低信号はデオキシヘモグロビンを示唆するが、T1WIで高信号はメトヘモグロビンを示唆。なので、デオキシヘモグロビン→メトヘモグロビンへと移行している3-7日前後か。メトヘモグロビンは細胞内にある時期。
      • a:× 溶血はまだ生じていない。溶血は7日〜。
      • b、c:3-7日前後。マクロファージによる貪食は慢性期。
      • e:消去法でこれを残すしかない。細胞内メトヘモグロビン>デオキシヘモグロビンと判断する。

       

      胸部(22-31)

      22,

      解答:c

      • 前縦隔腫瘍。石灰化あり。成熟奇形腫。

       

      23,

      解答:a

      • 他は扁平上皮癌でありそう。

       

      24,

      解答:c

       

       

      25,

      解答:c

      • 前縦隔にin-oppossed phaseにて信号低下する腫瘤あり。
      胸腺過形成
      • chemical shift MRIを用いた場合、10歳を越える頃より脂肪含有を示す信号強度の低下が見られる。(まだらな脂肪織を含む点が成人の胸腺の特徴。過形成も同様)
      • 逆に信号低下が見られない場合、胸腺腫や悪性リンパ腫などの腫瘍性病変を疑う。

       

      26,

      解答:b

      • 小葉中心性の淡い結節影が両側びまん性にあり。aやeの可能性もゼロではないが、分布は小葉中心性であり、またエピソード(7月、1ヶ月前から)からも過敏性肺臓炎が最も疑わしい。

       

      27,

      解答:e?

       

       

      28,

      解答:b

       

      29,

      解答:b

      • 両側上肺野優位に境界明瞭な多発結節あり。

       

      30,

      解答:e

      • 急性好酸球性肺炎はほとんどの症例で2週間以内に喫煙を開始した既往あり。
      AEPの画像所見
      • CEPと異なりランダムに分布。肺の内層優位に分布する。
      • びまん性すりガラス影広義間質肥厚(小葉間隔壁の肥厚。気管支血管束の肥厚)が特徴。これに加え、結節影や小粒状影を伴うことが多い。

       

      31,

      解答:e

      • 右胸膜の厚い石灰化あり。それに連続して、胸壁および胸腔内〜肺実質にかけて軽度造影効果を有する腫瘤影あり。結核性膿胸に合併した悪性リンパ腫を疑う所見。

       

      心血管(32-37)

      32,

      解答:d?

      • 肋骨骨折、気胸あり。左上葉にはconsolidationの広がりあり。縦隔血腫あり?

       

      33,

      解答:a,e

      • 左房と右房の連続あり。→心房中隔欠損。
      • 上大静脈へ流入する血管あり。おそらく肺静脈。→部分肺静脈還流異常。
      • 部分肺静脈還流異常の20-25%に心房中隔欠損の合併あり。

       

      34

      解答:e

      • 右室の拡大あり。また壁の菲薄化あり。右室壁内に低吸収のモロモロあり→右室壁内脂肪沈着。
      不整脈源性右室心筋症
      • 右室の心筋が脂肪あるいは線維組織に進行性に置き換わっていく原因不明の心筋症。
      • 右室原発のVfにより、動悸やめまい、失神で発症。突然死の原因となる。
      • 発生頻度は5000人に1人。
      • 男女比は3:1。
      • 画像所見は、右室の拡張・菲薄化、右室心筋内の脂肪組織、右室自由壁のscalloping

      参考)この画像を見たらほぼ決まり P88-89

       

      35,

      解答:b,c?

       

      36,

      解答:b

      冠動脈瘻
      • 比較的稀な血管奇形。先天性心疾患の0.5%以下。
      • 右冠動脈(60%)から心腔内や肺動脈などの異常な部位に直接開口する。
      • 連続性に心雑音が聴取されることあり。
      • 成人期になり、異常血管が拡張し、左-右シャント量が増加すると、心不全症状や心筋虚血症状を呈するが、多くは無症状。
      • シャント量が多かったり、心筋虚血症状が強いものは治療対象。
      • 治療は瘻孔閉鎖術、コイル塞栓術。

       

      37,

      解答:a

      • 上行大動脈および腕頭動脈、左鎖骨下動脈、総頸動脈に内膜肥厚あり。造影後期相にてdouble ring signあり。高安動脈炎を疑う所見。

       

      乳腺(38-40)

      38,

      解答:d

      • 濃度が高いのでカテゴリー3以上。
      • 腫瘤は円形〜類円形で、辺縁は一部不整だが、spicula(カテゴリー5)とまではいかない。

      マンモグラフィーで腫瘤があったとき、

      • 境界明瞭平滑→内部に粗大石灰化を有する、明らかに脂肪を含む→カテゴリー2
      • 境界明瞭平滑→上記でない場合→カテゴリー3。ただし、乳腺実質の少ない乳房において高濃度の場合はカテゴリー4。
      • 微細分葉状、境界不明瞭カテゴリー4。ただし形状や濃度、背景乳腺などにおうじて、カテゴリー3や5になることもある。
      • スピキュラを伴うカテゴリー5。スピキュラが明瞭でない場合、中心濃度が低い、小さい場合はカテゴリー4。

       

      39,

      解答:b→e

      嚢胞内乳癌
      • 嚢胞内に乳頭状に増殖する。
      • 組織型は非浸潤性と浸潤性があり前者の方が多い。
      • 嚢胞内の液体成分が血性の場合、ニボー像を呈する。ニボー像を呈する場合は癌の可能性が高い。

      2019年7月19日追記

      39ですが、嚢胞内乳頭腫ではないでしょうか。液面形成は悪性病変で頻度が高いですが、乳頭腫でも認められるため、嚢胞の境界が明瞭であることや、内部の結節の急峻な立ち上がりから、嚢胞内乳頭腫>嚢胞内癌ではと考えます。臨床画像 2018-09 p6を参考にしました。

      嚢胞内腫瘍1)
      • 嚢胞内腫瘍の形態を呈するものの多くは、乳管内乳頭腫や非浸潤性乳管癌。わずかな浸潤があれば微小浸潤癌に分類される。
      • 充実部分の壁からの立ち上がりが急峻なものは良性、平坦やなだらかなものは悪性の可能性が高い。
      • 液状部分に出血や液面形成を伴う場合があり、悪性でその頻度はより高い傾向にある。

      1)臨床画像 Vol.34 No9 2018 P5

      NERU先生ありがとうございます!

       

      40,

      解答:b

      • 右乳腺内に境界明瞭圧排性に増殖する腫瘤あり。T2WIにて著明な高信号を呈し、ダイナミックにて緩徐に造影されている。
      • エコーでは、境界明瞭、楕円形の形状を呈し、辺縁は平滑。内部は中心部は底エコーで、辺縁は概ね均一。後方エコーの増強を認めている。
      • いずれも粘液癌を示唆する所見。

       

      小児(41-43)

      41,

      解答:e,b

      • 右の肺野の全体的な透過性低下あり。異物誤嚥か。2歳の子供にeが可能かどうかは別にしてeか。

       

      42,

      解答:e

       

      43,

      解答:e

      • 両側側脳室の著明な拡張および脳室周囲に石灰化あり。
      • 先天性サイトメガロウイルス感染症:脳室周囲石灰化が特徴的。参考)トキソプラズマ症では実質内に石灰化ができる。
      • Dandy-Walker 奇形(症候群):第4脳室の嚢胞と小脳虫部の低形成からなる。水頭症を合併することがある。

       

      腹部(44-64)

      44,

      解答:e

      • 左の閉鎖孔に腸管あり。閉鎖孔ヘルニアの所見。緊急手術が必要。

       

      45,

      解答:d

      • MRCPにて胆管の多発狭窄(数珠状)、限局性拡張あり。潰瘍性大腸炎もあり原発性硬化性胆管炎(PSC)を疑う。PSCに合併しやすいので、胆管癌、PBCに合併しやすいのがHCC。

       

      46,

      解答:c,d?

      • 子宮内腔に多房性の嚢胞性病変あり。一部T1WIで高信号域あり。同部位はDWIで高信号、ADCの信号低下軽度あり、FDG-PETではややずれているようにも見えるが集積あり?
      • 腫瘍マーカーのCA19-9 48U/ml(正常37以下)とやや増大あり。
      • 以上から内膜ポリープはありそう。あとは、子宮体癌か?

       

      47,

      解答:d?a?

      • 右腎の腹側にもう一つ腎があるよう。後方エコーの減弱あり。pseudokidney sign(低エコーの全周性壁飛行と内部高エコー)。消化管悪性腫瘍や腸重積で見られる。
      • 消化管悪性腫瘍にしてはドップラーが目立つ、腸重積か?

       

      48,

      解答:d,e

      • 1枚目:両側腎にまだらな造影不良域あり。
      • 2枚目:腹部大動脈周囲に造影不良な軟部陰影あり。後腹膜線線維症を疑う所見。
      • 発熱や腹痛がないことからa,bは否定的。IgG4関連腎病変に加えて、あとは悪性リンパ腫か。

       

      49,

      解答:b

      • 動脈相にて肝にまだらなびまん性の造影効果あり。
      早期相での肝実質のモヤモヤな染まり
      • 動脈血流が増加した状態。
      • ①炎症→肝炎、胆管炎
      • ②血行動態の異常→門脈血流低下(門脈圧亢進、門脈閉塞)

      主にこの3病態を考える。

       

      50,

      解答:b

      • 下行結腸に広範な粘膜下相の肥厚あり。臨床症状からも虚血性腸炎を疑う所見。

       

      51,

      解答:c

      • 膵頭部に緩徐に造影される腫瘤あり。MRCPにて高信号を呈しており、「染まる水」であるSCNの特徴。

       

      52,

      解答:e

      • 恥骨背側に嚢胞性病変あり。尿道憩室を疑う所見。

       

      53,

      解答:d

      • 肝にびまん性高吸収あり。心不全および不整脈治療中とのことで、アミオダロン肝を疑う所見。

         

        54,

        解答:c

        • 肝部の下大静脈を認めず。

         

        55,

        解答:c

        • 膵頭部に多血性腫瘤あり。
        • SCNは「染まる水」なので染まってよい。
        • AVMも造影される。
        • PNETは多血性膵腫瘍の代表。
        • 転移であっても、元の腫瘍が多血性であるRCCも多血性となる。

         

        56,

        解答:c

        • 小腸重積になっている。a,b,dはいずれもその原因になると考えられる。
        • Peutz-Jeghers症候群も小腸に多発ポリープを生じ、重積の原因となる。

         

        57,

        解答:d→b

        • 腎動脈造影にて拡張した血管から下大静脈の描出あり。腎動静脈奇形を疑う。

        放射線科医先生から

        renal AVFの合併症としてhigh-output heart failureが知られています。jugular vein distensionも起こります。この症例では「発熱」が関係が薄いのではないでしょうか。参考文献”High-output heart failure secondary to arteriovenous fistula”Hemodial Int. 2011 Jan;15(1):104-7. doi: 10.1111/j.1542-4758.2010.00518.x. Epub 2011 Jan 12.

        ありがとうございました。

         

        58,

        解答:b?

        • 皮下に結節あり。腹腔内(小腸内か)に造影される結節ありか。

         

        59,

        解答:a,b

        • 腎動脈の近位には狭窄がないが、遠位側には数珠状の狭窄あり。線維筋異形成(FMD:fibromuscular dysplasia)を疑う所見。
        • FMDの腎動脈以外の好発部位は。頸動脈、椎骨動脈らしい。

         

        60,

        解答:a,e

        • CT下ガイド下肺生検の頻度が高い合併症は肺胞内出血と気胸。
        • 他のものもありうるが頻度は低い。合併症は、気胸、血痰、出血、播種、空気塞栓による脳梗塞・心筋梗塞。

         

        61,

        解答:d

        • 肝に嚢胞性病変あり。肝内胆管も拡張あり。冠状断像では、嚢胞の中に索状の構造あり。これが門脈索か。また腎嚢胞あり。ただし、常染色体優性遺伝性嚢胞腎にしては腎腫大を認めていない。Caloli病と思われる。

         

        62,

        解答:b

        • 大腸内視鏡で100個を超える多発ポリープ→家族性大腸腺腫症。
        • 家族性大腸腺腫症の合併症は、大腸癌、胃や十二指腸の腺腫、顎骨腫、網膜色素斑、デスモイド、甲状腺癌、子宮癌など。

         

        63,

        解答:d

        • 膵内にエコーで多発結節。
        • MRIでは、膵尾部にDWIにて高信号を示し、ダイナミックにて緩徐に造影される腫瘤あり。多発とあるが、尾部くらいしかはっきりしない?頭部にもある?腫瘤形成性膵炎?MCNにしては染まっている。
        • MUC1陽性:IPMN
        • 卵巣様間質:MCN
        • 腺房細胞由来:腺房細胞癌くらい?
        • 花筵状線維化:IgG4関連、自己免疫性膵炎
        • 好酸球の著明な浸潤:IgG4関連、自己免疫性膵炎

        補足:e 好酸球性膵炎?

        64,

        解答:a,d?

        • エコーにて肝臓および脾臓に異常を指摘された。
        • 肝S7/6辺縁に緩徐に染まる腫瘤あり。脾臓に多数緩徐に染まる結節あり。肺野には小葉中心性の粒状影。気管支血管束の肥厚もありか。

         

        核医学(65-80)

        65,

        解答:e

        • 後部帯状回〜楔前部、側頭頭頂部、前頭葉に血流低下あり。
        • DLBにしては後頭葉の血流低下なし。

         

        66,

        解答:d

        • ドパミントランスポーターシンチグラフィ。123I-ioflupane。ダットスキャン®。これによりDLBの診断能が上がっただけでなく、PDか否かの鑑別にも有用となった。

         

        67,

        解答:c

        • H/M比の低下が認められる。
        H/M比の低下を認める疾患
        • 糖尿病
        • 心不全
        • 虚血性心疾患
        • 不整脈疾患
        • びまん性レビー小体病(パーキンソン病、レビー小体型認知症)、
        • 家族性アミロイドーシス、
        • MSA

         

         

        68,

        解答:b?

        Myocardial scintigraphy

        • 短軸像。中隔から前壁、一部下壁にも異常低下あり。中隔および前壁の一部で再分布がある。梗塞+虚血の混在のパターンか。LAD領域がメイン。
        負荷-安静検査の心筋SPECTパターン

        負荷で集積低下の後、安静にて、

        ①改善=完全再分布=「誘発虚血
        ②一部改善=不完全再分布=「梗塞と虚血の混在」
        ③不変=固定制欠損=「梗塞」
        ④さらに低下=逆再分布=「再灌流後、正常と異常の心筋の混在」

        69,

        解答:a

        • 甲状腺機能亢進症があり、99mTcO4にて甲状腺右葉に著明な集積亢進あり。Plummer病を疑う所見。

         

        70,

        解答:a,c

        • 頸部単純CTにて正中に高吸収域あり。また本来甲状腺のある部位に甲状腺を認めず、異所性甲状腺の疑い。甲状腺を描出するには、99mTcO4123I-NaI。

         

        71,

        解答:d

        • 両側末梢優位に血流欠損あり。

        参考)抗精神病薬と静脈血栓症のリスク:nested case-control study

         

        72,

        解答:b

        • 両側肺に著明な集積あり。両側腎にも集積あり。あとは脾、脳にも軽度の集積あり。
        • 肺血流シンチグラフィの全身像での腎臓、脳、脾臓の描出は、右一左シャントの存在を示唆する。 特に腎、脾>肝が特徴。
        右-左シャント
        • 先天性心疾患(ファロー四徴、総肺静脈灌流異常、三尖弁閉鎖、大動脈弓離断、左心低形成症候群、完全大血管転位、純型肺動脈閉鎖、Ebstein奇形、両大血管右室起始、単心室、左右シャントのEisenmenger化(心房中隔欠損、心室中隔欠損、心内膜 床欠損、動脈管開存など)など)
        • 肺動静脈瘻
        • 肺動静脈奇形
        • 肝硬変に伴う肝肺症候群など。

        参考)2012年放射線科診断専門医試験問題&解答解説の68

         

        73,

        解答:a

        • 左腎下極に集積不良域あり。腎瘢痕が疑われる。

         

        74,

        解答:d

        • 胸部X線陰影で異常を指摘された→肺癌を示唆。
        • 骨皮質への線状、対称性の集積亢進所見を認め、Linear cortical sign、Pericortical signと呼ばれる。この所見は肥大性骨関節症のほか、GSH産生肺癌でも見られる。
        • 肥大性骨関節症は肺癌患者に多い。

        75,

        解答:a,e

        • 骨シンチで心臓に集積あり。本来心臓には集積されない。
        • 心筋炎、心アミロイドーシス、急性期心筋梗塞、石灰化などを示唆する。

         

        76,

        解答:a

        • 両側肩に集積あり。
        褐色脂肪への集積
        • 褐色脂肪細胞の生理的集積:寒冷、やせ型、女性、若年者鎖骨上窩、傍椎体、心臓周囲、横隔膜周囲、後腹膜などにも見られる。寒冷刺激により反応し熱生産を行なう結果、FDGが集積するとされる。

        ※褐色脂肪細胞に集積を認めたことを確認してから体を温めても遅延像で消えるわけではない。従って、褐色脂肪細胞の刺激中枢である首や肩、掌に寒冷刺激を与えないようにすることが重要。つまり、冬期には該当する女性患者に、十分な保温をし、来院するよう指導が必要。

         

        77,

        解答:a

        • 上行結腸に異常集積あり。集積は局所的で、CTでも全周性の壁肥厚あり。腸炎を疑うような長さは認めておらず、CTで憩室炎も認めない。素直に大腸癌。

         

        78,

        解答:c,e

        • 左の閉鎖リンパ節に集積あり。
        • また仙骨前の子宮にも集積あり。双角子宮と思われる。子宮内膜への生理的な集積と思われる。

         

        79,

        解答:b→d

        • 99mTc-sestamibi →MIBIシンチのこと。心筋血流シンチのほか、副甲状腺シンチとして用いられる。細胞内の集積はミトコンドリアの量と細胞膜の電位差に依存するとされている。

        2017年5月20日追記

        • 123I-MIBGシンチグラフィの生理的集積:唾液腺、鼻腔、甲状腺、肝臓、心臓、膀胱。
        • 67Ga-citrateシンチグラフィの生理的集積:鼻腔、涙腺、唾液腺、肝臓、肝臓、腸管、骨髄、精巣、乳腺。肺門部に対称性の集積が認められることもある。

        今回は、後腹膜腫瘤の他、唾液腺、肝臓、膀胱に集積を認めているので123I-MIBGシンチグラフィで後腹膜腫瘤は褐色細胞腫か。

        ふらふら帝国先生ありがとうございました!

         

        80,

        解答:c,d→c,e→cのみ?

        • 右腋窩に集積あり。センチネルリンパ節と考えられ、リンパ節郭清が必要。
        • ○印部は注射部位と考えられる。

        dorogamekun先生ありがとうございました!

        eですが、このシンチグラムでは集積した部位がセンチネルリンパ節と分かるだけであって、このリンパ節を生検して転移があった時にはじめて腋窩リンパ節郭清が必要になる、と言えるのではないでしょうか?

        →おっしゃる通りだと思います。doroganikun先生ありがとうございました。

        ということで、答えはcのみということになるかとも思われます。

        センチネルリンパ節シンチ
        • 癌の原発巣からリンパ流を直接受けるリンパ節をガンマプローブで検出する手法である。転移かどうかは診断できない。あくまで直接リンパ流を受けるリンパ節がわかるだけ。そこを生検してはじめて転移か否かわかる。
        • センチネルリンパ節とは癌の原発巣からのリンパ流を直接うけるリンパ節。複数個あることもあり、癌の原発巣に最も近いリンパ節とは限らない。

        ・粒子の大きい放射性医薬品の方がリンパ節に停滞しやすい。○
        ※大きい方が停滞しやすいが、痛いらしい。
        ※スズコロイドとフチン酸があるがスズコロイドの方が大きい。

        • 2個以上検出された場合には腫瘍に近い方をセンチネルリンパ節とは定義しない。
          ※近いかどうかは関係ない。癌細胞から直接リンパ流を受けるリンパ節のこと。
        • 乳癌と悪性黒色腫に保険適応あり。